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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024140738
(43)【公開日】2024-10-10
(54)【発明の名称】水素製造装置
(51)【国際特許分類】
   C01B 3/38 20060101AFI20241003BHJP
   B01D 53/047 20060101ALI20241003BHJP
   B01D 53/14 20060101ALI20241003BHJP
【FI】
C01B3/38
B01D53/047
B01D53/14 220
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023052047
(22)【出願日】2023-03-28
(71)【出願人】
【識別番号】000000284
【氏名又は名称】大阪瓦斯株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001818
【氏名又は名称】弁理士法人R&C
(72)【発明者】
【氏名】元山 愛梨
(72)【発明者】
【氏名】村田 一彦
(72)【発明者】
【氏名】池田 耕一郎
(72)【発明者】
【氏名】松村 南月
【テーマコード(参考)】
4D012
4D020
4G140
【Fターム(参考)】
4D012BA01
4D012BA02
4D012BA03
4D012CA03
4D012CA07
4D012CB16
4D012CE01
4D012CF02
4D012CF03
4D012CG01
4D012CH04
4D012CJ01
4D012CJ03
4D012CJ07
4D020AA03
4D020BA16
4D020BA19
4D020BB03
4D020BC01
4D020CB08
4D020CB25
4D020CC09
4D020CC10
4D020DA01
4D020DA02
4D020DB01
4D020DB04
4D020DB05
4G140EA03
4G140EA06
4G140EB37
(57)【要約】
【課題】全体構成の簡素化を図りながら、二酸化炭素を適切に回収できる水素製造装置を提供する。
【解決手段】二酸化炭素を吸収する吸収液を液分離器18の内部において下方に向けて供給する吸収液供給部31と、液分離器18の底部における液分が貯留される液分貯留部18aよりも上方箇所に、吸収液貯留部25を形成する状態で吸収液を受止め回収する仕切り部Aと、仕切り部Aの下方側に供給された改質ガスを吸収液貯留部25の上方箇所に流動させて排出する改質ガス排出部Bと、二酸化炭素を吸収した吸収液から二酸化炭素を分離して回収する分離回収部Qと、吸収液貯留部25に貯留された二酸化炭素を吸収した吸収液を分離回収部Qに供給する吸収液供給路Laと、二酸化炭素が分離された吸収液を分離回収部Qから吸収液供給部31に返送する吸収液返送路Lbと、が備えられている。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
水素成分及び二酸化炭素を含む原料ガスを供給する原料ガス供給部、及び、加熱バーナにて改質用温度に加熱された状態で前記原料ガスを水蒸気改質処理して水素成分が多い改質ガスを生成する改質器を備えた改質処理部と、
前記改質処理部からの前記改質ガスを冷却する冷却部と、
前記冷却部にて冷却された前記改質ガス中の液分を分離する液分離器と、
前記液分離器にて液分が分離された前記改質ガスから前記水素成分以外の吸着対象成分を吸着剤に吸着して製品ガスを生成しかつ前記吸着対象成分をオフガスとして排出する圧力変動吸着運転を行う複数の吸着塔を備えた圧力変動吸着部と、が設けられた水素製造装置であって、
前記二酸化炭素を吸収する吸収液を前記液分離器の内部において下方に向けて供給する吸収液供給部と、
前記液分離器の底部における前記液分が貯留される液分貯留部よりも上方箇所に、吸収液貯留部を形成する状態で前記吸収液を受止め回収する仕切り部と、
前記仕切り部の下方側に供給された前記改質ガスを前記吸収液貯留部の上方箇所に流動させて排出する改質ガス排出部と、
前記二酸化炭素を吸収した前記吸収液から前記二酸化炭素を分離して回収する分離回収部と、
前記吸収液貯留部に貯留された前記二酸化炭素を吸収した前記吸収液を前記分離回収部に供給する吸収液供給路と、
前記二酸化炭素が分離された前記吸収液を前記分離回収部から前記吸収液供給部に返送する吸収液返送路と、が備えられている水素製造装置。
【請求項2】
前記改質ガス排出部は、頂部が閉塞される状態で底部が開口され且つ周壁にガス排出孔を備えた筒状体にて構成されている請求項1に記載の水素製造装置。
【請求項3】
