(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024140768
(43)【公開日】2024-10-10
(54)【発明の名称】ストッカシステム、制御装置および表示方法
(51)【国際特許分類】
A47G 29/20 20060101AFI20241003BHJP
E05B 65/00 20060101ALI20241003BHJP
【FI】
A47G29/20
E05B65/00 D
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023052092
(22)【出願日】2023-03-28
(71)【出願人】
【識別番号】000237271
【氏名又は名称】株式会社FUJI
(74)【代理人】
【識別番号】110000017
【氏名又は名称】弁理士法人アイテック国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】河口 真佐義
(72)【発明者】
【氏名】牛居 智史
【テーマコード(参考)】
3K100
【Fターム(参考)】
3K100CA47
3K100CC05
3K100CD03
(57)【要約】
【課題】より適正に複数の納品庫毎に物品が入庫されているか否かを確認する。
【解決手段】閉扉されると施錠される扉を有する複数の納品庫と、画面を表示する表示部と、表示部を制御する制御部と、を備えるストッカシステムであって、制御部は、配達者の操作に基づいて複数の納品庫が開扉された後に閉扉されたときには、表示部に、閉扉された納品庫毎に物品が入庫されたか否かの入力を受け付けるための入力画面を表示させる。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
閉扉されると施錠される扉を有する複数の納品庫と、画面を表示する表示部と、前記表示部を制御する制御部と、を備えるストッカシステムであって、
前記制御部は、配達者の操作に基づいて複数の前記納品庫が開扉された後に閉扉されたときには、前記表示部に、閉扉された前記納品庫毎に物品が入庫されたか否かの入力を受け付けるための入力画面を表示させる
ストッカシステム。
【請求項2】
請求項1記載のストッカシステムであって、
前記制御部は、前記配達者の操作に基づいて複数の前記納品庫が開扉されてから所定時間が経過したときには、前記表示部に、前記入力画面を表示させる
ストッカシステム。
【請求項3】
請求項1または2記載のストッカシステムであって、
前記制御部は、前記表示部により閉扉された前記納品庫に対して前記物品が入庫されたか否かの入力が受け付けられたときには、前記物品の入庫が入力された前記納品庫と前記物品の入庫が入力されていない前記納品庫とが識別可能となるように前記入力画面を変更する
ストッカシステム。
【請求項4】
請求項1または2記載のストッカシステムであって、
前記制御部は、前記入力画面を、閉扉された前記納品庫毎に前記物品が入庫されたか否かの入力と、前記納品庫毎の入庫の有無の確認の入力と、を受け付けるための画面とし、
前記表示部は、前記入力画面において、前記確認の入力を受け付けたときに、前記納品庫毎の入庫の有無を前記制御部へ出力する
ストッカシステム。
【請求項5】
請求項1または2記載のストッカシステムであって、
前記配達者の識別番号と開扉する複数の前記納品庫との対応関係を記憶する記憶部
を備え、
前記制御部は、前記識別番号が入力されたときには、前記対応関係に基づいて前記識別番号に対応する複数の前記納品庫を開扉する
ストッカシステム。
【請求項6】
請求項1または2記載のストッカシステムであって、
前記入力画面は、複数の前記納品庫を示す複数のボックス画像を含み、
前記制御部は、前記入力画面において、開扉された前記納品庫に対応する前記ボックス画像を、開扉されていない前記納品庫に対応する前記ボックス画像と異なる態様で表示する
ストッカシステム。
【請求項7】
請求項3記載のストッカシステムであって、
前記入力画面は、複数の前記納品庫を示す複数のボックス画像を含み、
前記制御部は、前記入力画面において、前記物品の入庫を入力された前記納品庫に対応する前記ボックス画像を、前記物品の入庫が入力されていない前記納品庫に対応する前記ボックス画像と異なる態様で表示する
ストッカシステム。
【請求項8】
閉扉されると施錠される扉を有する複数の納品庫と、画面を表示する表示部と、を備えるストッカシステムに用いられる制御装置であって、
