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  • 特開-半導体記憶装置 図1
  • 特開-半導体記憶装置 図2A
  • 特開-半導体記憶装置 図2B
  • 特開-半導体記憶装置 図3
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024140416
(43)【公開日】2024-10-10
(54)【発明の名称】半導体記憶装置
(51)【国際特許分類】
   G11C 16/28 20060101AFI20241003BHJP
【FI】
G11C16/28
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023051548
(22)【出願日】2023-03-28
(71)【出願人】
【識別番号】320012037
【氏名又は名称】ラピステクノロジー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】大貫 健司
【テーマコード(参考)】
5B225
【Fターム(参考)】
5B225EE02
5B225EE05
5B225EJ09
5B225FA02
(57)【要約】
【課題】複数のメモリセルを含んで構成される半導体記憶装置において、データの判別精度を確保しつつメモリセルの面積を相補型よりも小さくする。
【解決手段】半導体記憶装置は、記録された1ビットのデータに応じた電流が流れるメモリセルと、各々がメモリセルと同一構造を有する複数のセルを直列に接続して構成されるリファレンスセルと、メモリセルに流れる電流と、リファレンスセルに流れる電流の比較結果に基づいて、メモリセルに記録されたデータを判別する判別回路と、を含む。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
記録された1ビットのデータに応じた電流が流れるメモリセルと、
各々が前記メモリセルと同一構造を有する複数のセルを直列に接続して構成されるリファレンスセルと、
前記メモリセルに流れる電流と、前記リファレンスセルに流れる電流の比較結果に基づいて、前記メモリセルに記録されたデータを判別する判別回路と、
を含む半導体記憶装置。
【請求項2】
複数の前記メモリセルに対して、1つの前記リファレンスセルが設けられた
請求項1に記載の半導体記憶装置。
【請求項3】
複数の前記メモリセルによって構成されるブロック毎に、1つの前記リファレンスセルが設けられた
請求項2に記載の半導体記憶装置。
【請求項4】
前記メモリセルは、
フローティングゲートを有するメモリトランジスタと、
前記メモリトランジスタに直列に接続され、制御信号に応じてオン状態となる選択トランジスタとを含む
請求項1に記載の半導体記憶装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
開示の技術は、半導体記憶装置に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体記憶装置に関する技術として、以下の技術が知られている。特許文献1には、同一のワード線選択信号および同一のカラム選択信号により選択される2組の書き込み可能な不揮発性メモリセルを1ビット分として多数個のメモリセルが設けられたメモリセルアレイと、上記2組のメモリセルアレイが各対応して接続されているビット線対を介して上記2組のメモリセルに相補的なビットデータを書き込む手段と、上記ビット線対の電位差を増幅して読み出しデータを判定する差動増幅型センスアンプと、を含む半導体記憶装置が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平01-263997号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
互いに異なる電荷蓄積状態に保持された2つのセルによって1ビットのデータを記録する相補型の半導体記憶装置が知られている。2つのセルのうちの1つは、正セルであり、他の1つは補セルである。正セル及び補セルには、それぞれビット線を介してセンスアンプを含む判別回路が接続されている。各セルに流れる電流は、判別回路によって比較される。正セル及び補セルのうち、電荷を蓄積したセルに流れる電流は相対的に小さく、電荷を蓄積していないセルに流れる電流は相対的に大きい。両セルの電流の比較結果に基づいて、当該メモリセルに記録された1ビットのデータが「0」なのか「1」なのかが判別される。
【0005】
