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特開2024-140594潤滑剤の温度および圧力の測定方法、測定装置、およびプログラム
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  • 特開-潤滑剤の温度および圧力の測定方法、測定装置、およびプログラム 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024140594
(43)【公開日】2024-10-10
(54)【発明の名称】潤滑剤の温度および圧力の測定方法、測定装置、およびプログラム
(51)【国際特許分類】
   G01K 13/02 20210101AFI20241003BHJP
   G01N 33/30 20060101ALI20241003BHJP
   G01L 7/00 20060101ALI20241003BHJP
【FI】
G01K13/02
G01N33/30
G01L7/00 L
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023051796
(22)【出願日】2023-03-28
(71)【出願人】
【識別番号】000004204
【氏名又は名称】日本精工株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002000
【氏名又は名称】弁理士法人栄光事務所
(72)【発明者】
【氏名】岩瀬 駿介
(72)【発明者】
【氏名】丸山 泰右
【テーマコード(参考)】
2F055
2F056
【Fターム(参考)】
2F055AA39
2F055CC59
2F055FF49
2F056WF08
(57)【要約】      (修正有)
【課題】装置内の潤滑剤の油膜の温度および圧力の導出を容易に行う方法を提供する。
【解決手段】温度または圧力の変化に応じて誘電緩和が生じる潤滑剤の温度または圧力の測定方法は、前記潤滑剤に対して所定の電圧を印加することで前記潤滑剤の比誘電率を測定する測定工程と、前記測定工程にて測定された比誘電率と、前記測定時の温度および圧力の一方の値とを、理論式に適用することで、前記測定時の温度および圧力の他方を算出する算出工程と、を有し、前記理論式は、温度および圧力が異なる条件下において、前記潤滑剤に対して所定の電圧を印加した際に得られる緩和時間の測定結果をフィッティングすることにより得られるフィッティングパラメータを含んで構成される。
【選択図】図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
温度または圧力の変化に応じて誘電緩和が生じる潤滑剤の温度または圧力の測定方法であって、
所定の電圧を印加することで前記潤滑剤の比誘電率を測定する測定工程と、
前記測定工程にて測定された比誘電率と、前記測定時の温度および圧力の一方の値とを、理論式に適用することで、前記測定時の温度および圧力の他方を算出する算出工程と、
を有し、
前記理論式は、温度および圧力が異なる条件下において、前記潤滑剤に対して前記所定の電圧を印加した際に得られる緩和時間の測定結果をフィッティングすることにより得られるフィッティングパラメータを含んで構成される、測定方法。
【請求項2】
前記算出工程にて算出された温度または圧力の値を用いて前記潤滑剤の状態を診断する診断工程を更に有する、請求項1に記載の測定方法。
【請求項3】
温度を算出する際の前記理論式は、
【数1】

T:潤滑剤の温度[K]
:フィッティングパラメータ[K]
τ:緩和時間[s]
τ:フィッティングパラメータ[s]
D:フィッティングパラメータ
P:潤滑剤の圧力[Pa]
である、請求項1に記載の測定方法。
【請求項4】
圧力を算出する際の前記理論式は、
【数2】

T:潤滑剤の温度[K]
:フィッティングパラメータ[K]
τ:緩和時間[s]
τ:フィッティングパラメータ[s]
D:フィッティングパラメータ
A1:フィッティングパラメータ[K]
A2:フィッティングパラメータ[1/Pa]
P:潤滑剤の圧力[Pa]
:大気圧[Pa]
である、請求項1に記載の測定方法。
【請求項5】
前記潤滑剤は、フタル酸ビス(2-エチルヘキシル)、フタル酸ジオクチル、リン酸トリクレジル、またはポリプロピレングリコールにて組成される、請求項1に記載の測定方法。
【請求項6】
前記潤滑剤は、以下の特性を有する請求項1に記載の測定方法。
εr0/n>1.1
εr0:低交流周波数域での比誘電率
n:屈折率
【請求項7】
前記所定の電圧は、周波数が可変の電源により印加される電圧である、請求項1に記載の測定方法。
【請求項8】
温度または圧力の変化に応じて誘電緩和が生じる潤滑剤の温度または圧力の測定装置であって、
所定の電圧を印加することで前記潤滑剤の比誘電率を測定する測定手段と、
