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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024140423
(43)【公開日】2024-10-10
(54)【発明の名称】塗布装置
(51)【国際特許分類】
   B05C 5/02 20060101AFI20241003BHJP
   B05C 11/10 20060101ALI20241003BHJP
【FI】
B05C5/02
B05C11/10
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023051556
(22)【出願日】2023-03-28
(71)【出願人】
【識別番号】000219314
【氏名又は名称】東レエンジニアリング株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100104433
【弁理士】
【氏名又は名称】宮園 博一
(74)【代理人】
【識別番号】100172362
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 達哉
(72)【発明者】
【氏名】元井 昌司
(72)【発明者】
【氏名】木田 威
【テーマコード(参考)】
4F041
4F042
【Fターム(参考)】
4F041AA12
4F041AB01
4F041CA03
4F041CA13
4F042AA22
4F042AB00
4F042CA07
4F042CB02
4F042CB08
4F042CB20
4F042CB24
(57)【要約】
【課題】塗布流路から気泡を除去されやすくして、塗工精度の低下を抑制することが可能な塗布装置を提供する。
【解決手段】この塗布装置100は、搬送される基材90に対して塗液1を塗布する塗布装置であって、塗液を供給するポンプ10と、基材の搬送方向と直交する幅方向に延びる吐出口21と、吐出口と繋がりポンプから供給された塗液を吐出口に供給するための塗布流路22と、塗布流路の上方から気泡を流出させる気泡流出孔23と、を含む塗布部20と、を備え、塗布流路は、気泡流出孔と繋がるとともに、気泡流出孔に気泡を導くように上方に向かって狭まる形状を有する気泡導出部26を含む。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
搬送される基材に対して塗液を塗布する塗布装置であって、
前記塗液を供給するポンプと、
基材の搬送方向と直交する幅方向に延びる吐出口と、前記吐出口と繋がり前記ポンプから供給された前記塗液を前記吐出口に供給するための塗布流路と、前記塗布流路の上方から気泡を流出させる気泡流出孔と、を含む塗布部と、を備え、
前記塗布流路は、前記気泡流出孔と繋がるとともに、前記気泡流出孔に前記気泡を導くように上方に向かって狭まる形状を有する気泡導出部を含む、塗布装置。
【請求項2】
前記塗布流路は、前記塗液を貯留するマニホールドをさらに含み、
前記気泡流出孔は、前記マニホールドの上方に平面視で前記マニホールドと重なるように設けられ、
前記気泡導出部は、前記マニホールドに含まれている、請求項1に記載の塗布装置。
【請求項3】
前記気泡導出部は、上方に向かって狭まるように傾斜するかまたは上方に向かって狭まるように湾曲する形状を有する、請求項1または2に記載の塗布装置。
【請求項4】
前記気泡導出部は、前記幅方向に沿った断面視において、上方に向かって狭まるように直線状に傾斜するテーパー形状を有する、請求項3に記載の塗布装置。
【請求項5】
前記気泡導出部は、前記吐出口を含む鉛直方向に沿った断面視において、上方に向かって狭まるように湾曲する略半円形状を有する、請求項3に記載の塗布装置。
【請求項6】
前記気泡導出部は、前記吐出口を含む鉛直方向に沿った断面視において、上方に向かって狭まるように直線状に傾斜するテーパー形状を有する、請求項3に記載の塗布装置。
【請求項7】
前記気泡導出部は、前記気泡流出孔に向かって狭まるように傾斜するかまたは前記気泡流出孔に向かって狭まるように湾曲する形状を有する、請求項3に記載の塗布装置。
【請求項8】
前記気泡流出孔は、前記幅方向における前記塗布部の略中央部に形成されている、請求項1または2に記載の塗布装置。
【請求項9】
前記気泡流出孔は、前記幅方向に並ぶように前記塗布部に複数形成されており、
前記塗布流路は、複数の前記気泡流出孔の各々に対して前記気泡導出部を1つずつ含む、請求項1または2に記載の塗布装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、塗布装置に関し、特に、ポンプと、塗布部と、を備える塗布装置に関する。
関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ポンプと、塗布部と、を備え、搬送される基材に対して塗液を塗布する塗布装置が知られている(たとえば、特許文献1参照)。
【0003】
