(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024140467
(43)【公開日】2024-10-10
(54)【発明の名称】階段部材、螺旋階段及び螺旋階段の組付方法
(51)【国際特許分類】
E03F 5/02 20060101AFI20241003BHJP
E02D 29/12 20060101ALI20241003BHJP
【FI】
E03F5/02
E02D29/12 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023051613
(22)【出願日】2023-03-28
(71)【出願人】
【識別番号】000229128
【氏名又は名称】ベルテクス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100121603
【弁理士】
【氏名又は名称】永田 元昭
(74)【代理人】
【識別番号】100141656
【弁理士】
【氏名又は名称】大田 英司
(74)【代理人】
【識別番号】100182888
【弁理士】
【氏名又は名称】西村 弘
(74)【代理人】
【識別番号】100196357
【弁理士】
【氏名又は名称】北村 吉章
(74)【代理人】
【識別番号】100067747
【弁理士】
【氏名又は名称】永田 良昭
(72)【発明者】
【氏名】有田 淳一
【テーマコード(参考)】
2D063
2D147
【Fターム(参考)】
2D063BA20
2D063DA07
2D147BA00
(57)【要約】
【課題】螺旋方向に沿って効率よく組み付けできる階段部材、螺旋階段及び螺旋階段の組付方法を提供することを目的とする。
【解決手段】複数を組み付けて螺旋階段1を構成する階段部材10を、鉛直方向に延びる支柱2を構成する略円柱状の柱構成部20と、柱構成部20に対して径外側に配置され、踏面31を構成する平面視略扇状の本体部11とを備え、本体部11に、螺旋方向に隣り合う階段部材10の本体部11と、上下方向に係合する係合部60を設け、係合部60は、螺旋方向の下側において、組付済階段部材10Xの上側係合凹部62に対して下方から係合する下側係合凸部61と、螺旋方向の上側において、次に組付ける階段部材10の下側係合凸部61に対して上方から係合する上側係合凹部62とを設けた。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数を組み付けて螺旋階段を構成する階段部材であって、
鉛直方向に延びる支柱を構成する略円柱状の柱構成部と、
前記柱構成部に対して径外側に配置され、踏面を構成する平面視略扇状の本体部とが備えられ、
前記本体部に、螺旋方向に隣り合う前記本体部と、上下方向に係合する係合部が設けられ、
前記係合部は、
前記螺旋方向の下側において、組付済みの階段部材の上側係合部に対して下方から係合する下側係合部と、
前記螺旋方向の上側において、次に組付ける階段部材の下側係合部に対して上方から係合する上側係合部とが設けられた
階段部材。
【請求項2】
前記本体部は、
平面視略扇型の前記踏面の径外側に、前記螺旋方向に延びる流水溝を構成する溝構成部が設けられ、
前記溝構成部の径外側に、前記螺旋方向に延びる周壁を構成する壁構成部が設けられ、
前記壁構成部に、組付済みの前記階段部材の上側係合部の少なくとも一部と周方向に嵌合する嵌合凹部が設けられた
請求項1に記載の階段部材。
【請求項3】
前記壁構成部に、前記流水溝を流れる流体を径内側に向かって導水する導水部が設けられた
請求項2に記載の階段部材。
【請求項4】
前記柱構成部の上面及び底面の一方において前記本体部が配置された側の半周部分に、前記螺旋方向に沿って下方に向かって延びる案内凹部が形成され、
前記柱構成部の上面及び底面の他方において前記本体部が配置された側の半周部分に、前記案内凹部に対応し、前記螺旋方向に沿って下方に向かって延びる案内凸部が形成された
請求項1乃至請求項3のうちいずれかに記載の階段部材。
【請求項5】
複数設けられた請求項4に記載の階段部材の前記柱構成部同士を上下方向に組み付けるとともに、前記係合部を係合させて、前記螺旋方向に沿って組付けられた
螺旋階段。
【請求項6】
マンホールの底部に固定されるとともに、前記螺旋方向に沿って組付けられた最下段の前記階段部材の前記柱構成部を載置して支持する支持柱が設けられた
請求項5に記載の螺旋階段。
【請求項7】
複数設けられた請求項4に記載の階段部材の前記柱構成部同士を上下方向に組み付けるとともに、
組付済み前記階段部材に対して次の前記階段部材を周方向に移動させて、前記係合部を係合させて前記階段部材同士を、前記螺旋方向の下側から上側に沿って組付けていく
螺旋階段の組付方法。
【請求項8】
マンホールの底部に支持柱を固定し、
前記螺旋方向に沿って組付ける最下段の前記階段部材の前記柱構成部を前記支持柱に載置して組み付ける
