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特開2024-140676組成物、成形体、定着部材、定着装置及び画像形成装置
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  • 特開-組成物、成形体、定着部材、定着装置及び画像形成装置 図1
  • 特開-組成物、成形体、定着部材、定着装置及び画像形成装置 図2
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024140676
(43)【公開日】2024-10-10
(54)【発明の名称】組成物、成形体、定着部材、定着装置及び画像形成装置
(51)【国際特許分類】
   G03G 15/20 20060101AFI20241003BHJP
   C08L 101/00 20060101ALI20241003BHJP
   C08K 3/013 20180101ALI20241003BHJP
【FI】
G03G15/20 515
C08L101/00
C08K3/013
【審査請求】未請求
【請求項の数】13
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023051954
(22)【出願日】2023-03-28
(71)【出願人】
【識別番号】000005496
【氏名又は名称】富士フイルムビジネスイノベーション株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】吉川 亮平
(72)【発明者】
【氏名】梶原 賢志
(72)【発明者】
【氏名】田中 宏晃
(72)【発明者】
【氏名】永松 泰樹
(72)【発明者】
【氏名】稲垣 智丈
(72)【発明者】
【氏名】瀬古 真路
【テーマコード(参考)】
2H033
4J002
【Fターム(参考)】
2H033AA03
2H033BB05
2H033BB08
2H033BB12
2H033BB15
2H033BB18
2H033BB28
4J002AC141
4J002CM041
4J002DA026
4J002DF016
4J002DJ006
4J002DK006
4J002FD016
4J002GS00
(57)【要約】
【課題】成形体としたときに熱伝導率に優れる組成物の提供。
【解決手段】少なくとも1種類以上の熱伝導性を有するフィラーと、樹脂又はゴムと、を含み、前記フィラーの形状係数SF1が120以上400以下であり、かつ、形状係数SF2が140以上325以下である組成物。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1種類以上の熱伝導性を有するフィラーと、樹脂又はゴムと、を含み、
前記フィラーの形状係数SF1が120以上400以下であり、かつ、形状係数SF2が140以上325以下である組成物。
【請求項2】
前記樹脂を含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
前記フィラーの数平均粒径が0.5μm以上10μm以下である、請求項1に記載の組成物。
【請求項4】
前記ゴムを含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項5】
前記フィラーの数平均粒径が15μm以上40μm以下である、請求項3に記載の組成物。
【請求項6】
熱伝導率が1.2W/mK以上である、請求項1に記載の組成物。
【請求項7】
前記フィラーの含有量は、組成物に対して、5体積%以上50体積%以下である、請求項1に記載の組成物。
【請求項8】
前記フィラーの含有量は、組成物に対して、5体積%以上20体積%以下である、請求項7に記載の組成物。
【請求項9】
前記フィラーはアスペクト比が6以下である、請求項1に記載の組成物。
【請求項10】
請求項1~請求項9のいずれか1項に記載の組成物を含む成形体。
【請求項11】
基材層と、前記基材層上に設けられた弾性層とを有し、
前記基材層及び前記弾性層の少なくとも一方が、請求項1~請求項9のいずれか1項に記載の組成物を含む定着部材。
【請求項12】
第1回転体と、第1回転体の外面に接して配置される第2回転体と、を備え、
前記第1回転体及び前記第2回転体の少なくとも一方が、請求項11に記載の定着部材である定着装置。
【請求項13】
像保持体と、
前記像保持体の表面を帯電させる帯電装置と、
帯電した前記像保持体の表面に静電潜像を形成する静電潜像形成装置と、
前記像保持体の表面に形成された静電潜像をトナーにより現像してトナー像を形成する現像装置と、
前記像保持体の表面に形成されたトナー像を記録媒体に転写する転写装置と、
前記トナー像を前記記録媒体に定着させる請求項12に記載の定着装置と、
を有する画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、組成物、成形体、定着部材、定着装置及び画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、「樹脂と、アスペクト比が2以上であり、前記樹脂中で基材の面内方向に配向して分散している第1の充填剤と、アスペクト比が2以上であり、長径が前記第1の充填剤の長径よりも短く、前記樹脂中で基材の厚さ方向に配向して分散している第2の充填剤と、を含む樹脂基材」が開示されている。
【0003】
特許文献2には、「弾性層を有するシームレスタイプの円筒型の加熱定着部材であって、該弾性層は、弾性材料、及び、該弾性材料に分散されているカーボンファイバー並びに配向阻害成分を含み、該カーボンファイバーの該弾性層の面方向への配向が、該配向阻害成分によって阻害されており、該配向阻害成分が、粒子であり、その重量平均粒径をR(μm)とするとき、重量平均粒径R(μm)とカーボンファイバーの平均繊維直径D(μm)との関係が、0.5≦R/D≦10を満たし、かつ、該弾性層の厚み方向の熱伝導率が、1.0W/(m・K)以上であることを特徴とする加熱定着部材。」が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許公報第4911674号
【特許文献2】特許公報第4911674号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来の定着部材等の高伝導率を要する成形体では、熱伝導率を向上させることが課題の一つとして挙げられており、さらなる向上が求められている。そこで本開示では、少なくとも1種類以上の熱伝導性を有するフィラーと樹脂又はゴムとを含む組成物において、前記フィラーの形状係数SF1が120未満もしくは400超え、又は、形状係数SF2が140未満もしくは325超えである組成物に比べて、熱伝導率に優れる組成物を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記課題を解決するための具体的手段には、下記の態様が含まれる。
<1> 少なくとも1種類以上の熱伝導性を有するフィラーと、樹脂又はゴムと、を含み、
前記フィラーの形状係数SF1が120以上400以下であり、かつ、形状係数SF2が140以上325以下である組成物。
<2> 前記樹脂を含む、前記<1>に記載の組成物。
<3> 前記フィラーの数平均粒径が0.5μm以上10μm以下である、前記<1>に記載の組成物。
<4> 前記ゴムを含む、前記<1>に記載の組成物。
<5> 前記フィラーの数平均粒径が15μm以上40μm以下である、前記<3>に記載の組成物。
<6> 熱伝導率が1.2W/mK以上である、前記<1>に記載の組成物。
<7> 前記フィラーの含有量は、組成物に対して、5体積%以上50体積%以下である、前記<1>に記載の組成物。
<8> 前記フィラーの含有量は、組成物に対して、5体積%以上20体積%以下である、前記<7>に記載の組成物。
<9> 前記フィラーはアスペクト比が6以下である、前記<1>に記載の組成物。
<10> 前記<1>~<9>のいずれか1つに記載の組成物を含む成形体。
<11> 基材層と、前記基材層上に設けられた弾性層とを有し、
前記基材層及び前記弾性層の少なくとも一方が、前記<1>~<9>のいずれか1つに記載の組成物を含む定着部材。
<12> 第1回転体と、第1回転体の外面に接して配置される第2回転体と、を備え、
前記第1回転体及び前記第2回転体の少なくとも一方が、前記<11>に記載の定着部材である定着装置。
<13> 像保持体と、
前記像保持体の表面を帯電させる帯電装置と、
帯電した前記像保持体の表面に静電潜像を形成する静電潜像形成装置と、
前記像保持体の表面に形成された静電潜像をトナーにより現像してトナー像を形成する現像装置と、
前記像保持体の表面に形成されたトナー像を記録媒体に転写する転写装置と、
前記トナー像を前記記録媒体に定着させる前記<12>に記載の定着装置と、
を有する画像形成装置。
【発明の効果】
【0007】
<1>に係る発明によれば、少なくとも1種類以上の熱伝導性を有するフィラーと樹脂又はゴムとを含む組成物において、前記フィラーの形状係数SF1が120未満もしくは400超え、又は、形状係数SF2が140未満もしくは325超えである組成物に比べて、熱伝導率に優れる組成物が提供される。
<2>に係る発明によれば、ゴムのみを含む場合に比べて、熱伝導率に優れる組成物が提供される。
<3>に係る発明によれば、フィラーの数平均粒径が0.5μm未満又は10μm超えである場合に比べて、熱伝導率に優れる組成物が提供される。
<4>に係る発明によれば、樹脂のみを含む場合に比べて、熱伝導率に優れる組成物が提供される。
<5>に係る発明によれば、フィラーの数平均粒径が15μm未満又は40μm超えである場合であるに比べて、熱伝導率に優れる組成物が提供される。
