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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024140780
(43)【公開日】2024-10-10
(54)【発明の名称】情報処理システムおよびプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06F 3/0481 20220101AFI20241003BHJP
   G06F 3/04886 20220101ALI20241003BHJP
【FI】
G06F3/0481
G06F3/04886
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023052109
(22)【出願日】2023-03-28
(71)【出願人】
【識別番号】000005496
【氏名又は名称】富士フイルムビジネスイノベーション株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100104880
【弁理士】
【氏名又は名称】古部 次郎
(74)【代理人】
【識別番号】100125346
【弁理士】
【氏名又は名称】尾形 文雄
(72)【発明者】
【氏名】清水 佑樹
【テーマコード(参考)】
5E555
【Fターム(参考)】
5E555AA16
5E555BA27
5E555BB04
5E555BC01
5E555BD05
5E555CA22
5E555CA42
5E555DB11
5E555EA19
5E555FA00
(57)【要約】
【課題】画像処理装置の操作画面のイメージデータを予めモバイル端末側に保持させることなく、画像処理装置をモバイル端末側で操作できるようにする。
【解決手段】ユーザ端末10の制御部11では、撮像制御部101が、画像処理装置の撮像を制御し、その撮像画像に画像処理装置の操作画面が含まれている場合、UI補正部104が、その操作画面に基づく端末側操作画面を生成し、その端末側操作画面に対し、画像処理装置に各種の処理を実行させるための入力操作が行われると、送信制御部106が、その入力情報を画像処理装置に向けて送信させる制御を行う。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
1または複数のプロセッサを備え、
前記1または複数のプロセッサは、
ユーザの端末により撮像された画像処理装置の撮像画像に、当該画像処理装置の操作画面が含まれている場合、当該撮像画像に含まれる当該操作画面を端末側操作画面として当該端末に表示させ、
前記端末側操作画面に含まれる要素に対する操作に応じた処理を、前記端末および前記画像処理装置の各々に行わせることを特徴とする、
情報処理システム。
【請求項2】
前記1または複数のプロセッサは、
前記要素に対する操作に応じた前記端末の処理として、前記画像処理装置の操作画面を撮像するカメラを起動させる処理と、テキスト入力を受け付けるためのソフトウェアキーボードを起動させる処理とのいずれかを行わせ、
前記要素に対する操作に応じた前記画像処理装置の処理として、当該操作を当該画像処理装置の操作画面に対する操作として受け付ける処理を行わせることを特徴とする、
請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項3】
前記1または複数のプロセッサは、前記要素に対する操作が、画面の表示内容を変更する操作である場合、当該操作に応じた前記端末の処理として、当該画面の表示内容が変更された後の前記画像処理装置の操作画面を撮像するカメラを起動させる処理を行わせることを特徴とする、
請求項2に記載の情報処理システム。
【請求項4】
前記1または複数のプロセッサは、前記端末が前記カメラを起動している場合、撮像対象として前記画像処理装置の操作画面が当該端末に表示されると、当該端末に当該操作画面を撮像させることを特徴とする、
請求項3に記載の情報処理システム。
【請求項5】
前記1または複数のプロセッサは、前記要素に対する操作が、テキスト入力するためのオブジェクトを選択する操作である場合、当該操作に応じた前記端末の処理として、テキスト入力を受け付けるためのソフトウェアキーボードを起動させる処理を行わせることを特徴とする、
請求項2に記載の情報処理システム。
【請求項6】
前記1または複数のプロセッサは、前記端末が前記ソフトウェアキーボードを起動している場合、当該端末に記憶されているテキストデータの複製および貼り付けの操作を受け付けることを特徴とする、
請求項5に記載の情報処理システム。
【請求項7】
前記1または複数のプロセッサは、前記画像処理装置の操作画面のデザインおよびルールに関する情報を教師データとする機械学習の結果に基づいて、前記端末側操作画面を構成する1以上のオブジェクトの各々が前記要素に該当するかどうかの判定と、当該要素の種類の判定とを行うことを特徴とする、
請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項8】
前記教師データには、前記要素に対して行われた操作の情報と、当該操作により前記画像処理装置に表示された操作画面の撮像画像とを対応付けた情報がさらに含まれることを特徴とする、
請求項7に記載の情報処理システム。
【請求項9】
前記1または複数のプロセッサは、
前記要素に対して行われた操作により前記端末に表示された前記端末側操作画面と、当該操作に関する情報とを対応付けて管理し、
前記要素に対する操作が行われると、当該操作に関する情報に対応付けられている前記端末側操作画面を前記端末に表示させることを特徴とする、
請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項10】
前記1または複数のプロセッサは、前記端末側操作画面を前記端末に表示させるとともに、前記画像処理装置の操作画面を撮像するカメラを起動させるためのボタンを当該端末に表示させることを特徴とする、
請求項9に記載の情報処理システム。
【請求項11】
コンピュータに、
ユーザの端末により撮像された画像処理装置の撮像画像に、当該画像処理装置の操作画面が含まれている場合、当該撮像画像に含まれる当該操作画面を端末側操作画面として当該端末に表示させる機能と、
前記端末側操作画面に含まれる要素に対する操作に応じた処理を、前記端末および前記画像処理装置の各々に行わせる機能と、