請求項7に記載の螺旋階段の組付方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、例えば、マンホールの内部などに配置し、上部と下部とを行き来するための螺旋階段、螺旋階段を構成する階段部材、及び螺旋階段の組付方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、例えば、マンホールの内部など狭隘な空間において上部と下部とを行き来するための階段として螺旋階段が用いられている。螺旋階段は、螺旋方向に沿って踏面が並ぶため、狭い設置スペースでありながら、緩やかな勾配で形成することができる。しかしながら、螺旋階段を狭隘な空間で組み立てるのは難しく、様々な方法が提案されている。
【0003】
例えば、特許文献1には、螺旋流案内部材の階段中心側端部に設けられた心柱挿入用孔に心柱を挿入して、立設された心柱を中心に、互いに隣接する螺旋流案内部材をボルトとナットで締結する螺旋階段が提案されている。
【0004】
特許文献1に記載の螺旋階段は、螺旋流案内部材の階段中心側端部に設けられた心柱挿入用孔に心柱を挿入する必要があり、下方から上方に向かって積み上げて組み付けるにも関わらず、芯柱の上部から螺旋流案内部材の心柱挿入用孔に挿通する必要があり、高さの高い螺旋階段を組み付けるには手間を要し、効率的に螺旋階段を構成することができなかった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
そこで本発明では、螺旋方向に沿って効率よく組み付けできる階段部材、螺旋階段及び螺旋階段の組付方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この発明は、複数を組み付けて螺旋階段を構成する階段部材であって、鉛直方向に延びる支柱を構成する略円柱状の柱構成部と、前記柱構成部に対して径外側に配置され、踏面を構成する平面視略扇状の本体部とが備えられ、前記本体部に、螺旋方向に隣り合う前記本体部と、上下方向に係合する係合部が設けられ、前記係合部は、前記螺旋方向の下側において、組付済みの階段部材の上側係合部に対して下方から係合する下側係合部と、前記螺旋方向の上側において、次に組付ける階段部材の下側係合部に対して上方から係合する上側係合部とが設けられたことを特徴とする。
【0008】
またこの発明は、複数設けられた上述の階段部材の前記柱構成部同士を上下方向に組み付けるとともに、前記係合部を係合させて、前記螺旋方向に沿って組付けられた螺旋階段であることを特徴とする。
【0009】
さらにまたこの発明は、複数設けられた上述の階段部材の前記柱構成部同士を上下方向に組み付けるとともに、組付済み前記階段部材に対して次の前記階段部材を周方向に移動させて、前記係合部を係合させて前記階段部材同士を、前記螺旋方向の下側から上側に沿って組付けていく螺旋階段の組付方法であることを特徴とする。
【0010】
これらの発明により、螺旋方向に沿って効率よく組み付けて螺旋階段を構成することができる。
詳述すると、階段部材において略円柱状の柱構成部を上下方向に積み上げることで、鉛直方向に延びる支柱を構成することができる。そして、柱構成部を上下方向に積み上げることで、径外側に配置された平面視略扇状の本体部で螺旋方向に並ぶ踏面を構成することができる。
【0011】
また、前記本体部に、螺旋方向に隣り合う階段部材の前記本体部と、上下方向に係合する係合部が設けられ、前記係合部は、前記螺旋方向の下側において、組付済みの階段部材の上側係合部に対して下方から係合する下側係合部と、前記螺旋方向の上側において、次に組付ける階段部材の下側係合部に対して上方から係合する上側係合部とが設けられている。そのため、次に組み付ける階段部材の下側係合部を組付済みの階段部材の上側係合部と上下方向に係合させ、組付済みの階段部材に対して次の階段部材を、係合部と前記柱構成部とで支持した状態で組み付けできるとともに、周方向における相対位置を規制することができる。
【0012】
この発明の態様として、前記本体部は、平面視略扇型の前記踏面の径外側に、前記螺旋方向に延びる流水溝を構成する溝構成部が設けられ、前記溝構成部の径外側に、前記螺旋方向に延びる周壁を構成する壁構成部が設けられ、前記壁構成部に、組付済みの前記階段部材の上側係合部の少なくとも一部と周方向に嵌合する嵌合凹部が設けられてもよい。
この発明により、螺旋方向に延びる流水溝を有する前記螺旋階段を構成することができる。
【0013】
また、嵌合凹部である前記下側係合部が組付済みの前記階段部材の上側係合部と嵌合しているため、次の階段部材は傾くことなく、安定した組付け状態で組み付けることができる。
さらに、嵌合凹部を前記壁構成部に設けているため、組付済みの前記階段部材の上側係合部の少なくとも一部と、前記嵌合凹部とが嵌合する嵌合部分は流水溝になく、前記流水溝を流れる流体の流れに支障することなく、スムーズに流体が流れることができる。
【0014】
またこの発明の態様として、前記壁構成部に、前記流水溝を流れる流体を径内側に向かって導水する導水部が設けられてもよい。
上記流体は、雨水、汚水、雨水と汚水の混合など、マンホールなどの構造物に流入し、下水道等の通水設備に向かって放出する様々な流体を含む。
上記導水部は、螺旋状の流水溝に沿って形成される周壁の全域にわたって設けてもよいし、前記螺旋方向に沿って適宜の間隔を隔てて複数設けてもよいし、前記流水溝に流れる流体の流速が早くなる下部の周壁に設けてもよい。
