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特開2024-140422表示装置、表示装置の制御方法、及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024140422
(43)【公開日】2024-10-10
(54)【発明の名称】表示装置、表示装置の制御方法、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G08G 1/16 20060101AFI20241003BHJP
   G06F 3/16 20060101ALI20241003BHJP
   G06F 3/0481 20220101ALI20241003BHJP
【FI】
G08G1/16 C
G06F3/16 650
G06F3/16 620
G06F3/0481
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023051555
(22)【出願日】2023-03-28
(71)【出願人】
【識別番号】000005326
【氏名又は名称】本田技研工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001081
【氏名又は名称】弁理士法人クシブチ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】野口 敬史
【テーマコード(参考)】
5E555
5H181
【Fターム(参考)】
5E555AA74
5E555BA13
5E555BA23
5E555BB13
5E555BB23
5E555BC08
5E555CA47
5E555CB73
5E555DB41
5E555EA23
5E555FA00
5H181AA01
5H181BB04
5H181BB05
5H181FF25
5H181FF32
5H181LL01
5H181LL02
5H181LL04
(57)【要約】      (修正有)
【課題】車両の乗員が参加するオンライン会議における発話をテキストで表示する際、車両の状態を考慮してテキストを表示できるようにする。
【解決手段】表示装置(20)は、車両(3)に設けられる表示装置(20)であって、前記車両(3)の状態を取得する状態取得部(212)と、前記車両(3)の乗員が参加するオンライン会議における発話の音声をテキストに変換する変換部(213)と、前記変換部(213)が変換したテキストを表示部(13)により表示する表示制御部(217)と、を備え、前記表示制御部(217)は、前記状態取得部(212)が取得した前記車両(3)の状態に応じて、前記変換部(213)が変換したテキストの表示態様を異ならせる。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両に設けられる表示装置であって、
前記車両の状態を取得する状態取得部と、
前記車両の乗員が参加するオンライン会議における発話の音声をテキストに変換する変換部と、
前記変換部が変換したテキストを表示部により表示する表示制御部と、を備え、
前記表示制御部は、前記状態取得部が取得した前記車両の状態に応じて、前記変換部が変換したテキストの表示態様を異ならせる、
表示装置。
【請求項2】
前記状態取得部は、前記車両の状態として前記車両の速度を取得し、
前記表示制御部は、前記状態取得部が取得した前記車両の速度が第1閾値以下である場合、前記変換部が変換するたびに前記変換部が変換したテキストを表示する、
請求項1に記載の表示装置。
【請求項3】
前記表示制御部は、
前記状態取得部が取得した前記車両の速度が前記第1閾値超過第2閾値以下である場合、前記変換部が変換したテキストを複数まとめて表示する、
請求項2に記載の表示装置。
【請求項4】
前記変換部は、
文節ごとテキストに変換する、
請求項3に記載の表示装置。
【請求項5】
前記表示制御部は、
前記状態取得部が取得した前記車両の速度が前記第2閾値超過である場合、前記変換部が変換したテキストを表示しない、
請求項3又は4に記載の表示装置。
【請求項6】
前記車両の運転支援機能、又は前記車両の自動運転機能の実行がオンになっているか否かを判定する判定部と、
前記車両の運転支援機能の実行がオンになっている、又は前記車両の自動運転機能の実行がオンになっていると前記判定部が判定した場合、前記表示制御部が表示するテキストの表示態様を、第1表示態様又は第2表示態様に設定する選択操作を受け付ける受付部と、を備え、
前記第1表示態様は、前記変換部が変換するたびに前記変換部が変換したテキストを表示する表示態様であり、
前記第2表示態様は、前記変換部が変換したテキストを複数まとめて表示する表示態様である、
請求項1から4のいずれか一項に記載の表示装置。
【請求項7】
