(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024140482
(43)【公開日】2024-10-10
(54)【発明の名称】作業機械、アタッチメントの遠隔脱着システム、およびアタッチメントの遠隔脱着方法
(51)【国際特許分類】
E02F 9/22 20060101AFI20241003BHJP
E02F 3/36 20060101ALI20241003BHJP
【FI】
E02F9/22 E
E02F3/36 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023051635
(22)【出願日】2023-03-28
(71)【出願人】
【識別番号】000001236
【氏名又は名称】株式会社小松製作所
(74)【代理人】
【識別番号】110000202
【氏名又は名称】弁理士法人新樹グローバル・アイピー
(72)【発明者】
【氏名】樋口 憲一
(72)【発明者】
【氏名】岡田 哲史
【テーマコード(参考)】
2D003
2D012
【Fターム(参考)】
2D003AA01
2D003AB06
2D003BA04
2D003BB03
2D003CA02
2D003DA04
2D003DB02
2D012DA00
(57)【要約】
【課題】遠隔から容易にアタッチメントの脱着を行うことが可能な作業機械を提供すること。
【解決手段】作業機械1は、作業機械本体2と、原動機41と、油出力部42と、受信装置51と、車体コントローラ43と、を備える。作業機械本体2は、作業機3と、バケット5と、接続装置4と、を有する。バケット5は、作業機3に取り付けられる。接続装置4は、バケット5と作業機3とを脱着する。原動機41は、作業機械本体2に配置される。油出力部42は、原動機41の出力に応じて作業機械本体2を駆動する油の出力を調整する。受信装置51は、遠隔から送信される接続装置4を動作させるための脱着信号を受信する。車体コントローラ43は、原動機41の出力を所定出力以下に抑制する制御を行う。受信装置51が脱着信号を受信した場合、車体コントローラ43は、原動機41の出力を所定出力以下に抑制する制御を無効にする。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
作業機と、前記作業機に取り付けられるアタッチメントと、前記アタッチメントと前記作業機とを脱着する接続装置と、を有する、作業機械本体と、
前記作業機械本体に配置された原動機と、
前記原動機の出力に応じて前記作業機械本体を駆動する油の出力を調整する油出力部と、
遠隔から送信される前記接続装置を動作させるための脱着信号を受信する受信装置と、
前記原動機の出力を所定出力以下に抑制する制御を行う制御装置と、を備え、
前記受信装置が前記脱着信号を受信した場合、前記制御装置は、前記原動機の出力を所定出力以下に抑制する制御を無効にする、
作業機械。
【請求項2】
少なくとも前記接続装置を含む範囲を撮像する撮像装置を更に備えた、
請求項1に記載の作業機械。
【請求項3】
前記原動機は、エンジンである、
請求項1に記載の作業機械。
【請求項4】
前記油出力部を制御する第一制御用油の出力を調整して前記作業機械本体を駆動するために操作される本体操作部と、
前記本体操作部の操作に伴って前記油出力部に出力される前記第一制御用油の圧力を検出する第一圧力センサと、を更に備え、
前記制御装置は、前記第一制御用油の圧力が所定閾値以下となった場合に、前記抑制する制御を行う、
請求項1に記載の作業機械。
【請求項5】
前記油出力部は、
前記原動機の出力に応じて油を吐出する油圧ポンプと、
前記油圧ポンプから吐出される油が供給される油圧回路と、を有する、
請求項1に記載の作業機械。
【請求項6】
前記受信装置は、前記脱着信号を受信した場合、前記脱着信号を受信したことを示す信号を前記制御装置に送信し、
前記制御装置は、前記脱着信号を受信したことを示す信号を受信した場合、前記原動機の出力を所定出力以下に抑制する制御を無効にする、
請求項1に記載の作業機械。
【請求項7】
前記油出力部は、
前記原動機の出力に応じて油を吐出する油圧ポンプと、
前記油圧ポンプから吐出される油が車体油圧回路に供給される油圧回路と、を有し、
前記油圧回路には、前記吐出される油の圧力を検出する第二圧力センサが配置され、
前記油圧ポンプに接続される第1開閉弁と、
前記第1開閉弁と前記油圧ポンプとの間に配置され、前記第1開閉弁が開いたときに第二制御用油が前記油圧ポンプに供給される制御用油供給路と、を更に備え、
前記第1開閉弁は、前記受信装置が前記脱着信号を受信した場合に開き、前記第二制御用油によって前記油圧ポンプを動作させ、
前記制御装置は、前記第二圧力センサが検知した圧力が前記所定閾値よりも大きくなった場合に、前記抑制する制御を無効にする、
請求項4に記載の作業機械。
【請求項8】
前記接続装置は、
前記アタッチメントに係止可能な係止部材と、
前記係止部材を駆動するアクチュエータと、を有し、
開状態において前記油圧ポンプからの油を前記アクチュエータへ供給し、閉状態において前記油圧ポンプから前記アクチュエータへの油の供給を遮断する第2開閉弁を更に備え、
前記第2開閉弁は、前記受信装置が前記脱着信号を受信した場合、前記開状態となって前記油圧ポンプからの油を前記アクチュエータに供給し、前記アクチュエータの駆動によって、前記係止部材は、前記アタッチメントに係止した係止状態から前記アタッチメントへの係止が解除された解除状態に移動する、
請求項5に記載の作業機械。
【請求項9】
前記制御装置は、前記原動機の出力が前記所定出力以下の状態において、前記所定出力よりも大きい出力にする指令信号を前記原動機に送信することによって、前記原動機の出力を前記所定出力以下に抑制する制御を無効にする、
請求項1に記載の作業機械。
【請求項10】
請求項1~9のいずれか1項に記載の作業機械と、
前記接続装置から遠隔に配置され、オペレータの操作に基づいて、前記脱着信号を送信する接続装置操作部と、備えた、
アタッチメントの遠隔脱着システム。
【請求項11】
作業機とアタッチメントを脱着する接続装置を動作させるための脱着信号を遠隔から受信する受信ステップと、
前記脱着信号を受信した場合、前記作業機を有する作業機械本体を駆動する油の出力の調整を油出力部に行わせる原動機の出力を所定出力以下に抑制する制御を無効にする無効ステップと、を備えた、
アタッチメントの遠隔脱着方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、作業機械、アタッチメントの遠隔脱着システム、およびアタッチメントの遠隔脱着方法に関する。
【背景技術】
【0002】
掘削土質に応じてショベル、バケット、ブレーカー、およびドリフター等のアタッチメントに変更可能な作業機械が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
特許文献1では、ブームの先端にブラケットが固定されており、ブラケットを介してブームにアタッチメントが取り付けられる。アタッチメントは、ブラケットとアタッチメントの間に形成される空間にロックピンを配置することによってブラケットに固定される。
【0004】
このようなアタッチメントのブラケットへの固定が、油圧によって駆動するアクチュエータを用いて行うことが提案されている。アタッチメントをロック可能なロック部材がアクチュエータによって移動可能に構成され、オペレータの操作によってアクチュエータを駆動してアタッチメントがブラケットに脱着される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
近年の作業機械には、アイドリング時の燃料消費を向上し、騒音および排気ガスの低減を図るために、作業機が動作せずエンジンの駆動力を必要としない場合、自動的にエンジンの回転数をさげる機能(以下、オートデセルという)が設けられていることがある。
【0007】
このようなオートデセルが実行されている場合、ロック部材を移動するアクチュエータを駆動するための油圧が足りず、敢えて作業機械を動作させて油圧を上げる必要があり、操作が複雑になっていた。
【0008】