配達者の操作に基づいて複数の前記納品庫が開扉された後に閉扉されたときには、前記表示部に、閉扉された前記納品庫毎に物品が入庫されたか否かの入力を受け付けるための入力画面を表示させる制御部
を備える制御装置。
【請求項9】
閉扉されると施錠される扉を有する複数の納品庫と、画面を表示する表示部と、を備えるストッカシステムの前記表示部に前記画面を表示させる表示方法であって、
配達者の操作に基づいて複数の前記納品庫が開扉された後に閉扉されたときには、前記表示部に、閉扉された前記納品庫毎に物品が入庫されたか否かの入力を受け付けるための入力画面を表示させる表示ステップ
を備える表示方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書は、ストッカシステム、制御装置および表示方法を開示する。
【背景技術】
【0002】
従来、この種のストッカシステムとして、扉(荷物扉)を有する納品庫(荷物収納部)と、表示部(操作表示ユニット)と、を備えるものが提案されている(例えば、特許文献1参照)。このシステムでは、配送者による扉を開くための開始ボタンの操作の入力を受け付けたときには、扉が閉じられた後に、表示部の確定ボタンの入力を受け付けたときに、扉を施錠している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、扉が閉じられると施錠されるストッカシステムでは、物品の入庫前に、開いていた扉が風などで意図せず閉じて施錠されることがある。扉が施錠されると、納品庫内に物品が入庫されているか否かを容易に確認できない。特に、複数の扉が一度に開くタイプのストッカシステムでは、風などで意図せず扉が閉まると、納品庫毎の物品の入庫の確認がさらに困難になってしまう。
【0005】
本開示のストッカシステム、制御装置および表示方法は、より適正に複数の納品庫毎に物品が入庫されているか否かを確認することを主目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示のストッカシステム、制御装置および表示方法は、上述の主目的を達成するために以下の手段を採った。
【0007】
本開示のストッカシステムは、
閉扉されると施錠される扉を有する複数の納品庫と、画面を表示する表示部と、前記表示部を制御する制御部と、を備えるストッカシステムであって、
前記制御部は、配達者の操作に基づいて複数の前記納品庫が開扉された後に閉扉されたときには、前記表示部に、開扉された前記納品庫毎に物品が入庫されたか否かの入力を受け付けるための入力画面を表示させる
ことを要旨とする。
【0008】
このストッカシステムでは、配達者の操作に基づいて複数の納品庫が開扉された後に閉扉されたときには、表示部に、閉扉された納品庫毎に物品が入庫されたか否かの入力を受け付けるための入力画面を表示させる。このストッカシステムでは、入力画面を表示することで、配達者が納品庫毎に物品が入庫されたか否かを入力できる。この結果、このストッカシステムではより適正に納品庫毎に物品が入庫されたか否かを確認できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】ストッカシステム10の一例を表す概略説明図。
【
図2】記憶部33が記憶する情報の一例を示す説明図。
【
図4】入庫状況取得処理ルーチンの一例を示すフローチャート。
【
図6】変更後の入庫状況入力画面36の一例を示す概略説明図。
【
図7】変更後の入庫状況入力画面36の一例を示す概略説明図。
【
図8】変更後の入庫状況入力画面36の一例を示す概略説明図。
【
図9】確認キー38が操作された入庫状況入力画面36の一例を示す概略説明図。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本開示の実施形態を、図面を用いて説明する。
図1は、ストッカシステム10の一例を表す概略説明図である。
図2は、記憶部33が記憶する情報の一例を示す説明図である。なお、本実施形態において、左右方向、前後方向および上下方向は、
図1に示した通りとする。
【0011】
ストッカシステム10は、1または2以上のストッカ11と、管理装置12とを備えている。なお、
図1では、ストッカ11を1つだけ示した。管理装置12は、ネットワーク13を介してストッカ11と情報のやりとりを行なうサーバとして構成されている。この管理装置12は、ストッカ11の利用状況などを管理する。
【0012】
ストッカ11は、