上記特許文献1には、ポンプと、塗布部と、を備え、搬送される基材の表面に塗液を塗布する塗布装置が開示されている。上記特許文献1には、ポンプは、塗液を塗布部に供給するとともに、塗布部は、ポンプから供給された塗液を、塗布部に設けられたスリット(塗布流路)を経由させて吐出口から基材に対して吐出することが開示されている。また、上記特許文献1には、塗液の塗布の停止を補助するようにマニホールド(塗布流路)から塗液をサックバックすることが開示されている。ここで、サックバックとは、塗液を吐出口から吐出させるための圧力の印加が停止された際や圧力が減少された際に、塗布流路内の塗液の圧力を低減させることにより、塗布流路内の塗液の少なくとも一部を吐出口と反対側に引き込ませることである。サックバックにより、塗布エンド部における塗液の引きずりの発生を抑制することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2021-104479号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記特許文献1には開示されていないが、塗布部の塗布流路に塗液が供給されていない状態から塗液が供給された際に、塗布流路に空気が気泡としてそのまま残ってしまう場合がある。塗液流路に含まれる気泡は、圧力の変化を吸収するため、サックバックによる塗液の吸引力が低下する。これにより、塗布エンド部に引きずりが生じやすくなるため、塗布エンド部の塗工精度が低下する可能性がある。そのため、塗布流路から気泡を除去されやすくして、塗工精度の低下を抑制することが可能な塗布装置が望まれている。
【0006】
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、この発明の1つの目的は、塗布流路から気泡を除去されやすくして、塗工精度の低下を抑制することが可能な塗布装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、この発明の一の局面による塗布装置は、搬送される基材に対して塗液を塗布する塗布装置であって、塗液を供給するポンプと、基材の搬送方向と直交する幅方向に延びる吐出口と、吐出口と繋がりポンプから供給された塗液を吐出口に供給するための塗布流路と、塗布流路の上方から気泡を流出させる気泡流出孔と、を含む塗布部と、を備え、塗布流路は、気泡流出孔と繋がるとともに、気泡流出孔に気泡を導くように上方に向かって狭まる形状を有する気泡導出部を含む。
【0008】
本発明の一の局面による塗布装置は、上記のように、塗布流路は、気泡流出孔と繋がるとともに、気泡流出孔に気泡を導くように上方に向かって狭まる形状を有する気泡導出部を含む。これにより、塗布流路の気泡は、気泡導出部の上方に向かって狭まる形状に沿ってガイドされながら上方に向かうとともに、気泡流出孔に導かれる。そのため、塗布流路に含まれる気泡を気泡流出孔から流出されやすくすることができる。その結果、塗布流路から気泡を除去されやすくして、塗工精度の低下を抑制することができる。
【0009】
上記一の局面による塗布装置において、好ましくは、塗布流路は、塗液を貯留するマニホールドをさらに含み、気泡流出孔は、マニホールドの上方に平面視でマニホールドと重なるように設けられ、気泡導出部は、マニホールドに含まれている。ここで、マニホールドには、塗布部における他の部分よりも多くの塗液が収容されているため、塗布部における他の部分よりも多くの気泡が含まれている。上記気泡流出孔がマニホールドの上方に平面視でマニホールドと重なるように設けられ、上記気泡導出部がマニホールドに含まれているように構成すれば、マニホールドの気泡は、上方に向かいながら気泡流出孔に導かれやすくなる。そのため、塗布流路に含まれる気泡を気泡流出孔からより流出されやすくすることができる。その結果、塗布流路から気泡をより除去されやすくして、塗工精度の低下をより抑制することができる。
【0010】
上記一の局面による塗布装置において、好ましくは、気泡導出部は、上方に向かって狭まるように傾斜するかまたは上方に向かって狭まるように湾曲する形状を有する。このように構成すれば、塗布流路の気泡を、気泡導出部の上記形状に沿ってガイドさせながら容易に上方に向かわせることができる。そのため、塗布流路に含まれる気泡を気泡流出孔から容易に流出させることができる。
【0011】
この場合、好ましくは、気泡導出部は、幅方向に沿った断面視において、上方に向かって狭まるように直線状に傾斜するテーパー形状を有する。このように構成すれば、基材の幅方向に延びる吐出口と繋がる上記幅方向に延びる塗布流路に含まれる気泡を、気泡導出部の幅方向に沿った断面視における上記形状に沿ってガイドしながらより容易に上方に向かわせることができる。そのため、塗布流路に含まれる気泡を気泡流出孔からより容易に流出させることができる。
【0012】
上記気泡導出部が上方に向かって狭まるように傾斜するかまたは上方に向かって狭まるように湾曲する形状を有する構成において、好ましくは、気泡導出部は、吐出口を含む鉛直方向に沿った断面視において、上方に向かって狭まるように湾曲する略半円形状を有する。このように構成すれば、吐出口を含む鉛直方向に沿った断面視において、略三角形状の形状を有する気泡導出部と比べて、上記略半円形状の形状を有する気泡導出部のほうが吐出口を含む鉛直方向に沿った断面積を大きくすることができる。そのため、塗液を収容する気泡導出部の断面積が大きいことにより、塗液を幅方向に広げやすくすることができるとともに、吐出口に塗液を供給する際に塗液にかかる抵抗を低減させることができるため、吐出口から塗液を基材の幅方向において均一に塗布することができる。
【0013】
