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特開2024-140747送迎車両管理システム、及び送迎車両管理方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024140747
(43)【公開日】2024-10-10
(54)【発明の名称】送迎車両管理システム、及び送迎車両管理方法
(51)【国際特許分類】
   G06Q 10/08 20240101AFI20241003BHJP
   G08G 1/123 20060101ALI20241003BHJP
【FI】
G06Q10/08
G08G1/123 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023052062
(22)【出願日】2023-03-28
(71)【出願人】
【識別番号】000005326
【氏名又は名称】本田技研工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001081
【氏名又は名称】弁理士法人クシブチ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】加納 準一郎
(72)【発明者】
【氏名】山崎 佑朋
【テーマコード(参考)】
5H181
5L010
5L049
【Fターム(参考)】
5H181AA14
5H181BB05
5H181MA05
5H181MA16
5H181MA18
5L010AA16
5L049AA16
5L049CC51
(57)【要約】
【課題】フライトのスケジュール変更により送迎車両の運転者が被る損失を、配車を予約した利用者の到着地からの移動に支障が生じることを回避しながら抑制する。
【解決手段】送迎車両管理システム1は、代替送迎車両抽出部15により第2送迎車両120が抽出されたときに、運転者端末111に対して、予約対応配車のキャンセルの要否を問合わせる配車キャンセル確認情報を送信する配車キャンセル確認部16と、配車キャンセル確認情報の受信に応じて運転者端末111から送信される、予約対応配車のキャンセルを申請する配車キャンセル申請情報を受信したときに、第1送迎車両110による予約対応配車の手配をキャンセルして、到着予定時刻の遅延後又は到着地点の変更後の対象フライトに対応した第2送迎車両120による配車を手配する配車送迎車両変更部17と、を備える。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の送迎車両の配車状況示す配車状況情報を取得する配車状況情報取得部と、
送迎車両の利用を希望する利用者により使用される利用者端末から送信される送迎予約申請情報を受信して、前記利用者による送迎車両の予約を受け付ける送迎車両予約受付部と、
前記配車状況情報に基づいて、前記送迎予約申請情報により示される配車予約条件に対応した予約対応配車が可能な第1送迎車両を抽出して、前記第1送迎車両による前記予約対応配車を手配する予約対応配車手配部と、
前記予約対応配車が、前記利用者が利用する対象フライトの到着地点を前記利用者の乗車地点とし、前記予約対応配車の乗車予定時刻が、前記対象フライトの到着地点への到着予定時刻に対応して設定されている場合に、前記対象フライトの運航状況を示すフライト運航情報を取得するフライト運航情報取得部と、
前記フライト運航情報から前記対象フライトの到着予定時刻の遅延が認識されるときに、前記配車状況情報に基づいて、遅延後の到着予定時刻に対応した配車が可能な第2送迎車両を抽出する第1代替送迎車両抽出処理と、前記フライト運航情報から前記対象フライトの到着地点の変更が認識されるときに、前記配車状況情報に基づいて、変更後の到着地点に対応した配車が可能な第2送迎車両を抽出する第2代替送迎車両抽出処理と、のうちの少なくともいずれか一方を実行する代替送迎車両抽出部と、
前記代替送迎車両抽出部により前記第2送迎車両が抽出されたときに、前記第1送迎車両の運転者により使用される運転者端末に対して、前記予約対応配車のキャンセルの要否を問合わせる配車キャンセル確認情報を送信する配車キャンセル確認部と、
前記配車キャンセル確認情報の受信に応じて前記運転者端末から送信される、前記予約対応配車のキャンセルを申請する配車キャンセル申請情報を受信したときに、前記第1送迎車両による前記予約対応配車の手配をキャンセルして、到着予定時刻の遅延後又は到着地点の変更後の前記対象フライトに対応した前記第2送迎車両による配車を手配する配車送迎車両変更部と、
を備える送迎車両管理システム。
【請求項2】
前記配車キャンセル確認情報には、前記予約対応配車をキャンセルすることにより生じる前記第1送迎車両の空き時間で対応可能な配車需要の情報が含まれる
請求項1に記載の送迎車両管理システム。
【請求項3】
前記配車キャンセル確認部は、前記対象フライトの到着予定時刻の遅延時間が所定時間未満であるとき、又は前記対象フライトの変更された到着地点と変更前の到着地点との距離が所定距離未満であるときに、前記配車キャンセル確認情報を前記運転者端末に送信し、
前記配車送迎車両変更部は、前記対象フライトの到着予定時刻の遅延時間が前記所定時間以上であるとき、又は前記対象フライトの変更された到着地点と変更前の到着地点との距離が前記所定距離以上であるときには、前記運転者端末からの前記配車キャンセル申請情報の受信に依らずに前記第1送迎車両による前記予約対応配車の手配をキャンセルして、前記第2送迎車両による配車を手配する
請求項1又は請求項2に記載の送迎車両管理システム。
【請求項4】
前記利用者により指定された送迎車両の運転者の選択条件を示す運転者選択条件情報を取得する運転者選択条件情報取得部を備え、
前記代替送迎車両抽出部は、前記運転者選択条件情報により示される前記選択条件を満たす運転者が運転を担当する送迎車両の中から、前記第2送迎車両を抽出する
請求項1又は請求項2に記載の送迎車両管理システム。
【請求項5】
前記第1送迎車両の運転者が、前記予約対応配車をキャンセルせずに、前記対象フライトの到着予定時刻の遅延に対応した待機、又は前記対象フライトの到着地点の変更に応じた前記利用者の乗車地点の変更に対応した場合に、前記第1送迎車両の運転者に対して、追加の報酬を付与するための処理を実行する追加報酬付与部を備える
請求項1又は請求項2に記載の送迎車両管理システム。
【請求項6】
複数の送迎車両の配車状況示す配車状況情報を取得する配車状況情報取得部と、
