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特開2024-140736カバー付きコネクタおよびワイヤハーネス
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024140736
(43)【公開日】2024-10-10
(54)【発明の名称】カバー付きコネクタおよびワイヤハーネス
(51)【国際特許分類】
   H01R 13/56 20060101AFI20241003BHJP
【FI】
H01R13/56
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023052045
(22)【出願日】2023-03-28
(71)【出願人】
【識別番号】000183406
【氏名又は名称】住友電装株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(72)【発明者】
【氏名】小林 奨
【テーマコード(参考)】
5E021
【Fターム(参考)】
5E021FA04
5E021FA08
5E021FA16
5E021FB07
5E021FB20
5E021FC02
5E021FC32
5E021GA04
(57)【要約】
【課題】コネクタハウジングとカバーとの間のがたつきを抑制できるカバー付きコネクタを提供する。
【解決手段】カバー付きコネクタ30は、端子31が第1方向X1に沿って内部に収容される筒状の本体部41を有するコネクタハウジング40と、本体部41の外周に取り付けられた弾性部材100と、コネクタハウジング40の第1反対方向X2の端部に組み付けられたカバー70とを備える。弾性部材100の第1方向X1の端面は、本体部41に嵌合される相手コネクタ200の相手ハウジング202と接触可能に設けられている。コネクタハウジング40は、第1方向X1に沿って延びるとともに、弾性部材100の第1反対方向X2の端面を露出するガイドレール部60を有する。カバー70は、第1方向X1に沿ってガイドレール部60に挿入されるとともに、弾性部材100の第1反対方向X2の端面に接触可能に形成されたガイド突起80を有する。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電線の端部に接続される端子と、
前記端子が第1方向に沿って内部に収容される筒状の本体部を有するコネクタハウジングと、
前記本体部の外周に取り付けられた弾性部材と、
前記コネクタハウジングの前記第1方向の反対方向である第1反対方向の端部に組み付けられたカバーと、を備え、
前記弾性部材は、前記第1方向に向く第1端面と、前記第1反対方向に向く第2端面とを有し、
前記第1端面は、前記本体部に嵌合される相手コネクタの相手ハウジングと接触可能に設けられており、
前記コネクタハウジングは、前記第1反対方向の端部から前記第1方向に沿って延びるとともに、前記弾性部材の前記第2端面を露出するガイドレール部を有し、
前記カバーは、前記コネクタハウジングの前記第1反対方向の端部から引き出される前記電線を収容可能に形成された収容筒部と、前記第1方向に沿って前記ガイドレール部に挿入されるとともに、前記弾性部材の前記第2端面に接触可能に形成されたガイド突起とを有する、カバー付きコネクタ。
【請求項2】
前記ガイド突起は、前記弾性部材の前記第2端面に接触可能に設けられた先端面と、前記先端面よりも前記第1方向に突出する突出部とを有し、
前記突出部は、前記本体部の外周面との間に前記弾性部材を挟む態様で、前記弾性部材のうち前記本体部の径方向外方に向く第3端面を被覆するように設けられている、請求項1に記載のカバー付きコネクタ。
【請求項3】
前記突出部は、前記弾性部材の前記第1端面よりも前記第1方向に向かって突出するとともに、前記本体部の外周面との間に前記相手ハウジングを挟む態様で前記相手ハウジングの外周面を被覆可能に設けられている、請求項2に記載のカバー付きコネクタ。
【請求項4】
前記コネクタハウジングは、前記本体部と一体に形成された2つの第1側壁を有し、
前記2つの第1側壁は、前記第1方向と直交する第2方向において互いに対向しており、
前記2つの第1側壁の各々は、前記本体部の外周面よりも前記第1方向および前記第2方向の双方に直交する第3方向に向かって突出しており、
前記ガイドレール部は、前記第1方向に沿って延びるとともに前記第1側壁に設けられた第1溝を有し、
前記ガイド突起は、前記第1方向に沿って前記第1溝に挿入される第1挿入部を有し、
前記第1挿入部は、前記第3方向において、前記第1溝の前記第3方向の内面と、前記第1溝の前記第3方向の反対方向である第3反対方向の内面とによって挟み込まれている、請求項1に記載のカバー付きコネクタ。
【請求項5】
前記ガイドレール部は、前記第1溝の前記第3方向の内面から前記第3方向に向かって突出するとともに前記第1挿入部に接触可能に設けられた第1リブと、前記第1溝の前記第3反対方向の内面から前記第3反対方向に向かって突出するとともに前記第1挿入部に接触可能に設けられた第2リブと、を有する、請求項4に記載のカバー付きコネクタ。
【請求項6】
前記ガイドレール部は、前記第1溝と連通するとともに、前記弾性部材の前記第2端面の一部を露出するように形成された第2溝を有し、
前記ガイド突起は、前記第1方向に沿って前記第2溝に挿入されるとともに、前記第1挿入部と一体に形成された第2挿入部を有し、
前記第2挿入部は、前記第2溝から露出する前記弾性部材の前記第2端面に接触可能に設けられた先端面を有する、請求項4に記載のカバー付きコネクタ。
【請求項7】
前記ガイド突起は、前記収容筒部と連続して一体に形成されるとともに前記第1方向に延びる第1突起と、前記第1挿入部および前記第2挿入部を有するとともに前記第1方向に延びる第2突起と、前記第1突起の前記第1反対方向の端部と前記第2突起の前記第1反対方向の端部とを繋ぐ連結部とを有し、
前記第1突起および前記第2突起は、前記第2方向および前記第2方向の反対方向である第2反対方向の両側から前記第1側壁を挟み込むように設けられている、請求項6に記載のカバー付きコネクタ。
【請求項8】
前記ガイド突起は、前記第1突起のうち前記第2突起と対向する内面から前記第2突起に向かって突出するとともに前記第1側壁の外面に接触可能に設けられた第3リブを有する、請求項7に記載のカバー付きコネクタ。
【請求項9】
前記弾性部材は、前記本体部の外周を周方向全周にわたって包囲する筒状に形成されており、
前記ガイドレール部は、前記本体部よりも前記第3方向に設けられており、
前記コネクタハウジングは、前記本体部よりも前記第3反対方向に設けられるとともに、前記弾性部材の前記第2端面の一部を露出するように形成された挿入孔を有し、
前記カバーは、前記収容筒部よりも前記第1方向に向かって突出するとともに、前記第1方向に沿って前記挿入孔に挿入される挿入突起を有し、
前記挿入突起は、前記挿入孔から露出する前記弾性部材の前記第2端面に接触可能に設けられている、請求項4に記載のカバー付きコネクタ。
【請求項10】
前記収容筒部は、底壁と、前記底壁の両側縁に設けられた2つの第2側壁とを有する半割筒状に形成されており、
前記2つの第2側壁は、前記第1方向と直交する第2方向において互いに対向しており、
前記2つの第2側壁の各々は、前記底壁から前記第1方向および前記第2方向の双方に直交する第3方向に向かって突出しており、
前記第2側壁の前記第3方向の端面は、傾斜面を有し、
前記傾斜面は、前記傾斜面の前記第1方向の端部から前記傾斜面の前記第1反対方向の端部に向かうに連れて、前記底壁に近づくように傾斜して形成されている、請求項1に記載のカバー付きコネクタ。
【請求項11】
請求項1から請求項10のいずれか1項に記載のカバー付きコネクタと、
前記端子が接続される前記電線と、を備える、ワイヤハーネス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、カバー付きコネクタおよびワイヤハーネスに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、車両に搭載されるコネクタとしては、コネクタハウジングと、コネクタハウジングから引き出された電線を覆うカバーとを備えるカバー付きコネクタが知られている(例えば、特許文献1参照)。カバーは、コネクタハウジングの軸方向の端部に組み付けられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2011-81993号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、上述したカバー付きコネクタでは、コネクタハウジングとカバーとの間に寸法公差等の公差に起因する隙間が生じる場合がある。このような隙間が生じると、コネクタハウジングとカバーとの間でがたつきが生じるおそれがある。
【0005】
