(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024140477
(43)【公開日】2024-10-10
(54)【発明の名称】保護装置および保護方法
(51)【国際特許分類】
H02H 7/00 20060101AFI20241003BHJP
H02H 9/04 20060101ALI20241003BHJP
H02J 1/00 20060101ALI20241003BHJP
H02M 3/28 20060101ALI20241003BHJP
H03K 17/16 20060101ALI20241003BHJP
【FI】
H02H7/00 B
H02H9/04 B
H02J1/00 309H
H02M3/28 C
H03K17/16 M
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023051627
(22)【出願日】2023-03-28
(71)【出願人】
【識別番号】322003857
【氏名又は名称】パナソニックオートモーティブシステムズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002952
【氏名又は名称】弁理士法人鷲田国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】中村 進
【テーマコード(参考)】
5G013
5G053
5G165
5H730
5J055
【Fターム(参考)】
5G013AA02
5G013AA04
5G013AA10
5G013AA16
5G013BA02
5G013DA11
5G053AA10
5G053BA04
5G053EB02
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5G053FA04
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5H730AA02
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5J055AX26
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5J055EY21
5J055EZ10
5J055GX01
5J055GX02
(57)【要約】
【課題】入力電圧が変動する状況においても、サージ電圧の大きさを検出することにより保護回路による損失を減らすことができる保護装置および保護方法を提供する。
【解決手段】本開示の一実施例における保護装置は、半導体スイッチに接続された保護回路と、前記半導体スイッチのサージ電圧を検出する検出回路と、を備え、前記サージ電圧に応じて動作が制御される。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体スイッチに接続された保護回路と、
前記半導体スイッチのサージ電圧を検出する検出回路と、
を備え、
前記サージ電圧に応じて動作が制御される保護装置。
【請求項2】
前記保護回路は、スナバ回路である、
請求項1に記載の保護装置。
【請求項3】
前記半導体スイッチは、DC/DCコンバータの2次側の同期整流用のスイッチである、
請求項1に記載の保護装置。
【請求項4】
前記検出回路は、
前記DC/DCコンバータの出力電流を検出する出力電流検出回路と、
前記出力電流に応じた電圧を基準電圧と比較する比較回路と、
をさらに備え、
前記保護回路は、比較回路の出力により動作が制御される、
請求項3に記載の保護装置。
【請求項5】
前記検出回路は、
前記DC/DCコンバータの入力電圧を検出する入力電圧検出回路と、
前記DC/DCコンバータの出力電流を検出する出力電流検出回路と、
を備え、
前記保護回路は、前記入力電圧及び前記出力電流に応じた電圧の出力により動作が制御される、
請求項3に記載の保護装置。
【請求項6】
前記検出回路は、
前記入力電圧を基準電圧と比較する第1の比較回路と、
前記出力電流に応じた電圧を基準電圧と比較する第2の比較回路と、
を備え、
前記保護回路は、第1の比較回路及び第2の比較回路の出力により動作が制御される、
請求項5に記載の保護装置。
【請求項7】
前記検出回路は、
前記DC/DCコンバータの入力電圧を検出する入力電圧検出回路と、
前記入力電圧を基準電圧と比較する比較回路と、
を備え、
前記保護回路は、比較回路の出力により動作が制御される、
請求項3に記載の保護装置。
【請求項8】
前記検出回路は、
前記半導体スイッチの両端の電圧を検出する電圧検出回路と、
検出した前記電圧を基準電圧と比較する比較回路と、
を備え、
前記保護回路は、比較回路の出力により動作が制御される、
請求項3に記載の保護装置。