相補型の半導体記憶装置は、互いに異なる電荷蓄積状態に保持される2つのセル(正セル及び補セル)によって1ビットのデータを記録する。メモリセルに記録された1ビットのデータは、正セル及び補セルに流れるセル電流の大小関係によって判別される。相補型の半導体記憶装置によれば、単一のセルによって1ビットのデータの記録するものと比較して、データの判別精度が高くなる。一方、相補型の半導体記憶装置によれば、1ビットのデータの記録を2つのセルを用いて行うので、1ビットのデータの記録を単一のセルを用いて行うものと比較してメモリセルの面積が顕著に大きくなる。
【0006】
開示の技術は、上記の点に鑑みてなされたものであり、複数のメモリセルを含んで構成される半導体記憶装置において、データの判別精度を確保しつつメモリセルの面積を相補型よりも小さくすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
開示の技術に係る半導体記憶装置は、記録された1ビットのデータに応じた電流が流れるメモリセルと、各々が前記メモリセルと同一構造を有する複数のセルを直列に接続して構成されるリファレンスセルと、前記メモリセルに流れる電流と、前記リファレンスセルに流れる電流の比較結果に基づいて、前記メモリセルに記録されたデータを判別する判別回路と、を含む。
【発明の効果】
【0008】
開示の技術によれば、複数のメモリセルを含んで構成される半導体記憶装置において、データの判別精度を確保しつつメモリセルの面積を相補型よりも小さくすることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】開示の技術の実施形態に係る半導体記憶装置を構成するメモリブロックの構成の一例を示す回路図である。
図2A】メモリセル電流及びリファレンスセル電流の温度特性の一例を示す図である。
図2B】メモリセルの経年劣化に伴うメモリセル電流及びリファレンスセル電流の変化を示す図である。
図3】比較例に係るメモリブロックの構成の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、開示の技術の実施形態の一例を、図面を参照しつつ説明する。なお、各図面において同一または等価な構成要素及び部分には同一の参照符号を付与し、重複する説明は省略する。
【0011】
図1は、開示の技術の実施形態に係る半導体記憶装置を構成するメモリブロック10の構成の一例を示す回路図である。開示の技術の実施形態に係る半導体記憶装置は、電気的にデータを消去及び書き換え可能な不揮発性メモリであり、EEPROM(Electrically EPROM)に分類されるものである。メモリブロック10は、記録されたデータの読み出し単位を構成するものである。すなわち、半導体記憶装置に記憶されたデータは、メモリブロック10の単位で読み出される。半導体記憶装置は、図1に示すメモリブロック10と同じ構成の複数のメモリブロックを有する。1つのメモリブロック10は、複数のメモリセル20と、1つのリファレンスセル30と、1つの判別回路40を含んで構成されている。
【0012】
メモリセル20の各々には、1ビットのデータを記録することが可能である。メモリセル20に記録されたデータの読み出し時において、メモリセル20の各々には、自身に記録された1ビットのデータに応じた電流が流れる。メモリセル20の各々は、選択トランジスタ21及びメモリトランジスタ22を有する。選択トランジスタ21は、メモリトランジスタ22に直列に接続されている。すなわち、選択トランジスタ21はドレインがローカルビット線12に接続され、ソースがメモリトランジスタ22のドレインに接続されている。選択トランジスタ21は、ゲートに入力される制御信号に応じてオン状態となる。
【0013】
メモリトランジスタ22は、フローティングゲート及びコントロールゲート(いずれも図示せず)を有する。メモリトランジスタ22のフローティングゲートにおける電荷蓄積状態が、当該メモリセル20に記録された1ビットのデータに対応する。メモリセル20にデータ「0」を書き込む場合には、メモリトランジスタ22のソースとドレインをグランド電位としてコントロールゲートに高電圧を印加する。これにより、電荷がメモリトランジスタ22のトンネル酸化膜を貫通してフローティングゲートに蓄えられる。一方、メモリセル20にデータ「1」を書き込む場合には、コントロールゲートをグランド電位とし、ドレインとソースに電圧を印加することでフローティングゲートに蓄積された電荷を放出させる。すなわち、フローティングゲートに電荷が蓄積されている状態がデータ「0」に対応し、フローティングゲートに電荷が蓄積されていない状態がデータ「1」に対応する。データの書き込み時におけるコントロールゲートへの電圧印加は、書き込み端子24を介して行われる。
【0014】
