(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024140709
(43)【公開日】2024-10-10
(54)【発明の名称】情報処理装置及びプログラム
(51)【国際特許分類】
H04N 5/92 20060101AFI20241003BHJP
H04N 21/435 20110101ALI20241003BHJP
H04N 21/433 20110101ALI20241003BHJP
【FI】
H04N5/92 010
H04N21/435
H04N21/433
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023052009
(22)【出願日】2023-03-28
(71)【出願人】
【識別番号】521165529
【氏名又は名称】株式会社コンセプトラボ
(74)【代理人】
【識別番号】100176072
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 功
(72)【発明者】
【氏名】北崎 圭史
(72)【発明者】
【氏名】寺沢 篤史
(72)【発明者】
【氏名】藤田 匡輝
【テーマコード(参考)】
5C164
【Fターム(参考)】
5C164GA06
5C164MA06S
5C164MB13S
5C164UB10P
5C164UB36P
5C164UB41S
5C164UB81S
5C164YA21
(57)【要約】
【課題】動画に関するタグを生成する手間を削減できる情報処理装置を提供する。
【解決手段】情報処理装置は、動画を取得する取得部と、取得部が取得した動画から、動画に含まれるキーフレームに関する情報であるキーフレーム情報を算出する算出部と、算出部が算出したキーフレーム情報を動画上に表示されるタグを含む所定の形式のデータファイルに変換する変換部とを備える。
【選択図】
図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
動画を取得する取得部と、
前記取得部が取得した前記動画から、前記動画に含まれるキーフレームに関する情報であるキーフレーム情報を算出する算出部と、
前記算出部が算出した前記キーフレーム情報を前記動画上に表示されるタグを含む所定の形式のデータファイルに変換する変換部と、
を備える情報処理装置。
【請求項2】
前記変換部が変換した前記データファイルを参照し、参照したデータファイルに含まれるタグ及び前記動画を再生する再生部、
をさらに備える請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記動画は、複数のレイヤーを含み、
前記算出部は、表示開始時刻及び表示終了時刻に関する表示期間情報と、表示開始時及び表示終了時における前記動画上の位置に関する位置情報とを前記レイヤー毎に含むように前記キーフレーム情報を算出する、
請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記算出部は、前記動画上における大きさに関するサイズ情報を前記レイヤー毎に含むように前記キーフレーム情報を算出する、
請求項3に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記算出部は、前記レイヤー毎に、前記動画の表示時刻毎に頂点の座標に関する座標情報を抽出し、抽出した前記座標情報に基づいて、前記位置情報と、前記レイヤーの前記動画上における移動の軌跡に関する軌跡情報とを含むように前記キーフレーム情報を算出する、
請求項3に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記変換部は、前記軌跡情報に従う軌跡で前記動画に表示されるように前記レイヤー毎に前記タグを生成し、生成した前記タグを含むように前記キーフレーム情報を前記データファイルに変換する、
請求項5に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記変換部は、前記表示期間情報に従う期間、前記位置情報に従う位置に前記動画に表示されるように前記レイヤー毎に前記タグを生成し、生成した前記タグを含むように前記キーフレーム情報を前記データファイルに変換する、
請求項3又は6に記載の情報処理装置。
【請求項8】
コンピュータを、
動画を取得する取得部、
前記取得部が取得した前記動画から、前記動画に含まれるキーフレームに関する情報であるキーフレーム情報を算出する算出部、
前記算出部が算出した前記キーフレーム情報を前記動画上に表示されるタグを含む所定の形式のデータファイルに変換する変換部、
として機能させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、動画を再生する技術が知られている。
【0003】
