(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024140717
(43)【公開日】2024-10-10
(54)【発明の名称】会議支援システム及び会議支援方法
(51)【国際特許分類】
G06Q 10/109 20230101AFI20241003BHJP
【FI】
G06Q10/109
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023052018
(22)【出願日】2023-03-28
(71)【出願人】
【識別番号】000005326
【氏名又は名称】本田技研工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001081
【氏名又は名称】弁理士法人クシブチ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】横山 朔
【テーマコード(参考)】
5L010
5L049
【Fターム(参考)】
5L010AA12
5L049AA12
(57)【要約】
【課題】オンライン会議に移動体から参加する複数の会議参加者の移動体内における状況等を他の会議参加者に通知して、会議参加者間のコミュニケーションの向上に寄与する。
【解決手段】会議支援システムは、同じ移動体に搭乗する複数の乗員が同じオンライン会議に参加していることを検知する検知部と、前記複数の乗員が前記移動体の同じ室内空間にいることを示す室内画像を生成する生成部と、前記室内画像を、前記オンライン会議に参加している会議参加者の端末装置へ送信する送信部と、を備える。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
同じ移動体に搭乗する複数の乗員が同じオンライン会議に参加していることを検知する検知部と、
前記複数の乗員が前記移動体の同じ室内空間にいることを示す室内画像を生成する生成部と、
前記室内画像を、前記オンライン会議に参加している会議参加者の端末装置へ送信する送信部と、
を備える、会議支援システム。
【請求項2】
前記生成部は、前記移動体の前記室内空間を示す室内空間画像に、前記複数の乗員のそれぞれ表す乗員表示を重畳して、前記室内画像を生成する、
請求項1に記載の会議支援システム。
【請求項3】
前記検知部は、前記オンライン会議に出席している前記複数の乗員のそれぞれの、前記移動体の室内における位置を特定し、
前記生成部は、前記移動体の前記室内空間を示す室内空間画像上において、前記複数の乗員のそれぞれに対応する位置に当該乗員を表す乗員表示を重畳して、前記室内画像を生成する、
請求項1に記載の会議支援システム。
【請求項4】
前記検知部は、前記移動体の種類、型式、定員数、又は座席配置を含む前記移動体の属性を特定し、
前記生成部は、前記移動体の属性に基づいて前記室内画像に用いる前記室内空間画像を決定する、
請求項2に記載の会議支援システム。
【請求項5】
前記室内画像に重畳される前記乗員表示は、対応する乗員を示すアイコン又は画像である、請求項2に記載の会議支援システム。
【請求項6】
前記検知部は、前記移動体に搭載された端末装置のそれぞれから前記オンライン会議に参加している複数の人物を、前記移動体から前記オンライン会議に参加している前記複数の乗員と判断する、
請求項1ないし5のいずれか一項に記載の会議支援システム。
【請求項7】
前記検知部は、
前記移動体の現在位置、及び前記オンライン会議に用いられる端末装置のそれぞれの現在位置を、所定の時間間隔で取得し、
所定の位置誤差の範囲内で前記移動体と同じ位置変化を示す前記端末装置を用いて前記オンライン会議に参加する人物を、前記移動体から前記オンライン会議に参加している前記複数の乗員と判断する、
請求項1ないし5のいずれか一項に記載の会議支援システム。
【請求項8】
前記検知部は、
前記移動体の加速度、及び前記オンライン会議に用いられる端末装置のそれぞれの加速度を、所定の時間間隔で取得し、
所定の誤差の範囲内で前記移動体と同じ加速度変化を示す前記端末装置を用いて前記オンライン会議に参加する人物を、前記移動体から前記オンライン会議に参加している前記複数の乗員と判断する、
請求項1ないし5のいずれか一項に記載の会議支援システム。
【請求項9】
前記検知部は、前記移動体に搭載されて前記移動体の室内を撮影するカメラからの画像に基づいて、前記移動体から前記オンライン会議に参加する前記複数の乗員を検知する、
請求項1ないし5のいずれか一項に記載の会議支援システム。
【請求項10】
前記検知部は、前記オンライン会議に参加する人物の端末装置から、当該人物が前記オンライン会議へ参加する際に搭乗している移動体についての情報を取得する、
請求項1ないし5のいずれか一項に記載の会議支援システム。
【請求項11】
会議支援システムが備えるコンピュータが行う会議支援方法であって、
同じ移動体に搭乗する複数の乗員が同じオンライン会議に参加していることを検知する検知ステップと、
前記複数の乗員が前記移動体の同じ室内空間にいることを示す室内画像を生成する生成ステップと、
前記室内画像を、前記オンライン会議に参加している会議参加者の端末装置へ送信する送信ステップと、
を含む、会議支援方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、会議支援システム及び会議支援方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、交通参加者の中でも高齢者や障がい者や子供といった脆弱な立場にある人々にも配慮した持続可能な輸送システムへのアクセスを提供する取り組みが活発化している。この実現に向けて車両の居住性に関する開発を通して交通の安全性や利便性をより一層改善する研究開発に注力している。
【0003】
特許文献1には、車両に搭載された、電子会議システムを構成する車載端末装置が開示されている。この車載端末装置では、車両の状態に応じて、相手側音声信号の車両内のスピーカからの出力又は非出力を切り替えたり、車両側音声信号の相手側端末装置への伝達又は非伝達を切り替える。
【0004】
