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特開2024-140655信号処理装置、信号処理方法およびプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024140655
(43)【公開日】2024-10-10
(54)【発明の名称】信号処理装置、信号処理方法およびプログラム
(51)【国際特許分類】
   H04W 72/566 20230101AFI20241003BHJP
   H04W 72/54 20230101ALI20241003BHJP
【FI】
H04W72/566
H04W72/54
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023051911
(22)【出願日】2023-03-28
(71)【出願人】
【識別番号】000004237
【氏名又は名称】日本電気株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100103894
【弁理士】
【氏名又は名称】家入 健
(72)【発明者】
【氏名】野村 拓矢
(72)【発明者】
【氏名】田靡 哲也
(72)【発明者】
【氏名】徳見 栄一
(72)【発明者】
【氏名】水田 高弘
(72)【発明者】
【氏名】勢司 太一
(72)【発明者】
【氏名】木島 憲一
(72)【発明者】
【氏名】神山 拓海
【テーマコード(参考)】
5K067
【Fターム(参考)】
5K067EE02
5K067GG06
5K067HH22
5K067HH23
(57)【要約】
【課題】移動体の状況に応じた好適なデータ送信を行う信号処理装置、信号処理方法およびプログラムを提供する。
【解決手段】信号処理装置10において、読取部11は、移動体が有する複数の通信方式のそれぞれの特徴を示す特徴情報と、移動体が発信可能なデータの種類と優先度とを紐付けた優先度情報と、のそれぞれを記憶装置から読み取る。電波環境取得部12は、複数の通信方式のそれぞれの電波環境に関する情報を取得する。発信前データ受付部13は、移動体が発信するために生成した発信前データを受け付ける。発信条件設定部14は、特徴情報と、優先度情報と、電波環境と、に基づいて発信前データを発信する際の優先度と通信方式との設定処理を行う。出力部15は、設定処理に基づいて、発信前データを通信方式の通信を行う通信装置に出力する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
移動体が有する複数の通信方式のそれぞれの特徴を示す特徴情報と、前記移動体が発信可能なデータの種類と優先度とを紐付けた優先度情報と、のそれぞれを記憶装置から読み取る読取部と、
前記複数の通信方式のそれぞれの電波環境に関する情報を取得する電波環境取得部と、
前記移動体が発信するために生成した発信前データを受け付ける発信前データ受付部と、
前記特徴情報と、前記優先度情報と、前記電波環境と、に基づいて前記発信前データを発信する際の前記優先度と前記通信方式との設定処理を行う発信条件設定部と、
前記設定処理に基づいて、前記発信前データを前記通信方式の通信を行う通信装置に出力する出力部と、を備える
信号処理装置。
【請求項2】
前記読取部は、前記通信方式の通信速度に関する情報を含む前記特徴情報を読み取る、
請求項1に記載の信号処理装置。
【請求項3】
前記読取部は、前記移動体の識別信号にかかる識別用データの優先順位を他のデータの優先順位より高く設定する前記優先度情報を読み取る、
請求項2に記載の信号処理装置。
【請求項4】
前記発信条件設定部は、前記発信前データのデータ量を加味して前記設定処理を行う、
請求項2に記載の信号処理装置。
【請求項5】
前記発信可能なデータは、前記移動体の識別用データ、前記移動体が有するカメラが撮影した画像データ、および所定のセンサが測定した測定データの少なくともいずれか1つを含む、
請求項1に記載の信号処理装置。
【請求項6】
前記発信条件設定部は、前記通信装置から発信中のデータが存在する場合には、前記発信中のデータの前記優先度と前記発信前データの前記優先度とに基づいて、前記優先度が相対的に高いデータを優先して発信する前記設定処理を行う、
請求項1~5のいずれか一項に記載の信号処理装置。
【請求項7】
前記移動体を制御する移動体制御部からの要求に応じて前記記憶装置が記憶する前記優先度情報を更新する優先度更新部をさらに備える、
請求項6に記載の信号処理装置。
【請求項8】
予め設定された前記移動体の複数の運航状態を記憶する運航状態記憶部をさらに備え、
前記読取部は、移動中の前記移動体の前記運航状態に応じた前記優先度情報を読み取る、
請求項6に記載の信号処理装置。
【請求項9】
コンピュータが、
移動体が有する複数の通信方式のそれぞれの特徴を示す特徴情報と、前記移動体が発信可能なデータの種類と優先度とを紐付けた優先度情報と、のそれぞれを記憶装置から読み取り、
前記複数の通信方式のそれぞれの電波環境を取得し、
前記移動体が発信するために生成した発信前データを受け付け、
前記特徴情報と、前記優先度情報と、前記電波環境と、に基づいて前記発信前データを発信する際の前記優先度と前記通信方式との設定処理を行い、
前記設定処理に基づいて、前記発信前データを前記通信方式の通信を行う通信装置に出力する、