車両に設けられる表示装置の制御方法であって、
前記車両の状態を取得し、
前記車両の乗員が参加するオンライン会議における発話の音声をテキストに変換し、
取得した前記車両の状態に応じて変換したテキストの表示態様を異ならせて、変換したテキストを表示部により表示する、
表示装置の制御方法。
【請求項8】
車両に設けられる表示装置のプロセッサを、
前記車両の状態を取得する状態取得部と、
前記車両の乗員が参加するオンライン会議における発話の音声をテキストに変換する変換部と、
前記変換部が変換したテキストを表示部により表示する表示制御部と、して機能させ、
前記表示制御部は、前記状態取得部が取得した前記車両の状態に応じて、前記変換部が変換したテキストの表示態様を異ならせる、
プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示装置、表示装置の制御方法、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、交通参加者の中でも高齢者や障がい者や子供といった脆弱な立場にある人々にも配慮された持続可能な輸送システムへのアクセスを提供する取り組みが活発化している。この実現に向けて、車両の居住性に関する開発を通じて安全性や利便性をより一層改善する研究開発に注力している。そして、従来から、車両の居住性に係わる技術として、車両内でオンライン会議を行う技術が知られている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1は車両に搭載された、電子会議システムを構成する車載端末装置が開示されている。この車載端末装置では、車両の状態に応じて、車両内のスピーカからの相手側音声の出力又は非出力を切り替えたり、相手側端末装置への車両側音声信号の伝達又は非伝達を切り替えたりする。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2022-129626号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、車両の乗員が参加するオンライン会議が行われる場合、車両の表示装置が、オンライン会議における発話をテキストによって表示することが想定される。しかしながら、オンライン会議における発話をテキストで表示する場合、運転者が表示されるテキストに気を取られてしまう虞があるため、車両の状態を考慮してテキストを表示することが要請される。
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、車両の乗員が参加するオンライン会議における発話をテキストで表示する際、車両の状態を考慮してテキストを表示できるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の一態様は、車両に設けられる表示装置であって、前記車両の状態を取得する状態取得部と、前記車両の乗員が参加するオンライン会議における発話の音声をテキストに変換する変換部と、前記変換部が変換したテキストを表示部により表示する表示制御部と、を備え、前記表示制御部は、前記状態取得部が取得した前記車両の状態に応じて、前記変換部が変換したテキストの表示態様を異ならせる、表示装置である。
【発明の効果】
【0006】
本発明の一態様によれば、車両の乗員が参加するオンライン会議における発話をテキストで表示する際、車両の状態を考慮してテキストを表示できるようにすることを目的とする。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1図1は、会議システムの構成を示す図である。
図2図2は、車両の構成を示す図である。
図3図3は、会議画面の一例を示す図である。
図4図4は、会議画面の一例を示す図である。
図5図5は、第1表示態様を説明するための図である。
図6図6は、第2表示態様を説明するための図である。
図7図7は、表示装置の動作を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0008】
[1.会議システムの構成]
図1は、会議システム1000の構成を示す図である。
会議システム1000は、会議サーバ1と、1又は複数の端末装置2と、1又は複数の車両3とを備える。図1では、会議システム1000が、2つの端末装置2と1つの車両3とを備える場合を例示している。そして、図1では、端末使用者P1、端末使用者P2、及び車両3の乗員P3の3人の会議参加者Pがオンライン会議を行っている場合を示している。
なお、端末使用者P1は、施設H1において端末装置2-1を使用してオンライン会議に参加している。端末使用者P2は、施設H2において端末装置2-2を使用してオンライン会議に参加している。乗員P3は、車両3内において表示装置20を使用してオンライン会議に参加している。
