(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024140575
(43)【公開日】2024-10-10
(54)【発明の名称】包装袋
(51)【国際特許分類】
B65D 65/40 20060101AFI20241003BHJP
B32B 27/34 20060101ALI20241003BHJP
【FI】
B65D65/40 D
B32B27/34
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023051766
(22)【出願日】2023-03-28
(71)【出願人】
【識別番号】000002141
【氏名又は名称】住友ベークライト株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100165179
【弁理士】
【氏名又は名称】田▲崎▼ 聡
(74)【代理人】
【識別番号】100194250
【弁理士】
【氏名又は名称】福原 直志
(74)【代理人】
【識別番号】100181722
【弁理士】
【氏名又は名称】春田 洋孝
(74)【代理人】
【識別番号】100140718
【弁理士】
【氏名又は名称】仁内 宏紀
(72)【発明者】
【氏名】油家 佑紀
【テーマコード(参考)】
3E086
4F100
【Fターム(参考)】
3E086AA01
3E086AB01
3E086AD01
3E086BA04
3E086BA15
3E086BB05
3E086BB51
3E086BB58
3E086BB85
3E086BB90
3E086CA15
4F100AK46A
4F100AK46B
4F100AK46C
4F100AK48A
4F100AK48B
4F100AK48C
4F100BA03
4F100BA06
4F100CA17A
4F100CA17C
4F100EH20
4F100GB15
4F100JK16
(57)【要約】
【課題】包装袋を複数重ねても端部を重ねた部分が嵩張らない包装袋の提供。
【解決手段】樹脂フィルム同士を溶断して得られた溶着部を有する包装袋であって、前記樹脂フィルムは、ポリアミドを含み、前記包装袋の前記溶着部の幅が、300μm以下である、包装袋。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
樹脂フィルム同士を溶断して得られた溶着部を有する包装袋であって、
前記樹脂フィルムは、ポリアミドを含み、
前記包装袋の前記溶着部の幅が、300μm以下である、包装袋。
【請求項2】
前記溶着部が、CIE1976L*a*b*表色系により規定される座標において、明度L*が、-25以上-17以下であり、色度a*が、-1以上1以下であり、色度b*が、8.5以上10.5以下である、請求項1に記載の包装袋。
【請求項3】
前記溶着部が、前記樹脂フィルムの炭化物片を有し、
前記炭化物片の大きさが、50μm以上1000μm以下である、請求項1又は2に記載の包装袋。
【請求項4】
前記樹脂フィルムは、前記ポリアミド以外に、さらにアンチブロッキング剤を含み、
前記樹脂フィルムにおいて、前記樹脂フィルムの両方の表面側の領域に前記アンチブロッキング剤が存在している、請求項1に記載の包装袋。
【請求項5】
前記樹脂フィルムが、積層フィルムであり、
前記積層フィルムは、内層と、中間層と、外層と、がこの順に、これらの厚さ方向において積層されて構成され、
前記内層及び前記外層は、ポリアミド及びアンチブロッキング剤を含み、
前記中間層は、ポリアミドを含む、請求項1に記載の包装袋。
【請求項6】
前記ポリアミドが、未延伸のポリアミドである、請求項4又は5に記載の包装袋。
【請求項7】
前記ポリアミドが、6-ナイロン、66-ナイロン及び6-ナイロンと66-ナイロンとのコポリマーからなる群より選択される1種又は2種以上である、請求項4又は5に記載の包装袋。
【請求項8】
前記内層同士の間の動摩擦係数が、0.3以上0.5以下である、請求項5に記載の包装袋。
【請求項9】
前記外層同士の間の動摩擦係数が、0.3以上0.5以下である、請求項5に記載の包装袋。
【請求項10】
前記樹脂フィルムの厚さが、20μm以上である、請求項1に記載の包装袋。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、包装袋に関する。
【背景技術】
【0002】
目的物を収容して保存するために、種々の保存用の包装体が用いられている。例えば、保存対象物が食品等の経口摂取されるものである場合には、この対象物を、良好な品質を維持しながら保存できることが求められ、このような目的を達成するための包装体が開示されている(特許文献1参照)。
【0003】
例えば、ジャガイモ等の根菜類の包装に使用される包装用材料には、食品の味・鮮度等といった品質の保証の点から、酸素の透過を防止する酸素バリア性が要求される。
【0004】
また、包装袋に、内容物を収容し保管した場合、内容物の水分により包装袋の内部に曇りや結露が生じ、外観を損なうことがある。例えば、青果物用の包装袋としては、特許文献2に記載のものがある。特許文献2には、細孔を有する熱可塑性樹脂多孔膜層を用いた多層フィルムが記載され、当該多層フィルムの表面に防曇性を付与することが開示されている。
【0005】
包装袋は、例えば、樹脂フィルム同士の端面を熱により貼り合わせながら袋の形に仕上げることによって製造することが一般的である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平9-252718号公報
【特許文献2】特開2005-144830号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、樹脂フィルム同士の端面を熱により貼り合わせた場合、包装袋を複数重ねた際に、端部を重ねた部分が厚くなることで嵩張るという問題があった。
【0008】
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、包装袋を複数重ねても端部を重ねた部分が嵩張らない包装袋を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するため、本発明は、以下の構成を採用する。
[1].樹脂フィルム同士を溶断して得られた溶着部を有する包装袋であって、前記樹脂フィルムは、ポリアミドを含み、前記包装袋の前記溶着部の幅が、300μm以下である、包装袋。
[2].前記溶着部が、CIE1976L*a*b*表色系により規定される座標において、明度L*が、-25以上-17以下であり、色度a*が、-1以上1以下であり、色度b*が、8.5以上10.5以下である、[1]に記載の包装袋。
[3].前記溶着部が、前記樹脂フィルムの炭化物片を有し、前記炭化物片の大きさが、50μm以上1000μm以下である、[1]又は[2]に記載の包装袋。
[4].前記樹脂フィルムは、前記ポリアミド以外に、さらにアンチブロッキング剤を含み、前記樹脂フィルムにおいて、前記樹脂フィルムの両方の表面側の領域に前記アンチブロッキング剤が存在している、[1]~[3]のいずれか1つに記載の包装袋。
[5].前記樹脂フィルムが、積層フィルムであり、前記積層フィルムは、内層と、中間層と、外層と、がこの順に、これらの厚さ方向において積層されて構成され、前記内層及び前記外層は、ポリアミド及びアンチブロッキング剤を含み、前記中間層は、ポリアミドを含む、[1]~[4]のいずれか1つに記載の包装袋。
[6].前記ポリアミドが、未延伸のポリアミドである、[1]~[5]のいずれか1つに記載の包装袋。
[7].前記ポリアミドが、6-ナイロン、66-ナイロン及び6-ナイロンと66-ナイロンとのコポリマーからなる群より選択される1種又は2種以上である、[1]~[6]のいずれか1つに記載の包装袋。
[8].前記内層同士の間の動摩擦係数が、0.3以上0.5以下である、[5]に記載の包装袋。
[9].前記外層同士の間の動摩擦係数が、0.3以上0.5以下である、[5]に記載の包装袋。
[10].前記樹脂フィルムの厚さが、20μm以上である、[1]~[9]のいずれか1つに記載の包装袋。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、包装袋を複数重ねても端部を重ねた部分が嵩張らない包装袋が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】本発明の一実施形態に係る包装袋を構成する樹脂フィルムの一例を模式的に示す断面図である。
【
図2】本発明の一実施形態に係る包装袋を構成する樹脂フィルムの他の例を模式的に示す断面図である。
【
図3】本発明の一実施形態に係る包装袋の一例を模式的に示す断面図である。
【
図4】本発明の一実施形態に係る包装袋の溶着部の識別方法の例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
<<樹脂フィルム>>
本発明の一実施形態に係る包装袋は、樹脂フィルム同士を溶断して得られた溶着部を有する包装袋であって、前記樹脂フィルムは、ポリアミドを含み、前記包装袋の前記溶着部の幅が、300μm以下である。
前記樹脂フィルムは、前記ポリアミド以外に、さらにアンチブロッキング剤を含んでいてもよい。前記樹脂フィルムにおいて、前記樹脂フィルムの両方の表面側の領域に前記アンチブロッキング剤が存在していることが好ましい。
前記樹脂フィルムは、積層フィルムであってもよい。前記積層フィルムは、内層と、中間層と、外層と、がこの順に、これらの厚さ方向において積層されて構成されていてもよい。前記内層及び前記外層は、ポリアミド及びアンチブロッキング剤を含んでいることが好ましく、前記中間層は、ポリアミドを含んでいることが好ましい。
