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特開2024-140421会議システム、情報処理装置、及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024140421
(43)【公開日】2024-10-10
(54)【発明の名称】会議システム、情報処理装置、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G10L 15/22 20060101AFI20241003BHJP
   G06F 3/16 20060101ALI20241003BHJP
   G10L 15/00 20130101ALI20241003BHJP
   G10L 15/32 20130101ALI20241003BHJP
【FI】
G10L15/22 460Z
G06F3/16 610
G06F3/16 620
G06F3/16 650
G10L15/00 200U
G10L15/32 220Z
G10L15/00 200J
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023051554
(22)【出願日】2023-03-28
(71)【出願人】
【識別番号】000005326
【氏名又は名称】本田技研工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001081
【氏名又は名称】弁理士法人クシブチ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】野口 敬史
(57)【要約】
【課題】オンライン会議の録画及び録音の再生時に、オンライン会議における発話を、視聴者の要望や視聴の状況に合ったテキストによって表示できるようにする。
【解決手段】オンライン会議中において、前記オンライン会議における発話の音声をテキストに変換する第1変換部(213)と、前記オンライン会議の終了後において、前記第1変換部(213)よりも高精度で変換する第2変換部(214)と、前記オンライン会議の録画及び録音を行う記録部(217)と、前記記録部(217)が録画した前記オンライン会議の映像、及び前記記録部(217)が録音した前記発話の音声を再生する再生部(219)と、前記再生部(219)による再生と共に、前記第1変換部(213)が変換したテキスト又は前記第2変換部(214)が変換したテキストを表示するテキスト表示部(220)と、を備える会議システム(1000)。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両の乗員が参加するオンライン会議中において、前記オンライン会議における発話の音声をテキストに変換する第1変換部と、
前記オンライン会議の終了後において、前記第1変換部よりも高い精度で前記発話の音声をテキストに変換する第2変換部と、
前記オンライン会議の映像の録画、及び前記発話の音声の録音を行う記録部と、
前記記録部が録画した前記オンライン会議の映像、及び前記記録部が録音した前記発話の音声を再生する再生部と、
前記再生部による再生と共に、前記第1変換部が変換したテキスト又は前記第2変換部が変換したテキストを表示するテキスト表示部と、を備える、
会議システム。
【請求項2】
前記再生部は、前記車両内の再生機器により再生し、
前記テキスト表示部は、前記車両の状態に応じて、前記第1変換部が変換したテキスト、又は前記第2変換部が変換したテキストを、車両内の表示部により表示する、
請求項1に記載の会議システム。
【請求項3】
前記テキスト表示部は、
前記車両の状態が走行中である場合、前記第2変換部が変換したテキストを表示する、
請求項2に記載の会議システム。
【請求項4】
前記再生部は、前記車両内の再生機器により再生し、
前記テキスト表示部は、
前記車両の運転支援機能の実行がオンになっている場合、又は前記車両の自動運転機能の実行がオンになっている場合、
前記再生部による再生と共に表示するテキストを、前記第1変換部が変換したテキストにするか前記第2変換部が変換したテキストにするかの選択操作を受け付け、
前記再生部による再生と共に、前記選択操作により選択されたテキストを前記車両内の表示部により表示する、
請求項1から3のいずれか一項に記載の会議システム。
【請求項5】
前記再生部は、前記車両内の再生機器により再生し、
前記テキスト表示部は、
前記車両の速度が所定値超過である場合、前記第2変換部が変換したテキストを前記車両内の表示部により表示する、
請求項1に記載の会議システム。
【請求項6】
前記テキスト表示部は、
前記車両の速度が前記所定値以下である場合、前記第1変換部が変換したテキストを表示する、
請求項5に記載の会議システム。
【請求項7】
車両の乗員が参加するオンライン会議中において、前記オンライン会議における発話の音声をテキストに変換する第1変換部と、
前記オンライン会議の終了後において、前記第1変換部よりも高い精度で前記発話の音声をテキストに変換する第2変換部と、
前記オンライン会議の映像の録画、及び前記発話の音声の録音を行う記録部と、
前記記録部が録画した前記オンライン会議の映像、及び前記記録部が録音した前記発話の音声を再生する再生部と、
前記再生部による再生と共に、前記第1変換部が変換したテキスト又は前記第2変換部が変換したテキストを表示するテキスト表示部と、を備える、
情報処理装置。
【請求項8】
情報処理装置のプロセッサを、
車両の乗員が参加するオンライン会議中において、前記オンライン会議における発話の音声をテキストに変換する第1変換部と、
前記オンライン会議の終了後において、前記第1変換部よりも高い精度で前記発話の音声をテキストに変換する第2変換部と、
前記オンライン会議の映像の録画、及び前記発話の音声の録音を行う記録部と、
前記記録部が録画した前記オンライン会議の映像、及び前記記録部が録音した前記発話の音声を再生する再生部と、
前記再生部による再生と共に、前記第1変換部が変換したテキスト又は前記第2変換部が変換したテキストを表示するテキスト表示部と、して機能する、
プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、会議システム、情報処理装置、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、交通参加者の中でも高齢者や障がい者や子供といった脆弱な立場にある人々にも配慮された持続可能な輸送システムへのアクセスを提供する取り組みが活発化している。この実現に向けて、車両の居住性に関する開発を通じて安全性や利便性をより一層改善する研究開発に注力している。そして、従来から、車両の居住性に係わる技術として、車両内でオンライン会議を行う技術が知られている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1は車両に搭載された、電子会議システムを構成する車載端末装置が開示されている。この車載端末装置では、車両の状態に応じて、車両内のスピーカからの相手側音声の出力又は非出力を切り替えたり、相手側端末装置への車両側音声信号の伝達又は非伝達を切り替えたりする。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2022-129626号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、車両の乗員が参加するオンライン会議中、車両内においては、オンライン会議における発話をテキストによって表示することが想定される。また、このオンライン会議が行われる場合、会議参加者が聞き逃したり聞き間違ったりし得るため、オンライン会議の録画及び録音が行われることが想定される。
