(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024140528
(43)【公開日】2024-10-10
(54)【発明の名称】ダンプトラック
(51)【国際特許分類】
B60P 1/16 20060101AFI20241003BHJP
B60L 15/20 20060101ALI20241003BHJP
B60K 17/12 20060101ALI20241003BHJP
F15B 11/02 20060101ALI20241003BHJP
F04B 53/10 20060101ALI20241003BHJP
B60L 9/18 20060101ALN20241003BHJP
【FI】
B60P1/16 B
B60L15/20 S
B60K17/12
F15B11/02 B
F04B53/10 B
F04B53/10 J
B60L9/18 P
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023051703
(22)【出願日】2023-03-28
(71)【出願人】
【識別番号】000005522
【氏名又は名称】日立建機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000442
【氏名又は名称】弁理士法人武和国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】石原 和典
(72)【発明者】
【氏名】北口 篤
(72)【発明者】
【氏名】高田 知範
【テーマコード(参考)】
3D042
3H071
3H089
5H125
【Fターム(参考)】
3D042AA06
3D042AB07
3D042BE01
3H071AA03
3H071BB13
3H071CC33
3H071CC34
3H071DD12
3H071DD13
3H071DD14
3H089AA02
3H089AA35
3H089AA72
3H089BB27
3H089CC01
3H089DA03
3H089DA14
3H089DB33
3H089DB37
3H089GG02
3H089JJ01
3H089JJ07
5H125AA12
5H125AC12
5H125BA06
5H125BE05
5H125CA02
5H125CD02
5H125DD01
5H125EE52
(57)【要約】
【課題】蓄電装置に蓄電された電力で駆動するダンプトラックにおいて、専用の駆動源を設けずに油圧ポンプを駆動する技術を提供する。
【解決手段】ダンプトラックは、第1走行モータの駆動力によって作動油を圧送する可変容量型の第1油圧ポンプと、第2走行モータの駆動力によって作動油を圧送する可変容量型の第2油圧ポンプと、第1油圧ポンプ及び第2油圧ポンプの回転方向に拘わらず、第1流路を通じて作動油タンクから吸い上げた作動油を、第2流路を通じて油圧機器に供給するように、複数のチェック弁で構成された整流回路とを備える。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1タイヤ及び第2タイヤを回転可能に支持する車体フレームと、
前記車体フレームに着座して積荷を積載可能な着座姿勢、及び積荷を放出可能な放出姿勢に姿勢変化可能に前記車体フレームに支持された荷台と、
作動油が給排されることによって前記荷台を姿勢変化させるホイストシリンダと、
電力を蓄電する蓄電装置と、
前記蓄電装置から供給される電力によって、前記第1タイヤを回転させる駆動力を発生させる第1走行モータと、
前記蓄電装置から供給される電力によって、前記第2タイヤを回転させる駆動力を発生させる第2走行モータと、
作動油を貯留する作動油タンクとを備えるダンプトラックにおいて、
前記第1走行モータの駆動力によって、前記ホイストシリンダを含む油圧機器に向けて作動油を圧送する可変容量型の第1油圧ポンプと、
前記第2走行モータの駆動力によって、前記油圧機器に向けて作動油を圧送する可変容量型の第2油圧ポンプと、
前記作動油タンクから前記第1油圧ポンプ及び前記第2油圧ポンプに至る第1流路と、
前記第1油圧ポンプ及び前記第2油圧ポンプから前記油圧機器に至る第2流路と、
前記第1油圧ポンプ及び前記第2油圧ポンプの回転方向に拘わらず、前記第1流路を通じて前記作動油タンクから吸い上げた作動油を、前記第2流路を通じて前記油圧機器に供給するように、複数のチェック弁で構成された整流回路とを備えることを特徴とするダンプトラック。
【請求項2】
請求項1に記載のダンプトラックにおいて、
前記第1タイヤ及び前記第1走行モータ間に配置されて、前記第1走行モータの駆動力を前記第1タイヤに伝達する伝達状態、及び前記第1走行モータの駆動力を前記第1タイヤに伝達しない非伝達状態に切り替え可能な第1走行クラッチと、
前記第2タイヤ及び前記第2走行モータ間に配置されて、前記第2走行モータの駆動力を前記第2タイヤに伝達する伝達状態、及び前記第2走行モータの駆動力を前記第2タイヤに伝達しない非伝達状態に切り替え可能な第2走行クラッチと、
前記第1タイヤ及び前記第2タイヤそれぞれを制動するブレーキ装置と、
前記第1走行クラッチ及び前記第2走行クラッチの状態を切り替えるコントローラとを備え、
前記コントローラは、前記第1走行モータ及び前記第2走行モータのトルクが閾値トルク未満であること、及び前記ブレーキ装置が作動していることの少なくとも一方が成立している場合に、前記第1走行クラッチ及び前記第2走行クラッチを前記伝達状態及び前記非伝達状態の一方から他方に切り替えることを特徴とするダンプトラック。
【請求項3】
請求項2に記載のダンプトラックにおいて、
前記コントローラは、前記ダンプトラックの停車中に前記油圧機器に作動油を供給する場合において、前記第1走行クラッチ及び前記第2走行クラッチを前記非伝達状態に切り替えた後に、前記第1走行モータ及び前記第2走行モータそれぞれを回転させることを特徴とするダンプトラック。
【請求項4】
請求項1に記載のダンプトラックにおいて、
前記第1油圧ポンプ及び前記第2油圧ポンプと前記油圧機器との間に配置されて、前記第1油圧ポンプ及び前記第2油圧ポンプが圧送する作動油を、前記油圧機器に供給する供給位置及び前記作動油タンクに還流させる還流位置に切り替え可能なコントロールバルブと、
前記第1油圧ポンプ、前記第2油圧ポンプ、及び前記コントロールバルブを制御するコントローラとを備え、
前記コントローラは、前記ダンプトラックが走行中で且つ前記油圧機器への作動油の供給が不要の場合に、前記第1油圧ポンプ及び前記第2油圧ポンプの容量を最小にすると共に、前記コントロールバルブを前記還流位置に切り替えることを特徴とするダンプトラック。
【請求項5】
請求項1に記載のダンプトラックにおいて、
前記第1走行モータ及び前記第2走行モータのトルクを制御するコントローラを備え、
前記コントローラは、前記ダンプトラックの走行中に前記油圧機器に必要流量の作動油を供給する場合において、
前記第1走行モータの現在の第1回転数に対応する第1最大トルクから前記第1タイヤを回転させるのに必要な第1走行トルクを減じて、第1余裕トルクを算出し、