【0015】
この発明により、上部から流入した流体は下部に向かって螺旋状の流水溝を流れるが、上部から下部に向かってその流速は高まる。大量の水が流水溝を流れ、流速が速いまま下部に達し、流水溝から流れ出ると、流水溝から流体が底部に向かって落下する際の衝撃や騒音等が大きくなるおそれがある。さらには底部が、流速の高い流体の落下によって洗堀されるおそれがある。
【0016】
なお、螺旋状の流水溝を流れる流体は、流速が早くなると遠心力によって前記壁構成部で構成する周壁に沿って流れることとなるが、この発明により、壁構成部に設けた導水部によって、周壁に沿って流れる流体が径内側に向かって導水されるため、流体を減速することができる。また、導水部によって流体が径内側に向かって導水されるため、流体の流れに乱れが生じ、流体を減速することができる。
したがって、流水溝から流れ出る流体を減速でき、流水溝から流体が底部に向かって落下する際の衝撃や騒音等を小さくでき、底部が洗堀されることを抑制することができる。
【0017】
またこの発明の態様として、前記柱構成部の上面及び底面の一方において前記本体部が配置された側の半周部分に、前記螺旋方向に沿って下方に向かって延びる案内凹部が形成され、前記柱構成部の上面及び底面の他方において前記本体部が配置された側の半周部分に、前記案内凹部に対応し、前記螺旋方向に沿って下方に向かって延びる案内凸部が形成されてもよい。
【0018】
この発明により、組付済みの前記階段部材の前記柱構成部と次に組み付ける前記階段部材の前記柱構成部とを上下方向に積み重ねる際に、組付済みの前記階段部材の前記柱構成部の上面の案内凹部あるいは案内凸部と、次に組み付ける前記階段部材の前記柱構成部の下面の案内凸部あるいは案内凹部とを対面させ、案内凹部と案内凸部とが摺動するように、組付済みの前記階段部材に対して次に組み付ける前記階段部材を螺旋方向に沿って回転させることで、組付済みの前記階段部材の上側係合部と、次に組み付ける前記階段部材の下側係合部である嵌合凹部とを周方向に嵌合させて組み付けることができる。
【0019】
またこの発明の態様として、マンホールの底部に支持柱を固定し、前記螺旋方向に沿って組付ける最下段の前記階段部材の前記柱構成部を前記支持柱に載置して組み付けてもよい。
この発明により、狭隘なマンホール内部において、例えば泥溜め部などに対応する高さを底部より挙げて、螺旋階段を構成することができる。
【発明の効果】
【0020】
本発明により、螺旋方向に沿って効率よく組み付けできる階段部材、螺旋階段及び螺旋階段の組付方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【
図8】別の実施形態の螺旋階段の斜視図による説明図。
【
図9】別の実施形態の階段部材の斜視図による説明図。
【発明を実施するための形態】
【0022】
この発明の一実施形態を以下図面と共に説明する。
なお、
図1は螺旋階段1を設置したマンホール100の断面図を示し、
図2は螺旋階段1の斜視図による説明図を示し、
図3は階段部材10の斜視図による説明図を示し、
図4は階段部材10の説明図を示し、
図5乃至
図7は階段部材10の組付け状態を説明する説明図を示している。
【0023】
詳述すると、
図1は、内部に螺旋階段1が配置されたマンホール100の概略縦断面図を示している。なお、
図1において、上述したようにマンホール100は縦断面図を示しているが、螺旋階段1については正面図を示している。
【0024】
螺旋階段1の斜視図による説明図を示す
図2の
図2(a)は螺旋階段1の正面、平面及び左側面を示す斜視図であり、
図2(b)は螺旋階段1の背面、底面及び右側面を示す斜視図である。なお、
図2において、支持柱7の図示を省略している。
【0025】
階段部材10の斜視図による説明図を示す
図3の
図3(a)は階段部材10の正面、平面及び右側面を示す斜視図であり、
図3(b)は階段部材10の正面、平面及び左側面を示す斜視図であり、
図3(c)は階段部材10の正面、底面及び右側面を示す斜視図であり、
図3(d)は階段部材10の背面、底面及び右側面を示す斜視図である。
【0026】
階段部材10の説明図を示す
図4の
図4(a)は階段部材10の平面図であり、
図4(b)は
図4(a)のA-A矢視図であり、
図4(c)は階段部材10の左側面図であり、
図4(d)階段部材10の右側面図である。
【0027】
階段部材10の組付け状態を説明する説明図のひとつである
図5の
図5(a)は組み付ける階段部材10を既に組み付けた階段部材10(以下において組付済階段部材10Xという)に対して載置した状態の正面、平面及び左側面を示す斜視図であり、
図5(b)は同状態の背面、底面及び右側面を示す斜視図であり、
図5(c)は同状態の正面図である。
【0028】
階段部材10の組付け状態を説明する説明図のひとつである
図6の
図6(a)は組み付ける階段部材10を組付済階段部材10Xに対して回転した状態の正面、平面及び左側面を示す斜視図であり、
図6(b)は同状態の背面、底面及び右側面を示す斜視図であり、
図6(c)は同状態の正面図である。
【0029】
