(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024140746
(43)【公開日】2024-10-10
(54)【発明の名称】通話サポートシステム、通話サポート方法、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
H04M 1/00 20060101AFI20241003BHJP
【FI】
H04M1/00 R
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023052061
(22)【出願日】2023-03-28
(71)【出願人】
【識別番号】000005326
【氏名又は名称】本田技研工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001081
【氏名又は名称】弁理士法人クシブチ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】横山 朔
【テーマコード(参考)】
5K127
【Fターム(参考)】
5K127BA03
5K127BA10
5K127CB06
5K127CB22
5K127CB30
5K127GA29
5K127GB72
(57)【要約】
【課題】移動体の運転者が電子会議に参加することによる運転操作への影響を抑制することができる通話サポートシステムを提供する。
【解決手段】通話サポートシステム1は、利用者U1の発話に対する通話制御部13による通話元発話送信処理の実行を許可する発話送信許可モードと、利用者U1の発話に対する通話制御部13による通話元発話送信処理の実行を禁止する発話送信禁止モードと、を切り替える発話送信モード切替部14と、発話送信許可モードであるときは、移動体100に設けられて利用者U1により視認される発光部43を第1視認状態とし、発話送信禁止モードであるときには、発光部43を第1視認状態と異なる第2視認状態とする発光部状態制御部15と、を備える。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
移動体で使用されるマイクに入力される前記移動体の利用者の発話に応じた通話元発話情報を、通話相手により使用される通話先通信端末に送信する通話元発話送信処理を実行する通話制御部と、
前記利用者の発話に対する前記通話制御部による前記通話元発話送信処理の実行を許可する発話送信許可モードと、前記利用者の発話に対する前記通話制御部による前記通話元発話送信処理の実行を禁止する発話送信禁止モードと、を切り替える発話送信モード切替部と、
前記発話送信許可モードであるときは、前記移動体に設けられて前記利用者により視認される発光部を第1視認状態とし、前記発話送信禁止モードであるときには、前記発光部を前記第1視認状態と異なる第2視認状態とする発光部状態制御部と、
を備える通話サポートシステム。
【請求項2】
前記発光部状態制御部は、前記発光部の発光色、照度、点灯と点滅、点滅パターンのうちの少なくともいずれか1つを変更することにより、前記発光部を前記第1視認状態と前記第2視認状態とに切り替える
請求項1に記載の通話サポートシステム。
【請求項3】
前記通話制御部は、前記通話先通信端末から送信される前記通話相手の発話に応じた通話先発話情報を受信する通話先発話受信処理を実行して、前記通話先発話受信処理により受信した前記通話先発話情報に応じた音声を、前記移動体で使用されるスピーカーから出力し、
前記発光部状態制御部は、前記通話制御部による前記通話先発話受信処理の実行によって前記通話先発話情報に応じた音声が前記スピーカーから出力されるときに、前記発光部を前記第1視認状態及び前記第2視認状態と異なる第3視認状態とする
請求項1又は請求項2に記載の通話サポートシステム。
【請求項4】
前記発光部は、第1発光部と第2発光部を有し、
前記通話制御部は、複数の前記通話先通信端末から送信される複数の前記通話相手の発話に応じた通話先発話情報を、前記通話相手を識別して受信する通話先発話受信処理を実行して、前記通話先発話受信処理により受信した前記通話先発話情報に応じた音声を、前記移動体で使用されるスピーカーから出力し、
前記発光部状態制御部は、前記第1発光部を前記第1視認状態又は前記第2視認状態とし、前記通話制御部による前記通話先発話受信処理の実行によって前記通話先発話情報に応じた音声が前記スピーカーから出力されるときに、前記第2発光部を、複数の前記通話相手に対して個別に異ならせて設定された視認状態のうち、前記スピーカーから出力される音声に対応した前記通話相手に対して設定された視認状態とする
請求項1又は請求項2に記載の通話サポートシステム。
【請求項5】
前記発光部は、前記移動体に備えられた機器の設定状況を報知する用途にも用いられ、
前記第1視認状態及び前記第2視認状態は、前記機器の設定状況を報知する際の視認状態と異なる視認状態に設定されている
請求項1又は請求項2に記載の通話サポートシステム。
【請求項6】
前記発光部は、第1発光部と第2発光部を有し、
前記発光部状態制御部は、前記第1発光部を前記第1視認状態又は前記第2視認状態とし、前記第2発光部を前記移動体に備えられた機器の設定状態を報知する視認状態とする
請求項1又は請求項2に記載の通話サポートシステム。
【請求項7】
前記マイクは、前記移動体に備えられた運転席に着座している前記利用者の発話を入力し、
前記発光部は、前記移動体の運転席付近の内装部に設けられている
請求項1又は請求項2に記載の通話サポートシステム。
【請求項8】
前記発光部は、前記移動体に備えられた複数の座席に対して個別に設けられ、
前記マイクは、複数の前記座席の各利用者により個別に使用され、
前記通話制御部は、複数の前記利用者ごとに、前記通話元発話送信処理を実行し、
前記発話送信モード切替部は、複数の前記利用者ごとに、前記発話送信許可モードと前記発話送信禁止モードとを切り替え、