【0013】
以下、図面を参照しながら、本発明について詳細に説明する。なお、以降の説明で用いる図は、本発明の特徴を分かり易くするために、便宜上、要部となる部分を拡大して示している場合があり、各構成要素の寸法比率等が実際と同じであるとは限らない。
【0014】
図1は、本実施形態の包装袋を構成する樹脂フィルムの一例を模式的に示す断面図である。
【0015】
樹脂フィルム1は、透明性を有することが好ましい。
【0016】
樹脂フィルム1は、ポリアミドを含む。樹脂フィルム1がポリアミドを含むことで、樹脂フィルム1の酸素バリア性及び防曇性を向上させることができるとともに、樹脂フィルム1を低コストで製造することができる。また、ポリアミドは透明性が高いため、樹脂フィルム1の透明性を向上させることができる。
【0017】
前記ポリアミドは、未延伸のポリアミドであることが好ましい。樹脂フィルム1が未延伸のポリアミドを含むことで、樹脂フィルム1の破袋耐性をより向上させることができる。また、未延伸のポリアミドは剛性が低いため、樹脂フィルム1を用いて構成された包装袋において、バックシール部の巻き戻りがより抑制される。
樹脂フィルム1は、芳香族環を有しないポリアミド(本明細書においては、「非芳香族系ポリアミド」と称することがある)を含むことが好ましい。
【0018】
前記芳香族環を有しないポリアミド(非芳香族系ポリアミド)としては、例えば、環状ラクタム(環員数が3以上のラクタム)、アミノ酸、又はジアミンとジカルボン酸との反応で得られたナイロン塩を、重合又は共重合することによって得られたポリアミド等が挙げられる。
【0019】
前記環状ラクタムとしては、例えば、ε-カプロラクタム、ω-エナントラクタム、ω-ラウロラクタム、α-ピロリドン、α-ピペリドン等が挙げられる。
【0020】
前記アミノ酸としては、例えば、6-アミノカプロン酸、7-アミノヘプタン酸、9-アミノノナン酸、11-アミノウンデカン酸、12-アミノドデカン酸等が挙げられる。
【0021】
前記ナイロン塩を形成する前記ジアミンとしては、例えば、テトラメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ヘプタメチレンジアミン、オクタメチレンジアミン、ノナメチレンジアミン、デカメチレンジアミン、ウンデカメチレンジアミン、ドデカメチレンジアミン、2,2,4-トリメチルヘキサメチレンジアミン、2,4,4-トリメチルヘキサメチレンジアミン等の脂肪族アミン;
1,3-ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、1,4-ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、イソホロンジアミン、ピペラジン、ビス(4-アミノシクロヘキシル)メタン、2,2-ビス-(4-アミノシクロヘキシル)プロパン等の脂環族ジアミン等が挙げられる。
【0022】
前記ナイロン塩を形成する前記ジカルボン酸としては、例えば、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セパチン酸、ウンデカンジオン酸、及びドデカンジオン酸等の脂肪族ジカルボン酸;
ヘキサヒドロテレフタル酸、及びヘキサヒドロイソフタル酸等の脂環族カルボン酸等が挙げられる。
【0023】
前記ポリアミドとして、より具体的には、例えば、4-ナイロン、6-ナイロン、7-ナイロン、11-ナイロン、12-ナイロン、46-ナイロン、66-ナイロン、69-ナイロン、610-ナイロン、611-ナイロン、612-ナイロン、6T-ナイロン、6Iナイロン、6-ナイロンと66-ナイロンとのコポリマー(ナイロン6/66)、6-ナイロンと610-ナイロンとのコポリマー、6-ナイロンと611-ナイロンとのコポリマー、6-ナイロンと12-ナイロンとのコポリマー(ナイロン6/12)、6-ナイロンと612ナイロンとのコポリマー、6-ナイロンと6T-ナイロンとのコポリマー、6-ナイロンと6I-ナイロンとのコポリマー、6-ナイロンと66-ナイロンと610-ナイロンとのコポリマー、6-ナイロンと66-ナイロンと12-ナイロンとのコポリマー(ナイロン6/66/12)、6-ナイロンと66-ナイロンと612-ナイロンとのコポリマー、66-ナイロンと6T-ナイロンとのコポリマー、66-ナイロンと6I-ナイロンとのコポリマー、6T-ナイロンと6I-ナイロンとのコポリマー、66-ナイロンと6T-ナイロンと6I-ナイロンとのコポリマー等が挙げられる。
【0024】
樹脂フィルム1が含むポリアミドは、1種のみであってもよいし、2種以上であってもよく、2種以上である場合、それらの組み合わせ及び比率は、目的に応じて任意に選択できる。
【0025】
前記ポリアミドは、耐熱性、機械的強度、及び入手の容易さ等の点においては、6-ナイロン(本明細書においては、「Ny6」と略記することがある)、12-ナイロン、66-ナイロン、ナイロン6/66、ナイロン6/12及びナイロン6/66/12からなる群より選択される1種又は2種以上であることが好ましく、6-ナイロン、66-ナイロン及びナイロン6/66からなる群より選択される1種又は2種以上であることがより好ましく、低コストの観点から、6-ナイロンであることがさらに好ましい。
【0026】
樹脂フィルム1は、ポリアミドの他に、アンチブロッキング剤を含むことが好ましい。樹脂フィルム1が、アンチブロッキング剤を含むことで、樹脂フィルム1を用いて構成された包装体の口開き不良及び袋同士の密着がより抑制される。
【0027】
アンチブロッキング剤としては、例えば、天然シリカ、合成シリカ、珪酸塩等が挙げられる。アンチブロッキング剤の形状としては、例えば、球形、楕円形、その他不定形状等が挙げられる。
【0028】
アンチブロッキング剤の平均粒子径は、0.5~20μmであることが好ましく、0.6~19μmであることがより好ましく、2~10μmであることがさらに好ましい。アンチブロッキング剤の平均粒子径を、前記下限値以上とすることで、樹脂フィルム1を用いて構成された包装体の口開き不良及び袋同士の密着がより抑制される。アンチブロッキング剤の平均粒子径を、前記上限値以下とすることで、アンチブロッキング剤の過剰使用がより抑制される。
【0029】
本明細書においては、アンチブロッキング剤の場合に限らず、「平均粒子径」とは、特に断りのない限り、レーザー回折式粒度分布測定法によって、粒子の粒度分布を体積基準で測定したときの、粒子の50%累積時の粒子径(D50)を意味する。
【0030】
樹脂フィルム1が含むアンチブロッキング剤は、1種のみであってもよいし、2種以上であってもよく、2種以上である場合、それらの組み合わせ及び比率は、目的に応じて任意に選択できる。
【0031】
樹脂フィルム1において、樹脂フィルム1の両方の表面側の領域にアンチブロッキング剤が存在していてもよい。これにより、樹脂フィルム1を用いて構成された包装体の口開き不良及び袋同士の密着がより抑制される。
【0032】
アンチブロッキング剤は、樹脂フィルム1の厚さに対して、樹脂フィルム1の両方の表面から40%までの深さの領域に存在していることが好ましく、30%までの深さの領域に存在していることがより好ましく、20%までの深さの領域に存在していることがさらに好ましい。アンチブロッキング剤が、樹脂フィルム1の厚さに対して、樹脂フィルム1の両方の表面から前記上限値以下の深さの領域に存在していることで、樹脂フィルム1を用いて構成された包装体の口開き不良及び袋同士の密着がより抑制される。
【0033】
樹脂フィルム1において、樹脂フィルム1の総質量に対する、前記アンチブロッキング剤の含有量の割合は、0.0016~0.32質量%であることが好ましく、0.0048~0.16質量%であることがより好ましく、0.048~0.112質量%であることがさらに好ましい。
前記割合を前記下限値以上とすることで、樹脂フィルム1を用いて構成された包装体の口開き不良及び袋同士の密着がより抑制される。前記割合を前記上限値以下とすることで、アンチブロッキング剤の過剰使用がより抑制される。
【0034】
樹脂フィルム1は、ポリアミド及びアンチブロッキング剤のみを含んでいてもよい(すなわち、ポリアミド及びアンチブロッキング剤からなるものであってもよい)し、ポリアミド及びアンチブロッキング剤と、それ以外の成分(本明細書においては、「他の成分」と称することがある)を含んでいてもよい(すなわち、ポリアミド及びアンチブロッキング剤と、前記他の成分と、からなるものであってもよい)。
【0035】
樹脂フィルム1が含む前記他の成分は、特に限定されず、目的に応じて任意に選択でき、例えば、樹脂成分及び非樹脂成分のいずれであってもよい。
樹脂成分である前記他の成分は芳香族系ポリアミドと、非芳香族系ポリアミドと、のいずれにも該当しない樹脂(すなわち、ポリアミド以外の樹脂)である。
樹脂成分である前記他の成分は、1種のモノマーの重合体である単独重合体であってもよいし、2種以上のモノマーの重合体である共重合体であってもよい。
【0036】
非樹脂成分である前記他の成分としては、例えば、当該分野で公知の添加剤が挙げられる。
前記添加剤としては、例えば、防曇剤、酸化防止剤、帯電防止剤、結晶核剤、無機粒子、減粘剤、増粘剤、熱安定化剤、滑剤、赤外線吸収剤、紫外線吸収剤等が挙げられる。
【0037】
樹脂フィルム1が含む前記他の成分は、1種のみであってもよいし、2種以上であってもよく、2種以上である場合、それらの組み合わせ及び比率は、目的に応じて任意に選択できる。
【0038】
