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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024140813
(43)【公開日】2024-10-10
(54)【発明の名称】室内空間
(51)【国際特許分類】
   F21S 2/00 20160101AFI20241003BHJP
   F21S 8/02 20060101ALI20241003BHJP
   F21V 33/00 20060101ALI20241003BHJP
   A47K 1/02 20060101ALI20241003BHJP
   A47B 67/02 20060101ALI20241003BHJP
【FI】
F21S2/00 625
F21S8/02 410
F21V33/00 130
A47K1/02 C
A47K1/02 B
A47B67/02 503A
A47B67/02 502A
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023052156
(22)【出願日】2023-03-28
(71)【出願人】
【識別番号】000198787
【氏名又は名称】積水ハウス株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】000000941
【氏名又は名称】株式会社カネカ
(74)【代理人】
【識別番号】100100480
【弁理士】
【氏名又は名称】藤田 隆
(74)【代理人】
【識別番号】100201455
【弁理士】
【氏名又は名称】横尾 宏治
(72)【発明者】
【氏名】宇於崎 涼介
(72)【発明者】
【氏名】川口 範幸
(72)【発明者】
【氏名】中島 康生
(72)【発明者】
【氏名】山口 洋一
(72)【発明者】
【氏名】松田 国治
(72)【発明者】
【氏名】西川 明
【テーマコード(参考)】
3K014
【Fターム(参考)】
3K014QA01
(57)【要約】
【課題】本発明は、使用者の使用想定位置において、従来に比べて使用者が明るさを不快に感じにくい室内空間を提供する。
【解決手段】使用者が使用想定位置で使用構造物を使用する室内空間であって、使用構造物とは別に第1照明部を有し、使用構造物は、鏡面部と、第2照明部を有しており、使用想定位置は、鏡面部と使用者が対向する位置であり、第2照明部は、使用想定位置に向かって光を照射可能であって、かつ単独で点灯したときの使用想定位置における照度が所定の値を取る基準照明光を照射可能であり、第1照明部は、単独で点灯したときに使用想定位置における照度が基準照明光の照度よりも低い構成とする。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
使用者が使用想定位置で使用構造物を使用する室内空間であって、
前記使用構造物とは別に第1照明部を有し、
前記使用構造物は、鏡面部と、第2照明部を有しており、
前記使用想定位置は、前記鏡面部と使用者が対向する位置であり、
前記第2照明部は、前記使用想定位置に向かって光を照射可能であって、かつ単独で点灯したときの前記使用想定位置における照度が所定の値を取る基準照明光を照射可能であり、
前記第1照明部は、単独で点灯したときに前記使用想定位置における照度が前記基準照明光の照度よりも低い、室内空間。
【請求項2】
前記第1照明部は、前記使用想定位置の高さにおける最大照度の10%以上の照度となる光の範囲が前記使用想定位置に大部分が重ならないように照射可能である、請求項1に記載の室内空間。
【請求項3】
前記使用構造物は、少なくとも2つの第2照明部を有し、
前記2つの第2照明部は、面状に発光するものであって、かつ、前記使用構造物を正面視したときに、前記使用想定位置を間に挟む、請求項1又は2に記載の室内空間。
【請求項4】
前記使用想定位置は、前記鏡面部から300mm離れた位置である、請求項1又は2に記載の室内空間。
【請求項5】
前記第1照明部は、ダウンライトであって、かつ平面視したときに前記使用想定位置と重ならない、請求項1又は2に記載の室内空間。
【請求項6】
前記第1照明部は、ダウンライトであって、かつ、平面視したときに前記使用想定位置よりも前記使用構造物とは反対側に設けられている、請求項1又は2に記載の室内空間。
【請求項7】
少なくとも2つの第1照明部を有し、
平面視したときに、前記2つの第1照明部のうち一方の第1照明部は前記使用構造物と重なる位置にあり、他方の第1照明部は前記使用想定位置から離れた位置にあり、