前記吸収液供給路を通して前記分離回収部に供給する前記吸収液の供給量を前記吸収液貯留部の液面高さを適正範囲内に維持するように調整する吸収液供給量調整部が設けられている請求項1又は2に記載の水素製造装置。
【請求項4】
前記吸収液返送路を通して前記吸収液供給部に返送する前記吸収液の返送量を目標返送量に調整する吸収液返送量調整部が設けられている請求項1又は2に記載の水素製造装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、水素成分及び二酸化炭素を含む原料ガスを供給する原料ガス供給部、及び、加熱バーナにて改質用温度に加熱された状態で前記原料ガスを水蒸気改質処理して水素成分が多い改質ガスを生成する改質器を備えた改質処理部と、前記改質処理部からの前記改質ガスを冷却する冷却部と、前記冷却部にて冷却された前記改質ガス中の液分を分離する液分離器と、前記液分離器にて液分が分離された前記改質ガスから前記水素成分以外の吸着対象成分を吸着剤に吸着して製品ガスを生成しかつ前記吸着対象成分をオフガスとして排出する圧力変動吸着運転を行う複数の吸着塔を備えた圧力変動吸着部と、が設けられた水素製造装置に関する。
【背景技術】
【0002】
かかる水素製造装置は、改質処理部によって、水素成分及び二酸化炭素を含む原料ガスを水蒸気改質処理により水素成分が多い改質ガスに改質し、改質処理部からの改質ガスを冷却部にて冷却し、冷却された改質ガス中の液分を液分離器にて分離して液分の含有が少ない改質ガスを生成し、その改質ガスから圧力変動吸着部によって、水素成分以外の吸着対象成分を吸着剤に吸着することにより、水素濃度の高い製品ガスを製造するものである(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
かかる水素製造装置の別の従来例として、改質処理部によって、水素成分及び二酸化炭素を含む原料ガスを水蒸気改質処理により水素成分が多い改質ガスに改質し、改質処理部からの改質ガスに含まれる二酸化炭素を吸収液に吸収する吸収部を、改質処理部と圧力変動吸着部との間に設けて、吸収部にて改質ガスから二酸化炭素を吸収液に吸収し、二酸化炭素が吸収液に吸収された後の改質ガスから圧力変動吸着部によって、水素成分以外の吸着対象成分を吸着剤に吸着することにより、水素濃度の高い製品ガスを製造するようにし、また、二酸化炭素を吸収した吸収液から二酸化炭素を分離回収する分離回収部を設け、吸収部と分離回収部との間で吸収液を循環流動させるようにして、分離回収部において二酸化炭素を回収するようにしたものがある(例えば、特許文献2参照)。
【0004】
つまり、特許文献2においては、圧力変動吸着部に供給される前の改質ガスから二酸化炭素を回収するようにしたものである。ちなみに、回収した二酸化炭素は、例えば原料として別の処理設備(例えば、液化炭酸ガス製造設備)に供給することにより、オフガスに含まれる二酸化炭素を有効利用できることになる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2021-155242号公報
【特許文献2】特開2012-176879号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献2の水素製造装置においては、改質処理部からの改質ガスに含まれる液分を分離することなく、吸収部が、改質処理部からの改質ガスに含まれる二酸化炭素を吸収液に吸収するものであるから、改質ガスに含まれる液分が吸収液を希薄化させることになり、吸収液による二酸化炭素の吸収量が減少して、二酸化炭素を適切に回収できなくなる不都合がある。
【0007】
この不都合を解決するために、特許文献1の水素製造装置において、液分離器と圧力変動吸着部との間に、吸収部を設けることが考えられるが、この場合には、液分離器に加えて吸収部が設けられるため、全体構成が複雑になる不都合がある。
【0008】
本発明は、上記実状に鑑みて為されたものであって、その目的は、全体構成の簡素化を図りながら、二酸化炭素を適切に回収できる水素製造装置を提供する点にある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明に係る水素製造装置は、水素成分及び二酸化炭素を含む原料ガスを供給する原料ガス供給部、及び、加熱バーナにて改質用温度に加熱された状態で前記原料ガスを水蒸気改質処理して水素成分が多い改質ガスを生成する改質器を備えた改質処理部と、
前記改質処理部からの前記改質ガスを冷却する冷却部と、
前記冷却部にて冷却された前記改質ガス中の液分を分離する液分離器と、
前記液分離器にて液分が分離された前記改質ガスから前記水素成分以外の吸着対象成分を吸着剤に吸着して製品ガスを生成しかつ前記吸着対象成分をオフガスとして排出する圧力変動吸着運転を行う複数の吸着塔を備えた圧力変動吸着部と、が設けられたものであって、その特徴構成は、