を実現させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理システムおよびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
事務室等に設置された、文書の印刷や読み取り等を可能にするいわゆる複合機等の画像処理装置の操作画面は、その場にいる複数のユーザにより操作されることがある。このため、ユーザからは、衛生面等の理由で、画像処理装置の操作画面に触れることなく、その画像処理装置を操作したいという要望がある。これに対して、画像処理装置の操作画面のイメージデータを予めモバイル端末側に保持させておくことで、送受信されるデータを軽量化させながら、画像処理装置の操作画面をモバイル端末側で操作できるようにする技術が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2021-170370号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、画像処理装置の操作画面は、機種やバージョンごとに違いがあり、また、ユーザによりカスタマイズされることがあるため、モバイル端末側で予め保持されている画像処理装置の操作画面の内容と、画像処理装置側の実際の操作画面の内容とが相違し、モバイル端末側から意図する操作が行えないことがある。
【0005】
本発明の目的は、画像処理装置の操作画面のイメージデータを予めモバイル端末側に保持させることなく、画像処理装置をモバイル端末側で操作できるようにすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1に記載された発明は、1または複数のプロセッサを備え、前記1または複数のプロセッサは、ユーザの端末により撮像された画像処理装置の撮像画像に、当該画像処理装置の操作画面が含まれている場合、当該撮像画像に含まれる当該操作画面を端末側操作画面として当該端末に表示させ、前記端末側操作画面に含まれる要素に対する操作に応じた処理を、前記端末および前記画像処理装置の各々に行わせることを特徴とする、情報処理システムである。
請求項2に記載された発明は、前記1または複数のプロセッサは、前記要素に対する操作に応じた前記端末の処理として、前記画像処理装置の操作画面を撮像するカメラを起動させる処理と、テキスト入力を受け付けるためのソフトウェアキーボードを起動させる処理とのいずれかを行わせ、前記要素に対する操作に応じた前記画像処理装置の処理として、当該操作を当該画像処理装置の操作画面に対する操作として受け付ける処理を行わせることを特徴とする、請求項1に記載の情報処理システムである。
請求項3に記載された発明は、前記1または複数のプロセッサは、前記要素に対する操作が、画面の表示内容を変更する操作である場合、当該操作に応じた前記端末の処理として、当該画面の表示内容が変更された後の前記画像処理装置の操作画面を撮像するカメラを起動させる処理を行わせることを特徴とする、請求項2に記載の情報処理システムである。
請求項4に記載された発明は、前記1または複数のプロセッサは、前記端末が前記カメラを起動している場合、撮像対象として前記画像処理装置の操作画面が当該端末に表示されると、当該端末に当該操作画面を撮像させることを特徴とする、請求項3に記載の情報処理システムである。
請求項5に記載された発明は、前記1または複数のプロセッサは、前記要素に対する操作が、テキスト入力するためのオブジェクトを選択する操作である場合、当該操作に応じた前記端末の処理として、テキスト入力を受け付けるためのソフトウェアキーボードを起動させる処理を行わせることを特徴とする、請求項2に記載の情報処理システムである。
請求項6に記載された発明は、前記1または複数のプロセッサは、前記端末が前記ソフトウェアキーボードを起動している場合、当該端末に記憶されているテキストデータの複製および貼り付けの操作を受け付けることを特徴とする、請求項5に記載の情報処理システムである。
請求項7に記載された発明は、前記1または複数のプロセッサは、前記画像処理装置の操作画面のデザインおよびルールに関する情報を教師データとする機械学習の結果に基づいて、前記端末側操作画面を構成する1以上のオブジェクトの各々が前記要素に該当するかどうかの判定と、当該要素の種類の判定とを行うことを特徴とする、請求項1に記載の情報処理システムである。
請求項8に記載された発明は、前記教師データには、前記要素に対して行われた操作の情報と、当該操作により前記画像処理装置に表示された操作画面の撮像画像とを対応付けた情報がさらに含まれることを特徴とする、請求項7に記載の情報処理システムである。
請求項9に記載された発明は、前記1または複数のプロセッサは、前記要素に対して行われた操作により前記端末に表示された前記端末側操作画面と、当該操作に関する情報とを対応付けて管理し、前記要素に対する操作が行われると、当該操作に関する情報に対応付けられている前記端末側操作画面を前記端末に表示させることを特徴とする、請求項1に記載の情報処理システムである。
請求項10に記載された発明は、前記1または複数のプロセッサは、前記端末側操作画面を前記端末に表示させるとともに、前記画像処理装置の操作画面を撮像するカメラを起動させるためのボタンを当該端末に表示させることを特徴とする、請求項9に記載の情報処理システムである。
請求項11に記載された発明は、コンピュータに、ユーザの端末により撮像された画像処理装置の撮像画像に、当該画像処理装置の操作画面が含まれている場合、当該撮像画像に含まれる当該操作画面を端末側操作画面として当該端末に表示させる機能と、前記端末側操作画面に含まれる要素に対する操作に応じた処理を、前記端末および前記画像処理装置の各々に行わせる機能と、を実現させるプログラムである。
【発明の効果】
【0007】
請求項1の本発明によれば、ユーザの端末により撮像された画像処理装置の撮像画像に、その画像処理装置の操作画面が含まれている場合、その操作画面の撮像画像が端末側操作画面としてユーザの端末に表示される。そして、端末側操作画面に含まれる要素に対する操作が行われると、その操作に応じた処理が、ユーザの端末および画像処理装置の各々により行われる。これにより、画像処理装置の操作画面のイメージデータを予めユーザの端末に保持させることなく、ユーザの端末から画像処理装置を操作できる。
請求項2の本発明によれば、端末側操作画面に含まれる要素に対する操作に応じた端末側の処理として、カメラを起動させる処理と、ソフトウェアキーボードを起動させる処理とのいずれかが行われるので、ユーザの操作を簡略化できる。
