(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024140710
(43)【公開日】2024-10-10
(54)【発明の名称】業務支援システム、作業管理システム及び業務支援方法
(51)【国際特許分類】
G06Q 10/0639 20230101AFI20241003BHJP
【FI】
G06Q10/0639
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023052011
(22)【出願日】2023-03-28
(71)【出願人】
【識別番号】593063161
【氏名又は名称】株式会社NTTファシリティーズ
(74)【代理人】
【識別番号】110001634
【氏名又は名称】弁理士法人志賀国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】忽那 秀治
(72)【発明者】
【氏名】澤田 敏伸
【テーマコード(参考)】
5L010
5L049
【Fターム(参考)】
5L010AA06
5L049AA06
(57)【要約】
【課題】入退管理システムと作業管理システムを、点検業務などの作業を管理する際の利便性をより高める。
【解決手段】業務支援システムは、作業対象が含まれる領域に対する作業員の入退を管理する入退管理システムと、前記領域内の作業に係る作業計画を管理する作業管理システムと、を互いを連携させる業務支援システムであって、前記入退管理システムは、前記領域内の滞在時間を算出可能な情報を出力し、前記作業管理システムは、少なくとも作業計画の作業に係る時間と、前記領域内の滞在時間とを対比した結果に基づいて、作業計画の作業に係る時間と、前記領域内の滞在時間の相関性が低い履歴を抽出する。
【選択図】
図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
作業対象が含まれる領域に対する作業員の入退を管理する入退管理システムと、
前記領域内の作業に係る作業計画を管理する作業管理システムと、
を互いを連携させる業務支援システムであって、
前記入退管理システムは、
前記領域内の滞在時間を算出可能な情報を出力し、
前記作業管理システムは、
少なくとも作業計画の作業に係る時間と、前記領域内の滞在時間とを対比した結果に基づいて、作業計画の作業に係る時間と、前記領域内の滞在時間の相関性が低い履歴を抽出する
業務支援システム。
【請求項2】
前記作業管理システムは、
少なくとも作業計画の作業に係る時間に対する、前記領域内の滞在時間の比率を指標に用いて、作業計画の作業に係る時間と、前記領域内の滞在時間の相関性が低い履歴を抽出する
請求項1に記載の業務支援システム。
【請求項3】
前記作業管理システムは、
少なくとも作業計画の作業に係る時間に対する前記領域内の滞在時間の比率が「0」であった場合には、必要な作業ができなかったことを表示する
請求項2に記載の業務支援システム。
【請求項4】
前記作業管理システムは、
少なくとも作業計画の作業に係る時間に対する前記領域内の滞在時間の比率が「0」であるべき領域において、当該領域の比率が「0」でなかった場合には、緊急な処理を要する事象が発生した可能性があることを表示する
請求項2に記載の業務支援システム。
【請求項5】
作業対象が含まれる領域に対する作業員の入退を管理する入退管理システムによって管理されている領域があり、
前記領域内の作業に係る作業計画を管理する作業管理システムであって、
前記入退管理システムから、前記領域内の滞在時間を算出可能な情報を取得し、
少なくとも作業計画の作業に係る時間と、前記領域内の滞在時間とを対比した結果に基づいて、作業計画の作業に係る時間と、前記領域内の滞在時間の相関性が低い履歴を抽出するサーバ装置
を備える作業管理システム。
【請求項6】
作業対象が含まれる領域に対する作業員の入退を管理する入退管理システムと、
前記領域内の作業に係る作業計画を管理する作業管理システムと、
を互いを連携させる業務支援方法であって、
前記入退管理システムに、前記領域内の滞在時間を算出可能な情報を出力させ、
前記作業管理システムによって、少なくとも作業計画の作業に係る時間と、前記領域内の滞在時間とを対比した結果に基づいて、作業計画の作業に係る時間と、前記領域内の滞在時間の相関性が低い履歴を抽出させる
業務支援方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、業務支援システム、作業管理システム及び業務支援方法に関する。
【背景技術】
【0002】
建物内に入場管理が必要な領域が複数設けられていて、各領域に各種設備が夫々設けられていることがある。これらの設備又は建物の点検を行う際に、作業員の入場管理が必要になる。管理対象としてこのような建物を複数有することがある。
「入退管理システム」は、各領域の入退場を管理する。例えば、入退出を許可する者に認証用のカードを支給しておき、所定の領域に入場する際に所定のカードを専用端末に読み取らせることで、入退管理システムがその者の入場を許可する。これに対して、所定のカードを提示できない一般者の入場を制限できる。
「作業管理システム」を利用して、業務の作業計画に基づいて、作業計画通りに遂行されるように個別に管理することがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
作業管理システムを利用して、作業計画に基づいた作業を管理していても、作業完了を自己申告する運用の場合、正確な作業完了報告がなされているのかの判断が困難な場合があった。
