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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024140590
(43)【公開日】2024-10-10
(54)【発明の名称】電気接続装置
(51)【国際特許分類】
   H01R 13/631 20060101AFI20241003BHJP
【FI】
H01R13/631
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023051790
(22)【出願日】2023-03-28
(71)【出願人】
【識別番号】000004260
【氏名又は名称】株式会社デンソー
(74)【代理人】
【氏名又は名称】矢作 和行
(74)【代理人】
【識別番号】100121991
【弁理士】
【氏名又は名称】野々部 泰平
(74)【代理人】
【識別番号】100145595
【弁理士】
【氏名又は名称】久保 貴則
(72)【発明者】
【氏名】新木 輝亮
(72)【発明者】
【氏名】松永 浩司
(72)【発明者】
【氏名】松野 勤
(72)【発明者】
【氏名】長縄 友規
(72)【発明者】
【氏名】吉田 辰馬
【テーマコード(参考)】
5E021
【Fターム(参考)】
5E021FA03
5E021FA14
5E021FA16
5E021FC03
5E021FC05
5E021FC31
5E021HA07
5E021HC27
(57)【要約】
【課題】給電側装置と受電側装置との確実な電気接続の実施を図る電気接続装置を提供する。
【解決手段】電気接続装置は、受電側装置に設けられた受電部11と、受電部11と電気接続される給電部21とを備える。給電部21は、受電部11に対してY軸に沿う方向に接近移動可能におよび離間移動可能に構成されている。電気接続装置は、位置決め機構部と首振り機構部とを備える。位置決め機構部は、X軸と、Y軸およびX軸に対して直交するZ軸とに関して、給電部21に対する受電部11の位置決めを可能にする。首振り機構部は、X軸とZ軸との両方に関して、受電部11を変位可能に揺動する。位置決め機構部は、棒状部と、穴部241が形成されて、棒状部を穴部241に誘導する誘導面を有するガイド部24とを含む。
【選択図】図11
【特許請求の範囲】
【請求項1】
受電側装置(1)に設けられて、受電端子(111)を有して凹状部を形成する受電部(11)と、
凸状部が前記受電部の前記凹状部に嵌合して電気接続された状態で前記受電側装置に電力を供給する給電側装置(2)に設けられて、前記受電部に対して第1軸(Y)に沿う方向に接近移動可能におよび離間移動可能に構成された給電部(21)と、
前記第1軸に対して直交する第2軸(X)と前記第1軸および前記第2軸に対して直交する第3軸(Z)とに関して、前記給電部に対する前記受電部の位置決めを可能にする位置決め機構部(12,121,24,241)と、
前記第2軸と前記第3軸との両方に関して、前記給電部に対して前記受電部を変位可能に揺動する首振り機構部(14)と、
を備え、
前記位置決め機構部は、棒状部(12,121)と、穴部(241)または凹部が形成されて前記棒状部を前記穴部または前記凹部に誘導する誘導面を有するガイド部(24)とを含む電気接続装置。
【請求項2】
前記位置決め機構部は、前記給電部における前記凸状部の端面(21a)に対して前記受電部における前記凹状部の底面(11a)が傾く姿勢を提供する請求項1に記載の電気接続装置。
【請求項3】
前記位置決め機構部は、
前記棒状部が前記穴部に挿通されてかつ前記給電部の前記凸状部が前記受電部の前記凹状部に入り込んでいない状態において前記棒状部が前記第1軸に沿う姿勢を提供し、
前記棒状部が前記穴部に挿通されてかつ前記給電部の前記凸状部が前記受電部の前記凹状部に入り込んだ状態において前記給電部における前記凸状部の端面に対して前記受電部における前記凹状部の底面が傾く姿勢を提供する請求項2に記載の電気接続装置。
【請求項4】
前記棒状部は、根元側に設けられたシャフト部(12)と、前記シャフト部よりも外径が大きく前記シャフト部に一体に先端側に設けられた大径部(121)とを含み、
前記位置決め機構部は、
前記大径部が前記穴部に挿通されてかつ前記給電部の前記凸状部が前記受電部の前記凹状部に入り込んでいない状態において前記棒状部が前記第1軸に沿う姿勢を提供し、
前記シャフト部が前記穴部に挿通された状態で前記穴部に対して傾き、かつ前記給電部の前記凸状部が前記受電部の前記凹状部に入り込んだ状態において前記給電部における前記凸状部の端面(21a)に対して前記受電部における前記凹状部の底面(11a)が傾く姿勢を提供する請求項3に記載の電気接続装置。
【請求項5】
前記棒状部は、根元側に設けられたシャフト部(12)と、前記シャフト部よりも外径が大きく前記シャフト部に一体に先端側に設けられた大径部(121)とを含み、
前記位置決め機構部は、
前記受電端子が前記給電部の給電端子(211)に電気接続された状態において、前記シャフト部が前記穴部に挿通された状態で前記穴部に対して傾き、かつ前記凸状部の端面(21a)に対して前記受電部における前記凹状部の底面(11a)が傾く姿勢を提供する請求項1に記載の電気接続装置。
【請求項6】
前記首振り機構部は、前記受電部に連結された連結部(142)と、前記連結部に形成された調整用開口部(142a)と、前記第1軸に沿って延びかつ前記調整用開口部の内径よりも小さい外径を有して、前記調整用開口部に挿通された軸部(141)とを含む請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の電気接続装置。
【請求項7】