【0005】
オンライン会議の録画及び録音の再生時に、オンライン会議中に表示された発話のテキストを併せて表示することが考えられるが、視聴者によっては、オンライン会議中に変換されたテキストを表示したいとする要望もあれば、オンライン会議中の変換よりも高い精度で発話が変換されたテキストを表示したいとする要望もあり得る。また、視聴の状況によっては、オンライン会議中に変換されたテキストを表示することが望ましい場合もあれば、オンライン会議中の変換よりも高い精度で発話が変換されたテキストを表示することが望ましい場合もあり得る。
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、オンライン会議の録画及び録音の再生時に、オンライン会議における発話を、視聴者の要望や視聴の状況に合ったテキストによって表示できるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様は、車両の乗員が参加するオンライン会議中において、前記オンライン会議における発話の音声をテキストに変換する第1変換部と、前記オンライン会議の終了後において、前記第1変換部よりも高い精度で前記発話の音声をテキストに変換する第2変換部と、前記オンライン会議の映像の録画、及び前記発話の音声の録音を行う記録部と、前記記録部が録画した前記オンライン会議の映像、及び前記記録部が録音した前記発話の音声を再生する再生部と、前記再生部による再生と共に、前記第1変換部が変換したテキスト又は前記第2変換部が変換したテキストを表示するテキスト表示部と、を備える、会議システムである。
【発明の効果】
【0007】
本発明の一態様によれば、オンライン会議の録画及び録音の再生時に、オンライン会議における発話を、視聴者の要望や視聴の状況に合ったテキストによって表示できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は、会議システムの構成を示す図である。
図2図2は、車両の構成を示す図である。
図3図3は、会議画面の一例を示す図である。
図4図4は、会議画面の一例を示す図である。
図5図5は、第1テキスト表示ファイルに基づくテキストの表示の一例を示す図である。
図6図6は、第2テキスト表示ファイルに基づくテキストの表示の一例を示す図である。
図7図7は、表示装置の動作を示すフローチャートである。
図8図8は、表示装置の動作を示すフローチャートである。
図9図9は、表示装置の動作を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
[1.第1実施形態]
[1-1.会議システムの構成]
図1は、会議システム1000の構成を示す図である。
会議システム1000は、会議サーバ1と、1又は複数の端末装置2と、1又は複数の車両3とを備える。図1では、会議システム1000が、2つの端末装置2と1つの車両3とを備える場合を例示している。そして、図1では、端末使用者P1、端末使用者P2、及び車両3の乗員P3の3人の会議参加者Pがオンライン会議を行っている場合を例示している。
なお、端末使用者P1は、施設H1において端末装置2-1を使用してオンライン会議に参加している。端末使用者P2は、施設H2において端末装置2-2を使用してオンライン会議に参加している。乗員P3は、車両3内において表示装置20を使用してオンライン会議に参加している。
表示装置20は、「情報処理装置」の一例である。
【0010】
会議サーバ1は、オンライン会議を提供するサーバ装置である。このオンライン会議は、乗員P3が車両3内で参加可能な会議である。会議サーバ1は、ネットワークNWに接続し、端末装置2と車両3と通信する。なお、ネットワークNWは、公衆回線網や、専用線、その他の通信回路などで構成される通信ネットワークである。
【0011】
端末装置2は、例えば、スマートフォンや、タブレット型のPC(Personal Computer)、ラップトップ型のPC、デスクトップ型のPCなどである。図1では、端末装置2がラップトップ型のPCである場合を例示している。端末装置2は、ネットワークNWに接続し会議サーバ1と通信する。
【0012】
端末装置2には、会議サーバ1が提供するオンライン会議に参加するためのアプリケーションプログラムがインストールされている。端末装置2は、オンライン会議中、このアプリケーションプログラムの機能によって、会議参加者Pの発話の音声データを、会議サーバ1に送信する。会議サーバ1は、端末装置2から音声データを受信すると、発話した会議参加者Pと同じオンライン会議に参加している会議参加者Pが使用する他の端末装置2に、受信した音声データを送信する。また、会議サーバ1は、端末装置2から音声データを受信すると、発話した会議参加者Pと同じオンライン会議に参加している乗員P3が乗車する車両3に、受信した音声データを送信する。例えば、会議サーバ1は、端末装置2-1から音声データを受信した場合、受信した音声データを端末装置2-2及び車両3に送信する。また、例えば、会議サーバ1は、端末装置2-2から音声データを受信した場合、受信した音声データを端末装置2-1及び車両3に送信する。
【0013】
なお、端末装置2は、具備する或いは接続されたカメラによって撮影された動画像のデータを、音声データと同様に送信してもよい。会議サーバ1は、端末装置2から動画像のデータを受信すると、音声データと同様に、受信した動画像のデータを他の端末装置2と車両3とに送信する。
【0014】
[1-2.車両の構成]
図1で例示する車両3は、乗車定員5名の四輪車両である。車両3は、運転席10A、助手席10B、リア右席10C、リア中央席10D、及びリア左席10Eを備える。図1に示す車両3の乗員P3は、運転者である。図1の車両3では、乗員P3が運転席10Aに着座している状況を示している。なお、車両3は、四輪車両に限定されず、車輪数は3つ以下でも5つ以上でもよい。また、車両3の乗車定員は、4名以下でもよいし6名以上でもよい。
【0015】
車両3は、右前ドア11A、左前ドア11B、右後ドア11C、左後ドア11D、及び、テールゲート11Eを備える。右前ドア11A、左前ドア11B、右後ドア11C、及び左後ドア11Dを開くことにより車両3の車室空間への出入りが可能となる。テールゲート11Eは、車両3のトランクを開閉する。
【0016】
車両3は、ダッシュボード12を備える。ダッシュボード12は、タッチパネル13、スピーカ14、及びマイク15が設置される。タッチパネル13は、文字や画像を表示する表示パネルと、表示パネルへの接触を検出するタッチセンサとが重畳或いは一体で構成されている。スピーカ14は、車両3の車室空間に音を出力する。マイク15は、車両3内の音声を集音する。スピーカ14、及びマイク15の設置位置および数は任意に変更可能である。
タッチパネル13、及びスピーカ14は、「再生機器」の一例である。タッチパネル13は、「表示部」の一例である。
【0017】
車両3の車室内には、車両3の車室内を撮影するカメラ16が設置される。カメラ16は、いわゆるドライバモニタリングカメラ(DMC)であり、運転席10Aに着座した運転者を撮影する。カメラ16の撮影範囲は、少なくとも運転者の頭部を含む範囲に設定される。
【0018】
車両3の車室内には、運転席10Aの付近にシフトレバー17が設置される。
【0019】