特許文献2には、車両で移動する会議参加者の現在位置を把握し得るようにした車両用テレビ会議システムが開示されている。このテレビ会議システムでは、会議参加者が搭乗する車両の制御装置が自車両の現在位置を、他の会議参加者が搭乗する他の車両へ送信する。他の車両の制御装置は、表示装置の地図画面上に他の会議参加者の各車両の位置を表示すると共に、地図画面の横の参加者表示画面には、上記他の会議参加者の動画像を当該参加者の搭乗車両に関連付けて表示する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2022-129626号公報
【特許文献2】特開2005-333226号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、車両の居住性においては、車両の乗員がその車両からオンライン会議に参加する場合に、同じオンライン会議に参加する他の参加者がその車両内にいることや、参加者が運転者であるか又は乗客であるか等の状況を、車両外の他の参加者に把握してもらって、コミュニケーションの質を向上し得るようにすることが課題である。
【0007】
本願は上記課題の解決のため、オンライン会議において、複数の会議参加者が同一の移動体から参加していることや、移動体内における複数の参加者の状況等を、移動体外部の他の参加者が把握できるようにして、オンライン会議におけるコミュニケーションの質を向上することを目的としたものである。そして、延いては持続可能な輸送システムの発展に寄与するものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一の態様は、同じ移動体に搭乗する複数の乗員が同じオンライン会議に参加していることを検知する検知部と、前記複数の乗員が前記移動体の同じ室内空間にいることを示す室内画像を生成する生成部と、前記室内画像を、前記オンライン会議に参加している会議参加者の端末装置へ送信する送信部と、を備える、会議支援システムである。
本発明の他の態様によると、前記生成部は、前記移動体の前記室内空間を示す室内空間画像に、前記複数の乗員のそれぞれ表す乗員表示を重畳して、前記室内画像を生成する。
本発明の他の態様によると、前記検知部は、前記オンライン会議に出席している前記複数の乗員のそれぞれの、前記移動体の室内における位置を特定し、前記生成部は、前記移動体の前記室内空間を示す室内空間画像上において、前記複数の乗員のそれぞれに対応する位置に当該乗員を表す乗員表示を重畳して、前記室内画像を生成する。
本発明の他の態様によると、前記検知部は、前記移動体の種類、型式、定員数、又は座席配置を含む前記移動体の属性を特定し、前記生成部は、前記移動体の属性に基づいて前記室内画像に用いる前記室内空間画像を決定する。
本発明の他の態様によると、前記室内画像に重畳される前記乗員表示は、対応する乗員を示すアイコン又は画像である。
本発明の他の態様によると、前記検知部は、前記移動体に搭載された端末装置のそれぞれから前記オンライン会議に参加している複数の人物を、前記移動体から前記オンライン会議に参加している前記複数の乗員と判断する。
本発明の他の態様によると、前記検知部は、前記移動体の現在位置、及び前記オンライン会議に用いられる端末装置のそれぞれの現在位置を、所定の時間間隔で取得し、所定の位置誤差の範囲内で前記移動体と同じ位置変化を示す前記端末装置を用いて前記オンライン会議に参加する人物を、前記移動体から前記オンライン会議に参加している前記複数の乗員と判断する。
本発明の他の態様によると、前記検知部は、前記移動体の加速度、及び前記オンライン会議に用いられる端末装置のそれぞれの加速度を、所定の時間間隔で取得し、所定の誤差の範囲内で前記移動体と同じ加速度変化を示す前記端末装置を用いて前記オンライン会議に参加する人物を、前記移動体から前記オンライン会議に参加している前記複数の乗員と判断する。
本発明の他の態様によると、前記検知部は、前記移動体に搭載されて前記移動体の室内を撮影するカメラからの画像に基づいて、前記移動体から前記オンライン会議に参加する前記複数の乗員を検知する。
本発明の他の態様によると、前記検知部は、前記オンライン会議に参加する人物の端末装置から、当該人物が前記オンライン会議へ参加する際に搭乗している移動体についての情報を取得する。
本発明の他の態様は、会議支援システムが備えるコンピュータが行う会議支援方法であって、同じ移動体に搭乗する複数の乗員が同じオンライン会議に参加していることを検知する検知ステップと、前記複数の乗員が前記移動体の同じ室内空間にいることを示す室内画像を生成する生成ステップと、前記室内画像を、前記オンライン会議に参加している会議参加者の端末装置へ送信する送信ステップと、を含む、会議支援方法である。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、同じオンライン会議に同一の移動体から参加する複数の会議参加者の、移動体内における状況等を移動体外部の他の会議参加者に通知して、会議参加者間のコミュニケーションの質の向上に寄与することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】
図1は、本発明の一実施形態に係る会議支援システムの構成を示す図である。
【
図2】
図2は、会議支援システムを構成する会議サーバの構成を示す図である。
【
図3】
図3は、会議支援システムを構成する携帯端末の構成を示す図である。
【
図4】
図4は、会議支援システムを構成する移動端末装置の構成を示す図である。
【
図5】
図5は、会議参加者の端末装置に表示される室内画像の一例を示す図である。
【
図6】
図6は、会議参加者の端末装置に表示される室内画像の他の一例を示す図である。
【
図7】
図7は、会議参加者の端末装置に表示される室内画像の更に他の一例を示す図である。
【
図8】
図8は、会議支援システムの動作の手順を示すフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
[1.実施形態]
以下、図面を参照して本発明の実施形態について説明する。
[1.1 会議システムの構成]
図1は、本発明の一実施形態に係る会議支援システム1の構成を示す図である。会議支援システム1は、同じオンライン会議に同一の移動体2から参加する複数の会議参加者を検知して、それら複数の会議参加者の移動体2の室内における状況等を移動体2の外部の他の参加者に呈示する。
【0012】
