(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024140721
(43)【公開日】2024-10-10
(54)【発明の名称】シェアリングシステム
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/10 20120101AFI20241003BHJP
G06Q 30/0645 20230101ALI20241003BHJP
【FI】
G06Q50/10
G06Q30/0645
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023052025
(22)【出願日】2023-03-28
(71)【出願人】
【識別番号】390037154
【氏名又は名称】大和ハウス工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100162031
【弁理士】
【氏名又は名称】長田 豊彦
(74)【代理人】
【識別番号】100175721
【弁理士】
【氏名又は名称】高木 秀文
(72)【発明者】
【氏名】片岡 夏海
【テーマコード(参考)】
5L030
5L049
5L050
【Fターム(参考)】
5L030BB68
5L049BB68
5L049CC13
5L050CC13
(57)【要約】
【課題】適切に動作可能なシェアリングシステムを提供する。
【解決手段】所有者Sの敷地10の駐車場12を利用者Uに貸し出すためのシェアリングシステム20であって、所有者Sの敷地10内の建物11に形成された窓11aを遮蔽可能な電動カーテン装置31及び電動シャッター装置32と、利用者Uが携帯する利用者端末50の位置情報に基づいて電動カーテン装置31及び電動シャッター装置32を制御する制御部80と、を具備する。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
所有者の敷地の一部を利用者に貸し出すためのシェアリングシステムであって、
前記所有者の敷地内の建物に形成された採光部を遮蔽可能な遮蔽装置と、
前記利用者の携帯端末の位置情報に基づいて前記遮蔽装置を制御する制御部と、
を具備する、
シェアリングシステム。
【請求項2】
前記利用者に貸し出される敷地を監視する監視装置をさらに具備し、
前記制御部は、
前記監視装置の監視結果及び前記携帯端末の位置情報に基づいて前記遮蔽装置を制御する、
請求項1に記載のシェアリングシステム。
【請求項3】
前記利用者に貸し出される敷地は、
前記所有者の敷地の駐車場である、
請求項2に記載のシェアリングシステム。
【請求項4】
前記駐車場の出入口に設けられた扉を開閉可能な開閉装置をさらに具備し、
前記制御部は、
前記監視装置の監視結果及び前記携帯端末の位置情報に基づいて前記開閉装置を制御する、
請求項3に記載のシェアリングシステム。
【請求項5】
前記制御部は、
前記開閉装置及び前記遮蔽装置を制御することで、前記扉を開くと共に前記採光部を遮蔽する第1状態と、前記扉を閉じると共に前記採光部を遮蔽しない第2状態と、を切り替える、
請求項4に記載のシェアリングシステム。
【請求項6】
前記制御部は、
前記駐車場が貸し出される前の状態において、前記携帯端末の現在位置に基づいて前記利用者が前記駐車場に到着する予定時刻を算出し、当該算出結果が第1閾値以内である場合、前記開閉装置及び前記遮蔽装置を制御して前記第1状態に切り替える第1制御を開始する、
請求項5に記載のシェアリングシステム。
【請求項7】
前記監視装置は、
前記駐車場にある障害物を検知可能であり、
前記制御部は、
前記障害物を前記監視装置が検知した場合は、前記予定時刻の算出結果が前記第1閾値以内であったとしても前記第1制御を開始しない、
請求項6に記載のシェアリングシステム。
【請求項8】
前記監視装置は、
前記駐車場において、人の存在を検知可能であり、
前記制御部は、
前記利用者が前記駐車場を利用可能な時間に前記監視装置が人を検知しない場合、又は、前記利用可能な時間に前記監視装置が検知した人が前記所有者である場合の少なくとも一方において、前記開閉装置及び前記遮蔽装置を制御して前記第2状態に切り替える第2制御を開始する、
請求項5に記載のシェアリングシステム。
【請求項9】
前記制御部は、
前記第2制御の後で、前記携帯端末の現在位置に基づいて前記利用者が前記駐車場に到着する予定時刻を算出し、当該算出結果が第2閾値以内である場合、前記開閉装置及び前記遮蔽装置を制御して前記第1状態に切り替える第3制御を開始する、
請求項8に記載のシェアリングシステム。
【請求項10】
前記閾値は、
前記第1状態への切り替えが完了するまでに要する時間を考慮して設定される、
請求項6又は請求項9に記載のシェアリングシステム。
【請求項11】
前記監視装置は、
前記駐車場に駐車される車両を検知可能であり、
前記制御部は、
前記利用者に前記駐車場を貸し出した後で前記監視装置が前記車両を検知しない場合、前記開閉装置及び前記遮蔽装置を制御して前記第2状態に切り替える第4制御を開始する、
請求項5に記載のシェアリングシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、所有者の敷地の一部を貸し出すためのシェアリングシステムの技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、所有者の敷地の一部を貸し出すためのシェアリングシステムの技術は公知となっている。例えば、特許文献1に記載の如くである。
【0003】
特許文献1に記載の駐車場シェアリングシステムは、所有者の敷地にある駐車場を使用していない時間帯だけ、利用者に貸し出すためのものである。駐車場シェアリングシステムは、貸主通信機及び管理サーバ等を具備する。貸主通信機は、所有者が所有する車両に搭載され、所有者が携帯する貸主端末と近距離通信可能に構成される。管理サーバは、貸主通信機と貸主端末との通信状況、及び貸主端末の位置情報に基づいて駐車場における所有者の車両の有無を推測し、当該推測結果に応じて駐車場の貸出可否を判断する。また管理サーバは、駐車場を貸し出し可能であると判断した場合、利用者の携帯する借主端末と通信することで、利用者に駐車場を貸し出すことができる。
【0004】
特許文献1のように、所有者の敷地(駐車場)を利用者に貸し出す場合、不特定の利用者が所有者の敷地に入り込むため、プライバシーの保護について懸念が生じる。そこで、シェアリングシステムにプライバシーの保護の向上を図るための機能を設けて、当該機能が実行されるようにシェアリングシステムを適切に動作させる必要がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、以上の如き状況を鑑みてなされたものであり、その解決しようとする課題は、適切に動作可能なシェアリングシステムを提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次にこの課題を解決するための手段を説明する。
【0008】
即ち、請求項1においては、所有者の敷地の一部を利用者に貸し出すためのシェアリングシステムであって、前記所有者の敷地内の建物に形成された採光部を遮蔽可能な遮蔽装置と、前記利用者の携帯端末の位置情報に基づいて前記遮蔽装置を制御する制御部と、を具備するものである。
【0009】
請求項2においては、前記利用者に貸し出される敷地を監視する監視装置をさらに具備し、前記制御部は、前記監視装置の監視結果及び前記携帯端末の位置情報に基づいて前記遮蔽装置を制御するものである。
【0010】
請求項3においては、前記利用者に貸し出される敷地は、前記所有者の敷地の駐車場である。
【0011】
請求項4においては、前記駐車場の出入口に設けられた扉を開閉可能な開閉装置をさらに具備し、前記制御部は、前記監視装置の監視結果及び前記携帯端末の位置情報に基づいて前記開閉装置を制御するものである。
【0012】
請求項5においては、前記制御部は、前記開閉装置及び前記遮蔽装置を制御することで、前記扉を開くと共に前記採光部を遮蔽する第1状態と、前記扉を閉じると共に前記採光部を遮蔽しない第2状態と、を切り替えるものである。
【0013】
