(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024140748
(43)【公開日】2024-10-10
(54)【発明の名称】航空機管理システム、及び航空機管理方法
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/40 20240101AFI20241003BHJP
【FI】
G06Q50/30
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023052063
(22)【出願日】2023-03-28
(71)【出願人】
【識別番号】000005326
【氏名又は名称】本田技研工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001081
【氏名又は名称】弁理士法人クシブチ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】山崎 佑朋
(72)【発明者】
【氏名】安藤 光健
【テーマコード(参考)】
5L049
5L050
【Fターム(参考)】
5L049CC42
5L050CC42
(57)【要約】
【課題】航空機による利用者の効率の良い移動をサポートすることができる航空機管理システム、及び航空機管理方法を提供する。
【解決手段】航空機管理システム1は、第1利用者到着時刻から対象フライトの第1地点からの予定出発時刻までの待ち時間が第1所定時間以上であるときに、対象フライトの出発時刻の繰上げの要否を問合わせる出発時刻繰上げ確認情報を、第1利用者端末51に送信する出発時刻繰上げ確認部18と、出発時刻繰上げ案内情報の受信に応じて第1利用者端末51から送信される、対象フライトの出発時刻の繰上げを要請する出発繰上げ要請情報を受信したときに、対象フライトの出発時刻の繰上げを手配する出発時刻繰上げ手配部19と、を備える。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1利用者により使用される第1利用者端末から送信される前記第1利用者のスケジュール情報に基づいて、前記第1利用者の移動計画を認識する移動計画認識部と、
前記移動計画に第1地点から第2地点への対象フライトによる移動が含まれる場合に、前記第1利用者が前記第1地点に到着する時刻である第1利用者到着時刻を認識する第1利用者到着時刻認識部と、
前記第1利用者到着時刻から前記対象フライトの前記第1地点からの予定出発時刻までの待ち時間が、第1所定時間以上であるときに、前記対象フライトの出発時刻の繰上げの要否を問合わせる出発時刻繰上げ確認情報を、前記第1利用者端末に送信する出発時刻繰上げ確認部と、
前記出発時刻繰上げ案内情報の受信に応じて前記第1利用者端末から送信される、前記対象フライトの出発時刻の繰上げを要請する出発繰上げ要請情報を受信したときに、前記対象フライトの出発時刻の繰上げを手配する出発時刻繰上げ手配部と、
を備える航空機管理システム。
【請求項2】
前記第2地点からの移動に利用可能な地上移動体の運行状況を示す地上移動体運行情報を取得する地上移動体運行情報取得部と、
前記移動計画と前記地上移動体運行情報とに基づいて、前記第2地点から前記移動計画の目的地までの移動経路で利用可能な対象地上移動体を認識する対象地上移動体認識部と、を備え、
前記出発時刻繰上げ確認部は、前記対象地上移動体の情報を含む前記出発時刻繰上げ確認情報を、前記第1利用者端末に送信する
請求項1に記載の航空機管理システム。
【請求項3】
前記第1地点から前記第2地点へのフライトの運航状況を示すフライト運航情報を取得するフライト運航情報取得部と、
前記フライト運航情報に基づいて、前記対象フライトの利用を予約済みの第2利用者に対する前記対象フライトの代替フライトの手配の可否を確認する代替フライト確認部と、
を備え、
前記出発時刻繰上げ確認部は、前記代替フライト確認部により、前記第2利用者に対する前記代替フライトの手配が可能であることが確認できた場合に、前記出発時刻繰上げ確認情報を前記第1利用者端末に送信する
請求項1又は請求項2に記載の航空機管理システム。
【請求項4】
前記出発時刻繰上げ確認部は、出発時刻を繰り上げて前記対象フライトを利用する場合の追加料金の情報を含む前記出発時刻繰上げ確認情報を、前記第1利用者端末に送信する
請求項1又は請求項2に記載の航空機管理システム。
【請求項5】
第1利用者に使用される第1利用者端末から送信される第1利用者のスケジュール情報に基づいて、前記第1利用者の移動計画を認識する移動計画認識部と、
前記移動計画に第1地点から第2地点への対象フライトによる移動が含まれる場合に、前記第1利用者が前記第1地点に到着する時刻である第1利用者到着時刻を認識する第1利用者到着時刻認識部と、
前記対象フライトの利用を予約済みの第2利用者が、前記第1地点に到着する時刻である第2利用者到着時刻を認識する第2利用者到着時刻認識部と、
前記対象フライトの前記第1地点からの予定出発時刻から前記第2利用者到着時刻までの遅れ時間が第2所定時間以上であるときに、前記遅れ時間に応じた前記対象フライトの出発時刻の繰下げの可否を問合わせる出発時刻繰下げ確認情報を、前記第1利用者端末に送信する出発時刻繰下げ確認部と、
前記出発時刻繰下げ確認情報の受信に応じて前記第1利用者端末から送信される、前記対象フライトの出発時刻の繰下げを容認する出発時刻繰下げ容認情報を受信したときに、前記対象フライトの出発時刻の繰り下げを手配する出発時刻繰下げ手配部と、
を備える航空機管理システム。
【請求項6】
前記第2地点からの移動に利用可能な地上移動体の運行情報を示す地上移動体運行情報を取得する地上移動体運行情報取得部と、
前記移動計画と前記地上移動体運行情報とに基づいて、前記第2地点から前記移動計画の目的地までの移動経路で利用可能な対象移動体を認識する対象地上移動体認識部と、を備え、
前記出発時刻繰下げ確認部は、対象移動体の情報を含む前記出発時刻繰下げ確認情報を、前記第1利用者端末に送信する
請求項5に記載の航空機管理システム。
【請求項7】
前記出発時刻繰下げ確認部は、出発時刻を繰り下げて前記対象フライトを利用する場合のインセンティブの情報を含む前記出発時刻繰下げ確認情報を、前記第1利用者端末に送信する
請求項5又は請求項6に記載の航空機管理システム。
【請求項8】
コンピュータにより実行される航空機管理方法であって、
第1利用者により使用される第1利用者端末から送信される前記第1利用者のスケジュール情報に基づいて、前記第1利用者の移動計画を認識する移動計画認識ステップと、
前記移動計画に第1地点から第2地点への対象フライトによる移動が含まれる場合に、前記第1利用者が前記第1地点に到着する時刻である第1利用者到着時刻を認識する第1利用者到着時刻認識ステップと、