前記測定手段にて測定された比誘電率と、前記測定時の温度および圧力の一方の値とを、理論式に適用することで、前記測定時の温度および圧力の他方を算出する算出手段と、
を有し、
前記理論式は、温度および圧力が異なる条件下において、前記潤滑剤に対して前記所定の電圧を印加した際に得られる緩和時間の測定結果をフィッティングすることにより得られるフィッティングパラメータを含んで構成される、測定装置。
【請求項9】
コンピュータに、
温度または圧力の変化に応じて誘電緩和が生じる潤滑剤に対して、所定の電圧を印加することで前記潤滑剤の比誘電率を測定する測定工程と、
前記測定工程にて測定された比誘電率と、前記測定時の温度および圧力の一方の値とを、理論式に適用することで、前記測定時の温度および圧力の他方を算出する算出工程と、
を実行させ、
前記理論式は、温度および圧力が異なる条件下において、前記潤滑剤に対して前記所定の電圧を印加した際に得られる緩和時間の測定結果をフィッティングすることにより得られるフィッティングパラメータを含んで構成される、プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、潤滑剤の温度および圧力の測定方法、測定装置、およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、軸受装置では、潤滑剤(例えば、潤滑油やグリース)を用いて、その回転を潤滑する構成が広く普及している。一方、軸受装置などの回転部品に対しては、定期的に状態診断を行うことで、損傷や摩耗を早期に検知して回転部品の故障などの発生を抑制することが行われている。
【0003】
潤滑剤を用いた軸受装置では、その動作状態を診断するために、潤滑剤に関する状態を適切に検知することが求められる。例えば、特許文献1では、転動装置において、交流電源によるインピーダンス解析を用いて、潤滑剤の膜の厚さ及び金属の接触割合を検出する方法が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2019-211317号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
軸受装置などの装置において潤滑剤周りの状態を把握することは、その装置の損傷などを防止する上でも非常に有用である。潤滑剤周りの状態としては、潤滑剤による油膜の温度や圧力が挙げられる。一方、潤滑剤などの対象を非破壊にて装置から取り出して観察することには、困難性が伴う。特許文献1の方法では、潤滑剤の膜の厚さや金属の接触割合を導出することは可能であるが、潤滑剤の温度や圧力の測定は行っていなかった。
【0006】
上記課題を鑑み、本発明は、装置内の潤滑剤の油膜の温度および圧力の導出を容易に行う方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために本発明は以下の構成を有する。すなわち、温度または圧力の変化に応じて誘電緩和が生じる潤滑剤の温度または圧力の測定方法であって、
前記潤滑剤に対して所定の電圧を印加することで前記潤滑剤の比誘電率を測定する測定工程と、
前記測定工程にて測定された比誘電率と、前記測定時の温度および圧力の一方の値とを、理論式に適用することで、前記測定時の温度および圧力の他方を算出する算出工程と、
を有し、
前記理論式は、温度および圧力が異なる条件下において、前記潤滑剤に対して前記所定の電圧を印加した際に得られる緩和時間の測定結果をフィッティングすることにより得られるフィッティングパラメータを含んで構成される、測定方法。
【0008】
また、本発明の別の形態は以下の構成を有する。すなわち、温度または圧力の変化に応じて誘電緩和が生じる潤滑剤の温度または圧力の測定装置であって、
前記潤滑剤に対して所定の電圧を印加することで前記潤滑剤の比誘電率を測定する測定手段と、
前記測定手段にて測定された比誘電率と、前記測定時の温度および圧力の一方の値とを、理論式に適用することで、前記測定時の温度および圧力の他方を算出する算出手段と、
を有し、
前記理論式は、温度および圧力が異なる条件下において、前記潤滑剤に対して前記所定の電圧を印加した際に得られる緩和時間の測定結果をフィッティングすることにより得られるフィッティングパラメータを含んで構成される、測定装置。
【0009】
また、本発明の別の形態は以下の構成を有する。すなわち、プログラムであって、
コンピュータに、
温度または圧力の変化に応じて誘電緩和が生じる潤滑剤に対して、所定の電圧を印加することで前記潤滑剤の比誘電率を測定する測定工程と、
前記測定工程にて測定された比誘電率と、前記測定時の温度および圧力の一方の値とを、理論式に適用することで、前記測定時の温度および圧力の他方を算出する算出工程と、
を実行させ、
前記理論式は、温度および圧力が異なる条件下において、前記潤滑剤に対して前記所定の電圧を印加した際に得られる緩和時間の測定結果をフィッティングすることにより得られるフィッティングパラメータを含んで構成される、プログラム。