【0005】
本発明が解決しようとする課題は、入退管理システムと作業管理システムを、点検業務などの作業を管理する際の利便性をより高めることを支援する業務支援システム、作業管理システム及び業務支援方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
(1)本発明の一態様の業務支援システムは、作業対象が含まれる領域に対する作業員の入退を管理する入退管理システムと、前記領域内の作業に係る作業計画を管理する作業管理システムと、を互いを連携させる業務支援システムであって、前記入退管理システムは、前記領域内の滞在時間を算出可能な情報を出力し、前記作業管理システムは、少なくとも作業計画の作業に係る時間と、前記領域内の滞在時間とを対比した結果に基づいて、作業計画の作業に係る時間と、前記領域内の滞在時間の相関性が低い履歴を抽出する業務支援システムである。
(2)上記の業務支援システムにおいて、前記作業管理システムは、少なくとも作業計画の作業に係る時間に対する、前記領域内の滞在時間の比率を指標に用いて、作業計画の作業に係る時間と、前記領域内の滞在時間の相関性が低い履歴を抽出する。
(3)上記の業務支援システムにおいて、前記作業管理システムは、少なくとも作業計画の作業に係る時間に対する前記領域内の滞在時間の比率が「0」であった場合には、必要な作業ができなかったことを表示する。
(4)上記の業務支援システムにおいて、前記作業管理システムは、少なくとも作業計画の作業に係る時間に対する前記領域内の滞在時間の比率が「0」であるべき領域において、当該領域の比率が「0」でなかった場合には、緊急な処理を要する事象が発生した可能性があることを表示する。
(5)本発明の一態様の作業管理システムは、作業対象が含まれる領域に対する作業員の入退を管理する入退管理システムによって管理されている領域があり、前記領域内の作業に係る作業計画を管理する作業管理システムであって、前記入退管理システムから、前記領域内の滞在時間を算出可能な情報を取得し、少なくとも作業計画の作業に係る時間と、前記領域内の滞在時間とを対比した結果に基づいて、作業計画の作業に係る時間と、前記領域内の滞在時間の相関性が低い履歴を抽出するサーバ装置を備える作業管理システムである。
(6)本発明の一態様の業務支援方法は、作業対象が含まれる領域に対する作業員の入退を管理する入退管理システムと、前記領域内の作業に係る作業計画を管理する作業管理システムと、を互いを連携させる業務支援方法であって、前記入退管理システムに、前記領域内の滞在時間を算出可能な情報を出力させ、前記作業管理システムによって、少なくとも作業計画の作業に係る時間と、前記領域内の滞在時間とを対比した結果に基づいて、作業計画の作業に係る時間と、前記領域内の滞在時間の相関性が低い履歴を抽出させる業務支援方法である。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、入退管理システムと作業管理システムを、点検業務などの作業を管理する際の利便性をより高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1A】実施形態の業務支援システム1の適用例を示す説明図である。
【
図1B】実施形態の業務支援システム1の構成例を示す説明図である。
【
図2】実施形態の入退管理システム2の適用例を示す説明図である。
【
図3】実施形態の作業管理システム3の適用例を示す説明図である。
【
図4】カード枚数が足りる場合の処理を説明するための図である。
【
図5A】カード枚数が足りない場合の処理を説明するための図である。
【
図5B】カード枚数が足りない場合の処理を説明するための図である。
【
図6】実施形態の作業及び作業時間の自律的に管理する処理のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、実施形態の業務支援システム、入退管理システム、入退管理システム及び業務支援方法を、図面を参照して説明する。なお、以下の説明では、同一又は類似の機能を有する構成に同一の符号を付す。そして、それらの構成の重複する説明は省略する場合がある。
【0010】
本実施形態における業務支援システムは、作業対象が含まれる領域(建物、部屋)に対する作業員の入退を管理する入退管理システムと、前記領域内の作業に係る作業計画を管理する作業管理システムと、を互いを連携させる業務支援システムであって、前記入退管理システムは、前記領域内の滞在時間を算出可能な情報を出力し、前記作業管理システムは、少なくとも作業計画の作業に係る時間と、前記領域内の滞在時間とを対比した結果に基づいて、作業計画の作業に係る時間と、前記領域内の滞在時間の相関性が低い履歴を抽出する業務支援システムである。
【0011】
図1Aは、実施形態による業務支援システム1の適用例を示す説明図である。
図1Bは、実施形態の業務支援システム1の構成例を示す説明図である。
【0012】
図1Aに示す施設の内部には、ワークステーションWSとワークステーションWSの近傍に複数の部屋(会議室A、会議室B等)が配置されている。
【0013】
上記の各部屋には、火災検知器、照明設備(灯具)、空気調和設備、誘導灯、非常灯などがそれぞれ設けられている。上記の火災検知器、照明設備(灯具)、空気調和設備、誘導灯、非常灯などは、定期的に点検が必要とされるものである。照明設備(灯具)、空気調和設備は、施設(建物)の環境を調整する各種装置を含んで構成されている。例えば、設備4には、照明設備、空気調和設備などの設備が含まれる。本実施形態の火災検知器、照明設備(灯具)、空気調和設備、誘導灯、非常灯は、予め定められた所定のエリア(領域)にそれぞれ対応付けられており、上記のエリア毎に動作状態を個別に制御することができるものとする。
