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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024140427
(43)【公開日】2024-10-10
(54)【発明の名称】通信端末及び基地局装置
(51)【国際特許分類】
   H04W 72/1268 20230101AFI20241003BHJP
   H04W 72/0446 20230101ALI20241003BHJP
   H04W 72/20 20230101ALI20241003BHJP
【FI】
H04W72/1268
H04W72/0446
H04W72/20
【審査請求】未請求
【請求項の数】14
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023051560
(22)【出願日】2023-03-28
(71)【出願人】
【識別番号】000208891
【氏名又は名称】KDDI株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110004222
【氏名又は名称】弁理士法人創光国際特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100166006
【弁理士】
【氏名又は名称】泉 通博
(74)【代理人】
【識別番号】100154070
【弁理士】
【氏名又は名称】久恒 京範
(74)【代理人】
【識別番号】100153280
【弁理士】
【氏名又は名称】寺川 賢祐
(72)【発明者】
【氏名】武田 洋樹
(72)【発明者】
【氏名】李 ヤンウェイ
(72)【発明者】
【氏名】梅原 雅人
(72)【発明者】
【氏名】大関 武雄
(72)【発明者】
【氏名】洪 禎延
(72)【発明者】
【氏名】渡辺 大詩
【テーマコード(参考)】
5K067
【Fターム(参考)】
5K067AA33
5K067CC22
5K067EE02
5K067EE10
5K067GG01
(57)【要約】      (修正有)
【課題】基地局装置が間欠受信動作をする際にも、基地局装置が受信できるタイミングで通信端末がデータを送信する通信端末及び基地局装置を提供する。
【解決手段】通信システムにおいて、通信端末2は、基地局装置1がデータを受信する受信期間とデータを受信しない非受信期間とを示す構成情報と、非受信期間がない通常モードにおいて基地局装置1にデータを送信する第1タイミングを規定する第1タイミング情報を記憶する端末記憶部23と、非受信期間がある間欠受信モードにおいて基地局装置1にデータを送信する第2タイミングを規定する第2タイミング情報を基地局装置1から受信する端末受信部21と、通常モードにおいて第1タイミングで基地局装置1にデータを送信し、間欠受信モードにおいて第2タイミングで基地局装置1にデータを送信する端末送信部22と、を有する。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基地局装置がデータを受信する受信期間とデータを受信しない非受信期間とを示す構成情報と、前記非受信期間がない通常モードにおいて前記基地局装置にデータを送信する第1タイミングを規定する第1タイミング情報を記憶する記憶部と、
前記非受信期間がある間欠受信モードにおいて前記基地局装置にデータを送信する第2タイミングを規定する第2タイミング情報を前記基地局装置から受信する受信部と、
前記通常モードにおいて前記第1タイミングで前記基地局装置にデータを送信し、前記間欠受信モードにおいて前記第2タイミングで前記基地局装置にデータを送信する送信部と、
を有する通信端末。
【請求項2】
前記第1タイミング情報及び前記第2タイミング情報は、前記受信部が前記基地局装置からデータを受信した後に所定の応答を送信するまでの期間を示す情報である、
請求項1に記載の通信端末。
【請求項3】
前記第2タイミング情報は、前記第1タイミング情報に対応する期間と異なる期間を示す情報である、
請求項2に記載の通信端末。
【請求項4】
前記第1タイミング情報及び前記第2タイミング情報は、前記通信端末から前記基地局装置にデータを送信するタイミングを指定するためのデータを前記基地局装置から受信してから前記基地局装置にデータを送信するまでの期間を示す情報である、
請求項1に記載の通信端末。
【請求項5】
前記受信部は、無線リソース制御メッセージにおいて前記第1タイミング情報の複数の候補と、前記第2タイミング情報の複数の候補と、を受信し、
前記送信部は、ダウンリンク制御情報に含まれる候補指定データに基づいて前記複数の候補から選択した前記第2タイミング情報で前記基地局装置にデータを送信する、
請求項1に記載の通信端末。
【請求項6】
前記構成情報は、前記基地局装置が前記間欠受信モードで動作する間の一以上の前記非受信期間を示すパターン情報と、前記一以上の非受信期間の複数の組み合わせを識別するための複数のパターン識別情報と、を含み、
前記受信部は、無線リソース制御メッセージにおいて、前記複数のパターン識別情報に対応する前記第2タイミング情報の複数の候補の通知を受信し、かつ前記基地局装置の動作に対応する前記パターン識別情報を受信し、
前記送信部は、前記受信部が受信した前記パターン識別情報に対応する前記複数の候補に含まれる前記第2タイミング情報で前記基地局装置にデータを送信する、
請求項1に記載の通信端末。
【請求項7】
前記構成情報は、前記基地局装置が前記間欠受信モードで動作する間の一以上の前記非受信期間を示すパターン情報と、前記一以上の非受信期期間の複数の組み合わせを識別するためのパターン識別情報と、を含み、
前記受信部は、前記基地局装置が動作する前記間欠受信モードに対応する前記パターン識別情報を受信し、
前記送信部は、前記受信部が受信した前記パターン識別情報に対応する前記一以上の非受信期間において、前記基地局装置にデータを送信する処理を停止する、
請求項1に記載の通信端末。
【請求項8】
前記記憶部は、チャネル状態情報参照信号に基づくチャネル状態の測定結果を送信する複数の送信処理タイミングを記憶し、前記送信部は、前記記憶部に記憶された前記複数の送信処理タイミングのうち、前記非受信期間と一致していない前記送信処理タイミングにおいて、前記測定結果を送信し、前記非受信期間と一致する前記送信処理タイミングにおいて前記測定結果を送信しない、
請求項7に記載の通信端末。
【請求項9】
前記記憶部は、前記基地局装置にデータを送信するタイミングを示すスケジューリング情報を要求するスケジュール要求データを送信する複数の送信処理タイミングを記憶し、前記送信部は、前記記憶部に記憶された前記複数の送信処理タイミングのうち、前記非受信期間と一致していない前記送信処理タイミングにおいて、前記スケジュール要求データを送信し、前記非受信期間と一致する前記送信処理タイミングにおいて前記スケジュール要求データを送信しない、
請求項7に記載の通信端末。
【請求項10】
前記記憶部は、前記基地局装置がチャネル品質を測定するために使用する参照信号を前記通信端末が送信する複数の送信処理タイミングを記憶し、
前記送信部は、前記記憶部に記憶された前記複数の送信処理タイミングのうち、前記非受信期間と一致していない前記送信処理タイミングにおいて前記参照信号を送信し、前記非受信期間と一致する前記送信処理タイミングにおいて前記参照信号を送信しない、
請求項7に記載の通信端末。
【請求項11】
前記送信部は、前記非受信期間と一致していない前記送信処理タイミングが存在しない場合、前記送信処理タイミングの変更要求を前記基地局装置に送信する、
請求項10に記載の通信端末。
【請求項12】
前記記憶部は、前記基地局装置がデータを受信する受信期間とデータを受信しない非受信期間とを示す構成情報を記憶し、
前記受信部は、前記非受信期間がない通常モードで前記基地局装置が動作するか、前記非受信期間がある間欠受信モードで前記基地局装置が動作するか、を示すモード情報を前記基地局装置から受信し、
前記送信部は、前記基地局装置が前記間欠受信モードで動作している場合に、前記構成情報が示す前記受信期間において前記基地局装置にデータを送信する、
請求項1に記載の通信端末。
【請求項13】
基地局装置がデータを受信する受信期間と、前記基地局装置がデータを受信しない一以上の非受信期間と、を示す構成情報と、前記非受信期間がない通常モードにおいて前記基地局装置にデータを送信する第1タイミングを規定する第1タイミング情報を記憶する記憶部と、
前記通常モードにおいて前記第1タイミングで前記基地局装置にデータを送信し、前記非受信期間がある間欠受信モードにおいて、フレームにおける前記構成情報が示す前記一以上の非受信期間の位置に対応するオフセット値に基づいて前記第1タイミングから変更した第2タイミングで前記基地局装置にデータを送信する送信部と、
を有する通信端末。
【請求項14】
基地局装置送信部と、基地局装置受信部と、を有する基地局装置であって、
前記基地局装置送信部は、
前記基地局装置がデータを受信する受信期間とデータを受信しない非受信期間とを示す構成情報を通信端末に送信し、
前記非受信期間がある間欠受信モードにおいて前記基地局装置にデータを送信するタイミングを規定するタイミング情報を前記通信端末に送信し、
前記間欠受信モードで動作することを示す情報を前記通信端末に送信し、
前記基地局装置受信部は、前記受信期間において、前記タイミング情報に基づくタイミングで前記通信端末が送信したデータを受信する、
基地局装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、通信端末及び基地局装置に関する。
【背景技術】
【0002】
第5世代(5G)の無線通信システムでは、基地局装置が送信を行わない期間、及び基地局装置が受信を行わない期間を設けることにより、基地局装置の省電力化を実現することが提案されている。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0003】
【非特許文献1】3GPP、TR38.864、V1.0.0、2022年12月
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
通信端末がデータを送信するタイミングは、基地局装置によって指定される。基地局装置がデータを受信しない期間がある間欠受信動作をする場合、基地局装置が間欠受信動作をしない場合に指定された送信タイミングが、基地局装置がデータを受信しない期間と一致してしまい、通信端末がデータを送信しても基地局装置がデータを受信できないということが生じ得る。
【0005】
そこで、本発明はこれらの点に鑑みてなされたものであり、基地局装置が間欠受信動作をする際にも、基地局装置が受信できるタイミングで通信端末がデータを送信できるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1の態様の通信端末は、基地局装置がデータを受信する受信期間とデータを受信しない非受信期間とを示す構成情報と、前記非受信期間がない通常モードにおいて前記基地局装置にデータを送信する第1タイミングを規定する第1タイミング情報を記憶する記憶部と、前記非受信期間がある間欠受信モードにおいて前記基地局装置にデータを送信する第2タイミングを規定する第2タイミング情報を前記基地局装置から受信する受信部と、前記通常モードにおいて前記第1タイミングで前記基地局装置にデータを送信し、前記間欠受信モードにおいて前記第2タイミングで前記基地局装置にデータを送信する送信部と、を有する。
