(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024140868
(43)【公開日】2024-10-10
(54)【発明の名称】照明器具
(51)【国際特許分類】
F21S 9/02 20060101AFI20241003BHJP
F21S 2/00 20160101ALI20241003BHJP
F21S 8/00 20060101ALI20241003BHJP
F21V 23/00 20150101ALI20241003BHJP
F21V 29/15 20150101ALI20241003BHJP
F21V 29/503 20150101ALI20241003BHJP
F21Y 115/10 20160101ALN20241003BHJP
F21Y 103/10 20160101ALN20241003BHJP
【FI】
F21S9/02 110
F21S2/00 230
F21S8/00 100
F21V23/00 120
F21V29/15 100
F21V29/503 100
F21Y115:10
F21Y103:10
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023052220
(22)【出願日】2023-03-28
(71)【出願人】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002527
【氏名又は名称】弁理士法人北斗特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】小石川 雄介
(72)【発明者】
【氏名】田村 晶俊
【テーマコード(参考)】
3K014
【Fターム(参考)】
3K014AA01
(57)【要約】
【課題】電池の温度上昇を抑えることができる照明器具を提供する。
【解決手段】照明器具1は、前方に向けて開口した収容凹部24を有する箱型の器具本体2と、収容凹部24を前方から塞ぐように器具本体2に取り付けられる支持部材30と、支持部材30に支持され、外部電源から供給される電力によって点灯する光源部31と、光源部31の後方に位置するように、収容凹部24に配される電池6と、器具本体2に取り付けられ、停電時に電池6から供給される電力によって点灯する非常用光源部40と、光源部31と電池6との間に位置する遮熱部材9と、を備える。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
前方に向けて開口した収容凹部を有する箱型の器具本体と、
前記収容凹部を前方から塞ぐように前記器具本体に取り付けられる支持部材と、
前記支持部材に支持され、外部電源から供給される電力によって点灯する光源部と、
前記光源部の後方に位置するように、前記収容凹部に配される電池と、
前記器具本体に取り付けられ、停電時に前記電池から供給される電力によって点灯する非常用光源部と、
前記光源部と前記電池との間に位置する遮熱部材と、を備える、
照明器具。
【請求項2】
前記遮熱部材は、
前記光源部と前記電池との間に位置する板状の本体部を有する、
請求項1に記載の照明器具。
【請求項3】
前記光源部は、一列に並んだ複数の発光素子を有し、
前記本体部は、前記複数の発光素子よりも幅広である、
請求項2に記載の照明器具。
【請求項4】
前記本体部は、前記光源部から前後方向に離れて位置する、
請求項2又は3に記載の照明器具。
【請求項5】
前記本体部は、前記電池から前後方向に離れて位置する、
請求項2又は3に記載の照明器具。
【請求項6】
前記遮熱部材は、前記支持部材よりも熱伝導率が高い、
請求項1から3のいずれか一項に記載の照明器具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、照明器具に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、器具本体と、器具本体の前面側に配設される主光源及び非常用光源と、器具本体の内部に配設されるバッテリと、を備える照明器具が記載されている。
【0003】
