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特開2024-140741二酸化炭素固定装置を備えたセメント製造設備
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  • 特開-二酸化炭素固定装置を備えたセメント製造設備 図1
  • 特開-二酸化炭素固定装置を備えたセメント製造設備 図2
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024140741
(43)【公開日】2024-10-10
(54)【発明の名称】二酸化炭素固定装置を備えたセメント製造設備
(51)【国際特許分類】
   C04B 7/36 20060101AFI20241003BHJP
   C04B 7/38 20060101ALI20241003BHJP
   B01D 53/62 20060101ALI20241003BHJP
   B01D 53/81 20060101ALI20241003BHJP
【FI】
C04B7/36
C04B7/38
B01D53/62 ZAB
B01D53/81
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023052051
(22)【出願日】2023-03-28
(71)【出願人】
【識別番号】000000240
【氏名又は名称】太平洋セメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000800
【氏名又は名称】デロイトトーマツ弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】月舘 秀典
(72)【発明者】
【氏名】川之上 太志
(72)【発明者】
【氏名】一坪 幸輝
【テーマコード(参考)】
4D002
【Fターム(参考)】
4D002AA09
4D002AC05
4D002BA03
4D002DA66
4D002FA02
4D002HA08
(57)【要約】
【課題】セメント水和物含有物の乾燥に追加の熱源を必要としない二酸化炭素固定装置を備えたセメント製造設備を提供する。
【解決手段】セメント原料粉末Pを焼成するセメント焼成設備30と、焼成により生じた排ガスGが供給され、セメント原料Mからセメント原料粉末Pを生成するセメント原料粉末生成設備40と、セメント原料粉末生成設備40から抽気した排ガスG2が導入されて、セメント水和物含有物Dを乾燥させる乾燥装置21と、セメント焼成設備30から抽気した排ガスG1を接触させて、乾燥されたセメント水和物含有物Dに二酸化炭素を固定させる二酸化炭素固定装置20とを備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
セメント原料粉末を焼成するセメント焼成設備と、
前記焼成により生じた排ガスが供給され、セメント原料から前記セメント原料粉末を生成するセメント原料粉末生成設備と、
前記セメント原料粉末生成設備から抽気した排ガスが導入されて、セメント水和物含有物を乾燥させる乾燥装置と、
前記セメント焼成設備から抽気した排ガスを接触させて、前記乾燥されたセメント水和物含有物に二酸化炭素を固定させる二酸化炭素固定装置とを備えることを特徴とする二酸化炭素固定装置を備えたセメント製造設備。
【請求項2】
前記セメント焼成設備は、前記セメント原料粉末を焼成するセメントキルンと、前記セメントキルンでの焼成により生じた排ガスにより、前記セメント原料粉末を予備加熱する予備加熱機とを備え、
前記二酸化炭素固定装置には、前記予備加熱機から抽気した排ガスが前記排ガスとして導入されることを特徴とする請求項1に記載の二酸化炭素固定装置を備えたセメント製造設備。
【請求項3】
前記セメント原料粉末生成設備は、前記セメント原料を粉砕する原料粉砕機と、前記原料粉砕機から外部に排ガスを排出する前に、前記排ガスから固形分を分離する集塵機とを備え、
前記乾燥装置には、前記原料粉砕機と前記集塵機との間にて抽気した排ガスが前記排ガスとして導入されることを特徴とする請求項2に記載の二酸化炭素固定装置を備えたセメント製造設備。
【請求項4】
