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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024140793
(43)【公開日】2024-10-10
(54)【発明の名称】高所作業車
(51)【国際特許分類】
   B66F 9/24 20060101AFI20241003BHJP
   B66F 11/04 20060101ALI20241003BHJP
【FI】
B66F9/24 H
B66F11/04
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023052130
(22)【出願日】2023-03-28
(71)【出願人】
【識別番号】000148759
【氏名又は名称】株式会社タダノ
(74)【代理人】
【識別番号】100142022
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 一晃
(74)【代理人】
【識別番号】100196623
【弁理士】
【氏名又は名称】松下 計介
(72)【発明者】
【氏名】齋藤 凌一
【テーマコード(参考)】
3F333
【Fターム(参考)】
3F333AA08
3F333AB01
3F333BA12
3F333BB03
3F333BB23
3F333BD02
3F333BE02
3F333FA02
3F333FA22
3F333FD01
3F333FE10
(57)【要約】
【課題】無線通信装置の配置の自由度を高め、通信可能な位置に容易に配置することができる高所作業車を提供する。
【解決手段】運転室4および荷台3aを有する車両2と、荷台3aに旋回可能に位置する旋回台8と、旋回台8に起伏可能に位置する伸縮可能なブーム10と、ブーム10の先端に位置するバケット11と、電波によって外部と通信する無線通信装置14とを有する高所作業車1である。無線通信装置14は、防水された筐体15内に収容される。筐体15は、車両2の荷台3aにおいて、ブーム10およびバケット11の移動が規制されたブーム規制領域S内に位置する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
運転室および荷台を有する走行体と、
前記荷台に旋回可能に位置する旋回台と、
前記旋回台に起伏可能に位置する伸縮可能なブームと、
前記ブームの先端に位置する作業床と、
電波によって外部と通信する無線通信装置と、
を有する高所作業車であって、
前記無線通信装置は、
防水された筐体内に収容され、
前記筐体は、
前記走行体の荷台において、前記ブームおよび前記作業床の移動が規制されたブーム規制領域内に位置する、
高所作業車。
【請求項2】
請求項1に記載の高所作業車において、
前記荷台に位置し、短縮且つ倒伏させた状態の前記ブームを支持するブームレストを有し、
前記筐体は、
前記荷台の平面視で、少なくとも一部が、前記ブームレストに支持された前記ブームと重ならない位置に配置される、
高所作業車。
【請求項3】
請求項1または2に記載の高所作業車において、
前記筐体は、
前記無線通信装置が電波を受信可能な位置に配置される、
高所作業車
【請求項4】
請求項1または2に記載の高所作業車において、
前記筐体は、
前記ブームレストに配置される、
高所作業車。
【請求項5】
請求項1または2に記載の高所作業車において、
前記筐体は、
前記走行体の走行方向を前後方向として、前記ブームレストの左右一方の側面に位置する、
高所作業車。
【請求項6】
請求項1または2に記載の高所作業車において、
前記筐体は、
前記走行体から上方に延びる筐体支持部材に配置される、
高所作業車。
【請求項7】
請求項1または2に記載の高所作業車において、
前記筐体は、
前記走行体において荷台の上面から上方に離れた位置に配置される、
高所作業車。
【請求項8】
請求項1または2に記載の高所作業車において、
前記無線通信装置は、
前記高所作業車の位置を測位する衛星測位システムを含む、
高所作業車。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、高所作業車に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、高所作業車等の旋回台を有する作業車は、自走可能な走行体に旋回台が設けられ、前記旋回台に伸縮するブームが起伏自在に設けられている。例えば、高所作業車は、ブームの先端に、作業者が搭乗する作業床であるバケットが設けられている。前記高所作業車は、前記バケット内または走行体に設けられた操作具によって、前記作業者の所望する位置に前記バケットを移動することができる。例えば、移動式クレーンは、ブームの先端からワイヤーによって昇降可能にフックが吊るされている。前記移動式クレーンは、運転室等に設けられた操作具によって前記作業者の所望する位置に前記フックを移動することができる。
【0003】