<6>に係る発明によれば、熱伝導率が1.2W/mK未満である場合に比べて、熱伝導率に優れる組成物が提供される。
<7>に係る発明によれば、フィラーの含有量が組成物に対して、5体積%未満又は50体積%超えである場合に比べて、熱伝導率に優れる組成物が提供される。
<8>に係る発明によれば、フィラーの含有量が組成物に対して、5体積%未満又は20体積%超えである場合に比べて、熱伝導率に優れる組成物が提供される。
<9>に係る発明によれば、フィラーのアスペクト比が6超えであるに比べて、熱伝導率に優れる組成物が提供される。
<10>、<11>、<12>又は<13>に係る発明によれば、少なくとも1種類以上の熱伝導性を有するフィラーと樹脂又はゴムとを含む組成物において、前記フィラーの形状係数SF1が120未満もしくは400超え、又は、形状係数SF2が140未満もしくは325超えである組成物を含む成形体、定着部材、定着装置、又は画像形成装置に比べて、熱伝導率に優れる組成物が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本実施形態に係る定着部材の一例を示す模式断面図である。
図2】第1実施形態に係る定着装置の一例を示す概略構成図である。
図3】第2実施形態に係る定着装置の一例を示す概略構成図である。
図4】本実施形態に係る画像形成装置の一例を示す概略構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の一例である実施形態について説明する。これらの説明及び実施例は本発明を例示するものであり、本発明を制限するものではない。
【0010】
本明細書中に段階的に記載されている数値範囲において、一つの数値範囲で記載された上限値又は下限値は、他の段階的な記載の数値範囲の上限値又は下限値に置き換えてもよい。また、本明細書中に記載されている数値範囲において、その数値範囲の上限値又は下限値は、実施例に示されている値に置き換えてもよい。
【0011】
本明細書において実施形態を、図面を参照して説明する場合、当該実施形態の構成は図面に示された構成に限定されない。また、各図における部材の大きさは概念的なものであり、部材間の大きさの相対的な関係はこれに限定されない。また、実質的に同一の機能を有する部材には、全図面を通して同じ符合を付与し、重複する説明は適宜省略する場合がある。
【0012】
本明細書において各成分は該当する物質を複数種含んでいてもよい。本開示において組成物中の各成分の量について言及する場合、組成物中に各成分に該当する物質が複数種存在する場合には、特に断らない限り、組成物中に存在する当該複数種の物質の合計量を意味する。
【0013】
以下、本発明の一例である実施形態について説明する。
≪組成物≫
本実施形態に係る組成物は、少なくとも1種類以上の熱伝導性を有するフィラーと、樹脂又はゴムと、を含み、前記フィラーの形状係数SF1が120以上400以下であり、かつ、形状係数SF2が140以上325以下である組成物である。
【0014】
従来、樹脂成形体及びゴム成形体における熱伝導率を高くする観点から、熱伝導性を有するフィラーを含む組成物の開発が進められている。従来のゴム又は樹脂と熱伝導性を有するフィラーとを含む組成物では、所望の熱伝導性を得るために、針状や棒状のフィラー(以下、配向性フィラーとも称す。)を伝熱方向に配向させる等、フィラーの配向性を特別な装置等を用いて緻密に制御する必要があり、適用が難しい場面や、コストアップの要因となっていた。
【0015】
他方、本実施形態に係る組成物は、上記構成を有することにより、成形体としたときに熱伝導率に優れる。この作用機序は必ずしも明らかではないが以下のように推察される。
【0016】
形状係数SF1は、フィラーの丸さ加減、換言すれば、異形の程度を表している。形状係数SF1の数値が大きいほど異形であることを示している。形状係数SF2は、フィラー表面の凹凸の程度を表している。形状係数SF2の数値が大きいほどフィラー表面が凸凹であることを示している。
【0017】
本実施形態に係る組成物は、形状係数SF1が120以上400以下であり、かつ、形状係数SF2が140以上325以下である、熱伝導性を有するフィラーを含む。
フィラーの形状係数SF1の値が120以上であるとフィラーの形状が針状になり過ぎず、且つ、フィラーの形状係数SF1の値が400以下であるとフィラーの形状が球状になり過ぎない。つまり、フィラーは適度な異形状であり、これにより、組成物を成形体としたときに、成形体の中で配向性を有しに難くなる。
フィラーの形状係数SF2の値が140以上であるとフィラー表面の凹凸が大きくなり過ぎず、且つ、フィラーの形状係数SF2の値が325以下であるとフィラー表面の凹凸が小さくなり過ぎない。つまり、フィラー表面が適度な凹凸を有し、これにより、組成物を成形体としたときに、成形体の中でフィラーが互いに接触面積が増加する。その結果、組成物を成形体としたときに、熱伝導性に優れる。
【0018】
さらに、本開示に係る組成物は、形状係数SF1及び形状係数SF2が上記範囲を満たさない従来の配向性フィラーと比べて、成形体内でフィラーの接触面積が適度に大きく、かつ、配向しづらいことから、面方向(つまり、配向方向と対向する側の面)の耐屈曲性にも優れる。
【0019】
〔組成物の特性〕
本実施形態に係る組成物は、熱伝導率が1.2W/mK以上であることが好ましく、1.3W/mK以上であることがより好ましく、1.5W/mK以上であることがさらに好ましい。
組成物の熱伝導率が1.2W/mK以上であると、これを含む形成体としたときに、放熱性等の熱伝導性により優れる。
組成物の熱伝導率を上記範囲内とする具体的な手法は特に制限されないが、例えば、組成物に含まれる熱伝導性を有するフィラーの形状係数SF1及びSF2、材質等を調整することで制御し得る。
なお、熱伝導率は、ai-phase(株式会社アイフェイズ製)を用いる温度波分析法により、荷重50gの条件で測定する。
【0020】
〔フィラー〕
フィラーは、熱伝導性を有し、フィラーの形状係数SF1が120以上400以下であり、かつ、形状係数SF2が140以上325以下である。
熱伝導性を有するとは、熱伝導率が0.5W/(mK)以上であることをいう。
【0021】
フィラーとしては、例えば、ケッチェンブラック、アセチレンブラック、黒鉛等のカーボンブラック、カーボンナノチューブ等の繊維状炭素;炭化ケイ素(SiC)、窒化ケイ素(Si)、窒化ホウ素(BN)、窒化アルミニウム、酸化アルミニウム、などが挙げられる。フィラーは、1種単独であっても、2種以上の併用であってもよい。
【0022】
フィラーの形状係数SF1は、120以上400以下であり、125以上380以下であることが好ましく、125以上300以下であることがより好ましく、130以上200以下であることがさらに好ましい。
フィラーの形状係数SF1の値が120以上であるとフィラーの形状が針状になり過ぎず、且つ、フィラーの形状係数SF1の値が400以下であるとフィラーの形状が球状になり過ぎない。つまり、フィラーは適度な異形状であり、これにより、組成物を成形体としたときに、成形体の中で配向性を有しない。
フィラーの形状係数SF2は、140以上325以下であり、150以上300以下であることが好ましく、155以上300以下であることがより好ましく、160以上298以下であることがさらに好ましい。
フィラーの形状係数SF2の値が140以上であるとフィラー表面の凹凸が大きくなり過ぎず、且つ、フィラーの形状係数SF2の値が325以下であるとフィラー表面の凹凸が小さくなり過ぎない。つまり、フィラー表面が適度な凹凸を有し、これにより、組成物を成形体としたときに、成形体の中でフィラーが互いにひっかかる接触面積が増加する。その結果、組成物を成形体としたときに、熱伝導性に優れる。
【0023】
形状係数SF1は、主に顕微鏡画像又は走査型電子顕微鏡(Scanning Electron Microscope:SEM)の画像を、画像処理ソフトImageJを用いて二値化処理(つまりotsuの二値化)解析することによって数値化され、以下のようにして算出される。組成物の成形体から得た試験片について、任意の100個のフィラーの一次粒子をSEM観察し、最大長と投影面積を求め、下記式によって計算し、その算術平均値を求めることにより得られる。
式:SF1=(ML2/A)×(π/4)×100
上記式中、MLはフィラーの最大長、Aはフィラーの投影面積である。なお、最大長は、フェレー径(楕円近似長径)のことをいう。
【0024】
形状係数SF2は、SEMの画像を、画像処理ソフトImageJを用いて二値化処理(つまりotsuの二値化)解析することによって数値化され、以下のようにして算出される。組成物の成形体から得た試験片について、任意の100個のフィラーの一次粒子をSEM観察し、周囲長及び投影面積を求め、下記式により算出した値の算術平均値である。
式:SF2={PM2/(4πA)}×100
上記式中、PMは、フィラーの外周長さであり、Aは、フィラーの投影面積である。
【0025】
フィラーの形状係数SF1及びSF2を上記範囲とする具体的な手法は特に制限されないが、例えば、フィラーのアスペクト比を調整したり、フィラーの材質を調整したりする手法などが挙げられる。
【0026】
フィラーの形状は、形状係数SF1及び形状係数SF2が上記範囲を満たすものであれば、異形状、鱗片状、ロッド状、球状、繊維等のいずれであってもよい。
【0027】
組成物が樹脂を含む場合、フィラーの数平均粒径は、0.5μm以上10.0μm以下であることが好ましく、1.0μm以上8.0μm以下であることがより好ましく、1.5μm以上5.0μm以下であることがさらに好ましい。
【0028】
組成物がゴムを含む場合、フィラーの数平均粒径が15.0μm以上40.0μm以下であることが好ましく、15.0μm以上35.0μm以下であることがより好ましく、15.0μm以上24.0μm以下であることがさらに好ましい。