請求項6においては、前記制御部は、前記駐車場が貸し出される前の状態において、前記携帯端末の現在位置に基づいて前記利用者が前記駐車場に到着する予定時刻を算出し、当該算出結果が第1閾値以内である場合、前記開閉装置及び前記遮蔽装置を制御して前記第1状態に切り替える第1制御を開始するものである。
【0014】
請求項7においては、前記監視装置は、前記駐車場にある障害物を検知可能であり、前記制御部は、前記障害物を前記監視装置が検知した場合は、前記予定時刻の算出結果が前記第1閾値以内であったとしても前記第1制御を開始しないものである。
【0015】
請求項8においては、前記監視装置は、前記駐車場において、人の存在を検知可能であり、前記制御部は、前記利用者が前記駐車場を利用可能な時間に前記監視装置が人を検知しない場合、又は、前記利用可能な時間に前記監視装置が検知した人が前記所有者である場合の少なくとも一方において、前記開閉装置及び前記遮蔽装置を制御して前記第2状態に切り替える第2制御を開始するものである。
【0016】
請求項9においては、前記制御部は、前記第2制御の後で、前記携帯端末の現在位置に基づいて前記利用者が前記駐車場に到着する予定時刻を算出し、当該算出結果が第2閾値以内である場合、前記開閉装置及び前記遮蔽装置を制御して前記第1状態に切り替える第3制御を開始するものである。
【0017】
請求項10においては、前記閾値は、前記第1状態への切り替えが完了するまでに要する時間を考慮して設定されるものである。
【0018】
請求項11においては、前記監視装置は、前記駐車場に駐車される車両を検知可能であり、前記制御部は、前記利用者に前記駐車場を貸し出した後で前記監視装置が前記車両を検知しない場合、前記開閉装置及び前記遮蔽装置を制御して前記第2状態に切り替える第4制御を開始するものである。
【発明の効果】
【0019】
本発明の効果として、以下に示すような効果を奏する。
【0020】
請求項1においては、携帯端末の位置情報に応じて適切に動作することができる。
【0021】
請求項2においては、携帯端末の位置情報に加えて、監視装置の監視結果を考慮して遮蔽装置を制御することができるため、より適切に動作することができる。
【0022】
請求項3においては、駐車場の貸し出しにおいて、適切に動作することができる。
【0023】
請求項4においては、監視装置の監視結果や携帯端末の位置情報に応じて、駐車場の扉を適切に開閉することができる。
【0024】
請求項5においては、開閉装置及び遮蔽装置を適切に制御することができる。
【0025】
請求項6においては、利用者が駐車場に近づいたタイミングで開閉装置及び遮蔽装置の動作を開始することができるため、第1状態に適切に切り替えることができる。
【0026】
請求項7においては、車両を駐車場に止めることができない状況では駐車場の扉を閉じたままにすることができるため、所有者の敷地に不審者が侵入するのを抑制することができる。
【0027】
請求項8においては、駐車場を利用中の利用者が駐車場を出た後で開閉装置及び遮蔽装置の動作を開始することができるため、第2状態に適切に切り替えることができる。
【0028】
請求項9においては、利用者が駐車場に近づいたタイミングで開閉装置及び遮蔽装置の動作を開始することができるため、第1状態に適切に切り替えることができる。
【0029】
請求項10においては、利用者が駐車場に到着するタイミングで開閉装置及び遮蔽装置の動作を終了することができるため、第1状態に、より適切に切り替えることができる。
【0030】
請求項11においては、駐車場の利用後に利用者の車両が駐車場を出た後で開閉装置及び遮蔽装置の動作を開始することができるため、第2状態に適切に切り替えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【
図2】本発明の一実施形態に係るシェアリングシステムの構成を示す図。
【
図3】利用者に駐車場が貸し出される際のシェアリングシステムの態様を示す図。
【
図4】(a)駐車場を借りた利用者が当該駐車場から退去する様子を示す図。(b)退去後の駐車場を示す図。(c)電動カーテン装置等が動作した後の状態を示す図。
【
図5】利用者が駐車場に戻ってくる際のシェアリングシステムの態様を示す図。
【
図6】(a)駐車場に戻った利用者が駐車場から退去する様子を示す図。(b)退去後の駐車場を示す図。(c)電動カーテン装置等が動作した後の状態を示す図。
【
図7】利用者に駐車場が貸し出される際に電動カーテン装置等を制御するための第1処理を示すフローチャート。
【
図8】障害物により駐車場が使用不能である状態を示す図。
【
図9】駐車場が貸し出された後に電動カーテン装置等を制御するための第2処理を示すフローチャート。
【
図10】利用者が駐車場に戻ってくる際に電動カーテン装置等を制御するための第3処理を示すフローチャート。
【
図11】利用者が駐車場の利用を終了した後に電動カーテン装置等を制御するための第4処理を示すフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0032】
以下では、本発明の一実施形態に係るシェアリングシステム20について説明する。
【0033】
図2に示すシェアリングシステム20は、所有者Sの敷地10を貸し出すためのものである。より詳細にはシェアリングシステム20は、所有者Sの敷地10の中で未使用のスペースを貸し出すためのものである。なお未使用のスペースは、長期間使用されていないスペースに限らず、一時的に使用されていないスペースも含む。また本実施形態では、貸し出しの対象となるスペースは、駐車場12であるものとしている。
【0034】
またシェアリングシステム20では、複数の敷地10の駐車場12及び複数の所有者Sについての情報(所有者Sの住所等)が管理されており、利用者Uは、各駐車場12の中から条件に合ったものを借りることができる。以下では、
図1及び
図2に示す駐車場12を貸し出す場合を例に挙げ、シェアリングシステム20の構成を説明する。まず、駐車場12を所有する所有者Sの敷地10の一例について説明する。
【0035】
図1に示すように、敷地10には、建物11が建てられている。建物11は、所有者Sが居住する戸建て住宅であり、建物11内に光を取り入れるための採光部が形成される。
図1には、採光部の一例として、建物11の2階に形成された窓11aが記載されている。当該窓11aの屋内側には、カーテン11bが設けられる(
図2参照)。また窓11aの屋外側には、シャッター11cが設けられる(
図3参照)。所有者Sは、これらカーテン11b、シャッター11cを閉じることで、窓11aを遮蔽することができる。
【0036】
このように、本実施形態では、カーテン11b及びシャッター11cが、採光部を遮蔽する部材(遮蔽部材)となっている。なお採光部を遮蔽する遮蔽部材は、カーテン11b等に限定されるものではなく、採光部を遮蔽可能なその他の部材(ロールスクリーン、ブラインド等)であってもよい。
【0037】
また本実施形態では、建物11の2階の窓11aが採光部であるものとしているが、採光部は、建物11内に光を取り入れ可能なものであれば、特に限定されるものではない。例えば、建物11の1階に形成された窓でもよいし、建物11に形成された出入口等でもよい。また所有者Sはカーテン11b等を閉じることで、窓11aを遮蔽することができるが、窓11aを遮蔽する方法は、カーテン11b等の遮蔽部材を閉じる方法に限定されるものではなく、その他の方法を採用可能である。例えば所定の装置を用いて窓11aのガラスを曇らせることでも、窓11aを遮蔽することができる。
【0038】
図1に示すように、建物11の近傍には、所有者Sが所有する所有者車両SCを駐車するための駐車場12が設けられる。当該駐車場12の出入口には、開閉可能な扉12aが設けられる。
【0039】
次に、シェアリングシステム20の構成を説明する。
図2に示すように、シェアリングシステム20は、規制装置30、駐車場カメラ40、利用者端末50、所有者端末60、管理者端末70及び制御部80を具備する。
【0040】
規制装置30は、利用者Uが駐車場12を利用する場合に当該利用者Uの行動を規制可能な規制部材を動作させるためのものである。なお本実施形態の規制部材は、セキュリティの強化を目的として設置されたものとなっている。具体的には規制部材は、プライバシーの保護を目的として窓11aを遮蔽するためのカーテン11b及びシャッター11cと、防犯を目的として駐車場12を開閉するための扉12aとを含む。規制装置30は、これらカーテン11b等を開閉可能に構成される。