請求項3の本発明によれば、端末側操作画面に含まれる要素に対する操作が、画面の表示内容を変更する操作である場合、端末側の処理として、画面の表示内容が変更された後の画像処理装置の操作画面を撮像するカメラが自動で起動するので、ユーザの操作を簡略化できる。
請求項4の本発明によれば、ユーザの端末の撮像対象として、画像処理装置の操作画面が表示されると、これをトリガとして操作画面が自動で撮像されるので、ユーザの操作を簡略化できる。
請求項5の本発明によれば、端末側操作画面に含まれる要素に対する操作が、テキスト入力するためのオブジェクトを選択する操作である場合、端末側の処理として、テキスト入力を受け付けるためのソフトウェアキーボードが自動で起動するので、ユーザの端末が本来的に備えている機能を活用しつつ、ユーザの操作を簡略化できる。
請求項6の本発明によれば、ユーザの端末がソフトウェアキーボードを起動している場合、ユーザの端末に記憶されているテキストデータの複製および貼り付けの操作が可能となるので、ユーザの端末の内部資源(例えば、アドレス帳のデータなど)を活用できる。
請求項7の本発明によれば、画像処理装置の操作画面のデザインおよびルールに関する情報を教師データとする機械学習の結果に基づいて、端末側操作画面を構成する1以上のオブジェクトの各々が操作画面の要素に該当するかどうかが判定され、さらに、操作画面の要素に該当する場合には、その種類が判定される。これにより、判定の精度が向上する。
請求項8の本発明によれば、機械学習に用いられる教師データに、操作画面の要素に対して行われた操作の情報と、その操作により画像処理装置に表示された操作画面の撮像画像とを対応付けた情報が含まれるので、実際に行われた処理の結果を教師データとする機械学習が可能となる。
請求項9の本発明によれば、端末側操作画面に含まれる要素に対して行われた操作に関する情報と、その操作によりユーザの端末に表示された端末側操作画面とが対応付けて管理される。そして、その要素に対する操作が再度行われると、その操作に関する情報に対応付けられている端末側操作画面がユーザの端末に表示される。これにより、画像処理装置の操作画面を撮像する回数が減るので、ユーザの利便性が向上する。
請求項10の本発明によれば、操作に関する情報に対応付けられている端末側操作画面がユーザの端末に表示される際、カメラを起動させるためのボタンが表示される。これにより、ユーザは、画像処理装置の操作画面を改めて撮像することで、操作に関する情報に対応付けられている端末側操作画面を更新できる。
請求項11の本発明によれば、ユーザの端末により撮像された画像処理装置の撮像画像に、その画像処理装置の操作画面が含まれている場合、その操作画面の撮像画像が端末側操作画面としてユーザの端末に表示される。そして、端末側操作画面に含まれる要素に対する操作が行われると、その操作に応じた処理が、ユーザの端末および画像処理装置の各々により行われる。これにより、画像処理装置の操作画面のイメージデータを予めユーザの端末に保持させることなく、ユーザの端末から画像処理装置を操作できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本実施の形態が適用される情報処理システムの全体構成の一例を示す図である。
図2】ユーザ端末のハードウェア構成の一例を示す図である。
図3】画像処理装置のハードウェア構成の一例を示す図である。
図4】ユーザ端末の制御部の機能構成の一例を示す図である。
図5】画像処理装置の制御部の機能構成の一例を示す図である。
図6】ユーザ端末の処理のうち、端末側操作画面を表示するまでの流れの一例を示すフローチャートである。
図7】ユーザ端末の処理のうち、端末側操作画面への入力操作を受け付けてから、端末側操作画面を遷移させるまでの処理の流れの一例を示すフローチャートである。
図8】ユーザ端末で画像処理装置の操作画面を撮像する様子を示す図である。
図9】端末側操作画面に対する操作が行われている様子を示す図である。
図10】端末側操作画面にソフトウェアキーボードが表示させるときの様子を示す図である。
図11】自動撮像の様子を示す図である。
図12】ユーザ端末に記憶されている端末側操作画面の自動読み出しの具体例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、添付図面を参照して、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
<情報処理システムの構成>
図1は、本実施の形態が適用される情報処理システム1の全体構成の一例を示す図である。
情報処理システム1は、ユーザ端末10と、画像処理装置50とがネットワーク90を介して接続されることにより構成されている。ネットワーク90は、例えば、LAN(Local Area Network)、インターネット等である。
【0010】
(ユーザ端末)
ユーザ端末10は、情報処理システム1を利用するユーザが操作するスマートフォン、タブレット端末等のモバイル型の情報処理装置である。ユーザ端末10には、画像処理装置50の操作を可能にするアプリケーションソフトウェアがインストールされている。ユーザ端末10は、画像処理装置50から送信されてくる各種の情報を取得し、各種の処理を行う。また、ユーザ端末10は、画像処理装置50に向けて各種の情報を送信する。
【0011】
例えば、ユーザ端末10は、撮像した画像処理装置50の撮像画像に、画像処理装置50の操作画面が含まれているかどうかを判定する。また、ユーザ端末10は、操作画面の要素の種類を判定する。ユーザ端末10は、撮像した画像処理装置50の撮像画像に、画像処理装置50の操作画面が含まれている場合、その撮像画像に含まれる操作画面をユーザインターフェースとして表示する。具体的には、ユーザ端末10は、撮像画像に含まれる操作画面の表示領域を抽出し、拡大、傾き補正等を施すことで、画像処理装置50の操作を可能にするユーザインターフェースとしての端末側操作画面を生成し、表示部に表示する。
【0012】
また、ユーザ端末10は、端末側操作画面に含まれる要素に対する操作に応じた処理を行う。例えば、ユーザ端末10は、端末側操作画面に含まれる要素に対する操作に応じた処理として、画像処理装置50の操作画面を撮像するカメラを起動させる。この場合、ユーザ端末10は、端末側操作画面に含まれる要素に対する操作が、画面遷移させるボタンを押下する操作である場合、その操作に応じた処理として、画面遷移後の画像処理装置50の操作画面を撮像するカメラを起動させる。ユーザ端末10は、画面遷移後の画像処理装置50の操作画面を撮像するカメラを起動している場合、画像処理装置50の操作画面が、撮像対象としてファインダに表示されると、その操作画面を自動で撮像してもよい。