【0029】
フィラーの数平均粒径は、走査電子顕微鏡(SEM:Scanning Electron Microscope)観察により測定する。
SEM観察は、超高分解能電界放出形走査電子顕微鏡(FE-SEM、日立ハイテクノロジーズ社製S-4800)用い、加速電圧200kVにて観察した。観察時は加速電圧200kVに設定する。TEM観察に際しては、試料にエタノールを少量加えてから超音波処理(45kHz、30分)することで懸濁させ、懸濁液をマイクログリッド(応研商事:Cu150Pグリッド、カーボン補強済み、グリッドピッチ150μm)に微量滴下し、真空下50℃で2時間乾燥し、SEM観察用試料とする。「粒径」とは、フィラーを観察したとき、フィラーの輪郭線上(つまり外縁)における2点間の距離のうち、最大の距離を示す。組成物の成形体から得た試験片について、SEM観察により、任意の5点を観察し、観測されたフィラーの二次粒子及び一次粒径を計測する。そして、計測した粒径を算術平均した値を、数平均粒径とする。
【0030】
フィラーの数平均粒径を上記範囲とする具体的な手法は特に制限されないが、例えば、フィラーのアスペクト比を調整したり、フィラーの材質を調整したりする手法などが挙げられる。
【0031】
フィラーの含有量は、組成物に対して、5体積%以上50体積%以下であることが好ましい。
フィラーの含有量は、本実施形態に係る組成物の成形体を定着部材に用いる場合は、熱伝導率により優れ、かつ、強度を担保する観点から、組成物に対して5体積%以上20体積%以下であることがより好ましく、8体積%以上18体積%以下であることがさらに好ましい。従来のゴム又は樹脂と熱伝導性を有するフィラーとを含む組成物では、先述のとおり、成形体としたときに熱伝導率をより優れたものとする観点から、フィラーの含有量が20体積%超えであるものが多い。しかし、フィラーの含有量が多くなるにともない、成形体としての強度が低下したり、コストが高くなったりなどの課題が生じる。これに対し、本実施形態に係る組成物では、フィラーの形状係数SF1及びSF2を所定の範囲とすることで、フィラーの含有量が20体積%以下であっても、熱伝導性に優れる。
フィラーの含有量は、本実施形態に係る組成物を放熱シートに用いる場合、放熱性を十分に担保する観点から、10体積%以上50体積%以下であることが好ましい。
【0032】
フィラーは、アスペクト比が6以下であることが好ましく、1以上5以下であることがより好ましく、1以上4以下であることがさらに好ましい。フィラーのアスペクト比が6以下であると、フィラーの形状係数SF1及びSF2を先述の範囲内に調整し易く、熱伝導性により優れる。
【0033】
フィラーのアスペクト比とは、組成物の成形体のSEM観察により任意の10点のフィラーの一次粒子について求めたアスペクト比の算術平均値のことをいう。
【0034】
〔樹脂及びゴム〕
樹脂としては、例えば、ポリイミド樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリエーテルエーテルエステル樹脂、ポリフェニレンサルファイド樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリエーテルエーテルケトン樹脂、ポリベンゾイミダゾールポリエステル樹脂等が挙げられる。上記の中でも、強度等の観点から、樹脂はポリイミド樹脂を含むことが好ましい。樹脂は、1種単独であっても、2種以上の併用であってもよい。
【0035】
ポリイミド樹脂としては、例えば、テトラカルボン酸二無水物とジアミン化合物との重合体であるポリアミック酸(ポリイミド樹脂の前駆体)のイミド化物が挙げられる。ポリイミド樹脂として具体的には、テトラカルボン酸二無水物とジアミン化合物との等モル量を溶媒中で重合反応させてポリアミド酸の溶液として得て、そのポリアミド酸をイミド化して得られた樹脂が挙げられる。
【0036】
テトラカルボン酸二無水物としては、芳香族系、及び脂肪族系いずれの化合物も挙げられるが、耐熱性の観点から、芳香族系の化合物であることが好ましい。
【0037】
芳香族系テトラカルボン酸二無水物としては、例えば、ピロメリット酸二無水物、3,3’,4,4’-ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’-ビフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物、1,4,5,8-ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、2,3,6,7-ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’-ビフェニルエーテルテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’-ジメチルジフェニルシランテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’-テトラフェニルシランテトラカルボン酸二無水物、1,2,3,4-フランテトラカルボン酸二無水物、4,4’
-ビス(3,4-ジカルボキシフェノキシ)ジフェニルスルフィド二無水物、4,4’-ビス(3,4-ジカルボキシフェノキシ)ジフェニルスルホン二無水物、4,4’-ビス(3,4-ジカルボキシフェノキシ)ジフェニルプロパン二無水物、3,3’,4,4’-パーフルオロイソプロピリデンジフタル酸二無水物、3,3’,4,4’-ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,3,3’,4’-ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、ビス(フタル酸)フェニルホスフィンオキサイド二無水物、p-フェニレン-ビス(トリフェニルフタル酸)二無水物、m-フェニレン-ビス(トリフェニルフタル酸)二無水物、ビス(トリフェニルフタル酸)-4,4’-ジフェニルエーテル二無水物、ビス(トリフェニルフタル酸)-4,4’-ジフェニルメタン二無水物等を挙げられる。
【0038】
脂肪族テトラカルボン酸二無水物としては、例えば、ブタンテトラカルボン酸二無水物、1,2,3,4-シクロブタンテトラカルボン酸二無水物、1,3-ジメチル-1,2,3,4-シクロブタンテトラカルボン酸二無水物、1,2,3,4-シクロペンタンテトラカルボン酸二無水物、2,3,5-トリカルボキシシクロペンチル酢酸二無水物、3,5,6-トリカルボキシノルボナン-2-酢酸二無水物、2,3,4,5-テトラヒドロフランテトラカルボン酸二無水物、5-(2,5-ジオキソテトラヒドロフリル)-3-メチル-3-シクロヘキセン-1,2-ジカルボン酸二無水物、ビシクロ[2,2,2]-オクト-7-エン-2,3,5,6-テトラカルボン酸二無水物等の脂肪族又は脂環式テトラカルボン酸二無水物;1,3,3a,4,5,9b-ヘキサヒドロ-2,5-ジオキソ-3-フラニル)-ナフト[1,2-c]フラン-1,3-ジオン、1,3,3a,4,5,9b-ヘキサヒドロ-5-メチル-5-(テトラヒドロ-2,5-ジオキソ-3-フラニル)-ナフト[1,2-c]フラン-1,3-ジオン、1,3,3a,4,5,9b-ヘキサヒドロ-8-メチル-5-(テトラヒドロ-2,5-ジオキソ-3-フラニル)-ナフト[1,2-c]フラン-1,3-ジオン等の芳香環を有する脂肪族テトラカルボン酸二無水物等が挙げられる。
【0039】
上記の中でも、テトラカルボン酸二無水物としては、芳香族系テトラカルボン酸二無水物がよく、具体的には、例えば、ピロメリット酸二無水物、3,3’,4,4’-ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,3,3’,4’-ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’-ビフェニルエーテルテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’-ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物がよく、更に、ピロメリット酸二無水物、3,3’,4,4’-ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’-ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物がよく、特に、3,3’,4,4’-ビフェニルテトラカルボン酸二無水物がよい。テトラカルボン酸二無水物は、1種単独で用いてもよいし、2種以上組み合わせて併用してもよい。
また、テトラカルボン酸二無水物を2種以上組み合わせて併用する場合、芳香族テトラカルボン酸二無水物、又は脂肪族テトラカルボン酸二無水物を各々併用しても、芳香族テトラカルボン酸二無水物と脂肪族テトラカルボン酸二無水物とを組み合わせてもよい。
【0040】
ジアミン化合物は、分子構造中に2つのアミノ基を有するジアミン化合物である。ジアミン化合物としては、芳香族系、脂肪族系いずれの化合物も挙げられるが、芳香族系の化合物であることが好ましい。
【0041】
ジアミン化合物としては、例えば、p-フェニレンジアミン、m-フェニレンジアミン、4,4’-ジアミノジフェニルメタン、4,4’-ジアミノジフェニルエタン、4,4’-ジアミノジフェニルエーテル、4,4’-ジアミノジフェニルスルフィド、4,4’-ジアミノジフェニルスルホン、1,5-ジアミノナフタレン、3,3-ジメチル-4,4’-ジアミノビフェニル、5-アミノ-1-(4’-アミノフェニル)-1,3,3-