特許文献1に記載の移動式クレーンは、ブームの先端の位置を測位するGNSS装置(Global Navigation Satellite System)と、前記ブームの姿勢を検出する姿勢検出器と、演算装置とを備えている。前記演算装置は、前記姿勢検出器の検出値と前記GNSS装置の測位値とから前記ブームの姿勢を求める。前記GNSS装置は、相対測位法により前記ブームの先端の位置を測位する機能を有する。前記GNSS装置は、アンテナと、前記アンテナに接続されたGNSS受信機と、測位演算部とからなる。前記GNSS装置のアンテナは、前記移動式クレーンの旋回台および前記ブームに取り付けられる。また、前記GNSS受信機は、例えば、前記移動式クレーンの運転室に取り付けられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2016-88655号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に記載のクレーンのように、旋回台が搭載された作業車両である高所作業車の運転室は、運転席、走行体を操作するための操作具および作業装置を操作するための操作具等の様々な機器がキャビンによって覆われているため、GNSS受信機等の無線通信装置を配置するスペースが限られている。また、防水された前記運転室内に位置する前記無線通信装置と前記運転室の外部に配置されるアンテナとの配策には、雨水、粉塵等が電線の経路から前記運転室内に入り込むのを抑制しなければならない。更に、前記運転室の下方には、エンジン等の熱源が配置されている。よって、電子機器である前記無線通信装置は、前記熱源からの熱の伝達を抑制しなければならない。このように、前記高所作業車の運転室は、前記無線通信装置を配置可能なスペースが限られるため、前記無線通信装置の配置作業が煩雑になり容易に配置できない場合があった。
【0006】
本発明の目的は、無線通信装置の配置の自由度を高め、通信可能な位置に容易に配置することができる高所作業車の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次にこの課題を解決するための手段を説明する。
【0008】
即ち、本発明の一実施形態に係る高所作業車は、運転室および荷台を有する走行体と、前記荷台に旋回可能に配置される旋回台と、前記旋回台に起伏可能に配置される伸縮可能なブームと、前記ブームの先端に配置される作業床と、電波によって外部と通信する無線通信装置と、を有する高所作業車である。
【0009】
前記無線通信装置は、防水された筐体内に収容される。前記筐体は、前記走行体の荷台において、前記ブームおよび前記作業床の移動が規制されたブーム規制領域内に位置する。
【0010】
前述の構成では、高所作業車の無線通信装置が収容された防水仕様の筐体は、前記高所作業車の走行体の荷台において、前記ブームまたは前記作業床との接触を防止するために前記ブームおよび前記作業床の移動が規制されたブーム規制領域内に位置している。前記ブーム規制領域内に位置する前記筐体は、旋回動作、起伏動作および伸縮動作中の前記ブームと接触しない。更に、前記筐体は、前記ブーム規制領域の境界から所定の距離をあけて位置する場合、前記ブームが最も前記ブーム規制領域に近づいても、前記ブームからの所定の距離を維持することができる。よって、前記無線通信装置は、受信状態において前記ブームの影響を受けにくい。また、前記荷台において前記筐体を配置可能なスペースは、運転室内において前記筐体を配置可能なスペースに比べて増大する。これにより、前記無線通信装置を前記運転室内に配置する場合に比べて、前記無線通信装置の配置の自由度を高め、通信可能な位置に容易に配置することができる。
【0011】
他の観点によれば、本発明の高所作業車は、以下の構成を含むことが好ましい。前記荷台に配置され、短縮且つ倒伏させた状態の前記ブームを支持するブームレストを有する。前記筐体は、前記荷台の平面視で、少なくとも一部が前記ブームレストに支持された前記ブームと重ならないように位置する。
【0012】
前述の構成では、前記荷台の平面視で、ブームレストに支持された金属製の前記ブームと少なくとも一部が重ならないように配置された前記筐体内の前記無線通信装置は、前記ブームと全て重なっている前記無線通信装置に比べて、前記無線通信装置のアンテナの受信可能領域における前記ブームの影響を受けていない電波の到達割合が高くなる。また、前記荷台において前記筐体を配置可能なスペースは、運転室内において前記筐体を配置可能なスペースに比べて増大する。これにより、前記無線通信装置を前記運転室内に配置する場合に比べて、前記無線通信装置の配置の自由度を高め、通信可能な位置に容易に配置することができる。
【0013】
他の観点によれば、本発明の高所作業車は、以下の構成を含むことが好ましい。前記筐体は、前記無線通信装置が電波を受信可能な位置に配置される。
【0014】
前述の構成では、前記無線通信装置は、電波の受信領域が前記ブームレストに支持された前記ブームよって反射する電波が通過する領域よりも広くなる位置に配置されている場合、前記ブーム規制領域内において、前記ブームの影響をうけない電波を受信することができる。よって、前記無線通信装置は、前記ブームレストに支持されることにより、前記無線通信装置に最も近い位置に前記ブームが位置付けられた状態において電波を受信することができる。これにより、前記無線通信装置を運転室内に配置する場合に比べて、前記無線通信装置の配置の自由度を高め、通信可能な位置に容易に配置することができる。