樹脂フィルム1における、樹脂フィルム1の総質量(質量部)に対する、ポリアミドの含有量(質量部)の割合([樹脂フィルム1のポリアミドの含有量(質量部)]/[樹脂フィルム1の総質量(質量部)]×100)は、80質量%以上であることが好ましく、90質量%以上であることがより好ましく、95質量%以上であることがさらに好ましく、例えば、97質量%以上、及び99質量%以上のいずれかであってもよい。前記割合が前記下限値以上であることで、樹脂フィルム1の酸素バリア性及び防曇性をより向上させることができるとともに、樹脂フィルム1をより低コストで製造することができる。また、樹脂フィルム1の厚さのばらつきを抑え、皺を入りにくくする効果をより向上させることができる。さらに、樹脂フィルム1の透明性をより向上させることができる。
一方、前記割合は、99質量%以下である。
前記割合は、通常、後述する樹脂フィルム形成用樹脂組成物における、常温で気化しない成分の総含有量(質量部)に対する、ポリアミドの含有量(質量部)の割合([樹脂フィルム形成用樹脂組成物のポリアミドの含有量(質量部)])/[樹脂フィルム形成用樹脂組成物の常温で気化しない成分の総含有量(質量部)]×100)、と同じである。
【0039】
樹脂フィルム1は、1層(単層)からなるものであってもよいし、2層以上の複数層からなるものであってもよい。樹脂フィルム1が複数層からなる場合、これら複数層は互いに同一でも異なっていてもよく、これら複数層の組み合わせは、本発明の効果を損なわない限り、特に限定されない。
【0040】
樹脂フィルム1は、本発明の効果を損なわない範囲で、他の層を備えていてもよい。
樹脂フィルム1が備える前記他の層は、本実施形態の樹脂フィルムに該当しないものであれば、特に限定されず、例えば、樹脂を含む樹脂層であってもよいし、樹脂を含まない非樹脂層であってもよい。
【0041】
本実施形態の包装袋は、前記樹脂フィルムが、積層フィルムであり、前記積層フィルムは、内層と、中間層と、外層と、がこの順に、これらの厚さ方向において積層されて構成され、前記内層及び前記外層は、ポリアミド及びアンチブロッキング剤を含み、前記中間層は、ポリアミドを含んでいてもよい。
このような積層フィルムとしては、例えば、
図1に示す樹脂フィルム1が、3層以上からなり、その両方の最外層がポリアミド及びアンチブロッキング剤を含み、これら最外層の間に配置されている1層又は2層以上がポリアミドを含む樹脂フィルムが挙げられる。
【0042】
図2は、本実施形態の包装袋を構成する樹脂フィルムの他の例を模式的に示す断面図である。
なお、
図2以降の図において、既に説明済みの図に示すものと同じ構成要素には、その説明済みの図の場合と同じ符号を付し、その詳細な説明は省略する。
【0043】
ここに示す積層フィルム2は、内層11と、中間層12と、外層13と、がこの順に、これらの厚さ方向において積層されて構成されている。
以下、各層について説明する。
【0044】
<内層>
内層11は、積層フィルム2に酸素バリア性及び防曇性を付与するとともに、
図3に示されるように、内層11,11同士の一部が溶着されて、後述する収容空間Sを形成し、包装袋を構成する。
内層11は、積層フィルム2の一方の最表層であり、積層フィルム2を構成する各層の積層方向において、一方の最も外側に配置されている。
【0045】
内層11は、透明性を有することが好ましい。
【0046】
内層11は、ポリアミド及びアンチブロッキング剤を含むことが好ましい。
内層11が含むポリアミドとしては、先に説明した、樹脂フィルム1が含むポリアミドと同じものが挙げられる。
内層11が含むアンチブロッキング剤としては、先に説明した、樹脂フィルム1が含むアンチブロッキング剤と同じものが挙げられる。
【0047】
アンチブロッキング剤は、内層11中で均一に存在していてもよいし、不均一に存在していてもよい。不均一に存在している場合は、アンチブロッキング剤は、内層11の中間層12とは反対側の表面側の領域に偏在していることが好ましい。
【0048】
内層11において、内層11の総質量に対する、前記アンチブロッキング剤の含有量の割合は、0.01~2質量%であることが好ましく、0.03~1質量%であることがより好ましく、0.3~0.7質量%であることがさらに好ましい。前記割合を前記下限値以上とすることで、積層フィルム2を用いて構成された包装体の口開き不良がより抑制される。前記割合を前記上限値以下とすることで、アンチブロッキング剤の過剰使用がより抑制される。
【0049】
内層11は、ポリアミド及びアンチブロッキング剤のみを含んでいてもよい(すなわち、ポリアミド及びアンチブロッキング剤からなるものであってもよい)し、ポリアミド及びアンチブロッキング剤と、それ以外の成分(本明細書においては、「他の成分」と称することがある)を含んでいてもよい(すなわち、ポリアミド及びアンチブロッキング剤と、前記他の成分と、からなるものであってもよい)。
【0050】
内層11が含む前記他の成分としては、先に説明した、樹脂フィルム1が含む他の成分と、同じものが挙げられる。
【0051】
内層11における、内層11の総質量(質量部)に対する、ポリアミドの含有量(質量部)の割合([内層11のポリアミドの含有量(質量部)]/[内層11の総質量(質量部)]×100)は、80質量%以上であることが好ましく、90質量%以上であることがより好ましく、95質量%以上であることがさらに好ましく、例えば、97質量%以上、及び99質量%以上のいずれかであってもよい。前記割合が前記下限値以上であることで、内層11の酸素バリア性及び防曇性をより向上させることができるとともに、積層フィルム2をより低コストで製造することができる。また、積層フィルム2の厚さのばらつきを抑え、皺を入りにくくする効果をより向上させることができる。さらに、積層フィルム2の透明性をより向上させることができる。
一方、前記割合は、99質量%以下である。
前記割合は、通常、後述する内層形成用樹脂組成物における、常温で気化しない成分の総含有量(質量部)に対する、ポリアミドの含有量(質量部)の割合([内層形成用樹脂組成物のポリアミドの含有量(質量部)])/[内層形成用樹脂組成物の常温で気化しない成分の総含有量(質量部)]×100)、と同じである。
【0052】
内層11は、1層(単層)からなるものであってもよいし、2層以上の複数層からなるものであってもよい。内層11が複数層からなる場合、これら複数層は互いに同一でも異なっていてもよく、これら複数層の組み合わせは、本発明の効果を損なわない限り、特に限定されない。
【0053】
内層11の厚さは積層フィルム2の用途に応じて任意に設定でき、特に限定されない。
内層11の厚さは、2~20μmであることが好ましく、3~15μmであることがより好ましく、4~12μmであることがさらに好ましい。
内層11の厚さが前記下限値以上であることで、内層11を備えていることにより得られる効果がより高くなる。内層11の厚さが前記上限値以下であることで、内層11の厚さが過剰となることがより抑制される。また、内層11の厚さが薄くなるほど、包装袋の透明性が向上し、包装袋の外部からの収納物の視認がより容易となる。
内層11が複数層からなる場合には、これら複数層の合計の厚さが、上記の数値範囲内であることが好ましい。
【0054】
積層フィルム2全体の厚さに対する、内層11の厚さの割合([内層11の厚さ])/[積層フィルム2全体の厚さ]×100)は、特に限定されないが、1~50%であることが好ましく、1~45%であることがより好ましく、5~30%であることがさらに好ましく、例えば、10~15%であってもよい。
前記割合が前記下限値以上であることで、内層11を備えていることにより得られる効果がより高くなる。前記割合が前記上限値以下であることで、内層11の厚さが過剰となることがより抑制される。また、内層11の厚さが薄くなるほど、包装袋の透明性が向上し、包装袋の外部からの収納物の視認がより容易となる。
内層11が複数層からなる場合には、積層フィルム2全体の厚さに対する、これら複数層の合計の厚さの割合が、上記の数値範囲内であることが好ましい。
【0055】
<中間層>
中間層12は、積層フィルム2に酸素バリア性及び防曇性を付与する。
中間層12は、積層フィルム2において、内層11と外層13との間に配置されている。
【0056】
中間層12は、透明性を有することが好ましい。
【0057】
中間層12は、ポリアミドを含むことが好ましい。
中間層12が含むポリアミドとしては、先に説明した、樹脂フィルム1が含むポリアミドと同じものが挙げられる。
【0058】
中間層12が含むポリアミドと、内層11が含むポリアミドは、互いに同一であってもよいし、互いに異なっていてもよい。
【0059】
中間層12は、ポリアミドのみを含んでいてもよい(すなわち、ポリアミドからなるものであってもよい)し、ポリアミドと、それ以外の成分(本明細書においては、「他の成分」と称することがある)を含んでいてもよい(すなわち、ポリアミドと、前記他の成分と、からなるものであってもよい)。
【0060】
中間層12が含む前記他の成分は、特に限定されず、目的に応じて任意に選択でき、例えば、樹脂成分及び非樹脂成分のいずれであってもよい。
樹脂成分である前記他の成分は芳香族系ポリアミドと、非芳香族系ポリアミドと、のいずれにも該当しない樹脂(すなわち、ポリアミド以外の樹脂)である。
樹脂成分である前記他の成分は、1種のモノマーの重合体である単独重合体であってもよいし、2種以上のモノマーの重合体である共重合体であってもよい。
【0061】
非樹脂成分である前記他の成分としては、例えば、当該分野で公知の添加剤が挙げられる。
前記添加剤としては、例えば、防曇剤、アンチブロッキング剤、酸化防止剤、帯電防止剤、結晶核剤、無機粒子、減粘剤、増粘剤、熱安定化剤、滑剤、赤外線吸収剤、紫外線吸収剤等が挙げられる。
【0062】
