(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024140854
(43)【公開日】2024-10-10
(54)【発明の名称】老化細胞除去用組成物
(51)【国際特許分類】
A23L 33/105 20160101AFI20241003BHJP
A61P 43/00 20060101ALI20241003BHJP
A61K 36/752 20060101ALI20241003BHJP
A61K 31/19 20060101ALI20241003BHJP
A61K 36/13 20060101ALI20241003BHJP
A61K 31/122 20060101ALI20241003BHJP
A61K 36/61 20060101ALI20241003BHJP
A61K 36/48 20060101ALI20241003BHJP
A61K 36/232 20060101ALI20241003BHJP
A61K 36/07 20060101ALI20241003BHJP
A61K 36/28 20060101ALI20241003BHJP
A61K 36/32 20060101ALI20241003BHJP
A61K 36/185 20060101ALI20241003BHJP
A61K 36/38 20060101ALI20241003BHJP
A61K 36/9066 20060101ALI20241003BHJP
A61K 36/67 20060101ALI20241003BHJP
A61K 31/555 20060101ALI20241003BHJP
A61K 31/6615 20060101ALI20241003BHJP
A23L 33/10 20160101ALI20241003BHJP
A23L 33/115 20160101ALI20241003BHJP
A23K 10/30 20160101ALI20241003BHJP
A61K 36/63 20060101ALN20241003BHJP
A23L 2/52 20060101ALN20241003BHJP
A61K 131/00 20060101ALN20241003BHJP
A61K 127/00 20060101ALN20241003BHJP
A61K 125/00 20060101ALN20241003BHJP
【FI】
A23L33/105
A61P43/00 105
A61K36/752
A61K31/19
A61K36/13
A61K31/122
A61K36/61
A61K36/48
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A61K36/28
A61K36/32
A61K36/185
A61K36/38
A61K36/9066
A61K36/67
A61K31/555
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A23L33/10
A23L33/115
A23K10/30
A61K36/63
A23L2/52
A23L2/00 F
A61K131:00
A61K127:00
A61K125:00
【審査請求】未請求
【請求項の数】2
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023052200
(22)【出願日】2023-03-28
(71)【出願人】
【識別番号】593106918
【氏名又は名称】株式会社ファンケル
(74)【代理人】
【識別番号】100098110
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 みどり
(74)【代理人】
【識別番号】100090583
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 清
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 美里
【テーマコード(参考)】
2B150
4B018
4B117
4C086
4C088
4C206
【Fターム(参考)】
2B150AB20
2B150DD44
2B150DD57
4B018LB08
4B018MD48
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4C206MA01
4C206MA04
