IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ Nota株式会社の特許一覧

特開2024-140625情報処理装置、情報処理方法及びプログラム
<>
  • 特開-情報処理装置、情報処理方法及びプログラム 図1
  • 特開-情報処理装置、情報処理方法及びプログラム 図2
  • 特開-情報処理装置、情報処理方法及びプログラム 図3
  • 特開-情報処理装置、情報処理方法及びプログラム 図4
  • 特開-情報処理装置、情報処理方法及びプログラム 図5
  • 特開-情報処理装置、情報処理方法及びプログラム 図6
  • 特開-情報処理装置、情報処理方法及びプログラム 図7
  • 特開-情報処理装置、情報処理方法及びプログラム 図8
  • 特開-情報処理装置、情報処理方法及びプログラム 図9
  • 特開-情報処理装置、情報処理方法及びプログラム 図10
  • 特開-情報処理装置、情報処理方法及びプログラム 図11
  • 特開-情報処理装置、情報処理方法及びプログラム 図12
  • 特開-情報処理装置、情報処理方法及びプログラム 図13
  • 特開-情報処理装置、情報処理方法及びプログラム 図14
  • 特開-情報処理装置、情報処理方法及びプログラム 図15
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024140625
(43)【公開日】2024-10-10
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06F 16/90 20190101AFI20241003BHJP
【FI】
G06F16/90 100
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023051849
(22)【出願日】2023-03-28
(71)【出願人】
【識別番号】521122913
【氏名又は名称】株式会社Helpfeel
(74)【代理人】
【識別番号】100126000
【弁理士】
【氏名又は名称】岩池 満
(74)【代理人】
【識別番号】100154748
【弁理士】
【氏名又は名称】菅沼 和弘
(72)【発明者】
【氏名】寺本 大輝
【テーマコード(参考)】
5B175
【Fターム(参考)】
5B175DA01
5B175EA01
5B175HA02
(57)【要約】
【課題】ユーザが、チャットを通じて所望の目的文章等に容易に辿り着き、当該目的文章等に基づく適切な回答を得ること。
【解決手段】質問文候補抽出部103は、キーワード等受付部102により受け付けられたキーワードを少なくとも一部に含む1以上の質問文候補を抽出する。質問文候補提示部104は、抽出した1以上の質問文候補をユーザに提示する。関連文章等提示部106は、1以上の質問文候補のうち選択されたものに対応付けられた目的文章等を質問文辞書DB181から抽出してユーザに提示する。チャット型UI制御部109は、キーワード等受付部102乃至関連文章等提示部106とチャットボットとの間の情報の授受を制御することで、ユーザの入力文章に対して、提示対象の関連文章等に基づく回答をチャットボットに生成させる。
【選択図】図8
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザの所定目的を達するために当該ユーザに提示される、所定の単語、フレーズ、若しくは文章を目的文章等として、当該目的文章等に関連する単語を受け付ける受付手段と、
当該ユーザが前記目的文章等に到達するために意図する誘導文候補が複数個当該目的文章等と対応付けられて予め登録されている誘導文辞書の中から、前記単語又はそれに類似する単語を少なくとも一部に含む1以上の誘導文候補を抽出する抽出手段と、
前記抽出手段により抽出された前記1以上の誘導文候補を前記ユーザに提示する第1提示手段と、
前記第1提示手段により前記ユーザに提示された前記1以上の誘導文候補のうち、選択された前記誘導文候補に対応付けられた前記目的文章等を前記誘導文辞書から抽出して、前記ユーザに提示する第2提示手段と、
チャットボットが前記ユーザとチャットをするための制御を実行しつつ、前記受付手段乃至前記第2提示手段と前記チャットボットとの間の情報の授受を制御することで、前記ユーザにより入力された文章に対して、前記第2提示手段による提示対象の前記目的文章等に基づく回答を前記チャットボットに生成させるチャット制御手段と、
を備える情報処理装置。
【請求項2】
前記誘導文候補は質問文候補であり、前記誘導文辞書は質問文辞書である、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記チャットボットは、所定の機械学習を用いて生成された意図予測検索のアルゴリズムに基づいて、前記チャットにおける前記ユーザの入力に対する前記回答を生成するまでに1以上の処理を実行する、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記チャットボットは、前記ユーザの入力内容に基づいて、前記受付手段により受け付けられる前記単語を抽出する処理を含む前記1以上の処理を実行する、
請求項3に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記チャットボットは、前記ユーザの今回の入力内容に加えてさらに、前回までのチャット内容及び当該前回までのチャットに基づく前記受付手段乃至前記第2提示手段の処理の履歴に基づいて、前記受付手段により受け付けられる前記単語を抽出する処理を含む前記1以上の処理を実行する、
請求項4に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記チャットボットは、所定のウェブサイトに埋め込まれており、前記ユーザの今回の入力内容に加えてさらに、当該ウェブサイトに含まれる1以上のウェブページの内容に基づいて、前記受付手段により受け付けられる前記単語を抽出する処理を含む前記1以上の処理を実行する、
請求項4に記載の情報処理装置。
【請求項7】
情報処理装置が実行する情報処理方法において、
ユーザの所定目的を達するために当該ユーザに提示される、所定の単語、フレーズ、若しくは文章を目的文章等として、当該目的文章等に関連する単語を受け付ける受付ステップと、
当該ユーザが前記目的文章等に到達するために意図する誘導文候補が複数個当該目的文章等と対応付けられて予め登録されている誘導文辞書の中から、前記単語又はそれに類似する単語を少なくとも一部に含む1以上の誘導文候補を抽出する抽出ステップと、
前記抽出ステップにおいて抽出された前記1以上の誘導文候補を前記ユーザに提示する第1提示ステップと、
前記第1提示ステップにおいて前記ユーザに提示された前記1以上の誘導文候補のうち、選択された前記誘導文候補に対応付けられた前記目的文章等を前記誘導文辞書から抽出して、前記ユーザに提示する第2提示ステップと、
チャットボットが前記ユーザとチャットをするための制御を実行しつつ、前記受付ステップ乃至前記第2提示ステップにおける前記チャットボットとの間の情報の授受を制御することで、前記ユーザにより入力された文章に対して、前記第2提示ステップの提示対象の前記目的文章等に基づく回答を前記チャットボットに生成させるチャット制御ステップと、
を含む情報処理方法。
【請求項8】
コンピュータに、
ユーザの所定目的を達するために当該ユーザに提示される、所定の単語、フレーズ、若しくは文章を目的文章等として、当該目的文章等に関連する単語を受け付ける受付ステップと、
当該ユーザが前記目的文章等に到達するために意図する誘導文候補が複数個当該目的文章等と対応付けられて予め登録されている誘導文辞書の中から、前記単語又はそれに類似する単語を少なくとも一部に含む1以上の誘導文候補を抽出する抽出ステップと、
前記抽出ステップにおいて抽出された前記1以上の誘導文候補を前記ユーザに提示する第1提示ステップと、
前記第1提示ステップにおいて前記ユーザに提示された前記1以上の誘導文候補のうち、選択された前記誘導文候補に対応付けられた前記目的文章等を前記誘導文辞書から抽出して、前記ユーザに提示する第2提示ステップと、
チャットボットが前記ユーザとチャットをするための制御を実行しつつ、前記受付ステップ乃至前記第2提示ステップにおける前記チャットボットとの間の情報の授受を制御することで、前記ユーザにより入力された文章に対して、前記第2提示ステップの提示対象の前記目的文章等に基づく回答を前記チャットボットに生成させるチャット制御ステップと、
を含む制御処理を実行させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、情報処理方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
商品やサービスの提供を受けるユーザを支援するための付帯的なサービスとして、典型的な質問と回答との組み合わせに関する情報を検索できるいわゆるFAQ検索サービスに関する技術は存在する(例えば特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2015-056014号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1の技術を含め従来のFAQ検索サービスでは、一般的なユーザが思いつくキーワードで検索を実行したとしても、所望の検索結果にヒットせず、ユーザの所望の目的文章等に到達しないことが多い。また、ヒットし過ぎるために所望の目的文章等に辿り着けないことも多い。具体的には例えば、保険の商品のFAQ検索サービスの場合、「更新」というキーワードで検索を実行すると、膨大な量の検索結果が表示されてしまい、所望の目的文章等に辿り着くことは困難である。
一方、従来のチャットボットを単に活用しても、ユーザが所望の目的文章等に辿り着くことは困難である。
【0005】
本発明は、このような状況を鑑みてなされたものであり、ユーザが、チャットを通じて所望の目的文章等に容易に辿り着き、当該目的文章等に基づく適切な回答を得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、本発明の一態様の情報処理装置は、