これに関し、特許文献1には、動画上でユーザが操作可能な操作領域(タグ)を生成する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に記載の技術では、タグを生成するにあたって、動画におけるタグの表示期間や表示位置などの各種設定をユーザから受け付ける必要があった。したがって、特許文献1に記載の技術は、タグを生成するたびに手間がかかってしまうという問題があった。
【0006】
本発明はこのような問題に鑑みてなされたものであり、その目的は、動画に関するタグを生成する手間を削減できる情報処理装置及びプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明の情報処理装置は、動画を取得する取得部と、前記取得部が取得した前記動画から、前記動画に含まれるキーフレームに関する情報であるキーフレーム情報を算出する算出部と、前記算出部が算出した前記キーフレーム情報を前記動画上に表示されるタグを含む所定の形式のデータファイルに変換する変換部と、を備える。
【0008】
また、本発明の情報処理装置は、前記変換部が変換した前記データファイルを参照し、参照したデータファイルに含まれるタグ及び前記動画を再生する再生部をさらに備える。
【0009】
また、前記動画は、複数のレイヤーを含み、前記算出部は、表示開始時刻及び表示終了時刻に関する表示期間情報と、表示開始時及び表示終了時における前記動画上の位置に関する位置情報とを前記レイヤー毎に含むように前記キーフレーム情報を算出する。
【0010】
また、前記算出部は、前記動画上における大きさに関するサイズ情報を前記レイヤー毎に含むように前記キーフレーム情報を算出する。
【0011】
また、前記算出部は、前記レイヤー毎に、前記動画の表示時刻毎に頂点の座標に関する座標情報を抽出し、抽出した前記座標情報に基づいて、前記位置情報と、前記レイヤーの前記動画上における移動の軌跡に関する軌跡情報とを含むように前記キーフレーム情報を算出する。
【0012】
また、前記変換部は、前記軌跡情報に従う軌跡で前記動画に表示されるように前記レイヤー毎に前記タグを生成し、生成した前記タグを含むように前記キーフレーム情報を前記データファイルに変換する。
【0013】
また、前記変換部は、前記表示期間情報に従う期間、前記位置情報に従う位置に前記動画に表示されるように前記レイヤー毎に前記タグを生成し、生成した前記タグを含むように前記キーフレーム情報を前記データファイルに変換する。
【0014】
また、本発明のプログラムは、コンピュータを、動画を取得する取得部、前記取得部が取得した前記動画から、前記動画に含まれるキーフレームに関する情報であるキーフレーム情報を算出する算出部、前記算出部が算出した前記キーフレーム情報を前記動画上に表示されるタグを含む所定の形式のデータファイルに変換する変換部、として機能させるためのプログラム。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、情報処理装置及びプログラムは、動画に関するタグを生成する手間を削減できる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】本発明に係る情報処理装置のハードウェア構成の一例を示す図である。
【
図2】
図1に示す情報処理装置の機能的構成の一例を示すブロック図である。
【
図3】
図2に示すキーフレーム情報の一例を示す図である。
【
図4A】
図2に示す動画に表示されるタグの動きの一例を示す図である。
【
図4B】
図2に示す動画に表示されるタグの動きの一例を示す図である。
【
図4C】
図2に示す動画に表示されるタグの動きの一例を示す図である。
【
図4D】
図2に示す動画に表示されるタグの動きの一例を示す図である。
【
図5】
図2に示す動画に表示されるタグの動きの他の例を示す図である。
【
図6】
図1に示す情報処理装置が動画からキーフレーム情報を算出しデータファイルに変換する場合の処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【
図7】
図1に示す情報処理装置が動画を再生する場合の処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【
図8】
図1に示す情報処理装置が動画からキーフレーム情報を算出しデータファイルに変換する場合の処理の流れの他の例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、添付図面を参照しながら本発明の実施形態(以下、「本実施形態」という。)について説明する。説明の理解を容易にするため、各図面において同一の構成要素及びステップに対しては可能な限り同一の符号を付して、重複する説明は省略する。
【0018】
<ハードウェア構成>
図1は、本発明に係る情報処理装置10のハードウェア構成の一例を示す図である。
