IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社大林組の特許一覧

<>
  • 特開-構造物形成方法 図1
  • 特開-構造物形成方法 図2
  • 特開-構造物形成方法 図3
  • 特開-構造物形成方法 図4
  • 特開-構造物形成方法 図5
  • 特開-構造物形成方法 図6
  • 特開-構造物形成方法 図7
  • 特開-構造物形成方法 図8
  • 特開-構造物形成方法 図9
  • 特開-構造物形成方法 図10
  • 特開-構造物形成方法 図11
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024140540
(43)【公開日】2024-10-10
(54)【発明の名称】構造物形成方法
(51)【国際特許分類】
   B23K 9/04 20060101AFI20241003BHJP
   B33Y 10/00 20150101ALI20241003BHJP
   B29C 64/10 20170101ALI20241003BHJP
【FI】
B23K9/04 G
B23K9/04 Z
B33Y10/00
B29C64/10
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023051720
(22)【出願日】2023-03-28
(71)【出願人】
【識別番号】000000549
【氏名又は名称】株式会社大林組
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(72)【発明者】
【氏名】大川 悠奈
(72)【発明者】
【氏名】中村 允哉
(72)【発明者】
【氏名】池田 雄一
【テーマコード(参考)】
4F213
【Fターム(参考)】
4F213WA25
4F213WB01
4F213WL02
4F213WL32
4F213WL74
(57)【要約】
【課題】所望の形状の構造物を短時間で形成することができる構造物形成方法を提供する。
【解決手段】建設部材10は、溶融した金属材料をノズルの吐出口から吐出させながらノズルを移動させて、ノズルから吐出された材料で構成される層を積み上げることにより形成した曲面部材15を有する。この建設部材10は、平板から構成される平面部材11及び接続部材12を組み合わせた平板構造部を更に有する。曲面部材15は、接続部材12に対して、溶融した材料をノズルから吐出することにより接続部材12に一体化する建設部材10の曲面部分を形成する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1領域と第2領域とを備える構造物の形成方法であって、
前記第1領域を平板で構成して配置し、
3次元プリンタにより、前記第1領域に対する前記第2領域の配置に応じて造形材を積層させながら、前記平板に固着させた前記第2領域を形成することを特徴とする構造物形成方法。
【請求項2】
前記第1領域は、複数の前記平板を組み合わせて構成されており、
前記第2領域は、前記第1領域の端部に形成された領域であることを特徴とする請求項1に記載の構造物形成方法。
【請求項3】
前記第1領域は、複数の前記平板を積層して構成されており、
前記第2領域は、前記構造物の形状に対して前記第1領域では不足している部分であることを特徴とする請求項2に記載の構造物形成方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、第1領域と第2領域とを備える構造物の構造物形成方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、3次元(3D)プリント装置(プリンタ)を用いて、構造物を形成することがある。この3Dプリンタにおいては、ノズルから材料を吐出させながらノズルを移動させて層を形成する。この場合、金属を吐出させて構造物を形成するための技術が検討されている(例えば、特許文献1参照。)。この文献に記載の3Dプリンタは、材料を分配するプリント・ヘッダを備える。このプリント・ヘッダは、少なくとも1つのアーク溶接トーチを含む。トーチは、軸方向に伸びる第1ノズルと、ノズル外に配置された先端部を有する軸方向に伸びる非消耗電極と、電極を酸化条件から保護するよう保護ガスをノズルに供給する手段と、先端部内で終端する貫通孔内に配置された細長い非帯電ガイド部とを含む。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2018-103263号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