【請求項9】
請求項1に記載の保護装置を備えた車両。
【請求項10】
半導体スイッチのサージ電圧を検出するステップと、
前記サージ電圧に応じて前記半導体スイッチに接続された保護回路の動作を制御するステップと、
を含む保護方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、保護装置および保護方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
電気自動車は、インフラの交流電源に接続して充電を行うことが必要である。電気自動車の電源回路に用いられるFET(Field Effect Transistor)等の半導体スイッチを過電圧破壊から保護するために保護回路の一例としてスナバ回路(Snubber Circuit)が用いられているが、スナバ回路の損失が電源回路の効率を低下させる。特に駆動用バッテリーを入力電力とするDC(Direct Current)/DCコンバータでは、入力電圧又は出力電流が小さい時にスナバ回路による損失の割合が大きいと、駆動用バッテリーの電力を有効活用することができない。
【0003】
HID(High-Intensity Discharge)ランプに用いられているMOSFET(Metal-Oxide-Semiconductor FET)のスナバ回路の場合、HIDランプは冷えている起動直後が重負荷となるので、MOSFETが重負荷の時間だけスナバ回路の容量を大きくすることが考えられている(例えば、特許文献1を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
図7に、系統側と接続した車両側回路(電源回路)を示す。
【0006】
車両側回路は、インフラ型の交流電源710と接続される。車両側回路は、AC(Alternating Current)フィルタ720、力率改善回路730、第1のDC/DCコンバータ740、モータ駆動用バッテリー750、負荷(モータ、インバータなど)760、第2のDC/DCコンバータ770、補機用バッテリー780、補機類790を有する。
【0007】
第2のDC/DCコンバータ770は、モータ駆動用バッテリー750の充電率に応じて入力電圧が変動する。特許文献1の技術では、DC/DCコンバータの入力電圧が一定であることを前提とした制御を行っているため、入力電圧が変動する第2のDC/DCコンバータ770においては使用することができない。
【0008】
また、特許文献1の技術は、起動直後か否かを検出するものである。すなわち、一定の入力電圧に対して、負荷としてのHIDランプが温度に応じて変動することを利用して、コンバータのデューティー比、経過時間、入力電流、又は出力電圧によりHIDランプが重負荷であるか否かを検出している。つまり、特許文献1の技術は、サージ電圧の大きさを検出していない。
【0009】
本開示は、入力電圧が変動する状況においても、サージ電圧の大きさを検出することにより保護回路による損失を減らすことができる保護装置および保護方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本開示の一実施例における保護装置は、半導体スイッチに接続された保護回路と、前記半導体スイッチのサージ電圧を検出する検出回路と、を備え、前記サージ電圧に応じて動作が制御される。
【0011】
本開示の一実施例における保護方法は、半導体スイッチのサージ電圧を検出するステップと、前記サージ電圧に応じて前記半導体スイッチに接続された保護回路の動作を制御するステップと、を含む。
【発明の効果】
【0012】
本開示によれば、入力電圧が変動する状況においても保護回路による損失を減らすことができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】入力電圧に応じてスナバ回路を制御する回路を示す図
【
図2】出力電流に応じてスナバ回路を制御する回路を示す図
【
図3】入力電圧及び出力電流に応じてスナバ回路を制御する回路を示す図
【
図5】入力電圧及び出力電流に応じてスナバ回路を制御する別の回路を示す図
【
図6】MOSFETの電圧に応じてスナバ回路を制御する回路を示す図
【
図7】系統側と接続した車両側回路(電源回路)を示す図
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本開示の実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。なお、以下に説明する実施形態は一例であり、本開示は、以下の実施形態に限定されるものではない。
【0015】