セメント原料粉末を焼成するセメント焼成設備と、
前記焼成により生じた排ガスが供給され、セメント原料から前記セメント原料粉末を生成するセメント原料粉末生成設備と、
ガスが導入されて、セメント水和物含有物を乾燥させる乾燥装置と、
前記セメント焼成設備から抽気した排ガスを接触させて、前記乾燥されたセメント水和物含有物に二酸化炭素を固定させる二酸化炭素固定装置とを備え、
前記乾燥装置には、前記二酸化炭素が固定されたセメント水和物含有物との熱交換により加熱された大気が前記ガスとして導入されることを特徴とする二酸化炭素固定装置を備えたセメント製造設備。
【請求項5】
セメント原料粉末を焼成するセメント焼成設備と、
前記焼成により生じた排ガスが供給され、セメント原料から前記セメント原料粉末を生成するセメント原料粉末生成設備と、
排ガスが導入されて、セメント水和物含有物を乾燥させる乾燥装置と、
前記セメント焼成設備から抽気した排ガスを接触させて、前記乾燥されたセメント水和物含有物に二酸化炭素を固定させる二酸化炭素固定装置とを備え、
前記セメント原料粉末生成設備は、前記セメント原料を粉砕する原料粉砕機と、前記原料粉砕機から外部に排ガスを排出する前に、前記排ガスから固形分を分離する集塵機とを備え、
前記乾燥装置には、前記二酸化炭素が固定されたセメント水和物含有物との熱交換により加熱された、前記集塵機を介して外部に排出される前の排ガスが前記排ガスとして導入されることを特徴とする二酸化炭素固定装置を備えたセメント製造設備。
【請求項6】
前記セメント水和物含有物は、コンクリートスラッジ又はコンクリートスラリーを含むことを特徴とする請求項1から5の何れか1項に記載の二酸化炭素固定装置を備えたセメント製造設備。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、二酸化炭素固定装置を備えたセメント製造設備に関する。
【背景技術】
【0002】
温室効果ガスの1つである二酸化炭素(CO)ガスの削減はセメント業界にとっても喫緊の課題である。
【0003】
そこで、例えば、特許文献1には、生コンクリート製造時又はコンクリート二次製品製造時に排出するスラッジを脱水乾燥したものを、セメント工場等から排出される排ガスと接触させて、排ガス中の二酸化炭素を消費することが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平7-8796号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記特許文献1に開示された技術においては、スラッジ(セメント水和物含有物)を脱水乾燥するために熱源を別個に追加して設ける必要がある。
【0006】
本発明は、セメント水和物含有物の乾燥に追加の熱源を必要としない二酸化炭素固定装置を備えたセメント製造設備を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の第1の二酸化炭素固定装置を備えたセメント製造設備は、セメント原料粉末を焼成するセメント焼成設備と、前記焼成により生じた排ガスが供給され、セメント原料から前記セメント原料粉末を生成するセメント原料粉末生成設備と、前記セメント原料粉末生成設備から抽気した排ガスが導入されて、セメント水和物含有物を乾燥させる乾燥装置と、前記セメント焼成設備から抽気した排ガスを接触させて、前記乾燥されたセメント水和物含有物に二酸化炭素を固定させる二酸化炭素固定装置とを備えることを特徴とする。
【0008】
本発明の第1の二酸化炭素固定装置を備えたセメント製造設備によれば、乾燥装置は、セメント原料粉末生成設備から抽気した排ガスによってセメント水和物含有物を乾燥する。そのため、セメント水和物含有物を乾燥するために別個の熱源を追加して設ける必要がない。
【0009】
本発明の第1の二酸化炭素固定装置を備えたセメント製造設備において、前記セメント焼成設備は、前記セメント原料粉末を焼成するセメントキルンと、前記セメントキルンでの焼成により生じた排ガスにより、前記セメント原料粉末を予備加熱する予備加熱機とを備え、前記二酸化炭素固定装置には、前記予備加熱機から抽気した排ガスが前記排ガスとして導入されることが好ましい。
【0010】