建設工事等で使用する大型の建設部材を形成する場合、平板の鋼板を切断した後、溶接等により部材を組み立てることがある。この場合、建設部材に、複雑な曲面形状がある場合には、精度よく所望の形状に形成することが難しい。
【0005】
一方、所望の形状に形成するために、上述した3Dプリンタを用いて、金属材料により積層を繰り返して造形することがある。しかしながら、この方法では、大型の建設部材を形成するには、時間が大幅に掛かる。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決する構造物形成方法は、第1領域と第2領域とを備える構造物の形成方法であって、前記第1領域を平板で構成して配置し、3次元プリンタにより、前記第1領域に対する前記第2領域の配置に応じて造形材を積層させながら、前記平板に固着させた前記第2領域を形成する。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、所望の形状の構造物を短時間で形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】実施形態の構造物としての建設部材を説明する正面図である。
図2】実施形態の構造物としての建設部材を説明する斜視図である。
図3】実施形態において構造物の第2領域を形成する3Dプリンタの構成の説明図である。
図4】実施形態におけるハードウェア構成の説明図である。
図5】実施形態における構造物の形成方法を説明する流れ図である。
図6】実施形態における構造物の形成方法を説明する説明図である。
図7】第1変更例の構造物としての建設部材を説明する正面図である。
図8】第1変更例の構造物としての建設部材を説明する斜視図である。
図9】第2変更例における構造物としての建設部材を説明する斜視図である。
図10】第3変更例における構造物としての建設部材を説明する斜視図である。
図11】第4変更例における構造物を説明する斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図1図6を用いて、構造物形成方法を具体化した一実施形態を説明する。本実施形態では、図1及び図2に示す構造物としての建設部材10を形成する形成方法として説明する。
【0010】
(建設部材10の構成)
図1及び図2に示す建設部材10は、金属材料によって構成される。この建設部材10は、平板の平面部材11に、平板の接続部材12を介して曲面部材15を取り付けることにより形成されている。ここで、建設部材10の平面部材11及び接続部材12が第1領域、曲面部材15が第2領域に対応する。
【0011】
具体的には、平面部材11は、建設部材10の上面を形成する長方形の板状部材である。接続部材12は、平面部材11に対して直交する方向(垂直方向)に配置された板状部材であって、平面部材11と溶接により一体化されている。接続部材12は、平面部材11の下面の中央において、平面部材11の長手方向に延在している。この接続部材12の端部12wは、様々な曲率を持つ波線形状を有している。平面部材11及び接続部材12としては、長方形の金属材料で構成されたJIS規格の鋼板を用いる。
【0012】
曲面部材15は、溶融した金属材料を積層することにより形成される積層部である。この曲面部材15は、接続部材12の端部12wの幅よりも広い幅の板部材を、この端部12wの波形に滑らかに沿うように湾曲させたような形状を有する。この曲面部材15は、例えば、図3に示す3Dプリンタ20で形成される。
【0013】
(3Dプリンタ20の構成)
図3に示す3Dプリンタ20は、金属を積層する3次元プリンタである。この3Dプリンタ20は、例えば、WAAM(Wire Arc Additive Manufacturing)方式により実現される。WAAM方式としては、例えば、母材とワイヤとの間のアークを形成しながら、溶滴を母材に移行させることにより、金属線を3次元形状で積層(形成)するCMT(Cold Metal Transfer)技術を用いることができる。
【0014】
この3Dプリンタ20は、金属ワイヤを吐出するノズル21、ロボットアーム22を備える。ノズル21は、取付部を介して、移動手段としてのロボットアーム22に取り付けられる。ノズル21は、積層可能領域25内に設置された母材に対して、後述する金属材料を積層する。ノズル21は、このロボットアーム22に支持され、このロボットアーム22の動きに従って水平方向や上下方向に移動する。ロボットアーム22は、後述する管理装置30の制御部31からの指示によって移動が制御される。