信号処理方法。
【請求項10】
移動体が有する複数の通信方式のそれぞれの特徴を示す特徴情報と、前記移動体が発信可能なデータの種類と優先度とを紐付けた優先度情報と、のそれぞれを記憶装置から読み取り、
前記複数の通信方式のそれぞれの電波環境を取得し、
前記移動体が発信するために生成した発信前データを受け付け、
前記特徴情報と、前記優先度情報と、前記電波環境と、に基づいて前記発信前データを発信する際の前記優先度と前記通信方式との設定処理を行い、
前記設定処理に基づいて、前記発信前データを前記通信方式の通信を行う通信装置に出力する、
信号処理方法を、コンピュータに実行させる
プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は信号処理装置、信号処理方法およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
社会生活において、例えばドローンあるいはUAS(Unmanned Aircraft System)と称される飛行体のように、新たな技術を利用した移動体が普及している。このような移動体は、無線通信により管理装置との情報交換を行う。移動体の無線通信に関連する技術については、種々の提案が行われている。
【0003】
例えば、特許文献1に記載の移動体通信システムは、制御チャネルに干渉障害が検出された場合、無線機を予備機に切替え干渉障害が解消しない場合は予備周波数の空き状況を参照し、使用可能な制御チャネルを選択して再割当てを行う。
【0004】
特許文献2に記載の技術は、送信データと各通信方式の適合度情報を設定し、適合度が所定値以上の通信方式が利用可能な場合はその方式で送信し、利用可能な通信方式が無い場合は適合度所定値以上の通信方式が現れるまでデータを保持後送信する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平10-013912号公報
【特許文献2】特開2005-217515号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、移動体の無線通信においては、移動体の置かれた状況を考慮した通信を行うことが好ましい。例えば移動体の運航を管理する管理システムとの通信を行う場合に、FIFO(First In First Out)による通信を行った場合、運航管理に必須のデータの送信が遅延し、運航に支障を来す虞がある。
【0007】
本開示の目的は、上述した課題を鑑み、移動体の状況に応じた好適なデータ送信を行う信号処理装置等を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本開示にかかる信号処理装置は、読取部と、電波環境取得部と、発信前データ受付部と、発信条件設定部と、出力部と、を有する。読取部は、移動体が有する複数の通信方式のそれぞれの特徴を示す特徴情報と、移動体が発信可能なデータの種類と優先度とを紐付けた優先度情報と、のそれぞれを記憶装置から読み取る。電波環境取得部は、複数の通信方式のそれぞれの電波環境に関する情報を取得する。発信前データ受付部は、移動体が発信するために生成した発信前データを受け付ける。発信条件設定部は、特徴情報と、優先度情報と、電波環境と、に基づいて発信前データを発信する際の優先度と通信方式との設定処理を行う。出力部は、設定処理に基づいて、発信前データを通信方式の通信を行う通信装置に出力する。
【0009】
本開示にかかる信号処理方法は、コンピュータが以下の処理を実行する。コンピュータは、移動体が有する複数の通信方式のそれぞれの特徴を示す特徴情報と、移動体が発信可能なデータの種類と優先度とを紐付けた優先度情報と、のそれぞれを記憶装置から読み取る。コンピュータは、複数の通信方式のそれぞれの電波環境に関する情報を取得する。コンピュータは、移動体が発信するために生成した発信前データを受け付ける。コンピュータは、特徴情報と、優先度情報と、電波環境と、に基づいて発信前データを発信する際の優先度と通信方式との設定処理を行う。コンピュータは、設定処理に基づいて、発信前データを通信方式の通信を行う通信装置に出力する。
【0010】
本開示にかかるプログラムは、コンピュータに以下の処理を実行させる。コンピュータは、移動体が有する複数の通信方式のそれぞれの特徴を示す特徴情報と、移動体が発信可能なデータの種類と優先度とを紐付けた優先度情報と、のそれぞれを記憶装置から読み取る。コンピュータは、複数の通信方式のそれぞれの電波環境に関する情報を取得する。コンピュータは、移動体が発信するために生成した発信前データを受け付ける。コンピュータは、特徴情報と、優先度情報と、電波環境と、に基づいて発信前データを発信する際の優先度と通信方式との設定処理を行う。コンピュータは、設定処理に基づいて、発信前データを通信方式の通信を行う通信装置に出力する。
【発明の効果】
【0011】
本開示によれば、移動体の状況に応じた好適なデータ送信を行う信号処理装置、信号処理方法およびプログラムを提供することにある。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】実施の形態1にかかる信号処理装置のブロック図である。
図2】実施の形態1にかかる信号処理方法のフローチャートである。
図3】実施の形態2にかかる信号処理装置を含む移動体のブロック図である。