トリメチルインダン、6-アミノ-1-(4’-アミノフェニル)-1,3,3-トリメチルインダン、4,4’-ジアミノベンズアニリド、3,5-ジアミノ-3’-トリフルオロメチルベンズアニリド、3,5-ジアミノ-4’-トリフルオロメチルベンズアニリド、3,4’-ジアミノジフェニルエーテル、2,7-ジアミノフルオレン、2,2-ビス(4-アミノフェニル)ヘキサフルオロプロパン、4,4’-メチレン-ビス(2-クロロアニリン)、2,2’,5,5’-テトラクロロ-4,4’-ジアミノビフェニル、2,2’-ジクロロ-4,4’-ジアミノ-5,5’-ジメトキシビフェニル、3,3’-ジメトキシ-4,4’-ジアミノビフェニル、4,4’-ジアミノ-2,2’-ビス(トリフルオロメチル)ビフェニル、2,2-ビス[4-(4-アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、2,2-ビス[4-(4-アミノフェノキシ)フェニル]ヘキサフルオロプロパン、1,4-ビス(4-アミノフェノキシ)ベンゼン、4,4’-ビス(4-アミノフェノキシ)-ビフェニル、1,3’-ビス(4-アミノフェノキシ)ベンゼン、9,9-ビス(4-アミノフェニル)フルオレン、4,4’-(p-フェニレンイソプロピリデン)ビスアニリン、4,4’-(m-フェニレンイソプロピリデン)ビスアニリン、2,2’-ビス[4-(4-アミノ-2-トリフルオロメチルフェノキシ)フェニル]ヘキサフルオロプロパン、4,4’-ビス[4-(4-アミノ-2-トリフルオロメチル)フェノキシ]-オクタフルオロビフェニル等の芳香族ジアミン;ジアミノテトラフェニルチオフェン等の芳香環に結合された2個のアミノ基と当該アミノ基の窒素原子以外のヘテロ原子を有する芳香族ジアミン;1,1-メタキシリレンジアミン、1,3-プロパンジアミン、テトラメチレンジアミン、ペンタメチレンジアミン、オクタメチレンジアミン、ノナメチレンジアミン、4,4-ジアミノヘプタメチレンジアミン、1,4-ジアミノシクロヘキサン、イソフォロンジアミン、テトラヒドロジシクロペンタジエニレンジアミン、ヘキサヒドロ-4,7-メタノインダニレンジメチレンジアミン、トリシクロ[6,2,1,02.7]-ウンデシレンジメチルジアミン、4,4’-メチレンビス(シクロヘキシルアミン)等の脂肪族ジアミン及び脂環式ジアミン等が挙げられる。
【0042】
上記の中でも、ジアミン化合物としては、芳香族系ジアミン化合物がよく、具体的には、例えば、p-フェニレンジアミン、m-フェニレンジアミン、4,4’-ジアミノジフェニルメタン、4,4’-ジアミノジフェニルエーテル、3,4’-ジアミノジフェニルエーテル、4,4’-ジアミノジフェニルスルフィド、4,4’-ジアミノジフェニルスルホンがよく、特に、4,4’-ジアミノジフェニルエーテル、p-フェニレンジアミンがよい。ジアミン化合物は、1種単独で用いてもよいし、2種以上組み合わせて併用してもよい。ジアミン化合物を2種以上組み合わせて併用する場合、芳香族ジアミン化合物、又は脂肪族ジアミン化合物を各々併用しても、芳香族ジアミン化合物と脂肪族ジアミン化合物とを組み合わせてもよい。
【0043】
これらの中でも、耐熱性の観点から、ポリイミド樹脂としては、芳香族ポリイミド樹脂(具体的には、芳香族テトラカルボン酸二無水物と芳香族ジアミン化合物との重合体であるポリアミック酸(ポリイミド樹脂の前駆体)のイミド化物)が好ましい。
そして、芳香族ポリイミド樹脂としては、下記一般式(PI1)で表される構造単位を有するポリイミド樹脂であることがより好ましい。
【0044】
【化1】
【0045】
一般式(PI1)中、RP1はフェニル基、またはビフェニル基を示し、RP2は2価の芳香族基を示す。
P2が示す2価の芳香族基は、フェニレン基、ナフチル基、ビフェニル基、ジフェニルエーテル基等が挙げられる。2価の芳香族基としては、屈曲耐久性の観点から、フェニレン基、ビフェニル基が好ましい。
【0046】
ポリイミド樹脂の数平均分子量は、5,000以上100,000以下であることがよく、より好ましくは7,000以上50,000以下、更に好ましくは10,000以上30,000以下である。
【0047】
ポリイミド樹脂の数平均分子量は、下記測定条件のゲル・パーミエーション・クロマトグラフィ(GPC)法で測定される。
・カラム:東ソーTSKgelα-M(7.8mm I.D×30cm)
・溶離液:DMF(ジメチルホルムアミド)/30mMLiBr/60mMリン酸
・流速:0.6mL/min
・注入量:60μL
・検出器:RI(示差屈折率検出器)
【0048】
ゴムとしては、例えば、イソプレンゴム、クロロプレンゴム、エピクロルヒドリンゴム、ブチルゴム、ポリウレタンゴム、シリコーンゴム、フッ素ゴム、スチレン-ブタジエンゴム、ブタジエンゴム、ニトリルゴム、エチレンプロピレンゴム、エチレン-プロピレン-ジエン3元共重合ゴム(EPDM)、アクリロニトリル-ブタジエン共重合ゴム(NBR)、天然ゴム、及びこれらのブレンドゴム等の各種ゴム材料並びにこれらの発泡体が挙げられる。上記の中でも、ゴムは、強度等の観点から、シリコーンゴムを含むことが好ましい。シリコーンゴムとしては、例えば、RTVシリコーンゴム、HTVシリコーンゴム、液状シリコーンゴムなどが挙げられ、具体的には、ポリジメチルシリコーンゴム(MQ)、メチルビニルシリコーンゴム(VMQ)、メチルフェニルシリコーンゴム(PMQ)、フルオロシリコーンゴム(FVMQ)等が挙げられる。ゴムは、1種単独であっても、2種以上の併用であってもよい。
【0049】
〔その他の材料〕
本実施形態に係る組成物は、熱伝導性を有するフィラー、樹脂及びゴム以外のその他の材料をさらに含んでいてもよい。その他の材料としては、例えば、無機の充填剤;軟化剤(パラフィン系等)、加工助剤(ステアリン酸等)、老化防止剤(アミン系等)、加硫剤(硫黄、金属酸化物、過酸化物等)等の添加剤などが挙げられる。
【0050】
≪成形体≫
本実施形態に係る成形体は、本実施形態に係る組成物を含む。
本実施形態によれば、熱伝導性に優れる成形体が得られる。
【0051】
成形体の形状は特に制限されず、シート状、立方体状、球状、無端状等の公知のゴム成形体又は樹脂成形体の形状が採用できる。
【0052】
成形体の製造方法は特に制限されない。本実施形態に係る成形体が樹脂成形体である場合、射出成形、押出成形、ブロー成形、熱プレス成形、カレンダ成形、コーティング成形、キャスト成形、ディッピング成形、真空成形、トランスファ成形等の公知の樹脂の成形方法により製造されていてもよい。本実施形態に係る成形体がゴム成形体である場合、混練物を加硫発泡させることで製造されていてもよい。
【0053】
本実施形態に係る成型体は、定着部材の弾性層及び基材層、放熱シート、人工筋肉、圧力センサ、触覚センサ、誘電センサ等に利用される。
本実施形態に係る成型体の形状は、用途に応じて選択される。成型体は、例えば、定着部材の弾性層及び基材層、放熱シート、人工筋肉、圧力センサ、触覚センサ等に利用する場合、成型体は、層状成型体としてもよい。
【0054】
≪定着部材≫
本実施形態に係る定着部材は、基材層と、前記基材層上に設けられた弾性層とを有し、前記基材層及び前記弾性層の少なくとも一方が、本実施形態に係る組成物を含む。定着部材は、必要に応じて、前記弾性層の上にさらに表面層を有していてもよい。
本実施形態によれば、熱伝導性に優れる定着部材が得られる。
【0055】
本実施形態に係る組成物がゴムを含む場合、本実施形態に係る組成物は、弾性層に適用されることが好ましい。
本実施形態に係る組成物が樹脂を含む場合、本実施形態に係る組成物は、基材層に適用されることが好ましい。
【0056】
図1は、本実施形態に係る定着部材の一例を示す概略断面図である。
本実施形態に係る定着部材110は、図1に示すように、例えば、基材110Aと、基材110A上に設けられた弾性層110Bと、弾性層110B上に設けられた表面層110Cと、を有している。ただし、表面層100Cは必要に応じて設けられる層である。
【0057】
なお、本実施形態に係る定着部材110は、上記層構成に限られず、必要に応じて、例えば、基材110Aと弾性層110Bとの間に、金属層やその保護層を介在させた層構成であってもよい。
【0058】
以下、本実施形態に係る定着部材について構成要素別に説明する。なお、符号は省略して説明する。
【0059】
定着部材は、ロール状であってもよいし、ベルト状であってもよい。
【0060】
〔基材〕
定着部材がロール状の場合、基材としては、例えば、金属(アルミ、SUS、鉄、銅等)、合金、セラミックス、FRM(繊維強化メタル)等で構成された円筒体が挙げられる。
定着部材がロール状の場合、基材の外径及び肉厚は、例えば、外径10mm以上50mm以下であることがよく、例えば、アルミニウム製の場合は厚さ0.5mm以上4mm以下、SUS(ステンレス鋼)製又は鉄製の場合は厚さ0.1mm以上2mm以下である。
【0061】
定着部材がベルト状の場合、基材としては、例えば、金属ベルト(例えば、ニッケル、アルミニウム、ステンレス等の金属ベルト)、樹脂ベルト(例えば、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド、ポリフェニレンサルファイド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリベンゾイミダゾール等の樹脂ベルト)が挙げられる。
樹脂ベルトは、導電性粉体などを添加分散して、体積抵抗率が制御されていてもよい。具体的には、樹脂ベルトとしては、例えば、カーボンブラックを添加・分散して、体積抵抗率を制御したポリイミドベルトが挙げられる。また、樹脂ベルトとしては、例えば、長尺のポリイミドシートの両端部をパズル上に組合せ、熱圧着部材を用いて熱圧着し、ベルト状に仕立てたものも挙げられる。
【0062】
定着部材がベルト状の場合、基材の厚みは、例えば、20μm以上200μm以下であることがよく、望ましくは30μm以上150μm以下、より望ましくは40μm以上130μm以下である。