上記気泡導出部が上方に向かって狭まるように傾斜するかまたは上方に向かって狭まるように湾曲する形状を有する構成において、好ましくは、気泡導出部は、吐出口を含む鉛直方向に沿った断面視において、上方に向かって狭まるように直線状に傾斜するテーパー形状を有する。このように構成すれば、気泡導出部の上記直線状に傾斜するテーパー形状を有する部分は、上方に近づいても勾配が緩やかにならないため、吐出口を含む鉛直方向に沿った断面視における上記形状に沿って気泡をガイドしながら、気泡導出部の上部近傍において気泡を残すことなく、気泡を気泡流出孔に導くことができる。そのため、塗布流路の気泡を気泡流出孔からより一層容易に流出させることができる。
【0014】
上記気泡導出部が上方に向かって狭まるように傾斜するかまたは上方に向かって狭まるように湾曲する形状を有する構成において、好ましくは、気泡導出部は、気泡流出孔に向かって狭まるように傾斜するかまたは気泡流出孔に向かって狭まるように湾曲する形状を有する。このように構成すれば、塗布流路の気泡を、気泡導出部の上記形状に沿ってガイドしながら容易に気泡流出孔に向かわせることができる。そのため、塗布流路に含まれる気泡を気泡流出孔からより容易に流出させることができる。
【0015】
上記一の局面による塗布装置において、好ましくは、気泡流出孔は、幅方向における塗布部の略中央部に形成されている。このように構成すれば、塗布流路において基材の幅方向に沿って含まれる気泡を気泡流出孔に効率良く導くことができる。そのため、塗布流路に含まれる気泡を気泡流出孔から効率良く流出させることができる。
【0016】
上記一の局面による塗布装置において、好ましくは、気泡流出孔は、幅方向に並ぶように塗布部に複数形成されており、塗布流路は、複数の気泡流出孔の各々に対して気泡導出部を1つずつ含む。このように構成すれば、気泡流出孔が塗布部に1つだけ形成されている場合と比べて、塗布流路の気泡を複数の気泡流出孔の各々からより流出されやすくすることができる。また、広幅の基材への塗布に対応するために塗布部が幅方向に幅広に形成されている場合であっても、気泡流出孔が塗布部に複数形成されていることにより、気泡流出孔が塗布部に1つだけ形成されている場合と比べて、気泡を短時間で流出させることができる。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、上記のように、塗布流路から気泡を除去されやすくして、塗工精度の低下を抑制することが可能な塗布装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】第1実施形態による塗布装置における塗布時の塗液の流れを説明するための模式図である。
図2】第1実施形態による塗布装置における塗布停止時の塗液の流れを説明するための模式図である。
図3】第1実施形態による塗布部の一例を示す模式図である。
図4】第1実施形態による塗布装置における気泡排出処理時の塗液の流れを説明するための模式図である。
図5】第2実施形態による塗布部の一例を示す模式図である。
図6】第3実施形態による塗布部の一例を示す模式図である。
図7】第1変形例による塗布部の一例を示す模式図である。
図8】第2変形例による塗布部の一例を示す模式図である。
図9】第3変形例による塗布部の一例を示す模式図である。
図10】第4変形例による塗布部の一例を示す模式図である。
図11】第5変形例による塗布部の一例を示す模式図である。
図12】第6変形例による塗布部の一例を示す模式図である。
図13】第7変形例による接続部分を説明するための説明模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明を具体化した実施形態を図面に基づいて説明する。
【0020】
[第1実施形態]
(塗布装置の構成)
図1図4を参照して、第1実施形態による塗布装置100について説明する。
【0021】
図1および図2は、塗布装置100における塗液1の流れの例を説明するための模式図である。図1は、塗液1を基材90に塗布している状態を示し、図2は、基材90への塗液1の塗布を停止している状態を示している。
【0022】
なお、第1実施形態における塗布装置100は、連続的に搬送される基材90に塗液1を間欠的に塗布することにより、基材90の搬送方向において基材90の表面に塗布領域と不塗布領域を交互に形成する装置である。基材90は、ロールトゥロール方式により搬送される。また、第1実施形態における塗布装置100は、搬送される基材90に対して後述する吐出口21から塗液1を略水平方向に塗布するように構成されている。
【0023】
図1および図2に示すように、塗布装置100は、ポンプ10と、塗布部20と、塗液タンク30と、供給路40と、第1循環路41と、第2循環路42とを備える。
【0024】
供給路40は、塗液タンク30とポンプ10とを接続するとともに、ポンプ10と塗布部20とを接続する。供給路40は、塗液タンク30から塗布部20に塗液1を供給するように構成されている。
【0025】
第1循環路41は、ポンプ10と塗布部20との間に設けられた後述する第1バルブ50と、後述する第2バルブ51とを接続するとともに、第2バルブ51と塗液タンク30とを接続する。第1循環路41は、供給路40内にある塗液1を循環させて塗液タンク30に回収するように構成されている。
【0026】
第2循環路42は、塗布部20と塗液タンク30とを、後述する第3バルブ52を介して接続する。第2循環路42は、気泡流出孔23から排出された塗液1を循環させて塗液タンク30に回収するように構成されている。