【0015】
他の観点によれば、本発明の高所作業車は、以下の構成を含むことが好ましい。前記筐体は、前記ブームレストに位置している。
【0016】
前述の構成では、無線通信装置が収容された筐体は、前記荷台の平面視で前記ブームの移動が規制された前記ブーム規制領域内の前記ブームレストに配置されている。よって、前記筐体は、旋回動作、起伏動作および伸縮動作中の前記ブームと接触しない。また、前記筐体は、構造物によって囲まれていない前記荷台の前記ブームレストに配置されている。よって、前記荷台における前記筐体を配置可能なスペースは、運転室内における前記筐体を配置可能なスペースよりも大きい。更に、前記筐体は、前記荷台の平面視で金属製の前記ブームと少なくとも一部が重ならない。よって、前記無線通信装置は、受信状態において前記ブームの影響を受けにくい。これにより、前記無線通信装置を前記運転室内に配置する場合に比べて、前記無線通信装置の配置の自由度を高め、通信可能な位置に容易に配置することができる。
【0017】
他の観点によれば、本発明の高所作業車は、以下の構成を含むことが好ましい。前記筐体は、前記走行体の走行方向を前後方向として、前記ブームレストの左右一方の側面に配置される。
【0018】
前述の構成では、前記無線通信装置が収容された筐体は、前記荷台の平面視で前記ブームと重なる部分が少なくなる左右一方の側面に位置している。つまり、前記アームレストの左右一方の側面に位置する前記筐体内の前記無線通信装置は、電波の受信状態において前記ブームの影響を受けにくい。これにより、前記無線通信装置を運転室内に配置する場合に比べて、無線通信装置の配置の自由度を高め、通信可能な位置に容易に配置することができる。
【0019】
他の観点によれば、本発明の高所作業車は、以下の構成を含むことが好ましい。前記筐体は、前記走行体から上方に延びる筐体支持部材に配置される。
【0020】
前述の構成では、前記無線通信装置が収容された筐体は、前記荷台の平面視で、前記筐体支持部材によって前記ブームの移動が規制されたブーム規制領域内であって、前記ブームと少なくとも一部が重ならない任意の位置に配置することができる。よって、前記筐体は、旋回動作、起伏動作および伸縮動作中の前記ブームと接触しない。更に、前記無線通信装置は、受信状態において前記ブームの影響を受けにくい。これにより、前記無線通信装置を運転室内に配置する場合に比べて、無線通信装置の配置の自由度を高め、通信可能な位置に容易に配置することができる。
【0021】
他の観点によれば、本発明の高所作業車は、以下の構成を含むことが好ましい。前記筐体は、前記走行体において荷台の上面から上方に離れた位置に配置される。
【0022】
前述の構成では、前記無線通信装置が収容された筐体は、前記高所作業車の荷台において、作業員が歩く通路面を含む前記荷台の上面よりも高い位置に配置されているので、前記荷台の作業員に踏みつけられにくい。これにより、無線通信装置の配置の自由度を高め、通信可能な位置に容易に配置することができる。
【0023】
他の観点によれば、本発明の高所作業車は、以下の構成を含むことが好ましい。前記無線通信装置は、前記高所作業車の位置を測位する衛星測位システムを含む。
【0024】
前述の構成では、無線通信装置は、旋回動作、起伏動作および伸縮動作中の前記ブームと接触しない位置、且つ受信状態において前記ブームの影響を受けにくい位置に配置された筐体内に位置している。よって、前記無線通信装置に含まれる衛星測位システムは、適切に衛星からの電波を取得することができる。
【0025】
本明細書において、「含む、備える(including)」「含む、備える(comprising)」または「有する(having)」およびそれらの変形の使用は、記載された特徴、工程、操作、要素、成分、および/または、それらの等価物の存在を特定するが、ステップ、動作、要素、コンポーネント、および/または、それらのグループのうちの1つまたは複数を含むことができる。
【0026】
本明細書において、「取り付けられた」、「接続された」、「結合された」、および/または、それらの等価物は、広義の意味で使用され、“直接的および間接的な”取り付け、接続および結合の両方を包含する。さらに、「接続された」および「結合された」は、物理的または機械的な接続または結合に限定されず、直接的または間接的な電気的接続または結合を含むことができる。
【0027】
本明細書では、本発明に係る高所作業車の実施形態について説明する。
【発明の効果】
【0028】
本発明の一実施形態によれば、運転室および荷台を有する走行体と、前記荷台に旋回可能に配置される旋回台と、前記旋回台に起伏可能に配置される伸縮可能なブームと、前記ブームの先端に配置される作業床と、前記荷台に配置され、短縮且つ倒伏させた状態の前記ブームを支持するブームレストと、電波によって外部と通信する無線通信装置と、を有する高所作業車において、無線通信装置の配置の自由度を高め、通信可能な位置に容易に配置することができる高所作業車を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