【発明の効果】
【0010】
本発明により、装置内の潤滑剤の油膜温度および圧力の導出を容易に行うことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】潤滑剤の温度と誘電緩和の関係を説明するためのグラフ図。
図2】潤滑剤の温度と緩和時間の関係を説明するためのグラフ図。
図3】潤滑剤の圧力と緩和時間の関係を説明するためのグラフ図。
図4A】油膜周りの構成を説明するための概念図。
図4B】本発明の一実施形態に係る測定装置の構成例を示す概念図。
図5】本発明の一実施形態に係る測定装置による測定結果の例を示すグラフ図。
図6】本発明の一実施形態に係る測定装置による測定結果の例を示すグラフ図。
図7】本発明の一実施形態に係る測定装置の測定処理のフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明を実施するための形態について図面などを参照して説明する。なお、以下に説明する実施形態は、本発明を説明するための一実施形態であり、本発明を限定して解釈されることを意図するものではなく、また、各実施形態で説明されている全ての構成が本発明の課題を解決するために必須の構成であるとは限らない。また、各図面において、同じ構成要素については、同じ参照番号を付すことにより対応関係を示す。
【0013】
[潤滑剤の温度および圧力に関する特性]
本実施形態では、測定対象として、部品間の潤滑に用いられる潤滑剤を例に挙げて説明する。具体的には、以下に説明する特性を有する潤滑剤が本実施形態の手法を適用可能である。本実施形態では、潤滑剤の具体例として、フタル酸ビス(2-エチルヘキシル)を用いた例を示す。
【0014】
また、以下に説明する実施形態では、印加する電圧として交流電源による交流電圧を用いる例を示す。一実施形態において、電源としては交流電源が好ましく、波形としては正弦波が好ましい。すなわち正弦波交流電源が好ましい。ただし、これに限定するものではなく、他の電源が用いられてよい。例えば、周波数可変であれば交流や連続波や正弦波に限定されるものではなく、パルス入力や、所定の矩形電圧が用いられてもよい。したがって、本発明に係る構成は、各種パルス波、方形波、矩形波、三角波、ステップ波などの電源などを用いて実現されてよい。
【0015】
まず、図1を用いて、潤滑剤の温度と誘電緩和の関係について説明する。ここでは、平行平板の電極間に潤滑剤(バルク状態)を満たし、圧力条件として大気圧下とする。そして、交流電源による交流電圧を、周波数を掃引しながら印加した場合に得られる値を示す。潤滑剤の温度条件を切り替えて測定し、ここでは5つの温度条件(-20℃、-10℃、0℃、10℃、20℃)を例に挙げて説明する。図1(a)は、潤滑剤に対して交流電圧の印加により得られる比誘電率ε’と周波数fとの関係を示す。図1(a)において、縦軸は比誘電率ε’を示し、横軸は周波数fの対数を示す。また、図1(b)は、潤滑剤に対する交流電圧の印加により得られる比誘電損率ε”と周波数fとの関係を示す。図1(b)において、縦軸は比誘電損率ε”を示し、横軸が周波数fの対数を示す。
【0016】
図1(a)や図1(b)を参照すると、領域101や領域102に示すように、潤滑剤は、交流電圧の周波数を上げると誘電緩和が生じ、低温になるほどその程度が顕著になることが特定できる。比誘電率ε’については、領域101に示すように、温度が-10℃から-20℃の辺りにて周波数の変化に応じて減少が現れ、-20℃では、周波数がある一定の値を超えると急激に減少する。また、比誘電損率ε”については、領域102に示すように、温度毎に明らかに異なる値が得られ、温度が下がるほど、周波数の上昇に伴う変化の程度は高くなる。
【0017】
次に、図2を用いて、潤滑剤の温度と緩和時間の関係について説明する。ここでも平行平板の電極間に潤滑剤(バルク状態)を満たし、圧力条件として大気圧下とする。そして、交流電源による交流電圧を、周波数を掃引しながら印加した場合に得られる値を示す。図2において、縦軸は緩和時間τ[秒]の対数を示し、横軸は温度[K]を示す。
【0018】
まず、交流電源による掃引により得られた測定結果の値を以下の式(1)~式(3)に示す理論式にフィッティングすることで、各種フィッティングパラメータを導出する。
【0019】
【数1】
【0020】
【数2】
【0021】
ε’:比誘電率
ε”:比誘電損率
εr0:低周波極限での比誘電率
εr∞:高周波極限での比誘電率
σ:直流導電率
τ:緩和時間
β:緩和確率パラメータ
ω:交流電圧の角周波数
f:周波数
π:円周率
【0022】
上記の理論式を用いたフィッティングの手法は一例であり、これに限定するものではない。なお、上記の理論式によるフィッティングの手法の詳細は、本発明者による特許第7136378号公報にも記載されているため、ここでの詳細な説明は省略する。
