(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024140419
(43)【公開日】2024-10-10
(54)【発明の名称】き電吊架線の延線ガイド装置及びき電吊架線の張り替え工事方法
(51)【国際特許分類】
B60M 1/28 20060101AFI20241003BHJP
H02G 1/06 20060101ALI20241003BHJP
【FI】
B60M1/28 N
H02G1/06
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023051551
(22)【出願日】2023-03-28
(71)【出願人】
【識別番号】000001890
【氏名又は名称】三和テッキ株式会社
(72)【発明者】
【氏名】竹田 良太
【テーマコード(参考)】
5G352
【Fターム(参考)】
5G352CA05
5G352CD09
5G352CD11
5G352CE05
5G352CJ01
(57)【要約】
【課題】き電吊架線を可動ブラケット上に円滑に延線することができるき電吊架線の延線ガイド装置を提供する。
【解決手段】延線ガイド装置1は、可動ブラケット101の水平主パイプ102上に取り付けられたクリート104の下部材105上に固定される本体2と、それの上部に取り付けられる吊り上げ支持部材3とを具備する。本体2は、下部材105の1対のボルト105aで下部材105に固定される門型のフレーム4と、フレーム4上に方形に組まれ、電吊架線Fを挿通させて延線をガイドする3つの定置ローラ5,6,7と1つの開閉ローラ8とを含む4つのガイドローラを具備する。吊り上げ支持部材3の工具掛け部31に掛けた吊り上げ工具107で開閉ローラ8上に延線されたき電吊架線Fの荷重を除去したうえで開閉ローラ8を開放し、き電吊架線Fをクリート104の下部材105上へ吊り下ろす。
【選択図】
図8
【特許請求の範囲】
【請求項1】
可動ブラケットの水平主パイプ上に取り付けられる、上部材と下部材とからなるクリートのうちの下部材の上に、き電吊架線を延線する工事に用いられる延線ガイド装置であって、
前記水平主パイプ上に取り付けられた前記クリートの下部材から起立する1対のボルトにより当該下部材上に固定される門型のフレームと、当該フレーム上に方形に組まれて支持され内側に前記き電吊架線を挿通させて延線をガイドする少なくとも4つのガイドローラとを具備する本体と、
前記フレームの上部に着脱自在に取り付けられる吊り上げ支持部材とを具備し、
前記フレームは、それぞれ前記クリートの下部材の両側部を前記水平主パイプに対して上方へ垂直に延び下端部間が前記クリートの下部材側へ開放する第1及び第2の1対の脚部と、当該1対の脚部の上端部間を接続し前記水平主パイプの軸線に平行な上辺部とからなり、
前記ガイドローラは、それぞれ前記クリートの下部材における前記水平主パイプの軸線に対して直交方向の外側面より外側に位置して、前記フレームの両脚部および上辺部に配置されて当該フレームに軸支される3つの定置ローラと、一端が前記第1の脚部の下端部に当該脚部に平行な垂直軸周りに回動自在に枢着され他端が前記第2の脚部の下端部に係脱自在に支持されかつ自身の軸線回りに回転自在で前記垂直軸周りの水平回動により前記第1及び第2の脚部の下部間を開閉自在の開閉ローラとからなり、
前記吊り上げ支持部材は、前記フレームの上辺部に下端部が着脱自在で、上部に前記ガイドローラの配列より外側へ張り出す工具掛け部を具備し、
前記4つのガイドローラ間に通して延線される前記き電吊架線を前記工具掛け部に係止された吊り上げ工具で引き上げ、当該き電吊架線の荷重を除去したうえで前記開閉ローラを開放し、当該き電吊架線を前記クリートの下部材上へ吊り下ろし操作可能としたことを特徴とするき電吊架線の延線ガイド装置。
【請求項2】
前記フレームにおける前記き電線の延線方向の一側と他側に、それぞれ前記4つのローラが支持されることを特徴とする請求項1に記載のき電吊架線の延線ガイド装置。
【請求項3】
