IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社豊田自動織機の特許一覧

<>
  • 特開-インバータ装置及び電動圧縮機 図1
  • 特開-インバータ装置及び電動圧縮機 図2
  • 特開-インバータ装置及び電動圧縮機 図3
  • 特開-インバータ装置及び電動圧縮機 図4
  • 特開-インバータ装置及び電動圧縮機 図5
  • 特開-インバータ装置及び電動圧縮機 図6
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024140728
(43)【公開日】2024-10-10
(54)【発明の名称】インバータ装置及び電動圧縮機
(51)【国際特許分類】
   H02M 7/48 20070101AFI20241003BHJP
   H02P 27/06 20060101ALI20241003BHJP
【FI】
H02M7/48 L
H02M7/48 M
H02P27/06
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023052034
(22)【出願日】2023-03-28
(71)【出願人】
【識別番号】000003218
【氏名又は名称】株式会社豊田自動織機
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(72)【発明者】
【氏名】多田 佳史
(72)【発明者】
【氏名】岡田 仁
(72)【発明者】
【氏名】宇佐美 勝也
(72)【発明者】
【氏名】大島 敦
【テーマコード(参考)】
5H505
5H770
【Fターム(参考)】
5H505AA06
5H505AA16
5H505BB09
5H505CC04
5H505DD03
5H505DD08
5H505EE49
5H505FF01
5H505HA01
5H505HA05
5H505HA06
5H505HA10
5H505HB01
5H505JJ03
5H505JJ26
5H505LL24
5H505LL44
5H505MM06
5H770AA05
5H770BA05
5H770CA06
5H770DA03
5H770DA41
5H770EA01
5H770FA01
5H770HA03W
5H770HA06W
5H770HA14W
5H770JA11W
5H770JA14W
5H770KA01W
5H770LA08W
5H770PA12
5H770QA01
5H770QA22
5H770QA27
5H770QA31
(57)【要約】
【課題】モータの起動を早めることができるインバータ装置及び電動圧縮機を提供する。
【解決手段】インバータ装置15は、直流電圧を交流電圧に変換することによりモータ14を駆動する。インバータ装置15は、直流電圧を平滑する電解コンデンサ43と、複数のコンデンサ放電抵抗440を有するコンデンサ放電回路44と、コンデンサ放電回路44の抵抗値を第1抵抗値と第1抵抗値よりも大きい第2抵抗値とで切り替え可能な第1切替部45と、第1切替部45を制御する制御部46とを備えている。コンデンサ放電回路44は、コンデンサ放電抵抗440による損失熱を用いて電解コンデンサ43を加熱可能とされている。制御部46は、電解コンデンサ43への暖機要求が高まれば、第1切替部45を制御することにより、コンデンサ放電回路44の抵抗値を第2抵抗値から第1抵抗値に切り替える。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
直流電圧を交流電圧に変換することによりモータを駆動するインバータ装置であって、
前記直流電圧を平滑する電解コンデンサと、
複数の放電抵抗を有する放電回路と、
前記放電回路の抵抗値を第1抵抗値と前記第1抵抗値よりも大きい第2抵抗値とで切り替え可能な切替部と、
前記切替部を制御する制御部と、
を備え、
前記放電回路は、前記放電抵抗による損失熱を用いて前記電解コンデンサを加熱可能とされ、
前記制御部は、前記電解コンデンサへの暖機要求が高まれば、前記切替部を制御することにより、前記放電回路の抵抗値を前記第2抵抗値から前記第1抵抗値に切り替えることを特徴とするインバータ装置。
【請求項2】
前記放電抵抗は、前記電解コンデンサと当接、又は前記電解コンデンサと当接する介在部材と当接している請求項1に記載のインバータ装置。
【請求項3】
前記電解コンデンサは、円柱状であり、
前記放電抵抗は、前記電解コンデンサの軸方向と直交する方向において前記電解コンデンサと並んでいる請求項1に記載のインバータ装置。
【請求項4】
前記電解コンデンサは、円柱状であり、
前記放電抵抗は、前記電解コンデンサの軸方向において前記電解コンデンサと並んでいる請求項1に記載のインバータ装置。
【請求項5】
前記制御部は、前記電解コンデンサの温度が所定温度未満である場合、前記切替部を制御することにより、前記放電回路の抵抗値を前記第2抵抗値から前記第1抵抗値に切り替える請求項1に記載のインバータ装置。
【請求項6】
前記電解コンデンサが実装される回路基板を備え、
前記電解コンデンサは、円柱状であり、軸方向が前記回路基板の板厚方向と直交するように配置されている請求項1に記載のインバータ装置。
【請求項7】
流体を圧縮する圧縮部と、
前記圧縮部を駆動するモータと、
直流電圧を交流電圧に変換することにより前記モータを駆動するインバータ装置と、
を備える電動圧縮機であって、
前記インバータ装置は、請求項1に記載のインバータ装置であることを特徴とする電動圧縮機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、インバータ装置及び電動圧縮機に関する。
【背景技術】
【0002】
インバータ装置は、直流電圧を交流電圧に変換することによりモータを駆動する。インバータ装置は、例えば、流体を圧縮する圧縮部と、圧縮部を駆動するモータとを備える電動圧縮機に用いられる。
【0003】
インバータ装置は、直流電圧を平滑する電解コンデンサを有している。電解コンデンサの温度が低いほど、電解コンデンサのESR(等価直列抵抗)は大きくなる。電解コンデンサのESRが大きいほど、電解コンデンサに電流が流れた際に発生するリップル電圧は高くなる。このため、インバータ装置が低温環境下で使用される場合には、リップル電圧によって周辺部品に出力される電圧が定格電圧を超えることにより、モータ、ひいては電動圧縮機を起動できないことがある。
【0004】
特許文献1では、モータを起動させる前に少量の電流を電解コンデンサに流すことにより、電解コンデンサを温める。電解コンデンサが温められると、電解コンデンサのESRが低減されるため、リップル電圧が抑えられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2020-184819号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1では、電解コンデンサを温めた後でモータを起動させるため、モータの起動に遅れが生じる。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記問題点を解決するためのインバータ装置は、直流電圧を交流電圧に変換することによりモータを駆動するインバータ装置であって、前記直流電圧を平滑する電解コンデンサと、複数の放電抵抗を有する放電回路と、前記放電回路の抵抗値を第1抵抗値と前記第1抵抗値よりも大きい第2抵抗値とで切り替え可能な切替部と、前記切替部を制御する制御部と、を備え、前記放電回路は、前記放電抵抗による損失熱を用いて前記電解コンデンサを加熱可能とされ、前記制御部は、前記電解コンデンサへの暖機要求が高まれば、前記切替部を制御することにより、前記放電回路の抵抗値を前記第2抵抗値から前記第1抵抗値に切り替えることを要旨とする。