前記第1利用者到着時刻から前記対象フライトの前記第1地点からの予定出発時刻までの待ち時間が、第1所定時間以上であるときに、前記対象フライトの出発時刻の繰上げの要否を問合わせる出発時刻繰上げ確認情報を、前記第1利用者端末に送信する出発時刻繰上げ確認ステップと、
前記出発時刻繰上げ案内情報の受信に応じて前記第1利用者端末から送信される、前記対象フライトの出発時刻の繰上げを要請する出発繰上げ要請情報を受信したときに、前記対象フライトの出発時刻の繰上げを手配する出発時刻繰上げ手配ステップと、
を含む航空機管理方法。
【請求項9】
コンピュータにより実行される航空機管理方法であって、
第1利用者に使用される第1利用者端末から送信される第1利用者のスケジュール情報に基づいて、前記第1利用者の移動計画を認識する移動計画認識ステップと、
前記移動計画に第1地点から第2地点への対象フライトによる移動が含まれる場合に、前記第1利用者が前記第1地点に到着する時刻である第1利用者到着時刻を認識する第1利用者到着時刻認識ステップと、
前記対象フライトの利用を予約済みの第2利用者が、前記第1地点に到着する時刻である第2利用者到着時刻を認識する第2利用者到着時刻認識ステップと、
前記対象フライトの前記第1地点からの予定出発時刻から前記第2利用者到着時刻までの遅れ時間が第2所定時間以上であるときに、前記遅れ時間に応じた前記対象フライトの出発時刻の繰下げの可否を問合わせる出発時刻繰下げ確認情報を、前記第1利用者端末に送信する出発時刻繰下げ確認ステップと、
前記出発時刻繰下げ確認情報の受信に応じて前記第1利用者端末から送信される、前記対象フライトの出発時刻の繰下げを容認する出発時刻繰下げ容認情報を受信したときに、前記対象フライトの出発時刻の繰り下げを手配する出発時刻繰下げ手配ステップと、
を含む航空機管理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、航空機管理システム、及び航空機管理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、乗客からの要求に応じてVTOL(Vertical Take-Off and Landing)での移動を含む旅程を手配し、乗客がVTOLに搭乗したことが確認されたときに追加の搭乗者を待つべきか否かを決定して、所定条件が成立したときにVTOLを離陸させる技術が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
航空機の搭乗に際しては、鉄道等の他の公共交通機関よりも搭乗手続きに時間を要するため、航空機の利用者は、余裕をもってフライトの出発地点のポートに向かうのが一般的である。そのため、利用者が出発地点のポートに早く着き過ぎて、利用者がポートで離陸を待つ時間が長くなる場合がある。また、上記背景技術のように追加の搭乗者を待つことにより或いは悪天候等により、フライトが遅れる場合にも、利用者がポートで離陸を待つ時間が長くなる。これらの場合、利用者の効率の良い移動が妨げられるが、上記背景技術では、利用者の効率の良については考慮されていないため、改良の余地がある。
本発明はかかる背景に鑑みてなされてものであり、航空機による利用者の効率の良い移動をサポートすることができる航空機管理システム、及び航空機管理方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するための第1態様として、第1利用者により使用される第1利用者端末から送信される前記第1利用者のスケジュール情報に基づいて、前記第1利用者の移動計画を認識する移動計画認識部と、前記移動計画に第1地点から第2地点への対象フライトによる移動が含まれる場合に、前記第1利用者が前記第1地点に到着する時刻である第1利用者到着時刻を認識する第1利用者到着時刻認識部と、前記第1利用者到着時刻から前記対象フライトの前記第1地点からの予定出発時刻までの待ち時間が、第1所定時間以上であるときに、前記対象フライトの出発時刻の繰上げの要否を問合わせる出発時刻繰上げ確認情報を、前記第1利用者端末に送信する出発時刻繰上げ確認部と、前記出発時刻繰上げ案内情報の受信に応じて前記第1利用者端末から送信される、前記対象フライトの出発時刻の繰上げを要請する出発繰上げ要請情報を受信したときに、前記対象フライトの出発時刻の繰上げを手配する出発時刻繰上げ手配部と、を備える航空機管理システムが挙げられる。
【0006】
上記第1態様の航空機管理システムにおいて、前記第2地点からの移動に利用可能な地上移動体の運行状況を示す地上移動体運行情報を取得する地上移動体運行情報取得部と、前記移動計画と前記地上移動体運行情報とに基づいて、前記第2地点から前記移動計画の目的地までの移動経路で利用可能な対象地上移動体を認識する対象地上移動体認識部と、を備え、前記出発時刻繰上げ確認部は、前記対象地上移動体の情報を含む前記出発時刻繰上げ確認情報を、前記第1利用者端末に送信する構成としてもよい。
【0007】
上記第1態様の航空機管理システムにおいて、前記第1地点から前記第2地点へのフライトの運航状況を示すフライト運航情報を取得するフライト運航情報取得部と、前記フライト運航情報に基づいて、前記対象フライトの利用を予約済みの第2利用者に対する前記対象フライトの代替フライトの手配の可否を確認する代替フライト確認部と、を備え、前記出発時刻繰上げ確認部は、前記代替フライト確認部により、前記第2利用者に対する前記代替フライトの手配が可能であることが確認できた場合に、前記出発時刻繰上げ確認情報を前記第1利用者端末に送信する構成としてもよい。
【0008】
上記第1態様の航空機管理システムにおいて、前記出発時刻繰上げ確認部は、出発時刻を繰り上げて前記対象フライトを利用する場合の追加料金の情報を含む前記出発時刻繰上げ確認情報を、前記第1利用者端末に送信する構成としてもよい。
【0009】
上記目的を達成するための第2態様として、第1利用者に使用される第1利用者端末から送信される第1利用者のスケジュール情報に基づいて、前記第1利用者の移動計画を認識する移動計画認識部と、前記移動計画に第1地点から第2地点への対象フライトによる移動が含まれる場合に、前記第1利用者が前記第1地点に到着する時刻である第1利用者到着時刻を認識する第1利用者到着時刻認識部と、前記対象フライトの利用を予約済みの第2利用者が、前記第1地点に到着する時刻である第2利用者到着時刻を認識する第2利用者到着時刻認識部と、前記対象フライトの前記第1地点からの予定出発時刻から前記第2利用者到着時刻までの遅れ時間が第2所定時間以上であるときに、前記遅れ時間に応じた前記対象フライトの出発時刻の繰下げの可否を問合わせる出発時刻繰下げ確認情報を、前記第1利用者端末に送信する出発時刻繰下げ確認部と、前記出発時刻繰下げ確認情報の受信に応じて前記第1利用者端末から送信される、前記対象フライトの出発時刻の繰下げを容認する出発時刻繰下げ容認情報を受信したときに、前記対象フライトの出発時刻の繰り下げを手配する出発時刻繰下げ手配部と、を備える航空機管理システムが挙げられる。