前記二酸化炭素を吸収する吸収液を前記液分離器の内部において下方に向けて供給する吸収液供給部と、
前記液分離器の底部における前記液分が貯留される液分貯留部よりも上方箇所に、吸収液貯留部を形成する状態で前記吸収液を受止め回収する仕切り部と、
前記仕切り部の下方側に供給された前記改質ガスを前記吸収液貯留部の上方箇所に流動させて排出する改質ガス排出部と、
前記二酸化炭素を吸収した前記吸収液から前記二酸化炭素を分離して回収する分離回収部と、
前記吸収液貯留部に貯留された前記二酸化炭素を吸収した前記吸収液を前記分離回収部に供給する吸収液供給路と、
前記二酸化炭素が分離された前記吸収液を前記分離回収部から前記吸収液供給部に返送する吸収液返送路と、が備えられている点にある。
【0010】
すなわち、改質処理部からの改質ガスが冷却部にて冷却された後に液分離器に流動すると、改質ガスに含まれる液分が、液分離器の底部の液分貯留部に分離され、液分が分離された改質ガスが上方に向けて流動する。上方に向けて流動する改質ガスは、改質ガス排出部により、仕切部にて受止め回収された吸収液の吸収液貯留部よりも上方箇所に排出される。
そして、吸収液貯留部よりも上方箇所に排出された改質ガスと吸収液供給部から供給される吸収液とが接触して、改質ガスに含まれる二酸化炭素が、吸収液供給部から供給される吸収液に吸収され、二酸化炭素を吸収した吸収液が、仕切部にて受止め回収されて吸収液貯留部に貯留される。
【0011】
吸収液貯留部に貯留された二酸化炭素を吸収した吸収液が、吸収液供給路を通して分離回収部に供給され、分離回収部において、吸収液に吸収された二酸化炭素が分離されて回収され、二酸化炭素が分離された吸収液が、吸収液返送路を通して分離回収部から吸収液供給部に返送されることになる。
【0012】
このように、液分離器の内部において、改質ガスから液分を分離し、液分が分離された改質ガスに含まれる二酸化炭素を吸収液に吸収することができ、分離回収部において、二酸化炭素を吸収した吸収液から二酸化炭素を分離して回収することができる。
【0013】
したがって、液分離器の内部を、改質ガスに含まれる液分を分離し、液分が分離された改質ガスに含まれる二酸化炭素を吸収液に吸収するための空間として有効利用するものであるから、改質ガスに含まれる二酸化炭素を吸収液に吸収するための吸収部を別途設ける必要がなくなり、全体構成の簡素化を図ることができる。
しかも、液分が分離された改質ガスに含まれる二酸化炭素を吸収液に吸収させるものであるから、吸収液が液分により希薄化することを回避して、改質ガスに含まれる二酸化炭素を適切に吸収液に吸収させながら回収することができる。
【0014】
要するに、本発明の水素製造装置の特徴構成によれば、全体構成の簡素化を図りながら、二酸化炭素を適切に回収できる。
【0015】
本発明に係る水素製造装置の更なる特徴構成は、前記改質ガス排出部は、頂部が閉塞される状態で底部が開口され且つ周壁にガス排出孔を備えた筒状体にて構成されている点にある。
【0016】
すなわち、改質ガス排出部が、頂部が閉塞される状態で底部が開口され且つ周壁にガス排出孔を備えた筒状体にて構成されるものであるから、改質ガス排出部の構成の簡素化を図ることができる。
【0017】
つまり、単一の構成部材である筒状体を設置するだけで改質ガス排出部を構成することができるから、改質ガス排出部の構成の簡素化を図ることができる。
【0018】
本発明に係る水素製造装置の更なる特徴構成は、前記吸収液供給路を通して前記分離回収部に供給する前記吸収液の供給量を前記吸収液貯留部の液面高さを適正範囲内に維持するように調整する吸収液供給量調整部が設けられている点にある。
【0019】
すなわち、吸収液供給量調整部が、吸収液供給路を通して分離回収部に供給する吸収液の供給量を調整することにより、吸収液貯留部の液面高さを適正範囲内に維持するから、改質ガス排出部によって、仕切り部の下方側に供給された改質ガスを吸収液貯留部の上方箇所に流動させて排出することや、吸収液供給路を通して吸収液を分離回収部に供給することを適切に行うことができる。
【0020】
つまり、吸収液貯留部の液面高さが適正範囲よりも高くなると、改質ガス排出部が吸収液貯留部に貯留された吸収液の中に埋没して、改質ガス排出部によって、仕切り部の下方側に供給された改質ガスを吸収液貯留部の上方箇所に流動させて排出することが困難となる不都合があるが、このような不都合を招くことなく、仕切り部の下方側に供給された改質ガスを吸収液貯留部の上方箇所に流動させて排出することができる。
【0021】
また、吸収液貯留部の液面高さが適正範囲よりも低くなると、例えば、吸収液供給ポンプを吸収液供給路に備えさせて、吸収液供給路を通して吸収液を分離回収部に供給するにあたり、吸収液供給ポンプに水頭圧を与えることができなくなって、吸収液供給路を通して吸収液を分離回収部に適切に供給することができなくなる等の不都合を招く虞があるが、このような不都合を招くことなく、吸収液供給路を通して吸収液を分離回収部に適切に供給することができる。