前記発光部状態制御部は、複数の前記利用者のうち、同一の電子会議に参加している前記利用者が使用している前記座席に対して設けられた前記発光部を、前記発話送信モード切替部による、前記発話送信許可モードと前記発話送信禁止モードとの切り替えに応じて、前記第1視認状態又は前記第2視認状態とする
請求項1又は請求項2に記載の通話サポートシステム。
【請求項9】
コンピュータにより実行される通話サポート方法であって、
移動体で使用されるマイクに入力される前記移動体の利用者の発話に応じた通話元発話情報を、通話相手により使用される通話先通信端末に送信する通話元発話送信処理を実行する通話制御ステップと、
前記利用者の発話に対する前記通話制御ステップによる前記通話元発話送信処理の実行を許可する発話送信許可モードと、前記利用者の発話に対する前記通話制御ステップによる前記通話元発話送信処理の実行を禁止する発話送信禁止モードと、を切り替える発話送信モード切替ステップと、
前記発話送信許可モードであるときは、前記移動体に設けられて前記利用者により視認される発光部を第1視認状態とし、前記発話送信禁止モードであるときには、前記発光部を前記第1視認状態と異なる第2視認状態とする発光部状態制御ステップと、
を含む通話サポート方法。
【請求項10】
コンピュータを、
移動体で使用されるマイクに入力される前記移動体の利用者の発話に応じた通話元発話情報を、通話相手により使用される通話先通信端末に送信する通話元発話送信処理を実行する通話制御部と、
前記利用者の発話に対する前記通話制御部による前記通話元発話送信処理の実行を許可する発話送信許可モードと、前記利用者の発話に対する前記通話制御部による前記通話元発話送信処理の実行を禁止する発話送信禁止モードと、を切り替える発話送信モード切替部と、
前記発話送信許可モードであるときは、前記移動体に設けられて前記利用者により視認される発光部を第1視認状態とし、前記発話送信禁止モードであるときには、前記発光部を前記第1視認状態と異なる第2視認状態とする発光部状態制御部と、
して機能させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、通話サポートシステム、通話サポート方法、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、交通参加者の中でも高齢者や障がい者や子供といった脆弱な立場にある人々にも配慮した持続可能な輸送システムへのアクセスを提供する取り組みが活発化している。この実現に向けて車両の居住性に関する開発を通して交通の安全性や利便性をより一層改善する研究開発に注力している。
例えば、特許文献1は、車両の搭乗者が電子会議に参加する際に、車両の状態に応じて、車内のスピーカーからの出力と非出力の切替と、搭乗者の音声のマイクの感度の調整を行う構成を開示する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、車両の居住性においては、オフィス等から電子会議に参加する場合と同様の環境で、車両の運転者が電子会議に参加できることが望ましい。そこで、電子会議に参加することによる運転操作への影響を抑制することが本願の課題である。
本願は上記課題の解決のため、車両等の移動体の運転者が電子会議に参加することによる運転操作への影響を抑制することができる通話サポートシステム、通話サポート方法、及びプログラムを提供することを目的としたものである。そして、延いては持続可能な輸送システムの発展に寄与するものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するための第1態様として、移動体で使用されるマイクに入力される前記移動体の利用者の発話に応じた通話元発話情報を、通話相手により使用される通話先通信端末に送信する通話元発話送信処理を実行する通話制御部と、前記利用者の発話に対する前記通話制御部による前記通話元発話送信処理の実行を許可する発話送信許可モードと、前記利用者の発話に対する前記通話制御部による前記通話元発話送信処理の実行を禁止する発話送信禁止モードと、を切り替える発話送信モード切替部と、前記発話送信許可モードであるときは、前記移動体に設けられて前記利用者により視認される発光部を第1視認状態とし、前記発話送信禁止モードであるときには、前記発光部を前記第1視認状態と異なる第2視認状態とする発光部状態制御部と、を備える通話サポートシステムが挙げられる。
【0006】
上記通話サポートシステムにおいて、前記発光部状態制御部は、前記発光部の発光色、照度、点灯と点滅、点滅パターンのうちの少なくともいずれか1つを変更することにより、前記発光部を前記第1視認状態と前記第2視認状態とに切り替える構成としてもよい。
【0007】
上記通話サポートシステムにおいて、前記通話制御部は、前記通話先通信端末から送信される前記通話相手の発話に応じた通話先発話情報を受信する通話先発話受信処理を実行して、前記通話先発話受信処理により受信した前記通話先発話情報に応じた音声を、前記移動体で使用されるスピーカーから出力し、前記発光部状態制御部は、前記通話制御部による前記通話先発話受信処理の実行によって前記通話先発話情報に応じた音声が前記スピーカーから出力されるときに、前記発光部を前記第1視認状態及び前記第2視認状態と異なる第3視認状態とする構成としてもよい。
【0008】
上記通話サポートシステムにおいて、前記発光部は、第1発光部と第2発光部を有し、前記通話制御部は、複数の前記通話先通信端末から送信される複数の前記通話相手の発話に応じた通話先発話情報を、前記通話相手を識別して受信する通話先発話受信処理を実行して、前記通話先発話受信処理により受信した前記通話先発話情報に応じた音声を、前記移動体で使用されるスピーカーから出力し、前記発光部状態制御部は、前記第1発光部を前記第1視認状態又は前記第2視認状態とし、前記通話制御部による前記通話先発話受信処理の実行によって前記通話先発話情報に応じた音声が前記スピーカーから出力されるときに、前記第2発光部を、複数の前記通話相手に対して個別に異ならせて設定された視認状態のうち、前記スピーカーから出力される音声に対応した前記通話相手に対して設定された視認状態とする構成としてもよい。