図1に示すように、情報処理装置10は、例えば、記憶装置11と、CPU(Central Processing Unit)12と、メモリ13と、通信装置14と、入出力装置15とを主に備えて構成される。
【0019】
記憶装置11は、ハードディスク等で構成される。この記憶装置11は、CPU12における処理の実行に必要な各種プログラムや各種の情報、及び処理結果の情報を記憶する。
【0020】
CPU12は、メモリ13又は記憶装置11等に格納された所定のプログラムを実行することにより、各種の機能的構成として機能する。この機能的構成の詳細については後述する。
【0021】
通信装置14は、外部の装置と通信するための通信インターフェース等で構成される。通信装置14は、例えば、動画101を閲覧するユーザの端末との間で各種の情報を送受信する。
【0022】
入出力装置15は、情報処理装置10の操作者が情報処理装置10に対して操作を行うための入力を受け付けるとともに、情報処理装置10から提供される情報を操作者に対して表示する。
【0023】
なお、情報処理装置10は、専用又は汎用のサーバ・コンピュータなどを用いて実現することができる。また、情報処理装置10は、単一の装置より構成されるものであっても、通信ネットワーク上に分散した複数の装置より構成されるものであってもよい。また、
図1は、情報処理装置10が有する主要なハードウェア構成の一部を示しているに過ぎず、情報処理装置10は、コンピュータが一般的に備える他の構成を備えても良い。
【0024】
<機能的構成>
図2は、
図1に示す情報処理装置10の機能的構成の一例を示すブロック図である。
図2に示すように、情報処理装置10は、機能的構成として、例えば、記憶部100と、取得部110と、算出部120と、変換部130と、再生部150とを備える。記憶部100以外の機能的構成は、記憶装置11等に格納されたプログラムをCPU12が実行することにより実現される。
【0025】
記憶部100は、動画101やキーフレーム情報102、データファイル103などなどを記憶する機能的構成である。
【0026】
動画101は、情報処理装置10が情報処理装置10の操作者や、通信ネットワークを介して情報処理装置10にアクセスして動画101を閲覧するユーザなどに提供するための映像コンテンツであり、記憶部100に記憶されている。動画101は、動画101内に表示されるオブジェクト毎に対応付けられておりオブジェクト同士の階層関係を示すレイヤーを含む。また、動画101は、動画101内の各レイヤーの動画101内での動きの基点となるフレームを示すキーフレームに関する情報を含む。
【0027】
キーフレーム情報102は、動画101に含まれるキーフレームに関する情報であり、記憶部100に記憶されている。
【0028】
図3を参照してキーフレーム情報102の詳細について説明する。
図3は、
図2に示すキーフレーム情報102の一例を示す図である。キーフレーム情報102は、動画101に含まれるレイヤー毎に、識別情報と、サイズ情報と、表示期間情報と、位置情報と、軌跡情報とを含む。
【0029】
識別情報は、各レイヤーを識別するための識別であり、例えば、識別番号とレイヤー名とを含む。識別番号は、各レイヤーに割り振られている番号である。また、レイヤー名は、各レイヤーに名付けられた名前である。レイヤー名は、情報処理装置10の操作者や動画101を閲覧するユーザがレイヤーに対応するオブジェクトを判別し易いように名付けられている。
【0030】
サイズ情報は、動画101を正面方向から見た場合における各レイヤーの上下方向及び左右方向の長さを示す情報であり、例えば、高さと幅とを含む。高さは、動画101を正面方向から見た場合における各レイヤーの上下方向の長さを示す高さ情報である。高さは、例えば、ピクセル数や動画101の上下方向の長さに対する割合などで示される。幅は、動画101を正面方向から見た場合における各レイヤーの左右方向の長さを示す情報である。幅は、例えば、ピクセル数や動画101の左右方向の長さに対する割合などで示される。なお、本例では、高さ及び幅は、ピクセル数として示されている。
【0031】
表示期間情報は、レイヤーが動画101上に表示される期間を示す情報であり、例えば、表示開始時刻と表示終了時刻とを含む。表示開始時刻は、動画101の再生中において、レイヤーが表示され始める時刻を示す情報である。また、表示終了時刻は、動画101の再生中において、レイヤーの表示が終了する時刻を示す情報である。表示開始時刻及び表示終了時刻は、動画101の再生期間における最初の時刻から経過した時刻や、動画101の総再生期間に対する割合などで示される。なお、本例では、表示開始時刻及び表示終了時刻は、動画101の総再生期間に対する割合で示される。
【0032】