送迎車両の利用を希望する利用者により使用される利用者端末から送信される送迎予約申請情報を受信して、前記利用者による送迎車両の予約を受け付ける送迎車両予約受付部と、
前記配車状況情報に基づいて、前記送迎予約申請情報により示される配車予約条件に対応した予約対応配車が可能な第1送迎車両を抽出して、前記第1送迎車両による前記予約対応配車を手配する予約対応配車手配部と、
前記利用者の移動状況を示す利用者移動情報を取得する利用者移動情報取得部と、
前記利用者移動情報から、前記予約対応配車により設定された乗車地点での乗車予定時刻に対して、前記利用者の到着が遅れることが認識されるときに、前記配車状況情報に基づいて、遅延後の到着予定時刻に対応した配車が可能な第2送迎車両を抽出する第1代替送迎車両抽出処理と、前記利用者移動情報から、前記予約対応配車により設定された乗車地点に対して、前記利用者の乗車地点の変更が認識されるときに、前記配車状況情報に基づいて、変更後の乗車地点に対応した配車が可能な第2送迎車両を抽出する第2代替送迎車両抽出処理と、のうちの少なくともいずれか一方を実行する代替送迎車両抽出部と、
前記代替送迎車両抽出部により前記第2送迎車両が抽出されたときに、前記第1送迎車両の運転者により使用される運転者端末に対して、前記予約対応配車のキャンセルの要否を問合わせる配車キャンセル確認情報を送信する配車キャンセル確認部と、
前記配車キャンセル確認情報の受信に応じて前記運転者端末から送信される、前記予約対応配車のキャンセルを申請する配車キャンセル申請情報を受信したときに、前記第1送迎車両による前記予約対応配車の手配をキャンセルして、前記利用者の乗車地点への遅れ又は前記利用者の乗車地点の変更に対応した前記第2送迎車両による配車を手配する配車送迎車両変更部と、
を備える送迎車両管理システム。
【請求項7】
コンピュータにより実行される送迎車両管理方法であって、
複数の送迎車両の配車状況示す配車状況情報を取得する配車状況情報取得ステップと、
送迎車両の利用を希望する利用者により使用される利用者端末から送信される送迎予約申請情報を受信して、前記利用者による送迎車両の予約を受け付ける送迎車両予約受付ステップと、
前記配車状況情報に基づいて、前記送迎予約申請情報により示される配車予約条件に対応した予約対応配車が可能な第1送迎車両を抽出して、前記第1送迎車両による前記予約対応配車を手配する予約対応配車手配ステップと、
前記予約対応配車が、前記利用者が利用する対象フライトの到着地点を前記利用者の乗車地点とし、前記予約対応配車の乗車予定時刻が、前記対象フライトの到着地点への到着予定時刻に対応して設定されている場合に、前記対象フライトの運航状況を示すフライト運航情報を取得するフライト運航情報取得ステップと、
前記フライト運航情報から前記対象フライトの到着予定時刻の遅延が認識されるときに、前記配車状況情報に基づいて、遅延後の到着予定時刻に対応した配車が可能な第2送迎車両を抽出する第1代替送迎車両抽出処理と、前記フライト運航情報から前記対象フライトの到着地点の変更が認識されるときに、前記配車状況情報に基づいて、変更後の到着地点に対応した配車が可能な第2送迎車両を抽出する第2代替送迎車両抽出処理と、のうちの少なくともいずれか一方を実行する代替送迎車両抽出ステップと、
前記代替送迎車両抽出ステップにより前記第2送迎車両が抽出されたときに、前記第1送迎車両の運転者により使用される運転者端末に対して、前記予約対応配車のキャンセルの要否を問合わせる配車キャンセル確認情報を送信する配車キャンセル確認ステップと、
前記配車キャンセル確認情報の受信に応じて前記運転者端末から送信される、前記予約対応配車のキャンセルを申請する配車キャンセル申請情報を受信したときに、前記第1送迎車両による前記予約対応配車の手配をキャンセルして、到着予定時刻の遅延後又は到着地点の変更後の前記対象フライトに対応した前記第2送迎車両による配車を手配する配車送迎車両変更ステップと、
を含む送迎車両管理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、送迎車両管理システム、及び送迎車両管理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、送迎車両の配車に関する技術が提案されている。例えば、特許文献1は、配車の予約が済んでいる送迎車両について、利用者の乗車地までの移動負荷が少ない他の送迎車両への切り替えを行う技術を開示する。さらに、特許文献1は、利用者の乗車地への到着時刻の遅れが検出され、送迎車両が乗車地に長時間停車することが困難である場合に、送迎車両を他の乗降車地に待機させて時間調整を行う技術が開示されている。
また、特許文献2は、陸路と空路を組み合わせたマルチモーダルによる旅程において、第1の陸路での移動の予定からの逸脱に応じて、フライトを遅らせ或いは早め、また、空路での移動の予定からの逸脱に応じて、第2の陸路での移動の予定を遅らせ或いは早める技術を開示する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2023-3865号公報
【特許文献2】米国特許第10837786号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
航空機のフライトは気象の影響を受け易く、気象の影響により到着時刻の遅れや到着地点の変更が生じる場合がある。そして、航空機の利用者がフライトの到着地を乗車地とする送迎車両の予約を済ませた状況で到着時刻の遅れが生じると、送迎車両の運転者は、乗車地で待機する時間が長くなり、時間的損失及び経済的損失を被るという不都合がある。また、到着地点が変更になったときには、送迎車両の運転者は、当初の到着地点から変更された到着地点まで移動しなければならず、或いは、配車の予約がキャンセルされる場合もあり、時間的損失及び経済的損失を被るという不都合がある。
【0005】
そこで、フライトスケジュールの変更に応じて、配車の予約を自動的にキャンセルすることも考えられるが、そうすると、送迎車両を予約していた利用者のフライトの到着地からの移動に支障をきたすことになるという不都合が生じる。上記背景技術では、このようなフライトのスケジュール変更によって生じる不都合に対応することができない。