【0009】
会議サーバ1は、オンライン会議を提供するサーバ装置である。このオンライン会議は、乗員P3が車両3内で参加可能な会議である。会議サーバ1は、ネットワークNWに接続し、端末装置2と車両3と通信する。なお、ネットワークNWは、公衆回線網や、専用線、その他の通信回路などで構成される通信ネットワークである。
【0010】
端末装置2は、例えば、スマートフォンや、タブレット型のPC(Personal Computer)、ラップトップ型のPC、デスクトップ型のPCなどである。図1では、端末装置2がラップトップ型のPCである場合を例示している。端末装置2は、ネットワークNWに接続し会議サーバ1と通信する。
【0011】
端末装置2には、会議サーバ1が提供するオンライン会議に参加するためのアプリケーションプログラムがインストールされている。端末装置2は、オンライン会議中、このアプリケーションプログラムの機能によって、会議参加者Pの発話の音声データを、会議サーバ1に送信する。会議サーバ1は、端末装置2から音声データを受信すると、発話した会議参加者Pと同じオンライン会議に参加している会議参加者Pが使用する他の端末装置2に、受信した音声データを送信する。また、会議サーバ1は、端末装置2から音声データを受信すると、発話した会議参加者Pと同じオンライン会議に参加している乗員P3が乗車する車両3に、受信した音声データを送信する。例えば、会議サーバ1は、端末装置2-1から音声データを受信した場合、受信した音声データを端末装置2-2及び車両3に送信する。また、例えば、会議サーバ1は、端末装置2-2から音声データを受信した場合、受信した音声データを端末装置2-1及び車両3に送信する。
【0012】
なお、端末装置2は、具備する或いは接続されたカメラによって撮影された動画像のデータを、音声データと同様に送信してもよい。会議サーバ1は、端末装置2から動画像のデータを受信すると、音声データと同様に、受信した動画像のデータを他の端末装置2と車両3とに送信する。
【0013】
[2.車両の構成]
図1で例示する車両3は、乗車定員5名の四輪車両である。車両3は、運転席10A、助手席10B、リア右席10C、リア中央席10D、及びリア左席10Eを備える。図1に示す車両3の乗員P3は、運転者である。図1の車両3では、乗員P3が運転席10Aに着座している状況を示している。なお、車両3は、四輪車両に限定されず、車輪数は3つ以下でも5つ以上でもよい。また、車両3の乗車定員は、4名以下でもよいし6名以上でもよい。
【0014】
車両3は、右前ドア11A、左前ドア11B、右後ドア11C、左後ドア11D、及び、テールゲート11Eを備える。右前ドア11A、左前ドア11B、右後ドア11C、及び左後ドア11Dを開くことにより車両3の車室空間への出入りが可能となる。テールゲート11Eは、車両3のトランクを開閉する。
【0015】
車両3は、ダッシュボード12を備える。ダッシュボード12は、タッチパネル13、スピーカ14、及びマイク15が設置される。タッチパネル13は、文字や画像を表示する表示パネルと、表示パネルへの接触を検出するタッチセンサとが重畳或いは一体で構成されている。スピーカ14は、車両3の車室空間に音を出力する。マイク15は、車両3内の音声を集音する。スピーカ14、及びマイク15の設置位置および数は任意に変更可能である。
タッチパネル13は、「表示部」の一例である。
【0016】
車両3の車室内には、車両3の車室内を撮影するカメラ16が設置される。カメラ16は、いわゆるドライバモニタリングカメラ(DMC)であり、運転席10Aに着座した運転者を撮影する。カメラ16の撮影範囲は、少なくとも運転者の頭部を含む範囲に設定される。
【0017】
車両3の車室内には、運転席10Aの付近にシフトレバー17が設置される。
【0018】
車両3は、会議サーバ1と通信可能な通信装置18を備える。通信装置18は、いわゆるTCU(Telematics Control Unit)であり、会議サーバ1と通信する。
【0019】
車両3は、運転支援装置19を備える。運転支援装置19は、運転者による車両3の運転を支援する運転支援機能を実行する装置である。運転支援装置19が実行する運転支援機能としては、衝突被害軽減機能や、車線逸脱防止(レーンキープアシスト)機能、直進支援機能、後側方車両接近警報(ブラインドスポットモニタ)機能などの1又は複数の機能が挙げられる。なお、衝突被害軽減機能とは、進行方向前方の物体と衝突する可能性がある場合に、衝突を回避し或いは衝突被害を軽減するために車両3を減速させる機能である。運転支援装置19には、上記機能を実現するために、車両3の前方を撮影するフロントカメラや、車両3の後方を撮影するリアカメラ、車両3の周囲の物体を検出するレーダーユニットなどが接続する。
【0020】