本開示の目的は、コネクタハウジングとカバーとの間のがたつきを抑制できるカバー付きコネクタおよびワイヤハーネスを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示のカバー付きコネクタは、電線の端部に接続される端子と、前記端子が第1方向に沿って内部に収容される筒状の本体部を有するコネクタハウジングと、前記本体部の外周に取り付けられた弾性部材と、前記コネクタハウジングの前記第1方向の反対方向である前記第1反対方向の端部に組み付けられたカバーと、を備え、前記弾性部材は、前記第1方向の第1端面と、前記第1反対方向の第2端面とを有し、前記第1端面は、前記本体部に嵌合される相手コネクタの相手ハウジングと接触可能に設けられており、前記コネクタハウジングは、前記第1反対方向の端部から前記第1方向に沿って延びるとともに、前記弾性部材の前記第2端面を露出するガイドレール部を有し、前記カバーは、前記コネクタハウジングの前記第1反対方向の端部から引き出される前記電線を収容可能に形成された収容筒部と、前記第1方向に沿って前記ガイドレール部に挿入されるとともに、前記弾性部材の前記第2端面に接触可能に形成されたガイド突起とを有する。
【発明の効果】
【0007】
本開示のカバー付きコネクタおよびワイヤハーネスによれば、コネクタハウジングとカバーとの間のがたつきを抑制できるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は、一実施形態のワイヤハーネスを示す概略斜視図である。
図2図2は、一実施形態のワイヤハーネスを示す概略分解斜視図である。
図3図3は、一実施形態のコネクタを示す概略正面図である。
図4図4は、一実施形態のワイヤハーネスを示す概略断面図(図3における4-4線断面図)である。
図5図5は、一実施形態のワイヤハーネスを示す概略断面図(図3における5-5線断面図)である。
図6図6は、一実施形態のコネクタの一部を示す概略分解斜視図である。
図7図7は、一実施形態のワイヤハーネスを示す概略断面図(図8における7-7線断面図)である。
図8図8は、一実施形態のワイヤハーネスを示す概略断面図(図3における8-8線断面図)である。
図9図9は、一実施形態のワイヤハーネスを示す概略断面図(図8における9-9線断面図)である。
図10図10は、一実施形態のワイヤハーネスを示す概略断面図(図9における10-10線断面図)である。
図11図11は、一実施形態のカバーを示す概略斜視図である。
図12図12は、一実施形態のカバーを示す概略平面図である。
図13図13は、一実施形態のワイヤハーネスを示す概略側面図である。
図14図14は、一実施形態のカバーを示す概略正面図である。
図15図15は、変更例のワイヤハーネスを示す概略側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
[本開示の実施形態の説明]
最初に本開示の実施形態を列挙して説明する。
[1]本開示のカバー付きコネクタは、電線の端部に接続される端子と、前記端子が第1方向に沿って内部に収容される筒状の本体部を有するコネクタハウジングと、前記本体部の外周に取り付けられた弾性部材と、前記コネクタハウジングの前記第1方向の反対方向である第1反対方向の端部に組み付けられたカバーと、を備え、前記弾性部材は、前記第1方向に向く第1端面と、前記第1反対方向に向く第2端面とを有し、前記第1端面は、前記本体部に嵌合される相手コネクタの相手ハウジングと接触可能に設けられており、前記コネクタハウジングは、前記第1反対方向の端部から前記第1方向に沿って延びるとともに、前記弾性部材の前記第2端面を露出するガイドレール部を有し、前記カバーは、前記コネクタハウジングの前記第1反対方向の端部から引き出される前記電線を収容可能に形成された収容筒部と、前記第1方向に沿って前記ガイドレール部に挿入されるとともに、前記弾性部材の前記第2端面に接触可能に形成されたガイド突起とを有する。
【0010】
この構成によれば、電線が引き出されるコネクタハウジングの第1反対方向の端部にカバーが組み付けられる。このとき、カバーに設けられたガイド突起は、第1方向に沿ってコネクタハウジングのガイドレール部に挿入されるとともに、ガイドレール部から露出する弾性部材の第2端面に接触される。ここで、コネクタハウジングの本体部に相手コネクタの相手ハウジングが嵌合されると、相手ハウジングが弾性部材の第1端面に接触される。このため、弾性部材は、第1方向において、カバーのガイド突起と相手ハウジングとによって挟まれる。これらガイド突起と相手ハウジングとによって、弾性部材が第1方向に圧縮するように弾性変形される。このような弾性部材によって、コネクタハウジングおよびカバーの第1方向の公差を好適に吸収できる。この結果、第1方向におけるコネクタハウジングとカバーとの間のがたつきを好適に抑制できる。
【0011】
[2]上記[1]において、前記ガイド突起は、前記弾性部材の前記第2端面に接触可能に設けられた先端面と、前記先端面よりも前記第1方向に突出する突出部とを有し、
前記突出部は、前記本体部の外周面との間に前記弾性部材を挟む態様で、前記弾性部材のうち前記本体部の径方向外方に向く第3端面を被覆するように設けられていてもよい。
【0012】
この構成によれば、弾性部材が、本体部の径方向において、カバーの突出部と本体部とによって挟まれる。これら突出部と本体部とによって、弾性部材が径方向に圧縮するように弾性変形される。このような弾性部材によって、コネクタハウジングおよびカバーの径方向の公差を好適に吸収できる。この結果、本体部の径方向におけるコネクタハウジングとカバーとの間のがたつきを好適に抑制できる。
【0013】
[3]上記[2]において、前記突出部は、前記弾性部材の前記第1端面よりも前記第1方向に向かって突出するとともに、前記本体部の外周面との間に前記相手ハウジングを挟む態様で前記相手ハウジングの外周面を被覆可能に設けられていてもよい。
【0014】
この構成によれば、本体部に相手ハウジングが嵌合された場合に、その相手ハウジングが、本体部の径方向において、カバーの突出部と本体部とによって挟まれる。これにより、本体部の径方向におけるコネクタハウジングと相手ハウジングとの間のがたつきを好適に抑制できる。
【0015】
[4]上記[1]から[3]のいずれかにおいて、前記コネクタハウジングは、前記本体部と一体に形成された2つの第1側壁を有し、前記2つの第1側壁は、前記第1方向と直交する第2方向において互いに対向しており、前記2つの第1側壁の各々は、前記本体部の外周面よりも前記第1方向および前記第2方向の双方に直交する第3方向に向かって突出しており、前記ガイドレール部は、前記第1方向に沿って延びるとともに前記第1側壁に設けられた第1溝を有し、前記ガイド突起は、前記第1方向に沿って前記第1溝に挿入される第1挿入部を有し、前記第1挿入部は、前記第3方向において、前記第1溝の前記第3方向の内面と、前記第1溝の前記第3方向の反対方向である第3反対方向の内面とによって挟み込まれていてもよい。
【0016】
この構成によれば、ガイド突起の第1挿入部がガイドレール部の第1溝に挿入されると、第1溝の第3方向の内面と第1溝の第3反対方向の内面とによって第1挿入部が挟み込まれる。すなわち、第1挿入部は、第1溝の内面によって第3方向および第3反対方向の両側から挟み込まれる。このため、第1溝の内面によって、第3方向および第3反対方向の両側から第1挿入部を好適に支持することができる。これにより、第3方向におけるコネクタハウジングとカバーとの間のがたつきを好適に抑制できる。
【0017】
[5]上記[4]において、前記ガイドレール部は、前記第1溝の前記第3方向の内面から前記第3方向に向かって突出するとともに前記第1挿入部に接触可能に設けられた第1リブと、前記第1溝の前記第3反対方向の内面から前記第3反対方向に向かって突出するとともに前記第1挿入部に接触可能に設けられた第2リブと、を有してもよい。
【0018】
この構成によれば、第1溝の内面に設けられた第1リブおよび第2リブによって、第3方向における第1挿入部と第1溝の内面との間の隙間を小さくできる。これにより、第3方向におけるコネクタハウジングとカバーとの間のがたつきをより好適に抑制できる。
【0019】
[6]上記[4]または[5]において、前記ガイドレール部は、前記第1溝と連通するとともに、前記弾性部材の前記第2端面の一部を露出するように形成された第2溝を有し、前記ガイド突起は、前記第1方向に沿って前記第2溝に挿入されるとともに、前記第1挿入部と一体に形成された第2挿入部を有し、前記第2挿入部は、前記第2溝から露出する前記弾性部材の前記第2端面に接触可能に設けられた先端面を有してもよい。
【0020】
この構成によれば、第1挿入部が第1溝に挿入されることによって、第3方向におけるコネクタハウジングとカバーとの間のがたつきを好適に抑制できる。さらに、第1挿入部と一体に形成された第2挿入部の先端面が第2溝から露出する弾性部材の第2端面に接触されることによって、第1方向におけるコネクタハウジングとカバーとの間のがたつきを好適に抑制できる。
【0021】