可動ブラケットの水平主パイプ上に支持部材を介して既設の吊架線又は既設のき電吊架線である既設吊架線が支持されると共に、当該既設吊架線の下方に位置して曲線引き金具により既設のトロリ線が支持されている電車線路において、前記既設吊架線を新たなき電吊架線である新き電吊架線に張り替える工事の方法であって、
前記可動ブラケットの水平主パイプ上に、前記支持部材に隣接して前記新き電吊架線を挟持するための上下部材からなるクリートの下部材を取り付ける第1の工程と、
前記下部材から起立する1対のボルトにより、当該下部材上に、請求項1に記載の延線ガイド装置の本体を固定する第2の工程と、
前記延線ガイド装置の4つの前記ガイドローラの内側に前記新き電吊架線を通して延線する第3の工程と、
前記延線ガイド装置の工具掛け部に前記吊り上げ工具を掛けて前記開閉ローラ上の前記新き電吊架線を引き上げることにより、当該新き電吊架線の荷重を除去する第4の工程と、
前記第4の工程に続いて、前記開閉ローラを開放操作して、前記フレームの1対の脚部間を下方へ開放することにより、前記新き電吊架線を前記クリートの下部材上に置く第5の工程と、
前記第5の工程に続いて、前記延線ガイド装置の本体を前記クリートの下部材から取り外す第6の工程と、
前記第6の工程に続いて、前記クリートの下部材上に前記上部材を取り付けて当該下部材との間で前記新き電吊架線を挟持する第7の工程と、
前記第7の工程に続いて、前記可動ブラケット上の前記曲線引き金具の位置を変更し、支持する前記トロリ線の位置を前記新き電吊架線の鉛直下方位置に配置する第8の工程とを含むことを特徴とする工事方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電車線路においてトロリ線へ電力を供給するき電線と、ハンガを介してトロリ線を支持する吊架線との2つの機能とを兼ね備えたき電吊架線を可動ブラケット上に延線する工事において、き電吊架線の延線をガイドする装置と、これを用いて、既存のき電吊架線又は吊架線を新たなき電吊架線に張り替える工事の方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ケーブルトレイやケーブルラック等の敷設路に電力用ケーブルや制御用ケーブルを敷設する際に用いられるケーブル延線用ガイドローラとして、例えば特許文献1に記載されたものが提案されている。この装置は、4つのローラを方形に配置してなり、4つのローラ間にケーブルを通し、所定距離導いた後に、遠隔操作でガイドローラを開き、ケーブルをケーブルラック等の敷設路に自動的に敷設するものであり、 門型のフレームからなるフレームの両脚部のうち一方の端にアーム付き回動体が枢着される。そのアーム付き回動体に開放ローラの一端が軸支される。開放ローラの他端は、他方の脚部の端に挿脱自在に装着される。そして、アームに係止されたロープ等の可撓性条材を引くことで、回動体と共に開放ローラを回動させ、開放ローラの他端を他方の脚部から離脱させることで、開放ローラを開き、延線されたケーブルを4つのローラ間から脱出させる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
例えば、き電線と別に、トロリ線を吊る吊架線を併架する一般的なシンプルカテナリ吊架方式から、き電線自体に吊架線の機能を持たせるき電吊架方式に架線吊架方式を変更する工事においては、電車の運行を止めないように、既設の吊架線とトロリ線を可動ブラケットに支持したまま、短時間のうちに手順よくき電吊架線を延線する必要がある。また、き電吊架線は、可動ブラケットという特殊な支持物の上に支持金具を介して支持されるため、上記従来のケーブル延線用ガイドローラをそのまま、き電吊架線の延線工事に適用することができない。
従って、本発明は、き電吊架線を可動ブラケット上に円滑に延線することができるき電吊架線の延線ガイド装置と、これを用いて、既設吊架線から新き電吊架線へ、又は既設き電吊架線から新き電吊架線へ張り替える工事の方法を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
以下の説明において添付図面の符号を参照するが、本発明はこれに限定されるものではない。