本発明はかかる背景に鑑みてなされたものであり、フライトのスケジュール変更により、フライトの到着地を乗車地とする配車の予約がなされた送迎車両の運転者が被る損失を、配車を予約した利用者の到着地からの移動に支障が生じることを回避しながら、抑制することができる送迎車両管理システム、及び送迎車両管理方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するための第1態様として、複数の送迎車両の配車状況を示す配車状況情報を取得する配車状況情報取得部と、送迎車両の利用を希望する利用者により使用される利用者端末から送信される送迎予約申請情報を受信して、前記利用者による送迎車両の予約を受け付ける送迎車両予約受付部と、前記配車状況情報に基づいて、前記送迎予約申請情報により示される配車予約条件に対応した予約対応配車が可能な第1送迎車両を抽出して、前記第1送迎車両による前記予約対応配車を手配する予約対応配車手配部と、前記予約対応配車が、前記利用者が利用する対象フライトの到着地点を前記利用者の乗車地点とし、前記予約対応配車の乗車予定時刻が、前記対象フライトの到着地点への到着予定時刻に対応して設定されている場合に、前記対象フライトの運航状況を示すフライト運航情報を取得するフライト運航情報取得部と、前記フライト運航情報から前記対象フライトの到着予定時刻の遅延が認識されるときに、前記配車状況情報に基づいて、遅延後の到着予定時刻に対応した配車が可能な第2送迎車両を抽出する第1代替送迎車両抽出処理と、前記フライト運航情報から前記対象フライトの到着地点の変更が認識されるときに、前記配車状況情報に基づいて、変更後の到着地点に対応した配車が可能な第2送迎車両を抽出する第2代替送迎車両抽出処理と、のうちの少なくともいずれか一方を実行する代替送迎車両抽出部と、前記代替送迎車両抽出部により前記第2送迎車両が抽出されたときに、前記第1送迎車両の運転者により使用される運転者端末に対して、前記予約対応配車のキャンセルの要否を問合わせる配車キャンセル確認情報を送信する配車キャンセル確認部と、前記配車キャンセル確認情報の受信に応じて前記運転者端末から送信される、前記予約対応配車のキャンセルを申請する配車キャンセル申請情報を受信したときに、前記第1送迎車両による前記予約対応配車の手配をキャンセルして、到着予定時刻の遅延後又は到着地点の変更後の前記対象フライトに対応した前記第2送迎車両による配車を手配する配車送迎車両変更部と、を備える送迎車両管理システムが挙げられる。
【0007】
上記送迎車両管理システムにおいて、前記配車キャンセル確認情報には、前記予約対応配車をキャンセルすることにより生じる前記第1送迎車両の空き時間で対応可能な配車需要の情報が含まれる構成としてもよい。
【0008】
上記送迎車両管理システムにおいて、前記配車キャンセル確認部は、前記対象フライトの到着予定時刻の遅延時間が所定時間未満であるとき、又は前記対象フライトの変更された到着地点と変更前の到着地点との距離が所定距離未満であるときに、前記配車キャンセル確認情報を前記運転者端末に送信し、前記配車送迎車両変更部は、前記対象フライトの到着予定時刻の遅延時間が前記所定時間以上であるとき、又は前記対象フライトの変更された到着地点と変更前の到着地点との距離が前記所定距離以上であるときには、前記運転者端末からの前記配車キャンセル申請情報の受信に依らずに前記第1送迎車両による前記予約対応配車の手配をキャンセルして、前記第2送迎車両による配車を手配する構成としてもよい。
【0009】
上記送迎車両管理システムにおいて、前記利用者により指定された送迎車両の運転者の選択条件を示す運転者選択条件情報を取得する運転者選択条件情報取得部を備え、前記代替送迎車両抽出部は、前記運転者選択条件情報により示される前記選択条件を満たす運転者が運転を担当する送迎車両の中から、前記第2送迎車両を抽出する構成としてもよい。
【0010】
上記送迎車両管理システムにおいて、前記第1送迎車両の運転者が、前記予約対応配車をキャンセルせずに、前記対象フライトの到着予定時刻の遅延に対応した待機、又は前記対象フライトの到着地点の変更に応じた前記利用者の乗車地点の変更に対応した場合に、前記第1送迎車両の運転者に対して、追加の報酬を付与するための処理を実行する追加報酬付与部を備える構成としてもよい。
【0011】
上記目的を達成するための第2態様として、複数の送迎車両の配車状況示す配車状況情報を取得する配車状況情報取得部と、送迎車両の利用を希望する利用者により使用される利用者端末から送信される送迎予約申請情報を受信して、前記利用者による送迎車両の予約を受け付ける送迎車両予約受付部と、前記配車状況情報に基づいて、前記送迎予約申請情報により示される配車予約条件に対応した予約対応配車が可能な第1送迎車両を抽出して、前記第1送迎車両による前記予約対応配車を手配する予約対応配車手配部と、前記利用者の移動状況を示す利用者移動情報を取得する利用者移動情報取得部と、前記利用者移動情報から、前記予約対応配車により設定された乗車地点での乗車予定時刻に対して、前記利用者の到着が遅れることが認識されるときに、前記配車状況情報に基づいて、遅延後の到着予定時刻に対応した配車が可能な第2送迎車両を抽出する第1代替送迎車両抽出処理と、前記利用者移動情報から、前記予約対応配車により設定された乗車地点に対して、前記利用者の乗車地点の変更が認識されるときに、前記配車状況情報に基づいて、変更後の乗車地点に対応した配車が可能な第2送迎車両を抽出する第2代替送迎車両抽出処理と、のうちの少なくともいずれか一方を実行する代替送迎車両抽出部と、前記代替送迎車両抽出部により前記第2送迎車両が抽出されたときに、前記第1送迎車両の運転者により使用される運転者端末に対して、前記予約対応配車のキャンセルの要否を問合わせる配車キャンセル確認情報を送信する配車キャンセル確認部と、前記配車キャンセル確認情報の受信に応じて前記運転者端末から送信される、前記予約対応配車のキャンセルを申請する配車キャンセル申請情報を受信したときに、前記第1送迎車両による前記予約対応配車の手配をキャンセルして、前記利用者の乗車地点への遅れ又は前記利用者の乗車地点の変更に対応した前記第2送迎車両による配車を手配する配車送迎車両変更部と、を備える送迎車両管理システムが挙げられる。
【0012】