【0023】
次に、下記の式(4)の理論式に潤滑剤の温度を変化させながら得られた値をフィッティングすることで、フィッティングパラメータであるD、T、τを導出する。以下の式(4)は、「鈴木 章仁 “極性潤滑油の誘電分光測定と高粘度推定への応用”,トライボロジスト,2011年11月25日(原稿受付),第58巻,第3号(2013年),p.132-137」に記載されており、本実施形態ではこの理論式を用いている。
【0024】
【数3】
【0025】
T:潤滑剤の温度(実験時)[℃]
:フィッティングパラメータ
τ:緩和時間(実験時)[秒]
τ:フィッティングパラメータ
D:フィッティングパラメータ
【0026】
その結果、図2に示すような関係が得られる。図2を参照すると、温度Tが上昇するに従って、緩和時間τの対数の値は減少している。
【0027】
次に、図3を用いて、潤滑剤の圧力と緩和時間の関係について説明する。ここでは、平行平板の電極間に潤滑剤(バルク状態)を満たし、圧力条件として大気圧~650MPaに変化させた場合とする。そして、交流電源による交流電圧を、周波数を掃引しながら印加した場合に得られる値を示す。ここでは、温度条件は一定とし、20℃の例を示す。図3において、縦軸は誘電緩和時間τ[秒]を示し、横軸は圧力[MPa]を示す。
【0028】
下記の式(5)および式(6)の理論式に潤滑剤の温度および圧力を変化させながら得られた値をフィッティングすることで、フィッティングパラメータであるτ、D、T、A、Aを導出する。τ、D、Tは、温度を変化させながら測定された値(温度依存)を用いてフィッティングすることで得られるフィッティングパラメータである。また、A、Aは、圧力を変化させながら測定された値(圧力依存)を用いてフィッティングすることで得られるフィッティングパラメータである。以下の式(5)および式(6)は、「鈴木 章仁 “極性潤滑油の誘電分光測定と高粘度推定への応用”,トライボロジスト,2011年11月25日(原稿受付),第58巻,第3号(2013年),p.132-137」に記載されており、本実施形態ではこの理論式を用いている。
【0029】
【数4】
【0030】
【数5】
【0031】
T:潤滑剤の温度(実験時)[K]
:フィッティングパラメータ[K]
τ:緩和時間(実験時)[s]
τ:フィッティングパラメータ[s]
D:フィッティングパラメータ
A1:フィッティングパラメータ[K]
A2:フィッティングパラメータ[1/Pa]
P:潤滑剤の圧力(実験時)[Pa]
:大気圧[Pa]
【0032】
図3を参照すると、圧力Pの変化に応じて、誘電緩和時間τも変化することが分かる。
【0033】
図1図3を参照すると、潤滑剤の温度、圧力、および誘電緩和の特性は互いに相関関係があることが分かる。したがって、誘電緩和の変化を捉えることが可能な潤滑剤であれば、上記の各理論式へのフィッティングにより、温度および圧力の算出が可能である。
【0034】
そこで、本実施形態では、上記の式(5)および式(6)に基づき、潤滑剤の温度および圧力を算出するための式を規定する。まず、式(5)および式(6)を温度Tについて解くと以下の式(7)が求められる。
【0035】
【数6】
【0036】
一方、式(5)および式(6)に基づき、圧力Pについて解くと以下の式(8)が求められる。
【数7】
【0037】
上記の式によると、温度または圧力のいずれかを一方を測定することで、他方の値を算出することができる。本実施形態では、上記の式(7)および式(8)を用いて、潤滑剤の温度または圧力を算出可能に構成する。
【0038】
[装置構成]
図4Aは、本実施形態において、潤滑剤の温度または圧力を測定するための潤滑剤周りの概略構成を示す。例えば、転がり軸受を含む転動装置などにおいて、その内部では潤滑剤を用いた潤滑が行われる。ここでは、転動体401と、転動面を有するレース片403とを潤滑剤402にて潤滑を行っている構成を測定対象とする。そして、転動体401とレース片403、更には潤滑剤402には、交流電源400により交流電圧が印加される。
【0039】
転動体401、潤滑剤402、およびレース片403により構成される電気的に等価な電気回路に対して、周波数を可変として調整可能な所定の電圧(本例では、交流電圧)を印加することで、潤滑剤402周りの電気特性を評価することができる。このような電気回路は、潤滑剤402から構成されるコンデンサCと、その周辺の要素に起因する抵抗Rが並列に接続された構成を有する。また、電気回路のインピーダンスをZにて示す。ここで、電気回路に印加される交流電圧V、電気回路Eを流れる電流I、および、電気回路E全体の複素数インピーダンスZは以下の式(9)~式(11)にて示される。
V=|V|exp(jωt) …(9)
I=|I|exp(j(ωt-θ)) …(10)
Z=V/I=|V/I|exp(jθ)=|Z|exp(jθ) …(11)
j:虚数
ω:電圧の角周波数