図1に示すように、1以上の納品庫としての納品庫20と、制御ユニット30とを備える。納品庫20は、物品Aを納入可能な箱状の収容部材である。制御ユニット30は、各納品庫20への物品Aの納入や取り出しに関する各種操作を受け付け、各納品庫20の施錠や解錠に関する各種処理を行なうものである。ストッカ11は、上下に複数個(
図1では左端の列は6個、左端の列を除く他の列は4個)の納品庫20が左右に複数列(
図1では5列)並んで配置されている。ストッカ11は、左端の列の6の納品庫20のうち4の納品庫20は、他の納品庫20に比して小さく、高さが2分の1となっている。ストッカ11は、左端の列の高さが2分の1の納品庫20のうち1の納品庫20に代えて制御ユニット30が配置されている。このストッカ11は、オフィスやコンビニエンスストア、駅、学校、マンション、ショッピングセンタなど様々な場所に設置され、屋内だけでなく屋外にも設置可能に構成されている。ストッカ11は、いずれかの納品庫20を配達先として配達者により物品Aが納入された後に、物品Aを受け取る使用者がこの納品庫20から物品Aを取り出して物品Aを受け取ることで、配達者により配達される物品Aの受け渡しに用いられる。また、このストッカ11では、特定の配達者が1以上の特定の納品庫20に対応付けられており、この特定の納品庫20を特定の配達者が使用するよう設定されている。
【0013】
納品庫20は、
図1に示すように、本体21と、扉22と、扉駆動部23とを備える。本体21は、物品Aを収容する直方体状の空間を有する箱体である。納品庫20は、扉22を開いて本体21内の空間に物品Aを納入可能となっている。本体21には図示しないロック機構が配設されており、扉22が閉扉されるとこのロック機構により自動的に扉22が施錠される。ロック機構は、駆動部により駆動され機械的にロックする機構としてもよいし、電磁的にロックする機構としてもよい。扉22は、本体21の開口部を開放および閉鎖し施錠可能な矩形板状の部材である。この扉22は、支持軸に支持され回動して納品庫20を開放、閉鎖するものである。
【0014】
扉駆動部23は、扉22を駆動し開放および閉鎖するものであり、例えば、モータとしてもよいし、アクチュエータとしてもよいし、電力不要のバネ機構としてもよい。この扉駆動部23は、支持軸に直結されていてもよいし、支持軸にギアを介して接続されていてもよい。また、扉駆動部23は、ロック機構を含んで構成されていてもよい。
【0015】
制御ユニット30は、
図1に示すように、制御部32と、記憶部33と、表示部としての操作パネル34とを備える。制御部32は、高さが2分の1の納品庫20と同じサイズの直方体状の本体内の空間に配置されている。制御部32は、ストッカ11の全体を制御するものであり、図示しないCPUやRAMなどを備えている。記憶部33には、配達者が複数の受取者に物品Aを納品する際の納品状況情報35などが記憶されている。納品状況情報35は、
図2に示すように、配達者を識別するための識別番号としての配達者IDと、複数の納品庫20のうち配達者に割り当てられている納品庫20を識別する識別情報としての納品庫IDと、納品庫20の入庫状況とが対応付けられたものである。操作パネル34は、前面パネル31の中央に配設されている。操作パネル34は、配達者や受取者などの使用者からの入力を受け付けるものであり、タッチ操作が可能な画面を有している。この操作パネル34は、例えば、物品Aの納入や取り出しに関する操作案内などを表示する案内画像や物品Aの納入や取り出しに関する入力操作などを受け付ける操作画像などを画面に表示する。この前面パネル31には、その他の機器として、カードリーダ、コードリーダ、受領印モジュール、カメラモジュール、シリンダ錠、音声ユニットおよび人感センサなどが配設されている。制御部32は、前面パネル31に配設された操作パネル34やその他の機器の操作により使用者が入力した情報などに基づいて、扉22の開錠などを行なう。制御部32は、扉22が閉扉されると扉22を施錠する。
【0016】
こうして構成されたストッカシステム10では、配達者は、ストッカ11まで物品Aを配送し、操作パネル34への入力操作や前面パネル31の操作により配達者IDや注文番号などの必要な情報の入力を行なう。ストッカ11の制御部32は、配達者が入力した配達者IDにより配達者の本人認証を行ない、納品庫20の扉22を解錠する。配達者は、解錠された納品庫20の扉22を開けて物品Aを納品し、納品庫20の扉22を閉じることにより、納品庫20に物品Aを納品する。制御部32は、閉扉した納品庫20を施錠し、配達者が入力した注文番号を記憶部33に記憶する。また、管理装置12は、受取先(配達先)のストッカ11を示す受取先情報を受取者の図示しない情報端末に送信する。受取者は、受取先のストッカ11に出向いて、操作パネル34への入力操作やその他の機器の操作などにより注文番号を入力して、受取者の本人認証を受ける。ストッカ11の制御部32は、受取者の本人認証を行なうと、該当する納品庫20の扉22を解錠する。これにより、受取者は、解錠された納品庫20の扉22を開けて物品Aを取り出すことができる。