【0041】
より詳細には、規制装置30は、カーテン11bを開閉可能な電動カーテン装置31、シャッター11cを開閉可能な電動シャッター装置32、及び駐車場12の扉12aを開閉可能な電動カーゲート33を具備する。
【0042】
電動カーテン装置31は、窓11aの側方に設けられる。電動カーテン装置31は、例えばカーテンレールを摺動可能なライナー及び電動モータを具備する(不図示)。前記ライナーには、カーテン11bが取り付けられる。電動カーテン装置31は、前記電動モータの動力によって前記ライナーを移動させることにより、カーテン11bを開閉することができる。
【0043】
電動シャッター装置32は、例えば窓11aの上部に設けられる。電動シャッター装置32は、シャッター11cを巻き取り可能なシャフト及び電動モータを具備する(不図示)。電動シャッター装置32は、前記電動モータの動力によって前記シャフトを回動させることにより、シャッター11cを開閉(昇降)することができる。
【0044】
このように、本実施形態では、電動カーテン装置31及び電動シャッター装置32が、建物11の採光部(窓11a)を遮蔽可能な遮蔽装置となっている。なお遮蔽装置の構成は、本実施形態(カーテン11b等の遮蔽部材を開閉する構成)に限定されるものではなく、上述したような、窓11aのガラスを曇らせる構成であってもよい。
【0045】
電動カーゲート33は、例えば支柱、当該支柱に揺動可能に連結されるアーム、及び電動モータを具備する(不図示)。前記アームには扉12aが連結されており、電動カーゲート33は、前記アームを電動モータの動力によって揺動させることで、扉12aを開閉することができる。
【0046】
なお、上述した電動カーテン装置31等の構成は一例であり、電動カーテン装置31の設置場所等に応じて適宜変更可能である。
【0047】
駐車場カメラ40は、駐車場12を撮影(監視)するためのものである。駐車場カメラ40は、敷地10に設けられる。本実施形態の駐車場カメラ40は、駐車場12に車両が駐車された場合に当該車両のナンバーを撮影可能となるように設けられる。具体的には、駐車場カメラ40は、駐車場12にバックで駐車された所有者車両SC(
図1の状態)を基準に前後方向を規定する場合、駐車場12を後側から撮影するように設置される。なお駐車場カメラ40の設置方法は、本実施形態に限定されるものではないが、車両のナンバーを撮影可能であることが望ましい。これにより、駐車場カメラ40の撮像結果に写ったナンバーに基づいて、車両を容易に特定することができる。
【0048】
利用者端末50は、利用者Uが携帯する機器である。利用者端末50は、演算装置、記憶装置及び入出力装置を具備する。また利用者端末50は、外部の機器と通信可能な通信機能、及び自身の現在位置を測定可能な測位機能(例えばGPS機能)を有する。利用者端末50としては、例えばスマートフォン、タブレット端末、ノートパソコン等を用いることが可能である。本実施形態では、利用者端末50としてスマートフォンが用いられるものとする。
【0049】
所有者端末60は、所有者Sが所有する機器である。所有者端末60は、演算装置、記憶装置及び入出力装置を具備する。所有者端末60は、外部の機器と通信可能な通信機能を有し、通信の内容に応じた情報を入出力装置に出力する(例えばメッセージを表示する)ことができる。所有者端末60としては、例えば利用者端末50と同じ種類の端末(スマートフォン)を用いることが可能である。
【0050】
管理者端末70は、シェアリングシステム20を管理する管理会社が所有する機器である。管理者端末70は、演算装置、記憶装置及び入出力装置を具備する。また管理者端末70は、外部の機器と通信可能な通信機能を有する。管理者K(管理会社の担当者等)は、管理者端末70の通信機能を利用して、シェアリングシステム20を管理することができる。例えば管理者Kは、制御部80の処理で必要となる情報を制御部80に事前に登録することができる。
【0051】
制御部80は、規制装置30を制御するためのものである。制御部80は、演算装置及び記憶装置を具備する。演算装置は、記憶装置に記憶されたプログラムを実行することで、シェアリングシステム20の動作に必要な演算処理を実行できるように構成される。制御部80は、規制装置30、駐車場カメラ40、利用者端末50、所有者端末60及び管理者端末70と通信可能に接続される(不図示)。
【0052】
制御部80は、規制装置30に信号を送信することで、規制装置30を制御することができる。より詳細には制御部80は、電動カーテン装置31に信号を送信することで、カーテン11bを開閉させることができる。また制御部80は、電動シャッター装置32に信号を送信することで、シャッター11cを開閉させることができる。また制御部80は、電動カーゲート33に信号を送信することで、駐車場12の扉12aを開閉させることができる。
【0053】
また制御部80は、駐車場カメラ40からの信号に基づいて、駐車場カメラ40の撮影結果を取得することができる。制御部80は、当該撮影結果を用いて、各種処理を行うことができる。なお、撮影結果を用いた処理内容については後述する。
【0054】
また制御部80は、利用者端末50と通信することで、利用者Uが駐車場12を予約できるように構成される。以下、その一例を説明する。
【0055】
利用者端末50には駐車場12を予約するためのアプリがインストールされている。利用者Uは、当該アプリを使用することで、駐車場12の予約に関する予約情報を制御部80に送信することができる。なお予約情報は、どの利用者Uがどの時間帯に駐車場12を利用予定であるのかを示す情報である。
【0056】
制御部80は、利用者端末50から予約情報が送信された場合に、当該予約情報に基づいて、駐車場12を利用可能な時間を利用者Uに割り当てる。以下では、こうして割り当てられた時間を「予約時間」と称する。本実施形態では、一定の時間(具体的には15分)単位で予約時間が割り当てられるものとしているが、予約時間を割り当てる単位は15分に限定されるものではなく、任意に変更可能である。
【0057】
また制御部80は、駐車場12の予約時間が重複しないように、予約時間を適宜管理している。例えば制御部80は、利用者端末50のアプリで予約が重複する時間帯を選択できないようにする等して、予約時間が重複しないように利用者Uに予約時間を割り当てている。
【0058】
また制御部80は、所有者端末60及び管理者端末70と通信することで、所有者端末60及び管理者端末70に各種情報を通知することができる。
【0059】
以下では
図2から
図6を参照し、シェアリングシステム20により駐車場12を利用する手順、具体的には、予約時間が割り当てられた利用者U(予約済みの利用者U)が駐車場12に車両を駐車してから出庫するまでの手順を説明する。
【0060】
本実施形態では、利用者Uが利用者端末50を携帯していれば、電動カーゲート33等が自動的に動作して、駐車場12の扉12aの開閉等が行われる。以下では、
図2に示す状態を初期状態(駐車場12の貸し出し前の状態)として、利用手順を説明する。なお
図2に示す初期状態において、カーテン11b及びシャッター11cは開いた状態となっている。また初期状態において、駐車場12の扉12aは閉じた状態となっている。
【0061】
図2に示す利用者Uは、予約時間に駐車場12を借りるため、駐車場12へ向けて移動する。この際利用者Uは、
図3に示すように、駐車場12に駐車予定の車両に乗って駐車場12へ移動する。なお以下では、駐車予定の車両を「利用者車両UC」と称する。利用者車両UCは、利用者Uが運転可能な種々の車両を含んでいる。すなわち利用者車両UCは、利用者Uが所有する車両だけではなく、利用者Uに貸し出された車両(レンタカーやシェアカー等)も含んでいる。制御部80は、利用者端末50の位置情報に基づいて利用者Uが駐車場12の近くにいることを検知した場合に、電動カーテン装置31等を制御する。
【0062】
具体的には、制御部80は、カーテン11b及びシャッター11cを閉じるように電動カーテン装置31及び電動シャッター装置32を制御する。また、近々利用者Uが駐車場12を利用すると考えられるため、制御部80は、駐車場12の扉12aを開くように電動カーゲート33を制御する。こうして制御部80は、利用者Uによる駐車場12への出入りを許可すると共に、当該利用者Uにより窓11aを介して建物11内が見られてしまうのを規制する状態に切り替える。以下では、この状態(駐車場12の扉12aが開き、かつ、カーテン11b等が閉じた状態)を「第1規制状態」と称する。