【0063】
〔弾性層〕
弾性層は、上記本実施形態に係る成型物が適用される。なお、弾性層は、成型物の高分子材料として弾性材料が適用される。
【0064】
弾性層には、各種添加剤が配合されてもよい。添加剤としては、例えば、軟化剤(パラフィン系等)、加工助剤(ステアリン酸等)、老化防止剤(アミン系等)、加硫剤(硫黄、金属酸化物、過酸化物等)、機能性充填剤(アルミナ等)等が挙げられる。
【0065】
弾性層の厚みは、例えば、20μm以上1000μm以下であることがよく、30μm以上800μm以下であることが好ましく、100μm以上500μm以下であることがより好ましい。
【0066】
〔表面層〕
表面層は、例えば、耐熱性離型材料を含んで構成される。
耐熱性離型材料としては、フッ素ゴム、フッ素樹脂、シリコーン樹脂、ポリイミド樹脂等が挙げられる。
これらの中でも、耐熱性離型材料としては、フッ素樹脂がよい。
フッ素樹脂として具体的には、例えば、テトラフルオロエチレン/パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、テトラフルオロエチレン/ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)、ポリエチレン/テトラフルオロエチレン共重合体(ETFE)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリクロロ三フッ化エチレン(PCTFE)、フッ化ビニル(PVF)等が挙げられる。
【0067】
表面層の厚みは、形成された画像の濃度ムラを抑制する点で、5μm以上100μm以下であることがよく、例えば、5μm以上50μm以下であることが好ましく、10μm以上40μm以下であることがより好ましい。
【0068】
なお、表面層を形成するためのチューブには、弾性層との接着性を高めるため、内面に予め接着処理が施されてもいてもよい。この接着処理としては、例えば、液体アンモニア処理、ナトリウムナフタレン処理、エキシマレーザ処理、プラズマ処理が挙げられる。
理後、フッ素樹脂チューブの両端部を目的とする長さに切断して、定着部材が得られる。
【0069】
〔定着部材の用途〕
本実施形態に係る定着部材は、例えば、加熱ロール、加圧ロール、加熱ベルト、及び加圧ベルトのいずれにも適用される。なお、加熱ロール及び加熱ベルトにおける熱源としては、外部の熱源から加熱する方式や、電磁誘導方式による方式等が挙げられる。
【0070】
≪定着装置≫
本実施形態に係る定着装置は、第1回転体と、第1回転体の外面に接して配置される第2回転体と、を備え、前記第1回転体及び前記第2回転体の少なくとも一方が、本実施形態に係る定着部材である定着装置である。
本実施形態によれば、熱伝導性に優れる定着部材を備える定着装置が得られる。
【0071】
以下に、第1及び2実施形態として、加熱ベルトと加圧ロールとを備えた定着装置を説明する。そして、第1及び2実施形態において、本実施形態に係る定着部材は、加熱ベルト、及び加圧ロールのいずれにも適用され得る。
なお、本実施形態に係る定着装置は、第1及び第2実施形態に限られず、加熱ロール又は加熱ベルトと加圧ベルトとを備えた定着装置であってよい。そして、本実施形態に係る定着部材は、加熱ロール、加熱ベルト及び加圧ベルトのいずれにも適用され得る。
また、本実施形態に係る定着装置は、第1及び第2実施形態に限られず、電磁誘導加熱方式の定着装置であってもよい。
【0072】
〔定着装置の第1実施形態〕
第1実施形態に係る定着装置について説明する。図2は、第1実施形態に係る定着装置の一例を示す概略図である。
【0073】
第1実施形態に係る定着装置60は、図2に示すように、例えば、回転駆動する加熱ロール61(第1回転体の一例)と、加圧ベルト62(第2回転体の一例)と、加圧ベルト62を介して加熱ロール61を押圧する押圧パッド64(押圧部材の一例)とを備えて構成されている。
なお、押圧パッド64は、例えば、加圧ベルト62と加熱ロール61とが相対的に加圧されていればよい。従って、加圧ベルト62側が加熱ロール61に加圧されてもよく、加熱ロール61側が加熱ロール61に加圧されてもよい。
【0074】
加熱ロール61の内部には、ハロゲンランプ66(加熱装置の一例)が配設されている。加熱装置としては、ハロゲンランプに限られず、発熱する他の発熱部材を用いてもよい。
【0075】
一方、加熱ロール61の表面には、例えば、感温素子69が接触して配置されている。この感温素子69による温度計測値に基づいて、ハロゲンランプ66の点灯が制御され、加熱ロール61の表面温度が目的とする設定温度(例えば、150℃)を維持される。
【0076】
加圧ベルト62は、例えば、内部に配置された押圧パッド64とベルト走行ガイド63とによって回転自在に支持されている。そして、挟込領域N(ニップ部)において押圧パッド64により加熱ロール61に対して押圧されて配置されている。
【0077】
押圧パッド64は、例えば、加圧ベルト62の内側において、加圧ベルト62を介して加熱ロール61に加圧される状態で配置され、加熱ロール61との間で挟込領域Nを形成している。
押圧パッド64は、例えば、幅の広い挟込領域Nを確保するための前挟込部材64aを挟込領域Nの入口側に配置し、加熱ロール61に歪みを与えるための剥離挟込部材64bを挟込領域Nの出口側に配置している。
【0078】
加圧ベルト62の内周面と押圧パッド64との摺動抵抗を小さくするために、例えば、前挟込部材64a及び剥離挟込部材64bの加圧ベルト62と接する面にシート状の摺動部材68が設けられている。そして、押圧パッド64と摺動部材68とは、金属製の保持部材65に保持されている。
なお、摺動部材68は、例えば、その摺動面が加圧ベルト62の内周面と接するように設けられており、加圧ベルト62との間に存在するオイルの保持・供給に関与する。
【0079】
保持部材65には、例えば、ベルト走行ガイド63が取り付けられ、加圧ベルト62が回転する構成となっている。
【0080】
加熱ロール61は、例えば、図示しない駆動モータにより矢印S方向に回転し、この回転に従動して加圧ベルト62は、加熱ロール61の回転方向と反対の矢印R方向へ回転する。すなわち、例えば、加熱ロール61が図2における時計方向へ回転するのに対して、加圧ベルト62は反時計方向へ回転する。
【0081】
そして、未定着トナー像を有する用紙K(記録媒体の一例)は、例えば、定着入口ガイド56によって導かれて、挟込領域Nに搬送される。そして、用紙Kが挟込領域Nを通過する際に、用紙K上のトナー像は挟込領域Nに作用する圧力と熱とによって定着される。
【0082】
第1実施形態に係る定着装置60では、例えば、加熱ロール61の外周面に倣う凹形状の前挟込部材64aにより、前挟込部材64aがない構成に比して、広い挟込領域Nを確保される。
【0083】
また、第1実施形態に係る定着装置60では、例えば、加熱ロール61の外周面に対し突出させて剥離挟込部材64bを配置することにより、挟込領域Nの出口領域において加熱ロール61の歪みが局所的に大きくなるように構成されている。
【0084】
このように剥離挟込部材64bを配置すれば、例えば、定着後の用紙Kは、剥離挟込領域を通過する際に、局所的に大きく形成された歪みを通過することになるので、用紙Kが加熱ロール61から剥離しやすい。
【0085】
剥離の補助装置として、例えば、加熱ロール61の挟込領域Nの下流側に、剥離部材70を配設されている。剥離部材70は、例えば、剥離爪71が加熱ロール61の回転方向と対向する向き(カウンタ方向)に加熱ロール61と近接する状態で保持部材72によって保持されている。
【0086】
〔定着装置の第2実施形態〕
第2実施形態に係る定着装置について説明する。図3は、第2実施形態に係る定着装置の一例を示す概略図である。
【0087】
第2実施形態に係る定着装置80は、図3に示すように、例えば、加熱ベルト84(第1回転体の一例)を備える定着ベルトモジュール86と、加熱ベルト84(定着ベルトモジュール86)に押圧して配置された加圧ロール88(第2回転体の一例)とを含んで構成されている。そして、例えば、加熱ベルト84(定着ベルトモジュール86)と加圧ロール88とが接触する挟込領域N(ニップ部)が形成されている。挟込領域Nでは、用紙K(記録媒体の一例)が加圧及び加熱されトナー像が定着される。
【0088】
定着ベルトモジュール86は、例えば、無端状の加熱ベルト84と、加圧ロール88側で加熱ベルト84が巻き掛けられ、モータ(不図示)の回転力で回転駆動すると共に加熱ベルト84をその内周面から加圧ロール88側へ押し付ける加熱押圧ロール89と、加熱押圧ロール89と異なる位置で内側から加熱ベルト84を支持する支持ロール90とを備えている。
定着ベルトモジュール86は、例えば、加熱ベルト84の外側に配置されてその周回経路を規定する支持ロール92と、加熱押圧ロール89から支持ロール90までの加熱ベルト84の姿勢を矯正する姿勢矯正ロール94と、加熱ベルト84(定着ベルトモジュール86)と加圧ロール88とが接触する領域である挟込領域Nの下流側において加熱ベルト84を内周面から張力を付与する支持ロール98とが設けられている。
【0089】
そして、定着ベルトモジュール86は、例えば、加熱ベルト84と加熱押圧ロール89との間に、シート状の摺動部材82が介在するように設けられている。
摺動部材82は、例えば、その摺動面が加熱ベルト84の内周面と接するように設けられており、加熱ベルト84との間に存在するオイルの保持・供給に関与する。
ここで、摺動部材82は、例えば、その両端が支持部材96により支持された状態で設けられている。
【0090】
加熱押圧ロール89の内部には、例えば、ハロゲンヒータ89A(加熱装置の一例)が設けられている。
【0091】