【0022】
本発明に係る水素製造装置の更なる特徴構成は、前記吸収液返送路を通して前記吸収液供給部に返送する前記吸収液の返送量を目標返送量に調整する吸収液返送量調整部が設けられている点にある。
【0023】
すなわち、吸収液返送量調整部によって、吸収液返送路を通して吸収液供給部に返送する吸収液の返送量を目標返送量に調整することができるから、改質ガスに含まれる二酸化炭素の濃度に応じて目標返送量を設定することにより、二酸化炭素を吸収液に適切に吸収させることができ、また、二酸化炭素を吸収した吸収液の二酸化炭素濃度を適切な濃度にして、分離回収部において、二酸化炭素の分離を適切に行なうことができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
図1】水素製造装置を示す全体図である。
図2】二酸化炭素回収部の構成を示す図である。
図3】吸収液供給量と液面高さとの関係を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
〔実施形態〕
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
(水素製造装置の全体構成)
図1に示すように、水素製造装置には、天然ガスやナフサ等の炭化水素系ガスである原料ガスGを水素成分が多い改質ガスKに改質する改質処理部AKと、当該改質処理部AKからの改質ガスKから水素成分以外の吸着対象成分を吸着剤に吸着して製品ガスHを生成する吸着塔1を備えた圧力変動吸着部BSと、当該圧力変動吸着部BSにて生成された製品ガスHを回収する製品タンクUと、圧力変動吸着部BSから排出されるオフガスを回収するオフガスタンクTと、改質処理部AK及び圧力変動吸着部BSの運転を制御する運転制御部Mが設けられている。
【0026】
原料ガスGは、水素成分以外に、メタン、二酸化炭素、一酸化炭素、及び、窒素を含むものであり、水素以外の吸着対象成分として、メタン、二酸化炭素、一酸化炭素、及び、窒素が、吸着塔1の吸着剤に吸着されることになる。
【0027】
(改質処理部の詳細)
改質処理部AKには、ガス導入ライン7Aを通して導入される原料ガスGを、ガス送出ライン7Dを通して脱硫器6に送り出す圧縮機7(原料ガス供給部の一例)が設けられ、脱硫器6にて脱硫処理した原料ガスGを水混合部8に搬送する混合部搬送ライン9が設けられている。
水混合部8は、水供給部(図示せず)から供給される水W(純水)と脱硫処理後の原料ガスGとを混合するように構成されている。
尚、ガス導入ライン7Aに対する原料ガスGの供給を断続する原料ガス供給弁Gaが設けられている。
【0028】
原料ガスGを水蒸気改質処理により水素成分が多い改質ガスKに改質する改質器としての改質反応管2、当該改質反応管2を改質反応用温度(例えば、700℃)に加熱する加熱バーナN、及び、加熱バーナNの燃焼ガスにて加熱される蒸発用熱交換部11を備える改質炉Rが備えられている。
【0029】
オフガスタンクTに貯留されたオフガスを加熱バーナNに供給するオフガス供給路4が設けられ、また、図示は省略するが、送風機等の空気供給部からの燃焼用空気が加熱バーナNに供給されるように構成されている。
また、原料ガスGを燃料ガスとして加熱バーナNに供給する補助燃料ガス路3が設けられている。
尚、オフガス供給路4には、当該オフガス供給路4を開閉するオフガス開閉弁4Aが設けられ、補助燃料ガス路3には、当該補助燃料ガス路3を開閉する燃料ガス弁3Aが設けられている。
【0030】
水混合部8にて水が混合された原料ガスGを蒸発用熱交換部11に向けて搬送する蒸発用搬送ライン12が設けられ、原料ガスGに混合された水が蒸発用熱交換部11にて加熱されて水蒸気となるように構成されている。
【0031】
そして、蒸発用熱交換部11にて水蒸気を含む状態(水蒸気が混合された状態)となるように加熱された原料ガスGが、反応管搬送ライン13にて改質反応管2に搬送されて、水蒸気改質処理により水素成分が多い改質ガスKに改質されるように構成されている。
つまり、改質反応管2の内部には、改質触媒が充填され、加熱バーナNにより改質反応用温度(例えば、700℃)に加熱されることにより、水蒸気改質処理により水素成分が多い改質ガスKに改質されるように構成されている。
【0032】
ちなみに、本実施形態においては、加熱バーナNの燃焼ガスは、改質反応管2を加熱した後に、蒸発用熱交換部11に向けて流動して、蒸発用熱交換部11を加熱した後に、排ガス路14を通して排出されるように構成されている。
【0033】