前記給電部を含む部材を前記第1軸に沿う方向に駆動するアクチュエータ(4)を備える請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の電気接続装置。
【請求項8】
前記アクチュエータの駆動力を制御する制御部(3)を備え、
前記制御部は、前記給電部の前記凸状部と前記受電部の前記凹状部とが嵌合する際に前記給電部にかかる荷重が設定値に到達した場合に前記アクチュエータによる駆動力を抑制する請求項7に記載の電気接続装置。
【請求項9】
前記受電端子が前記給電部の給電端子(211)に電気接続された状態において、前記凸状部の端面(21a)に対して前記受電部における前記凹状部の底面(11a)が傾く姿勢を提供するために、前記受電側装置を押す接続解除装置(50)と、
前記受電側装置を押すために前記接続解除装置を駆動するアクチュエータ(5)と、
を備える請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の電気接続装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この明細書における開示は、給電側装置と受電側装置とを電気的に接続する電気接続装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は、ピン端子を備えたプラグのピン端子の外周位置に、プラグをコンセントに磁着により着脱自在に取付けるためのマグネットを備える技術を提案している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平10-41009号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1の装置は、プラグとコンセントのわずかなずれに対しては磁力によって適正に接続できるが、磁力が働かないようなずれに対して適正な接続を実施できない。特許文献1に記載の技術は、給電部と受電部に係るプラグイン接続を確実に実施する点において、改善の余地がある。
【0005】
この明細書における開示の目的は、給電側装置と受電側装置との確実な電気接続の実施を図る電気接続装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この明細書に開示された複数の態様は、それぞれの目的を達成するために、互いに異なる技術的手段を採用する。また、特許請求の範囲およびこの項に記載した括弧内の符号は、一つの態様として後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示す一例であって、技術的範囲を限定するものではない。
【0007】
開示された電気接続装置の一つは、受電側装置(1)に設けられて、受電端子(111)を有して凹状部を形成する受電部(11)と、
凸状部が受電部の凹状部に嵌合して電気接続された状態で受電側装置に電力を供給する給電側装置(2)に設けられて、受電部に対して第1軸(Y)に沿う方向に接近移動可能におよび離間移動可能に構成された給電部(21)と、
第1軸に対して直交する第2軸(X)と第1軸および第2軸に対して直交する第3軸(Z)とに関して、給電部に対する受電部の位置決めを可能にする位置決め機構部(12,121,24,241)と、
第2軸と第3軸との両方に関して、給電部に対して受電部を変位可能に揺動する首振り機構部(14)と、
を備え、
位置決め機構部は、棒状部(12,121)と、穴部(241)または凹部が形成されて棒状部を穴部または凹部に誘導する誘導面を有するガイド部(24)とを含む。
【0008】
位置決め機構部によれば、受電部と給電部とが第1軸に沿って接近して電気接続する過程で、第2軸と第3軸とに関して給電部に対する受電部の位置決めを実施できる。さらに首振り機構部は、第2軸と第3軸との両方に関して給電部に対して受電部を揺動させる作用により、給電部と受電部の位置関係を変位可能にする。受電部と給電部とが第1軸に沿って接近する際に、棒状部がガイド部の誘導面によって穴部または凹部に誘導されて、給電部に対する受電部の位置決めが適正になされる。これらによれば、給電部と受電部との位置ずれを許容範囲に収めつつ、給電部の凸状部と受電部の凹状部との嵌合面のねじれを吸収する電気接続を実施できる。したがって、この電気接続装置は、給電側装置と受電側装置との確実な電気接続の実施を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】第1実施形態における受電側装置と給電側装置の関係を示す図である。
図2】受電側装置の位置調節部と給電側装置の位置調節部との関係を示す図である。
図3】電気接続装置の制御に係るブロック図である。
図4】給電側装置の位置調節部および給電部を示す斜視図である。
図5】給電側装置の位置調節部および給電部を示す正面図である。
図6】受電側装置の位置調節部および受電部を示す斜視図である。
図7】受電側装置の首振り機構部を示す正面図である。
図8】受電側装置の首振り機構部を示す断面図である。
図9】位置決め機構部を示す斜視図である。
図10】棒状部が穴部に挿入された状態を示す図である。
図11】位置決め機構部が給電部に対して受電部が傾く姿勢を提供することを示す図である。
図12】受電端子を抜く際に給電部に対して受電部が傾く姿勢を示す図である。
図13】受電端子を差し込む際に給電部に対して受電部が傾く姿勢を示す図である。
図14】第2実施形態の接続解除装置をセットした状態を示す図である。
図15】接続解除装置を駆動して接続状態を解除することを示す図である。