【0063】
図4(a)及び
図4(b)に示すように、利用者Uは、第1規制状態において利用者車両UCを駐車場12に駐車し、駐車場12から退去する。
図4(c)に示すように、制御部80は、駐車場カメラ40の撮影結果に基づいて利用者Uの退去を検知した場合に、電動カーテン装置31等を制御する。
【0064】
具体的には、
図4(c)に示すように、制御部80は、駐車場12の扉12aを閉じるように電動カーゲート33を制御する。また利用者Uによる覗き見の心配がないと考えられるため、制御部80は、カーテン11b及びシャッター11cを初期状態(閉じる前の状態)に戻すように電動カーテン装置31等を制御する。こうして制御部80は、利用者U及び車両の駐車場12への出入りを規制する状態に切り替える。以下では、この状態(駐車場12の扉12aが閉じ、かつ、カーテン11b等が戻った状態)を「第2規制状態」と称する。制御部80は、第2規制状態に切り替えることで、カーテン11b等を開いて建物11内に光を入れることができる。
【0065】
図5に示すように、利用者Uは、予約時間内に利用者車両UCを駐車場12から出庫させるために、駐車場12へ向けて移動する。制御部80は、利用者端末50の位置情報に基づいて利用者Uが駐車場12の近くにいることを検知した場合に、電動カーテン装置31等を制御して第1規制状態に切り替える。
【0066】
図6(a)及び
図6(b)に示すように、利用者Uは、第1規制状態において、利用者車両UCに乗って駐車場12から退去する。
図6(c)に示すように、制御部80は、駐車場カメラ40の撮影結果に基づいて利用者車両UCの退去を検知した場合に、電動カーテン装置31等を制御して第2規制状態に切り替える。
【0067】
このように、本実施形態のシェアリングシステム20は、所有者Sではなく、制御部80が電動カーテン装置31等を制御することで、利用者Uが駐車場12を出入りする場合に限り、駐車場12を第1規制状態に切り替えることができる。これによって所有者Sの敷地10に不審者が侵入するのを抑制できる。
【0068】
また
図3及び
図5に示す第1規制状態では、カーテン11b等の遮蔽部材によって窓11aが遮蔽されるため、利用者Uが駐車場12に立ち入ったとしても建物11内を見られることはない。これによって、所有者Sのプライバシーを保護することができる。
【0069】
ここで、利用者Uが駐車場12を利用した後で(
図6(b)参照)、駐車場12に別の車両が誤って駐車されることが懸念される。この点に関して本実施形態では、駐車場カメラ40の撮影結果に基づいて速やかに駐車場12の扉12aを閉じることができるため、別の車両が駐車場12に駐車されるのを抑制し、利用後のトラブルの発生を抑制することができる。
【0070】
以下では、上述した駐車場12の利用手順を実現するために行われる、制御部80の各種処理について説明する。具体的には、駐車場12が貸し出される際の第1処理、駐車場12が貸し出された後で駐車場12の扉12aを閉めるための第2処理、駐車場12から利用者車両UCが出庫する際の第3処理、及び利用者車両UCの出庫後に駐車場12の扉12aを閉めるための第4処理について説明する。
【0071】
まず、
図7及び
図8を参照し、駐車場12が貸し出される際の第1処理について説明する。制御部80は、
図7に示す第1処理を定期的に実行する。制御部80は、第1処理を実行することで、利用者Uが駐車場12の近くに移動した場合に、駐車場12の扉12aを開くことができる(
図3参照)。以下、具体的に説明する。
【0072】
制御部80は、第1処理を開始するとステップS10へ移行する。ステップS10において制御部80は、駐車場シェアサービスの利用予定がある(駐車場12が貸し出される前の状態である)か否かを判定する。例えば制御部80は、予約情報を確認し、所定時間内に駐車場12を貸し出す予定がある場合に、駐車場シェアサービスの利用予定があると判定する(ステップS10:YES)。より詳細には制御部80は、予約開始時間まで1時間を切っている場合等に駐車場12を貸し出す予定があると判定する。この場合制御部80は、ステップS20へ移行する。一方制御部80は、駐車場シェアサービスの利用予定がないと判定した場合(ステップS10:NO)、再びステップS10へ移行する。
【0073】
なお上述した判定処理の内容は一例であり、適宜変更可能である。例えば上記判定処理では、1時間という閾値を用いるものとしたが、この閾値の設定値を適宜変更することも可能である。また、予約開始時間とは異なる情報(貸し出し予定の日付等)を用いて、駐車場12の貸し出し予定の有無を判定することも可能である。
【0074】
上述の如く、本実施形態では、15分単位で利用者Uに予約時間が割り当てられている。このため利用者Uは、この15分を1つの目安として、駐車場12へ向かうことが想定される。そうすると利用者Uは、予約開始時間の15分前後に駐車場12の近くにいることが想定される。
【0075】
そこで制御部80はステップS20において、現在の時刻が、予約開始時間の前後15分の範囲内であるか否か判定する。制御部80は、現在の時刻が前記範囲内でない場合(ステップS20:NO)、
図7に示す第1処理を終了する。一方制御部80は、現在の時刻が前記範囲内である場合(ステップS20:YES)、ステップS30へ移行する。これによって制御部80は、利用者Uが駐車場12の近くにいると考えられるタイミングで、ステップS30以降の処理を実行する。
【0076】
ここで、何らかの理由により駐車場12(貸出スペース)が塞がっていることも想定される。例えば所有者Sのミスにより所有者車両SCが駐車されていたり、貸出スペースに荷物等(
図8に示す符号SG参照)が置かれていたりすることがある。所有者Sのミスの具体的なケースとしては、所有者Sがマイカー通勤のため平日日中のみ駐車場12を貸し出す場合に、急な休みやテレワーク等で貸出スペースに所有者車両SCを停めてしまったケース等が想定される。
【0077】
そこで制御部80は、ステップS30の処理においてこうした障害物SG(所有者車両SC及び荷物等)の有無を確認し、障害物SGがない場合はステップS40~S60の処理を行って駐車場12の扉12aを開く等し、障害物SGがある場合はステップS70~S140の処理を行って関係者に連絡する。以下、具体的に説明する。
【0078】
ステップS30において制御部80は、駐車場カメラ40の撮像結果を解析することで、駐車場12に障害物SGがあるか否かを判定する。例えば制御部80は、AIを用いて、駐車場カメラ40の撮像結果に所定以上のサイズの物(障害物SG)が写っているか否かを判定する。こうして制御部80は障害物SGの有無を確認し、障害物SGがない場合に(ステップS30:NO)、ステップS40へ移行する。一方制御部80は、障害物SGがある場合に(ステップS30:YES)、ステップS70へ移行する。なお上述した障害物SGの有無の確認方法は一例であり、適宜変更可能である。
【0079】
ステップS40において制御部80は、利用者端末50の位置情報に基づいて、利用者Uが駐車場12に到着する予定の時刻(到着予定時刻)を計算する。例えば制御部80は、利用者端末50の位置情報の履歴を用いて利用者Uの移動速度を算出すると共に、利用者端末50の現在位置及び駐車場12の住所に基づいて駐車場12までの距離を算出する。そして制御部80は、各算出結果を用いて到着予定時刻を計算する。なおこの到着予定時刻の計算方法は一例であり、適宜変更可能である。制御部80は、現在の時刻が到着予定時刻の所定時間前になると、ステップS50へ移行する。
【0080】
なお、ステップS40における所定時間(閾値)は、扉12aを開くのに要する時間(電動カーゲート33の動作時間)に応じて設定される。本実施形態では、扉12aを開き始めてから開き終えるまでに16秒かかるため、前記所定時間として、それよりも長い時間が設定される。具体的には、30秒が設定される。
【0081】
また到着予定時刻は状況に応じて変化するため、本実施形態の制御部80は、ステップS40において到着予定時刻をリアルタイムに更新する。そして制御部80は、最新の到着予定時刻の30秒以内である場合、ステップS50へ移行する。これによって、例えば渋滞や工事等の影響で利用者車両UCが低速で走行する場合等でも、ステップS50へタイミングよく移行することができる。