改質反応管2からの改質ガスKをCO変成器15に搬送する変成器搬送ライン16が設けられ、改質ガスKに含まれている一酸化炭素がCO変成器15にて二酸化炭素に変成処理されるように構成されている。
そして、CO変成器15にて変成処理された改質ガスKが、改質ガス供給ライン17を通して圧力変動吸着部BSに供給されるように構成されている。
【0034】
改質ガス供給ライン17には、改質ガスKを冷却水にて冷却する冷却器18A、改質ガスKが冷却されることにより発生する液分(凝縮水)を改質ガスKから分離する液分離器18が設けられて、改質ガスKの水分除去処理が行われるように構成されている。
【0035】
さらに、水素製造装置には、冷却器18Aにて冷却されて液分離器18に供給される改質ガスKから二酸化炭素を回収する二酸化炭素回収部が備えられており、その詳細は後述する。
【0036】
尚、液分離器18にて水分が除去された改質ガスKの一部(少量)を、脱硫器6における脱硫処理用の水素ガスとして供給すべく、改質ガス供給ライン17を流動する改質ガスKを圧縮機7の上流側箇所、つまり、ガス導入ライン7Aに導くリサイクルガスライン19が設けられている。当該リサイクルガスライン19には、ライン開閉弁19Aが設けられている。
【0037】
以上の如く、改質処理部AKにおいては、原料ガスGを水蒸気改質処理して改質ガスKが生成され、変成処理及び水分除去処理した改質ガスKが圧力変動吸着部BSに供給されるように構成されている。
つまり、原料ガスGが、原料ガス供給弁Gaを通過した後、圧縮機7にて圧送され、ガス送出ライン7Dを流通して脱硫器6に導かれて脱硫処理される。その後、水蒸気が混合された原料ガスGが改質反応管2に導かれて水蒸気改質処理されて改質ガスKが生成される。改質ガスKが、CO変成器15で変成処理され、変成処理された改質ガスKが、冷却器18Aにて冷却され、液分離器18にて水分が除去された後、改質ガス供給ライン17を通して圧力変動吸着部BSに導入されて、製品ガスH(水素ガス)が精製される。
【0038】
(圧力変動吸着部の詳細)
圧力変動吸着部BSには、複数(当該実施形態では3つ)の吸着塔1が備えられている。つまり、本実施形態においては、圧力変動吸着部BSとして、3つの吸着塔1を備えるものを例示するが、2つ又は4つ以上の吸着塔1を備える形態に構成する場合にも本発明は同様に適用できるものである。
各吸着塔1には、吸着材としてゼオライト系吸着材、活性炭、シリカゲルなどを組み合わせたものが充填されている。
各吸着塔1では、吸着工程、減圧工程、洗浄工程、および昇圧工程のプロセス(PSA法のプロセス)を、複数の吸着塔1で位相を異ならせて実行することにより水素ガス濃度が高い製品ガスを精製するように構成されている。
【0039】
詳細な説明は省略するが、上述のプロセス(PSA法のプロセス)は、運転制御部Mにより、複数の吸着塔1に接続される各流通路に設けられる複数のバルブ(図示略)の開閉を行って、順次実行される。
尚、図1では、一つの吸着塔1に改質ガスKが流通して製品ガスを得る吸着工程が行われている状態を示している。
【0040】
圧力変動吸着部BSにて精製された製品ガスHは、製品ガス搬送ライン22を通して製品タンクUに供給され、製品タンクUに貯留された製品ガスが水素使用箇所へ安定供給される。
製品ガス搬送ライン22には、当該製品ガス搬送ライン22を開閉する製品ガス弁22Aが設けられている。
圧力変動吸着部BSにて水素が分離された後のオフガス(雑ガス)は、オフガス搬送ライン28を通してオフガスタンクTに供給される。
【0041】
オフガスタンクTに貯留されたオフガスは、メタン、水素等の可燃性ガスを含むため、上述の如く、オフガス供給路4を通して、加熱バーナNに供給される。
図1では、製品ガスの流れのみを示しているが、製品ガスの送出と、オフガスの送出とは、異なった吸着塔1を対象として、同時に行われるタイミングが存在する。
【0042】
以上の如く、圧力変動吸着部BSは、複数の吸着塔1を用いて、改質ガスKから水素成分以外の吸着対象成分を吸着剤に吸着して製品ガスHを生成しかつ吸着対象成分をオフガスとして排出する圧力変動吸着運転を行うことになる。
そして、圧力変動吸着運転として、改質ガスKを吸着塔1に供給して製品ガスHを生成する吸着工程、吸着塔1の内部ガスを排出する減圧工程、吸着塔1の吸着剤を製品ガスにて洗浄する洗浄工程、吸着塔1の内部に製品ガスHを供給する昇圧工程を含む運転サイクルを、複数の吸着塔1の運転位相を互いに異ならせた状態で、複数の吸着塔1の夫々において繰り返し行わせる運転が実行されるように構成されている。
【0043】
(二酸化炭素回収部について)
以下、液分離器18に流動する改質ガスKから二酸化炭素を回収する二酸化炭素回収部について説明する。