支持ロール90は、例えば、アルミニウムで形成された円筒状ロールであり、内部にはハロゲンヒータ90A(加熱装置の一例)が配設されており、加熱ベルト84を内周面側から加熱するようになっている。
支持ロール90の両端部には、例えば、加熱ベルト84を外側に押圧するバネ部材(不図示)が配設されている。
【0092】
支持ロール92は、例えば、アルミニウムで形成された円筒状ロールであり、支持ロール92の表面には厚み20μmのフッ素樹脂からなる離型層が形成されている。
支持ロール92の離型層は、例えば、加熱ベルト84の外周面からのトナーや紙粉が支持ロール92に堆積するのを防止するために形成されるものである。
支持ロール92の内部には、例えば、ハロゲンヒータ92A(加熱源の一例)が配設されており、加熱ベルト84を外周面側から加熱するようになっている。
【0093】
つまり、例えば、加熱押圧ロール89と支持ロール90及び支持ロール92とによって、加熱ベルト84が加熱される構成となっている。
【0094】
姿勢矯正ロール94は、例えば、アルミニウムで形成された円柱状ロールであり、姿勢矯正ロール94の近傍には、加熱ベルト84の端部位置を測定する端部位置測定機構(不図示)が配置されている。
姿勢矯正ロール94には、例えば、端部位置測定機構の測定結果に応じて加熱ベルト84の軸方向における当り位置を変位させる軸変位機構(不図示)が配設され、加熱ベルト84の蛇行を制御するように構成されている。
【0095】
一方、加圧ロール88は、例えば、回転自在に支持されると共に、図示しないスプリング等の付勢装置によって加熱ベルト84が加熱押圧ロール89に巻き回された部位に押圧されて設けられている。これにより、定着ベルトモジュール86の加熱ベルト84(加熱押圧ロール89)が矢印S方向へ回転移動するのに伴って、加熱ベルト84(加熱押圧ロール89)に従動して加圧ロール88が矢印R方向に回転移動するようになっている。
【0096】
そして、未定着トナー像(不図示)を有する用紙Kは、矢印P方向に搬送され、定着装置80の挟込領域Nに導かれると、挟込領域Nに作用する圧力と熱とによって定着される。
【0097】
なお、第2実施形態に係る定着装置80では、加熱源の一例としてハロゲンヒータ(ハロゲンランプ)を適用した形態を説明したが、これに限られず、ハロゲンヒータ以外の輻射ランプ発熱体(放射線(赤外線等)を発する発熱体)、抵抗発熱体(抵抗に電流を流すことによりジュール熱を発生させる発熱体:例えばセラミック基板に抵抗を有する膜を形成して焼成させたもの等)を適用してもよい。
【0098】
≪画像形成装置≫
本実施形態の画像形成装置は、像保持体と、前記像保持体の表面を帯電させる帯電装置と、帯電した前記像保持体の表面に静電潜像を形成する静電潜像形成装置と、前記像保持体の表面に形成された静電潜像をトナーにより現像してトナー像を形成する現像装置と、前記像保持体の表面に形成されたトナー像を記録媒体に転写する転写装置と、前記トナー像を前記記録媒体に定着させる請求項11に記載の定着装置と、を有する画像形成装置である。
【0099】
以下、本実施形態に係る画像形成装置について図面を参照しつつ説明する。
図4は、本実施形態に係る画像形成装置の構成を示した概略構成図である。
【0100】
本実施形態に係る画像形成装置100は、図4に示すように、例えば、一般にタンデム型と呼ばれる中間転写方式の画像形成装置であって、電子写真方式により各色成分のトナー像が形成される複数の画像形成ユニット1Y、1M、1C、1Kと、各画像形成ユニット1Y、1M、1C、1Kにより形成された各色成分トナー像を中間転写ベルト15に順次転写(一次転写)させる一次転写部10と、中間転写ベルト15上に転写された重畳トナー像を記録媒体である用紙Kに一括転写(二次転写)させる二次転写部20と、二次転写された画像を用紙K上に定着させる定着装置60と、を備えている。また、画像形成装置100は、各装置(各部)の動作を制御する制御部40を有している。
【0101】
この定着装置60が既述の第1実施形態に係る定着装置60である。なお、画像形成装置100は、既述の第2実施形態に係る定着装置80を備える構成であってもよい。
【0102】
画像形成装置100の各画像形成ユニット1Y,1M,1C,1Kは、表面に形成されるトナー像を保持する像保持体の一例として、矢印A方向に回転する感光体11を備えている。
【0103】
感光体11の周囲には、帯電装置の一例として、感光体11を帯電させる帯電器12が設けられ、潜像形成装置の一例として、感光体11上に静電潜像を書込むレーザ露光器13(図中露光ビームを符号Bmで示す)が設けられている。
【0104】
また、感光体11の周囲には、現像装置の一例として、各色成分トナーが収容されて感光体11上の静電潜像をトナーにより可視像化する現像器14が設けられ、感光体11上に形成された各色成分トナー像を一次転写部10にて中間転写ベルト15に転写する一次転写ロール16が設けられている。
【0105】
更に、感光体11の周囲には、感光体11上の残留トナーが除去される感光体クリーナ17が設けられ、帯電器12、レーザ露光器13、現像器14、一次転写ロール16及び感光体クリーナ17の電子写真用デバイスが感光体11の回転方向に沿って順次配設されている。これらの画像形成ユニット1Y,1M,1C,1Kは、中間転写ベルト15の上流側から、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の順に、略直線状に配置されている。
【0106】
中間転写体である中間転写ベルト15は、ポリイミド又はポリアミド等の樹脂をベース層としてカーボンブラック等の帯電防止剤を適当量含有させたフィルム状の加圧ベルトで構成されている。そして、その体積抵抗率は10Ωcm以上1014Ωcm以下となるように形成されており、その厚みは、例えば、0.1mm程度に構成されている。
【0107】
中間転写ベルト15は、各種ロールによって図4に示すB方向に目的に合わせた速度で循環駆動(回転)されている。この各種ロールとして、定速性に優れたモータ(不図示)により駆動されて中間転写ベルト15を回転させる駆動ロール31、各感光体11の配列方向に沿って略直線状に延びる中間転写ベルト15を支持する支持ロール32、中間転写ベルト15に対して張力を与えると共に中間転写ベルト15の蛇行を防止する補正ロール
として機能する張力付与ロール33、二次転写部20に設けられる背面ロール25、中間転写ベルト15上の残留トナーを掻き取るクリーニング部に設けられるクリーニング背面ロール34を有している。
【0108】
一次転写部10は、中間転写ベルト15を挟んで感光体11に対向して配置される一次転写ロール16で構成されている。一次転写ロール16は、芯体と、芯体の周囲に固着された弾性層としてのスポンジ層とで構成されている。芯体は、鉄、SUS等の金属で構成された円柱棒である。スポンジ層はカーボンブラック等の導電剤を配合したNBRとSBRとEPDMとのブレンドゴムで形成され、体積抵抗率が107.5Ωcm以上108.5Ωcm以下のスポンジ状の円筒ロールである。
【0109】
そして、一次転写ロール16は中間転写ベルト15を挟んで感光体11に圧接配置され、更に一次転写ロール16にはトナーの帯電極性(マイナス極性とする。以下同様。)と逆極性の電圧(一次転写バイアス)が印加されるようになっている。これにより、各々の感光体11上のトナー像が中間転写ベルト15に順次、静電吸引され、中間転写ベルト15上において重畳されたトナー像が形成されるようになっている。
【0110】
二次転写部20は、背面ロール25と、中間転写ベルト15のトナー像保持面側に配置される二次転写ロール22と、を備えて構成されている。
【0111】
背面ロール25は、表面がカーボンを分散したEPDMとNBRのブレンドゴムのチューブ、内部はEPDMゴムで構成されている。そして、その表面抵抗率が10Ω/□以上1010Ω/□以下となるように形成され、硬度は、例えば、70°(アスカーC:高分子計器社製、以下同様。)に設定される。この背面ロール25は、中間転写ベルト15の裏面側に配置されて二次転写ロール22の対向電極を構成し、二次転写バイアスが安定的に印加される金属製の給電ロール26が接触配置されている。
【0112】
一方、二次転写ロール22は、芯体と、芯体の周囲に固着された弾性層としてのスポンジ層とで構成されている。芯体は鉄、SUS等の金属で構成された円柱棒である。スポンジ層はカーボンブラック等の導電剤を配合したNBRとSBRとEPDMとのブレンドゴムで形成され、体積抵抗率が107.5Ωcm以上108.5Ωcm以下のスポンジ状の円筒ロールである。
【0113】
そして、二次転写ロール22は中間転写ベルト15を挟んで背面ロール25に圧接配置され、更に二次転写ロール22は接地されて背面ロール25との間に二次転写バイアスが形成され、二次転写部20に搬送される用紙K上にトナー像を二次転写する。
【0114】
また、中間転写ベルト15の二次転写部20の下流側には、二次転写後の中間転写ベルト15上の残留トナーや紙粉を除去し、中間転写ベルト15の表面をクリーニングする中間転写ベルトクリーナ35が接離自在に設けられている。
【0115】
なお、中間転写ベルト15、一次転写部10(一次転写ロール16)、及び二次転写部20(二次転写ロール22)が、転写装置の一例に該当する。
【0116】
一方、イエローの画像形成ユニット1Yの上流側には、各画像形成ユニット1Y,1M,1C,1Kにおける画像形成タイミングをとるための基準となる基準信号を発生する基準センサ(ホームポジションセンサ)42が配設されている。また、黒の画像形成ユニット1Kの下流側には、画質調整を行うための画像濃度センサ43が配設されている。この基準センサ42は、中間転写ベルト15の裏側に設けられたマークを認識して基準信号を発生しており、この基準信号の認識に基づく制御部40からの指示により、各画像形成ユ