上記課題を解決するための、本発明の延線ガイド装置1は、可動ブラケット101の水平主パイプ102上に取り付けられたクリート104の下部材105上に固定される本体2と、当該本体2の上部に着脱自在に取り付けられる吊り上げ支持部材3とを具備する。本体2は、クリート104の下部材105から起立する1対のボルト105aにより下部材105上に固定される門型のフレーム4と、このフレーム4上に方形に組まれて支持され、内側にき電吊架線Fを挿通させて延線をガイドする少なくとも4つのガイドローラ5,6,7,8とを具備する。フレーム4は、第1及び第2の1対の脚部41,42と上辺部43とを具備する。脚部41,42は、それぞれクリート104の下部材105の両側部を水平主パイプ102に対して垂直に上方へ延び下端部間がクリートの下部材側へ開放する。上辺部43は、第1及び第2の1対の脚部41,42の上端部間を接続し水平主パイプ102の軸線に平行に延びる。ガイドローラ5,6,7,8は、3つの定置ローラ5,6,7と、1つの開閉ローラ8とからなる。3つの定置ローラ5,6,7は、クリート104の下部材105における水平主パイプ102の軸線に対して直交方向の外側面より外側に位置して、フレーム4の両脚部41,42および上辺部43に沿うように配置され、フレーム4に軸支される。開閉ローラ8は、一端が第1の脚部41の下端部に当該脚部41に平行な垂直軸81周りに回動自在に枢着され、他端が第2の脚部42の下端部に係脱自在に支持され、かつ自身の軸線回りに回転自在であり、垂直軸81周りの水平回動により第1及び第2の脚部41,42の下部間を開閉自在である。吊り上げ支持部材3は、フレーム4の上辺部43に下端部が着脱自在で、上部にガイドローラ5,6,7,8の配列より外側へ張り出す工具掛け部31を具備する。4つのガイドローラ5,6,7,8間に通して延線されるき電吊架線Fを工具掛け部31に係止された吊り上げ工具107で引き上げ、き電吊架線Fの荷重を除去したうえで開閉ローラ8を開放することで、き電吊架線Fをクリート104の下部材105上へ吊り下ろし操作が可能である。
上記課題を解決するための、本発明のき電線の張り替え工事の方法は、可動ブラケット101の水平主パイプ102上に設置されている既設の吊架線支持金具103あるいはクリートのような既設の支持部材に隣接して、水平主パイプ102上にクリート104の下部材105を取り付ける第1の工程と、下部材105から起立する1対のボルト105aにより、当該下部材105上に延線ガイド装置1の本体2を固定する第2の工程と、延線ガイド装置1の4つのローラ5,6,7,8の内側に新き電吊架線Fを通して延線する第3の工程と、延線ガイド装置1の工具掛け部31に吊り上げ工具107を掛けて開閉ローラ8上の新き電吊架線Fを引き上げることにより、新き電吊架線Fの荷重を除去する第4の工程と、第4の工程に続いて、開閉ローラ8を開放操作して、両脚部41,42間を下方に開放することにより、新き電吊架線Fを下部材105上に置く第5の工程と、第5の工程に続いて、延線ガイド装置1の本体2を下部材105から取り外す第6の工程と、第6の工程に続いて、下部材105上に上部材106を取り付けて当該下部材105との間で新き電吊架線Fを挟持する第7の工程と、第7の工程に続いて、可動ブラケット101上の曲線引き金具108の位置を変更して支持するトロリ線Tの位置を新き電吊架線Fの鉛直下方位置に配置する第8の工程とを含む
【発明の効果】
【0006】
本発明のき電吊架線の延線ガイド装置によれば、き電吊架線を可動ブラケット上に短時間で円滑に延線することができ、また本発明のき電吊架線の延線ガイド装置を用いて行うき電吊架線の張り替え工事の方法によれば、短時間で円滑に工事を完了することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】き電吊架線の延線ガイド装置の斜視図である。
【
図2】き電吊架線の延線ガイド装置の分解斜視図である。
【
図3】
図1のき電吊架線の延線ガイド装置の本体の正面図である。
【
図4】
図1のき電吊架線の延線ガイド装置の本体の背面図である。
【
