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特開2024-140853無線タグ書込装置及び無線タグ読取装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024140853
(43)【公開日】2024-10-10
(54)【発明の名称】無線タグ書込装置及び無線タグ読取装置
(51)【国際特許分類】
   G06Q 10/087 20230101AFI20241003BHJP
   G06K 7/10 20060101ALI20241003BHJP
【FI】
G06Q10/087
G06K7/10 244
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023052199
(22)【出願日】2023-03-28
(71)【出願人】
【識別番号】000003562
【氏名又は名称】東芝テック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】梁瀬 蓉平
(72)【発明者】
【氏名】加藤 祥一
(72)【発明者】
【氏名】田中 千裕
(72)【発明者】
【氏名】中島 泰浩
【テーマコード(参考)】
5L010
5L049
【Fターム(参考)】
5L010AA16
5L049AA16
(57)【要約】
【課題】物品管理に好適な無線タグを取り扱うことが可能な無線タグ書込装置及び無線タグ読取装置を提供する。
【解決手段】アルファベット及び数字の組み合わせで構成された、物品の管理に係る管理情報の入力を受け付ける受付手段と、前記管理情報を構成する文字列を所定の文字コード体系で変換し2進数文字列を出力する変換手段と、前記2進数文字列を含むタグデータを生成する生成手段と、前記タグデータを無線タグに書き込む書込手段と、を備える。
【選択図】図9
【特許請求の範囲】
【請求項1】
アルファベット及び数字の組み合わせで構成された、物品の管理に係る管理情報の入力を受け付ける受付手段と、
前記管理情報を構成する文字列を所定の文字コード体系で変換し2進数文字列を出力する変換手段と、
前記2進数文字列を含むタグデータを生成する生成手段と、
前記タグデータを無線タグに書き込む書込手段と、
を備える、無線タグ書込装置。
【請求項2】
同一の前記管理情報で管理される物品の保有数に基づいて、保有数分のシリアルコードを発行する発行手段を更に備え、
前記生成手段は、前記2進数文字列と前記シリアルコードとを組み合わせた前記保有数分のタグデータを生成する、
請求項1に記載の無線タグ書込装置。
【請求項3】
前記変換手段は、前記管理情報を構成する文字列をアスキーコードに変換し前記2進数文字列を出力する、
請求項1に記載の無線タグ書込装置。
【請求項4】
物品に付される無線タグであって、アルファベット及び数字の組み合わせで構成される前記物品の管理に係る管理情報の文字列を、所定の文字コード体系で変換した2進数文字列をタグデータして記憶する前記無線タグから、前記タグデータを読み取る読取手段と、
前記管理情報と当該管理情報で管理される物品の個数とを関連付けたデータファイルと、前記読取手段が読み取った前記タグデータに含まれる前記2進数文字列とに基づいて、当該2進数文字列に対応する管理情報で管理される物品の存否を判定する判定手段と、
を備える、無線タグ読取装置。
【請求項5】
特定のタグデータを保持する無線タグの読み取りに係る電波の受信状況に基づいて、当該タグデータを保持する無線タグが存在する位置を探索し、探索した位置を表示部に表示させる探索手段を更に備える、
請求項4に記載の無線タグ読取装置。
【請求項6】
同一の管理情報で管理される物品の前記無線タグは、当該物品の保有数に基づき発行された、保有数分のシリアルコードの何れか一つをタグデータに含み、
前記判定手段は、前記タグデータに含まれる前記シリアルコードに基づいて、同一の管理情報で管理される物品の保有数を判定する、
請求項4に記載の無線タグ読取装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、無線タグ書込装置及び無線タグ読取装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、管理の対象となる物品に無線タグを付加し、当該無線タグが記憶するデータを読み取ることで在庫管理等が行われている。かかる無線タグの読み取りには、例えばRFID(Radio Frequency IDentification)等の近距離無線通信を用いたリーダライタ装置が用いられる。
【0003】
ところで、実際の現場では、ユーザが発番した管理番号を割り当てることで物品の管理が行われる場合がある。この場合、管理番号と無線タグが記憶する情報とを関連付けたデータファイルを別途用意することで、読み取った無線タグの物品に対応する管理番号を特定することができる。
【0004】
しかしながら、従来の管理方法では、管理番号を用いて物品の管理を行う場合、上述したデータファイルを作成する必要があり、手間がかかるという問題がある。また、一般的に用いられる無線タグのコードの体系では、書き込み可能な文字が限られているため、表現可能な文字列が制限され、当該文字列を管理番号として使用することは利便性の観点から不都合がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明が解決しようとする課題は、物品管理に好適な無線タグを取り扱うことが可能な無線タグ書込装置及び無線タグ読取装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
実施形態の無線タグ書込装置は、受付手段と、変換手段と、生成手段と、書込手段とを備える。受付手段は、アルファベット及び数字の組み合わせで構成された、物品の管理に係る管理情報の入力を受け付ける。変換手段は、前記管理情報を構成する文字列を所定の文字コード体系で変換し2進数文字列を出力する。生成手段は、前記2進数文字列を含むタグデータを生成する。書込手段は、前記タグデータを無線タグに書き込む。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1図1は、実施形態に係る物品管理システムの構成の一例を示す図である。
図2図2は、実施形態に係る無線タグリーダライタ装置の外観の一例を示す図である。
図3図3は、実施形態に係る無線タグリーダライタ装置のハードウェア構成の一例を示す図である。
図4図4は、実施形態に係る情報処理装置のハードウェア構成の一例を示す図である。
図5図5は、実施形態に係る物品管理テーブルのデータ構成の一例を示す図である。
図6図6は、実施形態に係る物品管理マスタのデータ構成の一例を示す図である。
図7図7は、実施形態に係る携帯端末のハードウェア構成の一例を示す図である。
図8図8は、実施形態に係る無線タグリーダライタ装置及び情報処理装置の機能構成の一例を示す図である。
図9図9は、実施形態の書込処理部が生成するタグデータのデータ構成の一例を示す図である。
図10図10は、実施形態に係る情報処理装置の表示部に表示されるGUIの一例を示す図である
図11図11は、実施形態に係る無線タグリーダライタ装置及び携帯端末の機能構成の一例を示す図である。
図12図12は、実施形態に係る携帯端末の表示部に表示されるGUIの一例を示す図である。
図13図13は、実施形態に係る携帯端末の表示部に表示されるGUIの一例を示す図である。
図14図14は、実施形態に係る携帯端末の表示部に表示されるGUIの一例を示す図である。
図15図15は、実施形態に係る携帯端末の表示部に表示されるGUIの一例を示す図である。
図16図16は、実施形態に係る携帯端末の表示部に表示されるGUIの一例を示す図である。
図17図17は、実施形態の情報処理装置が実行する無線タグ発行処理の一例を示すフローチャートである。
図18図18は、実施形態の携帯端末が実行する棚卸処理の一例を示すフローチャートである。
図19図19は、実施形態の携帯端末が実行する探索処理の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、図面を参照して、実施形態に係る無線タグの無線タグ書込装置及び無線タグ読取装置について説明する。本実施形態では、倉庫や工場等の現場で使用される物品の管理を行う物品管理システムに適用した例を説明する。なお、以下に説明する実施形態により、この発明が限定されるものではない。
【0009】
図1は、本実施形態に係る物品管理システムの構成の一例を示す図である。図1に示すように、物品管理システム1は、無線タグリーダライタ装置10と、情報処理装置20と、携帯端末30とを有する。
【0010】
無線タグリーダライタ装置10は、無線タグTGに対しデータ(以下、タグデータともいう)の書き込みと、タグデータの読み取りとを非接触で行うことが可能なリーダライタ装置である。また、無線タグTGは、RFID(Radio Frequency Identification)タグ等のパッシブ型の無線タグである。
【0011】
本実施形態では、無線タグTGは物品Gの各々に付されており、図示しない記憶媒体にタグデータを記憶する。タグデータには、後述する情報処理装置20によって書き込まれた後述する管理番号コード及びシリアルコードが含まれる。
【0012】