【0017】
次に、こうして構成されたストッカシステム10の動作、特に、配達者が複数の受取者に物品Aを納品する際の納品処理と、この納品処理において納品庫20毎に物品Aが入庫されたか否かの状況を取得する入庫状況取得処理について説明する。最初に納品処理について説明し、続いて、入庫状況取得処理について説明する。なお、ここでは、配達者が、物品Aを複数の納品庫20へ納品する場合を説明する。
【0018】
図3は、制御部32により実行される納品処理の一例を示すフローチャートである。納品処理が実行されると、制御部32は、まず、操作パネル34に配達者ID入力画面を表示して配達者IDの入力を受け付ける(ステップS100)。配達者IDの入力は、例えば、配達事業者毎に予め付与された番号をストッカ11またはストッカ11の近傍に掲示しておき、配達者が、所属する配達事業者に対応する番号を掲示から確認して入力することにより行なわれる。
【0019】
制御部32は、配達者IDの入力が完了すると(ステップS110)、配達者の本人認証を行ない、本人認証が成功したか否かを判定する(ステップS120)。制御部32は、配達者の本人認証が失敗した場合には、納品処理を終了する。一方、制御部32は、配達者の本人認証が成功した場合には、記憶部33から配達者IDに対応する開扉すべき複数の納品庫IDを取得し(ステップS130)、複数の納品庫IDに対応する複数の納品庫20を解錠して開扉する(ステップS140)。ここでは、制御部32は、配達者IDに対応する1以上の納品庫20のうち、空きである納品庫20を全て開扉させる。配達者は、開扉した納品庫20の扉22をさらに開け、納品庫20に物品Aを入れて扉22を閉めることで、物品Aを納品する。
【0020】
制御部32は、開扉した複数の納品庫20のうち少なくとも1つの納品庫20が閉扉されると(ステップS160)、閉扉された納品庫20を施錠する(ステップS170)。そして、制御部32は、開扉した複数の納品庫20の全てが閉扉されたか否かを判定する(ステップS180)。制御部32は、開扉した複数の納品庫20の全てが閉扉されていないときには、ステップS160に戻り、開扉した複数の納品庫20の全てが閉扉されたときには、本納品処理を終了する。
【0021】
続いて、入庫状況取得処理について説明する。
図4は、制御部32により実行される入庫状況取得処理ルーチンの一例を示すフローチャートである。制御部32は、本入庫状況取得処理ルーチンを、
図3の納品処理のステップS140で納品庫IDに対応する全ての納品庫20を解錠して開扉した後に実行する。
【0022】
入庫状況取得処理が実行されると、制御部32は、開扉した全ての納品庫20が閉扉されたか否かを判定する(ステップS200)。そして、制御部32は、開扉した全ての納品庫20が閉扉されているときには、操作パネル34に入庫状況入力画面36を表示して閉扉された納品庫20毎に物品Aが入庫されたか否かの入力を受け付ける(ステップS220)。
図5は、入庫状況入力画面36の一例を示す説明図である。入庫状況入力画面36には、ボックス画像Pbと、メッセージ表示欄37と、確認キー38とが表示される。ボックス画像Pbは、ストッカ11の複数の納品庫20を表示する画像である。複数のボックス画像Pbは、その大きさや配置は、ストッカ11の複数の納品庫20の大きさや配置を反映した画像となっている。メッセージ表示欄37には、例えば、複数のボックス画像Pbのうち入庫した納品庫20に対応するボックス画像Pbを「○」に設定し入庫しなかった納品庫20に対応するボックスを「*」に設定するよう促す旨のメッセージや、画面上のボックス画像Pbをタッチすると納品庫20の入庫状況としてのステータスを変更できる旨のメッセージなどが表示される。確認キー38は、納品庫20毎の入庫の有無を確認したときに操作されるキーである。また、入庫状況入力画面36では、複数のボックス画像Pbのうち、