さらに、近年、アタッチメントの脱着を遠隔で操作することが望まれており、遠隔からの操作においてはより簡易な操作が望まれる。
【0009】
本開示は、遠隔から容易にアタッチメントの脱着を行うことが可能な作業機械、アタッチメントの遠隔脱着システム、およびアタッチメントの遠隔脱着方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本開示の第1の態様の作業機械は、作業機械本体と、原動機と、油出力部と、受信装置と、制御装置と、を備える。作業機械本体は、作業機と、アタッチメントと、接続装置と、を有する。アタッチメントは、作業機に取り付けられる。接続装置は、アタッチメントと作業機とを脱着する。原動機は、作業機械本体に配置される。油出力部は、原動機の出力に応じて作業機械本体を駆動する油の出力を調整する。受信装置は、遠隔から送信される接続装置を動作させるための脱着信号を受信する。制御装置は、原動機の出力を所定出力以下に抑制する制御を行う。受信装置が脱着信号を受信した場合、制御装置は、原動機の出力を所定出力以下に抑制する制御を無効にする。
【0011】
本開示の第2の態様のアタッチメントの遠隔脱着システムは、第1の態様の作業機械と、接続装置操作部と、を備える。接続装置操作部は、接続装置から遠隔に配置され、オペレータの操作に基づいて、脱着信号を送信する。
【0012】
本開示の第3の態様のアタッチメントの遠隔脱着方法は、受信ステップと、無効ステップと、を備える。受信ステップは、作業機とアタッチメントを脱着する接続装置を動作させるための脱着信号を遠隔から受信する。無効ステップは、脱着信号を受信した場合、作業機を有する作業機械本体を駆動する油の出力の調整を油出力部に行わせる原動機の出力を所定出力以下に抑制する制御を無効にする。
【発明の効果】
【0013】
本開示によれば、遠隔から容易にアタッチメントの脱着を行うことが可能な作業機械、アタッチメントの遠隔脱着システム、およびアタッチメントの遠隔脱着方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】本開示にかかる実施形態1におけるアタッチメントの遠隔脱着システムを示す図である。
【
図2A】本開示にかかる実施形態1における作業機械の側面図である。
【
図2B】
図2Aの作業機械からバケットを取り外した状態を示す側面図である。
【
図2C】
図2Bの作業機械にブレーカーを装着した状態を示す側面図である。
【
図3】(a)、(b)接続装置およびバケットを示す斜視図である。
【
図4】(a)、(b)接続装置を示す斜視図である。
【
図5】(a)、(b)ロックピンが端面に入り込んだ状態の接続装置を示す斜視図である。
【
図6】バケットを接続装置から取り外す方法を示すフロー図である。
【
図7】(a)~(d)バケットを接続装置から取り外す方法を説明するための模式図である。
【
図8】バケットを接続装置に取り付ける方法を示すフロー図である。
【
図9】(a)~(d)は、バケット5を接続装置4に取り付ける方法を説明するための模式図である。
【
図10】(a)、(b)接続装置にブレーカーを取り付けた状態を示す斜視図である。
【
図11】本開示にかかる実施形態2におけるアタッチメントの遠隔脱着システムを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本開示にかかるアタッチメントの遠隔脱着システムについて図面を参照しながら以下に説明する。
【0016】
(実施形態1)
<構成>
(アタッチメントの遠隔脱着システムの概要)
図1は、本実施形態のアタッチメントの遠隔脱着システム10を示す構成図である。アタッチメントの遠隔脱着システム10は、作業機械1と、遠隔操作装置200と、を有する。作業機械1は、例えば
図2Aに示すように油圧ショベルである。
図2Aでは、作業機械1にはアタッチメントの一例としてバケット5が装着されている。バケット5は作業機械1に脱着可能であり、例えばブレーカー等の他のアタッチメントに付け替え可能である。
【0017】
遠隔操作装置200は、作業機械1の遠隔に配置されている。遠隔操作装置200は、作業機械1を遠隔から操作して、アタッチメントの脱着を行う。
【0018】
(作業機械1の概要)
図2Aは、本実施の形態の作業機械1の構成を示す側面図である。
【0019】
作業機械1は、作業機械本体2を有し、作業機械本体2は、走行体11と、旋回体12と、作業機3と、接続装置4と、バケット5(アタッチメントの一例)と、を有する。
【0020】
走行体11は、一対の走行装置11aを有する。各走行装置11aは、履帯11bを有している。原動機41からの駆動力によって走行モータが回転して履帯11bが駆動されて作業機械1が走行する。
【0021】
旋回体12は、走行体11の上側に配置されている。旋回体12は、旋回モータ20(
図1参照)によって上下方向に沿った軸を中心として走行体11に対して旋回可能に構成されている。旋回体12にはスイングマシナリが配置されている。走行体11には、スイングサークルが配置されており、スイングマシナリの出力ピニオンと噛み合っている。旋回モータ20の回転駆動がスイングマシナリ(図示せず)によって減速され出力ピニオンから出力される。これにより、スイングマシナリがスイングサークルの内側または外側を回転移動し走行体11に対して旋回体12が回転する。
【0022】
旋回体12は、旋回フレーム13と、キャブ14と、を有する。旋回フレーム13は、走行体11の上側に配置されており、走行体11に対して旋回可能なフレームである。旋回フレーム13には、作業機3が上下方向に回転可能に取り付けられている。キャブ14は、旋回フレーム13の前部左側位置に設けられている。キャブ14は、オペレータが運転時に着座する運転席として設けられている。キャブ14の内部には、運転席、作業機3を操作するためのレバーを含む車載操作部49が配置されている。
【0023】
尚、本実施の形態において断りなき場合、前後左右はキャブ14内の運転席を基準として説明する。運転席が正面に正対する方向を前方向とし、前方向に対向する方向を後方向とする。運転席が正面に正対したときの側方方向の右側、左側をそれぞれ右方向、左方向とする。
【0024】
作業機3は、旋回フレーム13の前部中央位置に取り付けられている。作業機3は、
図2Aに示すように、ブーム15と、アーム16、ブームシリンダ17と、アームシリンダ18と、アタッチメントシリンダ19と、を有する。ブーム15の基端部は、旋回フレーム13に回動可能に連結されている。また、ブーム15の先端部はアーム16の基端部に回動可能に連結されている。
【0025】
ブームシリンダ17、アームシリンダ18、およびアタッチメントシリンダ19は油圧シリンダである。ブームシリンダ17は、旋回フレーム13とブーム15の間に配置されている。ブームシリンダ17のシリンダの基端は、旋回フレーム13に回転可能に接続されている。ブームシリンダ17のロッドの先端は、ブーム15に回転可能に接続されている。ブームシリンダ17は、ブーム15の左右両側に配置されている。一対のブームシリンダ17の伸縮によってブーム15が旋回フレーム13に対して上下方向に回転する。
【0026】
アームシリンダ18は、ブーム15とアーム16の間に配置されている。アームシリンダ18のシリンダの基端は、ブーム15に回転可能に接続されている。アームシリンダ18のロッドの先端は、アーム16に回転可能に接続されている。アームシリンダ18の伸縮によってアーム16がブーム15に対して上下方向に回転する。
【0027】
アタッチメントシリンダ19は、接続装置4とアーム16の間に配置されている。アタッチメントシリンダ19のシリンダの基端は、アーム16に回転可能に接続されている。アタッチメントシリンダ19のロッドの先端は、リンク29を介して接続装置4に接続されている。アタッチメントシリンダ19のロッドの先端は、リンク29に回転可能に接続されている。リンク29は、接続装置4とアーム16の各々に回転可能に接続されている。アタッチメントシリンダ19の伸縮によって、接続装置4がアーム16に対して上下方向に回転する。
【0028】