本実施形態では、無線タグリーダライタ装置10は、無線タグTGへの書き込みの際に情報処理装置20に接続されることで、無線タグリーダライタ装置10とともに無線タグ書込装置として機能する。また、無線タグリーダライタ装置10は、無線タグTGの読み取りの際に携帯端末30に接続されることで、無線タグリーダライタ装置10とともに無線タグ読取装置として機能する。なお、無線タグリーダライタ装置10は、無線タグTGからタグデータを読み取ると、読み取ったタグデータを携帯端末30に出力する。
【0013】
図2は、無線タグリーダライタ装置10の外観の一例を示す図である。図2(a)は正面側(物品Gに向ける側)から見た状態、図2(b)は背面側(操作者に面する側)から見た状態を示す。本実施形態の無線タグリーダライタ装置10は、図2に例示するようなハンディタイプの無線タグリーダライタ装置であり、操作者が携帯することが可能となっている。携帯に際し、操作者は、無線タグリーダライタ装置10の背面に設けられたハンドル17を持ち手として用いることができる。ハンドル17には、当該ハンドル17を把持した状態で操作することが可能なトリガボタン171が設けられている。また、無線タグリーダライタ装置10には、携帯端末30を着脱自在に取り付けるための取付部18が設けられている。
【0014】
無線タグリーダライタ装置10は、図1に示すように、例えば物品Gを収容した棚等に向けられ、棚に置かれた物品の確認等に用いられる。なお、無線タグリーダライタ装置10のハンドル17は、着脱可能な構成としてもよい。かかる構成では、ハンドル17を外し、後述するアンテナ151の放射面を上方に向けた状態で無線タグリーダライタ装置10を載置することで、据え置き型として使用することも可能である。
【0015】
なお、本実施形態では、無線タグリーダライタ装置10は、情報処理装置20とともに無線タグ書込装置の一例として機能する。また、無線タグリーダライタ装置10は、携帯端末30とともに無線タグ読取装置の一例として機能する。
【0016】
情報処理装置20は、無線タグ書込装置の一例である。情報処理装置20は、PC(Personal Computer)等の情報処理装置である。情報処理装置20は、無線接続又は有線接続により無線タグリーダライタ装置10や携帯端末30と接続することが可能である。
【0017】
本実施形態では、情報処理装置20は、各物品Gを管理するための管理番号が登録された物品管理テーブル(図5参照)、管理番号とタグデータとの関係を規定する物品管理マスタ(図6参照)を保持する。また、情報処理装置20は、物品管理テーブルや物品管理マスタを携帯端末30に送信することで、物品Gの管理の用に供させる。なお、物品管理テーブル及び物品管理マスタのデータ構成については後述する。
【0018】
また、情報処理装置20は、無線タグリーダライタ装置10を用いることで各物品Gを管理するための無線タグTGの作成を行う。具体的には、情報処理装置20は、各物品Gの管理番号を含んだタグデータを無線タグTGに書き込むことで、備品管理用の無線タグTGを生成する。
【0019】
携帯端末30は、無線タグ読取装置の一例である。携帯端末30は、スマートフォンやタブレット端末等の携帯可能な端末装置である。携帯端末30は、Bluetooth(登録商標)等の無線接続又は有線接続により無線タグリーダライタ装置10と通信可能に接続される。また、携帯端末30は、有線接続又は無線接続により情報処理装置20と接続することも可能である。
【0020】
携帯端末30は、無線タグリーダライタ装置10による無線タグの読み取り動作を制御する。また、携帯端末30は、無線タグリーダライタ装置10から送信されるタグデータを受信し、当該タグデータに基づいて物品Gの管理業務を支援する。
【0021】
なお、本実施形態の携帯端末30は、図1に示すように無線タグリーダライタ装置10と別体である。携帯端末30は、図2に示したように、無線タグリーダライタ装置10に設けられた取付部18を介して無線タグリーダライタ装置10に着脱自在に取り付けることが可能となっている。なお、無線タグリーダライタ装置10及び携帯端末30の構成はこれに限らず、無線タグリーダライタ装置10と携帯端末30とが一体に構成されていてもよい。
【0022】
次に、無線タグリーダライタ装置10、情報処理装置20、及び携帯端末30のハードウェア構成について説明する。
【0023】
図3は、無線タグリーダライタ装置10のハードウェア構成の一例を示す図である。図3に示すように、無線タグリーダライタ装置10は、CPU(Central Processing Unit)11、ROM(Read Only Memory)12、RAM(Random Access Memory)13、記憶部14等を備えている。CPU11は、プロセッサの一例であり、無線タグリーダライタ装置10の動作を統括的に制御する。ROM12は、各種プログラムを記憶する。RAM13は、各種データを展開するためのワーキングメモリとして使用される。
【0024】
CPU11、ROM12、RAM13及び記憶部14は、バス等を介して接続される。ここで、CPU11、ROM12及びRAM13は、制御部100を構成する。制御部100は、CPU11がROM12や記憶部14に記憶されたプログラムに従って動作することによって、各種制御処理を実行する。
【0025】
記憶部14は、電源を切っても記憶情報を保持するフラッシュメモリ等の不揮発性メモリで構成される。記憶部14は、各種のプログラムや設定情報を記憶する。
【0026】
また、制御部100には、バス等を介して、リードライト部15と、通信部16とが接続される。リードライト部15は、アンテナ151と、送信部152と受信部153とを有する。
【0027】
アンテナ151は、無線タグTGと交信可能な電波を送受信する。送信部152は、アンテナ151から電波を放射させるための電力をアンテナ151に供給する。受信部153は、アンテナ151を介して無線タグTGから送信される電波を受信する。
【0028】
リードライト部15は、制御部100の制御の下、無線タグTGを読み取るための電波を放射し、当該電波を受けた無線タグが発する電波を受信することで、無線タグTGに記憶されたタグデータを読み取る。また、リードライト部15は、制御部100の制御の下、無線タグTGにデータを書き込むための電波を放射することで、無線タグTGが有する記憶媒体にタグデータの書き込みを行う。
【0029】
通信部16は、情報処理装置20や携帯端末30と接続するための通信インタフェースである。例えば、通信部16は、Bluetooth(登録商標)等の無線通信規格に準拠した通信インタフェースである。また、例えば、通信部16は、USB(Universal Serial Bus)等の通信企画に準拠した通信インタフェースである。
【0030】
図4は、情報処理装置20のハードウェア構成の一例を示す図である。情報処理装置20は、図4に示すように、CPU21、ROM22、RAM23、記憶部24等を備えている。
【0031】
CPU21は、プロセッサの一例であり、情報処理装置20の動作を統括的に制御する。ROM22は、各種プログラムを記憶する。RAM23は、各種データを展開するためのワーキングメモリとして使用される。
【0032】
CPU21、ROM22、RAM23、及び記憶部24は、バス等を介して接続される。ここで、CPU21、ROM22及びRAM23は、制御部200を構成する。制御部200には、バス等を介して、表示部25、操作部26、及び通信部27等が接続される。制御部300は、CPU21がROM22や記憶部24に記憶されたプログラムに従って動作することによって、上記各部(表示部25、操作部26、通信部27等)を統括的に制御する各種制御処理を実行する。
【0033】
記憶部24は、電源を切っても記憶情報を保持するHDD(Hard Disk Drive)やフラッシュメモリ等の不揮発性メモリで構成される。記憶部24は、各種のプログラムや設定情報を記憶する。
【0034】
例えば、記憶部24は、無線タグリーダライタ装置10を制御するためのアプリケーションプログラムを記憶する。このアプリケーションプログラムをCPU21が実行すると、表示部25に、無線タグリーダライタ装置10を操作するためのGUI(Graphic User Interface)が表示される。
【0035】
また、記憶部24は、物品Gの管理に係る物品管理テーブルTB及び物品管理マスタMSを記憶する。
【0036】
図5は、物品管理テーブルTBのデータ構成の一例を示す図である。図5に示すように、物品管理テーブルTBは、管理番号と、品名と、型式と、在庫数とを関連付けて記憶する。物品管理テーブルTBは、例えば、CSVファイル等のデータ形式で作成される。なお、物品管理テーブルTBは、情報処理装置20を用いて作成されたものであってもよいし、図示しない外部の装置から取り込まれたものであってもよい。
【0037】
ここで、管理番号は、ユーザによって発番された物品Gの管理に係る管理情報である。管理番号は、アルファベットと数字との組み合わせからなる任意の文字列であり、同一種別の物品G毎に固有の管理番号が発番される。ここで、アルファベットは、英文字だけでなく記号等も含む概念である。本実施形態では、10桁の文字列を管理番号とする例について説明する。
【0038】
品名は、物品Gの品名を示す情報である。型式は、物品Gの型式やサイズ等を示す情報である。在庫数は、物品Gの在庫数である。また、在庫数は、物品Gの保有数と言い換えることも可能である。以下では、物品管理テーブルTBに登録された在庫数を「理論在庫数」ともいう。