図3の納品処理のステップS140で開扉された後閉扉された納品庫20に対応するボックス画像Pbについてはハッチングを施した上で入庫の状況の入力待ちであることを示す「?」を表示し、開扉されていない納品庫20に対応するボックス画像Pbについてはハッチングを施さずに納品庫IDを表示する。こうした表示により、配達者は、開扉された納品庫20と開扉されていない納品庫20とを容易に見分けることができる。また、入庫状況入力画面36では、開扉された後閉扉された納品庫20に対応するボックス画像Pbに「?」を表示しているから、閉扉された納品庫20について入庫の状況の入力待ちであることを、配達者に視認させることができる。
【0023】
ステップS200で開扉した全ての納品庫20が閉扉されていないときには、制御部32は、
図3の納品処理のステップS140で納品庫IDに対応する全ての納品庫20を開扉してから所定時間が経過しているか否かを判定する(ステップS210)。所定時間は、配達者による納品庫20毎に物品Aが入庫されたか否かの入力忘れを防止するための時間として予め定めた時間である。制御部32は、納品庫IDに対応する全ての納品庫20を開扉してから所定時間が経過していないときには、ステップS200に戻る。制御部32は、納品庫IDに対応する全ての納品庫20を開扉してから所定時間が経過したときには、納品庫20が閉扉されたものとして、操作パネル34に入庫状況入力画面36を表示して閉扉された納品庫20毎に物品Aが入庫されたか否かの入力を受け付ける(ステップS220)。このように、制御部32は、納品庫IDに対応する全ての納品庫20を開扉してから所定時間が経過したときには、操作パネル34に入庫状況入力画面36を表示するから、配達者が納品庫20毎に物品Aが入庫されたか否かの入力を忘れることを抑制できる。
【0024】
制御部32は、開扉された後に閉扉された納品庫20のうち1の納品庫20について物品Aが入庫されたか否かの入力を受け付けたか否かを判定する(ステップS230)。入力を受け付けたか否かの判定では、ハッチングが施されたボックス画像Pbが選択されたときに、物品Aが入庫されたか否かの入力を受け付けたと判定する。
【0025】
制御部32は、ステップS230で入庫されたか否かの入力を受け付けると、操作パネル34に表示している入庫状況入力画面36を変更する(ステップS240)。
図6は変更後の入庫状況入力画面36の一例を示す概略説明図である。
図6は、
図5において、納品庫ID「06」の下のボックス画像Pbが選択された場合を例示している。図示するように、制御部32は、ステップS230でハッチングが施されたボックス画像Pbが選択されると、
図5において選択されたボックス画像Pbに表示している「?」を入庫を示す「○」に変更する。このように入庫状況入力画面36を変更することで、入庫が入力された納品庫20と入庫が入力されていない納品庫20とを配達者が容易に見分けることができる。
【0026】
そして、制御部32は、ステップS140で開扉された後に閉扉された全ての納品庫20について入庫されたか否かが入力されているか否かを判定し(ステップS250)、閉扉された全ての納品庫20について入庫されたか否かが入力されていないときには、ステップS230に戻り、物品Aが入庫されたか否かの入力を受け付け、入力がなされると入庫状況入力画面36を変更する(ステップS240)。新たにボックス画像Pbが選択されたときには、選択したボックス画像Pbに表示されている「?」を、入庫を示す「○」に変更する。
図7は変更後の入庫状況入力画面36の一例を示す概略説明図である。
図7は、
図6において、納品庫ID「06」の2つ下のボックス画像Pbが選択された場合を例示している。図示するように、制御部32は、納品庫ID「06」の2つ下のハッチングが施されたボックス画像Pbが選択されると、
図6において選択されたボックス画像Pbに表示している「?」を、入庫を示す「○」に変更する。また、先に実行されたステップS230と同一のボックス画像Pbが選択されたときには、同一のボックス画像Pbが選択される毎に、入庫を示す「○」と未入庫を示す「*」とを交互に表示する。
図8は変更後の入庫状況入力画面36の一例を示す概略説明図である。
図8は、
図6において、納品庫ID「06」の1つ下のボックス画像Pbが再度選択された場合を例示している。配達者は、入庫状況入力画面36で同じボックス画像Pbを複数回選択することで、対応する納品庫20について入庫したか否かを入力できる。変更後の入庫状況入力画面36では、物品Aの入庫が入力された納品庫20に対応するボックス画像Pbには「○」が表示され、入庫が入力されていない納品庫20には「?」または「*」が表示されるから、入庫が入力された納品庫20と入庫が入力されていない納品庫20とを配達者が容易に見分けることができる。