【0008】
上記構成によれば、インバータ装置は、複数の放電抵抗を有する放電回路を備えている。放電回路は、放電抵抗による損失熱を用いて電解コンデンサを加熱可能とされている。電解コンデンサが放電抵抗による損失熱によって温められることにより、電解コンデンサのESRが低減されるため、リップル電圧が抑えられる。この場合、従来技術のようにモータを起動させる前に電解コンデンサに少量の電流を流すことによって電解コンデンサを温めなくても済むため、モータの起動を早めることができる。
【0009】
また、インバータ装置は、切替部と、切替部を制御する制御部とを備えている。切替部は、放電回路の抵抗値を第1抵抗値と第1抵抗値よりも大きい第2抵抗値とで切り替え可能である。制御部は、電解コンデンサへの暖機要求が高まれば、切替部を制御することにより、放電回路の抵抗値を第2抵抗値から第1抵抗値に切り替える。放電回路の抵抗値が第1抵抗値であるときの放電回路の発熱量及び損失は、放電回路の抵抗値が第2抵抗値であるときの放電回路の発熱量及び損失よりも大きい。したがって、電解コンデンサへの暖機要求が高まっているときには、放電回路の抵抗値を第1抵抗値にすることで放電回路の発熱量を大きくすることにより、電解コンデンサを効率良く温めることができる。一方、電解コンデンサへの暖機要求が高まっていないときには、放電回路の抵抗値を第2抵抗値にすることにより損失を低減できる。
【0010】
上記インバータ装置において、前記放電抵抗は、前記電解コンデンサと当接、又は前記電解コンデンサと当接する介在部材と当接していてもよい。
上記構成によれば、放電抵抗による損失熱は、電解コンデンサに直接伝達される、もしくは介在部材を介して電解コンデンサに伝達される。このため、放電抵抗が電解コンデンサから離れている場合と比較して、放電抵抗による損失熱が電解コンデンサに伝達されやすい。したがって、電解コンデンサを効率良く温めることができる。
【0011】
上記インバータ装置において、前記電解コンデンサは、円柱状であり、前記放電抵抗は、前記電解コンデンサの軸方向と直交する方向において前記電解コンデンサと並んでいてもよい。
【0012】
上記インバータ装置において、前記電解コンデンサは、円柱状であり、前記放電抵抗は、前記電解コンデンサの軸方向において前記電解コンデンサと並んでいてもよい。
上記インバータ装置において、前記制御部は、前記電解コンデンサの温度が所定温度未満である場合、前記切替部を制御することにより、前記放電回路の抵抗値を前記第2抵抗値から前記第1抵抗値に切り替えてもよい。
【0013】
上記構成によれば、制御部は、電解コンデンサの温度が所定温度未満である場合、電解コンデンサへの暖機要求が高まっているとして、切替部を制御することにより、放電回路の抵抗値を第2抵抗値から第1抵抗値に切り替える。つまり、制御部は、電解コンデンサの温度に基づいて切替部を制御する。このため、例えば、制御部が電解コンデンサの加熱時間に基づいて切替部を制御する場合と比較して、適切なタイミングで放電回路の抵抗値を第2抵抗値から第1抵抗値に切り替えることができる。
【0014】
上記インバータ装置において、前記電解コンデンサが実装される回路基板を備え、前記電解コンデンサは、円柱状であり、軸方向が前記回路基板の板厚方向と直交するように配置されていてもよい。
【0015】
上記問題点を解決するための電動圧縮機は、流体を圧縮する圧縮部と、前記圧縮部を駆動するモータと、直流電圧を交流電圧に変換することにより前記モータを駆動するインバータ装置と、を備える電動圧縮機であって、前記インバータ装置は、請求項1に記載のインバータ装置であることを要旨とする。
【0016】
上記構成によれば、インバータ装置は、複数の放電抵抗を有する放電回路を備えている。放電回路は、電解コンデンサへの暖機要求が高まれば、切替部を制御することにより、放電回路の抵抗値を第2抵抗値から第1抵抗値に切り替える。電解コンデンサが放電抵抗による損失熱によって温められることにより、電解コンデンサのESRが低減されるため、リップル電圧が抑えられる。この場合、従来技術のようにモータを起動させる前に電解コンデンサに少量の電流を流すことによって電解コンデンサを温めなくても済むため、モータ、ひいては電動圧縮機の起動を早めることができる。
【0017】
また、インバータ装置は、切替部と、切替部を制御する制御部とを備えている。切替部は、放電回路の抵抗値を第1抵抗値と第1抵抗値よりも大きい第2抵抗値とで切り替え可能である。制御部は、電解コンデンサへの暖機要求が高まれば、切替部を制御することにより、放電回路の抵抗値を第2抵抗値から第1抵抗値に切り替える。放電回路の抵抗値が第1抵抗値であるときの放電回路の発熱量及び損失は、放電回路の抵抗値が第2抵抗値であるときの放電回路の発熱量及び損失よりも大きい。したがって、電解コンデンサへの暖機要求が高まっているときには、放電回路の抵抗値を第1抵抗値にすることで放電回路の発熱量を大きくすることにより、電解コンデンサを効率良く温めることができる。一方、電解コンデンサへの暖機要求が高まっていないときには、放電回路の抵抗値を第2抵抗値にすることにより損失を低減できる。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、モータの起動を早めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】実施形態における電動圧縮機を示す断面図である。
図2】電動圧縮機の電気的構成を示す回路図である。
図3】変更例における電動圧縮機を示す断面図である。
図4】変更例における電動圧縮機を示す断面図である。
図5】変更例における電動圧縮機を示す断面図である。
図6】変更例における電動圧縮機を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、インバータ装置及び電動圧縮機を具体化した一実施形態を図1及び図2にしたがって説明する。本実施形態のインバータ装置は、電動圧縮機に用いられる。本実施形態の電動圧縮機は、車両空調装置に用いられる。
【0021】
<車両空調装置>
図1に示すように、車両空調装置100は、電動圧縮機10と、外部冷媒回路101とを備えている。外部冷媒回路101は、電動圧縮機10に対して流体としての冷媒を供給する。外部冷媒回路101は、例えば、熱交換器及び膨張弁等を有している。車両空調装置100は、電動圧縮機10によって冷媒が圧縮され、且つ、外部冷媒回路101によって冷媒の熱交換及び膨張が行われることによって、車内の冷暖房を行う。
【0022】
<電動圧縮機>
図1及び図2に示すように、電動圧縮機10は、ハウジング11と、回転軸12と、圧縮部13と、モータ14と、インバータ装置15と、通信装置16とを備えている。
【0023】