主光源は、器具本体の長手方向に並んだ複数の発光素子を有し、外部電源からの電力によって点灯する。非常用光源は、外部電源の停電時に、バッテリからの電力によって点灯する。バッテリは、主光源の後側に配置されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、特許文献1に記載の照明器具では、複数の発光素子から放射される熱によって、バッテリ(つまり電池)が温度上昇して、電池の性能が確保できなくなるおそれがある。
【0006】
上記事情に鑑みて、本開示は、電池の温度上昇を抑えることができる照明器具を提供することを、課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示に係る一態様の照明器具は、前方に向けて開口した収容凹部を有する箱型の器具本体と、前記収容凹部を前方から塞ぐように前記器具本体に取り付けられる支持部材と、を備える。一態様の照明器具は更に、前記支持部材に支持され、外部電源から供給される電力によって点灯する光源部と、前記光源部の後方に位置するように、前記収容凹部に配される電池と、を備える。一態様の照明器具は更に、前記器具本体に取り付けられ、停電時に前記電池から供給される電力によって点灯する非常用光源部と、前記光源部と前記電池との間に位置する遮熱部材と、を備える。
【発明の効果】
【0008】
本開示に係る一態様の照明器具は、電池の温度上昇を抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】
図1は、本開示に係る一実施形態の照明器具を示す斜視図である。
【
図2】
図2は、同上の照明器具を示す分解斜視図である。
【
図3】
図3は、同上の照明器具の要部を示す分解斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本開示に係る実施形態の照明器具について、図面を参照して詳細に説明する。以下で説明する各構成は本開示の一例にすぎない。本開示は、以下の実施形態に限定されず、本開示に係る技術的思想を逸脱しない範囲であれば、設計等に応じて種々の変更が可能である。
【0011】
(一実施形態)
1.概要
図1から
図5に示すように、本開示に係る一実施形態の照明器具1は、前方に向けて開口した収容凹部24を有する箱型の器具本体2と、収容凹部24を前方から塞ぐように器具本体2に取り付けられる支持部材30と、を備える。一実施形態の照明器具1は更に、支持部材30に支持され、外部電源から供給される電力によって点灯する光源部31と、光源部31の後方に位置するように、収容凹部24に配される電池6と、を備える。一実施形態の照明器具1は更に、器具本体2に取り付けられ、停電時に電池6から供給される電力によって点灯する非常用光源部40と、光源部31と電池6との間に位置する遮熱部材9と、を備える。
【0012】
上記構成を備える一実施形態の照明器具1では、光源部31からの放射熱が電池6に伝わることを、遮熱部材9によって抑制することができ、電池6の温度上昇を抑えて、電池6の性能を確保することができる。その結果、一実施形態の照明器具1では、照明器具1の長寿命化と高性能化を図ることができるうえ、電池6から非常用光源部40への電力供給を安定的に行える。
【0013】
2.詳細
続いて、
図1から
図5に示す一実施形態の照明器具1について更に詳しく説明する。照明器具1は、本実施形態では、建物の避難経路となる階段の踊り場の壁面100に設置される照明器具(いわゆる階段通路誘導灯)である。
【0014】
照明器具1は、一方向に延びた長尺な照明器具である。以下の説明では、
図1に示す照明器具1を壁面100に設置した状態を基準として、照明器具1の上下、左右及び前後の各方向を規定する。すなわち、壁面100に対して照明器具1が位置する方向を前方とし、壁面100に沿った方向のうち、照明器具1の長手方向を左右方向とし、照明器具1の短手方向を上下方向とする。
【0015】
図1に示すように、照明器具1は、左右方向に延びた器具本体2と、左右方向に延びた光源ユニット3と、光源ユニット3の左右に並ぶ非常用光源ユニット4と、人検知ユニット5と、を備える。
図2に示すように、照明器具1は更に、電池6と、非常用電源ユニット7とを備える。
【0016】
2-1.器具本体
図1及び
図2に示すように、器具本体2は、左右方向に延びた長尺な底壁部20と、底壁部20の幅方向の両端部(つまり上下の端部)から立ち上がった一対の立ち上がり壁部21と、一対のカバー壁部22と、一対の側壁部23と、を有する。一対のカバー壁部22は、一対の立ち上がり壁部21の先端部(前端部)から一対の立ち上がり壁部21に対向するように上下方向外側に延びている。
