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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024140759
(43)【公開日】2024-10-10
(54)【発明の名称】制御装置、及び制御方法
(51)【国際特許分類】
   B60W 30/06 20060101AFI20241003BHJP
   G08G 1/0968 20060101ALI20241003BHJP
【FI】
B60W30/06
G08G1/0968 B
【審査請求】有
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023052081
(22)【出願日】2023-03-28
(71)【出願人】
【識別番号】000005326
【氏名又は名称】本田技研工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002505
【氏名又は名称】弁理士法人航栄事務所
(72)【発明者】
【氏名】島本 岳
(72)【発明者】
【氏名】野口 順平
(72)【発明者】
【氏名】三友 歩
(72)【発明者】
【氏名】笹島 豪
(72)【発明者】
【氏名】別所 誠人
【テーマコード(参考)】
3D241
5H181
【Fターム(参考)】
3D241BA21
3D241BB03
3D241CC01
3D241CC08
3D241CC17
3D241CE01
3D241CE02
3D241CE04
3D241CE05
3D241DA13Z
3D241DA28Z
3D241DA39Z
3D241DA52Z
3D241DA58Z
3D241DB01Z
3D241DB02Z
3D241DB32Z
3D241DD12Z
5H181AA01
5H181BB04
5H181BB05
5H181CC04
5H181CC11
5H181FF05
5H181FF13
5H181FF25
5H181FF33
5H181KK01
(57)【要約】
【課題】車両のユーザの利便性を向上させることが可能な制御装置及び制御方法を提供する。
【解決手段】制御装置30は、リモートパーキング機能を有する車両Vを制御するコンピュータであって、サーバSVと端末装置Tとのうちの一方からの利用可否データの取得に失敗した場合に、他方から取得した利用可否データに基づいて、リモートパーキング機能が利用可能か否かを判定し、リモートパーキング機能が利用可能と判定した場合に、リモートパーキング機能を利用可能とする処理を行う、制御部33を備える。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定機能を有する車両を制御する制御装置であって、
前記制御装置は、
前記車両における前記所定機能の利用可否に関するデータを記憶するサーバから、ネットワークを介して前記データを取得可能、且つ、前記車両のユーザの端末装置から、当該端末装置が前記サーバから取得した前記データを取得可能に構成され、
前記サーバと前記端末装置とのうちの一方からの前記データの取得に失敗した場合に、他方から取得した前記データに基づいて、前記所定機能が利用可能か否かを判定し、
前記所定機能が利用可能と判定した場合に、前記所定機能を利用可能とする、
処理を行う制御部を備える、制御装置。
【請求項2】
請求項1に記載の制御装置であって、
前記制御部は、前記他方から取得したデータが、前記所定機能を利用可能であることを示す情報を含む場合に、前記所定機能が利用可能と判定する、
制御装置。
【請求項3】
請求項1に記載の制御装置であって、
前記制御部は、
前記サーバと前記端末装置との両方からの前記データの取得に失敗した場合に、前記サーバ又は前記端末装置から過去に取得した前記データに基づいて、前記所定機能が利用可能か否かを判定する、処理をさらに行う、
制御装置。
【請求項4】
請求項3に記載の制御装置であって、
前記制御部は、前記過去に取得したデータが、前記所定機能を利用可能であることを示す情報を含む場合に、前記所定機能が利用可能と判定する、
制御装置。
【請求項5】
請求項3に記載の制御装置であって、
前記過去に取得したデータは、現在から過去の所定期間に取得した前記データである、
制御装置。
【請求項6】
請求項3に記載の制御装置であって、
前記過去に取得したデータは、直近に取得した前記データである、
制御装置。
【請求項7】
請求項1から6のいずれか1項に記載の制御装置であって、
前記所定機能は、前記端末装置に対する操作に応じて前記車両を所定の位置まで移動させる機能である、
制御装置。
【請求項8】
請求項7に記載の制御装置であって、
前記制御部は、
前記所定機能によって前記車両を前記所定の位置まで移動させているときに、前記サーバと前記端末装置とのうちの少なくとも一方から、前記所定機能を利用不可能であることを示す情報を含む前記データを取得した場合に、前記車両が前記所定の位置に到達してから前記所定機能を無効化する、処理をさらに行う、
制御装置。
【請求項9】
請求項7に記載の制御装置であって、
前記サーバは、
前記車両、前記ユーザ、又は前記端末装置を識別する識別子に、前記車両における前記所定機能の利用可否を示す情報を対応付けた前記データを記憶するように構成され、
前記車両又は前記端末装置に対する前記ユーザの課金操作に基づいて、前記所定機能を利用可能であることを示す情報を含む前記データを記憶する、
制御装置。
【請求項10】
所定機能を有する車両を制御するコンピュータが行う制御方法であって、
前記コンピュータは、
前記車両における前記所定機能の利用可否に関するデータを記憶するサーバから、ネットワークを介して前記データを取得可能、且つ、前記車両のユーザの端末装置から、当該端末装置が前記サーバから取得した前記データを取得可能に構成され、
前記コンピュータが、
前記サーバと前記端末装置とのうちの一方からの前記データの取得に失敗した場合に、他方から取得した前記データに基づいて、前記所定機能が利用可能か否かを判定し、
前記所定機能が利用可能と判定した場合に、前記所定機能を利用可能とする、処理を行う、制御方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、制御装置、及び制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、交通参加者の中でも脆弱な立場にある人々にも配慮した持続可能な輸送システムへのアクセスを提供する取り組みが活発化している。この実現に向けて、例えば、車両等の移動体における自動運転技術や運転支援技術の研究開発が進められている。このような運転支援技術の1つとして、例えば、降車した運転者が、車両と通信する端末装置に対して所定の操作を行うことにより、車両が所定の目標位置まで移動して当該位置にて駐車するようにしたものがある。
【0003】
また、下記特許文献1には、車載装置が、当該車載装置、携帯端末及びサーバのうち、最も新しいバージョンのデータを記憶する通信先を特定し、特定した通信先が当該車載装置以外の場合、当該車載装置のストレージ領域に記憶されるデータを、特定した通信先に記憶されるデータに更新する同期処理を行うようにした技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2019-174972号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、従来技術にあっては、所定機能を有する車両のユーザの利便性を向上させる観点から、改善の余地があった。
【0006】
本発明は、所定機能を有する車両のユーザの利便性を向上させることが可能な制御装置、及び制御方法を提供する。そして、延いては持続可能な輸送システムの発展に寄与するものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一態様は、
所定機能を有する車両を制御する制御装置であって、
前記制御装置は、
前記車両における前記所定機能の利用可否に関するデータを記憶するサーバから、ネットワークを介して前記データを取得可能、且つ、前記車両のユーザの端末装置から、当該端末装置が前記サーバから取得した前記データを取得可能に構成され、
前記サーバと前記端末装置とのうちの一方からの前記データの取得に失敗した場合に、他方から取得した前記データに基づいて、前記所定機能が利用可能か否かを判定し、
前記所定機能が利用可能と判定した場合に、前記所定機能を利用可能とする、
処理を行う制御部を備える、制御装置である。
【0008】
また、本発明の他の一態様は、
所定機能を有する車両を制御するコンピュータが行う制御方法であって、
前記コンピュータは、
前記車両における前記所定機能の利用可否に関するデータを記憶するサーバから、ネットワークを介して前記データを取得可能、且つ、前記車両のユーザの端末装置から、当該端末装置が前記サーバから取得した前記データを取得可能に構成され、
前記コンピュータが、
前記サーバと前記端末装置とのうちの一方からの前記データの取得に失敗した場合に、他方から取得した前記データに基づいて、前記所定機能が利用可能か否かを判定し、
前記所定機能が利用可能と判定した場合に、前記所定機能を利用可能とする、処理を行う、制御方法である。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、所定機能を有する車両のユーザの利便性を向上させることが可能な制御装置、及び制御方法を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】一実施形態の制御装置30を備える車両Vを含む車両制御システム1の一例を示す図である。
図2】制御装置30及び端末装置Tと通信可能なサーバSVが備える利用可否データベースDBの一例を示す図である。
図3】車両Vの一例を示す図である。
図4】制御装置30が記憶する情報の一例を示す図である。
図5】制御装置30によるリモートパーキング機能の利用可否についての判定の一例を示す図である。
図6】リモートパーキング機能を利用した駐車の一例を示す図である。
図7】リモートパーキング機能を利用した出庫の一例を示す図である。
図8】端末装置Tが行う処理の一例を示すフローチャートである。