前記一方の第1照明部は、前記他方の第1照明部よりも照度が低い、請求項1又は2に記載の室内空間。
【請求項8】
少なくとも2つの第1照明部を有し、
平面視したときに、前記2つの第1照明部のうち一方の第1照明部は前記使用構造物と重なる位置にあり、他方の第1照明部は前記使用想定位置から離れた位置にあり、
前記2つの第1照明部は、個別に消灯及び点灯が可能である、請求項1又は2に記載の室内空間。
【請求項9】
前記第1照明部は、点灯時に拡散配光を照射可能である、請求項1又は2に記載の室内空間。
【請求項10】
前記使用構造物は、洗面化粧台である、請求項1又は2に記載の室内空間。
【請求項11】
使用者が使用想定位置で使用構造物を使用する室内空間であって、
前記使用構造物とは別に第1照明部を有し、
前記使用構造物は、鏡面部と、第2照明部を有しており、
前記使用想定位置は、前記鏡面部と使用者が対向する位置であり、
前記第2照明部は、前記使用想定位置に向かって光を照射可能であって、かつ単独で点灯したときの前記使用想定位置における照度が所定の値を取る基準照明光を照射可能であり、
前記第1照明部及び前記第2照明部を点灯したときに、前記使用想定位置における照度は、前記基準照明光の照度に対して、差が10%以下である、室内空間。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、室内空間に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、鏡面を有する鏡体と、LED製の棒状照明具を備えた洗面化粧台が知られている(例えば、特許文献1)。
例えば、特許文献1の洗面化粧台は、ユーザーに向かって棒状照明具から光を照射することが可能であるため、鏡面に顔を明るく映すことができ、洗顔や化粧などを行いやすい。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2013-255689号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、夜間等に洗面所で洗面化粧台を使用する場合には、棒状照明具のみでは部分的にしか明るくならないため、ダウンライト等の室内灯を点灯させた状態で、洗面化粧台の棒状照明具を点灯させて使用することが多い。このような場合、棒状照明具から照射される光と室内灯から照射される光が相まって使用者の目に入り、使用者によっては明るすぎて不快に感じる場合があった。
【0005】
そこで、本発明は、使用者の使用想定位置において、従来に比べて使用者が明るさを不快に感じにくい室内空間を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記した課題を解決するための本発明の一つの様相は、使用者が使用想定位置で使用構造物を使用する室内空間であって、前記使用構造物とは別に第1照明部を有し、前記使用構造物は、鏡面部と、第2照明部を有しており、前記使用想定位置は、前記鏡面部と使用者が対向する位置であり、前記第2照明部は、前記使用想定位置に向かって光を照射可能であって、かつ単独で点灯したときの前記使用想定位置における照度が所定の値を取る基準照明光を照射可能であり、前記第1照明部は、単独で点灯したときに前記使用想定位置における照度が前記基準照明光の照度よりも低い、室内空間である。
【0007】
本様相によれば、第1照明部の使用想定位置における照度が第2照明部の使用想定位置における照度に比べて低いので、第1照明部と第2照明部を点灯しても第1照明部による明るさへの影響を少なくでき、使用者の使用想定位置において、従来に比べて使用者が明るさを不快に感じにくい。
【0008】
好ましい様相は、前記第1照明部は、前記使用想定位置の高さにおける最大照度の10%以上の照度となる光の範囲が前記使用想定位置に大部分が重ならないように照射可能である、室内空間である。
【0009】
本様相によれば、第1照明部が最大照度の10%以上の照度となる光の範囲の大部分が使用者の使用想定位置に重ならないように光を照射可能であるため、第1照明部と第2照明部をともに点灯しても第1照明部による明るさへの影響が少なくでき、使用者の使用想定位置において、主に第2照明部のみで照らされるため、従来に比べて使用者が明るすぎて不快に感じることを抑制できる。
【0010】
好ましい様相は、前記使用構造物は、少なくとも2つの第2照明部を有し、前記2つの第2照明部は、面状に発光するものであって、かつ、前記使用構造物を正面視したときに、前記使用想定位置を間に挟む。