図1に示すように、ハウジング11は、回転軸12、圧縮部13、モータ14、及びインバータ装置15を収容している。ハウジング11は、金属製である。本実施形態のハウジング11は、アルミニウム製である。ハウジング11は、吸入ハウジング21と、吐出ハウジング22と、インバータハウジング23とを有している。
【0024】
吸入ハウジング21は、板状の端壁21aと、端壁21aの外周部から筒状に延びる周壁21bとを有している。吸入ハウジング21は、端壁21aの外面から突出するボス24を有している。
【0025】
吐出ハウジング22は、吸入ハウジング21の開口側の端部に連結されている。吐出ハウジング22は、吸入ハウジング21の開口を閉塞している。吸入ハウジング21と吐出ハウジング22は、吸入室S1を区画している。回転軸12、圧縮部13、及びモータ14は、吸入室S1内に収容されている。モータ14は、吸入室S1内において圧縮部13と吸入ハウジング21の端壁21aとの間に配置されている。
【0026】
インバータハウジング23は、板状の端壁23aと、端壁23aの外周部から筒状に延びる周壁23bとを有している。周壁23bの先端部は、吸入ハウジング21の端壁21aに連結されている。インバータハウジング23の開口は、吸入ハウジング21の端壁21aによって閉塞されている。吸入ハウジング21の端壁21aとインバータハウジング23は、インバータ収容室S2を区画している。インバータ装置15及び通信装置16は、インバータ収容室S2内に収容されている。
【0027】
ハウジング11は、吸入口11aを有している。吸入口11aは、吸入ハウジング21の周壁21bに形成されている。吸入口11aは、吸入ハウジング21の周壁21bのうち、吐出ハウジング22よりも端壁21aに近い部位に形成されている。また、ハウジング11は、吐出口11bを有している。吐出口11bは、吐出ハウジング22に形成されている。吸入口11aは、外部冷媒回路101の一端に接続されるとともに、吐出口11bは、外部冷媒回路101の他端に接続されている。
【0028】
回転軸12は、ハウジング11に対して回転可能な状態で支持されている。回転軸12の軸方向は、吸入ハウジング21の周壁21bの軸方向と一致している。
圧縮部13は、回転軸12に連結されている。圧縮部13は、回転軸12が回転すると、冷媒を圧縮する。圧縮部13は、例えば、吸入ハウジング21に固定された図示しない固定スクロールと、固定スクロールに対向配置される図示しない旋回スクロールとから構成されるスクロール式である。
【0029】
モータ14は、ロータ31及びステータ32を有している。
ロータ31は、円筒形状のロータコア33と、ロータコア33に設けられた図示しない永久磁石とを有している。回転軸12は、ロータコア33に挿通されている。回転軸12は、ロータコア33に固定されている。回転軸12は、ロータ31と一体回転可能である。
【0030】
ステータ32は、ロータ31と回転軸12の径方向に対向している。ステータ32は、円筒形状のステータコア34と、u相コイル35u、v相コイル35v、及びw相コイル35wとを有している。ステータコア34は、吸入ハウジング21の周壁21bの内周面に固定されている。u相コイル35u、v相コイル35v、及びw相コイル35wはそれぞれ、ステータコア34に巻きつけられている。
【0031】
図2に示すように、u相コイル35u、v相コイル35v、及びw相コイル35wは、例えば、Y結線されている。u相コイル35u、v相コイル35v、及びw相コイル35wの結線態様は、Y結線に限られず、任意である。u相コイル35u、v相コイル35v、及びw相コイル35wの結線態様は、例えば、デルタ結線でもよい。
【0032】
u相コイル35u、v相コイル35v、及びw相コイル35wが所定のパターンで通電されることにより、ロータ31は回転する。ロータ31が回転すると、回転軸12が回転する。これにより、圧縮部13が駆動する。したがって、モータ14は、圧縮部13を駆動する。圧縮部13は、外部冷媒回路101から吸入口11aを介して吸入室S1内に吸入された冷媒を圧縮する。圧縮部13により圧縮された冷媒は、吐出口11bを介して外部冷媒回路101に吐出される。
【0033】
通信装置16は、通信用バッテリ16aとトランシーバ16bとを有している。通信用バッテリ16aは、トランシーバ16bに電力を供給する。トランシーバ16bは、通信用バッテリ16aから供給された電力によって動作する。トランシーバ16bは、車両空調装置100の全体を制御する空調ECU102と通信可能に構成されている。
【0034】
<インバータ装置>
図1に示すように、インバータ装置15は、回路基板41を有している。回路基板41は、板厚方向が回転軸12の軸方向と一致する状態でインバータ収容室S2内に配置されている。回路基板41は、ボルトBによって吸入ハウジング21のボス24に連結されることにより、ハウジング11に固定されている。
【0035】
回路基板41は、第1実装面41a及び第2実装面41bを有している。第1実装面41a及び第2実装面41bはそれぞれ、回路基板41の板厚方向と直交する面である。第2実装面41bは、第1実装面41aの反対側に位置している。第1実装面41aは、インバータハウジング23の端壁23aの内面と対向している。回路基板41の第2実装面41bは、吸入ハウジング21の端壁21aの外面と対向している。
【0036】
図2に示すように、インバータ装置15は、インバータ回路42を有している。図示は省略するが、インバータ回路42は、回路基板41に実装されている。インバータ回路42は、直流電圧を交流電圧に変換する。この交流電圧がモータ14に供給されることでモータ14は駆動する。つまり、インバータ装置15は、直流電圧を交流電圧に変換することによりモータ14を駆動する。
【0037】
インバータ回路42は、正極母線EL1と負極母線EL2とを有している。正極母線EL1は、蓄電装置103の正極に電気的に接続されている。負極母線EL2は、蓄電装置103の負極に電気的に接続されている。蓄電装置103は、車両に搭載されている。蓄電装置103は、車両に搭載された機器に電力を供給する。蓄電装置103は、直流電源である。蓄電装置103は、例えば、二次電池やキャパシタである。
【0038】
インバータ回路42は、u相コイル35uに対応するu相スイッチング素子Qu1,Qu2を備えている。インバータ回路42は、v相コイル35vに対応するv相スイッチング素子Qv1,Qv2を備えている。インバータ回路42は、w相コイル35wに対応するw相スイッチング素子Qw1,Qw2を備えている。各スイッチング素子Qu1~Qw2は、例えば、IGBT等のパワースイッチング素子である。なお、各スイッチング素子Qu1,Qu2,Qv1,Qv2,Qw1,Qw2には、それぞれ還流ダイオードDu1,Du2,Dv1,Dv2,Dw1,Dw2が接続されている。
【0039】
u相スイッチング素子Qu1,Qu2は、直列接続されている。u相スイッチング素子Qu1,Qu2の直列接続体の一端は、正極母線EL1に電気的に接続されているとともに、u相スイッチング素子Qu1,Qu2の直列接続体の他端は、負極母線EL2に電気的に接続されている。u相スイッチング素子Qu1とu相スイッチング素子Qu2との間は、u相コイル35uに接続されている。
【0040】