但し、必要以上に詳細な説明は省略する場合がある。例えば、既によく知られた事項の詳細説明や実質的に同一の構成に対する重複説明を省略する場合がある。これは、以下の説明が不必要に冗長になるのを避け、当業者の理解を容易にするためである。
【0016】
<実施の形態1>
図1に、DC/DCコンバータの入力電圧に応じてスナバ回路を制御する回路を示す。MOSFET125、126のサージ電圧の大きさは、DC/DCコンバータの入力電圧の大きさと正の相関関係があるから、
図1に記載するスナバ回路は、MOSFETのサージ電圧の大きさに応じて制御される。
【0017】
この回路は、バイパスコンデンサ110、MOSFET121~126、トランス130、スナバ回路140、141、チョークコイル150、入力電圧検出回路160、比較回路170を有する。
【0018】
バイパスコンデンサ110の一方は端子P1に接続され、バイパスコンデンサ110の他方は端子P2に接続されている。
【0019】
MOSFET121のドレインは端子P1に接続され、MOSFET121のソースはMOSFET122のドレインに接続されている。MOSFET122のソースは端子P2に接続されている。
【0020】
MOSFET123のドレインは端子P1に接続され、MOSFET123のソースはMOSFET124のドレインに接続されている。MOSFET124のソースは端子P2に接続されている。
【0021】
トランス130の入力の一方は、MOSFET121のソース及びMOSFET122のドレインに接続され、トランス130の入力の他方は、MOSFET123のソース及びMOSFET124のドレインに接続されている。トランス130の出力の一方は、MOSFET125のドレインに接続され、トランス130の出力の他方は、MOSFET126のドレインに接続されている。
【0022】
MOSFET125のソースとMOSFET126のソースは、どちらも端子P4に接続されている。
【0023】
スナバ回路140の一方は、MOSFET125のドレインに接続され、スナバ回路140の他方は、MOSFET125のソースに接続されている。スナバ回路140はMOSFET125の保護回路である。
【0024】
スナバ回路141の一方は、MOSFET126のドレインに接続され、スナバ回路141の他方は、MOSFET126のソースに接続されている。スナバ回路141はMOSFET126の保護回路である。
【0025】
スナバ回路140及び141では、抵抗、コンデンサ、及びMOSFETが直列に接続されているが、他の回路構成でもよい。
【0026】
チョークコイル150の一方は、トランス130の出力の中点に接続され、チョークコイル150の他方は、端子P3に接続されている。
【0027】
入力電圧検出回路160は、端子P1と端子P2の間の入力電圧Vinを出力する。
【0028】
比較回路170は、入力電圧検出回路160が検出した入力電圧Vinが比較値Vref_1より大きい場合に、スナバ回路140及び141を動作させる駆動信号Vgを出力する。駆動信号Vgは、スナバ回路140及び141に含まれているMOSFETのゲートに接続されている。すなわち、入力電圧が所定電圧以上の場合に、スナバ回路140及び141を動作させる。
【0029】
比較回路170の代わりに、ソフトウェアによる判断、すなわち、プロセッサが、入力電圧Vinのデジタル値と比較値Vref_1とを比較して、入力電圧Vinが比較値Vref_1以上の場合に、出力回路がスナバ回路140及び141を動作させる駆動信号Vgを出力してもよい。
【0030】
<実施の形態2>
図2に、出力電流に応じてスナバ回路を制御する回路を示す。MOSFET125、126のサージ電圧の大きさは、DC/DCコンバータの出力電流と正の相関関係があるから、
図2に記載するスナバ回路は、MOSFETのサージ電圧の大きさに応じて制御される。
【0031】
バイパスコンデンサ110、MOSFET121~126、トランス130、スナバ回路140、141、チョークコイル150、出力電流検出回路260、比較回路270を有する。
【0032】
バイパスコンデンサ110の一方は端子P1に接続され、バイパスコンデンサ110の他方は端子P2に接続されている。
【0033】
MOSFET121のドレインは端子P1に接続され、MOSFET121のソースはMOSFET122のドレインに接続されている。MOSFET122のソースは端子P2に接続されている。
【0034】
MOSFET123のドレインは端子P1に接続され、MOSFET123のソースはMOSFET124のドレインに接続されている。MOSFET124のソースは端子P2に接続されている。
【0035】
トランス130の入力の一方は、MOSFET121のソース及びMOSFET122のドレインに接続され、トランス130の入力の他方は、MOSFET123のソース及びMOSFET124のドレインに接続されている。トランス130の出力の一方は、MOSFET125のドレインに接続され、トランス130の出力の他方は、MOSFET126のドレインに接続されている。