車両3は、会議サーバ1と通信可能な通信装置18を備える。通信装置18は、いわゆるTCU(Telematics Control Unit)であり、会議サーバ1と通信する。
【0020】
車両3は、運転支援装置19を備える。運転支援装置19は、運転者による車両3の運転を支援する運転支援機能を実行する装置である。運転支援装置19が実行する運転支援機能としては、衝突被害軽減機能や、車線逸脱防止(レーンキープアシスト)機能、直進支援機能、後側方車両接近警報(ブラインドスポットモニタ)機能などの1又は複数の機能が挙げられる。なお、衝突被害軽減機能とは、進行方向前方の物体と衝突する可能性がある場合に、衝突を回避し或いは衝突被害を軽減するために車両3を減速させる機能である。運転支援装置19には、上記機能を実現するために、車両3の前方を撮影するフロントカメラや、車両3の後方を撮影するリアカメラ、車両3の周囲の物体を検出するレーダーユニットなどが接続する。
【0021】
車両3は、表示装置20を備える。表示装置20は、タッチパネル13を備え、例えば、ディスプレイオーディオ(DA)と呼ばれる装置、或いはカーナビゲーション装置として構成される。
【0022】
図2は、車両3の構成を示す図である。
車両3は、表示装置20、スピーカ14、マイク15、カメラ16、通信装置18、運転支援装置19、シフト位置センサ21、及び車速センサ22を備える。表示装置20には、スピーカ14、マイク15、カメラ16、通信装置18、運転支援装置19、シフト位置センサ21、及び車速センサ22が接続する。なお、表示装置20に接続するデバイスは、これらデバイスに限定されず、他の種類のデバイスが接続してもよい。
【0023】
スピーカ14は、表示装置20の制御に従って、各種音声を出力する。
マイク15は、表示装置20の制御に従って、音声を集音する。
カメラ16は、撮影画像の画像データを表示装置20に出力する。
通信装置18は、表示装置20の制御に従って、会議サーバ1と通信する。
【0024】
運転支援装置19は、車両3の運転支援機能の実行がオンになっている場合、車両3の運転支援機能の実行がオンになっていることを示す情報を表示装置20に出力する。また、運転支援装置19は、車両3の運転支援機能の実行がオンになっていない場合、車両3の運転支援機能の実行がオンになっていないことを示す情報を表示装置20に出力する。
【0025】
シフト位置センサ21は、車両3が備えるシフトレバー17のシフト位置を検出する。シフト位置は、例えば、駐停車時に使用されるP(パーキング)、後退時に使用されるR(リバース)、N(ニュートラル)、走行時に使用されるD(ドライブ)等である。シフト位置センサ21は、検出したシフト位置を示す検出信号を表示装置20に出力する。
【0026】
車速センサ22は、車両3の速度を検出する。車速センサ22は、所定周期で車両3の速度を検出し、検出するたびに検出した車両3の速度を示す検出信号を表示装置20に出力する。
【0027】
表示装置20は、車両3に設けられる装置であり、表示制御装置200と、タッチパネル13と、操作スイッチ群240と、インターフェース部250とを備える。
【0028】
表示制御装置200は、CPU(Central Processing Unit)やMPU(Micro Processor Unit)などのプロセッサ210と、メモリ230と、他の装置やセンサ類を接続するためのインターフェース回路とを備え、表示装置20の各部を制御する。
【0029】
メモリ230は、プログラムやデータを記憶する記憶装置である。メモリ230は、会議アプリ231、プロセッサ210に処理されるデータを記憶する。メモリ230は、不揮発性の記憶領域を有する。また、メモリ230は、揮発性の記憶領域を備え、プロセッサ210のワークエリアを構成してもよい。メモリ230は、例えばROM(Read Only Memory)やRAM(Random Access Memory)によって構成される。
会議アプリ231は、「プログラム」の一例である。
【0030】
会議アプリ231は、会議サーバ1が提供するオンライン会議を利用するためのアプリケーションプログラムである。
【0031】
タッチパネル13は、表示制御装置200の制御に従って、各種情報を表示する。タッチパネル13は、タッチセンサの検出信号を表示制御装置200に出力する。
【0032】
操作スイッチ群240は、表示装置200を操作するための各種の操作スイッチを備える。操作スイッチ群240の操作スイッチの各々は、操作されると操作信号を表示制御装置200に出力する。
【0033】
インターフェース部250は、コネクタや通信回路などのハードウェアを備え、表示装置20と通信接続する各種デバイスと通信する。本実施形態において、インターフェース部250は、スピーカ14、マイク15、カメラ16、通信装置18、シフト位置センサ21、及び車速センサ22と通信接続する。
【0034】
プロセッサ210は、メモリ230が記憶する会議アプリ231を読み出して実行することにより、通信制御部211、状態取得部212、第1変換部213、第2変換部214、判定部215、会議実行部216、記録部217、ファイル作成部218、再生部219、及びテキスト表示部220として機能する。
【0035】
通信制御部211は、通信装置18を介して、会議サーバ1と通信する。
通信制御部211は、会議サーバ1を介して端末装置2から音声データを受信する。なお、端末装置2が動画像のデータを送信した場合、通信制御部211は、会議サーバ1を介して端末装置2から動画像のデータを受信する。
また、通信制御部211は、マイク15が集音した音声の音声データを、会議サーバ1に送信する。会議サーバ1は、車両3から音声データを受信すると、乗員P3が参加するオンライン会議に参加する会議参加者Pが使用する端末装置2に、受信した音声データを送信する。
なお、通信制御部211は、カメラ16によって撮影された動画像のデータを、音声データと同様に送信してもよい。会議サーバ1は、車両3から動画像のデータを受信すると、音声データと同様に、受信した動画像のデータを端末装置2に送信する。
【0036】
状態取得部212は、車両3の状態を取得する。状態取得部212は、車両3の状態として車両3の速度を取得する。状態取得部212は、車速センサ22から検出信号を受信することにより、車両3の速度を取得する。
【0037】
第1変換部213は、通信制御部211が受信した音声データが示す音声、及びマイク15が集音した音声をテキストに変換する。この音声は、オンライン会議における発話の音声である。第1変換部213は、音声認識によって、通信制御部211が受信した音声データが示す音声、及びマイク15が集音した音声をテキストに変換する。第1変換部213は、所定単位で音声をテキストに変換する。所定単位としては、文字ごとや、単語ごと、文節ごとなどが例に挙げられる。例えば、音声が「今日は 暑いです」である場合、第1変換部213は、「今日は」との音声をテキストに変換し、その後、「暑いです」との音声をテキストに変換する。第1変換部213は、変換を行うたびに、変換したテキストを示す情報を会議実行部216に出力する。また、第1変換部213は、後述する記録部217が録画及び録音を実行している間、テキストを示す情報をファイル作成部218に出力する。
【0038】
第2変換部214は、第1変換部213よりも高い精度で音声をテキストに変換する。高い精度で音声をテキストに変換するとは、音声の内容とテキストの内容との一致度が高い変換を指す。
【0039】
例えば、第2変換部214は、第1変換部213が音声認識時に使用する発音辞書よりも、登録されている単語数が多い発音辞書を使用することで、第1変換部213よりも高い精度で音声をテキストに変換する。