移動体2は、本実施形態では、例えば、車両である。ただし、移動体2は、車両に限らず、乗員が登場するキャビン(乗員室)を備えて複数人が搭乗することのできる任意の移動体であり得る。そのような移動体は、乗用車、バス、タクシー等の陸上移動体のほか、船舶、潜水艇等の海洋移動体、eVTOL(Electric Vertical Take-Off and Landing aircraft)を含む航空機、飛行船等の空中移動体、あるいは、宇宙船、人工衛星などの宇宙移動体であってもよい。
【0013】
会議支援システム1は、オンライン会議の機能を提供する会議サーバ3と、オンライン会議に参加する会議参加者Um1、Um2、Um3が用いる携帯端末7m1、7m2、7m3と、を含む。携帯端末7m1、7m2、7m3は、例えば、スマートホンである。会議サーバ3と携帯端末7m1、7m2、7m3とは、通信ネットワーク5を介して通信可能に接続されている。
図1に示す例では、会議参加者Um1、Um2、Um3は、それぞれ、携帯端末7m1、7m2、7m3を持って移動体2に搭乗している。ここで、会議参加者Um1は、移動体2の運転者である。
【0014】
また、会議支援システム1は、会議参加者の端末装置として、例えば、在宅勤務で住宅6からオンライン会議に参加する会議参加者Uhの端末装置7h、及び又は、会社のオフィス会議室等の会議場所8からオンライン会議に参加する参加者グループUgが、その会議場所において共通に利用する端末装置7gを含み得る。端末装置7hは、例えば、表示装置60を備えたラップトップPCである。また、端末装置7gは、カメラ9により会議場所の参加者グループUgを撮影し、及び表示装置10により参加者グループUgに情報を表示する。端末装置7h、7gは、通信ネットワーク5を介して会議サーバ3と通信可能に接続されている。
【0015】
会議支援システム1は、更に、移動体2が備える情報提供装置11を含み得る。情報提供装置11は、コンピュータを備え、会議サーバ3からの要求により、移動体2の属性(後述)についての情報、移動体2の現在位置及び加速度の情報、並びに移動体2が備えるカメラ12が撮影する移動体2の室内の画像を、会議サーバ3へ送信する。
【0016】
また、会議支援システム1は、移動体2が備える移動端末装置7v1、7v2、7v3、7v4を含んでもよい。移動体2の乗員である会議参加者は、移動端末装置7v1、7v2、7v3、7v4を用いて、オンライン会議に参加することができる。例えば、会議参加者Um1、Um2、Um3は、携帯端末7m1、7m2、7m3に代えて、移動端末装置7v1、7v2、7v3を用いてオンライン会議に参加することができる。
【0017】
情報提供装置11及び移動端末装置7v1、7v2、7v3、7v4は、移動体2が備える第3通信装置51(後述)を介して通信ネットワーク5と通信可能に接続される。
【0018】
以下、携帯端末7m1、7m2、7m3又は移動端末装置7v1、7v2、7v3、7v4を用いて移動体2からオンライン会議に参加する会議参加者Um1、Um2、Um3を総称して、移動参加者Umともいうものとする。また、移動参加者Umと、その他の会議参加者である会議参加者Uh及び参加者グループUgに含まれる各会議参加者とを、総称して会議参加者Uというものとする。
【0019】
また、携帯端末7m1、7m2、7m3を総称して携帯端末7mともいい、移動端末装置7v1、7v2、7v3、7v4を総称して移動端末装置7vともいうものとする。また、携帯端末7mと、移動端末装置7vと、端末装置7h、7gと、を総称して端末装置7ともいうものとする。
【0020】
また、以下において、会議参加者Uが用いる端末装置7とは、参加者グループUgに含まれる各会議参加者については、これらの会議参加者が共通に用いる端末装置7gをいうものとする。
【0021】
以下、会議サーバ3、携帯端末7m、及び移動端末装置7vの構成について順次説明する。
【0022】
なお、端末装置7h及び7gは、従来技術に従い、オンライン会議に必要なソフトウェアプログラムが実行されることにより、対応する会議参加者Uの操作に応じて、後述するオンライン会議の設定情報を用いてオンライン会議にログインする。また、端末装置7h及び7gは、上記ログイン後は、従来技術に従い、それらの端末装置7h、7gが備える図示しないマイクロホン、スピーカ、キーボード等の入力装置、並びに表示装置(端末装置7gの場合は表示装置10)を用いて、会議サーバ3との間でオンライン会議に必要な予め定められた所定の会議動作である音声の授受や、会議資料データの授受、及び又は画像の授受などを行う。上記表示装置に表示される画像には、後述する会議サーバ3が配信する参加者表示の画像が含まれ得る。
【0023】
[1.2 会議サーバの構成]
図2は、会議サーバ3の構成を示す図である。
会議サーバ3は、第1プロセッサ20と、第1メモリ21と、第1通信装置22と、を有する。第1メモリ21は、例えば、揮発性及び又は不揮発性の半導体メモリ、及び又はハードディスク装置等により構成される。第1通信装置22は、会議サーバ3が通信ネットワーク5を介して外部装置と無線通信するための送受信器である。外部装置には、例えば、従来技術に従いオンライン会議の開催をサポートする会議サーバが含まれ得る。
【0024】
第1プロセッサ20は、例えば、CPU等を備えるコンピュータである。第1プロセッサ20は、プログラムが書き込まれたROM、データの一時記憶のためのRAM等を有する構成であってもよい。そして、第1プロセッサ20は、機能要素又は機能ユニットとして、管理部23と、検知部24と、生成部25と、配信部26と、を備える。配信部26は、機能要素又は機能ユニットとして、受信部27及び送信部28を含む。
【0025】
第1プロセッサ20が備えるこれらの機能要素は、例えば、コンピュータである第1プロセッサ20が、第1メモリ21に保存されたプログラムを実行することにより実現される。なお、プログラムは、コンピュータ読み取り可能な任意の記憶媒体に記憶させておくことができる。これに代えて、第1プロセッサ20が備える上記機能要素の全部又は一部を、それぞれ一つ以上の電子回路部品を含むハードウェアにより構成することもできる。
【0026】
管理部23は、オンライン会議の会議開催者から、任意の端末装置を介してオンライン会議の会議設定要求を受信する。会議設定要求には、開催日時と、会議参加者として招待する人物のメールアドレス及び又は会議場所のメールアドレスが含まれる。
【0027】