図4】実施の形態2にかかる信号処理方法の第1のフローチャートである。
図5】実施の形態2にかかる信号処理方法の第2のフローチャートである。
図6】特徴情報を示す図である。
図7】優先度情報を示す図である。
図8】識別信号を示す図である。
図9】実施の形態3にかかる信号処理装置のブロック図である。
図10】実施の形態3にかかる優先度情報を示す図である。
図11】コンピュータのハードウェア構成を例示するブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、発明の実施の形態を通じて本発明を説明するが、特許請求の範囲にかかる発明を以下の実施形態に限定するものではない。また、実施形態で説明する構成の全てが課題を解決するための手段として必須であるとは限らない。説明の明確化のため、以下の記載および図面は、適宜、省略、および簡略化がなされている。なお、各図面において、同一の要素には同一の符号が付されており、必要に応じて重複説明は省略されている。
【0014】
<実施の形態1>
以下、図面を参照して本実施の形態について説明する。図1は、実施の形態1にかかる信号処理装置10のブロック図である。信号処理装置10は、通信機能を有する移動体が外部に発信する発信データに関する信号処理をする。本開示における移動体とは、地上から高度数メートルないし数百メートルを移動する飛行体である。移動体は例えば、ドローンまたはUASと称される無人航空機である。移動体は、荷物の運搬、地上の観察、警備、撮影などの様々な目的に利用される。
【0015】
信号処理装置10は、移動体に設けられる。信号処理装置10は移動体の一部であってもよいし、移動体に付加的に接続しているものであってもよい。信号処理装置10は主な構成として、読取部11と、電波環境取得部12と、発信前データ受付部13と、発信条件設定部14と、出力部15と、を有している。
【0016】
読取部11は、所定の記憶部から、特徴情報と優先度情報とを読み取る。所定の記憶部は、フラッシュメモリ、SSD(Solid State Drive)などの不揮発性メモリを含み、例えば移動体が有する。
【0017】
特徴情報は、移動体が有する複数の通信方式のそれぞれの特徴を示す情報である。通信方式の特徴とは例えばその通信方式の仕様のうち、通信速度またはデータのスループットに関する特徴である。
【0018】
優先度情報は、移動体が発信可能なデータ(発信可能データ)の種類と優先度とを紐付けた情報である。発信可能データは様々な種類が採用され得る。例えば発信可能データは、移動体の識別信号にかかるデータ、あるいは、移動体のカメラが撮影した画像のデータ(画像データ)である。また発信可能データは例えば、移動体の運航に関するデータであって、移動体の位置、速度、駆動部の動作状況等を示すデータであってもよい。さらに発信可能データは、移動体が測量や測定を行う場合の測定データであってもよい。発信可能データは、移動体の動作状態の良否を診断するための、バッテリ残量、モータ回転数等を示す自己診断データであってもよい。
【0019】
発信可能データの種類とは、上述の発信可能データを発信する場合に必要な信号のデータ量(時間当たりデータ量または総データ量)により大別される。発信可能データの種類は例えば、画像データ、動画データ、音声データ、テキストデータ等に分類され得る。
【0020】
優先度とは、複数のデータを発信する場合の優先順位である。すなわち例えば複数のデータを発信する場合に、信号処理装置10は、相対的に優先度が高いデータを、相対的に優先度が低いデータよりも先に発信する。
【0021】
なお、記憶部は移動体の外部に存在していてもよい。この場合に、読取部11は、移動体の通信機能を介して外部の記憶部から特徴情報と優先度情報とを読み取る。また読取部11が読み取るこれらの情報は、集中配置されていてもよいし、分散配置されていてもよい。特徴情報と優先度情報は、例えば一方が移動体に内蔵された記憶部に記憶されており、他方が外部の記憶部に記憶されていてもよい。その場合に読取部11は、それぞれの記憶部から情報を読み取る。
【0022】
電波環境取得部12は、複数の通信方式のそれぞれの電波環境に関する情報を取得する。本開示における電波環境とは、移動体が有する1つの通信方式によるデータの発信をした場合の伝送可能性(すなわち通信可能か否か)を含む。また電波環境とは、移動体が測定可能な通信速度、スループット、エラー率または受信信号強度(RSSI(Received Signal Strength Indicator))をさらに含み得る。電波環境取得部12は、移動体が有する通信装置からこれらの情報を取得し得る。電波環境を取得することにより、信号処理装置10は、移動体が発信するために生成したデータ(発信前データ)を発信する際に利用する通信方式を選択できる。
【0023】
発信前データ受付部13は、移動体が発信するために生成した発信前データを、それぞれの生成元から受け付ける。発信前データの生成元は、そのデータの種類等に依存する。具体的には例えば、画像データは画像データを生成する画像データ生成部が生成する。画像データ生成部は、撮像素子が光電変換した信号から所定の標準規格に準拠した画像データを生成する。識別用データ生成部は、予め登録された認証データを含む識別用データを生成する。また自己診断データ生成部は、自己の動作状態における異常の有無等を示す自己診断データを生成する。