図16】接続解除装置の制御係るブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下に、図面を参照しながら本開示を実施するための複数の形態を説明する。各形態において先行する形態で説明した事項に対応する部分には同一の参照符号を付して重複する説明を省略する場合がある。各形態において構成の一部のみを説明している場合は、構成の他の部分については先行して説明した他の形態を適用することができる。各実施形態で具体的に組み合わせが可能であることを明示している部分同士の組み合わせばかりではなく、特に組み合わせに支障が生じなければ、明示していなくても実施形態同士を部分的に組み合せることも可能である。
【0011】
第1実施形態
電気接続装置の一例を開示する第1実施形態について図1図13を参照しながら説明する。各図において、互いに直交の関係にある3方向に沿う軸を、X軸、Y軸、Z軸と示す。この明細書ではX軸とY軸とによって規定される平面が水平面に沿っている。Z軸は、鉛直方向に沿っている。この明細書においてY軸は第1軸であり、X軸は第2軸であり、Z軸は第3軸である。
【0012】
明細書に開示する電気接続装置は、給電側装置2から受電側装置1へ電力を供給するために、給電部21と受電部11とを接続する構成を有する装置である。この明細書において、給電部21と受電部11とを接続する動作は、電気接続動作と称する。受電側装置1は、電力を使用して作動する装置である。受電側装置1は、自ら移動可能な装置である。受電側装置1には、自動搬送車、ロボットなどの自走式装置が含まれる。受電側装置1は、植物を栽培するための装置、例えば栽培棚に適用することができる。栽培棚は、例えば屋内にて水耕栽培によって苗状態から収穫可能な状態にまで成長した植物を収穫する装置として用いられる。
【0013】
栽培棚は、例えば、上下方向に間隔をあけて設置された複数の棚を備えている。各棚には、それぞれ植物を保持する複数の保持具が設けられている。栽培棚は、保持具を搬送可能な複数の搬送路を備えている。一つの搬送路には、搬送路が延びる方向に複数の保持具が移動可能に設けられている。一つの搬送路は、搬送路が延びる方向に保持具とスペーサとを移動可能に備えることができる。
【0014】
受電側装置1は、複数の受電端子111を有して凹状部をなす受電部11を備えている。受電端子111は、凹状部の底面11aから突出するように設けられている。受電部11は、底面11aの表面に露出する複数の磁石部112を備えている。受電側装置1は、図1図2に示すように、受電部11の位置を調節可能な位置調節部10を備えている。位置調節部10は、少なくともX軸とZ軸とについて受電部11の位置を調節する機能を有する。
【0015】
給電側装置2は、複数の給電端子211を有して凸状部をなす給電部21を備えている。給電端子211は、電源部からの電力が供給可能なように電源部と連結されている。給電部21は、端面21aの表面に露出する複数の磁石部212を備えている。給電側装置2は、図1図2に示すように、給電部21の位置を調節可能な位置調節部20を備えている。位置調節部20は、少なくともY軸について給電部21の位置を調節する機能を有する。給電側装置2において給電部21および位置調節部20を備える部分は、所定の構造物に懸架されて設置されている。
【0016】
給電端子211は、凸状部の端面21aに形成された穴部または凹部に位置して凸状部に埋設されている。受電端子111は、受電部11の凹状部と給電部21の凸状部とが嵌合した状態において、給電部21の給電端子211に接触して電気接続される端子である。受電端子111は、凸状部の端面21aに形成された穴部または凹部に差し込まれた状態で凸状部の内部において給電端子211と接触する。受電部11の凹状部と給電部21の凸状部とが嵌合する状態では、凹状部の底面11aと凸状部の端面21aとが接触または近接して対面する。受電部11の凹状部と給電部21の凸状部とが嵌合する状態において、磁石部112と磁石部212とが引き合い、嵌合状態を実現することに寄与する。
【0017】
図2に示すように、給電側装置2と受電側装置1は、給電側装置2から受電側装置1へ電力を供給する場合に、Y軸に沿う方向に並ぶように配置される。以下、Y軸に沿う方向は、Y軸方向と同意である。このとき給電部21と受電部11は、Y軸に沿う方向に対向している。給電側装置2は、位置調節部20の要素の一つである被駆動部23をY軸に沿う方向に駆動するアクチュエータ4を備えている。被駆動部23は、受電部11と給電部21について、第1軸に関して変位可能となるように構成されている。アクチュエータ4は、被駆動部23を受電部11に対して接近する方向や離間する方向に移動させる駆動力を提供する。被駆動部23と給電部21は、一体に設けられている。被駆動部23は、給電部21を受電部11に対して接近する方向や離間する方向に移動させる。
【0018】
図3に示すように、電気接続装置は、アクチュエータ4を制御する制御部3を備えている。制御部3は、ROMおよびRAM等のメモリとCPUとを含むマイクロコンピュータとその周辺回路とを含んで構成されている。制御部3は、メモリに記憶された制御プログラムに基づいて各種演算、処理を行い、出力側に接続されたアクチュエータ4の作動を制御して、電気接続動作を行う。メモリはコンピュータやプロセッサによって読み取り可能な各種プログラムと各種情報を非一時的に格納する非遷移的実体的記憶媒体である。メモリは揮発性メモリと不揮発性メモリとを有している。また、制御部3は、メモリに記憶された栽培制御プログラムに基づいて各種演算、処理を行い、出力側に接続された制御対象機器の作動を制御する構成でもよい。
【0019】
制御部3は、判断処理を実行する処理部31と、アクチュエータ4を制御するための制御信号を出力する出力部32とを備えている。処理部31は、メモリなどに記憶されているプログラムとデータとを読み込んで演算処理を実行する。この演算処理は、所定の時刻到来、所定の時間間隔ごとに、または受電側装置1の充電量に基づいて、電気接続動を実施するか否かを決定する処理を含む。