前記第2走行モータの現在の第2回転数に対応する第2最大トルクから前記第2タイヤを回転させるのに必要な第2走行トルクを減じて、第2余裕トルクを算出し、
前記必要流量を確保するのに必要な合計ポンプ容量を、前記第1余裕トルク及び前記第2余裕トルクの比率で分配して、前記第1油圧ポンプの第1必要ポンプ容量及び前記第2油圧ポンプの第2必要ポンプ容量を算出し、
算出した前記第1必要ポンプ容量を前記第1油圧ポンプに設定し、
算出した前記第2必要ポンプ容量を前記第2油圧ポンプに設定し、
設定した容量の前記第1油圧ポンプを回転させるための第1ポンプトルクを、前記第1走行モータに追加で負荷し、
設定した容量の前記第2油圧ポンプを回転させるための第2ポンプトルクを、前記第2走行モータに追加で負荷することを特徴とするダンプトラック。
【請求項6】
請求項5に記載のダンプトラックにおいて、
前記コントローラは、
算出した前記第1余裕トルクが閾値未満の場合に、前記第1余裕トルクに0を設定し、
算出した前記第2余裕トルクが閾値未満の場合に、前記第2余裕トルクに0を設定することを特徴とするダンプトラック。
【請求項7】
請求項5に記載のダンプトラックにおいて、
前記コントローラは、
前記第1必要ポンプ容量、前記第1余裕トルクで実現可能な第1許容ポンプ容量、及び前記第1油圧ポンプの最大容量のうちの最小の容量を、前記第1油圧ポンプに設定し、
前記第2必要ポンプ容量、前記第2余裕トルクで実現可能な第2許容ポンプ容量、及び前記第2油圧ポンプの最大容量のうちの最小の容量を、前記第2油圧ポンプに設定することを特徴とするダンプトラック。
【請求項8】
請求項7に記載のダンプトラックにおいて、
運転者に対して車体情報を報知する報知装置を備え、
前記コントローラは、前記第1油圧ポンプ及び前記第2油圧ポンプに設定した容量で圧送される合計流量が前記必要流量未満の場合に、前記報知装置を通じて前記ダンプトラックの走行速度の減速を促す報知をすることを特徴とするダンプトラック。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、蓄電装置に蓄電された電力で駆動するダンプトラックに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、鉱山からの二酸化炭素排出を抑制することを目的として、エンジンを搭載したダンプトラックに代えて、蓄電装置に蓄電した電力で駆動するダンプトラックの開発が進められている。このようなダンプトラックでは、エンジンを省略したことによって、油圧ポンプを駆動するための駆動源が必要になる。
【0003】
このような課題を解決するために、特許文献1の車両は、タイヤを回転させる走行モータに加えて、油圧ポンプを駆動するための電動モータを搭載している。また、特許文献2の車両では、走行モータの駆動軸の一端に走行クラッチを介してタイヤが接続され、駆動軸の他端にポンプクラッチを介して油圧ポンプが接続されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特表2016-530860号公報
【特許文献2】特開平8-98323号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1の構成では、油圧ポンプを駆動するためだけに電動モータやインバータを追加する必要があるので、車体重量や製造コストが増加するという課題がある。また、特許文献2の構成では、ギア機構及びクラッチが2台搭載されている。そのため、製造コストが増加すると共に、クラッチ板摩耗時の交換などのメンテナンスコストも増加する。また、ダンプトラックの場合、アキュームレータ蓄圧のため、走行中にポンプ側のクラッチを接続する必要があるが、車体が高速である程、スムーズなクラッチ接続が困難となり、クラッチの摩耗も避けられない。
【0006】
本発明は、上記した実状に鑑みてなされたものであり、その目的は、蓄電装置に蓄電された電力で駆動するダンプトラックにおいて、専用の駆動源を設けずに油圧ポンプを駆動する技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、本発明は、第1タイヤ及び第2タイヤを回転可能に支持する車体フレームと、前記車体フレームに着座して積荷を積載可能な着座姿勢、及び積荷を放出可能な放出姿勢に姿勢変化可能に前記車体フレームに支持された荷台と、作動油が給排されることによって前記荷台を姿勢変化させるホイストシリンダと、電力を蓄電する蓄電装置と、前記蓄電装置から供給される電力によって、前記第1タイヤを回転させる駆動力を発生させる第1走行モータと、前記蓄電装置から供給される電力によって、前記第2タイヤを回転させる駆動力を発生させる第2走行モータと、作動油を貯留する作動油タンクとを備えるダンプトラックにおいて、前記第1走行モータの駆動力によって、前記ホイストシリンダを含む油圧機器に向けて作動油を圧送する可変容量型の第1油圧ポンプと、前記第2走行モータの駆動力によって、前記油圧機器に向けて作動油を圧送する可変容量型の第2油圧ポンプと、前記作動油タンクから前記第1油圧ポンプ及び前記第2油圧ポンプに至る第1流路と、前記第1油圧ポンプ及び前記第2油圧ポンプから前記油圧機器に至る第2流路と、前記第1油圧ポンプ及び前記第2油圧ポンプの回転方向に拘わらず、前記第1流路を通じて前記作動油タンクから吸い上げた作動油を、前記第2流路を通じて前記油圧機器に供給するように、複数のチェック弁で構成された整流回路とを備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、蓄電装置に蓄電された電力で駆動するダンプトラックにおいて、専用の駆動源を設けずに油圧ポンプを駆動することができる。なお、上記した以外の課題、構成及び効果は、以下の実施形態の説明により明らかにされる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本実施形態に係るダンプトラックの側面図である。
【
図2】ダンプトラックに搭載される駆動回路の回路図である。
【
図3】コントロールバルブを構成する油圧部品の配置図である。
【
図4】ダンプトラックのハードウェア構成図である。
【
図8】後タイヤの回転数と走行モータのトルクとの関係を示す図である。
【
図9】ポンプ容量設定処理のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明に係るダンプトラックの実施形態について、図面を用いて説明する。
図1は、本実施形態に係るダンプトラック1の側面図である。なお、本明細書中の前後左右は、特に断らない限り、ダンプトラック1に搭乗して操作するオペレータの視点を基準としている。
【0011】
図1に示すように、本実施形態に係るダンプトラック1は、車体フレーム2と、車体フレーム2の前部の左右両端に回転可能に支持された一対の前タイヤ3L、3Rと、車体フレーム2の後部の左右両端にリアアクスル50を介して回転可能に支持された一対の後タイヤ4L、4Rと、車体フレーム2上に起伏可能に支持された荷台5と、ダンプトラック1を操作するオペレータが搭乗するキャブ6とを主に備える。
【0012】