ニット1Y,1M,1C,1Kは画像形成を開始するように構成されている。
【0117】
更に、本実施形態に係る画像形成装置では、用紙Kを搬送する搬送装置として、用紙Kを収容する用紙収容部50、この用紙収容部50に集積された用紙Kを予め定められたタイミングで取り出して搬送する給紙ロール51、給紙ロール51により繰り出された用紙Kを搬送する搬送ロール52、搬送ロール52により搬送された用紙Kを二次転写部20へと送り込む搬送ガイド53、二次転写ロール22により二次転写された後に搬送される用紙Kを定着装置60へと搬送する搬送ベルト55、用紙Kを定着装置60に導く定着入口ガイド56を備えている。
【0118】
次に、本実施形態に係る画像形成装置の基本的な作像プロセスについて説明する。
本実施形態に係る画像形成装置では、図示しない画像読取装置や図示しないパーソナルコンピュータ(PC)等から出力される画像データは、図示しない画像処理装置により画像処理が施された後、画像形成ユニット1Y,1M,1C,1Kによって作像作業が実行される。
【0119】
画像処理装置では、入力された反射率データに対して、シェーディング補正、位置ズレ補正、明度/色空間変換、ガンマ補正、枠消しや色編集、移動編集等の各種画像編集等の画像処理が施される。画像処理が施された画像データは、Y、M、C、Kの4色の色材階調データに変換され、レーザ露光器13に出力される。
【0120】
レーザ露光器13では、入力された色材階調データに応じて、例えば半導体レーザから出射された露光ビームBmを画像形成ユニット1Y,1M,1C,1Kの各々の感光体11に照射している。画像形成ユニット1Y,1M,1C,1Kの各感光体11では、帯電器12によって表面が帯電された後、このレーザ露光器13によって表面が走査露光され、静電潜像が形成される。形成された静電潜像は、各々の画像形成ユニット1Y,1M,1C,1Kによって、Y、M、C、Kの各色のトナー像として現像される。
【0121】
画像形成ユニット1Y,1M,1C,1Kの感光体11上に形成されたトナー像は、各感光体11と中間転写ベルト15とが接触する一次転写部10において、中間転写ベルト15上に転写される。より具体的には、一次転写部10において、一次転写ロール16により中間転写ベルト15の基材に対しトナーの帯電極性(マイナス極性)と逆極性の電圧(一次転写バイアス)が付加され、トナー像を中間転写ベルト15の表面に順次重ね合わせて一次転写が行われる。
【0122】
トナー像が中間転写ベルト15の表面に順次一次転写された後、中間転写ベルト15は移動してトナー像が二次転写部20に搬送される。トナー像が二次転写部20に搬送されると、搬送装置では、トナー像が二次転写部20に搬送されるタイミングに合わせて給紙ロール51が回転し、用紙収容部50から目的とするサイズの用紙Kが供給される。給紙ロール51により供給された用紙Kは、搬送ロール52により搬送され、搬送ガイド53を経て二次転写部20に到達する。この二次転写部20に到達する前に、用紙Kは一旦停止され、トナー像が保持された中間転写ベルト15の移動タイミングに合わせて位置合わせロール(不図示)が回転することで、用紙Kの位置とトナー像の位置との位置合わせがなされる。
【0123】
二次転写部20では、中間転写ベルト15を介して、二次転写ロール22が背面ロール25に加圧される。このとき、タイミングを合わせて搬送された用紙Kは、中間転写ベルト15と二次転写ロール22との間に挟み込まれる。その際に、給電ロール26からトナーの帯電極性(マイナス極性)と同極性の電圧(二次転写バイアス)が印加されると、二次転写ロール22と背面ロール25との間に転写電界が形成される。そして、中間転写ベ
ルト15上に保持された未定着トナー像は、二次転写ロール22と背面ロール25とによって加圧される二次転写部20において、用紙K上に一括して静電転写される。
【0124】
その後、トナー像が静電転写された用紙Kは、二次転写ロール22によって中間転写ベルト15から剥離された状態でそのまま搬送され、二次転写ロール22の用紙搬送方向下流側に設けられた搬送ベルト55へと搬送される。搬送ベルト55では、定着装置60における最適な搬送速度に合わせて、用紙Kを定着装置60まで搬送する。定着装置60に搬送された用紙K上の未定着トナー像は、定着装置60によって熱及び圧力で定着処理を受けることで用紙K上に定着される。そして定着画像が形成された用紙Kは、画像形成装置の排出部に設けられた排紙収容部(不図示)に搬送される。
【0125】
一方、用紙Kへの転写が終了した後、中間転写ベルト15上に残った残留トナーは、中間転写ベルト15の回転に伴ってクリーニング部まで搬送され、クリーニング背面ロール34及び中間転写ベルトクリーナ35によって中間転写ベルト15上から除去される。
【0126】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上記実施の形態に限定的に解釈されるものではなく、種々の変形、変更、改良が可能であり、本発明の要件を満足する範囲内で実現可能であることは言うまでもない。
【実施例0127】
以下、実施例を挙げて本発明をさらに具体的に説明する。ただし、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。なお、以下の説明において、特に断りのない限り、「部」及び「%」はすべて質量基準である。
【0128】
<実施例1>
シリコーンゴム原液(信越化学工業(株)製X-34-1053、固形分濃度:60質量%、溶媒:酢酸ブチル)と、表1に示す種類及び数平均粒径である熱伝導性フィラーとを、組成物における全固形分に対する熱伝導性フィラーが表1に示す量となるように混合し、ゴム組成物を得た。得られた成型物形成用組成物を、ポリイミド樹脂製の基材上に塗布して塗膜を形成し、その塗膜を100℃で30分間加熱することで、膜厚450μmの弾性層を有するゴム成形体を得た。
【0129】
<実施例2>
ポリアミック酸溶液(ユニチカ(株)製:TX-HMM(ポリイミドワニス)、固形分濃度:18質量%、溶媒:NMP)と、表1に示す種類及び数平均粒径である熱伝導性フィラーと、を用い、組成物における全固形分に対する熱伝導性フィラーが表1に示す量となるように混合し、基材層形成用塗布液を調製した。得られた塗布液を、円筒状金型上にフローコート法(条件:金型の回転速度500rpm、金型の回転軸方向における吐出部の移動速度100mm/min)にて塗布して塗膜を形成し、その塗膜を380℃で焼成することで、膜厚80μmの樹脂成形体を形成した。
【0130】
<実施例3、実施例9~実施例10、比較例1及び比較例5>
表1に従って、熱伝導性フィラーの種類及び量を変更した以外は、実施例1と同様にして、ゴム成形体を得た。
【0131】
<実施例4~実施例8及び比較例2~比較例4>
表1に従って、熱伝導性フィラーの種類及び量を変更した以外は、実施例2と同様にして、樹脂成形体を得た。
【0132】
<参考例1>
表1に従って、熱伝導性フィラーの種類及び量を変更した以外は、実施例2と同様にして塗膜を形成した後、この塗膜試料を恒温槽内にて交流電圧1kVrms、周波数60Hzを印加させながら、70℃3h、120℃3hの順で乾燥させ、乾燥膜を得た。その後、乾燥膜を380℃で焼成し、膜厚80μmの樹脂成形体を形成した。
【0133】
各例の成形体における熱伝導性フィラーを有するフィラーの形状係数SF1及び形状係数SF2は、先述の測定方法により求めた値である。
【0134】
各例のフィラーの詳細は下記のとおりである。
・実施例1及び実施例8の炭化ケイ素:GMF-S(太平洋ランダム社製)
・実施例2、実施例6及び実施例7の窒化ケイ素:β-Si3N4(巴工業社製)
・実施例3の窒化ホウ素:UHP-1K(昭和電工社製)
・実施例4の窒化アルミニウム:FAN-f05(古河電子社製)
・実施例5の窒化アルミニウム:サーマルナイト(U-MAP社製)
・実施例9の黒鉛:ACG-45J(富士黒鉛工業社製)
・実施例10の酸化アルミニウム:AP10(DIC社製)
・比較例1の酸化アルミニウム:DAM-20(デンカ社製)
・比較例2の黒鉛:FT-2(東日本カーボン社製)
・比較例3の酸化アルミニウム:DAM-3(デンカ社製)
・比較例4及び参考例1のカーボンナノチューブ:VGCF-H(昭和電工社製)
・比較例5の窒化ホウ素:XGP(デンカ社製)
【0135】
<熱伝導率の評価>
各例の成形体について、既述の方法に従って熱伝導率を測定した。結果を表1に示す。
【0136】
<耐屈曲性の評価>
各例の成形体について、下記の測定方法により耐屈曲性(MIT耐折回数)を測定した。各例の成形体から150mm×15mmの試験片を作製した。JIS-C5016に準じて、試験片が破断するまでの往復折り曲げ回数を測定した。同一試料について10回の測定を行い、その平均値をもって耐屈曲性の評価結果とした。測定データとした。測定機は、東洋精機MIT耐揉疲労試験機MIT-DAを使用した。
(評価基準)
A:10,000回以上
B:2,500回以上
C:2,500回未満
【0137】
【表1】
【0138】
表1に示すように、実施例の組成物を含む成形体は、比較例の組成物を含む成形体に比べて、熱伝導率に優れることがわかった。また、表1に示すように、実施例の組成物を含む成形体は、参考例1の組成物を含む成形体(つまり、従来の異方性を有する配向性フィラーを含有する組成物を含む成形体)に比べて、面方向の耐屈曲性に優れることがわかった。
【0139】
(((1))) 少なくとも1種類以上の熱伝導性を有するフィラーと、樹脂又はゴムと、を含み、
前記フィラーの形状係数SF1が120以上400以下であり、かつ、形状係数SF2が140以上325以下である組成物。
(((2))) 前記樹脂を含む、前記(((1)))に記載の組成物。