この場合、二酸化炭素の固定に適した高温の排ガスを二酸化炭素固定装置に導入することが可能となる。
【0011】
また、本発明の第1の二酸化炭素固定装置を備えたセメント製造設備において、前記セメント原料粉末生成設備は、前記セメント原料を粉砕する原料粉砕機と、前記原料粉砕機から外部に排ガスを排出する前に、前記排ガスから固形分を分離する集塵機とを備え、前記乾燥装置には、前記原料粉砕機と前記集塵機との間にて抽気した排ガスが前記排ガスとして導入されることが好ましい。
【0012】
この場合、セメント水和物含有物を乾燥させるに適した高温の排ガスを乾燥装置に導入することが可能となる。
【0013】
本発明の第2の二酸化炭素固定装置を備えたセメント製造設備は、セメント原料粉末を焼成するセメント焼成設備と、前記焼成により生じた排ガスが供給され、セメント原料から前記セメント原料粉末を生成するセメント原料粉末生成設備と、ガスが導入されて、セメント水和物含有物を乾燥させる乾燥装置と、前記セメント焼成設備から抽気した排ガスを接触させて、前記乾燥されたセメント水和物含有物に二酸化炭素を固定させる二酸化炭素固定装置とを備え、前記乾燥装置には、前記二酸化炭素が固定されたセメント水和物含有物との熱交換により加熱された大気が前記ガスとして導入されることを特徴とする。
【0014】
本発明の第3の二酸化炭素固定装置を備えたセメント製造設備は、セメント原料粉末を焼成するセメント焼成設備と、前記焼成により生じた排ガスが供給され、セメント原料から前記セメント原料粉末を生成するセメント原料粉末生成設備と、排ガスが導入されて、セメント水和物含有物を乾燥させる乾燥装置と、前記セメント焼成設備から抽気した排ガスを接触させて、前記乾燥されたセメント水和物含有物に二酸化炭素を固定させる二酸化炭素固定装置とを備え、前記セメント原料粉末生成設備は、前記セメント原料を粉砕する原料粉砕機と、前記原料粉砕機から外部に排ガスを排出する前に、前記排ガスから固形分を分離する集塵機とを備え、前記乾燥装置には、前記二酸化炭素が固定されたセメント水和物含有物との熱交換により加熱された、前記集塵機を介して外部に排出される前の排ガスが前記排ガスとして導入されることを特徴とする。
【0015】
本発明の第2及び第3の二酸化炭素固定装置を備えたセメント製造設備によれば、乾燥装置は、二酸化炭素が固定されたセメント水和物含有物との熱交換により加熱された大気又は排ガスによってセメント水和物含有物を乾燥する。そのため、セメント水和物含有物を乾燥するために別個の熱源を追加して設ける必要がない。
【0016】
本発明の第1から第3の二酸化炭素固定装置を備えたセメント製造設備において、例えば、前記セメント水和物含有物は、コンクリートスラッジ又はコンクリートスラリーを含む。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本発明の第1の実施形態に係るセメント製造設備100の模式図。
図2】本発明の第2及び第3の実施形態に係るセメント製造設備200の模式図。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本発明の第1の実施形態に係るセメント製造設備100を、図1を参照して説明する。セメント製造設備100は、セメント製造装置10に二酸化炭素固定装置20が付設されてなるものである。
【0019】
セメント製造装置10は、セメント原料Mからセメントを製造するものであり、セメント原料粉末Pを焼成するセメント焼成設備30、セメント原料Mからセメント原料粉末Pを生成してセメント焼成設備30に供給するセメント原料粉末生成設備40、及び、セメント焼成設備30やセメント原料粉末生成設備40から排出された排ガスGを排出する排気設備50などから構成されている。
【0020】
セメント焼成設備30は、予備加熱機31、仮焼炉32、及びセメントキルン33などから構成されている。
【0021】
予備加熱機31は、多段、ここでは4段のサイクロン31a~31dが配列されてなるプレヒータである。セメント原料粉末Pは、セメント原料粉末生成設備40から最上段のサイクロン31aに供給され、サイクロン31a~31cを下方に順次移動しながら予備加熱され、サイクロン31cから仮焼炉32に供給され、最終的にサイクロン31dに供給される。予備加熱機31は、誘引ファン44で吸引されて上昇する高温の排ガスGとの熱交換により、セメント原料粉末Pを予備加熱する。