上記目的を達成するための第3態様として、コンピュータにより実行される送迎車両管理方法であって、複数の送迎車両の配車状況示す配車状況情報を取得する配車状況情報取得ステップと、送迎車両の利用を希望する利用者により使用される利用者端末から送信される送迎予約申請情報を受信して、前記利用者による送迎車両の予約を受け付ける送迎車両予約受付ステップと、前記配車状況情報に基づいて、前記送迎予約申請情報により示される配車予約条件に対応した予約対応配車が可能な第1送迎車両を抽出して、前記第1送迎車両による前記予約対応配車を手配する予約対応配車手配ステップと、前記予約対応配車が、前記利用者が利用する対象フライトの到着地点を前記利用者の乗車地点とし、前記予約対応配車の乗車予定時刻が、前記対象フライトの到着地点への到着予定時刻に対応して設定されている場合に、前記対象フライトの運航状況を示すフライト運航情報を取得するフライト運航情報取得ステップと、前記フライト運航情報から前記対象フライトの到着予定時刻の遅延が認識されるときに、前記配車状況情報に基づいて、遅延後の到着予定時刻に対応した配車が可能な第2送迎車両を抽出する第1代替送迎車両抽出処理と、前記フライト運航情報から前記対象フライトの到着地点の変更が認識されるときに、前記配車状況情報に基づいて、変更後の到着地点に対応した配車が可能な第2送迎車両を抽出する第2代替送迎車両抽出処理と、のうちの少なくともいずれか一方を実行する代替送迎車両抽出ステップと、前記代替送迎車両抽出ステップにより前記第2送迎車両が抽出されたときに、前記第1送迎車両の運転者により使用される運転者端末に対して、前記予約対応配車のキャンセルの要否を問合わせる配車キャンセル確認情報を送信する配車キャンセル確認ステップと、前記配車キャンセル確認情報の受信に応じて前記運転者端末から送信される、前記予約対応配車のキャンセルを申請する配車キャンセル申請情報を受信したときに、前記第1送迎車両による前記予約対応配車の手配をキャンセルして、到着予定時刻の遅延後又は到着地点の変更後の前記対象フライトに対応した前記第2送迎車両による配車を手配する配車送迎車両変更ステップと、を含む送迎車両管理方法が挙げられる。
【発明の効果】
【0013】
上記送迎車両管理システム、及び送迎車両管理方法によれば、フライトのスケジュール変更により、フライトの到着地を乗車地とする配車の予約がなされた送迎車両の運転者が被る損失を、配車を予約した利用者の到着地からの移動に支障が生じることを回避しながら、抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1図1は、送迎車両管理システムによる送迎車両の手配の態様の説明図である。
図2図2は、送迎車両管理システムの構成図である。
図3図3は、配車送迎車両の変更処理の第1フローチャートである。
図4図4は、配車送迎車両の変更処理の第2フローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0015】
[1.送迎車両管理システムによる送迎車両の手配]
図1を参照して、本実施形態の送迎車両管理システム1による送迎車両の手配の態様について説明する。図1では、利用者Uが、航空機100に搭乗して、出発地点であるポートFsから到着地点であるポートFa1までのフライトFLにより移動し、ポートFa1からの移動手段として、第1送迎車両110の配車を予約している状況を例示している。
【0016】
航空機100は、例えば、eVTOL(Electric Vertical Take-Off and Landing aircraft)である。送迎車両管理システム1は、複数の送迎車両の配車を管理する。図1では、第1送迎車両110と第2送迎車両120を例示している。
【0017】
送迎車両管理システム1は、通信ネットワーク300を介して、航空機管理システム200、利用者Uにより使用される利用者端末50、第1送迎車両110に搭載された通信装置111、及び第2送迎車両120に搭載された通信装置121との間で通信を行う。通信装置111は、本開示の運転者端末に相当する。運転者端末は、運転者D1により使用される携帯端末(スマートフォン、携帯電話、タブレット端末等)であってもよい。
【0018】
利用者Uは、利用者端末50にインストールされた送迎車両の予約アプリを操作して、送迎車両管理システム1にアクセスすることにより、ポートFa1を乗車地点とする第1送迎車両110の配車を予約する。ここで、利用者Uは、配車を予約する際に、フライトFLによりポートFa1に到着することを申告する。利用者端末50は、スマートフォン、携帯電話、タブレット端末等である。
【0019】
航空機管理システム200は、航空機100から送信される運航状況情報を受信することによって、フライトFLの運航状況を認識する。送迎車両管理システム1は、航空機管理システム200から、フライトFLの運航状況を示すフライト運航情報を受信して取得することにより、フライトFLの運航状況を認識する。
【0020】
ここで、フライトFLの当初のスケジュールは、吹き出しB1で示したように、2023年3月31日に、ポートFsを10:00に離陸してポートFa1に11:00に到着するものである。そして、このスケジュールに合わせて、利用者Uは、吹き出しB2で示したように、同日の11:10にポートFa1を乗車地点とし、Pgを目的地点とする送迎車両の予約をし、この予約により第1送迎車両110の配車(予約対応配車)が手配されている。
【0021】
しかしながら、悪天候や航空機100の整備の遅れ等によって、吹き出しB3で示したように、フライトFLの遅延が生じる場合がある。この場合、第1送迎車両110がポートFa1で待機する時間が長くなって、運転者D1の時間的及び経済的な損失が生じる。また、悪天候により、吹き出しB4で示したように、フライトFLの到着地点がポートFa1からFa2に変更となる場合がある。この場合も、ポートFa1とポートFa2との距離Lが長い場合には、第1送迎車両110のポートFa1からポートFa2までの長時間の移動によって、運転者D1の時間的及び経済的な損失が生じる。
【0022】
そこで、送迎車両管理システム1は、予約対応配車がなされたときに、航空機管理システム200からフライトFLの運航情報を取得して、フライトFLの到着予定時刻の遅延と到着地点の変更の有無を監視する。そして、フライトFLの到着予定時刻の遅延又は到着地点の変更が生じたときに、送迎車両管理システム1は、第1送迎車両110に代替して、遅延後或いは到着地点変更後のフライトFLに対応した配車が可能な第2送迎車両120を探索する。
【0023】
そして、送迎車両管理システム1は、第2送迎車両120が抽出されたときに、第1送迎車両110による予約対応配車をキャンセルし、フライトFLの遅延又は到着地点の変更に対応した第2送迎車両120によるフライトFLの到着地点への配車を手配する。これにより、利用者UによるフライトFLの到着地点からの移動手段を確保した上で、第1送迎車両110の運転者D1が被る時間的及び経時的損失の抑制をサポートすることができる。
【0024】
[2.送迎車両管理システムの構成]