【0013】
また、ユーザ端末10は、端末側操作画面に含まれる要素に対する操作に応じた処理として、テキスト入力を受け付けるためのソフトウェアキーボードを起動させる。例えば、ユーザ端末10は、端末側操作画面に含まれる要素に対する操作が、テキスト入力するためのオブジェクトを選択する操作である場合、その操作に応じた処理として、テキスト入力を受け付けるためのソフトウェアキーボードを起動させる。
【0014】
ここで、「テキスト入力するためのオブジェクト」とは、例えば、テキストボックスなどである。ユーザ端末10は、テキスト入力を受け付けるためのソフトウェアキーボードを起動している場合、自機に記憶されているテキストデータを複製する操作、および複製したテキストデータを貼り付けの操作を受け付ける。また、「自機に記憶されているテキストデータ」とは、例えば、ユーザ端末10に記憶されているアドレス帳のデータなどである。
【0015】
ユーザ端末10は、端末側操作画面に含まれる要素に対して行われた操作の結果として表示された端末側操作画面と、その操作に関する情報とを対応付けて管理する。そして、ユーザ端末10は、端末側操作画面に含まれる要素に対する操作が行われると、その操作に関する情報に対応付けられている端末側操作画面を表示する。また、ユーザ端末10は、端末側操作画面を表示させるとともに、画像処理装置50の操作画面を撮像するカメラを起動させるためのボタンを表示する。なお、ユーザ端末10の処理の詳細については後述する。
【0016】
(画像処理装置)
画像処理装置50は、情報処理システム1を利用するユーザの入力操作に応じて各種の処理を行う情報処理装置である。例えば、画像処理装置50は、用紙等の媒体に画像を形成する処理、画像が形成された記録媒体を出力する処理、用紙等に形成された画像を読み取る処理などを行う。画像処理装置50としては、例えば、トナー像を用紙の印刷面に形成するいわゆる電子写真方式の複合機や、インクを用紙の印刷面に吐出するいわゆるインクジェット方式のプリンタ等が挙げられる。
【0017】
また、画像処理装置50は、ユーザ端末10から送信されてくる各種の情報を取得し、各種の処理を行う。また、画像処理装置50は、ユーザ端末10に向けて各種の情報を送信する。例えば、画像処理装置50は、端末側操作画面に含まれる要素に対する操作に応じた処理を行う。具体的には、画像処理装置50は、端末側操作画面に含まれる要素に対する操作に応じた処理として、その操作を自機の操作画面に対する操作として受け付ける処理を行う。なお、画像処理装置50の処理の詳細については後述する。
【0018】
上述の情報処理システム1の構成は一例であり、情報処理システム1全体として上述の処理を実現させる機能を備えていればよい。このため、上述の処理を実現させる機能のうち、一部または全部を情報処理システム1内で分担してもよいし協働してもよい。すなわち、ユーザ端末10の機能の一部または全部を画像処理装置50の機能としてもよいし、また、画像処理装置50の機能の一部または全部をユーザ端末10の機能としてもよい。さらに、情報処理システム1を構成するユーザ端末10および画像処理装置50の各々の機能の一部または全部を、図示せぬ他のサーバ等に移譲してもよい。これにより、情報処理システム1全体としての処理が促進され、また、処理を補完し合うことも可能となる。
【0019】
(ユーザ端末のハードウェア構成)
図2は、ユーザ端末10のハードウェア構成の一例を示す図である。
ユーザ端末10は、制御部11と、メモリ12と、記憶部13と、通信部14と、操作部15と、表示部16と、撮像部17とを有している。これらの各部は、データバス、アドレスバス、PCI(Peripheral Component Interconnect)バス等で接続されている。
【0020】
制御部11は、OS(基本ソフトウェア)やアプリケーションソフトウェア(応用ソフトウェア)等の各種ソフトウェアの実行を通じてユーザ端末10の機能の制御を行うプロセッサである。制御部11は、例えばCPU(Central Processing Unit)で構成される。メモリ12は、各種ソフトウェアやその実行に用いるデータ等を記憶する記憶領域であり、演算に際して作業エリアとして用いられる。メモリ12は、例えばRAM(Random Access Memory)等で構成される。
【0021】
記憶部13は、各種ソフトウェアに対する入力データや各種ソフトウェアからの出力データ等を記憶する記憶領域である。記憶部13は、例えばプログラムや各種設定データなどの記憶に用いられるHDD(Hard Disk Drive)やSSD(Solid State Drive)、半導体メモリ等で構成される。記憶部13には、各種情報を記憶するデータベースとして、例えば、撮像画像と、その撮像画像に含まれる操作画面と、操作の内容とを対応付けた情報が記憶されている画像DB131等が格納されている。
【0022】
通信部14は、ネットワーク90を介してユーザ端末10および外部との間でデータの送受信を行う。操作部15は、例えばキーボード、マウス、機械式のボタン、スイッチで構成され、入力操作を受け付ける。操作部15には、表示部16と一体的にタッチパネルを構成するタッチセンサも含まれる。表示部16は、例えば情報の表示に用いられる液晶ディスプレイや有機EL(Electro Luminescence)ディスプレイで構成され、画像やテキストのデータなどを表示する。撮像部17は、カメラ等で構成され、カメラのファインダとしても機能する表示部16に表示された被写体を撮像して、画像のデータとして取得する。
【0023】
(画像処理装置のハードウェア構成)
図3は、画像処理装置50のハードウェア構成の一例を示す図である。
画像処理装置50は、図2のユーザ端末10のハードウェア構成のうち、制御部11、メモリ12、記憶部13、通信部14、操作部15、および表示部16の各々に対応するハードウェア構成を有している。
【0024】
すなわち、画像処理装置50は、CPU等のプロセッサで構成される制御部51と、RAM等の記憶領域で構成されるメモリ52と、HDDやSDD、半導体メモリ等の記憶領域で構成される記憶部53とを有している。記憶部53には、各種の情報を記憶するデータベースが格納されている。また、画像処理装置50は、ネットワーク90を介して、ユーザ端末10、および外部との間でデータの送受信を行う通信部54を有している。また、画像処理装置50は、タッチパネル等で構成される操作部55と、液晶ディスプレイや有機ELディスプレイ等で構成される表示部56を有している。