v相スイッチング素子Qv1,Qv2は、直列接続されている。v相スイッチング素子Qv1,Qv2の直列接続体の一端は、正極母線EL1に電気的に接続されているとともに、v相スイッチング素子Qv1,Qv2の直列接続体の他端は、負極母線EL2に電気的に接続されている。v相スイッチング素子Qv1とv相スイッチング素子Qv2との間は、v相コイル35vに接続されている。
【0041】
w相スイッチング素子Qw1,Qw2は、直列接続されている。w相スイッチング素子Qw1,Qw2の直列接続体の一端は、正極母線EL1に電気的に接続されているとともに、w相スイッチング素子Qw1,Qw2の直列接続体の一端は、負極母線EL2に電気的に接続されている。w相スイッチング素子Qw1とw相スイッチング素子Qw2との間は、w相コイル35wに接続されている。
【0042】
インバータ装置15は、電解コンデンサ43を有している。電解コンデンサ43は、回路的には、蓄電装置103とインバータ回路42との間に設けられている。電解コンデンサ43は、インバータ回路42に対して並列接続されている。電解コンデンサ43は、蓄電装置103からの直流電圧を平滑する。
【0043】
図1に示すように、電解コンデンサ43は、回路基板41に実装されている。詳しくは、電解コンデンサ43から延びるリード43aは、回路基板41の第1実装面41aに対して、例えば半田付けされている。電解コンデンサ43は、回路基板41の第1実装面41aとインバータハウジング23の端壁23aとの間に位置している。
【0044】
電解コンデンサ43は、円柱状である。本実施形態では、電解コンデンサ43の軸方向の寸法は、電解コンデンサ43の外径よりも大きい。このため、電解コンデンサ43の軸方向は、電解コンデンサ43の長手方向でもある。電解コンデンサ43は、電解コンデンサ43の軸方向が回路基板41の板厚方向と直交するように配置されている。電解コンデンサ43は、図示しないホルダによって、回路基板41の第1実装面41aから離れた状態で保持されている。
【0045】
<コンデンサ放電回路>
図2に示すように、インバータ装置15は、放電回路としてのコンデンサ放電回路44を有している。コンデンサ放電回路44は、電解コンデンサ43に蓄えられた電荷を放電させる。コンデンサ放電回路44は、電解コンデンサ43とインバータ回路42との間に設けられている。コンデンサ放電回路44は、電解コンデンサ43及びインバータ回路42のそれぞれに対して並列接続されている。コンデンサ放電回路44は、放電抵抗としてのコンデンサ放電抵抗440を複数有している。
【0046】
本実施形態のコンデンサ放電回路44は、5つのコンデンサ放電抵抗440を有している。5つのコンデンサ放電抵抗440は、直列接続されている。5つのコンデンサ放電抵抗440の直列接続体の一端は、正極母線EL1に接続されているとともに、5つのコンデンサ放電抵抗440の直列接続体の他端は、負極母線EL2に接続されている。5つのコンデンサ放電抵抗440を区別する場合には、正極母線EL1から負極母線EL2に向かって、第1コンデンサ放電抵抗441、第2コンデンサ放電抵抗442、第3コンデンサ放電抵抗443、第4コンデンサ放電抵抗444、第5コンデンサ放電抵抗445とする。
【0047】
図1に示すように、コンデンサ放電回路44は、コンデンサ放電抵抗440による損失熱が電解コンデンサ43に伝達される位置に配置されている。電解コンデンサ43は、コンデンサ放電抵抗440による損失熱によって加熱される。このようにコンデンサ放電回路44は、コンデンサ放電抵抗440による損失熱を用いて電解コンデンサ43を加熱可能とされている。また、本実施形態では、コンデンサ放電回路44は、コンデンサ放電抵抗440から電解コンデンサ43までの伝熱経路がコンデンサ放電抵抗440からボス24までの伝熱経路よりも短くなるように配置されている。
【0048】
具体的には、コンデンサ放電回路44は、回路基板41の第1実装面41aに実装されている。コンデンサ放電抵抗440は、回路基板41の表面に実装されるSMD(Surface Mount Device)である。コンデンサ放電抵抗440は、回路基板41の第1実装面41aにおける電解コンデンサ43と対向する領域に実装されている。コンデンサ放電抵抗440は、回路基板41の第1実装面41aと電解コンデンサ43との間に位置している。コンデンサ放電抵抗440は、電解コンデンサ43の軸方向と直交する方向において電解コンデンサ43と並んでいる。本実施形態では、コンデンサ放電抵抗440による損失熱は、電解コンデンサ43とコンデンサ放電抵抗440との間の空間及び電解コンデンサ43のホルダを介して電解コンデンサ43に伝達される。
【0049】
<第1切替部>
図2に示すように、インバータ装置15は、コンデンサ放電回路44の抵抗値Raを切り替える切替部としての第1切替部45を有している。第1切替部45としては、例えば、MOSFET、トランジスタ、IGBTなどの半導体素子、リレー、スイッチを用いることができる。第1切替部45は、複数のコンデンサ放電抵抗440のうちの一部に対して並列接続されている。本実施形態では、第1切替部45は、第4コンデンサ放電抵抗444及び第5コンデンサ放電抵抗445に対して並列接続されている。
【0050】
第1切替部45がオンのとき、第1~第3コンデンサ放電抵抗441~443には電流が流れるが、第4コンデンサ放電抵抗444及び第5コンデンサ放電抵抗445には電流が流れない。第1切替部45がオンのときのコンデンサ放電回路44の抵抗値Raを第1抵抗値Ra1とする。本実施形態では、第1抵抗値Ra1は、第1~第3コンデンサ放電抵抗441~443の抵抗値の和である。
【0051】
一方、第1切替部45がオフのとき、第1~第5コンデンサ放電抵抗441~445に電流が流れる。第1切替部45がオフのときのコンデンサ放電回路44の抵抗値Raを第2抵抗値Ra2とする。第2抵抗値Ra2は、第1抵抗値Ra1よりも大きい。本実施形態では、第2抵抗値Ra2は、第1~第5コンデンサ放電抵抗441~445の抵抗値の和である。
【0052】
このように、第1切替部45は、コンデンサ放電回路44の抵抗値Raを第1抵抗値Ra1と第1抵抗値Ra1よりも大きい第2抵抗値Ra2とで切り替え可能である。コンデンサ放電回路44の抵抗値Raが第2抵抗値Ra2であるときよりも第1抵抗値Ra1のときの方が、コンデンサ放電回路44には電流が流れやすい。したがって、コンデンサ放電回路44の抵抗値Raが第1抵抗値Ra1であるときのコンデンサ放電回路44の発熱量及び損失は、コンデンサ放電回路44の抵抗値Raが第2抵抗値Ra2であるときのコンデンサ放電回路44の発熱量及び損失よりも大きい。つまり、第1切替部45は、コンデンサ放電回路44の抵抗値Raを切り替えることによって、コンデンサ放電回路44の発熱量及び損失を切り替えることができる。
【0053】