【0007】
前記第1タイミング情報及び前記第2タイミング情報は、例えば、前記受信部が前記基地局装置からデータを受信した後に所定の応答を送信するまでの期間を示す情報である。
前記第2タイミング情報は、前記第1タイミング情報に対応する期間と異なる期間を示す情報であってもよい。
【0008】
前記第1タイミング情報及び前記第2タイミング情報は、前記通信端末から前記基地局装置にデータを送信するタイミングを指定するためのデータを前記基地局装置から受信してから前記基地局装置にデータを送信するまでの期間を示す情報であってもよい。
【0009】
前記受信部は、無線リソース制御メッセージにおいて前記第1タイミング情報の複数の候補と、前記第2タイミング情報の複数の候補と、を受信し、前記送信部は、ダウンリンク制御情報に含まれる候補指定データに基づいて前記複数の候補から選択した前記第2タイミング情報で前記基地局装置にデータを送信してもよい。
【0010】
前記構成情報は、前記基地局装置が前記間欠受信モードで動作する間の一以上の前記非受信期間を示すパターン情報と、前記一以上の非受信期間の複数の組み合わせを識別するための複数のパターン識別情報と、を含み、前記受信部は、無線リソース制御メッセージにおいて、前記複数のパターン識別情報に対応する前記第2タイミング情報の複数の候補の通知を受信し、かつ前記基地局装置の動作に対応する前記パターン識別情報を受信し、前記送信部は、前記受信部が受信した前記パターン識別情報に対応する前記複数の候補に含まれる前記第2タイミング情報で前記基地局装置にデータを送信してもよい。
【0011】
前記構成情報は、前記基地局装置が前記間欠受信モードで動作する間の一以上の前記非受信期間を示すパターン情報と、前記一以上の非受信期期間の複数の組み合わせを識別するためのパターン識別情報と、を含み、前記受信部は、前記基地局装置が動作する前記間欠受信モードに対応する前記パターン識別情報を受信し、前記送信部は、前記受信部が受信した前記パターン識別情報に対応する前記一以上の非受信期間において、前記基地局装置にデータを送信する処理を停止してもよい。
【0012】
前記記憶部は、チャネル状態情報参照信号に基づくチャネル状態の測定結果を送信する複数の送信処理タイミングを記憶し、前記送信部は、前記記憶部に記憶された前記複数の送信処理タイミングのうち、前記非受信期間と一致していない前記送信処理タイミングにおいて、前記測定結果を送信し、前記非受信期間と一致する前記送信処理タイミングにおいて前記測定結果を送信しないでもよい。
【0013】
前記記憶部は、前記基地局装置にデータを送信するタイミングを示すスケジューリング情報を要求するスケジュール要求データを送信する複数の送信処理タイミングを記憶し、前記送信部は、前記記憶部に記憶された前記複数の送信処理タイミングのうち、前記非受信期間と一致していない前記送信処理タイミングにおいて、前記スケジュール要求データを送信し、前記非受信期間と一致する前記送信処理タイミングにおいて前記スケジュール要求データを送信しないでもよい。
【0014】
前記記憶部は、前記基地局装置がチャネル品質を測定するために使用する参照信号を前記通信端末が送信する複数の送信処理タイミングを記憶し、前記送信部は、前記記憶部に記憶された前記複数の送信処理タイミングのうち、前記非受信期間と一致していない前記送信処理タイミングにおいて前記参照信号を送信し、前記非受信期間と一致する前記送信処理タイミングにおいて前記参照信号を送信しないでもよい。
【0015】
前記送信部は、前記非受信期間と一致していない前記送信処理タイミングが存在しない場合、前記送信処理タイミングの変更要求を前記基地局装置に送信してもよい。
【0016】
前記記憶部は、前記基地局装置がデータを受信する受信期間とデータを受信しない非受信期間とを示す構成情報を記憶し、前記受信部は、前記非受信期間がない通常モードで前記基地局装置が動作するか、前記非受信期間がある間欠受信モードで前記基地局装置が動作するか、を示すモード情報を前記基地局装置から受信し、前記送信部は、前記基地局装置が前記間欠受信モードで動作している場合に、前記構成情報が示す前記受信期間において前記基地局装置にデータを送信してもよい。
【0017】
本発明の第2の態様の通信端末は、基地局装置がデータを受信する受信期間と、前記基地局装置がデータを受信しない一以上の非受信期間と、を示す構成情報と、前記非受信期間がない通常モードにおいて前記基地局装置にデータを送信する第1タイミングを規定する第1タイミング情報を記憶する記憶部と、前記通常モードにおいて前記第1タイミングで前記基地局装置にデータを送信し、前記非受信期間がある間欠受信モードにおいて、フレームにおける前記構成情報が示す前記一以上の非受信期間の位置に対応するオフセット値に基づいて前記第1タイミングから変更した第2タイミングで前記基地局装置にデータを送信する送信部と、を有する。
【0018】
本発明の第3の態様の基地局装置は、基地局装置送信部と、基地局装置受信部と、を有する基地局装置であって、前記基地局装置送信部は、前記基地局装置がデータを受信する受信期間とデータを受信しない非受信期間とを示す構成情報を通信端末に送信し、前記非受信期間がある間欠受信モードにおいて前記基地局装置にデータを送信するタイミングを規定するタイミング情報を前記通信端末に送信し、前記間欠受信モードで動作することを示す情報を前記通信端末に送信し、前記基地局装置受信部は、前記受信期間において、前記タイミング情報に基づくタイミングで前記通信端末が送信したデータを受信する。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、基地局装置が間欠受信動作をする際にも、基地局装置が受信できるタイミングで通信端末がデータを送信できるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】通信システムSの概要を説明するための図である。
図2】基地局装置1の構成を示す図である。
図3】通信端末2の構成を示す図である。
図4】構成情報の一例を示す図である。
図5】基地局装置1が通信端末2にタイミングの候補を明示しない場合に通信端末2が認識するタイミングの例を示す図である。
図6】DRXモードにおいてK1を設定する動作を説明するための図である。
図7】通常モードとDRXモードとが切り替わる場合の通信シーケンスの概要を示す図である。
図8】DTXモードにおいてK2を設定する動作を説明するための図である。
図9】DTXモードにおいてK0を設定する動作を説明するための図である。
図10】通常モードとDTXモードとが切り替わる場合の通信シーケンスの概要を示す図である。
図11】構成情報の変形例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
<通信システムSの概要>
図1は、通信システムSの概要を説明するための図である。通信システムSは、例えば5Gの基地局装置1と通信端末2とを備える。通信端末2は、例えば、スマートフォン、タブレット、携帯電話又はコンピュータであり、基地局装置1との間のダウンリンク(DL)でデータを受信し、アップリンク(UL)でデータを送信できるように構成されている。図1には1台の通信端末2を示しているが、基地局装置1は、複数の通信端末2と通信できるように構成されている。
【0022】
詳細については後述するが、基地局装置1は、通信端末2との間で常にデータを送受信できる通常モードの他に、データを受信しない非受信期間が発生する間欠受信モード(以下、「DRXモード」という)、及びデータを送信しない非送信期間が発生する間欠送信モード(以下、「DTXモード」という)の少なくともいずれかのモードで動作することができる。基地局装置1は、DTXモードで動作すること、及びDRXモードで動作することを、通信端末2との初期接続処理(RRC Configuration)において送信される無線リソース制御メッセージ(以下、「RRCメッセージ」という)により通信端末2に通知してもよく、初期接続処理が完了した後にダウンリンク制御情報(DCI:Downlink Control Information)を用いて通信端末2に通知してもよい。
【0023】
図2は、基地局装置1の構成を示す図である。基地局装置1は、基地局受信部11と、基地局送信部12と、基地局記憶部13と、基地局制御部14と、を有する。
【0024】
基地局受信部11は、通信端末2が送信したデータを受信する通信デバイスである。基地局送信部12は、通信端末2にデータを送信する通信デバイスである。基地局受信部11と基地局送信部12とは、一体のデバイスとして構成されていてもよく、別体のデバイスとして構成されていてもよい。
【0025】
基地局送信部12は、基地局装置1がデータを受信する受信期間とデータを受信しない非受信期間とを示す構成情報を通信端末2に送信する。また、基地局送信部12は、DRXモード及びDTXモードのそれぞれにおいて基地局装置1にデータを送信するタイミングを規定するタイミング情報を通信端末2に送信する。また、基地局送信部12は、DRXモードで動作する場合、DRXモードで動作することを示す情報を通信端末2に送信する。基地局送信部12は、DTXモードで動作する場合、DTXモードで動作することを示す情報を通信端末2に送信する。
【0026】
基地局受信部11は、構成情報において規定される受信期間において、タイミング情報に基づくタイミングで通信端末2が送信したデータを受信できるように動作する。基地局受信部11は、非受信期間においては通信端末2が送信したデータを受信できないように動作する。例えば、基地局受信部11は、消費電力を削減するために、非受信期間において動作を停止した状態になる。
【0027】
基地局記憶部13は、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)及びSSD(Solid State Drive)等の記憶媒体を有する。基地局記憶部13は、基地局制御部14が実行するプログラムを記憶している。基地局記憶部13は、基地局制御部14が基地局受信部11及び基地局送信部12を介して通信端末2との間でデータを送受信するために使用される各種のデータを記憶している。
【0028】
基地局制御部14は、例えばCPU(Central Processing Unit)を有する。基地局制御部14は、基地局記憶部13に記憶されたプログラムを実行することにより、基地局受信部11及び基地局送信部12を制御する。以下の説明における基地局受信部11の動作及び基地局送信部12の動作は、基地局制御部14の制御に基づく動作であるが、基地局受信部11の動作及び基地局送信部12の動作の少なくとも一部は、基地局制御部14の制御によらず、基地局受信部11及び基地局送信部12の内部回路又は内部のプロセッサにより実現されてもよい。また、以下の説明における基地局装置1の動作は、基地局制御部14の動作であると解することも可能である。
【0029】
図3は、通信端末2の構成を示す図である。通信端末2は、端末受信部21と、端末送信部22と、端末記憶部23と、端末制御部24と、を有する。
【0030】
端末受信部21は、基地局装置1が送信したデータを受信する通信デバイスである。端末送信部22は、基地局装置1にデータを送信する通信デバイスである。端末受信部21と端末送信部22とは、一体のデバイスとして構成されていてもよく、別体のデバイスとして構成されていてもよい。