図2を参照して、送迎車両管理システム1の構成について説明する。図2を参照して、送迎車両管理システム1は、プロセッサ10、メモリ30、通信ユニット40等を備えたコンピュータシステムである。送迎車両管理システム1は、上述したように、通信ユニット40により通信ネットワーク300を介した通信を行う。
【0025】
メモリ30には、送迎車両管理システム1の制御用のプログラム31、第1送迎車両110及び第2送迎車両120を含む複数の送迎車両の配車状況(空き状況、予約状況、移動状況、待機地点等含まれる)が記録される配車状況DB(データベース)32等が保存されている。
【0026】
プロセッサ20は、プログラム31を読み込んで実行することにより、配車状況情報取得部11、送迎車両予約受付部12、予約対応配車手配部13、フライト運航情報取得部14、代替送迎車両抽出部15、配車キャンセル確認部16、配車送迎車両変更部17、運転者選択条件情報取得部18、及び追加報酬付与部19として機能する。
【0027】
配車状況情報取得部11により実行される処理は、本開示の送迎車両管理方法における配車状況情報取得ステップに相当し、送迎車両予約受付部12により実行される処理は、本開示の送迎車両管理方法における送迎車両予約受付ステップに相当する。予約対応配車手配部13により実行される処理は、本開示の送迎車両管理方法における予約対応配車手配ステップに相当し、フライト運航情報取得部14により実行される処理は、本開示の送迎車両管理方法におけるフライト運航情報取得ステップに相当する。
【0028】
代替送迎車両抽出部15により実行される処理は、本開示の送迎車両管理方法における代替送迎車両抽出ステップに相当し、配車キャンセル確認部16により実行される処理は、本開示の送迎車両管理方法における配車キャンセル確認ステップに相当する。配車送迎車両変更部17により実行される処理は、本開示の送迎車両管理方法における配車送迎車両変更ステップに相当する。
【0029】
配車状況情報取得部11は、送迎車両から送信される各送迎車両の空き状況、走行地点等を示す配車状況情報を受信して、配車状況DB32に随時記録する。送迎車両予約受付部12は、利用者端末50から送信される送迎予約申請情報Brqを受信することにより、利用者Uによる送迎車両の配送の予約を受け付ける。送迎予約申請情報Brqには、乗車地点、乗車時刻、希望する運転者の選択条件(性別、実績評価レベル等)等の配車予約条件が含まれる。さらに、利用者Uが、図1に示したように、フライトFLでの移動に続いて送迎車両を利用することを、送迎車両を予約する際に提示した場合は、送迎予約申請情報Brqには、配車予約条件の乗車地点と乗車時刻が、空路での移動の到着地点と到着予定時刻に対応していることを示す情報が含まれる。
【0030】
予約対応配車手配部13は、配車状況DB32を参照して、送迎予約申請情報Brqにより示される配車予約条件に対応した予約対応配車が可能な第1送迎車両110を抽出して、第1送迎車両110による予約対応配車の予約を手配する。フライト運航情報取得部14は、予約対応配車が、図1に示したように、フライトFLに対応して設定されている場合に、航空機管理システム200の航空機運航DB201にアクセスして、フライトFLの運航状況を示すフライト運航情報Fifを取得する。
【0031】
代替送迎車両抽出部15は、フライト運航情報FifからフライトFLの到着予定時刻の遅延が認識されるときに、配車状況DB32の配車状況情報に基づいて、遅延後の到着予定時刻に対応した配車が可能な第2送迎車両120を抽出する第1代替送迎車両抽出処理を実行する。また、代替送迎車両抽出部15は、フライト運航情報FifからフライトFLの到着地点の変更が認識されるときに、配車状況DB32の配車状況情報に基づいて、変更後の到着地点であるポートFa2に対応した配車が可能な第2送迎車両120を抽出する第2代替送迎車両抽出処理を実行する。
【0032】
配車キャンセル確認部16は、代替送迎車両抽出部15により第2送迎車両120が抽出されたときに、第1送迎車両110の通信装置111に対して、予約対応配車のキャンセルの要否を問合わせる配車キャンセル確認情報Cciを送信する。この場合に、後述するように、到着予定時刻の遅延時間が所定時間未満であるとき、又は変更前の到着地点であるポートFa1と変更後の到着地点であるポートFa2との距離L(図1参照)が所定距離未満であるときに、配車キャンセル確認情報Cciを通信装置111に対して送信するようにしてもよい。また、配車キャンセル確認情報Cciに、配車状況DB32から認識される、予約対応配車をキャンセルした場合の空き時間を利用して対応が可能な配車需要の情報を含めてもよい。
【0033】
配車送迎車両変更部17は、配車キャンセル確認情報Cciを確認した第1送迎車両110の運転者D1による予約対応配車をキャンセルする操作に応じて、通信装置111から送信される予約対応配車のキャンセルを申請する配車キャンセル申請情報Crqを受信したときに、第1送迎車両110による予約対応配車の手配をキャンセルする。そして、配車送迎車両変更部17は、到着予定時刻の遅延後又は到着地点の変更後のフライトFLに対応した第2送迎車両120による配車を手配する。
【0034】
運転者選択条件情報取得部18は、利用者Uが送迎車両の予約を行う際に提示した希望する運転者の選択条件を示す運転者選択条件情報を、上述した送迎予約申請情報Brqから抽出して取得する。代替送迎車両抽出部15は、運転者選択条件情報取得部18により運転者選択条件情報が取得されたときには、運転者選択条件を満たす運転者D2が運転する第2送迎車両120を抽出する。
【0035】
追加報酬付与部19は、フライトFLの到着時効の遅延又は到着地点の変更が生じたときに、第1送迎車両110の運転者D1が、予約対応配車をキャンセルせずに、遅延に応じた待機又は変更後の到着地点での利用者Uの乗車に対応することを選択した場合に、運転者D1に追加報酬を付与する処理を実行する。追加報酬としては、例えば、待機時間に応じた利用料金の増額、変更後の到着地点への移動距離に応じた利用料金の増額等が適用される。
【0036】
[3.配車送迎車両の変更処理]
図3図4に示したフローチャートに従って、図1に示した状況において、送迎車両管理システム1により実行される配車送迎車両の変更処理の手順について説明する。送迎車両管理システム1は、図1に示したように、フライトFLに対応して、フライトFLの到着地点であるポートFa1を乗車地点とする第1送迎車両110の予約対応配車が手配されているときに、図3図4に示したフローチャートによる処理を実行する。
【0037】