【0025】
さらに、画像処理装置50は、これらの構成に加えて、読取部57と、画像形成部58とを有している。読取部57は、記録媒体としての用紙等の媒体(例えば、紙媒体の文書等)に記録された画像を読み取る。読取部57は、例えば光源から原稿に照射した光に対する反射光をレンズで縮小してCCD(Charge Coupled Devices)で受光するCCD方式のスキャナや、LED光源から原稿に順に照射した光に対する反射光をCIS(Contact Image Sensor)で受光するCIS方式のスキャナ等で構成される。画像形成部58は、例えば、電子写真方式やインクジェット方式等により、記録媒体としての用紙の印刷面に、印刷対象の画像を形成する。そして、これらの各部は、データバス、アドレスバス、PCIバス等で接続されている。
【0026】
(ユーザ端末の制御部の機能構成)
図4は、ユーザ端末10の制御部11の機能構成の一例を示す図である。
ユーザ端末10の制御部11では、撮像制御部101と、管理部102と、判定部103と、UI補正部104と、表示制御部105と、送信制御部106とが機能する。
【0027】
撮像制御部101は、撮像部17に画像処理装置50の操作画面を撮像させる制御を行う。具体的には、撮像制御部101は、ユーザの操作に基づいて、撮像部17のカメラを起動させて、画像処理装置50の操作画面を撮像させる制御を行う。ここで、「ユーザの操作」とは、カメラのシャッターボタンを押下する操作、カメラのファインダに画像処理装置50の操作画面を表示させる操作などである。
【0028】
管理部102は、記憶部13(図2参照)のデータベースに各種の情報を格納して管理する。例えば、管理部102は、撮像部17(図2参照)により撮像された撮像画像を画像DB131に格納して管理する。具体的には、管理部102は、撮像部17により撮像された撮像画像と、その撮像画像に含まれる操作画面と、操作の内容とを対応付けた情報を、教師データとして画像DB131に格納して管理する。
【0029】
判定部103は、撮像部17により撮像された画像処理装置50の撮像画像に、画像処理装置50の操作画面が含まれているかどうかを判定する。具体的には、判定部103は、画像処理装置50の撮像画像を構成する1以上のオブジェクトの各々が画像処理装置50の操作画面の要素に該当するかどうかを判定する。このとき、判定部103は、操作画面の要素の種類を判定する。要素の種類としては、例えば、ユーザインターフェースとしてのボタン、テキストボックスなどである。
【0030】
判定部103は、画像処理装置50の撮像画像に操作画面が含まれているかどうかを判定する際、機械学習の結果に基づいた判定を行ってもよい。この場合、教師データには、操作画面に含まれる要素に対して行われた操作の情報と、その操作の結果として画像処理装置50に表示された操作画面の撮像画像とを対応付けた情報の他に、例えば、画像処理装置50の操作画面のデザインおよびルールに関する情報等を含めてもよい。
【0031】
UI補正部104は、画像処理装置50の操作画面の撮像画像を補正することで、画像処理装置50の操作を可能にするユーザインターフェースとしての端末側操作画面を生成する。具体的には、UI補正部104は、画像処理装置50の撮像画像に含まれる操作画面の領域を抽出し、拡大、傾き補正等を施すことで端末側操作画面を生成する。すなわち、画像処理装置50に表示される端末側操作画面は、画像処理装置50の操作画面から独立して別個に生成されるものではなく、画像処理装置50の操作画面を撮像したものの表示態様を修正したものである。
【0032】
表示制御部105は、ユーザ端末10の表示部16に各種の情報を表示させるための制御を行う。具体的には、表示制御部105は、起動されたカメラのファインダを表示部16に表示させるための制御を行う。また、表示制御部105は、被写体となる画像処理装置50を表示部16に表示させるための制御を行う。また、表示制御部105は、UI補正部104により生成された端末側操作画面を表示部16に表示させるための制御を行う。また、表示制御部105は、テキスト入力を受け付けるためのソフトウェアキーボードを表示部16に表示させるための制御を行う。
【0033】
送信制御部106は、各種の情報を送信する制御を行う。具体的には、送信制御部106は、画像処理装置50および外部の各々に向けて各種の情報を送信する制御を行う。送信制御部106により送信が制御される情報のうち、画像処理装置50に向けて送信される情報としては、例えば、画像処理装置50に各種の処理を実行させるために端末側操作画面に入力された入力情報などである。
【0034】
(画像処理装置の制御部の機能構成)
図5は、画像処理装置50の制御部51の機能構成の一例を示す図である。
画像処理装置50の制御部51では、取得部501と、処理制御部502とが機能する。
【0035】
取得部501は、各種の情報を取得する。具体的には、取得部501は、ユーザ端末10および外部から送信されてきた各種の情報を取得する。取得部501により取得される情報のうちユーザ端末10から送信されてくる情報としては、例えば、画像処理装置50に各種の処理を実行させるために端末側操作画面に入力された入力情報などである。
【0036】
処理制御部502は、ユーザ端末10から送信されてきた、画像処理装置50に各種の処理を実行させるために端末側操作画面に入力された入力情報に基づいて、通信部54、表示部56、読取部57、および画像形成部58(図3参照)等に、画像処理装置50の機能にかかる各種の処理を実行させる制御を行う。例えば、処理制御部502は、画像処理装置50に各種の処理を実行させるために端末側操作画面に入力された入力情報に基づいて、操作画面の表示を遷移させる。
【0037】
<処理の流れ>
(ユーザ端末の処理の流れ)
図6は、ユーザ端末10の処理のうち、端末側操作画面を表示するまでの流れの一例を示すフローチャートである。
ユーザ端末10は、ユーザの操作に基づいて、操作の対象となる画像処理装置50と接続するための認証処理を実行し(ステップ601)、画像処理装置50の操作を可能にするアプリケーションソフトウェアを起動させる(ステップ602)。
【0038】