メモリセル20に記録されたデータを読み出す場合には、選択トランジスタ21のゲートに制御信号を供給することによって選択トランジスタ21をオン状態に維持しつつ、メモリトランジスタ22のコントロールゲートに一定の電圧を印加して、メモリトランジスタ22に電流を流す。フローティングゲートに電荷が蓄積されていない場合、すなわち、メモリセル20に記録されたデータが「1」である場合には、メモリトランジスタ22に比較的大きい電流が流れる。一方、フローティングゲートに電荷が蓄積されている場合、すなわち、メモリセル20に記録されたデータが「0」である場合には、メモリトランジスタ22には電流は殆ど流れない。データの読み出し時におけるコントロールゲートへの電圧印加は、制御端子23を介して行われる。メモリブロック10を構成する複数のメモリセル20の各々の制御端子23は、共通のワード線11に接続されている。
【0015】
複数のメモリセル20の各々は、ローカルビット線12に接続されている。ローカルビット線12上には、選択的にオン状態に制御されるスイッチ50が設けられている。スイッチ50がオン状態に制御されることで、対応するメモリセル20がデータの読み出し対象として選択され、判別回路40に接続される。ローカルビット線12の各々は、グローバルビット線13に接続されている。データの読み出し時において、メモリトランジスタ22に流れる電流(以下、メモリセル電流Iと称する)は、選択トランジスタ21、ローカルビット線12及びグローバルビット線13を介して判別回路40によって検出される。
【0016】
リファレンスセル30は、メモリセル20と同一の構造を有する、直列接続された2つの単位セル30A及30Bを有する。すなわち、単位セル30A及び30Bは、それぞれ、選択トランジスタ21と同一構造且つ同一サイズのトランジスタ31と、メモリトランジスタ22と同一構造且つ同一サイズのトランジスタ32とを有する。単位セル30Aのトランジスタ31のドレインは、リファレンスビット線14に接続され、単位セル30Aのトランジスタ32のソースは、単位セル30Bのトランジスタ31のドレインに接続さている。単位セル30A及び30Bのそれぞれの制御端子33に接続されるワード線11は、メモリブロック10を構成する複数のメモリセル20の各々の制御端子23に接続されるワード線11と共通である。
【0017】
単位セル30A及び30Bにおいて、トランジスタ31はドレインとゲートが接続されており、常時オン状態とされている。また、単位セル30A及び30Bは、トランジスタ32のフローティングゲートに電荷が蓄積されていない状態(すなわち、トランジスタ32に電流が流れる状態)に維持される。メモリセル20に記録されたデータを読み出す場合、リファレンスセル30に流れる電流(以下、リファレンスセル電流Irefと称する。)は、リファレンスビット線14を介して判別回路40によって検出される。
【0018】
リファレンスセル電流Irefの電流経路は、メモリセル20と同一構造を有する直列接続された2つの単位セル30A及び30Bによって形成されるので、リファレンスセル電流Irefの電流経路の抵抗は、メモリセル電流Iの電流経路の抵抗の約2倍である。したがって、リファレンスセル電流Irefの大きさは、メモリセル20にデータ「1」が記録されている場合のメモリセル電流Iの大きさの約半分(1/2)である。
【0019】
判別回路40は、メモリセル電流I及びリファレンスセル電流Irefを増幅するセンスアンプ(図示せず)を含んで構成されている。判別回路40は、メモリセル電流Iと、リファレンスセル電流Irefの大きさを比較する。判別回路40は、メモリセル電流Iとリファレンスセル電流Irefの比較結果に基づいて、メモリセル20に記録されたデータが「0」であるのか「1」であるのかを判別する。判別回路40は、メモリセル電流Iがリファレンスセル電流Irefよりも大きい場合には、メモリセル20にデータ「1」が記録されていることを示す判別結果を出力し、メモリセル電流Iがリファレンスセル電流Irefよりも小さい場合には、メモリセル20にデータ「0」が記録されていることを示す判別結果を出力する。
【0020】
図2Aは、メモリセル電流I及びリファレンスセル電流Irefの温度特性の一例を示す図である。図2Bは、メモリセル20の経年劣化に伴うメモリセル電流I及びリファレンスセル電流Irefの変化を示す図である。図2A及び図2Bに示すように、リファレンスセル電流Irefの大きさは、メモリセル20にデータ「1」が記録されている場合のメモリセル電流Iと、メモリセル20にデータ「0」が記録されている場合のメモリセル電流Iの中間の大きさである。
【0021】