【0011】
本様相によれば、第2照明部によって均等に使用者の使用想定位置全体を照らすことができ、鏡面部に映し出される鏡像に影ができにくい。
【0012】
好ましい様相は、前記使用想定位置は、前記鏡面部から300mm離れた位置である。
【0013】
本様相によれば、使用者が長く留まる位置を使用想定位置としているので、使用者が明るさをより不快に感じにくい。
【0014】
好ましい様相は、前記第1照明部は、ダウンライトであって、かつ平面視したときに前記使用想定位置と重ならない。
【0015】
好ましい様相は、前記第1照明部は、ダウンライトであって、かつ、平面視したときに前記使用想定位置よりも前記使用構造物とは反対側に設けられている。
【0016】
これらの様相によれば、使用者が使用構造物を使用する際に使用者にとって明るさをより不快に感じにくく、使用者が使用構造物を夜間等に使用中であっても第1照明部を点灯することで他の使用者が室内での移動を安全に行うことができる。
【0017】
好ましい様相は、少なくとも2つの第1照明部を有し、平面視したときに、前記2つの第1照明部のうち一方の第1照明部は前記使用構造物と重なる位置にあり、他方の第1照明部は前記使用想定位置から離れた位置にあり、前記一方の第1照明部は、前記他方の第1照明部よりも照度が低い。
【0018】
本様相によれば、使用構造物と重なる位置の第1照明部の照度が使用想定位置から離れた位置の第1照明部の照度よりも照度が低いので、使用構造物と重なる位置の第1照明部を点灯することによる使用想定位置での照度の影響を小さくできる。
【0019】
好ましい様相は、少なくとも2つの第1照明部を有し、平面視したときに、前記2つの第1照明部のうち一方の第1照明部は前記使用構造物と重なる位置にあり、他方の第1照明部は前記使用想定位置から離れた位置にあり、前記2つの第1照明部は、個別に消灯及び点灯が可能である。
【0020】
本様相によれば、使用想定位置と重なる位置の第1照明部を消灯し、使用想定位置から離れた位置の第1照明部を点灯することで、使用想定位置と重なる位置の第1照明部の使用想定位置への照度の影響をなくすことができる。
【0021】
好ましい様相は、前記第1照明部は、点灯時に拡散配光を照射可能である。
【0022】
本様相によれば、全体を均等な光で照らすことができる。
【0023】
好ましい様相は、前記使用構造物は、洗面化粧台である。
【0024】
本発明の一つの様相は、使用者が使用想定位置で使用構造物を使用する室内空間であって、前記使用構造物とは別に第1照明部を有し、前記使用構造物は、鏡面部と、第2照明部を有しており、前記使用想定位置は、前記鏡面部と使用者が対向する位置であり、前記第2照明部は、前記使用想定位置に向かって光を照射可能であって、かつ単独で点灯したときの前記使用想定位置における照度が所定の値を取る基準照明光を照射可能であり、前記第1照明部及び前記第2照明部を点灯したときに、前記使用想定位置における照度は、前記基準照明光の照度に対して、差が10%以下である、室内空間である。
【0025】
本様相によれば、第1照明部による使用想定位置における照度の影響が10%以下であるので、第1照明部と第2照明部を点灯しても明るすぎず、使用者の使用想定位置において、従来に比べて使用者が明るさを不快に感じにくい。
【発明の効果】
【0026】
本発明によれば、使用者の使用想定位置において、従来に比べて使用者が明るさを不快に感じにくい。
【図面の簡単な説明】
【0027】
図1】本発明の第1実施形態の部屋の平面図である。
図2図1の部屋の室内空間の斜視図である。
図3図1の部屋の室内空間の縦断面図である。
図4図1の鏡面部の正面図である。
図5図3の部屋の室内空間の説明図である。
図6】本発明の第2実施形態の部屋の平面図である。
図7】本発明の第3実施形態の部屋の平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、本発明の実施形態について詳細に説明する。なお、前後左右上下の位置関係については、使用者120が洗面化粧台5と向かう方向を基準とする。
【0029】
本発明の第1実施形態の部屋1は、洗面所であり、図1図3のように、天井部101と、床部102と、壁部103a~103dで囲まれ、ダウンライト部3a,3b(第1照明部)と洗面化粧台5が配された室内空間2を有している。
部屋1は、図2のように使用者120が主に洗面化粧台5で洗面動作を行う際の使用者120の目の位置を使用想定位置6として設定し、その使用想定位置6に対する光の当たり方に特徴の一つを有している。