【0024】
発信条件設定部14は、発信前データを発信する際の優先度と通信方式との設定処理を行う。このとき発信条件設定部14は、上述した特徴情報と、優先度情報と、電波環境とを参照する。発信条件設定部14は、設定処理により、発信データの優先度を設定するとともに、発信データを発信する通信方式の割り当てを設定する。
【0025】
出力部15は、上述の設定処理が行われた発信データを受け取るとともに、施された設定処理に従い、発信前データを通信装置に出力する。このとき出力部15は、通信装置に対して優先度を通知する。より具体的には出力部15は、発信データのヘッダ等に優先度を示すための符号等を付してもよい。通信装置は、予め設定された通信方式の通信を行う。なお、通信装置は1つであっても複数であってもよい。
【0026】
以上、信号処理装置10の構成について説明した。上述の構成によれば、信号処理装置10は、移動体の置かれた状況や電波環境に応じて、発信する優先度が高いデータを好適に送信できる。
【0027】
次に、図2を参照して信号処理装置10が実行する処理について説明する。図2は、実施の形態1にかかる信号処理方法のフローチャートである。
【0028】
まず、読取部11は、移動体が有する複数の通信方式のそれぞれの特徴を示す特徴情報と、移動体が発信可能なデータの種類と優先度とを紐付けた優先度情報と、のそれぞれを記憶装置から読み取る(ステップS11)。読取部11は、読み取った特徴情報と優先度情報を、発信条件設定部14に供給する。
【0029】
次に、電波環境取得部12は、複数の通信方式のそれぞれの電波環境に関する情報を取得する(ステップS12)。電波環境取得部12は、取得した電波環境に関する情報を発信条件設定部14に供給する。
【0030】
次に、発信前データ受付部13は、移動体が発信するために生成した発信前データを受け付ける(ステップS13)。発信前データ受付部13は、受け付けた発信前データを発信条件設定部14に供給する。
【0031】
次に、発信条件設定部14は、特徴情報と、優先度情報と、電波環境と、に基づいて発信前データを発信する際の優先度と通信方式との設定処理を行う(ステップS14)。発信条件設定部14は、設定処理を行った発信前データを出力部15に供給する。
【0032】
次に、出力部15は、設定処理に基づいて、発信前データを通信方式の通信を行う通信装置に出力する(ステップS15)。出力部15の処理が終わると、信号処理装置10は一連の処理を終了する。
【0033】
以上、信号処理装置10が実行する信号処理方法について説明した。なお上述の方法において、例えばステップS11、ステップS12およびステップS13は、順序が入れ替わってもよいし、並行して実行されてもよい。
【0034】
尚、信号処理装置10は、図示しない構成としてプロセッサ及び記憶装置を有しうる。信号処理装置10が有する記憶装置は、例えばフラッシュメモリやSSD(Solid State Drive)などの不揮発性メモリを含む記憶装置を含む。この場合に、信号処理装置10が有する記憶装置は、上述の画像処理方法を実行するためのコンピュータプログラム(以降、単にプログラムとも称する)を記憶している。またプロセッサは、記憶装置からコンピュータプログラムをDRAM(Dynamic Random Access Memory)等のバッファメモリへ読み込ませ、当該プログラムを実行する。
【0035】
信号処理装置10が有する各構成は、それぞれが専用のハードウェアで実現されていてもよい。また、各構成要素の一部又は全部は、汎用または専用の回路(circuitry)、プロセッサ等やこれらの組合せによって実現されてもよい。これらは、単一のチップによって構成されてもよいし、バスを介して接続される複数のチップによって構成されてもよい。各装置の各構成要素の一部又は全部は、上述した回路等とプログラムとの組合せによって実現されてもよい。また、プロセッサとして、CPU(Central Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)、FPGA(field-programmable gate array)等を用いることができる。なお、ここに説明した構成に関する説明は、本開示において以下に説明するその他の装置またはシステムにおいても、適用されうる。
【0036】
以上、本実施の形態によれば、移動体の状況に応じた好適なデータ送信を行う信号処理装置、信号処理方法およびプログラムを提供できる。
【0037】
<実施の形態2>
次に、実施の形態2について説明する。図3は、実施の形態2にかかる信号処理装置10を含む移動体1のブロック図である。移動体1は、例えばUAS(Unmanned Aircraft System)またはドローンと称される飛行体であって、本開示における移動体の一実施形態である。
【0038】
移動体1は、例えば計画された運航経路(計画経路)に沿って空中を自律飛行する。このとき移動体1は、移動体1の運航を管理する運航管理システム(UTM(UAS Traffic Management))と定期的に通信しながら移動する。移動体1と運航管理システムとの通信は、所定のネットワークに接続可能な基地局を介して行われる。基地局は移動体1の運航経路の周辺に、移動体1と通信可能に設けられる。ただし、移動体1と基地局との通信は、移動体1の位置やその電波環境等に応じて変化する。そのため、信号処理装置10は例えば運航に支障をきたすことが無いように通信を行うための機能を有する。