【0082】
ステップS50において制御部80は、駐車場12の扉12aを開くように電動カーゲート33の動作を開始させる。ステップS50の処理が終了すると制御部80は、ステップS60へ移行する。
【0083】
ステップS60において制御部80は、カーテン11b及びシャッター11cを閉じるように電動カーテン装置31及び電動シャッター装置32の動作を開始させる。また制御部80は、動作前の状態(カーテン11b及びシャッター11cの開度)を記憶装置に記憶させる。ステップS60の処理が終了すると制御部80は、
図7に示す第1処理を終了する。制御部80は、上記ステップS50・S60の処理により、駐車場12に立ち入った利用者Uが建物11内を視認不能な第1規制状態に切り替えることができる。
【0084】
図7及び
図8に示すように、ステップS30で駐車場12に障害物SGがあると判定した場合に移行するステップS70において、制御部80は、駐車場カメラ40の撮像結果を解析することで、駐車場12に駐車される車両のナンバーを検知する。制御部80は、車両のナンバーを検知した場合に(ステップS70:YES)、ステップS100へ移行する。一方制御部80は、車両のナンバーを検知しなかった場合に(ステップS70:NO)、ステップS80へ移行する。
【0085】
ステップS80において制御部80は、駐車場12(駐車スペース)に車両以外の障害物SGがあると判断し、所有者Sに当該障害物SGを除去するように要請する。例えば制御部80は、貸し出し予定の駐車スペースに障害物SGがあることと、間もなく利用者Uが駐車場12に到着するので障害物SGを除去するように指示するメッセージとを所有者端末60に表示させる。ステップS80の処理が終了すると制御部80は、ステップS90へ移行する。
【0086】
ステップS90において制御部80は、利用者Uに現在の状況を連絡する。この際制御部80は、利用者端末50から情報を報知させる。なおこの報知の方法は特に限定されるものではないが、利用者Uは利用者車両UCを運転していることが想定されるため、運転を妨げないように情報を報知することが望ましい。例えば制御部80は、利用者端末50のスピーカから現在の状況が分かる音声、具体的には現在駐車場12に障害物SGがあることと、その障害物SGを除去するように所有者Sに要請したことと、を含む音声を出力させる。ステップS90の処理が終了すると制御部80は、
図7に示す第1処理を終了する。
【0087】
なお制御部80は、ステップS90の処理を経て第1処理を終了した場合、障害物SGの除去が完了したことを利用者Uに別途通知する。この除去の完了を検知する方法は特に限定されるものではない。例えば制御部80は、駐車場カメラ40の撮像結果に基づいて除去完了を検知することも可能であるし、所有者端末60から除去完了の通知を受けることで除去完了を検知することも可能である。当該通知に基づいて利用者Uが駐車場12を利用する場合、上述したステップS10~S60の処理により、駐車場12の扉12aが開かれることとなる。
【0088】
ステップS70で車両のナンバーを検知した場合に移行するステップS100において制御部80は、当該ステップS70で検知したナンバーが、所有者Sが所有する車のナンバーと一致するか否か判定する。ここで、所有者Sが所有する車とは、所有者Sの名義で車両登録された種々の車両を含む。すなわちこの所有者Sの車には、普段貸し出しスペースに駐車される車両だけではなく、普段は別の場所に駐車される車両も含まれている。こうした所有者Sの車のナンバーは、例えば所有者端末60を介して制御部80の記憶装置に予め記憶されている。
【0089】
制御部80は、ステップS100において記憶装置から所有者Sの車のナンバーを取得し、ステップS70で検知したナンバーと一致する場合(ステップS100:YES)、ステップS110へ移行する。一方制御部80は、前記ナンバーが一致しない場合(ステップS100:NO)、ステップS130へ移行する。
【0090】
ステップS110において制御部80は、ステップS80と同様の処理により、所有者Sの車を駐車場12から移動するように所有者Sに要請する。ステップS110の処理が終了すると制御部80は、ステップS120へ移行する。
【0091】
ステップS120において制御部80は、利用者Uに状況を連絡する。この際制御部80は、所有者Sの車の移動前及び移動後それぞれの状況を利用者Uに連絡する。すなわち制御部80は、まず駐車場12に別の車が止まっていることと、当該車の移動を要請したことを所有者Sに連絡する。当該連絡後において制御部80は、所有者Sの車が駐車場12から移動したことを検知すると、車の移動が完了したことを所有者Sに連絡する。当該連絡に基づいて利用者Uが駐車場12に移動する場合、上述したステップS10~S60の処理により、駐車場12の扉12aが開かれることとなる。
【0092】
なお、ステップS120において車の移動を検知する方法は、ステップS90で説明した障害物SGの除去を検知する方法と同様である。またステップS120における利用者Uへの連絡方法も、ステップS90と同様である。ステップS120の処理が終了すると制御部80は、
図7に示す第1処理を終了する。
【0093】
ステップS100でナンバーが一致しない場合に移行するステップS130において、制御部80は、所有者S及び管理会社(管理者K)に連絡する。より詳細には、ステップS130においては所有者S以外の者の車両が駐車場12に無断駐車された状態であるため、制御部80は、無断駐車されていることを、その車のナンバーと共に所有者S及び管理会社に連絡する。例えば制御部80は、所有者端末60及び管理者端末70に、無断駐車されていることと、無断駐車している車のナンバーとを含むメッセージを表示させる。ステップS130の処理が終了すると制御部80は、ステップS140へ移行する。
【0094】
ステップS140において制御部80は、地図情報を用いる等して、利用者Uに周辺の駐車場12を提案する。これによって制御部80は、駐車場12に無断駐車されている場合に、利用者Uが駐車場12に到着する前に別の駐車場を利用者Uに提案することができる。このため、利用者Uに与えるストレスを緩和することができる。ステップS140の処理が終了すると制御部80は、
図7に示す第1処理を終了する。なおステップS140における利用者Uへの提案方法は特に限定されるものではないが、利用者Uは利用者車両UCを運転していることが想定されるため、運転を妨げないように駐車場12を提案することが望ましい。
【0095】
制御部80は
図7に示す第1処理を実行することで、利用者Uが駐車場12に到着する前に、駐車場12の扉12aを開き終えることができる。
【0096】
より詳細には、制御部80は、利用者Uが駐車場12に到着する予定時刻の30秒前になると、扉12aを開き始めるように電動カーゲート33を制御する(ステップS40・S50)。この30秒という時間は、扉12aを開き終えるまでに要する時間(16秒)よりも長いため、利用者Uの到着前に駐車場12の扉12aを開き終えることができる。これによって利用者Uは、速やかに(扉12aが開くのを待つことなく)駐車場12を利用することができる。
【0097】
また制御部80は、到着予定時刻の30秒前になるまでは、扉12aを閉じた状態を維持することができる。これによって駐車場12から敷地10内に不審者が侵入するのを抑制できる。このようにして制御部80は、タイミングよく駐車場12の扉12aを開けることができる。
【0098】
また制御部80は、駐車場12の扉12aとほぼ同じタイミングで、シャッター11c及びカーテン11bを閉じるように電動カーテン装置31等を制御する(ステップS60)。これによって利用者Uが駐車場12に入る際にカーテン11b等を閉じて所有者Sのプライバシーを保護することができる。また、到着予定時刻の30秒前になるまでは、カーテン11b等を開けて採光に与える影響を小さくすることができる。
【0099】
また制御部80は、駐車場12が利用できない場合(ステップS30:YES)、駐車場12の扉12aを必ずしも開く必要はないため、規制装置30を動作させない。これにより、駐車場12から不審者が侵入するのを抑制することができる。
【0100】