接続装置4は、バケット5をアーム16に脱着可能に接続する。接続装置4は、アーム16の先端に回転可能に配置されている。接続装置4には、バケット5が脱着可能に取り付けられている。アタッチメントシリンダ19の伸縮によって、接続装置4とともにバケット5もアーム16に対して上下方向に回転する。
【0029】
図2Bは、バケット5を接続装置4から取り外した状態の作業機械1を示す側面図である。アーム16の先端には、接続装置4を介して、バケット5に限らず他のアタッチメントを接続することができる。
図2Cは、アーム16の先端に接続装置4を介してブレーカー6を接続した状態の作業機械1を示す側面図である。
図2Cに示すように、バケット5の代わりにブレーカー6をバケット5に取り付けることができる。
【0030】
(バケット5)
図3(a)は、接続装置4およびバケット5を示す斜視図である。
図3(b)は、
図3(a)とは異なる方向から視た接続装置4およびバケット5を示す斜視図である。バケット5は、接続装置4に取り付けられている。バケット5は、バケット本体21と、被係止部22と、を有する。被係止部22は、接続装置4に係止される。被係止部22は、バケット本体21の外面21aに配置されている。被係止部22は、一対のブラケット23と、第1取付ピン24(
図3(a)参照)と、第2取付ピン25(
図3(b)参照)と、を有する。なお、第2取付ピン25は、中実の丸棒を示しているが、板状の部材であってもよい。
【0031】
一対のブラケット23は、外面21aに配置されている。各々のブラケット23は、板状である。一対のブラケット23は、左右方向に所定の間隔を空けて対向して配置されている。各々のブラケット23は、左右方向に対して垂直に配置されている。第1取付ピン24は、一対のブラケット23の間に配置されている。第1取付ピン24は、左右方向に沿って配置されている。第1取付ピン24の両端は、一対のブラケット23に固定されている。第2取付ピン25は、一対のブラケット23の間に配置されている。第2取付ピン25は、左右方向に沿って配置されている。第2取付ピン25の両端は、一対のブラケット23に固定されている。第2取付ピン25は、第1取付ピン24と互いに平行に配置されている。第2取付ピン25は、第1取付ピン24を基準にしてバケット本体21の開口21bとは反対側に配置されている。第2取付ピン25は、第1取付ピン24と所定間隔を空けて配置されている。
【0032】
(接続装置4)
接続装置4は、アーム16の先端およびリンク29に回転可能に取り付けられている。
図2Aに示すように、リンク29は、第1リンク部材27と、第2リンク部材28と、を有する。第1リンク部材27は、アーム16とアタッチメントシリンダ19のロッドの先端との間を連結する。第1リンク部材27の一方の端27aは、アーム16に回転可能に連結され、第1リンク部材27の他方の端27bは、アタッチメントシリンダ19のロッドの先端に回転可能に連結されている。端27aは、アーム16の先端の接続装置4が連結されている部分よりも基端側に配置されている。第2リンク部材28は、接続装置4と、第1リンク部材27の端27bとの間を連結する。第2リンク部材28の一方の端は、接続装置4に回転可能に連結され、他方の端は、第1リンク部材27の端27bに回転可能に連結されている。
【0033】
図4(a)は、接続装置4を示す図である。
図4(b)は、
図4(a)とは異なる方向から視た接続装置4を示す斜視図である。
【0034】
図4(a)および
図4(b)に示すように、接続装置4は、接続部31と、係止部32と、を有する。接続部31は、アーム16の先端およびリンク29に接続される。接続部31は、一対のブラケット33を有する。一対のブラケット33は、左右方向に対向して配置されている。各々のブラケット33は板状であって、左右方向に垂直に配置されている。
【0035】
図4(a)に示すように、一対のブラケット33の間にアーム16の先端16aが配置されている。各々のブラケット33およびアーム16の先端16aを貫通してピン81が配置されている。これにより、接続装置4はアーム16の先端16aに回転可能に取り付けられる。
【0036】
図4(b)に示すように、一対のブラケット33の間に第2リンク部材28の端28aが挿入されている。各々のブラケット33および第2リンク部材28の端28aを貫通してピン82が配置されている。これにより、接続装置4は、アーム16に回転可能に接続されている。
【0037】
係止部32は、バケット5およびブレーカー6などのアタッチメントを係止する。係止部32は、バケット5の被係止部22を係止する。係止部32は、本体部34と、一対の嵌合部37と、突出部38と、ロックピン35(係止部材の一例)と、アクチュエータ36(
図7(a)参照)と、を有する。
【0038】
本体部34は、接続部31と繋がっている。本体部34は、略直方体形状である。本体部34の表面に一対のブラケット33が配置されている。本体部34は、バケット5の一対のブラケット23と、第1取付ピン24と、第2取付ピン25との間に挿入される。一対の嵌合部37は、
図3(a)に示すように、第1取付ピン24に嵌合する。一対の嵌合部37は、
図4(a)に示すように、本体部34の端に配置されている。各々の嵌合部37は、フック状であって、凹部37aを有する。
図3(a)に示すように、凹部37aに第1取付ピン24が嵌る。
図4(b)に示すように、突出部38は、本体部34の嵌合部37とは反対側に配置されている。突出部38は、本体部34の端面34dから突出している。突出部38は、端面34dのブラケット33側の端に配置されている。突出部38は、左右方向において一対のブラケット33に亘って配置されている。
【0039】
一対のロックピン35は、
図4(b)に示すように、端面34dから突出する。一対のロックピン35は、概ねピン81とピン82の配置方向に沿って配置されている。各々のロックピン35は、端面34dから突出した状態と端面34dに入り込んだ状態との間を移動する。
図5(a)は、ロックピン35が本体部34の端面34dに入り込んだ状態の接続装置4を示す斜視図である。
図5(b)は、ロックピン35が本体部34の端面34dに入り込んだ状態の接続装置4を
図5(a)とは異なる方向から視た斜視図である。
図5(b)に示すように、ロックピン35は、本体部34の端面34dに入り込み、端面34dから突出していない。
【0040】
アクチュエータ36は、後述する
図7(a)に示すように、本体部34の内部に配置されている。アクチュエータ36は、油圧によって駆動する。アクチュエータ36は、例えば油圧シリンダである。ロックピン35は、アクチュエータ36が駆動していない状態では、本体部34の端面34dより突出した状態となっている。すなわち、接続装置4に油圧回路が接続されている状態で接続装置4に対して何ら指令を与えていないのであれば、ロックピン35は、本体部34の端面34dより突出した状態となっている。アクチュエータ36の駆動によって、一対のロックピン35は、端面34dから突出した状態から本体部34の端面34dに入り込んだ状態へと移動する。
【0041】
図3(a)および
図3(b)に示すように、第1取付ピン24が嵌合部37の凹部37aに嵌り、ロックピン35が端面34dから突出して、第2取付ピン25がロックピン35と突出部38で挟持された状態となっている。これにより、接続装置4の係止部32が、バケット5の被係止部22を係止し、接続装置4にバケット5が装着されている。また、ロックピン35が突出して第2取付ピン25を係止した状態(係止状態)から、アクチュエータ36の駆動によってロックピン35が端面34dに入り込んだ状態(解除状態)にすることによって、接続装置4からバケット5を取り外すことができる。なお、接続装置4からのバケット5の取り外し方法、および接続装置4へのバケット5の取付け方法については、詳しくは後述する。
【0042】
(作業機械の制御構成)
次に、作業機械1の制御構成について
図1を用いて説明する。なお、
図1では、電気信号が点線で示され、駆動に用いる油圧が実線で示され、制御に用いる油圧(パイロット油)が一点鎖線で示されている。
【0043】