(((3))) 前記フィラーの数平均粒径が0.5μm以上10μm以下である、前記(((1)))又は(((2)))に記載の組成物。
(((4))) 前記ゴムを含む、前記(((1)))~(((3)))のいずれか1つに記載の組成物。
(((5))) 前記フィラーの数平均粒径が15μm以上40μm以下である、前記(((3)))に記載の組成物。
(((6))) 熱伝導率が1.2W/mK以上である、前記(((1)))~(((5)))のいずれか1つに記載の組成物。
(((7))) 前記フィラーの含有量は、組成物に対して、5体積%以上50体積%以下である、前記(((1)))~(((6)))のいずれか1つに記載の組成物。
(((8))) 前記フィラーの含有量は、組成物に対して、5体積%以上20体積%以下である、前記(((7)))に記載の組成物。
(((9))) 前記フィラーはアスペクト比が6以下である、前記(((1)))~(((8)))のいずれか1つに記載の組成物。
(((10))) 前記(((1)))~(((9)))のいずれか1つに記載の組成物を含む成形体。
(((11))) 基材層と、前記基材層上に設けられた弾性層とを有し、
前記基材層及び前記弾性層の少なくとも一方が、前記(((1)))~(((9)))のいずれか1つに記載の組成物を含む定着部材。
(((12))) 第1回転体と、第1回転体の外面に接して配置される第2回転体と、を備え、
前記第1回転体及び前記第2回転体の少なくとも一方が、前記(((11)))に記載の定着部材である定着装置。
(((13))) 像保持体と、
前記像保持体の表面を帯電させる帯電装置と、
帯電した前記像保持体の表面に静電潜像を形成する静電潜像形成装置と、
前記像保持体の表面に形成された静電潜像をトナーにより現像してトナー像を形成する現像装置と、
前記像保持体の表面に形成されたトナー像を記録媒体に転写する転写装置と、
前記トナー像を前記記録媒体に定着させる前記(((12)))に記載の定着装置と、
を有する画像形成装置。
【0140】
(((1)))に係る発明によれば、少なくとも1種類以上の熱伝導性を有するフィラーと樹脂又はゴムとを含む組成物において、前記フィラーの形状係数SF1が120未満もしくは400超え、又は、形状係数SF2が140未満もしくは325超えである組成物に比べて、熱伝導率に優れる組成物が提供される。
(((2)))に係る発明によれば、ゴムのみを含む場合に比べて、熱伝導率に優れる組成物が提供される。
(((3)))に係る発明によれば、フィラーの数平均粒径が0.5μm未満又は10μm超えである場合に比べて、熱伝導率に優れる組成物が提供される。
(((4)))に係る発明によれば、樹脂のみを含む場合に比べて、熱伝導率に優れる組成物が提供される。
(((5)))に係る発明によれば、フィラーの数平均粒径が15μm未満又は40μm超えである場合であるに比べて、熱伝導率に優れる組成物が提供される。
(((6)))に係る発明によれば、熱伝導率が1.2W/mK未満である場合に比べて、熱伝導率に優れる組成物が提供される。
(((7)))に係る発明によれば、フィラーの含有量が組成物に対して、5体積%未満又は50体積%超えである場合に比べて、熱伝導率に優れる組成物が提供される。
(((8)))に係る発明によれば、フィラーの含有量が組成物に対して、5体積%未満又は20体積%超えである場合に比べて、熱伝導率に優れる組成物が提供される。
(((9)))に係る発明によれば、フィラーのアスペクト比が6超えであるに比べて、熱伝導率に優れる組成物が提供される。
(((10)))、(((11)))、(((12)))又は(((13)))に係る発明によれば、少なくとも1種類以上の熱伝導性を有するフィラーと樹脂又はゴムとを含む組成物において、前記フィラーの形状係数SF1が120未満もしくは400超え、又は、形状係数SF2が140未満もしくは325超えである組成物を含む成形体、定着部材、定着装置、又は画像形成装置に比べて、熱伝導率に優れる組成物が提供される。
【符号の説明】
【0141】
60 定着装置
61 加熱ロール
62 加圧ベルト
63 ベルト走行ガイド
64 押圧パッド
64a 前挟込部材
64b 剥離挟込部材
65 保持部材
66 ハロゲンランプ
68 摺動部材
69 感温素子
70 剥離部材
71 剥離爪
72 保持部材
80 定着装置
82 摺動部材
84 加熱ベルト
86 定着ベルトモジュール
88 加圧ロール
89A ハロゲンヒータ
89 加熱押圧ロール
90A ハロゲンヒータ
90 支持ロール
92A ハロゲンヒータ
92 支持ロール
94 姿勢矯正ロール
96 支持部材
98 支持ロール
100 画像形成装置
110 定着部材
110A 基材
110B 弾性層
110C 表面層
図1
図2
図3
図4
【手続補正書】
【提出日】2023-09-22
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0004
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0004】
【特許文献1】特開2015-118327号公報
【特許文献2】特許公報第4911674号
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0029
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0029】
フィラーの数平均粒径は、走査電子顕微鏡(SEM:Scanning Electron Microscope)観察により測定する。
SEM観察は、超高分解能電界放出形走査電子顕微鏡(FE-SEM、日立ハイテクノロジーズ社製S-4800)用い、加速電圧200kVにて観察した。観察時は加速電圧200kVに設定する。SEM観察に際しては、試料にエタノールを少量加えてから超音波処理(45kHz、30分)することで懸濁させ、懸濁液をマイクログリッド(応研商事:Cu150Pグリッド、カーボン補強済み、グリッドピッチ150μm)に微量滴下し、真空下50℃で2時間乾燥し、SEM観察用試料とする。「粒径」とは、フィラーを観察したとき、フィラーの輪郭線上(つまり外縁)における2点間の距離のうち、最大の距離を示す。組成物の成形体から得た試験片について、SEM観察により、任意の5点を観察し、観測されたフィラーの二次粒子及び一次粒径を計測する。そして、計測した粒径を算術平均した値を、数平均粒径とする。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0073
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0073】
第1実施形態に係る定着装置60は、図2に示すように、例えば、回転駆動する加熱ロール61(第1回転体の一例)と、加圧ベルト62(第2回転体の一例)と、加圧ベルト62を介して加熱ロール61を押圧する押圧パッド64(押圧部材の一例)とを備えて構成されている。
なお、押圧パッド64は、例えば、加圧ベルト62と加熱ロール61とが相対的に加圧されていればよい。従って、加圧ベルト62側が加熱ロール61に加圧されてもよく、加熱ロール61側が加圧ロール62に加圧されてもよい。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0098
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0098】
≪画像形成装置≫
本実施形態の画像形成装置は、像保持体と、前記像保持体の表面を帯電させる帯電装置と、帯電した前記像保持体の表面に静電潜像を形成する静電潜像形成装置と、前記像保持体の表面に形成された静電潜像をトナーにより現像してトナー像を形成する現像装置と、前記像保持体の表面に形成されたトナー像を記録媒体に転写する転写装置と、前記トナー像を前記記録媒体に定着させる定着装置と、を有する画像形成装置である。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0119
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0119】
画像処理装置では、入力された画像データに対して、シェーディング補正、位置ズレ補正、明度/色空間変換、ガンマ補正、枠消しや色編集、移動編集等の各種画像編集等の画像処理が施される。画像処理が施された画像データは、Y、M、C、Kの4色の色材階調データに変換され、レーザ露光器13に出力される。
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0129
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0129】
<実施例2>
ポリアミック酸溶液(ユニチカ(株)製:TX-HMM(ポリイミドワニス)、固形分濃度:18質量%、溶媒:NMP)と、表1に示す種類及び数平均粒径である熱伝導性フィラーと、を組成物における全固形分に対する熱伝導性フィラーが表1に示す量となるように混合し、基材層形成用塗布液を調製した。得られた塗布液を、円筒状金型上にフローコート法(条件:金型の回転速度500rpm、金型の回転軸方向における吐出部の移動速度100mm/min)にて塗布して塗膜を形成し、その塗膜を380℃で焼成することで、膜厚80μmの樹脂成形体を形成した。
【手続補正7】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0133
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0133】
各例の成形体における熱伝導性を有するフィラーの形状係数SF1及び形状係数SF2は、先述の測定方法により求めた値である。