【0036】
MOSFET125のソースとMOSFET126のソースは、どちらも端子P4に接続されている。
【0037】
スナバ回路140の一方は、MOSFET125のドレインに接続され、スナバ回路140の他方は、MOSFET125のソースに接続されている。スナバ回路140はMOSFET125の保護回路である。
【0038】
スナバ回路141の一方は、MOSFET126のドレインに接続され、スナバ回路141の他方は、MOSFET126のソースに接続されている。スナバ回路141はMOSFET126の保護回路である。
【0039】
スナバ回路140及び141は、抵抗、コンデンサ、及びMOSFETが直列に接続されているが、他の回路構成でもよい。
【0040】
チョークコイル150の一方は、トランス130の出力の中点に接続され、チョークコイル150の他方は、端子P3に接続されている。
【0041】
出力電流検出回路260は、端子P4の出力電流に応じた検出電圧Vsを出力する。
【0042】
比較回路270は、出力電流検出回路260の検出電圧Vsが比較値Vref_2より大きい場合に、スナバ回路140及び141を動作させる駆動信号Vgを出力する。駆動信号Vgは、スナバ回路140及び141に含まれているMOSFETのゲートに接続されている。すなわち、出力電流が所定電流以上の場合に、スナバ回路140及び141を動作させる。
【0043】
比較回路270の代わりに、ソフトウェアによる判断、すなわち、プロセッサが、検出電圧Vsのデジタル値と比較値Vref_2とを比較して、検出電圧Vsが比較値Vref_2以上の場合に、出力回路がスナバ回路140及び141を動作させる駆動信号Vgを出力してもよい。
【0044】
<実施の形態3>
図3に、入力電圧及び出力電流に応じてスナバ回路を制御する回路を示す。MOSFET125、126のサージ電圧の大きさは、DC/DCコンバータの入力電圧及び出力電流と正の相関関係があるから、
図3に記載するスナバ回路は、MOSFETのサージ電圧の大きさに応じて制御される。
【0045】
バイパスコンデンサ110、MOSFET121~126、トランス130、スナバ回路140、141、チョークコイル150、入力電圧検出回路160、比較回路170、出力電流検出回路260、比較回路270、AND回路380を有する。
【0046】
バイパスコンデンサ110の一方は端子P1に接続され、バイパスコンデンサ110の他方は端子P2に接続されている。
【0047】
MOSFET121のドレインは端子P1に接続され、MOSFET121のソースはMOSFET122のドレインに接続されている。MOSFET122のソースは端子P2に接続されている。
【0048】
MOSFET123のドレインは端子P1に接続され、MOSFET123のソースはMOSFET124のドレインに接続されている。MOSFET124のソースは端子P2に接続されている。
【0049】
トランス130の入力の一方は、MOSFET121のソース及びMOSFET122のドレインに接続され、トランス130の入力の他方は、MOSFET123のソース及びMOSFET124のドレインに接続されている。トランス130の出力の一方は、MOSFET125のドレインに接続され、トランス130の出力の他方は、MOSFET126のドレインに接続されている。
【0050】
MOSFET125のソースとMOSFET126のソースは、どちらも端子P4に接続されている。
【0051】
スナバ回路140の一方は、MOSFET125のドレインに接続され、スナバ回路140の他方は、MOSFET125のソースに接続されている。スナバ回路140はMOSFET125の保護回路である。
【0052】
スナバ回路141の一方は、MOSFET126のドレインに接続され、スナバ回路141の他方は、MOSFET126のソースに接続されている。スナバ回路141はMOSFET126の保護回路である。
【0053】
スナバ回路140及び141は、抵抗、コンデンサ、及びMOSFETが直列に接続されているが、他の回路構成でもよい。
【0054】
チョークコイル150の一方は、トランス130の出力の中点に接続され、チョークコイル150の他方は、端子P3に接続されている。
【0055】
入力電圧検出回路160は、端子P1と端子P2の間の入力電圧Vinを出力し、比較回路170は、入力電圧検出回路160が検出した入力電圧Vinが比較値Vref_1より大きい場合に、出力Vout_1を出力する。
【0056】