図2に示すように、液分離器18の内部には、二酸化炭素を吸収する吸収液を液分離器18の内部において下方に向けて供給する吸収液供給ノズル31(吸収液供給部の一例)と、液分離器18の底部における液分が貯留される液分貯留部18aよりも上方箇所に、吸収液貯留部25を形成する状態で吸収液を受止め回収する仕切り部Aと、仕切り部の下方側に供給された改質ガスKを吸収液貯留部25の上方箇所に流動させて排出する改質ガス排出部Bとが備えられている。
【0044】
ちなみに、改質ガス供給ライン17における液分離器18の上流側部分17aが、液分貯留部18aと仕切り部Aとの間に相当する箇所に接続される。改質ガス供給ライン17における液分離器18の下流側部分17bが、吸収液貯留部25よりも上方側箇所に接続されている。
【0045】
液分離器18の内部において、吸収液供給ノズル31から吸収液が分布されると、上方に向けて流動する改質ガスKと吸収液とが接触して、二酸化炭素が吸収液に吸収され、二酸化炭素を吸収した吸収液が吸収液貯留部25に貯留されることになる。
尚、液分離器18の内部には、表面で吸収液と改質ガスKとを接触させる吸収用充填物27が配設されている。
【0046】
仕切り部Aは、仕切用の板状体を液分離器18の内部において水平姿勢に設置することにより形成されている。仕切用の板状体には、改質ガス排出部Bを設置するための開口が形成されている。
改質ガス排出部Bは、頂部が閉塞される状態で底部が開口され且つ周壁にガス排出孔26aを備えた筒状体26にて構成されている。そして、筒状体26が、その底部の開口を仕切り部Aにおける開口に合致させた状態で、仕切り部Aの上部に設置されている。
【0047】
また、二酸化炭素を吸収した吸収液から二酸化炭素を分離して回収する再生塔Q(分離回収部の一例)が設けられている。
そして、吸収液貯留部25に貯留された二酸化炭素を吸収した吸収液を再生塔Qに供給する吸収液供給路Laと、二酸化炭素が分離された吸収液を再生塔Qから吸収液供給ノズル31に返送する吸収液返送路Lbと、が備えられている。
【0048】
つまり、二酸化炭素回収部は、液分離器18の内部において、二酸化炭素を含有する改質ガスKから二酸化炭素をCO化学吸収分離法によって吸収液に吸収分離することで回収し、二酸化炭素を吸収した吸収液を、吸収液供給路Laを通して再生塔Qに供給し、再生塔Qにおいて、吸収液に吸収された二酸化炭素を吸収液から分離して、吸収液に吸収された二酸化炭素を回収することになる。また、再生塔Qにて二酸化炭素が分離された吸収液を、吸収液返送路Lbを通して吸収液供給ノズル31に返送することになる。
【0049】
上記CO化学吸収分離法に用いる吸収液としては、例えば、溶質としてモノエタノールアミン(MEA)やジエタノールアミン(DEA)等を採用し、溶媒として水を採用したアミン吸収液などを採用することができる。
本実施形態においては、二酸化炭素を吸収した吸収液をリッチ吸収液と呼称する場合があり、再生塔Qにおいて二酸化炭素が分離されて、二酸化炭素を吸収可能な吸収液をリーン吸収液と呼称する場合がある。尚、リッチ吸収液とリーン吸収液とは、二酸化炭素の吸収量が異なるものである。
また、吸収液とは、リーン吸収液、リッチ吸収液、もしくはリーン吸収液とリッチ吸収液との混合液のいずれかを意味する。
【0050】
吸収液供給路Laには、吸収液貯留部25のリッチ吸収液を再生塔Qに供給するための吸収液供給ポンプ33が備えられている。
そして、吸収液供給ポンプ33の作動を制御する吸収液供給量制御部Daが、吸収液貯留部25の液面高さを検出する液面高さセンサ35の検出情報、及び、吸収液供給路Laにおけるリッチ吸収液の流量を検出する第1流量センサ36の検出情報に基づいて、吸収液供給ポンプ33の回転数をインバータにより制御するように構成されており、その詳細は後述する。
【0051】
吸収液返送路Lbには、再生塔Qにて二酸化炭素が分離されたリーン吸収液を吸収液供給ノズル31に返送するための吸収液返送ポンプ37が備えられている。
そして、吸収液返送ポンプ37の作動を制御する吸収液返送量制御部Dbが、吸収液返送路Lbにおけるリーン吸収液の流量を検出する第2流量センサ38の検出情報に基づいて、吸収液返送ポンプ37の回転数をインバータにより制御するように構成されており、その詳細は後述する。
【0052】
吸収液供給路Laと吸収液返送路Lbとの間には、リーン吸収液を冷却し且つリッチ吸収液を加熱することになる熱交換器39が配設されている。
また、吸収液返送路Lbには、熱交換器39にて冷却されたリーン吸収液をさらに冷却する吸収液冷却器40が設けられている。
【0053】
(再生塔について)
再生塔Qは、リッチ吸収液から二酸化炭素を分離させてリッチ吸収液をリーン吸収液に再生し、且つ、分離した二酸化炭素を放出する。この放出された二酸化炭素はガス供給路Pに回収されて、外部の処理装置(図示せず)に供給される。
そして、再生塔Qの底部の液溜り部Qaに貯留されたリーン吸収液が、吸収液返送路Lbを通して吸収液供給ノズル31に返送されることになる。