車両3は、表示装置20を備える。表示装置20は、タッチパネル13を備え、例えば、ディスプレイオーディオ(DA)と呼ばれる装置、或いはカーナビゲーション装置として構成される。
【0021】
図2は、車両3の構成を示す図である。
車両3は、表示装置20、スピーカ14、マイク15、カメラ16、通信装置18、運転支援装置19、シフト位置センサ21、及び車速センサ22を備える。表示装置20には、スピーカ14、マイク15、カメラ16、通信装置18、運転支援装置19、シフト位置センサ21、及び車速センサ22が接続する。なお、表示装置20に接続するデバイスは、これらデバイスに限定されず、他の種類のデバイスが接続してもよい。
【0022】
スピーカ14は、表示装置20の制御に従って、各種音声を出力する。
マイク15は、表示装置20の制御に従って、音声を集音する。
カメラ16は、撮影画像の画像データを表示装置20に出力する。
通信装置18は、表示装置20の制御に従って、会議サーバ1と通信する。
【0023】
運転支援装置19は、車両3の運転支援機能の実行がオンになっている場合、車両3の運転支援機能の実行がオンになっていることを示す情報を表示装置20に出力する。また、運転支援装置19は、車両3の運転支援機能の実行がオンになっていない場合、車両3の運転支援機能の実行がオンになっていないことを示す情報を表示装置20に出力する。
【0024】
シフト位置センサ21は、車両3が備えるシフトレバー17のシフト位置を検出する。シフト位置は、例えば、駐停車時に使用されるP(パーキング)、後退時に使用されるR(リバース)、N(ニュートラル)、走行時に使用されるD(ドライブ)等である。シフト位置センサ21は、検出したシフト位置を示す検出信号を表示装置20に出力する。
【0025】
車速センサ22は、車両3の速度を検出する。車速センサ22は、所定周期で車両3の速度を検出し、検出するたびに検出した車両3の速度を示す検出信号を表示装置20に出力する。
【0026】
表示装置20は、車両3に設けられる装置であり、表示制御装置200と、タッチパネル13と、操作スイッチ群230と、インターフェース部240とを備える。
【0027】
表示制御装置200は、CPU(Central Processing Unit)やMPU(Micro Processor Unit)などのプロセッサ210と、メモリ220と、他の装置やセンサ類を接続するためのインターフェース回路とを備え、表示装置200の各部を制御する。
【0028】
メモリ220は、プログラムやデータを記憶する記憶装置である。メモリ220は、会議アプリ221、プロセッサ210に処理されるデータを記憶する。メモリ220は、不揮発性の記憶領域を有する。また、メモリ220は、揮発性の記憶領域を備え、プロセッサ210のワークエリアを構成してもよい。メモリ220は、例えばROM(Read Only Memory)やRAM(Random Access Memory)によって構成される。
会議アプリ221は、「プログラム」の一例である。
【0029】
会議アプリ221は、会議サーバ1が提供するオンライン会議を利用するためのアプリケーションプログラムである。
【0030】
タッチパネル13は、表示制御装置200の制御に従って、各種情報を表示する。タッチパネル13は、タッチセンサの検出信号を表示制御装置200に出力する。
【0031】
操作スイッチ群230は、表示装置200を操作するための各種の操作スイッチを備える。操作スイッチ群230の操作スイッチの各々は、操作されると操作信号を表示制御装置200に出力する。
【0032】
インターフェース部240は、コネクタや通信回路などのハードウェアを備え、表示装置20と通信接続する各種デバイスと通信する。本実施形態において、インターフェース部240は、スピーカ14、マイク15、カメラ16、通信装置18、シフト位置センサ21、及び車速センサ22と通信接続する。
【0033】
プロセッサ210は、メモリ220が記憶する会議アプリ221を読み出して実行することにより、通信制御部211、状態取得部212、変換部213、判定部214、受付部215、音声出力部216、及び表示制御部217として機能する。
【0034】
通信制御部211は、通信装置18を介して、会議サーバ1と通信する。
通信制御部211は、会議サーバ1を介して端末装置2から音声データを受信する。なお、端末装置2が動画像のデータを送信した場合、通信制御部211は、会議サーバ1を介して端末装置2から動画像のデータを受信する。
また、通信制御部211は、マイク15が集音した音声の音声データを、会議サーバ1に送信する。会議サーバ1は、車両3から音声データを受信すると、車両3の乗員P3が参加するオンライン会議に参加する会議参加者Pが使用する端末装置2に、受信した音声データを送信する。