管理部23は、従来技術に従い、受信した開催通知を記憶して、そのオンライン会議の会議設定情報を会議開催者の端末装置へ送信する。会議設定情報には、上記設定したオンライン会議へのログイン情報が含まれる。会議開催者は、端末装置により、上記会議設定情報を含む会議開催通知を、そのオンライン会議への招待者及び又は会議場所のメールアドレスへ送信する。
【0028】
また、管理部23は、従来技術に従い、いずれかの端末装置から上記設定情報を用いたログイン要求を受信したときに、当該ログイン要求を送信して来た会議参加者の情報を、会議開催者の端末装置へ送信する。管理部23は、端末装置を介して会議開催者から上記会議参加者Uのログイン許可を受信したときは、後述する配信部26に対して、上記ログイン要求を送信した会議参加者の端末装置とのオンライン会議の情報の送受信を許可する。
【0029】
本実施形態では、特に、会議開催者が会議サーバ3へ送信する設定要求には、いずれかの会議参加者が、オンライン会議の開催日時において利用する予定の移動体へのアクセス情報が含まれる。これに加えて、会議設定要求には、移動体へのアクセス情報のほか、上記アクセス情報に紐づけられた移動体の識別情報(例えば、車両番号等)が含まれていてもよい。例えば、本実施形態では、会議参加者Um1が会議開催者となって、携帯端末7m1によりオンライン会議の会議設定要求を会議サーバ3へ送信する。この会議設定要求には、その会議参加者Um1が、そのオンライン会議の開催日時において利用予定の移動体2へのアクセス情報及び移動体2の識別情報が含まれる。
【0030】
検知部24は、同じ移動体に搭乗する複数の乗員が同じオンライン会議に参加していることを検知する。
例えば、検知部24は、オンライン会議に参加する人物の端末装置から、当該人物が上記オンライン会議へ参加する際に搭乗している移動体についての情報を取得する。
具体的には、例えば、移動参加者Umは、携帯端末7m又は移動端末装置7vにおいてオンライン会議の会議参加アプリ(後述)を起動してオンライン会議にログインする際に、自身が搭乗している移動体2の情報(例えば、その移動体2の識別情報)を含むログイン要求を会議サーバ3へ送信する。検知部24は、上記ログイン情報を受信し、上記移動体2の情報と同じ情報を含むログイン要求を送信してきた移動参加者Umを、同じ移動体2に同乗する会議参加者であるものと判断する。
【0031】
あるいは、検知部24は、例えば、移動体の現在位置又は加速度、及び会議参加者がオンライン会議に用いる端末装置のそれぞれの現在位置又は加速度を、所定の時間間隔で取得する。そして、検知部24は、所定の誤差の範囲内で上記移動体と同じ位置変化又は加速度変化を示す端末装置を用いてオンライン会議に参加する人物を、上記移動体からオンライン会議に参加している複数の乗員と判断してもよい。
【0032】
具体的には、例えば、検知部24は、会議設定要求に含まれる移動体2のアクセス情報を用いて、移動体2の情報提供装置11と通信し、移動体2の現在位置又は加速度の情報を所定の時間間隔で取得する。また、検知部24は、移動参加者Umが、携帯端末7mにおいてオンライン会議の会議参加アプリを起動してオンライン会議にログインした後に、会議参加アプリを通じて携帯端末7mから、当該携帯端末7mの現在位置又は加速度の情報を所定時間間隔で取得する。検知部24は、所定の誤差の範囲内で移動体2と同じ位置変化又は加速度変化を示す携帯端末7mを用いてオンライン会議に参加する移動参加者Umを、上記移動体2からオンライン会議に参加している複数の乗員と判断することができる。
【0033】
また、あるいは、検知部24は、移動体に搭載された端末装置のそれぞれからオンライン会議に参加している複数の人物を、その移動体からオンライン会議に参加している複数の乗員と判断してもよい。
【0034】
具体的には、例えば、検知部24は、移動参加者Umが、移動体2に搭載された移動端末装置7vにおいてオンライン会議の会議参加アプリを起動してオンライン会議にログインしたときに、当該移動端末装置7vを用いてログインした移動参加者Umを、その移動体2からオンライン会議に参加している乗員と判断することができる。移動端末装置7vは、例えば、会議サーバ3へ送信するログイン要求に、その移動端末装置7vを備える移動体2の情報(例えば、移動体2の識別情報)が含ませるものとすることができる。
【0035】
また、あるいは、検知部24は、移動体2に搭載されて移動体2の室内を撮影するカメラ12からの画像に基づいて、当該画像に写った移動体2の乗員を、オンライン会議に移動体2から参加する乗員と判断してもよい。この場合には、例えば、管理部23が受信する会議設定要求にはオンライン会議への招待者の顔画像が含まれるものとすることができる。検知部24は、例えば、会議設定要求に含まれる顔画像を参照画像として用いて、移動体2のカメラ12から取得される画像に写った人物の顔画像から、移動参加者Umを識別するものとすることができる。
【0036】
検知部24は、また、移動体からオンライン会議に出席している複数の乗員のそれぞれの、当該移動体の室内における位置を特定してもよい。
例えば、検知部24は、移動体2に搭載されて移動体2の室内を撮影するカメラ12からの画像に基づいて、移動体2からオンライン会議に出席している複数の乗員である移動参加者Umの、移動体2の室内における座席位置を特定する。
【0037】
あるいは、検知部24は、移動体に搭載された端末装置を用いてオンライン会議に参加している複数の乗員について、それぞれの乗員が使用する上記端末装置の上記移動体における配置から、それぞれの乗員の上記移動体の室内における位置を特定してもよい。
【0038】
具体的には、例えば、検知部24は、移動参加者Umが、移動体2に搭載された移動端末装置7vにおいてオンライン会議の会議参加アプリを起動してオンライン会議にログインしたときに、当該ログインに用いられた移動端末装置7vの、移動体2の室内における配置から、当該ログインした移動参加者Umの、移動体2の室内における座席位置を特定する。
【0039】
検知部24は、また、移動体の複数の乗員がその移動体からオンライン会議に参加する場合に、その移動体の種類、型式、定員数、又は座席配置を含む当該移動体の属性を特定してもよい。例えば、検知部24は、移動体2の情報提供装置11と通信して、移動体2の種類、型式、定員数、又は座席配置を含む移動体2の属性についての情報を情報提供装置11から取得するものとすることができる。