図9】制御装置30が行う処理の一例を示すフローチャートである。
図10】制御装置30が行う第1利用可否判定処理の一例を示すフローチャートである。
図11】制御装置30が行う第2利用可否判定処理の一例を示すフローチャート(その1)である。
図12】制御装置30が行う第2利用可否判定処理の一例を示すフローチャート(その2)である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明の制御装置及び制御方法の一実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。図面は、符号の向きに見るものとする。なお、以下の実施形態は特許請求の範囲に記載の発明を限定するものではなく、実施形態で説明されている特徴の組み合わせのすべてが発明に必須のものとは限らない。実施形態で説明されている複数の特徴のうち2つ以上の特徴が任意に組み合わされてもよい。また、以下では、同一又は類似の要素には同一又は類似の符号を付して、その説明を適宜省略又は簡略化することがある。
【0012】
[車両制御システム]
図1に示す車両制御システム1は、互いに通信可能な車両V及び端末装置Tを含んで構成され、端末装置Tを用いた遠隔操作によって、自動車である車両Vを所定の位置へ自動操舵により移動させることを可能にしたシステムである。このような車両Vの機能、すなわち、端末装置Tに対する操作に応じて所定の位置まで自動操舵により移動する機能を、以下、「リモートパーキング機能」とも称する。
【0013】
車両Vのユーザ(以下、単に「ユーザ」とも称する)は、リモートパーキング機能を利用することで、車両Vを所定の位置まで移動させて当該位置に駐車したり、駐車中の車両Vを所定の位置まで出庫(換言すると移動)させたりすることができる。
【0014】
本実施形態では、車両Vにおけるリモートパーキング機能は、ユーザが車両V又は端末装置Tに対して所定の課金操作を行って車両Vの製造業者に対価を支払うことにより、利用できるようになっている。換言すると、対価を支払っていないユーザには、車両Vにおけるリモートパーキング機能という利便性の高い機能が提供されないようになっている。また、リモートパーキング機能は、例えば、ユーザが車両Vの製造業者に対価を支払ったとき(換言すると課金操作を行ったとき)から一定期間(例えば1年間)だけ、ユーザが利用できるようにしてもよい。さらに、他の一例として、リモートパーキング機能は、課金操作後、ユーザが車両V又は端末装置Tに対して所定の解約操作を行うまで、ユーザが利用できるようにしてもよい。そして、このようにした場合、ユーザが課金操作後に解約操作を行うまでの期間(すなわちユーザがリモートパーキング機能を利用可能な期間)において、一定期間毎に、リモートパーキング機能の利用継続に伴う対価の支払いが発生するようにしてもよい。
【0015】
車両制御システム1において、車両V及び端末装置Tは、互いに紐付けられており、所定の近距離無線通信によって通信可能である。ここで、近距離無線通信は、例えば、Bluetooth(登録商標)、又はBluetooth Low Energy(登録商標)とすることができる。
【0016】
また、車両制御システム1において、車両V及び端末装置Tは、それぞれ、ネットワークNETを介してサーバSVと通信可能に設けられる。ここで、ネットワークNETは、例えば、移動体通信網、インターネット、WAN(Wide Area Network)、又はWi-Fi(登録商標)を含むLAN(Local Area Network)とすることができる。
【0017】
[サーバ]
サーバSVは、例えば、車両Vの製造業者によって管理され、車両Vにおけるリモートパーキング機能の利用可否に関する利用可否データを記憶するコンピュータである。換言すると、サーバSVは、車両Vにおけるリモートパーキング機能の利用可否を管理するコンピュータである。
【0018】
なお、図1には、サーバSVに対して1組の車両V及び端末装置Tが設けられている例を示したが、これに限られず、サーバSVに対して2組以上の車両V及び端末装置Tが設けられるようにしてもよい。この場合、サーバSVは、各車両Vにおけるリモートパーキング機能の利用可否に関する利用可否データを記憶することで、各車両Vにおけるリモートパーキング機能の利用可否を管理する。
【0019】
具体的に説明すると、サーバSVは、例えば利用可否データベースDBを備える。利用可否データベースDBは、図2に示すように、利用可否データ(例えば図2中の利用可否データDT1)をレコードとして記憶する。
【0020】
ここで、利用可否データは、例えば、各車両Vを識別する識別子としての車両IDと、当該車両IDによって識別される車両Vにおけるリモートパーキング機能の利用可否と、のそれぞれを示す情報を対応付けたデータである。一例として、図2に示す利用可否データDT1は、車両IDが「M001」の車両Vでは、リモートパーキング機能が利用可能であることを示す。
【0021】
また、図2に示すように、利用可否データは、リモートパーキング機能の利用可否を示す情報に代えて又は加えて、リモートパーキング機能を利用可能な有効期限を示す情報を含んでいてもよい。
【0022】
サーバSVは、例えば、車両V又は端末装置Tに対するユーザの課金操作に基づいて、当該車両Vにおいてリモートパーキング機能が利用可能であることを示す情報を含む利用可否データを記憶する。
【0023】
一例として、車両IDが「M001」の車両Vのユーザが、当該車両V又は当該車両Vに紐付けられた端末装置Tに対して課金操作を行うと、車両ID「M001」の車両Vに関する課金操作を受け付けたことを示す情報がサーバSVへ送信される。このようにして車両ID「M001」の車両Vに関する課金操作を受け付けたことを示す情報を受信した場合、サーバSVは、図2に示す利用可否データDT1のように、車両ID「M001」の車両Vにおいてリモートパーキング機能が利用可能であることを示す利用可否データを利用可否データベースDBに記憶する。
【0024】
また、サーバSVは、利用可否データを車両Vや端末装置Tに対して送信可能に構成される。より具体的には、サーバSVは、車両Vや当該車両Vに紐付けられた端末装置Tから利用可否データの取得要求を受け付けると、当該車両Vに対応する利用可否データを利用可否データベースDBから検索し、検索された利用可否データを取得要求の送信元へ送信する。
【0025】
一例として、車両ID「M001」の車両V、及び当該車両Vに紐付けられた端末装置Tは、所定のタイミングで、車両ID「M001」を示す情報を含む利用可否データの取得要求をそれぞれサーバSVへ送信し得る。車両ID「M001」を示す情報を含む利用可否データの取得要求を受信した場合、サーバSVは、車両ID「M001」を示す情報を含む利用可否データを利用可否データベースDBから検索する。そして、サーバSVは、車両ID「M001」を示す情報を含む利用可否データが利用可否データベースDBから検索されると、当該利用可否データを取得要求の送信元へ送信する。
【0026】
したがって、車両V及び端末装置Tは、サーバSVと通信可能な場合には、サーバSVから利用可否データを取得することができる。一方、車両V及び端末装置Tは、例えばネットワークNETに接続できない等の何らかの理由でサーバSVと通信できない場合には、サーバSVから利用可否データを取得することができなくなる。
【0027】
なお、ここでは、サーバSVが記憶する利用可否データが車両Vの識別子である車両IDを含むものとしたが、これに限られない。例えば、車両IDに代えて又は加えて、車両Vのユーザの識別子であるユーザID、又は車両Vと対応付けられた端末装置Tの識別子である端末装置IDを示す情報を、利用可否データが含むようにしてもよい。
【0028】
また、サーバSVは、クラウドコンピューティングサービスにおいて実現される仮想的なサーバ(いわゆるクラウドサーバ)であってもよいし、1個の装置として実現された物理的なサーバであってもよい。
【0029】
[端末装置]
端末装置Tは、車両Vのユーザによって使用される可搬型のコンピュータであり、例えば、スマートフォン、タブレット端末、又はウェアラブル端末とすることができる。以下では、端末装置Tがスマートフォンであるものとして説明する。
【0030】
図1に示すように、端末装置Tは、例えば、制御部101と、記憶部102と、タッチパネル103と、第1通信部104と、第2通信部105と、を備える。
【0031】
制御部101は、演算処理装置及び制御装置として機能し、記憶部102等に記憶された各種プログラムに従って端末装置T全体を統括制御する。制御部101は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、又はマイクロプロセッサ等の電子回路によって実現される。
【0032】
記憶部102は、例えばフラッシュメモリ等の不揮発性の記憶媒体によって構成され、端末装置Tの動作を制御するための各種情報(例えばデータやプログラム)を記憶する。一例として、記憶部102には、リモートパーキング機能に関する処理(例えば図7に示す処理)を実行させるアプリケーションプログラムである「リモートパーキングアプリ」が記憶される。
【0033】
タッチパネル103は、端末装置Tに対する各種情報の入力を受け付ける入力装置、及び制御部101によって制御される表示装置として機能する。すなわち、ユーザは、タッチパネル103を介して、各種の指令を端末装置Tに入力することができる。また、タッチパネル103には、各種の画面が表示される。
【0034】
第1通信部104は、ネットワークNETと接続され、ネットワークNETを介した端末装置Tと外部(例えばサーバSV)との間におけるデータの入出力を制御するインタフェースである。第1通信部104は、制御部101によって制御される。
【0035】
第2通信部105は、所定の近距離無線通信を介した端末装置Tと外部(例えば車両V)との間におけるデータの入出力を制御するインタフェースである。第2通信部105は、制御部101によって制御される。
【0036】
端末装置Tは、例えば、ユーザからのリモートパーキングアプリ起動指令を、タッチパネル103を介して受け付けると、リモートパーキングアプリを起動させる。そして、リモートパーキングアプリが起動すると、端末装置Tは、第1通信部104及びネットワークNETを介してサーバSVから利用可否データを取得する。