インバータ装置15は、制御部46を有している。制御部46は、CPU(Central Processing Unit)46aと、図示しない記憶部とを有している。記憶部は、RAM(Random Access Memory)、及びROM(Read Only Memory)を含む。記憶部は、処理をCPU46aに実行させるように構成されたプログラムコードまたは指令を格納している。記憶部、即ち、コンピュータ可読媒体は、汎用または専用のコンピュータでアクセスできるあらゆる利用可能な媒体を含む。制御部46は、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等のハードウェア回路によって構成されていてもよい。処理回路である制御部46は、コンピュータプログラムに従って動作する1つ以上のプロセッサ、ASICやFPGA等の1つ以上のハードウェア回路、或いは、それらの組み合わせを含み得る。
【0054】
図1に示すように、CPU46aは、CPU46aによる損失熱が電解コンデンサ43に伝達される位置に配置されている。電解コンデンサ43は、CPU46aによる損失熱によって加熱される。このようにCPU46aは、CPU46aによる損失熱を用いて電解コンデンサ43を加熱可能とされている。本実施形態では、CPU46aは、CPU46aから電解コンデンサ43までの伝熱経路がCPU46aからボス24までの伝熱経路よりも短くなるように配置されている。具体的には、CPU46aは、回路基板41の第2実装面41bに実装されている。CPU46aによる損失熱は、回路基板41及び電解コンデンサ43のリード43aを介して電解コンデンサ43に伝達される。
【0055】
図2に示すように、インバータ装置15は、内部電源47を有している。内部電源47は、蓄電装置103から入力される入力電圧を所定電圧まで降圧する。内部電源47は、所定電圧を制御部46に出力する。制御部46は、内部電源47から供給された電力によって動作する。
【0056】
図1に示すように、内部電源47は、内部電源47による損失熱が電解コンデンサ43に伝達される位置に配置されている。電解コンデンサ43は、内部電源47による損失熱によって加熱される。このように内部電源47は、内部電源47による損失熱を用いて電解コンデンサ43を加熱可能とされている。本実施形態では、内部電源47は、内部電源47から電解コンデンサ43までの伝熱経路が内部電源47からボス24までの伝熱経路よりも短くなるように配置されている。具体的には、内部電源47は、回路基板41の第2実装面41bに実装されている。内部電源47による損失熱は、回路基板41及び電解コンデンサ43のリード43aを介して電解コンデンサ43に伝達される。
【0057】
<電圧検出回路>
図2に示すように、インバータ装置15は、電圧検出回路48を有している。電圧検出回路48は、内部電源47からCPU46aに入力される入力電圧を検出する。電圧検出回路48は、内部電源47とCPU46aとの間に設けられている。電圧検出回路48は、CPU46aに対して並列接続されている。電圧検出回路48は、複数の電圧検出抵抗480を有している。各電圧検出抵抗480は、放電抵抗としても機能する。したがって、電圧検出回路48は、放電回路としても機能する。電圧検出回路48は、検出部48aを有している。
【0058】
本実施形態の電圧検出回路48は、3つの電圧検出抵抗480を有している。3つの電圧検出抵抗480は、直列接続されている。3つの電圧検出抵抗480を区別する場合には、高電位側から低電位側に向かって、第1電圧検出抵抗481、第2電圧検出抵抗482、第3電圧検出抵抗483とする。
【0059】
本実施形態の検出部48aは、第2電圧検出抵抗482と第3電圧検出抵抗483との接続点の電圧を検出する。検出部48aは、検出した電圧に基づいて、内部電源47からCPU46aに入力される入力電圧を検出する。検出部48aは、第1電圧検出抵抗481と第2電圧検出抵抗482との接続点の電圧を検出してもよい。
【0060】
図1に示すように、電圧検出回路48は、電圧検出抵抗480による損失熱が電解コンデンサ43に伝達される位置に配置されている。電解コンデンサ43は、電圧検出抵抗480による損失熱によって加熱される。このように電圧検出回路48は、電圧検出抵抗480による損失熱を用いて電解コンデンサ43を加熱可能とされている。本実施形態では、電圧検出回路48は、電圧検出抵抗480から電解コンデンサ43までの伝熱経路が電圧検出抵抗480からボス24までの伝熱経路よりも短くなるように配置されている。
【0061】
具体的には、電圧検出回路48は、回路基板41の第1実装面41aに実装されている。電圧検出抵抗480は、回路基板41の表面に実装されるSMD(Surface Mount Device)である。電圧検出抵抗480は、回路基板41の第1実装面41aにおける電解コンデンサ43と対向する領域に実装されている。電圧検出抵抗480は、回路基板41の第1実装面41aと電解コンデンサ43との間に位置している。電圧検出抵抗480は、電解コンデンサ43の軸方向と直交する方向において電解コンデンサ43と並んでいる。本実施形態では、電圧検出抵抗480による損失熱は、電解コンデンサ43と電圧検出抵抗480との間の空間及び電解コンデンサ43のホルダを介して電解コンデンサ43に伝達される。
【0062】
<第2切替部>
図2に示すように、インバータ装置15は、電圧検出回路48の抵抗値Rbを切り替える切替部としての第2切替部49を有している。第2切替部49としては、例えば、MOSFET、トランジスタ、IGBTなどの半導体素子、リレー、スイッチを用いることができる。第2切替部49は、複数の電圧検出抵抗480のうちの一部に対して並列接続されている。本実施形態では、第2切替部49は、第3電圧検出抵抗483に対して並列接続されている。
【0063】
第2切替部49がオンのとき、第1電圧検出抵抗481及び第2電圧検出抵抗482には電流が流れるが、第3電圧検出抵抗483には電流が流れない。第2切替部49がオンのときの電圧検出回路48の抵抗値Rbを第1抵抗値Rb1とする。本実施形態では、第1抵抗値Rb1は、第1電圧検出抵抗481及び第2電圧検出抵抗482の抵抗値の和である。
【0064】
一方、第2切替部49がオフのとき、第1~第3電圧検出抵抗481~483に電流が流れる。第2切替部49がオフのときの電圧検出回路48の抵抗値Rbを第2抵抗値Rb2とする。第2抵抗値Rb2は、第1抵抗値Rb1よりも大きい。本実施形態では、第2抵抗値Rb2は、第1~第3電圧検出抵抗481~483の抵抗値の和である。
【0065】
このように、第2切替部49は、電圧検出回路48の抵抗値Rbを第1抵抗値Rb1と第1抵抗値Rb1よりも大きい第2抵抗値Rb2とで切り替え可能である。電圧検出回路48の抵抗値Rbが第2抵抗値Rb2であるときよりも第1抵抗値Rb1であるときの方が、電圧検出回路48には電流が流れやすい。したがって、電圧検出回路48の抵抗値Rbが第1抵抗値Rb1であるときの電圧検出回路48の発熱量及び損失は、電圧検出回路48の抵抗値Rbが第2抵抗値Rb2であるときの電圧検出回路48の発熱量及び損失よりも大きい。つまり、第2切替部49は、電圧検出回路48の抵抗値Rbを切り替えることによって、電圧検出回路48の発熱量及び損失を切り替えることができる。
【0066】
図1に示すように、インバータ装置15は、温度センサ50を有している。温度センサ50は、電解コンデンサ43の温度を検出する。本実施形態の温度センサ50は、インバータ収容室S2内において電解コンデンサ43の周辺に配置されている。温度センサ50は、電解コンデンサ43の周辺の温度を検出する。本実施形態では、電解コンデンサ43の周辺の温度を電解コンデンサ43の温度とみなす。