またステップS100において制御部80は、駐車場カメラ40に写った車のナンバーに応じて所有者車両SCが駐車場12に駐車されているか否かを判断している。当該構成によると、従来技術のように、所有者車両SCに搭載された機器等と所有者端末60が通信することなく、駐車場12における所有者車両SCの有無を判断することができるため、所有者端末60の通信負荷を減らすことができる。また、近距離通信可能な機器を所有者車両SCに搭載することなく、シンプルな装置構成で所有者車両SCの有無を判断することができる。
【0101】
次に、
図7及び
図9を参照し、駐車場12が貸し出された後で駐車場12の扉12aを閉めるための第2処理について説明する。制御部80は、
図7に示すステップS50・S60の実行後(カーテン11b等を閉じると共に駐車場12の扉12aを開けた後)に、
図9に示す第2処理を繰り返し実行する。これによって制御部80は、利用者Uが駐車場12を退去した後で、速やかに駐車場12の扉12aを閉めることができる(
図4参照)。以下、具体的に説明する。
【0102】
制御部80は、第2処理を開始するとステップS210へ移行する。ステップS210において制御部80は、現在の時刻が予約時間内である場合(ステップS210:YES)、ステップS220へ移行する。一方制御部80は、予約時間外である場合(ステップS210:NO)、再びステップS210へ移行する。
【0103】
ステップS220において制御部80は、駐車場カメラ40の撮像結果を解析し、駐車場12(貸出スペース)に人が写っているか否かを判定する。制御部80は、駐車場12に人が写っていない場合に(人が検出されない場合、ステップS220:YES)、ステップS230へ移行する。一方制御部80は、駐車場12に人が写っている場合に(ステップS220:NO)、ステップS240へ移行する。
【0104】
ステップS230において制御部80は、利用者Uが駐車場12から退去したと判断し、時間の計測を開始する。ステップS230の処理が終了すると制御部80は、ステップS260へ移行する。
【0105】
ステップS220で人が検出された場合に移行するステップS240において制御部80は、当該ステップS220で検出された人が所有者Sであるか確認する。例えば制御部80は、駐車場カメラ40に写った人の顔が、記憶装置に予め記憶される所有者Sの顔と一致するか否か判定する。制御部80は、顔が一致する場合(ステップS240:YES)、ステップS250へ移行する。一方制御部80は、顔が一致しない場合(ステップS240:NO)、
図9に示す第2処理を終了する。
【0106】
ステップS250において制御部80は、ステップS230と同様に、利用者Uが駐車場12から退去したと判断し、時間の計測を開始する。ステップS250の処理が終了すると制御部80は、ステップS260へ移行する。
【0107】
ステップS260において制御部80は、ステップS230・S250で計測される時間(利用者Uが検出されなくなってから経過した時間)が所定時間を経過したか否か判定する。本実施形態では、忘れ物の確認等のために利用者Uが駐車場12に戻ることを考慮して、前記所定時間として3分が設定されている。制御部80は、前記計測時間が3分を超えた場合に(ステップS260:YES)、ステップS270へ移行する。一方制御部80は、前記計測時間が3分を超えていない場合に(ステップS260:NO)、ステップS220へ移行する。なおステップS260における閾値(3分)は一例であり、本実施形態に限定されるものではない。
【0108】
ステップS270において制御部80は、駐車場12の扉12aを閉じるように電動カーゲート33の動作を開始させる。ステップS270の処理が終了すると制御部80は、ステップS280へ移行する。
【0109】
ステップS280において制御部80は、カーテン11b及びシャッター11cを閉じる前の状態に戻すように、電動カーテン装置31及び電動シャッター装置32の動作を開始させる。より詳細には、制御部80は、
図7に示すステップS60で記憶させたカーテン11b及びシャッター11cの開度を記憶装置から取得する。そして制御部80は、カーテン11b及びシャッター11cの開度がこの取得した開度となるように、電動カーテン装置31及び電動シャッター装置32を制御する。
図9に示すステップS280の処理が終了すると制御部80は、第2処理を終了する。制御部80は、上記ステップS270・S280の処理により、駐車場12へ出入り不能な第2規制状態に切り替えることができる。
【0110】
制御部80は第2処理を実行することによって、駐車場12から利用者Uが退去したと考えられるタイミングで(退去の3分後に)、駐車場12の扉12aを閉じることができる(ステップS220~S270)。これによって、扉12aを速やかに閉じて、駐車場12から敷地10内に不審者が侵入するのを抑制できる。また、利用者車両UC以外の車両が誤って駐車場12に駐車されるのも抑制できる。
【0111】
また制御部80は、駐車場12の扉12aとほぼ同じタイミングで、シャッター11c及びカーテン11bを元に戻すように電動カーテン装置31等を制御する(ステップS280)。これによってカーテン11b等を速やかに開くことが可能となるため、採光に与える影響を小さくして、日常生活の住環境が損なわれるのを抑制することができる。
【0112】
次に、
図7、
図9及び
図10を参照し、駐車場12から利用者車両UCが出庫する際の第3処理について説明する。制御部80は、
図9に示すステップS270・S280の実行後(カーテン11b等を元の状態に戻すと共に駐車場12の扉12aを閉じた後)に、
図10に示す第3処理を繰り返し実行する。これによって制御部80は、駐車場12から利用者車両UCを出庫させるために利用者Uが駐車場12の近くに移動した場合に、駐車場12の扉12aを開くことができる(
図5参照)。以下、具体的に説明する。
【0113】
制御部80は、第3処理を開始するとステップS310へ移行する。ステップS310において制御部80は、現在の時刻が、予約終了時間の前後15分の範囲内でない場合(ステップS310:NO)、再びステップS310へ移行する。一方制御部80は、現在の時刻が前記範囲内である場合(ステップS310:YES)、ステップS320へ移行する。これによって制御部80は、利用者Uが利用者車両UCを出庫させると考えられる時間が近くなった場合に、ステップS320以降の処理を行う。
【0114】
なお、利用者Uが予約終了時間15分前よりもさらに前のタイミングで、駐車場12から利用者車両UCを出庫させることも想定される。例えば、急用ができたため利用者車両UCをすぐに出庫させることも想定されるし、予約時間内に一時的に利用者車両UCを出庫させることも想定される。制御部80は、こうした事態に対応するために、ステップS310において、現在の時刻が予約時間内であるか否かを判定するようにしてもよい。
【0115】
ステップS320において制御部80は、
図7に示すステップS40と同様に、到着予定時刻を計算する。
図10に示すように、制御部80は、現在の時刻が到着予定時刻の所定時間前になると、ステップS330へ移行する。
【0116】
なお、ステップS320における所定時間(閾値)は、扉12aを開くのに要する時間(電動カーゲート33の動作時間)に応じて設定される。本実施形態では、扉12aを開き始めてから開き終えるまでに16秒かかるため、前記所定時間として、それよりも長い時間が設定される。具体的には、30秒が設定される。
【0117】
ステップS330において制御部80は、駐車場12の扉12aを開くように電動カーゲート33の動作を開始させる。ステップS330の処理が終了すると制御部80は、ステップS340へ移行する。
【0118】
ステップS340において制御部80は、カーテン11b及びシャッター11cを閉じるように電動カーテン装置31及び電動シャッター装置32の動作を開始させる。また制御部80は、動作前の状態(カーテン11b及びシャッター11cの開度)を記憶装置に記憶させる。ステップS340の処理が終了すると制御部80は、
図10に示す第3処理を終了する。制御部80は、上記ステップS330・S340の処理により、駐車場12に立ち入った利用者Uが建物11内を視認不能な第1規制状態に切り替えることができる。
【0119】