t:時間
θ:位相角(電圧と電流の位相のずれ)
【0040】
図4Bは、図4Aに示した概略構成と同等の構成として測定対象を示す図である。測定対象430はレース片431と転動体434を含んで構成され、レース片431と転動体434は、所定の潤滑剤432により潤滑されることで油膜が形成される。また、レース片431は回転軸433に接続され、所定の条件下で回転が行われる。同様に、転動体434も回転軸435に接続され、所定の条件下で回転が行われる。回転軸433および回転軸435の一方または両方は、回転駆動するための不図示の駆動部(モータ等)が接続される。転動体434は、レース片431に対して鉛直方向に荷重が負荷される。転動体434に対する荷重は、回転軸435を介して負荷されてもよいし、別の部材によって負荷されてもよい。
【0041】
更に、LCRメータ420が、回転軸433および回転軸435に接続される。LCRメータ420は、図4Aに示した交流電圧を出力するための交流電源400を含んで構成され、回転軸433および回転軸435、更には、レース片431および転動体434を介して、潤滑剤432に交流電圧を印加する。したがって、レース片431、転動体434、回転軸433、および回転軸435は、導電性の材質により構成される。
【0042】
LCRメータ420は更に診断装置410に接続され、測定対象430に対して交流電圧を、周波数を掃引しながら印加したことで得られる測定値を診断装置410に提供する。診断装置410は、本実施形態に係る測定方法を用いた測定装置として動作可能な装置である。診断装置410は、LCRメータ420から取得した測定値に基づいて、測定対象430の状態診断を行う。本実施形態では、測定対象430の潤滑剤432における温度または圧力に係る状態診断を行う。
【0043】
診断装置410は、交流電源400の角周波数ωの交流電圧Vを、潤滑剤432に印加する電力の入力値としてLCRメータ420に指示し、それに対する出力(測定値)としてLCRメータ420から潤滑剤432(油膜)のインピーダンス|Z|(|Z|は、Zの絶対値を示す)、および位相角θを取得する。そして、診断装置410はこれらの値を用いて潤滑剤に関する電気特性を示すパラメータを導出した上で、潤滑剤の温度または圧力の算出を行う。そして、診断装置410は、その算出結果に基づいて、測定対象430の状態診断や、各種出力を行う。
【0044】
診断装置410は、例えば、不図示の制御装置、記憶装置、および出力装置を含んで構成される情報処理装置にて実現されてよい。制御装置は、CPU(Central Processing Unit)、MPU(Micro Processing Unit)、DSP(Digital Single Processor)、または専用回路などから構成されてよい。記憶装置は、HDD(Hard Disk Drive)、ROM(Read Only Memory)やRAM(Random Access Memory)等の揮発性および不揮発性の記憶媒体により構成され、制御装置からの指示により各種情報の入出力が可能である。出力装置は、スピーカやライト、或いは液晶ディスプレイ等の表示デバイス等から構成され、制御装置からの指示により、作業者への報知を行う。出力装置による出力方法は特に限定するものではない。また、出力装置は、通信機能を備えたネットワークインターフェースであってもよく、ネットワーク(不図示)を介した外部装置(不図示)へのデータ送信により出力動作を行ってもよい。
【0045】
なお、診断装置410とLCRメータ420の形態は特に限定するものではない。例えば、診断装置410とLCRメータ420が有線/無線のいずれで接続されていてもよい。また、診断装置410とLCRメータ420が一体となった構成であってもよい。または、診断装置410とLCRメータ420間のデータの入出力をユーザが担ってもよい。
【0046】
温度センサ440は、測定対象430の温度を測定するために用いられる。本実施形態では、温度センサ440を設けることで、この測定結果に基づいて測定対象430内の潤滑剤432周りの圧力を算出できる。一方、温度センサ440に代えて、転動体434に対する荷重を検出または制御可能な圧力センサを設けた場合には、測定対象430内の潤滑剤432の温度を算出できる。したがって、温度センサ440および圧力センサ(不図示)は、測定内容に応じて任意に設定される。
【0047】
[測定例]
図5は、図4Bに示すような装置構成を、圧力を一定(415MPa)とした条件下において動作させた場合の測定結果の例を示す。図5において縦軸は比誘電率ε’を示し、横軸は周波数fの対数を示す。また、本測定では、レース片431と転動体434との間のすべり率を変動させながら測定を行っている。すべり率を設定することで摩擦を発生させ、その摩擦により潤滑剤の温度変化を発生させる。ここではすべり率として、0%、50%、100%、150%、200%の5つの例を示している。