作業機械1は、原動機41と、油出力部42と、車体コントローラ43(制御装置の一例)と、パイロットバルブ44と、圧力センサ45と、を備える。原動機41は、例えば、エンジン(内燃機関)である。図示していないが、原動機41からの駆動力は、動力伝達装置等を介して走行装置11aに伝達される。油出力部42は、原動機41の出力に応じて作業機械本体2を駆動する油の出力を調整する。油出力部42は、油圧ポンプ46と、車体油圧回路47と、油圧回路90(油圧回路の一例)と、を有する。油圧ポンプ46は、例えば斜板式油圧ポンプを用いることができる。油圧ポンプ46は、原動機41に機械的に接続されている。油圧ポンプ46は、原動機41によって駆動され、作動油を吐出する。したがって、原動機41の回転数の大小によって油圧ポンプ46から吐出される作動油の流量や圧力が変動する。油圧ポンプ46と車体油圧回路47とは油圧回路90を介して接続されている。油圧ポンプ46から吐出された作動油は、油圧回路90(油圧回路の一例)から車体油圧回路47を介して、ブームシリンダ17、アームシリンダ18、アタッチメントシリンダ19、および旋回モータ20に供給される。車体油圧回路47は、複数の制御弁を有しており、油圧ポンプ46からブームシリンダ17、アームシリンダ18、アタッチメントシリンダ19、および旋回モータ20に供給される油の出力を調整する。各々の制御弁は、後述するパイロット油によって制御される。
【0044】
車体コントローラ43は、作業機械1に搭載されている。車体コントローラ43は、プロセッサと、記憶装置を含む。プロセッサは、例えばCPU(Central Processing Unit)である。或いは、プロセッサは、CPUと異なるプロセッサであってもよい。プロセッサは、記憶装置に記憶されているプログラムに従って作業機械1の制御のための処理を実行する。記憶装置は、ROM(Read Only Memory)のような不揮発性メモリおよびRAM(Random Access Memory)のような揮発性メモリを含む。記憶装置は、ハードディスク、あるいはSSD(Solid State Drive)などの補助記憶装置を含んでいてもよい。記憶装置は、非一時的な(non-transitory)コンピュータで読取り可能な記録媒体の一例である。車体コントローラ43は、取得したデータに基づいて作業機械1を制御する。
【0045】
パイロットバルブ44は、車体油圧回路47を制御するためのパイロット油の圧力または流量を調整する。パイロットバルブ44は、例えば、比例制御弁である。パイロットバルブ44は、圧力比例制御弁であってもよい。或いは、パイロットバルブ44は、電磁比例制御弁であってもよい。パイロットバルブ44は、車体コントローラ43からの指令信号によって制御される。車体コントローラ43からの指令信号に応じてパイロットバルブ44が駆動すると、パイロットバルブ44から供給されるパイロット油によって車体油圧回路47に設けられている制御弁の開度が調整され、ブームシリンダ17、アームシリンダ18、アタッチメントシリンダ19、および旋回モータ20に供給される油が調整される。これによって、作業機械本体2が車体コントローラ43からの指令によって駆動する。なお、
図1では、パイロットバルブ44は1つのみ図示しているが、車体油圧回路47に設けられている複数の制御弁の数に応じて複数設けられている。
【0046】
圧力センサ45(第一圧力センサの一例)は、パイロットバルブ44から車体油圧回路47の制御弁に向かって供給されるパイロット油の圧力を検出する。圧力センサ45は、パイロットバルブ44と車体油圧回路47の制御弁との間を繋ぐパイロット回路55を流れる油(第一制御用油の一例)の圧力を検出する。車載操作部49や後述する遠隔操作部62(これらは本体操作部の一例)の操作に伴って、油出力部42に出力される、パイロット回路55を流れる油の圧力は変動する。圧力センサ45は、検出した結果を検出信号として車体コントローラ43に送信する。なお、パイロット回路55は、パイロットバルブ44の数に応じて複数設けられている。複数のパイロットバルブ44の各々から供給されるパイロット油の圧力を検出するために、複数のパイロット回路55毎に圧力センサ45が配置されている。
【0047】
油圧ポンプ46と車体油圧回路47の間の油圧回路90にも圧力センサ70(第二圧力センサの一例)が配置されている。圧力センサ70は、油圧ポンプ46から吐出された圧力を検出する。圧力センサ70は、検出した結果を検出信号として車体コントローラ43に送信する。また、油圧回路90に圧力センサ70が1つだけ設けられてもよいし、油圧回路90のうち車体油圧回路47の制御弁に向かって分岐した流路の各々に圧力センサ70が設けられていてもよい。油圧回路90に1つだけ圧力センサ70を設ける場合には、車体油圧回路47の制御弁に向かって分岐する分岐点と油圧ポンプ46の間に圧力センサ70を設ける方が好ましい。
【0048】
例えば、車体コントローラ43は、例えば、数秒間といった所定の時間の間、すべての圧力センサ45の検出値が所定閾値以下であると判定した場合、原動機41の出力を所定出力以下に抑制するように、原動機41に指令信号を送信する。所定閾値は、作業機械本体2が動作していない場合のパイロット回路55の圧力である。所定閾値は、検出するパイロット回路55によって変更してもよい。このように、作業機械本体2が動作しておらず原動機41の出力を必要としない場合に、原動機41の出力を所定出力以下に抑制する制御を、オートデセル制御という。所定の時間の間においてすべての圧力センサ45の検出値が所定閾値以下であることが、オートデセル制御の実行条件の一例である。なお、車体コントローラ43は、例えば、数秒間といった所定の時間の間、圧力センサ70の検出値が所定閾値以下であると判定した場合、原動機41の出力を所定出力以下に抑制するように、原動機41に指令信号を送信するようにしてもよい。このようにしてオートデセル制御を実行してもよい。また、上述のように油圧回路90に複数の圧力センサ70が設けられている場合には、所定の時間の間においてすべての圧力センサ70の検出値が所定閾値以下であるときにオートデセル制御を実行してもよい。
【0049】
原動機41が内燃機関の場合、車体コントローラ43は、オートデセル制御の実行条件を満たすと、回転数を所定回転数以下にするように指令信号を送信する。車体コントローラ43は、原動機41の回転数を例えばローアイドル状態にする指令信号を送信する。ローアイドル状態とは、内燃機関を通常の回転数よりも低い低回転数で動作させる状態をいう。
【0050】
なお、車体コントローラ43は、所定の時間の間においていずれか1つの圧力センサ45の検出値が所定閾値よりも大きい場合、オートデセル制御を無効(解除ともいう)にする。具体的には、車体コントローラ43は、出力を所定出力よりも大きくするように原動機41に指令信号を出力する。また、油圧回路90に1つだけ圧力センサ70が設けられている場合、所定の時間の間において、その1つの圧力センサ70の検出値が所定閾値よりも大きいときに車体コントローラ43は、オートデセル制御を無効にしてもよい。油圧回路90に複数の圧力センサ70が設けられている場合、所定の時間の間においていずれか1つの圧力センサ70の検出値が所定閾値よりも大きいときに、車体コントローラ43は、オートデセル制御を無効にしてもよい。
【0051】
作業機械1は、カメラ48(撮像装置の一例)と、車載操作部49と、車体通信装置50と、を有する。カメラ48は、例えば、作業機械本体2に取り付けられている。カメラ48は、作業機械1の周囲の画像を取得する。カメラ48は、作業機械1の周囲の画像を示す画像信号を車体通信装置50に送信する。なお、カメラ48は、少なくとも接続装置4の周囲の画像を取得できればよい。そのため、カメラ48は、旋回体12の前側に配置されている方が好ましい。
【0052】
車載操作部49(本体操作部の一例)は、キャブ14内に配置されている。車載操作部49は、作業機械1を走行させるためにオペレータによって操作可能である。また、車載操作部49は、作業機3を動作させるためにオペレータによって操作可能である。車載操作部49は、例えば操作レバーを含む。車載操作部49は、ペダル、スイッチ、或いはタッチパネルなどの他の操作部材を含んでもよい。車載操作部49は、オートデセル制御を無効にする設定の操作が可能な操作部を含んでもよい。オートデセル制御を無効にするとは、オートデセル制御の実行条件を満たす場合であっても、車体コントローラ43が、原動機41の出力を所定出力以下に抑制する制御(オートデセル制御)を行わないことである。