【0022】
仮焼炉32は、予備加熱機31の下部に備わり、バーナなどを備えている。仮焼炉32は、その型式は限定されないが、例えば、流動床式、流動層式、噴流層式などの型式であってもよい。なお、仮焼炉32を省略して、予備加熱機31からセメントキルン33にセメント原料粉末Pを直接的に供給してもよい。
【0023】
セメントキルン33は、バーナ33aを備えており、仮焼炉32にて仮焼されたセメント原料粉末Pを1350℃~1450℃で焼成してセメントクリンカCを生成する。セメントキルン33は、その型式は限定されないが、例えば、ロータリー式である。
【0024】
セメントキルン33にて得られたセメントクリンカCは、排出口から落下して、クリンカクーラ35に投入され、100℃程度に冷却される。冷却されたセメントクリンカCはクリンカクーラ35の取出口から外部へ取り出される。
【0025】
クリンカクーラ35でセメントクリンカCを冷却して高温となった排ガスGの一部は、仮焼炉32に流入する。一方、クリンカクーラ35の低温側の排ガスGは電気集塵機などの集塵機51を介して、煙突52から大気に放出される。
【0026】
セメント原料粉末生成設備40は、原料乾燥機41、原料粉砕機42、原料サイロ43などから構成されている。
【0027】
原料乾燥機41は、供給されるセメント原料Mを乾燥させるドライヤである。原料乾燥機41は、予備加熱機31から排出され、誘引ファン44に誘引された排ガスGが供給され、この排ガスGによりセメント原料Mを乾燥させる。セメント原料Mは、例えば、石灰石、粘土、珪石、鉄滓、石炭灰、スラッジ、粘土類などである。
【0028】
原料粉砕機42は、原料乾燥機41から供給されたセメント原料Mを粉砕混合し、セメント原料粉末Pを生成する。このセメント原料粉末Pは、コンベアやバケットエレベータなどの図示しない搬送手段を介して、原料サイロ43を介して予備加熱機31に供給される。
【0029】
原料乾燥機41や原料粉砕機42から排出された排ガスGは、電気集塵機などの集塵機53を介して、煙突54から大気に放出される。なお、集塵機51,53及び煙突52,54などが前述した排気設備50を構成している。
【0030】
二酸化炭素固定装置20には、乾燥装置21で乾燥されたセメント水和物含有物Dと、セメント焼成設備30から二酸化炭素(CO)を含有する排ガスG1が導入される。
【0031】
セメント水和物含有物Dは、コンクリート工場から発生するコンクリートスラッジ、コンクリートミキサー車の洗浄により発生するコンクリートスラリーなどのセメントを含むスラリー状(汚泥状)のものであり、二酸化炭素を回収するための原料となる。
【0032】
セメント水和物含有物Dは、セメント原料粉末生成設備40から排ガスG2が導入される乾燥装置21にて乾燥される。なお、セメント水和物含有物Dは、乾燥装置21に導入される前又は後に、コンクリートに含まれる砂利などの粗骨材を、篩などを用いて除去することが好ましい。
【0033】
乾燥装置21は、導入された排ガスG2によって加熱される筐体内などにおいて、スラリー状のセメント水和物含有物Dを噴霧、静置、流動することなどにより、セメント水和物含有物Dを乾燥させる。セメント水和物含有物Dは、表面の水が蒸発する程度まで乾燥させることが好ましい。乾燥装置21に導入される排ガスG2の温度は、100℃以上であり、例えば、200℃程度であることが好ましい。このような高温の排ガスG2は、例えば、原料粉砕機42と集塵機53との間の煙道から抽気すればよい。
【0034】
二酸化炭素固定装置20において、乾燥装置21で乾燥されたセメント水和物含有物Dに、二酸化炭素を含有する排ガスG1が接触することにより、二酸化炭素がセメント水和物含有物Dに固定される。
【0035】
排ガスG1は、例えば、予備加熱機31から、具体的には、予備加熱機31を構成するサイクロン31a~31dの間の何れかから、又は、予備加熱機31の直後の下流側から、二酸化炭素固定装置20に導入される。これにより、400℃~800℃程度と高温であって、30vol%~40vol%程度と二酸化炭素濃度が高濃度の排ガスG1が二酸化炭素固定装置20に導入されるので、高効率で二酸化炭素を固定することが可能となる。