【0020】
さらに演算処理は、給電部21にかかる荷重に基づいてアクチュエータ4による駆動力を決定する処理を含む。処理部31は、給電部21にかかる荷重を検出するセンサ信号を読み出し、プログラムにしたがった演算処理によって、アクチュエータ4による駆動力を決定する。出力部32は、処理部31によって決定された駆動力に基づいた駆動信号をアクチュエータ4に出力する。アクチュエータ4は、指示された駆動信号に基づいた駆動力によって被駆動部23をY軸に沿う方向に駆動する。
【0021】
制御部3は、給電部21にかかる荷重を検知する荷重検知部を備える。処理部31は、給電部の凸状部と受電部の凹状部とが嵌合する際に給電部にかかる荷重が設定値に到達した場合にアクチュエータ4の駆動力を抑制する決定を実行する。設定値は、メモリやプログラムなどに予め設定された作動荷重の上限値である。処理部31がアクチュエータ4の駆動力を抑制する決定をした場合に、出力部32は、抑制された駆動力に基づいた駆動信号をアクチュエータ4に出力する。この場合、制御部3は、被駆動部23の駆動量が最大ストロークよりも小さい場合であっても、抑制された駆動力となるようにアクチュエータ4を制御する。
【0022】
図4図5は、給電側装置2における位置調節部20と給電部21とを示している。給電側装置2は、給電部21と、位置調節部20を支持している固定部22と、位置調節部20と、ガイド部24とを備えている。給電側装置2は、被駆動部23をZ軸周りに首振り可能な首振り機構部25を備える構成でもよい。首振り機構部25は、被駆動部23をZ軸周りに回転する回転軸を有して、被駆動部23に一体に設けられている給電部21をZ軸周りに回動する。首振り機構部25は、受電部11と給電部21について、第3軸周りに揺動可能または回転可能となるように構成されている。
【0023】
位置調節部20は、被駆動部23と、アクチュエータ4とを含んでいる。被駆動部23は、棒状でありボールねじが形成されたリニアスライド部231を備えている。被駆動部23は、X軸方向に離間する一対のリニアスライド部231を備えている。アクチュエータ4は、リニアスライド部231を回転させて、被駆動部23をY軸に沿う方向に推進するモータを備えている。
【0024】
一対のガイド部24は、給電部21に対してX軸方向の両側に設けられている。一対のガイド部24は、X軸およびY軸を含む平面上に延びるベクトルに沿うように延びている部分であり、すり鉢形状の誘導面を有している。ガイド部24には、すり鉢形状の底部に形成された穴部241または凹部を備えている。電気接続動作において、ガイド部24は、位置調節部10の一要素であるシャフト部12の先端に設けられた大径部121を、穴部241または凹部に誘導する機能を有する。受電部11が給電部21に接近するにつれて大径部121は、ガイド部24のすり鉢状の誘導面における底部に接する。さらに接近が進行すると、大径部121は、ガイド部24の誘導面の底部に接した状態で滑りながら、穴部241または凹部に近づいていく。大径部121は、穴部241または凹部に嵌り込み、X軸およびZ軸についてのおおよその位置が決まる。これにより、給電部21に対する受電部11について、X軸およびZ軸についてのおおよその位置が決まることになる。
【0025】
図6に示すように、受電側装置1の位置調節部10は、X軸とZ軸との両方に関して、給電部21に対して受電部11を変位可能に揺動する首振り機構部14を備えている。首振り機構部14は、受電部11に一体に設けられており、支持部材によって支持されている。支持部材は、一対の柱状部13と、一対の横方向支持部131と、一対の縦方向支持部132とを備えている。一対の柱状部13は、X軸方向に間隔をあけて設けられて、Z軸方向に延びる形状である。一対の横方向支持部131は、X軸方向に延びる形状であり、Z軸方向に間隔をあけて設けられている。
【0026】
一対の横方向支持部131は、Z軸方向について受電部11の両側に位置して設けられている。一対の横方向支持部131のそれぞれは、柱状部13に支持されている被支持部131aを有している。被支持部131aは、横方向支持部131における両端部に設けられている。一対の縦方向支持部132は、Z軸方向に延びる形状であり、X軸方向に間隔をあけて設けられている。一対の縦方向支持部132は、X軸方向について受電部11の両側に位置して設けられている。縦方向支持部132は、両端部のそれぞれが横方向支持部131に対してX軸方向に摺動可能に、摺動支持部133によって支持されている。縦方向支持部132と横方向支持部131は、受電部11と給電部21について、第2軸に関して変位可能となるように構成されている。摺動支持部133は、縦方向支持部132の両端部のそれぞれにおいて横方向支持部131と縦方向支持部132とを接続している部分である。
【0027】
首振り機構部14は、一対の前方支持部122を介して一対の縦方向支持部132によって、Z軸方向に摺動可能に支持されている。一対の前方支持部122は、一対の縦方向支持部132と首振り機構部14とを連結する部材である。一対の前方支持部122は、Y軸方向に延びる形状であり、X軸方向に間隔をあけて設けられている。一対の前方支持部122は、X軸方向について受電部11の両側に位置して設けられている。一対の前方支持部122は、縦方向支持部132に対してZ軸方向に摺動可能に設けられている。前方支持部122と縦方向支持部132は、受電部11と給電部21について、第3軸に関して変位可能となるように構成されている。首振り機構部14は、前方支持部122と受電部11とを連結する連結部142を備えている。連結部142は、受電部11の両側に設けられた一対のシャフト部12を連結する部材であり、X軸方向に延びる板状部である。