【0030】
(ダウンライト部3a,3b)
ダウンライト部3a,3bは、図1図3から読み取れるように、天井部101に設けられ、鉛直方向下方に向かって拡散配光を照射することが可能となっている。
ダウンライト部3a,3bに使用される光源は、特に限定されるものでなく、LEDや有機ELパネルが使用できる。
ダウンライト部3a,3bは、個別に消灯及び点灯可能であって、それぞれ照度を調整可能であり、一方のダウンライト部3aの照度を他方のダウンライト部3bの照度に対して相対的に変化させることが可能となっている。
【0031】
(洗面化粧台5)
洗面化粧台5は、図2のように、鏡面部20と、水栓金具部21と、洗面ボウル部22と、カウンター部23を有している。
鏡面部20は、図3のように、前方側壁部103aに対して固定される壁掛け鏡であり、図4のように、鏡面本体部30と、鏡面照明部31a~31f(第2照明部)を備えている。
鏡面本体部30は、使用想定位置6と対向し、使用想定位置6に使用者120が位置したときに主に顔を映し出す部位である。
鏡面照明部31a~31fは、点灯時に使用想定位置6に向かって面状光を照射可能な面状光源である。
本実施形態の鏡面照明部31a~31fは、対応する位置に有機ELパネルが設けられ、有機ELパネルを光源とする有機EL照明部であり、柔らかい拡散光を照射可能となっている。
鏡面照明部31a~31fは、消灯時に鏡面本体部30との境界が見えなくなり、鏡面本体部30とともに一つの鏡面を構成するものであることが好ましい。
鏡面照明部31a~31fは、点灯したときの使用想定位置6における照度が所定の値を取る基準照明光を照射可能となっている。
【0032】
鏡面照明部31a~31fは、図4のように、正面視したときに、上下方向Z(縦方向)に長辺をもち左右方向X(横方向)に短辺をもつ長方形状の発光領域である。
鏡面照明部31a~31c(以下、左側照明部31a~31cともいう)と、鏡面照明部31d~31f(以下、右側照明部31d~31fともいう)は、上下方向Zに二列に並んでおり、それぞれ平行となっている。
すなわち、左側照明部31a~31cは、上下方向Zに間隔を空けて直線上に並んでおり、右側照明部31d~31fは、上下方向Zに間隔を空けて直線上に並んでいる。
左側照明部31a~31cの高さは、対応する右側照明部31d~31fの高さとそれぞれ同じ高さとなっている。
【0033】
水栓金具部21は、図1図2のように、洗面ボウル部22と上下方向Zに間隔を空けて設けられており、洗面ボウル部22とともにカウンター部23に設けられている。
水栓金具部21と洗面ボウル部22は、図1のように、平面視したときに鏡面部20と前後方向Yに直線上に並んでいる。
【0034】
(使用想定位置6)
使用想定位置6は、使用者120が洗顔動作を行う際に、使用者120の顔面に対応する位置であり、具体的には、使用者120の目が位置する位置である。
本実施形態の使用想定位置6は、鏡面部20の鏡面本体部30から300mm離れた位置であって、正面視したときに鏡面本体部30と重なる位置であり、さらに平面視したときに一部がカウンター部23と重なる位置である。
【0035】
続いて、本発明の第1実施形態の部屋1の各部材の位置関係について説明する。
【0036】
部屋1は、図1のように、平面視したときに、洗面化粧台5が左右方向Xの中央位置からずれた位置にあって壁部103a,103dでなす角部付近に配されている。
部屋1は、使用想定位置6が前後方向Yに対向する壁部103a,103cの間の中央位置よりも前方側の前方側壁部103a側に位置し、左右方向Xに対向する壁部103b,103dの間の中央よりも左側の左方側壁部103d側に位置している。
【0037】
ダウンライト部3a,3bは、図1のように、平面視したときに、いずれも使用想定位置6から外れた位置にあって、かつ、使用想定位置6よりも壁部103b,103dの間の中央側に位置している。
すなわち、ダウンライト部3a,3bは、使用想定位置6を基準として洗面化粧台5とは反対側に位置しており、洗面化粧台5のカウンター部23の直上に配されておらず、使用者120の背後側(後方側)に配されている。
ダウンライト部3a,3bは、左右方向Xにおいて、壁部103b,103dの間の中央位置を挟んで直線状に並んでいる。
【0038】
ダウンライト部3a,3bの前方側壁部103aからの距離D1は、図1のように、ダウンライト部3aの左方側壁部103dからの距離D2の95%以上105%以下であることが好ましく、等しいことがより好ましい。