【0010】
上記第2態様の航空機管理システムにおいて、前記第2地点からの移動に利用可能な地上移動体の運行情報を示す地上移動体運行情報を取得する地上移動体運行情報取得部と、前記移動計画と前記地上移動体運行情報とに基づいて、前記第2地点から前記移動計画の目的地までの移動経路で利用可能な対象移動体を認識する対象地上移動体認識部と、を備え、前記出発時刻繰下げ確認部は、対象移動体の情報を含む前記出発時刻繰下げ確認情報を、前記第1利用者端末に送信する構成としてもよい。
【0011】
上記第2態様の航空機管理システムにおいて、前記出発時刻繰下げ確認部は、出発時刻を繰り下げて前記対象フライトを利用する場合のインセンティブの情報を含む前記出発時刻繰下げ確認情報を、前記第1利用者端末に送信する構成としてもよい。
【0012】
上記目的を達成するための第3態様として、コンピュータにより実行される航空機管理方法であって、第1利用者により使用される第1利用者端末から送信される前記第1利用者のスケジュール情報に基づいて、前記第1利用者の移動計画を認識する移動計画認識ステップと、前記移動計画に第1地点から第2地点への対象フライトによる移動が含まれる場合に、前記第1利用者が前記第1地点に到着する時刻である第1利用者到着時刻を認識する第1利用者到着時刻認識ステップと、前記第1利用者到着時刻から前記対象フライトの前記第1地点からの予定出発時刻までの待ち時間が、第1所定時間以上であるときに、前記対象フライトの出発時刻の繰上げの要否を問合わせる出発時刻繰上げ確認情報を、前記第1利用者端末に送信する出発時刻繰上げ確認ステップと、前記出発時刻繰上げ案内情報の受信に応じて前記第1利用者端末から送信される、前記対象フライトの出発時刻の繰上げを要請する出発繰上げ要請情報を受信したときに、前記対象フライトの出発時刻の繰上げを手配する出発時刻繰上げ手配ステップと、を含む航空機管理方法が挙げられる。
【0013】
上記目的を達成するための第4態様として、コンピュータにより実行される航空機管理方法であって、第1利用者に使用される第1利用者端末から送信される第1利用者のスケジュール情報に基づいて、前記第1利用者の移動計画を認識する移動計画認識ステップと、前記移動計画に第1地点から第2地点への対象フライトによる移動が含まれる場合に、前記第1利用者が前記第1地点に到着する時刻である第1利用者到着時刻を認識する第1利用者到着時刻認識ステップと、前記対象フライトの利用を予約済みの第2利用者が、前記第1地点に到着する時刻である第2利用者到着時刻を認識する第2利用者到着時刻認識ステップと、前記対象フライトの前記第1地点からの予定出発時刻から前記第2利用者到着時刻までの遅れ時間が第2所定時間以上であるときに、前記遅れ時間に応じた前記対象フライトの出発時刻の繰下げの可否を問合わせる出発時刻繰下げ確認情報を、前記第1利用者端末に送信する出発時刻繰下げ確認ステップと、前記出発時刻繰下げ確認情報の受信に応じて前記第1利用者端末から送信される、前記対象フライトの出発時刻の繰下げを容認する出発時刻繰下げ容認情報を受信したときに、前記対象フライトの出発時刻の繰り下げを手配する出発時刻繰下げ手配ステップと、を含む航空機管理方法が挙げられる。
【発明の効果】
【0014】
上記航空機管理システム、及び航空機管理方法によれば、航空機による利用者の効率の良い移動をサポートすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】
図1は、航空機管理システムによるフライトの出発時刻の繰上げ対応の説明図である。
【
図2】
図2は、航空機管理システムによるフライトの出発時刻の繰下げ対応の説明図である。
【
図3】
図3は、航空機管理システムの構成図である。
【
図4】
図4は、フライトの出発時刻の変更処理の第1フローチャートである。
【
図5】
図5は、フライトの出発時刻の変更処理の第2フローチャートである。
【
図6】
図6は、フライトの出発時刻の変更処理の第3フローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0016】
[1.航空機管理システムによるフライトの出発時刻の繰上げ及び繰下げ]
図1、
図2を参照して、本実施形態の航空機管理システム1による第1フライトFL1(本開示の対象フライトに相当する)の出発時刻の繰上げ及び繰下げの対応について説明する。
【0017】
第1フライトFL1は、吹き出しB3で示したように、航空機100により、出発地点であるポートFsを10:00に出発して、到着地点であるポートFa1に11:00に到着するスケジュールとなっている。航空機100は、例えばeVTOL(Electric Vertical Take-Off and Landing aircraft)である。ポートFsは本開示の第1地点に相当し、ポートFa1は本開示の第2地点に相当する。また、第1利用者U1と第2利用者U2は、吹き出しB1,B2に示したように、第1フライトFL1の予約を済ませている。
【0018】
第1利用者U1が使用する第1利用者端末51と、第2利用者U2が使用する第2利用者端末52には、航空機予約アプリ(アプリケーションプログラム)とスケジュール管理アプリがインストールされている。第1利用者U1と第2利用者U2は、航空機アプリを使用して航空機の予約をし、また、アプリケーションアプリを使用して移動計画を含むスケジュールを管理する。第1利用者端末51と第2利用者端末52は、例えば、スマートフォン、携帯電話、タブレット端末等である。
図1、
図2では、第1利用者U1は、自宅61を出てポートFsに既に到着しているが、第2利用者U2は自宅62を出て、ポートFsに向かって移動している途中である。
【0019】
航空機管理システム1は、通信ネットワーク300を介して、地上移動体管理システム200、スケジュール管理システム210、第1利用者端末51、第2利用者端末52、及び管理対象の航空機(航空機100、110を含む)との間で通信を行う。スケジュール管理システム210は、第1利用者端末51から送信される第1利用者U1のスケジュール情報と、第2利用者端末52から送信される第2利用者U2のスケジュール情報を保存する。航空機管理システム1は、スケジュール管理システム210にアクセスして、第1利用者U1と第2利用者U2のスケジュール情報を取得することにより、第1利用者U1と第2利用者U2が、第1フライトFL1を利用した移動計画を有していることを認識する。
【0020】