[7]上記[6]において、前記ガイド突起は、前記収容筒部と連続して一体に形成されるとともに前記第1方向に延びる第1突起と、前記第1挿入部および前記第2挿入部を有するとともに前記第1方向に延びる第2突起と、前記第1突起の前記第1反対方向の端部と前記第2突起の前記第1反対方向の端部とを繋ぐ連結部とを有し、前記第1突起および前記第2突起は、前記第2方向および前記第2方向の反対方向である第2反対方向の両側から前記第1側壁を挟み込むように設けられていてもよい。
【0022】
この構成によれば、ガイドレール部を構成する第1側壁が、第2方向および第2反対方向の両側から第1突起と第2突起とによって挟み込まれる。このため、第1突起と第2突起とによって、第2方向および第2反対方向の両側から第1側壁を好適に支持することができる。これにより、第2方向におけるコネクタハウジングとカバーとの間のがたつきを好適に抑制できる。
【0023】
[8]上記[7]において、前記ガイド突起は、前記第1突起のうち前記第2突起と対向する内面から前記第2突起に向かって突出するとともに前記第1側壁の外面に接触可能に設けられた第3リブを有してもよい。
【0024】
この構成によれば、第1突起の内面に設けられた第3リブによって、第2方向における第1側壁と第1突起および第2突起との間の隙間を小さくできる。これにより、第2方向におけるコネクタハウジングとカバーとの間のがたつきをより好適に抑制できる。
【0025】
[9]上記[4]から[8]のいずれかにおいて、前記弾性部材は、前記本体部の外周を周方向全周にわたって包囲する筒状に形成されており、前記ガイドレール部は、前記本体部よりも前記第3方向に設けられており、前記コネクタハウジングは、前記本体部よりも前記第3反対方向に設けられるとともに、前記弾性部材の前記第2端面の一部を露出するように形成された挿入孔を有し、前記カバーは、前記収容筒部よりも前記第1方向に向かって突出するとともに、前記第1方向に沿って前記挿入孔に挿入される挿入突起を有し、前記挿入突起は、前記挿入孔から露出する前記弾性部材の前記第2端面に接触可能に設けられていてもよい。
【0026】
この構成によれば、カバーに設けられた挿入突起が、本体部よりも第3反対方向に設けられた挿入孔から露出する弾性部材の第2端面に接触される。また、カバーに設けられたガイド突起が、本体部よりも第3方向に設けられたガイドレール部から露出する弾性部材の第2端面に接触される。これにより、本体部よりも第3方向の位置と本体部よりも第3反対方向の位置とにおいて、筒状をなす弾性部材の第2端面に対してガイド突起と挿入突起とをそれぞれ接触させることができる。この結果、筒状をなす弾性部材の第2端面に対してカバーを安定して接触させることができる。
【0027】
[10]上記[1]から[9]のいずれかにおいて、前記収容筒部は、底壁と、前記底壁の両側縁に設けられた2つの第2側壁とを有する半割筒状に形成されており、前記2つの第2側壁は、前記第1方向と直交する第2方向において互いに対向しており、前記2つの第2側壁の各々は、前記底壁から前記第1方向および前記第2方向の双方に直交する第3方向に向かって突出しており、前記第2側壁の前記第3方向の端面は、傾斜面を有し、前記傾斜面は、前記傾斜面の前記第1方向の端部から前記傾斜面の前記第1反対方向の端部に向かうに連れて、前記底壁に近づくように傾斜して形成されていてもよい。
【0028】
この構成によれば、半割筒状をなす収容筒部の第2側壁の第3方向の端面に傾斜面が設けられる。すなわち、第2側壁は、傾斜面の第1方向の端部から傾斜面の第1反対方向の端部に向かうに連れて、底壁からの突出量、つまり底壁の高さ寸法が小さくなるように形成される。換言すると、第2側壁は、種々の高さ寸法を有している。このため、収容筒部に収容される電線のサイズや本数が種々に変更された場合であっても、電線の一部を第2側壁から好適に露出させることができる。これにより、電線および収容筒部に対して粘着テープ等の固定部材を巻き付ける場合に、その固定部材を電線の外周面に接触させた状態で好適に巻き付けることができる。この結果、固定部材によって電線の外周に収容筒部を好適に固定することができる。
【0029】
[11]本開示のワイヤハーネスは、上記[1]から[10]のいずれかに記載のカバー付きコネクタと、前記端子が接続される前記電線と、を備える。
この構成によれば、上記[1]のカバー付きコネクタと同様の効果を得ることができる。
【0030】
[本開示の実施形態の詳細]
本開示のカバー付きコネクタおよびワイヤハーネスの具体例を、以下に図面を参照しつつ説明する。各図面では、説明の便宜上、構成の一部を誇張または簡略化して示す場合がある。また、各部分の寸法比率については各図面で異なる場合がある。本明細書における「平行」や「直交」は、厳密に平行や直交の場合のみでなく、本実施形態における作用効果を奏する範囲内で概ね平行や直交の場合も含まれる。本明細書の説明で使用される「筒状」は、周方向全周にわたって連続して周壁が形成されたものだけではなく、複数の部品を組み合わせて筒状をなすものや、C字状のように周方向の一部に切り欠き等を有するものも含む。「筒状」の外周形状には、円形、楕円形、および尖ったまたは丸い角を有する多角形が含まれるが、これらに限定されない。「筒状」は、平面視において貫通孔を有する形状であり、外周形状と貫通孔の内周形状とが同じ形状であるものや、外周形状と貫通孔の内周形状とが異なる形状であるものを含む。「筒状」は、貫通孔の中心を通る中心軸が延びる軸方向に沿って延びる所定の長さを有するものを含み、その長さの大小は問わない。本明細書における「扁平形状」には、長方形、長円形や楕円形等が含まれる。本明細書における「対向」とは、面同士または部材同士が互いに正面の位置にあることを指し、互いが完全に正面の位置にある場合だけでなく、互いが部分的に正面の位置にある場合を含む。また、本明細書における「対向」とは、2つの部分の間に、2つの部分とは別の部材が介在している場合と、2つの部分の間に何も介在していない場合の両方を含む。また、本明細書における「第1」「第2」「第3」等の用語は、単に対象物を区別するために用いられており、対象物を順位づけするものではない。なお、本発明はこれらの例示に限定されるものではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【0031】
(ワイヤハーネス11の全体構成)
図1に示すように、ワイヤハーネス11は、1本または複数本(本実施形態では、3本)の電線20と、電線20の端部に取り付けられたカバー付きコネクタ30とを有している。ワイヤハーネス11は、例えば、ハイブリッド自動車や電気自動車等の車両に設けられる。ワイヤハーネス11は、例えば、高圧バッテリ、インバータや車輪駆動用のモータ等の車両用の電気機器同士を電気的に接続するものである。カバー付きコネクタ30は、例えば、1つの電気機器に接続される。カバー付きコネクタ30は、相手コネクタ200と電気的に接続される。相手コネクタ200は、例えば、電気機器のケース等の取付対象に設けられている。相手コネクタ200は、例えば、金属製の複数(本実施形態では、3つ)の相手端子201(図4参照)と、相手端子201を保持する相手ハウジング202とを備えている。カバー付きコネクタ30と相手コネクタ200とは、第1方向X1に沿って互いに組み付けられている。カバー付きコネクタ30が相手コネクタ200に対して正規に嵌合されると、カバー付きコネクタ30の有する金属製の端子31(図4参照)と相手コネクタ200の相手端子201(図4参照)とが互いに電気的に接続される。なお、各図面における上下方向および左右方向は、必ずしもカバー付きコネクタ30および相手コネクタ200の使用時の車両内での姿勢を表すものではない。
【0032】
以下の説明では、カバー付きコネクタ30の各構成要素の位置関係を説明する際には、第1方向X1の反対方向を第1反対方向X2と称する。また、第1方向X1と直交する方向のうち図1において右方に向かう方向を第2方向Y1と称し、第2方向Y1の反対方向を第2反対方向Y2と称する。第1方向X1および第2方向Y1の双方と直交する方向のうち図1において上方に向かう方向を第3方向Z1と称し、第3方向Z1の反対方向を第3反対方向Z2と称する。
【0033】
(カバー付きコネクタ30の全体構成)
図2に示すように、カバー付きコネクタ30は、複数の電線20の端部にそれぞれ接続された複数の端子31と、複数の端子31が第1方向X1に沿って内部に収容される筒状の本体部41を有するコネクタハウジング40とを備えている。カバー付きコネクタ30は、本体部41の外周に取り付けられた弾性部材100と、コネクタハウジング40に組み付けられたカバー70とを備えている。カバー付きコネクタ30は、例えば、本体部41の外周に取り付けられたシール部材110と、シール部材110の抜け止めを行うリテーナ120とを有している。
【0034】
図3に示すように、弾性部材100は、例えば、本体部41を周方向全周にわたって包囲する筒状に形成されている。シール部材110は、例えば、本体部41を周方向全周にわたって包囲する筒状に形成されている。なお、図3では、リテーナ120の図示を省略している。