また、例えば、第2変換部214は、第1変換部213が音声認識に際して使用する言語モデルよりも高い精度の言語モデルを使用して、第1変換部213よりも高い精度で音声をテキストに変換する。なお、言語モデルとは、単語と単語との関係性を解析するモデルである。例えば、第1変換部213が使用する言語モデルがN-gramモデルであるのに対して、第2変換部214は、RNN(リカレントニューラルネットワーク)によるRNN言語モデルを使用する。
【0040】
なお、第1変換部213及び第2変換部214が音声認識に使用する発音辞書などの各種データは、メモリ230に記憶されている。
【0041】
判定部215は、車両3の運転支援機能の実行がオンになっているかオフになっているかを判定する。判定部215は、運転支援装置19から運転支援機能の実行がオンになっていることを示す情報が表示装置20に入力されている場合、車両3において運転支援機能の実行がオンになっていると判定する。一方、判定部215は、運転支援装置19から運転支援機能の実行がオフであることを示す情報が表示装置20に入力されている場合、車両3において運転支援機能の実行がオフになっていると判定する。
【0042】
会議実行部216は、通信制御部211が受信した音声データが示す音声をスピーカ14によって出力する。また、会議実行部216は、タッチパネル13によって会議画面KGを表示する。
【0043】
図3は、会議画面KGの一例を示す図である。図3に示す会議画面KGは、オンライン会議中における画面である。
【0044】
会議画面KGは、会議参加者Pを示すアイコンICを会議参加者Pごとに表示する。図3に示す会議画面KGは、乗員P3のアイコンIC1、端末使用者P1のアイコンIC2、及び端末使用者P2のアイコンIC3を表示する。
【0045】
また、会議画面KGは、会議終了ボタンB1、マイクボタンB2、及びカメラボタンB3を表示する。
会議終了ボタンB1は、オンライン会議の終了(オンライン会議からの退室)を申請するためのソフトウェアボタンである。
マイクボタンB2は、マイク15のオン(ミュートの解除)とオフ(ミュート)との切り替えを指示するソフトウェアボタンである。
カメラボタンB3は、カメラ16のオンとオフとの切り替えを指示するソフトウェアボタンである。
【0046】
なお、会議画面KGにおけるアイコンICの並びの態様、アイコンICの形状、アイコンICの大きさ、ソフトウェアボタンの数、及びソフトウェアボタンの種類は、図3に示す会議画面KGに限定されない。
【0047】
会議実行部216は、オンライン会議中、第1変換部213が変換したテキストを会議画面KG内に表示する。より詳細には、会議実行部216は、第1変換部213から受信した情報が示すテキストを会議画面KG内に表示する。
図4は、会議画面KGの一例を示す図である。図4に示す会議画面KGは、第1変換部213が変換したテキストを表示している。
【0048】
会議実行部216は、テキストを表示する場合、第1テキスト表示領域TA1を会議画面KG内に設け、第1テキスト表示領域TA1においてテキストを表示する。第1テキスト表示領域TA1は、オンライン会議中において、第1変換部213が変換したテキストを表示する領域である。図4に示す第1テキスト表示領域TA1は、「おはようございます」のテキストと、「今日は」のテキストと、「暑いですね」とのテキストとを一列で表示している。
【0049】
なお、第2変換部214は、第1変換部213よりも高い精度で音声をテキストに変換するため、第1変換部213よりも変換に時間要する。オンライン会議中においては発話に対して速やかなテキストの表示が要望される。そのため、オンライン会議中においては、第1変換部213が変換したテキストが表示される。
【0050】
記録部217は、オンライン会議の映像の録画、及びオンライン会議における発話の音声の録音を行う。記録部217は、第1テキスト表示領域TA1を設けない場合の会議画面KGの表示内容を、オンライン会議の映像として録画する。記録部217は、オンライン会議中に録画及び録音の指示があった場合、開催中のオンライン会議についての録画及び録音を開始する。記録部217は、オンライン会議中に録画及び録音の終了指示があった場合、又は、オンライン会議が終了した場合、録画及び録音を終了する。記録部217は、録画及び録音を終了すると、録画及び録音により生成したファイルをメモリ230に記憶させる。以下、このファイルを「録画録音ファイル」という。
【0051】
ファイル作成部218は、第1合成ファイル、及び第2合成ファイルを作成する。
以下、第1合成ファイルと第2合成ファイルとを区別しない場合、「合成ファイル」という。
【0052】
第1合成ファイルは、録画録音ファイルと、第1テキスト表示ファイルとを含むファイルである。第1テキスト表示ファイルは、第1変換部213が変換したテキストを表示するためのファイルである。第1テキスト表示ファイルは、録画録音ファイルが示す映像に対して、どのタイミングでどのテキストを表示するかの情報が記録されている。
【0053】
ファイル作成部218は、会議実行部216がテキストを表示するたびに、第1変換部213から受信したテキストを示す情報と、録画及び録音が開始されてからの経過時間と、の組み合わせを、第1テキスト表示ファイルに記録していく。この第1テキスト表示ファイルに記録される経過時間が、テキストを表示するタイミングの情報である。ファイル作成部218は、オンライン会議が終了すると、メモリ230に記憶された録画録音ファイルと、第1テキスト表示ファイルとを含む第1合成ファイルを作成する。
【0054】
第2合成ファイルは、録画録音ファイルと、第2テキスト表示ファイルとを含むファイルである。第2テキスト表示ファイルは、第2変換部214が変換したテキストを表示するためのファイルである。第2テキスト表示ファイルは、録画録音ファイルが示す映像に対して、第2変換部214が変換したテキストのうちどのテキストをどのタイミングで表示するかの情報が記録されている。
【0055】
ファイル作成部218は、オンライン会議が終了すると、第2変換部214に、メモリ230が記憶する録画録音ファイルに記録されている音声をテキストへ変換させる。次いで、ファイル作成部218は、第2変換部214が変換したテキストを所定単位で区切る。この所定単位は、第1変換部213がテキストに変換する単位より文字数が多い単位に設定され、例えば、所定数の文ごとが例に挙げられる。例えば、「今日は 暑いですね そうですね 暑いですね それでは 会議を始めましょう」との音声を第2変換部214がテキストに変換した場合、ファイル作成部218は、「今日は 暑いですね そうですね 暑いですね」のテキストと、「それでは 会議を始めましょう」のテキストに区切る。ファイル作成部218は、区切られたテキストごとに、区切られたテキストと、区切られたテキストが示す発話が再生される再生経過時間と、の組み合わせを、第2テキスト表示ファイルに記録する。再生経過時間は、録画録音ファイルの再生を開始してからの経過時間である。なお、この第2テキスト表示ファイルに記録される再生経過時間が、区切られたテキストを表示するタイミングの情報である。ファイル作成部218は、第2テキスト表示ファイルを作成すると、メモリ230に記憶された録画録音ファイルと生成した第2テキスト表示ファイルとを含む第2合成ファイルを作成する。
【0056】
再生部219は、合成ファイルに含まれる録画録音ファイルに記録された映像をタッチパネル13により再生する。また、再生部219は、合成ファイルに含まれる録画録音ファイルに記録された音声をスピーカ14により再生する。