上記の各部屋の入口には、ユーザ毎に各部屋への入退室を管理する入退管理システム2が設けられている。入退管理システム2のリモート装置22に識別情報を提示することにより、当該部屋への入場が許可されるように構成されている。
【0014】
例えば、入退管理システム2のセンサーとなるリモート装置22が、各部屋の出入口に対応させて、各部屋の出入口近傍にそれぞれ設けられている。例えば、予め定められた所定の領域(部屋等)内に入場を許可される人が制限されている。上記の入退管理システム2は、入室する権限を有する人が所定の領域(部屋等)内に入ることを許容して、入室する権限を有さない人が所定の領域(部屋等)内に入ることを制限する。このように、予め定められた所定の領域(部屋等)内に入場した人を管理する管理システムとして構成されている。
【0015】
例えば、業務支援システム1は、入退管理システム2と、作業管理システム3とを備える。
入退管理システム2と作業管理システム3は、互いに独立して構成されているコンピュータシステムをそれぞれ含み、ネットワークを介して互いに通信可能である。
【0016】
図2は、本発明の実施形態による入退管理システム2の適用例を示す説明図である。
入退管理システム2は、サーバ装置21、リモート装置22、及びカード23を備える。
リモート装置22は、無線信号が到達する範囲にあるカード23を検出して、検出結果を出力する。例えば、リモート装置22は、施設内の設けられた部屋の出入口付近の壁などに設けられる。リモート装置22は、予め定められた電界強度の無線信号を所定の周期で間欠的に放出して、周期的に放出した後にカード23が送信する信号を傍受する。リモート装置22は、カード23が送信する無線信号を検出した場合、検出した無線信号からカード23の識別情報を抽出してサーバ装置21に供給する。カード23は、リモート装置22から送信される無線信号を検出して、検出した結果に応じて、自身の識別情報を無線信号に乗せて送信する。
【0017】
上記のとおり、リモート装置22は、無線信号が届く所望の範囲までカード23がリモート装置22に接近したことを検出する。
また、このようなリモート装置22の識別情報を得たサーバ装置21は、カード23がリモート装置22の設置位置の近傍に存在することを検出する。これにより、カード23を保持するユーザU1が、リモート装置22が設けられた位置に接近し、対応する会議室に入室又は会議室から退出したとみなすことができる。サーバ装置21は、検出した結果を作業管理システム3に供給する。
なお、入退管理システム2における無線信号が届き通信可能な範囲は、カード23をリモート装置22に接するように、その近傍に寄せた程度の距離を範囲とする。
【0018】
実施形態の業務支援システム1は、入退管理システム2と、作業管理システム3とを連携させて、作業対象が含まれる領域(建物、部屋)に対する作業員の入退室を管理する。入退管理システム2は、作業対象が含まれる領域(建物、部屋)に対する作業員の入退を管理する。作業管理システム3は、領域内の作業に係る作業計画を管理する。
まず、入退管理システム2と、作業管理システム3のより詳細な具体例について順に説明する。
【0019】
(入退管理システム2)
建物には、例えば複数の部屋があり、各部屋の出入口には、入退出を検出可能なリモート装置22が設けられている。リモート装置22に識別情報を提示することにより、当該部屋への入場が許可されるように構成されている。
【0020】
各部屋の出入口に設けられたリモート装置22は、入場を許可すべき識別情報が提示されたことを検出した場合、これを提示した人の入場を許容する。これに対して、リモート装置22は、入場を許可すべき識別情報が提示されていることを検出できない場合、これを提示した人の入場を拒絶する。
【0021】
入退管理システム2は、識別情報を提示して出入口を通過する人の入退室を管理する。例えば、カード23内の記憶部23M(非表示)には、各種識別情報が保有されている。
許可登録された識別情報を保有するカードが入退管理システム2の出入口に提示されたことが、通行を要求する行為に伴って検出された場合に、入退管理システム2はそのカードを携行する人の通行を許可する。通行を要求する行為が検出されていても、許可登録された識別情報を保有するカードが入退管理システム2の出入口に提示されていないことを検出した場合に、入退管理システム2はその通行を制限する。
【0022】
この入退管理システム2は、カードの所在を管理する。このカードの所在の管理には、どのカードを誰が利用しているかなどの管理が含まれる。
例えば、入退管理システム2は、サーバ装置21と、リモート装置22とを備える。
サーバ装置21と、リモート装置22は、通信可能な状態に構成されている。
サーバ装置21は、入退管理システム2に係る処理のデータ収集処理と、データ管理処理と、外部装置との通信処理などを実施するコンピュータ装置である。例えば、サーバ装置21は、リモート装置22と、作業管理システム3と通信する。
【0023】
サーバ装置21は、リモート装置22が利用する通行許可データと、出入口を通過する人数などを抽出可能な入退履歴とを生成する。
【0024】