一対の前タイヤ3L、3Rは、オペレータによるステアリング操作によって舵角が変わる操舵輪である。一方、一対の後タイヤ4L、4Rは、走行モータ13L、13R(
図2参照)の駆動力が伝達されて回転する駆動輪である。なお、ダンプトラック1は、左右一対の後タイヤ4L、4Rそれぞれに独立して駆動力を伝達するために、左右一対の走行モータ13L、13Rを備える。
【0013】
リアアクスル50は、車体フレーム2の後部中央に球面軸受を介して連結されている。リアアクスル50は、後タイヤ4L、4Rを回転自在に支持する。また、リアアクスル50は、後述する走行モータ13L、13R、走行クラッチ14L、14R、減速機15L、15R、油圧ブレーキ16L、16R、油圧ポンプ18L、18Rを収容している。
【0014】
荷台5は、ホイストシリンダ7の伸縮によって、車体フレーム2の後部のヒンジピン8を中心として、上下方向に起伏(姿勢変化)する。ホイストシリンダ7は、一端が車体フレーム2に接続され、他端が荷台5に接続され、油圧ポンプ18L、18R(
図2参照)から作動油の供給を受けて伸縮する。そして、ホイストシリンダ7が伸長すると荷台5が起立して放土姿勢(放出姿勢)となり、ホイストシリンダ7が収縮すると荷台5が倒伏して着座姿勢となる。
【0015】
放土姿勢は、積載した積荷をダンプトラック1の後方に放出するときの荷台5の姿勢である。着座姿勢は、車体フレーム2に着座して、積荷を積載するときの荷台5の姿勢である。なお、荷台5に積載される積荷は土砂に限定されないが、土砂は積荷の代表例なので、以下、荷台5が土砂を積載するものとして説明する。
【0016】
キャブ6は、車体フレーム2の前端のデッキ9上の左端に配置されている。キャブ6は、ダンプトラック1を操作するオペレータが搭乗する運転室を形成している。そして、キャブ6の内部には、ダンプトラック1を動作させるための操作装置(図示省略)が配置されている。キャブ6に搭乗したオペレータが操作装置を操作することによって、ダンプトラック1が走行(加速、制動、旋回)し、荷台5が起伏する。操作装置は、例えば、アクセルペダル、ブレーキペダル、ステアリング、走行レバー、ホイストレバーを含む。
【0017】
アクセルペダルは、ダンプトラック1の加速を指示する操作装置である。ブレーキペダルは、ダンプトラック1の制動を指示する操作装置である。ブレーキペダルは、例えば、走行モータ13L、13Rを回生ブレーキとして機能させるリタードブレーキペダルと、油圧ブレーキ16L、16Rを駆動する油圧ブレーキペダルとを含んでもよい。ステアリングは、ダンプトラック1の旋回方向を指示する操作装置である。走行レバーは、アクセルペダルが踏み込まれたときのダンプトラック1の進行方向(前進位置、後退位置、ニュートラル位置)を指示する操作装置である。ホイストレバーは、荷台5の起伏(着座姿勢、排土姿勢)を指示する操作装置である。
【0018】
また、ダンプトラック1は、
図2に示す駆動回路10を備える。
図2は、ダンプトラック1に搭載される駆動回路10の回路図である。駆動回路10は、例えば、蓄電装置11と、インバータ12L、12Rと、走行モータ13L、13Rと、走行クラッチ14L、14Rと、減速機15L、15Rと、油圧ブレーキ16L、16R(ブレーキ装置)と、作動油タンク17と、油圧ポンプ18L、18Rと、整流回路19、コントロールバルブ(C/V)20と、アキュームレータ21と、油圧補機22とを主に備える。
【0019】
蓄電装置11は、インバータ12L、12Rを介して走行モータ13L、13Rに電気的に接続されている。そして、蓄電装置11は、蓄電した電力をインバータ12L、12Rを介して走行モータ13L、13Rに供給する。また、蓄電装置11は、例えば、充電ポストや架線から供給される電力、走行モータ13L、13Rによって発電された電力を蓄電する。蓄電装置11は、例えば、リチウムイオン電池、コンデンサ、キャパシタ、またはこれらの組み合わせである。
【0020】
インバータ12L、12Rは、蓄電装置11から放電された直流電力を、三相交流電力に変換して走行モータ13L、13Rに供給する。また、インバータ12L、12Rは、コントローラ40(
図4参照)の制御に従って、走行モータ13L、13Rに供給する電力の大きさや供給方向を切り替える。これにより、走行モータ13L、13Rの回転速度や回転方向が切り替えられる。さらに、インバータ12L、12Rは、走行モータ13L、13Rが発電した三相交流電力を、直流電力に変換して蓄電装置11に蓄電させる。
【0021】
走行モータ13L、13Rは、インバータ12L、12Rを介して蓄電装置11から電力の供給を受けて、後タイヤ4L、4Rを回転させる駆動力を発生させる。また、走行モータ13L、13Rが発生させる駆動力は、油圧ポンプ18L、18Rを回転させるのにも利用される。さらに、走行モータ13L、13Rは、ダンプトラック1の制動時に回生電力を発電する。
【0022】
走行クラッチ14L、14Rは、走行モータ13L、13R及び後タイヤ4L、4R(より詳細には、走行モータ13L、13R及び減速機15L、15R)の間に配置されている。そして、走行クラッチ14L、14Rは、コントローラ40の制御に従って、接続状態(伝達状態及び非伝達状態)が切り替えられる。伝達状態は、走行モータ13L、13Rの駆動力(回転)を後タイヤ4L、4Rに伝達する状態である。非伝達状態は、走行モータ13L、13Rの駆動力を後タイヤ4L、4Rに伝達しない状態である。走行クラッチ14L、14Rの状態は、例えば、駆動側の摩擦板と従動側の摩擦板とが接離することによって切り替えられる。
【0023】
なお、走行クラッチ14L、14Rは、走行モータ13L、13R及び減速機15L、15Rの間に配置されることによって、減速機15L、15R及び後タイヤ4L、4Rの間に配置される場合と比較して、伝達トルクが小さくなる。その結果、走行クラッチ14L、14Rの小型化及び軽量化が実現され、安価に取得することができる。
【0024】
減速機15L、15Rは、伝達状態の走行クラッチ14L、14Rによって伝達される走行モータ13L、13Rの回転を減速して後タイヤ4L、4Rに伝達する。油圧ブレーキ16L、16Rは、油圧ブレーキペダルが踏み込まれた場合に、油圧ポンプ18L、18Rまたはアキュームレータ21から供給される作動油によって、後タイヤ4L、4Rを機械的に制動する。
【0025】
作動油タンク17は、油圧機器(例えば、ホイストシリンダ7、アキュームレータ21、油圧補機22など)に対して給排される作動油を貯留する。また、作動油タンク17は、貯留した作動油の油面が常に油圧ポンプ18L、18Rより鉛直上方に位置するように配置されるのが望ましい。
【0026】
油圧ポンプ18L、18Rは、ダンプトラック1を前進させる向きの走行モータ13L、13Rの駆動力が伝達されて、第1方向に回転する。また、油圧ポンプ18L、18Rは、ダンプトラック1を後退させる向きの走行モータ13L、13Rの駆動力が伝達されて、第1方向と逆向きの第2方向に回転する。さらに、油圧ポンプ18L、18Rは、コントローラ40の制御に従って、1回転当たりのポンプ容量を変更可能な可変容量型である。
【0027】