【0028】
図7図8に示すように、首振り機構部14は、連結部142に形成された調整用開口部142aを備えている。連結部142には、受電部11の両側に設けられた一対の調整用開口部142aが設けられている。調整用開口部142aには、首振り機構部14の一要素である軸部141が挿通されている。調整用開口部142aの内径は、軸部141よりも大きい寸法に形成されている。軸部141は、シャフト部12と同様にY軸方向に延びる形状であり、前方支持部122に固定されている。この構成により、調整用開口部142aを形成する内周面と軸部141の外周面との間に間隙があるため、軸部141に対して連結部142を傾く姿勢にすることができる。したがって、連結部142と受電部11は、Y軸周りに揺動または首振り可能になり、X軸およびZ軸のそれぞれに係る座標位置を変位させることができる。首振り機構部14は、受電部11と給電部21について、第1軸周りに揺動可能または回転可能となるように構成されている。
【0029】
電気接続動作において、受電部11がY軸周りに揺動または首振り可能になる構成について、図7図8を参照しながら説明する。図8に示すように、首振り機構部14は、連結部142の前後のそれぞれにおいて、軸部141が挿通されたウェーブワッシャ144および一対の平ワッシャ143を備える。給電部21側に位置するウェーブワッシャ144は、前後の平ワッシャ143を離間するようにばね力を与える。前方支持部122側に位置するウェーブワッシャ144は、前後の平ワッシャ143を離間するようにばね力を与える。これにより、前後の平ワッシャ143が連結部142を挟んで押し合うため、連結部142についてY軸方向の位置が安定するようになる。
【0030】
一方、調整用開口部142aを形成する連結部142の内周面と軸部141との間の間隙により、軸部141に対して連結部142および受電部11が上下に変位可能である。また、この間隙により、軸部141に対して連結部142および受電部11が左右に変位可能である。この間隙とウェーブワッシャ144のばね力とにより、首振り機構部14は、受電部11と給電部21について、第2軸に関して変位可能となるように構成されている。受電部11の両側には一対の軸部141が設けられているため、連結部142はX軸方向について一方側が上方に位置し他方側が下方に位置する姿勢になり得る。このX軸に対する連結部142の傾き度合いは、連結部142の内周面の内径と軸部141の外径との差に基づいて設定される。さらに図7に示す構成では、一対の前方支持部122のそれぞれが独立して上下に変位可能である。
【0031】
この構成によれば、このX軸に対する連結部142の傾き度合いをさらに大きくすることができる。図7に示す例では、図7の右側の前方支持部122が左側の前方支持部122よりも上方に位置し、左右の前方支持部122の高さの差だけ、連結部142が傾く。この傾きにより、右側の軸部141が連結部142の内周面の上部に接触し左側の軸部141が連結部142の内周面の下部に接触して受電部11を大きく傾けることができる。連結部142の傾き度合いに応じて受電部11の首振り範囲を設定できるため、給電部21に対する受電部11の位置調節範囲を高めることができる。このため、電気接続動作時に給電部21に対する受電部11の位置ずれが生じた場合に、適正な接続を実施する状況を数多く実現できる。
【0032】
電気接続動作において大径部121が穴部241に嵌り込んだ状態から、さらに受電部11に対して給電部21が接近すると、図9に示す状態になる。図9に示す状態は、大径部121は穴部241を通り抜けて、シャフト部12が穴部241に挿通されている状態である。穴部241の内径は、シャフト部12よりも大きい寸法に形成されている。この構成により、穴部241を形成する内周面とシャフト部12の外周面との間に間隙を形成できる。このため、図11に示すように、穴部241の中心軸に対してシャフト部12を傾けることができる。
【0033】
電気接続動作におけるこの過程について、図10図11を参照して説明する。電気接続動作において大径部121がガイド部24における穴部241に嵌りこむと、穴部241と大径部121の隙間は小さいため、大径部121はY軸に沿って進入する。このように、大径部121が穴部241に挿通されている状態では、受電部11の底面11aと給電部21の端面21aとはほぼ平行な姿勢で対向している。換言すれば、この状態は、受電部11と給電部21とは、互いの中心軸がほぼ一致するような姿勢で対向している。
【0034】
さらに受電部11と給電部21が接近すると、図11に示すように、大径部121が穴部241を通り抜けて、シャフト部12が穴部241に挿通される状態になる。この状態ではシャフト部12と穴部241との間に間隙が形成されているため、シャフト部12は穴部241の中心軸に対して傾くことができる。そして受電端子111が、給電端子211が埋設されている給電部21の凹部に深く差し込まれると、受電端子111が給電端子211に接触する。給電端子211はシャッター式の開閉機構を有するため、受電端子111が給電端子211に対して垂直に接触した場合、端子にかかる荷重が大きくなりスムーズに接続し難い。例えば、図13に対して、受電部11の底面11aと給電部21の端面21aとが平行になる状態が、受電端子111が給電端子211に対して垂直に接触する状態である。図11のようにシャフト部12が穴部241の中心軸に対して傾くことが可能なため、受電部11の底面11aが給電部21の端面21aに対して傾く姿勢にできる。この姿勢により、図13に示すように受電端子111は給電端子211に対して斜めに接触可能であるため、垂直に接触する場合に比べて受電端子111にかかる荷重を抑制できる。これにより、受電端子111が給電端子211を斜めに押すことができ受電端子111の負荷が小さくなり給電端子211が開きやすくなるという効果が得られる。