図1図1は、本発明の実施形態1に係る高所作業車を左方から見た側面図である。
図2図2は、本発明の実施形態1に係る高所作業車を上方から見た平面図である。
図3図3は、本発明の実施形態2に係る高所作業車を上方から見た平面図である。
図4図4は、本発明の実施形態2に係る高所作業車を後方から見た部分断面背面図である。
図5図5は、本発明の実施形態3に係る高所作業車を後方から見た部分断面背面図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
以下で、各実施形態について、図面を参照しながら説明する。各図において、同一部分には同一の符号を付して、その同一部分の説明は繰り返さない。なお、各図中の構成部材の寸法は、実際の構成部材の寸法および各構成部材の寸法比率等を忠実に表したものではない。
【0031】
以下の説明において、前後左右の方向は、それぞれ、高所作業車1を運転する運転者から見た場合の前後左右の方向を意味する。つまり、前後左右の方向は、高所作業車1の前進方向を前方向として前後方向および左右方向を規定する。また、上下方向は、前後方向および左右方向に直交する方向とする。
【0032】
図1および図2を用いて、本発明の第1実施形態である高所作業車1について説明する。図1は、本発明の実施形態1に係る高所作業車1を左方から見た側面図である。図2は、高所作業車1を上方から見た平面図である。以下の実施形態において、作業車両として高所作業車1を用いて説明するが、移動式クレーン等のように、運転室と、旋回台と、ブームとを備える作業車両であればよい。
【0033】
図1図2に示すように、高所作業車1は、高所に作業者を配置するための作業車である。高所作業車1は、走行体である車両2、作業装置である高所作業装置7、無線通信装置14を有する。
【0034】
車両2は、高所作業装置7を搬送する走行体である。車両2は、車体フレーム3と、運転室4と、複数の車輪5と、複数のアウトリガ6とを有している。
【0035】
車体フレーム3は、車両2を構成する様々な装置等を支持する。車体フレーム3の前部には、キャビンで覆われた運転室4が位置している。運転室4の内部には、車両2を運転するための図示しない操作装置、運転席等が配置されている。運転室4は、外部から雨水、粉塵等が入り込まないように防水処理および防塵処理がされている。車体フレーム3における運転室4の後側には、荷台3aが構成されている。荷台3aは、高所作業装置7を搭載する部分である。荷台3aの上面は、高所作業を行う作業者が歩行可能な通路面3bを有している。荷台3aは、高所作業装置7を搭載する荷台としての機能と、前記作業者が作業を行う作業床としての機能を有する。このように、車両2は、運転室4および荷台3aを有している。
【0036】
車体フレーム3には、動力源である図示しないエンジンが搭載されている。前記エンジンは、運転室4の略下方に位置している。また、車体フレーム3の前側及び後側には、複数の車輪5がそれぞれ位置している。複数の車輪5(図2参照)は、車体フレーム3に回転可能に支持されている。車両2は、前記エンジンの駆動力を図示しない動力伝達機構を介して複数の車輪5に伝達して走行可能に構成されている。車体フレーム3の左右両側には、複数のアウトリガ6が位置している。アウトリガ6は、油圧アクチュエータによって車両2の左右方向両側に延伸可能に構成されている。また、アウトリガ6は、油圧アクチュエータによって地面に垂直な方向に延伸可能に構成されている。
【0037】
高所作業装置7は、前記作業者が搭乗するバケット11を高所まで持ち上げる装置である。高所作業装置7は、旋回台8、ブーム10、作業床であるバケット11、ブームレスト13を具備する。
【0038】
旋回台8は、高所作業装置7を旋回させる装置である。旋回台8は、車体フレーム3の荷台3aに位置している。旋回台8は、円環状の軸受の中心を回転中心として回転可能に構成されている。また、旋回台8は、アクチュエータである旋回用油圧モータ9が設けられている。旋回台8は、旋回用油圧モータ9によって、荷台3aに対して時計回り方向と反時計回り方向とに旋回可能に構成されている。
【0039】
ブーム10は、バケット11を支持する梁部材である。ブーム10は、複数のブーム部材から構成されている。ブーム10は、旋回台8に位置している。ブーム10は、旋回台8に対して起伏可能に構成されている。更に、ブーム10は、各ブーム部材を図示しない伸縮用油圧シリンダで移動させることで旋回台8に対して伸縮可能に構成されている。ブーム10は、車両2が走行する際、最も収縮した状態でブームレスト13に支持される格納姿勢になるように伸縮長さ、起伏角度及び旋回台8の旋回角度を調整される。
【0040】