【0017】
器具本体2は、底壁部20及び一対の立ち上がり壁部21で囲まれて器具本体2の表側(前方)に向けて開口した収容凹部24を有する。器具本体2は、一対の立ち上がり壁部21及び一対のカバー壁部22で囲まれて器具本体2の裏側(後方)に向けて開口した収容凹部25を更に有する。収容凹部24には、光源ユニット3と非常用光源ユニット4が収容され、収容凹部25には、電源線8が収容される。電源線8は、外部電源(例えば商用電源)からの給電用の給電線である。
【0018】
底壁部20は、左右方向に長尺の矩形平板状である。底壁部20の長手方向と、照明器具1の長手方向とは、同一の方向である。一対の立ち上がり壁部21のそれぞれは、左右方向に長尺の矩形平板状である。一対のカバー壁部22は、左右方向に長尺の矩形平板を折り曲げた形状である。底壁部20と一対の立ち上がり壁部21と一対のカバー壁部22は、左右方向の長さが互いに同じである。底壁部20と一対の立ち上がり壁部21と一対のカバー壁部22は、例えば、1枚の金属板を曲げ加工して一体に形成される。一対の側壁部23は、本実施形態では、底壁部20、一対の立ち上がり壁部21、及び一対のカバー壁部22とは、別の金属板を曲げ加工して形成されている。
【0019】
図2に示すように、底壁部20は、複数(図示例では4つ)の長孔状の固定孔26と、数(図示例では2つ)の丸孔状の導入孔27とを有している。複数の固定孔26のそれぞれには、コンクリート壁等からなる壁面100に埋設されているアンカーボルト(図示せず)が挿通可能である。アンカーボルトにナットが締め付けられることによって、器具本体2が壁面100に固定される。複数の導入孔27のそれぞれには、電源線8が挿通可能である。
【0020】
底壁部20の前面における導入孔27の近傍には、複数(図示例では3つ)の端子台10が取り付けられている。複数の端子台10には、電源線8や、建物に設置されている自動火災報知設備から火災信号を受信するための信号線などが電気的に接続される。
【0021】
一対の立ち上がり壁部21のそれぞれの長手方向の中央部には、電源線8が挿通可能な複数(詳しくは2つ)の挿通孔210が設けられている。電源線8は、導入孔27又は挿通孔210を通じて収容凹部24内に導入される。
【0022】
一対の側壁部23は、底壁部20、一対の立ち上がり壁部21、及び一対のカバー壁部22の長手方向の両端に取り付けられている。一対の側壁部23は、収容凹部24と一対の収容凹部25のそれぞれの長手方向の両端を閉塞している。
【0023】
一対の側壁部23のそれぞれには、電源線8を挿通可能な少なくとも1つ(本実施形態では3つ)の電線導入部230が設けられている。電線導入部230は、側壁部23に切欠きが生じるように、取外し可能なノックアウト部である。
【0024】
図2及び
図5に示すように、底壁部20の長手方向の一端部(詳しくは左端部)には、電池6が着脱可能に取り付けられる電池取付部28が設けられている。電池取付部28は、底壁部20のうち、光源ユニット3と非常用光源ユニット4の両方によって覆われる位置に配置されている。
【0025】
電池取付部28は、弾性変形可能な一対の挟持片280を有する。一対の挟持片280によって電池6を挟むことで、電池6は底壁部20に着脱可能に取り付けられる。電池6は、ニッケル水素電池などの充電可能な二次電池である。
【0026】
底壁部20の長手方向の他端部(詳しくは右端部)には、非常用電源ユニット7が固定されている。非常用電源ユニット7は、電源線8から給電される電力によって電池6を充電する充電回路と、電源線8からの給電が停止したときに電池6から非常用光源部40に電力を供給する点灯回路とを有する。
【0027】
2-2.光源ユニット
図1及び
図2に示す光源ユニット3は、電源線8からの電力(つまり外部電源からの電力)によって点灯する常用の点灯装置である。本実施形態では、光源ユニット3は、左右方向に長尺である。光源ユニット3は、収容凹部24の長手方向の両端部を除いた残りの部分に、収容される。
【0028】
光源ユニット3は、支持部材30と、支持部材30の前面に取り付けられ、外部電源から供給される電力によって点灯する常用の光源部31と、光源部31を覆うカバー32と、光源部31の点灯を制御する制御ユニット33と、を有する。