なお、通信制御部211は、カメラ16によって撮影された動画像のデータを、音声データと同様に送信してもよい。会議サーバ1は、車両3から動画像のデータを受信すると、音声データと同様に、受信した動画像のデータを端末装置2に送信する。
【0035】
状態取得部212は、車両3の状態を取得する。状態取得部212は、車両3の状態として車両3の速度を取得する。状態取得部212は、車速センサ22から検出信号を受信することにより、車両3の速度を取得する。
【0036】
変換部213は、通信制御部211が受信した音声データが示す音声、及びマイク15が集音した音声をテキストTXに変換する。変換部213は、音声認識によって、通信制御部211が受信した音声データが示す音声、及びマイク15が集音した音声をテキストTXに変換する。変換部213は、所定の単位で音声をテキストTXに変換する。所定の単位としては、文字ごと、単語ごと、文節ごとが例に挙げられる。本実施形態では、変換部213は、文節ごとに音声をテキストTXに変換する。例えば、音声が「今日は 暑いです」である場合、変換部213は、「今日は」との音声をテキストTXに変換し、その後、「暑いです」との音声をテキストTXに変換する。変換部213は、変換を行うたびに、変換したテキストTXを示すテキスト情報を表示制御部217に出力する。
【0037】
判定部214は、車両3の運転支援機能の実行がオンになっているかオフになっているかを判定する。判定部214は、運転支援装置19から運転支援機能の実行がオンになっていることを示す情報が表示装置20に入力されている場合、車両3において運転支援機能の実行がオンになっていると判定する。一方、判定部214は、運転支援装置19から運転支援機能の実行がオフであることを示す情報が表示装置20に入力されている場合、車両3において運転支援機能の実行がオフになっていると判定する。
【0038】
受付部215は、タッチパネル13、及び操作スイッチ群230を介して、表示装置20に対する操作を受け付ける。本実施形態における受付部215は、車両3の運転支援機能が有効になっていると判定部214が判定した場合、表示制御部217が表示するテキストの表示態様を、第1表示態様又は第2表示態様に設定する選択操作を受け付ける。
【0039】
音声出力部216は、通信制御部211が受信した音声データが示す音声をスピーカ14によって出力する。
【0040】
表示制御部217は、タッチパネル13によって会議画面KGを表示する。
図3は、会議画面KGの一例を示す図である。図3に示す会議画面KGは、オンライン会議中における画面である。
【0041】
会議画面KGは、オンライン会議に参加している会議参加者Pを示すアイコンICを会議参加者Pごとに表示する。図3に示す会議画面KGは、乗員P3のアイコンIC1、端末使用者P1のアイコンIC2、及び端末使用者P2のアイコンIC3を表示する。
【0042】
また、会議画面KGは、会議終了ボタンB1、マイクボタンB2、及びカメラボタンB3を表示する。
会議終了ボタンB1は、オンライン会議の終了(オンライン会議からの退室)を申請するためのソフトウェアボタンである。
マイクボタンB2は、マイク15のオン(ミュートの解除)とオフ(ミュート)との切り替えを指示するソフトウェアボタンである。
カメラボタンB3は、カメラ16のオンとオフとの切り替えを指示するソフトウェアボタンである。
【0043】
なお、会議画面KGにおけるアイコンICの並びの態様、アイコンICの形状、アイコンICの大きさ、ソフトウェアボタンの数、及びソフトウェアボタンの種類は、図3に示す会議画面KGに限定されない。
【0044】
表示制御部217は、変換部213が変換したテキストTXを会議画面KGに表示する。より詳細には、表示制御部217は、変換部213から受信したテキスト情報が示すテキストTXを会議画面KG内に表示する。
図4は、会議画面KGの一例を示す図である。図4に示す会議画面KGは、変換部213が変換したテキストTXを表示している。
【0045】
会議画面KGは、テキスト表示領域TAを有する。テキスト表示領域TAは、変換部213が変換したテキストTXを表示する領域である。図4に示すテキスト表示領域TAは、「おはようございます」のテキストTXと、「今日は」のテキストTXと、「暑いですね」とのテキストTXとを一列で表示している。
【0046】
表示制御部217は、状態取得部212が取得した車両3の速度に応じて、変換部213が変換したテキストTXを第1表示態様又は第2表示態様で表示する。また、表示制御部217は、車両3の運転支援機能の実行がオンになっている場合、変換部213が変換したテキストTXを受付部215が受け付けた表示態様で表示する。
【0047】
図5、及び図6を参照して、第1表示態様、及び第2表示態様について説明する。
図5は、第1表示態様を説明するための図である。図6は、第2表示態様を説明するための図である。
【0048】