【0067】
図2に示すように、温度センサ50は、制御部46と接続されている。温度センサ50は、検出した電解コンデンサ43の温度を制御部46に出力する。
<制御部>
制御部46は、トランシーバ16bを介して空調ECU102と通信可能である。制御部46は、空調ECU102からの指令に基づいて、各スイッチング素子Qu1~Qw2を制御する。制御部46は、各スイッチング素子Qu1~Qw2のオン・オフを周期的に切り替える。制御部46は、各スイッチング素子Qu1~Qw2をパルス幅変調制御(PWM制御)する。具体的には、制御部46は、キャリア信号(搬送波信号)と指令電圧値信号(比較対象信号)とを用いて、制御信号を生成する。そして、制御部46は、生成された制御信号を用いて各スイッチング素子Qu1~Qw2のオン・オフを切り替える。これにより、直流電圧は交流電圧に変換される。
【0068】
制御部46は、第1切替部45を制御する。制御部46は、電解コンデンサ43への暖機要求が高まれば、第1切替部45を制御することにより、コンデンサ放電回路44の抵抗値Raを第2抵抗値Ra2から第1抵抗値Ra1に切り替える。すなわち、制御部46は、電解コンデンサ43への暖機要求が高まれば、第1切替部45をオフからオンに切り替える。
【0069】
制御部46は、第2切替部49を制御する。制御部46は、電解コンデンサ43への暖機要求が高まれば、第2切替部49を制御することにより、電圧検出回路48の抵抗値Rbを第2抵抗値Rb2から第1抵抗値Rb1に切り替える。すなわち、制御部46は、電解コンデンサ43への暖機要求が高まれば、第2切替部49をオフからオンに切り替える。
【0070】
本実施形態では、制御部46は、電解コンデンサ43の温度が所定温度未満である場合、電解コンデンサ43への暖機要求が高まっていると判断する。一方、制御部46は、電解コンデンサ43の温度が所定温度以上である場合、電解コンデンサ43への暖機要求が高まっていないと判断する。所定温度は、次のように設定される。蓄電装置103の入力電圧と、電解コンデンサ43に電流が流れた際に生じるリップル電圧との和は、各スイッチング素子Qu1~Qw2の定格電圧未満である必要がある。リップル電圧は、電解コンデンサ43のESRが大きいほど高くなる。電解コンデンサ43のESRは、電解コンデンサ43の温度が低いほど大きくなる。このため、所定温度は、蓄電装置103の入力電圧とリップル電圧との和が各スイッチング素子Qu1~Qw2の定格電圧未満となるような温度に設定されている。
【0071】
本実施形態の制御部46は、温度センサ50から入力された電解コンデンサ43の温度に基づいて第1切替部45を制御する。制御部46は、電解コンデンサ43の温度が所定温度未満である場合、電解コンデンサ43への暖機要求が高まっているとして、第1切替部45を制御することにより、コンデンサ放電回路44の抵抗値Raを第2抵抗値Ra2から第1抵抗値Ra1に切り替える。
【0072】
本実施形態の制御部46は、温度センサ50から入力された電解コンデンサ43の温度に基づいて第2切替部49を制御する。制御部46は、電解コンデンサ43の温度が所定温度未満である場合、電解コンデンサ43への暖機要求が高まっているとして、第2切替部49を制御することにより、電圧検出回路48の抵抗値Rbを第2抵抗値Rb2から第1抵抗値Rb1に切り替える。
【0073】
[本実施形態の作用及び効果]
本実施形態の作用及び効果を説明する。
(1)インバータ装置15は、コンデンサ放電回路44を備えている。コンデンサ放電回路44は、5つのコンデンサ放電抵抗440を有している。コンデンサ放電回路44は、コンデンサ放電抵抗440による損失熱を用いて電解コンデンサ43を加熱可能とされている。電解コンデンサ43がコンデンサ放電抵抗440による損失熱によって温められることにより、電解コンデンサ43のESRが低減されるため、リップル電圧が抑えられる。この場合、従来技術のようにモータ14を起動させる前に電解コンデンサ43に少量の電流を流すことによって電解コンデンサ43を温めなくても済むため、モータ14、ひいては電動圧縮機10の起動を早めることができる。
【0074】
また、インバータ装置15は、第1切替部45と、第1切替部45を制御する制御部46とを備えている。第1切替部45は、コンデンサ放電回路44の抵抗値Raを第1抵抗値Ra1と第1抵抗値Ra1よりも大きい第2抵抗値Ra2とで切り替え可能である。制御部46は、電解コンデンサ43への暖機要求が高まれば、第1切替部45を制御することにより、コンデンサ放電回路44の抵抗値Raを第2抵抗値Ra2から第1抵抗値Ra1に切り替える。コンデンサ放電回路44の抵抗値Raが第1抵抗値Ra1であるときのコンデンサ放電回路44の発熱量及び損失は、コンデンサ放電回路44の抵抗値Raが第2抵抗値Ra2であるときのコンデンサ放電回路44の発熱量及び損失よりも大きい。したがって、電解コンデンサ43への暖機要求が高まっているときには、コンデンサ放電回路44の抵抗値Raを第1抵抗値Ra1にすることでコンデンサ放電回路44の発熱量を大きくすることにより、電解コンデンサ43を効率良く温めることができる。一方、電解コンデンサ43への暖機要求が高まっていないときには、コンデンサ放電回路44の抵抗値Raを第2抵抗値Ra2にすることにより損失を低減できる。
【0075】
(2)インバータ装置15は、電圧検出回路48を備えている。電圧検出回路48は、3つの電圧検出抵抗480を有している。電圧検出回路48は、電圧検出抵抗480による損失熱を用いて電解コンデンサ43を加熱可能とされている。電解コンデンサ43が電圧検出抵抗480による損失熱によって温められることにより、電解コンデンサ43のESRが低減されるため、リップル電圧が抑えられる。この場合、従来技術のようにモータ14を起動させる前に電解コンデンサ43に少量の電流を流すことによって電解コンデンサ43を温めなくても済むため、モータ14、ひいては電動圧縮機10の起動を早めることができる。
【0076】
また、インバータ装置15は、第2切替部49と、第2切替部49を制御する制御部46とを備えている。第2切替部49は、電圧検出回路48の抵抗値Rbを第1抵抗値Rb1と第1抵抗値Rb1よりも大きい第2抵抗値Rb2とで切り替え可能である。制御部46は、電解コンデンサ43への暖機要求が高まれば、第2切替部49を制御することにより、電圧検出回路48の抵抗値Rbを第2抵抗値Rb2から第1抵抗値Rb1に切り替える。電圧検出回路48の抵抗値Rbが第1抵抗値Rb1であるときの電圧検出回路48の発熱量及び損失は、電圧検出回路48の抵抗値Rbが第2抵抗値Rb2であるときの電圧検出回路48の発熱量及び損失よりも大きい。したがって、電解コンデンサ43への暖機要求が高まっているときには、電圧検出回路48の抵抗値Rbを第1抵抗値Rb1にすることで電圧検出回路48の発熱量を大きくすることにより、電解コンデンサ43を効率良く温めることができる。一方、電解コンデンサ43への暖機要求が高まっていないときには、電圧検出回路48の抵抗値Rbを第2抵抗値Rb2にすることにより損失を低減できる。
【0077】