【0029】
支持部材30は、鋼などの金属製である。支持部材30は、例えば、1枚の鋼板を曲げ加工して形成される。
図3に示すように、支持部材30は、左右方向に長尺な矩形の平板状の本体部300と、本体部300の幅方向の一端(詳しくは上端)から後方に延びた固定部301と、本体部300の幅方向の他端(詳しくは下端)から後方に延びた係止部302と、を有する。固定部301は、矩形の平板状であり、係止部302は、カール形状である。本体部300の前面に、光源部31が取り付けられている。
【0030】
光源部31は、左右方向に延びた基板310と、基板310に実装され、一列に並んだ複数の発光素子311と、を有する。複数の発光素子311のそれぞれは、本実施形態では、LED(発光ダイオード)であり、光源部31は、LEDモジュールである。制御ユニット33は、人検知ユニット5の検知結果に応じてLEDモジュールを制御する。制御ユニット33は、支持部材30の裏面に取り付けられている。なお、発光素子311は、LEDに限定されない。
【0031】
カバー32は、左右方向に延び、透光性を有し、光源部31を表側から覆うカバー本体320と、カバー本体320の左右方向の端部に設けられる非透光性の一対のカバーエンド321と、を含む。
【0032】
カバー本体320は、透光性を有する合成樹脂(例えば、アクリル樹脂やポリカーボネート樹脂等)により、長手方向(左右方向)の両端と後側が開放された半角筒状に形成されている。
【0033】
カバー本体320は、支持部材30の固定部301にねじ等の固定具11によって固定されるカバー固定部322と、支持部材30の係止部302に引っ掛けられるカバー係止部323と、を有する。
【0034】
一対のカバーエンド321はそれぞれ、矩形板状に形成されている。一対のカバーエンド321は、カバー本体320の左右端に取り付けられてカバー本体320の左右端の開口を塞いでいる。一対のカバーエンド321のそれぞれは、本実施形態では、金属板で形成されている。金属板の表面には、カバー本体320と同系色の塗料が塗布されている。
【0035】
光源ユニット3を収容凹部24に設置した状態において、カバー32は、収容凹部24よりも表側(前側)に位置し、器具本体2の一対のカバー壁部22よりも表側(前側)に位置する。
【0036】
2-3.非常用光源ユニット
図1及び
図2に示す一対の非常用光源ユニット4のそれぞれは、停電時に電池6からの電力によって点灯する非常用の点灯装置である。非常用光源ユニット4は、収容凹部24の長手方向の両端部(つまり左右の端部)に一つずつ収容される。
【0037】
各非常用光源ユニット4は、非常用光源部40と、ユニットカバー41とを備える。一対の非常用光源ユニット4のうちの一方(詳しくは右側の非常用光源ユニット4)には、一対の非常用光源ユニット4の動作を点検するための点検部42が設けられている。点検部42は、押釦スイッチからなる2つの点検スイッチと、ランプと、赤外線を媒体とするワイヤレス信号を受信する受光素子と、を有する。
【0038】
図5に示すように、非常用光源部40は、1つのLED(発光ダイオード)400と、LED400を覆うレンズ401とを有する。LED400は、例えば、COB(チップ・オン・ボード)型の白色発光ダイオードである。レンズ401は、例えば、ガラス製であって、略半球状である。
【0039】
ユニットカバー41は、板金製である。ユニットカバー41は、例えば、1枚の金属板を折り曲げて形成される。ユニットカバー41の中央部には、レンズ401が通る貫通孔410が設けられている。
【0040】
非常用光源ユニット4は、ユニットカバー41の一部を器具本体2の一対の立ち上がり壁部21に引っ掛けることで、収容凹部24に取り付けられる。
【0041】
2-4.遮熱部材
図3、
図4及び
図5に示す遮熱部材9は、光源部31と電池6との間に位置する。遮熱部材9は、光源部31からの放射熱が電池6に直接伝わることを抑制するための部材である。本実施形態では、遮熱部材9は、支持部材30よりも熱伝導率が高い。遮熱部材9は、例えば、アルミニウム製である。
【0042】
遮熱部材9は、光源部31と電池6との間に位置する板状の本体部90を有する。遮熱部材9は更に、本体部90から延び、支持部材30に取り付けられる取付部91を有する。