【0039】
図6は、物品管理マスタMSのデータ構成の一例を示す図である。図6に示すように、物品管理マスタMSは、管理番号と、タグデータとを関連付けて記憶する。ここで、管理番号は、物品管理テーブルTBに登録された管理番号に対応するものである。また、タグデータは、管理番号に対応する物品Gの無線タグTGが保持するデータであり、後述する発行処理部205(図8参照)によって生成される。タグデータは、二進数文字列によって表された管理番号を示す情報を少なくとも含む。
【0040】
なお、図6では、タグデータを構成する二進数文字列を16進数で表記した例を示しているが、二進数文字列の状態で記憶されてもよい。また、タグデータの欄が空の管理番号は、タグデータが未生成であることを表している。
【0041】
図4に戻り、表示部25は、例えば液晶パネル等で形成されており、操作者に対して各種の情報を表示する。操作部26は、例えば各種操作ボタンやタッチパネル等の入力デバイスを有し、操作者による操作を受け付ける。タッチパネルは表示部25に重ねて設けられ、表示部25の表示内容(GUI)に応じた操作を受け付ける。通信部27は、上述した通信部16と同様の通信規格に準拠した通信インタフェースである。通信部27は、無線タグリーダライタ装置10や携帯端末30と通信を行う。
【0042】
図7は、携帯端末30のハードウェア構成の一例を示す図である。携帯端末30は、図7に示すように、CPU31、ROM32、RAM33、記憶部34等を備えている。
【0043】
CPU31は、プロセッサの一例であり、携帯端末30の動作を統括的に制御する。ROM32は、各種プログラムを記憶する。RAM33は、各種データを展開するためのワーキングメモリとして使用される。また、RAM33は、無線タグリーダライタ装置10で読み取られたタグデータを記憶(以下、登録ともいう)するための読取バッファ331を保持する。
【0044】
CPU31、ROM32、RAM33、及び記憶部34は、バス等を介して接続される。ここで、CPU31、ROM32及びRAM33は、制御部300を構成する。制御部300には、バス等を介して、表示部35、操作部36、及び通信部37等が接続される。制御部300は、CPU31がROM32や記憶部34に記憶されたプログラムに従って動作することによって、上記各部(表示部35、操作部36、通信部37等)を統括的に制御する各種制御処理を実行する。
【0045】
記憶部34は、電源を切っても記憶情報を保持するフラッシュメモリ等の不揮発性メモリで構成される。記憶部34は、各種のプログラムや設定情報を記憶する。
【0046】
例えば、記憶部34は、無線タグリーダライタ装置10を制御するためのアプリケーションプログラムを記憶する。このアプリケーションプログラムをCPU31が実行すると、表示部25に、無線タグリーダライタ装置10を操作するためのGUIが表示される。
【0047】
また、記憶部34は、物品管理テーブルTB及び物品管理マスタMSを記憶する。かかる物品管理テーブルTB及び物品管理マスタMSは、情報処理装置20から提供された物品管理テーブルTBである。物品管理テーブルTBは、携帯端末30において、後述する棚卸処理等の物品Gの管理に使用される。
【0048】
表示部35は、例えば液晶パネル等で形成されており、操作者に対して各種の情報を表示する。操作部36は、例えば各種操作ボタンやタッチパネル等の入力デバイスを有し、操作者による操作を受け付ける。タッチパネルは表示部35に重ねて設けられ、表示部35の表示内容(GUI)に応じた操作を受け付ける。通信部37は、上述した通信部16と同様の通信規格に準拠した通信インタフェースである。通信部37は、無線タグリーダライタ装置10や情報処理装置20と通信を行う。
【0049】
次に、無線タグリーダライタ装置10、情報処理装置20及び携帯端末30の機能構成について説明する。まず、図8を参照して無線タグTGの書き込みに係る機能構成について説明する。
【0050】
図8は、無線タグリーダライタ装置10及び情報処理装置20の機能構成の一例を示す図である。無線タグリーダライタ装置10は、図8に示すように、書込処理部101と、通信制御部102とを機能構成として備える。
【0051】
無線タグリーダライタ装置10が備える機能構成の一部又は全ては、無線タグリーダライタ装置10のプロセッサ(例えばCPU11)とメモリ(例えばROM12、記憶部14)に記憶されたプログラムとの協働により実現されるソフトウェア構成であってもよい。また、無線タグリーダライタ装置10が備える機能構成の一部又は全ては、無線タグリーダライタ装置10に搭載された専用回路等で実現されるハードウェア構成であってもよい。
【0052】
一方、情報処理装置20は、図8に示すように、通信制御部201と、表示制御部202と、操作制御部203と、書込動作制御部204と、発行処理部205とを機能構成として備える。
【0053】
情報処理装置20が備える機能構成の一部又は全ては、情報処理装置20のプロセッサ(例えばCPU21)とメモリ(例えばROM22、記憶部24)に記憶されたプログラムとの協働により実現されるソフトウェア構成であってもよい。また、情報処理装置20が備える機能構成の一部又は全ては、情報処理装置20に搭載された専用回路等で実現されるハードウェア構成であってもよい。
【0054】
書込処理部101は、リードライト部15と協働することで、無線タグTGに対しタグデータの書き込みを行う。具体的には、書込処理部101は、情報処理装置20からの指示に基づき、アンテナ151の交信領域内にある無線タグTGに対しタグデータの書き込みを行う。
【0055】
通信制御部102は、通信部16と協働することで、情報処理装置20との間の通信を制御する。例えば、通信制御部102は、書き込み対象のタグデータを情報処理装置20から受信する。また、通信制御部102は、情報処理装置20から送信される各種情報(後述する動作指示等)を受信する。
【0056】
通信制御部201は、通信部27と協働することで、無線タグリーダライタ装置10との間の通信を制御する。具体的には、通信制御部201は、書込動作制御部204が出力する書き込み開始等の無線タグリーダライタ装置10の動作を指示する指示情報を無線タグリーダライタ装置10に送信する。
【0057】
表示制御部202は、各種の情報を表示部25に表示させる。具体的には、表示制御部202は、無線タグリーダライタ装置10の操作に係るGUIを表示部25に表示させる。
【0058】
操作制御部203は、操作部26を介して操作者の操作を受け付ける。例えば、操作制御部203は、表示制御部202が表示させるGUIに対する操作を受け付ける。また、操作制御部203は、キーボード等のハードウェアキーに対する操作を受け付ける。
【0059】
書込動作制御部204は、タグデータの書き込みに係る動作を指示する。具体的には、書込動作制御部204は、発行処理部205と協働することで、書き込み対象のタグデータと、当該タグデータの書き込みを指示した指示情報とを出力する。
【0060】
発行処理部205は、受付手段、変換手段、生成手段、書込手段の一例である。発行処理部205は、書込動作制御部204と協働し、無線タグTGにタグデータの書き込みを行うことで、無線タグTGの発行を行う。
【0061】
具体的には、発行処理部205は、管理番号の入力を受け付けると、当該管理番号の文字列を所定の文字コード体系で変換した2進数文字列を出力する。また、発行処理部205は、入力された管理番号に対応する物品Gの在庫数に基づき、固有のシリアルコードを在庫数分発行する。そして、発行処理部205は、管理番号を表す2進数文字列(以下、管理番号コードともいう)と、シリアルコードとを含んだタグデータを在庫数分生成し、書込動作制御部204と協働することで、無線タグTGへの書き込みを行う。
【0062】
ここで、タグデータに含まれる管理番号コードとシリアルコードとは、無線タグTG及び当該無線タグTGが付される物品Gを識別するための識別コードであり、EPC(Electronic Product Code)に対応するものである。具体的には、管理番号コードが、GTINに対応し、シリアルコードがSGTINに対応するものとなる。
【0063】
管理番号の変換に用いる文字コード体系は、例えばアスキーコードや、UTF-8、Shift JIS等、公知の文字コード体系を使用してもよいし、独自の文字コード体系を使用してもよい。本実施形態では、アスキーコードを用いる例について説明する。なお、管理番号の変換に用いる変換表(以下、アスキーコード表ともいう)は、記憶部24等に予め記憶されているものとする。以下、図9を参照し、アスキーコードを用いた書き込み用のタグデータの生成方法について説明する。
【0064】
図9は、発行処理部205が生成するタグデータのデータ構成の一例を示す図である。図9では、タグデータが96ビットで構成される例を示している。また、図9では、管理番号として「ABCDE12345」が入力された例を示している。なお、管理番号の入力は、手入力によって行われてもよいし、後述するように管理テーブルから書き込み対象の管理番号が選択されることで入力されてもよい。
【0065】