【0035】
シャフト部12が穴部241の中心軸に対して傾くことは、受電端子111を給電端子211から抜く動作を行う場合にも、引き抜き荷重を抑制することに寄与する。図12に示すように受電端子111は給電端子211に対して斜めになった状態である。図12に示す状態は、受電端子111が給電端子211に対して垂直である状態から引く抜く場合に比べて端子にかかる荷重を抑制できる。これにより、受電端子111を給電端子211に対して斜めに引く抜くことができ受電端子111の負荷が小さくなり電気接続状態が解除されやすくなるという効果が得られる。
【0036】
第1実施形態の電気接続装置は、受電側装置1に設けられて、受電端子111を有して凹状部を形成する受電部11と、受電部11と電気接続される給電部21とを備える。給電部21は、凸状部が受電部11の凹状部に嵌合して電気接続された状態で受電側装置1に電力を供給する給電側装置2に設けられている。給電部21は、受電部11に対して第1軸に沿う方向に接近移動可能におよび離間移動可能に構成されている。電気接続装置は、位置決め機構部と首振り機構部とを備える。位置決め機構部は、第1軸に対して直交する第2軸と第1軸および第2軸に対して直交する第3軸とに関して、給電部21に対する受電部11の位置決めを可能にする。首振り機構部は、第2軸と第3軸との両方に関して、給電部21に対して受電部11を変位可能に揺動する。位置決め機構部は、棒状部と、穴部241または凹部が形成されて、棒状部を穴部241または凹部に誘導する誘導面を有するガイド部24とを含む。
【0037】
位置決め機構部は、受電部11と給電部21とが第1軸に沿って接近して電気接続する過程で第2軸と第3軸とに関して給電部21に対する受電部11の位置決めを実施する。さらに首振り機構部は、第2軸と第3軸との両方に関して給電部21に対して受電部11を揺動させる作用によって給電部21と受電部11の位置関係を変位できる。受電部11と給電部21が第1軸に沿って接近することに伴って、棒状部が誘導面によって穴部241または凹部に誘導される。この誘導作用により、給電部21に対する受電部11の位置決めが適正になされる。これらによれば、給電部21と受電部11との位置ずれを許容範囲に収めつつ、給電部21の凸状部と受電部11の凹状部との嵌合面のねじれを吸収することができる。この電気接続装置によれば、数センチ単位の、給電部21と受電部11との位置ずれをミリ単位のずれに矯正するために有用である。以上のように、この電気接続装置は、位置決め機構部によって、給電部21と受電部11との位置関係が大きくずれないように近づけながら電気接続を実施できる。さらに首振り機構部の揺動作用は、給電部21の凸状部と受電部11の凹状部との嵌合状態を微調整でき、適正な嵌合状態を提供する。
【0038】
位置決め機構部は、給電部21における凸状部の端面21aに対して受電部11における凹状部の底面11aが傾く姿勢を提供する。この構成によれば、端面21aに対して底面11aが傾いた状態で給電部21と受電部11との嵌め合いを行うことにより、電気接続を円滑に行うことに貢献できる。また、この構成によれば、給電部21と受電部11との嵌合解除時に発生する荷重を軽減して、電気接続の解除を行いやすくすることに貢献できる。
【0039】
位置決め機構部は、棒状部が穴部241に挿通されてかつ給電部21の凸状部が受電部11の凹状部に入り込んでいない状態において棒状部が第1軸に沿う姿勢を提供する。位置決め機構部は、棒状部が穴部241に挿通されてかつ給電部の凸状部が受電部の凹状部に入り込んだ状態において凸状部の端面21aに対して凹状部の底面11aが傾く姿勢を提供する。この構成によれば、受電端子111は給電端子211に対して斜めに接触することができるため、垂直に接触する場合に比べて受電端子111にかかる荷重を抑制できる。したがって、端子に作用する荷重を抑制できるので、電気接続を円滑に行えたり、電気接続の解除を円滑に行えたりすることに寄与する。
【0040】
棒状部は、根元側に設けられたシャフト部12と、シャフト部よりも外径が大きくシャフト部に一体に先端側に設けられた大径部121とを含む。位置決め機構部は、大径部121が穴部241に挿通されてかつ給電部の凸状部が受電部の凹状部に入り込んでいない状態において棒状部が第1軸に沿う姿勢を提供する。位置決め機構部は、シャフト部12が穴部241に挿通された状態で穴部に対して傾き、かつ給電部の凸状部が受電部の凹状部に入り込んだ状態において給電部の端面21aに対して受電部の底面11aが傾く姿勢を提供する。
【0041】
これによれば、大径部121が穴部241に嵌るときとシャフト部12が穴部241に嵌るときとで、端面21aに対する底面11aの傾き具合を変化させる構成を提供できる。これにより、受電部11が給電部21により接近した状態で、端面21aに対して底面11aを傾かせる姿勢を提供する位置決め機構を実現できる。
【0042】
位置決め機構部は、受電端子111が給電端子211に電気接続された状態においてシャフト部12が穴部241に挿通された状態で穴部に対して傾く姿勢を提供する。さらに位置決め機構部は、凸状部の端面21aに対して凹状部の底面11aが傾く姿勢を提供する。この構成によれば、給電端子と受電端子との電気接続を解除するときにシャフト部12を穴部241に対して傾かせることができる。これにより、第1軸に交差するモーメント力を形成でき抜去荷重を軽減でき、電気接続の解除を円滑に実施することに寄与する。受電部11と給電部21との嵌合において磁石等の磁力吸引を利用する場合には、抜去荷重を軽減できる有用なプラグの姿勢を提供することができる。