作業床であるバケット11は、前記作業者の作業空間を確保する箱状部材である。バケット11は、内部に前記作業者が乗り込むように構成されている。バケット11は、支持機構11aを介してブーム10の先端に位置している。支持機構11aは、図示しないバケット用油圧モータで回転させることで、ブーム10に対してバケット11を水平方向に揺動(スイング)する。バケット11には、旋回台8の旋回操作、ブーム10の伸縮操作を行う旋回伸縮操作具、ブーム10の起伏操作を行う起伏操作具等が設けられている。
【0041】
起伏用油圧シリンダ12(図1参照)は、ブーム10を起立および倒伏させ、ブーム10の姿勢を任意の位置において保持する油圧アクチュエータである。起伏用油圧シリンダ12は、旋回台8に位置している。起伏用油圧シリンダ12のシリンダ側端部は、旋回台8に揺動可能に連結されている。また、起伏用油圧シリンダ12のロッドは、ブーム10に揺動可能に連結されている。起伏用油圧シリンダ12は、油圧によってロッドが伸縮することでブーム10を起伏させる。
【0042】
ブームレスト13(図1参照)は、高所作業車1の走行時にブーム10を支持する。ブームレスト13は、荷台3aから上方に延びる柱状の部材である。ブームレスト13は、車体フレーム3の荷台3aに位置している。ブームレスト13は、四角柱状の柱部13aと開口した略U字状の受け部13bとを有する。柱部13aは、軸線を上下方向に向けて荷台3aに固定される。受け部13bは、上方に開口する姿勢で柱部13aの上端に位置している。受け部13bは、ブーム10が載置される。ブームレスト13には、最も収縮された状態のブーム10のバケット11側が載置される。つまり、ブームレスト13は、格納状態のブーム10を支持する。本実施形態において、ブームレスト13の左方には、作業者がバケット11に乗り込む際に使用するステップ16が位置している。
【0043】
このように構成される高所作業車1は、車両2を走行させることで任意の位置に高所作業装置7を移動させることができる。また、高所作業車1は、車両2に対するブーム10の旋回角度、起伏角度、伸縮長さを調整することで、バケット11を可動範囲内における任意の位置に位置付けることができる。
【0044】
次に、高所作業車1におけるブーム規制領域S(薄墨部分)およびブーム規制領域Sに位置する無線通信装置14について説明する。
【0045】
ブーム規制領域Sは、ブーム10またはバケット11と、車両2またはブームレスト13とが接触する領域である。ブーム規制領域Sは、ブーム10の規制起伏角度範囲θαとブーム10を旋回させる旋回台8の規制旋回角度範囲θβとによって規定される空間領域として規制される。本実施形態において、高所作業車1は、ブーム規制領域Sにおいて、ブーム10と車両2に含まれる運転室4またはブームレスト13とが接触する。
【0046】
図1に示すように、ブーム10は、高所作業車1の側面視である左右方向に見て、ブーム10が水平である起伏角度を0度として、ブーム10が前方に向かって延びる姿勢において、起伏角度θ2の場合にブームレスト13または運転室4と接触する。よって、ブーム規制領域Sを規定するブーム10の規制起伏角度範囲θαは、高所作業車1の側面視において、ブーム10の倒伏限度である起伏角度θ1以上であって起伏角度0度以下の範囲、および起伏角度0度以上であってブーム10とブームレスト13とが接触する起伏角度θ2以下の範囲である。つまり、規制起伏角度範囲θαは、起伏角度θ1から起伏角度θ2の範囲である。なお、ブーム10は、構造上、起伏角度θ1未満の範囲に移動できない。よって、実質的なブーム規制領域Sは、起伏角度θ2のブーム10と車両2との間の領域である。
【0047】
図2に示すように、ブーム10は、高所作業車1の平面視である上下方向に見て、ブームレスト13に支持されている旋回角度を0度として、旋回角度θ3の場合にブーム10の左側面と運転室の右側面とが接触する。また、ブーム10は、高所作業車1の平面視で旋回角度θ4の場合にブーム10の右側面と運転室の左側面とが接触する。よって、ブーム規制領域Sを規定する旋回台8(ブーム10)の規制旋回角度範囲θβは、高所作業車1の平面視において、時計回りに旋回台8の旋回角度0度以上であって旋回角度θ3以下の範囲、および旋回角度θ4以上であって旋回角度360度(0度)以下の範囲である。つまり、規制旋回角度範囲θβは、旋回角度θ3から旋回角度θ4の範囲である。
【0048】
規制起伏角度範囲θα内に位置付けられたブーム10は、旋回台8による規制旋回角度範囲θβ内への旋回によってブーム規制領域S内に移動すると運転室4に接触する。また、旋回台8によって規制旋回角度範囲θβ内に位置付けられたブーム10は、規制起伏角度範囲θα内への起伏によってブーム規制領域S内に移動すると運転室4またはブームレスト13に接触する。
【0049】
よって、高所作業車1は、図示しない制御装置によって、ブーム10の起伏角度が規制起伏角度範囲θαに含まれる場合、規制旋回角度範囲θβへの旋回台8の旋回を規制する。また、高所作業車1は、図示しない制御装置によって、旋回台8の旋回角度が規制旋回角度範囲θβに含まれる場合、規制起伏角度範囲θα内へのブーム10の起伏を規制する。このため、高所作業車1は、作業者からブーム10または旋回台8の操作信号が入力されても、ブーム10をブーム規制領域S内に位置付けることができないように構成されている。