まず、発行処理部205は、図9に示すように、管理番号を構成する文字数(10文字)を表すため、タグデータを構成する96ビットのうち、使用する文字コードに応じたビット数分の領域を管理番号コード格納用に確保する。具体的には、アスキーコードでは1文字が1バイト(8ビット)で表されるため、発行処理部205は、10文字分の80ビットを確保する。また、発行処理部205は、残りの16ビットをシリアルコード格納用に確保する。なお、図9では、ビット列の先頭から管理番号コード格納用の領域を確保した例を示しているが、ビット列中で確保される位置はこれに限らないものとする。
【0066】
次いで、発行処理部205は、アスキーコード表に基づき、管理番号を表す文字列「ABCDE12345」を二進数文字列に変換し、変換した二進数文字列を管理番号コードとして管理番号コード格納用の領域に格納する。具体的には、発行処理部205は、管理番号を構成する各文字をアスキーコードを用いて、各文字を8ビットの2進数文字列に変換する。発行処理部205は、変換した各文字の2進数文字列を文字列の順に格納する。
【0067】
図9に示すように、例えば、管理番号の最初の文字「A」は2進数文字列「01000001」に変換され、当該2進数文字列がビット1~ビット8のビット列に格納される。また、管理番号の2番目の文字「B」は2進数文字列「01000010」に変換され、当該2進数文字列がビット9~ビット16のビット列に格納される。このように、発行処理部205は、管理番号を構成する文字列をアスキーコード表を用いて変換することで2進数文字列(管理番号コード)を取得し、取得した管理番号コードを管理番号コード格納用の領域に格納する。
【0068】
また、発行処理部205は、管理番号に対応する物品G毎の在庫数に応じて発行したシリアルコードを、シリアルコード格納用の領域に格納する。ここで、在庫数は、操作者の手入力によって入力されてもよいし、後述するように管理テーブルから書き込み対象の管理番号が選択されることで、当該管理番号に関連付けられた在庫数を特定する形態としてもよい。
【0069】
具体的には、発行処理部205は、在庫数分のシリアルコードを発行し、発行したシリアルコードを順次格納することで、在庫数分のタグデータをそれぞれ生成する。ここで、シリアルコードの発行規則は予め規定しておくことが好ましい。本実施形態では、在庫数の数字以下の自然数の各々を2進数文字列で表したものをシリアルコードとして発行する。
【0070】
例えば、在庫数が「1」の場合、発行処理部205は「1」を2進数文字列で表したシリアルコード「0000000000000001」を発行する。そして、発行処理部205は、発行したシリアルコードを、シリアルコード格納用の領域に格納することで、1個のタグデータを生成する。
【0071】
また、例えば、在庫数が「3」の場合、発行処理部205は、「1」~「3」の各数値を2進数文字列で表したシリアルコード「0000000000000001」、「0000000000000010」、0000000000000011」をそれぞれ発行する。そして、発行処理部205は、発行したシリアルコードのそれぞれをシリアル格納用の領域に個別に格納することで3個のタグデータを生成する。ここで、生成される3個のタグデータは、同一の管理番号コードを含み、且つシリアルコードが異なるものとなる。すなわち、シリアルコードは、同一の管理番号で管理される物品Gを個品単位で識別する識別子となる。
【0072】
発行処理部205は、タグデータを生成すると、生成したタグテータを対応する管理番号と関連付けて物品管理マスタMSに記憶する。例えば、同一の管理番号から3個のタグデータが生成された場合には、その管理番号に関連付けて3個のタグデータが物品管理マスタMSに記憶される。
【0073】
また、発行処理部205は、書込動作制御部204と協働することで、生成したタグデータを二進数文字列のビットデータとして無線タグTGに書き込む。タグデータが書き込まれた無線タグTGは、操作者等により該当する物品Gに付される。なお、同一管理番号で且つ在庫数が複数の物品Gについては、発行処理部205は、生成したタグデータ毎に無線タグTGに書き込みを行う。これにより、同一管理番号で且つ在庫数が複数の物品Gの各々には、管理番号コードが同一で且つシリアルコードが異なる無線タグTGが付されることになる。
【0074】
このように、情報処理装置20では、現場で使用する管理番号を無線タグTGに書き込むことができるため、管理番号に基づいた物品管理を容易に行うことができる。
【0075】
また、一般的に用いられる無線タグのコード体系では、書き込み可能な文字が限られているため、表現可能な文字列が制限されるという問題がある。具体的には、16進数で文字列を表現する場合、無線タグに書き込める情報は、数字(0~9)とアルファベットの一部(a~f)を組み合わせたものに限られ、a~f以外のアルファベットは無効となる。そのため、例えば16進数を用いて文字を表したとしても数字及びアルファベットの全てを表現することができず、管理番号として使用することは利便性の観点から不都合がある。
【0076】
これに対し、情報処理装置20では、タグデータを構成する96ビットのうち、管理番号コードの格納に使用する領域を、数字及びアルファベットの全てを表現可能な10文字分のビット列を確保し、残りのビット列をシリアルコード格納用の領域として使用する。これにより、情報処理装置20では、タグデータで表現可能な文字列を、数字及びアルファベットの全てとすることができるため、ユーザが任意に設定した管理番号に対し柔軟に対応することができる。したがって、情報処理装置20は、物品管理に好適に使用することが可能な無線タグTGを発行することができる。
【0077】
なお、上述した発行処理部205の書き込み処理は、GUIの操作により行うようにしてもよい。例えば、発行処理部205は、表示制御部202と協働することで、図10に示すような無線タグの書き込みを支援するためのGUIを表示させる。
【0078】
図10は、情報処理装置20の表示部25に表示されるGUIの一例を示す図である。なお、図10は、無線タグ発行画面の一例を示している。
【0079】
図10に示すように、無線タグ発行画面Aは、第1領域Aaと、第2領域Abとを有する。第1領域Aaには、各種の操作子が表示される。例えば、第1領域Aaには、データ取込ボタンAaa、生成ボタンAab、発行ボタンAac等が表示される。
【0080】
データ取込ボタンAaaは、物品管理テーブルTB及び物品管理マスタMSの取り込み(読み出し)を指示するための操作子である。データ取込ボタンAaaが操作されると、発行処理部205は、記憶部24に記憶された物品管理テーブルTB及び物品管理マスタMSを読み出し、物品管理テーブルTB及び物品管理マスタMSの登録内容を第2領域Abに表示させる。なお、物品管理テーブルTBや物品管理マスタMSが複数記憶されている場合には、読み出しの対象を選択可能な構成としてもよい。また、例えば、物品管理テーブルTBや物品管理マスタMSが外部装置等に記憶されている場合、記憶先を選択可能な構成としてもよい。
【0081】
生成ボタンAabは、タグデータの発行を指示するための操作子である。発行ボタンAacは、タグデータの書き込みを指示するための操作子である。生成ボタンAab及び発行ボタンAacについては後述する。
【0082】
第2領域Abには、データ取込ボタンAaaの操作によって読み出された物品管理テーブルTB及び物品管理マスタMSの登録内容が表示される。図10では、図5及び図6に示した物品管理テーブルTB及び物品管理マスタMSの登録内容を表示した例を示している。なお、図10では、在庫数を表示しているが、これに限らず在庫数を非表示とする形態としてもよい。また、第2領域Abは、例えば上下方向にスクロール可能となっており、スクロール操作によって表示されていない物品管理テーブルTBの登録内容を表示することができる。
【0083】
また、第2領域Abでは、物品管理テーブルTBの登録内容に加えて、タグデータと発行との項目が追加されている。ここで「タグデータ」の項目は、生成されたタグデータを表示するための領域である。なお、タグデータ自体は上述したように2進数文字列で構成されるが、データ長が長大となるため、本実施形態では、タグデータを16進数表記で表示させるものとする。
【0084】
「発行」の項目は、タグデータを無線タグTGに書き込んだか否かを表示するための領域である。図10では、丸印が発行済(書き込み済み)を意味し、無印が未発行の状態を意味している。
【0085】
情報処理装置20の操作者は、図10の無線タグ発行画面Aを操作することで、各物品Gに付加する無線タグTGを発行することができる。例えば、操作者は、第2領域Abに表示された管理番号(又は品名、型式)から、タグデータの発行対象となる管理番号を選択する。そして、操作者は、生成ボタンAabを操作することで、タグデータの生成を指示する。
【0086】
発行処理部205は、生成ボタンAabの操作を受け付けると、選択された管理番号と当該管理番号に関連付けられた在庫数とに基づきタグデータを生成する。そして、発行処理部205は、生成したタグデータを16進数表記で、選択された管理番号の「タグデータ」の項目に表示させる。例えば、在庫数が「3」の場合、生成された3個のタグデータが「タグデータ」の項目にそれぞれ表示される。
【0087】
なお、生成されたタグデータは、対応する管理番号と関連付けて物品管理マスタMSに記憶される。
【0088】