【0040】
生成部25は、移動体の複数の乗員がオンライン会議に参加している場合に、移動体の同じ室内空間にいることを示す室内画像を生成する。生成された室内画像は、後述する配信部26に送られて、オンライン会議に参加している各会議参加者の端末装置へ配信される。
【0041】
例えば、生成部25は、移動体の室内空間を示す室内空間画像に、その移動体からオンライン会議に参加する複数の乗員のそれぞれ表す乗員表示を重畳して、上記室内画像を生成する。上記乗員表示は、会議参加者である乗員の名前を付したアイコン、あるいは当該乗員の顔画像であり得る。例えば、生成部25は、移動体2の情報提供装置11から移動体2の室内の画像を取得して、当該画像から抽出される乗員の顔画像を乗員表示として用いてもよい。
【0042】
生成部25は、移動体の室内空間を示す室内空間画像上の、会議参加者である複数の乗員のそれぞれの対応する位置(例えば、座席位置)に、当該乗員を表す乗員表示を重畳して、上記室内画像を生成する。
【0043】
また、生成部25は、室内画像を生成する際に、検知部24が特定した移動体の属性に基づいて、上記室内画像に用いる上記室内空間画像を決定するものとすることができる。例えば、生成部25は、移動体の種々の属性に関連付けて予め第1メモリ21に保存された種々の室内空間画像の中から、検知部24が特定した移動体2の属性に関連付けられた一の室内空間画像を選択して用いるものとすることができる。
生成部25が生成する室内画像の例については、後述する。
【0044】
配信部26は、受信部27と送信部28とを備え、従来技術に従い、上述した管理部23からの許可に従って、オンライン会議動作を行う。すなわち、配信部26は、オンライン会議の各会議参加者が用いる端末装置と通信して、会議参加者間における音声及び又は画像(テキストや動画像を含む)の共有を可能とする。共有される音声には会議参加者の音声が含まれ、共有される画像には、会議参加者から送信された共有用の資料の画像のほか、会議に参加している会議参加者を表す参加者表示が含まれる。
【0045】
本実施形態では、特に、配信部26の送信部28は、移動体から複数の人物がオンライン会議に参加している場合に、生成部25が生成した室内画像を含む参加者表示を、送信部28により各会議参加者Uの端末装置7へ送信する。
【0046】
図5は、配信部26が配信する室内画像の第1の例を示す図である。
図5は、例えば、会議参加者Uhの端末装置7hの表示装置60表示されるオンライン会議画面である。なお、他の会議参加者Uが用いる端末装置7の対応する表示装置(例えば、表示装置10、後述する第1タッチパネル33及び第2タッチパネル42)にも、同様のオンライン会議画面が表示される。
【0047】
このオンライン会議画面には、図示最上部に、会議名称と、退出ボタン70を含む幾つかの操作ボタンと、が表示されている。退出ボタン70は、オンライン会議からのログオフ要求を会議サーバ3へ送信するためのボタンである。
【0048】
そして、会議名称等の表示の図示下部に、配信部26から配信された参加者表示が表示されている。
図5に示す例では、表示装置60の図示右下に、この端末装置7hを用いて会議に参加している会議参加者Uhを表す第1参加者表示61が表示されている。また、表示装置60の図示右側に、参加者グループUgの各会議参加者を表す第2参加者表示62が表示されている。第2参加者表示62は、例えば、カメラ9により撮影された会議場所8の室内の映像そのものが表示され得る。
【0049】
そして、表示装置60の図示左側には、生成部25が生成した室内画像を含む第3参加者表示63が表示されている。
図5に示す第3参加者表示63には、室内画像の第1の例である室内画像64が表示されている。
【0050】
この室内画像64では、移動体2の属性「5人乗り乗用車」に対応する移動体の室内を示す線画が室内空間画像641として用いられており、移動体2の乗員である3名の移動参加者Umのそれぞれを表す乗員表示642、643、644が、移動体2の室内におけるそれぞれの移動参加者Umの対応する位置に重畳して表示されている。具体的には、乗員表示642、643、及び644は、それぞれ、
図1に示す会議参加者Um1、Um2、及びUm3に対応する。
【0051】
ここで、移動体2の属性、移動体2からオンライン会議に参加する移動参加者Um、及び移動体2の室内における移動参加者Umの配置は、会議サーバ3の検知部24が、上述したいずれかの動作により検知又は取得する。
【0052】
図6は、配信部26が配信する室内画像の第2の例を示す図である。
図6も、
図5と同様に、会議参加者Uhの端末装置7hに送信されて表示される参加者表示の画面を示している。なお、
図6において、
図5に示す画面の構成要素と同じ要素については、
図5における符号と同じ符号を用いて示すものとし、上述した
図5についての説明を援用する。
【0053】
図6では、第3参加者表示63に、室内画像の第2の例である室内画像65が表示されている。室内画像65では、移動体2の属性「5人乗り乗用車」に対応する移動体の室内を前方から視たシンプルなグラフィック表示が室内空間画像651として用いられており、3名の移動参加者Umのそれぞれを表すやや立体的な乗員表示652、653、654が、移動体2の室内におけるそれぞれの移動参加者Umの対応する位置に重畳して表示されている。乗員表示652、653、及び654は、それぞれ、
図1に示す会議参加者Um1、Um2、及びUm3に対応する。
【0054】
図7は、配信部26が配信する室内画像の第3の例を示す図である。
図7も、
図5及び
図6と同様に、会議参加者Uhの端末装置7hに送信されて表示される参加者表示の画面を示している。なお、
図7において、
図5又は
図6に示す画面の構成要素と同じ要素については、
図5又は
図6における符号と同じ符号を用いて示すものとし、上述した
図5又は
図6についての説明を援用する。
【0055】
図7では、第3参加者表示63に、室内画像の第3の例である室内画像66が表示されている。室内画像66では、移動体2の属性「5人乗り乗用車」に対応する移動体の室内を側方から視たより詳細なグラフィック表示が室内空間画像661として用いられており、3名の移動参加者Umのそれぞれを表す乗員表示652、653、654が、移動体2の室内におけるそれぞれの移動参加者Umの対応する位置に重畳して表示されている。