【0009】
上記通話サポートシステムにおいて、前記発光部は、前記移動体に備えられた機器の設定状況を報知する用途にも用いられ、前記第1視認状態及び前記第2視認状態は、前記機器の設定状況を報知する際の視認状態と異なる視認状態に設定されている構成としてもよい。
【0010】
上記通話サポートシステムにおいて、前記発光部は、第1発光部と第2発光部を有し、前記発光部状態制御部は、前記第1発光部を前記第1視認状態又は前記第2視認状態とし、前記第2発光部を前記移動体に備えられた機器の設定状態を報知する視認状態とする構成としてもよい。
【0011】
上記通話サポートシステムにおいて、前記マイクは、前記移動体に備えられた運転席に着座している前記利用者の発話を入力し、前記発光部は、前記移動体の運転席付近の内装部に設けられている構成としてもよい。
【0012】
上記通話サポートシステムにおいて、前記発光部は、前記移動体に備えられた複数の座席に対して個別に設けられ、前記マイクは、複数の前記座席の各利用者により個別に使用され、前記通話制御部は、複数の前記利用者ごとに、前記通話元発話送信処理を実行し、前記発話送信モード切替部は、複数の前記利用者ごとに、前記発話送信許可モードと前記発話送信禁止モードとを切り替え、前記発光部状態制御部は、複数の前記利用者のうち、同一の電子会議に参加している前記利用者が使用している前記座席に対して設けられた前記発光部を、前記発話送信モード切替部による、前記発話送信許可モードと前記発話送信禁止モードとの切り替えに応じて、前記第1視認状態又は前記第2視認状態とする構成としてもよい。
【0013】
上記目的を達成するための第2態様として、コンピュータにより実行される通話サポート方法であって、移動体で使用されるマイクに入力される前記移動体の利用者の発話に応じた通話元発話情報を、通話相手により使用される通話先通信端末に送信する通話元発話送信処理を実行する通話制御ステップと、前記利用者の発話に対する前記通話制御ステップによる前記通話元発話送信処理の実行を許可する発話送信許可モードと、前記利用者の発話に対する前記通話制御ステップによる前記通話元発話送信処理の実行を禁止する発話送信禁止モードと、を切り替える発話送信モード切替ステップと、前記発話送信許可モードであるときは、前記移動体に設けられて前記利用者により視認される発光部を第1視認状態とし、前記発話送信禁止モードであるときには、前記発光部を前記第1視認状態と異なる第2視認状態とする発光部状態制御ステップと、を含む通話サポート方法が挙げられる。
【0014】
上記目的を達成するための第3態様として、コンピュータを、移動体で使用されるマイクに入力される前記移動体の利用者の発話に応じた通話元発話情報を、通話相手により使用される通話先通信端末に送信する通話元発話送信処理を実行する通話制御部と、前記利用者の発話に対する前記通話制御部による前記通話元発話送信処理の実行を許可する発話送信許可モードと、前記利用者の発話に対する前記通話制御部による前記通話元発話送信処理の実行を禁止する発話送信禁止モードと、を切り替える発話送信モード切替部と、前記発話送信許可モードであるときは、前記移動体に設けられて前記利用者により視認される発光部を第1視認状態とし、前記発話送信禁止モードであるときには、前記発光部を前記第1視認状態と異なる第2視認状態とする発光部状態制御部と、して機能させるプログラムが挙げられる。
【発明の効果】
【0015】
上記通話サポートシステム、通話サポート方法、及びプログラムによれば、車両等の移動体の運転者が電子会議に参加することによる運転操作への影響を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】
図1は、通話サポートシステムを備えた車両の構成図である。
【
図2】
図2は、運転席及び助手席付近の車両の構成図である。
【
図3】
図3は、電子会議に対応した画面の説明図である。
【
図4】
図4は、運転席発光部の視認状態の制御処理のフローチャートである。
【
図5】
図5は、運転席発光部の視認状態の制御パターンの説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
[1.通話サポートシステムの構成]
図1~
図3を参照して、本開示の通話サポートシステム1の構成について説明する。通話サポートシステム1は車両100に搭載され、車両100に乗車している利用者U1の通話をサポートする処理を実行する。
図1は、車両100を運転する利用者U1が、電子会議サーバー210により提供される電子会議サービスを利用して、他の参加者P1,P2と電子会議により通話を行う状況を例示している。
【0018】
参加者P1は、自宅等の家屋250から通信端末251を操作して、電子会議サーバー210にアクセスすることにより電子会議に参加する。通信端末251は、パソコン、タブレット端末、スマートフォン等であり、通信ネットワーク200を介して通信を行う機能を有する。同様に、参加者P2は、家屋260から通信端末261を操作して、電子会議サーバー210にアクセスすることにより電子会議に参加する。参加者P1,P2は、本開示の通話相手に相当する。
【0019】
通話サポートシステム1は、車両100に備えられた通信ユニット30、ディスプレイ31、運転席カメラ40、運転席マイク41、運転席スピーカー42、運転席発光部43、助手席カメラ50、助手席マイク51、助手席スピーカー52、助手席発光部53、ドライブモードインジケータ60、及び空調機器インジケータ61と接続されている。
【0020】
通話サポートシステム1は、通信ユニット30により、通信ネットワーク200を介して、電子会議サーバー210、通信端末251、及び通信端末261との間で通信を行う。また、通話サポートシステム1は、通信ユニット30により、利用者U1により使用される携帯端末70及び利用者U2により使用される携帯端末71(