【0027】
ポンプ10は、塗液1を送液するように構成されている。ポンプ10は、所定範囲の出力により運転されている。ポンプ10は、供給路40を介して塗液タンク30から塗液1が流入される。ポンプ10は、供給路40を介して、塗布部20に対して塗液1を送液する。
【0028】
塗布部20は、基材90の搬送方向と直交する幅方向に延びるように形成されている。塗布部20は、吐出口21と、塗布流路22と、気泡流出孔23とを含む。塗布部20は、たとえばステンレス鋼により形成されている。塗布部20は、一例として、一対のリップとシムとを含んでいる。なお、本明細書において、「基材90の搬送方向と直交する幅方向」は、図1において手前から奥に向かう方向のことを意味する。
【0029】
吐出口21は、スリット24から供給される塗液1を吐出することにより基材90に対して塗液1を塗布するように構成されている。吐出口21は、塗布部20において、基材90の搬送方向と直交する幅方向に延びるように設けられている。吐出口21は、塗布部20においてローラ91上の基材90と対向する位置に設けられている。
【0030】
塗布流路22は、スリット24と、マニホールド25と、マニホールド25に含まれる気泡導出部26とを含む。
【0031】
スリット24は、塗布部20の内部に設けられている。スリット24は、基材90の搬送方向と直交する幅方向、および、基材90に対する塗液1の塗布方向に延びるように設けられている。スリット24は、一方端においてマニホールド25と繋がるように設けられている。スリット24は、他方端において吐出口21と繋がるように設けられている。スリット24は、マニホールド25から供給された塗液1を吐出口21に供給する。
【0032】
マニホールド25は、塗布部20の内部に設けられている。マニホールド25は、基材90の搬送方向と直交する幅方向に延びるように形成されている。マニホールド25は、供給路40とスリット24の間に設けられている。マニホールド25は、塗液1を留めるための空間により構成されている。マニホールド25は、ポンプ10から供給された塗液1を溜めるとともに、溜めた塗液1をスリット24において幅方向に均一にするように構成されている。
【0033】
気泡導出部26は、マニホールド25の一部として構成されている。気泡導出部26は、マニホールド25の上部に配置されている。気泡導出部26は、気泡流出孔23の一端側の開口と繋がるように設けられている。気泡導出部26は、気泡流出孔23に気泡2を導くように上方に向かって狭まる形状を有している。気泡導出部26の詳細は後述する。
【0034】
図3に示すように、気泡流出孔23は、塗布部20の内部に設けられている。気泡流出孔23は、塗布流路22の上方から気泡2を流出させるように構成されている。具体的には、気泡流出孔23は、気泡導出部26の上方から気泡2を流出させるように構成されている。気泡流出孔23の一端側の開口は、気泡導出部26と繋がっている。気泡導出部26の他端側の開口は、塗布部20の外部と繋がっている。気泡流出孔23は、マニホールド25の上方に平面視でマニホールド25と重なるように設けられている。
【0035】
図3(a)に示すように、気泡流出孔23は、基材90の搬送方向と直交する幅方向(X方向)における塗布部20の略中央部に形成されている。気泡流出孔23は、鉛直方向(Z方向)に延びるように形成されている。気泡流出孔23は、基材90の搬送方向と直交する幅方向(X方向)に1つ形成されている。塗布流路22は、気泡流出孔23に対して気泡導出部26を1つ含む。
【0036】
図1および図2に示すように、塗液タンク30は、塗液1を貯留するように構成されている。塗液タンク30は、供給路40を介して塗液1をポンプ10に送るように構成されている。塗液タンク30は、第1循環路41を介して塗液1が流入される。また、塗液タンク30は、第2循環路42を介して塗布部20から塗液1が流入される。
【0037】
第1バルブ50は、供給路40において、ポンプ10と塗布部20との間に設けられている。第1バルブ50は、供給路40を開閉可能なように構成されている。第1バルブ50は、供給路40の開閉を行うための第1弁体50aを有し、この第1弁体50aを第1駆動部50bによって駆動させて供給路40の開閉を行う。第1弁体50aが開方向に駆動された場合、第1バルブ50は開状態となる。第1弁体50aが閉方向に駆動された場合、第1バルブ50は閉状態となる。第1駆動部50bは、たとえばエアシリンダである。第1駆動部50bは図示しないコンピュータにより制御される。
【0038】
第2バルブ51は、第1循環路41において、第1バルブ50と塗液タンク30との間に設けられている。第2バルブ51は、第1循環路41を開閉可能なように構成されている。第2バルブ51は、第1循環路41の開閉を行うための第2弁体51aを有し、この第2弁体51aを第2駆動部51bによって駆動させて供給路40の開閉を行う。第2弁体51aが開方向に駆動された場合、第2バルブ51は開状態となる。第2弁体51aが閉方向に駆動された場合、第2バルブ51は閉状態となる。第2駆動部51bは、たとえばエアシリンダである。第2駆動部51bは図示しないコンピュータにより制御される。
【0039】