図3のステップS1,S20の処理により、代替送迎車両抽出部15は、フライト運航情報取得部14により取得されるフライトFLのフライト運航情報Fif(図2参照)に基づいて、ステップS1でフライトFLの到着予定時刻の遅延の有無を判断する。また、ステップS20で、代替送迎車両抽出部15は、フライトFLの到着地点の変更の有無を判断する。そして、代替送迎車両抽出部15は、フライトFLの到着予定時刻の遅延が生じたときに、ステップS1からステップS2に処理を進め、フライトFLの到着地点の変更が生じたときに、ステップS20から図4のステップS40に処理を進める。
【0038】
ステップS2で、代替送迎車両抽出部15は、配車状況DB32を参照して、遅延後の到着予定時刻における到着地点のポートFa1での利用者Uの乗車に対応可能な送迎車両(第2送迎車両)120を探索する。続くステップS3で、代替送迎車両抽出部15は、第2送迎車両120が抽出されたときはステップS4に処理を進め、第2送迎車両120が抽出されなかったときにはステップS8に処理を進める。ここで、第2送迎車両120が抽出されなかった場合に、第1送迎車両110の運転者D1が、遅延したフライトFLの到着までポートFa1に待機して利用者Uの送迎に対応したときには、運転者D1に対して追加報酬を付与するようにしてもよい。
【0039】
ステップS4で、配車キャンセル確認部16は、フライトFLの到着予定時刻の遅延時間が所定時間未満であるか否かを判断する。そして、配車キャンセル確認部16は、フライトFLの到着予定時刻の遅延時間が所定時間未満であるときはステップS5に処理を進め、フライトFLの到着予定時刻の遅延時間が所定時間以上であるときにはステップS30に処理を進める。
【0040】
ステップS5で、配車キャンセル確認部16は、第1送迎車両110の通信装置111に対して、予約対応配車のキャンセルの要否を問合わせる配車キャンセル確認情報Cciを送信する。次のステップS6で、配車キャンセル確認部16は、第1送迎車両110の通信装置111から、予約対応配車のキャンセルを申請する配車キャンセル申請情報Crqを受信したか否かを判断する。そして、配車キャンセル確認部16は、配車キャンセル申請情報Crqを受信したときはステップS30に処理を進め、配車キャンセル申請情報Crqを受信しなかったときにはステップS7に処理を進める。
【0041】
ステップS30で、配車送迎車両変更部17は、第1送迎車両110による予約対応配車の手配をキャンセルする。次のステップS31で、配車送迎車両変更部17は、到着予定時刻が変更されたフライトFLに対応したポートFa1への第2送迎車両120の配車を手配して、ステップS8に処理を進める。ステップS7で、追加報酬付与部19は、予約対応配車の手配をキャンセルせずに、到着予定時刻に応じた待機を選択した第1送迎車両110の運転者D1に対して、追加報酬を付与する。
【0042】
図4のステップS40で、代替送迎車両抽出部15は、配車状況DB32を参照して、変更後のフライトFLの到着地点であるFa2での利用者Uの乗車に対応可能な送迎車両(第2送迎車両)120を探索する。続くステップS41で、代替送迎車両抽出部15は、第2送迎車両120が抽出されたときはステップS42に処理を進め、第2送迎車両120が抽出されなかったときには図3のステップS8に処理を進める。ここで、第2送迎車両120が抽出されなかった場合に、第1送迎車両110の運転者D1が、変更後のフライトFLの到着地点であるFa2に向かって利用者Uの送迎に対応したときには、運転者D1に対して追加報酬を付与するようにしてもよい。
【0043】
ステップS42で、配車キャンセル確認部16は、フライトFLの変更前の到着地点であるポートFa1と変更後の到着地点であるポートFa2との距離L(図1参照)が所定距離未満であるか否かを判断する。そして、配車キャンセル確認部16は、距離Lが所定距離未満であるときはステップS43に処理を進め、距離Lが所定距離以上であるときにはステップS50に処理を進める。
【0044】
ステップS43で、配車キャンセル確認部16は、第1送迎車両110の通信装置111に対して、予約対応配車のキャンセルの要否を問合わせる配車キャンセル確認情報Cciを送信する。次のステップS44で、配車キャンセル確認部16は、第1送迎車両110の通信装置111から、予約対応配車のキャンセルを申請する配車キャンセル申請情報Crqを受信したか否かを判断する。そして、配車キャンセル確認部16は、配車キャンセル申請情報Crqを受信したときはステップS50に処理を進め、配車キャンセル申請情報Crqを受信しなかったときにはステップS45に処理を進める。
【0045】
ステップS50で、配車送迎車両変更部17は、第1送迎車両110による予約対応配車の手配をキャンセルする。次のステップS51で、配車送迎車両変更部17は、到着地がポートFa1からポートFa2に変更されたフライトFLに対応した、ポートFa2への第2送迎車両120の配車を手配して、図3のステップS8に処理を進める。ステップS45で、追加報酬付与部19は、予約対応配車の手配をキャンセルせずに、到着地点の変更に応じた移動を選択した第1送迎車両110の運転者D1に対して、追加報酬を付与する。
【0046】
[4.他の実施形態]
上記実施形態では、代替送迎車両抽出部15は、フライトFLの到着予定時刻の遅延に対応した第1代替送迎車両抽出処理と、フライトFLの到着地点の変更に対応した第2代替送迎車両抽出処理とを実行して、第1送迎車両110と代替可能な第2送迎車両を抽出した。他の実施形態として、代替送迎車両抽出部15が、第1代替送迎車両抽出処理と第2代替車両抽出処理のいずれか一方のみを実行する構成としてもよい。
【0047】
上記実施形態では、配車キャンセル確認部16は、フライトFLの到着予定時刻の遅延時間が所定時間未満である場合、及びフライトFLの変更前の到着地点と変更後の到着地点との距離が所定距離以上である場合に、第1送迎車両110の通信装置111に対して配車キャンセル確認情報を送信した。他の実施形態として、フライトFLの到着予定時刻の遅延が生じたときに、遅延時間が所定時間未満であるか否かにかかわらず、第1送迎車両110の通信装置111に対して配車キャンセル確認情報を送信するようにしてもよい。また、フライトFLの到着地点の変更が生じたときに、変更前の到着地点と変更後の到着地点との距離が所定距離未満であるか否かにかかわらず、第1送迎車両110の通信装置111に対して配車キャンセル確認情報を送信するようにしてもよい。
【0048】