階段部材10の組付け状態を説明する説明図のひとつである
図7の
図7(a)は組み付ける階段部材10を組付済階段部材10Xに対して組付け完了した状態の正面、平面及び左側面を示す斜視図であり、
図7(b)は同状態の背面、底面及び右側面を示す斜視図であり、
図7(c)は同状態の正面図である。
【0030】
まず、螺旋階段1を内部に設置したマンホール100について説明する。
図1に示すように、マンホール100は、地中に埋設された平面視円形の人孔であり、上端に作業者が出入りする出入口110を設けている。
【0031】
また、マンホール100は、上部に接続した流入管101から雨水など水が流入し、流入した水を下部に接続した流出管102から導出するように構成している。
なお、上部の流入管101から流入する水は、雨水だけでなく、汚水や、雨水と汚水の混合などであってもよい。
【0032】
このようなマンホール100は、出入口110から作業員が入り、内部の状況を確認したりするため、底部103まで降りる必要があり、出入口110から下方に向かって所定間隔を隔てて複数のタラップ120を設け、タラップ120の下方に螺旋階段1を設けている。そのため、作業者は出入口110と螺旋階段1とをタラップ120で移動でき、螺旋階段1の上部からマンホール100の底部103の近傍まで行き来することができる。
なお、マンホール100の内部における底部103より所定の高さ分を泥溜め104として設定しており、流出管102は泥溜め104より上方に接続されている。
【0033】
上述のようにマンホール100の内部に配置した螺旋階段1は、
図1及び
図2に示すように、平面視中央に設けた支柱2と、支柱2から径外側に拡がり、螺旋方向に沿って延びる階段部分3、階段部分3の径外側において階段部分3とともに螺旋方向に沿って延びる導水部分4、導水部分4とマンホール100の内面との間に配置され、導水部分4とともに螺旋方向に沿って延びる周壁部分5とを備えている。
なお、螺旋階段1は、
図2に示すように、平面視反時計回りに下方に下がる向きの螺旋方向に沿って構成している。
【0034】
このように構成した螺旋階段1は、複数の階段部材10と、支柱2の下部を構成する支持柱7とを組み付けて構成している。
支持柱7は、螺旋階段1をマンホール100の底部103に固定するとともに、後述するように組み付ける階段部材10を下方から支持する柱部材であり、円筒状の柱本体71と、柱本体71の下端に設けたブラケット72と、柱本体71とブラケット72との角部に配置する複数の補強リブ73を備えている。
【0035】
柱本体71は、円管であり、底部103に対して固定した状態で柱本体71の上端に組み付ける最下段の階段部材10の底部が泥溜め104の少し上方となる高さで形成している。
ブラケット72は、柱本体71の下端に配置された平面視円形状であり、アンカーボルトなどの底部103の上面に対して固定する固定手段を挿通する孔(図示省略)を複数設けている。補強リブ73は、一方の角部が直角な台形状に形成されるとともに、周方向に所定間隔を隔てて配置され、柱本体71とブラケット72の角部を跨いで固定されている。
【0036】
螺旋階段1において、支柱2の支持柱7より上側部分と、階段部分3、導水部分4、及び周壁部分5は、複数の階段部材10を螺旋方向に沿って組み付けて構成することができる。
階段部材10は、
図3及び
図4に示すように、上下方向に組み付けて支柱2を構成する柱構成部20と、柱構成部20の径外側に配置した平面視略扇状の本体部11とを備えている。
【0037】
本体部11は、階段部分3を構成する階段構成部30と、導水部分4を構成する溝構成部40と、周壁部分5を構成する周壁構成部50と、螺旋方向に隣り合う階段部材10と係合する係合部60とを備えている。
階段構成部30は、踏面31を上面で構成するとともに、蹴上32を前面(正面視における正面側の面)で構成する平面視扇型状のブロック状である。
【0038】
溝構成部40は、
図4(a),(b)に示すように、階段構成部30の径外側において、踏面31より凹状となる螺旋方向に沿って形成された凹状断面であり、所定の幅で形成している。
周壁構成部50は、
図4(c)に示すように、上辺が略水平であり、底辺が溝構成部40と略平行な螺旋方向に沿う左側面視形状であり、所定の厚さを有する平面視円弧状に形成されている。なお、周壁構成部50は、側面視において、蹴上32より前側に突出する長さで形成している。
【0039】
なお、周壁構成部50の前側の下方には、後述する下側係合凸部61とで、後方に向かって凹状となる嵌合凹部51を設けている。
このように構成した本体部11において、組み付ける複数の階段部材10において螺旋方向に隣り合う階段部材10同士を上下方向に係合する係合部60を備えている。
【0040】
係合部60は、階段部材10の本体部11における下側に配置した下側係合凸部61と、本体部11の上部12の底面側に形成した上側係合凹部62と、上部12の径外部分、つまりに周壁構成部50の後端部分によって構成する嵌合凸部63とを設けている。
【0041】
下側係合凸部61は、
図3(a),(b),(c)及び