また、航空機管理システム1は、第1利用者端末51から送信される位置情報と第2利用者端末52から送信される位置情報を取得することによって、第1利用者U1と第2利用者U2の現在位置を認識する。そして、航空機管理システム1は、第1利用者U1の現在位置に基づいて第1利用者U1がポートFsに到着する時刻(第1利用者到着時刻)と、第2利用者U2がポートFsに到着する時刻(第2利用者到着時刻)を認識する。
【0021】
図1は、第1利用者U1が、第1フライトFL1の予定出発時刻の10:00よりも早い9:30にポートFsに到着し、その時点では、第2利用者U2が未だポートFsに到着していない状況を例示している。この状況で、第1利用者U1がそのまま第1フライトFL1を利用する場合は、第1利用者U1がポートFsに待機する待ち時間が長くなり、第1利用者U1の移動の効率が低下する。
【0022】
そこで、航空機管理システム1は、第1フライトFL1の出発時刻を繰り上げて、第1利用者U1の待ち時間を減少させることにより、第1利用者U1の効率の良い移動をサポートする処理を実行する。その際に、航空機管理システム1は、第2利用者U2が第1フライトFL1に代えて利用可能な第2フライトFL2を、第2利用者U2に対して手配する。
【0023】
図1では、吹き出しB7に示したように、第1フライトFL1の出発時刻が当初の10:00から9:40に繰り上げられている。第1利用者U1は、第1フライトFL1の到着地点であるポートFa1から最終的な目的地点Da1(施設71の付近)までの移動経路GR1を、シェア車両等の地上移動体150を利用して移動する。第1フライトFL1の出発時刻を繰り上げることにより、第1利用者U1の目的地点Da1への予定到着時刻が11:50から11:30に早まっている。
【0024】
また、航空機管理システム1は、第2利用者U2に対して、吹き出しB6で示した第2利用者U2の目的地点Da2(施設72の付近)への予定到着時刻11:30までに、シェア車両等の地上移動体160による移動経路GR2の移動を組み合わせた移動により、到着することが可能である第2フライトFL2を抽出して手配する。航空機管理システム1は、第2利用者U2の目的地点Da2を含む移動計画と、地上移動体管理システム200にアクセスして取得した地上移動体の運行情報、及び管理する航空機の運航状況に基づいて、第2フライトFL2を抽出する。
【0025】
次に、
図2は、第1利用者U1が、第1フライトFL1の出発時刻10:00よりも前にポートFsに到着したが、吹き出しB8に示したように、第2利用者U2のポートFsへの到着が遅れている状況を例示している。この状況で、第2利用者U2の到着を待つために、第1フライトFL1の出発時刻を無条件に繰り下げると、第1利用者U1がポートFsで待機する時間が長くなって、第1利用者U1の移動の効率が低下する。
【0026】
そこで、航空機管理システム1は、吹き出しB9で示したように、第1利用者U1の移動計画から認識される第1利用者U1の目的地点Da1(施設71の付近)を認識し、地上移動体管理システム200にアクセスして、目的地点Da1までの移動経路GR3(
図1に示したGR1と同じ場合もある)で利用可能なシェア車両等の地上移動体170を認識する。
【0027】
そして、航空機管理システム1は、地上移動体170の情報を示して、第1フライトFL1の出発時刻の繰下げの可否を第1利用者U1に問い合わせ、第1利用者U1が容認した場合に、第1フライトFL1の出発時刻を繰り下げる。
図2では、吹き出しB10に示したように、第1フライトFL1の出発時刻が、当初の10:00から10:20に繰り下げられている。第2利用者U2は、ポートFa1から吹き出しB11で示した目的地点Da2までの移動経路GR4を、シェア車両等の地上移動体180を利用して移動する。この場合は、航空機100の搭乗率を維持して、効率の良いフライトを実施することができる。なお、第1フライトFL1の出発時刻を繰り下げても、第1フライトFL1に使用される航空機100の次の予定フライトに影響が生じないことを条件として、第1フライトFL1の出発時刻の繰り下げを許可するようにしてもよい。
【0028】
[2.航空機管理システムの構成]
図3を参照して、航空機管理システム1の構成について説明する。航空機管理システム1は、プロセッサ10、メモリ30、通信ユニット40等を備えたコンピュータシステムである。航空機管理システム1は、上述したように、通信ネットワーク300を介した通信を行う。
【0029】
地上移動体管理システム200は、送迎車両、シェア車両、バス、鉄道等の地上移動体の運行状況が記録される地上移動体運行DB(データベース)を備えている。スケジュール管理システム211は、上述したように、第1利用者端末51から送信される第1利用者U1のスケジュール情報、及び第2利用者端末52から送信される第2利用者U2のスケジュール情報を受信して、スケジュールDB211に記録する。
【0030】
メモリ30には、航空機管理システム1の制御用のプログラム31、航空機管理システム1が管理するフライトの運航情報が記録されるフライト運航DB(データベース)32等が保存されている。プログラム31は、記録媒体(磁気ディスク、光学ディスク、フラッシュメモリ等)から読み出されてメモリ30に保存されてもよく、通信ネットワーク300を介して、外部のサーバー等からダウンロードされてメモリ30に保存されてもよい。第1利用者U1と第2利用者U2が、上述しように航空機予約アプリを使用して予約をした第1フライトFL1の予約情報も、フライト運航DB32に記録される。
【0031】
プロセッサ10は、プログラム31を読み込んで実行することにより、移動計画認識部11、第1利用者到着時刻認識部12、第2利用者到着時刻認識部13、地上移動体運行情報取得部14、対象地上移動体認識部15、フライト運航情報取得部16、代替フライト確認部17、出発時刻繰上げ確認部18、出発時刻繰上げ確認部18、出発時刻繰上げ手配部19、出発時刻繰下げ確認部20、及び出発時刻繰下げ手配部21として機能する。プロセッサは、本開示のコンピュータに相当する。
【0032】
移動計画認識部11により実行される処理は、本開示の航空機管理方法における移動計画認識ステップに相当し、第1利用者到着時刻認識部12により実行される処理は、本開示の航空機管理方法における第1利用者到着時刻認識ステップに相当する。第2利用者到着時刻認識部13により実行される処理は、本開示の航空機管理方法における第2利用者到着時刻認識ステップに相当する。出発時刻繰上げ確認部18により実行される処理は、本開示の航空機管理方法における出発時刻繰上げ確認ステップに相当し、出発時刻繰上げ手配部19により実行される処理は、本開示の航空機管理方法における出発時刻繰上げ手配ステップに相当する。出発時刻繰下げ確認部20により実行される処理は、本開示の航空機管理方法における出発時刻繰下げ確認ステップに相当し、出発時刻繰下げ手配部21により実行される処理は、本開示の航空機管理方法における出発時刻繰下げ手配ステップに相当する。