次に、ユーザ端末10は、ユーザの操作に基づいて、カメラを起動させる(ステップ603)。そして、ユーザ端末10は、カメラのファインダに画像処理装置50の操作画面が表示されると(ステップ604でYES)、その操作画面を撮像する(ステップ605)。これに対して、カメラのファインダに画像処理装置50の操作画面が表示されていない場合(ステップ604でNO)、ユーザ端末10は、カメラのファインダに画像処理装置50の操作画面が表示されるまでステップ604の判断処理を繰り返す。
【0039】
次に、ユーザ端末10は、ステップ605で撮像された撮像画像に含まれる、画像処理装置50の操作画面の表示領域を抽出し(ステップ606)、傾き補正等を行うことで端末側操作画面を生成する(ステップ607)。そして、ユーザ端末10は、生成した端末側操作画面を表示する(ステップ608)。
【0040】
図7は、ユーザ端末10の処理のうち、端末側操作画面への入力操作を受け付けてから、端末側操作画面を遷移させるまでの処理の流れの一例を示すフローチャートである。
ユーザ端末10は、表示した端末側操作画面をタップする操作が行われると(ステップ701でYES)、タップされた位置の要素の種類を判定する(ステップ702)。これに対して、タップ操作が行われていない場合、ユーザ端末10は、タップ操作が行われるまでステップ701の判断処理を繰り返す。
【0041】
ユーザ端末10は、タップされた位置の要素の種類がボタンである場合には(ステップ703でYES)、ステップ706の処理に進む。これに対して、タップされた位置の要素の種類がテキストボックスである場合(ステップ703でNO)、ユーザ端末10は、キーボードを表示して(ステップ704)、テキストデータの入力を促す。そして、テキストデータが入力されると(ステップ705でYES)、ユーザ端末10は、ステップ706の処理に進む。これに対して、テキストデータが入力されていない場合(ステップ705でNO)、ユーザ端末10は、テキストデータが入力されるまでステップ705の判定処理を繰り返す。
【0042】
ユーザ端末10は、画像処理装置50に各種の処理を実行させるための入力情報を画像処理装置50に向けて送信するとともに(ステップ706)、端末側操作画面と操作の内容とを対応付けて記憶する(ステップ707)。
【0043】
ユーザ端末10は、ステップ706で画像処理装置50に向けて送信した入力情報により、画像処理装置50の操作画面が遷移すると(ステップ708でYES)、遷移後の操作画面に対応する端末側操作画面の読み出しを試みる(ステップ709)。これに対して、画像処理装置50の操作画面が遷移していない場合(ステップ708でNO)、画像処理装置50の操作画面が遷移するまでステップ708の判定処理を繰り返す。
【0044】
ユーザ端末10は、端末側操作画面の読み出しに成功すると(ステップ710でYES)、読み出した端末側操作画面を表示する(ステップ711)。これに対して、端末側操作画面の読み出しに成功しなかった場合(ステップ710でNO)、画像処理装置50に表示されている遷移後の操作画面を撮像するためのカメラを起動させる(ステップ712)。この場合、ユーザ端末10は、例えば、上述の図6のステップ604の判断処理以降の処理を行う。
【0045】
<具体例>
図8は、ユーザ端末10で画像処理装置50の操作画面を撮像する様子を示す図である。
画像処理装置50の操作を、画像処理装置50の操作画面に直接触れることなくモバイル端末等から操作しようとするユーザは、画像処理装置50の操作を可能にするアプリケーションソフトウェアがインストールされたユーザ端末10を操作することで、操作の対象となる画像処理装置50と接続するための認証を行う。
【0046】
次に、ユーザは、ユーザ端末10のカメラを起動させ、画像処理装置50の操作部55(図3参照)の操作画面550を、ユーザ端末10のファインダに表示させて撮像する。すると、撮像画像500に含まれる操作画面550の表示領域が抽出され、各種の補正が施されて、画像処理装置50の操作を可能にするユーザインターフェースとしての端末側操作画面100が生成される。生成された端末側操作画面100はユーザ端末10の表示部16に表示される。ここで、ユーザ端末10の表示部16に表示される端末側操作画面100の態様は特に限定されない。例えば、図8に示すように、ユーザ端末10の表示部16のサイズに調整されて拡大表示されるなど、ユーザが操作しやすい態様で表示される。
【0047】
図9は、端末側操作画面100に対する操作が行われている様子を示す図である。
ユーザは、端末側操作画面100に表示されている要素(ボタン、テキストボックスなど)に対してタップ操作や文字入力の操作を行うと、それらの入力情報が画像処理装置50に向けて送信される。端末側操作画面100に対する入力情報を取得した画像処理装置50は、その入力情報を操作画面550に対する入力操作として受け付けて、入力操作に応じた処理(画面遷移、印刷、読み取りなど)を行う。
【0048】
例えば、図9に示すように、端末側操作画面100に含まれる要素のうち、「ボックス保存」と表記されたボタン21が押下されると、画像処理装置50の操作画面550に含まれる要素のうち、「ボックス保存」と表記されたボタン21が押下されたものとして受け付けられる。すると、画像処理装置50の操作画面550が操作画面551に遷移する。
【0049】
ここで、操作画面551に対応する端末側操作画面がユーザ端末10に記憶されている場合には、その端末側操作画面がユーザ端末10に表示される。これに対して、操作画面551に対応する端末側操作画面がユーザ端末10に記憶されていない場合には、ユーザ端末10のカメラが再び起動する。ユーザは、画像処理装置50の操作画面551をユーザ端末10のファインダに表示させて撮像する。すると、撮像画像510に含まれる操作画面551の表示領域が抽出され、各種の補正が施されて、操作画面551に対応する端末側操作画面110が生成される。生成された端末側操作画面110は表示部16に表示される。
【0050】
図10は、端末側操作画面にソフトウェアキーボードが表示させるときの様子を示す図である。
端末側操作画面に含まれる要素に対する操作が、テキストボックスを選択する操作である場合には、ユーザ端末10の表示部16に、テキスト入力を受け付けるためのソフトウェアキーボードが表示される。例えば、図10に示すように、「日時」と表記されたテキストボックス111をタップする操作が行われると、その入力情報が画像処理装置50に向けて送信される。そして、その入力情報を取得した画像処理装置50において、操作画面551に含まれる「日時」と表記されたテキストボックス511をタップする操作が行われたとして受け付けられる。これにより、画像処理装置50の操作画面551が操作画面552に遷移する。