【0048】
図5を参照すると、圧力を一定とした条件下において、すべり率が低下した場合、比誘電率も低下している。これは、潤滑剤による油膜周りのすべり率に依存する摩擦によって、潤滑剤の温度上昇が発生しており、その影響が比誘電率ε’の値の変化に現れていると考えられる。言い換えると、温度と比誘電率ε’との相関関係により、比誘電率ε’の変化を捉えることで、温度変化の程度を測定できる。
【0049】
図6は、図4Bに示すような装置構成を、圧力を362MPa、415MPaとした条件下において、動作させた場合の測定結果の例を示す。図5と同様、すべり率として、0%、50%、100%、150%、200%の5つの例を示している。図6(a)において、縦軸は緩和時間τ[s]の対数を示し、横軸はすべり率[%]を示す。そして、この測定結果を上記の式(7)に代入することで得られる値を図6(b)に示す。図6(b)において、縦軸は温度T[℃]を示し、横軸はすべり率[%]を示す。つまり、各種フィッティングパラメータと潤滑剤(油膜)に働く圧力Pを式(7)に代入することで、潤滑剤の温度Tを算出することができる。圧力Pについても、各種フィッティングパラメータと潤滑剤(油膜)の温度Tを式(8)に代入することで、同様に算出することができる。
【0050】
本実施形態の手法を適用する潤滑剤として、上記ではフタル酸ビス(2-エチルヘキシル)を例に挙げて説明した。しかし、これに限定するものではなく、図1図3に示したような特性を有する潤滑剤であれば、本実施形態の手法を適用することが可能である。つまり、低温もしくは高圧で誘電緩和する潤滑剤に本実施形態の手法は適用可能である。代表的には、Dioctyl Phthalate(フタル酸ジオクチル)、Tricresyl phosphate(リン酸トリクレジル:TCP)、polypropyleneglycol(ポリプロピレングリコール)などにて組成された潤滑剤が挙げられる。そのほか、以下の式を満たす特性を有する液体であれば、本実施形態の手法を適用可能である。
εr0/n>1.1
εr0:低交流周波数域での比誘電率
n:屈折率
【0051】
また、本発明を適用する装置についても特に限定するものではなく、上記のような潤滑剤を利用するような装置であれば適用可能である。例えば、転がり軸受、歯車、摺動装置など任意に適用可能である。
【0052】
[診断処理]
図7は、本実施形態に係る診断処理のフローチャートである。本処理は、診断装置410により実行され、例えば、診断装置410が備える制御装置(不図示)が本実施形態に係る処理を実現するためのプログラムを記憶装置(不図示)から読み出して実行することにより実現されてよい。なお、本処理の開始前には、診断対象における潤滑剤に対応したフィッティングパラメータがそれぞれ導出され、上記の式(7)および式(8)が利用可能に定義されているものとする。
【0053】
S701にて、診断装置410は、測定対象430の潤滑剤周りの圧力を測定するか否かを判定する。ここでの判定はユーザの設定に基づいて行われてよい。圧力を測定する場合(S701にてYES)、診断装置410の処理はS702へ進む。一方、圧力を測定しない場合、すなわち、温度を測定する場合(S702にてNO)、診断装置410の処理はS704へ進む。
【0054】
S702にて、診断装置410は、測定環境における潤滑剤432の温度が一定となるように設定を行う。ここでの設定方法は特に限定するものでは無いが、例えば、測定対象430、特に潤滑剤432の温度が一定となるように測定対象430が格納された測定室の温度を設定してよい。なお、環境設定に係る制御は診断装置410自体が行ってもよいし、他の装置と連携して行われてもよい。その後、診断装置410の処理は、S703へ進む。
【0055】
S703にて、診断装置410は、圧力算出用の各種パラメータおよび上記の式(8)に関する情報を取得する。この場合は、圧力を算出するため、診断装置410は、S702にて設定した温度条件に関する情報も併せて取得する。そして、診断装置410の処理は、S706へ進む。
【0056】
S704にて、診断装置410は、測定環境における潤滑剤432周りの荷重が一定となるように設定を行う。ここでの設定方法は特に限定するものでは無いが、例えば、潤滑剤432周りの荷重が一定となるように転動体434への荷重を設定してよい。なお、環境設定に係る制御は診断装置410自体が行ってもよいし、他の装置と連携して行われてもよい。その後、診断装置410の処理は、S705へ進む。
【0057】
S705にて、診断装置410は、温度算出用の各種パラメータおよび上記の式(7)に関する情報を取得する。この場合は、温度を算出するため、診断装置410は、S704にて設定した圧力条件に関する情報も併せて取得する。そして、診断装置410の処理は、S706へ進む。
【0058】