図5】
図1のき電吊架線の延線ガイド装置の本体の平面図である。
【
図7】既存の可動ブラケット上に、き電吊架線を支持するためのクリートの下部材を装着した状態を示す斜視図である。
【
図8】
図7の可動ブラケット上の下部材の上に、本発明のき電吊架線の延線ガイド装置の本体を装着した状態を示す斜視図である。
【
図10】吊架線の張り替え工法を順を追って示す説明図である。
【
図11】吊架線の張り替え工法を順を追って示す説明図である。
【
図12】吊架線の張り替え工法を順を追って示す説明図である。
【
図13】吊架線の張り替え工法を順を追って示す説明図である。
【
図14】吊架線の張り替え工法を順を追って示す説明図である。
【
図15】吊架線の張り替え工法を順を追って示す説明図である。
【
図16】吊架線の張り替え工法を順を追って示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。延線ガイド装置1は、例えば、電車線の吊架方式を
図10に示す、シンプルカテナリ吊架方式から、
図16に示す、き電吊架方式に変更する工事に用いられる。この工事において、延線ガイド装置1は、シンプルカテナリ吊架方式を適用した既存の可動ブラケット101上に、新たにき電吊架線Fを延線する際に、その延線をガイドするために、可動ブラケット101上に装着される。
【0009】
図10に示す、シンプルカテナリ吊架方式においては、可動ブラケット101の水平主パイプ102上に、吊架線支持金具103を介して吊架線Mが支持される。一方、
図16に示す、き電吊架方式においては、可動ブラケット101の水平主パイプ102上に、電気絶縁性のクリート104を介してき電吊架線Fが支持される。クリート104は、上下部材105,106間に、き電吊架線Fを把持する。下部材105は、垂直に起立する1対のボルト105aを具備し、
図10に示すように、先に水平主パイプ102上に取り付けられる。下部材105上にき電吊架線Fが載せられた後、
図15に示すように、上部材106が下部材105上にはめ合わされ、ボルト105aとナット105bより締め付け固定される。
【0010】
図1ないし
図9について、延線ガイド装置1の実施の形態を説明する。延線ガイド装置1は、可動ブラケット101の水平主パイプ102上に取り付けられたクリート104の下部材105上に固定される本体2と、それの上部に着脱自在に取り付けられる吊り上げ支持部材3とを具備する。
【0011】
本体2は、門型のフレーム4と、このフレーム4上に方形に組まれて支持される少なくとも4つのガイドローラ5,6,7,8を具備する。
【0012】
図示の実施形態においては、フレーム4の正面側と背面側に1組ずつ、2組の同様の4つのガイドローラ5,6,7,8が取り付けられる。4つのガイドローラ5,6,7,8は、内側にき電吊架線Fを挿通させて、それの延線をガイドする。
【0013】
図8,
図9によく示すように、フレーム4は、先に可動ブラケット101上に取り付けられているクリート104の下部材105から起立する1対のボルト105aとナット105bにより、下部材105上に固定される。
【0014】
フレーム4は、第1及び第2の1対の脚部41,42と、脚部41,42の上端部間を接続する上辺部43とからなる。脚部41,42は、それぞれクリート104の下部材105の両側部を水平主パイプ102に対して垂直に上方へ延び、下端部間がクリート104の下部材105の上方に開放する。上辺部43は、水平主パイプ102の軸線に平行に配置される。脚部41,42は、内側に設けられたボルト受け部411,421のボルト挿通孔411a,421aにクリート104の下部材105のボルト105aを貫通させ、ナット105bで締め付け固定される。
【0015】
ガイドローラは、3つの定置ローラ5,6,7と、1つの開閉ローラ8とからなる。3つの定置ローラ5,6,7は、クリート104の下部材105における水平主パイプ102の軸線に対して直交方向の外側面105c(