このように構成された入退管理システム2は、カードを利用した入場(入室)・退場(退室)をリモート装置22によって検出し、その入場(入室)・退場(退室)の履歴を記録する。これにより、誰が何時、カードを提示して出入口を通行したかの記録が残る。入退管理システム2は、この入場(入室)・退場(退室)の履歴(入退履歴)のデータを作業管理システム3に通知して解析させる。これについて後述する。
【0025】
例えば、入退管理システム2のサーバ装置21は、通行許可データ、カード情報データ、入退履歴などをサーバ装置21の記憶部に保持する。
入退管理システム2のリモート装置22は、通行許可データ、入退履歴などをリモート装置22の記憶部に保持する。
【0026】
上記のように、入退管理システム2は、作業対象が含まれる領域(建物、部屋)に対する作業員の入退を管理する。
入退管理システムのサーバ装置21は、例えば、取得部211と、入場許可データ生成部212と、リモート装置管理部213と、履歴通知部214と、記憶部215とを備える。
【0027】
取得部211は、作業計画に基づいて作業対象が含まれる領域に派遣する作業員の情報(人数)を作業管理システムから取得して、所得した情報を記憶部215に追加する。入場許可データ生成部212は、作業管理システム3から通知された作業計画と、その作業員の情報(人数)と、作業員によって提示された情報(カードID,パスワード)とに基づいて、当該作業員の入場を許可する入場許可データを生成する。リモート装置管理部213は、入場許可データをリモート装置22に通知する。リモート装置管理部213は、履歴情報をリモート装置22から取得する。履歴通知部214は、履歴情報を作業管理システム3に通知する。なお、作業管理システム3から通知される情報には、作業に係る作業計画と、その作業計画に関わる作業員の情報(人数)と、上記の情報(第1情報(カードID))が記録されたカードの利用人数(カード利用人数)とが含まれる。上記の作業計画には、作業の日時、場所、作業内容などが含まれる。
【0028】
(作業管理システム3)
□作業管理システム3は、各作業に対する作業員の割り付けと、現場で実施される各種作業(点検作業を含む)を管理する。
例えば、割り付けが未完了の各作業には、作業員の出勤予定、出勤状況、各作業への配置状況に応じて、適したスキルを有する作業員が割り付けられる。なお、作業の割り付け方法は、目的に応じて適宜選択してよい。作業管理システム3は、このような作業と作業員の割り付けを、作業計画に纏めて管理する。
【0029】
作業管理システム3は、予め定められた作業計画に基づいて、作業依頼を作業員に対し通知する。この通知は、例えば電子メイルなどを用いて行ってよい。これに制限されず、他の通知の手法を利用してよい。通知を受けた作業員は、サーバ装置31が管理する作業計画に関する情報を、端末装置32を用いて閲覧できる。端末装置32は、例えば、スマーフォン、タブレット端末装置、パーソナルコンピュータなどの電子機器である。
【0030】
また、作業管理システム3は、作業履歴を管理する。管理する情報に、作業日時や写真等の作業履歴の情報が含まれる。作業履歴の情報には、作業員が利用する端末装置32からの情報、入退管理システム2からの情報が含まれる。
【0031】
図4を参照して、作業計画で予定する作業に必要な人数に対して、入退場に利用できるカード23が十分にあり、作業員全員がこれを用いて入退場に認証を受ける場合について説明する。
図4は、実施形態のカード23のカード枚数が足りる場合の処理を説明するための図である。
【0032】
(カード貸出と準備処理)
入退管理システム2又は作業管理システム3は、作業時に携行させるカード23を、作業を予定する業者に貸し出す。このカード23には、カード23の識別情報又は業者の識別情報などが登録されていて、条件がそろえば外部から読み出し可能である。
【0033】
例えば、作業員用のカード23は、業者毎に管理されているとよい。
その業者は、複数の作業員を雇っていて、作業計画に従って作業を作業員に割り当てる。業者は、カード23を利用して入退場が管理される現場の作業に割り当てられた作業員に、その作業時に携行させるカード23を貸与する。作業員は、このカード23を携行して現場に向かうことで、前述の入退管理システム2によって入退場が管理される領域内に入場できる。
【0034】
業者は、作業計画を作成して、作業管理システム3にその作業計画のデータを供給する。作業管理システム3は、作業管理システム3の記憶部内のリストに、作業計画のデータを追加する。業者は、作業の予定日(作業日)に、予定の作業員にこのカード23を支給して、これを携行させて、作業が終わればそのカード23を回収するとよい。
【0035】
(所定のカード23がない場合の基本的な処理の流れ)
まず、所定のカード23がない場合を例示して、基本的な処理について説明する。
入退管理システム2において、失念などの理由で所定のカード23を用意できず偽装カードの利用を検出した場合には、そのリモート装置22が、その偽装カードを所持している利用者の入場を制限する(S12)。そして、そのリモート装置22は、このような事象もサーバ装置21に送り、サーバ装置21は入退管理システム2の履歴情報に追加してもよい(S13)。
【0036】
(カード23のカード枚数が足りている場合の基本的な処理の流れ)
まず、カード23のカード枚数が足りている場合を例示して、基本的な処理について説明する。
作業管理システム3の端末装置32は、作業計画の追加・変更に関する情報と作業の依頼情報とを受け付けて(S21)、これの応答をサーバ装置31に送る。サーバ装置31は、作業計画の情報を更新する(S22)。