【0054】
吸収液供給路Laは、再生塔Qの内部の中間部に配置したリッチ吸収液ノズル45に接続される。リッチ吸収液ノズル45は、下方に向けてリッチ吸収液を供給する。リッチ吸収液ノズル45の下方には下方側再生塔充填物46が配設されている。
下方側再生塔充填物46の表面を流下する吸収液(リッチ吸収液)は、再生塔Qの内部を上昇する吸収液の溶質および溶媒(例えば、水)の蒸気分や、この蒸気分と二酸化炭素との混合ガスと気液接触し、その後、再生塔Qの底部の液溜り部Qaに貯留される。
混合ガスは、再生塔Qの頂部から排出される。
【0055】
また、再生塔Qには、底部の液溜り部Qaから取り出した吸収液を加熱蒸気にて加熱して再生塔Qに戻す再生加熱部Vが備えられている。
つまり、液溜り部Qaから取り出した吸収液を、加熱器本体41を経由して再生塔Qに流動させる加熱流路42が備えられている。
加熱器本体41には、加熱蒸気(例えば、飽和蒸気)を供給する蒸気供給路44が接続されている。
【0056】
また、再生塔Qの上部には、上述した混合ガスを塔頂部から導出して冷却し、溶質および溶媒の蒸気分を凝縮させた凝縮液を再生塔Qに再導入するとともに、未凝縮の二酸化炭素を放出する混合ガス冷却系統Eが設けられている。
【0057】
混合ガス冷却系統Eは、凝縮液と二酸化炭素とを分離する気液分離器47、及び、再生塔Qの塔頂部と気液分離器47の気相部とを接続する混合ガス流動路48を備え、気液分離器47の上部には、上述したガス供給路Pが延設されている。
混合ガス流動路48には、混合ガスを冷却水により冷却する混合ガス冷却器49が備えられている。
【0058】
リッチ吸収液ノズル45の上方には、上方側再生塔充填物50が配置され、当該上方側再生塔充填物50の上方箇所には、凝縮液ノズル51が配設されている。気液分離器47の液相部と凝縮液ノズル51とを接続する凝縮液流動路52には、凝縮水供給ポンプ5332が設けられている。上方側再生塔充填物50の表面を流下する凝縮水は、再生塔Qの内部を上昇する吸収液の溶質および溶媒(例えば、水)の蒸気分や、この蒸気分と二酸化炭素との混合ガスと気液接触する。
【0059】
つまり、再生塔Qの内部では、リッチ吸収液ノズル45から供給されたリッチ吸収液が内部を下降する。また、再生加熱部Vによって加熱された吸収液が再生塔Qの底部から再導入される。このとき、加熱された吸収液中の溶質および溶媒それぞれの一部が蒸気となり、また、再生された二酸化炭素がガスとなって、再生塔Qの内部を上昇する。この上昇過程で、リッチ吸収液と溶質および溶媒の蒸気分とが接触し、溶質および溶媒の蒸気分の凝縮熱を熱源として、脱離再生の吸熱反応が起こり、リッチ吸収液から二酸化炭素が分離される。
【0060】
これにより、リッチ吸収液が、リーン吸収液と二酸化炭素とに分離される。これらのうち、二酸化炭素は溶質および溶媒の蒸気分と混合され混合ガスとなり、再生塔Qの内部を上昇する。この混合ガスは、混合ガス冷却系統Eの混合ガス流動路48に導入され、この混合ガス流動路48を流動する過程で、混合ガス冷却器49にて冷却される。
この冷却により、混合ガス中の溶質および溶媒の蒸気分が凝縮されて凝縮液となり、この凝縮液と二酸化炭素を主体とした二酸化炭素主体ガスとが、気液分離器47により分離される。そして凝縮液は、凝縮液ノズル51から再生塔Qに再導入され、二酸化炭素(二酸化炭素主体ガス)は、ガス供給路Pを通して外部に放出(排出)される。
【0061】
一方、再生塔Qの内部を下降する吸収液は、再生塔Qの底部の液溜り部Qaに貯留された後、分離再生されたリーン吸収液として再生塔Qから導出され、吸収液返送路Lbを通してオフガスタンクTの内部の吸収液供給ノズル31に供給される。
【0062】
(二酸化炭素回収部の制御構成)
吸収液返送ポンプ37の作動を制御する吸収液返送量制御部Dbが、再生塔Qから吸収液返送路Lbを通して吸収液供給ノズル31に返送する吸収液(リーン吸収液)の返送量を目標返送量に調整すべく、リーン吸収液の流量を検出する第2流量センサ38の検出情報に基づいて、吸収液返送ポンプ37の作動を制御するように構成されている。つまり、吸収液返送ポンプ37の回転数をインバータにより制御する。
尚、本実施形態では、吸収液返送量制御部Dbを主要部として、再生塔Qから吸収液返送路Lbを通して吸収液供給ノズル31に返送する吸収液(リーン吸収液)の返送量を目標返送量に調整する吸収液返送量調整部Fbが構成されている。
【0063】
すなわち、目標返送量が、改質ガスKに含まれる二酸化炭素の濃度に応じて設定されている。そして、再生塔Qから吸収液返送路Lbを通して吸収液供給ノズル31に返送する吸収液(リーン吸収液)の返送量が目標返送量に調整されることにより、改質ガスKに含まれる二酸化炭素を適切に吸収し、かつ、二酸化炭素を吸収した吸収液の二酸化炭素の濃度を、再生塔Qにおいて二酸化炭素を分離するのに好適な濃度に維持するように構成されている。