リファレンスセル30は、メモリセル20と同一構造を有する2つの単位セル30A及び30Bによって構成される。これにより、図2Aに示すように、リファレンスセル電流Irefの温度特性は、メモリセル電流Iの温度特性と傾向が一致する。これにより、リファレンスセル電流Irefの大きさが、メモリセル20にデータ「1」が記録されている場合のメモリセル電流Iと、メモリセル20にデータ「0」が記録されている場合のメモリセル電流Iの中間の大きさにある状態が使用温度範囲の全域において維持される。
【0022】
また、図2Bに示すように、メモリセル20の経年劣化に伴うリファレンスセル電流Irefの変化は、メモリセル電流Iの変化と傾向が一致する。これにより、リファレンスセル電流Irefの大きさが、メモリセル20にデータ「1」が記録されている場合のメモリセル電流Iと、メモリセル20にデータ「0」が記録されている場合のメモリセル電流Iの中間の大きさにある状態が全使用期間において維持される。
【0023】
ここで、図3は比較例に係るメモリブロック10Xの構成の一例を示す図である。比較例に係るメモリブロック10Xは、複数の相補型のメモリセル60を有する。メモリセル60は、それぞれ、正セル61及び補セル62を有する。正セル61及び補セル62は、互いに同じ構成であり、選択トランジスタ21及びメモリトランジスタ22を含んで構成されている。正セル61及び補セル62が、互いに異なる電荷蓄積状態に保持されることにより、各メモリセル60において1ビットのデータが記録される。
【0024】
正セル61及び補セル62は、それぞれビット線12A、12Bを介して判別回路40に接続されている。各セルに流れる電流は、センスアンプを含む判別回路40によって比較される。正セル61及び補セル62のうち、電荷を蓄積したセルに流れる電流は相対的に小さく、電荷を蓄積していないセルに流れる電流は相対的に大きい。両セルの電流の比較結果に基づいて、当該メモリセル60に記録された1ビットのデータが「0」なのか「1」なのかが判別される。
【0025】
比較例に係る半導体記憶装置によれば、メモリセル60に記録されたデータは、互いに異なる電荷蓄積状態に保持された正セル61及び補セル62に流れる電流の大小関係によって判別されるので、単一のセルによって1ビットのデータの記録するものと比較して、データの判別精度が高くなる。一方、比較例に係る半導体記憶装置によれば、1ビットのデータの記録を2つのセル(正セル61及び補セル62)を用いて行うので、1ビットのデータの記録を1つのセルを用いて行うものと比較してメモリセルの面積が顕著に大きくなる。
【0026】
一方、開示の技術の実施形態に係る半導体記憶装置は、メモリブロック10を構成する複数のメモリセル20が1つのリファレンスセル30を共有し、各メモリセル20が補正セルを含まない構成とされている。したがって、相補型のメモリセル60を有する比較例に係る半導体記憶装置と比較してメモリセルの面積を小さくすることができる。
【0027】
また、開示の技術の実施形態に係る半導体記憶装置によれば、判別回路40によって検出される電流差が、比較例に係る半導体記憶装置と比較して小さくなる。しかしながら、上記したように、リファレンスセル電流Irefの大きさが、メモリセル20にデータ「1」が記録されている場合のメモリセル電流Iと、メモリセル20にデータ「0」が記録されている場合のメモリセル電流Iの中間の大きさとなる状態が、使用温度範囲の全域及び全使用期間において維持されるので、判別回路40におけるデータの判別精度を確保することができる。すなわち、開示の技術の実施形態に係る半導体記憶装置によれば、データの判別精度を確保しつつメモリセルの面積を相補型よりも小さくすることが可能となる。
【0028】
以上の実施形態に関し、更に以下の付記を開示する。
(付記1)
記録された1ビットのデータに応じた電流が流れるメモリセルと、
各々が前記メモリセルと同一構造を有する複数のセルを直列に接続して構成されるリファレンスセルと、
前記メモリセルに流れる電流と、前記リファレンスセルに流れる電流の比較結果に基づいて、前記メモリセルに記録されたデータを判別する判別回路と、
を含む半導体記憶装置。
【0029】
(付記2)
複数の前記メモリセルに対して、1つの前記リファレンスセルが設けられた
付記1に記載の半導体記憶装置。
【0030】
(付記3)
複数の前記メモリセルによって構成されるブロック毎に、1つの前記リファレンスセルが設けられた
付記2に記載の半導体記憶装置。
【0031】
(付記4)
前記メモリセルは、
フローティングゲートを有するメモリトランジスタと、
前記メモリトランジスタに直列に接続され、制御信号に応じてオン状態となる選択トランジスタとを含む
付記1から付記3のいずれか1項に記載の半導体記憶装置。
【符号の説明】
【0032】
10、10X メモリブロック
20 メモリセル
21 選択トランジスタ
22 メモリトランジスタ
30 リファレンスセル
30A、30B 単位セル
40 判別回路
図1
図2A
図2B
図3