【0035】
(電線20の構成)
図4および図5に示すように、各電線20は、導電性を有する芯線21と、芯線21の外周を囲うとともに絶縁性を有する絶縁被覆22とを有している。
【0036】
芯線21としては、例えば、複数の金属素線を撚り合わせてなる撚線や単一の導体からなる単芯線を用いることができる。芯線21の材料としては、例えば、銅系やアルミニウム系の金属材料を用いることができる。
【0037】
絶縁被覆22は、例えば、芯線21の外周面を周方向全周にわたって被覆している。絶縁被覆22は、例えば、絶縁性を有する樹脂材料により構成されている。
芯線21の軸方向の端部は、絶縁被覆22から露出している。絶縁被覆22から露出した芯線21の端部には、端子31が接続されている。
【0038】
各電線20の軸方向の端部の外周には、シール部材23が取り付けられている。シール部材23は、例えば、電線20の外周を周方向全周にわたって連続して被覆する筒状に形成されている。シール部材23は、例えば、絶縁被覆22の外周に取り付けられている。シール部材23は、電線20の外周面とコネクタハウジング40の本体部41の内周面との間をシールする。シール部材23は、例えば、ゴム製である。
【0039】
(端子31の構成)
3つの端子31は、3つの電線20のそれぞれに電気的に接続されている。各端子31は、例えば、電線20の端部と接続される電線接続部32と、相手端子201と接続される端子接続部33とを有している。各端子31は、例えば、電線接続部32と端子接続部33とが第1方向X1に連なって形成されている。各端子31は、例えば、金属製である。各端子31の材料としては、例えば、銅や銅合金等の金属材料を用いることができる。
【0040】
電線接続部32は、絶縁被覆22から露出された芯線21の端部に接続されている。電線接続部32は、例えば、圧着や超音波溶接等によって芯線21に接続されている。これにより、電線接続部32と芯線21とが電気的および機械的に接続されている。
【0041】
端子接続部33は、例えば、全体として筒状に形成されている。筒状をなす端子接続部33は、例えば、第1方向X1に開口している。筒状をなす端子接続部33の内部には、例えば、第1反対方向X2に沿って、相手端子201が挿入される。端子接続部33は、相手端子201と電気的および機械的に接続される。
【0042】
(コネクタハウジング40の構成)
図2に示すように、コネクタハウジング40は、本体部41と、本体部41の外周を包囲するフード部43と、ガイド部50とを有している。コネクタハウジング40は、例えば、本体部41とフード部43とガイド部50とが連続して一体に形成された単一部品である。コネクタハウジング40は、例えば、合成樹脂製である。
【0043】
図6に示すように、本体部41は、例えば、3つの端子31(図2参照)がそれぞれ個別に挿入される3つの貫通孔42を有している。本体部41は、例えば、貫通孔42を有することにより全体として筒状に形成されている。3つの貫通孔42は、例えば、第2方向Y1に沿って並んで設けられている。図4に示すように、各貫通孔42は、本体部41を第1方向X1に貫通している。各貫通孔42には、端子31とその端子31に接続された電線20の端部とが挿入される。各貫通孔42には、第1方向X1に沿って、端子31および電線20が挿入される。各貫通孔42には、第1反対方向X2に沿って、相手端子201が挿入される。
【0044】
本体部41は、第1方向X1に沿って延びている。本体部41の第1方向X1の端部は、例えば、フード部43の第1方向X1の端面よりも第1方向X1に突出している。
図3に示すように、本体部41の外周形状は、例えば、第1方向X1から見た平面形状が扁平形状に形成されている。本実施形態の本体部41の外周形状は、第1方向X1から見た平面形状が角丸長方形状に形成されている。
【0045】
フード部43は、本体部41の外周を包囲する筒状に形成されている。フード部43は、例えば、本体部41の外周を周方向全周にわたって包囲している。フード部43の内周面は、本体部41の外周面と離れて設けられている。すなわち、フード部43の内周面は、本体部41の外周面との間に隙間44を設けた状態で、本体部41の外周面を包囲している。隙間44は、例えば、フード部43の周方向全周にわたって連続して形成されている。フード部43の内周形状は、例えば、本体部41の外周面に沿った形状に形成されている。フード部43の内周形状は、例えば、相手コネクタ200の相手ハウジング202の外周面に沿った形状に形成されている。本実施形態のフード部43の内周形状は、第1方向X1から見た平面形状が角丸長方形状に形成されている。
【0046】
図5に示すように、フード部43は、例えば、本体部41の軸方向の中間部における外周を包囲している。フード部43は、例えば、第1方向X1に開口している。フード部43は、例えば、フード部43の第1反対方向X2の開口を塞ぐ底壁45を有している。すなわち、本実施形態のフード部43は、底壁45を有する有底筒状に形成されている。
【0047】
例えば、カバー付きコネクタ30に相手コネクタ200が接続された状態では、相手コネクタ200の相手ハウジング202が本体部41の外側に嵌合される。このとき、相手ハウジング202の第1反対方向X2の端部は、隙間44に挿入される。すなわち、相手ハウジング202の第1反対方向X2の端部は、本体部41の外周面とフード部43の内周面との間に配置される。
【0048】
図3に示すように、ガイド部50は、例えば、フード部43の周方向の一部に設けられている。ガイド部50は、例えば、フード部43の外周面よりもフード部43の径方向外方に突出するように形成されている。本実施形態のガイド部50は、本体部41よりも第3方向Z1に設けられている。
【0049】
ガイド部50は、例えば、本体部41およびフード部43よりも第3方向Z1に向かって突出する2つの側壁51と、2つの側壁51の第3方向Z1の端部同士を接続する連結壁52とを有している。ガイド部50は、例えば、2つの側壁51と連結壁52とによって囲まれた空間に設けられた壁部53を有している。2つの側壁51は、例えば、第2方向Y1において互いに対向している。2つの側壁51は、例えば、壁部53を第2方向Y1および第2反対方向Y2の両側から挟むように設けられている。2つの側壁51の各々は、第2方向Y1において、壁部53と離れて設けられている。
【0050】
図6に示すように、各側壁51は、本体部41と一体に形成されている。各側壁51は、第1方向X1に沿って延びている。各側壁51は、例えば、本体部41の第1反対方向X2の端面よりも第1反対方向X2に突出している。各側壁51は、例えば、連結壁52の第1反対方向X2の端面よりも第1反対方向X2に突出している。
【0051】
連結壁52は、第1方向X1および第2方向Y1に延びている。連結壁52は、例えば、壁部53の一部を覆うように設けられている。連結壁52は、例えば、第3方向Z1において、壁部53と離れて設けられている。
【0052】
図7に示すように、壁部53は、例えば、全体として四角筒状に形成されている。壁部53は、本体部41の第3方向Z1の外面よりも第3方向Z1に設けられている。壁部53は、例えば、第3方向Z1において、本体部41と離れて設けられている。壁部53は、例えば、本体部41の第3方向Z1の外面から第3方向Z1に延びる2つの支柱54によって支持されている。2つの支柱54は、第2方向Y1に沿って並んで設けられている。
【0053】
詳細な説明は省略するが、壁部53を含むガイド部50は、図示しない嵌合保証(CPA:connector position assurance)部材を組み付け可能な構造を有している。例えば、コネクタハウジング40にカバー70を組み合付けない場合に、壁部53を含むガイド部50には嵌合保証部材を組み付けることができる。換言すると、本実施形態のガイド部50は、カバー70と嵌合保証部材とに共用可能な構造に形成されている。なお、嵌合保証部材は、コネクタハウジング40と相手ハウジング202(図4参照)との嵌合状態を保証する部材である。
【0054】
ガイド部50は、例えば、2つのガイドレール部60を有している。2つのガイドレール部60は、例えば、第2方向Y1に沿って互いに間隔を空けて設けられている。2つのガイドレール部60は、例えば、2つの側壁51にそれぞれ対応して設けられている。各ガイドレール部60は、例えば、第1方向X1に沿って、カバー70のガイド突起80が挿入可能に形成されている。各ガイドレール部60は、例えば、第1方向X1から見た平面形状が逆L字状をなす溝状に形成されている。なお、2つのガイドレール部60は互いに同様の形状、具体的には線対称形状に形成されている。このため、以下の説明では、図中の第2方向Y1側に設けられたガイドレール部60のみに着目して説明する。
【0055】