位置情報は、レイヤーが動画101上に表示される位置を示す情報であり、例えば、表示開始位置と、表示終了位置とを含む。表示開始位置は、レイヤーの表示開始時刻において、動画101におけるレイヤーの表示位置を示す情報である。また、表示開始位置は、レイヤーの表示終了時刻において、動画101におけるレイヤーの表示位置を示す情報である。表示開始位置及び表示終了位置は、動画101を正面方向から見た場合における動画101上の基準位置からの上下方向の距離及び左右方向の距離の2つの値である。また、表示開始位置及び表示終了位置は、例えば、ピクセル数や動画101の上下方向及び左右方向の長さに対する割合などで示される。なお、本例では、表示開始位置及び表示終了位置は、ピクセル数として示されている。また、本例では、基準位置は、動画101を正面方向から見た場合における最も左下にある位置である。
【0033】
軌跡情報は、動画101上においてレイヤーがどのように移動するか移動の軌跡やアニメーションなどを示す情報であり、例えば、数値として示される。レイヤーの移動の軌跡の種類としては、例えば、直線移動や蛇行移動、ジグザグ状に移動、近似関数に従う軌跡で移動などがある。また、レイヤーのアニメーションの種類としては、例えば、拡大や縮小、右方向又は左方向に回転、色及び輝度の変化、透明度の変化などが挙げられる。本例では、軌跡情報は、例えば、レイヤーが表示開始位置から表示終了位置まで直線的に移動する場合、“0”の値をとる。また、本例では、軌跡情報は、例えば、レイヤーが表示開始位置から表示終了位置まで蛇行しながら移動する場合、“1”の値をとる。なお、軌跡情報は、レイヤーが表示開始位置から表示終了位置まで移動する際の軌跡を近似関数で表現した場合における関数の種類及び当該関数に用いる各係数を示しても良い。
【0034】
図2に戻って、データファイル103は、キーフレーム情報102が所定の形式に変換されたファイルであり、記憶部100に記憶される。所定の形式は、例えば、JSON(JavaScript(登録商標) Object Notation)というデータ記述言語によって記述される形式である。データファイル103は、レイヤーに関する情報として、キーフレーム情報102に含まれている識別情報、サイズ情報、表示期間情報、位置情報及び軌跡情報を含む。
【0035】
取得部110は、動画101を取得する機能的構成である。具体的には、取得部110は、通信ネットワークを介して外部から送信される動画101を取得するか、又は記憶部100を参照して、記憶部100に記憶されている動画101を取得する。取得部110は、通信ネットワークを介して外部から送信される動画101を取得した場合、取得した動画101を記憶部100に記憶する。
【0036】
算出部120は、取得部110が取得した動画101から、動画101に含まれるキーフレームに関する情報であるキーフレーム情報102を算出する機能的構成である。算出部120は、算出したキーフレーム情報102を記憶部100に記憶する。算出部120によるキーフレーム情報102の算出の具体的な方法については、追って
図6~
図8を参照しつつ説明するため、ここではその説明を省略する。
【0037】
変換部130は、算出部120が算出したキーフレーム情報102を動画101上に表示されるタグを含む所定の形式のデータファイル103に変換する機能的構成である。具体的には、変換部130は、算出部120が算出したキーフレーム情報102から動画101上に表示されるタグを生成し、生成したタグを含むようにキーフレーム情報102をJSONによって記述されたデータファイル103に変換し、変換したデータファイル103を記憶部100に記憶する。
【0038】
タグは、動画101に表示されるオブジェクト毎に対応付けられている操作領域であり、動画101の閲覧者によってタグに対してクリックやタップなどの操作が行われた時に、タグに予め定められている処理が実行される。予め定められている処理は、例えば、タグに対応付けられているオブジェクトに関する情報を動画101上にポップアップして表示したり、当該オブジェクトに関する情報を動画101の周囲にある領域に表示したり、当該オブジェクトを販売している販売業者のウェブサイトにリンクしたり、当該オブジェクトを購入するための購入ページにリンクしたりなどである。変換部130によるタグの生成の具体的な方法については、追って
図6~
図8を参照しつつ説明するため、ここではその説明を省略する。
【0039】
再生部150は、動画101及びタグを再生する機能的構成である。具体的には、再生部150は、動画101を再生する際に、記憶部100に記憶されている動画101に関するデータファイル103を参照し、参照したデータファイル103に含まれるタグを動画101とともに再生する。
【0040】
続いて、
図4A~
図4Dを参照しつつ、動画101の再生時のタグの動きについて説明する。
図4A~
図4Dは、
図2に示す動画101に表示されるタグの動きの一例を示す図である。
図4A~
図4Dに示すように、動画101は、表示領域400と、タグ401~403と、シークバー410とを含む。なお、
図4A~
図4Dにおいて、タグ401に関する情報は、