ユーザの所定目的を達するために当該ユーザに提示される、所定の単語、フレーズ、若しくは文章を目的文章等として、当該目的文章等に関連する単語を受け付ける受付手段と、
当該ユーザが前記目的文章等に到達するために意図する誘導文候補が複数個当該目的文章等と対応付けられて予め登録されている誘導文辞書の中から、前記単語又はそれに類似する単語を少なくとも一部に含む1以上の誘導文候補を抽出する抽出手段と、
前記抽出手段により抽出された前記1以上の誘導文候補を前記ユーザに提示する第1提示手段と、
前記第1提示手段により前記ユーザに提示された前記1以上の誘導文候補のうち、選択された前記誘導文候補に対応付けられた前記目的文章等を前記誘導文辞書から抽出して、前記ユーザに提示する第2提示手段と、
チャットボットが前記ユーザとチャットをするための制御を実行しつつ、前記受付手段乃至前記第2提示手段と前記チャットボットとの間の情報の授受を制御することで、前記ユーザにより入力された文章に対して、前記第2提示手段による提示対象の前記目的文章等に基づく回答を前記チャットボットに生成させるチャット制御手段と、
を備える。
【0007】
本発明の一態様の情報処理方法及びプログラムの夫々は、本発明の一態様の情報処理装置に対応する方法及びプログラムの夫々である。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、ユーザが、チャットを通じて所望の目的文章等に容易に辿り着き、当該目的文章等に基づく適切な回答を得ることができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明の情報処理装置の一実施形態に係るサーバが適用される情報処理システムにより実現可能となる本サービスの概要を示す図である。
図2】本発明の情報処理装置の一実施形態に係るサーバが適用される情報処理システムにより実現可能となる本サービスの概要を示す図である。
図3】本発明の情報処理装置の一実施形態に係るサーバが適用される情報処理システムにより実現可能となる本サービスの概要を示す図である。
図4】本発明の情報処理装置の一実施形態に係るサーバが適用される情報処理システムにより実現可能となる本サービスの概要を示す図である。
図5】本発明の情報処理装置の一実施形態に係るサーバが適用される情報処理システムにより実現可能となる本サービスの概要を示す図である。
図6】本発明の情報処理装置の一実施形態に係るサーバが適用される情報処理システムの構成の一例を示す図である。
図7図6に示す情報処理システムのうちサーバのハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
図8図6の情報処理システムを構成する図7のサーバの機能的構成の一例を示す機能ブロック図である。
図9】従来アプローチのFAQ検索サイトにおける検索の例を示す図である。
図10】本サービスにおける意図展開の概念を説明する図である。
図11】本サービスの意図展開により実現されるユーザの誘導の一例を示す図である。
図12】本サービスにおける意図予測により実現されるユーザの誘導の一例を示す図である。
図13】本サービスにおける質問文候補の提示の一例を示す図である。
図14】本サービスにおける質問文候補をユーザが選択する例を示す図である。
図15図6の情報処理システムを構成する図8のサーバの機能的構成の一例であって、図8の例とは異なる例を示す機能ブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施形態について、図面を用いて説明する。
【0011】
まず、図1乃至図5を参照して、本発明の一実施形態に係るサーバが適用される情報処理システム(後述する図6参照)により実現可能となるサービス(以下、「本サービス」と呼ぶ)の概要について説明する。
【0012】
図1乃至図5は、本発明の情報処理装置の一実施形態に係るサーバが適用される情報処理システムにより実現可能となるサービス(以下、「本サービス」と呼ぶ)の概要を示す図である。
【0013】
本サービスは、ユーザの所定目的を達するために当該ユーザに提示される所定の単語、フレーズ、若しくは文章を目的文章等として、ユーザがチャット型UI(User Interfase)を用いて、当該目的文章等により容易に到達することを支援するものである。
目的文章等は、ユーザの所定目的を達するために当該ユーザに提示されるものであればどのような内容(コンテンツ)であってもよいが、以下の説明において、目的文章等はFAQ及びその回答の文章(記事)であるものとして説明する。また、このような目的文章等を、関連文章等と適宜呼ぶ。
即ち、本サービスは、FAQ検索サイトの検索機能等を提供するサービスであるものとして説明する。
【0014】
図1に示すように、ユーザは、スマートフォン等の情報処理装置2(以下、「ユーザ端末2」と呼ぶ)を操作して、本サービスにより提供されるウェブサイトにアクセスし、当該ウェブサイトに関する質問をしてその回答を得たい場合、チャット型UI画面Cをポップアップ表示させる。
ユーザは、チャット型UI画面Cの入力欄B1に、質問を入力することができる。
入力欄B1は、任意の文章(自然文)の入力が可能となっている。
ただし、ユーザにとっては、入力としてどのような文章を入力するのか困ることが多く、そのため、自身が質問したい内容に関連する単語In1を最初に入力することが多い。
例えば、図1のウェブサイトが、所定の成果物(例えば名刺や印刷はがき)を所定の納期までにユーザに郵送するサービスに関するものであり、ユーザは、今日木曜日に当該ウェブサイトにアクセスして、当該納品物の到着を土曜日にしたいと所望しており、いまからの注文で当該土曜日に成果物が到着するのかを知りたかったものとする。
この場合、ユーザは、思いつく単語として「納期」という単語In1を、チャット型UI画面Cの入力欄B1に入力したものとする。
本サービスでは、意図予測検索を用いたインクリメンタルサーチによって、「納期」のような短い単語In1からでも、予測される1以上の質問文候補QK1が、チャット型画面Cに素早く表示される。
図1の例では、ユーザに対する回答は、FAQの回答から作られるものとする。このため、質問文候補QK1としては、「納期」という単語In1から予測されるFAQが提示される。
また、入力欄B1の下方には、ユーザのさらなる適切な質問の入力を支援すべく、当該入力欄B1の入力(図1の例では「納期」という単語In1)に関連する1以上のキーワードが表示される。
【0015】
次に、図2に示すように、ユーザは、そのまま続けて「納期に間に合いますか?」という文章In2までを、チャット型UI画面Cの入力欄B1に入力したものとする。
この場合、本サービスでは、さらに適切な質問文候補QK2、具体的には「納期に間に合わせるには何営業日後の出荷にすればいいですか?」といった数個の質問文候補QK2が、チャット型画面Cに素早く表示される。
図示はしないが、ユーザは、数個の質問文候補QK2の中から、例えば「納期に間に合わせるには何営業日後の出荷にすればいいですか?」といった質問文候補QK2をクリックすると、クリックした質問文候補QK2に該当するFAQの回答が掲載されたページ(以下、「FAQページ」と呼ぶ)が開く。
このとき、本サービスでは、FAQページに関するFAQの質問と回答が一時的に記憶され、今後のユーザに対する回答に反映させることができる。換言すると、ユーザとのチャット型UI画面Cでのやり取りにおいて、文脈を維持することが可能になる。
【0016】
次に、ユーザは、さらに続けて「納期に間に合いますか?土曜です」と入力してエンターキーを押したものとする。
これにより、チャット型UIにおける入力が確定して、図3に示すように、ユーザの入力欄B1がチャットの履歴として表示されると共に、チャットボットからの回答A1が表示される。
この回答A1は、機械学習を用いて、従来の意図予測検索を強化したアルゴリズムが適用されたチャットボットにより生成されたものであって、具体的には次のようなものである。
即ち、「土曜日が納期で、それに間に合うように配達できるかというご質問ですね。
○○印刷では、最短で受付当日に商品が工場から出荷され、お届け日は出荷の翌日~3日後です。
今日は木曜日ですので、本日中に受付を確定すれば土曜日に間に合うかも知れません。詳しくはFAQをご覧ください。」という回答A1が表示される。
また、その下方に
「こちらのFAQから回答を生成しました
[納期・配送について]」
という参考情報F1が表示される。
ここで、参考情報F1は、情報源となったFAQページの出典である。
このように、本サービスのチャット型UI画面Cを用いた回答A1によれば、関連する記事(ユーザの質問に対する回答に関する内容が掲載されたページ)へのリンク集が単に提示されるだけでなく、回答の要旨が自然文でまとめられたものも付記されている。チャットボットは、このような回答A1を作成する際に、検索結果の妥当性の目視確認の負担を軽減するために、可能な限り、意図予測検索の手法である「オウム返し」を意識した文章を作成する。この例では、ユーザから「土曜に間に合うか」を尋ねられているので、回答A1の回答要旨の末尾に「土曜日に間に合うかも」というオウム返し的な表現が含められている。
【0017】
次に、ユーザは、図3のチャット型UI画面Cの入力欄Bに「何時までに入稿すればいい?」と入力してエンターキーを押したものとする。
これにより、チャット型UIにおける入力が確定して、図4に示すように、「何時までに入稿すればいい?」と入力された入力欄B2がチャットの履歴として表示される。そして、チャットボットからの回答A2が表示される。
先ほどの質問と回答(図1乃至図3参照)が記憶されているため、チャットボットは、「本日中に受付を完了する必要がある」という前提を踏まえて、機械学習を用いて、従来の意図予測検索を強化したアルゴリズムにより、回答A2を作成している。
具体的には、
「本日中に受付を完了するには、何時までに入稿すればよいかというご質問ですね。
スピードチェック入稿の場合は24時間可能です。オペレーターチェック入稿の場合、平日は22時までとなっております。」
という回答A2が表示される。
また、その下方に
「こちらのFAQから回答を生成しました
[納期・配送について]」
という参考情報F2が表示される。
ここで、参考情報F2は、情報源となったFAQページの出典である。
【0018】