ガイドレール部60は、側壁51に設けられた第1溝61と、側壁51と壁部53との間に設けられた第2溝62とを有している。第1溝61は、例えば、側壁51の内面、つまり側壁51の第2反対方向Y2の端面からガイド部50の径方向外方、ここでは第2方向Y1に向かって凹むように形成されている。第1溝61は、ガイド部50の径方向内方、ここでは第2反対方向Y2に向けて開口している。第1溝61は、例えば、側壁51の第3方向Z1の中間部に設けられている。
【0056】
第2溝62は、側壁51と壁部53との間の隙間によって構成されている。第2溝62は、第1溝61と直接連通するように形成されている。第2溝62は、第3方向Z1に沿って延びている。第2溝62は、例えば、第1溝61よりも第3反対方向Z2に向かって延びている。第2溝62は、例えば、壁部53の第3反対方向Z2の端面よりも第3反対方向Z2に向かって延びている。図4に示すように、第2溝62は、本体部41の外周に取り付けられた弾性部材100の第1反対方向X2の端面を露出するように形成されている。
【0057】
図8に示すように、第1溝61および第2溝62の各々は、例えば、コネクタハウジング40の第1反対方向X2の端部から第1方向X1に沿って延びている。第1溝61および第2溝62の各々は、例えば、側壁51の長さ方向の全長にわたって延びている。第1溝61および第2溝62の各々は、例えば、ガイド部50を第1方向X1に貫通するように形成されている。第1溝61および第2溝62の各々は、第1方向X1に開口するとともに、第1反対方向X2に開口している。
【0058】
図7に示すように、ガイドレール部60は、例えば、第1溝61の第3方向Z1の内面に設けられた第1リブ63と、第1溝61の第3反対方向Z2の内面に設けられた第2リブ64とを有している。第1リブ63および第2リブ64の各々は、例えば、がた詰めリブである。
【0059】
第1リブ63は、例えば、第1溝61の第3方向Z1の内面から第3方向Z1に向かって突出している。第1リブ63は、例えば、第1方向X1に沿って延びている。第2リブ64は、例えば、第1溝61の第3反対方向Z2の内面から第3反対方向Z2に向かって突出している。第2リブ64は、例えば、第1方向X1に沿って延びている。第2リブ64は、例えば、第2方向Y1において、第1リブ63とずれた位置に設けられている。
【0060】
図8に示すように、ガイドレール部60は、例えば、誘導突起65を有している。誘導突起65は、例えば、第1溝61の第2反対方向Y2の内面から第2反対方向Y2に向かって突出している。誘導突起65は、例えば、第1溝61の第1反対方向X2の端部のうち壁部53と対向する部分に設けられている。誘導突起65の第1反対方向X2の端面は、例えば、第1溝61の第2反対方向Y2の内面から壁部53に近づくに連れて、第1方向X1に向かって傾斜する傾斜面66に形成されている。傾斜面66は、カバー70のガイド突起80をガイドレール部60の第1方向X1に向かって誘導するように形成されている。
【0061】
図9および図10に示すように、コネクタハウジング40は、例えば、カバー70の挿入突起90が挿入される1つまたは複数(本実施形態では、2つ)の挿入孔46を有している。図9に示すように、2つの挿入孔46は、例えば、第2方向Y1に沿って並んで設けられている。各挿入孔46は、例えば、本体部41よりも第3反対方向Z2に設けられている。図10に示すように、各挿入孔46は、第1方向X1に沿って延びている。各挿入孔46は、フード部43の底壁45を第1方向X1に貫通するように形成されている。各挿入孔46は、本体部41の外周に取り付けられた弾性部材100の第1反対方向X2の端面の一部を露出するように形成されている。
【0062】
図6に示すように、コネクタハウジング40は、複数(ここでは、2つ)の係合部47を有している。2つの係合部47は、本体部41の第2方向Y1の外面と、本体部41の第2反対方向Y2の外面とに1つずつ設けられている。2つの係合部47は、例えば、第2方向Y1において互いに離れる方向に向かって突出している。各係合部47は、本体部41の外面から本体部41の径方向外方に向かって突出する2つの係合突起を有している。
【0063】
(弾性部材100の構成)
図5に示すように、弾性部材100は、本体部41とフード部43との間の隙間44に設けられるとともに、本体部41の外周面に取り付けられている。弾性部材100は、本体部41の外周を周方向全周にわたって包囲している。弾性部材100は、弾性変形可能に構成されている。弾性部材100の材料としては、例えば、ゴムやエラストマ等の弾性材料を用いることができる。本実施形態の弾性部材100は、ゴム製である。
【0064】
図2に示すように、弾性部材100は、弾性部材100の周方向全周にわたって周壁が連続した筒状に形成されている。弾性部材100の内周形状は、本体部41の外周形状に対応する形状に形成されている。また、弾性部材100の外周形状は、フード部43の内周形状に対応する形状に形成されている。弾性部材100は、例えば、四角筒状に形成されている。本実施形態の弾性部材100は、その内周形状および外周形状が角丸長方形状に形成されている。
【0065】
図5に示すように、弾性部材100は、第1方向X1に向く端面(第1端面)と、第1反対方向X2に向く端面(第2端面)とを有している。弾性部材100は、本体部41の径方向外方に向く端面(第3端面)を有している。弾性部材100の第1反対方向X2の端面は、例えば、フード部43の底壁45の第1方向X1の端面と接触可能に設けられている。弾性部材100の第1方向X1の端面は、例えば、相手ハウジング202の第1反対方向X2の端面と接触可能に設けられている。弾性部材100の外周寸法は、例えば、シール部材110の外周寸法よりも大きい。弾性部材100の第1方向X1の端面は、例えば、第1方向X1から見た平面視において、シール部材110から露出するように形成されている。
【0066】
(シール部材110の構成)
シール部材110は、本体部41とフード部43との間の隙間44に設けられるとともに、本体部41の外周面に取り付けられている。シール部材110は、本体部41の外周を周方向全周にわたって包囲している。シール部材110は、弾性部材100よりも第1方向X1に設けられている。シール部材110は、本体部41の外周面と相手ハウジング202の内周面との間をシールする。シール部材110は、弾性変形可能に構成されている。シール部材110の材料としては、例えば、ゴムやエラストマ等の弾性材料を用いることができる。本実施形態のシール部材110は、ゴム製である。
【0067】
図2に示すように、シール部材110は、シール部材110の周方向全周にわたって周壁が連続した筒状に形成されている。シール部材110の内周形状は、本体部41の外周形状に対応する形状に形成されている。シール部材110の外周形状は、相手ハウジング202(図1参照)の内周形状に対応する形状に形成されている。本実施形態のシール部材110は、その内周形状および外周形状が角丸長方形状に形成された四角筒状に形成されている。
【0068】
(リテーナ120の構成)
図4に示すように、リテーナ120は、本体部41の外周に取り付けられている。リテーナ120は、本体部41の第1方向X1の端部に取り付けられている。リテーナ120の第1反対方向X2の端面は、シール部材110の第1方向X1の端面と接触可能に設けられている。リテーナ120は、本体部41からのシール部材110の抜けを抑制している。
【0069】
(カバー70の構成)
図1に示すように、カバー70は、コネクタハウジング40の第1反対方向X2の端部に組み付けられている。カバー70は、例えば、コネクタハウジング40に着脱可能に構成されている。カバー70は、コネクタハウジング40の第1反対方向X2の端部から引き出された電線20を収容するように形成されている。カバー70は、例えば、コネクタハウジング40から引き出された電線20の経路を規制するように設けられている。カバー70は、コネクタハウジング40と別部品である。カバー70は、例えば、合成樹脂製である。カバー70の材料は、コネクタハウジング40の材料と同種の材料であってもよいし、コネクタハウジング40の材料と異なる材料であってもよい。
【0070】
図11に示すように、カバー70は、電線20(図1参照)を収容する収容筒部71と、ガイド突起80と、挿入突起90と、係合部95とを有している。カバー70は、例えば、収容筒部71とガイド突起80と挿入突起90と係合部95とが連続して一体に形成された単一部品である。
【0071】
収容筒部71は、全体として半割筒状に形成されている。収容筒部71の横断面形状は、例えば、全体としてU字状に形成されている。収容筒部71は、例えば、一方向に直線状に延びる形状に形成されている。
【0072】
収容筒部71は、底壁72と、底壁72の両側縁から第3方向Z1に向かって突出する2つの側壁73とを有している。底壁72は、例えば、第1方向X1に沿って直線状に延びている。底壁72は、板状に形成されている。底壁72は、第3方向Z1に厚みを有し、第1方向X1および第2方向Y1に広がるように形成されている。底壁72は、例えば、第1方向X1の端部から第1反対方向X2の端部に向かうに連れて、第2方向Y1に沿う長さ寸法が小さくなるように形成されている。