図2参照)との間で通信を行う。携帯端末70,71は、スマートフォン、携帯電話、タブレット端末等である。
【0021】
ディスプレイ31は、フラットタイプの表示パネルの表面にタッチセンサが配置されたタッチパネル型のディスプレイであり、利用者U1,U2のタッチ操作に応じた操作信号が通話サポートシステム1に入力される。また、通話サポートシステム1から出力される制御信号によって、ディスプレイ31の画面表示が制御される。
【0022】
図2を参照して、運転席カメラ40は、車両100の運転席2の前方のダッシュボードに設けられ、運転席2に着座している利用者U1を撮影して、撮影画像を通話サポートシステム1に入力する。運転席マイク41は、運転席2の前方のステアリングに設けられ、運転席2に着座している利用者U1の発話を入力して、発話に応じた音声信号を通話サポートシステム1に入力する。運転席スピーカー42は運転席ドアに設けられ、通話サポートシステム1から出力される音声信号等を増幅して出力する。運転席発光部43は、運転席2側のフロントピラー(Aピラー)の内装部に設けられ、通話サポートシステム1から出力される制御信号により、運転席発光部43の視認状態(発光状態、作動状態)が制御される。
【0023】
助手席カメラ50は、車両100の助手席3の前方のダッシュボードに設けられ、助手席3に着座している利用者U2を撮影して、撮影画像を通話サポートシステム1に入力する。助手席マイク51は、助手席3の前方のダッシュボードに設けられ、助手席3に着座している利用者U2の発話を入力して、発話に応じた音声信号を通話サポートシステム1に入力する。助手席スピーカー52は助手席ドアに設けられ、通話サポートシステム1から出力される音声信号等を増幅して出力する。助手席発光部53は、助手席3側のフロントピラーの内装部に設けられ、通話サポートシステム1から出力される制御信号により、視認状態(発光状態、作動状態)が制御される。
【0024】
運転席発光部43と助手席発光部53は、例えばLEDである。運転席発光部43は、吹き出しBに示したように、第1発光部43aと第2発光部43bに分けられて、第1発光部43aと第2発光部43bの視認状態を別々に制御可能な構成としてもよい。助手席発光部53についても同様である。
【0025】
ドライブモードインジケータ60は、例えばLEDであり、利用者U1により選択される車両1のドライブモードに応じて、発光色が変更される。ドライブモードは、例えば、エコノミーモード、ノーマルモード、スポーツモードのいずれかに選択され、ドライブモードインジケータ60の発光色は、エコノミーモードでは緑、ノーマルモードでは青、スポーツモードでは赤に制御される。空調機器インジケータ61は、例えばLEDであり、車両100に備えらえた空調装置の作動状態(オン状態、オフ状態)、設定温度、設定風量等を表示する。
【0026】
通話サポートシステム1は、プロセッサ10、メモリ20等を備えた制御ユニットである。プロセッサ10は、シングルプロセッサであっても、マルチプロセッサであってもよい。メモリ20には、通話サポートシステム1の制御用のプログラム21が保存されている。プログラム21は、記録媒体(磁気ディスク、光学ディスク、フラッシュメモリ等)から読み出されてメモリ20に保存されてもよく、通信ネットワーク200を介して、外部のサーバー等からダウンロードされてメモリ20に保存されてもよい。
【0027】
プロセッサ10は、プログラム21を読み込んで実行することにより、電子会議制御部11、音声認識部12、通話制御部13、発話送信モード切替部14、及び発光部状態制御部15として機能する。ここで、通話制御部13により実行される処理は、本開示の通話サポート方法における通話制御ステップに相当し、発話送信モード切替部14により実行される処理は、本開示の通話サポート方法における発話送信モード切替ステップに相当する。また、発光部状態制御部15により実行される処理は、本開示の通話サポート方法における発光部状態制御ステップに相当する。
【0028】
電子会議制御部11は、利用者U1によるディスプレイ31のタッチ操作に応じて、電子会議への利用者U1の参加と退室を制御する。ここで、
図3は、電子会議の利用に対応したディスプレイ31の画面を示しており、ディスプレイ31の画面の左サイドに、ナビゲーション機能を選択するためのナビゲーションボタン300、ミュージック機能を選択するためのミュージックボタン301、及び電子会議機能を選択するための電子会議ボタン302が表示されている。
【0029】
利用者U1がナビゲーションボタン300をタッチ操作することにより、車両100に備えられたナビゲーション装置を使用するための画面が、ディスプレイ31に表示され、利用者U1がミュージックボタン301をタッチ操作することにより、車両100に備えられた音楽再生装置を使用するための画面がディスプレイ31に表示される。
【0030】
利用者U1が電子会議ボタン302を操作すると、電子会議制御部11は、電子会議サーバー210にアクセスして、利用者U1が参加可能な登録済みの電子会議を抽出し、抽出した電子会議への参加待ち画面310を、ディスプレイ31に表示する。参加待ち画面310には、会議参加ボタン311、会議終了ボタン312、マイクボタン313、及びカメラボタン314が表示される。
【0031】
会議参加ボタン311は、電子会議への参加を申請するためのボタンであり、利用者U1による会議参加ボタン311のタッチ操作に応じて、電子会議制御部11は、電子会議への参加申請情報を電子会議サーバー210に送信する。これにより、電子会議サーバー210において、電子会議への利用者U1の参加対応処理が実行されて、利用者U1が電子会議に参加している状態となり、電子会議制御部11は、ディスプレイ31の画面を会議中画面320に切り替える。会議中画面320には、利用者U1と、他の参加者P1,P2が電子会議に参加していることを示す参加者アイコン321,322,323が表示される。
【0032】