また、油圧ポンプ18L、18Rは、タンクラインL1(第1流路)及びポンプラインL2(第2流路)に接続されている。タンクラインL1は、作動油タンク17から油圧ポンプ18L、18Rに至る作動油の流路である。ポンプラインL2は、油圧ポンプ18L、18Rから油圧機器(より詳細には、コントロールバルブ20)に至る作動油の流路である。そして、油圧ポンプ18L、18Rは、タンクラインL1を通じて作動油タンク17から吸い上げた作動油を、ポンプラインL2を通じて油圧機器に圧送する。
【0028】
油圧ポンプ18L、18Rは、作動油タンク17、コントロールバルブ20、及び油圧機器に対して並列に配置されている。すなわち、タンクラインL1を通じて作動油タンク17から供給される作動油は、油圧ポンプ18L、18Rに分配される。また、油圧ポンプ18L、18Rそれぞれから圧送される作動油は、ポンプラインL2で合流して、コントロールバルブ20及び油圧機器に供給される。
【0029】
整流回路19は、油圧ポンプ18L、18Rの回転方向に拘わらず、タンクラインL1を通じて作動油タンク17から吸い上げた作動油を、ポンプラインL2を通じて油圧機器に圧送する役割を担う。本実施形態に係る整流回路19は、複数のチェック弁23L、23R、24L、24R、25L、25R、26L、26Rで構成される。但し、整流回路19の具体的な構成は、前述の例に限定されない。
【0030】
チェック弁23L、23Rは、第1方向に回転する油圧ポンプ18L、18Rから圧送される作動油を、ポンプラインL2に導く。チェック弁24L、24Rは、タンクラインL1を通じて作動油タンク17から供給される作動油を、第1方向に回転する油圧ポンプ18L、18Rに導く。また、チェック弁24L、24Rは、第2方向に回転する油圧ポンプ18L、18Rから圧送される作動油が、タンクラインL1を通じて作動油タンク17に還流するのを阻止する。
【0031】
チェック弁25L、25Rは、第2方向に回転する油圧ポンプ18L、18Rから圧送される作動油を、ポンプラインL2に導く。チェック弁26L、26Rは、タンクラインL1を通じて作動油タンク17から供給される作動油を、第2方向に回転する油圧ポンプ18L、18Rに導く。また、チェック弁26L、26Rは、第1方向に回転する油圧ポンプ18L、18Rから圧送される作動油が、タンクラインL1を通じて作動油タンク17に還流するのを阻止する。
【0032】
本実施形態において、後タイヤ4Lが第1タイヤの一例であり、後タイヤ4Rが第2タイヤの一例であり、走行モータ13Lが第1走行モータの一例であり、走行モータ13Rが第2走行モータの一例であり、走行クラッチ14Lが第1走行クラッチの一例であり、走行クラッチ14Rが第2走行クラッチの一例であり、油圧ポンプ18Lが第1油圧ポンプの一例であり、油圧ポンプ18Rが第2油圧ポンプの一例である。
【0033】
図3は、コントロールバルブ20を構成する油圧部品の配置図である。コントロールバルブ20は、ポンプラインL2を通じて油圧ポンプ18L、18Rから供給された作動油を油圧機器に供給すると共に、油圧機器から排出された作動油を還流ラインL3を通じて作動油タンク17に還流させる。コントロールバルブ20は、油圧ポンプ18L、18R及び油圧機器の間に配置される複数の弁によって構成される。
図3に示すように、コントロールバルブ20は、複数の方向切替弁27、28、29と、開閉弁30と、リリーフ弁31とで構成される。但し、コントロールバルブ20の具体的な構成は
図3の例に限定されない。
【0034】
方向切替弁27は、コントローラ40の制御に従って、蓄圧位置A、ポンプ駆動位置B、バイパス位置Cに切り替え可能に構成されている。蓄圧位置Aは、ポンプラインL2を通じて供給される作動油を供給ラインL4を通じてアキュームレータ21及び油圧補機22に供給する位置である。ポンプ駆動位置Bは、アキュームレータ21から排出された作動油を、ポンプラインL2を通じて油圧ポンプ18Rに排出する位置である。バイパス位置Cは、ポンプラインL2を通じて供給される作動油を、供給ラインL4に供給せずに方向切替弁28にバイパスする位置である。
【0035】
方向切替弁28は、コントローラ40の制御に従って、ホイスト上げ位置D、ホイスト浮き位置E、ホイスト保持位置Fに切り替え可能に構成されている。ホイスト上げ位置Dは、バイパス位置Cの方向切替弁27を通じてポンプラインL2とボトムラインL6とを連通させ、ロッドラインL7と還流ラインL3とを連通させる位置である。ホイスト浮き位置Eは、ボトムラインL6と還流ラインL3とを連通させる位置である。ホイスト保持位置Fは、ホイストシリンダ7のロッド室及びボトム室に対する作動油の給排を遮断すると共に、ポンプラインL2を還流ラインL3にバイパスする位置である。
【0036】
方向切替弁29は、コントローラ40の制御に従って、ホイスト上げ位置G、ホイスト下げ位置H、ホイスト保持位置Iに切り替え可能に構成されている。ホイスト上げ位置Gは、バイパス位置Cの方向切替弁27を通じてポンプラインL2とボトムラインL6とを連通させ、ロッドラインL7と還流ラインL3とを連通させる位置である。ホイスト下げ位置Hは、バイパス位置Cの方向切替弁27を通じてポンプラインL2とロッドラインL7とを連通させ、ボトムラインL6と還流ラインL3とを連通させる位置である。ホイスト保持位置Iは、ホイストシリンダ7のロッド室及びボトム室に対する作動油の給排を遮断すると共に、ポンプラインL2を還流ラインL3にバイパスする位置である。
【0037】
開閉弁30は、コントローラ40の制御に従って、供給ラインL4を閉塞する閉塞位置J、供給ラインL4を開放する開放位置Kに切り替え可能に構成されている。リリーフ弁31は、ポンプラインL2内の作動油の圧力が閾値を超えた場合に、ポンプラインL2内の作動油を還流ラインL3に排出する安全弁である。
【0038】
コントロールバルブ20は、方向切替弁27を蓄圧位置Aに切り替えることによって、ポンプラインL2を通じて油圧ポンプ18L、18Rから供給される作動油を、供給ラインL4を通じてアキュームレータ21に蓄圧することができる。コントロールバルブ20は、この状態から開閉弁30を開放位置Kに切り替えることによって、ポンプラインL2を通じて油圧ポンプ18L、18Rから供給される作動油を、供給ラインL4を通じて油圧補機22に供給することができる。さらに、油圧補機22から排出された作動油は、排出ラインL5及び還流ラインL3を通じて作動油タンク17に還流する。これらは、油圧ポンプ18L、18Rが圧送する作動油を油圧機器に供給する供給位置の一例である。
【0039】
また、コントロールバルブ20は、方向切替弁27をポンプ駆動位置Bに切り替えることによって、アキュームレータ21から排出された作動油を、供給ラインL4及びポンプラインL2を通じて油圧ポンプ18L、18Rに供給する。さらに、コントロールバルブ20は、方向切替弁27をバイパス位置Cに切り替えることによって、ポンプラインL2を通じて油圧ポンプ18L、18Rから供給される作動油を、方向切替弁28、29にバイパスする。
【0040】