【0056】
室内空間画像661のような詳細なグラフィック表示の室内空間画像は、例えば、予め移動体の型式毎に作成して第1メモリ21に記憶されているものとすることができる。会議サーバ3の生成部25は、検知部24が移動体2の具体的な型式を含む属性情報を取得した際に、第1メモリ21に記憶されている型式毎の室内空間画像から、上記属性情報が示す型式にに対応する室内空間画像を選択して用いるものとすることができる。
【0057】
[1.3 携帯端末の構成]
図3は、携帯端末7mの構成の一例を示す図である。
携帯端末7mは、第2プロセッサ30と、第2メモリ31と、第2通信装置32と、第1タッチパネル33と、第1GNSS(Global Navigation Satellite System、全球測位衛星システム)センサ34と、第1加速度センサ35と、を有する。
【0058】
第2メモリ31は、例えば、揮発性及び又は不揮発性の半導体メモリにより構成される。第2通信装置32は、携帯端末7mが通信ネットワーク5を介して会議サーバ3等の外部装置と無線通信するための送受信器である。
【0059】
第1タッチパネル33は、第2プロセッサ30により制御されてユーザに情報を表示し及びユーザからの入力を取得する。第1GNSSセンサ34は、携帯端末7mの現在位置の位置情報を取得する。第1加速度センサ35は、携帯端末7mに加わる現在の加速度を検知する。
【0060】
第2プロセッサ30は、例えば、CPU等を備えるコンピュータである。第2プロセッサ30は、プログラムが書き込まれたROM、データの一時記憶のためのRAM等を有する構成であってもよい。そして、第2プロセッサ30は、機能要素又は機能ユニットとして、第1ログイン部37と、第1情報提供部38と、第1会議機能部39と、を備える。
【0061】
第2プロセッサ30が備えるこれらの機能要素は、例えば、コンピュータである第2プロセッサ30が、第2メモリ31に保存された第1プログラム36を実行することにより実現される。なお、第1プログラム36は、例えば、会議参加アプリのアプリケーションプログラムであり、第2プロセッサ30は、第1タッチパネル33を介したユーザ(例えば、移動参加者Um。以下、同じ。)からの起動指示により、第1プログラム36を実行する。なお、第1プログラム36は、通信ネットワーク5に接続されたサーバ装置(不図示)からダウンロードされるものとすることができる。また、第1プログラム36は、コンピュータ読み取り可能な任意の記憶媒体に記憶させておくことができる。
【0062】
第1ログイン部37は、従来技術に従い、第1タッチパネル33を介したユーザからの起動指示により、予め会議サーバ3から送信されたオンライン会議の設定情報を用いて、会議サーバ3へログイン要求を送信する。また、第1ログイン部37は、ログイン要求の送信に際し、第1タッチパネル33を介してユーザに対し、移動体からオンライン会議に参加する場合には移動体のアクセス情報又は識別情報を入力するよう促すメッセージを出力する。ユーザが第1タッチパネル33を介して移動体のアクセス情報又は識別情報を入力すると、第1ログイン部37は、入力された情報を上記ログイン要求に含めて会議サーバ3へ送信する。
【0063】
第1情報提供部38は、会議サーバ3から情報要求を受信したことに応じて、所定の時間間隔で、第1GNSSセンサ34及び第1加速度センサ35により携帯端末7mの現在位置及び携帯端末7mに加わっている加速度を計測して会議サーバ3へ送信する。
【0064】
第1会議機能部39は、従来技術に従い、携帯端末7mが備える図示しないマイクロホン及びスピーカ、並びに第1タッチパネル33を用いて、会議サーバ3との間でオンライン会議に必要な動作として予め定められた所定の会議動作を行う。会議動作には、例えば、音声の授受や、会議資料データの授受、及び又は画像の授受などが含まれる。上記画像には、会議サーバ3が配信する上述の参加者表示の画像が含まれ得る。第1会議機能部39は、受信した参加者表示の画像を第1タッチパネル33に表示する。
【0065】
[1.4 移動端末装置の構成]
図4は、移動体2に搭載される移動端末装置7vの構成の一例を示す図である。
図4には、一例として移動端末装置7v1の構成を示しているが、他の移動端末装置7v2、7v3、7v4も同様の構成を有する。
【0066】
移動端末装置7vのそれぞれは、移動体2に搭載された通信バス50を介して、移動体2に搭載された情報提供装置11、カメラ12、第3通信装置51、第2GNSSセンサ52、及び第2加速度センサ53と、通信可能に接続されている。
【0067】
第3通信装置51は、移動端末装置7vおよび情報提供装置11が、通信ネットワーク5を介して会議サーバ3と通信するための無線通信装置である。
第2GNSSセンサ52は、所定の時間間隔で、移動体2の現在位置の位置情報を計測して移動端末装置7v及び情報提供装置11へ出力する。
第2加速度センサ53は、所定の時間間隔で、移動体2に加わる加速度を計測して移動端末装置7v及び情報提供装置11へ出力する。
【0068】
移動端末装置7vは、第3プロセッサ40と、第3メモリ41と、第2タッチパネル42と、を有する。
【0069】
第3メモリ41は、例えば、揮発性及び又は不揮発性の半導体メモリにより構成される。
第2タッチパネル42は、第3プロセッサ40により制御されてユーザに情報を表示し及びユーザからの入力を取得する。
【0070】
第3プロセッサ40は、例えば、CPU等を備えるコンピュータである。第3プロセッサ40は、プログラムが書き込まれたROM、データの一時記憶のためのRAM等を有する構成であってもよい。そして、第3プロセッサ40は、機能要素又は機能ユニットとして、第2ログイン部44と、第2情報提供部45と、第2会議機能部46と、を備える。
【0071】
第3プロセッサ40が備えるこれらの機能要素は、例えば、コンピュータである第3プロセッサ40が、第3メモリ41に保存されたプログラムを実行することにより実現される。なお、プログラムは、コンピュータ読み取り可能な任意の記憶媒体に記憶させておくことができる。
【0072】
第2ログイン部44は、従来技術に従い、第2タッチパネル42を介したユーザからの起動指示により、予め会議サーバ3から送信されたオンライン会議の設定情報を用いて、会議サーバ3へログイン要求を送信する。