中間層12が含む前記他の成分は、1種のみであってもよいし、2種以上であってもよく、2種以上である場合、それらの組み合わせ及び比率は、目的に応じて任意に選択できる。
【0063】
中間層12における、中間層12の総質量(質量部)に対する、ポリアミドの含有量(質量部)の割合([中間層12のポリアミドの含有量(質量部)]/[中間層12の総質量(質量部)]×100)は、80質量%以上であることが好ましく、90質量%以上であることがより好ましく、95質量%以上であることがさらに好ましく、例えば、97質量%以上、及び99質量%以上のいずれかであってもよい。前記割合が前記下限値以上であることで、中間層12の酸素バリア性及び防曇性をより向上させることができるとともに、積層フィルム2をより低コストで製造することができる。また、積層フィルム2の厚さのばらつきを抑え、皺を入りにくくする効果をより向上させることができる。さらに、積層フィルム2の透明性をより向上させることができる。
一方、前記割合は、100質量%以下である。
前記割合は、通常、後述する中間層形成用樹脂組成物における、常温で気化しない成分の総含有量(質量部)に対する、ポリアミドの含有量(質量部)の割合([中間層形成用樹脂組成物のポリアミドの含有量(質量部)])/[中間層形成用樹脂組成物の常温で気化しない成分の総含有量(質量部)]×100)、と同じである。
【0064】
中間層12は、1層(単層)からなるものであってもよいし、2層以上の複数層からなるものであってもよい。中間層12が複数層からなる場合、これら複数層は互いに同一でも異なっていてもよく、これら複数層の組み合わせは、本発明の効果を損なわない限り、特に限定されない。
【0065】
中間層12の厚さは積層フィルム2の用途に応じて任意に設定でき、特に限定されない。
中間層12の厚さは、15~36μmであることが好ましく、18~24μmであることがより好ましく、20~27μmであることがさらに好ましい。
中間層12の厚さが前記下限値以上であることで、中間層12を備えていることにより得られる効果がより高くなる。中間層12の厚さが前記上限値以下であることで、中間層12の厚さが過剰となることがより抑制される。また、中間層12の厚さが薄くなるほど、包装袋の透明性が向上し、包装袋の外部からの収納物の視認がより容易となる。
中間層12が複数層からなる場合には、これら複数層の合計の厚さが、上記の数値範囲内であることが好ましい。
【0066】
積層フィルム2全体の厚さに対する、中間層12の厚さの割合([中間層12の厚さ])/[積層フィルム2全体の厚さ]×100)は、特に限定されないが、50~90%であることが好ましく、55~85%であることがより好ましく、60~80%であることがさらに好ましく、例えば、65~75%であってもよい。
前記割合が前記下限値以上であることで、中間層12を備えていることにより得られる効果がより高くなる。前記割合が前記上限値以下であることで、中間層12の厚さが過剰となることがより抑制される。また、中間層12の厚さが薄くなるほど、包装袋の透明性が向上し、包装袋の外部からの収納物の視認がより容易となる。
中間層12が複数層からなる場合には、積層フィルム2全体の厚さに対する、これら複数層の合計の厚さの割合が、上記の数値範囲内であることが好ましい。
【0067】
<外層>
外層13は、積層フィルム2に酸素バリア性及び防曇性を付与するとともに、積層フィルム2を構成する、外層13以外の層を保護するための層である。
外層13は、積層フィルム2の一方の最表層であり、積層フィルム2を構成する各層の積層方向において、一方の最も外側に配置されている。
【0068】
外層13は、透明性を有することが好ましい。
【0069】
外層13は、ポリアミド及びアンチブロッキング剤を含むことが好ましい。
外層13が含むポリアミドとしては、先に説明した、樹脂フィルム1が含むポリアミドと同じものが挙げられる。
外層13が含むアンチブロッキング剤としては、先に説明した、樹脂フィルム1が含むアンチブロッキング剤と同じものが挙げられる。
【0070】
外層13が含むポリアミドと、内層11が含むポリアミドは、互いに同一であってもよいし、互いに異なっていてもよい。
外層13が含むアンチブロッキング剤と、内層11が含むアンチブロッキング剤は、互いに同一であってもよいし、互いに異なっていてもよい。
【0071】
アンチブロッキング剤は、外層13中で均一に存在していてもよいし、不均一に存在していてもよい。不均一に存在している場合は、アンチブロッキング剤は、外層13の中間層12とは反対側の表面側の領域に偏在していることが好ましい。
【0072】
外層13において、外層13の総質量に対する、アンチブロッキング剤の含有量の割合は、0.01~2質量%であることが好ましく、0.03~1質量%であることがより好ましく、0.3~0.7質量%であることがさらに好ましい。前記割合を前記下限値以上とすることで、積層フィルム2を用いて構成された包装体の袋同士の密着がより抑制される。前記割合を前記上限値以下とすることで、アンチブロッキング剤の過剰使用がより抑制される。
【0073】
外層13は、ポリアミド及びアンチブロッキング剤のみを含んでいてもよい(すなわち、ポリアミド及びアンチブロッキング剤からなるものであってもよい)し、ポリアミド及びアンチブロッキング剤と、それ以外の成分(本明細書においては、「他の成分」と称することがある)を含んでいてもよい(すなわち、ポリアミド及びアンチブロッキング剤と、前記他の成分と、からなるものであってもよい)。
【0074】
外層13が含む前記他の成分としては、先に説明した、樹脂フィルム1が含む他の成分と、同じものが挙げられる。
【0075】
外層13における、外層13の総質量(質量部)に対する、ポリアミドの含有量(質量部)の割合([外層13のポリアミドの含有量(質量部)]/[外層13の総質量(質量部)]×100)は、80質量%以上であることが好ましく、90質量%以上であることがより好ましく、95質量%以上であることがさらに好ましく、例えば、97質量%以上、及び99質量%以上のいずれかであってもよい。前記割合が前記下限値以上であることで、外層13の酸素バリア性及び防曇性をより向上させることができるとともに、積層フィルム2をより低コストで製造することができる。また、積層フィルム2の厚さのばらつきを抑え、皺を入りにくくする効果をより向上させることができる。さらに、積層フィルム2の透明性をより向上させることができる。
一方、前記割合は、99質量%以下である。
前記割合は、通常、後述する外層形成用樹脂組成物における、常温で気化しない成分の総含有量(質量部)に対する、ポリアミドの含有量(質量部)の割合([外層形成用樹脂組成物のポリアミドの含有量(質量部)])/[外層形成用樹脂組成物の常温で気化しない成分の総含有量(質量部)]×100)、と同じである。
【0076】
外層13は、1層(単層)からなるものであってもよいし、2層以上の複数層からなるものであってもよい。外層13が複数層からなる場合、これら複数層は互いに同一でも異なっていてもよく、これら複数層の組み合わせは、本発明の効果を損なわない限り、特に限定されない。
【0077】
外層13の厚さは積層フィルム2の用途に応じて任意に設定でき、特に限定されない。
外層13の厚さは、2~20μmであることが好ましく、3~15μmであることがより好ましく、4~12μmであることがさらに好ましい。
外層13の厚さが前記下限値以上であることで、外層13を備えていることにより得られる効果がより高くなる。外層13の厚さが前記上限値以下であることで、外層13の厚さが過剰となることがより抑制される。また、外層13の厚さが薄くなるほど、包装袋の透明性が向上し、包装袋の外部からの収納物の視認がより容易となる。
外層13が複数層からなる場合には、これら複数層の合計の厚さが、上記の数値範囲内であることが好ましい。
【0078】
積層フィルム2全体の厚さに対する、外層13の厚さの割合([外層13の厚さ])/[積層フィルム2全体の厚さ]×100)は、特に限定されないが、7~67%であることが好ましく、10~50%であることがより好ましく、13~40%であることがさらに好ましく、例えば、13~20%であってもよい。
前記割合が前記下限値以上であることで、外層13を備えていることにより得られる効果がより高くなる。前記割合が前記上限値以下であることで、外層13の厚さが過剰となることがより抑制される。また、外層13の厚さが薄くなるほど、包装袋の透明性が向上し、包装袋の外部からの収納物の視認がより容易となる。
外層13が複数層からなる場合には、積層フィルム2全体の厚さに対する、これら複数層の合計の厚さの割合が、上記の数値範囲内であることが好ましい。
【0079】
<他の層>
積層フィルム2は、本発明の効果を損なわない範囲で、内層11と、中間層12と、外層13と、のいずれにも該当しない、他の層を備えていてもよい。
積層フィルム2が備える前記他の層の種類、配置数及び配置位置は、特に限定されず、目的に応じて任意に選択できる。なかでも、前記他の層は、内層11と外層13との間に配置されていることが好ましい。
例えば、積層フィルム2が備えている前記他の層は、1種のみであってもよいし、2種以上であってもよく、2種以上である場合、それらの組み合わせ及び比率は、目的に応じて任意に選択できる。
【0080】
前記他の層は、その1種あたり、1層(単層)からなるものであってもよいし、2層以上の複数層からなるものであってもよい。前記他の層が複数層からなる場合、これら複数層は、互いに同一でも異なっていてもよく、これら複数層の組み合わせは、本発明の効果を損なわない限り、特に限定されない。
【0081】
前記他の層の厚さは、その種類に応じて任意に設定でき、特に限定されない。