出力電流検出回路260は、端子P4の出力電流に応じた検出電圧Vsを出力し、比較回路270は、出力電流検出回路260の検出電圧Vsが比較値Vref_2より大きい場合に、出力Vout_2を出力する。
【0057】
AND回路380は、Vout_1及びVout_2が出力されている場合に、スナバ回路140及び141を動作させる駆動信号Vgを出力する。駆動信号Vgは、スナバ回路140及び141に含まれているMOSFETのゲートに接続されている。すなわち、入力電圧が所定電圧以上であり、出力電流が所定電流以上の場合に、スナバ回路140及び141を動作させる。
【0058】
図4に、MOSFETのスナバ回路を動作させる範囲を示す。数字は、2次側同期整流MOSFETのサージ電圧例を示している。領域410は、電気自動車の利用者が効率を重視する領域の一例であり、領域420は、スナバ回路を動作させる領域の一例である。電気自動車の運転状況によれば、DC/DCコンバータは領域410のような比較的軽負荷で動作している時間が大半である。したがって、DC/DCコンバータは軽負荷で動作している場合の効率が、電気自動車全体の効率、すなわち電気自動車の電費に大きく影響する。このような背景を考慮すれば、軽負荷領域においてスナバ回路の動作による損失を低減させることが電気自動車の効率を改善する上で効果的であるから、軽負荷における損失の低減が重要視されている。
【0059】
図4は、電気自動車の利用者が効率を重視する領域であるDC/DCコンバータの出力電流が42A以下においてはスナバ回路を動作させないこととし、かつ、DC/DCコンバータの入力電圧が400V以上の場合に、サージ電圧が大きくなることを考慮して、DC/DCコンバータの出力電流が64A以上の場合であって、DC/DCコンバータの入力電圧が400V以上の場合に、スナバ回路を動作させることとした例を示している。すなわちVref_1は400V、Vref_2は64Aに対応する電圧である。
【0060】
スナバ回路を動作させる入力電圧の値と出力電流の値は他の値でもよい。
【0061】
比較回路170、270、及びAND回路380の代わりに、ソフトウェアによる判断、すなわち、プロセッサが、入力電圧Vinおよび検出電圧Vsのデジタル値と比較値Vref_1およびVref_2とをそれぞれ比較して、入力電圧Vinが比較値Vref_1以上、かつ、検出電圧Vsが比較値Vref_2以上の場合に、出力回路がスナバ回路140及び141を動作させる駆動信号Vgを出力してもよい。
【0062】
<実施の形態4>
図5に、入力電圧及び出力電流に応じてスナバ回路を制御する別の回路を示す。MOSFET125、126のサージ電圧の大きさは、DC/DCコンバータの入力電圧及び出力電流と正の相関関係があるから、
図5に記載するスナバ回路は、MOSFETのサージ電圧の大きさに応じて制御される。
図4とは、入力電圧検出回路160の出力Vin、出力電流検出回路260の出力Vsを用いる判断の方法が異なる。
【0063】
バイパスコンデンサ110、MOSFET121~126、トランス130、スナバ回路140、141、チョークコイル150、入力電圧検出回路160、比較回路170、出力電流検出回路260、演算回路570を有する。
【0064】
バイパスコンデンサ110の一方は端子P1に接続され、バイパスコンデンサ110の他方は端子P2に接続されている。
【0065】
MOSFET121のドレインは端子P1に接続され、MOSFET121のソースはMOSFET122のドレインに接続されている。MOSFET122のソースは端子P2に接続されている。
【0066】
MOSFET123のドレインは端子P1に接続され、MOSFET123のソースはMOSFET124のドレインに接続されている。MOSFET124のソースは端子P2に接続されている。
【0067】
トランス130の入力の一方は、MOSFET121のソース及びMOSFET122のドレインに接続され、トランス130の入力の他方は、MOSFET123のソース及びMOSFET124のドレインに接続されている。トランス130の出力の一方は、MOSFET125のドレインに接続され、トランス130の出力の他方は、MOSFET126のドレインに接続されている。
【0068】
MOSFET125のソースとMOSFET126のソースは、どちらも端子P4に接続されている。
【0069】
スナバ回路140の一方は、MOSFET125のドレインに接続され、スナバ回路140の他方は、MOSFET125のソースに接続されている。スナバ回路140はMOSFET125の保護回路である。
【0070】
スナバ回路141の一方は、MOSFET126のドレインに接続され、スナバ回路141の他方は、MOSFET126のソースに接続されている。スナバ回路141はMOSFET126の保護回路である。
【0071】