図4(a)に示すように、平面視扇状、且つ蹴上32に連続する前面の下端より前側に突出するように形成されている。なお、下側係合凸部61は、階段部材10において柱構成部20から周壁構成部50にかけて幅方向に連続形成されている。そして、下側係合凸部61の前側端部は、
図4(c)に示すように、左側面視において、周壁構成部50の前側の端部より後方に位置している。
【0042】
上側係合凹部62は、螺旋方向の上側に配置する階段部材10の下側係合凸部61が係合する凹部であり、
図3(d)に示すように、本体部11における上部12の底面側に、下側係合凸部61に対応する凹形状で形成している。
【0043】
本体部11の上部12は、凹状の上側係合凹部62が形成されているため、他の部分よりその厚みが薄くなり、その径外側部分を、嵌合凹部51に嵌合する嵌合凸部63としている。
このように構成した本体部11の底面13は、上側係合凹部62の前側から下側係合凸部61にかけて、螺旋方向に沿う滑らかな傾斜曲面で形成されている。
【0044】
柱構成部20は、上下方向に延びる略円柱状であり、上面21と底面22における中心に図示省略するピンを装着可能な装着孔23を設けている。
柱構成部20の上面21には、外周縁に沿って所定幅で螺旋方向に沿って下向きに傾斜し、凹状となる案内凹部24を設けている。
【0045】
案内凹部24は、
図4(a)に示すように、本体部11の後端に対応する位置から前側に向かって半周分の範囲で形成している。このように、本体部11の後端に対応する位置から前側に向かって半周分の範囲で形成した案内凹部24によって、半円柱側面25を形成している。
【0046】
柱構成部20の底面22には、外周縁に沿って所定幅で螺旋方向に沿って下向きに傾斜し、案内凹部24に対応する凸状となる案内凸部26を設けている。
案内凸部26は、
図3に示すように、本体部11の後端に対応する位置から前側に向かって半周分の範囲で形成した案内凹部24に対して、反対向きであり、本体部11の後端に対応する位置から後側に向かって形成している。このように、本体部11の後端に対応する位置から後側に向かって半周分の範囲で形成した案内凸部26の内面には、半円内側面27を形成している。
なお、螺旋方向に沿って傾斜する上述の案内凹部24及び案内凸部26の傾斜角度は、螺旋方向に沿う螺旋階段1の傾斜角度より小さく形成している。
【0047】
このように構成された柱構成部20は上述の本体部11とは一体で階段部材10を構成しており、階段部材10はプレキャストコンクリート製であるが、金属製であってもよいし、樹脂製であってもよい。
【0048】
このように構成した階段部材10を組み付けて螺旋階段1を構成する組付け方法について
図5乃至
図7とともに以下で説明する。
なお、螺旋方向の下側から上側に向かって順に階段部材10を組み付けるが、既に組付けた階段部材10を組付済階段部材10Xとして説明する。
【0049】
階段部材10を組み付けて螺旋階段1を構成するためには、まず、マンホール100の底部103の上面に対して支持柱7を取り付ける。詳しくは、平面視円形の底部103の中心に合わせて支持柱7を配置し、アンカーボルト等の固定手段でブラケット72を底部103の上面に固定する。
【0050】
そして、支持柱7の上端に、柱構成部20を配置して最下段の階段部材10を組み付ける。このとき、支持柱7と最下段の階段部材10の柱構成部20における底面22を固定する。
そして、このようにして組付けられた組付済階段部材10Xに対して螺旋方向の上側に次の階段部材10を組み付ける。
【0051】
詳しくは、組付済階段部材10Xの柱構成部20の上面21に対して次に組み付ける階段部材10の柱構成部20の底面22を載置するように、組付済階段部材10Xに対して階段部材10を配置する。
【0052】
このとき、組付済階段部材10Xに対して階段部材10は、
図5に示すように、組付完了する所定の位置よりも周方向において手前側(螺旋方向後側)となる周方向位置で配置する。
具体的には、組付済階段部材10Xの嵌合凸部63が、階段部材10の嵌合凹部51に係らない周方向位置に配置する。
【0053】
このように、組付済階段部材10Xの嵌合凸部63が嵌合凹部51に係らない周方向位置に階段部材10を配置すると、組付済階段部材10Xの柱構成部20の上面21における案内凹部24と、階段部材10の柱構成部20の案内凸部26とが上下方向に当接し、組付済階段部材10Xの半円柱側面25と階段部材10の半円内側面27とが周方向に当接することとなる。そして、組付済階段部材10Xの上面21と階段部材10の底面22との間にわずかなクリアランスが生じ、組付済階段部材10Xに対して階段部材10は少し高い位置に配置されることとなる。
【0054】
このように、組付済階段部材10Xに対して少し高い位置に配置された階段部材10を螺旋方向の下方に向かって回転させる。本実施形態では、平面視反時計回りに階段部材10を回転させると、組付済階段部材10Xの案内凹部24と半円柱側面25が階段部材10の案内凸部26と半円内側面27とがそれぞれ摺動しながら、階段部材10はわずかに下がりながら回転し、