【0050】
以上より、ブーム規制領域Sは、規制起伏角度範囲θαと規制旋回角度範囲θβとで定まる空間である(図2の薄墨部分参照)。なお、ブーム10は、構造上、起伏角度θ1未満の範囲に移動できない。よって、実質的なブーム規制領域Sは、起伏角度θ2のブーム10と車両2との間の空間と規制旋回角度範囲θβとで定まる空間とが重なる領域である。
【0051】
次に、高所作業車1が有する無線通信装置14について説明する。
【0052】
図1および図2に示すように、無線通信装置14は、移動体通信システムサービス(テレマティクス)等の外部サーバー、携帯端末または衛星等との間で通信を行う装置である。無線通信装置14は、高所作業車1の位置を測位するGNSS受信機、移動体通信システムサービス用の各種無線通信機器及び情報記録装置等を含む。GNSS受信機は、全球測位衛星システム(Global Navigation Satellite System)を構成するアンテナ及び受信機である。GNSS受信機は、衛星から測距電波を受信し、受信機のグローバル座標系の絶対座標である緯度、経度、標高を算出する装置である。無線通信装置14は、図示しない高所作業車1の制御装置に接続されている。無線通信装置14は、衛星からの信号、移動体通信システムサービスからの各種情報を受信する。無線通信装置14は、受信した前記衛星からの信号に基づいて測位した位置情報及び前記移動体通信システムサービスからの各種情報を前記制御装置に対して送信する。また、無線通信装置14は、前記制御装置が有する各種情報を移動体通信システムサービス等の外部サーバー、携帯端末等に対して送信する。
【0053】
無線通信装置14は、電波を透過させる樹脂製の筐体15に収容されている。筐体15は、外部から雨水、粉塵等の入り込みを防止する防水および防塵構造の収容箱である。筐体15は、無線通信装置14を収容した状態において、車体フレーム3の荷台3aに位置している。つまり、無線通信装置14は、運転室4内に位置していない。
【0054】
筐体15は、荷台3aにおけるブーム規制領域S内に位置している。つまり、筐体15は、ブーム10が位置付けられない空間内に位置している。よって、筐体15は、作業者によるブーム10の操作信号に関わらず、ブーム10と接触しない。筐体15は、ブーム規制領域Sの境界から所定の距離をあけて位置する場合、ブーム10が最もブーム規制領域Sに近づいても、ブーム10からの所定の距離を維持することができる。
【0055】
無線通信装置14は、受信状態において金属製であるブーム10の影響を受ける。無線通信装置14の受信状態は、荷台3aの平面視で、ブーム10の軸線に近づくほどブーム10の影響を受ける。無線通信装置14は、荷台3aの平面視で、ブーム10の軸線と重なっている場合、ブーム10によって反射する電波量が増大し、ブーム10の影響を受けていない電波の割合が最も少なくなる。一方、無線通信装置14は、荷台3aの平面視で、ブーム10の軸線から離れた位置において重なっている場合、ブーム10によって反射する電波量が減少し、ブーム10の影響を受けていない電波の割合が増加する。
【0056】
無線通信装置14は、無線通信装置14のアンテナの受信可能領域内にブーム10の影響を受けていない電波が到達する位置に配置されている。これにより、ブーム規制領域S内に位置する筐体15に収容された無線通信装置14は、ブーム10と接触することなく、且つブーム10の影響を受けていない電波の受信割合を増やすことができる。
【0057】
このように構成される高所作業車1において、無線通信装置14が収容された防水仕様の筐体15は、車体フレーム3の荷台3aにおいて、ブーム規制領域S内に位置している。よって、筐体15は、旋回動作、起伏動作および伸縮動作中のブーム10と接触しない。また、筐体15は、運転室4のように、キャビン等の構造物によって囲まれていない荷台3aに配置されている。よって、荷台3aにおいて筐体15を配置可能なスペースは、運転室4内において筐体15を配置可能なスペースに比べて大きい。また、無線通信装置14は、周囲を構造物で囲まれていないので取り付け作業、メンテナンスが容易である。これにより、無線通信装置14を運転室4内に配置する場合に比べて、無線通信装置14の配置の自由度を高め、容易に配置することができる。
【0058】
更に、荷台3aの平面視でブーム10と少なくとも一部が重ならないように配置された筐体15内の無線通信装置14の受信状態は、無線通信装置14に近接している格納姿勢のブーム10の影響を受けにくい。よって、無線通信装置14は、ブーム10の姿勢が格納姿勢から変更されても電波を受信することができる。当然のことながら、無線通信装置14に含まれるGNSS受信機は、適切に衛星からの電波を取得することができる。これにより、無線通信装置14を運転室4内に配置する場合に比べて、無線通信装置14を通信可能な位置に容易に配置することができる。
【0059】