(3)本実施形態の制御部46は、電解コンデンサ43の温度が所定温度未満である場合、電解コンデンサ43への暖機要求が高まっているとして、第1切替部45を制御することにより、コンデンサ放電回路44の抵抗値Raを第2抵抗値Ra2から第1抵抗値Ra1に切り替える。すなわち、本実施形態の制御部46は、電解コンデンサ43の温度に基づいて第1切替部45を制御する。このため、例えば、制御部46が電解コンデンサ43の加熱時間に基づいて第1切替部45を制御する場合と比較して、適切なタイミングでコンデンサ放電回路44の抵抗値Raを第2抵抗値Ra2から第1抵抗値Ra1に切り替えることができる。
【0078】
同様に、本実施形態の制御部46は、電解コンデンサ43の温度が所定温度未満である場合、電解コンデンサ43への暖機要求が高まっているとして、第2切替部49を制御することにより、電圧検出回路48の抵抗値Rbを第2抵抗値Rb2から第1抵抗値Rb1に切り替える。すなわち、本実施形態の制御部46は、電解コンデンサ43の温度に基づいて第2切替部49を制御する。このため、例えば、制御部46が電解コンデンサ43の加熱時間に基づいて第2切替部49を制御する場合と比較して、適切なタイミングで電圧検出回路48の抵抗値Rbを第2抵抗値Rb2から第1抵抗値Rb1に切り替えることができる。
【0079】
(4)電解コンデンサ43は、円柱状である。本実施形態の電解コンデンサ43の軸方向は、電解コンデンサ43の長手方向でもある。本実施形態では、電解コンデンサ43は、軸方向が回路基板41の板厚方向と直交するように配置されている。これにより、電解コンデンサ43の軸方向が回路基板41の板厚方向と一致するように電解コンデンサ43が配置されている場合と比較して、回路基板41の板厚方向においてインバータ装置15を小型化できる。
【0080】
(5)CPU46a、内部電源47、及び電圧検出回路48は、各スイッチング素子Qu1~Qw2がスイッチング動作していないときにも発熱する。CPU46a、内部電源47、及び電圧検出回路48はそれぞれ、自身による損失熱を用いて電解コンデンサ43を加熱可能とされている。したがって、各スイッチング素子Qu1~Qw2がスイッチング動作していないときのCPU46a、内部電源47、及び電圧検出回路48による損失熱によっても、電解コンデンサ43を温めることができる。
【0081】
(6)ハウジング11は、熱容量の大きい部材である。また、ハウジング11は、電動圧縮機10の外部に露出しているため、低温環境下では温度が低下しやすい。本実施形態では、コンデンサ放電回路44は、コンデンサ放電抵抗440から電解コンデンサ43までの伝熱距離がコンデンサ放電抵抗440からボス24までの伝熱距離よりも短くなるように配置されている。したがって、コンデンサ放電抵抗440による損失熱がハウジング11に放熱されにくくなるため、電解コンデンサ43を効率良く温めることができる。CPU46a、内部電源47、及び電圧検出回路48についても同様に、電解コンデンサ43までの伝熱距離がボス24までの伝熱距離よりも短くなるように配置されている。したがって、電解コンデンサ43を効率良く温めることができる。
【0082】
(7)コンデンサ放電回路44及び電圧検出回路48はそれぞれ、インバータ装置15の既存の構成である。このため、ヒータなどの加熱装置を新たに追加しなくても、電解コンデンサ43を温めることができる。したがって、インバータ装置15の構成を簡素化できる。また、ヒータなどの加熱装置を新たに追加する場合、加熱装置の配置スペースも新たに必要になるが、既存の部品の配置レイアウトの都合上、加熱装置を電解コンデンサ43の近くに配置することが困難な場合がある。これに対し、本実施形態では、コンデンサ放電回路44及び電圧検出回路48を電解コンデンサ43の近くに配置しやすい。
【0083】
(8)電動圧縮機10が使用される環境の温度が電解コンデンサ43の保存温度未満であっても、電解コンデンサ43の温度を保存温度以上とすることができる。したがって、より低温環境下での電動圧縮機10の起動が可能になる。
【0084】
(9)電解コンデンサ43の温度が上昇し過ぎると、電解コンデンサ43の寿命が短くなる。本実施形態では、電解コンデンサ43への暖機要求が高まっていないときには、コンデンサ放電回路44の抵抗値Raは第2抵抗値Ra2にされるため、コンデンサ放電回路44の発熱量は小さくなる。また、電解コンデンサ43への暖機要求が高まっていないときには、電圧検出回路48の抵抗値Rbは第2抵抗値Rb2にされるため、電圧検出回路48の発熱量は小さくなる。したがって、電解コンデンサ43を過剰に温めることを抑制できる。
【0085】
[変更例]
なお、上記実施形態は、以下のように変更して実施できる。上記実施形態及び以下の変更例は、技術的に矛盾しない範囲で互いに組み合わせて実施できる。
【0086】
○ インバータ装置15は、第1切替部45及び第2切替部49の何れか一方のみを備えていてもよい。
○ インバータ装置15は、コンデンサ放電回路44及び電圧検出回路48の何れか一方のみを備えていてもよい。
【0087】
○ インバータ装置15は、コンデンサ放電回路44及び電圧検出回路48以外の放電回路を備えていてもよい。
○ コンデンサ放電回路44がコンデンサ放電抵抗440による損失熱を用いて電解コンデンサ43を加熱可能とされていれば、電圧検出回路48は、電圧検出抵抗480による損失熱を用いて電解コンデンサ43を加熱可能とされていなくてもよい。電圧検出回路48が電圧検出抵抗480による損失熱を用いて電解コンデンサ43を加熱可能とされていない場合、第2切替部49はなくてもよい。
【0088】
○ 電圧検出回路48が電圧検出抵抗480による損失熱を用いて電解コンデンサ43を加熱可能とされていれば、コンデンサ放電回路44は、コンデンサ放電抵抗440による損失熱を用いて電解コンデンサ43を加熱可能とされていなくてもよい。コンデンサ放電回路44がコンデンサ放電抵抗440による損失熱を用いて電解コンデンサ43を加熱可能とされていない場合、第1切替部45はなくてもよい。
【0089】
○ コンデンサ放電回路44が有するコンデンサ放電抵抗440の数は、5つに限定されない。電圧検出回路48が有する電圧検出抵抗480の数は、3つに限定されない。放電回路が2つ以上の放電抵抗を有するのであれば、放電回路が有する放電抵抗の数は適宜変更されてもよい。また、放電回路は、複数の放電抵抗が直列接続された直列接続体を複数有していてもよい。複数の直列接続体は並列接続される。
【0090】
○ 上記実施形態では、制御部46は、電解コンデンサ43の温度が所定温度未満である場合、電解コンデンサ43への暖機要求が高まっていると判断していたが、これに限定されない。制御部46は、例えば、リップル電圧が所定電圧以上である場合や電解コンデンサ43の加熱時間が所定時間未満である場合、電解コンデンサ43への暖機要求が高まっていると判断してもよい。すなわち、制御部46は、リップル電圧が所定電圧以上である場合や電解コンデンサ43の加熱時間が所定時間未満である場合、第1切替部45を制御することにより、コンデンサ放電回路44の抵抗値Raを第2抵抗値Ra2から第1抵抗値Ra1に切り替えてもよい。同様に、制御部46は、リップル電圧が所定電圧以上である場合や電解コンデンサ43の加熱時間が所定時間未満である場合、第2切替部49を制御することにより、電圧検出回路48の抵抗値Rbを第2抵抗値Rb2から第1抵抗値Rb1に切り替えてもよい。
【0091】