【0037】
利用可否データの取得に際し、端末装置Tは、例えば、自装置と紐付けられた車両Vの車両IDを示す情報を含む利用可否データの取得要求を、第1通信部104を介して、サーバSVへ送信する。そして、端末装置Tは、当該取得要求に対する応答としてサーバSVから送信されて第1通信部104が受信した利用可否データを取得する。
【0038】
また、端末装置Tは、サーバSVから利用可否データを取得すると、取得した利用可否データを、第2通信部105及び近距離無線通信を介して車両Vへ送信する。例えば、このとき、端末装置Tは、サーバSVから取得した利用可否データに、当該利用可否データを取得した日時(取得日時)を示す情報を対応付けて、車両Vへ送信する。このようにすることで、車両Vは、端末装置Tから受信した利用可否データがいつサーバSVから取得されたものであるのかを特定することが可能となる。
【0039】
また、端末装置Tは、何らかの理由でサーバSVと通信できずサーバSVからの利用可否データの取得に失敗した場合には、例えば、利用可否データの取得に失敗したことを示す情報を車両2へ送信して、利用可否データの取得に失敗したことを車両Vに通知する。この場合、車両Vは、端末装置Tからの利用可否データの取得に失敗することになる。
【0040】
[車両]
車両Vは、駆動源と、駆動源の動力によって駆動される駆動輪及び転舵可能な転舵輪を含む車輪(いずれも不図示)と、を有する自動車である。例えば、車両Vは、左右一対の前輪及び後輪を有する四輪の自動車である。車両Vの駆動源は、電動機であってもよいし、ガソリンエンジンやディーゼルエンジン等の内燃機関であってもよいし、電動機と内燃機関との組み合わせであってもよい。また、車両Vの駆動源は、左右一対の前輪を駆動してもよいし、左右一対の後輪を駆動してもよいし、左右一対の前輪及び後輪の四輪を駆動してもよい。前輪及び後輪は、いずれか一方が転舵可能な転舵輪であってもよいし、双方が転舵可能な転舵輪であってもよい。
【0041】
図3に示すように、車両Vは、例えば、センサ群10と、ナビゲーション装置20と、制御装置30と、第1通信部41と、第2通信部42と、EPS(Electric Power Steering)システム50と、駆動力制御システム60と、制動力制御システム70と、を備える。
【0042】
センサ群10は、車両V又は車両Vの周辺に関する各種の検出値を取得する。センサ群10には、例えば、前方カメラ11aと、後方カメラ11bと、左側方カメラ11cと、右側方カメラ11dと、前方ソナー群12aと、後方ソナー群12bと、左側方ソナー群12cと、右側方ソナー群12dとが含まれる。これらのカメラ及びソナー群は、車両Vの周辺情報を取得する外界センサとして機能し得る。
【0043】
前方カメラ11a、後方カメラ11b、左側方カメラ11c、及び右側方カメラ11dは、車両Vの周辺を撮像することにより得られた周辺画像の画像データを制御装置30へ出力する。前方カメラ11a、後方カメラ11b、左側方カメラ11c、及び右側方カメラ11dによって撮像される周辺画像は、それぞれ前方画像、後方画像、左側方画像、右側方画像とも称される。左側方画像と右側方画像とによって構成される画像は側方画像とも称される。
【0044】
前方ソナー群12a、後方ソナー群12b、左側方ソナー群12c、及び右側方ソナー群12dは、車両Vの周辺に音波を発射するとともに、他物体からの反射音を受信する。前方ソナー群12aは、例えば4つのソナーを含む。前方ソナー群12aを構成するソナーは、車両Vの左斜め前方、前方左側、前方右側、及び右斜め前方にそれぞれ備えられている。後方ソナー群12bは、例えば4つのソナーを含む。後方ソナー群12bを構成するソナーは、車両Vの左斜め後方、後方左側、後方右側、及び右斜め後方にそれぞれ備えられている。左側方ソナー群12cは、例えば2つのソナーを含む。左側方ソナー群12cを構成するソナーは、車両Vの左側部前方、及び左側部後方にそれぞれ備えられている。右側方ソナー群12dは、例えば2つのソナーを含む。右側方ソナー群12dを構成するソナーは、車両Vの右側部前方、及び右側部後方にそれぞれ備えられている。
【0045】
さらに、センサ群10には、車輪センサ13a、13bと、車速センサ14と、操作検出部15とが含まれる。車輪センサ13a、13bは、それぞれ車輪(不図示)の回転角度を検出する。車輪センサ13a、13bは、角度センサによって構成されていてもよいし、変位センサによって構成されていてもよい。車輪センサ13a、13bは、車輪が所定角度回転する毎に検出パルスを出力する。車輪センサ13a、13bから出力される検出パルスは、車輪の回転角度及び車輪の回転速度の算出に用いられ得る。車輪の回転角度に基づいて、車両Vの移動距離が算出され得る。車輪センサ13aは、例えば、左後輪の回転角度θaを検出する。車輪センサ13bは、例えば、右後輪の回転角度θbを検出する。
【0046】
車速センサ14は、車両Vの走行速度である車速VPを検出し、検出した車速VPを制御装置30へ出力する。車速センサ14は、例えば、トランスミッションのカウンタシャフトの回転に基づいて車速VPを検出する。
【0047】
操作検出部15は、操作入力部80を用いて行われるユーザによる操作を検出し、検出した操作を制御装置30へ出力する。なお、操作入力部80は、後述するタッチパネル21と共通化されてもよい。また、操作入力部80には、車両Vの前進、後進、及び駐車を切り替えるシフトレバーが含まれてもよい。操作入力部80を用いて行われるユーザによる操作としては、例えば、リモートパーキング機能による駐車を実行する旨の操作を挙げることができる。
【0048】
ナビゲーション装置20は、例えば、GPS(Global Positioning System)等を用いて車両Vの現在位置を特定し、特定した現在位置から、ユーザによって設定された目的地までの経路をユーザに案内する。ナビゲーション装置20は、地図情報データベースを記憶する不図示の記憶装置等を有する。
【0049】
また、ナビゲーション装置20は、例えば、タッチパネル21と、スピーカ22と、を備える。タッチパネル21は、制御装置30に対する各種情報の入力を受け付ける入力装置、及び制御装置30によって制御される表示装置として機能する。すなわち、ユーザは、タッチパネル21を介して、各種の指令を制御装置30に入力することができる。また、タッチパネル21には、各種の画面(例えば目的地までの経路を案内する画面)が表示され得る。
【0050】
スピーカ22は、ユーザに対して各種の案内情報を音声で出力する。一例として、リモートパーキング機能による車両Vの移動が開始される前に、車両Vの移動が開始されることがスピーカ22を介した音声案内により行われるようにしてもよい。
【0051】
第1通信部41は、ネットワークNETと接続され、ネットワークNETを介した車両Vと外部(例えばサーバSV)との間におけるデータの入出力を制御するインタフェースである。第1通信部41は、制御装置30によって制御される。
【0052】
第2通信部42は、所定の近距離無線通信を介した車両Vと外部(例えば端末装置T)との間におけるデータの入出力を制御するインタフェースである。第2通信部42は、制御装置30によって制御される。
【0053】
EPSシステム50は、舵角センサ51と、トルクセンサ52と、EPSモータ53と、レゾルバ54と、EPS ECU(ECU:Electronic Control Unit)55と、を有する。舵角センサ51は、ステアリング56の舵角θstを検出する。トルクセンサ52は、ステアリング56に加わるトルクTQを検出する。
【0054】
EPSモータ53は、ステアリング56に連結されたステアリングコラム57に対して駆動力又は反力を付与することにより、運転者によるステアリング56の操作支援及び自動駐車時の自動操舵を可能とする。レゾルバ54は、EPSモータ53の回転角度θmを検出する。EPS ECU55は、EPSシステム50の全体の制御を司る。EPS ECU55には、入出力部と、演算部と、記憶部とが備えられている(いずれも不図示)。
【0055】
駆動力制御システム60は、駆動ECU61を備える。駆動ECU61は、アクセルペダル(不図示)に対するユーザの操作及び/又は制御装置30からの指示に従って、車両Vの駆動源を制御することにより、車両Vの駆動力を制御する。
【0056】
制動力制御システム70には、制動ECU71を備える。制動ECU71は、ブレーキペダル(不図示)に対するユーザの操作及び/又は制御装置30からの指示に従って、車両Vのブレーキ機構(換言すると制動装置)を制御することにより、車両Vの制動力を制御する。
【0057】
[制御装置]
制御装置30は、本発明の制御装置の一例であり、車両V全体を統括制御するコンピュータである。制御装置30は、例えば、1つのECUによって実現されてもよいし、複数のECUが協働することによって実現されてもよい。
【0058】
図3に示すように、制御装置30は、例えば、入出力部31と、記憶部32と、制御部33と、を備える。入出力部31は、制御部33の制御に従って、制御装置30の内部と外部との間でデータ(情報)の入出力を行うインタフェースである。記憶部32は、例えばフラッシュメモリ等の不揮発性の記憶媒体により構成され、車両Vの動作を制御するための各種情報(例えばデータやプログラム)を記憶する。
【0059】
制御部33は、演算処理装置及び制御装置として機能し、記憶部32等に記憶された各種プログラムに従って車両V全体を統括制御する。制御部33は、例えばCPU、又はマイクロプロセッサ等の電子回路によって実現される。
【0060】
制御部33を実現するCPU等のプロセッサが記憶部32等に記憶されたプログラムを実行することにより実現される機能部として、制御部33は、例えば、第1取得部33aと、第2取得部33bと、判定部33cと、を備える。
【0061】
第1取得部33aは、所定のタイミングで、第1通信部41及びネットワークNETを介してサーバSVから利用可否データを取得する。一例として、第1取得部33aは、車両Vのイグニッション電源がオンとされたタイミングで、サーバSVから利用可否データを取得する。なお、第1取得部33aがサーバSVから利用可否データを取得するタイミングは、これに限られず、例えば車両Vの製造業者が任意に設定してもよい。