【0082】
積層フィルム2は、前記他の層を備えている場合、前記他の層をそれ以外の層と接着するための接着層をさらに備えていてもよい。
【0083】
<樹脂フィルムの特性>
本実施形態の包装袋は、上述した樹脂フィルムを用いて構成されている。この場合の包装対象物としては、例えば、オオバ、ホウレンソウ、コマツナ、ミズナ、ミブナ、アスパラガス、クウシンサイ、レタス、タイム、セージ、パセリ、イタリアンパセリ、ローズマリー、オレガノ、レモンバーム、チャイブ、ラベンダー、サラダバーネット、ラムズイヤー、ロケット、ダンディライオン、ナスタチューム、バジル、ルッコラ、クレソン、モロヘイヤ、セロリ、ケール、ネギ、キャベツ、ハクサイ、シュンギク、サラダナ、サンチュ、フキ、ナバナ、チンゲンサイ、ミツバ、セリ、メキャベツ、ブロッコリー、カリフラワー、ミョウガ、ダイコン、ニンジン、ゴボウ、ラディッシュ、カブ、サツマイモ、ジャガイモ、ナガイモ、ヤマイモ、サトイモ、ジネンジョ、ヤマトイモ、ピーマン、パプリカ、シシトウ、キュウリ、ナス、トマト、ミニトマト、カボチャ、ゴーヤ、オクラ、スィートコーン、エダマメ、サヤエンドウ、サヤインゲン、ソラマメ、菌茸類などが挙げられる。これらのうち、サツマイモ、ジャガイモ、などが好ましく、ジャガイモがより好ましい。
【0084】
樹脂フィルムの厚さは、20μm以上であることが好ましく、20~40μmであることがより好ましく、25~30μmであることがさらに好ましい。
樹脂フィルムの厚さが前記下限値以上であることで、樹脂フィルムを用いて得られた包装袋において、被包装物の保存安定性がより高くなるとともに、前記包装袋の構造を安定して維持する特性がより高くなる。樹脂フィルムの厚さが前記上限値以下であることで、樹脂フィルムの成形性がより高くなる。また、樹脂フィルムの厚さが薄くなるほど、包装袋の透明性が向上し、包装袋の外部からの収納物の視認がより容易となる。
樹脂フィルムが複数層からなる場合には、これら複数層の合計の厚さが、上記の数値範囲内であることが好ましい。
【0085】
樹脂フィルムが備えているすべての層が透明性を有し、樹脂フィルムが透明性を有すること、すなわち、樹脂フィルムは透明樹脂フィルムであることが好ましい。このような樹脂フィルムを用いて得られた包装袋においては、樹脂フィルムを介して、被包装物を容易に視認できる。
【0086】
[酸素バリア性]
JIS K 7126-2:2006に準拠して測定された、温度23℃、相対湿度(RH)60%の条件下での、樹脂フィルムの酸素透過量は、例えば、200ml/(m2・atm・day)以下、160ml/(m2・atm・day)以下、120ml/(m2・atm・day)以下、及び80ml/(m2・atm・day)以下のいずれかであってもよい。
一方、樹脂フィルムの酸素透過量は、5ml/(m2・atm・day)以上である。
すなわち、樹脂フィルムの酸素透過量は、5~200ml/(m2・atm・day)、5~160ml/(m2・atm・day)、5~120ml/(m2・atm・day)、及び5~80ml/(m2・atm・day)のいずれかであってもよい。
【0087】
樹脂フィルムの酸素透過量は、例えば、樹脂フィルムについて、圧力1気圧の条件下で、23℃、60%RHの雰囲気下における、24時間当たりの酸素透過量として測定することができる。
【0088】
樹脂フィルムの酸素透過量は、樹脂フィルムを構成するいずれかの層において、その含有成分の種類、含有成分の量又は厚さ等を調節することで、調節できる。
例えば、樹脂フィルムを、ポリアミドを含有する層とすることによって、樹脂フィルムの酸素透過量を容易に低減できる。ただし、これは一例であり、樹脂フィルムの酸素透過量の調節は、他の層の調節によって行うこともできる。
【0089】
[防曇性]
JIS Z 0208(カップ法)に準拠して測定された、樹脂フィルムの透湿度が100~400g/m2・dayであり、150~350g/m2・dayであることが好ましく、200~300g/m2・dayであることがより好ましい。
樹脂フィルムの透湿度を前記下限値以上とすることで、樹脂フィルムの防曇性をより向上させることができる。樹脂フィルムの透湿度を前記上限値以下とすることで、樹脂フィルムの水蒸気バリア性をより向上させることができる。
【0090】
樹脂フィルムの透湿度は、樹脂フィルムを構成するいずれかの層の含有成分の種類又は含有量を調節することにより、調節できる。例えば、内層、中間層及び外層が含むポリアミドの種類や含有量を調節することにより、樹脂フィルムの透湿度を容易に調節できる。
【0091】
[作業性]
JIS K 7125に準拠して測定された、樹脂フィルム同士の動摩擦係数は、0.2以上0.4以下であることが好ましく、0.23以上0.37以下であることがより好ましく、0.27以上0.33以下であることがさらに好ましい。
樹脂フィルム同士の動摩擦係数を上記範囲内とすることで、口開き不良や袋同士の密着をより抑制し、作業性をより向上させることができる。
【0092】
樹脂フィルム同士の動摩擦係数は、例えば、樹脂フィルムの含有成分の種類若しくは含有量、又は樹脂フィルムの表面の状態(例えば、表面粗さ)を調節することにより、調節できる。より具体的には、例えば、樹脂フィルムが含むアンチブロッキング剤の種類や含有量を調節することにより、樹脂フィルム同士の動摩擦係数を容易に調節できる。また、樹脂フィルムの表面を粗化処理又は平滑化処理することで、樹脂フィルムの表面の状態を調節することによっても、樹脂フィルム同士の動摩擦係数を容易に調節できる。
【0093】
樹脂フィルムが積層フィルムである場合、JIS K 7125に準拠して測定された、内層同士の動摩擦係数は、0.3以上0.5以下であることが好ましく、0.2以上0.4以下であることが好ましく、0.23以上0.37以下であることがより好ましく、0.27以上0.33以下であることがさらに好ましい。
内層同士の動摩擦係数を上記範囲内とすることで、口開き不良をより抑制し、作業性をより向上させることができる。
【0094】
樹脂フィルムが積層フィルムである場合、JIS K 7125に準拠して測定された、外層同士の動摩擦係数は、0.3以上0.5以下であることが好ましく、0.2以上0.4以下であることが好ましく、0.23以上0.37以下であることがより好ましく、0.27以上0.33以下であることがさらに好ましい。
外層同士の動摩擦係数を上記範囲内とすることで、袋同士の密着をより抑制し、作業性をより向上させることができる。
【0095】
樹脂フィルムが積層フィルムである場合、内層同士又は外層同士の動摩擦係数は、例えば、前記内層又は外層の含有成分の種類若しくは含有量を調節することにより、調節できる。より具体的には、例えば、内層又は外層が含むアンチブロッキング剤の種類や含有量を調節することにより、内層同士又は外層同士の動摩擦係数を容易に調節できる。
内層同士又は外層同士の動摩擦係数は、内層又は外層の表面状態(例えば、表面粗さ)を調節することによっても、調節できる。より具体的には、例えば、内層又は外層の表面を粗化処理若しくは平滑化処理することで、内層又は外層の表面状態を調節することによっても、内層同士又は外層同士の動摩擦係数を容易に調節できる。
【0096】
[引張弾性率]
JIS K 7161に準拠して測定された、樹脂フィルムの引張弾性率は、300~2000MPaであることが好ましく、400~1500MPaであることがより好ましく、500~1000MPaであることがさらに好ましい。樹脂フィルムの引張弾性率が前記下限値以上であることで、樹脂フィルムに高級感を持たせることができる。樹脂フィルムの引張弾性率が前記上限値以下であることで、樹脂フィルムを用いて構成された包装袋において、バックシール部の巻き戻りがより抑制される。
【0097】
樹脂フィルムの引張弾性率は、樹脂フィルムを構成するいずれかの層の含有成分の種類又は含有量を調節することにより、調節できる。例えば、樹脂フィルムが積層フィルム2のような積層フィルムである場合には、内層、中間層又は外層が含むポリアミドの種類や含有量を調節することにより、樹脂フィルム(積層フィルム)の引張弾性率を容易に調節できる。
【0098】
[溶断強度]
樹脂フィルムの溶断強度は、8~30N/15mmであることが好ましく、10~25N/15mmであることがより好ましく、12~20N/15mmであることがさらに好ましく、樹脂フィルムの伸びが300%以上となることが特に好ましい。樹脂フィルムの溶断強度が前記下限値以上であることで、前記樹脂フィルムを用いて製造された包装袋の破袋をより抑制できる。樹脂フィルムの溶断強度が前記上限値以下であることで、溶断面端部の厚みが厚くなりすぎる(樹脂玉の大きさが大きくなりすぎる)ことをより抑制できる。
【0099】
本明細書において、樹脂フィルムの溶断強度とは、特に断りのない限り、JIS Z 0238の方法により測定した溶断強度を意味する。
【0100】
樹脂フィルムの溶断強度は、樹脂フィルムを構成するいずれかの層の含有成分の種類又は含有量を調節することにより、調節できる。例えば、樹脂フィルムが積層フィルム2のような積層フィルムである場合には、内層、中間層又は外層が含むポリアミドの種類や含有量を調節することにより、樹脂フィルム(積層フィルム)の溶断強度を容易に調節できる。
【0101】
[透明性]
樹脂フィルムのヘーズは、16%以下であることが好ましく、12%以下であることがより好ましく、8%以下であることがさらに好ましい。樹脂フィルムのヘーズが前記上限値以下であることで、樹脂フィルムを用いて構成された包装袋の外部から、収納物をより明りょうに視認できる。
樹脂フィルムのヘーズの下限値は、特に限定されない。例えば、前記ヘーズが0.5%以上である樹脂フィルムは、より容易に製造できる。