なお、図示はしないが、ユーザは、チャットボットの回答に満足できなかった場合、そのまま問い合わせとして送ることもできる。
即ち、ある程度の会話を重ねて解決に至らなさそうだった頃合いに、チャットボットからの応答と同時に「問い合わせ」ボタンがチャット型UI画面Cに表示される。
「問い合わせ」ボタンが押された場合、人間のカスタマーサポートは、チャットボットとの会話ログを読んだ上で、人間のカスタマーサポートが対応する。
【0019】
また、チャット型UI画面Cを所定のウェブサイトに埋め込むことで、チャットボットは、開いているページの内容も文脈として把握して、従来の意図予測検索を機械学習を用いて強化したアルゴリズムにより適切な回答を作成することができる。
例えば図5の例では、「A4サイズのチラシ・フライヤー印刷料金表」というページが開いている状態で、ユーザは、チャット型UI画面Cの入力欄B4に「データはどこに入れたら良い?」と入力してエンターキーを押したものとする。
これにより、チャット型UIにおける入力が確定して、図5に示すように、入力欄B4がチャットの履歴として表示されるように、チャットボットからの回答A4が表示される。また、その下方には、情報源となったFAQページの出典を示す参考情報F4も表示される。
この回答A4は、「A4サイズのチラシ・フライヤー印刷料金表」というページに基づく「チラシを印刷したい」という文脈に沿ってチャットボットにより作成されたものである。
なお、チャットボットが文脈として用いることができるものは、現在開かれているページだけに限定されず、ユーザが過去に閲覧していたページも同様に利用することができる。
【0020】
このように、本サービスのチャット型UI画面Cを用いたチャット型UIは、本出願人により開発された「キーワード検索型FAQ」と、AIチャットボットとを融合させたものである。
ここで、「キーワード検索型FAQ」について説明する。
【0021】
「キーワード検索型FAQ」とは、検索窓に入力されるキーワードが一般度の高いものであったとしても、ユーザが所望する情報(FAQ及びその回答)に素早く辿り着くことができる手法である。
ここで、キーワードの「一般度」とは、そのキーワードそのものから想起され得る意味の範囲の広さを示す指標のことをいう。一般度の高いキーワードは、そのものから想起され得る意味の範囲が広く、一般度の低いキーワードは、そのものから想起され得る意味の範囲が狭い。
【0022】
具体的な事例として、例えば残業が深夜に及び、社内に1人残ったユーザの社内端末が、インターネットに接続できなくなる問題が生じたとする。このような場合、ユーザは、「キーワード検索型FAQ」を用いて、問題を解決するためのFAQに早急に辿り着くべく、考え得るキーワードを検索窓に入力して検索を実行するものとする。
【0023】
例えば、ユーザが「つながらない」というキーワードを検索窓に入力して検索を実行したとする。「つながらない」というキーワードからは、本来であれば何らかの態様でつながるはずの何かと何かがつながっていない状態を想起することができる。しかしながら、「つながらない」というキーワードのみでは、具体的に何と何とがどのような態様でつながっていないのかを想起することはできない。つまり、「つながらない」というキーワードは、一般度の高いキーワードの一例である。
【0024】
ここで、仮にユーザが従来のFAQ検索サービスを利用して「つながらない」というキーワードを検索したとする。この場合、検索結果として、「つながらない」というキーワードを一部に含む多数のFAQの候補が表示される。ただし、この検索結果には、インターネットの接続に関係しないようなFAQも多く含まれることになるため、ユーザが所望するFAQに辿り着くためには困難を伴う。
【0025】
また例えば、ユーザが「インターネット」というキーワードを検索窓に入力して検索を実行したとする。「インターネット」というキーワードからは、いわゆるインターネットという概念を想起することができる。しかしながら、「インターネット」というキーワードのみでは、インターネットがどうしたのかといった具体的な内容を想起することはできない。つまり、「インターネット」というキーワードは、一般度の高いキーワードの一例である。
ここで、仮にユーザが従来のFAQ検索サービスを利用して「インターネット」というキーワードを検索したとする。この場合、検索結果として、「インターネット」というキーワードを一部に含む多数のFAQの候補が表示される。ただし、この検索結果には、インターネットの接続に関係しないようなFAQも多く含まれることになるため、ユーザが所望するFAQに辿り着くためには困難を伴う。
【0026】
これに対して、「キーワード検索型FAQ」が利用されると、一般度の高いキーワードが検索窓Bに入力されると、まず、当該キーワードを少なくとも一部に含む、1以上のFAQ(質問文)の候補(以下、「質問文候補」と呼ぶ)が表示される。質問文候補は、予め複数生成されており、検索して抽出可能な態様で所定のデータベース(例えば後述する図8の質問文辞書DB181)に記憶されて管理されている。
【0027】
具体的には例えば、図示はしないが、検索窓に「つながらない」という一般度の高いキーワードが入力されると、「社内の無線ネットワークにつながらない」という質問文候補が表示される。
また例えば、検索窓に「インターネット」という一般度の高いキーワードが入力されると、「社内のインターネットにつなぐにはどうすればよいですか」という質問文候補が表示される。
なお、本例では、質問文候補はいずれも1つのみ表示されているが、これは説明を容易なものにするための便宜上の理由であり、当然ながら2つ以上の質問文候補が表示されてもよい。
【0028】
表示された1以上の質問文候補のうち、ユーザの所望する質問文候補が選択されると、画面が遷移する。そして、ユーザが入力したキーワードと所定の関連性を有するFAQ及びその回答を含む文章(以下、「関連文章等」と呼ぶ)が1以上表示される。
なお、「キーワード検索型FAQ」(本サービスのチャット型UIを含む)において「関連性」をどのように定義するかは特に限定されず、サービス提供者が任意に定義することができる。そして、サービス提供者によって相互の関連性が認められたキーワードと、質問文候補と、関連文章等とが対応付けられて、質問文辞書が生成される。つまり、質問文辞書においてキーワードに対応付けられて管理されている関連文章等が、そのキーワードに対して「関連性」があるものとして取り扱われる。
質問文辞書は、検索して抽出可能な態様で、所定のデータベース(例えば後述する図5の質問文辞書DB181)に記憶されて管理される。
【0029】
具体的には例えば、図示はしないが、「社内の無線ネットワークにつながらない」という質問文候補がユーザにより選択されると、ユーザが入力した「つながらない」というキーワードと関連性を有する関連文章等として次のような表示がなされる。
即ち、「社内のWi-Fiに接続する」というFAQと、
「以下のIDで社内Wi-Fiネットワークに接続できます。
・SSID:XXXX ・パスワード:XXXX 社外の人間には公開しないでください。」という当該FAQの回答と、
「接続に問題があるときは以下まで連絡してください。
[連絡先] 情報システム部 金子〇〇」という付帯情報と、
から構成される関連文章等が表示される。
これにより、ユーザは、表示された関連文章等を参照することで、インターネットに接続されないという問題を速やかに解決することができる。
【0030】
また例えば、図示はしないが、「社内のインターネットにつなぐにはどうすればよいですか」という質問文候補がユーザにより選択されると、ユーザが入力した「インターネット」というキーワードに対して関連性を有する関連文章等として同一の表示がなされる。
即ち、キーワードと関連文章等との間に着目すると、ユーザは、「つながらない」というキーワードを入力しても「インターネット」というキーワードを入力しても、同一の関連文章等が即座に提示されて、インターネットに接続されないという問題を速やかに解決することができるのである。
【0031】
このように、「キーワード検索型FAQ」では、検索窓にキーワードが入力されると、キーワードを少なくとも一部に含む1以上の質問文候補が表示される。そして、その中から1の質問文候補が選択されると、キーワードに関連するFAQ及びその回答を含む関連文章等が表示される。これにより、ユーザは、所望のFAQ及びその回答に容易に辿り着くことができる。
【0032】
ここで、「キーワード検索型FAQ」について特筆すべき点が2つある。その1つ目は、関連文章等には、検索のため入力されたキーワードが含まれていないという点である。つまり、ユーザは、頭に思い浮かび易い一般度の高いキーワードを検索窓に入力して、表示された質問文候補を選択するという簡単な操作を行うだけで、所望のFAQに容易に辿り着くことができる。
【0033】
また、特筆すべき点の2つ目は、異なるキーワードが検索窓に入力されたとしても、所望する同一の関連文章等に辿り着くことができるという点である。換言すると、1つのFAQに対して複数の質問文候補が対応付けられており、これら複数の質問文候補の夫々に対して異なる1以上のキーワードの夫々が対応付けられている点である。
即ち、ユーザは、所望のFAQ及びその回答が得たい場合、咄嗟に頭に思いついた一般度の高いキーワードを入力して、表示された質問文候補を選択するだけでよい。つまり、上述の例のように「インターネットに接続できない」という問題が生じた場合には、「つながらない」や「インターネット」といった一般度の高いキーワードを入力すればよい。
【0034】
また、「キーワード検索型FAQ」は、関連文章等には、ユーザが所望するFAQ及びその回答の他、上述したように付帯情報として、当該回答に関する関係者、及びその関係者が属する組織を表示させることができる。
具体的には例えば、上述の例では、FAQ及びその回答に対する付帯情報として、その回答に対する[連絡先]として、関係者(金子〇〇)と、その関係者が属する組織(情報システム部)とが表記される。
ここで、関係者の表記、及びその関係者が属する組織の表記の夫々は、単純なテキストで表記されていればよいが、いずれも詳細情報が掲載された所定のウェブページにアクセス可能なボタンの態様で表示されると好適である。この場合、例えば関係者(金子〇〇)の表示が押下する操作(例えばタップする操作)がなされると、例えば部署、電話番号、メールアドレス等の詳細情報が掲載された所定のウェブページ(以下、「詳細ページ」と呼ぶ)が表示される。