【0057】
テキスト表示部220は、再生部219が第1合成ファイルに含まれる録画録音ファイルに基づいて再生を行う場合、再生部219の再生と共に、第1合成ファイルに含まれる第1テキスト表示ファイルに基づいて、テキストをタッチパネル13により表示する。上述の通り、第1テキスト表示ファイルは、録画録音ファイルが示す映像に対して、どのタイミングでどのテキストを表示するかの情報が記録されている。そのため、テキスト表示部220は、再生部219の再生の進行に伴って、適切なタイミングで適切なテキストを表示できる。
【0058】
図5は、第1テキスト表示ファイルに基づくテキストの表示の一例を示す図である。
図5に示すように、テキスト表示部220は、再生部219が再生する映像に対して、第2テキスト表示領域TA2を設ける。第2テキスト表示領域TA2は、第1テキスト表示ファイルに記録されているテキストを表示するための領域であり、再生部219が再生する映像に映る会議画面KGに対して設けられる。
【0059】
例えば、ある会議参加者Pが「今日は 暑いですね」と発話し、再生部219が、この発話の音声が再生すると仮定する。この場合、図5に示すように、テキスト表示部220は、第2テキスト表示領域TA2において、「今日は」の音声の再生と共に、「今日は」のテキストを表示し、「暑いですね」の音声の再生と共に、「暑いですね」のテキストを表示する。
【0060】
テキスト表示部220は、再生部219が第2合成ファイルに含まれる録画録音ファイルに基づいて再生を行う場合、再生部219の再生と共に、第2合成ファイルに含まれる第2テキスト表示ファイルに基づいて、テキストをタッチパネル13により表示する。第2テキスト表示ファイルは、録画録音ファイルが示す映像に対して、第2変換部214が変換したテキストのうちどのテキストをどのタイミングで表示するかの情報が記録されている。そのため、テキスト表示部220は、再生部219の再生の進行に伴って、適切なタイミングで適切な区切られたテキストを表示できる。
【0061】
図6は、第2テキスト表示ファイルに基づくテキストの表示の一例を示す図である。
図6に示すように、テキスト表示部220は、再生部219が再生する映像に対して、第3テキスト表示領域TA3を設ける。第3テキスト表示領域TA3は、第2テキスト表示ファイルに記録されているテキストを表示するための領域であり、再生部219が再生する映像に映る会議画面KGに対して設けられる。
【0062】
例えば、オンライン会議において「今日は 暑いですね そうですね 暑いですね 会議を始めましょう」との発話があり、第2テキスト表示ファイルにおいては、「今日は 暑いですね そうですね 暑いですね」のテキストと、「それでは 会議を始めましょう」のテキストとによって、第2変換部214が変換したテキストが区切られているとする。この場合、図6に示すように、テキスト表示部220は、第3テキスト表示領域TA3において、「今日は 暑いですね そうですね 暑いですね」の音声の再生と共に、「今日は 暑いですね そうですね 暑いですね」のテキストを表示する。そして、テキスト表示部220は、第3テキスト表示領域TA3において、「それでは 会議を始めましょう」の音声の再生と共に、「今日は 暑いですね そうですね 暑いですね」のテキストを非表示にすると共に、「それでは 会議を始めましょう」のテキストを表示する。
【0063】
[1-3.表示装置の動作]
次に、表示装置20の動作について説明する。
図7は、表示装置20の動作を示すフローチャートFAである。
図7は、ファイル作成部218が第1合成ファイル及び第2合成ファイルを作成するまでの動作を示している。
【0064】
フローチャートFAで示すように、会議実行部216は、オンライン会議が開始したか否かを判定する(ステップSA1)。例えば、会議画面KGにはオンライン会議への参加を申請する参加ボタンが設けられていて、当該参加ボタンが操作された場合に、会議実行部216は、ステップSA1において肯定判定する。
【0065】
会議実行部216は、オンライン会議が開始していないと判定した場合(ステップSA1:NO)、再度、ステップSA1の判定を行う。
【0066】
一方、会議実行部216が、オンライン会議が開始したと判定した場合(ステップSA1:YES)、第1変換部213は、オンライン会議における発話の音声のテキストへの変換を開始する(ステップSA2)。
【0067】
次いで、記録部217は、オンライン会議の映像の録画、及びオンライン会議の音声の録音を開始するか否かを判定する(ステップSA3)。例えば、会議画面KGには録画及び録音を開始する開始ボタンが設けられていて、当該開始ボタンが操作された場合に、記録部217は、ステップSA3において肯定判定する。
【0068】
記録部217は、オンライン会議の映像の録画、及びオンライン会議の音声の録音を開始しないと判定した場合(ステップSA3:NO)、処理をステップSA7に移行させる。
【0069】
記録部217は、オンライン会議の映像の録画、及びオンライン会議の音声の録音を開始すると判定した場合(ステップSA3:YES)、オンライン会議の映像の録画、及びオンライン会議の音声の録音を開始する(ステップSA4)。
【0070】
次いで、記録部217は、オンライン会議の映像の録画、及びオンライン会議の音声の録音を終了するか否かを判定する(ステップSA5)。例えば、会議画面KGには録画及び録音を開始する終了ボタンが設けられていて、当該終了ボタンが操作された場合に、記録部217は、ステップSA3において肯定判定する。また、例えば、会議画面KGにはオンライン会議を退室する退室ボタンが設けられていて、当該退室ボタンが操作された場合に、記録部217は、ステップSA3において肯定判定する。
【0071】
記録部217は、オンライン会議の映像の録画、及びオンライン会議の音声の録音を終了しないと判定した場合(ステップSA5:NO)、再度、ステップSA5の判定を行う。
【0072】
一方、記録部217は、オンライン会議の映像の録画、及びオンライン会議の音声の録音を終了すると判定した場合(ステップSA5:YES)、オンライン会議の映像の録画、及びオンライン会議の音声の録音を終了する(ステップSA6)。
【0073】
次いで、会議実行部216は、オンライン会議が終了したか否かを判定する(ステップSA7)。会議実行部216は、オンライン会議が終了していないと判定した場合(ステップSA7:NO)、処理をステップSA3に移行させる。
【0074】
一方、会議実行部216が、オンライン会議が終了したと判定した場合(ステップSA7:YES)、ファイル作成部218は、オンライン会議の録画及び録音が行われたか否かを判定する(ステップSA8)。
【0075】
ファイル作成部218は、オンライン会議の録画及び録音が行われたと判定した場合(ステップSA8:YES)、第1合成ファイル、及び第2合成ファイルを作成する(ステップSA9)。
【0076】
なお、ステップSA9で作成された第1合成ファイル及び第2合成ファイルは、メモリ230に記憶されてもよいし、会議サーバ1にアップロードされてもよい。
【0077】
次に、再生部219の再生に係わる表示装置20の動作について説明する。
図8は、表示装置20の動作を示すフローチャートFBである。
【0078】
再生部219は、オンライン会議の録画及び録音の再生を開始するか否かを判定する(ステップSB1)。例えば、タッチパネル13或いは操作スイッチ群240を介して録画及び録音の再生開始指示があった場合、再生部219は、ステップSB1で肯定判定する。