【0031】
端末受信部21は、通常モード、DRXモード及びDTXモードのそれぞれにおいて端末送信部22が基地局装置1にデータを送信するタイミング、及び端末受信部21が基地局装置1からデータを受信するタイミングを規定するタイミング情報を基地局装置1から受信する。タイミング情報の詳細については後述するが、タイミング情報は、例えば、端末送信部22が基地局装置1にデータを送信するサブフレームやスロット、シンボル、又は基地局装置1から送信されたデータを端末受信部21が受信するべきサブフレームやスロット、シンボルを特定するための情報である。
【0032】
タイミング情報は、予め端末記憶部23に記憶されたタイミングの複数の候補のうち通信端末2が使用するべき候補を指定するためのデータであってもよい。端末受信部21は、端末送信部22がデータを基地局装置1に送信するタイミングの複数の候補、端末送信部22がデータを基地局装置1から受信するタイミングの複数の候補を受信し、受信した複数の候補を端末記憶部23に記憶させてもよい。
【0033】
端末受信部21は、例えば、第1タイミング情報、第2タイミング情報及び第3タイミング情報を基地局装置1から受信する。第1タイミング情報は、基地局装置1が通常モードで動作する場合に端末送信部22がデータを送信する第1タイミングを示す情報である。第2タイミング情報は、基地局装置1がDRXモードで動作する場合に端末送信部22がデータを送信する第2タイミングを示す情報である。第3タイミング情報は、基地局装置1がDTXモードで動作する場合に端末送信部22がデータを送信する第3タイミングを示す情報である。第2タイミング及び第3タイミングは、第1タイミングと異なる期間(例えばサブフレーム)である。
【0034】
また、端末受信部21は、非受信期間がない通常モードで基地局装置1が動作するか、非受信期間があるDRXモードで基地局装置1が動作するか、非送信期間があるDTXモードで基地局装置1が動作するかを示すモード情報を基地局装置1から受信する。端末受信部21は、RRCメッセージに含まれるモード情報を受信してもよく、DCIに含まれるモード情報を受信してもよい。端末受信部21は、受信したモード情報を端末制御部24に通知する。
【0035】
端末送信部22は、基地局装置1がDRXモードで動作している場合に、構成情報が示す受信期間において基地局装置1にデータを送信する。端末送信部22は、通常モードにおいて第1タイミングで基地局装置1にデータを送信し、DRXモードにおいて第2タイミングで基地局装置1にデータを送信し、DTXモードにおいて第3タイミングで基地局装置1にデータを送信することができるように構成されている。端末送信部22は、DRXモードにおける非受信期間と第1タイミングとが一致していない場合、DRXモードにおいても、第1タイミングで基地局装置1にデータを送信してもよい。すなわち、DRXモードにおける非受信期間と第1タイミングとが一致していない場合、第1タイミングと第2タイミングとが同じであってもよい。
【0036】
端末記憶部23は、ROM、RAM及びSSD等の記憶媒体を有する。端末記憶部23は、端末制御部24が実行するプログラムを記憶している。端末記憶部23は、端末制御部24が端末受信部21及び端末送信部22を介して通信端末2との間でデータを送受信するために使用される各種のデータを記憶している。端末記憶部23は、例えば、基地局装置1がデータを受信する受信期間とデータを受信しない非受信期間とを示す構成情報を記憶する。端末記憶部23は、基地局装置1がデータを送信する送信期間とデータを送信しない非送信期間とを示す構成情報を記憶してもよい。
【0037】
図4は、構成情報の一例を示す図である。図4(a)は、DRXモードに対応する構成情報であり、図4(b)は、DTXモードに対応する構成情報である。
【0038】
DRXモードに対応する構成情報は、基地局装置1がDRXモードで動作する間の一以上の非受信期間を示すパターン情報と、一以上の非受信期期間の複数の組み合わせを識別するための複数のパターン識別情報と、を含む情報である。図4(a)に示す構成情報においては、サブフレーム番号に関連付けて、受信期間(ON)と非受信期間(OFF)とを示すパターン情報が含まれている。受信期間と非受信期間がそれぞれ異なる複数のパターンには、パターンそれぞれを識別するためのDRX_Config 0からDRX_Config 9までのパターン識別情報が付されている。パターン識別情報は、通信端末2がDRXモードで動作するか否か、及びDRXモードにおいてどのパターンで動作するかを基地局装置1から通信端末2に通知する際に用いられる。
【0039】
DTXモードに対応する構成情報は、基地局装置1がDTXモードで動作する間の一以上の非送信期間を示すパターン情報と、一以上の非送信期間の複数の組み合わせを識別するための複数のパターン識別情報と、を含む情報である。図4(b)に示す構成情報においては、サブフレーム番号に関連付けて、送信期間(ON)と非送信期間(OFF)とを示すパターン情報が含まれている。送信期間と非送信期間がそれぞれ異なる複数のパターンには、パターンそれぞれを識別するためのDTX_Config 0からDTX_Config 9までのパターン識別情報が付されている。パターン識別情報は、通信端末2がDTXモードで動作するか否か、及びDTXモードにおいてどのパターンで動作するかを基地局装置1から通信端末2に通知する際に用いられる。
【0040】
図4に示す構成情報においては、通常モードを含めて10個のパターンが示されているが、構成情報は他のパターンを含んでもよい。例えば、構成情報には、1つのフレーム内に複数の非受信期間又は複数の非送信期間があるパターン(すなわち、非受信期間から受信期間への変化又は非送信期間から送信期間への変化が2回以上あるパターン)が含まれていてもよい。
【0041】
また、端末記憶部23は、非受信期間がない通常モードにおいて通信端末2が基地局装置1にデータを送信する第1タイミングを規定する第1タイミング情報、DRXモードにおいて通信端末2が基地局装置1にデータを送信する第1タイミングを規定する第2タイミング情報、及びDTXモードにおいて通信端末2が基地局装置1にデータを送信する第3タイミングを規定する第3タイミング情報を記憶する。端末記憶部23は、DRXモードの構成情報におけるパターン識別情報に関連付けて第2タイミング情報を記憶してもよい。端末記憶部23は、DTXモードの構成情報におけるパターン識別情報に関連付けて第3タイミング情報を記憶してもよい。
【0042】
端末記憶部23は、DRXモードの構成情報におけるパターン識別情報に関連付けて第2タイミング情報の複数の候補を記憶してもよい。端末記憶部23は、DTXモードの構成情報におけるパターン識別情報に関連付けて第3タイミング情報の複数の候補を記憶してもよい。これらの複数の候補には、それぞれの候補を識別するための候補IDが関連付けられていてもよい。
【0043】
候補IDについて、複数の候補のそれぞれの候補に、どの候補IDが関連付けられるかを、基地局装置1が通信端末2へ明示的に指示してもよい。また、基地局装置1が各候補に関連付けられる候補IDの明示的な指示をせず、予め定められた複数の候補の列挙順序・設定順序に従って、通信端末2が候補IDを0又は1から昇順に関連付けてもよく、候補の最大数又は候補最大数-1から降順に候補IDを関連付けてもよい。
【0044】
図5は、基地局装置1が通信端末2にタイミングの候補を明示しない場合に通信端末2が認識するタイミングの例を示す図である。図5においては、通常モードで基地局装置1が動作するDRX_Config 0に対応するK0が4であり、DRX_Config 1以降のDRXモードにおいては、K0の値が昇順に1つずつ増加している。
【0045】
端末制御部24は、例えばCPUを有する。端末制御部24は、端末記憶部23に記憶されたプログラムを実行することにより、端末受信部21及び端末送信部22を制御する。以下の説明における端末受信部21の動作及び端末送信部22の動作は、端末制御部24の制御に基づく動作であるが、端末受信部21の動作及び端末送信部22の動作の少なくとも一部は、端末制御部24の制御によらず、端末受信部21及び端末送信部22の内部回路又は内部のプロセッサにより実現されてもよい。また、以下の説明における通信端末2の動作は、端末制御部24の動作であると解することも可能である。
【0046】
端末受信部21及び端末送信部22は、端末制御部24の制御に基づいて、以下の動作を実行してもよい。
端末受信部21は、RRCメッセージにおいて第1タイミング情報の複数の候補と、第2タイミング情報又は第3タイミング情報(例えばK0、K1、K2)の少なくともいずれかの複数の候補とを受信し、受信した複数の候補を端末記憶部23に記憶させてもよい。この場合、端末送信部22は、ダウンリンク制御情報(DCI)に含まれる候補指定データに基づいて複数の候補から選択した第1タイミング、第2タイミング又は第3タイミングで基地局装置1にデータを送信する。
【0047】
候補指定データのビット数は、例えば、複数の候補の数に基づいて定められており、候補の数が1個の場合は0ビット(使用する候補が固定のため候補指定をする必要がない)、2個の場合は1ビット、候補の数が3個もしくは4個の場合は2ビット、5個以上7個以下の場合は3ビットで表される。候補指定データのビット数が、候補の数に基づいて決定されることにより、ダウンリンク制御情報(DCI)に必要なデータサイズを適切に節約することができる。
【0048】
端末制御部24は、例えば、DRXモードにおいて、端末記憶部23に記憶された第2タイミング情報の複数の候補の候補IDを参照し、候補指定データと一致する候補IDに関連付けられた候補に対応する第2タイミング情報が示す第2タイミングで基地局装置1にデータを送信する。端末制御部24は、例えば、DTXモードにおいて、端末記憶部23に記憶された第3タイミング情報の複数の候補の候補IDを参照し、候補指定データと一致する候補IDに関連付けられた候補に対応する第3タイミング情報が示す第3タイミングで基地局装置1にデータを送信する。
【0049】
端末受信部21は、RRCメッセージにおいて、DRXモードに対応する複数のパターン識別情報に対応する第2タイミング情報の複数の候補の通知を受信し、かつ基地局装置1の動作に対応するパターン識別情報を受信してもよい。この場合、端末送信部22は、端末受信部21が受信したパターン識別情報に対応する候補に含まれる第2タイミング情報に対応する第2タイミングで基地局装置1にデータを送信する。
【0050】
同様に、端末受信部21は、RRCメッセージにおいて、DTXモードに対応する複数のパターン識別情報に対応する第3タイミング情報の複数の候補の通知を受信し、かつ基地局装置1の動作に対応するパターン識別情報を受信してもよい。この場合、端末送信部22は、端末受信部21が受信したパターン識別情報に対応する候補に含まれる第3タイミング情報で基地局装置1にデータを送信する。パターン識別情報に対応する候補が複数あり、端末送信部22は、パターン識別情報に対応する複数の候補のうち、候補指定データに対応する第2タイミング又は第3タイミングで基地局装置1にデータを送信してもよい。
【0051】
なお、端末受信部21は、DRXモードに対応するパターン識別情報を受信し、端末送信部22は、端末受信部21が受信したパターン識別情報に対応する一以上の非受信期間において、基地局装置1にデータを送信する処理を停止してもよい。