【0043】
図3に示すように、本体部90は、略矩形の板状である。本体部90の右上の角部分には、カバー32を支持部材30に固定する固定具11との接触を避けるための切欠き900が設けられている。切欠き900は、電池6に対して左右方向にずれて位置しており、電池6に対して前後方向に重ならない位置に配置されている。
【0044】
取付部91は、本体部90の上端から前側に突出した第一取付片91aと、本体部90の下端から前側に突出した第二取付片91bと、を有する。本体部90に対して取付片91a,91bのそれぞれは、直角に連続している。
【0045】
第一取付片91aは、矩形の平板状である。第一取付片91aは、本体部90の上端のうち、切欠き900よりも左右方向外側の部分から突出している。第一取付片91aの一部には、遮熱部材9を支持部材30に固定するねじ等の固定具12が固定されるねじ孔910が設けられている。固定具12は、カバー32を支持部材30に固定する固定具を兼ねている。
【0046】
第二取付片91bは、支持部材30に引っ掛かって取り付けられる部分であり、本実施形態では、側面視L字状に設けられている。第二取付片91bは、本体部90の下端から前側に突出した矩形の平板状の第一部分911と、第一部分911の先端(前端)から下方に延びた矩形の平板状の第二部分912と、を有する。
【0047】
遮熱部材9は、支持部材30の係止部302に第二取付片91bの第二部分912を引っ掛け、支持部材30の固定部301に第一取付片91aを固定具12で固定することで、支持部材30に取り付けられる。遮熱部材9は、支持部材30のうち、前方から見て、電池6と重なる位置に取り付けられている。遮熱部材9は、支持部材30の長手方向の一端部(詳しくは左端部)に取り付けられている。
【0048】
図4及び
図5に示すように、遮熱部材9を支持部材30に取り付けた状態で、遮熱部材9の本体部90は、支持部材30の本体部300から前後方向に離れて位置する。遮熱部材9の本体部90と支持部材30の本体部300との間には、空間が形成される。
【0049】
図4に示すように、本体部90は、複数の発光素子311よりも幅広である。詳しくは、上下方向において、本体部90は、複数の発光素子311よりも幅広であり、基板310よりも幅広である。
【0050】
遮熱部材9は支持部材30に取り付けられているため、支持部材30を器具本体2に着脱する際に、支持部材30と一体に動く。
【0051】
図5に示すように、支持部材30を器具本体2に取り付けた状態において、遮熱部材9の本体部90は、電池6から前後方向に離れて位置する。本実施形態では、遮熱部材9の本体部90は、光源部31及び電池6のそれぞれに対して、沿うように(より詳しくは平行に)配置されている。
【0052】
2-5.その他
図1及び
図2に示す人検知ユニット5は、人(移動体)を検知したときに人検知信号を、光源ユニット3の制御ユニット33に出力するように構成される。人検知ユニット5は、例えば、電波センサである。人検知ユニット5は、下側の立ち上がり壁部21と下側のカバー壁部22の長手方向の中央部に取り付けられている。
【0053】
3.作用効果
以上説明した本実施形態の照明器具1では、通常時は、外部電源からの電力によって、光源ユニット3の光源部31の複数の発光素子311が点灯する。
【0054】
点灯する複数の発光素子311からの放射熱は、遮熱部材9の本体部90に伝わった後、本体部90から電池6に伝わる。このとき、本実施形態の遮熱部材9は、熱伝導性が高いため、本体部90に伝わった放射熱は、本体部90の全体に拡がって均一化され、全体に熱が拡がった本体部90からの放射熱が、電池6に伝わる。
【0055】
このように、本実施形態の照明器具1では、複数の発光素子311からの放射熱を、遮熱部材9の本体部90で一度吸収して本体部90の全体に拡げたうえで、本体部90から電池6へと伝えることができる。
【0056】
そのため、本実施形態の照明器具1では、複数の発光素子311からの放射熱が、電池6に直接伝わって、電池が温度上昇することを防ぐことができる。
【0057】
したがって、本実施形態の照明器具1では、電池6が温度上昇することで電池6の性能が確保できなくなることを防ぐことができて、照明器具1の長寿命化及び高性能化を図ることができる。また、本実施形態の照明器具1では、電池6から非常用光源部40への電力供給を安定的に行えるため、非常用光源として求められる基準を満たしやすい。