一実施形態において、樹脂フィルムのヘーズは、3~16%、4~12%、及び5~8%のいずれかであってもよい。ただし、これらは、樹脂フィルムのヘーズの一例である。
【0102】
本明細書において、樹脂フィルムのヘーズとは、特に断りのない限り、JIS K 1707に準拠して、樹脂フィルムの内層側の外部から測定したヘーズを意味する。
【0103】
樹脂フィルムのヘーズは、樹脂フィルムを構成するいずれかの層の含有成分の種類又は含有量を調節することにより、調節できる。例えば、樹脂フィルムが積層フィルム2のような積層フィルムである場合には、内層、中間層又は外層が含むポリアミドの種類や含有量を調節することにより、樹脂フィルム(積層フィルム)のヘーズを容易に調節できる。
【0104】
<樹脂フィルムの製造方法>
本実施形態の包装袋を構成する樹脂フィルムは、例えば、押出機を用いて、樹脂フィルムの形成材料となる樹脂フィルム形成用樹脂組成物を溶融押出し、成形することで、製造できる。
【0105】
本実施形態の包装袋を構成する樹脂フィルムのうち、積層フィルム(複数層からなる樹脂フィルム)は、例えば、数台の押出機を用いて、各層の形成材料となる樹脂や樹脂組成物等を溶融押出するフィードブロック法や、マルチマニホールド法等の共押出Tダイ法、空冷式又は水冷式共押出インフレーション法等により、製造できる。
【0106】
また、本実施形態の包装袋を構成する積層フィルムは、その中のいずれかの層の形成材料となる樹脂や樹脂組成物等を、樹脂フィルムを構成するための別の層の表面にコーティングして、必要に応じて乾燥させることにより、樹脂フィルム中の積層構造を形成し、必要に応じて、これら以外の層を目的とする配置形態となるようにさらに積層することでも、製造できる。
【0107】
また、本実施形態の包装袋を構成する積層フィルムは、そのうちのいずれか2層以上を構成するための2枚以上のフィルムをあらかじめ別々に作製しておき、接着剤を用いてこれらフィルムを、ドライラミネート法、押出ラミネート法、ホットメルトラミネート法及びウェットラミネート法のいずれかによって貼り合わせて積層し、必要に応じて、これら以外の層を目的とする配置形態となるようにさらに積層することでも、製造できる。
【0108】
また、本実施形態の包装袋を構成する積層フィルムは、上記のように、あらかじめ別々に作製しておいた2枚以上のフィルムを、接着剤を用いずに、サーマル(熱)ラミネート法等によって貼り合わせて積層し、必要に応じて、これら以外の層を目的とする配置形態となるようにさらに積層することでも、製造できる。
【0109】
共押出インフレーション法やコーティング等で製造した樹脂フィルムは、大気中に放置すると皺が入りやすい傾向があるが、共押出Tダイ法で製造した樹脂フィルムは、大気中に放置しても皺が入りにくい傾向があるため、共押出Tダイ法を用いて樹脂フィルムを製造することが好ましい。
【0110】
本実施形態の包装袋を構成する樹脂フィルムを製造するときには、ここまでに挙げた、樹脂フィルム中のいずれかの層(フィルム)の形成方法を、2以上組み合わせてもよい。
【0111】
製造方法がいずれの場合であっても、前記樹脂フィルム中のいずれかの層の形成材料となる前記樹脂組成物は、形成する層が目的とする成分(構成材料)を、目的とする含有量で含むように、含有成分の種類と含有量を調節して、製造すればよい。例えば、前記樹脂組成物中の、常温で気化しない成分同士の含有量の比率は、通常、この樹脂組成物から形成された層中の、前記成分同士の含有量の比率と同じとなる。
【0112】
樹脂フィルムのうち、
図1に示す樹脂フィルム1における、両方の表面側の領域以外の領域(アンチブロッキング剤が存在していないか、又はアンチブロッキング剤の量が少ない領域)を形成するための樹脂組成物(本明細書においては、「樹脂フィルム形成用樹脂組成物」と称することがある)としては、例えば、上述のポリアミドと、必要に応じて前記他の成分と、を含む樹脂組成物が挙げられる。
図1に示す樹脂フィルム1における、両方の表面側の領域(アンチブロッキング剤が偏在している領域)を形成するための樹脂組成物(樹脂フィルム形成用樹脂組成物)としては、例えば、上述のポリアミドと、上述のアンチブロッキング剤と、必要に応じて前記他の成分と、を含む樹脂組成物が挙げられる。
【0113】
内層(
図2に示す積層フィルム2においては、内層11)を形成するための樹脂組成物(本明細書においては、「内層形成用樹脂組成物」と称することがある)としては、例えば、上述のポリアミドと、上述のアンチブロッキング剤と、必要に応じて前記他の成分と、を含む樹脂組成物が挙げられる。
【0114】
中間層(
図2に示す積層フィルム2においては、中間層12)を形成するための樹脂組成物(本明細書においては、「中間層形成用樹脂組成物」と称することがある)としては、例えば、上述のポリアミドと、必要に応じて前記他の成分と、を含む樹脂組成物が挙げられる。
【0115】
外層(
図2に示す積層フィルム2においては、外層13)を形成するための樹脂組成物(本明細書においては、「外層形成用樹脂組成物」と称することがある)としては、例えば、上述のポリアミドと、上述のアンチブロッキング剤と、必要に応じて前記他の成分と、を含む樹脂組成物が挙げられる。
【0116】
<<包装袋>>
本実施形態の包装袋は、樹脂フィルム同士を溶断して得られた溶着部を有する。
本実施形態の包装袋は、これまでに説明した上述の樹脂フィルムを用いて得られた包装袋であってもよく、その場合、これまでに説明した上述の樹脂フィルム同士を溶断して得られた溶着部を有する。
【0117】
本実施形態の包装袋が、例えば、上述の内層、中間層及び外層を備えた樹脂フィルムを用いて得られたものである場合には、包装袋は、前記内層同士の一部が溶着され、形成されている収容空間を有し、前記中間層が前記外層よりも前記収容空間側に配置されているものである。
【0118】
前記溶着部は、樹脂フィルムを溶断製袋することで形成される。
【0119】
本実施形態の包装袋の溶着部の幅は、300μm以下である。これにより、包装袋を複数重ねても端部を重ねた部分が嵩張らない包装袋となる。
【0120】
包装袋の溶着部は、例えば、
図4の回転式ミクロトーム原理図に示すように、ミクロトーム「PHC株式会社製/HM340E」を用いて断面方向に切削し、
図4の包装袋の端部の拡大模式図に示すように、偏光顕微鏡「株式会社ニコンソリューションズ社製/ECLIPSE LV100N POL」で観測することにより識別できる。
【0121】
本実施形態の包装袋において、溶着部の幅とは、溶着部の、その長手方向に対して直交する方向の寸法であり、溶着部の幅が一様でない場合には、溶着部の幅の最大値が300μm以下であればよい。
【0122】
前記溶着部の幅は、280μm以下であることが好ましく、250μm以下であることがより好ましい。前記溶着部の幅が前記上限値以下であることで、包装袋を複数重ねても端部を重ねた部分が嵩張らない効果をより向上させることができる。
【0123】
前記溶着部の幅は、樹脂フィルムを構成するいずれかの層の含有成分の種類又は含有量を調節することにより、調節できる。例えば、樹脂フィルムが積層フィルム2のような積層フィルムである場合には、内層、中間層又は外層が含むポリアミドの種類や含有量を調節することにより、前記溶着部の幅を容易に調節できる。また、前記溶着部の幅は、樹脂フィルムの溶断製袋の条件(溶着部の形成条件)を調節することでも、調節できる。例えば、樹脂フィルムを溶断製袋する際に、溶断刃の温度、及び、溶断時間を変更することによっても、前記溶着部の幅を容易に調節できる。
【0124】
溶断刃の温度は、410℃~490℃であることが好ましく、420℃~480℃であることがより好ましく、430℃~470℃であることがさらに好ましい。
【0125】
溶断時間は、270ms~390msであることが好ましく、280ms~380msであることがより好ましく、290ms~370msであることがさらに好ましい。
【0126】
また、本実施形態の包装袋は、前記樹脂フィルムを備えていることで、樹脂フィルム同士の溶着部の色味が良好となる。
【0127】
前記溶着部は、CIE1976L*a*b*表色系により規定される座標において、明度L*が、-25以上-17以下であることが好ましく、色度a*が、-1以上1以下であることが好ましく、色度b*が、8.5以上10.5以下であることが好ましい。
明度L*、色度a*及び色度b*が、前記範囲内であることで、樹脂フィルム同士の溶着部の色味がより良好となる。具体的には、明度L*、色度a*及び色度b*が、前記下限値以上であることで、溶着部がより視認しやすくなる。明度L*、色度a*及び色度b*が、前記上限値以下であることで、溶着部の外観がより良好となる。
【0128】
前記明度L*は、-24以上-17以下であることがより好ましく、-23以上-16以下であることがさらに好ましく、-22以上-15以下であることが特に好ましい。
前記色度a*は-1以上1以下であることがより好ましく、-0.9以上0.9以下であることがさらに好ましく、-0.8以上0.8以下であることが特に好ましい。
前記色度b*は、8.5以上10.5以下であることがより好ましく、8.2以上10.3以下であることがさらに好ましく、8.4以上10.1以下であることが特に好ましい。
明度L*、色度a*及び色度b*が、前記下限値以上であることで、溶着部がより視認しやすくなる。明度L*、色度a*及び色度b*が、前記上限値以下であることで、溶着部の外観がより良好となる。
【0129】