制御部80は第3処理を実行することによって、第1処理の場合と同様に、利用者Uが駐車場12に到着する少し前に、駐車場12の扉12aを開き終えることができる。また制御部80は、第1処理の場合と同様に、駐車場12の扉12aとほぼ同じタイミングで電動カーテン装置31等を制御することで、所有者Sのプライバシーを保護することができると共に、採光に与える影響を小さくすることができる。
【0120】
次に、
図10及び
図11を参照し、利用者車両UCの出庫後に駐車場12の扉12aを閉めるための第4処理について説明する。制御部80は、
図10に示すステップS330・S340の実行後(カーテン11b等を閉じると共に駐車場12の扉12aを開けた後)、
図11に示す第4処理を繰り返し実行する。これによって制御部80は、利用者Uに駐車場12を貸し出した後(利用者Uのシェアリングサービスの利用開始後)、利用者車両UCの出庫(利用者Uのシェアリングサービスの利用終了)に応じて、速やかに駐車場12の扉12aを閉めることができる(
図6参照)。以下、具体的に説明する。
【0121】
制御部80は、第4処理を開始するとステップS410へ移行する。ステップS410において制御部80は、現在の時刻が予約時間内である場合(ステップS410:YES)、ステップS420へ移行する。一方制御部80は、予約時間外である場合(ステップS410:NO)、再びステップS410へ移行する。
【0122】
ステップS420において制御部80は、
図7に示すステップS70と同様の処理により、駐車場12に駐車される車両のナンバーを検知する。
図11に示すように、制御部80は、車両のナンバーを検知しなかった場合(ステップS420:YES)、ステップS430へ移行する。一方制御部80は、車両のナンバーを検知した場合(ステップS420:NO)、
図11に示す第4処理を終了する。
【0123】
ステップS430において制御部80は、ステップS420でナンバーを検知しなくなってから所定時間が経過したか否かを判定する。本実施形態では、忘れ物の確認等のために利用者Uが駐車場12に戻ることを考慮して、前記所定時間として3分が設定されている。制御部80は、ナンバーを検知しなくなってから3分が経過した場合(ステップS430:YES)、ステップS440へ移行する。一方制御部80は、3分が経過していない場合(ステップS430:NO)、再びステップS420へ移行する。なおステップS430における閾値(3分)は一例であり、本実施形態に限定されるものではない。
【0124】
ステップS440において制御部80は、駐車場12の扉12aを閉じるように電動カーゲート33の動作を開始させる。ステップS440の処理が終了すると制御部80は、ステップS450へ移行する。
【0125】
ステップS450において制御部80は、カーテン11b及びシャッター11cを閉じる前の状態に戻すように、電動カーテン装置31及び電動シャッター装置32の動作を開始させる。
【0126】
より詳細には、制御部80は、
図10に示すステップS340で記憶させたカーテン11b及びシャッター11cの開度を記憶装置から取得する。そして制御部80は、カーテン11b及びシャッター11cの開度がこの取得した開度となるように、電動カーテン装置31及び電動シャッター装置32を制御する。
図11に示すステップS450の処理が終了すると制御部80は、第4処理を終了する。制御部80は、上記ステップS440・S450の処理により、駐車場12へ出入り不能な第2規制状態に切り替えることができる。
【0127】
制御部80は第4処理を実行することによって、駐車場12から利用者Uが退去したと考えられるタイミングで(車両のナンバーが検知されなくなってから3分後に)、駐車場12の扉12aを閉じることができる。これによって、駐車場12から敷地10内に不審者が侵入するのを抑制できる。
【0128】
また制御部80は、駐車場12の扉12aとほぼ同じタイミングで、シャッター11c及びカーテン11bを元に戻すように電動カーテン装置31等を制御する(ステップS480)。これによってカーテン11b等を速やかに開くことが可能となるため、採光に与える影響を小さくして、日常生活の住環境が損なわれるのを抑制することができる。
【0129】
このように、本実施形態のシェアリングシステム20によると、カーテン11b、シャッター11c及び駐車場12の扉12aを適切なタイミングで開閉することができる。このように、シェアリングシステム20は、適切に動作することができ、プライバシーの保護や防犯機能の向上を図ることができる。
【0130】
以上の如く、本実施形態に係るシェアリングシステム20は、所有者Sの敷地10の一部(本実施形態では駐車場12)を利用者Uに貸し出すためのシェアリングシステム20であって、前記所有者Sの敷地10内の建物11に形成された窓11a(採光部)を遮蔽可能な電動カーテン装置31及び電動シャッター装置32(遮蔽装置)と、前記利用者Uの利用者端末50(携帯端末)の位置情報に基づいて前記電動カーテン装置31及び電動シャッター装置32を制御する制御部80と、を具備するものである。
【0131】
このように構成することにより、利用者端末50の位置情報に応じて適切に動作することができる。
【0132】
また、前記シェアリングシステム20は、前記利用者Uに貸し出される敷地10(駐車場12)を監視する監視装置(駐車場カメラ40及び制御部80)をさらに具備し、前記制御部80は、前記監視装置の監視結果及び前記利用者端末50の位置情報に基づいて前記電動カーテン装置31及び電動シャッター装置32を制御するものである。
【0133】
このように構成することにより、利用者端末50の位置情報に加えて、監視装置の監視結果を考慮して電動カーテン装置31等を制御することができるため、より適切に動作することができる。
【0134】
また、前記利用者Uに貸し出される敷地10は、前記所有者Sの敷地10の駐車場12である。
【0135】
このように構成することにより、駐車場12の貸し出しにおいて、適切に動作することができる。
【0136】
また、前記シェアリングシステム20は、前記駐車場12の出入口に設けられた扉12aを開閉可能な電動カーゲート33(開閉装置)をさらに具備し、前記制御部80は、前記監視装置(駐車場カメラ40及び制御部80)の監視結果及び前記利用者端末50の位置情報に基づいて前記電動カーゲート33を制御するものである。
【0137】
このように構成することにより、監視装置の監視結果や利用者端末50の位置情報に応じて、駐車場12の扉12aを適切に開閉することができる。
【0138】
また、前記制御部80は、前記電動カーゲート33、電動カーテン装置31及び電動シャッター装置32を制御することで、前記扉12aを開くと共に前記窓11a(採光部)を遮蔽する第1状態(本実施形態では
図3に示す第1規制状態)と、前記扉12aを閉じると共に前記窓11aを遮蔽しない第2状態(本実施形態では
図4(c)に示す第2規制状態)と、を切り替えるものである。
【0139】
このように構成することにより、電動カーゲート33、電動カーテン装置31及び電動シャッター装置32を適切に制御することができる。
【0140】
また、前記制御部80は、前記駐車場12が貸し出される前の状態において(ステップS10:YES)、前記利用者端末50の現在位置に基づいて前記利用者Uが前記駐車場12に到着する予定時刻を算出し(ステップS40)、当該算出結果が第1閾値(30秒)以内である場合、前記電動カーテン装置31、電動シャッター装置32及び電動カーゲート33を制御して前記第1状態に切り替える第1制御を開始するものである(ステップS50・S60)。
【0141】
このように構成することにより、利用者Uが駐車場12に近づいたタイミングで電動カーテン装置31等の動作を開始することができるため、第1状態に適切に切り替えることができる。
【0142】
また、前記監視装置(駐車場カメラ40及び制御部80)は、前記駐車場12にある障害物SGを検知可能であり、前記制御部80は、前記障害物SGを前記監視装置が検知した場合は(ステップS30:YES)、前記予定時刻の算出結果が前記第1閾値以内であったとしても前記第1制御を開始しないものである(ステップS70~S140)。
【0143】
このように構成することにより、電動カーテン装置31等の無駄な動作を省くことができる。
【0144】