4C206MA72
4C206NA14
4C206ZB21
(57)【要約】
【課題】 老化細胞除去能を有する成分を有効成分として含有する老化細胞除去用組成物及び抗老化用組成物を提供する。
【解決手段】 柑橘抽出エキス、オレアノール酸、メリンジョ、コエンザイムQ10、グァバ、ルイボス茶、あした葉、ベニクスノキタケ、カッコウアザミ、ググル、黒ゴマ、マンゴスチン、タマフィリンナトリウム、オオバンガジュツ、フィチン酸、キャッツクロー及びホワイトペッパーからなる群から選択される1以上の成分を有効成分として含有する老化細胞除去用組成物及び抗老化用組成物。
【選択図】
図2A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
柑橘抽出エキス、オレアノール酸、メリンジョ、コエンザイムQ10、グァバ、ルイボス茶、あした葉、ベニクスノキタケ、カッコウアザミ、ググル、黒ゴマ、マンゴスチン、タマフィリンナトリウム、オオバンガジュツ、フィチン酸及びホワイトペッパーからなる群から選択される1以上の成分を有効成分として含有する老化細胞除去用組成物。
【請求項2】
柑橘抽出エキス、オレアノール酸、メリンジョ、コエンザイムQ10、グァバ、ルイボス茶、あした葉、ベニクスノキタケ、カッコウアザミ、ググル、黒ゴマ、マンゴスチン、タマフィリンナトリウム、オオバンガジュツ、フィチン酸、キャッツクロー及びホワイトペッパーからなる群から選択される1以上の成分を有効成分として含有する抗老化用組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は老化細胞除去用組成物に関する。さらに詳しく言うと、本発明は、老化細胞除去能を有する成分を有効成分として含有する老化細胞除去用組成物及び抗老化用組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
老化細胞はNature誌にゾンビ細胞として報告され、一躍話題になっている。細胞の老化は不可逆的な細胞増殖の停止であり、「プロエイジング」の主因といえる。
細胞は、加齢によって、ダメージを受ける機会が増える上、細胞の修復能力、クリアランス能力、リニューアル能力なども低下するため、老化細胞となる。体内に蓄積した老化細胞は炎症誘発物質を分泌して、隣接細胞や臓器の機能低下、ひいては幹細胞の疲弊をもたらす。
【0003】
そのため、近年、老化細胞に関する研究が盛んになっており、老化細胞除去能を有する素材が種々報告されている。例えば、ブドウ種子及びレスベラトロール(特許文献1)、茶(特許文献2)、グルコサミン(特許文献3)、ビタミンE(特許文献4)の他、ザクロやαリポ酸などが老化細胞を除去し得る物質として知られている。本出願人は、抗老化素材としてキンミズヒキの研究を進めている(特許文献5)。
このような状況下で、さらなる老化細胞を除去し得る物質に関する研究・開発が期待されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2015-91237号公報
【特許文献2】特表2012-523239号公報
【特許文献3】特表2022-505857号公報
【特許文献4】特表2022-541845号公報
【特許文献5】特開2022-6259号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、老化細胞を除去し得る物質を有効成分として含有する新規な老化細胞除去用組成物及び抗老化用組成物を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者らは、市場に流通する1400種以上の素材を用いて、老化細胞除去能について研究を行ったところ、柑橘抽出エキス、オレアノール酸、メリンジョ、コエンザイムQ10、グァバ、ルイボス茶、あした葉、ベニクスノキタケ、カッコウアザミ、ググル、黒ゴマ、マンゴスチン、タマフィリンナトリウム、オオバンガジュツ、フィチン酸、キャッツクロー及びホワイトペッパーが優れた老化細胞除去能を有することを見出し、本発明を完成させた。
【0007】
すなわち、本発明は、以下の老化細胞除去用組成物及び抗老化用組成物を提供するものである。
(1)柑橘抽出エキス、オレアノール酸、メリンジョ、コエンザイムQ10、グァバ、ルイボス茶、あした葉、ベニクスノキタケ、カッコウアザミ、ググル、黒ゴマ、マンゴスチン、タマフィリンナトリウム、オオバンガジュツ、フィチン酸、キャッツクロー及びホワイトペッパーからなる群から選択される1以上の成分を有効成分として含有する老化細胞除去用組成物。