【0039】
移動体1は、信号処理装置10を有している。また移動体1はその他の主な構成として、記憶装置100、識別用データ生成部210、画像データ生成部220、自己診断データ生成部230、通信装置300、位置データ取得部400、カメラ410、駆動部420および移動体制御部430を有している。
【0040】
まず、本実施の形態にかかる信号処理装置10について説明する。信号処理装置10は、移動体1が基地局に発信するデータの処理を行う。具体的には、信号処理装置10は識別用データ生成部210、画像データ生成部220および自己診断データ生成部230と通信可能に接続し、識別用データ生成部210、画像データ生成部220および自己診断データ生成部230のそれぞれから発信データを受け取る。信号処理装置10は受け取った発信データに対して、優先度および使用する通信方式を設定し、設定した優先度と通信方式に応じて、発信データを通信装置300に出力する。
【0041】
信号処理装置10はこのとき、記憶装置100から特徴情報101と優先度情報102とを読み取る。また信号処理装置10は、通信装置300から電波環境に関する情報を取得する。本実施の形態にかかる信号処理装置10の構成は、図1に示したものと同様である。
【0042】
本実施の形態にかかる読取部11は、通信方式の通信速度に関する情報を含む特徴情報101を読み取る。通信速度に関する情報は例えば、通信規格の最大通信速度、帯域幅、周波数帯、チャネルに関する情報を含み得る。通信速度に関する情報を読み取ることより、信号処理装置10は、好適な通信方式が設定可能となる。
【0043】
また読取部11は、移動体1の識別信号にかかる識別用データの優先順位を他のデータの優先順位より高く設定する優先度情報102を読み取ってもよい。これにより、信号処理装置10は、移動体1と基地局との通信が途絶することを抑制できる。
【0044】
本実施の形態にかかる発信条件設定部14は、発信前データのデータ量を加味して設定処理を行う。すなわち例えば発信条件設定部14は、同一の種類のデータであっても、データ量が相対的に小さいデータの優先度を、データ量が相対的に大きいデータの優先度より高くする、などの処理を行い得る。これにより、信号処理装置10は、好適な通信方式を選択できる。
【0045】
移動体1が発信する発信可能データは例えば、移動体の識別用データ、移動体が有するカメラが撮影した画像データ、および所定のセンサが測定した測定データの少なくともいずれか1つを含むものであってもよい。すなわちこの場合、信号処理装置10は、識別用データ、画像データ、測定データの優先度を設定できる。測定データは、温度、湿度、気圧、加速度、角速度、位置データ、LiDARやSLAMなどの測距データまたは音声データ等である。測定データは、バッテリ残量や消費電力など自己診断に関わるデータであってもよい。
【0046】
本実施の形態にかかる発信条件設定部14は、通信装置300から発信中のデータが存在する場合には、発信中のデータの優先度と発信前データの優先度とを比較し得る。この場合、発信条件設定部14は、発信中のデータの優先度と発信前データの優先度との比較の結果に応じて、優先度が相対的に高いデータを優先して発信する設定処理を行う。すなわち発信条件設定部14は例えば、動画データのように比較的データ量の多いデータの送信を行っている途中に、相対的に動画データよりも優先度の高い識別用データを発信前データとして受け付けた場合には、割り込み処理により識別用データの送信を行うよう設定処理し得る。
【0047】
出力部15は、発信前データの優先度が、発信中データの優先度より高い場合には、発信前データの送信を割り込み処理を行う。これにより信号処理装置10は、優先度の高いデータを好適に送信できる。
【0048】
以上、本実施の形態にかかる信号処理装置10について説明した。次に、移動体1が有する信号処理装置10以外の主な構成について説明する。
【0049】
識別用データ生成部210は、移動体1の識別信号に用いるデータを生成する。識別信号には例えば、時刻データと認証データとを含む。認証データは、移動体1を客観的に識別するための固有識別子が含まれる。識別信号はその他に、移動体1の位置データや、移動体1の速度データを含み得る。識別用データ生成部210は、例えば予め設定された期間(例えば数百ミリ秒)ごとに、生成した識別用データを信号処理装置10に供給する。識別信号は、例えばRID(Remote Identifier)と称される規格に準拠したものであってもよい。
【0050】
画像データ生成部220は、カメラ410が撮影した画像のデータを受け取り、受け取ったデータから所定の規格に準拠した画像データを生成する。所定の規格とは例えばMPEG(Moving Picture Experts Group)、JPEG(Joint Photographic Experts Group)またはAvi(Audio Video Interleave)などである。画像データは、静止画であってもよいし、動画であってもよい。また画像データは音声データを付随していてもよい。画像データ生成部220は、カメラ410が撮影した画像の画像データを、信号処理装置10に供給する。