また、操作者は、タグデータが生成済の管理番号を選択し、発行ボタンAacを操作することで、無線タグTGへの書き込みを指示することができる。発行処理部205は、発行ボタンAacの操作を受け付けると、選択された管理番号に関連付けられたタグデータを読み出し、書込動作制御部204と協働することで、読み出したタグデータの無線タグTGへの書き込みを行う。発行処理部205は、無線タグTGへの書き込みが完了すると、選択された管理番号の「発行」の項目に丸印を表示させることで、書き込み完了の報知を行う。そして、情報処理装置20の操作者は、タグデータが書き込まれた無線タグTGを、対応する物品Gに付加することで、無線タグTGを用いた物品管理が可能な状態となる。
【0089】
なお、発行処理部205は、自装置に無線タグリーダライタ装置10等のリーダライタ装置が接続されていない場合、タグデータの書き込みに先駆けて、リーダライタ装置の接続を促す画面を表示部25に表示させてもよい。また、発行処理部205は、タグデータの書き込みに先駆けて、無線タグTGをリーダライタ装置の放射範囲に置くことを案内する画面を表示部25に表示させてもよい。
【0090】
また、同一の管理番号に複数のタグデータが関連付けられている場合、発行処理部205は、例えばシリアルコードの昇順にタグデータの書き込み順次行うことで、タグコードに応じた個数分の無線タグTGの書き込みを行う。この場合、発行処理部205は、一のタグコードの書き込みが完了する毎に、無線タグTGの交換を案内する画面を表示部25に表示させてもよい。
【0091】
また、書き込み対象のタグデータの選択方法は、管理番号の選択に限らず、例えばタグデータが直接選択されるものであってもよい。この場合、発行処理部205は、書込動作制御部204と協働することで、選択されたタグデータを無線タグTGに書き込むための処理を行う。
【0092】
なお、生成されたタグデータの無線タグTGへの書き込み有無(以下、発行状態ともいう)についても、タグデータと同様に記憶し管理することが好ましい。例えば、タグデータの発行状態を表すフラグ情報を、対応するタグデータに関連付けて、物品管理テーブルTBや物品管理マスタMS、又は別ファイルに記憶してもよい。かかる構成とすることで、発行処理部205は、データ取込ボタンAaaが操作された際に、管理番号に関連付けられたタグデータ及びフラグ情報をあわせて読み出すことで、前回までに行ったタグデータの生成及び発行の状態を第2領域Abに表示させることができる。
【0093】
このように、情報処理装置20では、管理番号をタグデータとして無線タグTGに書き込むことができる。これにより、物品Gの管理を行うユーザは、発行された無線タグTGを対応する物品Gに付すことで、管理番号に基づいた物品管理を無線タグTGの読み取ることで実現することができる。
【0094】
なお、無線タグ発行画面Aの画面構成は図10の例に限らないものとする。例えば、無線タグ発行画面Aは、物品管理マスタMSの出力を指示するための操作子を含んでもよい。かかる操作子が操作されると、例えば、発行処理部205は、記憶部24に記憶された物品管理マスタMSをCSVファイル等のデータ形式で出力したり、図示しないプリンタ装置を介して印刷出力したりしてもよい。
【0095】
次に、図11を参照して無線タグTGの読み取りに係る機能構成について説明する。なお、図8と重複する機能構成については、同一の符号を付し、読み取りに係る機能について説明する。
【0096】
図11は、無線タグリーダライタ装置10及び携帯端末30の機能構成の一例を示す図である。無線タグリーダライタ装置10は、図11に示すように、通信制御部102と、読取処理部103とを機能構成として備える。
【0097】
一方、携帯端末30は、図11に示すように、通信制御部301と、表示制御部302と、操作制御部303と、読取動作制御部304と、設定変更部305と、読取結果処理部306と、棚卸処理部307と、探索処理部308とを機能構成として備える。
【0098】
携帯端末30が備える機能構成の一部又は全ては、携帯端末30のプロセッサ(例えばCPU31)とメモリ(例えばROM32、記憶部34)に記憶されたプログラムとの協働により実現されるソフトウェア構成であってもよい。また、携帯端末30が備える機能構成の一部又は全ては、携帯端末30に搭載された専用回路等で実現されるハードウェア構成であってもよい。
【0099】
読取処理部103は、リードライト部15と協働することで、無線タグTGからタグデータを読み取る。具体的には、読取処理部103は、携帯端末30からの指示に基づき、アンテナ151の交信領域内にある無線タグTGからタグデータを読み取る。また、読取処理部103は、携帯端末30からタグ識別が指定された場合、そのタグ識別を含んだタグデータの読み取りを行う。
【0100】
通信制御部102は、通信部16と協働することで、携帯端末30との間の通信を制御する。具体的には、通信制御部102は、読取処理部103が読み取ったタグデータを携帯端末30に送信する。また、通信制御部102は、携帯端末30から送信される各種情報(後述する動作指示等)を受信する。
【0101】
通信制御部301は、通信部37と協働することで、無線タグリーダライタ装置10との間の通信を制御する。具体的には、通信制御部301は、読取動作制御部304が出力する読取開始/終了等の無線タグリーダライタ装置10の動作を指示する指示情報を無線タグリーダライタ装置10に送信する。また、通信制御部301は、無線タグリーダライタ装置10から送信されたタグデータを受信する。
【0102】
表示制御部302は、各種の情報を表示部35に表示させる。具体的には、表示制御部302は、無線タグリーダライタ装置10の操作に係るGUIを表示部35に表示させる。例えば、表示制御部302は、図8に示すGUIを表示部35に表示させる。
【0103】
図12は、携帯端末30の表示部35に表示されるGUIの一例を示す図である。なお、図12は、メニュー画面の一例を示している。メニュー画面Bは、携帯端末30を用いて実行する業務を選択するための操作画面であり、各種の操作子を有する。
【0104】
データ取込ボタンBaは、管理テーブルの取得(更新)を指示するための操作子である。データ取込ボタンBaが操作されると、制御部300は、通信制御部301と協働することで、自装置に接続された情報処理装置20から物品管理テーブルTB及び物品管理マスタMSを取得し、記憶部34に記憶するデータ取込処理を実行する。
【0105】
設定ボタンBbは、携帯端末30の設定を変更する際に操作する操作子である。棚卸ボタンBcは、後述する棚卸処理の実行を指示するための操作子である。これらの操作子が操作されると、表示制御部302は、他の機能構成と協働することで、各種業務用のGUIを表示部35に表示させる。
【0106】
図11に戻り、操作制御部303は、操作部36を介して操作者の操作を受け付ける。例えば、操作制御部303は、表示制御部302が表示させるGUIに対する操作を受け付ける。また、操作制御部303は、無線タグリーダライタ装置10に設けられたトリガボタン171等のハードウェアキーに対する操作を受け付ける。
【0107】
読取動作制御部304は、操作者から受け付ける操作に応じて、読取開始等の無線タグリーダライタ装置10の動作を指示する。具体的には、読取動作制御部304は、GUIに表示される操作子や無線タグリーダライタ装置10のトリガボタン171を介して、操作者の操作を受け付ける。例えば、読取動作制御部304は、読み取り開始の操作を受け付けると、読み取り開始を指示する指示情報を出力する。また、例えば、読取動作制御部304は、読み取り終了(停止)の操作を受け付けると、読み取り終了を指示する指示情報を出力する。
【0108】
また、読取動作制御部304は、読み取り動作に係る設定情報に基づいて、読み取りを行う時間やトリガボタン171の有効/無効を切り替える。
【0109】
設定変更部305は、操作者から受け付ける操作に応じて、無線タグリーダライタ装置10の動作に係る設定変更を指示する。設定変更部305は、例えば図13に示すGUIを介して、操作者の操作を受け付ける。
【0110】
図13は、携帯端末30の表示部35に表示されるGUIの一例を示す図である。なお、図13は、設定画面の一例を示している。かかる設定画面は、例えば、図12のメニュー画面Bで設定ボタンBbが操作されると表示される。
【0111】
図13に示すように、設定画面Cは、各種設定を行うためのラジオボタンCa~Ccを含む。ここで、ラジオボタンCa~Ccは、無線タグTGの読み取りに係る時間(以下、検出時間ともいう)に係る設定を行うための操作子であり、択一的に選択することが可能となっている。
【0112】
ラジオボタンCaは、検出時間を明示的に指定する際に操作する操作子である。ラジオボタンCaを選択することで、検出時間を設定することが可能となる。図13では、検出時間として5秒が設定された例を示している。この場合、設定変更部305は、指定された検出時間を設定情報として記憶する。また、読取動作制御部304は、検出時間が設定された場合、検出時間を指定した読み取り開始の指示情報を出力する。また、読取動作制御部304は、設定された検出時間の間、読み取り開始の指示情報の出力を継続してもよい。
【0113】
ラジオボタンCbは、トリガボタン171を用いて読み取りを行う場合に使用する操作子である。ラジオボタンCbが選択された場合、設定変更部305は、読み取りの開始/終了をトリガボタン171の操作に連動して行うことを設定情報として記憶する。この場合、設定変更部305は、トリガボタン171の操作に応じて、読み取り開始及び読み取り終了の指示情報を出力する。