【0033】
移動計画認識部11は、スケジュール管理システム210のスケジュールDB211にアクセスして、第1利用者U1と第2利用者U2のスケジュール情報Sifを取得し、スケジュール情報Sifに基づいて、第1利用者U1と第2利用者U2の移動計画を認識する。
図1、
図2の例では、移動計画認識部11は、第1フライトFL1の利用による移動を含む第1利用者U1と第2利用者U2の移動計画を認識する。
【0034】
第1利用者到着時刻認識部12は、第1利用者端末51から送信される位置検出情報を取得し、位置検出情報に基づいて第1利用者U1がポートFsに到着する時刻(第1利用者到着時刻)を認識(推測)する。第1利用者端末51は、GNSS(Global Navigation Satellite System)センサ等の位置センサによって、第1利用者端末51の現在位置を検出して、位置検出情報を航空機管理システム1に送信する。なお、第1利用者端末51から航空機管理システム1に対して、第1利用者U1のポートFsへの到着予測時刻の情報を送信し、この到着予測時刻の情報に基づいて、第1利用者到着時刻認識部12が第1利用者到着時刻を認識するようにしてもよい。
【0035】
同様に、第2利用者到着時刻認識部13は、第2利用者端末52から送信される位置検出情報に基づいて、第2利用者U2がポートFsに到着する時刻(第2利用者到着時刻)を認識(推測)する。なお、第2利用者端末52から航空機管理システム1に対して、第2利用者U2のポートFsへの到着予測時刻の情報を送信し、この到着予測時刻の情報に基づいて、第2利用者到着時刻認識部13が第2利用者到着時刻を認識するようにしてもよい。
【0036】
地上移動体運行情報取得部14は、地上移動体管理システム200の地上移動体運行DB210にアクセスして、第1フライトFL1の到着地点であるポートFa1から利用可能な地上移動体、及び第2フライトFL2の到着地点であるポートFa2から利用可能な地上移動体の運行状況を示す地上移動体運行情報Gifを取得する。
【0037】
対象地上移動体認識部15は、
図1に例示したように、第1利用者U1がポートFsに早めに到着したことに応じて、第1フライトFL1の出発時刻を繰り上げると共に、第1フライトFL1に代えて第2フライトFL2を第2利用者U2に手配した場合に、第2フライトFL2の到着地点であるポートFa2から利用可能な地上移動体150(対象地上移動体)を、地上移動体運行情報Gifを参照して認識する。
【0038】
また、対象地上移動体認識部15は、
図2に例示したように、第2利用者U2のポートFsへの到着が遅れたことに応じて、第1フライトFL1の出発時刻を繰り下げる場合に、第1フライトFL1の到着地点であるポートFa1から、第1利用者U1が利用可能な地上移動体170(対象地上移動体)を、地上移動体運行情報Gifを参照して認識する。
【0039】
フライト運航情報取得部16は、フライト運航DB32を参照して、ポートFsを出発地点とするフライトの運航情報を取得する。代替フライト確認部17は、
図1に例示したように、第1フライトFL1の出発時刻を繰り上げる場合に、第1フライトFL1に搭乗できなくなる第2利用者U2に対して、第2利用者U2の目的地点Da2に予定到着時刻11:30までに到着可能な地上移動体160を、フライトの到着地点であるポートFa2から利用することができる第2フライトFL2の手配が可能か否かを確認する。
【0040】
出発時刻繰上げ確認部18、出発時刻繰上げ手配部19、出発時刻繰下げ確認部20、及び出発繰下げ手配部21による処理については後述する。
【0041】
[3.フライトの出発時刻の変更処理]
図4から
図6に示したフローチャートに従って、
図1、
図2に示した状況において、航空機管理システム1により実行される第1フライトFL1の出発時刻の変更処理の手順について説明する。航空機管理システム1は、
図1、
図2に示したように、第1利用者U1と第2利用者U2が第1フライトFL1の利用を予約済みである場合に、
図4~
図6に示したフローチャートによる処理を実行する。
【0042】
図4のステップS1で、第1利用者到着時刻認識部12は、第1利用者端末51から送信される位置情報又は到着時刻通知情報に基づいて、第1利用者U1が第1フライトFL1の出発地点であるポートFsに到着する時刻(第1利用者到着時刻)を認識する。続くステップS2で、第2利用者到着時刻認識部13は、第2利用者端末52から送信される位置情報又は到着時刻通知情報に基づいて、第2利用者U2がポートFsに到着する時刻(第2利用者到着時刻)を認識する。
【0043】
次のステップS3は、出発時刻繰上げ確認部18による処理であり、ステップS3で、出発時刻繰上げ確認部18は、第1利用者到着時刻から第1フライトFL1までの待ち時間が第1所定時間以上であるか否かを判断する。そして、出発時刻繰上げ確認部18は、待ち時間が第1所定時間以上であるときはステップS4に処理を進め、待ち時間が第1所定時間未満であるときにはステップS10に処理を進める。
【0044】
ステップS10は出発時刻繰下げ確認部20による処理であり、ステップS10で、出発時刻繰下げ確認部20は、第1フライトFL1の予定出発時刻から第2利用者到着時刻までの遅れ時間が第2所定時間以上であるか否かを判断する。そして、出発時刻繰下げ確認部20は、遅れ時間が第2所定時間以上であるときは
図6のステップS40に処理を進め、遅れ時間が第2所定時間未満であるときにはステップS1に処理を進める。
【0045】
ステップS4~
図5のステップS27は、
図1に例示した第1フライトFL1の出発時刻の繰上げに対応した処理である。ステップS4で、代替フライト確認部17は、第2利用者U2のスケジュール情報Sif、フライト運航DB32、及び地上移動体運行DB201を参照して、第2利用者U2が、第1フライトFL1に代えて利用可能な第2フライトFL2を探索する。続くステップS5で、代替フライト確認部17は、第2フライトFL2が抽出されたときは
図5のステップS20に処理を進め、第2フライトFL2が抽出されなかったときにはステップS6に処理を進める。
【0046】
図5のステップS20で、出発繰上げ確認部18は、
図3に示したように、第2利用者端末52にフライト変更確認情報FCaを送信する。フライト変更確認情報FCaには、第2フライトFL2の到着地点であるポートFa2から利用可能な地上移動体の情報と、フライト変更を容認した場合に得られるインセンティブの情報が含まれる。
【0047】
第2利用者端末52は、フライト変更確認情報FCaの受信に応じてフライト変更の可否確認画面82を表示し、第2利用者U2は、可否確認画面82を確認して、フライトの変更を容認するか否かの選択操作を行う。可否確認画面82には、