【0051】
自己診断データ生成部230は、移動体1の故障診断を含む自己診断データを生成する。自己診断データは例えばウォッチドッグタイマのデータや、バッテリ残量またはモータ駆動時間等を含み得る。自己診断データ生成部230は、生成した自己診断データを、信号処理装置10に供給する。
【0052】
記憶装置100は、フラッシュメモリやSSD(Solid State Drive)などの不揮発性メモリを含む。記憶装置100は、特徴情報101と優先度情報102とを含む。記憶装置100は信号処理装置10に接続し、信号処理装置10に対して適宜、特徴情報101および優先度情報102を供給する。
【0053】
通信装置300は、基地局と無線通信を行うための機能を有している。すなわち通信装置300は例えばアンテナ、変調回路、復調回路等を含みうる。また通信装置300は、第1通信回路301、第2通信回路302および第3通信回路303を有している。第1通信回路301、第2通信回路302および第3通信回路303は、それぞれ異なる通信方式に準拠した通信を行うための回路である。通信装置300が採用し得る通信方式は例えば、ブルートゥース(登録商標)やWi-Fiの規格に準拠した方式である。また通信方式は、例えばLTE(Long term evolution)または4G(4th Generation)と称される通信規格や、5G(5th Generation)と称される通信規格であってもよい。
【0054】
位置データ取得部400は例えばGNSS(Global Navigation Satellite System)やWi-Fiの電波を利用した位置データ取得システム等を利用して、移動体1の位置に関するデータを取得する。位置データ取得部400は例えば識別用データ生成部210に接続し、取得した位置データを識別用データ生成部210に供給する。
【0055】
カメラ410は、対物レンズや撮像素子等を含み、移動中の移動体1から周辺の画像を撮影する。カメラ410は画像データ生成部220に接続しており、撮影した画像のデータを画像データ生成部220に供給する。
【0056】
駆動部420は、移動体1の移動手段であるプロペラを回転させるためのモータやモータを駆動するためのモータドライバ回路等を含む。移動体制御部430は、CPUまたはMCU等の演算装置を含み、移動体1の各構成を制御する。
【0057】
次に、図4を参照して、本実施の形態にかかる信号処理装置10が実行する処理について説明する。図4は、実施の形態2にかかる信号処理方法の第1のフローチャートである。図4に示すフローチャートは、ステップS14の具体的な処理が記載されている点が、図2のフローチャートと異なる。ステップS14において、発信条件設定部14は以下の処理を行う。
【0058】
発信条件設定部14は、特徴情報と電波環境とから、発信データを受信する受信先と通信可能な通信方式を抽出する(ステップS141)。
【0059】
次に、発信条件設定部14は、受け付けた発信前データと優先度情報とから、発信前データの優先度を設定する(ステップS142)。
【0060】
次に発信条件設定部14は、抽出した通信方式のそれぞれの電波環境と、発信前データの優先度とから、優先度の高い順に通信方式を設定する(ステップS143)。
【0061】
次に、図5を参照して、本実施の形態にかかる信号処理装置10の処理のもう一つの例を説明する。図5は、実施の形態2にかかる信号処理方法の第2のフローチャートである。図5に示すフローチャートは、ステップS13の後の処理が、図2および図4に示すフローチャートと異なる。
【0062】
ステップS13の後、信号処理装置10は、発信中のデータがあるか否かを判定する(ステップS21)。発信中のデータがあると判定する場合(ステップS21:YES)、信号処理装置10はステップS22に進む。一方、発信中のデータがあると判定しない場合(ステップS21:NO)、信号処理装置10はステップS24に進む。
【0063】
ステップS22において、発信条件設定部14は、発信前データの優先度と発信中データの優先度とを比較して、これらの発信条件を設定する(ステップS22)。例えば発信前データの優先度が、発信中データの優先度より高い場合に、発信条件設定部14は、発信前データを割り込み処理により送信することを設定する。また例えば発信前データの優先度が、発信中データの優先度より低い場合に、発信条件設定部14は、発信中データの送信後に発信前データを送信することを設定し得る。ステップS22の処理が終わると、信号処理装置10は、ステップS23に進む。
【0064】
ステップS23において、信号処理装置10の出力部15は、発信条件を設定したデータを、通信装置300に出力する(ステップS23)。ステップS23の処理が終わると、信号処理装置10は一連の処理を終了する。
【0065】
ステップS24において、信号処理装置10の発信条件設定部14は、発信前データの発信条件を設定する(ステップS24)。発信前データの発信条件を設定すると、信号処理装置10は、ステップS23に進む。
【0066】
以上、信号処理装置10が実行する処理について説明した。上述の構成により、信号処理装置10は、相対的に優先度の高いデータの送信を実行できる。
【0067】
次に、図6を参照して、信号処理装置10が記憶する特徴情報101について説明する。図6は、特徴情報101を示す図である。図6に示す図は、特徴情報101を示す表である。