【0114】
ラジオボタンCcは、検出時間を無制限とする際に操作する操作子である。ラジオボタンCcが選択された場合、設定変更部305は、検出時間を無制限に設定する。なお、この場合は、操作者から読み取り停止が指示されるまでの間、無線タグTGの読み取りが継続されることになる。
【0115】
なお、設定変更部305を介して設定可能な内容はこれに限らないものとする。例えば、無線タグリーダライタ装置10から放射する電波の出力(送信出力)を設定可能な構成としてもよい。また、例えば、1回の処理で読み取る無線タグの最大枚数を規定する、アンチコリジョン機能に係るQ値を設定可能な構成としてもよい。また、例えば、無線タグが持つインベントリーフラグ(A、B)の状態保持方法を指定するためのセッションID(S0~S3)を設定可能な構成としてもよい。
【0116】
また、例えば、無線タグリーダライタ装置10がバーコード等のコードシンボルを読み取ることが可能な構成(例えば、コードスキャナ等)を備える場合、読み取り対象を無線タグのみとするか、無線タグ及びコードシンボルの両方とするかを設定可能な構成としてもよい。なお、読み取り対象が無線タグのみに設定された場合、無線タグリーダライタ装置10は、設定変更部305からの指示に応じて、コードシンボルの読み取り機能を無効化する。
【0117】
図11に戻り、読取結果処理部306は、読取動作制御部304とともに、読取手段の一例として機能する。読取結果処理部306は、通信制御部301が受信したタグデータを取得し、RAM33に設けられた読取バッファ331に登録する。ここで、読取結果処理部306は、新たなタグデータが通信制御部301で受信される毎に、当該タグデータ(管理番号コード及びシリアルコードの組)と、読取バッファ331に登録されたタグデータとを比較する。そして、読取結果処理部306は、タグ識別子が重複した場合に、受信されたタグデータを破棄する重複チェックを実行する。これにより、同一のタグデータが読取バッファ331に重複して登録されてしまうことを抑制することができる。
【0118】
棚卸処理部307は、判定手段の一例である。棚卸処理部307は、無線タグの読み取り結果と、物品管理テーブルTBとに基づいて、当該物品管理テーブルTBに登録された各物品の存否及び在庫数を確認する棚卸処理を行う。
【0119】
ここで、棚卸処理は、物品Gの各々が、予め定められた個数(理論在庫数)だけ存在するか否かを確認するための処理である。例えば、操作者は、無線タグリーダライタ装置10のアンテナ151を物品Gが置かれた棚等に向けることで、物品Gの各々からタグデータの読み取りが行われる。
【0120】
具体的には、棚卸処理部307は、操作者により棚卸処理の開始が指示されると、読取動作制御部304と協働することで、読み取りの開始指示を出力する。次いで、棚卸処理部307は、物品管理テーブルTB及び物品管理マスタMSに基づき、タグデータの読み取り結果を集計する。
【0121】
具体的には、棚卸処理部307は、読取バッファ331に登録されたタグデータと、物品管理マスタMSに登録されたタグデータとを照合することで、読み取られたタグデータに対応する管理番号を特定する。次いで、棚卸処理部307は、特定した管理番号に基づき物品Gの読み取り点数を管理番号毎に集計する。そして、棚卸処理部307は、集計した結果を棚卸結果として出力する。なお、管理番号を特定することができない場合には、そのタグデータを集計の対象から除外することが好ましい。
【0122】
また、物品Gを個品単位で集計する場合には、棚卸処理部307は、読取バッファ331に登録されたタグデータと、物品管理マスタMSに登録されたタグデータとを照合することで、読み取られたタグデータが物品管理マスタMSに登録されたものか否かを判定する。そして、棚卸処理部307は、物品管理マスタMSに登録されていると判定した場合、そのタグデータに対応する物品Gの読み取り点数「1」を計上する。なお、物品管理マスタMSに登録されていないと判定した場合には、そのタグデータを集計の対象(表示対象)から除外することが好ましい。
【0123】
なお、管理番号コードに対応する管理番号の特定方法は、物品管理マスタMSを用いた上記の方法に限らないものとする。例えば、棚卸処理部307は、アスキーコード表に基づき、読取バッファ331に登録されたタグデータに含まれる二進数文字列の管理番号コードを管理番号に変換(逆変換)することで、対応する管理番号を特定してもよい。この場合、アスキーコード表は、記憶部34に予め記憶されてもよいし、物品管理テーブルTB等とともに情報処理装置20から提供されてもよい。
【0124】
また、棚卸処理部307は、操作者から受け付ける操作に応じて、上述の棚卸処理を行う。例えば、棚卸処理部307は、図12のメニュー画面Bで棚卸ボタンBcが操作されると、表示制御部302と協働することで、図14に示すような棚卸処理に係るGUIを表示させる。
【0125】
図14は、携帯端末30の表示部35に表示されるGUIの一例を示す図である。なお、図14は、棚卸画面の一例を示している。
【0126】
図14に示すように、棚卸画面Dは、第1領域Daと第2領域Dbとを有する。第1領域Daには、操作ボタンDaaと、終了ボタンDabとが表示される。
【0127】
操作ボタンDaaは、棚卸処理の開始/停止を指示するための操作子である。操作ボタンDaaは、操作を受ける都度、棚卸処理の開始と停止とが切り替わるトグルボタンである。棚卸処理部307は、読取動作制御部304と協働することで、操作ボタンDaaの操作に応じて、読み取り開始又は停止を指示する指示情報を出力する。
【0128】
図14では、棚卸処理が実行中の状態を示しており、操作ボタンDaaの表記が、棚卸処理の停止を意味する「停止」となっている。この状態で操作ボタンDaaが操作されると、棚卸処理部307は、読み取り終了を指示する指示情報を出力する。また、図14の状態で、操作ボタンDaaが操作されると、操作ボタンDaaの表記が棚卸処理の開始を意味する「開始」等に切り替えられる。
【0129】
終了ボタンDabは、棚卸処理の終了を指示するための操作子である。終了ボタンDabが操作されると、表示制御部302は、棚卸画面Dの表示を終了し、例えばメニュー画面Bを表示させる。なお、棚卸処理の最中に終了ボタンDabが操作された場合には、棚卸処理部307は、読取動作制御部304と協働することで、読み取り終了を指示する指示情報を出力する。
【0130】
第2領域Dbには、棚卸処理の結果が表示される。第2領域Dbは、例えば上下方向にスクロール可能となっており、スクロール操作によって表示されていない棚卸処理の結果を表示することができる。
【0131】
棚卸処理の結果は、例えば図14に示すように、物品Gの管理番号及び品名毎に、理論在庫数と実測在庫数とを関連付けた状態で表される。ここで、理論在庫数は物品管理テーブルTBに登録された在庫数に対応するものである。また、実測在庫数は、棚卸処理部307によって集計された読み取り点数を表すものであり、物品Gの存否及び実際の在庫数(保有数)を示す情報である。なお、実測在庫数は、棚卸処理の開始前は何れも「0」である。
【0132】
例えば、管理番号に対応する物品Gの点数が全て揃っている場合、実測在庫数の値は理論在庫数と同数となる。また例えば、一部の物品Gが存在しない場合には、実測在庫数の値は理論在庫数より小さな値となる。
【0133】
このように、操作者は、第2領域Dbに表示される棚卸結果を確認することで、物品Gの存否及び点数を容易に把握することができる。したがって、本実施形態によれば、備品の管理を容易に行うことができる。
【0134】
なお、図14では、物品Gの読み取り点数を管理番号(品名)毎に集計した例を示したが、これに限らず、個品単位で集計してもよい。
【0135】
図15は、携帯端末30の表示部35に表示されるGUIの一例を示す図であり、棚卸画面の他の例を示している。
【0136】
図15の棚卸画面Dでは、第2領域Dbに表示される棚卸処理の結果を、物品Gの個品(タグデータ)毎に表示した例を示している。棚卸処理の結果は、例えば図15に示すように、物品Gの管理番号及び品名毎に、当該管理番号に対応するタグデータと、当該タグデータの読み取り結果とを関連付けた状態で表される。
【0137】
ここで、第2領域Dbに表示されるタグデータは、物品管理マスタMSに登録されたタグデータの各々が表示されるものとするが、これに限らないものとする。例えば、棚卸処理部307は、発行処理部205と同様の方法を用いることで、アスキーコード表等に基づき、物品管理テーブルTBに記憶された管理番号及び在庫数から生成したタグデータを、第2領域Dbに表示させてもよい。
【0138】
なお、図15では、タグデータを16進数で表記した例を示している。また、図15では、理論在庫数が「3」の管理番号「ABCDE12346」の物品Gついて、一の物品Gが不在の場合の棚卸処理の結果を示している。
【0139】
このように、操作者は、第2領域Dbに表示される棚卸結果を確認することで、例えば、同一の管理番号が付された複数の物品Gの各々について、どのタグデータの物品Gが存在し、また存在しないのかを容易に把握することができる。
【0140】
また、図15の棚卸画面Dでは、物品Gを個品単位で探索する探索処理の実行を指示するための探索ボタンDacが第1領域Daに設けられる。例えば、操作者は、不在となった物品Gのタグデータを選択し、探索ボタンDacを操作することで、そのタグデータに対応する物品Gの探索を指示することができる。探索ボタンDacが操作された場合の処理については後述する。