次に、図3および図4を用いて、本発明の第2実施形態である高所作業車1Aについて説明する。図3は、実施形態2に係る高所作業車1Aを上方から見た平面図である。図4は、高所作業車1Aを後方から見た部分断面背面図である。なお、以下の各実施形態に係る高所作業車は、図1および図2に示す高所作業車1の説明で用いた名称、図番、符号を用いることで、同じものを指す。また、以下の実施形態において、既に説明した実施形態と同様の点に関してはその具体的説明を省略し、相違する部分を中心に説明する。
【0060】
図3および図4に示すように、無線通信装置14を収容している筐体15は、ブームレスト13の柱部13aに配置されている。筐体15は、柱部13aの左右一方の側面に位置することが望ましい。本実施形態において、筐体15は、柱部13aの左方に位置するステップ16との干渉を避けるために、柱部13aの右側面に配置される。更に、筐体15は、柱部13aの基端部よりも上方向に離れた位置に配置されている。筐体15は、連結ブラケット17を介して柱部13aの右側面に固定されている。この際、筐体15は、無線通信装置14のアンテナの指向性を考慮した姿勢で配置される。
【0061】
ブーム規制領域S内(薄墨部分参照)のブームレスト13に配置される筐体15は、ブーム規制領域S内に位置している。つまり、筐体15は、ブーム10が位置付けられない空間内に位置している。よって、筐体15は、作業者によるブーム10の操作信号に関わらず、ブーム10と接触することがない。
【0062】
また、筐体15は、荷台3aの平面視で、左端部が格納姿勢のブーム10と重なっている(図3参照)。つまり、筐体15の少なくとも一部は、ブーム規制領域S内において、荷台3aの平面視で、ブームレスト13に支持された格納姿勢のブーム10と重ならないように位置している。好ましくは、筐体15は、荷台3aの平面視で、収容している無線通信装置14の少なくとも一部がブームレスト13に支持された格納姿勢のブーム10と重ならないように位置している。
【0063】
無線通信装置14は、ブーム規制領域Sの境界から所定の距離をあけて、且つ荷台3aの平面視で、ブーム10の軸線から一定の間隔を保った位置に配置されている。この際、無線通信装置14は、電波の受信領域がブームレスト13に支持されたブーム10よって反射する電波が通過する領域よりも広くなるように構成されている。また、無線通信装置14は、無線通信装置14のアンテナの受信可能領域内にブーム10の影響を受けていない電波が到達する位置に配置されている。これにより、ブーム規制領域S内に位置する筐体15に収容された無線通信装置14は、ブーム10と接触することなく、且つブーム10の影響を受けていない電波の受信割合を増やすことができる。
【0064】
加えて、筐体15は、荷台3aの通路面3bを含む上面よりも上方に離れた位置でブームレスト13に支持されている(図4参照)。つまり、筐体15は、作業者が歩行するために足で踏みつける範囲外に配置されているので、例えば、通路面3bを歩行する前記作業者による踏みつけを防止することができる。
【0065】
このように、無線通信装置14が収容された筐体15は、荷台3aの平面視で、ブーム10の移動が規制されたブーム規制領域S内のブームレスト13に配置されている。よって、筐体15は、旋回動作、起伏動作および伸縮動作中のブーム10と接触しない。また、筐体15は、運転室4のように、構造物によって囲まれていない荷台3aのブームレスト13に配置されている。よって、荷台3aにおける筐体15を配置可能なスペースは、運転室4内における筐体15を配置可能なスペースよりも大きい。更に、筐体15内の無線通信装置14は、荷台3aの平面視でブーム10と重なる部分が少ない位置に配置されている。つまり、ブームレスト13の左右一方の側面に位置する筐体15内の無線通信装置14は、電波の受信状態においてブーム10の影響を受けにくい。これにより、無線通信装置14を運転室4内に配置する場合に比べて、無線通信装置14の配置の自由度を高め、通信可能な位置に容易に配置することができる。
【0066】
次に、図5を用いて、本発明の第3実施形態である高所作業車1Bについて説明する。図5は、実施形態3に係る高所作業車1Bを後方から見た部分断面背面図である。
【0067】
図5に示すように、高所作業車1Bは、筐体支持部材18を有する。
【0068】
筐体支持部材18は、筐体15を支持する。筐体支持部材18は、荷台3aから上方に延びる柱状の部材である。筐体支持部材18は、車両2の荷台3aに位置している。筐体支持部材18は、軸線を上下方向に向けて荷台3aの上面に固定される。筐体支持部材18は、無線通信装置14を収容した筐体15が配置される。本実施形態において、筐体15は、筐体支持部材18の上端部に固定されている。
【0069】
筐体支持部材18は、荷台3aのブーム規制領域S内に位置している。つまり、筐体支持部材18の先端部に位置する筐体15は、ブーム規制領域S内に位置している。よって、筐体15は、作業者によるブーム10の操作信号に関わらず、ブーム10と接触することがない。
【0070】
また、筐体15は、荷台3aの平面視で、格納姿勢のブーム10と重ならない位置に配置されている。つまり、筐体15に収容されている無線通信装置14は、荷台3aの平面視で、ブーム10と重ならない位置で筐体支持部材18に支持されている。また、筐体15は、荷台3aの通路面3bを含む上面から上方に離れた位置でブームレスト13に支持されているので、荷台3aの上面を歩行する作業者による踏みつけを防止することができる。