【0053】
車載操作部49は、オペレータによる操作を示す操作信号を、車体コントローラ43へ送信する。車体コントローラ43は、操作信号に応じて、原動機41と図示しない動力伝達装置と制御することで、作業機械1を走行させる。車体コントローラ43は、操作信号に応じて、原動機41と油出力部42とパイロットバルブ44を制御することで、作業機3を動作させ、旋回体12を旋回させる。
【0054】
車体通信装置50は、作業機械1に搭載されている。車体通信装置50は、遠隔操作装置200と無線によって通信を行う。車体通信装置50と遠隔操作装置200との無線通信は、近距離無線、または遠距離無線であってもよい。また、通信は、インターネットを介してもよいし、Wifiが用いられてもよい。要するに、車体通信装置50と遠隔操作装置200との間でデータの送受信ができればよい。
【0055】
作業機械1は、受信装置51と、ソレノイドバルブ52と、を有する。受信装置51は、作業機械1に搭載されている。受信装置51は、遠隔操作装置200からのロック解除指令信号またはロック指令信号(後述する)を受信すると、ソレノイドバルブ52に開指令信号または閉指令信号を送信する。受信装置51は、遠隔操作装置200からロック解除指令信号を受信すると、ロック解除指令信号を受信したことを示す報知信号を車体コントローラ43に送信する。
【0056】
受信装置51は、車体通信装置50と兼ねられていてもよい。受信装置51は、遠隔操作装置200と無線によって通信を行う。受信装置51と遠隔操作装置200との無線通信は、近距離無線、または遠距離無線であってもよい。また、通信は、インターネットを介してもよいし、Wifiが用いられてもよい。要するに、受信装置51と遠隔操作装置200との間でデータの送受信ができればよい。
【0057】
ソレノイドバルブ52は、作業機械1に搭載されている。ソレノイドバルブ52は、開状態において油圧ポンプ46からの作動油をアクチュエータ36に供給し、閉状態において油圧ポンプ46からアクチュエータ36への作動油の供給を遮断する。ソレノイドバルブ52は、受信装置51からの開指令信号を受信すると開状態となり、油圧ポンプ46からの油をアクチュエータ36に供給する。油の供給によってアクチュエータ36が駆動し、上述したロックピン35が端面34dに入り込み、ロックピン35による第2取付ピン25の係止が解除される。
【0058】
ここで、仮に、オートデセル制御が実行されている状態において、ソレノイドバルブ52を動作させた場合、原動機41の出力抑制によって油圧ポンプ46から供給される油の圧力または流量が小さいため、アクチュエータ36が駆動出来ない場合がある。
【0059】
本実施形態では、車体コントローラ43は、ロック解除信号を受信したことを示す報知信号を受信装置51から受信すると、オートデセル制御を無効にする。具体的には、車体コントローラ43は、報知信号を受信すると、原動機41の出力を所定出力よりも大きくするように原動機41に指定信号を送信する。原動機41がエンジンの場合は、車体コントローラ43は、エンジンの回転数を所定回転数よりも大きくするように原動機41に指令信号を送信する。原動機41の出力を大きくすることで、油圧ポンプ46から吐出される油の圧力または流量が大きくなるため、ソレノイドバルブ52が開状態においてアクチュエータ36を駆動することができる。これにより、ロックピン35が端面34dに入り込み、ロックピン35による第2取付ピン25の係止を解除することができる。
【0060】
(遠隔操作装置200)
遠隔操作装置200は、例えば、作業現場から離れた管理センターに配置される。遠隔操作装置200は、例えば管理センターに配置されたコンピュータである。管理センター内のオペレータは、遠隔操作装置200を操作することで、遠隔から作業機械1を操作可能である。遠隔操作装置200は、遠隔通信装置61と、遠隔操作部62(本体操作部の一例)と、遠隔入力装置63と、接続装置操作スイッチ64(接続装置操作部の一例)と、オートデセル無効スイッチ65と、遠隔コントローラ66と、ディスプレイ67と、を備える。
【0061】
遠隔通信装置61は、作業機械1の車体通信装置50および受信装置51と無線により通信を行う。
【0062】
遠隔操作部62(本体操作部の一例)は、車載操作部49と同様に、作業機械1を走行させるためにオペレータによって操作可能である。また、遠隔操作部62は、車載操作部49と同様に、作業機3を動作させるためにオペレータによって操作可能である。遠隔操作部62は、例えば操作レバーを含む。遠隔操作部62は、ペダル、スイッチ、或いはタッチパネルなどの他の操作部材を含んでもよい。遠隔操作部62は、オペレータによる操作を示す操作信号を、遠隔コントローラ66へ送信する。遠隔操作部62の操作に伴って、油出力部42に出力される、パイロット回路55を流れる油の圧力は変動する。
【0063】
遠隔入力装置63は、作業機械1の設定を入力するためにオペレータによって操作可能である。遠隔入力装置63は、例えばタッチパネル式の入力装置である。ただし、遠隔入力装置63は、スイッチ等の他の入力装置であってもよい。遠隔入力装置63は、オペレータによる操作を示す入力信号を、遠隔コントローラ66に送信する。
【0064】
接続装置操作スイッチ64は、接続装置4のロックピン35による係止を解除するために、オペレータによって操作可能である。接続装置操作スイッチ64は、タッチパネルまたは機械的なスイッチであってもよい。接続装置操作スイッチ64は、オペレータによるオン操作を示すオン操作信号またはオフ操作を示すオフ操作信号を遠隔コントローラ66に送信する。
【0065】
オートデセル無効スイッチ65は、オートデセル制御を無効にするために、オペレータによって操作可能である。オートデセル無効スイッチ65をオン操作することによって、オートデセル制御の実行条件を満たす場合であってもオートデセル制御が実行されない。オートデセル無効スイッチ65をオフ操作すると、オートデセル制御の実行条件を満たす場合にはオートデセル制御が実行される。オートデセル無効スイッチ65は、タッチパネルまたは機械的なスイッチであってもよい。オートデセル無効スイッチ65は、オペレータによるオン操作を示すオン操作信号またはオフ操作を示すオフ操作信号を遠隔コントローラ66に送信する。
【0066】
遠隔コントローラ66は、プロセッサと、記憶装置を含む。プロセッサは、例えばCPU(Central Processing Unit)である。或いは、プロセッサは、CPUと異なるプロセッサであってもよい。プロセッサは、記憶装置に記憶されているプログラムに従って遠隔操作装置200の制御のための処理を実行する。記憶装置は、ROM(Read Only Memory)のような不揮発性メモリおよびRAM(Random Access Memory)のような揮発性メモリを含む。記憶装置は、ハードディスク、あるいはSSD(Solid State Drive)などの補助記憶装置を含んでいてもよい。記憶装置は、非一時的な(non-transitory)コンピュータで読取り可能な記録媒体の一例である。遠隔コントローラ66は、取得したデータに基づいて信号を生成し、作業機械1を操作するために、遠隔通信装置61を介して作業機械1に生成した信号を送信する。
【0067】
遠隔コントローラ66は、遠隔通信装置61および車体通信装置50を介して、遠隔制御信号を車体コントローラ43に送信する。遠隔コントローラ66は、遠隔操作部62からの操作信号、或いは、遠隔入力装置63からの入力信号に基づいて、遠隔制御信号を生成する。車体コントローラ43は、遠隔コントローラ66からの遠隔制御信号に応じて、原動機41と動力伝達装置とを制御することで、作業機械1を走行させる。車体コントローラ43は、遠隔コントローラ66からの遠隔制御信号に応じて、原動機41、油出力部42、およびパイロットバルブ44を制御することで、作業機3を動作させ、旋回体12を旋回させる。
【0068】