【0141】
なお、図14の棚卸画面Dと図15の棚卸画面Dとは、操作者の操作に応じて切り替え可能な構成とすることが好ましい。例えば、図14の棚卸画面Dの第1領域Daに詳細表示ボタン等を設け、詳細表示ボタンが操作されると、図15の棚卸画面Dを表示する形態としてもよい。
【0142】
また、本実施形態では、棚卸処理部307の棚卸結果を表示部35に出力する形態としたが、出力先はこれに限らないものとする。例えば、棚卸処理部307は、棚卸結果を記憶部34に出力することで、記憶部34に記憶する形態としてもよい。また、棚卸処理部307は、棚卸結果を情報処理装置20に出力する形態としてもよい。
【0143】
図11に戻り、探索処理部308は、探索手段の一例である。探索処理部308は、操作者から操作に応じ、特定のタグデータを保持する無線タグTGを探索するための処理を実行する。例えば、探索処理部308は、図15の棚卸画面Dに設けられた探索ボタンDacの操作を受け付けると、探索ボタンDacの操作に伴い選択されたタグデータ(以下、探索対象のタグデータともいう)に基づき探索処理を実行する。
【0144】
具体的には、探索処理部308は、読取動作制御部304と協働することで、探索対象のタグデータを指定した読み取りの開始指示を出力する。これにより、無線タグリーダライタ装置10では、指定されたタグデータの読み取りを選択的に行い、その読み取り結果を携帯端末30に出力する。
【0145】
また、探索処理部308は、探索対象のタグデータの読み取り結果から、当該タグデータを保持する無線タグTGの存在位置、つまり物品Gの存在位置を推定する。例えば、探索処理部308は、アンテナ151の指向性や通信制御部301の受信電波強度等のタグデータの受信状況に基づき、無線タグTGが存在する方向や距離を推定する。そして、探索処理部308は、図16に示すように、無線タグTGが存在する方向および距離に対応する位置を表示部35に表示させる。
【0146】
ここで、図16は、携帯端末30の表示部35に表示されるGUIの一例を示す図である。なお、図16は、探索画面の一例を示している。かかる探索画面は、例えば、図15の棚卸画面Dで探索ボタンDacが操作されると表示される。
【0147】
図16に示すように、探索画面Eは、第1領域Eaと、第2領域Ebとを有する。第1領域Eaには、操作ボタンEaaと、終了ボタンEabとが表示される。
【0148】
操作ボタンEaaは、探索処理の開始/停止を指示するための操作子である。操作ボタンEaaは、操作を受ける都度、探索処理の開始と停止とが切り替わるトグルボタンである。探索処理部308は、読取動作制御部304と協働することで、操作ボタンEaaの操作に応じて、読み取り開始又は停止を指示する指示情報を出力する。
【0149】
図16では、探索処理が実行中の状態を示しており、操作ボタンEaaの表記が、探索処理の停止を意味する「停止」となっている。この状態で操作ボタンEaaが操作されると、読取動作制御部304は、読み取り終了を指示する指示情報を出力する。また、図16の状態で、操作ボタンEaaが操作されると、操作ボタンEaaの表記が探索処理の開始を意味する「開始」等に切り替えられる。
【0150】
終了ボタンEabは、探索処理の終了を指示するための操作子である。終了ボタンEabが操作されると、表示制御部302は、探索画面Eの表示を終了し、例えば図15の棚卸画面Dを表示させる。なお、探索処理の最中に終了ボタンEabが操作された場合には、探索処理部308は、読取動作制御部304と協働することで、読み取り終了を指示する指示情報を出力する。
【0151】
第2領域Ebには、探索対象のタグデータと、当該タグデータに対応する物品Gの品名とが表示される。また、第2領域Ebには、探索対象のタグデータに対応する無線タグTGが存在する方向及び距離を表すレーダ画面Ebaが表示される。
【0152】
レーダ画面Ebaは、無線タグリーダライタ装置10の位置を中心Ebbとし、方向および距離を同心円で表したものである。また、レーダ画面Ebaにおいて、扇形で示す領域Ebcは無線タグリーダライタ装置10が放射する電波の放射範囲を示すものである。
【0153】
探索対象の備品が放射範囲に入り、その備品に付された無線タグTGのタグデータが通信制御部301で取得されると、探索処理部308は、その無線タグTGが存在する方向及び距離を推定し、推定した無線タグTGの位置Ebdを領域Ebc中に表示する。
【0154】
これにより、操作者は、領域Ebc中の位置Ebdと中心Ebbとが近づくように移動することで、探索対象のタグデータを保持する無線タグTGが存在する位置、つまり物品Gの位置を容易に探索することができる。このように、本実施形態によれば、物品Gの棚卸業務から、物品Gの探索業務へと容易に移行することができる。
【0155】
以下、図17図19を参照して、物品管理システム1の動作例について説明する。まず、図17を参照して、情報処理装置20が実行する無線タグ書込処理について説明する。
【0156】
図17は、情報処理装置20が実行する無線タグ発行処理の一例を示すフローチャートである。なお、本処理では、無線タグ発行画面A(図11参照)を用いて無線タグTGを発行(書き込み)する場合の例について説明する。
【0157】
まず、発行処理部205は、データ取込ボタンAaa等の操作に応じて、記憶部24から物品管理テーブルTB及び物品管理マスタMSを読み出し、当該物品管理テーブルTB及び物品管理マスタMSに登録された情報を表示部25に表示させる(ステップS11)。
【0158】
続いて、発行処理部205は、生成ボタンAabの操作によりタグデータの生成が指示されたか否を判定する(ステップS12)。ここで、タグデータの生成が指示されない場合には(ステップS12;No)、ステップS16に移行する。
【0159】
ステップS12でタグデータの生成が指示されると(ステップS12;Yes)、発行処理部205は、生成対象に選択された管理番号に基づき、所定の文字コードに変換した管理番号コードを生成する(ステップS13)。次いで、発行処理部205は、選択された管理番号に関連付けられた在庫数に基づき、在庫数分のシリアルコード発行する(ステップS14)。
【0160】
続いて、発行処理部205は、ステップS13で生成した管理番号コードと、ステップS14で発行したシリアルコードとを組み合わせることで、在庫数分のタグデータを生成する(ステップS15)。なお、発行処理部205は、生成したタグデータを、対応する管理番号に関連付けて物品管理マスタMSに記憶する。
【0161】
続いて、発行処理部205は、発行ボタンAacの操作によりタグデータの書き込みが指示されたか否を判定する(ステップS16)。ここで、タグデータの書き込みが指示されない場合には(ステップS16;No)、ステップS21に移行する。
【0162】
ステップS16でタグデータの書き込みが指示されると(ステップS16;Yes)、発行処理部205は、書き込み対象に選択された管理番号のタグデータを生成済か否かを判定する(ステップS17)。
【0163】
ここで、タグデータが存在しない場合には(ステップS17;No)、発行処理部205は、タグデータの生成を促す報知を行った後、ステップS21に移行する。なお、発行処理部205は、タグデータが存在しない場合、ステップS13~ステップS15の処理を行うことで、選択された管理番号用のタグデータを生成した後、ステップS18に移行してもよい。
【0164】
ステップS17でタグデータが生成済と判定した場合(ステップS17;Yes)、発行処理部205は、選択された管理番号に関連付けて記憶されたタグデータのうち、未書き込みのタグデータを一つ読み出す(ステップS18)。例えば、発行処理部205は、シリアルコードがより小さなものを読み出す。次いで、発行処理部205は、書込動作制御部204と協働することで、読み出したタグデータを無線タグTGに書き込む(ステップS19)。
【0165】
続いて、発行処理部205は、管理番号に関連付けて記憶された全てのタグデータを書き込んだか否かを判定する(ステップS20)。未書き込みのタグデータが存在する場合(ステップS20;No)、発行処理部205は、ステップS18に処理を戻すことで、未書き込みのタグデータの書き込みを行う。また、全てのタグデータを書き込んだと判定した場合には(ステップS20;Yes)、発行処理部205は、ステップS21に移行する。
【0166】
続いて、発行処理部205は、本処理の終了が指示されたか否かを判定する(ステップS21)。処理の終了が指示されない場合(ステップS21;No)、発行処理部205は、ステップS12に処理を戻すことで本処理を継続する。また、処理の終了が指示された場合(ステップS21;Yes)、発行処理部205は、本処理を終了する。
【0167】
図18は、携帯端末30が実行する棚卸処理の一例を示すフローチャートである。まず、棚卸処理部307は、棚卸画面Dの操作ボタンDaa(図14参照)の操作等により操作者から棚卸処理の開始が指示されると、読取動作制御部304と協働することで、読み取りの開始を無線タグリーダライタ装置10に指示する(ステップS31)。
【0168】
続いて、棚卸処理部307は、無線タグリーダライタ装置10によりタグデータが読み取られたか否かを判定する(ステップS32)。タグデータの読み取りが行われない場合には(ステップS32;No)、ステップS35に移行する。