【0071】
このように、無線通信装置14が収容された筐体15は、荷台3aの平面視で、筐体支持部材18によって、ブーム10の移動が規制されたブーム規制領域S内(薄墨部分参照)であってブーム10と少なくとも一部が重ならない任意の位置に配置することができる。よって、筐体15は、旋回動作、起伏動作および伸縮動作中のブーム10と接触しない。更に、無線通信装置14は、受信状態においてブーム10の影響を受けにくい。これにより、無線通信装置14を運転室4内に配置する場合に比べて、無線通信装置14の配置の自由度を高め、通信可能な位置に容易に配置することができる。
【0072】
(その他の実施形態)
以上、本発明の実施の形態を説明したが、上述した実施の形態は本発明を実施するための例示に過ぎない。よって、上述した実施の形態に限定されることなく、その趣旨を逸脱しない範囲内で上述した実施の形態を適宜変形して実施することが可能である。
【0073】
前記各実施形態では、無線通信装置14は、GNSS受信機を含んでいる。しかしながら、無線通信装置は、GNSS受信機とジャイロセンサまたは方位センサの組み合わせでもよい。また、前記無線通信装置は、複数のビーコン(Beacon)でもよい。
【0074】
前記各実施形態では、ブーム規制領域Sは、ブーム10またはバケット11と、車両2またはブームレスト13とが接触する領域である。しかしながら、ブーム規制領域は、任意に設定した起伏角度及び旋回角度によって設定された領域でもよい。
【0075】
前記各実施形態では、無線通信装置14を収容した筐体15は、車体フレーム3の荷台3aに位置している。しかしながら、無線通信装置を収容した筐体は、運転室の外部であって、ブームと接触しない位置であればよい。前記無線通信装置を収容した筐体は、例えば、運転室のキャビンの屋根部分におけるブーム規制領域であってもよい。
【0076】
前記各実施形態では、無線通信装置14を収容した筐体15は、連結ブラケット17を介してブームレスト13に連結されている。しかしながら、筐体は、連結ブラケットを介さずにブームレストに直接連結されてもよい。
【0077】
前記各実施形態では、無線通信装置14を収容した筐体15は、荷台3aの平面視で、一部がブーム10と重ならないように位置している。しかしながら、筐体は、電波を受信できる位置であれば、荷台の平面視で、前記筐体全体がブームと重なっていてもよい。
【0078】
前記各実施形態では、無線通信装置14を収容した筐体15は、荷台3aの上面よりも上方に位置している。しかしながら、筐体は、作業者に踏みつけられる可能性が低い状態において荷台の上面に配置してもよい。前記筐体は、例えば、保護部材で覆われた状態で前記荷台の上面に配置してもよい。
【0079】
前記各実施形態では、無線通信装置14を収容した筐体15は、ブームレスト13の左方に位置するステップ16との干渉を避けるために、ブームレスト13の右側面に配置されている。しかしながら、筐体は、ブームレストにおいて、ステップが位置する方の側面であって前記ステップと干渉しない位置に配置してもよい。
【0080】
前記各実施形態では、無線通信装置14を収容した筐体15は、電波を透過させる樹脂によって構成されている。しかしながら、筐体は、電波を透過させる材料であればよい。また、前記筐体は、電波を受信できる構造であればよい。前記筐体は、例えば、外表面に無線通信装置のアンテナが配置された構成でもよい。
【0081】
前記各実施形態では、無線通信装置14は、筐体15に収容されている。しかしながら、無線通信装置は、筐体に収容されていなくてもよい。防水、防塵機能を有している無線通信装置は、車両の荷台に直接配置されてもよい。
【0082】
前記各実施形態では、筐体15に収容されている無線通信装置14は、通信装置本体とアンテナとを含んでいる。しかしながら、無線通信装置は、通信装置本体とアンテナとを異なる筐体に収容してもよい。つまり、前記無線通信装置は、通信装置本体とアンテナとを異なる位置に配置してもよい。
【0083】
上述の実施形態は、代表的な形態を示したに過ぎず、一実施形態の骨子を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。さらに種々なる形態で実施し得ることは勿論のことであり、本発明の範囲は、特許請求の範囲の記載によって示され、さらに特許請求の範囲に記載の均等の意味、および範囲内のすべての変更を含む。
【符号の説明】
【0084】
1 高所作業車
2 車両
3 車体フレーム
3a 荷台
3b 通路面
4 運転室
5 車輪
6 アウトリガ
7 高所作業装置
8 旋回台
9 旋回用油圧モータ
10 ブーム
11 バケット
12 起伏用油圧シリンダ
13 ブームレスト
13a 柱部
13b 受け部
14 無線通信装置
15 筐体
16 ステップ
17 連結ブラケット
18 筐体支持部材
S ブーム規制領域
θα 規制起伏角度範囲
θβ 規制旋回角度範囲
θ1、θ2 起伏角度
θ3、θ4 旋回角度
図1
図2
図3
図4
図5