【0073】
各側壁73は、底壁72と連続して一体に形成されている。各側壁73は、例えば、底壁72の幅方向(ここでは、第2方向Y1)の両端縁のそれぞれから第3方向Z1に向かって突出している。各側壁73は、板状に形成されている。各側壁73は、第2方向Y1に厚みを有し、第1方向X1および第3方向Z1に広がるように形成されている。
【0074】
図12に示すように、各側壁73は、底壁72の長さ方向に沿って底壁72の長さ方向の全長にわたって延びている。2つの側壁73は、底壁72の幅方向、ここでは第2方向Y1において互いに対向している。2つの側壁73の間の距離は、収容筒部71の第1方向X1の端部から第1反対方向X2の端部に向かうに連れて短くなるように形成されている。
【0075】
ここで、収容筒部71は、例えば、第1方向X1の端部に設けられた領域R1と、領域R1に隣接して設けられた領域R2と、領域R2に隣接して設けられた領域R3と、領域R3に隣接して設けられた領域R4とを有している。領域R4は、収容筒部71の第1反対方向X2の端部に設けられている。
【0076】
領域R1における2つの側壁73の間の距離は、領域R1,R2,R3,R4の中で最も長くなるように設定されている。領域R1における2つの側壁73の間の距離は、領域R1の長さ方向の全長にわたって一定の長さに設定されている。領域R2における2つの側壁73の間の距離は、領域R1に接続される端部から領域R3に接続される端部に向かうに連れて短くなるように形成されている。領域R2における2つの側壁73は、例えば、第3方向Z1から見た平面視において、領域R1に接続される端部から領域R3に接続される端部に向かうに連れて、一定の第1傾斜角度で互いに近づくように傾斜して形成されている。領域R3における2つの側壁73の間の距離は、領域R2に接続される端部から領域R4に接続される端部に向かうに連れて短くなるように形成されている。領域R3における2つ側壁73は、例えば、第3方向Z1から見た平面視において、領域R2に接続される端部から領域R4に接続される端部に向かうに連れて、一定の第2傾斜角度で互いに近づくように傾斜して形成されている。ここで、第2傾斜角度は、第1傾斜角度と異なる角度である。領域R4における2つの側壁73の間の距離は、領域R1,R2,R3,R4の中で最も短くなるように設定されている。領域R4における2つの側壁73の間の距離は、領域R4の長さ方向の全長にわたって一定の長さに設定されている。
【0077】
図13に示すように、各側壁73の高さ寸法、つまり第3方向Z1に沿う各側壁73の寸法は、収容筒部71の第1方向X1の端部から第1反対方向X2の端部に向かうに連れて小さくなるように形成されている。領域R3における各側壁73の第3方向Z1の端面は、傾斜面74を有している。傾斜面74は、傾斜面74の第1方向X1の端部から傾斜面74の第1反対方向X2の端部に向かうに連れて、底壁72に近づくように傾斜して形成されている。領域R3における各側壁73は、第2方向Y1から見た平面視において、傾斜面74の第1方向X1の端部から傾斜面74の第1反対方向X2の端部に向かうに連れて高さ寸法が小さくなるように形成されている。
【0078】
収容筒部71は、収容筒部71の第1反対方向X2の端部の外面から突出する係合突出部75を有している。係合突出部75は、第1反対方向X2の端部における底壁72の外面および側壁73の外面から収容筒部71の径方向外方に向かって突出している。
【0079】
図11に示すように、本実施形態のカバー70は、2つのガイド突起80を有している。各ガイド突起80は、収容筒部71の第1方向X1の端部に設けられている。各ガイド突起80は、収容筒部71の第1方向X1の端部における各側壁73の第3方向Z1の端面に設けられている。各ガイド突起80は、例えば、側壁73の第3方向Z1の端面から第3方向Z1に向かって突出している。各ガイド突起80は、例えば、収容筒部71の第1方向X1の端面よりも第1方向X1に向かって突出している。図12に示すように、各ガイド突起80は、各側壁73の内面よりも収容筒部71の径方向内方に向かって突出している。なお、2つのガイド突起80は互いに同様の形状、具体的には線対称形状に形成されている。このため、以下の説明では、図中の第2方向Y1側に設けられたガイド突起80のみに着目して説明する。
【0080】
ガイド突起80は、例えば、第1方向X1に沿って延びる第1突起81と、第1方向X1に沿って延びる第2突起82と、第1突起81の第1反対方向X2の端部と第2突起82の第1反対方向X2の端部とを繋ぐ連結部83とを有している。ガイド突起80は、第3方向Z1から見た平面形状が全体としてU字状に形成されている。
【0081】
図14に示すように、第1突起81は、例えば、側壁73の第3方向Z1の端面から第3方向Z1に向かって突出している。第1突起81は、側壁73の厚み方向、ここでは第2方向Y1の一部に設けられている。図12に示すように、第1突起81は、領域R1における側壁73の第3方向Z1の端面に設けられている。第1突起81は、領域R1の第1反対方向X2の端部から第1方向X1に沿って延びている。第1突起81は、側壁73の第1方向X1の端面よりも第1方向X1に向かって突出している。第1突起81の第1反対方向X2の端部は、連結部83に繋がっている。
【0082】
連結部83は、例えば、第1突起81の第2反対方向Y2の端面から第2反対方向Y2に向かって延びている。連結部83は、側壁73の第2反対方向Y2の端面よりも第2反対方向Y2に突出している。連結部83の第2反対方向Y2の端部は、第2突起82の第1反対方向X2の端部に接続されている。連結部83は、例えば、第2突起82の第2方向Y1の端面に接続されている。
【0083】
第2突起82は、連結部83から第1方向X1に沿って延びている。第2突起82は、側壁73の第1方向X1の端面よりも第1方向X1に向かって突出している。第2突起82は、第1突起81の第1方向X1の端面よりも第1方向X1に向かって突出している。換言すると、第1方向X1に沿う第2突起82の長さ寸法は、第1方向X1に沿う第1突起81の長さ寸法よりも大きい。第2突起82は、挿入突起90の第1方向X1の端面よりも第1方向X1に向かって突出している。図8に示すように、第2突起82は、第1方向X1に沿って、ガイドレール部60に挿入可能に形成されている。
【0084】
図14に示すように、第2突起82は、側壁73の第2反対方向Y2の端面よりも収容筒部71の径方向内方の位置に設けられている。第2突起82は、第2方向Y1において、側壁73と離れて設けられている。第2突起82は、第1方向X1から見た平面形状が全体として逆L字状に形成されている。図7に示すように、第2突起82は、ガイドレール部60の第1溝61に挿入可能に形成された第1挿入部84と、ガイドレール部60の第2溝62に挿入可能に形成された第2挿入部85とを有している。
【0085】
第1挿入部84は、第2挿入部85の第3方向Z1の端部から第2方向Y1に突出している。第1挿入部84は、第1溝61に挿入可能な大きさに形成されている。第1挿入部84は、例えば、第1溝61に挿入された状態において、第3方向Z1および第3反対方向Z2の両側から第1溝61の内面によって挟み込まれている。具体的には、第1挿入部84は、第3方向Z1において、第1溝61の第3方向Z1の内面と第1溝61の第3反対方向Z2の内面とによって挟み込まれている。第1挿入部84の第3反対方向Z2の端面には、例えば、第1溝61の第3方向Z1の内面に設けられた第1リブ63が接触される。第1挿入部84の第3方向Z1の端面には、第1溝61の第3反対方向Z2の内面に設けられた第2リブ64が接触される。
【0086】
第2挿入部85は、第1挿入部84から第3反対方向Z2に向かって突出している。第2挿入部85は、第2溝62に挿入可能な大きさに形成されている。第2挿入部85は、第2溝62に挿入された状態において、第2方向Y1および第2反対方向Y2の両側から第2溝62の内面によって挟み込まれている。図4に示すように、第2挿入部85は、第1方向X1に沿って延びている。第2挿入部85の第1方向X1の端面、つまり第2挿入部85の先端面85Aは、第2溝62から露出する弾性部材100の第1反対方向X2の端面に接触可能に形成されている。
【0087】
図11に示すように、第2突起82は、例えば、第2挿入部85の先端面85Aよりも第1方向X1に突出する突出部86を有している。突出部86は、第1挿入部84の第1方向X1の端面から第1方向X1に向かって突出するとともに、第2挿入部85の先端面85Aの一部から第1方向X1に向かって突出するように形成されている。突出部86は、第1方向X1から見た平面形状が全体として逆L字状に形成されている。但し、突出部86のうち第3方向Z1に延びる部分の長さは、第3方向Z1に沿う第2挿入部85の長さよりも短い。図14に示すように、突出部86は、第1方向X1から見た平面視において、第2挿入部85のうち第1突起81と第2方向Y1において重なる部分のみに設けられている。換言すると、第2挿入部85のうち突出部86よりも第3反対方向Z2に突出する部分は、第1方向X1から見た平面視において、側壁73と第2方向Y1において重なるように設けられている。