また、車体通信装置50は、カメラ48からの画像信号を遠隔コントローラ66に送信する。遠隔コントローラ66は、画像信号に基づいて、作業機械1の周囲を示す画像をディスプレイ67に表示する。オペレータは、作業機械1の周囲を示す画像をディスプレイ67上で見ながら遠隔操作部62を操作することで、作業機械1を操縦することができる。
【0069】
遠隔コントローラ66は、接続装置操作スイッチ64からのオン操作信号を受信すると、ロック解除指令信号(脱着信号の一例)を生成する。遠隔コントローラ66は、遠隔通信装置61を介してロック解除指令信号を受信装置51に送信する。受信装置51は、遠隔操作装置200からのロック解除指令信号を受信すると、ロック解除指令信号を受信したことを知らせる報知信号を車体コントローラ43に送信する。車体コントローラ43は、報知信号を受信装置51から受信すると、オートデセル制御を無効にする。受信装置51は、遠隔操作装置200からのロック解除指令信号を受信すると、ソレノイドバルブ52に開指令信号を送信する。ソレノイドバルブ52は、受信装置51からの開指令信号を受信すると開状態となり、油圧ポンプ46からの作動油をアクチュエータ36に供給する。作動油の供給によってアクチュエータ36が駆動し、上述したロックピン35が本体部34の端面34dに入り込み、ロックピン35による第2取付ピン25の係止が解除される。
【0070】
遠隔コントローラ66は、接続装置操作スイッチ64からのオフ操作信号を受信すると、ロック指令信号(脱着信号の一例)を生成する。遠隔コントローラ66は、ロック指令信号を受信装置51に送信する。受信装置51は、遠隔操作装置200からのロック指令信号を受信すると、ソレノイドバルブ52に閉指令信号を送信する。ソレノイドバルブ52は、受信装置51からの閉指令信号を受信すると閉状態となり、油圧ポンプ46からアクチュエータ36への作動油の供給を停止する。これにより、ロックピン35が本体部34の端面34dから突出する。
【0071】
遠隔コントローラ66は、オートデセル無効スイッチ65からのオン操作信号を受信すると、無効指令信号を生成する。遠隔コントローラ66は、遠隔通信装置61および車体通信装置50を介して無効指令信号を車体コントローラ43に送信する。車体コントローラ43は、無効指令信号を受信すると、オートデセル制御の実行条件を満たした場合でもオートデセル制御を実行しない。また、遠隔コントローラ66は、オートデセル無効スイッチ65からのオフ操作信号を受信すると、有効指令信号を生成する。遠隔コントローラ66は、遠隔通信装置61および車体通信装置50を介して有効指令信号を車体コントローラ43に送信する。車体コントローラ43は、有効指令信号を受信すると、オートデセル制御の実行条件を満たした場合にオートデセル制御を実行する。
【0072】
<動作>
次に、本開示にかかるアタッチメントの遠隔脱着方法について説明する。
【0073】
はじめに、遠隔から操作を行い、アタッチメントの一例であるバケット5を接続装置4から取り外す動作について説明する。
図6は、アタッチメントを接続装置4から取り外す動作を示すフロー図である。
【0074】
ステップS10において、オペレータによって、接続装置操作スイッチ64がオンに操作される。遠隔コントローラ66は、接続装置操作スイッチ64からオン操作信号を受信すると、オン操作を示すロック解除信号を生成し、遠隔通信装置61を介して作業機械1にロック解除信号を出力する。なお、接続装置操作スイッチ64をオン操作する前に、オペレータはカメラ48からの画像をディスプレイ67で見ながら遠隔操作部62を操作し、バケット5を地面に載置する。
【0075】
次に、ステップS11において、受信装置51は、ロック解除信号を受信する。受信装置51は、ロック解除信号を受信すると、ロック解除信号を受信したことを示す報知信号を車体コントローラ43に送信する。また、受信装置51は、ソレノイドバルブ52に開指令信号を送信する。ステップS11は、受信ステップの一例に対応する。
【0076】
次に、ステップS12において、車体コントローラ43は、オートデセル制御を無効にする。例えば、車体コントローラ43は、原動機41の出力を所定出力よりも大きくするように原動機41に指令信号を送信する。なお、オートデセル制御が実行されていない場合には、車体コントローラ43は、原動機41に出力を大きくする指令信号を送信しなくてもよい。ステップS12は、無効ステップの一例に対応する。
【0077】
次に、ステップS13において、ソレノイドバルブ52は、開指令信号を受信すると開動作し、油圧ポンプ46から吐出される油をアクチュエータ36に供給する。オートデセル制御が無効にされているため、アクチュエータ36を駆動する油圧または油量が油圧ポンプ46から供給される。これにより、アクチュエータ36が駆動してロックピン35が本体部34に入り込み、ロックピン35による第2取付ピン25のロックが解除される。なお、ステップS13は、ステップS12と同時に行われてもよい。
【0078】
図7(a)~
図7(d)は、バケット5を接続装置4から取り外す動作を説明するための模式図である。
図7(a)は、バケット5が接続装置4に取り付けられた状態を示す模式図である。ステップS13のソレノイドバルブ52の動作によって、
図7(a)の状態から油の供給によってアクチュエータ36が駆動し、
図7(b)に示すように、ロックピン35が本体部34の端面34dに入り込んだ状態となる。
【0079】
次に、ステップS14において、オペレータがカメラ48からの画像をディスプレイ67で見ながら遠隔操作部62を操作してアタッチメントを接続装置4から取り外す操作を行う。具体的には、
図7(b)の状態から、アタッチメントシリンダ19を収縮することによって、
図7(c)に示すように、第1取付ピン24を中心にして接続装置4を回転させる。これにより、接続装置4の端面34d側が、第2取付ピン25から離間する。
【0080】
次に、
図7(d)に示すように、凹部37aから第1取付ピン24を離間するように、接続装置4が第1取付ピン24から引き抜かれる。
【0081】
次に、ステップS15において、オペレータによって、接続装置操作スイッチ64がオフに操作される。遠隔コントローラ66は、接続装置操作スイッチ64からオフ操作信号を受信すると、ロック指令信号を生成し、遠隔通信装置61を介して作業機械1にロック指令信号を出力する。
【0082】
次に、ステップS16において、受信装置51は、ロック指令信号を受信する。受信装置51は、ロック指令信号を受信すると、ソレノイドバルブ52に閉指令信号を送信する。ソレノイドバルブ52は、閉指令信号を受信すると閉動作し、油圧ポンプ46からアクチュエータ36への油の供給を遮断する。これにより、
図7(d)に示すように、アクチュエータ36が駆動し、ロックピン35が端面34dから突出する。
【0083】
次に、遠隔から操作を行い、アタッチメントの一例であるバケット5を接続装置4に取り付ける方法について説明する。
図8は、アタッチメントを接続装置4に取り付ける動作を示すフロー図である。
図9(a)~
図9(d)は、バケット5を接続装置4に取り付ける動作を説明するための模式図である。
【0084】
はじめに、ステップS20において、オペレータがカメラ48からの画像をディスプレイ67で見ながら遠隔操作部62を操作して、
図9(a)に示すように、バケット5の被係止部22の第1取付ピン24が接続装置4の凹部37aに嵌るように作業機3が動かされる。
【0085】
次に、ステップS21において、オペレータによって、接続装置操作スイッチ64がオンに操作される。遠隔コントローラ66は、接続装置操作スイッチ64からオン操作信号を受信すると、ロック解除指令信号を生成し、遠隔通信装置61を介して作業機械1にロック解除指令信号を出力する。
【0086】
次に、ステップS22において、受信装置51は、ロック解除指令信号を受信する。受信装置51は、ロック解除指令信号を受信すると、ロック解除指令信号を受信したことを示す報知信号を車体コントローラ43に送信する。また、受信装置51は、ロック解除指令信号を受信すると、ソレノイドバルブ52に開指令信号を送信する。ステップS22は、受信ステップの一例に対応する。
【0087】