【0058】
また、本実施形態の照明器具1では、複数の発光素子311よりも遮熱部材9の本体部90が幅広である(上下方向に長い)ため、複数の発光素子311からの放射熱を、本体部90において上下方向に広げやすい。
【0059】
また、本実施形態の照明器具1では、複数の発光素子311から本体部90が前後方向に離れて位置するため、複数の発光素子311からの放射熱が、本体部90に伝わった時点で、上下方向にある程度拡がっており、本体部90が局所的に温度上昇しにくい。
【0060】
また、本実施形態の照明器具1では、本体部90から電池6が前後方向に離れて位置するため、本体部90からの放射熱が、電池6に伝わるまでに多少拡がるため、電池6が温度上昇することを更に抑制しやすい。
【0061】
また、本実施形態の照明器具1では、遮熱部材9は支持部材30よりも熱伝導性が高いため、遮熱部材9の本体部90に伝わった熱が本体部90の全体に拡がりやすい。
【0062】
また、本実施形態の照明器具1では、遮熱部材9の本体部90が取付部91を介して支持部材30につながっているため、本体部90の熱の一部は、支持部材30や器具本体2を介して、放熱しやすい。
【0063】
また、本実施形態の照明器具1では、遮熱部材9が支持部材30に取り付けられているため、光源ユニット3を器具本体2から取り外した際に、遮熱部材9が器具本体2側に残らず、電池6の交換が行いやすい。
【0064】
また、本実施形態の照明器具1では、支持部材30のうち、電池6に対向する部分にのみ、遮熱部材9が取り付けられているため、遮熱部材9の製造コストが抑えられるうえ、遮熱部材9を取り付けた光源ユニット3の重量の増加を抑制できる。
【0065】
また、本実施形態の照明器具1では、光源部31と電池6との間に遮熱部材9を設けることで、光源部31と電池6との距離を短くできるため、器具本体2の前後方向のコンパクト化や、電池6の容量の増加を行ないやすい。
【0066】
また、本実施形態の照明器具1では、光源部31の後方に電池6を配置できるため、照明器具1の長手方向におけるコンパクト化が図れ、また、収容凹部24のうち、非常用光源ユニット4の後方の空間を有効に活用できる。
【0067】
(変形例)
続いて、上述した一実施形態の照明器具1の変形例について説明する。なお、以下に示す各変形例は、適宜組み合わせ可能である。
【0068】
照明器具1は、建物の避難経路となる階段の踊り場の壁面100に設置される照明器具(いわゆる階段通路誘導灯)に限らず、その他の壁面や天井に設置される照明器具であってもよい。照明器具1が天井に設置される場合、器具本体2の収容凹部24が開口する前方は、下方と読み替えできる。
【0069】
照明器具1は、器具本体2と、支持部材30と、光源部31と、電池6と、非常用光源部40と、遮熱部材9と、を備えるものであればよく、
図1、
図2等に示す構造に限定されない。
【0070】
例えば、器具本体2は、一対のカバー壁部22を有さない半角筒状のものであってもよい。また、器具本体2は、左右方向に長尺なものに限定されない。
【0071】
光源部31は、一列に並んだ複数の発光素子311を有するものに限らず、例えば、発光素子311を1つのみ有するものであってもよい。
【0072】
遮熱部材9は、光源部31からの放射熱が電池6に直接伝わることを防ぐことが可能な材料で形成されたものであればよく、支持部材30よりも熱伝導性の高い材料で形成されなくてもよい。遮熱部材9は、例えば、熱を通さない断熱材で形成されてもよい。
【0073】
遮熱部材9は、光源部31からの放射熱が電池6に直接伝わることを防ぐことが可能な構造であればよく、光源部31と電池6との間に位置する板状の本体部90を有さなくてもよい。
【0074】
また、遮熱部材9は、光源部31と電池6との間に位置すればよく、支持部材30の後面に接するように設けてもよいし、電池6に接するように設けてもよいし、支持部材30の後面と電池6のそれぞれに接するように設けてもよい。
【0075】
また、遮熱部材9は、支持部材30ではなく、器具本体2に取り付けてもよい。
【0076】
(まとめ)
以上説明した一実施形態及びその変形例のように、第一態様の照明器具(1)は、下記の構成を備える。