コントロールバルブ20は、方向切替弁27をバイパス位置Cに切り替え、方向切替弁28、29をホイスト上げ位置D、Gに切り替えることによって、ホイストシリンダ7のボトム室に作動油が供給され、ホイストシリンダ7のロッド室から作動油が排出される。これにより、荷台5は、着座姿勢から放土姿勢に向けて姿勢変化(すなわち、起立)する。これは、油圧ポンプ18L、18Rが圧送する作動油を油圧機器に供給する供給位置の一例である。
【0041】
コントロールバルブ20は、方向切替弁27をバイパス位置Cに切り替え、方向切替弁28をホイスト保持位置Fに切り替え、方向切替弁29をホイスト下げ位置Hに切り替えることによって、ホイストシリンダ7のボトム室から作動油が排出され、ホイストシリンダ7のロッド室に作動油が供給される。これにより、荷台5は、放土姿勢から着座姿勢に向けて姿勢変化(すなわち、倒伏)する。これは、油圧ポンプ18L、18Rが圧送する作動油を油圧機器に供給する供給位置の一例である。
【0042】
コントロールバルブ20は、方向切替弁27をバイパス位置Cに切り替え、方向切替弁28をホイスト浮き位置Eに切り替え、方向切替弁29をホイスト保持位置Iに切り替えることによって、ホイストシリンダ7のボトム室から作動油が排出されるの許容する。これにより、荷台5は、自重によって放土姿勢から着座姿勢に向けて姿勢変化(すなわち、倒伏)することができる。
【0043】
コントロールバルブ20は、方向切替弁27をバイパス位置Cに切り替え、方向切替弁28、29をホイスト保持位置F、Iに切り替えることによって、ホイストシリンダ7に対する作動油の給排を遮断すると共に、ポンプラインL2を通じて油圧ポンプ18L、18Rから供給される作動油を作動油タンク17に還流させる。これは、油圧ポンプ18L、18Rが圧送する作動油を作動油タンク17に還流させる還流位置の一例である。
【0044】
アキュームレータ21は、油圧ポンプ18L、18Rから供給される作動油を圧縮して貯留(すなわち、蓄圧)する。また、アキュームレータ21は、蓄圧した作動油を走行クラッチ14L、14R、油圧ブレーキ16L、16Rなどに供給する。油圧補機22は、作動油が供給されて動作する油圧機器の総称であって、例えば、冷却ファンを駆動するファンモータなどが該当する。
【0045】
図4は、ダンプトラック1のハードウェア構成図である。ダンプトラック1は、コントローラ40を備える。コントローラ40は、CPU(Central Processing Unit)41と、メモリ42とを備える。メモリ42は、例えば、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、HDD(Hard Disk Drive)、またはこれらの組み合わせで構成される。コントローラ40は、ROMまたはHDDに格納されたプログラムコードをCPU41が読み出して実行することによって、後述する処理を実現する。RAMは、CPU41がプログラムを実行する際のワークエリアとして用いられる。
【0046】
但し、コントローラ40の具体的な構成はこれに限定されず、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field-Programmable Gate Array)などのハードウェアによって実現されてもよい。
【0047】
コントローラ40は、アクセルペダルセンサ43、ブレーキペダルセンサ44、走行レバーセンサ45、ホイストレバーセンサ46、荷台角度センサ47、及び蓄圧量センサ48から出力される各種信号に基づいて、蓄電装置11、インバータ12L、12R、走行クラッチ14L、14R、油圧ブレーキ16L、16R、油圧ポンプ18L、18R、コントロールバルブ20、及びディスプレイ49の動作を制御する。
【0048】
アクセルペダルセンサ43は、アクセルペダルの踏込量を検知する。ブレーキペダルセンサ44は、油圧ブレーキペダルの踏込量を検知する。走行レバーセンサ45は、走行レバーの位置(前進位置、後退位置、ニュートラル位置)を検知する。ホイストレバーセンサ46は、ホイストレバーの倒伏方向(着座方向、排土方向)を検知する。荷台角度センサ47は、荷台5の角度(姿勢)を検知する。蓄圧量センサ48は、アキュームレータ21に蓄圧された作動油の量(蓄圧量)を検知する。ディスプレイ49は、キャブ6に搭乗するオペレータ(運転者)に車体情報を報知する報知装置の一例である。但し、報知装置の具体例はディスプレイ49に限定されず、LEDランプやスピーカなどでもよい。
【0049】
コントローラ40は、アクセルペダルセンサ43で検知されたアクセルペダルの踏込量に応じて、インバータ12L、12Rを制御して走行モータ13L、13Rのトルクを制御すると共に、走行レバーセンサ45で検知された走行レバーの位置に応じて、インバータ12L、12Rを制御して走行モータ13L、13Rの回転方向を制御する。また、コントローラ40は、ブレーキペダルセンサ44で検知された油圧ブレーキペダルの踏込量に応じて、油圧ブレーキ16L、16Rを制御してダンプトラック1を制動する。また、コントローラ40は、ホイストレバーセンサ46で検知されたホイストレバーの倒伏方向及び荷台角度センサ47で検知された荷台5の角度に応じて、ホイストシリンダ7を伸縮させて荷台5の姿勢を変化させる。
【0050】
次に、
図5を参照して、コントローラ40の処理を説明する。
図5は、車体制御処理のフローチャートである。コントローラ40は、ダンプトラック1の起動中に
図5に示す車体制御処理を所定の時間間隔で繰り返し実行する。なお、ダンプトラック1の起動時には、走行クラッチ14L、14Rが伝達状態であるものとする。
【0051】
まず、コントローラ40は、蓄圧量センサ48で検知されたアキュームレータ21の蓄圧量と、予め定められた下限閾値とを比較する(S11)。また、コントローラ40は、ダンプトラック1が停車しているか否かを判定する(S12、S13)。コントローラ40は、例えば、走行モータ13L、13Rのトルクが閾値トルク未満であること、及び油圧ブレーキ16L、16Rが作動していることの少なく一方が成立している場合に、ダンプトラック1が停車していると判定する。但し、ダンプトラック1が停車しているか否かの具体的な判断条件は前述の例に限定されず、走行レバーがニュートラル位置であることを条件に加えてもよい。
【0052】
次に、コントローラ40は、蓄圧量が下限閾値未満で且つダンプトラック1が停車中であると判定した場合に(S11:Yes&S12:Yes)、
図6に示す停車中蓄圧処理を実行する(S14)。一方、コントローラ40は、蓄圧量が下限閾値未満で且つダンプトラック1が停車中でないと判定した場合に(S11:Yes&S12:No)、
図7に示す走行中蓄圧処理を実行する(S15)。
【0053】
また、コントローラ40は、蓄圧量が下限閾値以上で且つダンプトラック1が停車中であると判定した場合に(S11:No&S13:Yes)、ホイストレバーセンサ46によってホイストレバーの操作が検知されたか否かを判定する(S16)。そして、コントローラ40は、ホイストレバーが操作されていると判定した場合に(S16:Yes)、
図10に示す荷台昇降処理を実行する(S17)。
【0054】