【0068】
図6に示す表は、第1通信方式、第2通信方式および第3通信方式のそれぞれの特徴に関する情報として、最大通信速度に関する情報を含む。なお表に示されている第1通信方式は、図3の第1通信回路301に対応している。第1通信方式は、最大通信速度が150Mbps(メガビット毎秒)である。同様に、第1通信方式の下の欄に示された第2通信方式は、第2通信回路302に対応している。第2通信方式は、最大通信速度が250kbps(キロビット毎秒)である。第2通信方式の下の欄に示された第3通信方式は、第3通信回路303に対応している。第3通信方式は、最大通信速度が2Mbpsである。
【0069】
なお、図6に示す特徴情報は、それぞれの通信方式のチャンネル数に関する情報を含んでいてもよい。チャンネル数に関する情報を含むことにより、信号処理装置10は例えば複数のチャンネルを使用したデータ送信を設定処理できる。
【0070】
次に、図7を参照して、記憶装置100が記憶する優先度情報102について説明する。図7は、優先度情報102を示す図である。図7は優先度と、その優先度に対応したデータ種類とを含む表が示されている。
【0071】
具体的には、図7の表は、優先度1に対応するデータとして、識別用データを示している。また図7の表は、優先度1の下の欄の優先度2に対応するデータとして、画像データを示している。同様に、図7の表は、優先度2の下の欄の優先度3に対応するデータとして、自己診断データを示している。すなわち、ここに示す優先度情報102は、識別用データの優先度が最も高く、次いで画像データの優先度が高い。また自己診断データの優先度の次に、自己診断データの優先度が高い。
【0072】
次に、移動体1が発信する識別信号について説明する。図8は、識別信号を示す図である。識別信号は、例えば数百ミリ秒に1回程度の頻度により移動体1が発信する信号である。識別信号は、例えば移動体1が許可を得て移動していることを示す情報を含む。また識別信号は、移動体1を認証するための認証データを含む。識別信号は、識別信号を発信した時刻と、識別信号を発信した時刻における移動体1の位置データを含む。
【0073】
識別信号は主な構成として、ヘッダ、認証データ、時刻データ、位置データおよびフッタを含む。ヘッタおよびフッタは、基地局が識別信号を認識するための所定の通信プロトコルに準拠している。認証データは、この識別信号を発信する移動体1が認証された移動体であることを示すデータを含む。認証データは例えば自治体などの所定の許可団体が発行する認証番号や、運航管理システム21に紐づけられた固有識別子を含み得る。時刻データは、識別信号を発信する度に更新されるタイムスタンプである。位置データは、例えば緯度、経度、高度に関するデータを含む。位置データはまた、移動速度を示すデータを含んでいてもよい。
【0074】
移動体1は、例えば、ヘッダの後に続いて認証データ「ID1234」、時刻データ「T11」、位置データ「X1、Y1、Z1」そしてフッタを1つの通信パケットとして送信する。基地局は、この信号を受信すると、運航管理システムにこの信号を供給する。
【0075】
以上、識別信号について説明したが、移動体1が発信するデータは、このようなデータ構造を有し、所定のTCP(Transmission Control Protocol)またはIP(Internet Protocol)などのプロトコルに準拠している。信号処理装置10は、OSI参照モデル(Open Systems Interconnection reference model)におけるネットワーク層の処理に関して、優先度を設定し、相対的に優先度の高いデータを相対的に優先度の低いデータより先に送信するよう設定処理する。
【0076】
以上、本実施の形態によれば、移動体の状況に応じた好適なデータ送信を行う信号処理装置、信号処理方法およびプログラムを提供できる。
【0077】
<実施の形態3>
次に、実施の形態3について説明する。図9は、実施の形態3にかかる信号処理装置20のブロック図である。
【0078】
実施の形態3にかかる移動体1は、信号処理装置10に代えて信号処理装置20を有している。信号処理装置20は、優先度更新部16および運航状態記憶部17を有する点が、上述の実施の形態にかかる信号処理装置10と異なる。
【0079】
優先度更新部16は、移動体1を制御する移動体制御部430からの要求に応じて記憶装置が記憶する優先度情報を更新する。この場合例えば移動体1は、優先度情報102として、複数の優先度情報を記憶し得る。そして移動体制御部430は例えば、通信装置300を介して新たな優先度情報を受け取り、これをさらに記憶装置100に記憶し得る。このような構成により記憶装置100が記憶する優先度情報102は、信号処理装置20が予め記憶したものであってもよいし、運行管理者が設定してもよい。
【0080】
このような状況において、優先度更新部16は、例えば運航管理システムから新たな優先度情報を受け取った場合に、更新処理として、記憶装置100が記憶する優先度情報を書き換える処理を行ってもよい。また優先度更新部16は、更新処理として、優先度情報を追加する処理をおこなってもよい。このような構成により、信号処理装置20は、移動体1を使用するユーザがカスタマイズした優先度にしたがってデータ送信を行うことができる。
【0081】