【0169】
棚卸処理部307は、ステップS32でタグデータが読み取られたと判定すると(ステップS32;Yes)、物品管理テーブルTB及び物品管理マスタMSに基づき、タグデータの各々に対応する物品Gの読み取り点数を管理番号毎(又は個品単位)で集計する(ステップS33)。次いで、棚卸処理部307は、集計結果を表示部35に表示させ(ステップS34)、ステップS35に移行する。
【0170】
続いて、棚卸処理部307は、棚卸処理の終了が指示されたか否かを判定する(ステップS35)。ここで、棚卸処理の終了指示は、操作者による操作に限らず、検出時間の時間切れによる読み取り終了をも含む概念である。
【0171】
棚卸処理の終了が指示されない場合(ステップS35;No)、棚卸処理部307は、ステップS32に処理を戻すことで、棚卸処理を継続する。また、棚卸処理の終了が指示された場合(ステップS35;Yes)、棚卸処理部307は、本処理を終了する。
【0172】
図19は、携帯端末30が実行する探索処理の一例を示すフローチャートである。本処理は、例えば図15の棚卸画面Dに表示される探索ボタンDacの操作に応じて行われるものである。なお、本処理の前提として、探索対象のタグデータが選択されているものとする。
【0173】
まず、探索処理部308は、読取動作制御部304と協働することで、探索対象のタグデータを指定した読み取りの開始を無線タグリーダライタ装置10に指示する(ステップS41)。
【0174】
続いて、探索処理部308は、探索対象のタグデータの読み取りに係る電波の受信状況に基づいて、当該タグデータを保持する無線タグTGの存在位置を推定する(ステップS42)。次いで、探索処理部308は、推定した存在位置と自装置の存在位置との相対的な位置関係を、図16に示したレーダ画面Eba等を用いて表示部35に表示させる(ステップS43)。
【0175】
続いて、探索処理部308は、探索処理の終了が指示されたか否かを判定する(ステップS44)。ここで、探索処理の終了指示は、操作者による操作に限らず、検出時間の時間切れによる読み取り終了をも含む概念である。なお、探索処理部308は、探索処理を行う間は、検出時間を無制限に設定する構成としてもよい。
【0176】
探索処理の終了が指示されない場合(ステップS44;No)、探索処理部308は、ステップS42に処理を戻すことで、探索処理を継続する。また、探索処理の終了が指示された場合(ステップS44;Yes)、探索処理部308は、本処理を終了する。
【0177】
以上のように、本実施形態の情報処理装置20は、アルファベット及び数字の組み合わせで構成された管理番号の入力を受け付け、当該管理情報を構成する文字列をアスキーコードで変換することで2進数文字列を出力する。そして、情報処理装置20は、2進数文字列を含むタグデータを生成し、当該タグデータを無線タグTGに書き込む。
【0178】
これにより、物品Gの管理を行うユーザは、情報処理装置20で発行された無線タグTGを対応する物品Gに付した後、当該物品G付された無線タグTGを、無線タグリーダライタ装置10及び携帯端末30を用いて読み取ることで、管理番号に基づいた物品管理を直接行うことができる。
【0179】
このように、本実施形態の物品管理システム1によれば、物品管理に好適な無線タグを取り扱うことが可能な無線タグ書込装置及び無線タグリーダライタ装置を提供することができる。
【0180】
なお、上述した実施形態は、上述した各装置が有する構成又は機能の一部を変更することで、適宜に変形して実施することも可能である。そこで、以下では、上述した実施形態に係るいくつかの変形例を他の実施形態として説明する。なお、以下では、上述した実施形態と異なる点を主に説明することとし、既に説明した内容と共通する点については詳細な説明を省略する。また、以下で説明する変形例は、個別に実施されてもよいし、適宜組み合わせて実施されてもよい。
【0181】
(変形例1)
上述の実施形態では、情報処理装置20は、無線タグTGの書き込みを行うことで、無線タグTGを発行する構成を説明した。本変形例では、無線タグTGの発行時に、タグデータが表す情報を印字したラベルを発行する形態について説明する。なお、情報処理装置20には、図示しないラベルプリンタ等の印刷装置が接続されるものとする。
【0182】
具体的には、発行処理部205は、生成したタグデータを無線タグTGに書き込む際に、当該タグデータが表す内容をラベル等の用紙に印字させてもよい。ここで、発行処理部205は、タグデータが表す内容をバーコードや二次元コード等のコードシンボルに変換し、変換したコードシンボルを用紙に印字させる。印字された用紙は、例えば操作者によって、タグデータが書き込まれた無線タグTGとともに物品Gに付加される。
【0183】
これにより、操作者は、無線タグリーダライタ装置10を用いずとも、コードリーダ装置等により用紙に印刷されたコードシンボルを読み取ることで、物品Gの管理番号を把握することができる。
【0184】
(変形例2)
上述の実施形態では、無線タグリーダライタ装置10をハンディタイプの無線タグリーダライタ装置としたが、無線タグリーダライタ装置10はこの形態に限らないものとする。例えば、無線タグリーダライタ装置10を、ゲート型の無線タグリーダライタ装置に適用してもよい。この場合、無線タグリーダライタ装置10は、ゲートを通過する物品Gに電波を放射することで、無線タグTGの読み取りを行う。これにより、携帯端末30は、ゲート型の無線タグリーダライタ装置10で読み取られたタグデータに基づき、物品Gの管理を行うことができる。
【0185】
(変形例3)
上述の実施形態では、情報処理装置20がタグデータの生成及び書き込みを行う構成としたが、これに限らないものとする。例えば、携帯端末30が情報処理装置20の機能構成を備えることで、タグデータの生成及び書き込みを行う構成としてもよい。
【0186】
また、上述の実施形態では、携帯端末30が棚卸処理及び探索処理を行う構成としたが、これに限らないものとする。例えば、情報処理装置20が携帯端末30の機能構成を備えることで、棚卸処理及び探索処理を行う構成としてもよい。
【0187】
(変形例4)
上述の実施形態では、携帯端末30から無線タグリーダライタ装置10の動作に係る設定変更を行う構成を説明したが、無線タグリーダライタ装置10の設定を変更可能な装置は携帯端末30に限らないものとする。
【0188】
例えば、情報処理装置20を用いることで、無線タグリーダライタ装置10の書き込み動作に係る設定変更を行う構成としてもよい。また、情報処理装置20を用いて設定変更する場合も、上述した設定画面Cと同様、情報処理装置20の表示部25に設定変更を支援するためのGUIを表示させることが好ましい。なお、設定可能な内容は携帯端末30から行う場合と同様であってもよいし、無線タグTGの書き込みに特化したものを含んでもよい。
【0189】
なお、上述の実施形態の各装置で実行されるプログラムは、ROMや記憶部等に予め組み込まれた状態で提供される。上述の実施形態の各装置で実行されるプログラムは、インストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルでCD-ROM、フレキシブルディスク(FD)、CD-R、DVD(Digital Versatile Disk)等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録して提供するように構成してもよい。
【0190】
さらに、上述の実施形態の各装置で実行されるプログラムを、インターネット等のネットワークに接続されたコンピュータ上に格納し、ネットワーク経由でダウンロードさせることにより提供するように構成してもよい。また、上述の実施形態の各装置で実行されるプログラムをインターネット等のネットワーク経由で提供又は配布するように構成してもよい。
【0191】
以上、本発明の実施形態を説明したが、この実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これらの新規な実施形態やその変形例は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これらの実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0192】
1 物品管理システム
10 無線タグリーダライタ装置
20 情報処理装置
30 携帯端末
101 書込処理部
102 通信制御部
103 読取処理部
201 通信制御部
202 表示制御部
203 操作制御部
204 書込動作制御部
205 発行処理部
301 通信制御部
302 表示制御部
303 操作制御部
304 読取動作制御部
305 設定変更部
306 読取結果処理部
307 棚卸処理部
308 探索処理部
TB 物品管理テーブル
MS 物品管理マスタ
【先行技術文献】
【特許文献】
【0193】
【特許文献1】特開2022-148230号公報
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
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図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19