上記実施形態では、運転者選択条件情報取得部18を備えて、代替送迎車両抽出部15は、利用者Uが提示した運転者の選択条件に適合する運転者が運転する第2送迎車両120を抽出した。他の実施形態として、運転者選択条件情報取得部18を省略した構成としてもよい。
【0049】
上記実施形態では、追加報酬付与部19を備えて、フライトFLの到着予定時刻の遅延又は到着地点の変更が生じたときに、予約対応配車をキャンセルしなかった第1送迎車両110の運転者D1に対して追加報酬を付与する処理を行った。他の実施形態として、追加報酬付与部19を省略した構成としてもよい。
【0050】
上記実施形態では、送迎車両管理システム1は、フライトFLの遅延又は到着地点の変更を要因として、送迎車両への乗車地点に利用者Uが到着する時刻の遅れ又は乗車地点の変更が生じた場合に対応して、第1送迎車両110の運転者D1による予約対応配車のキャンセルと、第1送迎車両110の代替する第2送迎車両120の手配とを行った。他の実施形態として、フライトFLの遅延又は到着地点の変更以外の要因によって、利用者Uの乗車地点への到着時刻の遅れ又は乗車地点の変更が生じた場合にも、第1送迎車両110の運転者D1による予約対応配車のキャンセルと、第1送迎車両110の代替する第2送迎車両120の手配とを行うようにしてもよい。
この場合は、送迎車両管理システム1が、例えば、利用者端末50から送迎車両管理システム1に送信される利用者移動情報を取得する利用者移動情報取得部を備える構成となる。そして、代替送迎車両抽出部15は、利用者移動情報により示される、利用者Uの移動状況や移動状況に応じた乗車地点への遅延或いは乗車地点の変更の通知状況から、利用者Uの乗車地点への到着の遅れ又は乗車地点の変更を認識する。
【0051】
また、eVTOL等の航空機やその他の交通機関を含む移動計画の全体的な手配を行う管理システムの中に、本開示の送迎車両管理システムを適用する実施形態としてもよい。
【0052】
なお、図2は、本願発明の理解を容易にするために、送迎車両管理システム1の機能構成を、主な処理内容により区分して示した概略図であり、送迎車両管理システム1の構成を、他の区分によって構成してもよい。また、各構成要素の処理は、1つのハードウェアユニットにより実行されてもよいし、複数のハードウェアユニットにより実行されてもよい。また、図3図4に示した各構成要素による処理は、1つのプログラムにより実行されてもよいし、複数のプログラムにより実行されてもよい。
【0053】
[5.上記実施形態によりサポートされる構成]
上記実施形態は、以下の構成の具体例である。
【0054】
(構成1)複数の送迎車両の配車状況示す配車状況情報を取得する配車状況情報取得部と、送迎車両の利用を希望する利用者により使用される利用者端末から送信される送迎予約申請情報を受信して、前記利用者による送迎車両の予約を受け付ける送迎車両予約受付部と、前記配車状況情報に基づいて、前記送迎予約申請情報により示される配車予約条件に対応した予約対応配車が可能な第1送迎車両を抽出して、前記第1送迎車両による前記予約対応配車を手配する予約対応配車手配部と、前記予約対応配車が、前記利用者が利用する対象フライトの到着地点を前記利用者の乗車地点とし、前記予約対応配車の乗車予定時刻が、前記対象フライトの到着地点への到着予定時刻に対応して設定されている場合に、前記対象フライトの運航状況を示すフライト運航情報を取得するフライト運航情報取得部と、前記フライト運航情報から前記対象フライトの到着予定時刻の遅延が認識されるときに、前記配車状況情報に基づいて、遅延後の到着予定時刻に対応した配車が可能な第2送迎車両を抽出する第1代替送迎車両抽出処理と、前記フライト運航情報から前記対象フライトの到着地点の変更が認識されるときに、前記配車状況情報に基づいて、変更後の到着地点に対応した配車が可能な第2送迎車両を抽出する第2代替送迎車両抽出処理と、のうちの少なくともいずれか一方を実行する代替送迎車両抽出部と、前記代替送迎車両抽出部により前記第2送迎車両が抽出されたときに、前記第1送迎車両の運転者により使用される運転者端末に対して、前記予約対応配車のキャンセルの要否を問合わせる配車キャンセル確認情報を送信する配車キャンセル確認部と、前記配車キャンセル確認情報の受信に応じて前記運転者端末から送信される、前記予約対応配車のキャンセルを申請する配車キャンセル申請情報を受信したときに、前記第1送迎車両による前記予約対応配車の手配をキャンセルして、到着予定時刻の遅延後又は到着地点の変更後の前記対象フライトに対応した前記第2送迎車両による配車を手配する配車送迎車両変更部と、を備える送迎車両管理システム。
構成1の送迎車両管理システムによれば、対象フライトのスケジュール変更により、フライトの到着地を乗車地とする配車の予約がなされた送迎車両の運転者が被る損失を、配車を予約した利用者の到着地からの移動に支障が生じることを回避しながら、抑制することができる。
【0055】
(構成2)前記配車キャンセル確認情報には、前記予約対応配車をキャンセルすることにより生じる前記第1送迎車両の空き時間で対応可能な配車需要の情報が含まれる構成1に記載の送迎車両管理システム。
構成2の送迎車両管理システムによれば、第1送迎車両の運転者は、予約対応配車に代替して請け負うことができる配車需要の有無を確認して、予約対象配車をキャンセルするか否かを判断することができる。
【0056】
(構成3)前記配車キャンセル確認部は、前記対象フライトの到着予定時刻の遅延時間が所定時間未満であるとき、又は前記対象フライトの変更された到着地点と変更前の到着地点との距離が所定距離未満であるときに、前記配車キャンセル確認情報を前記運転者端末に送信し、前記配車送迎車両変更部は、前記対象フライトの到着予定時刻の遅延時間が前記所定時間以上であるとき、又は前記対象フライトの変更された到着地点と変更前の到着地点との距離が前記所定距離以上であるときには、前記運転者端末からの前記配車キャンセル申請情報の受信に依らずに前記第1送迎車両による前記予約対応配車の手配をキャンセルして、前記第2送迎車両による配車を手配する構成1又は構成2に記載の送迎車両管理システム。
構成3の送迎車両管理システムによれば、対象フライトの到着予定時刻の遅延又は到着地点の変更により第1送迎車両の運転者が被る損失が大きいと想定される場合に、第1送迎車両による予約対応配車の手配を自動的にキャンセルして、第1送迎車両の運転者の便宜を図ることができる。
【0057】