図1に示したように第2利用者U2が利用するフライトが変更された場合に(第1フライトFL1→第2フライトFL2)、第2フライトFL2の到着地点であるポートFa2で利用可能な移動手段である地上移動体160と、第2利用者U2が地上移動体160を利用してポートFa2から最終的な目的地点Da2まで移動したときの到着時刻(予測到着時刻)、及びフライトの変更を容認したときに得られるインセンティブが表示される。第2利用者U2がフライト変更の容認操作を行ったときは、第2利用者端末52から航空機管理システム1に対して、フライト変更容認情報FCpが送信される。
【0048】
次のステップS21で、出発繰上げ確認部18は、第2利用者端末52からフライト変更容認情報FCpを受信したときはステップS22に処理を進め、第2利用者端末52からフライト変更容認情報FCpを受信しなかったときには
図4のステップS6に処理を進める。続くステップS22で、出発時刻繰上げ確認部18は、第1利用者端末51に対して出発時刻繰上げ確認情報UTaを送信する。出発時刻繰上げ確認情報UTaには、ポートFa1から利用可能な地上移動体の情報と、出発時刻を繰り上げる際の追加料金の情報が含まれる。
【0049】
第1利用者端末51は、出発時刻繰上げ確認情報UTaの受信に応じて、出発時刻の繰上げの要否確認画面80を表示し、第1利用者U1は、要否確認画面80を確認して、第1フライトFL1の出発時刻の繰上げを希望するか否かの選択操作を行う。要否確認画面80には、
図1に示したように第1フライトFL1の出発時刻が繰上げられた場合に(10:00→9:40)、第1フライトFL1の到着地点であるポートFa1で利用可能な移動手段である地上移動体150と、第1利用者U1が地上移動体を利用してポートFa1から最終的な目的地点Da1まで移動した場合の到着時刻(予測到着時刻)、及び出発時刻の繰上げに必要な追加料金が表示される。第1利用者U1が出発時刻の繰上げ希望の操作を行ったときは、第1利用者端末51から航空機管理システム1に対して、出発時刻繰上げ要請情報UTrが送信される。
【0050】
続くステップS23で、出発時刻繰上げ確認部18は、第1利用者端末51から送信される出発時刻繰上げ要請情報UTrを受信したか否かを判断する。そして、出発時刻繰上げ確認部18は、出発時刻繰上げ要請情報UTrを受信したときはステップS24に処理を進め、出発時刻繰上げ要請情報UTrを受信しなかったときには
図4のステップS6に処理を進める。
【0051】
ステップS24で、出発時刻繰上げ確認部18は、第1利用者端末51に対して、第1フライトFL1の出発時刻の繰下げを実施することを通知する実施情報を送信する。次のステップS25で、出発時刻繰上げ確認部18は、第2利用者端末52に対して、第1フライトFL1から第2フライトFL2への変更を実施することを通知する実施情報を送信する。
【0052】
続くステップS26で、出発時刻繰上げ手配部19は、第1フライトFL1の出発時刻の繰上げを実施する。次のステップS27で、出発時刻繰上げ手配部19は、第2利用者U2について、第1フライトFL1から第2フライトFL2への予約変更を手配して、
図4のステップS6に処理を進める。これにより、
図1に示した例では、第1フライトFL1の出発時刻が10:00から9:40に繰り上げられると共に、第2利用者U2が利用するフライトが第1フライトFL1から第2フライトFL2に変更される。
【0053】
次に、
図6のステップS40~ステップS45は、
図2に例示した第1フライトFL1の出発時刻の繰下げに対応した処理である。ステップS40で、出発時刻繰下げ確認部20は、第1利用者端末51に対して、出発時刻繰下げ確認情報DTa1を送信する。出発時刻繰下げ確認情報DTa1には、第1フライトFL1の到着地点であるポートFa1から利用可能な地上移動体の情報と、第1フライトFL1の出発時刻の繰下げを容認した場合に得られるインセンティブの情報が含まれる。
【0054】
第1利用者端末51は、出発時刻繰下げ確認情報DTa1の受信に応じて、出発時刻の繰下げの可否確認画面81を表示し、第1利用者U1は、可否確認画面81を確認して、第1フライトFL1の出発時刻の繰下げを容認するか否かの選択操作を行う。可否確認画面81には、
図2に示したように第1フライトFL1の出発時刻を繰り下げた場合に(10:00→10:20)、第1フライトFL1の到着地点であるポートFa1で第1利用者U1が利用可能な移動手段である地上移動体170と、第1利用者U1が地上移動体150を利用してポートFa1から最終的な目的地点Da1まで移動したときの到着時刻(予測到着時刻)、及び出発時刻の繰下げを容認したときに得られるインセンティブが表示される。第1利用者U1が出発時刻の繰下げを容認する操作を行ったときは、第1利用者端末51から航空機管理システム1に対して、出発時刻繰下げ容認情報DTpが送信される。
【0055】
続くステップS41で、出発時刻繰下げ確認部20は、第1利用者端末51から送信される出発時刻繰下げ容認情報DTpを受信したか否かを判断する。そして、出発時刻繰下げ確認部20は、出発時刻繰下げ容認情報DTpを受信したときはステップS42に処理を進め、出発時刻繰下げ容認情報DTpを受信しなかったときには
図4のステップS6に処理を進める。
【0056】
ステップS42で、出発時刻繰下げ確認部20は、第2利用者端末52に対して、第1フライトFL1の出発時刻の繰下げを希望するか否かを問合わせる出発時刻繰下げ案内情報DTa2を送信する。出発時刻繰下げ案内情報DTa2には、第1フライトFL1の到着地点であるポートFa1から利用可能な地上移動体の情報と、第1フライトFL1の出発時刻の繰下げを要請する場合の追加料金の情報が含まれる。
【0057】
第2利用者端末52は、出発時刻繰下げ案内情報DTa2の受信に応じて、出発時刻の繰下げの要否確認画面83を表示し、第2利用者U2は、要否確認画面83を確認して、第1フライトFL1の出発時刻の繰下げを希望するか否かの選択操作を行う。要否確認画面83には、
図2に示したように第1フライトFL1の出発時刻が繰り下げられた場合に(10:00→10:20)、第1フライトFL1の到着地点であるポートFa1で第2利用者U2が利用可能な移行手段である地上移動体180と、第2利用者U2が地上移動第180を利用してポートFa1から最終的な目的地点Da2まで移動した場合の到着時刻(予測到着時刻)、及び出発時刻の繰下げに必要な追加料金が表示される。第2利用者U2が出発時刻の繰下げを希望する操作を行ったときは、第2利用者端末52から航空機管理システム1に対して、出発時刻繰下げ要請情報DTrが送信される。
【0058】
続くステップS43で、出発時刻繰下げ確認部20は、第2利用者端末52から出発時刻繰下げ要請情報DTrを受信したか否かを判断する。そして、出発時刻繰下げ確認部20は、出発時刻繰下げ要請情報DTrを受信したときはステップS44に処理を進め、出発時刻繰下げ要請情報DTrを受信しなかったときには