これにより、ユーザは、関連文章等のみ(提示されたFAQ及びその回答のみ)では問題が解消されない場合に、担当者を迅速に特定し、問い合わせを行うことができるので、早期に問題を解決することができる。
【0035】
上述したように、「キーワード検索型FAQ」では、所定のデータベースに質問文辞書が管理されている。
これにより、質問文候補が選択されると、上述した態様でFAQ及びその回答を含む関連文章等を表示させることができる。
ここで、所定のキーワードに対応付ける関連文章等は、必ずしもFAQ及びその回答を含ませる必要はなく、所定の単語、フレーズ、若しくは文章が目的文章等であれば足りる。例えば次のような態様で関連文章等を表示させることもできる。
【0036】
即ち、検索窓にキーワードが入力されると、1以上の質問文候補が表示される。ここまでは上述の例と同様であるが、検索窓の下方等に、「言葉のヒント」として関連文章等の一覧が表示されてもよい。
具体的には例えば、「住所」というキーワードが入力されたとする。すると、「住所」に対応する「言葉のヒント」(関連文章等)として、「購入」、「コンビニ」、「出品」、「住所」、「匿名」、「変更」、及び「返品」が表示される。
ユーザは、表示された1以上の「言葉のヒント」(関連文章等)のうち、所望の「言葉のヒント」(関連文章等)を選択する操作(例えばタップする操作)を行う。すると、図示はしないが、ユーザが所望するFAQ及びその回答を含む関連文章等が表示される。
【0037】
また、「キーワード検索型FAQ」は適宜改善される。
上述したように、キーワードと、質問文候補と、関連文章等とが対応付けられて、質問文辞書として管理される。また、ユーザの操作履歴も、履歴情報として記憶されて管理される。即ち、ユーザにより検索窓に入力されたキーワードと、ユーザにより選択された質問文候補と、ユーザが辿り着いた関連文章等とが履歴情報として管理される。履歴情報には、検索窓にキーワードが入力されることで質問文候補が表示されたにもかかわらず、ユーザにより選択されなかった質問文候補に関する情報が含まれる。また、履歴情報には、質問文候補が選択されたことで関連文章等が表示されたにもかかわらず、それがユーザの所望するものでなかった場合に関する情報が含まれる。
具体的には例えば、あるEC(Electronic Commerce)サイトに「キーワード検索型FAQ」が採用されていたとする。そして、多くのユーザが検索窓に特定の決済手法の名称を入力したとする。この場合、多くのユーザのユーザ端末2に1以上の質問文候補が表示されたにもかかわらず、多くのユーザが質問文候補を選択しない場合がある。また、質問文候補が1つも表示されないような場合がある。このような場合、多くのユーザが所望することが予想される質問文候補を推測することができるので、その推測の結果に基づいて、新たな質問文候補を準備することができる。
これにより、「キーワード検索型FAQ」を充実したものに改善することができる。その結果、「キーワード検索型FAQ」を利用するユーザの満足度を向上させることができる。また、ユーザにより選択されなかった質問文候補に含まれるキーワード、関連文章等に到達を選択しなかった場合における当該ユーザが所望しているにもかかわらず提供されていない製品やサービスが判明するので、ユーザが所望する新製品や新サービスの創出に寄与させることができる。
【0038】
このように、「キーワード検索型FAQ」は、目的とする情報(関連文章等)に到達するまでに非常に早いという感覚をユーザに与えるものである。
ただし、「キーワード検索型FAQ」を単体で適用すると、あくまでも出発点(ユーザの入力)が「キーワード」であり、また、到達点(ユーザへの出力)は、予め用意された関連文章等の提示であることから、文章に弱いという弱点もある。
また、入力された「キーワード」よりも時間的に前の内容は、無関係であるため、ユーザにとっては一連の流れであって「先ほどに所定の入力」がなされて、その所定の入力に関連するキーワードが入力されたとしても、ユーザが「先ほど」のと関連するものと言ったとしても、「キーワード検索型FAQ」側ではその「先ほど」が通じない(当該「先ほど」を考慮せずに目的文章等を提示する)という弱点もある。
【0039】
このような弱点を補うべく、本サービスでは、「キーワード検索型FAQ」に対してAIチャットボットを組み合わせた、上述した図1乃至図5に示すチャット型UIを提供している。
【0040】
従来のAIチャットボットという点で比較してみると、従来のAIチャットボットは、会話(チャット)を形成していくものなので、ユーザにより入力された内容に対して、意図予測をして回答をすることができるし、当該意図予測をする際にこれまでの会話の履歴を考慮することができる。即ち、AIチャットボットは、「キーワード検索型FAQ」の弱点を解消することができる。
一方、従来のAIチャットボットは、送信してみるまで、正しい結果が得られるか分からないという弱点と、幻覚(hallucination)という問題、即ち誤った回答や質問と関係のない回答が生まれる問題を有しているという弱点がある。
「キーワード検索型FAQ」は、入力の「キーワード」さえ確定できれば正しい回答としての関連文章等を提示することができるので、これら従来のAIチャットボットの弱点を解消することができる。
【0041】
そこで、本サービスは、「キーワード検索型FAQ」に対してAIチャットボットを組み合わせることで、相互の弱点を解消している。これにより、「キーワード検索型FAQ」と同様に、目的とする情報(関連文章等)に到達するまでに非常に早いという感覚をユーザに与えると共に、本サービスのチャット型UIは賢いという感覚をユーザに体験させることが可能になる。
【0042】
次に、図6を参照して、上述した本サービスの提供を実現化させる情報処理システム、即ち本発明の情報処理装置の一実施形態に係るサーバが適用される情報処理システムの構成について説明する。
図6は、本発明の情報処理装置の一実施形態に係るサーバが適用される情報処理システムの構成の一例を示す図である。
【0043】
図6に示す情報処理システムは、サーバ1と、ユーザ端末2とを含むように構成されている。
サーバ1、及びユーザ端末2は、インターネット等の所定のネットワークNWを介して相互に接続されている。
【0044】
サーバ1は、サービス提供者により管理される情報処理装置である。サーバ1は、ユーザ端末2と適宜通信をしながら、本サービスを実現するための各種処理を実行する。
【0045】
ユーザ端末2は、ユーザが操作する情報処理装置である。ユーザ端末2は、スマートフォン、タブレット、パーソナルコンピュータ等で構成される。
【0046】
図7は、図6に示す情報処理システムのうちサーバのハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
【0047】
サーバ1は、CPU(Central Processing Unit)11と、ROM(Read Only Memory)12と、RAM(Random Access Memory)13と、バス14と、入出力インターフェース15と、入力部16と、出力部17と、記憶部18と、通信部19と、ドライブ20とを備えている。
【0048】
CPU11は、ROM12に記録されているプログラム、又は、記憶部18からRAM13にロードされたプログラムに従って各種の処理を実行する。
RAM13には、CPU11が各種の処理を実行する上において必要なデータ等も適宜記憶される。
【0049】
CPU11、ROM12及びRAM13は、バス14を介して相互に接続されている。このバス14にはまた、入出力インターフェース15も接続されている。入出力インターフェース15には、入力部16、出力部17、記憶部18、通信部19及びドライブ20が接続されている。
【0050】
入力部16は、例えばキーボード等により構成され、各種情報を入力する。
出力部17は、液晶等のディスプレイやスピーカ等により構成され、各種情報を画像や音声として出力する。
記憶部18は、DRAM(Dynamic Random Access Memory)等で構成され、各種データを記憶する。
通信部19は、インターネットを含むネットワークNWを介して他の装置(例えば図4のユーザ端末2)との間で通信を行う。
【0051】
ドライブ20には、磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、或いは半導体メモリ等よりなる、リムーバブルメディア40が適宜装着される。ドライブ20によってリムーバブルメディア40から読み出されたプログラムは、必要に応じて記憶部18にインストールされる。
また、リムーバブルメディア40は、記憶部18に記憶されている各種データも、記憶部18と同様に記憶することができる。
【0052】
なお、図示はしないが、図6のユーザ端末2も、図7に示すハードウェア構成と基本的に同様の構成を有することができる。したがって、ユーザ端末2のハードウェア構成についての説明は省略する。
【0053】
このような図7のサーバ1を含む図6の情報処理システムを構成する各種ハードウェアと各種ソフトウェアとの協働により、質問文辞書生成処理、チャット型関連文章等抽出処理、及び質問文辞書改善処理を含む各種処理の実行が可能になる。その結果、サービス提供者は、ユーザに対して上述の本サービスを提供することができる。
「質問文辞書生成処理」とは、上述した質問文辞書を生成する処理のことをいう。
「チャット型関連文章等抽出処理」とは、上述のチャット型UIを用いてユーザとチャットをしながら、上述した質問文辞書を用いて関連文章等を抽出してユーザの回答に含めて出力する処理のことをいう。
「質問文辞書改善処理」とは、上述した質問文辞書を改善させるための処理のことをいう。
【0054】
図8は、図6の情報処理システムを構成する図7のサーバの機能的構成のうち、質問文辞書生成処理、チャット型関連文章等抽出処理、及び質問文辞書改善処理を実行するための機能的構成の一例を示す機能ブロック図である。
【0055】
図8に示すように、サーバ1が質問文辞書生成処理を実行する場合、CPU11においては、辞書生成部101が機能する。また、サーバ1がチャット型関連文章等抽出処理を実行する場合、CPU11においては、キーワード等受付部102と、質問文候補抽出部103と、質問文候補提示部104と、質問文確定部105と、関連文章等提示部106と、チャット型UI制御部109が機能する。また、サーバ1が質問文辞書改善処理を実行する場合、CPU11においては、履歴管理部107と、辞書改善部108とが機能する。