図1に示すように、第1バルブ50が開状態であり、第2バルブ51が閉状態である場合、塗液タンク30に収容された塗液1は、ポンプ10によって供給路40を介して塗布部20のマニホールド25に供給される。マニホールド25に供給された塗液1は、スリット24を介して吐出口21から吐出される。これにより、基材90の表面に塗布領域が形成される。なお、後述する第3バルブ52は閉状態である。
【0040】
また、図2に示すように、第1バルブ50が閉状態であり、第2バルブ51が開状態である場合、塗液タンク30に収容された塗液1は、ポンプ10によって供給路40および第1循環路41を介して塗液タンク30に循環される。この場合、塗液タンク30から供給された塗液1は、塗布部20に供給されない。そのため、基材90の表面に不塗布領域が形成される。なお、第3バルブ52は閉状態である。
【0041】
第1実施形態における塗布装置100は、塗布領域の形成後に塗液1の吐出を停止し、不塗布領域を形成する。塗布装置100は、第1バルブ50および第2バルブ51により、不塗布領域の形成を行うために塗液1の吐出を停止する補助を行うように構成されている。第1バルブ50の第1弁体50aおよび第2バルブ51の第2弁体51aの開閉制御により、マニホールド25内の塗液1を吸引することにより、塗布流路22内の塗液1の少なくとも一部を吐出口21と反対側に引き込むことにより、サックバックを行う。これにより、塗布エンド部における塗液1の引きずりの発生を抑制することができる。
【0042】
そして、塗布装置100は、連続的に搬送される基材90に塗液1を間欠塗布することにより、基材90の表面に塗布領域と不塗布領域を交互に形成する。すなわち、塗布装置100は、連続的に搬送される基材90に塗液1の吐出と塗液1の吐出の停止とを繰り返し行うことで、塗液1を断続的に塗布する。
【0043】
第3バルブ52は、第2循環路42において、塗布部20と塗液タンク30との間に設けられている。第3バルブ52は、第2循環路42を開閉可能なように構成されている。第3バルブ52は、たとえば、第2循環路42を全開状態と全閉状態とに切り換え可能なオンオフバルブである。第3バルブ52の開閉は、コンピュータ制御により行われても良いし、手動により行われても良い。なお、第3バルブ52を開状態にして第2循環路42を介して塗液1を塗液タンク30に循環させることにより、気泡流出孔23を介して気泡導出部26の気泡2を排出する処理については、後述する。
【0044】
(気泡導出部)
図3を参照して、第1実施形態による気泡導出部26を説明する。図3(b)に示すように、気泡導出部26は、基材90の搬送方向と直交する幅方向(X方向)に沿った断面視(図3(a)のIIIb-IIIb線に沿った断面視)において、上方に向かって狭まるように直線状に傾斜するテーパー形状を有する。また、図3(c)に示すように、気泡導出部26は、吐出口21を含む鉛直方向(Z方向)に沿った断面視(図3(a)のIIIc-IIIc線に沿った断面視)において、上方に向かって狭まるように湾曲する略半円形状を有する。
【0045】
また、気泡導出部26は、気泡流出孔23に向かって狭まるように湾曲する形状を有する。気泡導出部26の上端部には、気泡流出孔23の一端側の開口が設けられている。基材90の搬送方向と直交する幅方向(X方向)に沿った断面視(図3(a)のIIIb-IIIb線に沿った断面視)において、気泡導出部26における直線状に傾斜する傾斜部は、塗布部20のスリット24に接続されている。図3(b)に示す気泡導出部26の傾斜部とスリット24とのなす角度θは、たとえば2度以上である。しかしながら、角度θは特に限定されない。
【0046】
(気泡排出処理)
図4を参照して、気泡流出孔23を介して気泡導出部26に含まれる気泡2を排出する処理を説明する。図4に示すように、第1バルブ50は開状態であり、第2バルブ51は閉状態であり、第3バルブ52は開状態である。また、吐出口21には、塗液1の吐出を禁止するシール部材92が取り付けられている。気泡排出処理は、主として、基材90に対して塗液1を塗布する前の前処理として行われる。
【0047】
この場合、塗液タンク30に収容された塗液1は、ポンプ10によって供給路40を介して塗布部20のマニホールド25に供給されるが、吐出口21からの塗液1の吐出がシール部材92により禁止されている。マニホールド25に供給された塗液1は、気泡導出部26および気泡流出孔23を介して開状態の第3バルブ52へ送液されるとともに、開状態の第3バルブ52から第2循環路42を介して塗液タンク30に循環される。この際、気泡導出部26の気泡2も、塗液1と共に気泡流出孔23を介して排出される。これにより、塗布流路22に含まれる気泡2が気泡流出孔23から流出されやすくすることができる。
【0048】
気泡排出処理の後、図1に示すように、第1バルブ50は開状態とされ、第3バルブ52は閉状態とされ、吐出口21に装着されたシール部材92が取り外される。塗液タンク30に収容された塗液1は、ポンプ10によって供給路40を介して塗布部20のマニホールド25に供給される。マニホールド25に供給された塗液1は、スリット24を介して吐出口21から吐出される。これにより、基材90に対して塗液1が塗布される。
【0049】
(第1実施形態の効果)
第1実施形態では、以下のような効果を得ることができる。
【0050】