【0079】
再生部219が、オンライン会議の録画及び録音の再生を開始すると判定した場合(ステップSB1:YES)、判定部215は、車両3の運転支援機能の実行がオンになっているかオフになっているかを判定する(ステップSB2)。
【0080】
判定部215が運転支援機能の実行がオフになっていると判定した場合(ステップSB2:オフ)、テキスト表示部220は、状態取得部212が取得した車両3の速度に基づいて車両3が走行中であるか否かを判定する(ステップSB3)。ステップSB3において、テキスト表示部220は、状態取得部212が取得した車両3の速度が0km/hより大きい場合、車両3が走行中であると判定する。
【0081】
テキスト表示部220は、車両3が走行中でないと判定した場合(ステップSB3:NO)、再生部219の再生に伴って表示するテキストを、第1変換部213が変換したテキストにするか第2変換部214が変換したテキストにするかの選択操作を受け付ける(ステップSB4)。
【0082】
次いで、テキスト表示部220は、再生部219の再生に伴って表示するテキストとして、ステップSB4で受け付けた選択操作に対応するテキストを選択する(ステップSB5)。
【0083】
次いで、再生部219又はテキスト表示部220は、ステップSB5で選択されたテキストを表示する合成ファイルをメモリ230又は会議サーバ1から取得する(ステップSB6)。
【0084】
ステップSB6において、ステップSB5で選択されたテキストが第1変換部213が変換したテキストである場合、再生部219又はテキスト表示部220は、第1合成ファイルをメモリ230又は会議サーバ1から取得する。また、ステップSB6において、ステップSB5で選択されたテキストが第2変換部214が変換したテキストである場合、再生部219又はテキスト表示部220は、第2合成ファイルをメモリ230又は会議サーバ1から取得する。
【0085】
次いで、再生部219は、ステップSB6で取得した合成ファイルに含まれる録画録音ファイルに基づいて、オンライン会議の録画及び録音を再生する(ステップSB7)。また、テキスト表示部220は、ステップSB6で取得した合成ファイルに含まれるテキスト表示ファイルに基づいて、オンライン会議における発話のテキストを表示する(ステップSB7)。
【0086】
ステップSB3の説明に戻り、テキスト表示部220は、車両3が走行中であると判定した場合(ステップSB3:YES)、再生部219の再生に伴って表示するテキストとして、第2変換部214が変換したテキストを選択する(ステップSB8)。
【0087】
次いで、再生部219又はテキスト表示部220は、第2合成ファイルをメモリ230又は会議サーバ1から取得する(ステップSB9)。
【0088】
次いで、再生部219は、ステップSB9で取得した第2合成ファイルに含まれる録画録音ファイルに基づいて、オンライン会議の録画及び録音を再生する(ステップSB10)。また、テキスト表示部220は、ステップSB9で取得した第2合成ファイルに含まれる第2テキスト表示ファイルに基づいて、オンライン会議における発話のテキストを表示する(ステップSB10)。
【0089】
再生部219は、オンライン会議の録画及び録音の再生を終了するか否かを判定する(ステップSB11)。例えば、タッチパネル13或いは操作スイッチ群240を介して録画及び録音の終了開始指示があった場合、又は、録画及び録音の再生が終了した場合、再生部219は、ステップSB11で肯定判定する。
【0090】
再生部219は、オンライン会議の録画及び録音の再生を終了すると判定した場合(ステップSB11:YES)、オンライン会議の録画及び録音の再生を終了する(ステップSB12)。また、テキスト表示部220は、再生部219の再生に伴うテキストの表示を終了する(ステップSB12)。
【0091】
[2.第2実施形態]
次に、第2実施形態について説明する。
第2実施形態の説明では、第1実施形態の会議システム1000の各部の構成要素と同じ構成要素については、同一の符号を付してその詳細な説明を適宜に省略する。
【0092】
第2実施形態と第1実施形態とを比較して、第2実施形態のファイル作成部218は、第1合成ファイルと第2合成ファイルとを作成せず、第1テキスト表示ファイルと第2テキスト表示ファイルとを作成する。第2実施形態では、ファイル作成部218により作成されたテキスト表示ファイルと録画録音ファイルとがメモリ230に記憶される、又は、ファイル作成部218により作成されたテキスト表示ファイルと録画録音ファイルとが会議サーバ1にアップロードされる。
【0093】
第2実施形態と第1実施形態と比較して、第2実施形態は、表示装置20の動作が異なる。
【0094】
図9は、第2実施形態における表示装置20の動作を示すフローチャートFCである。
フローチャートFCの説明では、フローチャートFBと同様のステップについては同じステップ番号を付し、その詳細な説明を適宜に省略する。
【0095】
フローチャートFCで示すように、判定部215が運転支援機能の実行がオフになっていると判定した場合(ステップSB2:オフ)、再生部219又はテキスト表示部220は、テキスト表示ファイルと録画録音ファイルとをメモリ230又は会議サーバ1から取得する(ステップSC1)。
【0096】
次いで、再生部219は、ステップSC1で取得された録画録音ファイルに基づいてオンライン会議の録画及び録音を再生する(ステップSC2)。
【0097】
次いで、テキスト表示部220は、状態取得部212が取得した車両3の速度が所定値超過であるか否かを判定する(ステップSC3)。この所定値としては、例えば、10km/hが例に挙げられる。
【0098】
テキスト表示部220は、車両3の速度が所定値超過であると判定した場合(ステップSC1:YES)、再生部219の再生に伴って、ステップSC1で取得した第2テキスト表示ファイルに基づいてテキストを表示する(ステップSC4)。
【0099】
一方、テキスト表示部220は、車両3の速度が所定値以下であると判定した場合(ステップSC3:NO)、再生部219の再生に伴って、ステップSC1で取得した第1テキスト表示ファイルに基づいてテキストを表示する(ステップSC5)。
【0100】
次いで、再生部219は、オンライン会議の録画及び録音の再生を終了するか否かを判定する(ステップSC6)。再生部219は、オンライン会議の録画及び録音の再生を終了しないと判定した場合(ステップSC6:NO)、再度、ステップSC3に処理を移行させ、ステップSC3以降の処理を再度行う。
【0101】
一方、再生部219は、オンライン会議の録画及び録音の再生を終了すると判定した場合(ステップSC6:YES)、オンライン会議の録画及び録音の再生を終了する(ステップSB12)。また、テキスト表示部220は、再生部219の再生に伴うテキストの表示を終了する(ステップSB12)。
【0102】
ステップSC7において、再生部219又はテキスト表示部220は、テキスト表示ファイルと録画録音ファイルとをメモリ230又は会議サーバ1から取得する(ステップSC7)。
【0103】
次いで、再生部219は、ステップSC7で取得した録画録音ファイルに基づいて、オンライン会議の録画及び録音を再生する(ステップSC8)。また、テキスト表示部220は、ステップSC7で取得したテキスト表示ファイルのうちステップSB5で選択されたテキストを表示するテキスト表示ファイルに基づいて、オンライン会議における発話のテキストを表示する(ステップSC8)。
【0104】
[3.他の実施形態]