【0056】
また、サーバ1の記憶部18の一領域には、質問文辞書DB181が設けられている。質問文辞書DB181には、質問文辞書が格納されている。
【0057】
辞書生成部101は、関連文章等の全体若しくはその構成要素に関連する単語であって、より一般度の高いキーワードを含む質問文候補を、キーワードが入力されたときに抽出されるように、キーワードと、質問文候補と、関連文章等とを対応付けて、質問文辞書DB181の質問文辞書に格納する。
これにより、本サービスのチャット型UIを使用するユーザが、所望の情報に容易に辿り着くことができるようにするための質問文辞書が生成される。
【0058】
キーワード等受付部102は、チャット型UIの入力欄に入力されたキーワードを受け付ける。
ここで、チャット型UIの入力欄に入力されたキーワードとは、キーワード単体が入力欄に入力された場合の他、キーワード又はその関連語をふくむ文章が入力欄に入力されてチャット型UI制御部109(AIチャットボット)により当該文章からキーワードが抽出されることも含む概念である。
具体的には例えば、上述の図1の例では、「納期」というキーワードのみが入力欄B1に入力されているので、キーワード等受付部102は、「納期」を受け付ける。
これに対して、上述の図2の例では、「納期に間に合いますか」という文章が入力欄B1に入力されている。後述するように、チャット型UI制御部109(AIチャットボット)は、当該文章から「納期」と共に、「間に合※」という単語を抽出する。そこで、キーワード等受付部102は、「納期」及び「間に合※」を受け付ける。
ここで「※」とは、任意の文字列が入るという意味である。例えば、「間に合う」、「間に合わせる」、「間に合わない」は、「間に合※」に含まれる。
【0059】
質問文候補抽出部103は、キーワード等受付部102により受け付けられたキーワードを少なくとも一部に含む1以上の質問文候補を、質問文辞書DB181の質問文辞書から抽出する。
例えば図2の例では、「納期」を含む「注文内容(納期)を変更したい」という質問文候補の他、「納期」及び「間に合わない」を含む「印刷物に不備がありましたが納期に間に合わないため再印刷ができない場合は?」という質問文候補と、「納期」及び「間に合わせる」を含む「納期に間に合わせるには何営業費後の出荷にすればいいですか?」という質問文候補が抽出される。
【0060】
質問文候補提示部104は、質問文候補抽出部103により抽出された1以上の質問文候補をユーザに提示する。
具体的には、質問文候補提示部104は、質問文候補抽出部103により抽出された1以上の質問文候補(図2の例では質問文候補QK2)を、ユーザ端末2に表示させる制御を実行することでユーザに提示する。
【0061】
質問文確定部105は、質問文候補提示部104によりユーザに提示された1以上の質問文候補のうち、1の質問文候補が選択されると、これをユーザからの質問文として確定させる。
ここで、1の質問文候補が選択されるとは、ユーザの操作により明示的に選択される場合の他、本サービスでは、入力欄に入力された内容に基づいてチャット型UI制御部109(AIチャットボット)が意図予測をして選択することも含む概念である。
例えば図2の例では、ユーザが、質問文候補QK2のうち「納期に間に合わせるには何営業日後の出荷にすればいいですか?」という質問文候補をクリックすることで、当該質問文候補を確定することもできる。
また、図3に示すように、ユーザが「納期に間に合いますか?土曜日です」と入力してクリックすると、チャット型UI制御部109(AIチャットボット)が意図予測をして、質問文候補QK2のうち「納期に間に合わせるには何営業日後の出荷にすればいいですか?」という質問文候補を選択する。そこで、質問文確定部105は、当該質問文候補を確定する。
【0062】
関連文章等提示部106は、質問文確定部105により確定された質問文に対応付けられた関連文章等を抽出して、チャット型UI制御部109(AIチャットボット)を介してユーザに提示する。
ここで、チャット型UI制御部109(AIチャットボット)を介してユーザに提示するとは、関連文章等をそのまま提示することの他、チャット型UI制御部109(AIチャットボット)が関連文章等を加工して提示したり、チャット型UI制御部109(AIチャットボット)が関連文章等に基づいて生成した文章を提示することも含む概念である。
例えば、「納期に間に合わせるには何営業日後の出荷にすればいいですか?」というFAQの回答が、「最短で受付当日に商品が工場から出荷され、お届け日は出荷の翌日~3日後です。」というものであり、当該回答が関連文章等として抽出されたものとする。
この内容は、図3の例のチャット型UI制御部109からの回答A1に含まれている。
さらに、ユーザによる「納期」が「土曜日です」という入力を受けて、チャット型UI制御部109(AIチャットボット)は、上述のオウム返しの手法を用いて、関連文章等に基づいて、「今日は木曜日ですので、本日中に受付を確定すれば土曜日に間に合うかも知れません。詳しくはFAQをご覧ください。」という文章を作成して、回答A1に含めている。
従って、図3の例の回答A1は、チャット型UI制御部109(AIチャットボット)を介してユーザに提示された関連文章等の一例である。
【0063】
履歴管理部107は、キーワード等受付部102により受け付けられたキーワードと、質問文候補提示部104によりユーザに提示された1以上の質問文候補の中から選択された質問文候補と、その選択を受けて関連文章等提示部106によりユーザに提示された関連文章等とを履歴情報として管理する。
また、履歴管理部107は、キーワード等受付部102により受け付けられたキーワードではあるが、ユーザにより選択されなかった関連文章等が関連文章等提示部106により提示されなかったキーワードを抽出する。
【0064】
辞書改善部108は、履歴管理部107により履歴情報として、質問文候補提示部104による質問文候補がユーザに提示がなされた後、質問文確定部105による確定が行われなかった場合に、質問文候補に含まれるキーワードと、質問文候補との対応関係を含む質問文辞書の改善を行う。
【0065】
チャット型UI制御部109は、チャット型UI画面Cをユーザ端末に表示させて、AIチャットボットがユーザとチャット(会話)をするための制御を実行しつつ、「キーワード検索型FAQ」を成立させるキーワード等受付部102乃至関連文章等提示部106とAIチャットボットとの間の情報の授受を制御することで、ユーザにより入力されたキーワードを含む文章に対して、関連文章等提示部106による提示対象の関連文章等(FAQ及びその回答)に基づく適切な回答をAIチャットボットに生成させる。
【0066】
ここで、AIチャットボットは、上述したように、従来の意図予測検索を機械学習を用いて強化したアルゴリズムに基づいて、チャットにおけるユーザの入力に対する回答を生成するまでに各種処理を実行する。
【0067】
例えば、AIチャットボットは、ユーザにより入力された文章から、キーワード等受付部102により受け付けられるキーワードを抽出する。
具体的には例えば、上述の図2の例では、「納期に間に合いますか」という文章が入力欄B1に入力されている。そこで、AIチャットボットは、当該文章から「納期」と共に、「間に合※」という単語を抽出する。
【0068】
その結果、質問文候補抽出部103により質問文候補QK2がユーザに表示され、ユーザにより「納期間に合いますか?土曜日です」という入力文章がAIチャットボットに投げかけられる(図3の例の履歴としての入力欄B1参照)。
すると、AIチャットボットは、この入力文章から、質問文候補QK2のうち「納期に間に合わせるには何営業日後の出荷にすればいいですか?」という質問文候補を質問文として確定させる。
【0069】
そして、この質問文(FAQ)に対して「最短で受付当日に商品が工場から出荷され、お届け日は出荷の翌日~3日後です。」という回答が関連文等として抽出されると、AIチャットボットは、ユーザからの入力「土曜日です」(図3の例の履歴としての入力欄B1参照)も参照しつつ、当該関連文等に基づいて、図3の例の回答A1を生成する。
即ち、AIチャットボットは、ユーザからの質問に対する回答の要旨の文章として、自然文でとめた回答A1を作成する。
上述したように、チャットボットは、関連文等をそのまま含ませるだけではなく、検索結果の妥当性の目視確認の負担を軽減するために、可能な限り、意図予測検索の手法である「オウム返し」を意識した文章を含めるように、回答を作成する。この例では、ユーザから「土曜に間に合うか」を尋ねられているので、回答A1の回答要旨の末尾に「土曜日に間に合うかも」というオウム返し的な表現が含められている。
【0070】
さらに、AIチャットボットは、今回ユーザに入力された内容のみならず、前回までの会話(チャット)内容及び当該前回までの会話に基づくキーワード等受付部102乃至関連文章等提示部106の処理の履歴に基づいて、今回の回答を生成するための各種処理を実行することができる。
例えば、上述した図3の例の続きとして、図4に示すように、「何時までに入稿すればいい?」と入力されたものとする。
この場合、AIチャットボットは、上述の先ほどの質問と回答(図1乃至図3参照)が記憶されているため、「本日中に受付を完了する必要がある」という前提を踏まえて、従来の意図予測検索を機械学習を用いて強化したアルゴリズムにより、図4の例の回答A2を生成することができる。
【0071】
さらにまた、本サービスのチャット型UI画面Cが所定のウェブサイトに埋め込まれている場合(例えば図5の例のような場合)、AIチャットボットは、ユーザに入力された内容のみならず、当該ウェブサイトに含まれる1以上のウェブページの内容に基づいて、今回の回答を生成するための各種処理を実行することができる。
例えば図5の例では、「A4サイズのチラシ・フライヤー印刷料金表」というページが開いている状態で、ユーザは、チャット型UI画面Cの入力欄B4に「データはどこに入れたら良い?」と入力してエンターキーを押している。
そこで、AIチャットボットは、「A4サイズのチラシ・フライヤー印刷料金表」というページに基づく「チラシを印刷したい」という文脈に沿って回答A4を生成する。