図4のステップS6に処理を進める。
【0059】
ステップS44で、出発時刻繰下げ確認部20は、第1利用者端末51と第2利用者端末52に対して、第1フライトFL1の出発時刻の繰下げを実施することを通知する出発時刻繰下げ実施情報を送信する。次のステップS45で、出発時刻繰下げ手配部21は、第1フライトFL1の出発時刻の繰下げを手配する。これにより、
図2に示した例では、第1フライトFL1の出発時刻が10:00から10:20に繰り下げられる。なお、第1フライトFL1の出発時刻を繰り下げても、第1フライトFL1に使用される航空機100(
図2参照)による次の予定フライトに影響が生じないことを条件として、第1フライトFL1の出発時刻の繰下げを許可するようにしてもよい。
【0060】
[4.他の実施形態]
上記実施形態では、航空機管理システム1を、通信ネットワーク300を介して第1利用者端末51及び第2利用者端末52と通信を行うコンピュータシステムにより構成した。他の実施形態として、航空機管理システム1を、第1利用者端末51に備える構成としてもよい。この場合は、第1利用者端末51が、スケジュールDB211から第1利用者U1と第2利用者U2のスケジュール情報Sifを取得し、地上移動体運行DBから地上移動体運行情報Gifを取得し、フライトを管理する外部の管理システムからフライト運航情報を取得する構成となる。
【0061】
上記実施形態では、航空機管理システム1に、出発時刻繰上げ確認部18と出発時刻繰上げ手配部19、及び出発時刻繰下げ確認部20と出発時刻繰下げ手配部21を備えて、第1フライトFL1の出発時刻の繰上げと繰下げに対応する処理を行った。他の実施形態として、出発時刻繰上げ確認部18と出発時刻繰上げ手配部19のみを備えて、出発時刻の繰上げに対応する処理のみを行ってもよい。また、出発時刻繰下げ確認部20と出発時刻繰下げ手配部21のみを備えて、出発時刻の繰下げに対応する処理のみを行ってもよい。
【0062】
また、
図1に示したように、第1フライトFL1の出発地点であるポートFsに第1利用者U1が早めに到着したことに対応して、第1フライトFL1の出発時刻の繰り上げを手配する処理を、出発時刻を繰り上げることによって、第1利用者U1が、第1フライトFL1の到着地点であるポートFa1から最終的な目的地点Da1までの移動経路GR1を地上移動体150により移動する場合の到着時刻が早くなる(
図1では11:50→11:30)ことを条件として、実行するようにしてもよい。
【0063】
また、
図2に示したように、第1フライトFL1の出発地点であるポートFsへの第2利用者U2の到着が遅れたことに対応して、第1フライトFL1の出発時刻の繰下げを手配する処理を、出発時刻を繰り下げても、第1利用者U1が、第1フライトFL1の到着地点であるポートFa1から最終的な目的地点Da1までの移動経路GR3を地上移動体170により移動して、目的地点Da1に予定到着時刻(
図1では11:50)までに遅れずに到着できることを条件として、実行するようにしてもよい。
【0064】
上記実施形態では、地上移動体運行情報取得部14と対象地上移動体認識部15を備えて、フライトの到着地点から利用可能な地上移動体の情報を、第1利用者端末51又は第2利用者端末52に送信した。他の実施形態として、地上移動体運行情報取得部14と対象地上移動体認識部15を省略して、地上移動体の情報の送信を行わない構成としてもよい。
【0065】
なお、
図3は、本願発明の理解を容易にするために、航空機管理システム1の機能構成を、主な処理内容により区分して示した概略図であり、航空機管理システム1の構成を、他の区分によって構成してもよい。また、各構成要素の処理は、1つのハードウェアユニットにより実行されてもよいし、複数のハードウェアユニットにより実行されてもよい。また、
図4~
図6に示した各構成要素による処理は、1つのプログラムにより実行されてもよいし、複数のプログラムにより実行されてもよい。
【0066】
[5.上記実施形態によりサポートされる構成]
上記実施形態は、以下の構成の具体例である。
【0067】
(構成1)第1利用者により使用される第1利用者端末から送信される前記第1利用者のスケジュール情報に基づいて、前記第1利用者の移動計画を認識する移動計画認識部と、前記移動計画に第1地点から第2地点への対象フライトによる移動が含まれる場合に、前記第1利用者が前記第1地点に到着する時刻である第1利用者到着時刻を認識する第1利用者到着時刻認識部と、前記第1利用者到着時刻から前記対象フライトの前記第1地点からの予定出発時刻までの待ち時間が、第1所定時間以上であるときに、前記対象フライトの出発時刻の繰上げの要否を問合わせる出発時刻繰上げ確認情報を、前記第1利用者端末に送信する出発時刻繰上げ確認部と、前記出発時刻繰上げ案内情報の受信に応じて前記第1利用者端末から送信される、前記対象フライトの出発時刻の繰上げを要請する出発繰上げ要請情報を受信したときに、前記対象フライトの出発時刻の繰上げを手配する出発時刻繰上げ手配部と、を備える航空機管理システム。
構成1の航空機管理システムによれば、第1利用者が対象フライトの出発地点に早く到着した場合に、対象フライトの出発時刻の繰上げる対応をすることにより、第1利用者の航空機による効率の良い移動をサポートすることができる。
【0068】
(構成2)前記第2地点からの移動に利用可能な地上移動体の運行状況を示す地上移動体運行情報を取得する地上移動体運行情報取得部と、前記移動計画と前記地上移動体運行情報とに基づいて、前記第2地点から前記移動計画の目的地までの移動経路で利用可能な対象地上移動体を認識する対象地上移動体認識部と、を備え、前記出発時刻繰上げ確認部は、前記対象地上移動体の情報を含む前記出発時刻繰上げ確認情報を、前記第1利用者端末に送信する構成1に記載の航空機管理システム。
構成2の航空機管理システムによれば、対象フライトの到着地点からの地上移動体の運行情報を第1利用者に提供することにより、第1利用者は、対象フライトと地上移動体によるトータル的な移動を考慮して、第1フライトの出発時刻の繰上げを要請するか否かを検討することができる。
【0069】
(構成3)前記第1地点から前記第2地点へのフライトの運航状況を示すフライト運航情報を取得するフライト運航情報取得部と、前記フライト運航情報に基づいて、前記対象フライトの利用を予約済みの第2利用者に対する前記対象フライトの代替フライトの手配の可否を確認する代替フライト確認部と、を備え、前記出発時刻繰上げ確認部は、前記代替フライト確認部により、前記第2利用者に対する前記代替フライトの手配が可能であることが確認できた場合に、前記出発時刻繰上げ確認情報を前記第1利用者端末に送信する構成1又は構成2に記載の航空機管理システム。