(2)柑橘抽出エキス、オレアノール酸、メリンジョ、コエンザイムQ10、グァバ、ルイボス茶、あした葉、ベニクスノキタケ、カッコウアザミ、ググル、黒ゴマ、マンゴスチン、タマフィリンナトリウム、オオバンガジュツ、フィチン酸、キャッツクロー及びホワイトペッパーからなる群から選択される1以上の成分を有効成分として含有する抗老化用組成物。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】試験例1における老化細胞誘導試験の結果を示すグラフである。
【
図2A】試験例2における老化細胞除去能試験(表2Aの成分)の結果を示すグラフである。
【
図2B】試験例2における老化細胞除去能試験(表2Bの成分)の結果を示すグラフである。
【
図2C】試験例2における老化細胞除去能試験(表2Cの成分)の結果を示すグラフである。
【
図2D】試験例2における老化細胞除去能試験(表2Dの成分)の結果を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明について、例を挙げながら詳しく説明する。
本発明の老化細胞除去用組成物または抗老化用組成物(以下、「老化細胞除去用組成物等」)は、老化細胞除去能を有する成分として、柑橘抽出エキス、オレアノール酸、メリンジョ、コエンザイムQ10、グァバ、ルイボス茶、あした葉、ベニクスノキタケ、カッコウアザミ、ググル、黒ゴマ、マンゴスチン、タマフィリンナトリウム、オオバンガジュツ、フィチン酸、キャッツクロー及びホワイトペッパーからなる群から選ばれる1以上を有効成分として含有する。
これらの素材が有する老化細胞除去能については未だ報告がなく、上記したように、本発明者が1400種以上の素材について研究を重ねた結果初めて見出したものである。
【0010】
上記老化細胞除去能を有する素材は特に限定されないが、例えば、表1に示すような商業的に入手可能な製品を使用することができる。表1には、本明細書における有効成分の番号、一般名及び原料名を記載した。
【0011】
すなわち、柑橘抽出エキスとしては、例えば、柑橘抽出エキス粉末、シークワーサー果皮抽出物、シークワーサーエキス、シークワーサー果皮粉末を用いることができる。
オレアノール酸としては、例えば、オリーブ葉由来オレアノール酸を用いることができる。
メリンジョとしては、例えば、メリンジョエキス粉末を用いることができる。
グァバとしては、例えば、グァバ葉抽出エキス末、シジュウムグァバ乾燥エキスを用いることができる。
ルイボス茶としては、例えば、ルイボス茶乾燥エキスを用いることができる。
あした葉としては、例えば、明日葉ポリフェノールを用いることができる。
ベニクスノキタケとしては、例えば、ベニクスノキタケ菌糸体粉末を用いることができる。
カッコウアザミとしては、例えば、カッコウアザミ抽出粉末を用いることができる。
ググルとしては、例えば、ガムググル抽出物を用いることができる。
黒ゴマとしては、例えば、黒ゴマエキスパウダー、黒ゴマ抽出物を用いることができる。
マンゴスチンとしては、例えば、マンゴスチンエキスを用いることができる。
タマフィリンナトリウムとしては、例えば、銅クロロフィリンナトリウムを用いることができる。
オオバンガジュツとしては、例えば、オオバンガジュツ根抽出エキス粉末を用いることができる。
キャッツクローとしては、例えば、キャッツクローエキスパウダーを用いることができる。
ホワイトペッパーとしては、例えば、ホワイトペッパーパウダーを用いることができる。
これらの有効成分の中でも、特に、柑橘抽出エキス、黒ゴマ、メリンジョ、オレアノール酸、グァバ、コエンザイムQ10などは優れた老化細胞除去能を有しており、好ましい。
【0012】
本発明において、これらの素材は、老化細胞除去能を有する成分として、いずれか1種を用いてもよいが、2種以上を適宜組み合わせて用いてもよい。
【0013】
【0014】
本発明の老化細胞除去用組成物等における老化細胞除去能を有する成分の老化細胞に対する濃度は、0.1μg/mL~100μg/mLとすることが好ましく、0.25μg/mL~50μg/mLとすることがさらに好ましい。本発明において有効成分として使用する成分は、老化細胞に対する濃度が高くなるほど除去能が高くなり、濃度依存性がある(試験例2)