S706にて、診断装置410は、測定対象430の動作を開始させる。ここでは、測定対象430を構成するレース片431および転動体434の回転動作を開始させる。図4Bでは不図示であるが、必要に応じて潤滑剤432をレース片431および転動体434の間に供給するような動作が行われてもよい。
【0059】
S707にて、診断装置410は、LCRメータ420に対し、LCRメータ420が備える交流電源400を用いて角周波数ωの交流電圧Vの電力を潤滑剤432に与えるように制御する。これにより、潤滑剤432には、角周波数ωの交流電圧Vが印加されることとなる。
【0060】
S708にて、診断装置410は、S707にて指示した入力に対する出力として、LCRメータ420からインピーダンス|Z|および位相角θを取得する。つまり、LCRメータ420は、入力である角周波数ωの交流電圧Vに対する潤滑剤432の測定結果として、インピーダンス|Z|および位相角θを診断装置410に出力する。
【0061】
S709にて、診断装置410は、S708にて取得したインピーダンス|Z|および位相角θ、S707にて指示した角周波数ωの交流電圧Vの情報に基づいて、各周波数に対応する比誘電率ε’および比誘電損率ε”を導出する。ここでの導出方法は、公知の手法が用いられてよい。なお、ε’および比誘電損率ε”の導出はLCRメータ420が行い、インピーダンス|Z|および位相角θと併せて、比誘電率ε’および比誘電損率ε”を測定結果として診断装置410に出力するような構成であってもよい。更に、診断装置410は、S703の工程またはS705の工程にて取得した各種パラメータと算出式から、潤滑剤に対する目的とするパラメータ(温度または圧力)を算出する。
【0062】
S710にて、診断装置410は、S709にて算出したパラメータに基づいて、潤滑剤432の状態診断を行う。ここでの診断内容は特に限定するものでは無いが、算出された潤滑剤432の温度または圧力に対して閾値を設定しておき、その閾値との比較により正常または異常を診断するような構成であってもよい。また、異常の緊急度に応じた複数の閾値を設定しておき、それらの閾値との比較により、緊急度を診断するような構成であってもよい。
【0063】
S711にて、診断装置410は、S710にて得られた診断結果をユーザに対して報知する。ここでの報知方法は特に限定するものでは無いが、例えば、異常と判断したパラメータや項目を画面上で表示したり、音声にて通知したりするような構成であってよい。そして、本処理フローを終了する。
【0064】
なお、上記の処理フローでは、温度と圧力の測定を切り替え可能に構成したが、いずれか一方のみを測定するような構成であってもよい。この場合、測定する対象に応じて、温度センサと圧力センサのいずれかが備えられればよい。
【0065】
また、各種フィッティングパラメータは、測定時の潤滑剤周りの構成、例えば、測定時の装置構成などに応じて調整可能である。したがって、上記の例では、図4Bに示した装置構成の例を示したが、本発明は、他の装置構成においても適用可能である。言い換えると、上記の処理フローにおけるS702~S705におけるパラメータの取得および決定は、測定構成や測定条件を考慮して、適宜調整されてよい。
【0066】
以上、本実施形態により、診断対象を破壊することなく、潤滑剤の電気特性を示すパラメータを用いて、潤滑剤の温度または圧力を容易に算出することが可能となる。
【0067】
<その他の実施形態>
また、本発明において、上述した1つ以上の実施形態の機能を実現するためのプログラムやアプリケーションを、ネットワーク又は記憶媒体等を用いてシステム又は装置に供給し、そのシステム又は装置のコンピュータにおける1つ以上のプロセッサがプログラムを読出し実行する処理でも実現可能である。
【0068】
また、1以上の機能を実現する回路(例えば、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field Programmable Gate Array))によって実現してもよい。
【0069】
このように、本発明は上記の実施形態に限定されるものではなく、実施形態の各構成を相互に組み合わせることや、明細書の記載、並びに周知の技術に基づいて、当業者が変更、応用することも本発明の予定するところであり、保護を求める範囲に含まれる。
【0070】
以上の通り、本明細書には次の事項が開示されている。
(1) 温度または圧力の変化に応じて誘電緩和が生じる潤滑剤の温度または圧力の測定方法であって、
前記潤滑剤に対して所定の電圧を印加することで前記潤滑剤の比誘電率を測定する測定工程と、
前記測定工程にて測定された比誘電率と、前記測定時の温度および圧力の一方の値とを、理論式に適用することで、前記測定時の温度および圧力の他方を算出する算出工程と、
を有し、
前記理論式は、温度および圧力が異なる条件下において、前記潤滑剤に対して前記所定の電圧を印加した際に得られる緩和時間の測定結果をフィッティングすることにより得られるフィッティングパラメータを含んで構成される、測定方法。