会議終了ボタン312は、電子会議の終了(利用者U1の電子会議からの退室)を申請するためのボタンであり、利用者U1による会議終了ボタン312のタッチ操作に応じて、電子会議制御部11は、電子会議の終了申請情報を電子会議サーバー210に送信する。これにより、電子会議サーバー210は、利用者U1による電子会議への参加を終了する処理を実行する。
【0033】
マイクボタン313は、運転席マイク41のオンとオフの切り替えを指示するためのボタンである。カメラボタン314は、運転席カメラ40のオンとオフの切り替えを指示するためのボタンである。マイクボタン313とカメラボタン314の表示は、運転席マイク41と運転席カメラ40のオンオフに応じてそれぞれ切り替わる。
図3では、運転席カメラ40がオフに設定されて、カメラボタン314に斜線が表示され、運転席マイク41がオンに設定されている例を示している。
【0034】
音声認識部12は、運転席マイク41に入力される利用者U1の音声を解析して、利用者U1の発話内容を認識する。通話制御部13は、運転席マイク41に入力される利用者U1の発話をデジタルデータに変換した通話元発話情報を、電子会議サーバー210を介して、通話相手P1の通信端末251及び通話相手P2の通信端末261に送信する発話送信処理を実行する。運転席カメラ40の設定がオンであるときには、通話元発話情報には、運転席カメラ40により撮影される利用者U1の顔画像が含まれる。
【0035】
また、通話制御部13は、通信端末251から送信される参加者P1の発話に応じた通話先発話情報を電子会議サーバー210を介して受信して、参加者P1の発話音声を運転席スピーカー42から出力する。通話制御部13は、参加者P1の発話音声を運転席スピーカー42にから出力する際には、会議中画面320の参加者アイコン322について、表示色を変更する等の強調表示を行う。
【0036】
同様に、通話制御部13は、通信端末261から送信される参加者P2の発話に応じた通話先発話情報を電子会議サーバー210を介して受信して、参加者P2の発話音声を運転席スピーカー42から出力する。通話制御部13は、参加者P1の発話音声を運転席スピーカー42から出力する際に、会議中画面320の参加者P2の参加者アイコン323について、表示色を変更する等の強調表示を行う。
【0037】
発話送信モード切替部14は、マイクボタン313の操作による運転席マイク41のオン、オフの切り替え操作に応じて、利用者U1の発話に対する通話制御部13による通話元発話送信処理の実行を許可する発話送信許可モードと、利用者U1の発話に対する通話制御部13による通話元発話送信処理の実行を禁止する発話送信禁止モードと、を切り替える。
【0038】
ここで、発話送信許可モードと発話送信禁止モードの切り替えは、運転席マイク41の感度を変更することにより、利用者U1の発話が運転席マイク41に入力される状態と、利用者U1の発話が運転席マイク41に入力されない状態とを切り替えることにより、行ってもよい。或いは、利用者U1の発話が運転席マイク41に入力される状態を維持して、通話元発話情報の送信を行うか否かにより、発話送信許可モードと発話送信禁止モードとを切り替えてもよい。
【0039】
利用者U1の発話が運転席マイク41に入力される状態が維持される場合には、発話送信禁止モードにおいても、音声認識部12により利用者U1の発話音声が認識される。そのため、利用者U1は、「マイクオン」等の発話をすることによって、発話送信禁止モードから発話送信許可モードに切り替えることができる。
【0040】
発光部状態制御部15は、発話送信モード切替部14による発話送信許可モードと発話送信禁止モードの切り替えと、通話制御部13による参加者P1,P2の発話の運転席スピーカー42からの出力に応じて、運転席発光部43の視認状態を変更する処理を実行する。この処理の詳細については、後述する。
【0041】
[2.運転席発光部の視認状態の制御処理]
図4に示したフローチャートに従って、発光部状態制御部15により実行される運転席発光部43の視認状態の制御処理について説明する。発光部状態制御部15は、利用者U1が電子会議に参加しているときに、
図4に示したフローチャートによる処理を繰り返し実行する。
【0042】
図4のステップS1で、発光部状態制御部15は、発話送信モード切替部14により発話送信禁止モードに設定されているか否かを判断する。そして、発光部状態制御部15は、発話送信禁止モードに設定されているときはステップS10に処理を進め、発話送信禁止モードに設定されていないとき(発話送信許可モードに設定されているとき)にはステップS2に処理を進める。
【0043】
発光部状態制御部15は、
図5に例示した制御パターンのいずれかにより、ステップS2で運転席発光部43を第1視認状態とし、ステップS10で運転席発光部43を第1視認状態と異なる第2視認状態とする。例えば、
図5の第1パターンでは、発光部状態制御部15は、第1視認状態として運転席発光部43を緑色で点灯させた状態とし、第2視認状態として運転席発光部43を消灯状態とする。
【0044】
ここで、運転席発光部43は、
図2に示したように、運転操作を行う利用者U1の前方の視認し易い箇所に設けられている。そのため、利用者U1は、ディスプレイ31に表示されるマイクボタン313を確認する場合のように視線の向きを大きく変える必要がなく、また、サイズが大きい運転席発光部43の視認状態は直感的に認識可能である。そのため、利用者U1は、運転席発光部43の視認状態を確認することにより、発話送信許可モードになっているか発話送信禁止モードになっているかを容易に判断することができる。これにより、運転席マイク41のオン、オフの確認に伴う利用者U1の運転操作への影響を抑制することができる。
【0045】
ステップS3で、発光部状態制御部15は、通話制御部13により、通話先発話情報の受信に応じた音声の運転席スピーカー42からの出力が開始されたか否かを判断する。そして、発光部状態制御部15は、運転席スピーカー42からの音声の出力が開始されたときはステップS20に処理を進め、運転席スピーカー42からの音声の出力が開始されていないときにはステップS4に処理を進める。