【0037】
サーバ装置31は、作業計画に関する情報を、入退管理システム2に通知する(S23)。例えば、作業計画に関する情報には、作業計画に係る作業対象が含まれる領域の情報と、その領域に派遣する作業員の情報(人数)などが含まれていてよい。
【0038】
上記のとおり、作業管理システム3は、作業に係る作業計画と、その作業計画に関わる作業員の情報(人数)と、上記の情報(第1情報(カードID))が記録されたカード23の利用人数(カード利用人数)とを、入退管理システム2に通知することで、入退管理システム2による入退場の管理を可能にしている。
【0039】
(カード23のカード枚数が足りている場合の入場管理処理)
カード23のカード枚数が足りている場合の入退管理システム2による入場管理処理について説明する。
入退管理システム2のサーバ装置21は、作業員の情報(人数)がカード利用人数に等しいことの通知を受けて(S24)、これを承認してサーバ装置21の記憶部に保持させて、さらにリモート装置22にこの管理情報を通知する(S25)。リモート装置22は、この管理情報を受け付けて(S26)、リモート装置22の内部の記憶部に追加して、作業計画に基づいた作業日の入場に備える。
【0040】
入退管理システム2は、作業計画の日になると、リモート装置22による認証処理を活性化させる。
活性化されたリモート装置22は、所定の条件を満たす所定のカード23が提示されると、これを検出して当該作業員の入場を許可する(S31)。この所定の条件には、作業管理システム3から通知された作業計画と、その作業員の情報(人数)と、作業員によって提示された情報(カードID)などの情報が所定の範囲内で一致することなどが含まれていてよい。リモート装置22は、この認証処理を入場処理の中で実施する。リモート装置22は、認証の条件が満たされた際に、出入口を開く。
【0041】
なお、リモート装置22は、入場を許可した、又は拒絶したなどの履歴を時系列情報にして、サーバ装置21に通知して、サーバ装置21の記憶部にこれを記憶させる(S32)。
【0042】
入場が許可された作業員は、作業計画によって予定された作業現場に向かい、予定作業を実施する。
【0043】
なお、この日の作業計画に登録されている作業場所は、複数であってもよい。複数の作業場所の作業が登録されていれば、作業計画によって指定される順に作業を実施するとよい。
作業員は、この日の作業計画に登録されている作業を終えると、各作業員は現場を離れて、作業場所から退場する。
この退場の際に、各作業員は、上記の入場の場合と同様に、リモート装置22による認証処理を受ける。リモート装置22は、この認証処理を退出処理の中で実施する。リモート装置22は、認証の条件が満たされた際に、出入口を開く(S33)。
【0044】
なお退場が許可された作業員は、作業計画によって予定された作業を無事終えて帰路につく。この作業員は、次の作業の作業計画などにより次の現場の作業に向かってもよい。
【0045】
リモート装置22は、退場を許可した、又は拒絶したなどの履歴を時系列情報にして、サーバ装置21に通知して、サーバ装置21の記憶部にこれらの情報を記憶させる(S34)。
【0046】
(入場履歴情報の通知処理)
入退管理システム2のサーバ装置21は、作業管理システム3のサーバ装置31に対して、作業対象の領域に入場した人の情報と、作業対象の領域に入場していた入場履歴情報(領域、時間)とを通知する(S41)。
【0047】
(作業履歴管理処理)
作業管理システム3のサーバ装置31は、作業対象の領域に入場した人の情報(人数)と、作業対象の領域に入場していた入場履歴情報(領域、時間)とを受け付けて(S42)、解析用のデータとしてサーバ装置31の記憶部に記録する。
サーバ装置31は、端末装置32からの要求に応じて、要求に応じた期間の入退場の情報を抽出して、これに基づいた閲覧画面を生成する(S43)。サーバ装置31は、これを端末装置32に送り、その端末装置32の表示部に表示させる(S44)。
以上の手順により、入退管理システム2は、作業員によるデータ登録にための手を煩わすことなく、作業計画の情報に基づいて、その作業計画の作業に携わる作業員の情報を獲得できる。
【0048】
(利用できるカード23のカード枚数が足りない場合について)
ところで、作業計画で予定する作業に必要な人数に対して、利用できるカード枚数が足りず、割り当てられないことがある。
以下、
図5Aと
図5Bを参照して、この場合について説明する。
図5Aと
図5Bは、実施形態のカード枚数が足りない場合の処理を説明するための図である。
カード枚数が足りない場合の処理について、上記のカード枚数が足りている場合の処理との相違点を中心に説明する。
【0049】
(カード23のカード枚数が足りない場合の基本的な処理の流れ)
【0050】
作業管理システム3の端末装置32は、作業計画の追加・変更に関する要求を受け付けて(S21)、これをサーバ装置31に送る。サーバ装置31は、作業計画の情報を更新する(S22)。カード23のカード枚数が足りない場合には、作業員の人数(M)と、利用されるカードの枚数(N)を分けて管理する必要がある。NとMは、自然数であり、本実施形態の場合、NがMよりも小さい値になる。
【0051】
サーバ装置31は、作業計画に関する情報を、入退管理システム2に通知する(S23)。例えば、作業計画に関する情報には、作業計画に基づいて作業対象が含まれる領域に派遣する作業員の情報(人数M)とカード23のカード枚数(N)の情報とが含まれる。