【0052】
以下、DRXモード及びDTXモードにおける基地局装置1及び通信端末2の動作を詳細に説明する。以下の説明においては、基地局装置1がDRXモードで動作する場合と、DTXモードで動作する場合とを説明するが、基地局装置1がDRXモードとDTXモードとを同時に実行してもよい。基地局装置1がDRXモードとDTXモードとを同時に実行する場合、DRXモードにおける非受信期間、及びDTXモードにおける非送信期間に基づいて、通信端末2が送信したデータを基地局装置1が受信できるように決定したタイミング情報を通信端末2に通知する。
【0053】
<DRXモード>
[K1の設定]
図6は、DRXモードにおいてK1を設定する動作を説明するための図である。K1は、端末受信部21が基地局装置1からデータを受信した後に所定の応答を送信するまでの期間を示す情報である。具体的には、K1は、通信端末2が基地局装置1からの下りデータを受信した後にHARQ-ACKを基地局装置1に送信するタイミングを示すタイミング情報である。
【0054】
K1は、PDSCH-to-HARQ_feedback timing indicatorにより基地局装置1から通信端末2に通知される。DCI Format 1_1に含まれるPDSCH-to-HARQ_feedback timing indicatorのビット数はdl-DataToUL-ACKのエントリー数により決定され、DCI Format 1_2に含まれるPDSCH-to-HARQ_feedback timing indicatorのビット数もDL-DataToUL-ACK-DCI-1-2のエントリー数により決定される。
【0055】
図6(a)は、RRCにおいてdl-DataToUL-ACK (K1)=4のみが設定され、通信端末2に送信されるDCI Format 1_1にはフィールドPDSCH-to-HARQ_feedback timing indicatorが含まれることなく、通信端末2は常時K1=4を送信タイミングとして使用することができる場合に生じる問題を説明するための図である。このように基地局装置1に非受信期間が設けられている場合、通信端末2がデータを送信しても基地局装置1が当該データを受信できない期間が生じる。その結果、K1が固定されていると、PDSCHを割り当てられないサブフレームが生じてしまう。
【0056】
図6(a)においては、サブフレーム0から4が基地局装置1の非受信期間に設定されている。この場合、K1が例えば4に固定されていると、4サブフレーム期間だけ前に対応するダウンリンクの第6サブフレームから第0サブフレームにはPDSCHを割り当てることができない。この問題を解決するために、常にK1を可変にしてしまうと、基地局装置1が通常モードで動作する場合であっても、複数のK1の候補から使用するK1を指定するために必要なPDSCH-to-HARQ_feedback timing indicatorのビット数が増えてしまう。
【0057】
そこで、本実施形態に係る基地局装置1及び通信端末2は、通常モードで動作する場合に、初期接続時(RRC Configuration時)に基地局装置1から通信端末2に通知した固定のK1を使用し、DRXモードで動作する場合に、複数のK1の候補から選択したK1を使用する。基地局装置1は、選択したK1を示す値のPDSCH-to-HARQ_feedback timing indicatorを候補指定データとして通信端末2に送信することで、通信端末2は、DRXモードにおいて使用するK1を認識することができる。K1の候補が例えば4、5、6、7、8、9の6個である場合、3ビットのPDSCH-to-HARQ_feedback timing indicatorにより、使用するK1を基地局装置1が指定することができる。例えば、PDSCH-to-HARQ_feedback timing indicatorが000の場合はK1が4になり、001の場合はK1が5になる。
【0058】
なお、上記の説明では、通常モードで動作する場合の一例として、FDD(Frequency Division Duplex)において、固定のK1を使用する例を記載したが、通常モードの動作はこれに限らない。通常モードであっても、TDD(Time Division Duplex)の場合には、複数のK1の候補が指定される場合もありうる。この場合、基地局装置1は、通常モードと、DRXモードで、初期接続時(RRC Configuration時)に、それぞれのモードにおいて使用される複数のK1の候補をそれぞれ設定し、ダウンリンク制御情報(DCI)にて、候補指定データを通信端末2に送信してもよい。
【0059】
基地局装置1は、非受信期間の長さに基づいて、使用するK1の候補の数を決定してもよい。基地局装置1は、例えば、非受信期間が長いほど、使用するK1の候補の数を大きくする。基地局装置1は、例えば非受信期間に対応するサブフレームの数に1を加算した数をK1の候補の数とする。
【0060】
基地局装置1が、図4(a)の構成情報におけるDRX_Config 1で動作する場合、非受信期間は1サブフレーム期間だけである。この場合、K1の候補が2つあれば、ダウンリンクのサブフレームと非受信期間との関係に基づいて基地局装置1がいずれかのK1を指定することで、通信端末2は、基地局装置1が受信できる期間にHARQ-ACKを送信することができる。一方、基地局装置1がDRX_Config 9で動作する場合、非受信期間が9サブフレーム期間にわたるので、K1の候補が10個必要になる。
【0061】
図6(b)に示す例の場合、非受信期間が5サブフレーム期間であり、K1の候補が4、5、6、7、8、9に設定されている。基地局装置1は、ダウンリンクの第6サブフレームから第0サブフレームに対して、例えばK1を9に指定することで、基地局装置1が受信できるタイミングで通信端末2がHARQ-ACKを送信することができる。基地局装置1は、ダウンリンクのサブフレームごとに異なるK1を指定してもよい。
【0062】
[K2の設定]
通信端末2がデータを送信するタイミングを規定する情報としてK2もある。K2は、通信端末2から基地局装置1にデータを送信するサブフレームを指定するためのデータを通信端末2が基地局装置1から受信してから、通信端末2が基地局装置1にデータを送信するまでの期間を示す情報である。K2は、Time domain resource assignmentにより基地局装置1から通信端末2に通知される。
【0063】
DCI Format 0_1に含まれるTime domain resource assignmentのビット数は、pusch-TimeDomainAllocationList又はpusch-TimeDomainAllocationListDCI-0-1のエントリー数により決定される。DCI Format 0_2に含まれるTime domain resource assignmentのビット数はpusch-TimeDomainAllocationList、又はpusch-TimeDomainAllocationListDCI-0-2のエントリー数により決定される。DRXモードにおいて、基地局装置1は、使用可能なK2の複数の候補のうち使用するK2をTime domain resource assignmentにより通信端末2に通知し、通信端末2は、通知されたK2を使用してデータを送信する。
【0064】
[通信シーケンス]
図7は、通常モードとDRXモードとが切り替わる場合の通信シーケンスの概要を示す図である。基地局装置1が通常モードでの動作を開始する場合(S11)、基地局送信部12は、動作モードが通常モードであることを示すパターン識別情報DRX_Config 0を通信端末2に送信する。通信端末2は、DRX_Config 0を受信すると、通常モード用のK1、K2を用いて動作する(S12)。
【0065】
基地局装置1が通常モードからDRXモードに変更した場合(S13)、基地局送信部12は、非受信期間のパターンを示すパターン識別情報を通信端末2に送信する。図7に示す例においては、基地局送信部12がDRX_Config 2を通信端末2に送信している。基地局送信部12は、さらに、DRX_Config 2のパターンでDRXモードでの動作をする場合に使用可能なK1、K2の複数の候補を、RRCメッセージにて指定したうえで、その複数の候補のうち、通信端末2に使用させるK1、K2を指定する候補指定データを、ダウンリンク制御情報にて、通信端末2に送信する。具体的には、基地局送信部12は、候補の数に対応するビット数のPDSCH-to-HARQ_feedback timing indicatorで、選択したK1を通信端末2に通知する。また、基地局送信部12は、Time domain resource assignmentで、選択したK2を通信端末2に送信する。
【0066】
端末制御部24は、パターン識別情報(DRX_Config 2)とK1及びK2に対応する候補指定データとを受信すると、パターン識別情報に関連付けて端末記憶部23に記憶されたK1の複数の候補及びK2の複数の候補のうち、候補指定データに対応するK1及びK2を特定する(S14)。その後、端末制御部24は、特定したK1及びK2に基づいて動作するように端末送信部22を制御する(S15)。
【0067】
その後、基地局装置1が通常モードでの動作を開始する場合(S16)、基地局送信部12は、動作モードが通常モードであることを示すパターン識別情報DRX_Config 0を通信端末2に送信する。通信端末2は、DRX_Config 0を受信すると、通常モード用のK1、K2を用いて動作する(S17)。
【0068】
なお、通信端末2が、RRCメッセージで、複数のパターン識別情報(例えば、DRX_Config 0~9までのパターン識別情報)をあらかじめ受信し、ダウンリンク制御情報(DCI)にて、どのパターン識別情報を用いたDRXモードを実施するかの指示を受信してもよい。
【0069】
<DTXモード>
[K2の設定]
図8は、DTXモードにおいてK2を設定する動作を説明するための図である。図8(a)は、RRCにおいてPUSCH-TimeDomainResourceAllocationでK2として4のみが設定され、通信端末2に送信されるDCI Format 0_0にはフィールドTime domain resource assignmentが含まれることなく、通信端末2は常時K2=4を送信タイミングとして使用することができる場合に生じる問題を説明するための図である。このように基地局装置1に非送信期間が設けられている場合、基地局装置1がデータを送信できないサブフレームが発生するため、PUSCHを割り当てることができないサブフレームが生じてしまう。
【0070】
図8(a)においては、第6サブフレームから第0サブフレームが基地局装置1の非送信期間に設定されている。この場合、K2が例えば4に固定されていると、非送信期間に対応するサブフレームに対して4サブフレーム期間だけ後に対応するアップリンクのサブフレーム0から4にはPUSCHを割り当てることができない。この問題を解決するために常にK2を可変にしてしまうと、基地局装置1が通常モードで動作する場合であっても、複数のK2の候補から使用するK2を指定するために必要なTime domain resource assignmentのビット数が増えてしまう。
【0071】