【0036】
二酸化炭素固定装置20において二酸化炭素が固定されたセメント水和物含有物Dは、二酸化炭素固定物Eとして、二酸化炭素固定装置20から排出され、セメント原料などとして再利用される。
【0037】
次に、本発明の第2及び第3の実施形態に係るセメント製造設備200を、図2を参照して説明する。セメント製造設備200は、上述したセメント製造設備100と類似するので、相違点のみ説明する。
【0038】
乾燥装置21には、熱交換機22により加熱されたガスG3が導入され、これによってセメント水和物含有物Dを乾燥させる。第2の実施形態では、熱交換機22において、誘引ファン23で吸引された外気G3が、二酸化炭素固定装置20から排出される二酸化炭素固定物Eとの熱交換されることにより、100℃以上、好ましくは、例えば、200℃程度に加熱される。
【0039】
熱交換機22は、例えば、二酸化炭素固定物Eが静止又は流動している筐体の中に、外気を導入又は通過することにより、もしくは、二酸化炭素固定物Eを格子状の床の上に載置し、下から上へ又は上から下へ大気を通過させることにより、大気G3を加熱する。乾燥装置21から排出される大気G3は、外気に放出すればよい。
【0040】
第3の実施形態では、熱交換機22において、図示しないが、集塵機53と煙突54との間の煙道から誘引ファンで吸引された排ガスG3を、二酸化炭素固定装置20から排出される二酸化炭素固定物Eとの熱交換により加熱する。この場合、乾燥装置21から排出される排ガスG3は、集塵機53と煙突54との間の煙道に戻せばよい。
【0041】
上述したセメント製造設備100,200によれば、二酸化炭素固定装置20には、乾燥装置21で乾燥されたセメント水和物含有物Dが導入される。そのため、二酸化炭素固定装置20において、ガス温度の急激な低下やガス水分の急激な増加などが発生することが抑制されるので、二酸化炭素の固定効率の向上を図ることが可能となる。また、これに伴い、二酸化炭素固定装置20から排出されてセメント粉末生成設備40に供給される排ガスG1の温度の急激な低下が発生することが抑制されるので、原料乾燥機41などにおいてセメント原料Mの乾燥の良好化を図ることが可能となる。
【0042】
また、乾燥装置21から二酸化炭素固定装置20に至るまでの配管などにおいて、セメント水和物含有物Dが付着することによって閉塞などが発生することを抑制することが可能となる。
【0043】
さらに、上述したセメント製造設備100によれば、乾燥装置21において、セメント原料粉末生成設備40から抽気された排ガスG2によってセメント水和物含有物Dを乾燥している。そのため、セメント水和物含有物Dを乾燥するために別個の熱源を追加して設ける必要がない。
【0044】
また、セメント製造設備200によれば、乾燥装置21において、二酸化炭素固定装置20から排出された二酸化炭素固定物Eと熱交換機22によって熱交換することにより加熱されたガスG3によってセメント水和物含有物Dを乾燥している。そのため、セメント水和物含有物Dを乾燥するために別個の熱源を追加して設ける必要がない。
【0045】
なお、本発明は、上述した実施形態に具体的に記載したセメント製造設備100に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載した範囲内であれば適宜変更することができる。
【符号の説明】
【0046】
10…セメント製造装置、 20…二酸化炭素固定装置、 21…乾燥装置、 22…熱交換機、 23…誘引ファン、 30…セメント焼成設備、 31…予備加熱機、 32…仮焼炉、 33…セメントキルン、 35…クリンカクーラ、 40…セメント原料粉末生成設備、 41…原料乾燥機、 42…原料粉砕機、 43…原料サイロ、 44…誘引ファン、 50…排気設備、 51,53…集塵機、 52,54…煙突、 100,200…セメント製造設備、 C…セメントクリンカ、 G…排ガス、 G1…二酸化炭素を含有する排ガス、 G2…排ガス、 G3…大気(ガス)、排ガス、 D…セメント水和物含有物、 E…二酸化炭素固定物、 M…セメント原料、 P…セメント原料粉末。
図1
図2