【0051】
また、ユーザ端末10は、テキストボックス111をタップする操作が行われると、タップされた要素がテキストボックスであることを検知し、テキストデータの入力を受け付けるためのソフトウェアキーボード112を表示する。ユーザがソフトウェアキーボード112にテキストを入力して「改行」と表記されたボタン113(または、図示せぬ「Enter」キー)をタップする操作を行うと、ソフトウェアキーボード112に入力されたテキストデータが、入力情報として画像処理装置50に向けて送信される。すると、ユーザ端末10は、ソフトウェアキーボード112に入力する操作が完了したことを検知し、画像処理装置50の操作画面を撮像できるようにするために再びカメラを起動させる。
【0052】
図11は、自動撮像の様子を示す図である。
画面遷移後の画像処理装置50の操作画面551を撮像するカメラを起動している場合、画像処理装置50の操作画面551が、撮像対象としてユーザ端末10のファインダに表示されると、その操作画面551が自動で撮像される。すなわち、ユーザ端末10のカメラが起動している間は、画像処理装置50の操作画面551を検知する状態が継続される。図11の枠線114および115は、ユーザ端末10の表示部16のファインダに表示された画像処理装置50の操作画面551の表示領域を認識していることを示す枠線である。
【0053】
図12は、ユーザ端末10に記憶されている端末側操作画面の自動読み出しの具体例を示す図である。
上述のように、ユーザ端末10に格納されている画像DB131(図2参照)には、撮像部17により撮像された撮像画像と、その撮像画像に含まれる操作画面と、操作の内容とを対応付けた情報が記憶されている。ユーザ端末10は、記憶されている操作の内容と同様の操作が行われると、その操作の内容に対応付けられている端末側操作画面を自動で読み出す。
【0054】
図12には、端末側操作画面110に含まれる要素としてのボタン22をタップする操作が行われたことにより自動で読み出された端末側操作画面120が示されている。端末側操作画面の読み出しは、現在表示されている端末側操作画面(例えば、図12の端末側操作画面110)と、現在表示されている端末側操作画面に対する操作の種別(例えば、タップする操作など)および操作が行われた画面上の位置を示す座標とを入力し、次の端末側操作画面(例えば、図12の端末側操作画面120)を出力する処理により実現される。
【0055】
ただし、画像処理装置50側の設定変更等により操作画面の配置が変わることがあるので、「再撮影」と表記されたボタン23が設けられている。ユーザは、ユーザ端末10に記憶されている端末側操作画面120が、実際の画像処理装置50の操作画面と一致しない場合、ボタン23をタップする操作を行う。すると、実際の画像処理装置50の操作画面を撮像可能にするカメラが起動する。
【0056】
<他の実施の形態>
以上、本実施の形態について説明したが、本発明は上述した実施の形態に限るものではない。また、本発明による効果も、上述した実施の形態に記載されたものに限定されない。例えば、図1に示す情報処理システム1の構成、図2に示すユーザ端末10のハードウェア構成、および図3に示す画像処理装置50のハードウェア構成は、いずれも本発明の目的を達成するための例示に過ぎず、特に限定されない。また、図4に示すユーザ端末10の機能構成、および図5に示す画像処理装置50の機能構成も例示に過ぎず、特に限定されない。上述した処理を全体として実行できる機能が図1の情報処理システム1に備えられていれば足り、この機能を実現するためにどのような機能構成を用いるかは図4および図5の例に限定されない。
【0057】
また、図6および図7に示すユーザ端末10の処理のステップの順序も例示に過ぎず、特に限定されない。図示されたステップの順序に沿って時系列的に行われる処理だけではなく、必ずしも時系列的に処理されなくとも、並列的あるいは個別的に行われてもよい。また、図8乃至図12に示す具体例も一例に過ぎず、特に限定されない。
【0058】
また、上述の実施の形態では、端末側操作画面に含まれる要素に対する操作として、画面遷移させるボタンを押下する操作が例示されているが、これに限定されない。画面の内容表示を変更する操作であればよいので、例えば、画面をスクロール移動させるスワイプの操作などであってもよい。
【0059】
(付記)
(((1)))
1または複数のプロセッサを備え、
前記1または複数のプロセッサは、
ユーザの端末により撮像された画像処理装置の撮像画像に、当該画像処理装置の操作画面が含まれている場合、当該撮像画像に含まれる当該操作画面を端末側操作画面として当該端末に表示させ、
前記端末側操作画面に含まれる要素に対する操作に応じた処理を、前記端末および前記画像処理装置の各々に行わせることを特徴とする、
情報処理システム。
(((2)))
前記1または複数のプロセッサは、
前記要素に対する操作に応じた前記端末の処理として、前記画像処理装置の操作画面を撮像するカメラを起動させる処理と、テキスト入力を受け付けるためのソフトウェアキーボードを起動させる処理とのいずれかを行わせ、
前記要素に対する操作に応じた前記画像処理装置の処理として、当該操作を当該画像処理装置の操作画面に対する操作として受け付ける処理を行わせることを特徴とする、
(((1)))に記載の情報処理システム。
(((3)))
前記1または複数のプロセッサは、前記要素に対する操作が、画面の表示内容を変更する操作である場合、当該操作に応じた前記端末の処理として、当該画面の表示内容が変更された後の前記画像処理装置の操作画面を撮像するカメラを起動させる処理を行わせることを特徴とする、
(((2)))に記載の情報処理システム。
(((4)))
前記1または複数のプロセッサは、前記端末が前記カメラを起動している場合、撮像対象として前記画像処理装置の操作画面が当該端末に表示されると、当該端末に当該操作画面を撮像させることを特徴とする、
(((3)))に記載の情報処理システム。
(((5)))
前記1または複数のプロセッサは、前記要素に対する操作が、テキスト入力するためのオブジェクトを選択する操作である場合、当該操作に応じた前記端末の処理として、テキスト入力を受け付けるためのソフトウェアキーボードを起動させる処理を行わせることを特徴とする、