図3におけるキーフレーム情報102のIDが“1”である行に示されているものとする。また、
図4A~
図4Dにおいて、タグ402に関する情報は、軌跡情報を除いて、
図3におけるキーフレーム情報102のIDが“2”である行に示されているものとする。また、
図4A~
図4Dにおいて、タグ402に関する軌跡情報は、“0”であるものとする。また、
図4A~
図4Dにおいて、タグ403に関する情報は、
図3におけるキーフレーム情報102のIDが“n”である行に示されているものとする。
【0041】
図4Aを参照して、
図4Aにおいて、動画101は、再生開始直後の状態である。また、
図4Aにおいて、シークバー410のスライダーは、左端に位置している。また、
図4Aにおいて、動画101には、タグ401及びタグ402がそれぞれ対応するオブジェクトとともに、キーフレーム情報102に含まれるタグ401及び402に関する表示開始位置が示す位置に表示されている。また、
図4Aにおいて、動画101の再生時間がタグ403に関する表示開始時刻に達していないため、タグ403及び対応するオブジェクトは、非表示となっている。
【0042】
図4Bを参照して、
図4Bにおいて、動画101は、再生開始から再生終了までの期間の20%が経過した状態である。また、
図4Bにおいて、シークバー410のスライダーは、左端から右端までの20%の距離だけ、左端から移動した箇所に位置している。また、
図4Bにおいて、動画101には、タグ401及びタグ402がそれぞれ対応するオブジェクトとともに、キーフレーム情報102に含まれるタグ401及び402に関する表示開始位置から表示終了位置に向かう途中の位置に表示されている。また、
図4Bにおいて、動画101には、タグ403がそれぞれ対応するオブジェクトとともに、キーフレーム情報102に含まれるタグ403に関する表示開始位置が示す位置に表示されている。
【0043】
図4Cを参照して、
図4Cにおいて、動画101は、再生開始から再生終了までの期間の70%が経過した状態である。また、
図4Cにおいて、シークバー410のスライダーは、左端から右端までの70%の距離だけ、左端から移動した箇所に位置している。また、
図4Cにおいて、動画101には、タグ401が対応するオブジェクトとともに、キーフレーム情報102に含まれるタグ401に関する表示開始位置から表示終了位置に向かう途中の位置に表示されている。また、
図4Cにおいて、動画101には、タグ402及び403がそれぞれ対応するオブジェクトとともに、キーフレーム情報102に含まれるタグ402及び403に関する表示終了位置に表示されている。
【0044】
図4Dを参照して、
図4Dにおいて、動画101は、再生終了直前の状態である。また、
図4Dにおいて、シークバー410のスライダーは、右端に位置している。また、
図4Dにおいて、動画101には、タグ401が対応するオブジェクトとともに、キーフレーム情報102に含まれるタグ401に関する表示終了位置に表示されている。
【0045】
続いて、
図5を参照しつつ、タグが直線移動以外の移動を行う場合における動画101の再生時のタグの動きについて説明する。
図5は、
図2に示す動画101に表示されるタグの動きの他の例を示す図である。
図5に示すように、動画101は、表示領域500と、タグ502と、シークバー510とを含む。なお、
図5において、タグ502に関する情報は、
図3におけるキーフレーム情報102のIDが“2”である行に示されているものとする。
図5において、動画101が、再生開始直後の状態から、再生開始から再生終了までの期間の70%が経過した状態まで再生を進めた場合、シークバー410のスライダーは、左端から、左端及び右端の70%の距離だけ左端から移動した箇所に移動する。また、
図5において、動画101には、タグ502が対応するオブジェクトとともに、キーフレーム情報102に含まれるタグ502に関する表示開始位置が示す位置から、表示終了位置が示す位置まで、軌跡情報が示す軌跡で移動する。
図5において、タグ502は、軌跡情報“1”が示す軌跡である蛇行する軌跡に従って移動する。
【0046】
<一連の処理の流れ>
以上、情報処理装置10の機能的構成について説明した。次に、情報処理装置10の一連の処理の流れについて詳しく説明する。
図6は、
図1に示す情報処理装置10が動画101からキーフレーム情報102を算出し、データファイル103に変換する場合の処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【0047】
(ステップSP10)
情報処理装置10は、取得部110によって、通信ネットワークを介して外部から送信される動画101を取得するか、又は記憶部100を参照して記憶部100に記憶されている動画101を取得する。そして、処理はステップSP12の処理に移行する。
【0048】
(ステップSP12)