【0073】
また、第2ログイン部44は、ログイン要求の送信に際し、移動体2のアクセス情報又は識別情報を上記ログイン要求に含めて会議サーバ3へ送信する。移動体2のアクセス情報又は識別情報は、予め第3メモリ41に記憶されているか、又はログインの際に第2ログイン部44が情報提供装置11から取得するものとすることができる。
【0074】
第2情報提供部45は、会議サーバ3から情報要求を受信したことに応じて、第2GNSSセンサ52及び第2加速度センサ53が所定の時間間隔で計測する移動体2の現在位置及び移動体2に加わっている加速度を、会議サーバ3へ送信する。
【0075】
第2会議機能部46は、従来技術に従い、移動端末装置7vが備える図示しないマイクロホン及びスピーカ、並びに第2タッチパネル42を用いて、会議サーバ3との間で所定の会議動作である音声の授受や、会議資料データの授受、及び又は画像の授受などを行う。上記画像には、会議サーバ3が配信する上述の参加者表示の画像が含まれ得る。第2会議機能部46は、受信した参加者表示の画像を第2タッチパネル42に表示する。
【0076】
[1.5 会議システムにおける処理]
次に、会議支援システム1の動作の手順について説明する。
図8は、会議支援システム1のコンピュータが協働して実行する会議支援方法の手順を示すフロー図である。ここで、会議支援システム1のコンピュータとは、会議サーバ3の第1プロセッサ20、携帯端末tmの第2プロセッサ30、移動端末装置7vの第3プロセッサ40、及び情報提供装置11が備えるコンピュータを含み得る。なお、
図8に示す処理は、繰り返し実行される。なお、
図8の処理に先んじて、会議サーバ3は、会議開催者の端末装置からオンライン会議の会議設定要求を受信したことに応じて、会議設定情報を会議開催者の端末装置へ送信し、会議開催者は、会議設定情報を含む会議開催通知を、オンライン会議に招待する会議参加者Uの端末装置7へ送信しているものとする。
【0077】
処理を開始すると、まず、会議サーバ3の管理部23は、いずれかの端末装置7からログイン要求を受信したときに、会議開催者の端末装置へ通知して、ログインを許可するかい否かの判断を求める。そして、管理部23は、受信したログイン要求に対する許可があったか否かを判断する(S100)。
【0078】
管理部23は、ログイン要求に対する許可がないときは(S100、NO)、ステップS100に戻って処理を繰り返し、ログイン要求の受信とログイン許可の有無の判断を繰り返す。一方、ログイン要求に対する許可があったときは(S100、YES)、配信部26は、オンライン会議動作を開始する(S102)。このオンライン会議動作は、ステップS112において会議参加者Uの全員がログオフしたと判断されるまで継続される。
【0079】
続いて、管理部23は、新たなログイン要求の受信とログイン許可の有無の判断を更に行う(S104)。そして、新たなログイン要求に対する許可が行われたときは(S104、YES)、検知部24は、移動体2からオンライン会議に参加する移動参加者Umを検知したか否かを判断する(S106)。すなわち、検知部24は、同じ移動体2に搭乗する複数の乗員が同じオンライン会議に参加していることを検知したか否かを判断する。この検知は、検知部24について上述したいずれかの手法(動作)により行われるものとすることができる。
【0080】
そして、移動体2からオンライン会議に参加する複数の移動参加者Umを検知したときは(S106、YES)、生成部25は、同じ移動体2からオンライン会議に参加している複数の乗員、すなわち移動参加者Umが移動体2の同じ室内空間にいることを示す室内画像を生成する(S108)。続いて、配信部26の送信部28は、上記生成された室内画像を、オンライン会議に参加している会議参加者Uの端末装置7へ送信し、各端末装置7は室内画像を表示する(S110)。その後、配信部26は、ステップS104に処理を戻す。ステップS104からS110の処理が繰り返されることにより、移動参加者Umが新たなにログインしてログイン許可されるごとに、室内画像は、新たな移動参加者Umの乗員表示が追加されて更新される。
【0081】
一方、ステップS106において検知部24が移動参加者Umを検知しないときは(S106)、管理部23は、従来技術に従い、上記ログインしたすべての会議参加者Uの端末装置7からログオフ要求を受信したか否かを判断する(S112)。ログオフ要求は、例えば、会議参加者Uが、端末装置7に表示されているオンライン会議画面の退出ボタン70(
図5等)を操作することにより、その端末装置7から会議サーバ3へ送信され得る。
【0082】
そして管理部23は、ログインしたすべての会議参加者Uの端末装置7からログオフ要求を受信したときは(S112、YES)。本処理を終了する。一方、ログインしたすべての会議参加者Uの端末装置7からログオフ要求を受信していないときは(S112、NO)、ステップS104に戻って処理を繰り返す。
また、一方、ステップS104においてログイン要求の受信又はログイン要求の許可がが行われないときは(S104、NO)、管理部23は、ステップS112に処理を移す。
【0083】
ここで、
図8のステップS106は、本開示における検知ステップに相当する。また、ステップS108及びS110は、それぞれ、本開示における生成ステップ及び送信ステップに相当する。
【0084】
なお、本発明は上記の実施形態の構成に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の態様において実施することが可能である。
【0085】
[2.上記実施形態によりサポートされる構成]
上述した実施形態は、以下の構成をサポートする。
【0086】
(構成1)同じ移動体に搭乗する複数の乗員が同じオンライン会議に参加していることを検知する検知部と、前記複数の乗員が前記移動体の同じ室内空間にいることを示す室内画像を生成する生成部と、前記室内画像を、前記オンライン会議に参加している会議参加者の端末装置へ送信する送信部と、を備える、会議支援システム。
構成1の会議支援システムによれば、同じオンライン会議に同一の移動体から参加する複数の会議参加者を検知して、それら複数の会議参加者の移動体内における状況等を移動体外部の他の参加者に通知し、オンライン会議における会議参加者間のコミュニケーションの質の向上に寄与することができる。