そこで、本実施形態に係る基地局装置1及び通信端末2は、通常モードで動作する場合に、初期接続時(RRC Configuration時)に基地局装置1から通信端末2に通知した固定のK2を使用し、DRXモードで動作する場合に、複数のK2の候補から選択したK2を使用する。基地局装置1は、選択したK2を示す値のTime domain resource assignmentを通信端末2に送信することで、通信端末2は、DTXモードにおいて使用するK2を認識することができる。K2の候補が例えば4、5、6、7、8、9の6個である場合、3ビットのTime domain resource assignmentにより、使用するK2を基地局装置1が指定することができる。例えば、Time domain resource assignmentが000の場合はK2が4になり、001の場合はK2が5になる。
【0072】
なお、上記の説明では、通常モードで動作する場合の一例として、FDD(Frequency Division Duplex)において、固定のK2を使用する例を記載したが、通常モードの動作はこれに限らない。通常モードであっても、TDD(Time Division Duplex)の場合には、複数のK1の候補が指定される場合もありうる。この場合、基地局装置1は、通常モードと、DRXモードで、初期接続時(RRC Configuration時)に、それぞれのモードで使用される複数のK2の候補をそれぞれ設定し、ダウンリンク制御情報(DCI)のTime domain resource assignmentにて、使用すべきK2の候補を通信端末2に指定してもよい。
【0073】
基地局装置1は、非送信期間の長さに基づいて、使用するK2の候補の数を決定してもよい。基地局装置1は、例えば、非送信期間が長いほど、使用するK2の候補の数を大きくする。基地局装置1は、例えば非送信期間に対応するサブフレームの数に1を加算した数をK2の候補の数とする。
【0074】
基地局装置1が、DTX_Config 1で動作する場合、非送信期間は1サブフレーム期間だけである。この場合、K2の候補が2つあれば、例えば、非送信期間に隣接するサブフレームにおいて、基地局装置1が2つのK2を送信することで、2つのサブフレームにPUSCHを割り当てることができる。基地局装置1がDTX_Config 9で動作する場合、非送信期間が9サブフレーム期間にわたるので、基地局装置1は、送信期間に対応する1のサブフレームにおいて10個のK2を送信する。その結果、非送信期間のパターンによらず、全てのサブフレームにPUSCHが割り当てられる。
【0075】
図8(b)に示す例の場合、非送信期間が第6サブフレームから第0サブフレームまでの5サブフレーム期間である。この場合、基地局装置1は、第5サブフレームにおいて、K2=4、5、6、7、8、9を指定するDCIを送信することで、通信端末2は、アップリンクの第0サブフレームから第4サブフレームにおいてもPUSCHでデータを送信することができる。
【0076】
[K0の設定]
図9は、DTXモードにおいてK0を設定する動作を説明するための図である。5Gシステムにおいては、通信端末2が基地局装置1から送信されたデータを受信するタイミングを示すタイミング情報であるK0が基地局装置1により指定される。K0は、例えば、通信端末2が基地局装置1から送信されたデータを受信するサブフレームを指定するためのデータを基地局装置1から受信してから、基地局装置1から送信された所定のデータ(例えばPDSCHのデータ)を通信端末2が受信するまでの期間を示す情報である。
【0077】
図9(a)は、RRCにおいてPDSCH-TimeDomainResourceAllocationでK0として4のみが設定され、通信端末2に送信されるDCI Format 1_1、DCI Format 1_2にフィールドTime domain resource assignmentが含まれることなく、通信端末2が、常時K0=4を使用することができる場合に生じる問題を説明するための図である。このように基地局装置1に非送信期間が設けられている場合、基地局装置1がデータを送信できないサブフレームが発生するため、PDSCHを割り当てることができないサブフレームが生じてしまう。
【0078】
図9(a)においては、第6サブフレームから第0サブフレームまでが基地局装置1の非送信期間に設定されている。この場合、K0が例えば4に固定されていると、非送信期間に対応する第6サブフレーム~第0サブフレームに加えて、非送信期間に対応するサブフレームに対して4サブフレーム期間だけ後に対応するダウンリンクの第1サブフレームから第4サブフレームまでにもPUSCHを割り当てることができない。この問題を解決するために常にK0を可変にしてしまうと、基地局装置1が通常モードで動作する場合であっても、複数のK0の候補から使用するK2を指定するために必要なTime domain resource assignmentのビット数が増えてしまう。
【0079】
そこで、本実施形態に係る基地局装置1及び通信端末2は、通常モードで動作する場合に、初期接続時(RRC Configuration時)に基地局装置1から通信端末2に通知した固定のK0を使用し、DRXモードで動作する場合に、複数のK0を指定できるようにする。基地局装置1は、指定する複数のK0を示す値のTime domain resource assignmentを通信端末2に送信することで、通信端末2は、DTXモードにおいて使用するK0を認識することができる。
【0080】
なお、上記の説明では、通常モードで動作する場合の一例として、FDD(Frequency Division Duplex)において、固定のK0を使用する例を記載したが、通常モードの動作はこれに限らない。通常モードであっても、TDD(Time Division Duplex)の場合には、複数のK0の候補が指定される場合もありうる。この場合、基地局装置1は、通常モードと、DRXモードで、初期接続時(RRC Configuration時)に、それぞれのモードにおいて使用される複数のK2の候補を設定し、ダウンリンク制御情報(DCI)のTime domain resource assignmentにて、使用すべきK0の候補を通信端末2に指定してもよい。
【0081】
基地局装置1がDTX_Config 1で動作する場合、非送信期間は1サブフレーム期間だけである。この場合、いずれかのサブフレームで2個のK0を指定することで、全てのサブフレームにPDSCHが割り当てることが可能になる。基地局装置1がDTX_Config 9で動作する場合、非送信期間が9サブフレームにわたるので、基地局装置1は、送信期間に対応する1のサブフレームにおいて10個のK0を示すデータを送信することで、非送信期間以外の全てのサブフレームにPDSCHが割り当てられる。
【0082】
図9(b)に示す例の場合、非送信期間が第6サブフレームから第0サブフレームまでの5サブフレーム期間である。この場合、基地局装置1は、第5サブフレームにおいてK0=6、7、8、9を指定するデータを含むDCIを送信することで、第1サブフレームから第4サブフレームにもPDSCHが割り当てられる。図9(b)に示す例において、基地局装置1は、第4サブフレームにおいてK0=7、8を割り当て、第5サブフレームにおいてK0=8、9を割り当てるようにしてもよい。
【0083】
K0に設定できる複数の値の全ての組み合わせのうちのいずれかを基地局装置1が指定できるようにすると、PDSCH割当てに用いられるDCI Format 1_1、DCI Format 1_2のそれぞれに使用されるTime domain resource assignmentのビット数が大きくなる。そこで、K0に設定できる複数の値の全ての組み合わせのうち、一部の組み合わせを基地局装置1が指定できるようにすることで、Time domain resource assignmentのビット数を削減できるようにしてもよい。
【0084】
[通信シーケンス]
図10は、通常モードとDTXモードとが切り替わる場合の通信シーケンスの概要を示す図である。基地局装置1が通常モードでの動作を開始する場合(S21)、基地局送信部12は、動作モードが通常モードであることを示すパターン識別情報DTX_Config 0を通信端末2に送信する。通信端末2は、DTX_Config 0を受信すると、通常モード用のK0、K2を用いて動作する(S22)。
【0085】
基地局装置1が通常モードからDTXモードに変更した場合(S23)、基地局送信部12は、非受信期間のパターンを示すパターン識別情報を通信端末2に送信する。図7に示す例においては、基地局送信部12がDTX_Config 2を通信端末2に送信している。基地局送信部12は、さらに、DTX_Config 2のパターンでDTXモードでの動作をする場合に使用可能なK0、K2の複数の候補を、RRCメッセージにて指定したうえで、その複数の候補のうち通信端末2に使用させるK0、K2を指定するための候補指定データを、ダウンリンク制御情報にて、通信端末2に送信する。具体的には、基地局送信部12は、選択したK0を示す候補指定データをTime domain resource assignmentで通信端末2に送信する。また、基地局送信部12は、選択したK2を示す候補指定データをTime domain resource assignmentで通信端末2に送信する。
【0086】
端末制御部24は、パターン識別情報(DTX_Config 2)とK0及びK2の候補指定データとを受信すると、パターン識別情報に関連付けて端末記憶部23に記憶されたK0の複数の候補及びK2の複数の候補のうち、K0及びK2の候補指定データに対応するK0及びK2を特定する(S24)。その後、端末制御部24は、特定したK0及びK2に基づいて動作するように端末送信部22を制御する(S25)。
【0087】
その後、基地局装置1が通常モードでの動作を開始する場合(S26)、基地局送信部12は、動作モードが通常モードであることを示すパターン識別情報DTX_Config 0を通信端末2に送信する。通信端末2は、DTX_Config 0を受信すると、通常モード用のK0、K2を用いて動作する(S27)。
【0088】
なお、通信端末2が、RRCメッセージで、複数のパターン識別情報(例えば、DTX_Config 0~9までのパターン識別情報)をあらかじめ受信し、ダウンリンク制御情報(DCI)にて、どのパターン識別情報を用いたDTXモードを実施するかの指示を受信してもよい。
【0089】
<通信端末2によるタイミング変更>
以上の説明においては、基地局装置1が、DCIを用いてK0、K1、K2を通信端末2に通知する場合を説明したが、通信端末2は、基地局装置1からの指示によらず、K0、K1、K2を変更してもよい。
【0090】
この場合、端末送信部22は、例えば、通常モードにおいて第1タイミングで基地局装置1にデータを送信し、DRXモードにおいて、構成情報が示す一以上の非受信期間の位置に対応するオフセット値に基づいて第1タイミングから変更した第2タイミングで基地局装置1にデータを送信する。オフセット値は、予め端末記憶部23に記憶されていてもよく、端末受信部21が基地局装置1から受信してもよい。
【0091】
例えば、図6に示した例において、K1が4に設定された状態で基地局装置1がDRXモードで動作する間に、通信端末2がダウンリンクの第6サブフレームでPDSCHデータを受信する場合、通信端末2は、アップリンクの第0サブフレームではなく、非送信期間が解除される先頭のサブフレーム、つまり、第5サブフレームでHARQ-ACKを送信するようにしてもよい。