運航状態記憶部17は、予め設定された移動体の複数の運航状態を記憶する。運航状態とは例えば、移動体1が通常の運航を行っていることを示すものや、移動体1が何らかの緊急事態下に置かれていることを示すものである。緊急事態とは例えばバッテリ残量が所定の閾値より下回った場合や、移動空間の天候が悪化した場合などを含み得る。
【0082】
図10は、実施の形態3にかかる優先度情報を示す図である。図10に示す優先度情報は、運航状態という項目が追加されている点が、図7に示す表と異なる。図10に示す優先度情報は、運航状態1において、優先度1が識別データ、優先度2が画像データ、そして優先度3が自己診断データと定義されている。また図10に示す優先度情報は、運航状態1の右隣りの欄の運航状態2において、優先度1が自己診断データ、優先度2が識別データ、そして優先度3が画像データと定義されている。
【0083】
すなわち移動体1は、運航状態1における運航では、識別データの送信を優先的に行うよう信号処理を行う一方、運航状態2における運航では、自己診断データの送信を識別データよりも優先して行うよう信号処理を行う。
【0084】
このような優先度情報を記憶する信号処理装置20において、読取部11は、移動中の移動体の運航状態に応じた優先度情報を読み取る。運航状態とは、移動体1が与えられている運航ミッションによるものであってもよい。運航ミッションとは運航の目的であって、例えば、物流、監視、見守りおよび測定などである。これにより信号処理装置20は、移動体1の運航目的に対応した信号の送信を行うことができる。
【0085】
以上、実施の形態3について説明した。本実施の形態によれば、移動体の状況に応じた好適なデータ送信を行う信号処理装置、信号処理方法およびプログラムを提供できる。
【0086】
<ハードウェア構成の例>
以下、本開示における更新情報生成装置および静的情報管理装置の各機能構成がハードウェアとソフトウェアとの組み合わせで実現される場合について説明する。
【0087】
図11は、コンピュータのハードウェア構成を例示するブロック図である。本開示における更新情報生成装置および静的情報管理装置は、図に示すハードウェア構成を含むコンピュータ500により上述の機能を実現できる。コンピュータ500は、スマートフォンやタブレット端末などといった可搬型のコンピュータであってもよいし、PCなどの据え置き型のコンピュータであってもよい。コンピュータ500は、各装置を実現するために設計された専用のコンピュータであってもよいし、汎用のコンピュータであってもよい。コンピュータ500は、所定のアプリケーションをインストールされることにより、所望の機能を実現できる。
【0088】
コンピュータ500は、バス502、プロセッサ504、メモリ506、ストレージデバイス508、入出力インタフェース510およびネットワークインタフェース512を有する。バス502は、プロセッサ504、メモリ506、ストレージデバイス508、入出力インタフェース510、及びネットワークインタフェース512が、相互にデータを送受信するためのデータ伝送路である。ただし、プロセッサ504などを互いに接続する方法は、バス接続に限定されない。
【0089】
プロセッサ504は、CPU、GPUまたはFPGAなどの種々のプロセッサである。メモリ506は、RAM(Random Access Memory)などを用いて実現される主記憶装置である。
【0090】
ストレージデバイス508は、ハードディスク、SSD、メモリカード、又はROM(Read Only Memory)などを用いて実現される補助記憶装置である。ストレージデバイス508は、所望の機能を実現するためのプログラムが格納されている。プロセッサ504は、このプログラムをメモリ506に読み出して実行することで、各装置の各機能構成部を実現する。
【0091】
入出力インタフェース510は、コンピュータ500と入出力デバイスとを接続するためのインタフェースである。例えば入出力インタフェース510には、キーボードなどの入力装置や、ディスプレイ装置などの出力装置が接続される。
【0092】
ネットワークインタフェース512は、コンピュータ500をネットワークに接続するためのインタフェースである。
【0093】
以上、実施の形態を参照して本願発明を説明したが、本願発明は上記によって限定されるものではない。本願発明の構成や詳細には、発明のスコープ内で当業者が理解し得る様々な変更をすることができる。
【符号の説明】
【0094】
1 移動体
10 信号処理装置
11 読取部
12 電波環境取得部
13 発信前データ受付部
14 発信条件設定部
15 出力部
16 優先度更新部
17 運航状態記憶部
20 信号処理装置
100 記憶装置
101 特徴情報
102 優先度情報
210 識別用データ生成部
220 画像データ生成部
230 自己診断データ生成部
300 通信装置
301 第1通信回路
302 第2通信回路
303 第3通信回路
400 位置データ取得部
410 カメラ
420 駆動部
430 移動体制御部
500 コンピュータ
502 バス
504 プロセッサ
506 メモリ
508 ストレージデバイス
510 入出力インタフェース
512 ネットワークインタフェース
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11