また、本発明において、老化細胞除去用組成物等中の各老化細胞除去能を有する成分の配合量は、特に限定されないが、0.1~95質量%とすることが好ましく、0.5~80質量%とすることがさらに好ましい。
なお、本発明の老化細胞除去用組成物等に含まれる老化細胞除去能を有する成分は、老化細胞除去能を有するその他の物質と組み合わせて用いてもよい。
【0015】
本発明の老化細胞除去用組成物等は、食品組成物、医薬組成物、飼料組成物として用いることができる。食品組成物としては特に限定されないが、健康食品、サプリメント、美容用食品、栄養補助食品、機能性食品、特定保健用食品などとして使用することができる。また、本発明の老細胞除去用組成物等は、老化細胞除去用成分以外の医薬成分を配合してもよい。
【0016】
本発明の老化細胞除去用組成物等は、老化細胞除去用、抗老化用として、老齢疾患の抑制、改善、治療のみならず予防用として用いることができる。そのため、本発明の老化細胞除去用組成物等の摂取及び投与対象者の年齢は問われず、高齢者のみならず、アンチエイジングを心掛けている幅広い年代層の摂取、投与に適している。
【0017】
本発明の老細胞除去用組成物等の形態、剤型は限定されず、カプセル、錠剤、粉剤、顆粒、ゼリー剤、ドリンク剤、液剤等いずれの形態、剤型としてもよい。
【0018】
本発明の老細胞除去用組成物等は、食品組成物、医薬組成物、飼料組成物の製造において通常使用される栄養成分、賦形剤、添加物などいかなる原料も適宜用いることができる。
【0019】
本発明の老細胞除去用組成物等に配合することができる栄養成分としては、ビタミン類、ミネラル類、タンパク質、脂質、糖質等を適宜用いることができ、その種類や配合量は限定されない。
本発明の老化細胞除去用組成物等に配合することができる賦形剤としては、例えば、水、精製水、アルコール、グリセリン、乳糖、デンプン、デキストリン、白糖、沈降シリカ、蜂蜜等を用いることができ、その種類や配合量は限定されない。
本発明の老細胞除去用組成物等に配合することができる添加物としては、例えば、乳化剤、凝固剤、軟化剤、pH調整剤、酵素、香料、光沢剤、苦味剤、調味料等を用いることができ、その種類や配合量は限定されない。
【0020】
本発明の老化細胞除去組成物等の1日当たりの摂取、投与量は、特に限定されず、有効成分の種類によっても異なるが、0.1mg~10gとすることが好ましく、10mg~5000mgとすることがさらに好ましい。
ただし、1日当たりの摂取、投与量は、対象者の症状、年齢、体重、性別などにより適宜変更することができる。
【0021】
なお、本発明の老細胞除去用組成物等の製造方法は、特に限定されず、慣用のいずれの方法で製造してもよい。
【実施例0022】
以下、試験例、実施例を挙げて本発明を詳しく説明する。試験例、実施例において、単に「%」と記載するものはすべて「質量%」を意味する。
【0023】
(試験例1)
本例では、老化細胞の作製を行った。
(1)ドキソルビシンを用いる老化細胞の作製
ドキソルビシンは、DNAに入り込み、その細胞の増殖を止めることが知られた物質である。本試験例では、ドキソルビシンを用いることによって、各種素材の老化細胞除去能が評価できる老化細胞を下記の方法により作製した。
【0024】
ヒト胎児肺由来線維芽細胞であるWI-38細胞を、5000cells/100μL/wellになるように96ウェルプレートに10%FBS含有MEM培地を用いて播種した。その後24時間培養し、ドキソルビシンを最終濃度が62.5μMとなるように添加してさらに24時間培養した。次いで、培地を除去し、新たに10%FBS含有MEM培地を100μL/well添加し、48時間培養することにより、不可逆的に細胞増殖を停止した老化細胞を作製した。
得られた老化細胞を用いて、流通原料1400種の老化細胞除去能を評価するために、上記培地を除去した後、各原料の最終濃度が12.5μg/mL、25μg/mL、50μg/mLの10%FBS含有MEM培地を100μL/well添加し、72時間培養した。培養は全て37℃、5%CO2に設定したインキュベーターを用いて培養した。
【0025】
(2)老化細胞の染色
老化細胞を定量するために、老化細胞マーカーの1つである老化関連βガラクトシダーゼ(SA-βGal)を下記の方法により染色した。