一方、コントローラ40は、ホイストレバーが操作されていないと判定した場合に(S16:No)、荷台昇降処理を実行せずに車体制御処理を終了する。さらに、コントローラ40は、蓄圧量が下限閾値以上で且つダンプトラック1が停車中でないと判定した場合に(S11:No&S13:No)、ステップS14、S15、S17の処理を実行せずに、車体制御処理を終了する。
【0055】
図6は、停車中蓄圧処理のフローチャートである。停車中蓄圧処理は、ダンプトラック1の停車中にアキュームレータ21に作動油を蓄圧する処理である。
【0056】
まず、コントローラ40は、走行クラッチ14L、14Rを伝達状態から非伝達状態に切り替える(S21)。次に、コントローラ40は、油圧ポンプ18L、18Rのポンプ容量を最小にする(S22)。次に、コントローラ40は、コントロールバルブ20を蓄圧位置(より詳細には、方向切替弁27を蓄圧位置A、開閉弁30を閉塞位置J)に切り替える(S23)。次に、コントローラ40は、走行モータ13L、13Rを所定の回転数で回転させる(S24)。ステップS24における走行モータ13L、13Rの回転方向は、特に限定されない。次に、コントローラ40は、油圧ポンプ18L、18Rのポンプ容量をアキュームレータ21に蓄圧する際の設定値まで増加させる(S25)。
【0057】
これにより、走行モータ13L、13Rの回転が油圧ポンプ18L、18Rに伝達されて、油圧ポンプ18L、18Rを回転させる。その結果、作動油タンク17に貯留された作動油は、油圧ポンプ18L、18RからポンプラインL2に圧送され、蓄圧位置Aの方向切替弁27を通じて供給ラインL4に供給され、アキュームレータ21に蓄圧される。そして、コントローラ40は、蓄圧量センサ48で検知されたアキュームレータ21の蓄圧量が予め定められた上限閾値に達するまで(S26:No)、ステップS21~S25の状態を維持する。下限閾値とは、アキュームレータ21への蓄圧が必要だと判定する蓄圧量である。上限閾値とは、アキュームレータ21への蓄圧が完了したと判定する蓄圧量である。すなわち、上限閾値は、下限閾値より大きい値である。
【0058】
次に、コントローラ40は、アキュームレータ21の蓄圧量が上限閾値に達した場合に(S26:Yes)、油圧ポンプ18L、18Rのポンプ容量を最小にする(S27)。次に、コントローラ40は、走行モータ13L、13Rを停止させる(S28)。次に、コントローラ40は、コントロールバルブ20を還流位置(より詳細には、方向切替弁27をバイパス位置C、方向切替弁28、29をホイスト保持位置F、I)に切り替える(S29)。次に、コントローラ40は、走行クラッチ14L、14Rを非伝達状態から伝達状態に切り替えて(S30)、停車中蓄圧処理を終了する。
【0059】
図7は、走行中蓄圧処理のフローチャートである。走行中蓄圧処理は、ダンプトラック1の走行中(より詳細には、前進中)にアキュームレータ21に作動油を蓄圧する処理である。なお、停車中蓄圧処理と共通する処理の説明は省略し、相違点を中心に説明する。走行中蓄圧処理は、走行モータ13L、13Rが既に回転している点が停車中蓄圧処理と相違する。なお、走行中蓄圧処理における走行モータ13L、13Rの回転方向(換言すれば、ダンプトラック1の進行方向)は、特に限定されない。
【0060】
そして、走行中蓄圧処理は、停車中蓄圧処理のステップS21、S24、S25、S28、S30が省略され、ステップS22、S23、S26、S27、S29をこの順に実行する。また、コントローラ40は、ステップS23、S26の間に、
図9に示すポンプ容量設定処理を実行する(S40)。
【0061】
図8は、後タイヤ4L、4Rの回転数(タイヤ回転数)と、走行モータ13L、13Rのトルク(モータトルク)との関係を示す図である。
図9は、ポンプ容量設定処理のフローチャートである。
【0062】
まず、ダンプトラック1が旋回している場合、内外輪差によって、左右の後タイヤ4L、4Rの回転数N
L、N
R異なる。例えばダンプトラック1が右旋回しているとき、
図8(A)に示すように、後タイヤ4Lの回転数N
Lは、後タイヤ4Rの回転数N
Rより大きくなる。また、
図8(A)に実線で示すモータトルク-タイヤ回転数許容限度線のように、タイヤ回転数と最大トルクとの間には、負の相関(より詳細には、反比例)関係がある。なお、走行モータ13L、13Rのモータトルク-タイヤ回転数許容限度線は、メモリ42に記憶されているものとする。
【0063】
そのため、回転数NLにおける最大トルクTmaxLから後タイヤ4Lを回転させるのに必要な走行トルクTLを減じた余裕トルクTmarLと、回転数NRにおける最大トルクTmaxRから後タイヤ4Rを回転させるのに必要な走行トルクTRを減じた余裕トルクTmarRとは、互いに異なる。また、回転数NL、NRの差が大きいほど、余裕トルクTmarL、TmarRの差も大きくなる。さらに、ダンプトラック1の旋回時のみならず、傾斜地や不整地の走行時にも、左右の走行モータ13L、13Rの余裕トルクTmarL、TmarRに差が生じ得る。
【0064】
この状態で、油圧ポンプ18L、18Rを回転させるためのトルクを走行モータ13L、13Rに均一に負荷しようとすると、
図9(A)に示すように、走行モータ13Lが合計トルクT
L’を出力するために、外側の後タイヤ4Lの回転数がN
LからN
L’まで落ちることがある。その結果、内外輪差が小さくなって、ダンプトラック1がアンダーステア傾向になる。一方、内側の後タイヤ4Lの回転数が落ちた場合には、内外輪差が大きくなって、ダンプトラック1がオーバーステア傾向になる。
【0065】
そこで、コントローラ40は、
図7のステップS40でポンプ容量設定処理を実行することによって、ダンプトラック1の走行特性の変化を抑制しつつ、アキュームレータ21への蓄圧を実行する。ポンプ容量設定処理は、後タイヤ4L、4Rのタイヤ回転数の変化を抑制しつつ、アキュームレータ21への蓄圧に必要な必要流量Qcを確保するために、油圧ポンプ18L、18Rのポンプ容量を個別に設定する処理である。なお、ステップS41~S44、S47~S50の処理は、油圧ポンプ18L、18R(または走行モータ13L、13R)それぞれについて実行される。
【0066】
まず、コントローラ40は、
図8のモータトルク-タイヤ回転数許容限度線に基づいて、走行モータ13Lの現在の回転数N
L(第1回転数)に対応する最大トルクT
maxL(第1最大トルク)を特定する。また、コントローラ40は、特定した最大トルクT
maxLから、後タイヤ4Lを回転数N
Lで回転させるのに必要な走行トルクT
L(第1走行トルク)を減じて、余裕トルクT
marL(第1余裕トルク)を算出する(S41)。同様に、コントローラ40は、走行モータ13Rの現在の回転数N
R(第2回転数)に対応する最大トルクT
maxR(第2最大トルク)から後タイヤ4Rを回転させるのに必要な走行トルクT
R(第2走行トルク)を減じて、余裕トルクT
marR(第2余裕トルク)を算出する。
【0067】