【0092】
同様に、通信端末2がダウンリンクの第7フレームでPDSCHデータを受信する場合、通信端末2は、アップリンクの第1サブフレームではなく第5サブフレームでHARQ-ACKを送信する。通信端末2がダウンリンクの第0サブフレームで、PDSCHデータを受信する場合、通信端末2は、ダウンリンクの第4サブフレームではなく第5サブフレームでHARQ-ACKを送信する。
【0093】
通信端末2は、通常モードで使用しているK1に対応するサブフレームでHARQ-ACKを送信できない場合、通常モードで使用しているK1にオフセット値をプラスしたタイミングでHARQ-ACKを送信してもよい。通信端末2は、例えば、通常モードで使用しているK1が4であり、DRXモードにおいてオフセット値として5が指示され、第6サブフレームでPDSCHデータを受信した場合、第6サブフレームの4サブフレーム期間後の第0サブフレームではなく、オフセット値5をプラスした第5サブフレームでHARQ-ACKを送信する。通信端末2は、第0サブフレームでPDSCHデータを受信した場合、第4サブフレームではなく、オフセット値5をプラスした第9サブフレームでHARQ-ACKを送信する。
【0094】
また、通信端末2は、通常モードで使用しているK1に対応するサブフレームでHARQ-ACKを送信できるか否かを判定し、送信できると判定する場合には、オフセット値を用いずに、通常モードで使用しているK1で示されるタイミングでHARQ-ACKを送信し、送信できないと判定する場合には、K1にオフセット値をプラスしたタイミングでHARQ-ACKを送信することができる。
【0095】
K2が4に設定された状態で基地局装置1がDRXモードで動作する場合についても、通信端末2は、HARQ-ACKの送信タイミングと同様に、基地局装置1からの指示によらずPUSCHデータの送信タイミングを変更してもよい。例えば、通信端末2がダウンリンクの第6サブフレームで、PUSCHデータの送信を指示するDCIを受信した場合、通信端末2は、第6サブフレームの4サブフレーム期間後の第0サブフレームではなく、基地局装置1の非受信期間が解除される先頭のフレーム、つまり、第5サブフレームでPUSCHデータを送信するようにPUSCHデータの送信タイミングを変更する。
【0096】
通信端末2は、通常モードで使用しているK2に対応するサブフレームでPUSCHデータを送信できない場合、通常モードで使用しているK2にオフセット値をプラスしたタイミングでPUSCHデータを送信してもよい。通信端末2は、例えば、通常モードで使用しているK2が4であり、DRXモードにおいてオフセット値として5が指示され、第6サブフレームでPUSCHデータの送信を指示するDCIを受信した場合、通信端末2は、第6サブフレームの4サブフレーム期間後の第0サブフレームではなく、オフセット値5をプラスした第5サブフレームでPUSCHデータを送信する。また、通信端末2は、通常モードで使用しているK2に対応するサブフレームでPUSCHデータを送信できるか否かを判定し、送信できると判定する場合には、オフセット値を用いずに、通常モードで使用しているK2で示されるタイミングでPUSCHデータを送信し、送信できないと判定する場合には、K2にオフセット値をプラスしたタイミングでPUSCHデータを送信することができる。
【0097】
オフセット値は、例えば、DRXモードにおける非受信期間の長さに対応するサブフレーム数である。通信端末2は、予め基地局装置1からオフセット値を受信しておき、端末記憶部23に記憶しておいてもよい。通信端末2は、構成情報に含まれているパターン識別情報に関連付けてオフセット値を記憶しておき、基地局装置1からDRXモードのパターン識別情報の通知を受けたことに応じて、使用するオフセット値を決定してもよい。
【0098】
また、オフセット値は、プラスの値ではなく、マイナスの値とすることも考えうる。つまり、上記では、K1、K2のタイミングではHARQ-ACKやPUSCHデータが送信できないと判断する場合にオフセット値をプラスしていたがオフセット値がマイナスの値の場合は、K1、K2からオフセット値をマイナスしたタイミングでHARQ-ACKやPUSCHデータの送信を行うことが考えうる。
【0099】
<他のデータの送信/受信タイミング>
K0、K1、K2以外にも、基地局装置1がDRXモード又はDTXモードで動作することにより送信タイミング又は受信タイミングが影響を受けるデータがある。以下、これらのデータの処理方法について説明する。
【0100】
[CSIレポートの送信タイミング]
通信端末2が基地局装置1に送信するデータとして、CSIレポート(以下、「CSI Report」という)も存在する。CSI Reportの送信モードには、定期的にCSI Reportを送信するPeriodic CSI Reportモードと、不定期でCSI Reportを送信するAperiodic CSI Reportモードとが存在する。
【0101】
Periodic CSI Reportモードでは、基地局装置1は、RRCメッセージのCSI-ReportPeriodicityAndOffset(周期とオフセット)で、どのスロットのタイミングのPUCCHで通信端末2がCSI Reportを送信すべきかを指定する。例えば、基地局装置1は、「周期が10スロット、送信オフセットが2スロット」のように送信タイミングを指定することができる。
【0102】
しかしながら、DRXモードにおいては、非受信期間は基地局装置1の電源がオフ状態の期間に該当する。このような非受信期間においては、通信端末2から送信されたCSI Reportを基地局装置1が受信することができない。したがって、CSI Reportを送信するべきタイミングとして基地局装置1に指定されたタイミングが基地局装置1の非受信期間と一致している場合、通信端末2がCSI Reportを送信する意味がない。
【0103】
そこで、通信端末2は、CSI Reportを送信するべきタイミングとして基地局装置1に指定されたタイミングが、基地局装置1の非受信期間と一致している場合、当該タイミングではCSI Reportを送信せず、非受信期間と一致していないタイミングでCSI Reportを送信するようにしてもよい。すなわち、端末送信部22は、非受信期間において、CSI-RS(チャネル状態情報参照信号)に基づくチャネル状態の測定結果を基地局装置1に送信せず、受信期間において測定結果を送信してもよい。通信端末2は、例えば、端末記憶部23に記憶された構成情報と基地局装置1から通知されたパターン識別情報とに基づいて特定した非受信期間において、CSI Reportを送信しないようにする。これにより、通信端末2がCSI Reportを送信する回数が減るので、通信端末2は消費電力を削減することができる。
【0104】
なお、通信端末2は、CSI Reportを送信しない場合であっても、CSI-RSの測定は継続してもよい。これにより、通信端末2は、RRCレイヤにおけるMeasurement Reportで測定値を報告することができる。
【0105】
Aperiodic CSI Reportモードでは、通信端末2は、CSI Reportを要求する基地局装置1からの指示を受信し、基地局装置1へCSI Reportを送信する。通信端末2は、RRCメッセージに含まれるreportSlotOffsetListにて、複数の候補オフセット値を受信する。その後、通信端末2は、基地局装置1からCSI Reportを要求される際に、どの候補オフセット値を用いるかの指示をダウンリンク制御情報にて受け、CSI Reportを送信するPUSCHのタイミングを決定する。
【0106】
DTXモードにおいては、基地局装置1がreportSlotOffsetListで指定される候補オフセット値を用いてCSI Reportを送信するタイミングを指定できない非送信期間が生じる。そこで、基地局装置1は、通常モードで使用されるreportSlotOffsetListと、DTXモードで使用されるreportSlotOffsetListとを通信端末2に提供し、通信端末2は、基地局装置1が通常モードで動作するかDTXモードで動作するかに応じて、対応するreportSlotOffsetListで指定されるオフセット値、および、それぞれのモードでダウンリンク制御情報にて指定される候補支持データから、CSI Reportを送信するPUSCHのタイミングを決定するようにしてもよい。
【0107】
[スケジューリング要求の送信タイミング]
Periodic CSI Reportモードと同様に、通信端末2は、periodicityAndOffsetで指定されるタイミングのPUCCHでスケジューリング要求(Scheduling Request)を送信する。具体的には、通信端末2は、periodicityAndOffsetで、どのスロットのPUCCH resourceでScheduling Requestを送信するかの指定を受ける。
【0108】
しかしながら、DRXモードの非受信期間においては、通信端末2から送信されたScheduling Requestを基地局装置1が受信することができない。したがって、Scheduling Requestを送信するべきタイミングとして基地局装置1に指定されたタイミングが基地局装置1の非受信期間と一致している場合、通信端末2がScheduling Requestを送信する意味がない。
【0109】
そこで、通信端末2は、非受信期間と一致しているスロットのタイミングではScheduling Requestを送信せず、非受信期間と一致していないスロットのタイミングでScheduling Requestを送信する。すなわち、端末送信部22は、基地局装置1の非受信期間において、基地局装置1にデータを送信するタイミングを示すスケジューリング情報を要求するスケジュール要求データであるScheduling Requestを送信せず、基地局装置1の受信期間においてScheduling Requestを送信してもよい。通信端末2は、例えば、端末記憶部23に記憶された構成情報と基地局装置1から通知されたパターン識別情報とに基づいて特定した非受信期間において、Scheduling Requestを送信しない。端末送信部22がこのように動作することで、通信端末2の消費電力を削減することができる。
【0110】
[PDCCHの受信タイミング]
通信端末2が基地局装置1から受信するデータとして、下り制御チャネル情報が含まれるPDCCHデータがある。端末受信部21は、非送信期間において、PDCCHデータを受信する処理を停止する。
【0111】
PDCCHデータの受信タイミングは、基地局装置1から通信端末2に送信されるRRCメッセージを用いて、PDCCH Search SpaceにおけるSlotPeriodicityAndOffsetで指定される。PDCCHの無線リソースの割当てを基地局装置1から通信端末2に指示するためのDCIは、SlotPeriodicityAndOffsetで特定されるタイミングで送信される。通信端末2は、SlotPeriodicityAndOffsetで特定されるタイミングでPDCCHをモニタリングすることで、基地局装置1が送信するDCIを受信する。基地局装置1は、SlotPeriodicityAndOffsetにより、繰り返し周期(何スロットごとにPDCCHのモニタリング周期を設定するのか)とそのオフセット(繰り返し周期のうち、先頭からカウントした際に何スロット目のタイミングでPDCCHのモニタリングを実施するのか)を指定することができる。