第1実施形態では、上記のように、塗布流路22は、気泡流出孔23と繋がるとともに、気泡流出孔23に気泡2を導くように上方に向かって狭まる形状を有する気泡導出部26を含む。これにより、塗布流路22の気泡2は、気泡導出部26の上方に向かって狭まる形状に沿ってガイドされながら上方に向かうとともに、気泡流出孔23に導かれる。そのため、塗布流路22に含まれる気泡2を気泡流出孔23から流出されやすくすることができる。その結果、塗布流路22から気泡2を除去されやすくして、塗工精度の低下を抑制することができる。
【0051】
また、第1実施形態では、上記のように、塗布流路22は、塗液1を貯留するマニホールド25をさらに含み、気泡流出孔23は、マニホールド25の上方に平面視でマニホールド25と重なるように設けられ、気泡導出部26は、マニホールド25に含まれている。ここで、マニホールド25には、塗布部20における他の部分よりも多くの塗液1が収容されているため、塗布部20における他の部分よりも多くの気泡2が含まれている。上記のように構成することにより、マニホールド25の気泡2は、上方に向かいながら気泡流出孔23に導かれやすくなる。そのため、塗布流路22に含まれる気泡2を気泡流出孔23からより流出されやすくすることができる。その結果、塗布流路22から気泡2をより除去されやすくして、塗工精度の低下をより抑制することができる。
【0052】
また、第1実施形態では、上記のように、気泡導出部26は、上方に向かって狭まるように傾斜するかまたは上方に向かって狭まるように湾曲する形状を有する。これにより、塗布流路22の気泡2を、気泡導出部26の上記形状に沿ってガイドしながら容易に上方に向かわせることができる。そのため、塗布流路22に含まれる気泡2を気泡流出孔23から容易に流出させることができる。
【0053】
また、第1実施形態では、上記のように、気泡導出部26は、幅方向(X方向)に沿った断面視において、上方に向かって狭まるように直線状に傾斜するテーパー形状を有する。これにより、基材90の幅方向に延びる吐出口21と繋がる上記幅方向に延びる塗布流路22に含まれる気泡2を、気泡導出部26の幅方向に沿った断面視における上記形状に沿ってガイドしながらより容易に上方に向かわせることができる。そのため、塗布流路22に含まれる気泡2を気泡流出孔23からより容易に流出させることができる。
【0054】
また、第1実施形態では、上記のように、気泡導出部26は、吐出口21を含む鉛直方向(Z方向)に沿った断面視において、上方に向かって狭まるように湾曲する略半円形状を有する。これにより、吐出口21を含む鉛直方向に沿った断面視において、略三角形状を有する気泡導出部と比べて、上記略半円形状を有する気泡導出部26のほうが吐出口21を含む鉛直方向に沿った断面積を大きくすることができる。そのため、塗液1を収容する気泡導出部26の断面積が大きいことにより、塗液1を幅方向に広げやすくすることができるとともに、吐出口21に塗液1を供給する際に塗液1にかかる抵抗を低減させることができるため、吐出口21から塗液1を基材90の幅方向(X方向)において均一に塗布することができる。
【0055】
また、第1実施形態では、上記のように、気泡導出部26は、気泡流出孔23に向かって狭まるように傾斜するかまたは気泡流出孔23に向かって狭まるように湾曲する形状を有する。これにより、塗布流路22の気泡2を、気泡導出部26の上記形状に沿ってガイドしながら容易に気泡流出孔23に向かわせることができる。そのため、塗布流路22に含まれる気泡2を気泡流出孔23からより容易に流出させることができる。
【0056】
また、第1実施形態では、上記のように、気泡流出孔23は、幅方向(X方向)における塗布部20の略中央部に形成されている。これにより、塗布流路22において基材90の幅方向(X方向)に沿って含まれる気泡2を気泡流出孔23に効率良く導くことができる。そのため、塗布流路22に含まれる気泡2を気泡流出孔23から効率良く流出させることができる。
【0057】
[第2実施形態]
次に、図5を参照して、第2実施形態による塗布装置100の構成について説明する。第2実施形態では、吐出口21を含む鉛直方向に沿った断面視における気泡導出部26の形状が、第1実施形態による気泡導出部26の形状と異なる。
【0058】
図5(b)に示すように、気泡導出部26は、第1実施形態と同様に、基材90の搬送方向と直交する幅方向(X方向)に沿った断面視(図5(a)のVb-Vb線に沿った断面視)において、上方に向かって狭まるように直線状に傾斜するテーパー形状を有する。しかしながら、図5(c)に示すように、気泡導出部26は、第1実施形態とは異なり、吐出口21を含む鉛直方向(Z方向)に沿った断面視(図5(a)のVc-Vc線に沿った断面視)において、上方に向かって狭まるように直線状に傾斜するテーパー形状を有する。
【0059】
第2実施形態のその他の構成は、上記第1実施形態と同様である。
【0060】
(第2実施形態の効果)
第2実施形態では、上記のように、気泡導出部26は、吐出口21を含む鉛直方向(Z方向)に沿った断面視において、上方に向かって狭まるように直線状に傾斜するテーパー形状を有する。これにより、気泡導出部26の上記直線状に傾斜するテーパー形状を有する部分は、上方に近づいても勾配が緩やかにならないため、吐出口21を含む鉛直方向に沿った断面視における上記形状に沿って気泡2をガイドしながら、気泡導出部26の上部近傍において気泡2を残すことなく、気泡2を気泡流出孔23に導くことができる。そのため、塗布流路22の気泡2を気泡流出孔23からより一層容易に流出させることができる。
【0061】