図7)より外側に位置して、フレーム4の両脚部41,42および上辺部43に沿うように配置され、フレーム4に軸支される。開閉ローラ8は、一端が第1の脚部41の下端部に、当該脚部41に平行な垂直軸81周りに回動自在に枢着され、他端側のハンドル部82が第2の脚部42の下端部の保持部422に係脱自在に支持され、かつ自身の軸線回りに回転自在である。したがって、開閉ローラ8は、垂直軸81周りの水平回動により、第1及び第2の脚部41,42の下部間を開閉自在である。
【0016】
吊り上げ支持部材3は、フレーム4の上辺部43に下端部が着脱自在で、上部に、ガイドローラ5,6,7,8の配列より外側へ張り出す工具掛け部31を具備する。4つのガイドローラ5,6,7,8間に通して延線されるき電吊架線Fを工具掛け部31に係止された吊り上げ工具107で引き上げ、き電吊架線Fの荷重を除去したうえで、開閉ローラ8を開放し、き電吊架線Fをクリート104の下部材105上への吊り下ろし操作が可能である。
【0017】
次に、延線ガイド装置1を用いて、シンプルカテナリ吊架方式を適用した既存の可動ブラケット101上に、新たにき電吊架線Fを延線する工事の方法を説明する。
【0018】
まず、
図7,10に示すように、可動ブラケット101の水平主パイプ102上に、既設の吊架線支持金具103に隣接して、クリート104の下部材105を取り付ける。吊架線支持金具103には、吊架線Mが支持され、その下には、曲線引き金具108を介してトロリ線Tが吊られ、電車が運行可能である。
【0019】
次いで、下部材105から起立する1対のボルト105aとナット105bにより、
図8,11に示すように、下部材105上に延線ガイド装置1の本体2を固定する。
【0020】
次いで、
図12に示すように、延線ガイド装置1の4つのローラ5,6,7,8の内側に、図示しないパイロットロープに先導されるき電吊架線Fを通し、延線する。
【0021】
次いで、
図13に示すように、延線ガイド装置1の本体2上に、吊り上げ支持部材3を取り付け、工具を掛け部31に、レバーブロック(登録商標)、ウィンチ等の吊り上げ工具107を掛けて、開閉ローラ8上にある電吊架線Fを引き上げる。これにより、開閉ローラ8にかかるき電吊架線Fの荷重を除去する。
【0022】
次いで、
図14に示すように、開閉ローラ8を開放操作して、フレーム4の門形の脚部41,42間を開放することにより、き電吊架線Fを下部材105上に置く。
【0023】
続いて、
図15に示すように、延線ガイド装置1の本体2を下部材105から取り外し、下部材105上に上部材106を取り付けて下部材105との間でき電吊架線Fを挟持する。ここまでの間、吊架線Mに吊られたトロリ線Tからの給電により電車の運行は継続する。
【0024】
続いて、
図16に示すように、吊架線Mと吊架線支持金具103を撤去し、可動ブラケット101上の曲線引き金具108の位置を変更し、支持するトロリ線Tの位置をき電吊架線Fの鉛直下方位置に配置して工事が完了する。この工程の間の短時間、電車の運行が止められる。
【0025】
以上、既設の吊架線Mを新たなき電吊架線Fに張り替える工事において本発明の延線ガイド装置1を用いる方法を説明したが、本発明は、これに限定されるものではなく、既設のき電吊架線Fを新たなき電吊架線Fに張り替える工事においても、同様に、予め設置されたクリート104の下部材105上に本発明の延線ガイド装置1を取り付けることで、新たなき電吊架線Fの延線を短時間で円滑に進めることができる。
【符号の説明】
【0026】
1 延線ガイド装置
2 本体
3 吊り上げ支持部材
31 工具掛け部
4 フレーム
41 第1の脚部
411 ボルト受け部
42 第2の脚部
421 ボルト受け部
421a ボルト挿通孔
422 保持部
43 上辺部
5 定置ローラ(ガイドローラ)
6 定置ローラ(ガイドローラ)
7 定置ローラ(ガイドローラ)
8 開閉ローラ(ガイドローラ)
81 垂直軸
82 ハンドル部
101 可動ブラケット
102 水平主パイプ
103 吊架線支持金具
104 クリート
105 クリート下部材
105a ボルト
105b ナット
106 クリート上部材
107 吊り上げ工具
108 曲線引き金具
F き電吊架線
M 吊架線
T トロリ線