【0046】
ステップS20で、発光部状態制御部15は、
図5に示したように、運転席スピーカー42から出力されている音声を発話している参加者P1,P1に対して個別に設定された第3視認状態とする。すなわち、発光部状態制御部15は、参加者P1の発話音声が運転席スピーカー42から出力されている場合は、運転席発光部43を青色で点灯させた状態とし、参加者P2の発話音声が運転席スピーカー42から出力されている場合は、運転席発光部43をオレンジ色で発光させた状態とする。
【0047】
利用者U1は、運転席発光部43の発光色が青色になったときに、参加者P1が発話していることを認識することができ、運転席発光部43の発光色がオレンジ色になったときに、参加者P2が発話していることを認識することができる。なお、
図5に示した発光色以外の色を用いて、運転席発光部43を第1視認状態、第2視認状態、及び第3視認状態としてもよい。
【0048】
この場合、参加者P1又は参加者P2が発話をしている間は、運転席発光部43の視認状態により、発話送信許可モードであるか発話送信禁止モードであるかを認識することができない。しかし、参加者P1,P2が発話をしている間は、利用者U1は発話を控えるのが一般的であるため、利用者U1が使い勝手の悪さを感じる可能性は低いと想定される。続くステップS21で、参加者P1又は参加者P2の発話が終了したときに、発光部状態制御部15は、ステップS22に処理を進めて運転席発光部43を消灯してステップS4に処理を進める。
【0049】
繰り返し実行される
図4のフローチャートによる処理の次の実行タイミングで、ステップS2又はステップS10の処理により、運転席発光部43が第1視認状態又は第2視認態様となるので、利用者U1が、運転席発光部43の視認状態によって、発話送信許可モードであるか発話送信禁止モードであるかを認識することができる状態に復帰する。
【0050】
ここで、第3視認状態での運転席発光部43の発光色を、
図3に示した会議中画面320の参加者アイコン322,323の表示色と同じにしてもよい。すなわち、参加者P1が発話をしているときは、参加者アイコン322と運転席発光部43を共に青色で表示及び発光させ、参加者P2が発話をしているときは、参加者アイコン323と運転席発光部43を共にオレンジ色で表示及び発光させてもよい。
【0051】
また、
図1に示したように、運転席発光部43が第1発光部43aと第2発光部43bを有して、第1発光部43aの発光と第2発光部43bの発光を個別に制御することが可能である場合は、第1発光部43aを第1視認状態又は第2視認状態に制御し、第2発光部43bを第3視認状態に制御するようにしてもよい。
【0052】
[3.他の実施形態]
上記実施形態では、本開示の発光部として、運転席発光部43を示したが、車両100に備えられた機器の設定状態を示すために設けられた発光部を、本開示の発光部として流用してもよい。例えば、
図1に示したドライブモードインジケータ60、又は空調機器インジケータ61の視認態様を、第1視認態様、第2視認態様、及び第3視認態様で発光させるようにしてよい。
【0053】
例えば、上述したように、車両100のドライブモードが、エコノミ―、ノーマル、スポーツの3段階で切り替えられ、ドライブモードインジケータ60の発光色が、エコノミーモードでは緑、ノーマルモードではオレンジ、スポーツモードでは赤となる場合に、第1視認状態としてドライブモードインジケータ60を常時点灯状態とし、第2視認状態としてドライブモードインジケータ60を点滅状態としてもよい。また、第3視認状態として、各ドライブモードでの発光色(緑、アレンジ、赤)以外の発光色でドライブモードインジケータ60を発光させてもよい。
【0054】
また、運転席発光部43を、ドライブモードや空調機器等の車両100に備えられた機器の設定状態を報知する用途にも用いてもよい。例えば、
図1の吹き出しBに示したように、運転席発光部43が第1発光部43aと第2発光部43bを有する場合に、第1発光部43aを電子会議における第1視認状態、第2視認状態、及び第2視認状態に制御し、第2発光部43bをドライブモードの設定に応じた発光色に制御してもよい。
【0055】
上記実施形態では、発光部状態制御部15は、電子会議に参加している参加者P1,P2の発話に応じて、運転席発光部43を第3視認状態とする処理を行ったが、この処理を行わない構成としてもよい。
【0056】
上記実施形態では、運転席2に着座している利用者U1が電子会議に参加する場合について説明したが、助手席3に着座している利用者U2が電子会議に参加する場合についても、通話サポートシステム1により、同様の処理が実行される。すなわち、発話送信モード切替部14により、助手席マイク51に入力される利用者U2の発話について、発話送信許可モードと発話送信禁止モードとが切り替えられる。そして、発光部状態制御部15は、発話送信許可モードであるときは助手席発光部53を第1視認状態とし、発話送信禁止モードであるときには助手席発光部53を第2視認状態とする。また、発光部状態制御部15は、参加者P1,P2の発話に応じて、助手席発光部53を第3視認状態とする。例えば、利用者U1,U2が同一の電子会議に参加して、参加者P1,P2と通話する場合は、参加者P1の発話音声が運転席スピーカー42及び助手席スピーカー52から出力されているときに、発話部状態制御部15は、運転席発光部43と助手席発光部53を共に青色で発光させる。
【0057】
また、車両100に後席が備えられている場合には、後席についても、運転席2及び助手席3と同様に、専用のマイクと発光部を備えて、後席に着座している利用者について、通話制御部13、発話送信モード切替部14、及び発光部状態制御部15による処理を実行してもよい。この場合も、後席に着座している利用者が、運転席2に着座している利用者U1或いは助手席3に着座している利用者U2と同じ電子会議に参加することができる。