【0064】
ちなみに、運転制御部Mが、圧縮機7の作動を制御して原料ガスGの単位時間当たりの供給量を調整する場合には、その原料ガスGの供給量を調整する情報が吸収液返送量制御部Dbに伝達されて、吸収液返送量制御部Dbが、目標返送量を増減設定することが好ましい。
【0065】
吸収液供給ポンプ33の作動を制御する吸収液供給量制御部Daが、吸収液貯留部25の液面高さを適正範囲内に維持するように、液面高さセンサ35の検出情報、及び、第1流量センサ36の検出情報に基づいて。吸収液供給ポンプ33の作動を制御するように構成されている。つまり、吸収液供給ポンプ33の回転数をインバータにより制御する。
本実施形態では、吸収液供給量制御部Daを主要部として、吸収液供給路Laを通して再生塔Qに供給する吸収液の供給量を液貯留部Taの液面高さを適正範囲内に維持するように調整する吸収液供給量調整部Faが構成されている。
【0066】
すなわち、図3に示す如く、吸収液貯留部25の液面高さの適正範囲が、最小高さLminより大きく、最大高さLmax未満である範囲として設定されている。
吸収液供給量制御部Daは、液面高さセンサ35にて検出される液面高さが適正範囲内にある場合には、吸収液の供給量を、最大供給量Fmaxと最少供給量Fminの平均流量Faveにすべく、吸収液供給ポンプ33の回転数をインバータにより制御する。
そして、液面高さセンサ35にて検出される液面高さが最大高さLmax以上になると、吸収液の供給量を最大供給量Fmaxにし、液面高さセンサ35にて検出される液面高さが最小高さLmin以下になると、吸収液の供給量を最少供給量Fminにすべく、吸収液供給ポンプ33の回転数をインバータにより制御するように構成されている。
【0067】
〔別実施形態〕
次に、別実施形態を列記する。
(1)上記実施形態においては、圧力変動吸着部BSとして、3つの吸着塔1を備えるものを例示したが、本発明は、圧力変動吸着部BSを、2つ又は4つ以上の吸着塔1を備える形態に構成する場合にも適用できるものである。
【0068】
(2)上記実施形態においては、原料ガスGに水を混合させた後に、混合させた水を蒸発用熱交換部11にて蒸発させるように構成される場合を例示したが、予め生成した水蒸気を原料ガスGに混合させる形態に構成して実施してもよい。
【0069】
(3)上記実施形態では、分離回収部として、向流型気液接触式の再生塔Qを例示したが、分離回収部としては、中空糸膜を用いて二酸化炭素を分離回収する形態のもの等、各種のものを適用できる。
【0070】
(4)上記実施形態では、吸収液返送量制御部Dbが、吸収液返送ポンプ37の回転数をインバータにより制御することにより、吸収液の返送量を制御する場合を例示したが、吸収液返送ポンプ37に、流量制御弁を備えたスピルバックバイパス路を備えさせて、その流量制御弁の開度を調整することによって、吸収液の返送量を制御するように構成してもよい。
【0071】
(5)上記実施形態では、吸収液供給量制御部Daが、吸収液供給ポンプ33の回転数をインバータにより制御することにより、吸収液の供給量を制御する場合を例示したが、吸収液供給ポンプ33に、流量制御弁を備えたスピルバックバイパス路を備えさせて、その流量制御弁の開度を調整することによって、吸収液の供給量を制御するように構成してもよい。
【0072】
(6)上記実施形態では、吸収液供給ポンプ33を備える形態を例示したが、吸収液供給ポンプ33に代えて、吸収液供給路Laに流量制御弁を設けて、吸収液供給量制御部Daが流量制御弁の開度を調整して、吸収液供給量を制御する形態で実施してもよい。
つまり、吸収液貯留部25から吸収液供給路Laに流動する吸収液が、液分離器18の内部圧にて吸収液供給路Laに押圧される状態であるから、吸収液を再生塔Qに供給することができる十分な圧力にて吸収液供給路Laに押し出すことができる場合には、流量制御弁の開度調整にて吸収液供給量を制御できる。
【0073】
なお、上記実施形態(別実施形態を含む、以下同じ)で開示される構成は、矛盾が生じない限り、他の実施形態で開示される構成と組み合わせて適用することが可能であり、また、本明細書において開示された実施形態は例示であって、本発明の実施形態はこれに限定されず、本発明の目的を逸脱しない範囲内で適宜改変することが可能である。
【符号の説明】
【0074】
1 吸着塔
2 改質器
4 オフガス供給路
7 原料ガス供給部
18 液分離器
18A 冷却部
18a 液分貯留部
25 吸収液貯留部
26 筒状体
26a ガス排出孔
31 吸収液供給部
A 仕切り部
B 改質ガス排出部
AK 改質処理部
BS 圧力変動吸着部
Fa 吸収液供給量調整部
Fb 吸収液返送量調整部
La 吸収液供給路
Lb 吸収液返送路
N 加熱バーナ
Q 分離回収部
図1
図2
図3