また、第2実施形態のその他の効果は、第1実施形態と同様である。
【0062】
[第3実施形態]
次に、図6を参照して、第3実施形態による塗布装置100の構成について説明する。塗布部20に気泡流出孔23が1つ形成された第1実施形態とは異なり、第3実施形態では、気泡流出孔23は、塗布部20に2つ形成されている。
【0063】
図6(a)に示すように、気泡流出孔23は、基材90の幅方向(X方向)に沿って並ぶように塗布部20に2つ形成されている。塗布流路22は、2つの気泡流出孔23の各々に対して気泡導出部26を1つずつ含んでいる。図6(b)に示すように、2つの気泡導出部26は、いずれも、基材90の搬送方向と直交する幅方向(X方向)に沿った断面視(図6(a)のVIb-VIb線に沿った断面視)において、上方に向かって狭まるように直線状に傾斜するテーパー形状を有する。なお、図6(c)に示すように、気泡導出部26は、いずれも、吐出口21を含む鉛直方向(Z方向)に沿った断面視(図6(a)のVIc-VIc線に沿った断面視)において、上方に向かって狭まるように湾曲する略半円形状を有する。
【0064】
第3実施形態のその他の構成は、上記第1実施形態と同様である。
【0065】
(第3実施形態の効果)
第3実施形態では、上記のように、気泡流出孔23は、基材90の幅方向(X方向)に並ぶように塗布部20に2つ形成されており、塗布流路22は、2つの気泡流出孔23の各々に対して気泡導出部26を1つずつ含む。これにより、気泡流出孔23が塗布部20に1つだけ形成されている場合と比べて、塗布流路22の気泡2を2つの気泡流出孔23の各々からより流出されやすくすることができる。また、広幅の基材90への塗布に対応するために塗布部20が幅方向(X方向)に幅広に形成されている場合であっても、気泡流出孔23が塗布部20に2つ形成されていることにより、気泡流出孔23が塗布部20に1つだけ形成されている場合と比べて、気泡2を短時間で流出させることができる。
【0066】
また、第3実施形態のその他の効果は、第1実施形態と同様である。
【0067】
[変形例]
なお、今回開示された実施形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施形態の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更(変形例)が含まれる。
【0068】
たとえば、上記第1および第2実施形態では、気泡流出孔23は、基材90の搬送方向と直交する幅方向(X方向)における塗布部20の略中央部に形成されている例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、図7に示す第1変形例のように、気泡流出孔23は、基材90の搬送方向と直交する幅方向(X方向)における塗布部20のいずれか一方の端部側に形成されていても良い。なお、この場合において、気泡導出部26は、気泡流出孔23に向かって狭まるように傾斜する形状を有する。
【0069】
また、上記第3実施形態では、2つの気泡流出孔23の各々に対して1つずつ含む気泡導出部26における幅方向(X方向)の略中央部において気泡流出孔23が形成されている例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、図8に示す第2変形例のように、気泡流出孔23は、基材90の搬送方向と直交する幅方向(X方向)における塗布部20の両方の端部側に1つずつ形成されるとともに、基材90の搬送方向と直交する幅方向における気泡導出部26の各々のいずれか一方の端部に1つずつ形成されていても良い。なお、この場合において、気泡導出部26の各々は、気泡流出孔23に向かって狭まるように傾斜する形状を有する。
【0070】
また、上記第1~第3実施形態では、基材90の搬送方向と直交する幅方向(X方向)に沿った断面視において、気泡導出部26の直線状に傾斜する傾斜部はスリット24に接続されている例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、図9図12に示すように、マニホールド25において、スリット24の上方に塗液1を留めるための塗液貯留空間27がさらに設けられるとともに、塗液貯留空間27の上方に気泡導出部26が形成されていても良い。
【0071】
この場合、図9に示す第3変形例のように、吐出口21を含む鉛直方向(Z方向)に沿った断面視(図9(a)のIXc-IXc線に沿った断面視)において、塗液貯留空間27は、上方に向かって狭まるように湾曲する略半円形状または円弧形状を有するとともに、気泡導出部26は、上方に向かって狭まるように直線状に傾斜するテーパー形状を有していても良い。
【0072】
また、図10に示す第4変形例のように、吐出口21を含む鉛直方向(Z方向)に沿った断面視(図10(a)のXc-Xc線に沿った断面視)において、塗液貯留空間27は、上方に向かって狭まるように湾曲する略半円形状または円弧形状を有するとともに、気泡導出部26は、上方に向かって狭まるように湾曲する略半円形状または円弧形状を有していても良い。
【0073】
また、図11に示す第5変形例のように、吐出口21を含む鉛直方向(Z方向)に沿った断面視(図11(a)のXIc-XIc線に沿った断面視)において、塗液貯留空間27は、略矩形形状を有するとともに、気泡導出部26は、上方に向かって狭まるように直線状に傾斜するテーパー形状を有していても良い。