96ウェルプレートを用いて培養した細胞の培地を除去し、PBS 100μL/wellを添加して洗浄した。さらにグルタルアルデヒドを40μL/well添加して、15分間室温に静置して、細胞を固定した。その後、PBS 100μL/wellを用いて2回細胞を洗浄した。次にSA-βGal染色試薬SPiDER-βGal(同仁化学研究所社製)をMacllvaine bufferを用いて10μMに調製し、40μL/well添加して室温で60分間静置し、SA-βGalを染色した後、PBS 100μL/wellを添加して洗浄した。また、併せて細胞の核を染色するために、核染色試薬PureBlu DAPI Nuclear Staining Dye(BioRad社製)を製品プロトコールに従って調製し、40μL/well添加して室温で15分間静置した。その後、PBS 100μL/wellを添加して洗浄し、PBS 100μL/wellを添加した。
【0026】
(3)蛍光顕微鏡によるSA-βGalと核の検出
染色したSA-βGalと核は、オールインワン蛍光顕微鏡BZ-X810(キーエンス社製)を用いて検出した。フィルターは下記のものを使用した。検出したシグナルから、well毎のSA-βGal由来の蛍光輝度をSA-βGal量とし、核はその数を計測した。このSA-βGal量を核の数で割ることにより、1well当たりの老化細胞量とした。
Filter:(wavelength/band pass)
TexasRed(SA-βGal):560/40nm(Ex)、630/75nm(Em)
DAPI(核):360/40nm(Ex)、460/50nm(Em)
その結果、
図1に示すように、ドキソルビシンを添加しなかった老化細胞の量を1(対照)とすると、ドキソルビシンを添加した老化細胞の量は2.2728となった。
このように、本試験例によって、ドキソルビシンによる老化細胞誘導が確認できた。
【0027】
(試験例2)
本例では、試験例1で得られた老化細胞を用いて、老化細胞除去能を有する素材のスクリーニングを行った。
すなわち、試験例1で得られた老化細胞に対して、1400種以上の流通原料を添加してスクリーニングを行ったところ、上記表1に示す成分が優れた老化細胞除去能を有することを確認することができた。
【0028】
さらに、これら各成分について、細胞への添加濃度を12.5μg/mL、25μg/mL及び50μg/mLとしてそれぞれ評価した。
結果を表2A~表2D及び
図2A~
図2Dに示す(表2D及び
図2Dは、50μg/mL添加の結果を示す)。
表2A~表2D及び
図2A~
図2Dにおける成分の番号は、上記表1中の成分の番号に対応する。
また、
図2A~C中の「a」は成分の老化細胞への添加濃度を12.5μg/mLとした場合、「b」は25μg/mLとした場合、「c」は50μg/mLとした場合の結果を示す。
図2Dにおける老化細胞の添加濃度は50μg/mLである。
【0029】
【0030】
【0031】
【0032】
【0033】
表2A~D及び
図2A~
図2Dに示される結果から、成分1~24を用いると、何も添加しなかった対照と比べて老化細胞量が著しく減少した。すなわち、成分1~24は、優れた老化細胞除去能を有することが分かった。また、これらの成分の中でも、(1)、(3)、(4)、(9)及び(12)の柑橘抽出エキス(シークワーサーを含む)、(5)黒ゴマエキス、(10)メリンジョエキス、(15)オリーブ葉由来オレアノール酸、(2)グァバ、(17)コエンザイムQ10などは、特に優れた老化細胞除去能を有することが分かった。
また、各成分の濃度が高くなるほど老化細胞除去能が高くなり、濃度依存的であることも判明した。
【0034】
(処方例)
以下、本発明の老化細胞除去用組成物の処方例を示す。
【0035】
・処方例1
[カプセル剤]
(組成)
試験例2に記載の1~24の1種(乾固物)・・・100mg
ミツロウ ・・・・10mg
ぶどう種子オイル ・・・110mg
上記成分を混合し、ゼラチンおよびグリセリンを混合したカプセル基剤中に充填し、常法により軟カプセル24種を調製した。
【0036】
・処方例2
[錠剤]
(組成)
試験例2に記載の1~24の1種(乾固物)・・・150mg
セルロース ・・・・80mg
デンプン ・・・・20mg
ショ糖脂肪酸エステル ・・・・・2mg
上記成分を混合、打錠し、常法により錠剤24種を調製した。
【0037】
・処方例3
[飲料]
(組成) (配合;質量%)
試験例2に記載の1~24の1種(乾固物) ・・・1.00
果糖ブトウ糖液糖 ・・・5.00
クエン酸 ・・・10.40
L-アスコルビン酸 ・・・0.20
香料 ・・・0.02
色素 ・・・0.10
水 ・・・82.28
上記成分を用いて、常法により飲料24種を調製した。