構成3の航空機管理システムによれば、対象フライトを予約済みである第2利用者が、対象フライトの出発時刻の繰上げによって不利益を被ることを抑制することができる。
【0070】
(構成4)前記出発時刻繰上げ確認部は、出発時刻を繰り上げて前記対象フライトを利用する場合の追加料金の情報を含む前記出発時刻繰上げ確認情報を、前記第1利用者端末に送信する構成1から構成3のうちいずれか1つの構成に記載の航空機管理システム。
構成4の航空機管理システムによれば、対象フライトの出発時刻の繰上げに際して追加料金が発生することを、予め第1利用者に認識させることができる。
【0071】
(構成5)第1利用者に使用される第1利用者端末から送信される第1利用者のスケジュール情報に基づいて、前記第1利用者の移動計画を認識する移動計画認識部と、前記移動計画に第1地点から第2地点への対象フライトによる移動が含まれる場合に、前記第1利用者が前記第1地点に到着する時刻である第1利用者到着時刻を認識する第1利用者到着時刻認識部と、前記対象フライトの利用を予約済みの第2利用者が、前記第1地点に到着する時刻である第2利用者到着時刻を認識する第2利用者到着時刻認識部と、前記対象フライトの前記第1地点からの予定出発時刻から前記第2利用者到着時刻までの遅れ時間が第2所定時間以上であるときに、前記遅れ時間に応じた前記対象フライトの出発時刻の繰下げの可否を問合わせる出発時刻繰下げ確認情報を、前記第1利用者端末に送信する出発時刻繰下げ確認部と、前記出発時刻繰下げ確認情報の受信に応じて前記第1利用者端末から送信される、前記対象フライトの出発時刻の繰下げを容認する出発時刻繰下げ容認情報を受信したときに、前記対象フライトの出発時刻の繰り下げを手配する出発時刻繰下げ手配部と、を備える航空機管理システム。
構成5の航空機管理システムによれば、第2利用者の到着の遅れが生じた場合に、第1利用者の容認を条件として対象フライトの出発時刻を繰り下げることにより、第1利用者の意に反して出発時刻が繰り下げられことを回避して、第1利用者の航空機による効率の良い移動をサポートすることができる。
【0072】
(構成6)前記第2地点からの移動に利用可能な地上移動体の運行情報を示す地上移動体運行情報を取得する地上移動体運行情報取得部と、前記移動計画と前記地上移動体運行情報とに基づいて、前記第2地点から前記移動計画の目的地までの移動経路で利用可能な対象移動体を認識する対象地上移動体認識部と、を備え、前記出発時刻繰下げ確認部は、対象移動体の情報を含む前記出発時刻繰下げ確認情報を、前記第1利用者端末に送信する構成5に記載の航空機管理システム。
構成5の航空機管理システムによれば、対象フライトの到着地点からの地上移動体の運行情報を第1利用者に提供することにより、第1利用者は、対象フライトと地上移動体によるトータル的な移動を考慮して、第1フライトの出発時刻の繰下げを容認するか否かを検討することができる。
【0073】
(構成7)前記出発時刻繰下げ確認部は、出発時刻を繰り下げて前記対象フライトを利用する場合のインセンティブの情報を含む前記出発時刻繰下げ確認情報を、前記第1利用者端末に送信する構成5又は構成6に記載の航空機管理システム。
構成7の航空機管理システムによれば、対象フライトの出発時刻の繰下げを容認することによりインセンティブが得られることを、予め第1利用者に認識させることができる。
【0074】
(構成8)コンピュータにより実行される航空機管理方法であって、第1利用者により使用される第1利用者端末から送信される前記第1利用者のスケジュール情報に基づいて、前記第1利用者の移動計画を認識する移動計画認識ステップと、前記移動計画に第1地点から第2地点への対象フライトによる移動が含まれる場合に、前記第1利用者が前記第1地点に到着する時刻である第1利用者到着時刻を認識する第1利用者到着時刻認識ステップと、前記第1利用者到着時刻から前記対象フライトの前記第1地点からの予定出発時刻までの待ち時間が、第1所定時間以上であるときに、前記対象フライトの出発時刻の繰上げの要否を問合わせる出発時刻繰上げ確認情報を、前記第1利用者端末に送信する出発時刻繰上げ確認ステップと、前記出発時刻繰上げ案内情報の受信に応じて前記第1利用者端末から送信される、前記対象フライトの出発時刻の繰上げを要請する出発繰上げ要請情報を受信したときに、前記対象フライトの出発時刻の繰上げを手配する出発時刻繰上げ手配ステップと、を含む航空機管理方法。
構成8の航空機管理方法をコンピュータにより実行することによって、構成1の航空機管理システムと同様の作用効果を得ることができる。
【0075】
(構成9)コンピュータにより実行される航空機管理方法であって、第1利用者に使用される第1利用者端末から送信される第1利用者のスケジュール情報に基づいて、前記第1利用者の移動計画を認識する移動計画認識ステップと、前記移動計画に第1地点から第2地点への対象フライトによる移動が含まれる場合に、前記第1利用者が前記第1地点に到着する時刻である第1利用者到着時刻を認識する第1利用者到着時刻認識ステップと、前記対象フライトの利用を予約済みの第2利用者が、前記第1地点に到着する時刻である第2利用者到着時刻を認識する第2利用者到着時刻認識ステップと、前記対象フライトの前記第1地点からの予定出発時刻から前記第2利用者到着時刻までの遅れ時間が第2所定時間以上であるときに、前記遅れ時間に応じた前記対象フライトの出発時刻の繰下げの可否を問合わせる出発時刻繰下げ確認情報を、前記第1利用者端末に送信する出発時刻繰下げ確認ステップと、前記出発時刻繰下げ確認情報の受信に応じて前記第1利用者端末から送信される、前記対象フライトの出発時刻の繰下げを容認する出発時刻繰下げ容認情報を受信したときに、前記対象フライトの出発時刻の繰り下げを手配する出発時刻繰下げ手配ステップと、を含む航空機管理方法。
構成9の航空機管理方法をコンピュータにより実行することによって、構成5の航空機管理システムと同様の作用効果を得ることができる。
【符号の説明】
【0076】
1…航空機管理システム、10…プロセッサ、11…移動計画認識部、12…第1利用者到着時刻認識部、13…第2利用者到着時刻認識部、14…地上移動体運行情報取得部、15…対象地上移動体認識部、16…フライト運航情報取得部、17…代替フライト確認部、18…出発時刻繰上げ確認部、19…出発時刻繰上げ確認部、20…出発時刻繰下げ確認部、21…出発時刻繰下げ手配部、30…メモリ、31…プログラム、32…フライト運航DB、51…第1利用者端末、52…第2利用者端末、100…(第1フライトの)航空機、110…(第2フライトの)航空機、150,160…対象地上移動体、200…地上移動体管理システム、201…地上移動体運行DB、210…スケジュール管理システム、211…スケジュールDB、300…通信ネットワーク、U1…第1利用者、U2…第2利用者。