【0062】
利用可否データの取得に際し、第1取得部33aは、例えば、車両Vの車両IDを示す情報を含む利用可否データの取得要求を、第1通信部41を介して、サーバSVへ送信する。そして、第1取得部33aは、当該取得要求に対する応答としてサーバSVから送信されて第1通信部41が受信した利用可否データを取得する。また、第1取得部33aは、サーバSVから利用可否データを取得すると、当該利用可否データを記憶部32に記憶する。
【0063】
第2取得部33bは、第2通信部42が近距離無線通信を介して端末装置Tから受信した利用可否データを取得する。また、第2取得部33bは、端末装置Tから利用可否データを取得すると、当該利用可否データを記憶部32に記憶する。一例として、このとき、第2取得部33bは、端末装置Tから取得した利用可否データを、第1取得部33aがサーバSVから取得した利用可否データとは区別して記憶する。
【0064】
ここで、制御装置30が記憶する利用可否データの一例について説明する。図4に示すように、制御装置30は、例えば、第1取得部33aによってサーバSVから直近に取得した所定数の利用可否データと、第2取得部33bによって端末装置Tから直近に取得した所定数の利用可否データと、を区別して記憶部32に記憶する。
【0065】
また、制御装置30は、各利用可否データに、当該利用可否データを取得した日時(取得日時)を示す情報を対応付けて記憶する。例えば、制御装置30は、サーバSVから取得した利用可否データには、当該利用可否データを自装置がサーバSVから取得した日時を示す情報を対応付けて記憶する。また、制御装置30は、端末装置Tから取得した利用可否データには、当該利用可否データを端末装置TがサーバSVから取得した日時を示す情報を対応付けて記憶する。一例として、端末装置Tから車両Vへ送信される利用可否データには、前述したように、当該利用可否データを端末装置TがサーバSVから取得した日時を示す情報を対応付けられているので、制御装置30は、互いに対応付けられたこれらを記憶部32に記憶すればよい。
【0066】
図4に示す例では、サーバSVから取得された利用可否データとして、利用可否データDT11が記憶部32に記憶されている。ここで、利用可否データDT11は、サーバSVから最も直近に取得された利用可否データとする。また、端末装置Tから取得された利用可否データとして、利用可否データDT21が記憶部32に記憶されている。ここで、利用可否データDT21は、端末装置Tから最も直近に取得された利用可否データとする。
【0067】
なお、ここでは、サーバSVから取得された利用可否データと、端末装置Tから取得された利用可否データとのそれぞれにおいて、最も直近に取得されたもののみが記憶(換言すると保持)されるようにしたが、これに限られない。例えば、サーバSVから取得された利用可否データと、端末装置Tから取得された利用可否データとがそれぞれ2つ以上記憶されるようにしてもよい。どの程度の利用可否データを記憶部32に記憶させておくかは、記憶部32の記憶容量等を勘案して車両Vの製造業者が任意に設定してもよい。
【0068】
図3に戻り、判定部33cは、サーバSVと端末装置Tとのうちの少なくとも一方から取得した利用可否データに基づいて、車両Vにおいてリモートパーキング機能が利用可能か否かを判定する。そして、制御部33は、判定部33cによってリモートパーキング機能が利用可能と判定した場合には、車両Vにおけるリモートパーキング機能を有効化し、当該機能をユーザが利用可能とする。一方、制御部33は、判定部33cによってリモートパーキング機能が利用不可能と判定した場合には、車両Vにおけるリモートパーキング機能を有効化せず、当該機能をユーザが利用できないようにする。
【0069】
本実施形態では、図5の表TBに示すように、車両V及びサーバSV間に関しては、車両VがサーバSVから取得した利用可否データが、車両Vにおいてリモートパーキング機能が利用可能であること(以下、単に「利用可能」とも表記する)を示すものである場合と、車両Vにおいてリモートパーキング機能が利用不可能であること(以下、単に「利用不可能」とも表記する)を示すものである場合と、が考えられる。さらに、車両VがサーバSVからの利用可否データの取得に失敗する場合も考えられる。
【0070】
また、車両V及び端末装置T間に関しては、車両Vが端末装置Tから取得した利用可否データ(換言すると端末装置TがサーバSVから取得した利用可否データ)が、利用可能を示すものである場合と、利用不可能を示すものである場合と、が考えられる。さらに、車両Vが端末装置Tから(換言すると端末装置TがサーバSVから)の利用可否データの取得に失敗する場合も考えられる。
【0071】
したがって、本実施形態では、車両V及びサーバSV間に関する上記3つの場合と、車両V及び端末装置T間に関する上記3つの場合との組み合わせから、以下の9通りの場合が発生し得る。
【0072】
1つ目は、サーバSVから取得した利用可否データが利用可能を示すものであり、且つ、端末装置Tから取得した利用可否データが利用可能を示すものである場合である。図5の表TB中の(a)に示すように、この場合、判定部33cは、リモートパーキング機能が利用可能と判定する。
【0073】
2つ目は、サーバSVから取得した利用可否データが利用可能を示すものであり、且つ、端末装置Tから取得した利用可否データが利用不可能を示すものである場合である。車両V及び端末装置TはサーバSVから利用可否データを取得するタイミングがそれぞれ異なり得るため、このような場合も発生し得る。図5の表TB中の(b)に示すように、この場合、判定部33cは、リモートパーキング機能が利用不可能と判定する。
【0074】
3つ目は、サーバSVから取得した利用可否データが利用可能を示すものであり、且つ、端末装置Tからの利用可否データの取得に失敗した場合である。図5の表TB中の(c)に示すように、この場合、判定部33cは、リモートパーキング機能が利用可能と判定する。
【0075】
4つ目は、サーバSVから取得した利用可否データが利用不可能を示すものであり、且つ、端末装置Tから取得した利用可否データが利用可能を示すものである場合である。前述したように、車両V及び端末装置TはサーバSVから利用可否データを取得するタイミングがそれぞれ異なり得るため、このような場合も発生し得る。図5の表TB中の(d)に示すように、この場合、判定部33cは、リモートパーキング機能が利用不可能と判定する。
【0076】
5つ目は、サーバSVから取得した利用可否データが利用不可能を示すものであり、且つ、端末装置Tから取得した利用可否データが利用不可能を示すものである場合である。図5の表TB中の(e)に示すように、この場合、判定部33cは、リモートパーキング機能が利用不可能と判定する。
【0077】
6つ目は、サーバSVから取得した利用可否データが利用不可能を示すものであり、且つ、端末装置Tからの利用可否データの取得に失敗した場合である。図5の表TB中の(f)に示すように、この場合、判定部33cは、リモートパーキング機能が利用不可能と判定する。
【0078】
7つ目は、サーバSVからの利用可否データの取得に失敗し、且つ、端末装置Tから取得した利用可否データが利用可能を示すものである場合である。図5の表TB中の(g)に示すように、この場合、判定部33cは、リモートパーキング機能が利用可能と判定する。
【0079】
8つ目は、サーバSVからの利用可否データの取得に失敗し、且つ、端末装置Tから取得した利用可否データが利用不可能を示すものである場合である。図5の表TB中の(h)に示すように、この場合、判定部33cは、リモートパーキング機能が利用不可能と判定する。
【0080】
9つ目は、サーバSVからの利用可否データの取得に失敗し、且つ、端末装置Tからの利用可否データの取得に失敗した場合である。図5の表TB中の(i)に示すように、この場合、判定部33cは、リモートパーキング機能が利用可能と判定し得る。
【0081】
より具体的に説明すると、サーバSVと端末装置Tとの両方からの利用可否データの取得に失敗した場合、判定部33cは、サーバSV又は端末装置Tから過去に取得した利用可否データに基づいて、リモートパーキング機能が利用可能か否かを判定する。
【0082】
一例として、この場合、判定部33cは、記憶部32を参照して、サーバSV又は端末装置Tから過去に取得した利用可否データに利用可能を示すものがあるか否かを判定する。そして、サーバSV又は端末装置Tから過去に取得した利用可否データに利用可能を示すものがあれば、判定部33cは、リモートパーキング機能が利用可能と判定する。一方、サーバSV又は端末装置Tから過去に取得した利用可否データに利用可能を示すものがなければ、判定部33cは、リモートパーキング機能が利用不可能と判定する。
【0083】
他の一例として、この場合、判定部33cは、現在から過去の所定期間内にサーバSV又は端末装置Tから取得した利用可否データに基づいて、リモートパーキング機能が利用可能か否かを判定してもよい。より具体的には、この場合、記憶部32を参照して、現在から1か月前までの期間にサーバSV又は端末装置Tから取得した利用可否データに利用可能を示すものがあれば、判定部33cは、リモートパーキング機能が利用可能と判定してもよい。一方、現在から1か月前までの期間にサーバSV又は端末装置Tから取得した利用可否データに利用可能を示すものがなければ、判定部33cは、リモートパーキング機能が利用不可能と判定してもよい。
【0084】
なお、ここでは、上記の所定期間を1か月とした例を説明したが、これに限られない。上記の所定期間をどの程度の長さとするかは、車両Vの製造業者が任意に設定してもよい。また、判定部33cは、例えば、記憶部32において各利用可否データに対応付けられた取得日時の情報を参照することにより、現在から過去の所定期間内に取得された利用可否データを特定することができる。
【0085】