【0015】
(ハードウェア構成例)
図4は、図3の3Dプリンタ20の管理装置30等として機能する情報処理装置H10のハードウェア構成例である。
【0016】
情報処理装置H10は、通信装置H11、入力装置H12、表示装置H13、記憶装置H14及びプロセッサH15を有する。なお、このハードウェア構成は一例であり、他のハードウェアを有していてもよい。
【0017】
通信装置H11は、他の装置との間で通信経路を確立して、データの送受信を実行するインタフェースである。
入力装置H12は、各種情報の入力を受け付ける装置である。
表示装置H13は、各種情報を表示する装置である。
記憶装置H14は、3Dプリンタ20の管理装置30の各種機能を実行するためのデータや各種プログラムを格納する記憶部である。
【0018】
プロセッサH15は、記憶装置H14に記憶されるプログラムやデータを用いて、管理装置30における各処理を制御する。プロセッサH15の一例としては、例えばCPUやMPU等がある。
【0019】
(管理装置30の構成)
次に、図3を用いて、管理装置30の機能を説明する。管理装置30は、制御部31及び設計情報記憶部32を備えている。
【0020】
制御部31は、構造物形成プログラムを実行することにより、構造物の金属材料で構成される積層部(第2領域)を形成するために、ロボットアーム22の動きを制御する処理を実行する。このロボットアーム22の動きによって、積層させる金属の経路に応じてノズル21を移動させる。ここで、制御部31は、金属の積層状況(金属の積層量、積層部の領域の距離、積層時間等)に応じて環境温度の上昇を予測する温度予測関数を備える。そして、制御部31は、この温度予測関数を用いて管理条件温度を超えずに、常に所定の管理条件温度以下で積層(溶接)を行なえるように管理する。
【0021】
設計情報記憶部32には、第2領域を形成するために、3Dプリンタ20の制御情報が記録される。この制御情報は、第2領域を含む構造物の設計を行なった場合に記録される。この制御情報は、3Dプリンタ20を動作させることにより、一連の金属材料で構成される積層部を形成するための情報である。この制御情報には、経路に関する情報等が記録される。
【0022】
経路情報は、3Dプリンタ20のノズル21の移動経路を特定するための情報である。この移動情報は、一連の移動経路について、時系列に、ノード位置(3次元座標)が並べられた情報である。この時系列のノード間を結んだリンク(走行経路)上を、ノズル21を移動させることにより金属積層処理を行なう。
【0023】
(構造物の形成方法)
次に、図5及び図6を用いて、上述した構造物の形成方法を説明する。
まず、平板を所望の形状に形成する(ステップS11)。具体的には、平面部材11及び接続部材12を形成するための鋼板を特定する。この場合、JIS規格等で規格化された市販の鋼板のうち、平面部材11及び接続部材12より少し大きい鋼板を特定する。そして、特定した鋼板を、建設部材10における平面部材11及び接続部材12の形状に切断する。
【0024】
次に、複数の平板を組み合わせる(ステップS12)。
具体的には、図6に示すように、平面部材11の上において、接続部材12を溶接する。これにより、平面部材11の上に、接続部材12が立設された状態の平面構造部材F1が形成される。
【0025】
次に、組み合わせた平板に対して3Dプリンタで金属を積層する(ステップS13)。具体的には、図3の3Dプリンタ20の積層可能領域25に、形成した平面構造部材F1を配置する。この場合、曲面部材15を形成する位置が上面となるように、平面構造部材F1を配置する。
【0026】
そして、3Dプリンタ20の管理装置30の制御部31は、ノズル21の吐出口から金属ワイヤを供給して溶滴を母材(接続部材12等)に移行させながら、制御情報の経路に従って、ロボットアーム22を動かす。この場合、制御部31は、接続部材12の長手方向に往復移動させるような動きをノズル21にさせる。ここで、制御部31は、制御情報による金属の積層状況を監視しながら、金属を溶融させてノズル21を動かす。これにより、接続部材12の端部12wに固定される曲面部材15を形成する。
【0027】
その後、管理装置30の制御部31は、終了判定処理を実行する。この終了判定処理において、設計情報記憶部32に記憶された経路が終了したと判定した場合には、管理装置30の制御部31は、曲面部材15を形成する処理を終了する。