【0052】
上記のとおり、作業管理システム3は、作業に係る作業計画と、その作業計画に関わる作業員の情報(人数M)と、上記の情報(第1情報(カードID))が記録されたカード23の利用人数(カード利用人数N)とを、入退管理システム2に通知することで、入退管理システム2による入退場の管理を可能にしている。
【0053】
なお、「その作業計画に関わる作業員の情報(人数M)」と、「カード23の利用人数(カード利用人数N)」との組み合わせに変えて、「その作業計画に関わる作業員の情報(人数M)」と、作業員の中で「カード23を利用しない人数と」の組み合わせに代えてもよい。
【0054】
(カード23のカード枚数が足りない場合の入場管理処理)
入退管理システム2による入場管理処理について説明する。
ところで、比較例のことであるが、作業員の情報(人数)がカード利用人数を超えると、カード23の不足によりカード23を携行できない作業員が生じることになる。このような状況になると作業計画に基づいた作業員を派遣できないことになる。
そこで、入退管理システム2は、作業員の情報(人数)がカード利用人数を超えることの通知を受けた場合には、パスワード認証による入退場管理を併用するようにした。入退管理システム2は、カード23の不足によりカード23を携行できない作業員に対してパスワードを発行して、このパスワードを用いた認証を実施するように作業計画に基づいた作業日の入場に備える。
【0055】
例えば、入退管理システム2のサーバ装置21は、作業管理システム3から通知された作業計画と、その作業員の情報(人数)と、作業員によって提示された情報(カードID,パスワード)を受け付けて(S24A)、これを承認して記憶部に保持させて、さらにリモート装置22にこの管理情報を通知する(S25A)。リモート装置22は、この管理情報を受け付けて(S26A)、その内部の記憶部に追加して、作業計画に基づいた作業日の入場に備える。
【0056】
入退管理システム2は、例えば作業計画の日になると、リモート装置22による認証処理を活性化させる。
活性化されたリモート装置22は、所定の条件を満たす所定のパスワードが提示されると、これを検出して当該作業員の入場を許可する(S35)。
【0057】
なお、この所定の条件には、作業管理システム3から通知された作業計画と、その作業員の情報(人数)と、作業員によって提示された情報(カードID)などの情報が所定の範囲内で一致することなどが含まれていてよい。より具体的に示すと、上記の所定の条件は、「作業管理システム3が通知した、作業に係る作業計画と、その作業計画に関わる作業員の情報(人数)と、上記の情報(第1情報(カードID))が記録されたカードの利用人数(カード利用人数)の情報と、パスワードの利用人数(パスワード利用人数)の情報とが整合していること」であってもよい。この関係を式(1)に示す。
【0058】
(作業計画に関わる作業員の人数)=カード利用人数+パスワード利用人数 (1)
【0059】
つまり、作業計画に関わる作業員の人数をN人、カード利用人数をM人とすれば、パスワード利用人数は(N-M)人になる。
【0060】
上記の場合、(N-M)人の作業員にパスワード利用が許可されていて、リモート装置22は、これに応じてパスワードを利用する認証処理を入場処理の中で実施する。リモート装置22は、認証の条件が満たされた際に、出入口を開く。
【0061】
なお、リモート装置22は、これと並行して、前述のカード認証による入退場管理の処理を実施する(S31,S33)。
【0062】
パスワード認証を利用した退場管理の処理は、カード認証による退場管理の処理と同様である。リモート装置22は、パスワード利用の認証の条件が満たされた際に、出入口を開く(S37)。リモート装置22は、退場を許可した、又は拒絶したなどの履歴を時系列情報にして、サーバ装置21に通知して、サーバ装置21の記憶部にこれを記憶させる(S38)。
【0063】
(パスワード利用時の入場履歴情報の通知処理)
入退管理システム2のサーバ装置21は、作業管理システム3のサーバ装置31に対して、作業対象の領域に入場した人の情報(人数=カード利用+パスワード利用)と、作業対象の領域に入場していた履歴情報(領域、時間)とを通知する(S41A)。
【0064】
(作業履歴管理処理)
作業管理システム3のサーバ装置31による作業履歴管理処理は、前述と同様である。
【0065】
上記のように、カード枚数が足りない場合には、パスワード利用の認証処理を併用することで、入退管理システムと作業管理システムを、点検業務などの作業に利用する際の利便性をより高めるようにした。
【0066】
上記の実施形態によれば、入退管理システム2は、作業対象が含まれる領域(建物、部屋)に対する作業員の入退を管理する。サーバ装置21は、その領域内の作業に係る作業計画を管理する作業管理システム3から、少なくとも作業に係る作業計画と、前記作業計画の作業に係り入場予定の作業員の情報(人数)と、前記領域内へ領域内への入場が許可されていることを識別可能な情報(第1情報(カードID))が記録されたカードの利用人数(カード利用人数)に対応付けられた情報とを取得する。
リモート装置22は、上記の作業管理システム3から通知された情報と、作業計画の作業に係る入場の際に作業員によって提示された情報(カードID,パスワード)とに基づいて、当該作業員の入場を許可するとよい。
【0067】