【0112】
PDCCHの受信タイミングが、DTXモードに移行した基地局装置1の非送信期間と一致している場合、当該受信タイミングではPDCCHのデータが基地局装置1から通信端末2に送信されないので、通信端末2が当該受信タイミングで受信処理を実行する意味がない。そこで、通信端末2は、基地局装置1の非送信期間と一致している受信タイミングでPDCCHを受信する処理を実行しないようにしてもよい。このようにすることで、通信端末2は消費電力を削減することができる。
【0113】
SlotPeriodicityAndOffsetの設定によっては、指定された受信タイミングが基地局装置1の非送信区間と常に重複してしまう場合も生じ得る。この場合、通信端末2は、使用することができない受信タイミングに関する情報を基地局装置1に通知し、SlotPeriodicityAndOffsetの値を変更することを要求してもよい。すなわち、端末送信部22は、非受信期間と一致していない受信処理タイミングが存在しない場合、受信処理タイミングの変更要求を基地局装置1に送信してもよい。端末送信部22は、非受信期間と一致していない受信処理タイミングが存在しない場合、非送信区間の変更要求を基地局装置1に送信してもよい。
【0114】
また、指定された受信タイミングが基地局装置1の非送信区間と常に重複することはないが、PDCCHの受信タイミングが相当に限定されてしまい、PDCCHの受信に遅延が発生してしまうような場合にも、上記と同様にSlotPeriodicityAndOffsetの設定内容を基地局装置1に通知し、SlotPeriodicityAndOffsetの値を変更することを要求することも考えうる。
【0115】
基地局装置1がDTXモードで動作しているか否かに応じて、又はDTXモードにおける非送信期間のパターンに応じて、端末記憶部23は、通信端末2が使用するPDCCH Search SpaceとSlotPeriodicityAndOffsetとの組み合わせを複数記憶してもよい。すなわち、端末記憶部23は、PDCCHデータを受信する処理を端末受信部21が実行する受信処理タイミングを複数のパターン識別情報に関連付けて複数記憶してもよい。この場合、端末受信部21は、DTXモードに対応するパターン識別情報を受信した後に、当該パターン識別情報に対応する一以上の非送信期間において、PDCCHデータを受信する処理を停止する。
【0116】
[CSI-RSの受信タイミング]
CSI-RSの受信タイミングは、CSI-ResourcePeriodicityAndOffsetで基地局装置1から通信端末2に通知される。PDCCH Search Spaceと同様に、基地局装置1がDTXモードで動作する場合に、端末受信部21は、非送信期間において、CSI-RSを受信する処理を停止してもよい。すなわち、端末受信部21は、非送信期間とCSI-RSの受信タイミングとが一致している場合、通信端末2はCSI-RSを受信する処理を実行しないようにしてもよい。端末受信部21は、基地局装置1がDTXモードに対応するパターン識別情報を受信した後に、当該パターン識別情報に対応する一以上の非送信期間において、CSI-RSを受信する処理を停止してもよい。これにより、通信端末2は消費電力を削減することができる。
【0117】
非送信期間とCSI-RSの受信タイミングの全部または一部とが一致している場合に、通信端末2は、非送信期間と一致しているCSI-ResourcePeriodicityAndOffsetの値を基地局装置1へ報告し、パラメータの変更を基地局装置1に要求してもよい。
【0118】
端末記憶部23は、基地局装置1がDTXモードで動作しているか否かに応じて、又はDTXモードにおける非送信期間のパターンに関連付けて、通信端末2が使用するCSI-ResourcePeriodicityAndOffsetの組み合わせの候補を複数記憶していてもよい。この場合、通信端末2は、基地局装置1から送信された候補指示データに基づいて、端末記憶部23に記憶された組み合わせの候補から使用する組み合わせを選択する。通信端末2は、選択した周期とオフセットに対応するタイミングでCSI-RSを受信するように、CSI-RSの受信タイミングを変更する。
【0119】
[SSBの受信タイミング]
また、通信端末2に対して、基地局装置1は、無線リソースの制御のために、CSI-RS ではなく、SSB(Synchronization Signal Block)の受信、測定を指示することがある。SSBの測定タイミングは、periodicityAndOffsetで基地局装置1に指定される。そのため、上述のCSI-RSと同様に、基地局装置1がDTXモードで動作する場合に、端末受信部21は、非送信期間において、SSBを受信する処理を停止してもよい。
【0120】
また、非送信期間とSSBの受信タイミングの全部または一部とが一致している場合に、通信端末2は、非送信期間と一致しているperiodicityAndOffsetの値を基地局装置1へ報告し、パラメータの変更を基地局装置1に要求してもよい。さらには、端末記憶部23は、基地局装置1がDTXモードで動作しているか否かに応じて、又はDTXモードにおける非送信期間のパターンに関連付けて、通信端末2が使用するperiodicityAndOffsetの組み合わせの候補を複数記憶していてもよい。この場合、通信端末2は、基地局装置1から送信された候補指示データに基づいて、端末記憶部23に記憶された組み合わせの候補から使用する組み合わせを選択する。通信端末2は、選択した周期とオフセットに対応するタイミングでSSBを受信するように、SSBの受信タイミングを変更する。
【0121】
[サウンディング参照信号の送信タイミング]
通信端末2が基地局装置1に送信するサウンディング参照信号であるSRS(Sounding Reference Signal)についても、基地局装置1がDRXモードで動作する場合に影響が生じる。そこで、端末記憶部23は、基地局装置1がチャネル品質を測定するために使用するサウンディング参照信号であるSRS(Sounding Reference Signal)を通信端末2が送信する複数の送信処理タイミングを記憶してもよい。この場合、端末送信部22は、端末記憶部23に記憶された複数の送信処理タイミングのうち、非受信期間と一致していない送信処理タイミングにおいてSRSを送信し、非受信期間と一致する送信処理タイミングにおいてSRSを送信しない。端末送信部22は、例えば、基地局装置1から構成情報とパターン識別情報とに基づいて特定した非受信期間にSRSを送信しない。
【0122】
端末記憶部23は、SRSを通信端末2が送信する複数の送信処理タイミングを複数のパターン識別情報に関連付けて記憶してもよい。この場合、端末送信部22は、端末記憶部23に記憶された複数の送信処理タイミングのうち、非受信期間と一致していない送信処理タイミングにおいてSRSを送信する。
【0123】
SRS送信タイミングは、SRSの送信に使用する1つまたは複数のSRS-Resourceが基地局装置1から通信端末2に通知され、SRS-ResourceのそれぞれのSRS-PeriodicityAndOffsetで、SRSの送信タイミング、すなわち、繰り返し周期(何スロットごとにPDCCHのモニタリング周期を設定するのか)とオフセット値が設定される。端末制御部24は、非受信期間と、繰り返し周期及びオフセット値に対応する期間とを比較し、基地局装置1がDRXモードで動作している場合に、基地局装置1の非受信期間と一致しているSRS送信タイミングではSRSを送信しないように端末送信部22を制御する。このようにすることで、通信端末2は消費電力を削減することができる。
【0124】
SRS-PeriodicityAndOffsetの設定値によっては、すべてのSRS送信タイミングが、基地局装置1の非受信区間と常に一致してしまい、通信端末2がSRSを送信できないという場合も生じ得る。この場合、通信端末2は、使用することができない送信タイミングに関する情報を基地局装置1に報告し、SRS-PeriodicityAndOffsetの設定値の変更を基地局装置1に要求してもよい。また、一部のSRS送信タイミングが、基地局装置1の非受信区間と一致する場合にも、SRSの送信がリアルタイムに行えない、SRSの送信まで遅延が発生してしまうという問題が生じるため、SRS-PeriodicityAndOffsetの設定値の変更を基地局装置1に要求することが考えうる。
【0125】
基地局装置1がDRXモードで動作しているか否かに応じて、又はDRXモードにおける非受信期間のパターンに応じて、端末記憶部23は、それぞれで使用するSRS-ResourceとSRS-PeriodicityAndOffsetの組み合わせの候補を複数記憶してもよい。この場合、通信端末2は、基地局装置1から送信された候補指示データに基づいて、端末記憶部23に記憶された組み合わせの候補から使用する組み合わせを選択する。通信端末2は、選択した周期とオフセットに対応するタイミングでSRSを送信するように、SRSの送信タイミングを変更する。
【0126】
<構成情報の変形例>
以上の説明においては、構成情報の例として、図4に示す情報を示したが、構成情報は他の形態の情報であってもよい。他の例として、DRX start timing(DRX開始タイミング), ON duration(オン期間), DRX cycle(DRX周期)の値により受信区間、非受信区間を特定できるようにすることも考えうる。そこで、DRXモードに対応する構成情報として、DRX start timing, ON duration, DRX cycleを使用してもよい。
【0127】
図11は、構成情報の変形例を示す図である。図11(a)は、DRXモードに対応する例を示し、図11(b)は、DTXモードに対応する例を示す。図11(a)に示す例の場合は、DRX start timingを起点として、DRX cycleの周期で受信区間と非受信区間とを繰り返す。DRX cycleの周期のうち、ON durationで示される期間が受信区間となる。DTXモードにおいても同様に、図11(b)に示すように、DTX start timingを起点として、DTX cycleの周期で送信区間と非送信区間とを繰り返す。DTX cycleの周期のうち、ON durationで示される期間が送信区間となる。
【0128】
<スロット又はシンボル単位でのDRX/DTX動作>
以上の説明においては、基地局装置1がサブフレーム単位で非受信期間及び非送信期間を設定する場合を例示したが、基地局装置1は、スロット単位又はシンボル単位で非受信期間及び非送信期間を設定してもよい。
【0129】
スロット単位、又はシンボル単位でDRXモードが実行される場合は、PUSCHに割り当てることができないスロット又はシンボルが生じる可能性がある。そこで、基地局装置1は、基地局装置1が非受信期間となるスロット又はシンボルを含まないようにPUSCH-TimeDomainResourceAllocationで指定されるstartSymbolAndLengthを設定する必要がある。つまり、基地局装置1がDRXモードで動作する際に使用され、基地局装置1が非受信期間となるスロット又はシンボルを含まないstartSymbolAndLengthを新たに設定する必要が生じうる。
【0130】