次に、コントローラ40は、算出した余裕トルクTmarLと閾値とを比較する(S42)。閾値は、余裕トルクが実質的に0であると評価できる値に設定される。そして、コントローラ40は、余裕トルクTmarLが閾値未満の場合に(S42:No)、余裕トルクTmarLに0を設定する(S43)。一方、コントローラ40は、余裕トルクTmarLが閾値以上の場合に(S42:Yes)、ステップS43の処理をスキップ(すなわち、ステップS41で算出した値を維持)する。同様に、コントローラ40は、余裕トルクTmarRが閾値未満の場合に、余裕トルクTmarRに0を設定する。
【0068】
次に、コントローラ40は、ステップS41~S43で設定した余裕トルクTmarLと、アキュームレータ21の設定圧PACCと、ポンプトルク効率ηmとを式1に代入して、許容ポンプ容量VgmarL(第1許容ポンプ容量)を算出する(S43)。許容ポンプ容量VgmarLは、余裕トルクTmarLを全て油圧ポンプ18Lの回転に用いる場合に実現可能なポンプ容量の最大値を指す。アキュームレータ21の設定圧PACC及びポンプトルク効率ηmは、予め定められた固定値である。なお、ステップS43で余裕トルクTmarLに0が設定された場合は、許容ポンプ容量VgmarLも0になる。同様に、コントローラ40は、余裕トルクTmarRで実現可能な許容ポンプ容量VgmarR(第2許容ポンプ容量)を算出する。
【0069】
【0070】
次に、コントローラ40は、アキュームレータ21への蓄圧に必要な必要流量Qc、油圧ポンプ18L、18Rの入力軸の平均回転数NPave、油圧ポンプ18L、18Rのポンプ容積効率ηvを式2に代入して、合計ポンプ容量VgTを算出する(S45)。合計ポンプ容量VgTは、必要流量Qcを確保するのに必要な油圧ポンプ18L、18Rのポンプ容量の合計値である。平均回転数NPaveは、回転センサ(図示省略)で検知された左右の走行モータ13L、13Rの回転数の平均値である。ポンプ容積効率ηvは、予め定められた固定値である。
【0071】
【0072】
次に、コントローラ40は、ステップS41~S43で設定した余裕トルクTmarL、TmarRと、ステップS45で算出した合計ポンプ容量VgTとを式3に代入して、油圧ポンプ18Lの必要ポンプ容量VgrL(第1必要ポンプ容量)と、油圧ポンプ18Rの必要ポンプ容量VgrR(第2必要ポンプ容量)とを算出する(S46)。すなわち、コントローラ40は、合計ポンプ容量VgTを余裕トルクTmarL、TmarRの比率で分配して、必要ポンプ容量VgrL、VgrRを算出する。
【0073】
【0074】
次に、コントローラ40は、ステップS46で算出した必要ポンプ容量VgrL、ステップS44で算出した許容ポンプ容量VgmarL、及び油圧ポンプ18Lの最大容量Vgmaxのうちの最小の容量を、設定ポンプ容量VgsetL(第1設定ポンプ容量)として設定する(S47)。同様に、コントローラ40は、ステップS46で算出した必要ポンプ容量VgrR、ステップS44で算出した許容ポンプ容量VgmarR、及び油圧ポンプ18Rの最大容量Vgmaxのうちの最小の容量を、設定ポンプ容量VgsetR(第2設定ポンプ容量)として設定する。最大容量Vgmaxは、油圧ポンプ18L、18Rの機械的な最大容量(固定値)である。
【0075】
次に、コントローラ40は、ステップS47で設定した設定ポンプ容量VgsetLと、油圧ポンプ18Lの最小容量Vgminとを比較する(S48)。そして、コントローラ40は、設定ポンプ容量VgsetLが最小容量Vgmin未満の場合に(S48:No)、設定ポンプ容量VgsetLに最小容量Vgminを設定する(S49)。一方、コントローラ40は、設定ポンプ容量VgsetLが最小容量Vgmin以上の場合に(S48:Yes)、ステップS49の処理をスキップする。同様に、コントローラ40は、設定ポンプ容量VgsetRが最小容量Vgmin未満の場合に、設定ポンプ容量VgsetRに最小容量Vgminを設定する。最小容量Vgminは、油圧ポンプ18L、18Rの機械的な最小容量(固定値)である。
【0076】
そして、コントローラ40は、油圧ポンプ18L、18Rの容量を、ステップS47~S49で設定した設定ポンプ容量VgsetL、VgsetRに設定(変更)する。次に、コントローラ40は、油圧ポンプ18Lに設定した設定ポンプ容量VgsetLと、アキュームレータ21の設定圧PACCと、ポンプトルク効率ηmとを式4に代入して、ポンプトルクTgsetL(第1ポンプトルク)を算出する(S50)。同様に、コントローラ40は、油圧ポンプ18Rに設定した設定ポンプ容量VgsetRに基づいて、ポンプトルクTgsetR(第2ポンプトルク)を算出する。ポンプトルクTgsetL、TgsetRは、設定ポンプ容量VgsetL、VgsetRの油圧ポンプ18L、18Rを回転させるために、走行モータ13L、13Rに追加で負荷すべきトルクの大きさを指す。
【0077】
【0078】
そして、コントローラ40は、インバータ12L、12Rを制御して、算出したポンプトルクTgsetL、TgsetRを走行モータ13L、13Rに追加で負荷する。すなわち、コントローラ40は、走行トルクTL及びポンプトルクTgsetLの和である合計トルクTL’を、走行モータ13Lに負荷する。同様に、コントローラ40は、走行トルクTR及びポンプトルクTgsetRの和である合計トルクTR’を、走行モータ13Rに負荷する。
【0079】
走行モータ13L、13Rに負荷されるポンプトルクT
gsetL、T
gsetRは、余裕トルクT
marL、T
marRの大きさに応じて異なる値になる。例えば、
図8(B)に示すように、ダンプトラック1が右旋回している場合において、外側の走行モータ13LのポンプトルクT
gsetLは、内側の走行モータ13RのポンプトルクT
gsetRより小さくなる。但し、ポンプトルクT
gsetL、T
gsetRの大小関係は、ダンプトラック1の走行状態によって異なる。
【0080】
次に、コントローラ40は、設定ポンプ容量VgsetL、VgsetRと、走行モータ13L、13Rの現在の回転数NL、NRと、ポンプ容積効率ηvとに基づいて、合計流量Qgsetを算出する(S51)。合計流量Qgsetは、油圧ポンプ18L、18Rに設定した設定ポンプ容量VgsetL、VgsetRで圧送される作動油の流量の合計値である。次に、コントローラ40は、ステップS51で算出した合計流量Qgsetと、必要流量Qcとを比較する(S52)。
【0081】
そして、コントローラ40は、合計流量Qgsetが必要流量Qc未満の場合に(S52:No)、ダンプトラック1の走行速度の減速(すなわち、アクセルペダルを緩める、またはブレーキペダルを踏み込む)を、ディスプレイ49を通じてキャブ6内のオペレータに促す報知をする(S53)。一方、コントローラ40は、合計流量Qgsetが必要流量Qc以上の場合に(S52:Yes)、ステップS53の処理をスキップして、ポンプ容量設定処理を終了する。
【0082】
そして、コントローラ40は、
図7のステップS26で蓄圧量が上限閾値に達するまで(S26:No)、ポンプ容量設定処理(S40)を所定の時間間隔で繰り返し実行する。すなわち、コントローラ40は、制御サイクル毎にポンプトルクT
gsetL、T