【0027】
そして、制御部32は、閉扉された全ての納品庫20について入庫されたか否かが入力されたときには、入庫状況入力画面36において確認キー38が操作されて「確認」の入力を受け付けたか否かを判定する(ステップS250)。
図9は確認キー38が操作された入庫状況入力画面36の一例を示す概略説明図である。
図9は、ボックス画像Pbに全て入力され、確認キー38を押下した場合を例示している。制御部32は、確認キー38が操作されて「確認」の入力を受け付けると、操作パネル34に表示されている入庫状況入力画面36に基づいて納品庫20毎の物品Aの入庫の有無の情報を取得して、記憶部33の納品状況情報35を更新すると共に管理装置12に送信して(ステップS260)、入庫状況取得処理ルーチンを終了する。このように、確認キー38が操作されて「確認」の入力を受け付けたときに、納品庫20毎の物品Aの入庫の有無の情報を取得するから、より信頼性の高い納品庫20毎の入庫の有無を取得できる。ストッカ11では、開いていた扉22が風などで意図せず閉じて施錠されることがある。扉22が施錠されると、管理装置12は、納品庫20内に物品Aが入庫されているか否かを容易に確認できない。本開示では、配達者に物品Aを入庫したか否かを入力させるから、ストッカシステム10では、より適正に納品庫20毎に物品Aが入庫されたか否かを確認できる。
【0028】
ところで、配達者が誤って物品Aを入庫せずに納品庫20の扉22を閉めてしまった場合には、配達者が入庫状況入力画面36で誤って扉22を閉めてしまった納品庫20に入庫しなかったことを入力し、再度、操作パネル34への入力操作や前面パネル31の操作により配達者IDや注文番号などの必要な情報の入力を行なうことで、
図3の納品処理ルーチンを実行して、再度納品庫IDに対応する全ての納品庫を解錠して開扉できる。これにより、配達者の操作により、再度物品Aを納品庫20へ入庫させることができる。
【0029】
ここで、本実施形態の構成要素と本開示の構成要素との対応関係を明らかにする。本実施形態の納品庫20が本開示の納品庫の一例であり、扉22が扉の一例であり、操作パネル34が本開示の表示部の一例であり、制御部32が本開示の制御部の一例である。なお、本実施形態では、ストッカシステム10の動作を説明することにより、本開示の制御装置の一例や表示方法の一例も明らかにしている。
【0030】
以上説明した本実施形態のストッカシステム10によれば、制御部32は、配達者の操作に基づいて複数の納品庫20が開扉された後に閉扉されたときには、操作パネル34に、閉扉された納品庫20毎に物品Aが入庫されたか否かの入力を受け付けるための入庫状況入力画面36を表示させるから、このストッカシステム10では、より適正に納品庫20毎に物品Aが入庫されたか否かを確認できる。
【0031】
また、制御部32は、配達者の操作に基づいて複数の納品庫20が開扉されてから所定時間が経過したときには、操作パネル34に、入庫状況入力画面36を表示させるから、このストッカシステム10では、納品庫20毎に物品Aが入庫されたか否かの入力忘れを抑制できる。
【0032】
さらに、制御部32は、操作パネル34により閉扉された納品庫20に対して物品Aが入庫されたか否かの入力が受け付けられたときには、物品Aの入庫が入力された納品庫20と物品Aの入庫が入力されていない納品庫20が識別可能となるように入庫状況入力画面36を変更するから、このストッカシステムでは、物品Aを入庫した納品庫20と物品Aを入庫していない納品庫20とを識別できる。
【0033】
そして、制御部32は、入庫状況入力画面36を、閉扉された納品庫20毎に物品Aが入庫されたか否かの入力と、納品庫20毎の入庫の有無の確認の入力と、を受け付けるための画面とし、操作パネル34は、入庫状況入力画面36において、確認の入力を受け付けたときに、納品庫20毎の入庫の有無を制御部32へ出力するから、より信頼性の高い納品庫20毎の入庫の有無の情報を取得できる。
【0034】
また、配達者IDと開扉する複数の納品庫20との対応関係を記憶する記憶部33を備え、制御部32は、配達者IDが入力されたときには、対応関係に基づいて配達者IDに対応する複数の納品庫20を開扉するから、適正に複数の納品庫20を開扉できる。
【0035】