なお、AIチャットボットが文脈として用いることができるものは、現在開かれているページだけに限定されず、ユーザが過去に閲覧していたページも同様に利用することができる。
【0072】
以上のように、図7の情報処理装置が、図8に示す上述の機能的構成を有することにより、本サービスを利用するユーザは、所望の情報に容易に辿り着くことができ、かつ、当該所望の情報を自然文のより適切な形態で受け取ることができるようになる。
【0073】
以下、「キーワード型FAQ」が適用された本サービスのチャット型UIを利用するユーザが、従来のFAQ検索サイトとは異なり、なぜ所望の情報(所望のFAQ及びその回答)に容易に辿り着くことができるようになるのかについて、さらに説明する。
【0074】
図9は、従来アプローチのFAQ検索サイトにおける検索の例を示す図である。
即ち、従来のアプローチは、ユーザ自身が考えて入力した文字列が受付けられ、その文字列が含まれるFAQとその回答のページ(記事)がヒットしたものとして、ヒットしたページのリストがユーザに提示される。そして、ユーザは、リストからユーザ自身の検索したかったものであろう記事を選択する必要が有った。
しかしながら、通常、ユーザにより入力された文字列(検索キーワード)が含まれている記事が多数ヒットする。
【0075】
その結果、見当違いな回答が多く選べないということがあった。
即ち、リストのどこかに正解(ユーザに提示されるべき記事)は存在する可能性があるが、ユーザ自身は、リストのうち何れの記事を閲覧すべきかわからないということがあった。そのため、ユーザは、リストを上から(最初から)順に確認していく必要があった。
【0076】
また、その結果、何もリストされないことがあった。
即ち、ユーザにより入力された文字列が含まれている記事がリストされる。そのため、ユーザにより入力された文字列が記事で用いられている用語等ではない場合には、何もリストされず、ユーザは自身で考え直し、別の文字列を入力しなおす必要が有った。
【0077】
このように、ユーザにより入力された文字列が含まれる記事がリストされる従来のアプローチを前提とする場合、以下のよう対策が考えられる。
即ち、記事を大量に用意することが考えられる。具体的には例えば、単語を他の単語で置き換えたり、問題のとらえ方を変えた記事を複数パターン用意することにより、ユーザによりどのような文字列が入力されても検索にヒットするようにすることができる。
しかしながら、この対策では、ヒットはするものの、見当違いな記事がヒットするようになってしまうというデメリットも存在する。
また例えば、同様の記事(回答)が複数ヒットして混乱を招くことが有る。また、メンテナンス性が悪化してしまう。
【0078】
また例えば、記事にユーザにより入力された文字列が含まれていることを条件としてリストを作成するのではなく、ユーザにより入力された文字列とユーザに提示されるべき記事との関連性を評価するAI等を採用する方法が従来存在する。機械学習型の従来のAIが採用された場合、ヒットする記事が存在しないということは少なくなる。しかしながら、ヒットした記事のリストに、本来ユーザが意図した記事ではない記事が、多く含まれてしまうという問題は解消されないのである。
また、従来のAIが採用された場合、AIにより関連度が高いとされた記事が結果として提示されるが、コンプライアンスや営業上問題になる回答を出すことがあり、これを確実に除去するのは困難である。
また、従来のAIが採用された場合、サービスや事業環境の変化に弱い。即ち、AIの学習には過去の検索結果等が用いられるため、特定の問い合わせが増えているときや、サービスや事業環境、サービスそのものが変化したというようなときには、短期間での対応が困難となってしまう。
また、従来のAIが採用された場合、検索対象(例えば、サービス)毎の個別のチューニングには大量のデータが必要となる。また、その大量のデータに対するクレンジングには多くのエンジニアリソースが必要となり、コストが高くなってしまう。
【0079】
このように、従来のアプローチや従来のAI等を用いる方法は、ユーザが入力した文字列と記事との関係性を評価すること(単に含まれるか否かの関係性を評価することを含む)に他ならず、上述のような課題があるものであった。
これに対して、「キーワード型FAQ」が適用された本サービスのチャット型UIを利用するユーザは、上述の従来のFAQ検索サイトとは異なり、所望の情報(FAQやその回答の記事)に容易に辿り着くことができるようになる。その理由について、以下説明する。
【0080】
図10は、本サービスにおける意図展開の概念を説明する図である。
図10の例において、ユーザに提示されるべき目的文章等T1は、「返金方法のご案内」というFAQとその回答の記事(関連文章等)となっている。
なお、実際には本サービスでユーザに提示される情報は、「返金方法のご案内」というFAQとその回答の記事自体ではなく、FAQとその回答に基づく情報である。ここで、「FAQとその回答に基づく情報」とは、次のような意味である。即ち、本サービスではチャット型UIが用いられるため、ユーザに対しては「FAQとその回答」がそのまま提示されるのではなく、AIチャットボットにより生成された自然文の回答として提示される。このAIチャットボットにより生成された自然文の回答が、「FAQとその回答に基づく情報」である。
ただし、説明の便宜上、目的文章等がユーザに提示されるものとして、以下、説明する。
ここで、「返金方法のご案内」という記事(目的文章等)は、通販サイト等のユーザであって「不良品が届いて困っている」ユーザや、「注文した商品とは異なる商品が届いた」ユーザ、或いは、何かしらの理由により「お金を返してほしい」と考えているユーザに対して、提示されるべきものであるといえる。
【0081】
そこで、本サービスでは、テクニカルライターが、目的文章等T1を、意図表現(中間)T2に拡張する(図8の例では3倍に拡張する)。
即ち、テクニカルライターは、ユーザがどのような意図を考慮した表現に展開するのである。即ち、図8においては、例えば、テクニカルライターは、「商品について不具合がある」という事実を伝えることで回答を得ようとする意図のユーザを想定し、展開する。また例えば、テクニカルライターは、「違う商品が届いた」という事実を伝えることで回答を得ようとする意図のユーザを想定し、展開する。また例えば、「返金してほしい」という希望(解決方法)を伝えることで回答を得ようとする意図のユーザを想定し、展開する。
このように、テクニカルライターは、どのような意図を持ったユーザに対して、当該記事が提示されるべきかという観点で、目的文章等T1から意図表現(中間)T2に展開するのである。
【0082】
そして、更に、サーバ1により、意図表現(中間)T2が更に拡張される。即ち、サーバ1は、所定のアルゴリズムにより、意図表現(中間)T2を意図表現T3に拡張する(図8の例では16倍に拡張する)。
具体的には例えば、図8に示すように、「不具合があります」という意図表現(中間)T2を、「商品が壊れています」、「商品が不良品でした」等に展開する。即ち例えば、サーバ1は、主語を補足したり、語句を類義語等で置換したり、同義の文となるように語尾や助動詞等の組合せを変更することで展開する。
このように生成(展開)された意図表現T3が、質問文候補として、上述の質問文辞書DB181に格納される。
同様に、複数の目的文章等T1の夫々が、意図表現(中間)T2と、意図表現T3という段階を経て、展開されたものが、質問文候補として上述の質問文辞書DB181に格納される。
【0083】
その結果、ユーザは以下のような検索が可能となる。
図11は、本サービスの意図展開により実現されるユーザの誘導の一例を示す図である。
即ち例えば、図11に示すように、ユーザは、「ふぐあい」、「違う」、「返金」といった意図を選んで思いついた単語(キーワード)として入力することで検索をすることができようになるのである。
即ち、「ある記事」(目的文章等)に対して、複数の質問(意図表現)が生成されるため、ユーザは様々な言い回しからその記事にたどり着くことができるようになる。
なお、本サービスでは、図10及び図11に示すように、ユーザにより入力されたキーワードが相違する場合(例えば、「不良品」と「ふぐあい」、「異なる」と「違う」、「お金を返して」と「返金」のように相違する場合)であっても、ユーザに対して適切な質問文候補がユーザに提示される。これについて、図13及び図14を用いて後述する。
【0084】
以上、本サービスにおける従来のFAQ検索サイトとの相違点の一つである意図展開について説明した。
以下、ユーザの利便性を向上させる本サービスの他の機能等について説明する。
【0085】
図12は、本サービスにおける意図予測により実現されるユーザの誘導の一例を示す図である。
図12に示すように、本サービスのサーバ1は、ユーザから一文字が入力されるだけでユーザの意図を予測する機能を有する。これにより、ユーザは、全部の質問文(キーワード)を入力することなく、質問文候補を確認することができる。
即ち、本サービスにおいては、ユーザがキーワードを入力している最中において、その時点で入力されている文字から、ユーザが最終的にいかなるキーワードを入力しようとしているかを予測する予測機能を有する。
予測機能は、本サービスの検索対象となるサービス毎に調整されている。即ち例えば、「ポイント」という用語が用いられているサービスのFAQ検索サイトの場合、ユーザが「ぽ」と入力すると「ポイント」というキーワードが入力されるものとして予測される。
また例えば、「ポートフォリオ」という用語が用いられているサービスのFAQ検索サイトの場合、ユーザが「ぽ」と入力すると「ポートフォリオ」というキーワードが入力されるものとして予測される。
【0086】
なお、予測機能が機能する場合においても、上述したように、ユーザに対してそのキーワードが含まれる質問文候補がユーザに提示される。即ち、通常、ユーザが「ポイント」というキーワードを入力した時点においては、例え自然人であっても、ユーザがポイントをどうしたいのか等についての意図は把握できない。しかしながら、本サービスでは、当該キーワードが含まれる質問文候補がユーザに提示されるため、ユーザは自分の意図にそった質問文候補を選択することで必ず回答にたどり着けるのである。
【0087】