次に、ステップS23において、車体コントローラ43は、オートデセル制御を無効にする。例えば、車体コントローラ43は、原動機41の出力を所定出力よりも大きくするように原動機41に指令信号を送信する。なお、オートデセル制御が実行されていない場合には、車体コントローラ43は、原動機41に出力を大きくする指令信号を送信しなくてもよい。ステップS23は、無効ステップの一例に対応する。
【0088】
次に、ステップS24において、ソレノイドバルブ52は、開指令信号を受信すると閉状態となり、油圧ポンプ46から吐出される油をアクチュエータ36に供給する。これにより、
図9(b)に示すように、アクチュエータ36が駆動してロックピン35が端面34dに入り込む。なお、ステップS24は、ステップS23と同時に行われてもよい。
【0089】
次に、ステップS25において、オペレータがカメラ48からの画像をディスプレイ67で見ながら遠隔操作部62を操作してバケット5を接続装置4に取り付ける操作を行う。具体的には、
図9(b)の状態から、アタッチメントシリンダ19を伸長することによって、
図9(c)に示すように、第1取付ピン24を中心にして接続装置4を回転させる。接続装置4は、第2取付ピン25に突出部38が当接するまで回転される。これにより、接続装置4の端面34d側が、第2取付ピン25の隣であって、第1取付ピン24と第2取付ピン25の間に配置される。
【0090】
次に、ステップS26において、オペレータによって、接続装置操作スイッチ64がオフに操作される。遠隔コントローラ66は、接続装置操作スイッチ64からオフ操作信号を受信すると、ロック指令信号を生成し、遠隔通信装置61を介して作業機械1にロック指令信号を出力する。
【0091】
次に、ステップS27において、受信装置51は、ロック指令信号を受信する。受信装置51は、ロック指令信号を受信すると、ソレノイドバルブ52に閉指令信号を送信する。
【0092】
ステップS28において、ソレノイドバルブ52は、閉指令信号を受信すると開状態になり、油圧ポンプ46からアクチュエータ36への油の供給を遮断する。これにより、
図9(d)に示すように、アクチュエータ36が駆動し、ロックピン35が端面34dから突出する。
図9(d)に示すように、ロックピン35は第2取付ピン25を突出部38とともに挟み込み、ロックピン35は、第2取付ピン25を係止する。
【0093】
このように、遠隔操作によって、接続装置4にバケット5を取り付けることができる。
【0094】
なお、
図2Cで示したように、接続装置4には、ブレーカー6を脱着することができる。
図10(a)は、接続装置4にブレーカー6を取り付けた状態を示す斜視図である。
図10(b)は、接続装置4にブレーカー6を取り付けた状態を
図10(a)とは異なる方向から視た斜視図である。
【0095】
ブレーカー6は、ブレーカー本体71と、被係止部72と、を有する。被係止部72は、接続装置4に係止される。被係止部72は、ブレーカー本体71の端71aに接続されている。被係止部72は、取付板76と、一対のブラケット73と、第1取付ピン74(
図10(a)参照)と、第2取付ピン75(
図10(b)参照)と、を有する。なお、第2取付ピン75は、中実の丸棒を示しているが、板状の部材であってもよい。
【0096】
取付板76は、端71aにボルトによって締結されている。一対のブラケット73は、取付板76に配置されている。各々のブラケット73は、板状である。一対のブラケット73は、左右方向に所定の間隔を空けて対向して取付板76に配置されている。各々のブラケット73は、左右方向に対して垂直に配置されている。第1取付ピン74は、一対のブラケット73の間に配置されている。第1取付ピン74は、左右方向に沿って配置されている。第1取付ピン74の両端は、一対のブラケット73に固定されている。第2取付ピン75は、一対のブラケット73の間に配置されている。第2取付ピン75は、左右方向に沿って配置されている。第2取付ピン75の両端は、一対のブラケット73に固定されている。第2取付ピン75は、第1取付ピン74と互いに平行に配置されている。第2取付ピン75は、第1取付ピン74と所定間隔を空けて配置されている。
【0097】
バケット5の場合と同様の操作を行うことによって、
図10(a)に示すように接続装置4の嵌合部37に第1取付ピン74が嵌り、
図10(b)に示すようにロックピン35が第2取付ピン75を係止する。このように、ブレーカー6を接続装置4に取り付けることができる。
【0098】
(実施形態2)
次に実施形態2のアタッチメントの遠隔脱着システム110について説明する。
図11は、実施形態2のアタッチメントの遠隔脱着システム110を示す構成図である。本実施形態2のアタッチメントの遠隔脱着システム110は、車体コントローラ43がオートデセル制御を無効にするトリガーが異なる。実施形態1では、車体コントローラ43は、受信装置51からのロック解除信号を受信したことを示す報知信号をトリガーとしてオートデセル制御を無効にしているが、本実施形態2では、ロック解除信号の受信を圧力センサ70で感知させ、圧力センサ70からの信号をトリガーとして車体コントローラ43がオートデセル制御を無効にする。
【0099】
本実施形態2のアタッチメントの遠隔脱着システム110では、実施形態1と異なり、作業機械101の受信装置51が、車体コントローラ43にロック解除信号の受信を示す報知信号を送信しない。
【0100】
本実施形態2のアタッチメントの遠隔脱着システム110は、作業機械の構成が実施形態1と異なっている。本実施形態2のアタッチメントの遠隔脱着システム110の作業機械101は、実施形態の作業機械1と比較して、ソレノイドバルブ53(第1開閉弁の一例)を更に備える。ソレノイドバルブ53は、開状態において油圧ポンプ46からの油をパイロット回路80(制御用油供給路の一例)に供給し、閉状態において油圧ポンプ46からパイロット回路80への油の供給を遮断する。ソレノイドバルブ53は、油圧ポンプ46に接続される。さらに、ソレノイドバルブ53は、パイロット回路80を介して油圧ポンプ46と接続されている。よって、ソレノイドバルブ53が開いたときに制御用油(第二制御用油の一例)がパイロット回路80に供給される。ソレノイドバルブ53は、受信装置51がロック解除信号を受信した場合に開き、制御用油が油圧ポンプ46を動作させる。本実施形態2では、実施形態1と同様に、油圧ポンプ46から吐出される油が車体油圧回路47に供給される油圧回路90があって、油圧回路90には、油圧ポンプ46から吐出される油の圧力を検出する圧力センサ70が配置されている。この圧力センサ70が検出する油の圧力に応じてオートデセル制御を無効にする。
【0101】
受信装置51は、遠隔操作装置200からロック解除信号を受信すると、開指令信号をソレノイドバルブ53に送信する。ソレノイドバルブ53は、開指令信号を受信すると、開状態となり、油圧ポンプ46からパイロット回路80に油を供給する。これにより、パイロット回路80に供給された油によって油圧ポンプ46のサーボピストンが動作し、油圧ポンプ46の斜板が動作する。この時、油圧ポンプ46から吐出する油の圧力が増加するように斜板は動作する。その結果、油圧ポンプ46の吐出口から車体油圧回路47に油を供給させるために接続されている油圧回路90を流れる油の油圧が、一時的に高くなる。圧力センサ70の検出値が所定閾値より大きくなると、オートデセル制御の実行条件を満たさなくなり、車体コントローラ43はオートデセル制御を無効にする。具体的には、車体コントローラ43は、所定出力よりも大きい出力となるように原動機41に指令信号を出力する。なお、油圧回路90に複数の圧力センサ70が設けられている場合には、所定の時間の間においていずれか1つの圧力センサ70の検出値が所定閾値よりも大きいときにオートデセル制御は無効にされる。また、本実施形態2では、圧力センサ70が1つの場合、オートデセル制御は、所定の時間の間において、その圧力センサ70の検出値が所定閾値以下のときに実行され、圧力センサ70が複数の場合、オートデセル制御は、所定の時間の間において全ての圧力センサ70の検出値が所定閾値以下のときに実行される。また、これに限らず、所定の時間の間において全ての圧力センサ45の検出値が所定閾値以下のときにオートデセル制御を実行してもよい。