前記溶着部の明度L*、色度a*及び色度b*は、樹脂フィルムを構成するいずれかの層の含有成分の種類又は含有量を調節することにより、調節できる。例えば、樹脂フィルムが積層フィルム2のような積層フィルムである場合には、内層、中間層又は外層が含むポリアミドの種類や含有量を調節することにより、前記溶着部の明度L*、色度a*及び色度b*を容易に調節できる。また、前記溶着部の明度L*、色度a*及び色度b*は、樹脂フィルムの溶断製袋の条件(溶着部の形成条件)を調節することでも、調節できる。例えば、樹脂フィルムを溶断製袋する際に、溶断時間を変更することによっても、前記溶着部の明度L*、色度a*及び色度b*を容易に調節できる。
【0130】
溶断時間は、270ms~390msであることが好ましく、280ms~380msであることがより好ましく、290ms~370msであることがさらに好ましい。
【0131】
本実施形態の包装袋のうち、前記溶着部は、前記樹脂フィルムの炭化物片を有していることが好ましい。前記炭化物片は、例えば、樹脂フィルムを溶断製袋する際に、溶断時の熱で発生する。
前記溶着部が、前記樹脂フィルムの炭化物片を有していることで、溶着部をよりピックアップしやすくなる。
前記溶着部が、前記樹脂フィルムの炭化物片を有しているとは、炭化物片の一部は落とすことができるが、全量は落とすことができない(例えば、炭化物片の一部は溶着部の表面にあり、一部は溶着部の内部にある)ことを意味する。
【0132】
前記炭化物片の大きさは、50μm以上1000μm以下であることが好ましく、55μm以上900μm以下であることがより好ましく、60μm以上800μm以下であることがさらに好ましい。
前記炭化物片の大きさが、前記下限値以上であることで、溶着部が引っ掛かりやすくなってピックアップしやすくなるという効果をより向上させることができる。前記炭化物の大きさが、前記上限値以下であることで、溶着部が引っ掛かり過ぎてピックアップしにくくなることをより抑制することができ、また、溶着部にピンホールが空くことをより抑制することができる。
【0133】
前記炭化物片の識別像を取得し、その識別像における輪郭線上に位置する任意の2点を結ぶ線分の長さの最大値を、前記炭化物片の大きさとして採用できる。前記識別像は、例えば、光学顕微鏡で前記溶着部を観察したときの撮像データから取得できる。
【0134】
前記炭化物片の大きさは、樹脂フィルムを構成するいずれかの層の含有成分の種類又は含有量を調節することにより、調節できる。例えば、樹脂フィルムが積層フィルム2のような積層フィルムである場合には、内層、中間層又は外層が含むポリアミドの種類や含有量を調節することにより、前記炭化物片の大きさを容易に調節できる。また、前記炭化物片の大きさは、樹脂フィルムの溶断製袋の条件(溶着部の形成条件)を調節することでも、調節できる。例えば、樹脂フィルムを溶断製袋する際に、溶断刃の温度を変更することによっても、前記炭化物片の大きさを容易に調節できる。
【0135】
溶断刃の温度は、410℃~490℃であることが好ましく、420℃~480℃であることがより好ましく、430℃~470℃であることがさらに好ましい。
【0136】
図3は、本実施形態の包装袋の一例を模式的に示す断面図である。
ここに示す包装袋10は、
図1に示す樹脂フィルム1を用いて形成されたものである。包装袋10は、一対の樹脂フィルム1同士の一部が溶着され、形成されている収容空間Sを有しており、概略構成されている。
あるいは、ここに示す包装袋10は、
図2に示す積層フィルム2を用いて形成されたものである。包装袋10は、一対の積層フィルム2の内層11,11同士の一部が溶着され、形成されている収容空間Sを有しており、中間層12が外層11よりも収容空間S側に配置されて、概略構成されている。すなわち、一対の積層フィルム2,2は、これらの内層11,11同士が対向するように配置されている。
包装袋10の収容空間Sには、目的とする保存対象物(図示略)が収容される。
【0137】
ここまでは、本発明の包装袋として、
図1に示す樹脂フィルム1及び
図2に示す積層フィルム2を用いたものについて説明したが、本発明の包装袋は、本発明の他の実施形態の樹脂フィルムを用いて形成されたものであってもよい。
【0138】
本実施形態の包装袋は、上述の実施形態に限定されず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内において、一部の構成が変更、削除又は追加されたものであってもよい。
例えば、
図3に示す包装袋10は、一対の同じ種類の樹脂フィルム1,1又は積層フィルム2,2を用いたものであるが、本発明の包装袋は、一対の異なる種類の樹脂フィルムを用いたものであってもよい。
また、本発明の包装袋は、本発明の効果を損なわない範囲内において、樹脂フィルム以外のその他の構成を備えていてもよい。前記その他の構成は特に限定されず、目的に応じて適宜選択すればよい。
【0139】
<包装袋の製造方法>
本実施形態の包装袋は、前記樹脂フィルムを用いて、収容空間を有するように、樹脂フィルム同士の一部を溶着することで製造できる。
樹脂フィルム同士の溶着は、例えば、公知の溶断製袋等を適用することで、行うことができる。
【0140】
樹脂フィルムが積層フィルム(例えば、
図2に示す積層フィルム2)である場合、本実施形態の包装袋は、積層フィルムを用いて、収容空間を有するように、内層同士の一部を溶着することで製造できる。
内層同士の溶着は、例えば、公知の溶断製袋等を適用することで、行うことができる。
【0141】
溶断製袋は、溶断刃の温度300℃~500℃の条件下で行うことができる。
【実施例0142】
以下、具体的実施例により、本発明についてさらに詳しく説明する。ただし、本発明は、以下に示す実施例に何ら限定されるものではない。
【0143】
[実施例1]
<<積層フィルムの製造>>
以下に示す手順により、
図2に示す構成の積層フィルムを製造した。
【0144】
内層、中間層及び外層を構成する樹脂として、6-ナイロン(Ny6、非芳香族系ポリアミド、UBE株式会社社製「1022B」)を用意した。
【0145】
前記Ny6(99.5質量部)とアンチブロッキング剤(AB、日鉄ケミカル&マテリアル株式会社社製「HS-311」)(0.5質量部)とを混合することにより、内外層形成用樹脂組成物を製造した。
【0146】
ダイの温度を260℃とし、前記内外層形成用樹脂組成物と、前記Ny6と、前記内外層形成用樹脂組成物とを、この順で共押出すること(共押出Tダイ法)により、内層(厚さ4μm)、中間層(厚さ22μm)及び外層(厚さ4μm)がこの順に、これらの厚さ方向において積層されて構成された積層フィルム(厚さ30μm)を得た。
【0147】
<<積層フィルムの評価>>
<動摩擦係数の測定>
上記の積層フィルムについて、JIS K 7125に準拠して、内層同士の間の動摩擦係数、及び、外層同士の間の動摩擦係数を測定した。結果を表1に示す。
【0148】
<酸素透過量の測定>
上記の積層フィルムについて、JIS K 7126に準拠して、温度23℃、相対湿度(RH)60%の条件下での酸素透過量を測定した。結果を表1に示す。
【0149】
<透湿度の測定>
上記の積層フィルムについて、JIS Z 0208(カップ法)に準拠して、透湿度を測定した。結果を表1に示す。
【0150】
<引張弾性率の測定>
上記の積層フィルムについて、JIS K 7161に準拠して、温度20℃、湿度50%の条件下での引張弾性率を測定した。結果を表1に示す。
【0151】
<溶断強度の測定>
上記の積層フィルムについて、JIS Z0238の方法により、溶断強度を測定した。結果を表1に示す。
【0152】
<ヘーズの測定>
上記の積層フィルムについて、JIS K 1707に準拠して、内層側の外部からヘーズ(%)を測定した。結果を表1に示す。
【0153】
<<包装袋の製造>>
上記の積層フィルムにおいて、溶断製袋機を用いて、溶断刃の温度:450℃、溶断時間(ショット):320msの条件下で溶断製袋を行い、内層同士の一部が溶着され、形成されている収容空間を有する包装袋を作製した。
【0154】
<<包装袋の評価>>
<溶着部の幅>
ミクロトーム「PHC株式会社製/HM340E」」を用いて断面方向に切削し、偏光顕微鏡「株式会社ニコンソリューションズ社製/ECLIPSE LV100N POL」で観測することにより、上記の包装袋の溶着部の幅を測定した。結果を表1に示す。
【0155】
<端部の嵩張り>
包装袋を100枚重ね、下記の基準に従って、端部を重ねた部分の嵩張りを確認した。結果を表1に示す。
(評価基準)
A:端部を重ねた部分の幅と、中心部を重ねた部分の幅の違い(端部の方が嵩張っている)を作業者が触った際に感じる。
B:端部を重ねた部分の幅と、中心部を重ねた部分の幅の違い(端部の方が嵩張っている)を作業者が触った際に感じず、ほぼ同じであると感じる。
【0156】
<溶着部の色味>
内層同士の溶着部のうち、炭化物片が付着していない部分について、色差計(コニカミノルタ株式会社製「分光測色計CM-26dG」)を用いて、CIE1976L*a*b*表色系により規定される座標における、明度L*、色度a*及び色度b*を測定した。結果を表1に示す。
【0157】
<溶着部の視認性>
下記の基準に従って、溶着部の視認性を目視で確認した。結果を表1に示す。
(評価基準)
A:溶着部が視認しやすい。
B:溶着部が視認しにくい。
【0158】
<溶着部の外観>
下記の基準に従って、溶着部の外観を目視で確認した。結果を表1に示す。
(評価基準)
A:溶着部の外観が良好である。
B:溶着部が外観不良である。
【0159】
<炭化物片の大きさ>
内層同士の溶着部について、顕微鏡(株式会社ニコンソリューションズ社製「偏光顕微鏡 ECLIPSE LV100NPOL/Ci-POL」)を用いて、炭化物片の識別像において、輪郭線上に位置する任意の2点を結ぶ線分の長さの最大値を測定した。結果を表1に示す。