図6に示すように、組付済階段部材10Xの嵌合凸部63の上面が階段部材10の嵌合凹部51の上縁に接することとなる。階段部材10の重心は本体部11における径外側にあるため、柱構成部20に対して階段部材10の径外側が下方に傾こうとしても階段部材10の嵌合凹部51の上縁が組付済階段部材10Xの嵌合凸部63に支持され、傾きを規制することができる。
【0055】
組付済階段部材10Xに対して階段部材10をさらに螺旋方向の下方に向かって回転させると、
図7に示すように、組付済階段部材10Xの上側係合凹部62に階段部材10の下側係合凸部61が嵌まり込むとともに、組付済階段部材10Xの嵌合凸部63が嵌合凹部51に嵌合する。
【0056】
これにより、階段部材10の下側係合凸部61の上方が組付済階段部材10Xの上側係合凹部62に規制されるとともに、組付済階段部材10Xの嵌合凸部63が階段部材10の嵌合凹部51の上縁と下側係合凸部61の径外側の端部とで上下方向に挟み込まれる態様で組付済階段部材10Xに対して階段部材10の組付けは完了する。
【0057】
このように組付けが完了した状態では、組付済階段部材10Xの案内凹部24と半円柱側面25とが階段部材10の案内凸部26及び半円内側面27と当接するとともに、組付済階段部材10Xの上面21と階段部材10の底面22が当接することとなる。したがって、単にフラットな上面と下面とを当接させる場合に比べて当接面積を増大させて、組付済階段部材10Xの柱構成部20と階段部材10の柱構成部20とを安定して連結することができる。
【0058】
また、上述するように、階段部材10の下側係合凸部61の上方が組付済階段部材10Xの上側係合凹部62に規制されるとともに、組付済階段部材10Xの嵌合凸部63が階段部材10の嵌合凹部51の上縁と下側係合凸部61の径外側の端部とで上下方向に挟み込まれているため、組付済階段部材10Xに対して階段部材10が螺旋方向の後ろ側に傾倒することを防止できる。
【0059】
このようにして、組付済階段部材10Xに対する階段部材10の組付けを、螺旋方向の上方に向かって所定の段数分繰り返すことで、
図2に示すような螺旋階段1を構成することができる。
なお、所定の段数分の階段部材10を組み付けた螺旋階段1では、螺旋方向に隣り合う階段部材10同士を固定してもよいし、最下段の階段部材10を支持柱7に対して固定するとともに、最上段の階段部材10をマンホール100に対して周方向位置を固定してもよい。
【0060】
上述のように、複数の階段部材10を螺旋方向の下方から上方に向かって組み付けて構成した螺旋階段1は、階段部材10の柱構成部20が上下方向に連結されて支柱2を構成し、階段構成部30の踏面31によって、螺旋方向に沿った階段を構成することができ、周壁構成部50によって、上面が階段状になるものの、螺旋方向に連続する周壁部分5を構成することができる。
【0061】
また、階段構成部30と周壁構成部50との間に形成された溝構成部40が螺旋方向に沿って連続し、階段構成部30の径外側の側面と、周壁構成部50の内面と、溝構成部40とで凹状となる、螺旋方向に沿った滑らかな導水部分4を構成することができる。
【0062】
上述したように、複数を組み付けて螺旋階段1を構成する階段部材10は、鉛直方向に延びる支柱2を構成する略円柱状の柱構成部20と、柱構成部20に対して径外側に配置され、踏面31を構成する平面視略扇状の本体部11とが備えられ、本体部11に、螺旋方向に隣り合う階段部材10の本体部11と上下方向に係合する係合部60が設けられ、係合部60は、螺旋方向の下側において、組付済階段部材10Xの上側係合凹部62に対して下方から係合する下側係合凸部61と、螺旋方向の上側において、次に組付ける階段部材10の下側係合凸部61に対して上方から係合する上側係合凹部62とが設けられている。
【0063】
また、このような階段部材10を複数設け、階段部材10の柱構成部20同士を上下方向に組み付けるとともに、係合部60を係合させて、螺旋方向に沿って組付けられた螺旋階段1、及び螺旋階段の組付方法は、螺旋方向に沿って効率よく階段部材10を組み付けることができる。
【0064】
詳述すると、階段部材10において略円柱状の柱構成部20を上下方向に積み上げることで、鉛直方向に延びる支柱2を構成することができる。そして、柱構成部20を上下方向に積み上げることで、径外側に配置された平面視略扇状の本体部11で螺旋方向に並ぶ踏面31を有する階段を構成することができる。
【0065】
また、本体部11に、螺旋方向に隣り合う階段部材10の本体部11と、上下方向に係合する係合部60が設けられ、係合部60は、螺旋方向の下側において、組付済階段部材10Xの上側係合凹部62に対して下方から係合する下側係合凸部61と、螺旋方向の上側において、次に組付ける階段部材10の下側係合凸部61に対して上方から係合する上側係合凹部62とが設けられている。そのため、次に組み付ける階段部材10の下側係合凸部61を組付済階段部材10Xの上側係合凹部62と上下方向に係合させ、組付済階段部材10Xに対して次の階段部材10を、係合部60と柱構成部20とで支持した状態で組み付けできるとともに、周方向における相対位置を規制することができる。
【0066】