上述した実施形態は、あくまでも一態様を示すものであり任意に変形及び応用が可能である。
【0105】
上述した実施形態では、「情報処理装置」として車両3が備える表示装置20として説明したが、他の実施形態では、「情報処理装置」が、スマートフォンやタブレット端末などのPCでもよい。この場合、「情報処理装置」には、会議アプリ231がインストールされる。また、この場合、「情報処理装置」が車両3に持ち込まれた場合、「情報処理装置」は、車両3と通信して車両3の状態や車両3の速度を取得できてもよい。
【0106】
他の実施形態では、「情報処理装置」がスマートフォンやタブレット端末などのPCである場合、第1変換部213及び第2変換部214を、「情報処理装置」のプロセッサの機能部でなく、会議サーバ1や変換専用のサーバ装置などのプロセッサの機能部としてもよい。
【0107】
上述した実施形態では、車両3の状態や車両3の速度で、自動的に、表示されるテキストが異なる構成である。他の実施形態では、録画及び録音の再生開始前、又は、録画及び録音の再生中に、表示されるテキストを視聴者が選択できる構成でもよい。
【0108】
上述した実施形態では、車両3が走行中であるか否かを車両3の速度で判定している構成である。他の実施形態では、車両3が走行中であるか否かを車両3が駐車しているか否かで判定してもよい。この他の実施形態では、状態取得部212は、車両3が駐車中か否かをシフト位置センサ21から取得する。そして、テキスト表示部220は、ステップSB3において、状態取得部212が取得した車両3の状態が駐車中である場合、否定判定し、状態取得部212が取得した車両3の状態が駐車中でない場合、肯定判定する。
【0109】
他の実施形態では、プロセッサ210が機能する機能部のうち再生部219、及びテキスト表示部220が、表示装置20と異なる装置のプロセッサの機能部として機能させてもよい。この表示装置20と異なる装置としては、スマートフォンやタブレット端末などのPCが例に挙げられ、表示装置20及び会議サーバ1の少なくともいずれかと通信する。
【0110】
上述した実施形態では、表示装置20がタッチパネル13を具備する構成であるが、他の実施の形態では、表示装置20がタッチパネル13を具備しない構成でもよい。また、他の実施形態では、「表示部」がタッチパネル13に限定されず、例えば、タッチセンサを具備しないディスプレイでもよい。
【0111】
上述した実施形態では、車両3が走行中でない場合、再生部219の再生と共に表示されるテキストを選択可能な構成である。他の実施形態では、車両3が走行中でない場合、再生部219の再生と共に表示されるテキストとして第1変換部213が変換したテキストを自動的に選択してもよい。
【0112】
上述した実施形態では、車両3が運転支援装置19を具備する構成である。他の実施形態では、車両3が運転支援装置19に代わって或いは共に、自動運転装置を具備してもよい。自動運転装置は、車両3を自動運転する自動運転機能を行うための装置である。この自動運転装置は、表示装置20と接続し、自動運転機能の実行がオンである場合、自動運転機能の実行がオンであることを示す情報を表示装置20に出力し、自動運転機能の実行がオフである場合、自動運転機能の実行がオフであることを示す情報を表示装置20に出力する。また、この他の実施形態では、判定部215は、自動運転装置が出力する情報に基づいて、車両3の自動運転機能の実行がオンであるかオフであるかを判定する。そして、この他の実施形態では、プロセッサ210は、自動運転機能の実行がオンであると判定部215が判定した場合、ステップSB1からステップSB4に処理を移行させて、ステップSB4以降の処理を実行し、自動運転機能の実行がオフであると判定部215が判定した場合、ステップSB1からステップSB3に処理を移行させて、ステップSB3以降の処理を実行する。または、この他の実施形態では、プロセッサ210は、自動運転機能の実行がオンであると判定部215が判定した場合、ステップSB1からステップSB4に処理を移行させて、ステップSB4以降の処理を実行し、自動運転機能の実行がオフであると判定部215が判定した場合、ステップSB1からステップSC1に処理を移行させて、ステップSC1以降の処理を実行する。
【0113】
上述した実施形態では、「プログラム」をアプリケーションプログラムとして例示したが、「プログラム」は、表示装置20のOS(Operating System)の一部のプログラムで構成されてもよい。
【0114】
上述した実施形態では、日本語の発話をテキストに変換する構成であるが、第1変換部213及び第2変換部214が変換する発話の言語は、日本語に限定されず、英語などの他の言語でもよい。
【0115】
他の実施形態では、オンライン会議中において、発話の音声から変換されたテキストを所定言語に翻訳し、テキストと共にテキストの翻訳も表示してもよい。また、この他の実施形態では、オンライン会議の録画及び録音の再生と共に、テキストとテキストの翻訳とが表示されてもよい。さらに、この他の実施形態では、オンライン会議の録画及び録音の再生時に、オンライン会議中に翻訳されたテキストの翻訳、又は、オンライン会議の終了後にオンライン会議中の翻訳よりも長時間かけて翻訳されたテキストの翻訳を選択的或いは自動的に表示できてもよい。
【0116】
プロセッサ210は、単一のプロセッサにより構成されてもよいし、複数のプロセッサにより構成されていてもよい。プロセッサ210は、対応する機能部を実現するようプログラムされたハードウェアでもよい。すなわち、プロセッサ210は、例えば、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field Programmable Gate Array)で構成されてもよい。
【0117】
また、図2に示した車両3の構成は一例であって、具体的な実装形態は特に限定されない。つまり、必ずしも各部に個別に対応するハードウェアが実装される必要はなく、一つのプロセッサがプログラムを実行することで各部の機能を実現する構成とすることも勿論可能である。また、上述した実施形態においてソフトウェアで実現される機能の一部をハードウェアとしてもよく、或いは、ハードウェアで実現される機能の一部をソフトウェアで実現してもよい。その他、車両3の各部の具体的な細部構成についても任意に変更可能である。
【0118】
また、図7図9に示す動作のステップ単位は、動作の理解を容易にするために、主な処理内容に応じて分割したものであり、処理単位の分割の仕方や名称によって、本発明が限定されることはない。処理内容に応じて、さらに多くのステップ単位に分割してもよい。また、1つのステップ単位がさらに多くの処理を含むように分割してもよい。また、そのステップの順番は、本発明の趣旨に支障のない範囲で適宜に入れ替えてもよい。
【0119】
また、上述した表示装置20の制御方法を、プロセッサ210を用いて実現する場合、プロセッサ210に実行させるプログラムを記録媒体、又はこのプログラムを伝送する伝送媒体の態様で構成することも可能である。すなわち、会議アプリ231は、可搬型の情報記録媒体に会議アプリ231を記録させた状態で実現することも可能である。情報記録媒体は、ハードディスク等の磁気的記録媒体、CD等の光学的記録媒体、USB(Universal Serial Bus)メモリやSSD(Solid State Drive)等の半導体記憶デバイスが挙げられるが、その他の記録媒体を用いることも可能である。
【0120】
[4.上記実施形態によりサポートされる構成]
上記実施形態は、以下の構成をサポートする。
【0121】