【0028】
(作用)
建設部材10は、平板で構成される平面部材11及び接続部材12と、金属を積層することにより形成される曲面部材15とを備える。3Dプリンタ20は、曲面形状の曲面部材15のみを形成する。
【0029】
本実施形態によれば、以下のような効果を得ることができる。
(1)本実施形態の建設部材10は、平板で構成される平面部材11及び接続部材12と、金属を積層することにより形成される曲面部材15とを備える。板形状を有する平面部材11及び接続部材12は、平板を切り出して製作する一方で、曲面部材15は、3Dプリンタ20で形成する。曲面部材15を平板で形成するためには曲げ加工が必要になるが、曲面部材15を3Dプリンタ20で形成するので、所望の形状を精度よく形成することができる。更に、3Dプリンタ20で形成する範囲を小さくできるので、建設部材10を短時間で形成することができる。
【0030】
(2)本実施形態の3Dプリンタ20は、平面部材11と接続部材12とを組み合わせた平面構造部材F1の端部12wを上に向けた状態で、ノズル21から金属を吐出して曲面部材15を形成する。これにより、安定した状態で曲面部材15を形成することができる。
【0031】
(3)本実施形態の建設部材10は、3Dプリンタ20のノズル21を、長手方向に移動させながら、曲面部材15を形成する。これにより、ノズル21が形成した周囲の温度を低く抑えることができるので、連続して曲面部材15を形成することができる。
【0032】
本実施形態は、以下のように変更して実施することができる。本実施形態及び以下の変更例は、技術的に矛盾しない範囲で互いに組み合わせて実施することができる。
・上記実施形態の建設部材10は、複数の金属で構成される平板の平面部材11及び接続部材12を備える。構造物は、2枚の平板を備える構成に限られず、1枚の平板や3枚以上の平板を備える構成であってもよい。
【0033】
例えば、図7及び図8に示す建設部材40は、平板で構成される平面部材11と、3Dプリンタ20を用いて形成される積層部45とを備える。積層部45は、手前の面が曲面で構成されるブロック形状の接続部材46と、この接続部材46の下面の波形に沿って形成される曲面部材47とを備える。この建設部材40は、建設部材10の平板で構成された接続部材12を、曲面を有するブロック形状で構成される接続部材46に代えた部材である。これにより、このような複雑な曲面形状の接続部材46及び曲面部材47を有する建設部材40を短時間で形成することができる。
【0034】
更に、図9に示す建設部材50は、平板で構成される平面部材11、接続部材52,53及び曲面部材55を備える。接続部材52,53は、同じ形状を有した平板であって、離間した位置で配置されている。そして、接続部材52,53の上端部のそれぞれは、平面部材11に溶接されている。そして、接続部材52,53に渡るように、曲線形状の曲面部材55が、3Dプリンタ20で形成される。
【0035】
・上記実施形態の建設部材10は、平板の接続部材12の片側に、3Dプリンタ20を用いて曲面部材15を形成した。3Dプリンタ20を用いて形成される第2領域は、1つの平板に対して形成される場合に限られず、複数の平板にわたるように形成してもよい。
【0036】
例えば、図10に示す建設部材60を形成してもよい。この建設部材60は、金属によって構成され、同じ形状の2枚のフランジ61,62と、これらを連結するウェブ65とを有する。各フランジ61,62は、規格化された平板の鋼板を、幅がある円弧形状に切断することにより形成される。ウェブ65は、3Dプリンタ20を用いて金属を積層することにより、平板を湾曲させたような曲面形状で形成される。
【0037】
この建設部材60を形成する場合には、まず、3Dプリンタ20の積層可能領域25に、平面の湾曲形状で切り出したフランジ61を配置する。そして、このフランジ61の軸線に沿って、かつこのフランジ61面に対して直交方向(垂直方向)に延在するように、ウェブ65を形成する。ここで、ウェブ65は、湾曲した曲面で形成される。配置されたフランジ61に一体に形成されたウェブ65の先端を、フランジ62の軸線位置に溶接する。
【0038】
また、別の形成方法として、フランジ61,62を連結するようにウェブ65を形成してもよい。具体的には、3Dプリンタ20の積層可能領域25に、フランジ61,62を垂直方向に延在するように立設する。この場合、フランジ61,62は、ウェブ65の大きさの間隔をおいて配置する。そして、これらフランジ61,62を繋ぐように、3Dプリンタ20のノズル21を左右に動かしてウェブ65を形成する。