以下、ユーザに対して、ユーザにより入力されたキーワードが含まれる質問文候補が提示されるという特徴について補足、説明する。
図13は、本サービスにおける質問文候補の提示の一例を示す図である。
図13に示すように、ユーザによりキーワードが入力された場合、そのキーワードが含まれる質問文候補がユーザに提示される。そして、ユーザは、提示された質問文候補から自らの意図にそった質問文候補を選択することで、目的文章等を確認することができる。
サーバ1は、用語の定義や説明文、類義語、言い換え等を対応付け、定義データベースとして記憶して管理する。具体的には例えば、図13の例においては、「自動ブレーキ装置」と「ASV」とが対応付けて定義データベースとして記憶されている。
そして、サーバ1は、ユーザにより入力されたキーワードに基づいて質問文候補を検索する際に、定義データベースを利用して質問文候補を検索してユーザに提示する。これにより、「自動ブレーキ装置とは」という意図展開T3がヒットする。
ここで、ユーザが「ASV」というキーワードを用いて検索した場合には、「自動ブレーキ装置とは」という意図展開T3の「自動ブレーキ装置」を「ASV」という単語で置換したものを、質問文候補としてユーザに提示する。
これにより、ユーザの言葉が「必ず」質問に含まれるのでユーザの検索レベルに依存しない質問文候補がユーザに提示されるのである。換言すれば、ユーザの言葉のレベルに、システム(サーバ1)があわせて質問文候補として提示することができる。ユーザの立場によれば、ユーザが自分の言葉で調べることが可能となり、複数の質問文候補からの選択が容易となるのである。
換言すれば、ユーザは、キーワードを入力するだけで、自身の入力したキーワードを用いて表現された質問文候補が提示されるため、複数の質問文候補からの選択が容易となる。
【0088】
図14は、本サービスにおける質問文候補をユーザが選択する例を示す図である。
図14に示すように、ユーザにより入力されたキーワードが含まれる質問文候補がユーザに提示される。
これにより、図13を用いて説明したように、ユーザが自分の言葉で調べることが可能となる。そして、ユーザは、自身により入力されたキーワードが含まれる質問文候補を選択した結果として、その質問と対応した目的文章等へ到達することができるのである。
【0089】
以上、目的文章等はFAQとそれに対する回答の文章(記事)である関連文章等として説明したが、上述したように、本サービスは、ユーザの所定目的を達するために当該ユーザに提示される、所定の単語、フレーズ、若しくは文章を目的文章として適用できる。
【0090】
即ち例えば、目的文章等は、商品(サービス)の説明文章であってもよい。
具体的には例えば、ユーザは金融サービスを前提に「子供の教育資金に不安が有る」という意図を持っているとする。この場合、ユーザは、金融サービスサイト中に表示される「聞きたいことはなんですか?」といった文章と共に表示される入力欄に、「子供」といったキーワードを入力する。
その結果、質問文候補として、「子供の教育資金を準備しておきたい」、「〇〇は何歳までの子供が対象ですか」等がユーザに提示される。ここで、「〇〇」は、子供の教育資金を準備するためのサービス、即ち、所謂学資保険のサービス名称である。
次に、ユーザは、未だ言語化してキーワードとして入力していなかった「子供の教育資金を準備しておきたい」という質問文候補を選択することにより、学資保険である「〇〇」の商品説明のページを閲覧することが可能となる。
【0091】
なお、上述のキーワードと質問文候補は、〇〇のサービスを利用しようとするユーザであって、「何歳の子供までが対象か知りたい」という意図をもつユーザにとっても適切に機能する。
また、上述したように、本サービスの目的文章等に商品紹介を採用した場合、チャット型UIを、FAQ検索サイトの一部として機能させず、商品紹介の専用のページとして機能させることもできる。
このように、本サービスは、FAQのみならず、ユーザの所定目的を達するために当該ユーザに提示される、所定の単語、フレーズ、若しくは文章に対して適用できる。
また、上述の実施形態においては、ユーザは、自身の意図を質問文の形式で入力しようとすることを前提として、キーワードを入力するものとした。しかしながら、ユーザに提示されるものは、ユーザ自身の意図を表現するものであれば、質問文に限定されず、ユーザが所望(意図)する誘導文であれば足りる。
【0092】
このような誘導文の候補や目的文章等を提示するサーバ1の機能的構成を、図15を用いて説明する。
図15は、図8のサーバの機能的構成のうち、目的文章等をユーザに検索させ、提示する処理を実行するための機能的構成の一例を示す機能ブロック図である。
【0093】
図15に示すように、サーバ1が誘導文辞書生成処理を実行する場合、CPU11においては、辞書生成部111が機能する。また、サーバ1がチャット型目的文章等抽出処理を実行する場合、CPU11においては、キーワード等受付部112と、誘導文候補抽出部113と、誘導文候補提示部114と、誘導文選択受付部115と、目的文章等提示部116と、チャット型UI制御部119とが機能する。また、サーバ1が誘導文辞書改善処理を実行する場合、CPU11においては、履歴管理部117と、辞書改善部118とが機能する。
【0094】
また、サーバ1の記憶部18の一領域には、誘導文辞書DB182が設けられている。誘導文辞書DB182には、誘導文辞書が格納されている。
【0095】
辞書生成部111は、目的文章等の全体若しくはその構成要素に関連する単語であって、より一般度の高いキーワードを含む誘導文候補を、キーワードが入力されたときに抽出されるように、キーワードと、誘導文候補と、目的文章等とを対応付けて、誘導文辞書DB182の誘導文辞書に格納する。
これにより、目的文章等の検索を行うユーザが、所望の情報に容易に辿り着くことができるようにするための誘導文辞書が生成される。
【0096】
キーワード等受付部112は、チャット型UIの入力欄に入力されたキーワードKを受け付ける。
具体的には例えば、上述の学資保険の例では、「子供」、「教育資金」といった単語又はその類義語が入力されると、チャット型UI制御部119(AIチャットボット)を介して「子供」、「教育資金」といったキーワードをキーワード等受付部112が受け付ける。
【0097】
誘導文候補抽出部113は、キーワード等受付部112により受け付けられたキーワードを少なくとも一部に含む1以上の誘導文候補を、誘導文辞書DB181の誘導文辞書から抽出する。
【0098】
誘導文候補提示部114は、誘導文候補抽出部113により抽出された1以上の誘導文候補をユーザに提示する。
具体的には、誘導文候補提示部114は、誘導文候補抽出部113により抽出された1以上の誘導文候補を、ユーザ端末2に表示させる制御を実行することでユーザに提示する。
【0099】
誘導文選択受付部115は、誘導文候補提示部114によりユーザに提示された1以上の誘導文候補のうち、1の誘導文候補が選択されると、これをユーザからの誘導文として確定させる。
ここで、1の誘導文候補が選択されるとは、ユーザの操作により明示的に選択される場合の他、本サービスでは、入力欄に入力された内容に基づいてチャット型UI制御部119(AIチャットボット)が意図予測をして選択することも含む概念である。
【0100】
目的文章等提示部116は、誘導文選択受付部115により確定された誘導文に対応付けられた目的文章等を抽出して、チャット型UI制御部119(AIチャットボット)を介してユーザに提示する。
ここで、チャット型UI制御部119(AIチャットボット)を介してユーザに提示するとは、目的文章等をそのまま提示することの他、チャット型UI制御部119(AIチャットボット)が目的文章等を加工して提示したり、チャット型UI制御部119(AIチャットボット)が目的文章等に基づいて生成した文章を提示することも含む概念である。
【0101】
履歴管理部117は、キーワード等受付部112により受け付けられたキーワードと、誘導文候補提示部114によりユーザに提示された1以上の誘導文候補の中からユーザにより選択された誘導文候補と、その選択を受けて目的文章等提示部116によりユーザに提示された目的文章等とを履歴情報として管理する。
また、履歴管理部117は、キーワード等受付部112により受け付けられたキーワードではあるが、ユーザにより選択されなかった目的文章等が目的文章等提示部116により提示されなかったキーワードを抽出する。
【0102】
辞書改善部118は、履歴管理部117により履歴情報として、誘導文候補提示部114による誘導文候補がユーザに提示がなされた後、誘導文選択受付部115による確定が行われなかった場合に、誘導文候補に含まれるキーワードと、誘導文候補との対応関係を含む誘導文辞書の改善を行う。
【0103】
チャット型UI制御部119は、チャット型UI画面Cをユーザ端末に表示させて、AIチャットボットがユーザとチャット(会話)をするための制御を実行しつつ、キーワード等受付部112乃至目的文章等提示部116とAIチャットボットとの間の情報の授受を制御することで、ユーザにより入力されたキーワードを含む文章に対して、目的文章等提示部116により抽出された目的文章等に基づく適切な回答をAIチャットボットに生成させる。
【0104】
以上、本サービスをFAQのみならず、商品説明をふくむ目的文章等において適用したサーバ1の機能的の構成の例について説明した。
以下、上述のサーバ1により実現される本サービスの特徴について、まとめる。
【0105】
本サービスの意図展開を用いた検索は、ユーザの行動特性にうまくフィットした検索手法であるといえる。
具体的には、ユーザは、検索対象の商品(サービス)等について素人である。従って、通常FAQや商品説明に用いられる専門用語を理解していないことが多い。即ち、そのような専門用語を用いた検索のためのキーワードを想起することができない。更に言えば、仮にキーワードとして入力した場合においても、当該キーワードが単に含まれている記事の一覧から、何れが正解であるか(ユーザ自身の意図に合致するものであるか)を選択することが困難である。
また、多くのユーザは、数回(平均は3回程度)の試行で自身の意図する目的文章等に到達できない場合、あきらめてしまうのが実情である。
上述したように、本サービスは、このような課題を解決できるものである。
【0106】