ダウンライト部3a,3bの前方側壁部103aからの距離D1は、ダウンライト部3bの右方側壁部103bからの距離D3の95%以上105%以下であることが好ましく、等しいことがより好ましい。
ダウンライト部3a,3bの前方側壁部103aからの距離D1は、ダウンライト部3a,3bの後方側壁部103cからの距離D4の95%以上105%以下であることが好ましく、等しいことがより好ましい。
ダウンライト部3aの左方側壁部103dからの距離D2は、ダウンライト部3bの右方側壁部103bからの距離D3の95%以上105%以下であることが好ましく、等しいことがより好ましい。
ダウンライト部3aの左方側壁部103dからの距離D2は、ダウンライト部3a,3bの後方側壁部103cからの距離D4の95%以上105%以下であることが好ましく、等しいことがより好ましい。
ダウンライト部3bの右方側壁部103bからの距離D3は、ダウンライト部3a,3bの後方側壁部103cからの距離D4の95%以上105%以下であることが好ましく、等しいことがより好ましい。
ダウンライト部3a,3b間の間隔D5は、ダウンライト部3a,3bの壁部103d,103bからの距離D2,D3以下であることが好ましく、ダウンライト部3a,3bの壁部103d,103bからの距離D2,D3未満であることがより好ましい。
【0039】
ダウンライト部3a,3bから照射される光は、図5のように、ともに点灯したときに、使用想定位置6の高さにおける最大照度の10%以上の照度となる照射光(以下、主照射光L1ともいう)と、使用想定位置6の高さにおける最大照度の10%未満の照度となる照射光(以下、副照射光L2ともいう)がある。
ダウンライト部3a,3bは、ともに点灯したときに主照射光L1の大部分が使用想定位置6と重ならない位置となっており、ともに点灯したときに主照射光L1の80%以上が使用想定位置6と重ならない位置となっていることが好ましく、ともに点灯したときに主照射光L1の95%以上が使用想定位置6と重ならない位置となっていることがより好ましい。
一方、ダウンライト部3a,3bは、ともに点灯したときに副照射光L2の一部が鏡面部20にかかっており、鏡面部20で使用想定位置6側に向かって反射されている。
【0040】
使用想定位置6は、図1のように、平面視したときに、前後方向Yにおいて洗面化粧台5の鏡面部20とダウンライト部3a,3bの間に位置しており、左右方向Xにおいて左側のダウンライト部3aよりも左側(左方側壁部103d側)に位置している。
使用想定位置6は、図4のように、正面視したときに、洗面化粧台5の左側照明部31a~31cと右側照明部31d~31fの間に位置しており、左側照明部31a~31cとの距離が右側照明部31d~31fとの距離の95%以上105%以下であることが好ましく、等しいことがより好ましい。
使用想定位置6は、正面視したときに鏡面部20に重なる高さ、すなわち、鏡面部20の下端部以上の高さであって鏡面部20の上端部以下の高さである。
使用想定位置6は、床部102からの高さが90cm以上であることが好ましく、100cm以上であることがより好ましい。使用想定位置6は、床部102からの高さが180cm以下であることが好ましく、150cm以下であることがより好ましい。
ダウンライト部3a,3bを単独で点灯したときの使用想定位置6における照度は、鏡面照明部31a~31fを単独で点灯したときに鏡面照明部31a~31fから照射される基準照明光の使用想定位置6における照度の50%以下であることが好ましく、30%以下であることがより好ましく、15%以下であることがさらに好ましい。
ダウンライト部3a,3b及び鏡面照明部31a~31fを点灯したときの使用想定位置6における照度は、鏡面照明部31a~31fを単独で点灯したときに鏡面照明部31a~31fから照射される基準照明光の使用想定位置6における照度に対して、差が10%以下であることが好ましく、5%以下であることがより好ましい。
【0041】
第1実施形態の室内空間2によれば、ダウンライト部3a,3bは、単独で点灯したときに使用想定位置6における照度が鏡面照明部31a~31fの基準照明光の照度よりも低い。そのため、ダウンライト部3a,3bと鏡面照明部31a~31fを点灯してもダウンライト部3a,3bによる明るさへの影響を少なくでき、使用者の使用想定位置6において、従来に比べて使用者が明るさを不快に感じにくい。
【0042】