情報処理装置10は、算出部120によって、取得部110が取得した動画101から、動画101に含まれるキーフレームに関する情報であるキーフレーム情報102を算出する。具体的には、情報処理装置10は、算出部120によって、動画101を参照して、表示開始時刻及び表示終了時刻を含む表示期間情報と、表示開始時及び表示終了時における動画101上の位置に関する位置情報とをレイヤー毎に抽出し、抽出した表示期間情報及び位置情報を含むようにキーフレーム情報102を算出する。また、情報処理装置10は、算出部120によって、動画101上における大きさに関するサイズ情報をレイヤー毎に抽出し、抽出したサイズ情報を含むようにキーフレーム情報102を算出する。
【0049】
また、情報処理装置10は、算出部120によって、レイヤー毎に、動画101の表示時刻毎に頂点の座標に関する座標情報を抽出する。頂点は、例えば、レイヤーの周囲を囲う四角形の四隅の頂点のうち左上の点である。また、情報処理装置10は、抽出した座標情報に基づいてレイヤーの動画101上における移動の軌跡に関する軌跡情報を含むようにキーフレーム情報102を算出する。具体的には、情報処理装置10は、算出部120によって、抽出した座標情報が示す各頂点の座標を参照し、最小二乗法などの関数近似手法を用いて各頂点の座標を複数の近似関数に当てはめる。続いて、情報処理装置10は、算出部120によって、当てはめた複数の近似関数に対して誤差評価を行う。さらに、情報処理装置10は、誤差評価により各頂点の座標と近似関数による座標の誤差が最も少なくなる近似関数を選択し、選択した近似関数に予め対応付けられている数値を軌跡情報として生成する。そして、処理は、ステップSP14の処理に移行する。なお、情報処理装置10は、例えば、予め定められている一の近似関数に当てはめて、当てはめた近似関数の種類及び次数を含むように軌跡情報を生成しても良い。また、情報処理装置10は、例えば、算出部120によって、単に抽出した座標情報が含む表示時刻毎の頂点の座標を全て含むように軌跡情報を生成しても良い。
【0050】
(ステップSP14)
情報処理装置10は、変換部130によって、キーフレーム情報102を参照して、レイヤー毎に、レイヤーに対応するオブジェクトに対してタグを生成する。具体的には、情報処理装置10は、変換部130によって、キーフレーム情報102を参照して、データファイル103に含まれる表示期間情報、位置情報、サイズ情報、軌跡情報を取得する。情報処理装置10は、変換部130によって、レイヤー毎に、表示期間情報に従う期間、位置情報に従う位置に動画101に表示されるように、レイヤーに対応するオブジェクトに対してタグを生成する。また、情報処理装置10は、当該タグの生成にあたって、変換部130によって、キーフレーム情報102を参照して、レイヤー毎に、サイズ情報に従う大きさで動画101に表示されるように、レイヤーに対応するオブジェクトに対してタグを生成する。また、情報処理装置10は、当該タグの生成にあたって、変換部130によって、キーフレーム情報102を参照して、レイヤー毎に、軌跡情報に従う軌跡で動画101に表示されるように、レイヤーに対応するオブジェクトに対してタグを生成する。そして、処理は、ステップSP16の処理に移行する。
【0051】
(ステップSP16)
情報処理装置10は、変換部130によって、変換部130が生成したタグを含むようにキーフレーム情報102をJSONによって記述されたデータファイル103に変換する。そして、処理は、ステップSP18の処理に移行する。
【0052】
(ステップSP18)
情報処理装置10は、変換部130によって、変換部130が変換したデータファイル103を記憶部100に記憶する。そして、
図6に示す一連の処理は、終了する。
【0053】
続いて、情報処理装置10が動画101を再生する場合の一連の処理の流れについて詳しく説明する。
図7は、
図1に示す情報処理装置10が動画101を再生する場合の処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【0054】
(ステップSP50)
情報処理装置10は、取得部110によって、情報処理装置10の操作者又は通信ネットワークを介したユーザの端末から動画101の再生指示を取得したか否かを判定する。そして、当該判定が肯定判定である場合、処理は、ステップSP52の処理に移行し、当該判定が否定判定である場合、処理は、ステップSP50の処理に再び戻る。
【0055】
(ステップSP52)
情報処理装置10は、再生部150によって、記憶部100を参照し、動画101と動画101に表示されるオブジェクトについて生成されたタグとを再生する。そして、
図7に示す一連の処理は、終了する。
【0056】
<効果>
以上、本実施形態では、情報処理装置10は、動画101を取得する取得部110と、取得部110が取得した動画101から、動画101に含まれるキーフレームに関する情報であるキーフレーム情報102を算出する算出部120とを備える。また、情報処理装置10は、算出部120が算出したキーフレーム情報102を動画101上に表示されるタグを含むデータファイル103に変換する変換部130をさらに備える。