(構成4)前記利用者により指定された送迎車両の運転者の選択条件を示す運転者選択条件情報を取得する運転者選択条件情報取得部を備え、前記代替送迎車両抽出部は、前記運転者選択条件情報により示される前記選択条件を満たす運転者が運転を担当する送迎車両の中から、前記第2送迎車両を抽出する構成1から構成3のうちいずれか1つの構成に記載の送迎車両管理システム。
構成4の送迎車両管理システムによれば、代替送迎車両として、利用者の意に反する運転者が運転する送迎車両が選択されることを回避することができる。
【0058】
(構成5)前記第1送迎車両の運転者が、前記予約対応配車をキャンセルせずに、前記対象フライトの到着予定時刻の遅延に対応した待機、又は前記対象フライトの到着地点の変更に応じた前記利用者の乗車地点の変更に対応した場合に、前記第1送迎車両の運転者に対して、追加の報酬を付与するための処理を実行する追加報酬付与部を備える構成1から構成4のうちいずれか1つの構成に記載の送迎車両管理システム。
構成5の送迎車両管理システムによれば、対象フライトの到着予定時刻の遅延又は到着地点の変更により第1送迎車両の運転者が被る損失を、追加報酬により補填することによって、予約対応配車をキャンセルしない対応を第1送迎車両の運転者に促すことができる。
【0059】
(構成6)複数の送迎車両の配車状況示す配車状況情報を取得する配車状況情報取得部と、送迎車両の利用を希望する利用者により使用される利用者端末から送信される送迎予約申請情報を受信して、前記利用者による送迎車両の予約を受け付ける送迎車両予約受付部と、前記配車状況情報に基づいて、前記送迎予約申請情報により示される配車予約条件に対応した予約対応配車が可能な第1送迎車両を抽出して、前記第1送迎車両による前記予約対応配車を手配する予約対応配車手配部と、前記利用者の移動状況を示す利用者移動情報を取得する利用者移動情報取得部と、前記利用者移動情報から、前記予約対応配車により設定された乗車地点での乗車予定時刻に対して、前記利用者の到着が遅れることが認識されるときに、前記配車状況情報に基づいて、遅延後の到着予定時刻に対応した配車が可能な第2送迎車両を抽出する第1代替送迎車両抽出処理と、前記利用者移動情報から、前記予約対応配車により設定された乗車地点に対して、前記利用者の乗車地点の変更が認識されるときに、前記配車状況情報に基づいて、変更後の乗車地点に対応した配車が可能な第2送迎車両を抽出する第2代替送迎車両抽出処理と、のうちの少なくともいずれか一方を実行する代替送迎車両抽出部と、前記代替送迎車両抽出部により前記第2送迎車両が抽出されたときに、前記第1送迎車両の運転者により使用される運転者端末に対して、前記予約対応配車のキャンセルの要否を問合わせる配車キャンセル確認情報を送信する配車キャンセル確認部と、前記配車キャンセル確認情報の受信に応じて前記運転者端末から送信される、前記予約対応配車のキャンセルを申請する配車キャンセル申請情報を受信したときに、前記第1送迎車両による前記予約対応配車の手配をキャンセルして、前記利用者の乗車地点への遅れ又は前記利用者の乗車地点の変更に対応した前記第2送迎車両による配車を手配する配車送迎車両変更部と、を備える送迎車両管理システム。
構成6の送迎車両管理システムによれば、利用者が利用しているフライトの到着の遅れ又は到着地点の変更を含む種々の要因によって、予約対応配車により設定された乗車地点での乗車予定時刻に対する利用者の到着の遅れ、又は利用者の乗車地点の変更が認識されたときに、予約対応配車により配車の予約がなされた送迎車両の運転者が被る損失を、配車を予約した利用者の到着地からの移動に支障が生じることを回避して、抑制することができる。
【0060】
(構成7)コンピュータにより実行される送迎車両管理方法であって、複数の送迎車両の配車状況示す配車状況情報を取得する配車状況情報取得ステップと、送迎車両の利用を希望する利用者により使用される利用者端末から送信される送迎予約申請情報を受信して、前記利用者による送迎車両の予約を受け付ける送迎車両予約受付ステップと、前記配車状況情報に基づいて、前記送迎予約申請情報により示される配車予約条件に対応した予約対応配車が可能な第1送迎車両を抽出して、前記第1送迎車両による前記予約対応配車を手配する予約対応配車手配ステップと、前記予約対応配車が、前記利用者が利用する対象フライトの到着地点を前記利用者の乗車地点とし、前記予約対応配車の乗車予定時刻が、前記対象フライトの到着地点への到着予定時刻に対応して設定されている場合に、前記対象フライトの運航状況を示すフライト運航情報を取得するフライト運航情報取得ステップと、前記フライト運航情報から前記対象フライトの到着予定時刻の遅延が認識されるときに、前記配車状況情報に基づいて、遅延後の到着予定時刻に対応した配車が可能な第2送迎車両を抽出する第1代替送迎車両抽出処理と、前記フライト運航情報から前記対象フライトの到着地点の変更が認識されるときに、前記配車状況情報に基づいて、変更後の到着地点に対応した配車が可能な第2送迎車両を抽出する第2代替送迎車両抽出処理と、のうちの少なくともいずれか一方を実行する代替送迎車両抽出ステップと、前記代替送迎車両抽出ステップにより前記第2送迎車両が抽出されたときに、前記第1送迎車両の運転者により使用される運転者端末に対して、前記予約対応配車のキャンセルの要否を問合わせる配車キャンセル確認情報を送信する配車キャンセル確認ステップと、前記配車キャンセル確認情報の受信に応じて前記運転者端末から送信される、前記予約対応配車のキャンセルを申請する配車キャンセル申請情報を受信したときに、前記第1送迎車両による前記予約対応配車の手配をキャンセルして、到着予定時刻の遅延後又は到着地点の変更後の前記対象フライトに対応した前記第2送迎車両による配車を手配する配車送迎車両変更ステップと、を含む送迎車両管理方法。
構成7の送迎車両管理方法をコンピュータにより実行することによって、構成1の送迎車両管理システムと同様の作用効果を得ることができる。
【符号の説明】
【0061】
1…送迎車両管理システム、10…プロセッサ、11…配車状況情報取得部、12…送迎車両予約受付部、13…予約対応配車手配部、14…フライト運航情報取得部、15…代替送迎車両抽出部、16…配車キャンセル確認部、17…配車送迎車両変更部、18…運転者選択条件情報取得部、19…追加報酬付与部、30…メモリ、31…プログラム、32…配車状況DB、40…通信ユニット、50…利用者端末、100…航空機、110…第1送迎車両、111…第1送迎車両の通信装置、120…第2送迎車両、121…第2送迎車両の通信装置、200…航空機管理システム、201…航空機運航DB、300…通信ネットワーク、U…利用者、D1…第1送迎車両の運転者。
図1
図2
図3
図4