第1実施形態の室内空間2によれば、ダウンライト部3a,3bが照射する使用想定位置6の高さにおける最大照度の10%以上の照度となる光の範囲の大部分が使用者120の目の位置である使用想定位置6に重ならないように照射可能である。そのため、ダウンライト部3a,3bと鏡面照明部31a~31fを点灯してもダウンライト部3a,3bによる明るさへの影響が少なくでき、使用者120の使用想定位置6において、主に鏡面照明部31a~31fのみで照らされるため、従来に比べて使用者120が明るすぎて不快に感じることを抑制できる。
【0043】
第1実施形態の室内空間2によれば、正面視したときに、使用想定位置6を左側照明部31a~31cと右側照明部31d~31fで挟んだ位置関係となる。そのため、鏡面照明部31a~31fによって、均等に使用者の使用想定位置6全体を照らすことができ、鏡面部20に映し出される鏡像に影ができにくい。
【0044】
第1実施形態の室内空間2によれば、使用想定位置6が鏡面部20から300mm離れた位置であり、洗顔動作において使用者120の目が長く留まる位置を使用想定位置6としているので、使用者120が明るさをより不快に感じにくい。
【0045】
第1実施形態の室内空間2によれば、ダウンライト部3a,3bが平面視したときに使用想定位置6と重ならないので、使用者120が洗面化粧台5を使用する際に、使用者にとって明るさをより不快に感じにくく、使用者120が洗面化粧台5を夜間等に使用中であってもダウンライト部3a,3bを点灯することで、他の使用者が部屋1での移動を安全に行うことができる。
【0046】
第1実施形態の室内空間2によれば、ダウンライト部3a,3bが平面視したときに使用想定位置6より洗面化粧台5とは反対側に設けられているので、使用者120が洗面化粧台5を使用する際に、使用者にとって明るさをより不快に感じにくく、使用者120が洗面化粧台5を夜間等に使用中であってもダウンライト部3a,3bを点灯することで、他の使用者が部屋1での移動を安全に行うことができる。
【0047】
第1実施形態の室内空間2によれば、ダウンライト部3a,3bは点灯時に拡散配光を照射可能であるため、全体を均等な光で照らすことができる。
【0048】
第1実施形態の室内空間2によれば、ダウンライト部3a,3bによる使用想定位置6における照度の影響が10%以下であるので、ダウンライト部3a,3bと鏡面照明部31a~31fを点灯しても明るすぎず、使用者120の使用想定位置6において、従来に比べて使用者120が明るさを不快に感じにくい。
【0049】
続いて、本発明の第2実施形態の部屋201について説明する。なお、第1実施形態の部屋1と同様の構成及び方法については、同一の符号を付して説明を省略する。以下、同様にする。
【0050】
第2実施形態の部屋201は、洗面化粧台5の位置とダウンライト部の数及び位置が第1実施形態の部屋1と異なる。
部屋201は、図6のように、平面視したときに、洗面化粧台5が左右方向Xの中央位置からずれた位置にあって壁部103a,103bでなす角部付近に配されている。
部屋201は、使用想定位置6が前後方向Yに対向する壁部103a,103cの間の中央位置よりも前方側壁部103a側に位置し、左右方向Xに対向する壁部103b,103dの間の中央よりも右方側壁部103b側に位置している。
部屋201は、天井部101に一つのダウンライト部3が設けられている。
ダウンライト部3は、平面視したときに、左右方向X及び前後方向Yにおいて中央側に位置している。
ダウンライト部3は、右方側壁部103bからの距離D13が左方側壁部103dからの距離D12の95%以上105%以下であることが好ましく、等しいことがより好ましい。
ダウンライト部3は、前方側壁部103aからの距離D11が後方側壁部103cからの距離D14の95%以上105%以下であることが好ましく、等しいことがより好ましい。
【0051】
続いて、本発明の第3実施形態の部屋について説明する。
【0052】
本発明の第3実施形態の部屋301は、照度の異なる複数のダウンライト部3,303を使用している点で第1実施形態の部屋1とは異なる。
部屋301は、天井部101と、床部102と、壁部103a~103fで囲まれ、ダウンライト部3,303と、洗面化粧台5が配された室内空間302を有している。
部屋301は、図7のように、前方側壁部103aと右方側壁部103bが、前後方向Yに延びる第2右方側壁部103eと左右方向Xに延びる第2前方側壁部103fを介して段状に連続している。
洗面化粧台5は、左方側壁部103dと第2右方側壁部103eの間に収納されている。
【0053】
ダウンライト部303は、図7のように、前後方向Yにおいて使用想定位置6よりも前方側であって、鏡面部20と使用想定位置6の間に位置している。