また、前記監視装置(駐車場カメラ40及び制御部80)は、前記駐車場12において、人の存在を検知可能であり、前記制御部80は、前記利用者Uが前記駐車場12を利用可能な時間に前記監視装置が人を検知しない場合、又は、前記利用可能な時間に前記監視装置が検知した人が前記所有者Sである場合の少なくとも一方において(ステップS210:Yes、ステップS220:YES、ステップS230:YES)、前記電動カーテン装置31、電動シャッター装置32及び電動カーゲート33を制御して前記第2状態に切り替える第2制御を開始するものである(ステップS270・S280)。
【0145】
このように構成することにより、駐車場12を利用中の利用者Uが駐車場12を出た後で電動カーテン装置31等の動作を開始することができるため(
図4参照)、第2規制状態に適切に切り替えることができる。
【0146】
また、前記制御部80は、前記第2制御の後で、前記利用者端末50の現在位置に基づいて前記利用者Uが前記駐車場12に到着する予定時刻を算出し(ステップS320)、当該算出結果が第2閾値(30秒)以内である場合、前記電動カーテン装置31、電動シャッター装置32及び電動カーゲート33を制御して前記第1状態に切り替える第3制御を開始するものである(ステップS330・S340)。
【0147】
このように構成することにより、利用者Uが駐車場12に近づいたタイミングで電動カーテン装置31等の動作を開始することができるため、第1規制状態に適切に切り替えることができる。
【0148】
また、前記閾値(第1閾値及び第2閾値)は、前記第1状態への切り替えが完了するまでに要する時間を考慮して設定されるものである。
【0149】
このように構成することにより、利用者Uが駐車場12に到着するタイミングで電動カーテン装置31等の動作を終了することができるため、第1状態に、より適切に切り替えることができる。
【0150】
また、前記監視装置(駐車場カメラ40及び制御部80)は、前記駐車場12に駐車される車両を検知可能であり、前記制御部80は、前記利用者Uに前記駐車場12を貸し出した後で前記監視装置が前記車両を検知しない場合(ステップS410:NO、ステップS420:YES)、前記電動カーテン装置31、電動シャッター装置32及び電動カーゲート33を制御して前記第2状態に切り替える第4制御を開始するものである(ステップS440・S450)。
【0151】
このように構成することにより、駐車場12の利用後に利用者Uの車両(利用者車両UC)が駐車場12を出た後で電動カーテン装置31等の動作を開始することができるため(
図6参照)、第2規制状態に適切に切り替えることができる。
【0152】
なお、本実施形態に係る窓11aは、本発明に係る採光部の実施の一形態である。
また、本実施形態に係る電動カーテン装置31及び電動シャッター装置32は、本発明に係る遮蔽装置の実施の一形態である。
また、本実施形態に係る利用者端末50は、本発明に係る携帯端末の実施の一形態である。
また、本実施形態に係る駐車場カメラ40及び制御部80は、本発明に係る監視装置の実施の一形態である。
また、本実施形態に係る電動カーゲート33は、本発明に係る開閉装置の実施の一形態である。
【0153】
以上、本発明の実施形態を説明したが、本発明は上記構成に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された発明の範囲内で種々の変更が可能である。
【0154】
例えば本実施形態では、所有者Sの駐車場12が貸し出されるものとしたが、シェアリングシステム20で貸し出しの対象となる場所は、所有者Sの敷地10であればよく、駐車場12に限定されるものではない。例えばシェアリングシステム20では、敷地10の軒下のスペースや庭等を貸し出すものであってもよい。この場合利用者Uは、駐車以外の目的で軒下のスペース等を利用すると考えられる。
【0155】
シェアリングシステム20は、こうした利用者Uの目的に応じて電動カーテン装置31等を制御可能である。例えば軒下のスペース等を利用して店を出す場合、利用者Uは、予約時間中は敷地10内に滞在すると考えられる。そこで制御部80は、予約時間中は敷地10内の人の有無に関わらず、カーテン11b及びシャッター11cを閉じるように電動カーテン装置31等を制御してもよい。この場合制御部80は、貸出スペースが貸し出された後に実行される第2処理(
図9の処理)において、駐車場カメラ40の撮像結果を用いて利用者Uの退去を検知する必要はない。このように、シェアリングシステム20では、利用者Uの目的に応じて駐車場カメラ40の撮像結果を適宜使用可能である。
【0156】
また制御部80は、電動カーテン装置31、電動シャッター装置32及び電動カーゲート33を制御するものとしたが、制御部80による制御対象は、少なくともプライバシーの保護のために敷地10に設けられた部材を動作させるものであれば、本実施形態(電動カーテン装置31等)に限定されるものではない。
【0157】
本実施形態では、プライバシーの保護のために電動カーテン装置31及び電動シャッター装置32が設置されているため、制御部80は、当該電動カーテン装置31又は電動シャッター装置32の少なくとも一方を動作させるものであればよい。また制御部80は、電動カーテン装置31又は電動シャッター装置32の少なくとも一方に加えて、本実施形態とは異なるその他の装置を制御するものでもよい。具体的には制御部80は、建物11の玄関ドアをロックするための電動ロック装置等を制御するものでもよい。
【0158】
また制御部80は、
図7に示すステップS100において、駐車場カメラ40の撮像結果に基づいて所有者車両SCの有無を確認するものとしたが、その他の情報に基づいて所有者車両SCの有無を確認することも可能である。例えば所有者車両SCに搭載される車載GPSからの情報(所有者車両SCの現在位置)に基づいて、所有者車両SCの有無を確認することも可能である。
【0159】
また制御部80は、
図7に示す第1処理において、駐車場12に障害物SGがある場合に電動カーゲート33等を動作させないものとしたが(ステップS70~S140)、障害物SGがある場合の電動カーゲート33等の制御はこれに限定されるものではない。例えば、駐車場12に障害物SGがあることを利用者Uが確認できるようにするために、障害物SGがある場合でも、駐車場12の扉12aを開くように電動カーゲート33を制御することも可能である。
【0160】
また制御部80は、
図7及び
図10に示すステップS40・S320において、到着予定時刻の30秒前になると次のステップS50・S330へ移行するものとした。この30秒という閾値は、駐車場12の扉12aを開くのに要する時間(16秒)に応じて設定されたものであるが、これに加えて、カーテン11b及びシャッター11cを閉じるのに要する時間も考慮して、前記閾値を設定することも可能である。このように、ステップS40・S320における閾値は、適宜変更可能である。
【0161】
また制御部80は、
図9に示すステップS220において、駐車場カメラ40の撮像結果に基づいて、駐車場12にいる人を検知するものとしたが、その他の情報に基づいて人を検知することも可能である。例えば制御部80は、駐車場12に設置された人感センサの検知結果に基づいて、駐車場12にいる人を検知することも可能である。このように、本発明に係る監視装置は、駐車場カメラ40以外の機器を含むことも可能である。
【0162】
また制御部80は、
図11に示す第4処理において、駐車場カメラ40に車のナンバーが写っていない場合に電動カーテン装置31等を制御するものとしたが、第4処理では、利用者Uが駐車場12から退去したと考えられるその他の情報に基づいて、規制装置30を制御することも可能である。例えば制御部80は、駐車場12に設置された人感センサが人を検知しない場合に電動カーテン装置31等を制御することも可能である。
【0163】
また制御部80は、
図11に示す第4処理のステップS410において、予約時間内であるか否かを確認するものとしたが、当該処理を行うことなく車のナンバーを検出するステップS420の処理を実行することも可能である。これによって制御部80は、予約時間を過ぎた後で利用者Uが駐車場12から利用者車両UCを出庫させる場合等において、駐車場12の扉12a等を適切に制御することができる。
【符号の説明】
【0164】
10 敷地
12 駐車場
20 シェアリングシステム
31 電動カーテン装置
32 電動シャッター装置
50 携帯端末
80 制御部
S 所有者
U 利用者