図3に示すように、コンデンサ放電抵抗440は、DIP(Dual Inline Package)でもよい。コンデンサ放電抵抗440は、例えば、電解コンデンサ43を保持するホルダに固定されることにより、電解コンデンサ43を挟んで回路基板41とは反対側に配置されている。すなわち、コンデンサ放電抵抗440は、インバータハウジング23の端壁23aと電解コンデンサ43との間に配置されている。コンデンサ放電抵抗440は、電解コンデンサ43の軸方向と直交する方向において電解コンデンサ43と並んでいる。
【0092】
コンデンサ放電抵抗440がDIPである場合、電解コンデンサ43が回路基板41から離れた位置に配置されていても、コンデンサ放電抵抗440を電解コンデンサ43の近くに配置しやすい。
【0093】
同様に、電圧検出抵抗480は、DIPであってもよい。
図4に示すように、コンデンサ放電抵抗440は、電解コンデンサ43の軸方向において電解コンデンサ43と並ぶように配置されていてもよい。同様に、電圧検出抵抗480は、電解コンデンサ43の軸方向において電解コンデンサ43と並ぶように配置されていてもよい。
【0094】
図5に示すように、コンデンサ放電抵抗440は、電解コンデンサ43と当接していてもよい。この場合、コンデンサ放電抵抗440による損失熱は、電解コンデンサ43に直接伝達される。したがって、コンデンサ放電抵抗440が電解コンデンサ43から離れている場合と比較して、コンデンサ放電抵抗440による損失熱が電解コンデンサ43に伝達されやすい。したがって、電解コンデンサ43を効率良く温めることができる。
【0095】
同様に、電圧検出抵抗480は、電解コンデンサ43と当接していてもよい。
図6に示すように、コンデンサ放電抵抗440と電解コンデンサ43との間には、介在部材51が介在していてもよい。介在部材51は、熱伝導率の高い材料によって形成されているのが好ましい。介在部材51は、コンデンサ放電抵抗440及び電解コンデンサ43のそれぞれと当接している。したがって、コンデンサ放電抵抗440は、電解コンデンサ43と当接する介在部材51と当接している。この場合、コンデンサ放電抵抗440による損失熱は、介在部材51を介して電解コンデンサ43に伝達される。したがって、コンデンサ放電抵抗440が電解コンデンサ43から離れている場合と比較して、コンデンサ放電抵抗440による損失熱が電解コンデンサ43に伝達されやすい。したがって、電解コンデンサ43を効率良く温めることができる。
【0096】
同様に、電圧検出抵抗480は、電解コンデンサ43と当接する介在部材51と当接していてもよい。
○ 電解コンデンサ43は、軸方向が回路基板41の板厚方向と一致するように配置されていてもよい。
【0097】
○ CPU46aは、CPU46aによる損失熱を用いて電解コンデンサ43を加熱可能とされていなくてもよい。
○ 内部電源47は、内部電源47による損失熱を用いて電解コンデンサ43を加熱可能とされていなくてもよい。
【0098】
○ コンデンサ放電回路44は、コンデンサ放電抵抗440から電解コンデンサ43までの伝熱距離がコンデンサ放電抵抗440からハウジング11までの伝熱距離以上になるように配置されてもよい。CPU46a、内部電源47、及び電圧検出回路48についても同様に、電解コンデンサ43までの伝熱距離がハウジング11までの伝熱距離以上になるように配置されてもよい。
【0099】
○ トランシーバ16bは、各スイッチング素子Qu1~Qw2がスイッチング動作していないときでも発熱する部品である。このため、トランシーバ16bも、トランシーバ16bによる損失熱を用いて電解コンデンサ43を加熱可能とされていてもよい。この場合、トランシーバ16bによる損失熱によっても電解コンデンサ43を温めることができる。
【0100】
○ 内部電源47は、蓄電装置103からの入力電圧の代わりに通信装置16の通信用バッテリ16aからの入力電圧を所定電圧まで降圧してもよい。
○ 圧縮部13は、スクロール式に限定されない。圧縮部13は、例えば、ピストン式やベーン式であってもよい。
【0101】
○ 各スイッチング素子Qu1~Qw2は、IGBTに限定されない。各スイッチング素子Qu1~Qw2は、例えば、MOSFETであってもよい。
○ 電動圧縮機10は、車両空調装置100に用いられなくてもよい。例えば、電動圧縮機10は、燃料電池車に搭載されてもよい。この場合、電動圧縮機10は、燃料電池に供給される流体としての空気を圧縮部13に圧縮するものであってもよい。
【0102】
○ インバータ装置15は、電動圧縮機10に用いられなくてもよい。インバータ装置15は、各種機器のモータを駆動するものであってもよい。
[付記]
上記実施形態及び変更例から把握できる技術的思想を以下に記載する。
【0103】
[1]直流電圧を交流電圧に変換することによりモータを駆動するインバータ装置であって、前記直流電圧を平滑する電解コンデンサと、複数の放電抵抗を有する放電回路と、前記放電回路の抵抗値を第1抵抗値と前記第1抵抗値よりも大きい第2抵抗値とで切り替える切替部と、前記切替部を制御する制御部と、を備え、前記放電回路は、前記放電抵抗による損失熱を用いて前記電解コンデンサを加熱可能とされ、前記制御部は、前記電解コンデンサへの暖機要求が高まれば、前記切替部を制御することにより、前記放電回路の抵抗値を前記第2抵抗値から前記第1抵抗値に切り替えることを特徴とするインバータ装置。
【0104】
[2]前記放電抵抗は、前記電解コンデンサと当接、又は前記電解コンデンサと当接する介在部材と当接している[1]に記載のインバータ装置。
[3]前記電解コンデンサは、円柱状であり、前記放電抵抗は、前記電解コンデンサの軸方向と直交する方向において前記電解コンデンサと並んでいる[1]又は[2]に記載のインバータ装置。
【0105】
[4]前記電解コンデンサは、円柱状であり、前記放電抵抗は、前記電解コンデンサの軸方向において前記電解コンデンサと並んでいる[1]又は[2]に記載のインバータ装置。
【0106】
[5]前記制御部は、前記電解コンデンサの温度が所定温度未満である場合、前記切替部を制御することにより、前記放電回路の抵抗値を前記第2抵抗値から前記第1抵抗値に切り替える[1]~[4]の何れか1つに記載のインバータ装置。
【0107】
[6]前記電解コンデンサが実装される回路基板を備え、前記電解コンデンサは、円柱状であり、軸方向が前記回路基板の板厚方向と直交するように配置されている[1]~[5]の何れか1つに記載のインバータ装置。
【0108】
[7]流体を圧縮する圧縮部と、前記圧縮部を駆動するモータと、直流電圧を交流電圧に変換することにより前記モータを駆動するインバータ装置と、を備える電動圧縮機であって、前記インバータ装置は、[1]~[6]の何れか1つに記載のインバータ装置であることを特徴とする電動圧縮機。
【符号の説明】
【0109】
10…電動圧縮機、13…圧縮部、14…モータ、15…インバータ装置、41…回路基板、43…電解コンデンサ、44…放電回路としてのコンデンサ放電回路、45…切替部としての第1切替部、46…制御部、48…放電回路としての電圧検出回路、49…切替部としての第2切替部、51…介在部材、440…放電抵抗としてのコンデンサ放電抵抗、480…放電抵抗としての電圧検出抵抗。
図1
図2
図3
図4
図5
図6