また、サーバSVと端末装置Tとの両方からの利用可否データの取得に失敗した場合、判定部33cは、サーバSVから過去に取得した利用可否データと、端末装置Tから過去に取得した利用可否データとのうち、直近に取得した利用可否データに基づいて、リモートパーキング機能が利用可能か否かを判定してもよい。より具体的には、この場合、記憶部32を参照して、サーバSVから過去に取得した利用可否データと、端末装置Tから過去に取得した利用可否データとのうち、取得日時が時系列的に後の利用可否データ(換言すると時系列的に後の取得日時が対応付けられた利用可否データ)が利用可能を示すものであれば、判定部33cは、リモートパーキング機能が利用可能と判定してもよい。一方、時系列的に後の取得日時が対応付けられた利用可否データが利用不可能を示すものであれば、判定部33cは、リモートパーキング機能が利用不可能と判定してもよい。
【0086】
以上に説明したように、制御装置30(制御部33)は、サーバSVと端末装置Tとの両方から利用可否データを取得できた場合であって、且つ、これら両方から取得した利用可否データがいずれも利用可能を示すものである場合には、リモートパーキング機能が利用可能と判定する(図5の表TB中の(a)を参照)。そして、この場合、制御装置30は、リモートパーキング機能を有効化し、当該機能をユーザが利用可能とする。
【0087】
すなわち、サーバSVと端末装置Tとの両方から利用可否データを取得できた場合であって、且つ、これら両方から取得した利用可否データがいずれも利用可能を示すものである場合には、現時点においてユーザがリモートパーキング機能を利用する権限を有している可能性が極めて高い。したがって、この場合には、ユーザに対してリモートパーキング機能を提供するのが合理的と考えられる。よって、この場合、制御装置30は、車両Vのリモートパーキング機能を有効化する。これにより、車両Vのリモートパーキング機能を本来利用可能なユーザが当該機能を利用することを可能にし、ユーザの利便性の向上を図れる。
【0088】
また、制御装置30は、サーバSVと端末装置Tとの両方から利用可否データを取得できた場合であって、且つ、これら両方から取得した利用可否データの少なくとも一方が利用不可能を示すものである場合には、リモートパーキング機能が利用不可能と判定する(図5の表TB中の(b)、(d)、(e)を参照)。そして、この場合、制御装置30は、リモートパーキング機能を有効化せず、当該機能をユーザが利用できないようにする。
【0089】
すなわち、サーバSVと端末装置Tとの両方から利用可否データを取得できた場合であって、且つ、これら両方から取得した利用可否データの少なくとも一方が利用不可能を示すものである場合には、現時点においてユーザがリモートパーキング機能を利用する権限を有していない可能性もある。したがって、この場合には、ユーザに対してリモートパーキング機能を提供しないのが合理的と考えられる。よって、この場合、制御装置30は、車両Vのリモートパーキング機能を有効化しないようにする。これにより、車両Vのリモートパーキング機能を利用する権限を有していないユーザに対して、当該機能を誤って提供してしまうのを抑制できる。
【0090】
なお、ここで説明した例では、サーバSVと端末装置Tとの両方から利用可否データを取得できた場合であって、且つ、これら両方から取得した利用可否データの少なくとも一方が利用不可能を示すものである場合には、リモートパーキング機能がユーザに提供されないようにしたが、これに限られない。例えば、この場合、制御装置30は、サーバSVと端末装置Tとの両方から取得した利用可否データのうち、取得日時が時系列的に後の利用可否データが利用可能を示すものであれば、リモートパーキング機能が利用可能と判定して、当該機能をユーザに提供するようにしてもよい。このようにすれば、現時点においてユーザがリモートパーキング機能を利用する権限を有している可能性が高い場合には、車両Vのリモートパーキング機能を有効化して、ユーザが当該機能を利用することを可能にし、ユーザの利便性の向上を図れる。
【0091】
また、制御装置30は、サーバSVと端末装置Tとのうち一方からのみ利用可否データを取得できた場合であって、且つ、当該利用可否データが利用可能を示すものである場合には、リモートパーキング機能が利用可能と判定する(図5の表TB中の(c)、(g)を参照)。そして、この場合には、制御装置30は、リモートパーキング機能を有効化し、当該機能をユーザが利用可能とする。
【0092】
すなわち、サーバSVと端末装置Tとの一方から利用可否データを取得できた場合であって、且つ、当該利用可否データが利用可能を示すものである場合には、現時点においてユーザがリモートパーキング機能を利用する権限を有している可能性が高い。したがって、この場合には、ユーザに対してリモートパーキング機能を提供するのが合理的と考えられる。よって、この場合、制御装置30は、車両Vのリモートパーキング機能を有効化する。これにより、サーバSVと端末装置Tとのうちの一方からの利用可否データの取得の失敗によって、車両Vのリモートパーキング機能を本来利用可能なユーザが当該機能を利用できなくなってしまうことを抑制でき、ユーザの利便性の向上を図れる。
【0093】
また、制御装置30は、サーバSVと端末装置Tとのうち一方からのみ利用可否データを取得できた場合であって、且つ、当該利用可否データが利用不可能を示すものである場合には、リモートパーキング機能が利用不可能と判定する(図5の表TB中の(f)、(h)を参照)。そして、この場合、制御装置30は、リモートパーキング機能を有効化せず、当該機能をユーザが利用できないようにする。
【0094】
すなわち、サーバSVと端末装置Tとのうち一方からのみ利用可否データを取得できた場合であって、且つ、当該利用可否データが利用不可能を示すものである場合には、現時点においてユーザがリモートパーキング機能を利用する権限を有していない可能性もある。したがって、この場合には、ユーザに対してリモートパーキング機能を提供しないのが合理的と考えられる。よって、この場合、制御装置30は、車両Vのリモートパーキング機能を有効化しないようにする。これにより、車両Vのリモートパーキング機能を利用する権限を有していないユーザに対して、当該機能を誤って提供してしまうのを抑制できる。
【0095】
また、制御装置30は、サーバSVと端末装置Tとの両方からの利用可否データの取得に失敗した場合には、サーバSV又は端末装置Tから過去に取得した利用可否データに基づいて、リモートパーキング機能が利用可能か否かを判定する。そして、例えば、サーバSV又は端末装置Tから過去に取得した利用可否データに利用可能を示すものがあれば、制御装置30は、リモートパーキング機能が利用可能と判定し(図5の表TB中の(i)を参照)、当該機能を有効化することでユーザが利用可能とする。
【0096】
すなわち、サーバSV又は端末装置Tから過去に取得した利用可否データに利用可能を示すものがある場合には、現時点においてもユーザがリモートパーキング機能を利用する権限を有している可能性がある。よって、この場合、制御装置30は、車両Vのリモートパーキング機能を有効化する。これにより、サーバSVと端末装置Tとの両方から利用可否データを取得するのに失敗しても、車両Vのリモートパーキング機能を本来利用可能なユーザが当該機能を利用できなくなってしまうことを抑制でき、ユーザの利便性の向上を図れる。
【0097】
一方、サーバSV又は端末装置Tから過去に取得した利用可否データに利用可能を示すものがなければ、制御装置30は、リモートパーキング機能が利用不可能と判定して、当該機能をユーザに提供しないようにする。すなわち、サーバSV又は端末装置Tから過去に取得した利用可否データに利用可能を示すものがない場合には、現時点においてもユーザがリモートパーキング機能を利用する権限を有していない可能性が高い。よって、この場合、制御装置30は、車両Vのリモートパーキング機能を有効化しないようにする。これにより、サーバSVと端末装置Tとの両方から利用可否データを取得するのに失敗しても、車両Vのリモートパーキング機能を利用する権限を有していないユーザに対して、当該機能を誤って提供してしまうのを抑制できる。
【0098】
ところで、サーバSVと端末装置Tとのうちの少なくとも一方からの利用可否データの取得に失敗した場合、制御装置30は、上記のようにリモートパーキング機能の利用可否を一旦判定した上で、所定の周期で(例えば10[s]毎に)利用可否データの取得にリトライするようにしてもよい。そして、制御装置30は、リトライにより利用可否データが取得できた場合には、新たに取得した利用可否データに基づいて、リモートパーキング機能の利用可否を判定し直すようにしてもよい。
【0099】
例えば、サーバSV又は端末装置Tから過去に取得した利用可否データに利用可能を示すものがあったとしても、現時点では、すでにユーザがリモートパーキング機能を利用する権限を有していないことも考えられる。このため、制御装置30は、サーバSVと端末装置Tとのうちの少なくとも一方からの利用可否データの取得に失敗した場合には、その後、利用可否データの取得にリトライし、当該リトライにより新たに取得した利用可否データに基づいて、リモートパーキング機能の利用可否を判定し直すのが好ましい。
【0100】
そして、制御装置30は、例えば、リモートパーキング機能を有効化しているときに新たに取得した利用可否データが利用不可能を示すものであった場合には、リモートパーキング機能を無効化するのが好ましい。これにより、車両Vのリモートパーキング機能を利用する権限を有していないユーザに対して、当該機能を誤って提供し続けてしまうのを抑制できる。
【0101】
[リモートパーキング機能]
次に、車両Vのリモートパーキング機能の一例について、より具体的に説明する。前述したように、ユーザは、車両Vのリモートパーキング機能を利用することで、車両Vを所定の位置まで移動させて当該位置に駐車したり、駐車中の車両Vを所定の位置まで出庫させたりすることができる。
【0102】
[リモートパーキング機能による駐車]
リモートパーキング機能による駐車を行う場合、車両Vの制御装置30は、例えば、リモートパーキング機能による駐車を実行する旨の操作を、操作入力部80等を介して受け付けると、センサ群10の検出結果に基づいて、車両Vを駐車可能な駐車可能位置を検出する。そして、制御装置30は、検出された駐車可能位置を目標位置(以下、「目標駐車位置」とも称する)として設定する。複数の駐車可能位置が検出された場合、制御装置30は、これらのうちのいずれかを目標駐車位置として設定する。