【0043】
首振り機構部14は、受電部に連結された連結部142と、連結部に形成された調整用開口部142aと、第1軸に沿って延びかつ調整用開口部の内径よりも小さい外径を有して、調整用開口部に挿通された軸部141とを含む。この構成によれば、図7に示すように、受電部を第1軸周りに揺動させて首振りできる位置調節部を提供できる。このため、受電部と給電部との嵌合面に関わるねじれ状態を解消させながら電気接続動作を実施できる。
【0044】
電気接続装置は、給電部を含む部材を第1軸に沿う方向に駆動するアクチュエータ4を備える。アクチュエータ4によれば、給電部を第1軸に沿って駆動して受電部に近づけながら給電部と受電部との嵌合状態を微調整できる。この電気接続装置は、作業者が操作できない場所での遠隔操作を可能して、適正な嵌合状態を実施する装置を実現できる。
【0045】
電気接続装置は、アクチュエータの駆動力を制御する制御部3を備える。制御部3は、給電部の凸状部と受電部の凹状部とが嵌合する際に給電部にかかる荷重が設定値に到達した場合にアクチュエータ4の駆動力を抑制する。この構成によれば、最大ストロークに到達しない状態で嵌合した際の荷重を検知してアクチュエータの駆動を止めることを可能する。電気接続装置は、作動荷重が大きい場合にアクチュエータ4の駆動力を抑制するため、機器の破損を抑制でき、装置の転倒などを招く過剰な力が生じることを抑止できる。
【0046】
第2実施形態
第2実施形態について図14図16を参照して説明する。第2実施形態の電気接続装置は、図14図15に示す接続解除装置50を備える点が、第1実施形態に対して相違する。第2実施形態で特に説明しない構成、作用、効果については、前述の実施形態と同様であり、以下、異なる点について説明する。
【0047】
図14図16において第1実施形態と同様の符号を付した構成要素に関する説明は、第1実施形態に記載にしたがうものとする。接続解除装置50は、作用点部51aを含む作用部材51と、作用部材51に結合している被駆動部材52とを備えている。作用部材51と被駆動部材52は、軸支部53によって互いに直交する姿勢を維持した状態で結合されている棒状の部材である。
【0048】
図16に示すように第2実施形態の電気接続装置は、被駆動部材52をY軸に沿う方向に駆動するアクチュエータ5を備えている。アクチュエータ5は、被駆動部材52における端部に位置する力点部52aをY軸に沿う方向に駆動する駆動力を提供する。制御部3は、メモリに記憶された制御プログラムに基づいて各種演算、処理を行い、出力側に接続されたアクチュエータ5の作動を制御して、電気接続の解除動作を行う。
【0049】
制御部3は、受電側装置1への給電が完了する条件が成立した場合に、アクチュエータ5を制御して、被駆動部材52の力点部52aをY軸に沿う方向に駆動する。この制御に伴い、接続解除装置50は、図15に示すように、作用部材51の作用点部51aが受電部11から離れた位置において受電側装置1を押す。力点部52aが駆動される方向と、作用点部51aが受電側装置1を押す方向は逆向きである。接続解除装置50は、てこの原理を利用して、給電側装置2に対して受電側装置1を離間させる力を提供する。
【0050】
第2実施形態の電気接続装置は、受電端子111が給電端子211に電気接続された状態において、凸状部の端面21aに対して凹状部の底面11aが傾く姿勢を提供する。端面21aに対して底面11aが傾く姿勢になることにより、受電端子111を給電端子211から抜く動作を行うときに引き抜き荷重を抑制することに寄与する。これは、図12に示す状態と同様に受電端子111が給電端子211に対して斜めになった状態であるため、垂直状態から引く抜く場合に比べて端子にかかる荷重を抑制できる。これにより、電気接続の解除時に受電端子111の負荷が小さくなり、電気接続状態が解除されやすくなるという効果が得られる。
【0051】
<他の実施形態>
この明細書の開示は、例示された実施形態に制限されない。開示は、例示された実施形態と、それらに基づく当業者による変形態様を包含する。例えば、開示は、実施形態において示された部品、要素の組み合わせに限定されず、種々変形して実施することが可能である。開示は、多様な組み合わせによって実施可能である。開示は、実施形態に追加可能な追加的な部分をもつことができる。開示は、実施形態の部品、要素が省略されたものを包含する。開示は、一つの実施形態と他の実施形態との間における部品、要素の置き換え、または組み合わせを包含する。開示される技術的範囲は、実施形態の記載に限定されない。開示される技術的範囲は、特許請求の範囲の記載によって示され、さらに特許請求の範囲の記載と均等の意味および範囲内での全ての変更を含むものと解されるべきである。
【0052】
図1図16等に示される各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。例えば、各機能ブロックの分散、統合の具体的形態は図示のものに限られず、その全部または一部を、各種の負荷や使用状況などに応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散、統合して構成することが可能である。電気接続装置は、受電部11と給電部21について、第1軸、第2軸および第3軸に関して変位可能に構成されるとともに各軸周りに揺動可能または回転可能に構成されている。
【0053】