【0160】
<溶着部のピックアップ性>
下記の基準に従って、溶着部のピックアップ性を確認した。結果を表1に示す。
(評価基準)
A:溶着部をピックアップしやすい。
B:溶着部をピックアップしにくい。
【0161】
<溶着部のピンホール性>
下記の基準に従って、溶着部のピンホール性を確認した。結果を表1に示す。
(評価基準)
A:溶着部にピンホールが空いていない。
B:溶着部にピンホールが空いている。
【0162】
<バックシール適性>
上記の包装袋について、バックシール部を540°(3回転)ひねった。9日後、包装袋をハサミでカットして断面を目視にて確認し、ひねり部の角度を測定することにより、下記基準に従って、バックシール部の巻き戻りの状況を評価した。結果を表1に示す。
(評価基準)
A:5日後のひねり部の角度が360°超であり、バックシール部の巻き戻りが少ない。
B:5日後のひねり部の角度が360°以下であり、バックシール部の巻き戻りが多い。
【0163】
<破袋耐性>
上記の包装袋(500g/袋)10袋について、JIS Z 0202に準拠して落下試験を行い、破袋した包装体の数を目視にて確認した。結果を表1に示す。
【0164】
<鮮度保持性能>
上記の包装袋について、ジャガイモを5日間保管し、下記基準に従って、鮮度保持の状況を目視にて確認した。結果を表1に示す。
(評価基準)
A:鮮度が良好に保持されている。
B:鮮度が良好に保持されていない。
【0165】
[比較例1]
実施例1の場合と同じ方法で積層フィルムを製造し、評価した。また、溶断時間(ショット):400msの条件下で溶断製袋を行った点以外は、実施例1の場合と同じ方法で包装袋を製造し、この包装袋を評価した。結果を表1に示す。
【0166】
[比較例2]
実施例1の場合と同じ方法で積層フィルムを製造し、評価した。また、溶断時間(ショット):260msの条件下で溶断製袋を行った点以外は、実施例1の場合と同じ方法で包装袋を製造し、この包装袋を評価した。結果を表1に示す。
【0167】
[比較例3]
実施例1の場合と同じ方法で積層フィルムを製造し、評価した。また、溶断刃の温度:500℃の条件下で溶断製袋を行った点以外は、実施例1の場合と同じ方法で包装袋を製造し、この包装袋を評価した。結果を表1に示す。
【0168】
[比較例4]
実施例1の場合と同じ方法で積層フィルムを製造し、評価した。また、溶断刃の温度:400℃の条件下で溶断製袋を行った点以外は、実施例1の場合と同じ方法で包装袋を製造し、この包装袋を評価した。結果を表1に示す。
【0169】
【0170】
上記結果から明らかなように、実施例1においては、溶着部の幅が、300μm以下であったため、表1に示されるように、端部を重ねた部分が嵩張っていなかった。また、明度L*が、-25以上-17以下であり、色度a*が、-1以上1以下であり、色度b*が、8.5以上10.5以下であったため、溶着部が視認しやすく、溶着部の外観が良好であった。さらに、炭化物片の大きさが、50μm以上1000μm以下であったため、溶着部が引っ掛かりやすくてピックアップしやすく、溶着部にピンホールが空いていなかった。
【0171】
比較例1においては、溶着部の幅が、300μm超であったため、端部を重ねた部分が嵩張っていた。また、明度L*が、-25未満であり、色度a*が、-1未満であり、色度b*が、8.5未満であったため、表1に示されるように、溶着部が視認しにくかった。
【0172】
比較例2においては、溶着部の幅が、300μm超であったため、端部を重ねた部分が嵩張っていた。また、明度L*が、-17超であり、色度a*が、1超であり、色度b*が、10.5超であったため、表1に示されるように、溶着部が外観不良であった。
【0173】
比較例3においては、溶着部の幅が、300μm超であったため、端部を重ねた部分が嵩張っていた。また、炭化物片の大きさが、50μm未満であったため、表1に示されるように、溶着部が引っ掛かりにくくてピックアップしにくかった。
【0174】
比較例4においては、溶着部の幅が、300μm超であったため、端部を重ねた部分が嵩張っていた。また、炭化物片の大きさが、1000μm超であったため、表1に示されるように、溶着部が引っ掛かり過ぎてピックアップしにくく、また、溶着部にピンホールが空いていた。
【0175】
[実施例2]
以下に示す手順により、
図2に示す構成の積層フィルムを製造した。
【0176】
中間層を構成する樹脂として、共重合ナイロン(共重合Ny、非芳香族系ポリアミド、UBE株式会社製「5023」)を用意した。
【0177】
ダイの温度を260℃とし、前記内外層形成用樹脂組成物と、前記共重合Nyと、前記内外層形成用樹脂組成物とを用いて、共押出インフレーション法により、内層(厚さ3μm)、中間層(厚さ25μm)及び外層(厚さ3μm)がこの順に、これらの厚さ方向において積層されて構成された積層フィルム(厚さ31μm)を得た。
【0178】
実施例1の場合と同じ方法で、この積層フィルムを評価した。また、実施例1の場合と同じ方法で包装袋を製造し、この包装袋を評価した。結果を表2に示す。
【0179】
[実施例3]
以下に示す手順により、2層構成の積層フィルムを製造した。
【0180】
内層を構成する樹脂として、エチレン-ビニルアルコール共重合体(EVOH、クラレ社製「G156B」、エチレンの共重合比率48モル%)を用意した。
【0181】
外層を構成する樹脂として、二軸延伸ナイロン(二軸延伸Ny、ユニチカ株式会社製「ON」)を用意した。
【0182】
前記二軸延伸ナイロンを単層フィルムに成形し、その表面に前記EVOHを積層させることにより、内層(厚さ2μm)及び外層(厚さ25μm)が、これらの厚さ方向において積層されて構成された積層フィルム(厚さ27μm)を得た。
【0183】
実施例1の場合と同じ方法で、この積層フィルムを評価した。また、実施例1の場合と同じ方法で包装袋を製造し、この包装袋を評価した。結果を表2に示す。
【0184】
[参考例1]
以下に示す手順により、単層構成の樹脂フィルムを製造した。
【0185】
二軸延伸ポリプロピレン(二軸延伸PP、フタムラ化学株式会社製「FOA」)を用意した。
【0186】
前記二軸延伸PPを単層フィルムに成形して、樹脂フィルム(厚さ30μm)を得た。
【0187】
実施例1の場合と同じ方法で、この樹脂フィルムを評価した。また、実施例1の場合と同じ方法で包装袋を製造し、この包装袋を評価した。結果を表2に示す。
【0188】
【0189】
上記結果から明らかなように、実施例1~3においては、溶着部の幅が、300μm以下であったため、表1に示されるように、端部を重ねた部分が嵩張っていなかった。また、明度L*が、-25以上-17以下であり、色度a*が、-1以上1以下であり、色度b*が、8.5以上10.5以下であったため、溶着部が視認しやすく、溶着部の外観が良好であった。さらに、炭化物片の大きさが、50μm以上1000μm以下であったため、溶着部が引っ掛かりやすくてピックアップしやすく、溶着部にピンホールが空いていなかった。
【0190】
実施例1及び2においては、積層フィルムの全ての層がEVOHを含んでおらず、ポリアミドを含んでいるため、実施例3よりも低コストで製造可能であった。
実施例1及び2においては、積層フィルムの全ての層がEVOHを含んでいないにもかかわらず、積層フィルムの酸素透過量が10~67ml/(m2・day・atm)と低く、実施例3(酸素透過量20ml/(m2・day・atm))と同程度の酸素バリア性を有していた。また、参考例1(酸素透過量1500ml/(m2・day・atm))よりもはるかに優れた酸素バリア性を有していた。
実施例1及び2においては、積層フィルムの全ての層がEVOHを含んでいないにもかかわらず、積層フィルムの透湿度が150~200g/(m2・day)と高く、実施例3(透湿度150g/(m2・day))と同程度の防曇性を有していた。また、参考例1(透湿度10g/(m2・day))よりもはるかに優れた防曇性を有していた。
【0191】
実施例1及び2においては、内層がアンチブロッキング剤を含んでいるため、実施例3(動摩擦係数0.5)よりも動摩擦係数が0.3と低く、口開き不良が抑制されており、作業性に優れていた。
実施例1及び2においては、外層がアンチブロッキング剤を含んでいるため、実施例3(動摩擦係数0.4)よりも動摩擦係数が0.3と低く、袋同士の密着が抑制されており、作業性に優れていた。
【0192】
実施例1及び2においては、積層フィルムの全ての層が二軸延伸Nyを含んでいないため、実施例3(引張弾性率1500MPa)よりも引張弾性率が600MPaと低く、剛性が抑えられていた。
実施例1及び2においては、積層フィルムの全ての層が二軸延伸Nyを含んでいないため、実施例3(溶断強度1.8N/15mm)よりも溶断強度が「伸び300%以上」と優れていた。
実施例1においては、積層フィルムの全ての層がEVOHを含んでいないため、実施例3(ヘーズ10%)よりもヘーズが6%と低く、透明性に優れていた。また、実施例1においては、積層フィルムの全ての層が共重合Nyを含んでおらず、また、積層フィルムの製造方法が共押出インフレーションではないため、実施例2(ヘーズ14%)よりもヘーズが6%と低く、透明性に優れていた。
【0193】
実施例1及び2においては、積層フィルムの剛性が抑えられているため、実施例3よりもバックシール適性に優れていた。
実施例1及び2においては、積層フィルムの溶断強度が優れていたため、実施例3よりも破袋耐性が優れていた。
実施例1及び2においては、積層フィルムの剛性が抑えられていたことにより、包装袋がバックシール適性に優れていたため、実施例3よりも鮮度保持性に優れていた。