【0058】
上記実施形態では、運転席発光部43を、運転席2側のフロントピラーの内装部に設けたが、運転席発光部43を、運転席2の前方のダッシュボード等の運転席2付近の他の配送部に設けてもよい。助手席発光部53についても、助手席3側のフロントピラー以外の、助手席3の前方のダッシュボード等の助手席付近の他の内装部に設けてもよい。
【0059】
上記実施形態では、本開示の通話サポートシステムを移動体に備えた構成を示したが、利用者U1に使用される携帯端末70に通話サポートシステムを備える構成としてもよい。この場合は、携帯端末70のメモリに保存されたプログラム21を、携帯端末70のプロセッサが実行することにより、携帯端末70のプロセッサが、電子会議制御部11、音声認識部12、通話制御部13、発話送信モード切替部14、及び発光部状態制御部15として機能する。
【0060】
この構成では、通話制御部13が、携帯端末70に備えられたマイク(本開示の移動体で使用されるマイクに相当する)に入力される利用者U1の発話に応じた通話元発話情報を、参加者P1,P2の通信端末251,261に送信するようにしてもよい。また、発光部状態制御部15は、車両100のECU(Electronic Control Unit)等と通信を行うことにより、運転席発光部43の視認状態を制御する。利用者U2により使用される携帯端末71についても、同様に、本開示の通話サポートシステムを備えた構成としてもよい。
【0061】
上記実施形態では、車両100に乗車中の利用者U1が電子会議に参加して通話する状況について説明したが、電子会議以外の音声通話サービスを利用する場合についても、発光部状態制御部15により運転席発光部43の視認状態を切り替えることにより、利用者U1の運転操作への影響を抑制して、利用者U1の通話をサポートすることができる。
【0062】
上記実施形態では、本開示の移動体として車両100を示したが、本開示の移動体は、飛行体、船舶等であってもよい。
【0063】
なお、
図1は、本願発明の理解を容易にするために、通話サポートシステム1の構成を、主な処理内容により区分して示した概略図であり、通話サポートシステム1の構成を他の区分によって構成してもよい。また、各構成要素の処理は、1つのハードウェアユニットにより実行されてもよいし、複数のハードウェアユニットにより実行されてもよい。また、
図4に示した各構成要素による処理は、1つのプログラムにより実行されてもよいし、複数のプログラムにより実行されてもよい。
【0064】
[4.上記実施形態によりサポートされる構成]
上記実施形態は、以下の構成の具体例である。
【0065】
(構成1)移動体で使用されるマイクに入力される前記移動体の利用者の発話に応じた通話元発話情報を、通話相手により使用される通話先通信端末に送信する通話元発話送信処理を実行する通話制御部と、前記利用者の発話に対する前記通話制御部による前記通話元発話送信処理の実行を許可する発話送信許可モードと、前記利用者の発話に対する前記通話制御部による前記通話元発話送信処理の実行を禁止する発話送信禁止モードと、を切り替える発話送信モード切替部と、前記発話送信許可モードであるときは、前記移動体に設けられて前記利用者により視認される発光部を第1視認状態とし、前記発話送信禁止モードであるときには、前記発光部を前記第1視認状態と異なる第2視認状態とする発光部状態制御部と、を備える通話サポートシステム。
構成1の通話サポートシステムによれば、移動体の利用者は、移動体に備えられた発光部の視認状態を確認することによって、自身の発話が通話相手に送信される発話送信許可モードであるか、自身の発話が相手に送信されない発話送信禁止モードであるかを容易に認識することができる。そのため、利用者が移動体から電子会議に参加する際に、発話送信許可モードであるか発話送信禁止モードであるかの確認に気をとられて、移動体の運転操作に影響することを抑制することができる。
【0066】
(構成2)前記発光部状態制御部は、前記発光部の発光色、照度、点灯と点滅、点滅パターンのうちの少なくともいずれか1つを変更することにより、前記発光部を前記第1視認状態と前記第2視認状態とに切り替える構成1に記載の通話サポートシステム。
構成2の通話サポートシステムによれば、発光部の発光色、照度、点灯と点滅、点滅パターンのうちの少なくともいずれか1つを変更することにより、第1視認状態と第2視認状態を設定することができる。
【0067】
(構成3)前記通話制御部は、前記通話先通信端末から送信される前記通話相手の発話に応じた通話先発話情報を受信する通話先発話受信処理を実行して、前記通話先発話受信処理により受信した前記通話先発話情報に応じた音声を、前記移動体で使用されるスピーカーから出力し、前記発光部状態制御部は、前記通話制御部による前記通話先発話受信処理の実行によって前記通話先発話情報に応じた音声が前記スピーカーから出力されるときに、前記発光部を前記第1視認状態及び前記第2視認状態と異なる第3視認状態とする構成1又は構成2に記載の通話サポートシステム。
構成3の通話サポートシステムによれば、利用者は、点灯部が第3視認状態となっていることを確認することによって、通話相手が発話していることを認識することができる。
【0068】
(構成4)前記発光部は、第1発光部と第2発光部を有し、前記通話制御部は、複数の前記通話先通信端末から送信される複数の前記通話相手の発話に応じた通話先発話情報を、前記通話相手を識別して受信する通話先発話受信処理を実行して、前記通話先発話受信処理により受信した前記通話先発話情報に応じた音声を、前記移動体で使用されるスピーカーから出力し、前記発光部状態制御部は、前記第1発光部を前記第1視認状態又は前記第2視認状態とし、前記通話制御部による前記通話先発話受信処理の実行によって前記通話先発話情報に応じた音声が前記スピーカーから出力されるときに、前記第2発光部を、複数の前記通話相手に対して個別に異ならせて設定された視認状態のうち、前記スピーカーから出力される音声に対応した前記通話相手に対して設定された視認状態とする構成1から構成3のうちいずれか1つの構成に記載の通話サポートシステム。