【0077】
すなわち、第一態様の照明器具(1)は、前方に向けて開口した収容凹部(24)を有する箱型の器具本体(2)と、収容凹部(24)を前方から塞ぐように器具本体(2)に取り付けられる支持部材(30)と、を備える。第一態様の照明器具(1)は更に、支持部材(30)に支持され、外部電源から供給される電力によって点灯する光源部(31)と、光源部(31)の後方に位置するように、収容凹部(24)に配される電池(6)と、を備える。第一態様の照明器具(1)は更に、停電時に電池(6)から供給される電力によって点灯する非常用光源部(40)と、光源部(31)と電池(6)との間に位置する遮熱部材(9)と、を備える。
【0078】
上記構成を備える第一態様の照明器具(1)では、光源部(31)からの放射熱が電池(6)に伝わることを、遮熱部材(9)によって抑制することができる。そのため、第一態様の照明器具(1)では、電池(6)の温度上昇を抑えることができて、電池(6)の性能を確保することができる。その結果、第一態様の照明器具(1)では、照明器具(1)の長寿命化と高性能化を図ることができるうえ、電池(6)から非常用光源部(40)への電力供給を安定的に行える。
【0079】
また、上述した一実施形態及びその変形例のように、第二態様の照明器具(1)は、第一態様の構成に加えて、下記の構成を付加的に備える。
【0080】
すなわち、第二態様の照明器具(1)では、遮熱部材(9)は、光源部(31)と電池(6)との間に位置する板状の本体部(90)を有する。
【0081】
上記構成を備える第二態様の照明器具(1)では、光源部(31)からの放射熱を、板状の本体部(90)で受けることで、本体部(90)の全体に均一的に熱が拡がりやすくて、電池(6)の局所的な温度上昇を抑えやすい。
【0082】
また、上述した一実施形態及びその変形例のように、第三態様の照明器具(1)は、第二態様の構成に加えて、下記の構成を付加的に備える。
【0083】
すなわち、第三態様の照明器具(1)では、光源部(31)は、一列に並んだ複数の発光素子(311)を有する。本体部(90)は、複数の発光素子(311)よりも幅広である。
【0084】
上記構成を備える第三態様の照明器具(1)では、一列に並んだ複数の発光素子(311)からの放射熱が、複数の発光素子(311)よりも幅広の本体部(90)において幅方向に拡がりやすい。そのため、第三態様の照明器具(1)では、本体部(90)からの放射熱によって、電池(6)が局所的に温度上昇することを抑えやすい。
【0085】
また、上述した一実施形態及びその変形例のように、第四態様の照明器具(1)は、第二又は第三態様の構成に加えて、下記の構成を付加的に備える。
【0086】
すなわち、第四態様の照明器具(1)では、本体部(90)は、光源部(31)から前後方向に離れて位置する。
【0087】
上記構成を備える第四態様の照明器具(1)では、光源部(31)からの放射熱が多少拡がった状態で本体部(90)に伝わるため、本体部(90)の局所的な温度上昇を抑えやすい。
【0088】
また、上述した一実施形態及びその変形例のように、第五態様の照明器具(1)は、第二から第四のいずれか一つの態様の構成に加えて、下記の構成を付加的に備える。
【0089】
すなわち、第五態様の照明器具(1)では、本体部(90)は、電池(6)から前後方向に離れて位置する。
【0090】
上記構成を備える第五態様の照明器具(1)では、本体部(90)からの放射熱が多少拡がった状態で電池(6)に伝わるため、電池(6)の局所的な温度上昇を抑えやすい。
【0091】
また、上述した一実施形態及びその変形例のように、第六態様の照明器具(1)は、第一から第五のいずれか一つの態様の構成に加えて、下記の構成を付加的に備える。
【0092】
すなわち、第六態様の照明器具(1)では、遮熱部材(9)は、支持部材(30)よりも熱伝導率が高い。
【0093】
上記構成を備える第六態様の照明器具(1)では、光源部(31)からの放射熱が、遮熱部材(9)へと伝わった後、遮熱部材(9)において全体的に広がりやすく、遮熱部材(9)からの放射熱によって、電池(6)が局所的に温度上昇しにくい。
【符号の説明】
【0094】
1 照明器具
2 器具本体
24 収容凹部
30 支持部材
31 光源部
311 発光素子
40 非常用光源部
6 電池
9 遮熱部材
90 本体部