また、本体部11は、平面視略扇型の踏面31の径外側に、螺旋方向に延びる導水部分4を構成する溝構成部40が設けられ、溝構成部40の径外側に、螺旋方向に延びる周壁部分5を構成する周壁構成部50が設けられ、周壁構成部50に、組付済階段部材10Xの嵌合凸部63と周方向に嵌合する嵌合凹部51が形成されているため、螺旋方向に延びる導水部分4を有する螺旋階段1を構成することができる。
【0067】
また、嵌合凹部51が組付済階段部材10Xの嵌合凸部63と嵌合しているため、次の階段部材10は傾くことなく、安定した組付け状態で組み付けることができる。
さらに、嵌合凹部51を周壁構成部50に設けているため、組付済階段部材10Xの嵌合凸部63と、嵌合凹部51とが嵌合する嵌合部分は導水部分4になく、導水部分4を流れる流体の流れに支障することなく、スムーズに流体が流れることができる。
【0068】
また、柱構成部20の上面21において本体部11が配置された側の半周部分に、螺旋方向に沿って延びる案内凹部24が形成され、柱構成部20の底面22において本体部11が配置された側の半周部分に、案内凹部24に対応し、螺旋方向に沿って延びる案内凸部26が形成されている。
【0069】
そのため、組付済階段部材10Xの柱構成部20と次に組み付ける階段部材10の柱構成部20とを上下方向に積み重ねる際に、組付済階段部材10Xの柱構成部20の上面21の案内凹部24と、次に組み付ける階段部材10の柱構成部20の底面22の案内凸部26とを対面させ、案内凹部24と案内凸部26とが摺動するように、組付済階段部材10Xに対して次に組み付ける階段部材10を螺旋方向に沿って回転させることで、組付済階段部材10Xの上側係合凹部62と、次に組み付ける階段部材10の下側係合凸部61である嵌合凹部51とを周方向に嵌合させて組み付けることができる。
【0070】
また、マンホール100の底部103に支持柱7を固定し、螺旋方向に沿って組付ける最下段の階段部材10の柱構成部20を支持柱7に載置して組み付けているため、狭隘なマンホール100の内部において、泥溜め104に対応する高さを底部103より挙げて、螺旋階段1を構成することができる。
【0071】
続いて、
図8乃至
図10とともに、別の実施形態の螺旋階段1Aについて説明する。
なお、
図8は螺旋階段1Aの斜視図による説明図を示し、
図9は階段部材10Aの斜視図による説明図を示し、
図10は階段部材10Aの説明図を示している。
【0072】
螺旋階段1Aの斜視図による説明図を示す
図8の
図8(a)は螺旋階段1の正面、平面及び左側面を示す斜視図であり、
図8(b)は螺旋階段1の背面、底面及び右側面を示す斜視図である。なお、
図8において、支持柱7の図示を省略している。
【0073】
階段部材10Aの斜視図による説明図を示す
図9の
図9(a)は階段部材10の正面、平面及び右側面を示す斜視図であり、
図9(b)は階段部材10の正面、平面及び左側面を示す斜視図であり、
図9(c)は階段部材10の正面、底面及び右側面を示す斜視図であり、
図9(d)は階段部材10の背面、底面及び右側面を示す斜視図である。
階段部材10Aの説明図を示す
図10の
図10(a)は階段部材10の平面図であり、
図10(b)は
図10(a)のB-B矢視図である。
【0074】
本実施形態の螺旋階段1Aを構成する階段部材10Aは、上述の螺旋階段1の階段部材10に比べ、周壁構成部50における溝構成部40の側に導水部52を設けている。
なお、階段部材10Aにおける導水部52以外の構成については上述の階段部材10の構成と同じである。螺旋階段1A及び階段部材10Aにおいて、上述の螺旋階段1及び階段部材10における構成と同じ構成については同じ符号を付して、その説明を省略する。
【0075】
階段部材10Aに設けた導水部52は、周壁構成部50における溝構成部40に対向する内側面に設けている。詳しくは、導水部52は、周壁構成部50の内側面の上部において、断面直角三角形状に溝構成部40に向かって突出している。
【0076】
また、導水部52は、周壁構成部50の上面と面一で形成されており、平面視円弧状に形成された周壁構成部50において螺旋方向の後方側のおよそ1/3の周方向位置から正面側端部までの範囲に形成されている。
【0077】
そして、導水部52は、周壁構成部50において螺旋方向の後方側のおよそ1/3の周方向位置から正面側端部にかけて、直角三角形である断面形状が徐々に大きくなるように、つまり、周壁構成部50から溝構成部40に向かって突出する突出量及び高さが徐々に大きくなるように形成されている。
【0078】
このように構成した階段部材10Aを、上述した階段部材10と同様に組み付けて構成した螺旋階段1Aは、階段部材10を組み付けた螺旋階段1と同様に、柱構成部20が上下方向に連結された支柱2、階段構成部30の踏面31による螺旋方向に沿った階段、周壁構成部50による螺旋方向に連続する周壁部分5及び溝構成部40による螺旋方向に沿った滑らかな導水部分4を構成することができる。したがって、階段部材10A及び、階段部材10Aを組み付けた螺旋階段1Aは、上述した階段部材10及び螺旋階段1による作用効果と同じ作用効果を奏することができる。
【0079】
さらに、階段部材10に比べて周壁構成部50の内面に導水部52を設けた階段部材10A及び階段部材10Aを組み付けた螺旋階段1Aは、