さらに、入退管理システム2は、作業員の情報(人数)がカード利用人数に等しいことの通知を受けた場合には、これを受け付けて、作業員の情報(人数)がカード利用人数を超えることの通知を受けた場合には、カードの不足によりカードを携行できない作業員に対してパスワードを発行して、このパスワードを用いた認証を実施するとよい。
【0068】
上記の実施形態の業務支援システム1は、作業対象が含まれる領域に対する作業員の入退を管理する入退管理システム2と、前記領域内の作業に係る作業計画を管理する作業管理システム3と、を互いを連携させる。この場合の作業管理システム3は、少なくとも作業に係る作業計画と、作業計画の作業に係り入場予定の作業員の情報(人数)と、前記領域内への入場が許可されていることを識別可能な情報が記録されたカードの利用人数(カード利用人数)に対応付けられた情報とを、入退管理システム2に通知する。入退管理システム2は、これを受け、作業計画と作業計画の作業に係り入場予定の作業員の情報(人数)と前記カードの利用人数とを含む前記作業管理システムから通知された情報を取得して、前記作業管理システムから通知された情報と、前記作業計画の作業に係る入場の際に作業員によって提示された情報(カードID,パスワード)とに基づいて、当該作業員の入場を許可するとよい。
【0069】
さらに、ここに示す業務支援システム1は、作業及び作業時間を自律的に管理することを可能にする。以下、これについて事例を挙げて説明する。
【0070】
本実施形態の比較例には、作業及び作業時間の管理に以下の特徴があった。
・作業時間を作業員の自主申告にしていた。
・作業現場の建物単位で作業時間を管理できていても、部屋単位での作業時間までの管理を行っていないことがあった。
・作業現場の建物内に複数個所の作業があっても、実際の作業順序まで管理していないことがあった。
・作業計画に登録されている作業が実施されないという、作業の抜けがあっても、作業員の作業報告から判断が困難な場合があった。例えば、作業員の思い込みで作業が未実施の状態で作業報告を書いても、作業の抜けは報告されないことが生じうる。
【0071】
そこで、業務支援システム1が以下の処理を実施することにより、作業及び作業時間の管理における上記の課題を解消させる。
【0072】
・カード貸出状況と入退履歴から点検に伴う入退履歴を抽出
・入退履歴から各部屋の点検にかかった時間を自動算出
・入退履歴から各部屋の点検状況をチェック
【0073】
以下、
図6を参照して、これらの処理について説明する。
図6は、実施形態の作業及び作業時間の自律的に管理する処理のフローチャートである。
【0074】
(カード貸出状況と入退履歴から点検に伴う入退履歴を抽出)
作業管理システム3は、一般的な利用の入(退)室と、点検(点検作業)を目的とした入(退)室を、以下の方法で区分する。
【0075】
作業管理システム3のサーバ装置31は、必要により入退管理システム2から入退履歴情報を取得する(SW11)。なお、サーバ装置31は、解析対象の入退履歴情報をすでに取得済みのものを利用してもよい。
【0076】
作業管理システム3は、カード貸出状況に基づいて全ての入退履歴の中から、点検に伴う入退履歴を抽出する。
例えば、サーバ装置31は、作業を実施した業者・作業員を特定し(SW12)、これに係る業者又は作業員が利用したカードのカードIDを特定する(SW13)。
【0077】
これにより、カード貸出状況の情報の中から、カードを貸し出している業者を特定できる。抽出された業者が、該当の作業を実施する業者であるか否かを識別し、その結果により、抽出された業者が、該当の作業を実施する業者であった場合に、以下の解析処理を進める。
【0078】
サーバ装置31は、全体の入退履歴の中から、その特定のカードを利用する入退履歴を、点検に伴う入退履歴として抽出する(SW14)。
【0079】
(入退履歴から各部屋の点検にかかった時間を自動算出)
サーバ装置31は、上記の処理によって抽出された、点検に伴う入退履歴のそれぞれについて、入室から退出までの時間(滞在時間)を算出して(SW15)、これを各部屋の点検にかかった時間とする。
【0080】
(入退履歴から各部屋の点検状況をチェック)
サーバ装置31は、上記の滞在時間について、作業計画に基づいた標準作業時間との整合性を評価する(SW16)。
【0081】
例えば、点検作業の場合、単位作業の標準工数に対し実際の工数の相関性が高い。作業量から作業計画に基づいた標準作業時間を見積もることができる。この評価は、滞在時間と、作業計画に基づいた標準作業時間との比率を指標に利用してもよい。見積通りであればその比率が「1」になり、効率よく作業できれば「1」未満になり、効率が悪ければ「1」を超えることになる。ただし、極端に「1」を下回る場合には、作業の抜けがないか、予定とは異なる手順で作業を行っていないかなどの検証を実施するとよい。
また、本来その比率が「0」以外になるべきところに、「0」であった場合には、その部屋に立ち寄れずに、必要な作業ができなかったことがわかる。また、その逆に、その比率が「0」になるべきところに、「0」以外であった場合には、本来立ち寄らずに済む部屋(領域)に、処理すべき事象が発生して緊急に処理した記録として利用できる。
【0082】
上記のように「単位作業の標準工数」が定められた作業以外の作業に適用する場合には、履歴情報などの過去のデータから平均作業時間を算出して、これを利用するとよい。
【0083】
上記のように、入退履歴から抽出した滞在時間を利用して、各部屋の点検状況を評価して、その結果が異常値になった作業を抽出して(SW17)、これを表示させるとよい。
【0084】