スナバ回路140及び141は、抵抗、コンデンサ、及びMOSFETが直列に接続されているが、他の回路構成でもよい。
【0072】
チョークコイル150の一方は、トランス130の出力の中点に接続され、チョークコイル150の他方は、端子P3に接続されている。
【0073】
入力電圧検出回路160は、端子P1と端子P2の間の入力電圧Vinを出力し、
出力電流検出回路260は、端子P4の出力電流に応じた検出電圧Vsを出力する。
【0074】
演算回路570は、入力電圧Vin及び検出電圧Vsに基づいて、スナバ回路を動作させるか否かを出力する。サージ電圧は、DC/DCコンバータの入力電圧及び出力電流と正の相関関係があるから、演算回路によりサージ電圧の大きさを求めることができるので、スナバ回路を動作させるか否かを決定することができる。
【0075】
演算回路570において、Vin及びVsが共に所定値以上である場合に「1」、Vin及びVsの少なくとも1つが所定値以下である場合に「0」となる演算を行えば、
図4と同じ結果が得られる。
【0076】
演算回路570の代わりに、ソフトウェアによる判断、すなわち、プロセッサが、入力電圧Vinおよび検出電圧Vsのデジタル値から、出力回路がスナバ回路140及び141を動作させる駆動信号Vgを出力してもよい。
【0077】
<実施の形態5>
図6に、MOSFETの電圧に応じてスナバ回路を制御する回路を示す。MOSFET125、126のサージ電圧の大きさは、MOSFET125、126の電圧により検出することが可能であるから、
図5に記載するスナバ回路は、MOSFETのサージ電圧の大きさに応じて制御される。
【0078】
バイパスコンデンサ110、MOSFET121~126、トランス130、スナバ回路140、141、チョークコイル150、電圧検出回路660、661、比較回路670、611を有する。
【0079】
バイパスコンデンサ110の一方は端子P1に接続され、バイパスコンデンサ110の他方は端子P2に接続されている。
【0080】
MOSFET121のドレインは端子P1に接続され、MOSFET121のソースはMOSFET122のドレインに接続されている。MOSFET122のソースは端子P2に接続されている。
【0081】
MOSFET123のドレインは端子P1に接続され、MOSFET123のソースはMOSFET124のドレインに接続されている。MOSFET124のソースは端子P2に接続されている。
【0082】
トランス130の入力の一方は、MOSFET121のソース及びMOSFET122のドレインに接続され、トランス130の入力の他方は、MOSFET123のソース及びMOSFET124のドレインに接続されている。トランス130の出力の一方は、MOSFET125のドレインに接続され、トランス130の出力の他方は、MOSFET126のドレインに接続されている。
【0083】
MOSFET125のソースとMOSFET126のソースは、どちらも端子P4に接続されている。
【0084】
スナバ回路140の一方は、MOSFET125のドレインに接続され、スナバ回路140の他方は、MOSFET125のソースに接続されている。スナバ回路140はMOSFET125の保護回路である。
【0085】
スナバ回路141の一方は、MOSFET126のドレインに接続され、スナバ回路141の他方は、MOSFET126のソースに接続されている。スナバ回路141はMOSFET126の保護回路である。
【0086】
スナバ回路140及び141は、抵抗、コンデンサ、及びMOSFETが直列に接続されているが、他の回路構成でもよい。
【0087】
チョークコイル150の一方は、トランス130の出力の中点に接続され、チョークコイル150の他方は、端子P3に接続されている。
【0088】
電圧検出回路660は、MOSFET125の電圧を検出する。電圧検出回路660はMOSFET125の電圧を検出する。
【0089】
電圧検出回路661は、MOSFET126の電圧を検出する。電圧検出回路660はMOSFET126の電圧を検出する。
【0090】
比較回路670は、電圧検出回路660の検出電圧Vd1が比較値Vref_3より大きい場合に、駆動信号Vg1を出力する。駆動信号Vg1は、スナバ回路140に含まれているMOSFETのゲートに接続されている。すなわち、MOSFET125の電圧が所定電圧以上の場合に、スナバ回路140が動作する。
【0091】
比較回路671は、電圧検出回路661の検出電圧Vd2が比較値Vref_4より大きい場合に、駆動信号Vg2を出力する。駆動信号Vg2は、スナバ回路141に含まれているMOSFETのゲートに接続されている。すなわち、MOSFET126の電圧が所定電圧以上の場合に、スナバ回路141が動作する
【0092】