【0087】
(構成2)前記生成部は、前記移動体の前記室内空間を示す室内空間画像に、前記複数の乗員のそれぞれ表す乗員表示を重畳して、前記室内画像を生成する、構成1に記載の会議支援システム。
構成2の会議支援システムによれば、室内画像には、移動体の室内空間の画像が用いられるので、移動体内における会議参加者の状況をリアルに他の参加者に通知することができる。
【0088】
(構成3)前記検知部は、前記オンライン会議に出席している前記複数の乗員のそれぞれの、前記移動体の室内における位置を特定し、前記生成部は、前記移動体の前記室内空間を示す室内空間画像上において、前記複数の乗員のそれぞれに対応する位置に当該乗員を表す乗員表示を重畳して、前記室内画像を生成する、構成1又は2に記載の会議支援システム。
構成3の会議支援システムによれば、室内画像により移動体室内における会議参加者の配置が見て取れるので、他の参加者は移動体内の会議参加者の状況をより細かく把握して、会議におけるコミュニケーションの質を向上することができる。
【0089】
(構成4)前記検知部は、前記移動体の種類、型式、定員数、又は座席配置を含む前記移動体の属性を特定し、前記生成部は、前記移動体の属性に基づいて前記室内画像に用いる前記室内空間画像を決定する、構成2又は3に記載の会議支援システム。
構成4の会議支援システムによれば、移動体の属性に基づいて室内画像をよりリアルに表現することができるので、他の参加者は移動体内の会議参加者の状況を更に細かく把握して、会議におけるコミュニケーションの質を向上することができる。
【0090】
(構成5)前記室内画像に重畳される前記乗員表示は、対応する乗員を示すアイコン又は画像である、構成2ないし4のいずれかに記載の会議支援システム。
構成5の会議支援システムによれば、移動体から参加する会議参加者をよりリアルに表現することができる。
【0091】
(構成6)前記検知部は、前記移動体に搭載された端末装置のそれぞれから前記オンライン会議に参加している複数の人物を、前記移動体から前記オンライン会議に参加している前記複数の乗員と判断する、構成1ないし5のいずれかに記載の会議支援システム。
構成6の会議支援システムによれば、同じ移動体からオンライン会議に参加する会議参加者を容易に検知することができる。
【0092】
(構成7)前記検知部は、前記移動体の現在位置、及び前記オンライン会議に用いられる端末装置のそれぞれの現在位置を、所定の時間間隔で取得し、所定の位置誤差の範囲内で前記移動体と同じ位置変化を示す前記端末装置を用いて前記オンライン会議に参加する人物を、前記移動体から前記オンライン会議に参加している前記複数の乗員と判断する、構成1ないし5のいずれかに記載の会議支援システム。
構成7の会議支援システムによれば、移動体が端末装置を備えない場合でも、移動体からオンライン会議に参加する会議参加者を容易に検知することができる。
【0093】
(構成8)前記検知部は、前記移動体の加速度、及び前記オンライン会議に用いられる端末装置のそれぞれの加速度を、所定の時間間隔で取得し、所定の誤差の範囲内で前記移動体と同じ加速度変化を示す前記端末装置を用いて前記オンライン会議に参加する人物を、前記移動体から前記オンライン会議に参加している前記複数の乗員と判断する、構成1ないし5のいずれかに記載の会議支援システム。
構成8の会議支援システムによれば、移動体が端末装置を備えない場合でも、移動体からオンライン会議に参加する会議参加者を容易に検知することができる。
【0094】
(構成9)前記検知部は、前記移動体に搭載されて前記移動体の室内を撮影するカメラからの画像に基づいて、前記移動体から前記オンライン会議に参加する前記複数の乗員を検知する、構成1ないし5のいずれかに記載の会議支援システム。
構成9の会議支援システムによれば、同じ移動体からオンライン会議に参加する会議参加者を容易に検知することができる。
【0095】
(構成10)前記検知部は、前記オンライン会議に参加する人物の端末装置から、当該人物が前記オンライン会議へ参加する際に搭乗している移動体についての情報を取得する、構成1ないし5のいずれかに記載の会議支援システム。
構成10の会議支援システムによれば、移動体からオンライン会議に参加する会議参加者を容易に検知することができる。
【0096】
(構成11)会議支援システムが備えるコンピュータが行う会議支援方法であって、同じ移動体に搭乗する複数の乗員が同じオンライン会議に参加していることを検知する検知ステップと、前記複数の乗員が前記移動体の同じ室内空間にいることを示す室内画像を生成する生成ステップと、前記室内画像を、前記オンライン会議に参加している会議参加者の端末装置へ送信する送信ステップと、を含む、会議支援方法。
構成11の会議支援方法によれば、同じオンライン会議に同一の移動体から参加する複数の会議参加者を検知して、それら複数の会議参加者の移動体内における状況等を移動体外部の他の参加者に通知し、オンライン会議における会議参加者間のコミュニケーションの質の向上に寄与することができる。
【符号の説明】
【0097】
1…会議支援システム、2…移動体、3…会議サーバ、5…通信ネットワーク、6…住宅、7、7h、7g…端末装置、7m、7m1、7m2、7m3…携帯端末、7v、7v1、7v2、7v3、7v4…移動端末装置、8…会議場所、9、12…カメラ、10、60…表示装置、11…情報提供装置、20…第1プロセッサ、21…第1メモリ、22…第1通信装置、23…管理部、24…検知部、25…生成部、26…配信部、27…受信部、28…送信部、30…第2プロセッサ、31…第2メモリ、32…第2通信装置、33…第1タッチパネル、34…第1GNSSセンサ、35…第1加速度センサ、36…第1プログラム、37…第1ログイン部、38…第1情報提供部、39…第1会議機能部、40…第3プロセッサ、41…第3メモリ、42…第2タッチパネル、44…第2ログイン部、45…第2情報提供部、46…第2会議機能部、50…通信バス、51…第3通信装置、52…第2GNSSセンサ、53…第2加速度センサ、61…第1参加者表示、62…第2参加者表示、63…第3参加者表示、64、65、66…室内画像、641、651、661…室内空間画像、642、643、644、652、653、654…乗員表示、70…退出ボタン、Um1、Um2、Um3、Uh…会議参加者、Ug…参加者グループ。