更に、3Dプリンタ20の積層可能領域25に、建設部材の平板を把持するポジショナ(支持部材)を配置してもよい。この場合、ポジショナを、建設部材の第2領域の積層角度や形状に応じて、3Dプリンタ20のロボットアーム22の動きと連動するようにポジショナを動かして、第2領域を形成してもよい。
【0039】
・上記実施形態の建設部材10では、曲面の曲面部材15を、3Dプリンタ20を用いて構成した。3Dプリンタ20で形成する第2領域は、曲面を形成する場合に限られない。例えば、所望の形状を形成する場合に、板状部材では不足する部分を、3Dプリンタ20で構成してもよい。
【0040】
具体的には、図11に示す構造物70を形成してもよい。この構造物70は、長方形状の板状部材と、この上の四角錐台形状のブロック部とを有した形状を有する。ブロック部は、長方形状の板状部材の上面から、この上面よりも小さく高い位置の中央にある長方形状へと向かって傾斜した傾斜部を有する。構造物70は、金属材料によって構成され、複数の板形状の部材を重ねるとともに、その周囲の傾斜部を第2領域である積層部75で構成する。
【0041】
この構造物70は、複数の平板71,72,73,74を重ね合わせて構成される。各平板71~74は、構造物70の形状に基づいて、構造物70の形成に用いると特定された複数のJIS規格の長方形の板状の鋼板である。この構造物70は、平板71~74の順番で小さくなる長方形形状に切断されて用いられる。そして、平板71~74を、中心を一致させた状態で、大きい順番に下から重ねて一体化させる。この場合、平板72~74の周囲を、その直下の平板71~73に溶接により一体化してもよいし、隣接する平板71~74同士を、固相接合を用いて一体化してもよい。
【0042】
そして、平板71~74が一体化された後、平板71の上面から平板74の上面に向かう傾斜部を形成する第2領域75a,75b,75cを、3Dプリンタ20を用いて形成する。
【0043】
これにより、この形状の構造物70を、3Dプリンタ20のみを用いて形成する場合に比べて効率的に形成することができる。
更に、上記実施形態の建設部材10の曲面部材15の一部に、平板で形成できる部分がある場合は、この部分を平板で更に形成するとともに、その他の部分を、3Dプリンタ20で形成してもよい。これにより、曲面部材15のすべてを3Dプリンタ20で形成しないので、建設部材10を迅速に形成することができる。
【0044】
・上記実施形態の建設部材10は、平面部材11に対して接続部材12を溶接により固定した。板部材同士の固定は、溶接に限られず、例えば、切り込み同士を組み合わせて固定したり、凹凸形状を形成して固定したりしてもよい。
【0045】
・上記実施形態の建設部材10は、金属材料で構成した。第1領域及び第2領域を備える構造物は、金属材料で構成される場合に限られない。例えば、金属材料と同じように、既に吐出された材料の一部が、後から吐出された材料の熱で溶融されて一体化して積層可能な造形材(例えば、合成樹脂材料)を用いてもよい。
【0046】
次に、上記実施形態及び別例から把握できる技術的思想について、以下に追記する。
(a)複数の前記平板を、前記第2領域を介して固定することを特徴とする請求項1に記載の構造物形成方法。
【0047】
(b)第1領域と第2領域とを備える構造物の形成方法であって、
前記構造物において、平板によって形成可能な第1領域を特定し、
前記第1領域を構成する前記平板を配置し、
3次元プリンタにより、前記第1領域に対する前記第2領域の配置に応じて造形材を積層させながら、前記平板に固着させた前記第2領域を形成することを特徴とする構造物形成方法。
【符号の説明】
【0048】
F1…平面構造部材、10,40,50,60…構造物としての建設部材、11…第1領域としての平面部材、12,46,52,53…第1領域としての接続部材、12w…端部、15,47,55…第2領域としての曲面部材、20…3次元プリンタ、21…ノズル、22…ロボットアーム、25…積層可能領域、30…管理装置、31…制御部、32…設計情報記憶部、45,75…第2領域としての積層部、61,62…フランジ、65…ウェブ、70…構造物、71,72,73,74…平板、75a,75b,75c…第2領域。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11