さらに、入庫状況入力画面36は、複数の納品庫20を示す複数のボックス画像Pbを含み、制御部32は、入庫状況入力画面36において、開扉された納品庫20に対応するボックス画像Pbを、開扉されていない納品庫20に対応するボックス画像Pbと異なる態様で表示するから、入庫状況入力画面36において、開扉された納品庫20と開扉されていない納品庫20とを容易に見分けることができる。
【0036】
そして、入庫状況入力画面36は、複数の納品庫20を示す複数のボックス画像Pbを含み、制御部32は、入庫状況入力画面36において、物品Aの入庫を入力された納品庫20に対応するボックス画像Pbを、物品Aの入庫が入力されていない納品庫20に対応するボックス画像Pbと異なる態様で表示するから、入庫状況入力画面36において、物品Aの入庫が入力された納品庫20と物品Aの入庫が入力されていない納品庫20とを容易に見分けることができる。
【0037】
なお、本開示は上述した実施形態に何ら限定されることなく、本開示の技術的範囲に属する限り種々の態様で実施し得ることはいうまでもない。
【0038】
上述の実施形態では、制御部32は、開扉した全ての納品庫20が閉扉されているとき、および、納品庫IDに対応する全ての納品庫20を開扉してから所定時間が経過しているときに入庫状況入力画面36を表示している。しかし、制御部32は、納品庫IDに対応する全ての納品庫20を開扉してから所定時間が経過しているか否かを判定することなく、開扉した全ての納品庫20が閉扉されているときのみ、入庫状況入力画面36を表示してもよい。
【0039】
上述の実施形態では、制御部32は、入庫状況入力画面36において、複数のボックス画像Pbのうち、
図3の納品処理のステップS140で開扉された後閉扉された納品庫20に対応するボックス画像Pbについてはハッチングを施し、開扉されていない納品庫20に対応するボックス画像Pbについてはハッチングを施さずに納品庫IDを表示している。しかし、開扉された後閉扉された納品庫20に対応するボックス画像Pbを、開扉されていない納品庫20に対応するボックス画像Pbと異なる態様で表示すればよいから、例えば、ハッチングに代えて、または、ハッチングと共に、開扉された後閉扉された納品庫20に対応するボックス画像Pbを、開扉されていない納品庫20に対応するボックス画像Pbと色や明度、彩度、付される記号などのうち少なくとも1を異なるものとしてもよい。
【0040】
上述の実施形態では、制御部32は、入庫されたか否かの入力を受け付けると、変更後の入庫状況入力画面36において、物品Aの入庫が入力された納品庫20に対応するボックス画像Pbには「○」を表示し、入庫が入力されていない納品庫20に対応するボックス画像Pbには「?」または「*」を表示している。しかし、変更後の入庫状況入力画面36において、物品Aの入庫が入力された納品庫20に対応するボックス画像Pbと入庫が入力されていない納品庫20とを異なる態様で配達者が識別可能に表示すればよいから、例えば、「○」や「?」、「*」を別の文字や記号などとしてもよい。また、変更後の入庫状況入力画面36において、こうした「○」や「?」、「*」の表示に代えて、または、これらの表示と共に、物品Aの入庫が入力された納品庫20に対応するボックス画像Pbを入庫が入力されていない納品庫20に対応するボックス画像Pbと色や明度、彩度、ハッチングなどのうち少なくとも1を異なるものとしてもよい。
【0041】
上述の実施形態では、制御部32は、入庫状況入力画面36において、確認キー38を表示して納品庫20毎の入庫の有無の確認の入力を受け付けているが、確認キー38の表示に変えて、「確認」とは別の文字や記号などとしてもよい。また、確認キー38を表示せずに、納品庫20毎の入庫の有無の確認の入力を受け付けなくてもよい。この場合、操作パネル34は、入庫状況入力画面36において、物品Aが入庫されたか否かの入力がなされたときに、納品庫20毎の入庫の有無を制御部32に出力すればよい。
【0042】
上述の実施形態では、制御部32は、入庫状況入力画面36において、複数のボックス画像Pbのうち入庫した納品庫20に対応するボックス画像Pbを「○」に設定し入庫しなかった納品庫20に対応するボックスを「*」に設定するよう促す旨のメッセージと、画面上のボックス画像Pbをタッチすると納品庫20の入庫状況としてのステータスを変更できる旨のメッセージと、を表示している。しかし、これらの2つのメッセージのうち一方を表示しなくてもよいし、両方を表示しなくてもよい。
【0043】