第1表示態様は、変換部213が変換するたびにテキストTXを表示する態様である。図5では、ある会議参加者Pが「おはようございます 今日は 暑いですね」と発話した場合の第1表示態様を示してる。この発話の場合、本実施形態の変換部213は、「おはようございます」の音声、「今日は」の音声、及び「暑いですね」の音声をこの順でテキストTXに変換する。そのため、この発話の場合、表示制御部217は、図5で示すように、「おはようございます」のテキストTXをまず表示し、この表示後に「今日は」のテキストTXをさらに表示し、この表示後に「暑いですね」のテキストTXをさらに表示する。
【0049】
第2表示態様は、変換部213が変換したテキストTXを複数まとめて表示する態様である。例えば、第2表示態様は、ある会議参加者Pのある発話が開始してから終了するまでに変換部213が変換したテキストTXを複数まとめて表示する。また、例えば、第2表示態様は、前回に複数のテキストTXをまとめて表示してから、所定回数、変換部213が変換を行った場合、当該所定回数分の変換部213が変換したテキストTXを複数まとめて表示する。図6では、ある会議参加者Pが「おはようございます 今日は 暑いですね」と発話した場合の第2表示態様を示してる。この発話の場合、本実施形態の変換部213は、「おはようございます」の音声、「今日は」の音声、及び「暑いですね」の音声をこの順でテキストTXに変換する。この発話の場合、表示制御部217は、図6で示すように、「おはようございます」のテキストTXと、「今日は」のテキストTXと、「暑いですね」のテキストTXとをまとめて同時に表示する。
【0050】
[3.表示装置の動作]
次に、表示装置20の動作について説明する。
図7は、表示装置20の動作を示すフローチャートである。
【0051】
判定部214は、車両3の運転支援機能の実行がオンになっているかオフになっているかを判定する(ステップS1)。
【0052】
判定部214が運転支援機能の実行がオフになっていると判定した場合(ステップS1:オフ)、表示制御部217は、状態取得部212が取得した車両3の速度が第1閾値以下であるか否かを判定する(ステップS2)。第1閾値は、例えば5km/hである。なお、第1閾値は、この例の値に限定されない。
【0053】
表示制御部217は、状態取得部212が取得した車両3の速度が第1閾値以下であると判定した場合(ステップS2:YES)、第1表示態様によって、変換部213が変換したテキストTXを表示する(ステップS3)。
【0054】
次いで、表示制御部217は、状態取得部212が取得した車両3の速度が第1閾値以下でないと判定した場合(ステップS2:NO)、状態取得部212が取得した車両3の速度が第1閾値超過第2閾値以下であるか否かを判定する(ステップS4)。第2閾値は、例えば、6km/h~16km/hの間で設定される。なお、第2閾値は、この例の範囲の値に限定されない。
【0055】
表示制御部217は、状態取得部212が取得した車両3の速度が第1閾値超過第2閾値以下であると判定した場合(ステップS4:YES)、第2表示態様によって変換部213が変換したテキストTXを表示する(ステップS5)。
【0056】
表示制御部217は、状態取得部212が取得した車両3の速度が第1閾値超過第2閾値以下でない、すなわち、第2閾値超過であると判定した場合(ステップS4:NO)、変換部223が変換したテキストTXを表示しない(ステップS6)。
【0057】
ステップS1の説明に戻り、判定部224が運転支援機能の実行がオンであると判定した場合(ステップS1:オン)、表示制御部217は、受付部215が第1表示態様の選択操作を受け付けたか第2表示態様の選択操作を受け付けたかを判定する(ステップS7)。
【0058】
表示制御部217は、受付部215が第1表示態様の選択操作を受け付けたと判定した場合(ステップS7:第1表示態様)、第1表示態様によって変換部213が変換したテキストTXを表示する(ステップS3)。
【0059】
一方、表示制御部217は、受付部215が第2表示態様の選択操作を受け付けたと判定した場合(ステップS7:第2表示態様)、第2表示態様によって変換部213が変換したテキストTXを表示する(ステップS5)。
【0060】
[4.他の実施形態]
上述した実施形態は、あくまでも一態様を示すものであり任意に変形及び応用が可能である。
【0061】
上述した実施形態では、「表示部」としてタッチパネル13を例示したが、「表示部」は、タッチセンサを具備しないディスプレイでもよい。また、上述した実施形態では、表示装置20が「表示部」を具備する構成であるが、表示装置20は、「表示部」を具備しない構成としてもよい。
【0062】