(((2)))に記載の情報処理システム。
(((6)))
前記1または複数のプロセッサは、前記端末が前記ソフトウェアキーボードを起動している場合、当該端末に記憶されているテキストデータの複製および貼り付けの操作を受け付けることを特徴とする、
(((5)))に記載の情報処理システム。
(((7)))
前記1または複数のプロセッサは、前記画像処理装置の操作画面のデザインおよびルールに関する情報を教師データとする機械学習の結果に基づいて、前記端末側操作画面を構成する1以上のオブジェクトの各々が前記要素に該当するかどうかの判定と、当該要素の種類の判定とを行うことを特徴とする、
(((1)))乃至(((6)))のいずれかに記載の情報処理システム。
(((8)))
前記教師データには、前記要素に対して行われた操作の情報と、当該操作により前記画像処理装置に表示された操作画面の撮像画像とを対応付けた情報がさらに含まれることを特徴とする、
(((7)))に記載の情報処理システム。
(((9)))
前記1または複数のプロセッサは、
前記要素に対して行われた操作により前記端末に表示された前記端末側操作画面と、当該操作に関する情報とを対応付けて管理し、
前記要素に対する操作が行われると、当該操作に関する情報に対応付けられている前記端末側操作画面を前記端末に表示させることを特徴とする、
(((1)))乃至(((8)))のいずれかに記載の情報処理システム。
(((10)))
前記1または複数のプロセッサは、前記端末側操作画面を前記端末に表示させるとともに、前記画像処理装置の操作画面を撮像するカメラを起動させるためのボタンを当該端末に表示させることを特徴とする、
(((9)))に記載の情報処理システム。
(((11)))
コンピュータに、
ユーザの端末により撮像された画像処理装置の撮像画像に、当該画像処理装置の操作画面が含まれている場合、当該撮像画像に含まれる当該操作画面を端末側操作画面として当該端末に表示させる機能と、
前記端末側操作画面に含まれる要素に対する操作に応じた処理を、前記端末および前記画像処理装置の各々に行わせる機能と、
を実現させるプログラム。
【0060】
(((1)))の本発明によれば、ユーザの端末により撮像された画像処理装置の撮像画像に、その画像処理装置の操作画面が含まれている場合、その操作画面の撮像画像が端末側操作画面としてユーザの端末に表示される。そして、端末側操作画面に含まれる要素に対する操作が行われると、その操作に応じた処理が、ユーザの端末および画像処理装置の各々により行われる。これにより、画像処理装置の操作画面のイメージデータを予めユーザの端末に保持させることなく、ユーザの端末から画像処理装置を操作できる。
(((2)))の本発明によれば、端末側操作画面に含まれる要素に対する操作に応じた端末側の処理として、カメラを起動させる処理と、ソフトウェアキーボードを起動させる処理とのいずれかが行われるので、ユーザの操作を簡略化できる。
(((3)))の本発明によれば、端末側操作画面に含まれる要素に対する操作が、画面の表示内容を変更する操作である場合、端末側の処理として、画面の表示内容が変更された後の画像処理装置の操作画面を撮像するカメラが自動で起動するので、ユーザの操作を簡略化できる。
(((4)))の本発明によれば、ユーザの端末の撮像対象として、画像処理装置の操作画面が表示されると、これをトリガとして操作画面が自動で撮像されるので、ユーザの操作を簡略化できる。
(((5)))の本発明によれば、端末側操作画面に含まれる要素に対する操作が、テキスト入力するためのオブジェクトを選択する操作である場合、端末側の処理として、テキスト入力を受け付けるためのソフトウェアキーボードが自動で起動するので、ユーザの端末が本来的に備えている機能を活用しつつ、ユーザの操作を簡略化できる。
(((6)))の本発明によれば、ユーザの端末がソフトウェアキーボードを起動している場合、ユーザの端末に記憶されているテキストデータの複製および貼り付けの操作が可能となるので、ユーザの端末の内部資源(例えば、アドレス帳のデータなど)を活用できる。
(((7)))の本発明によれば、画像処理装置の操作画面のデザインおよびルールに関する情報を教師データとする機械学習の結果に基づいて、端末側操作画面を構成する1以上のオブジェクトの各々が操作画面の要素に該当するかどうかが判定され、さらに、操作画面の要素に該当する場合には、その種類が判定される。これにより、判定の精度が向上する。
(((8)))の本発明によれば、機械学習に用いられる教師データに、操作画面の要素に対して行われた操作の情報と、その操作により画像処理装置に表示された操作画面の撮像画像とを対応付けた情報が含まれるので、実際に行われた処理の結果を教師データとする機械学習が可能となる。
(((9)))の本発明によれば、端末側操作画面に含まれる要素に対して行われた操作に関する情報と、その操作によりユーザの端末に表示された端末側操作画面とが対応付けて管理される。そして、その要素に対する操作が再度行われると、その操作に関する情報に対応付けられている端末側操作画面がユーザの端末に表示される。これにより、画像処理装置の操作画面を撮像する回数が減るので、ユーザの利便性が向上する。
(((10)))の本発明によれば、操作に関する情報に対応付けられている端末側操作画面がユーザの端末に表示される際、カメラを起動させるためのボタンが表示される。これにより、ユーザは、画像処理装置の操作画面を改めて撮像することで、操作に関する情報に対応付けられている端末側操作画面を更新できる。
(((11)))の本発明によれば、ユーザの端末により撮像された画像処理装置の撮像画像に、その画像処理装置の操作画面が含まれている場合、その操作画面の撮像画像が端末側操作画面としてユーザの端末に表示される。そして、端末側操作画面に含まれる要素に対する操作が行われると、その操作に応じた処理が、ユーザの端末および画像処理装置の各々により行われる。これにより、画像処理装置の操作画面のイメージデータを予めユーザの端末に保持させることなく、ユーザの端末から画像処理装置を操作できる。
【符号の説明】
【0061】
1…情報処理システム、10…ユーザ端末、11…制御部、50…画像処理装置、51…制御部、90…ネットワーク、101…撮像制御部、102…管理部、103…判定部、104…UI補正部、105…表示制御部、106…送信制御部、501…取得部、502…処理制御部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12