【0102】
以上のように、本実施形態2のアタッチメントの遠隔脱着システム110では、油圧ポンプ46から油をパイロット回路80に供給して圧力センサ70による検出値を大きくすることによってオートデセル制御の実行条件を満たさないとして、車体コントローラ43がオートデセル制御を無効にする。これによって、アクチュエータ36が駆動する油の圧力または流量が油圧ポンプ46から供給されるため、ロックピン35を端面34dに入り込ませて第2取付ピン25の係止を解除することができる。
【0103】
すなわち、本実施形態2では、ロック解除信号の受信に応じて変動する油圧回路90の油の圧力を圧力センサ70で感知させ、圧力センサ70からの信号に基づいて車体コントローラ43がオートデセル制御を無効にする。
【0104】
なお、本実施形態2におけるアタッチメントの遠隔脱着方法は、オートデセル解除のトリガーが実施形態1と異なるだけで、他は実施形態1と同様であるため、説明を省略する。
【0105】
また、本実施形態2では、受信装置51、ソレノイドバルブ52,53,および接続装置4を既存の作業機械に設置することで、既存の作業機械に対してアタッチメントの脱着を遠隔から行うことが可能な機能を後付けで付与することができる。
【0106】
(特徴等)
本実施形態のアタッチメントの遠隔脱着システム10,110は、受信装置51が脱着信号を受信した場合、車体コントローラ43は、原動機41の出力を所定出力に抑制する制御を無効にする。
【0107】
このようにオートデセル制御を無効にすることによって、接続装置4を動作可能な圧力または流量の油が油出力部42から供給される。このため、オートデセル制御を無効にするためにあえて作業機械1、101を動作させる必要がないため手間がかからず、アタッチメントの脱着を遠隔から容易に行うことができる。
【0108】
本実施形態のアタッチメントの遠隔脱着システム10、110は、カメラ48を備える。カメラ48は、少なくとも接続装置4を含む範囲を撮像する。これにより、カメラ48の撮像画像をディスプレイ67で確認しながらアタッチメントを接続装置4に脱着することができる。
【0109】
本実施形態のアタッチメントの遠隔脱着システム10,110は、遠隔操作部62と、圧力センサ45と、を備える。遠隔操作部62は、油出力部42を制御するパイロット油の出力を調整して作業機械本体2を駆動するために操作される。圧力センサ45は、遠隔操作部62の操作に伴って油出力部42に出力されるパイロット油の圧力を検出する。車体コントローラ43は、パイロット油の圧力が所定閾値以下となった場合に、原動機41の出力を所定出力に抑制する制御(オートデセル制御)を実行する。
【0110】
これにより、作業機械本体2が動いておらず、原動機41の出力を必要としない場合に、原動機41の出力を所定出力以下に下げることができる。
【0111】
本実施形態1のアタッチメントの遠隔脱着システム10では、受信装置51は、ロック解除信号を受信した場合、ロック解除信号を受信したことを示す信号を車体コントローラ43に送信する。車体コントローラ43は、ロック解除信号を受信したことを示す報知信号を受信した場合、原動機41の出力を所定出力に抑制する制御(オートデセル制御)を無効にする。
【0112】
これにより、接続装置4のアクチュエータ36が駆動することが可能な油の圧力または流量が油圧ポンプ46から供給されるため、ロックピン35を第2取付ピン25から離間させて、ロックピン35による第2取付ピン25の係合を解除することができる。
【0113】
本実施形態2のアタッチメントの遠隔脱着システム110では、受信装置51がロック解除信号を受信した場合、ソレノイドバルブ53が開状態となり、油圧ポンプ46とパイロット回路80を接続する。車体コントローラ43は、パイロット回路80への油の供給にともなって油圧回路90の圧力が所定閾値よりも大きくなった場合、原動機41の出力を所定出力以下に抑制する制御(オートデセル制御)を無効にする。
【0114】
これにより、接続装置4のアクチュエータ36が駆動することが可能な油の圧力または流量が油圧ポンプ46から供給されるため、ロックピン35を端面34dに入り込ませて、ロックピン35による第2取付ピン25の係合を解除することができる。
【0115】
本実施形態のアタッチメントの遠隔脱着システム10,110では、接続装置4は、ロックピン35と、アクチュエータ56と、を有する。ロックピン35は、アタッチメントに係止可能である。アクチュエータ56は、ロックピン35を駆動する。遠隔脱着システム10,110は、ソレノイドバルブ52(第2開閉弁の一例)を備える。ソレノイドバルブ52は、受信装置51が脱着信号を受信した場合、開状態となって油圧ポンプ46からの油をアクチュエータ56に供給し、アクチュエータ56の駆動によって、ロックピン35は、アタッチメントに係止した係止状態からアタッチメントへの係止が解除された解除状態に移動する。
【0116】
これにより、接続装置4へのアタッチメントの脱着を行うことができる。
【0117】
本実施形態のアタッチメントの遠隔脱着システム10,110では、車体コントローラ43は、原動機41の出力が所定出力以下の状態において、所定出力よりも大きい出力にする指令信号を原動機41に送信することによって、原動機41の出力を所定出力以下に抑制する制御を無効にする。
【0118】
これによってオートデセル制御を無効にすることができる。
【0119】
(他の実施形態)
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
【0120】
(A)
上記実施形態では、アタッチメントの例としてバケット5およびブレーカー6を挙げたが、これらに限られるものではなく、他のアタッチメントが用いられてもよい。他の例としては、クラッシャーまたはドリフター等が用いられてもよい。
【0121】
(B)
上記実施形態では、作業機械の一例として油圧ショベルを挙げて説明したが、作業機械は油圧ショベルに限られるものではない。例えば、作業機械として、タイヤ式の油圧ショベル、スキッドステアローダ、ホイールローダ、またはバックホウローダ等が用いられてもよい。
【0122】
(C)
上記実施形態では、原動機41の一例として、軽油といった化石燃料を燃焼させることにより駆動するエンジン(内燃機関)を挙げて説明したが、バッテリ等の電気エネルギーを用いたものであってもよい。すなわち、作業機械1、101が電動式の作業機械であってもよい。この場合、原動機41が電動モータであってもよい。電動モータは、リチウムイオンバッテリに蓄電された電気エネルギーによって駆動するものであってもよい。また、電動モータは、燃料電池によって生成される電気エネルギーによって駆動するものであってもよい。原動機41は、水素を燃焼させることにより駆動する水素エンジンであってもよい。
【0123】
(D)
上記実施形態では、オペレータはカメラ48を用いて作業機械1、101を遠隔から操作しているが、作業機械1、101を視認出来る場合には、カメラ48が設けられていなくてもよい。遠隔は、作業機械1,101を視認できる位置と、作業機械1,101を視認できない位置を含む。
【0124】
(E)
上記実施形態では、遠隔操作装置200は、例えば管理センターに配置されたコンピュータと説明したが、これに限られるものではない。遠隔操作装置は、携帯端末、スマートフォン等であってもよい。
【0125】
(F)
上記実施形態では、オペレータは、遠隔において作業機械1、101の操作を行っているが、キャブ14内においてアタッチメントの接続装置4への脱着を行ってもよい。
【0126】
(G)
上記実施の形態では、旋回モータ20は油圧モータであるが、これに限られるものではなく、電動モータであってもよい。
【産業上の利用可能性】
【0127】
本開示の作業機械、アタッチメントの遠隔脱着システム、およびアタッチメントの遠隔脱着方法によれば、遠隔から容易にアタッチメントの脱着を行うことが可能な効果を有し、油圧ショベル等として有用である。
【符号の説明】
【0128】
1 :作業機械
2 :作業機械本体
3 :作業機
4 :接続装置
5 :バケット
41 :原動機
42 :油出力部
43 :車体コントローラ
51 :受信装置