比較回路670及び671の代わりに、ソフトウェアによる判断を行ってもよい。例えば、比較回路670の代わりに、プロセッサが、検出電圧Vd1のデジタル値と比較値Vref_3とを比較して、検出電圧Vd1が比較値Vref_3以上の場合に、出力回路がスナバ回路140を動作させる駆動信号Vg1を出力してもよい。また、比較回路771の代わりに、プロセッサが、検出電圧Vd2のデジタル値と比較値Vref_4とを比較して、検出電圧Vd2が比較値Vref_4以上の場合に、出力回路がスナバ回路141を動作させる駆動信号Vg2を出力してもよい。
【0093】
<変形例>
スナバ回路以外の保護回路についても、保護回路が接続されているMOSFETのサージ電圧の大きさを検出して、動作を制御することができる。また、MOSFET以外の半導体スイッチについても、半導体スイッチのサージ電圧の大きさを検出して、半導体スイッチに接続されている保護回路の動作を制御することができる。DC/DCコンバータ以外の半導体スイッチについても半導体スイッチのサージ電圧の大きさを検出して、半導体スイッチに接続されている保護回路の動作を制御することができる。
【0094】
以上、図面を参照しながら実施の形態について説明したが、本開示はかかる例に限定されない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇において、各種の変更例又は修正例に想到し得ることは明らかである。そのような変更例又は修正例についても、本開示の技術的範囲に属するものと了解される。また、本開示の趣旨を逸脱しない範囲において、実施の形態における各構成要素は任意に組み合わされてよい。
【0095】
(1)本開示の一実施例における保護装置は、MOSFETに接続された保護回路と、前記MOSFETのサージ電圧を検出する検出回路と、を備え、前記サージ電圧に応じて動作が制御される。
【0096】
(2)本開示の一実施例における保護装置は、(1)の保護装置において、前記保護回路は、スナバ回路である。
【0097】
(3)本開示の一実施例における保護装置は、(1)の保護装置において、前記MOSFETは、DC/DCコンバータの2次側の同期整流用のスイッチである。
【0098】
(4)本開示の一実施例における保護装置は、(1)の保護装置において、前記検出回路は、前記DC/DCコンバータの出力電流を検出する出力電流検出回路と、前記出力電流に応じた電圧を基準電圧と比較する比較回路と、をさらに備え、前記保護回路は、比較回路の出力により動作が制御される。
【0099】
(5)本開示の一実施例における保護装置は、(1)の保護装置において、前記検出回路は、前記DC/DCコンバータの入力電圧を検出する入力電圧検出回路と、前記DC/DCコンバータの出力電流を検出する出力電流検出回路と、を備え、前記保護回路は、前記入力電圧及び前記出力電流に応じた電圧の出力により動作が制御される。
【0100】
(6)本開示の一実施例における保護装置は、(1)の保護装置において、前記検出回路は、前記入力電圧を基準電圧と比較する第1の比較回路と、前記出力電流に応じた電圧を基準電圧と比較する第2の比較回路と、を備え、前記保護回路は、第1の比較回路及び第2の比較回路の出力により動作が制御される。
【0101】
(7)本開示の一実施例における保護装置は、(1)の保護装置において、前記検出回路は、前記DC/DCコンバータの入力電圧を検出する入力電圧検出回路と、前記入力電圧を基準電圧と比較する比較回路と、を備え、前記保護回路は、比較回路の出力により動作が制御される。
【0102】
(8)本開示の一実施例における保護装置は、(1)の保護装置において、前記検出回路は、前記MOSFETの両端の電圧を検出する電圧検出回路と、検出した前記電圧を基準電圧と比較する比較回路と、を備え、前記保護回路は、比較回路の出力により動作が制御される。
【0103】
(9)本開示の一実施例における車両は、(1)に記載の保護装置を備える。
【0104】
(10)本開示の一実施例における保護方法は、MOSFETのサージ電圧を検出するステップと、前記サージ電圧に応じて前記MOSFETに接続された保護回路の動作を制御するステップと、を含む。
【符号の説明】
【0105】
110 バイパスコンデンサ
121~126 MOSFET
130 トランス
140、141 スナバ回路
150 チョークコイル
160 入力電圧検出回路
170、270、670、671 比較回路
260 出力電流検出回路
380 AND回路
410 電気自動車の利用者が効率を重視する領域
420 スナバ回路を動作させる領域
570 演算回路
660、661 電圧検出回路
710 交流電源
720 ACフィルタ
730 力率改善回路
740、770 DC/DCコンバータ
750 モータ駆動用バッテリー
760 負荷
780 補機用バッテリー
790 補機類