【0057】
これにより、情報処理装置10は、取得した動画101から、タグを含むデータファイル103を生成する。したがって、情報処理装置10は、動画101に関するタグを生成する手間を削減できる。
【0058】
また、本実施形態では、情報処理装置10は、変換部130が変換したデータファイル103を参照し、参照したデータファイル103に含まれるタグ及び動画101を再生する再生部150をさらに備える。
【0059】
これにより、情報処理装置10は、動画101からキーフレーム情報102を算出し、算出したキーフレーム情報102からタグを含むようにキーフレーム情報102をデータファイル103に変換し、変換したデータファイル103が含むタグと動画101とを再生する。したがって、情報処理装置10は、動画101から、手間を削減しながらタグを生成し、動画101とともにタグを再生できる。
【0060】
また、本実施形態では、動画101は、複数のレイヤーを含む。また、算出部120は、表示開始時刻及び表示終了時刻に関する表示期間情報と、表示開始時及び表示終了時における動画101上の位置に関する位置情報とをレイヤー毎に含むようにキーフレーム情報102を算出する。
【0061】
したがって、情報処理装置10は、動画101に含まれる複数のレイヤーについて、動画101上における表示期間及び表示位置を考慮したタグを生成できるようなキーフレーム情報102を算出できる。
【0062】
また、本実施形態では、算出部120は、動画101上における大きさに関するサイズ情報をレイヤー毎に含むようにキーフレーム情報102を算出する。
【0063】
したがって、情報処理装置10は、動画101に含まれる複数のレイヤーについて、動画101上における大きさを考慮したタグを生成できるようなキーフレーム情報102を算出できる。
【0064】
また、本実施形態では、算出部120は、レイヤー毎に、動画101の表示時刻毎に頂点の座標に関する座標情報を抽出し、抽出した前記座標情報に基づいて、位置情報と、レイヤーの動画101上における移動の軌跡に関する軌跡情報とを含むようにキーフレーム情報102を算出する。
【0065】
したがって、情報処理装置10は、動画101に含まれる複数のレイヤーについて、動画101上におけるレイヤーの移動の軌跡を考慮したタグを生成できるようなキーフレーム情報102を算出できる。
【0066】
また、本実施形態では、変換部130は、軌跡情報に従う軌跡で動画101に表示されるようにレイヤー毎にタグを生成し、生成したタグを含むようにキーフレーム情報102をデータファイル103に変換する。
【0067】
したがって、情報処理装置10は、動画101に含まれる複数のレイヤーについて、手間を削減しつつ、動画101上におけるレイヤーの移動の軌跡を考慮したタグを生成できる。
【0068】
また、本実施形態では、変換部130は、表示期間情報に従う期間、位置情報に従う位置に動画101に表示されるようにレイヤー毎にタグを生成し、生成したタグを含むようにキーフレーム情報102をデータファイル103に変換する。
【0069】
したがって、情報処理装置10は、動画101に含まれる複数のレイヤーについて、手間を削減しつつ、動画101上における表示期間及び表示位置を考慮したタグを生成できる。
【0070】
<変形例>
なお、本発明は上記の実施形態に限定されるものではない。すなわち、上記の実施形態に、当業者が適宜設計変更を加えたものも、本発明の特徴を備えている限り、本発明の範囲に包含される。また、上記実施形態及び後述する変形例が備える各要素は、技術的に可能な限りにおいて組み合わせることができ、これらを組み合わせたものも本発明の特徴を含む限り本発明の範囲に包含される。
【0071】
例えば、本実施形態では、情報処理装置10は、動画101に表示されるオブジェクトに関する全レイヤーについてタグを生成するがこれに限られるものではない。情報処理装置10は、動画101に表示されるオブジェクトに関する複数のレイヤーのうち、指定されたレイヤーについてのみタグを生成しても良い。続いて、情報処理装置10が複数のレイヤーのうち指定されたレイヤーについてのみタグを生成する場合における一連の処理の流れについて詳しく説明する。
【0072】
図8は、
図1に示す情報処理装置10が動画101からキーフレーム情報102を算出し、データファイル103に変換する場合の処理の流れの他の例を示すフローチャートである。
【0073】
(ステップSP100)
情報処理装置10は、取得部110によって、通信ネットワークを介して外部から送信される動画101を取得するか、又は記憶部100を参照して記憶部100に記憶されている動画101を取得する。そして、処理は、ステップSP102の処理に移行する。
【0074】
(ステップSP102)