【0074】
また、図12に示す第6変形例のように、気泡流出孔23は、基材90の幅方向(X方向)に沿って並ぶように塗布部20に2つ形成され、塗布流路22は、2つの気泡流出孔23の各々に対して気泡導出部26を1つずつ含んでいるとともに、吐出口21を含む鉛直方向(Z方向)に沿った断面視(図12(a)のXIIc-XIIc線に沿った断面視)において、塗液貯留空間27は、上方に向かって狭まるように湾曲する略半円形状または円弧形状を有するとともに、気泡導出部26は、上方に向かって狭まるように直線状に傾斜するテーパー形状を有していても良い。
【0075】
また、上記第1~第3実施形態では、基材90の搬送方向と直交する幅方向に沿った断面視(図3(a)のIIIb-IIIb線に沿った断面視)における、気泡導出部26と気泡流出孔23との接続部分93において、気泡導出部26の直線状の上面と、気泡流出孔23の直線状の側面とが接続されている例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、図13(a)に示す第7変形例のように、基材90の搬送方向と直交する幅方向に沿った断面視(図3(a)のIIIb-IIIb線に沿った断面視)において、気泡導出部26と気泡流出孔23との接続部分93は円弧状を有していても良い。または、図13(b)に示す第7変形例のように、基材90の搬送方向と直交する幅方向に沿った断面視(図3(a)のIIIb-IIIb線に沿った断面視)において、気泡導出部26と気泡流出孔23との接続部分93は2段階に折れる直線形状を有していても良い。
【0076】
また、上記第1~第3実施形態では、気泡導出部は気泡流出孔に向かって狭まるように傾斜するかまたは気泡流出孔に向かって狭まるように湾曲する形状を有する例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、気泡流出孔は、気泡導出部における上方に向かって狭まる形状の上端部よりも下方に形成されていても良い。
【0077】
また、上記第1~第3実施形態では、気泡導出部は、基材の幅方向に沿った断面視において、上方に向かって狭まるように直線状に傾斜するテーパー形状を有する例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、気泡導出部は、基材の幅方向に沿った断面視において、上方に向かって狭まるように湾曲する円弧形状を有していても良い。
【0078】
また、上記第3実施形態では、気泡流出孔は、基材の幅方向に並ぶように塗布部に2つ形成されており、塗布流路は、2つの気泡流出孔の各々に対して気泡導出部を1つずつ含む例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、気泡流出孔は、基材の幅方向に並ぶように塗布部に3つ以上形成されており、塗布流路は、3つ以上の気泡流出孔の各々に対して気泡導出部を1つずつ含むように構成されていても良い。
【0079】
また、上記第1~第3実施形態における塗布装置は、搬送される基材に対して吐出口から塗液を略水平方向に塗布するように構成されている例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、塗布装置は、搬送される基材に対して吐出口から塗液を略鉛直方向に塗布するように構成されていても良い。なお、この場合において、気泡流出孔は鉛直方向に延びるように形成され、気泡導出部は、上方に向かって狭まるように傾斜するかまたは上方に向かって狭まるように湾曲する形状を有する。
【0080】
また、上記第1~第3実施形態における塗布装置は、基材をロールトゥロール方式により搬送する例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、塗布装置は、枚葉方式により搬送しても良い。
【0081】
また、上記第1~第3実施形態における塗布装置は、基材に対して一条塗布する例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、塗布装置は、基材に対して複数条塗布するように構成されていても良い。この場合、複数の条毎に、気泡流出孔が形成されていても良い。
【0082】
また、上記第1~第3実施形態における塗布装置は、第3バルブを備える例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、塗布装置は、第3バルブではなく蓋が設けられ、手動により蓋が開閉されるように構成されていても良い。
【0083】
また、上記第1~第3実施形態における塗布装置は、第1バルブの第1弁体および第2バルブの第2弁体の開閉制御によりサックバックを行う例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、塗布装置は、別途サックバック機構を備え、サックバック機構は、マニホールド内の塗液を吸引することにより、塗布流路内の塗液の少なくとも一部を吐出口と反対側に引き込むように構成されていても良い。
【符号の説明】
【0084】
1 塗液
2 気泡
10 ポンプ
20 塗布部
21 吐出口
22 塗布流路
23 気泡流出孔
25 マニホールド
26 気泡導出部
90 基材
100 塗布装置
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13