また、本サービスの意図展開を用いた検索は、ユーザにより入力されたキーワードから、回答となる目的文章等を検索するのではなく、予測される誘導文(質問文)を検索する仕組みであるといえる。
具体的には、ユーザは、これから知りたいと思っている回答(目的文章等)を提示されても適切なものを選ぶのは困難である。本サービスでは、ユーザ自分が考えている質問(誘導文)が提示されるため、ユーザは選択が容易となる。
これにより、ユーザの正答到達率の向上が実現されるのである。
【0107】
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は、上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれるものとみなす。
【0108】
例えば、上述の実施形態では、目的文章等の一例である関連文章等は、1つのFAQに対する回答とされているが、2つ以上のFAQに対する回答とされてもよい。
【0109】
また例えば、上述の具体例に限定されない。例えばオンライン決済を利用した3人のユーザについて誤った決済処理がなされたとする。この場合、3人のユーザの夫々は、本サービスのチャット型UI画面Cに、「不具合」、「お金返して」、「不良」というキーワードを夫々含む自然文等を入力して、表示された質問文候補を夫々選択する(AIチャットボットが意図予測をして選択する場合含む)。すると、3人のユーザが所望する同一のFAQに対する回答が関連文章等として抽出され、同一の関連文章等に基づく文章が3人のユーザに夫々提示される。なお、3人のユーザの夫々に提示される文章は、同一の関連文章等に基づくもののであるものの、3人のチャット(会話)の夫々の履歴に応じてAIチャットボットにより生成されたものであるため、3人の夫々に対して異なったものになることが一般的である。
【0110】
また例えば、上述の実施形態では、所定の単語、フレーズ、若しくは文章に関連する単語であって、より一般度の高い当該単語を含む質問文候補が、当該単語が入力されたときに抽出されるが、これに限定されない。所定の単語、フレーズ、若しくは文章に関連する単語であって、より一般度の低い、又は一般度が同程度の当該単語を含む質問文候補が、当該単語が入力されたときに抽出されるようにすることもできる。具体的には例えば、「消去」という単語が検索窓に入力されると、「削除」という単語を含む文章が抽出されるようにしてもよい。
【0111】
また、図6に示すシステム構成、及び図7に示すサーバ1のハードウェア構成は、本発明の目的を達成するための例示に過ぎず、特に限定されない。
【0112】
また、図8及び図15に示す機能ブロック図は、例示に過ぎず、特に限定されない。即ち、上述した各種処理を全体として実行できる機能が図6の情報処理システムに備えられていれば足り、この機能を実現するためにどのような機能ブロック及びデータベースを用いるのかは、特に図8及び図15の例に限定されない。
【0113】
また、機能ブロック及びデータベースの存在場所も、図8及び図15に限定されず、任意でよい。
例えばサーバ1側に配置された機能ブロック及びデータベースの少なくとも一部を、ユーザ端末2側、又は図示せぬ他の情報処理装置が備える構成としてもよい。
【0114】
また、上述した一連の処理は、ハードウェアにより実行させることもできるし、ソフトウェアにより実行させることもできる。
また、1つの機能ブロックは、ハードウェア単体で構成してもよいし、ソフトウェア単体で構成してもよいし、それらの組み合わせで構成してもよい。
【0115】
一連の処理をソフトウェアにより実行させる場合には、そのソフトウェアを構成するプログラムが、コンピュータ等にネットワークや記録媒体からインストールされる。
コンピュータは、専用のハードウェアに組み込まれているコンピュータであってもよい。
また、コンピュータは、各種のプログラムをインストールすることで、各種の機能を実行することが可能なコンピュータ、例えばサーバの他汎用のスマートフォンやパーソナルコンピュータであってもよい。
【0116】
このようなプログラムを含む記録媒体は、ユーザにプログラムを提供するために装置本体とは別に配布される図示せぬリムーバブルメディアにより構成されるだけでなく、装置本体に予め組み込まれた状態でユーザに提供される記録媒体等で構成される。
【0117】
なお、本明細書において、記録媒体に記録されるプログラムを記述するステップは、その順序に沿って時系列的に行われる処理はもちろん、必ずしも時系列的に処理されなくとも、並列的あるいは個別に実行される処理をも含むものである。
【0118】
以上をまとめると、本発明が適用される情報処理装置は、次のような構成を有していれば足り、各種各様な実施の形態を取ることができる。
即ち、本発明が適用される情報処理装置は、
ユーザの所定目的を達するために当該ユーザに提示される、所定の単語、フレーズ、若しくは文章を目的文章等(例えばFAQの回答等の関連文章等)として、当該目的文章等に関連する単語(例えばキーワード)を受け付ける受付手段(例えば図8のキーワード等受付部102、図15のキーワード等受付部112)と、
当該ユーザが前記目的文章等に到達するために意図する誘導文候補(例えばFAQの質問文候補)が複数個当該目的文章等と対応付けられて予め登録されている誘導文辞書(例えば図8の質問文辞書DB181、例えば図15の誘導文辞書DB182)の中から、前記単語又はそれに類似する単語を少なくとも一部に含む1以上の誘導文候補(例えば質問文候補)を抽出する抽出手段段(例えば図8の質問文候補抽出部103、図15の誘導文候補抽出部113)と、
前記抽出手段により抽出された前記1以上の質問文候補を前記ユーザに提示する(例えば図1の質問文候補QK1のように提示する)第1提示手段(例えば図8の質問文候補提示部104、図15の誘導文候補提示部114)と、
前記第1提示手段により前記ユーザに提示された前記1以上の誘導文候補のうち、選択された前記誘導文候補に対応付けられた前記目的文章等を前記誘導文辞書から抽出して、前記ユーザに提示する第2提示手段(例えば図8の関連文章等提示部106、例えば図15の目的文章等提示部116)と、
チャットボットが前記ユーザとチャットをするための制御を実行しつつ(例えば図1乃至図5に示すようにチャット型UI画面Cをユーザ端末2に表示させつつ)、前記受付手段乃至前記第2提示手段と前記チャットボットとの間の情報の授受を制御することで、前記ユーザにより入力された文章(例えば図3の入力欄B1に入力された文章)に対して、前記第2提示手段による提示対象の前記目的文章等に基づく回答(例えば図3の回答A1)を前記チャットボットに生成させるチャット制御手段(例えば図8のチャット型UI制御部109、図15のチャット型UI制御部119)と、
を備える情報処理装置であれば足りる。
例えば、前記誘導文候補は質問文候補であり、前記誘導文辞書は質問文辞書であるようにすることができる。
【0119】
これにより、ユーザが、チャットを通じて所望の目的文章等に容易に辿り着き、当該目的文章等に基づく適切な回答を得ることができるようになる。
【0120】
前記チャットボットは、所定の機械学習を用いて生成された意図予測検索のアルゴリズムに基づいて、前記チャットにおける前記ユーザの入力に対する前記回答を生成するまでに1以上の処理を実行する、ようにすることができる。
これにより、例えば、図3の例の入力欄B1に入力された内容に対して、図3の例の回答A1をユーザに提示することが可能になる。
【0121】
前記チャットボットは、前記ユーザの入力内容に基づいて、前記受付手段により受け付けられる前記単語を抽出する処理を含む前記1以上の処理を実行することができる。
例えば、図2の例では、「納期に間に合いますか」という文章が入力欄B1に入力されている。そこで、AIチャットボットは、当該文章から「納期」と共に、「間に合※」という単語を抽出することができる。
【0122】
前記チャットボットは、前記ユーザの今回の入力内容に加えてさらに、前回までのチャット内容及び当該前回までのチャットに基づく前記受付手段乃至前記第2提示手段の処理の履歴に基づいて、前記受付手段により受け付けられる前記単語を抽出する処理を含む前記1以上の処理を実行することができる。
例えば、図3の例の続きとして、図4に示すように、「何時までに入稿すればいい?」と入力されたものとする。
この場合、AIチャットボットは、上述の先ほどの質問と回答(図1乃至図3参照)が記憶されているため、「本日中に受付を完了する必要がある」という前提を踏まえて、図4の例の回答A2を生成することができる。
【0123】
前記チャットボットは、所定のウェブサイトに埋め込まれており、前記ユーザの今回の入力内容に加えてさらに、該ウェブサイトに含まれる1以上のウェブページの内容に基づいて、前記受付手段により受け付けられる前記単語を抽出する処理を含む前記1以上の処理を実行することができる。
例えば図5の例では、「A4サイズのチラシ・フライヤー印刷料金表」というページが開いている状態で、ユーザは、チャット型UI画面Cの入力欄B4に「データはどこに入れたら良い?」と入力してエンターキーを押している。
そこで、AIチャットボットは、「A4サイズのチラシ・フライヤー印刷料金表」というページに基づく「チラシを印刷したい」という文脈に沿って回答A4を生成することができる。
【符号の説明】
【0124】
1・・・サーバ、2・・・ユーザ端末、11・・・CPU、12・・・ROM、13・・・RAM、14・・・バス、15・・・入出力インターフェース、16・・・入力部、17・・・出力部、18・・・記憶部、19・・・通信部、20・・・ドライブ、40・・・リムーバルメディア、101・・・辞書生成部、102・・・キーワード等受付部、103・・・質問文候補抽出部、104・・・質問文候補提示部、105・・・質問文確定部、106・・・関連文章等提示部、107・・・履歴管理部、108・・・辞書改善部、109・・・チャット型UI制御部、111・・・辞書生成部、112・・・キーワード等受付部、113・・・誘導文候補抽出部、114・・・誘導文候補提示部、115・・・誘導文選択受付部、116・・・目的文章等提示部、117・・・履歴管理部、118・・・辞書改善部、119・・・チャット型UI制御部、181・・・質問文辞書DB、182・・・質問文辞書DB
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15