【0088】
図4に示すように、突出部86は、例えば、弾性部材100のうち本体部41の径方向外方に向く端面、ここでは弾性部材100の第3方向Z1の外周面を覆うように設けられている。突出部86は、本体部41の外周面との間に弾性部材100を挟む態様で、弾性部材100の第3方向Z1の外周面を被覆するように設けられている。突出部86は、弾性部材100の第1方向X1の端面よりも第1方向X1に向かって突出している。突出部86は、例えば、相手ハウジング202の外周面、ここでは相手ハウジング202の第3方向Z1の外周面を被覆可能に設けられている。突出部86は、本体部41の外周面との間に相手ハウジング202を挟む態様で、相手ハウジング202の第3方向Z1の外周面を被覆可能に設けられている。
【0089】
図14に示すように、ガイド突起80は、第1突起81のうち第2突起82と対向する内面、ここでは第1突起81の第2反対方向Y2の内面から第2突起82に向かって突出する第3リブ87を有している。図11に示すように、第3リブ87は、例えば、第1方向X1に沿って延びている。第3リブ87は、連結部83から第1突起81の長さ方向の中間部まで第1方向X1に沿って延びている。図7に示すように、第3リブ87は、コネクタハウジング40の側壁51の外面、ここでは側壁51の第2方向Y1の端面に接触可能に設けられている。
【0090】
図11に示すように、本実施形態のカバー70は、2つの挿入突起90を有している。2つの挿入突起90は、第2方向Y1に沿って並んで設けられている。各挿入突起90は、底壁72の第1方向X1の端面から第1方向X1に向かって突出する突起本体91と、突起本体91の第1方向X1の端面の一部から第1方向X1に向かって突出する挿入突出部92とを有している。図14に示すように、挿入突出部92は、突起本体91の第1方向X1の端面のうち第3方向Z1の端部のみに設けられている。図10に示すように、各挿入突起90は、第1方向X1に沿って、コネクタハウジング40の挿入孔46に挿入される。挿入突出部92の第1方向X1の端面は、挿入孔46から露出する弾性部材100の第1反対方向X2の端面に接触可能に設けられている。
【0091】
図2に示すように、各係合部95は、側壁73の第1方向X1の端面から第1方向X1に向かって突出している。各係合部95は、収容筒部71の径方向、ここでは第2方向Y1または第2反対方向Y2に弾性変形可能に形成された弾性片である。各係合部95は、矩形の枠体に形成されており、その枠体の中央に係合部47と係合可能な係合孔96を有している。係合部95と係合部47とは、係合部95の弾性変形を利用したスナップフィット方式により互いに係合される。係合部95と係合部47との係合により、コネクタハウジング40にカバー70が組み付けられた状態が維持される。
【0092】
図4に示すように、コネクタハウジング40にカバー70が組み付けられると、各ガイドレール部60にガイド突起80が挿入される。このとき、第2突起82の第2挿入部85の先端面85Aは、第2溝62から露出する弾性部材100の第1反対方向X2の端面(第2端面)に接触される。ここで、相手コネクタ200の相手ハウジング202が本体部41の外側に嵌合されると、相手ハウジング202の第1反対方向X2の端面が弾性部材100の第1方向X1の端面(第1端面)に接触される。このため、弾性部材100は、第1方向X1において、カバー70の第2突起82と相手ハウジング202とによって挟まれる。これらカバー70と相手ハウジング202とによって、弾性部材100が第1方向X1に圧縮するように弾性変形される。このような弾性部材100によって、コネクタハウジング40およびカバー70の第1方向X1の公差を好適に吸収できる。この結果、第1方向X1におけるコネクタハウジング40とカバー70との間のがたつきを抑制できる。
【0093】
図8に示すように、ガイドレール部60にガイド突起80の第2突起82が挿入されると、ガイド突起80の第1突起81がガイドレール部60を構成する側壁51の外面を外側から被覆するように設けられる。換言すると、側壁51は、第1突起81と第2突起82と連結部83とによって囲まれた空間に挿入される。これにより、側壁51は、第2方向Y1および第2反対方向Y2の両側から第1突起81と第2突起82とによって挟み込まれる。
【0094】
(固定部材130の構成)
図13に示すように、ワイヤハーネス11は、電線20の外周にカバー70を固定する固定部材130を有している。固定部材130としては、例えば、樹脂製または金属製の結束バンド、カシメリングや粘着テープを用いることができる。本実施形態の固定部材130は、一面に粘着層を有する粘着テープ131である。粘着テープ131は、例えば、粘着層を電線20の外周面に対向させた状態で、電線20とカバー70の収容筒部71とに対して巻き付けられている。具体的には、粘着テープ131は、底壁72の外面と、傾斜面74を有する側壁73の外面と、収容筒部71から露出する電線20の外周面とに対して粘着層を接触させた状態で巻き付けられている。粘着テープ131は、電線20と収容筒部71とに対して複数回巻き付けられている。粘着テープ131は、収容筒部71の係合突出部75と第1方向X1において係合可能に設けられている。
【0095】
ここで、収容筒部71は、傾斜面74を有する側壁73を有する。このため、収容筒部71に収容される電線20のサイズ(例えば、外径)が変更された場合であっても、電線20の外周面の一部が側壁73の第3方向Z1の端面よりも第3方向Z1に突出する部分を好適に設けることができる。また、収容筒部71に収容される電線20の本数が変更された場合であっても、電線20の外周面の一部が側壁73の第3方向Z1の端面よりも第3方向Z1に突出する部分を好適に設けることができる。
【0096】
例えば図15に示すように、収容筒部71に収容される電線20が1本になった場合であっても、領域R3のうち領域R4の近傍の位置および領域R4において、電線20の外周面を側壁73から好適に露出させることができる。これにより、電線20の本数およびサイズが様々に変更された場合であっても、粘着テープ131の粘着層を電線20の外周面に接触させた状態で、粘着テープ131を電線20および収容筒部71に対して巻き付けることができる。
【0097】
次に、本実施形態の作用効果を説明する。
(1)カバー付きコネクタ30は、電線20の端部に接続される端子31と、端子31が第1方向X1に沿って内部に収容される筒状の本体部41を有するコネクタハウジング40と、本体部41の外周に取り付けられた弾性部材100とを備える。カバー付きコネクタ30は、コネクタハウジング40の第1反対方向X2の端部に組み付けられたカバー70を備える。弾性部材100の第1方向X1の端面は、本体部41に嵌合される相手コネクタ200の相手ハウジング202と接触可能に設けられている。コネクタハウジング40は、第1反対方向X2の端部から第1方向X1に沿って延びるとともに、弾性部材100の第1反対方向X2の端面を露出するガイドレール部60を有する。カバー70は、第1方向X1に沿ってガイドレール部60に挿入されるとともに、弾性部材100の第1反対方向X2の端面に接触可能に形成されたガイド突起80を有する。
【0098】
この構成によれば、電線20が引き出されるコネクタハウジング40の第1反対方向X2の端部にカバー70が組み付けられる。このとき、カバー70に設けられたガイド突起80は、第1方向X1に沿ってコネクタハウジング40のガイドレール部60に挿入されるとともに、ガイドレール部60から露出する弾性部材100の第1反対方向X2の端面に接触される。ここで、コネクタハウジング40の本体部41に相手コネクタ200の相手ハウジング202が嵌合されると、相手ハウジング202が弾性部材100の第1方向X1の端面に接触される。このため、弾性部材100は、第1方向X1において、カバー70のガイド突起80と相手ハウジング202とによって挟まれる。これらガイド突起80と相手ハウジング202とによって、弾性部材100が第1方向X1に圧縮するように弾性変形される。このような弾性部材100によって、コネクタハウジング40およびカバー70の第1方向X1の公差を好適に吸収できる。この結果、第1方向X1におけるコネクタハウジング40とカバー70との間のがたつきを好適に抑制できる。
【0099】
(2)弾性部材100は、本体部41の径方向(ここでは、第3方向Z1)において、カバー70の突出部86と本体部41とによって挟まれる。これら突出部86と本体部41とによって、弾性部材100が第3方向Z1に圧縮するように弾性変形される。このような弾性部材100によって、コネクタハウジング40およびカバー70の第3方向Z1の公差を好適に吸収できる。この結果、第3方向Z1におけるコネクタハウジング40とカバー70との間のがたつきを好適に抑制できる。