【0103】
その後、制御装置30は、端末装置Tからの移動指示に基づいて、車両Vの各部の動作を制御することにより、車両Vを目標駐車位置へ移動させる。移動指示は、例えば、リモートパーキングアプリを実行している端末装置Tのタッチパネル103に対して、ユーザが所定の操作を行うことにより、端末装置Tから車両Vへ送信される。
【0104】
より具体的に説明すると、図6中の(a)に示すように、制御装置30は、リモートパーキング機能による駐車を実行する旨の操作をユーザUから受け付けると、車両Vを駐車可能な駐車可能位置P1を検出し、検出された駐車可能位置P1を目標駐車位置として設定する。また、制御装置30は、目標駐車位置を設定すると、当該目標駐車位置の位置及び当該目標駐車位置への移動内容(例えばどのようか軌跡で移動して当該目標駐車位置に駐車するか)を含む情報を端末装置Tへ送信する。
【0105】
そして、端末装置Tは、車両Vから受信した情報に基づいて、例えば、操作開始画面G1をタッチパネル103に表示する。操作開始画面G1には、車両Vと目標駐車位置(ここでは駐車可能位置P1)との位置関係及び当該目標駐車位置へ移動する際の軌跡を示す画像g1と、周辺の状況への注意を促すメッセージm1と、が表示される。
【0106】
操作開始画面G1が表示されたタッチパネル103に対して、ユーザUが所定の操作(例えばタッチ操作)を行うと、図6(b)に示すように、操作受付画面G2がタッチパネル103に表示される。操作受付画面G2には、例えば、円弧状の矢印画像g2が画面中央に大きく表示され、矢印画像g2の傍ら(この例では上方)に、車両Vを移動させるための操作(以下、「移動操作」とも称する)を案内するメッセージm2が表示される。
【0107】
矢印画像g2は、ユーザUが指先でなぞるべき位置と方向を示す。本実施形態では、矢印画像g2が示す位置を、矢印画像g2が示す方向に指先でなぞる操作を移動操作としている。このため、メッセージm2としては、「矢印をなぞるとクルマが移動します」といったメッセージが表示される。
【0108】
このような操作受付画面G2を端末装置Tに表示させることにより、移動操作を直感的にわかりやすくユーザUに案内することが可能となる。そして、端末装置Tは、矢印画像g2が示す位置(矢印画像g2が表示されている部分)を、矢印画像g2が示す方向になぞる操作があると、当該操作を移動操作として受け付け、移動指示を車両Vに送信する。
【0109】
車両Vの制御装置30は、端末装置Tからの移動指示を受信すると、図6(b)に示すように、例えば、設定した目標駐車位置(ここでは駐車可能位置P1)へ車両Vを徐々に移動(例えば後進)させていく。
【0110】
そして、図6(c)に示すように、目標駐車位置への車両Vの移動が完了すると、制御装置30は、駐車が完了した旨を示す情報を端末装置Tへ送信する。この情報を受信した端末装置Tは、図6(c)に示すように、操作完了画面G3をタッチパネル103に表示する。操作完了画面G3には、例えば、駐車が完了したことを示すメッセージm3が表示される。
【0111】
[リモートパーキング機能による出庫]
リモートパーキング機能による出庫を行う場合、車両Vの制御装置30は、例えば、リモートパーキング機能による出庫を実行する旨の操作を、端末装置T等を介して受け付けると、センサ群10の検出結果に基づいて、車両Vを出庫可能な出庫可能位置を検出する。ここで、出庫可能位置は、例えば、車両Vが現在駐車中の駐車位置から移動可能な位置であって、且つユーザUが乗車するために車両Vを一時的に駐車させるのが可能な位置である。そして、制御装置30は、検出された出庫可能位置を目標位置(以下、「目標出庫位置」とも称する)として設定する。なお、制御装置30は、ユーザUによって指定された位置を目標出庫位置として設定するようにしてもよい。
【0112】
その後、制御装置30は、端末装置Tからの移動指示に基づいて、車両Vの各部の動作を制御することにより、車両Vを目標出庫位置へ移動させる。前述したように、移動指示は、例えば、リモートパーキングアプリを実行している端末装置Tのタッチパネル103に対して、ユーザが所定の操作を行うことにより、端末装置Tから車両Vへ送信される。
【0113】
より具体的に説明すると、図7中の(a)に示すように、制御装置30は、リモートパーキング機能による出庫を実行する旨の操作をユーザUから受け付けると、車両Vを現在駐車中の駐車位置P10から出庫させることが可能な出庫可能位置P11を検出し、検出された出庫可能位置P11を目標出庫位置として設定する。また、制御装置30は、目標出庫位置を設定すると、当該目標出庫位置の位置及び当該目標出庫位置への移動内容(例えばどのようか軌跡で移動して当該目標出庫位置へ出庫するか)とを含む情報を端末装置Tへ送信する。
【0114】
そして、端末装置Tは、車両Vから受信した情報に基づいて、例えば、操作開始画面G11をタッチパネル103に表示する。操作開始画面G11には、車両Vと目標出庫位置(ここでは出庫可能位置P11)との位置関係及び当該目標出庫位置へ移動する際の軌跡を示す画像g11と、周辺の状況への注意を促すメッセージm11と、が表示される。
【0115】
操作開始画面G11が表示されたタッチパネル103に対して、ユーザUが所定の操作(例えばタッチ操作)を行うと、図7(b)に示すように、操作受付画面G12がタッチパネル103に表示される。操作受付画面G12には、操作受付画面G2と同様に、例えば、円弧状の矢印画像g2が画面中央に大きく表示され、矢印画像g2の傍ら(この例では上方)に、車両Vを移動させるための移動操作を案内するメッセージm2が表示される。そして、端末装置Tは、矢印画像g2が示す位置(矢印画像g2が表示されている部分)を、矢印画像g2が示す方向になぞる操作があると、当該操作を移動操作として受け付け、移動指示を車両Vに送信する。
【0116】
車両Vの制御装置30は、端末装置Tからの移動指示を受信すると、図7(b)に示すように、例えば、設定した目標出庫位置(ここでは出庫可能位置P11)へ車両Vを徐々に移動(例えば前進)させていく。
【0117】
そして、図7(c)に示すように、目標出庫位置への車両Vの移動が完了すると、制御装置30は、出庫が完了した旨を示す情報を端末装置Tへ送信する。この情報を受信した端末装置Tは、図7(c)に示すように、操作完了画面G13をタッチパネル103に表示する。操作完了画面G13には、例えば、出庫が完了したことを示すメッセージm13が表示される。
【0118】
なお、前述したように、制御装置30は、例えば、リモートパーキング機能を有効化しているときに新たに取得した利用可否データが利用不可能を示すものであった場合には、リモートパーキング機能を無効化してもよい。ただし、リモートパーキング機能による車両Vの移動中に、利用不可能を示す利用可否データを取得したからといってその時点でリモートパーキング機能を無効化して車両Vを停止させるのは、安全性の観点から好ましくない場合がある。
【0119】
そこで、制御装置30は、リモートパーキング機能によって車両Vを目標位置(例えば図6に示した駐車可能位置P1や、図7に示した出庫可能位置P11)まで移動させているときに、サーバSVと端末装置Tとのうちの少なくとも一方から、リモートパーキング機能が利用不可能であることを示す利用可否データを取得した場合には、車両Vが目標位置に到達してからリモートパーキング機能を無効化するようにしてもよい。これにより、リモートパーキング機能によって車両Vを移動させているときに、ユーザがリモートパーキング機能を利用する権限を有さないことが判明したとしても、ひとまず車両Vを目標位置まで移動させることが可能となる。したがって、車両Vが目標位置までの途中位置で停止してしまうのを回避して、車両Vが当該途中位置で停止することによる安全性の低下を抑制できる。
【0120】
[車両制御システムの各装置が行う処理]
次に、車両制御システム1において、端末装置T及び車両Vの制御装置30が行う処理の一例について説明する。ここでは、まず、端末装置Tが行う処理の一例から説明する。
【0121】
[端末装置が行う処理の一例]
端末装置Tは、例えば、ユーザからのリモートパーキングアプリ起動指令に応じてリモートパーキングアプリを起動させると、図8に示す処理を実行する。図8に示すように、まず、端末装置Tは、ネットワークNETを介してサーバSVと通信可能であるか否かを判定する(ステップS1)。
【0122】
サーバSVと通信不可能と判定すると(ステップS1:NO)、端末装置Tは、利用可否データの取得に失敗したことを車両Vへ通知して(ステップS2)、ステップS5の処理へ進む。
【0123】
サーバSVと通信可能と判定すると(ステップS1:YES)、端末装置Tは、サーバSVから利用可否データを取得し(ステップS3)、取得した利用可否データを車両Vへ送信して(ステップS4)、ステップS5の処理へ進む。
【0124】
次に、端末装置Tは、リモートパーキング機能の利用可否についての判定結果を車両Vから受信したか否かを判定する(ステップS5)。判定結果を受信していないと判定すると(ステップS5:NO)、端末装置Tは、判定結果を受信するまでステップS5の処理を繰り返す。
【0125】
そして、判定結果を受信したと判定すると(ステップS5:NO)、端末装置Tは、受信した判定結果が利用可能を示すものであるか否かを判定する(ステップS6)。受信した判定結果が利用不可能を示すものであれば(ステップS6:NO)、端末装置Tは、例えば、リモートパーキング機能が利用不可能であることをユーザに通知するとともにリモートパーキングアプリを終了して(ステップS7)、図8に示す処理を終了する。すなわち、この場合、ユーザは、車両Vのリモートパーキング機能を利用することはできない。
【0126】
一方、受信した判定結果が利用可能を示すものであれば(ステップS6:YES)、端末装置Tは、ユーザからの操作を受け付けるための操作受付画面(例えば、図6に示した操作受付画面G2、又は図7に示した操作受付画面G12)をタッチパネル103に表示する(ステップS8)。
【0127】
次に、端末装置Tは、ステップS8の処理により表示させた操作受付画面を介してユーザからの移動操作を受け付けたか否かを判定する(ステップS9)。移動操作を受け付けていないと判定すると(ステップS9:NO)、端末装置Tは、移動操作を受け付けるまでステップS9の処理を繰り返す。