上述した実施形態では、車両3が運転支援装置19を具備する構成である。他の実施形態では、車両3が運転支援装置19に代わって或いは共に、自動運転装置を具備してもよい。自動運転装置は、車両3を自動運転する自動運転機能を行うための装置である。この自動運転装置は、表示装置20と接続し、自動運転機能の実行がオンである場合、自動運転機能の実行がオンであることを示す情報を表示装置20に出力し、自動運転機能の実行がオフである場合、自動運転機能の実行がオフであることを示す情報を表示装置20に出力する。また、この他の実施形態では、判定部214は、自動運転装置が出力する情報に基づいて、車両3の自動運転機能の実行がオンであるかオフであるかを判定する。そして、この他の実施形態では、プロセッサ210は、自動運転機能の実行がオンであると判定部214が判定した場合、ステップS1からステップS7に処理を移行させて、ステップS7以降の処理を実行し、自動運転機能の実行がオフであると判定部214が判定した場合、ステップS1からステップS2に処理を移行させて、ステップS2以降の処理を実行する。
【0063】
他の実施形態では、車両3が駐車しているか否かで表示態様を異ならせてもよい。状態取得部212は、車両3の状態として駐車中か否かをシフト位置センサ21から取得する。そして、表示制御部217は、状態取得部212が取得した車両3の状態が駐車中である場合、テキストTXを第1表示態様で表示し、状態取得部212が取得した車両3の状態が駐車中でない場合、テキストTXを第2表示態様で表示する、或いは、テキストTXを非表示にする。
【0064】
他の実施形態では、表示制御部217がテキストTXを表示していない間に変換されたテキストTXを示すテキスト情報を、通信制御部211が会議サーバ1にアップロードしてもよい。
【0065】
上述した実施形態では、「プログラム」をアプリケーションプログラムとして例示したが、「プログラム」は、表示装置20のOS(Operating System)の一部のプログラムで構成されてもよい。
【0066】
上述した実施形態では、日本語の発話をテキストTXに変換する構成であるが、変換部213が変換する発話の言語は、日本語に限定されず、英語などの他の言語でもよい。
【0067】
上述した実施形態では、変換部213が文節ごとにテキストTXに変換する構成であるが、変換部213が変換する単位は、文字ごとでも、単語ごとでもよい。
【0068】
プロセッサ210は、単一のプロセッサにより構成されてもよいし、複数のプロセッサにより構成されていてもよい。プロセッサ210は、対応する機能部を実現するようプログラムされたハードウェアでもよい。すなわち、プロセッサ210は、例えば、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field Programmable Gate Array)で構成されてもよい。
【0069】
また、図2に示した車両3の構成は一例であって、具体的な実装形態は特に限定されない。つまり、必ずしも各部に個別に対応するハードウェアが実装される必要はなく、一つのプロセッサがプログラムを実行することで各部の機能を実現する構成とすることも勿論可能である。また、上述した実施形態においてソフトウェアで実現される機能の一部をハードウェアとしてもよく、或いは、ハードウェアで実現される機能の一部をソフトウェアで実現してもよい。その他、車両3の各部の具体的な細部構成についても任意に変更可能である。
【0070】
また、図7に示す動作のステップ単位は、動作の理解を容易にするために、主な処理内容に応じて分割したものであり、処理単位の分割の仕方や名称によって、本発明が限定されることはない。処理内容に応じて、さらに多くのステップ単位に分割してもよい。また、1つのステップ単位がさらに多くの処理を含むように分割してもよい。また、そのステップの順番は、本発明の趣旨に支障のない範囲で適宜に入れ替えてもよい。
【0071】
また、上述した表示装置20の制御方法を、プロセッサ210を用いて実現する場合、プロセッサ210に実行させるプログラムを記録媒体、又はこのプログラムを伝送する伝送媒体の態様で構成することも可能である。すなわち、会議アプリ221は、可搬型の情報記録媒体に会議アプリ221を記録させた状態で実現することも可能である。情報記録媒体は、ハードディスク等の磁気的記録媒体、CD等の光学的記録媒体、USB(Universal Serial Bus)メモリやSSD(Solid State Drive)等の半導体記憶デバイスが挙げられるが、その他の記録媒体を用いることも可能である。
【0072】
[5.上記実施形態によりサポートされる構成]
上記実施形態は、以下の構成をサポートする。
【0073】
(構成1)車両に設けられる表示装置であって、前記車両の状態を取得する状態取得部と、前記車両の乗員が参加するオンライン会議における発話の音声をテキストに変換する変換部と、前記変換部が変換したテキストを表示部により表示する表示制御部と、を備え、前記表示制御部は、前記状態取得部が取得した前記車両の状態に応じて、前記変換部が変換したテキストの表示態様を異ならせる、表示装置。