【0100】
(3)本体部41に嵌合された相手ハウジング202は、本体部41の径方向(ここでは、第3方向Z1)において、カバー70の突出部86と本体部41とによって挟まれる。これにより、第3方向Z1におけるコネクタハウジング40と相手ハウジング202との間のがたつきを好適に抑制できる。
【0101】
(4)ガイド突起80の第1挿入部84がガイドレール部60の第1溝61に挿入されると、第1溝61の第3方向Z1の内面と第1溝61の第3反対方向Z2の内面とによって第1挿入部84が挟み込まれる。すなわち、第1挿入部84は、第1溝61の内面によって第3方向Z1および第3反対方向Z2の両側から挟み込まれる。このため、第1溝61の内面によって、第3方向Z1および第3反対方向Z2の両側から第1挿入部84を好適に支持することができる。これにより、第3方向Z1におけるコネクタハウジング40とカバー70との間のがたつきを好適に抑制できる。
【0102】
(5)ガイドレール部60は、第1溝61の第3方向Z1の内面から第3方向Z1に向かって突出するとともに第1挿入部84に接触可能に設けられた第1リブ63を有する。ガイドレール部60は、第1溝61の第3反対方向Z2の内面から第3反対方向Z2に向かって突出するとともに第1挿入部84に接触可能に設けられた第2リブ64を有する。この構成によれば、第1リブ63および第2リブ64によって、第3方向Z1における第1挿入部84と第1溝61の内面との間の隙間を小さくできる。これにより、第3方向Z1におけるコネクタハウジング40とカバー70との間のがたつきをより好適に抑制できる。
【0103】
(6)ガイドレール部60を構成する側壁51は、第2方向Y1および第2反対方向Y2の両側から第1突起81と第2突起82とによって挟み込まれる。このため、第1突起81と第2突起82とによって、第2方向Y1および第2反対方向Y2の両側から側壁51を好適に支持することができる。これにより、第2方向Y1におけるコネクタハウジング40とカバー70との間のがたつきを好適に抑制できる。
【0104】
(7)ガイド突起80は、第1突起81のうち第2突起82と対向する内面から第2突起82に向かって突出するとともに側壁51の外面に接触可能に設けられた第3リブ87を有する。この構成によれば、第3リブ87によって、第2方向Y1における側壁51と第1突起81および第2突起82との間の隙間を小さくできる。これにより、第2方向Y1におけるコネクタハウジング40とカバー70との間のがたつきをより好適に抑制できる。
【0105】
(8)カバー70に設けられた挿入突起90は、本体部41よりも第3反対方向Z2に設けられた挿入孔46から露出する弾性部材100の第1反対方向X2の端面に接触される。また、カバー70に設けられたガイド突起80は、本体部41よりも第3方向Z1に設けられたガイドレール部60から露出する弾性部材100の第1反対方向X2の端面に接触される。これにより、本体部41よりも第3方向Z1の位置と本体部41よりも第3反対方向Z2の位置とにおいて、筒状をなす弾性部材100の第1反対方向X2の端面に対してガイド突起80と挿入突起90とをそれぞれ接触させることができる。この結果、筒状をなす弾性部材100の第1反対方向X2の端面に対してカバー70を安定して接触させることができる。
【0106】
(9)半割筒状をなす収容筒部71の側壁73の第3方向Z1の端面には、傾斜面74が設けられる。すなわち、側壁73は、傾斜面74の第1方向X1の端部から傾斜面74の第1反対方向X2の端部に向かうに連れて、底壁72からの突出量、つまり底壁72の高さ寸法が小さくなるように形成される。換言すると、側壁73は、種々の高さ寸法を有している。このため、収容筒部71に収容される電線20のサイズや本数が種々に変更された場合であっても、電線20の一部を側壁73から好適に露出させることができる。これにより、電線20および収容筒部71に対して粘着テープ131等の固定部材130を巻き付ける場合に、その固定部材130を電線20の外周面に接触させた状態で好適に巻き付けることができる。この結果、固定部材130によって電線20の外周に収容筒部71を好適に固定することができる。
【0107】
(他の実施形態)
上記実施形態は、以下のように変更して実施することができる。上記実施形態および以下の変更例は、技術的に矛盾しない範囲で互いに組み合わせて実施することができる。
【0108】
・上記実施形態のカバー70における収容筒部71の構造は適宜変更することができる。例えば、係合突出部75を省略してもよい。例えば、側壁73の傾斜面74を省略してもよい。すなわち、側壁73の高さ寸法を、収容筒部71の軸方向の全長にわたって一定に形成してもよい。また、収容筒部71の第3方向Z1から見た平面形状を、屈曲形状を有する構造に変更してもよい。また、収容筒部71を、電線20の外周を周方向全周にわたって包囲する筒状に形成してもよい。
【0109】
・上記実施形態のカバー70における挿入突起90を省略してもよい。この場合には、コネクタハウジング40の挿入孔46を省略することができる。
・上記実施形態のガイド突起80の構造は適宜変更することができる。例えば、第3リブ87を省略してもよい。また、第1突起81を省略してもよい。また、突出部86を短く形成し、弾性部材100の第3方向Z1の外周面のみを被覆するようにしてもよい。すなわち、突出部86を、相手ハウジング202の第3方向Z1の外周面を被覆しないように形成してもよい。また、突出部86を省略してもよい。また、ガイド突起80を、第2突起82のみで構成してもよい。また、弾性部材100の第1反対方向X2の端面に接触可能な先端面85Aを有していれば、第1挿入部84および第2挿入部85のいずれか一方のみでガイド突起80を構成してもよい。
【0110】
・上記実施形態のガイド部50の構造は適宜変更することができる。例えば、連結壁52を省略してもよい。また、壁部53を省略してもよい。また、ガイド部50を、図示しないCPA部材が組み付けできない構造に変更してもよい。
【0111】
・上記実施形態のガイドレール部60の構造は適宜変更することができる。例えば、誘導突起65を省略してもよい。また、第1リブ63を省略してもよい。また、第2リブ64を省略してもよい。
【0112】
・上記実施形態のコネクタハウジング40の構造は適宜変更することができる。例えば、フード部43を省略してもよい。
・上記実施形態の弾性部材100の構造は適宜変更することができる。例えば、弾性部材100は、筒状に限定されない。また、弾性部材100を、本体部41の周方向の一部のみに設けられる構造に変更してもよい。
【0113】
・上記実施形態のシール部材110を省略してもよい。この場合には、リテーナ120を省略することができる。
・上記実施形態の端子31の構造は適宜変更することができる。
【0114】
・上記実施形態の電線20の構造は適宜変更することができる。
・上記実施形態のシール部材23を省略してもよい。
・上記実施形態のカバー付きコネクタ30が備える端子31の個数は、3つに限定されない。例えば、カバー付きコネクタ30が有する端子31の個数は、1つまたは2つであってもよいし、4つ以上であってもよい。なお、電線20の数は、端子31の数に応じて適宜変更することができる。
【0115】
・今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した意味ではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0116】
11 ワイヤハーネス
20 電線
21 芯線
22 絶縁被覆
23 シール部材
30 カバー付きコネクタ
31 端子
32 電線接続部
33 端子接続部
40 コネクタハウジング
41 本体部
42 貫通孔
43 フード部
44 隙間
45 底壁
46 挿入孔
47 係合部
50 ガイド部
51 側壁(第1側壁)
52 連結壁
53 壁部
54 支柱
60 ガイドレール部
61 第1溝
62 第2溝
63 第1リブ
64 第2リブ
65 誘導突起
66 傾斜面
70 カバー
71 収容筒部
72 底壁
73 側壁(第2側壁)
74 傾斜面
75 係合突出部
80 ガイド突起
81 第1突起
82 第2突起
83 連結部
84 第1挿入部
85 第2挿入部
85A 先端面
86 突出部
87 第3リブ
90 挿入突起
91 突起本体
92 挿入突出部
95 係合部
96 係合孔
100 弾性部材
110 シール部材
120 リテーナ
130 固定部材
131 粘着テープ
200 相手コネクタ
201 相手端子
202 相手ハウジング
R1,R2,R3,R4 領域
X1 第1方向
X2 第1反対方向
Y1 第2方向
Y2 第2反対方向
Z1 第3方向
Z2 第3反対方向
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15