gsetRを更新して、走行モータ13L、13Rに負荷する。なお、油圧ポンプ18L、18Rのサージ圧、及び走行モータ13L、13Rのサージ電流を防止するため、コントローラ40は、走行モータ13L、13Rに負荷するトルクを瞬時に上昇させるのではなく、単位時間当たりの変更幅を制限して徐々に上昇させるのが望ましい。
【0083】
図10は、荷台昇降処理のフローチャートである。荷台昇降処理は、ホイストシリンダ7を伸縮させることによって、荷台5を姿勢変化させる処理である。
【0084】
まず、コントローラ40は、走行クラッチ14L、14Rを伝達状態から非伝達状態に切り替える(S61)。次に、コントローラ40は、油圧ポンプ18L、18Rのポンプ容量を最小にする(S62)。次に、コントローラ40は、ホイストレバーセンサ46で検知されたホイストレバーの倒伏方向に応じて、コントロールバルブ20をホイスト上げ位置(より詳細には、方向切替弁27をバイパス位置C、方向切替弁28、29をホイスト上げ位置D、G)またはホイスト下げ位置(より詳細には、方向切替弁27をバイパス位置、方向切替弁28をホイスト保持位置F、方向切替弁29をホイスト下げ位置H)に切り替える(S63)。次に、コントローラ40は、油圧ポンプ18L、18Rのポンプ容量を荷台5を姿勢変化させる際の大きさまで増加させる(S64)。次に、コントローラ40は、アクセルペダルセンサ43で検知したアクセルペダルの踏込量に応じた回転数で、走行モータ13L、13Rを回転させる(S65)。ステップS65における走行モータ13L、13Rの回転方向は、特に限定されない。
【0085】
これにより、走行モータ13L、13Rの回転が油圧ポンプ18L、18Rに伝達されて、作動油タンク17に貯留された作動油が油圧ポンプ18L、18RからポンプラインL2に圧送される。また、油圧ポンプ18L、18Rから圧送された作動油は、バイパス位置Cの方向切替弁27と、方向切替弁28、29とを通じてホイストシリンダ7のロッド室またはボトム室に供給される。その結果、ホイストシリンダ7が伸縮して、荷台5が姿勢変化する。そして、コントローラ40は、ホイストレバーセンサ46でホイストレバーの操作終了が検知されるか(S66:No)、荷台角度センサ47で荷台5が放土姿勢または着座姿勢への到達が検知されるまで(S67:No)、ステップS61~S65の状態を維持する。
【0086】
次に、コントローラ40は、ホイストレバーの操作が終了した場合(S66:Yes)、または荷台5が放土姿勢または着座姿勢に到達した場合に(S67:Yes)、走行モータ13L、13Rの回転を緩やかに停止させる(S68)。次に、コントローラ40は、油圧ポンプ18L、18Rのポンプ容量を最小にする(S69)。次に、コントローラ40は、コントロールバルブ20を還流位置(より詳細には、方向切替弁27をバイパス位置C、方向切替弁28、29をホイスト保持位置F、I)に切り替える(S70)。次に、コントローラ40は、走行クラッチ14L、14Rを非伝達状態から伝達状態に切り替えて(S71)、荷台昇降処理を終了する。
【0087】
上記の実施形態によれば、例えば以下の作用効果を奏する。
【0088】
上記の実施形態によれば、整流回路19によって、走行モータ13L、13R(換言すれば、油圧ポンプ18L、18R)の回転方向に拘わらず、作動油を一方向に圧送することができるので、油圧配管を簡素化できる。また、整流回路19は、コントローラ40の制御で状態変化するクラッチと比較して、電気配管や油圧配管を削減できると共に、制御も簡素化できる。さらに、クラッチ板の摩耗による定期メンテナンスも不要になる。その結果、蓄電装置11に蓄電された電力で駆動するダンプトラック1において、後タイヤ4L、4Rを駆動する走行モータ13L、13Rを、油圧ポンプ18L、18Rの駆動源として用いることができる。すなわち、油圧ポンプ18L、18Rを駆動するための専用の駆動源を省略できるので、ダンプトラック1のコスト低下に寄与する。
【0089】
また、上記の実施形態によれば、合計ポンプ容量VgTを余裕トルクTmarL、TmarRの比率で分配して、必要ポンプ容量VgrL、VgrRを算出することによって、後タイヤ4L、4Rのタイヤ回転数の変化を抑制しつつ、アキュームレータ21への蓄圧に必要な必要流量Qcを確保することができる。また、ステップS47~S49によれば、走行モータ13L、13R及び油圧ポンプ18L、18Rの性能の限界を超えて、設定ポンプ容量VgsetL、VgsetRが設定されるのを防止できる。
【0090】
また、上記の実施形態によれば、合計流量Qgsetが必要流量Qc未満の場合に、オペレータにダンプトラック1の減速を促すことによって、アキュームレータ21の蓄圧に必要な走行モータ13L、13Rのトルクを確保することができる。
【0091】
また、走行モータ13L、13R及び減速機15L、15Rの回転速度に差がある状態で走行クラッチ14L、14Rの状態を変化させると、クラッチ板の摩耗を誘発して寿命が短くなる可能性がある。そこで、上記の実施形態のように、走行モータ13L、13Rのトルクが閾値トルク未満(すなわち、走行モータ13L、13Rが実質的に停止)で、且つ油圧ブレーキ16L、16Rが作動(すなわち、後タイヤ4L、4R(≒減速機15L、15R)が実質的に停止)しているタイミングで、走行クラッチ14L、14Rを状態変化させるのが望ましい。
【0092】
また、上記の実施形態によれば、ステップS21、S61で走行クラッチ14L、14Rを非伝達状態にした後に、ステップS24、S65で走行モータ13L、13Rを回転させることによって、走行モータ13L、13Rから油圧ポンプ18L、18Rへの回転駆動力の伝達損失を最小化することができる。
【0093】
さらに、上記の実施形態によれば、油圧機器への作動油の供給が不要な場合に、油圧ポンプ18L、18Rのポンプ容量を最小にすると共に、コントロールバルブ20を還流位置に切り替えることによって、走行モータ13L、13Rから後タイヤ4L、4Rへの回転駆動力の伝達損失を最小化することができる。
【0094】
上述した実施形態は、本発明の説明のための例示であり、本発明の範囲をそれらの実施形態にのみ限定する趣旨ではない。当業者は、本発明の要旨を逸脱することなしに、他の様々な態様で本発明を実施することができる。
【符号の説明】
【0095】
1 ダンプトラック
2 車体フレーム
3L,3R 前タイヤ
4L,4R 後タイヤ
5 荷台
6 キャブ
7 ホイストシリンダ
8 ヒンジピン
9 デッキ
10,10A 駆動回路
11 蓄電装置
12L,12R インバータ
13L,13R 走行モータ
14L,14R 走行クラッチ
15L,15R 減速機
16L,16R 油圧ブレーキ
17 作動油タンク
18L,18R 油圧ポンプ
19 整流回路
20 コントロールバルブ
21 アキュームレータ
22 油圧補機
23,24,25,26 チェック弁
27,28,29 方向切替弁
30 開閉弁
31 リリーフ弁
40 コントローラ
41 CPU
42 メモリ
43 アクセルペダルセンサ
44 ブレーキペダルセンサ
45 走行レバーセンサ
46 ホイストレバーセンサ
47 荷台角度センサ
48 蓄圧量センサ
49 ディスプレイ
50 リアアクスル