構成1の表示装置によれば、車両の乗員が参加するオンライン会議における発話をテキストによって表示する際、車両の状態を考慮してテキストの表示態様を異ならせることができる。よって、車両の乗員が参加するオンライン会議における発話をテキストで表示する際、車両の状態を考慮してテキストを表示できる。
【0074】
(構成2)前記状態取得部は、前記車両の状態として前記車両の速度を取得し、前記表示制御部は、前記状態取得部が取得した前記車両の速度が第1閾値以下である場合、前記変換部が変換するたびに前記変換部が変換したテキストを表示する、構成1に記載の表示装置。
構成2の表示装置によれば、車両の速度が第1閾値以下の場合には変換部が変換するたびにテキストを表示するため、オンライン会議における発話に対して、テキスト表示のリアルタイム性が低下することを抑制できる。よって、車両の乗員が参加するオンライン会議における利便性の低下を抑制できる。
【0075】
(構成3)前記表示制御部は、前記状態取得部が取得した前記車両の速度が前記第1閾値超過第2閾値以下である場合、前記変換部が変換したテキストを複数まとめて表示する、技術2に記載の表示装置。
構成3の表示装置によれば、車両の速度が第1閾値超過第2閾値以下の場合には変換部が変換したテキストを複数まとめて表示するため、運転者がテキストの表示に気を取られることを抑制できる。よって、車両の乗員が参加するオンライン会議中において、運転者が運転以外に気をとられて運転してしまうこと、すなわち脇見運転が発生することを抑制できる。
【0076】
(構成4)前記変換部は、文節ごとテキストに変換する、構成3に記載の表示装置。
構成4の表示装置によれば、日本語による発話をわかりやすくテキストによって表示できる。
【0077】
(構成5)前記表示制御部は、前記状態取得部が取得した前記車両の速度が前記第2閾値超過である場合、前記変換部が変換したテキストを表示しない、構成3又は構成4に記載の表示装置。
構成5の表示装置によれば、車両の速度が第2閾値超過である場合にはテキストが表示されないため、車両の速度が第2閾値超過である場合には運転者がテキストの表示に気を取られることがない。よって、車両の乗員が参加するオンライン会議中において脇見運転が発生することをより抑制できる。
【0078】
(構成6)前記車両の運転支援機能、又は前記車両の自動運転機能の実行がオンになっているか否かを判定する判定部と、前記車両の運転支援機能の実行がオンになっている、又は前記車両の自動運転機能の実行がオンになっていると前記判定部が判定した場合、前記表示制御部が表示するテキストの表示態様を、第1表示態様又は第2表示態様に設定する選択操作を受け付ける受付部と、を備え、前記第1表示態様は、前記変換部が変換するたびに前記変換部が変換したテキストを表示する表示態様であり、前記第2表示態様は、前記変換部が変換したテキストを複数まとめて表示する表示態様である、構成1から構成5のいずれか一つに記載の表示装置。
構成6の表示装置は、車両の運転支援機能又は自動運転機能の実行がオンである場合、車両の乗員が選択した表示態様でテキストを表示できる。よって、車両の乗員が参加可能なオンライン会議における利便性を向上できる。
【0079】
(構成7)車両に設けられる表示装置の制御方法であって、前記車両の状態を取得し、前記車両の乗員が参加するオンライン会議における発話の音声をテキストに変換し、取得した前記車両の状態に応じて変換したテキストの表示態様を異ならせて、変換したテキストを表示部により表示する、表示装置の制御方法。
構成7の表示装置の制御方法によれば、構成1の表示装置と同様の効果を奏する。
【0080】
(構成8)車両に設けられる表示装置のプロセッサを、前記車両の状態を取得する状態取得部と、前記車両の乗員が参加するオンライン会議における発話の音声をテキストに変換する変換部と、前記変換部が変換したテキストを表示部により表示する表示制御部と、して機能させ、前記表示制御部は、前記状態取得部が取得した前記車両の状態に応じて、前記変換部が変換したテキストの表示態様を異ならせる、プログラム。
構成8のプログラムによれば、構成1の表示装置と同様の効果を奏する。
【符号の説明】
【0081】
1…会議サーバ、2、2-1、2-2…端末装置、3…車両、13…タッチパネル(表示部)、19…運転支援装置、21…シフト位置センサ、22…車速センサ、210…プロセッサ、211…通信制御部、212…状態取得部、213…変換部、214…判定部、215…受付部、216…音声出力部、217…表示制御部、220…メモリ、221…会議アプリ(プログラム)、230…操作スイッチ群、240…インターフェース部、P…乗員。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7