(構成1)車両の乗員が参加するオンライン会議中において、前記オンライン会議における発話の音声をテキストに変換する第1変換部と、前記オンライン会議の終了後において、前記第1変換部よりも高い精度で前記発話の音声をテキストに変換する第2変換部と、前記オンライン会議の映像の録画、及び前記発話の音声の録音を行う記録部と、前記記録部が録画した前記オンライン会議の映像、及び前記記録部が録音した前記発話の音声を再生する再生部と、前記再生部による再生と共に、前記第1変換部が変換したテキスト又は前記第2変換部が変換したテキストを表示するテキスト表示部と、を備える、会議システム。
【0122】
構成1の会議システムによれば、オンライン会議の録画及び録音の再生と共に、オンライン会議中に変換されたテキスト、又は、オンライン会議中の変換よりも高い精度で発話が変換されたテキストを表示できる。そのため、オンライン会議の録画及び録音の再生時に、オンライン会議における発話を、視聴者の要望や視聴の状況に合ったテキストによって表示できる。
【0123】
(構成2)前記再生部は、前記車両内の再生機器により再生し、前記テキスト表示部は、前記車両の状態に応じて、前記第1変換部が変換したテキスト、又は前記第2変換部が変換したテキストを、車両内の表示部により表示する、構成1に記載の会議システム。
【0124】
構成2の会議システムによれば、車両内でオンライン会議の録画及び録音が視聴される際、オンライン会議の録画及び録音の再生と共に表示されるテキストの種類について車両の状態が考慮できる。そのため、車両内でオンライン会議の録画及び録音が視聴される際、車両の状態に合ったテキストを表示できるようになる。よって、オンライン会議の録画及び録音の再生時に運転者が表示されるテキストに気を取られてしまうこと、すなわち脇見運転の発生を抑制できるようになる。
【0125】
(構成3)前記テキスト表示部は、前記車両の状態が走行中である場合、前記第2変換部が変換したテキストを表示する、構成2に記載の会議システム。
【0126】
構成3の会議システムによれば、車両の状態が走行中である場合、オンライン会議の録画及び録音の再生時に、第1変換部よりも高い精度で発話が変換されたテキストを表示できる。そのため、車両の運転者が、表示されるテキストに違和感を抱くことで表示されるテキストに気を取られてしまうことの発生を抑制できる。よって、車両内でのオンライン会議の録画及び録音の視聴において、脇見運転が発生することを抑制できる。
【0127】
(構成4)前記再生部は、前記車両内の再生機器により再生し、前記テキスト表示部は、前記車両の運転支援機能の実行がオンになっている場合、又は前記車両の自動運転機能の実行がオンになっている場合、前記再生部による再生と共に表示するテキストを、前記第1変換部が変換したテキストにするか前記第2変換部が変換したテキストにするかの選択操作を受け付け、前記再生部による再生と共に、前記選択操作により選択されたテキストを前記車両内の表示部により表示する、構成1から構成3のいずれか一つに記載の会議システム。
【0128】
構成4の会議システムによれば、車両の運転支援機能又は自動運転機能の実行がオンである場合、オンライン会議の録画及び録音の再生時に視聴者が選択したテキストを表示できる。よって、車両の運転支援機能又は自動運転機能の実行がオンである場合、オンライン会議における発話を、視聴者の要望にあったテキストによって表示できる。
【0129】
(構成5)前記再生部は、前記車両内の再生機器により再生し、前記テキスト表示部は、前記車両の速度が所定値超過である場合、前記第2変換部が変換したテキストを前記車両内の表示部により表示する、構成1又は構成4のいずれかに一つに記載の会議システム。
【0130】
構成5の会議システムによれば、車両内でオンライン会議の録画及び録音が視聴される際、車両の速度が所定値超過である場合には、第1変換部よりも高い精度で発話が変換されたテキストを表示できる。そのため、車両の速度が所定値超過である場合には、運転者が、表示されるテキストに違和感を抱くことで表示されるテキストに気を取られてしまうことの発生を抑制できる。よって、車両内でのオンライン会議の録画及び録音の視聴において、脇見運転が発生することを抑制できる。
【0131】
(構成6)前記テキスト表示部は、前記車両の速度が前記所定値以下である場合、前記第1変換部が変換したテキストを表示する、構成5に記載の会議システム。
【0132】
構成6の会議システムによれば、車両内でオンライン会議の録画及び録音が視聴される際、車両の速度が所定値以下である場合には、オンライン会議における発話を、オンライン会議中に表示されたテキストによって表示できる。車両が移動していない場合や車両が速やかに停止可能な状況においては、仮に脇見運転が発生しても直ちに危険運転に繋がる蓋然性が低い。そのため、車両内でオンライン会議の録画及び録音が視聴される際、車両が移動していない場合や車両が速やかに停止可能な状況においては、実際に行われたオンライン会議の映像に即した録画及び録音を視聴者が視聴できる。よって、車両内でオンライン会議の録画及び録音が視聴される際、車両が移動していない場合や車両が速やかに停止可能な状況においては、視聴者が要望し得る表示で、オンライン会議における発話をテキストによって表示できる。
【0133】
(構成7)車両の乗員が参加するオンライン会議中において、前記オンライン会議における発話の音声をテキストに変換する第1変換部と、前記オンライン会議の終了後において、前記第1変換部よりも高い精度で前記発話の音声をテキストに変換する第2変換部と、前記オンライン会議の映像の録画、及び前記発話の音声の録音を行う記録部と、前記記録部が録画した前記オンライン会議の映像、及び前記記録部が録音した前記発話の音声を再生する再生部と、前記再生部による再生と共に、前記第1変換部が変換したテキスト又は前記第2変換部が変換したテキストを表示するテキスト表示部と、を備える、情報処理装置。
【0134】
構成7の情報処理装置によれば、構成1の会議システムと同様の効果を奏する。
【0135】
(構成8)情報処理装置のプロセッサを、車両の乗員が参加するオンライン会議中において、前記オンライン会議における発話の音声をテキストに変換する第1変換部と、前記オンライン会議の終了後において、前記第1変換部よりも高い精度で前記発話の音声をテキストに変換する第2変換部と、前記オンライン会議の映像の録画、及び前記発話の音声の録音を行う記録部と、前記記録部が録画した前記オンライン会議の映像、及び前記記録部が録音した前記発話の音声を再生する再生部と、前記再生部による再生と共に、前記第1変換部が変換したテキスト又は前記第2変換部が変換したテキストを表示するテキスト表示部と、して機能する、プログラム。
【0136】
構成8のプログラムによれば、構成1の会議システムと同様の効果を奏する。
【符号の説明】
【0137】
1…会議サーバ、2、2-1、2-2…端末装置、3…車両、13…タッチパネル(再生機器、表示部)、14…スピーカ(再生機器)、20…表示装置(情報処理装置)、210…プロセッサ、211…通信制御部、212…状態取得部、213…第1変換部、214…第2変換部、215…判定部、216…会議実行部、217…記録部、218…ファイル作成部、219…再生部、220…テキスト表示部、230…メモリ、231…会議アプリ(プログラム)、240…操作スイッチ群、250…インターフェース部、1000…会議システム、P…会議参加者、P1…端末使用者、P2…端末使用者、P3…乗員。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9