このようにするために、通信端末2がstartSymbolAndLengthの設定値を複数記憶しておき、基地局装置1が送信するTime domain resource assignmentに基づいて、通信端末2が使用するstartSymbolAndLengthを選択することが考えられる。例えば、startSymbolAndLength1、startSymbolAndLength2、startSymbolAndLength3、startSymbolAndLength4の4つを使用し、2ビットのTime domain resource assignmentで、使用するstartSymbolAndLengthを基地局装置1から通信端末2に通知することが考えられる。
【0131】
ここで、これらの4つのstartSymbolAndLengthを、通常モードで使用する2つのstartSymbolAndLengthと、DRXモードで使用する2つのstartSymbolAndLengthとに分けることで、基地局装置1は、1ビットのTime domain resource assignmentで、使用するstartSymbolAndLengthを通信端末2に通知することが可能になり、Time domain resource assignmentのビット数を削減することができる。
【0132】
具体的には、例えば、startSymbolAndLength1、startSymbolAndLength2は、基地局装置が非受信区間となるスロットやシンボルを含み、startSymbolAndLength3、startSymbolAndLength4は、基地局装置が非受信区間となるスロットやシンボルを含まないとすると、通常モードとDRXモードとで共通のstartSymbolAndLengthの候補を使用する場合、PUSCH-TimeDomainResourceAllocationは、(k2, mappingType, startSymbolAndLength)=(4,typeA, startSymbolAndLength1), (4,typeA, startSymbolAndLength2), (4,typeA, startSymbolAndLength3), (4,typeA, startSymbolAndLength4)となる。したがって、通常モードであるかDRXモードであるかによらず、Time domain resource assignmentのビット数は2になる。
【0133】
これに対して、通常モードでは(4,typeA, startSymbolAndLength1), (4,typeA, startSymbolAndLength2)を使用し、DRXモードでは(4,typeA, startSymbolAndLength3), (4,typeA, startSymbolAndLength4)を使用することを、RRC Configurationにおいて基地局装置1から通信端末2に予め通知しておくことで、Time domain resource assignmentのビット数を1に削減することができる。上記において、mappingTypeは、PDSCHの物理リソースのマッピング方法(構成方法)を指定するパラメータである。
【0134】
同様に、スロット単位、又はシンボル単位でDTXモードが実行される場合は、PDSCHに割り当てることができないスロット又はシンボルが生じる可能性がある。そこで、基地局装置1は、基地局装置1が非送信期間となるスロット又はシンボルを含まないように、PDSCH-TimeDomainResourceAllocation又はpdsch-TimeDomainAllocationListDCI-1-2で指定されるstartSymbolAndLengthを設定する必要がある。
【0135】
基地局装置1が通常モードで動作する場合と、基地局装置1がDTXモードで動作する場合とで、使用するPDSCH-TimeDomainResourceAllocationのリストを異なるものとすることで、PUSCHの場合と同様に、Time domain resource assignmentのビット数を削減することができる。
【0136】
また、K1及びK2と同様に、DRXモードにおける非受信期間のパターン、又はDTXモードにおける非送信期間のパターンに応じて、startSymbolAndLengthを含むエントリーを含むPUSCH-TimeDomainResourceAllocation、PDSCH-TimeDomainResourceAllocationのリストを複数設定し、端末記憶部23がこれらのリストを記憶しておき、基地局装置1から通信端末2に通知されるTime domain resource assignmentに基づいて指定されたPUSCH-TimeDomainResourceAllocation 、PDSCH-TimeDomainResourceAllocationを通信端末2が使用するようにしてもよい。これにより、PUSCH割当てに用いられるDCI Format 0_1、DCI Format 0_2、PDSCH割当てに用いられるDCI Format 1_1、DCI Format 1_2、のそれぞれに使用されるTime domain resource assignmentのビット数を削減することができる。
【0137】
<DRXモードとDTXモードの同時動作について>
以上の説明においては、基地局装置1がDRXモードで動作する場合と、基地局装置1がDTXモードで動作する場合について説明したが、基地局装置1がDRXモードで動作し、かつDTXモードで動作するという場合も想定される。このように、DRXモードとDTXモードとが同時に設定される場合、基地局装置1が、それぞれのモードに対応するK2の送信タイミングの候補を設定し、通信端末2は、両方のモードで共通するK2の候補から選択されたK2を用いるようにしてもよい。
【0138】
他の方法として、基地局装置1は、DRXモードにおける複数の動作パターンとDTXモードにおける複数の動作パターンとの組み合わせごとにK2の候補を設定してもよい。図4に示すように、DRXモード及びDTXモードのそれぞれに10個のパターンがある場合、10×10=100個の組み合わせに対応するK2の候補が設定され、通信端末2は、これらの候補から選択されたK2を用いる。
【0139】
<通信端末2における評価期間>
通信端末2は、CSI-RSの測定結果を用いて、無線リンク確立の失敗(以下、「無線リンク失敗」)又はビーム受信の失敗(以下、「ビーム失敗」)を検知する(RLF : Radio Link Failure detection、BFD : Beam Failure Detection)。通信端末2は、無線リンク失敗(無線リンク失敗の判定に用いるin sync/out syncの判定)又はビーム失敗を検知する際には、定められた評価期間(Evaluation period TEvaluate_out_CSI-RS and TEvaluate_in_CSI-RS、Evaluation period TEvaluate_BFD_CSI-RS)での測定結果に基づいて、無線リンク失敗又はビーム失敗の有無を判定することとなる。
【0140】
しかし、基地局装置1がDTXモードで動作する場合に、通常モード時と同じ評価期間で無線リンク失敗又はビーム失敗を検知すると、通常モード時より少ない測定回数での判定となるため、正確に無線リンク失敗又はビーム失敗を検知することができない可能性がある。そこで、通信端末2は、DTXモード時は、通常モード時とは異なる評価期間に変更し、無線リンク失敗又はビーム失敗を検知してもよい。なお、評価期間は、DTXモードに対応するパターン識別情報ごとに異なる評価期間であってもよい。
【0141】
また、通信端末2は、CSI-RSの測定結果ではなく、SSBの測定結果を用いて、無線リンク失敗又はビーム失敗を検知する。その場合においても、CSI-RSの測定結果を用いる場合と同様に、定められた評価期間(Evaluation period TEvaluate_out_SSB and TEvaluate_in_SSB、Evaluation period TEvaluate_BFD_SSB)での測定結果に基づいて、無線リンク失敗又はビーム失敗の有無を判定することとなる。そのため、CSI-RSの測定結果を用いる場合と同様に、SSBの測定結果を用いる場合においても、通信端末2は、DTXモード時は、通常モード時とは異なる評価期間に変更し、無線リンク失敗又はビーム失敗を検知してもよい。なお、評価期間は、DTXモードに対応するパターン識別情報ごとに異なる評価期間であってもよい。
【0142】
<複数の基地局装置1の設定情報の受信>
通信端末2は、基地局装置1から複数の基地局装置1に関するDRXモードやDTXモードに関わる設定情報を受信してもよい。一例として、通信端末2は、通信に用いられるServing cellの他にNeighbor Cellやハンドオーバーの候補となるCandidate cellに関わる設定情報を受信してもよい。
【0143】
Neighbor Cell/Candidate cellに関わる上記設定情報を受信する場合、通信端末2は、前述のServing cellでの処理と同様に、CSI-RSやSSBの受信タイミングを、DTXモードのパターンに基づいて決定し、SRSの送信タイミングをDRXモードのパターンに基づいて決定する。
【0144】
また、非送信期間と一致しているCSI-RS若しくはSSBの受信タイミング、又は非受信期間と一致しているSRSの送信タイミングについては、パラメータの変更を基地局装置1に要求してもよい。
【0145】
また、他の実施例としては、通信端末2は、Primary Cellの他にSecondary Cellを用いてCarrier AggregationやDual Connectivityを用いて基地局装置1と通信している場合に、Secondary Cellに関するDRXモード又はDTXモードに関わる設定情報を受信してもよい。この場合には、CSI-RSやSSBの受信タイミングやSRSの送信タイミングに加えて、Secondary Cellに適用されるK0、K1、K2、CSI Reportのタイミングが、DRXモードやDTXモード、それに関わる構成情報に基づいて制御されうる。
【0146】
通信端末2が複数の基地局装置1に関するDRXモードやDTXモードに関わる設定情報を受信する場合は、それぞれの設定情報がどの基地局装置1に対応するものかを判定するための識別子、例えばセル識別子などがあわせて通知されうる。
【0147】
なお、本発明により、国連が主導する持続可能な開発目標(SDGs)の目標9「産業と技術革新の基盤をつくろう」に貢献することが可能となる。
【0148】
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されず、その要旨の範囲内で種々の変形及び変更が可能である。例えば、装置の全部又は一部は、任意の単位で機能的又は物理的に分散・統合して構成することができる。また、複数の実施の形態の任意の組み合わせによって生じる新たな実施の形態も、本発明の実施の形態に含まれる。組み合わせによって生じる新たな実施の形態の効果は、もとの実施の形態の効果を併せ持つ。
【符号の説明】
【0149】
1 基地局装置
2 通信端末
11 基地局受信部
12 基地局送信部
13 基地局記憶部
14 基地局制御部
21 端末受信部
22 端末送信部
23 端末記憶部
24 端末制御部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11