情報処理装置10は、算出部120によって、取得部110が取得した動画101から、動画101に含まれるキーフレームに関する情報であるキーフレーム情報102を算出する。情報処理装置10は、キーフレーム情報102の算出方法においては、ステップSP12における処理に加えて、さらに算出部120によって、各レイヤーに対するイベント情報の入力を情報処理装置10の操作者から受け付ける。イベント情報は、例えば、レイヤーに対応するオブジェクトについて動画101上で表示されるタグを生成するか否かを示す情報である。情報処理装置10は、受け付けたイベント情報が示す情報をキーフレーム情報102に追加する。そして、処理は、ステップSP104の処理に移行する。
【0075】
(ステップSP104)
情報処理装置10は、変換部130によって、キーフレーム情報102に示される複数のレイヤーのうちタグの生成及び不生成に関する判定処理を行っていない一のレイヤーについて、キーフレーム情報102が含む一のレイヤーに対応するイベント情報を参照することによって、一のレイヤーがタグの生成対象であるか否かを判定する。そして、当該判定が肯定判定である場合、処理は、ステップSP106の処理に移行し、一の当該判定が否定判定である場合、処理は、ステップSP108の処理に移行する。
【0076】
(ステップSP106)
情報処理装置10は、変換部130によって、キーフレーム情報102に基づいて、一のレイヤーに対応するオブジェクトに対してタグを生成する。具体的には、情報処理装置10は、変換部130によって、キーフレーム情報102を参照して、キーフレーム情報102に含まれる表示期間情報、位置情報、サイズ情報、軌跡情報を取得する。情報処理装置10は、変換部130によって、一のレイヤーに対応する表示期間情報に従う期間、一のレイヤーに対応する位置情報に従う位置に動画101に表示されるように、一のレイヤーに対応するオブジェクトに対してタグを生成する。また、情報処理装置10は、当該タグの生成にあたって、変換部130によって、キーフレーム情報102を参照して、一のレイヤーに対応するサイズ情報に従う大きさで動画101に表示されるように、一のレイヤーに対応するオブジェクトに対してタグを生成する。また、情報処理装置10は、当該タグの生成にあたって、変換部130によって、キーフレーム情報102を参照して、一のレイヤーに対応する軌跡情報に従う軌跡で動画101に表示されるように、一のレイヤーに対応するオブジェクトに対してタグを生成する。そして、処理は、ステップSP108の処理に移行する。
【0077】
(ステップSP108)
情報処理装置10は、変換部130によって、キーフレーム情報102に示されている全てのレイヤーに対して、タグの生成及び不生成に関する判定処理を行ったか否かを判定する。そして、当該判定が肯定判定である場合、処理は、ステップSP110の処理に移行し、当該判定が否定判定である場合、処理は、ステップSP104の処理に戻る。
【0078】
(ステップSP110)
情報処理装置10は、変換部130によって、変換部130が生成したタグを含むようにキーフレーム情報102をJSONによって記述されたデータファイル103に変換する。そして、処理は、ステップSP112の処理に移行する。
【0079】
(ステップSP112)
情報処理装置10は、変換部130によって、変換部130が変換したデータファイル103を記憶部100に記憶する。そして、
図8に示す一連の処理は、終了する。
【0080】
この構成によれば、情報処理装置10は、動画101に含まれる複数のレイヤーについて、タグを生成するか否かに関する情報を考慮して手間を削減しつつタグを生成できる。
【0081】
また、算出部120は、動画101を参照して、動画101を正面から見た場合におけるレイヤー同士の正面及び背面の間の位置関係を示す階層情報をレイヤー毎に抽出し、抽出した階層情報を含むようにキーフレーム情報102を算出しても良い。
【0082】
この構成によれば、情報処理装置10は、動画101に含まれる複数のレイヤーについて、レイヤーに対応するオブジェクト同士が重なった場合にいずれのオブジェクトを正面側にするかに関する情報を考慮できるようなキーフレーム情報102を算出できる。
【0083】
また、変換部130は、キーフレーム情報102を参照して、レイヤー毎に、動画101を正面から見た場合におけるレイヤー同士の正面及び背面の間の位置関係が階層情報に従う位置関係となるように、レイヤーに対応するオブジェクトに対してタグを生成しても良い。
【0084】
この構成によれば、情報処理装置10は、動画101に含まれる複数のレイヤーについて、レイヤーに対応するオブジェクト同士が重なった場合にいずれのオブジェクトを正面側にするかに関する情報を考慮して手間を削減しつつタグを生成できる。
【符号の説明】
【0085】
10…情報処理装置、101…動画、102…キーフレーム情報、103…データファイル、110…取得部、120…算出部、130…変換部、150…再生部