図8に示すように、螺旋方向に連続する周壁部分5において階段状となる上面に沿って導水部52が、導水部分4に向かって突出することとなる。
【0080】
このように導水部52が周壁部分5から突出する導水部分4に、マンホール100の上部の流入管101から流入した水が下部に向かって流れるが、上部から下部に向かってその流速は高まる。大量の水が導水部分4を流れ、流速が速いまま下部に達し、導水部分4から流れ出ると、導水部分4から水が底部103に向かって落下する際の衝撃や騒音等が大きくなるおそれがある。さらには底部103が、流速の高い水の落下によって洗堀されるおそれがある。
【0081】
なお、螺旋状の導水部分4を流れる水は、流速が早くなると遠心力によって周壁構成部50で構成する周壁部分5に沿って流れることとなるが、周壁構成部50に設けた導水部52によって、周壁部分5に沿って流れる水は径内側に向かって導水されるため、水を減速することができる。また、導水部52によって水が径内側に向かって導水されるため、水の流れに乱れが生じ、水を減速することができる。
したがって、導水部分4から流れ出る水を減速でき、導水部分4から水が底部103に向かって落下する際の衝撃や騒音等を小さくでき、底部103が洗堀されることを抑制することができる。
【0082】
なお、導水部52は、周壁構成部50ごとに形成しているため、螺旋方向に沿って所定間隔を隔てて複数設けた態様となるが、螺旋状の導水部分4に沿って形成される周壁部分5の全域にわたって設けてもよいし、導水部分4に流れる水の流速が早くなる下部の周壁部分5に設けてもよい。
また、断面直角三角形状に形成したが、断面二等辺三角形状に形成してもよいし、単に、周壁構成部50から溝構成部40に向かって突出する板状に形成してもよい。
【0083】
以上、本発明の構成と、前述の実施態様との対応において、本発明の螺旋階段は螺旋階段1に対応し、
以下同様に、
階段部材は階段部材10に対応し、
支柱は支柱2に対応し、
柱構成部は柱構成部20に対応し、
踏面は踏面31に対応し、
本体部は本体部11に対応し、
係合部は係合部60に対応し、
組付済みの階段部材は組付済階段部材10Xに対応し、
上側係合部は上側係合凹部62に対応し、
下側係合部は下側係合凸部61に対応し、
流水溝は導水部分4に対応し、
溝構成部は溝構成部40に対応し、
周壁は周壁部分5に対応し、
壁構成部は周壁構成部50に対応し、
嵌合凹部は嵌合凹部51に対応し、
導水部は導水部52に対応し、
上面は上面21に対応し、
案内凹部は案内凹部24に対応し、
下面は底面22に対応し、
案内凸部は案内凸部26に対応し、
支持柱は支持柱7に対応し、
マンホールはマンホール100に対応するも、上記実施形態に限定するものではない。
【0084】
例えば、上述の説明では、柱構成部20の上面21に案内凹部24を設け、底面22に半円柱側面25を設けたが、上面21に半円柱側面25を設け、底面22に案内凹部24を設けてもよい。このように、柱構成部20の上面21に半円柱側面25を設け、底面22に案内凹部24を設けた場合であっても、上述の螺旋階段1における効果を奏することができる。
【0085】
また、組付済階段部材10Xの柱構成部20の上部の装着孔23にピンを挿着し、階段部材10を載置する際に、階段部材10の柱構成部20の下方の装着孔23にピンを挿入してもよい。
具体的には、組付済階段部材10Xの柱構成部20と次に組み付ける階段部材10の柱構成部20とを上下方向に積み重ねる際に、組付済階段部材10Xの柱構成部20の上部の装着孔23にピンを挿着する。そして、次に組み付ける階段部材10の柱構成部20の下方の装着孔23にピンを挿入して、組付済階段部材10Xの柱構成部20と次に組み付ける階段部材10の柱構成部20とを上下方向に積み重ねる。
【0086】
これにより、組付済階段部材10Xの柱構成部20の中心と、次に組み付ける階段部材10の柱構成部20の中心とを容易に一致させ、組付済階段部材10Xに対する階段部材10の螺旋方向の下方に向かう回転を安定させることができる。
【0087】
また、周壁構成部50の上面及び嵌合凹部51の上縁を螺旋方向下側に向かって傾斜させてもよい。これにより、組付済階段部材10Xに対して階段部材10を螺旋方向の下方に向かう回転させて、組付済階段部材10Xの嵌合凸部63を階段部材10の嵌合凹部51に嵌合させる際に容易に嵌合することができる。
【0088】
なお、周壁構成部50の上面及び嵌合凹部51の上縁を螺旋方向下側に向かって傾斜させる傾斜角度は、螺旋方向に沿う螺旋階段1の傾斜角度より小さい上述の案内凹部24及び案内凸部26の傾斜角度と同程度に設定することで、組付済階段部材10Xの嵌合凸部63を階段部材10の嵌合凹部51に嵌合させる際により容易に嵌合することができる。
【符号の説明】
【0089】
1…螺旋階段
2…支柱
4…導水部分
5…周壁部分
7…支持柱
10…階段部材
10X…組付済階段部材
11…本体部
20…柱構成部
21…上面
22…底面
24…案内凹部
26…案内凸部
31…踏面
40…溝構成部
50…周壁構成部
51…嵌合凹部
52…導水部
60…係合部
61…下側係合凸部
62…上側係合凹部
100…マンホール