上記のSW17の処理を、作業計画による作業の終了時刻又はその終了時刻を基準に定めた所定の時刻に実施することで、該当する作業の再確認を促す情報を、作業員が現場(建物)から離れる前に伝えることができる。作業が立て込んでいて又は現地の状況などにより、後回しにした作業があっても、これを失念することなく確実に作業を行うよう、作業員を支援することができる。
【0085】
少なくとも上記の実施形態によれば、業務支援システム1は、作業対象が含まれる領域に対する作業員の入退を管理する入退管理システムと、前記領域内の作業に係る作業計画を管理する作業管理システムと、を互いを連携させる業務支援システムであって、前記入退管理システムは、前記領域内の滞在時間を算出可能な情報を出力し、前記作業管理システムは、少なくとも作業計画の作業に係る時間と、前記領域内の滞在時間とを対比した結果に基づいて、作業計画の作業に係る時間と、前記領域内の滞在時間の相関性が低い履歴を抽出することにより、入退管理システムと作業管理システムを、点検業務などの作業を管理する際の利便性をより高めることができる。
【0086】
本実施形態の業務支援システム1は、入退管理システム2と作業管理システム3を連携させたことにより、下記のことを実現する。
・入退室登録作業を低減(自動連係により個別登録作業不要)
・点検記録作業の低減(自動連係により点検日時等の個別記録不要)
・誤登録の防止(実施していない作業の誤登録防止)
・セキュリティ向上(許可カードの目的外の利用を抑制)
【0087】
さらに、業務支援システム1を適用することにより、下記のことが可能になる。
・点検に必要なカード23を事前に配布(登録時間外の利用が無効化される。)
・作業管理システム3上に作業実績が登録される。
・自動でカード23の許可・属性データの登録が実施される。
・入退履歴情報から作業管理システム3の作業履歴を自動で生成して登録される。
【0088】
情報管理の上で、下記の効果が見込める。
・貸出するカード枚数が明確になる。
・点検作業が登録されている期間に限りカード23を使える状況になる。
・カード23の実際の利用者氏名を作業履歴等に関連付けできる(併せて、個人の作業履歴の作成が容易になる。)
・点検日時を正確に自動で記録できる。
・入退履歴に通行目的(定期点検など)も自動で記録できる。
【0089】
以上、本発明の実施形態について説明したが、業務支援システム1と、入退管理システム2と、作業管理システム3は、内部にコンピュータシステムを有している。そして、上述した処理に関する一連の処理の過程は、プログラムの形式でコンピュータ読み取り可能な記憶媒体に記憶されており、このプログラムをコンピュータが読み出して実行することによって、上記処理が行われる。ここで、コンピュータ読み取り可能な記憶媒体とは、磁気ディスク、光磁気ディスク、CD-ROM、DVD-ROM、半導体メモリなどをいう。また、このコンピュータプログラムを通信回線によってコンピュータに配信し、この配信を受けたコンピュータが当該プログラムを実行するようにしてもよい。また、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSなども含むものとする。
【0090】
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明の実施形態は上記のものに限定されない。例えば、各実施形態とその変形例に例示した手法は、例示した組み合わせ以外の組みにしてもよい。また、本発明の実施形態は、上記の実施形態を次のように変形したものとすることができる。
例えば、ここで例示する灯具の出力の大きさ、種類などは、一例であり、適宜変更してよい。
【0091】
なお、入退管理システム2と作業管理システム3を、それぞれ別のコンピュータシステムで構成した事例について説明したが、これに制限されることなく、共通するハードウエア、OS上に入退管理システム2と作業管理システム3を構成してもよい。
【0092】
構成例:
[1]一態様の業務支援システムは、作業対象が含まれる領域(建物、部屋)に対する作業員の入退を管理する入退管理システムと、前記領域内の作業に係る作業計画を管理する作業管理システムと、を互いを連携させる業務支援システムであって、前記入退管理システムは、前記領域内の滞在時間を算出可能な情報を出力し、前記作業管理システムは、少なくとも作業計画の作業に係る時間と、前記領域内の滞在時間とを対比した結果に基づいて、作業計画の作業に係る時間と、前記領域内の滞在時間の相関性が低い履歴を抽出する業務支援システムである。
[2]上記[1]に記載の業務支援システムにおいて、前記作業管理システムは、少なくとも作業計画の作業に係る時間に対する、前記領域内の滞在時間の比率を指標に用いて、作業計画の作業に係る時間と、前記領域内の滞在時間の相関性が低い履歴を抽出する。
[3]上記[1]又は[2]に記載の業務支援システムにおいて、前記作業管理システムは、少なくとも作業計画の作業に係る時間に対する前記領域内の滞在時間の比率が「0」であった場合には、必要な作業ができなかったことを表示する。
[4]上記[2]又は[3]に記載の業務支援システムにおいて、前記作業管理システムは、少なくとも作業計画の作業に係る時間に対する前記領域内の滞在時間の比率が「0」であるべき領域において、当該領域の比率が「0」でなかった場合には、緊急な処理を要する事象が発生した可能性があることを表示する。
【符号の説明】
【0093】
1 業務支援システム
2 入退管理システム
3 作業管理システム
21、31 サーバ装置
22 リモート装置
23 カード
32 端末装置