【0128】
そして、移動操作を受け付けたと判定すると(ステップS9:NO)、端末装置Tは、受け付けた移動操作に応じた移動指示を車両Vへ送信する(ステップS10)。これにより、車両Vが目標位置(例えば、図6に示した駐車可能位置P1、又は図7に示した出庫可能位置P11)へ向かって所定距離(例えば0.5[m])だけ移動する。
【0129】
そして、端末装置Tは、車両Vの目標位置への移動が完了したか否かを判定する(ステップS11)。車両Vの目標位置への移動が完了していないと判定すると(ステップS11:NO)、端末装置Tは、ステップS9の処理へ復帰する。一方、車両Vの目標位置への移動が完了したと判定すると(ステップS11:YES)、端末装置Tは、図8に示す処理を終了する。
【0130】
[車両の制御装置が行う処理の一例]
次に、制御装置30が行う処理の一例について説明する。制御装置30は、例えば、車両Vのイグニッション電源がオンとされると、図9に示す処理を実行する。図9に示すように、まず、制御装置30は、ネットワークNETを介してサーバSVと通信可能であるか否かを判定する(ステップS21)。
【0131】
サーバSVと通信不可能と判定すると(ステップS21:NO)、制御装置30は、サーバSVからの利用可否データの取得に失敗したものとし、そのままステップS23の処理へ進む。一方、サーバSVと通信可能と判定すると(ステップS21:YES)、制御装置30は、サーバSVから利用可否データを取得するとともに当該利用可否データを記憶部32に記憶して(ステップS22)、ステップS23の処理へ進む。
【0132】
次に、制御装置30は、端末装置Tから利用可否データを受信したか否かを判定する(ステップS23)。端末装置Tから利用可否データを受信したと判定すると(ステップS23:YES)、制御装置30は、端末装置Tから取得(換言すると受信)した利用可否データを記憶部32に記憶して(ステップS24)、ステップS25の処理へ進む。
【0133】
次に、制御装置30は、ステップS22の処理によりサーバSVから利用可否データを取得できたか否かを判定する(ステップS25)。サーバSVから利用可否データを取得できなかったと判定した場合(ステップS25:NO)、すなわち、端末装置Tのみから利用可否データを取得できた場合、制御装置30は、ステップS28の処理へ進む。
【0134】
一方、サーバSVから利用可否データを取得できたと判定した場合(ステップS25:YES)、すなわち、サーバSVと端末装置Tとの両方から利用可否データを取得できた場合、制御装置30は、第1利用可否判定処理を行って(ステップS26)、図9に示す処理を終了する。
【0135】
ここで、第1利用可否判定処理は、ステップS22の処理によりサーバSVから取得した利用可否データ、及びステップS24の処理により端末装置Tから取得した利用可否データに基づいて、車両Vにおいてリモートパーキング機能が利用可能か否かを判定する処理である。第1利用可否判定処理の具体的な一例については図10を用いて後述するため、ここでの説明を省略する。
【0136】
また、端末装置Tから利用可否データを受信していないと判定すると(ステップS23:NO)、制御装置30は、利用可否データの取得失敗の通知が端末装置Tからあったか否かを判定する(ステップS27)。利用可否データの取得失敗の通知がない場合(ステップS27:NO)、制御装置30は、ステップS23の処理へ復帰する。
【0137】
利用可否データの取得失敗の通知があった場合(ステップS27:YES)、すなわち、端末装置Tからの利用可否データの取得に失敗した場合、制御装置30は、第2利用可否判定処理を行って(ステップS28)、図9に示す処理を終了する。
【0138】
ここで、第2利用可否判定処理は、サーバSVと端末装置Tとのうちの一方から取得した利用可否データ、又は、サーバSV又は端末装置Tから過去に取得した利用可否データに基づいて、車両Vにおいてリモートパーキング機能が利用可能か否かを判定する処理である。第2利用可否判定処理の具体的な一例については図11及び図12を用いて後述するため、ここでの説明を省略する。
【0139】
[第1利用可否判定処理]
次に、ステップS26の第1利用可否判定処理の一例について説明する。図10に示すように、第1利用可否判定処理において、制御装置30は、サーバSVから取得した利用可否データが利用不可能を示すものであるか否かを判定する(ステップS31)。サーバSVから取得した利用可否データが利用不可能を示すと判定すると(ステップS31:YES)、制御装置30は、ステップS33の処理へ進む。
【0140】
一方、サーバSVから取得した利用可否データが利用可能を示すと判定すると(ステップS31:NO)、制御装置30は、端末装置Tから取得した利用可否データが利用不可能を示すものであるか否かを判定する(ステップS32)。端末装置Tから取得した利用可否データが利用不可能を示すと判定すると(ステップS32:YES)、制御装置30は、リモートパーキング機能が利用不可能である旨の判定結果を端末装置Tへ送信して(ステップS33)、第1利用可否判定処理を終了する。このように、制御装置30は、リモートパーキング機能が利用不可能である旨の判定結果を端末装置Tへ送信することで、端末装置Tに前述した操作受付画面を表示させないようにして、リモートパーキング機能を利用不可能な状態とすることができる。
【0141】
一方、端末装置Tから取得した利用可否データが利用可能を示すと判定すると(ステップS32:NO)、制御装置30は、リモートパーキング機能が利用可能である旨の判定結果を端末装置Tへ送信して(ステップS34)、第1利用可否判定処理を終了する。このように、制御装置30は、リモートパーキング機能が利用可能である旨の判定結果を端末装置Tへ送信することで、端末装置Tに前述した操作受付画面を表示されるようにして、リモートパーキング機能を利用可能な状態とすることができる。
【0142】
[第2利用可否判定処理]
次に、ステップS28の第2利用可否判定処理の一例について説明する。図11に示すように、第2利用可否判定処理において、制御装置30は、サーバSVからの利用可否データの取得に失敗したか否かを判定する(ステップS41)。サーバSVからの利用可否データの取得に失敗していないと判定した場合(ステップS41:NO)、すなわち、端末装置Tからの利用可否データの取得にのみ失敗した場合、制御装置30は、サーバSVから取得した利用可否データが利用可能を示すものであるか否かを判定する(ステップS42)。
【0143】
サーバSVから取得した利用可否データが利用不可能を示すと判定すると(ステップS42:NO)、制御装置30は、ステップS46の処理へ進む。一方、サーバSVから取得した利用可否データが利用可能を示すと判定すると(ステップS42:YES)、制御装置30は、リモートパーキング機能が利用可能である旨の判定結果を端末装置Tへ送信して(ステップS43)、第2利用可否判定処理を終了する。
【0144】
また、サーバSVからの利用可否データの取得に失敗したと判定した場合(ステップS41:YES)、制御装置30は、端末装置Tからの利用可否データの取得に失敗したか否かを判定する(ステップS44)。端末装置Tからの利用可否データの取得に失敗していないと判定した場合(ステップS44:NO)、すなわち、サーバSVからの利用可否データの取得にのみ失敗した場合、制御装置30は、端末装置Tから取得した利用可否データが利用可能を示すものであるか否かを判定する(ステップS45)。
【0145】
端末装置Tから取得した利用可否データが利用可能を示すと判定すると(ステップS45:YES)、制御装置30は、ステップS43の処理へ進む。一方、端末装置Tから取得した利用可否データが利用不可能を示すと判定すると(ステップS45:NO)、制御装置30は、リモートパーキング機能が利用不可能である旨の判定結果を端末装置Tへ送信して(ステップS46)、第2利用可否判定処理を終了する。
【0146】
また、端末装置Tからの利用可否データの取得に失敗したと判定した場合(ステップS44:YES)、すなわち、サーバSVと端末装置Tとの両方から利用可否データの取得に失敗した場合、制御装置30は、図12に示すステップS47の処理へ進む。
【0147】
そして、制御装置30は、記憶部32を参照して、過去の取得された利用可否データがあるか否かを判定する(ステップS47)。過去の取得された利用可否データがないと判定すると(ステップS47:NO)、制御装置30は、リモートパーキング機能が利用不可能である旨の判定結果を端末装置Tへ送信して(ステップS48)、第2利用可否判定処理を終了する。
【0148】
一方、過去の取得された利用可否データがあると判定すると(ステップS47:Yes)、制御装置30は、当該利用可否データが現在から過去の所定期間に取得されたものであるか否かを判定する(ステップS49)。一例として、ステップS49の処理において、制御装置30は、現在から1か月前までの期間に取得された利用可否データがある場合に、現在から過去の所定期間に取得された利用可否データがあると判定する。他の一例として、ステップS49の処理において、制御装置30は、直近に利用可否データが取得されてから現在までに行われたリモートパーキング機能を利用した駐車又は出庫の回数が所定回数(例えば5回)以下であるか否かを判定し、所定回数以下である場合に、現在から過去の所定期間に取得された利用可否データがあると判定してもよい。すなわち、上記の所定期間は、例えば1か月といった一定期間であってもよいし、リモートパーキング機能を利用した駐車又は出庫が行われた回数を用いて規定されてもよい。
【0149】
そして、過去の利用可否データが現在から過去の所定期間に取得されたものであると判定すると(ステップS49:YES)、制御装置30は、当該利用可否データが利用可能を示すものであるか否かを判定する(ステップS50)。過去に取得された利用可否データが利用不可能を示すと判定すると(ステップS50:NO)、制御装置30は、ステップS48の処理へ進む。一方、過去に取得された利用可否データが利用可能を示すと判定すると(ステップS50:YES)、制御装置30は、リモートパーキング機能が利用可能である旨の判定結果を端末装置Tへ送信して(ステップS51)、第2利用可否判定処理を終了する。