上述の実施形態では、制御部32は、入庫状況入力画面36において、ストッカ11の複数の納品庫20を示す複数のボックス画像Pbを表示している。しかし、入庫状況入力画面36は、閉扉された納品庫20毎に物品Aが入庫されたか否かの入力を受け付ける画面であればよいから、こうしたボックス画像Pbを表示せずに、納品庫IDを示す数字のみを画面上に並べて各数字を選択可能にしてもよいし、配達者に入庫した納品庫IDの入力を促す旨のメッセージを表示して、配達者が入庫した納品庫IDを入力してもよい。
【0044】
上述の実施形態では、記憶部33に、配達者IDと開扉する複数の納品庫20との対応関係を記憶し、制御部32は、配達者IDが入力されたときには、記憶部33に記憶している対応関係に基づいて配達者IDに対応する複数の納品庫20を開扉している。しかし、配達者の操作に基づいて複数の納品庫20を開扉すればよいから、例えば、配達者が操作パネル34により複数の納品庫20の納品庫IDを入力したときに対応する複数の納品庫20を開扉する態様としてもよい。
【0045】
上述の実施形態では、制御部32は、入庫状況入力画面36をストッカ11の操作パネル34に表示しているが、配達者が制御部32や管理装置12と通信可能な情報端末を携帯している場合には、入庫状況入力画面36を配達者の情報端末のディスプレイに表示してもよい。
【0046】
上述の実施形態では、制御部32が、
図3に例示した納品処理ルーチンおよび
図4に例示した入庫状況取得処理ルーチンを実行しているが、管理装置12が、納品処理ルーチンおよび入庫状況取得処理ルーチンのうち一方または両方を実行してもよい。
【0047】
本開示のストッカシステムは、以下のように構成してもよい。
【0048】
本開示の制御装置は、
閉扉されると施錠される扉を有する複数の納品庫と、画面を表示する表示部と、を備えるストッカシステムに用いられる制御装置であって、
配達者の操作に基づいて複数の前記納品庫が開扉された後に閉扉されたときには、前記表示部に、閉扉された前記納品庫毎に物品が入庫されたか否かの入力を受け付けるための入力画面を表示させる制御部
を備える。
【0049】
この本開示の制御装置では、配達者の操作に基づいて複数の納品庫が開扉された後に閉扉されたときには、表示部に、閉扉された納品庫毎に物品が入庫されたか否かの入力を受け付けるための入力画面を表示させる。このストッカシステムでは、入力画面を表示することで、配達者が納品庫毎に物品が入庫されたか否かを入力できる。この結果、このストッカシステムでは、より適正に納品庫毎に物品が入庫されたか否かを確認できる。
【0050】
本開示の表示方法は、
閉扉されると施錠される扉を有する複数の納品庫と、画面を表示する表示部と、を備えるストッカシステムの前記表示部に前記画面を表示させる表示方法であって、
配達者の操作に基づいて複数の前記納品庫が開扉された後に閉扉されたときには、前記表示部に、閉扉された前記納品庫毎に物品が入庫されたか否かの入力を受け付けるための入力画面を表示させる表示ステップ
を備える。
【0051】
この本開示の表示方法では、配達者の操作に基づいて複数の納品庫が開扉された後に閉扉されたときには、表示部に、閉扉された納品庫毎に物品が入庫されたか否かの入力を受け付けるための入力画面を表示させる。このストッカシステムでは、入力画面を表示することで、配達者が納品庫毎に物品が入庫されたか否かを入力できる。この結果、このストッカシステムでは、より適正に納品庫毎に物品が入庫されたか否かを確認できる。
【0052】
本明細書では、出願当初の請求項4において「請求項1または2記載のストッカシステム」を「請求項1~3のいずれか1つの請求項に記載のストッカシステム」に変更した技術思想や、出願当初の請求項5において「請求項1または2記載のストッカシステム」を「請求項1~4のいずれか1つの請求項に記載のストッカシステム」に変更した技術思想や、出願当初の請求項6において「請求項1または2記載のストッカシステム」を「請求項1~5のいずれか1つの請求項に記載のストッカシステム」に変更した技術思想も開示されている。
【産業上の利用可能性】
【0053】
本開示は、ストッカシステムや制御装置の製造産業などに利用可能である。
【符号の説明】
【0054】
10 ストッカシステム、11 ストッカ、12 管理装置、13 ネットワーク、20 納品庫、21 本体、22 扉、23 扉駆動部、30 制御ユニット、31 前面パネル、32 制御部、33 記憶部、34 操作パネル、35 納品状況情報、36 入庫状況入力画面、37 メッセージ表示欄、38 確認キー、Pb ボックス画像。