この構成によれば、装置内の潤滑剤の油膜温度および圧力の導出を容易に行うことが可能となる。
【0071】
(2) 前記算出工程にて算出された温度または圧力の値を用いて前記潤滑剤の状態を診断する診断工程を更に有する、(1)に記載の測定方法。
この構成によれば、導出された装置内の潤滑剤の油膜温度および圧力に基づいて、潤滑剤の状態診断を行うことが可能となる。
【0072】
(3) 温度を算出する際の前記理論式は、
【0073】
【数8】
【0074】
T:潤滑剤の温度[K]
:フィッティングパラメータ[K]
τ:緩和時間[s]
τ:フィッティングパラメータ[s]
D:フィッティングパラメータ
P:潤滑剤の圧力[Pa]
である、(1)または(2)に記載の測定方法。
この構成によれば、装置内の潤滑剤の温度を容易に測定することが可能となる。
【0075】
(4) 圧力を算出する際の前記理論式は、
【0076】
【数9】
【0077】
T:潤滑剤の温度[K]
:フィッティングパラメータ[K]
τ:緩和時間[s]
τ:フィッティングパラメータ[s]
D:フィッティングパラメータ
A1:フィッティングパラメータ[K]
A2:フィッティングパラメータ[1/Pa]
P:潤滑剤の圧力[Pa]
:大気圧[Pa]
である、(1)から(3)のいずれかに記載の測定方法。
この構成によれば、装置内の潤滑剤の圧力を容易に測定することが可能となる。
【0078】
(5) 前記潤滑剤は、フタル酸ビス(2-エチルヘキシル)、フタル酸ジオクチル、リン酸トリクレジル、またはポリプロピレングリコールにて組成される、(1)から(4)のいずれかに記載の測定方法。
この構成によれば、温度または圧力の変化に応じて誘電緩和が生じる所定の潤滑剤の温度または圧力を容易に測定することが可能となる。
【0079】
(6) 前記潤滑剤は、以下の特性を有する(1)から(4)のいずれかに記載の測定方法。
εr0/n>1.1
εr0:低交流周波数域での比誘電率
n:屈折率
この構成によれば、温度または圧力の変化に応じて誘電緩和が生じる所定の特性を有する潤滑剤の温度または圧力を容易に測定することが可能となる。
【0080】
(7) 前記所定の電圧は、周波数が可変の電源により印加される電圧である、(1)から(6)のいずれかに記載の測定方法。
この構成によれば、周波数が可変の任意の電源を用いて温度または圧力を容易に測定することが可能となる。例えば、連続波、正弦波、各種パルス波、方形波、矩形波、三角波、ステップ波なども用いて測定を行うことが可能となる。
【0081】
(8) 温度または圧力の変化に応じて誘電緩和が生じる潤滑剤の温度または圧力の測定装置であって、
前記潤滑剤に対して所定の電圧を印加することで前記潤滑剤の比誘電率を測定する測定手段と、
前記測定手段にて測定された比誘電率と、前記測定時の温度および圧力の一方の値とを、理論式に適用することで、前記測定時の温度および圧力の他方を算出する算出手段と、
を有し、
前記理論式は、温度および圧力が異なる条件下において、前記潤滑剤に対して前記所定の電圧を印加した際に得られる緩和時間の測定結果をフィッティングすることにより得られるフィッティングパラメータを含んで構成される、測定装置。
この構成によれば、装置内の潤滑剤の油膜温度および圧力の導出を容易に行うことが可能となる。
【0082】
(9) コンピュータに、
温度または圧力の変化に応じて誘電緩和が生じる潤滑剤に対して、所定の電圧を印加することで前記潤滑剤の比誘電率を測定する測定工程と、
前記測定工程にて測定された比誘電率と、前記測定時の温度および圧力の一方の値とを、理論式に適用することで、前記測定時の温度および圧力の他方を算出する算出工程と、
を実行させ、
前記理論式は、温度および圧力が異なる条件下において、前記潤滑剤に対して前記所定の電圧を印加した際に得られる緩和時間の測定結果をフィッティングすることにより得られるフィッティングパラメータを含んで構成される、プログラム。
この構成によれば、装置内の潤滑剤の油膜温度および圧力の導出を容易に行うことが可能となる。
【0083】
以上、図面を参照しながら各種の実施の形態について説明したが、本発明はかかる例に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇内において、各種の変更例又は修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。また、発明の趣旨を逸脱しない範囲において、上記実施の形態における各構成要素を任意に組み合わせてもよい。
【符号の説明】
【0084】
400…交流電源
401、434…転動体
402、432…潤滑剤
403、431…レース片
410…診断装置
420…LCRメータ
430…測定対象
433、435…回転軸
440…温度センサ
図1
図2
図3
図4A
図4B
図5
図6
図7