構成4の通話サポートシステムによれば、第1発光部と第2発光部を有する発光部により、利用者に対して、第1発光部の視認状態により発話送信許可モードであるか発話送信禁止モードであるかを認識させることができると共に、第2発光部の視認状態により通話相手が発話していることを認識させることができる。
【0069】
(構成5)前記発光部は、前記移動体に備えられた機器の設定状況を報知する用途にも用いられ、前記第1視認状態及び前記第2視認状態は、前記機器の設定状況を報知する際の視認状態と異なる視認状態に設定されている構成1から構成4のうちいずれか1つの構成に記載の通話サポートシステム。
構成5の通話サポートシステムによれば、移動体に備えらえている機器の設定を報知する発光部を、発話送信許可モード又は発話送信禁止モードを報知するための手段として流用することができる。
【0070】
(構成6)前記発光部は、第1発光部と第2発光部を有し、前記発光部状態制御部は、前記第1発光部を前記第1視認状態又は前記第2視認状態とし、前記第2発光部を前記移動体に備えられた機器の設定状態を報知する視認状態とする構成1から構成5のうちいずれか1つの構成に記載の通話サポートシステム。
構成6の通話サポートシステムによれば、第1発光部と第2発光部を有する発光部により、利用者に対して、第1発光部の視認状態により発話送信許可モードであるか発話送信禁止モードであるかを認識させることができると共に、第2発光部の視認状態により移動体に備えられた機器の設定状態を認識させることができる。
【0071】
(構成7)前記マイクは、前記移動体に備えられた運転席に着座している前記利用者の発話を入力し、前記発光部は、前記移動体の運転席付近の内装部に設けられている構成1から構成6のうちいずれか1つの構成に記載の通話サポートシステム。
構成7の通話サポートシステムによれば、運転操作を行っている利用者が視認し易い箇所に設けられている発光部の視認状態によって、発話送信許可モードであるから発話送信禁止モードであるかを利用者に認識させることができる。
【0072】
(構成8)前記発光部は、前記移動体に備えられた複数の座席に対して個別に設けられ、前記マイクは、複数の前記座席の各利用者により個別に使用され、前記通話制御部は、複数の前記利用者ごとに、前記通話元発話送信処理を実行し、前記発話送信モード切替部は、複数の前記利用者ごとに、前記発話送信許可モードと前記発話送信禁止モードとを切り替え、前記発光部状態制御部は、複数の前記利用者のうち、同一の電子会議に参加している前記利用者が使用している前記座席に対して設けられた前記発光部を、前記発話送信モード切替部による、前記発話送信許可モードと前記発話送信禁止モードとの切り替えに応じて、前記第1視認状態又は前記第2視認状態とする構成1から構成7のうちいずれか1つの構成に記載の通話サポートシステム。
構成8の通話サポートシステムによれば、移動体に搭乗している複数の利用者が同一の電子会議に参加している場合に、各利用者は、着座している座席に設けられた発光部の視認状態を視認することにより、自身について発話送信許可モードとなっているか発話送信禁止モードになっているかを容易に認識することができる。
【0073】
(構成9)コンピュータにより実行される通話サポート方法であって、移動体で使用されるマイクに入力される前記移動体の利用者の発話に応じた通話元発話情報を、通話相手により使用される通話先通信端末に送信する通話元発話送信処理を実行する通話制御ステップと、前記利用者の発話に対する前記通話制御ステップによる前記通話元発話送信処理の実行を許可する発話送信許可モードと、前記利用者の発話に対する前記通話制御ステップによる前記通話元発話送信処理の実行を禁止する発話送信禁止モードと、を切り替える発話送信モード切替ステップと、前記発話送信許可モードであるときは、前記移動体に設けられて前記利用者により視認される発光部を第1視認状態とし、前記発話送信禁止モードであるときには、前記発光部を前記第1視認状態と異なる第2視認状態とする発光部状態制御ステップと、を含む通話サポート方法。
構成9の通話サポート方法をコンピュータにより実行することによって、構成1の通話サポートシステムと同様の作用効果を得ることができる。
【0074】
(構成10)コンピュータを、移動体で使用されるマイクに入力される前記移動体の利用者の発話に応じた通話元発話情報を、通話相手により使用される通話先通信端末に送信する通話元発話送信処理を実行する通話制御部と、前記利用者の発話に対する前記通話制御部による前記通話元発話送信処理の実行を許可する発話送信許可モードと、前記利用者の発話に対する前記通話制御部による前記通話元発話送信処理の実行を禁止する発話送信禁止モードと、を切り替える発話送信モード切替部と、前記発話送信許可モードであるときは、前記移動体に設けられて前記利用者により視認される発光部を第1視認状態とし、前記発話送信禁止モードであるときには、前記発光部を前記第1視認状態と異なる第2視認状態とする発光部状態制御部と、して機能させるプログラム。
構成10のプログラムをコンピュータにより実行することによって、構成1の通話サポートシステムの構成を実現することができる。
【符号の説明】
【0075】
1…通話サポートシステム、10…プロセッサ、11…電子会議制御部、12…音声認識部、13…通話制御部、14…発話送信モード切替部、15…発光部状態制御部、20…メモリ、21…プログラム、30…通信ユニット、31…ディスプレイ、40…運転席カメラ、41…運転席マイク、42…運転席スピーカー、43…運転席発光部、50…助手席カメラ、51…助手席マイク、52…助手席スピーカー、53…助手席発光部、60…ドライブモードインジケータ、61…空調機器インジケータ、70,71…携帯端末、100…車両、200…通信ネットワーク、210…電子会議サーバー、250,260…家屋、251,261…通話先通信端末、U1,U2…利用者、P1,P2…参加者(通話相手)。