ダウンライト部303は、大部分又は全部が平面視したときにカウンター部23と重なる位置にある。すなわち、ダウンライト部303は、カウンター部23の真上に位置している。
ダウンライト部303(一方の第1照明部)は、照度調整が可能となっており、ダウンライト部3(他方の第1照明部)よりも低い照度の光を照射可能となっている。
また、ダウンライト部303は、スイッチ部(図示しない)によってダウンライト部3とは個別にオンオフ制御が可能である。
【0054】
第3実施形態の部屋301によれば、ダウンライト部303が照度を調整できるので、カウンター部23の真上のダウンライト部303を使用想定位置6よりも後ろ側のダウンライト部3に対して照度を小さくする。すなわち、洗面化粧台5と重なる位置のダウンライト部303の照度を使用想定位置6から離れた位置のダウンライト部3の照度よりも低くする。こうすることで、ダウンライト部303の使用想定位置6への照度の影響を小さくでき、使用想定位置6で使用者120が洗顔動作を行っても、不快にならない明るさの光空間を形成できる。
【0055】
第3実施形態の部屋301によれば、ダウンライト部303がダウンライト部3とは別のスイッチ部によって個別にオンオフできるので、洗面化粧台5を使用する際に、鏡面照明部31a~31fを点灯するとともに、使用想定位置6と重なる位置のダウンライト部303を消灯し、使用想定位置6から離れた位置のダウンライト部3を点灯させる。こうすることで、使用想定位置6と重なる位置のダウンライト部303の使用想定位置6への照度の影響をなくすことができ、使用想定位置6で使用者120が洗顔動作を行っても、不快にならない明るさの光空間を形成できる。
【0056】
上記した実施形態では、使用構造物が洗面化粧台5である場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、使用者120が使用対象とするものであれば、使用構造物は特に限定されない。例えば、使用構造物は、鏡付きクローゼットや浴室鏡などであってもよい。
【0057】
上記した実施形態では、洗面化粧台5の鏡面部20は、鏡面が一面のみある一面鏡であったが、本発明はこれに限定されるものではない。二面鏡や三面鏡などの鏡面が複数ある多面鏡であってもよい。
【0058】
上記した実施形態では、水栓金具部21と洗面ボウル部22は、平面視したときに鏡面部20と前後方向に一列に並んでいたが、本発明はこれに限定されるものではない。水栓金具部21と洗面ボウル部22は、平面視したときに鏡面部20に対して左右方向Xにずれていてもよい。
【0059】
上記した実施形態では、鏡面部20は、カウンター部23と別体の壁掛け鏡であったが、本発明はこれに限定されるものではない。鏡面部20は、カウンター部23と一体となっていてもよい。
【0060】
上記した実施形態では、使用想定位置6を基準として、左側に3つの鏡面照明部31a~31c、右側に3つの鏡面照明部31d~31fを備えていたが、本発明はこれに限定されるものではなく、鏡面照明部31の個数は特に限定されない。使用想定位置6を左右方向Xから均等に照らす観点から、左側と右側で同数又は同照度の鏡面照明部31を備えていることが好ましい。
【0061】
上記した第3実施形態では、ダウンライト部303の照度を調整することでダウンライト部303の照度をダウンライト部3の照度よりも小さくできるようにしたが、本発明はこれに限定されるものではない。ダウンライト部303に照度の調整機能を持たせずに、ダウンライト部303の照度をダウンライト部3の照度よりも小さくしてもよい。すなわち、ダウンライト部303の照度は固定であってもよい。
【0062】
上記した実施形態では、使用想定位置6を鏡面部20から300mm離れた位置としたが、本発明はこれに限定されるものではなく、使用想定位置6は使用構造物たる洗面化粧台5の使用時における使用者120の目の位置に合わせて適宜設定できる。
【0063】
上記した実施形態は、本発明の技術的範囲に含まれる限り、各実施形態間で各構成部材を自由に置換や付加できる。
【符号の説明】
【0064】
1,201,301 部屋
2,302 室内空間
3,3a,3b ダウンライト部(第1照明部,他方の第1照明部)
5 洗面化粧台(使用構造物)
6 使用想定位置
20 鏡面部
31a~31f 鏡面照明部(第2照明部)
120 使用者
303 ダウンライト部(一方の第1照明部)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7