本開示に記載の制御部およびその手法は、コンピュータプログラムにより具体化された一つないしは複数の機能を実行するようにプログラムされたプロセッサを構成する専用コンピュータにより、実現されてもよい。あるいは、本開示に記載の装置およびその手法は、専用ハードウェア論理回路により、実現されてもよい。もしくは、本開示に記載の装置およびその手法は、コンピュータプログラムを実行するプロセッサと一つ以上のハードウェア論理回路との組み合わせにより構成された一つ以上の専用コンピュータにより、実現されてもよい。また、コンピュータプログラムは、コンピュータにより実行されるインストラクションとして、コンピュータ読み取り可能な非遷移有形記録媒体に記憶されていてもよい。
【0054】
技術的思想の開示
この明細書は、以下に列挙する複数の項に記載された複数の技術的思想を開示している。いくつかの項は、後続の項において先行する項を択一的に引用する多項従属形式(a multiple dependent form)により記載されている場合がある。これらの多項従属形式で記載された項は、複数の技術的思想を定義している。
【0055】
(技術的思想1)
受電側装置(1)に設けられて、受電端子(111)を有して凹状部を形成する受電部(11)と、
凸状部が前記受電部の前記凹状部に嵌合して電気接続された状態で前記受電側装置に電力を供給する給電側装置(2)に設けられて、前記受電部に対して第1軸(Y)に沿う方向に接近移動可能におよび離間移動可能に構成された給電部(21)と、
前記第1軸に対して直交する前記第2軸(X)と前記第1軸および前記第2軸に対して直交する第3軸(Z)とに関して、前記給電部に対する前記受電部の位置決めを可能にする位置決め機構部(12,121,24,241)と、
前記第2軸と前記第3軸との両方に関して、前記給電部に対して前記受電部を変位可能に揺動する首振り機構部(14)と、
を備え、
前記位置決め機構部は、棒状部(12,121)と、穴部(241)または凹部が形成されて前記棒状部を前記穴部または前記凹部に誘導する誘導面を有するガイド部(24)とを含む電気接続装置。
【0056】
(技術的思想2)
前記位置決め機構部は、前記給電部における前記凸状部の端面(21a)に対して前記受電部における前記凹状部の底面(11a)が傾く姿勢を提供する技術的思想1に記載の電気接続装置。
【0057】
(技術的思想3)
前記位置決め機構部は、
前記棒状部が前記穴部に挿通されてかつ前記給電部の前記凸状部が前記受電部の前記凹状部に入り込んでいない状態において前記棒状部が前記第1軸に沿う姿勢を提供し、
前記棒状部が前記穴部に挿通されてかつ前記給電部の前記凸状部が前記受電部の前記凹状部に入り込んだ状態において前記給電部における前記凸状部の端面に対して前記受電部における前記凹状部の底面が傾く姿勢を提供する技術的思想2に記載の電気接続装置。
【0058】
(技術的思想4)
前記棒状部は、根元側に設けられたシャフト部(12)と、前記シャフト部よりも外径が大きく前記シャフト部に一体に先端側に設けられた大径部(121)とを含み、
前記位置決め機構部は、
前記大径部が前記穴部に挿通されてかつ前記給電部の前記凸状部が前記受電部の前記凹状部に入り込んでいない状態において前記棒状部が前記第1軸に沿う姿勢を提供し、
前記シャフト部が前記穴部に挿通された状態で前記穴部に対して傾き、かつ前記給電部の前記凸状部が前記受電部の前記凹状部に入り込んだ状態において前記給電部における前記凸状部の端面(21a)に対して前記受電部における前記凹状部の底面(11a)が傾く姿勢を提供する技術的思想3に記載の電気接続装置。
【0059】
(技術的思想5)
前記棒状部は、根元側に設けられたシャフト部(12)と、前記シャフト部よりも外径が大きく前記シャフト部に一体に先端側に設けられた大径部(121)とを含み、
前記位置決め機構部は、
前記受電端子が前記給電部の給電端子(211)に電気接続された状態において、前記シャフト部が前記穴部に挿通された状態で前記穴部に対して傾き、かつ前記凸状部の端面(21a)に対して前記受電部における前記凹状部の底面(11a)が傾く姿勢を提供する技術的思想1に記載の電気接続装置。
【0060】
(技術的思想6)
前記首振り機構部は、前記受電部に連結された連結部(142)と、前記連結部に形成された調整用開口部(142a)と、前記第1軸に沿って延びかつ前記調整用開口部の内径よりも小さい外径を有して、前記調整用開口部に挿通された軸部(141)とを含む技術的思想1から技術的思想5のいずれか一項に記載の電気接続装置。
【0061】
(技術的思想7)
前記給電部を含む部材を前記第1軸に沿う方向に駆動するアクチュエータ(4)を備える技術的思想1から技術的思想6のいずれか一項に記載の電気接続装置。
【0062】
(技術的思想8)
前記アクチュエータの駆動力を制御する制御部(3)を備え、
前記制御部は、前記給電部の前記凸状部と前記受電部の前記凹状部とが嵌合する際に前記給電部にかかる荷重が設定値に到達した場合に前記アクチュエータによる駆動力を抑制する技術的思想7に記載の電気接続装置。
【0063】
(技術的思想9)
前記受電端子が前記給電部の給電端子(211)に電気接続された状態において、前記凸状部の端面(21a)に対して前記受電部における前記凹状部の底面(11a)が傾く姿勢を提供するために、前記受電側装置を押す接続解除装置(50)と、
前記受電側装置を押すために前記接続解除装置を駆動するアクチュエータ(5)と、
を備える技術的思想1から技術的思想4のいずれか一項に記載の電気接続装置。
【符号の説明】
【0064】
1…受電側装置、 11…受電部、 11a…底面
12…シャフト部(棒状部、位置決め機構部)、 14…首振り機構部、 21…給電部
21a…端面、 24…ガイド部(位置決め機構部)、 111…受電端子
121…大径部(棒状部、位置決め機構部)、 141…軸部、 211…給電端子
241…穴部(位置決め機構部)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16