【0150】
以上に説明したように、本実施形態によれば、リモートパーキング機能等の所定機能を有する車両Vのユーザの利便性を向上させることができる。そして、延いては、交通の安全性を改善し、持続可能な輸送システムの発展に寄与できる。
【0151】
なお、本実施形態で説明した制御方法は、あらかじめ用意されたプログラム(制御プログラム)をコンピュータで実行することにより実現できる。本制御プログラムは、例えば、コンピュータが読み取り可能な記憶媒体に記憶され、記憶媒体から読み出されることによって実行される。また、本制御プログラムは、フラッシュメモリ等の不揮発性(非一過性)の記憶媒体に記憶された形で提供されてもよいし、インターネット等のネットワークを介して提供されてもよい。また、本実施形態では、本制御プログラムを実行するコンピュータを車両Vの制御装置30としたが、これに限られない。例えば、本制御プログラムを実行するコンピュータは、車両Vと通信可能な端末装置Tに含まれるもの(例えば制御部101を構成するCPU)であってもよい。
【0152】
以上、本発明の実施形態について、添付図面を参照しながら説明したが、本発明は、かかる実施形態に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇内において、各種の変更例又は修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。また、発明の趣旨を逸脱しない範囲において、前述した実施形態における各構成要素を任意に組み合わせてもよい。
【0153】
例えば、前述した実施形態では、本発明の制御装置を、車両Vが備える制御装置30によって実現した例を説明したが、これに限られない。例えば、本発明の制御装置を、端末装置Tによって実現してもよい。この場合、例えば、前述した制御装置30(制御部33)が実行する各処理を、端末装置T(制御部101)が実行すればよい。
【0154】
また、前述した実施形態では、本発明における所定機能をリモートパーキング機能とした例を説明したが、これに限られない。本発明における所定機能は、リモートパーキング機能以外の任意の機能としてもよく、例えば、車両Vの走行速度等を自動的に調整して前走車両を追従するように車両Vを走行させるアダプティブ・クルーズ・コントロール機能としたり、車両Vの車線からの逸脱を抑制するレーンキープアシスト機能としたりしてもよい。また、本発明における所定機能を、運転支援機能以外の機能としてもよく、例えば、いわゆるサブスクリプション形式の動画、音楽、又はゲーム等を再生可能な機能としてもよい。
【0155】
また、前述した実施形態では、本発明における移動体を、四輪の自動車である車両Vとした例を説明したが、これに限られない。本発明における移動体は、二輪の自動車(いわゆる自動二輪車)であってもよいし、セグウェイ(登録商標)、船舶、又は航空機等であってもよい。
【0156】
本明細書には少なくとも以下の事項が記載されている。なお、括弧内には、前述した実施形態において対応する構成要素等を示しているが、これに限定されるものではない。
【0157】
(1) 所定機能を有する車両(車両V)を制御する制御装置(制御装置30)であって、
前記制御装置は、
前記車両における前記所定機能の利用可否に関するデータを記憶するサーバ(サーバSV)から、ネットワーク(ネットワークNET)を介して前記データを取得可能、且つ、前記車両のユーザの端末装置(端末装置T)から、当該端末装置が前記サーバから取得した前記データを取得可能に構成され、
前記サーバと前記端末装置とのうちの一方からの前記データの取得に失敗した場合に、他方から取得した前記データに基づいて、前記所定機能が利用可能か否かを判定し、
前記所定機能が利用可能と判定した場合に、前記所定機能を利用可能とする、
処理を行う制御部(制御部33)を備える、制御装置。
【0158】
(1)によれば、制御装置がサーバと端末装置とのうちの一方からのデータの取得に失敗したとしても、他方から取得したデータに基づいて車両の所定機能を利用可能とする(換言すると有効化する)ことができる。これにより、サーバと端末装置とのうちの一方からのデータの取得の失敗によって、車両の所定機能を本来利用可能なユーザが当該機能を利用できなくなってしまうことを抑制でき、ユーザの利便性の向上を図れる。そして、延いては持続可能な輸送システムの発展に寄与できる。
【0159】
(2) (1)に記載の制御装置であって、
前記制御部は、前記他方から取得したデータが、前記所定機能を利用可能であることを示す情報を含む場合に、前記所定機能が利用可能と判定する、
制御装置。
【0160】
(2)によれば、車両の所定機能を本来利用可能なユーザに対して当該機能を提供することが可能となる。
【0161】
(3) (1)又は(2)に記載の制御装置であって、
前記制御部は、
前記サーバと前記端末装置との両方からの前記データの取得に失敗した場合に、前記サーバ又は前記端末装置から過去に取得した前記データに基づいて、前記所定機能が利用可能か否かを判定する、処理をさらに行う、
制御装置。
【0162】
(3)によれば、制御装置がサーバと端末装置との両方からのデータの取得に失敗したとしても、これらから過去に取得したデータに基づいて車両の所定機能を利用可能とすることができる。これにより、サーバと端末装置との両方からのデータの取得の失敗によって、車両の所定機能を本来利用可能なユーザが当該機能を利用できなくなってしまうことを抑制でき、ユーザの利便性の向上を図れる。
【0163】
(4) (3)に記載の制御装置であって、
前記制御部は、前記過去に取得したデータが、前記所定機能を利用可能であることを示す情報を含む場合に、前記所定機能が利用可能と判定する、
制御装置。
【0164】
(4)によれば、車両の所定機能を本来利用可能なユーザに対して当該機能を提供することが可能となる。
【0165】
(5) (3)又は(4)に記載の制御装置であって、
前記過去に取得したデータは、現在から過去の所定期間に取得した前記データである、
制御装置。
【0166】
ユーザが車両の所定機能を利用可能な権限を有するか否かは、時間の経過によって変わることがある。(5)によれば、古いデータに基づいて、車両の所定機能を本来利用可能なユーザに対して当該機能を提供し損なったり、所定機能を本来利用不可能なユーザに対して当該機能を誤って提供してしまったりすることを抑制することが可能となる。
【0167】
(6) (3)から(5)のいずれかに記載の制御装置であって、
前記過去に取得したデータは、直近に取得した前記データである、
制御装置。
【0168】
(6)によれば、古いデータに基づいて、車両の所定機能を本来利用可能なユーザに対して当該機能を提供し損なったり、所定機能を本来利用不可能なユーザに対して当該機能を誤って提供してしまったりすることを抑制することが可能となる。
【0169】
(7) (1)から(6)のいずれかに記載の制御装置であって、
前記所定機能は、前記端末装置に対する操作に応じて前記車両を所定の位置まで移動させる機能である、
制御装置。
【0170】
(7)によれば、端末装置に対する操作に応じて車両を所定の位置まで移動させるという利便性の高い機能を、当該機能を利用可能なユーザに対して提供できる。
【0171】
(8) (7)に記載の制御装置であって、
前記制御部は、
前記所定機能によって前記車両を前記所定の位置まで移動させているときに、前記サーバと前記端末装置とのうちの少なくとも一方から、前記所定機能を利用不可能であることを示す情報を含む前記データを取得した場合に、前記車両が前記所定の位置に到達してから前記所定機能を無効化する、処理をさらに行う、
制御装置。
【0172】
(8)によれば、所定機能によって車両を目標位置まで移動させているときにユーザが所定機能を本来利用不可能な者であることが判明したとしても、車両を所定の位置まで移動させることができる。これにより、車両が途中位置で停止してしまうのを回避して、車両が途中位置で停止することによる安全性の低下を抑制できる。
【0173】
(9) (1)から(8)のいずれかに記載の制御装置であって、
前記サーバは、
前記車両、前記ユーザ、又は前記端末装置を識別する識別子に、前記車両における前記所定機能の利用可否を示す情報を対応付けた前記データを記憶するように構成され、
前記車両又は前記端末装置に対する前記ユーザの課金操作に基づいて、前記所定機能を利用可能であることを示す情報を含む前記データを記憶する、
制御装置。
【0174】
(9)によれば、課金操作を行ったユーザに対して、端末装置に対する操作に応じて車両を所定の位置まで移動させるという利便性の高い機能を提供することが可能となる。
【0175】
(10) 所定機能を有する車両を制御するコンピュータ(制御装置30)が行う制御方法であって、
前記コンピュータは、
前記車両における前記所定機能の利用可否に関するデータを記憶するサーバ(サーバSV)から、ネットワーク(ネットワークNET)を介して前記データを取得可能、且つ、前記車両のユーザの端末装置(端末装置T)から、当該端末装置が前記サーバから取得した前記データを取得可能に構成され、
前記コンピュータが、
前記サーバと前記端末装置とのうちの一方からの前記データの取得に失敗した場合に、他方から取得した前記データに基づいて、前記所定機能が利用可能か否かを判定し、
前記所定機能が利用可能と判定した場合に、前記所定機能を利用可能とする、処理を行う、制御方法。
【0176】
(10)によれば、制御装置がサーバと端末装置とのうちの一方からのデータの取得に失敗したとしても、他方から取得したデータに基づいて車両の所定機能を利用可能とする(換言すると有効化する)ことができる。これにより、サーバと端末装置とのうちの一方からのデータの取得の失敗によって、車両の所定機能を本来利用可能なユーザが当該機能を利用できなくなってしまうことを抑制でき、ユーザの利便性の向上を図れる。そして、延いては持続可能な輸送システムの発展に寄与できる。
【符号の説明】
【0177】
1 車両制御システム
V 車両
T 端末装置
SV サーバ
30 制御装置(コンピュータ)
33 制御部

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12