(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024140882
(43)【公開日】2024-10-10
(54)【発明の名称】動力装置
(51)【国際特許分類】
F02B 43/04 20060101AFI20241003BHJP
F02B 23/00 20060101ALI20241003BHJP
F02F 3/26 20060101ALI20241003BHJP
F01N 3/24 20060101ALI20241003BHJP
F01N 3/08 20060101ALI20241003BHJP
F02M 25/00 20060101ALI20241003BHJP
F02D 19/08 20060101ALI20241003BHJP
【FI】
F02B43/04
F02B23/00 J
F02B23/00 T
F02F3/26 C
F01N3/24 U
F01N3/08 B
F01N3/24 B
F02M25/00 S
F02M25/00 L
F02D19/08 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023052242
(22)【出願日】2023-03-28
(71)【出願人】
【識別番号】000003609
【氏名又は名称】株式会社豊田中央研究所
(71)【出願人】
【識別番号】000003218
【氏名又は名称】株式会社豊田自動織機
(74)【代理人】
【識別番号】110001210
【氏名又は名称】弁理士法人YKI国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】稲垣 和久
(72)【発明者】
【氏名】堀田 義博
【テーマコード(参考)】
3G023
3G091
3G092
【Fターム(参考)】
3G023AA04
3G023AA05
3G023AB05
3G023AC01
3G023AC05
3G023AD02
3G023AD08
3G023AD09
3G091AA16
3G091AA18
3G091AA19
3G091AA21
3G091AB03
3G091AB05
3G091BA14
3G091CB01
3G092AB03
3G092AB19
3G092BB06
3G092FA24
(57)【要約】
【課題】アンモニアと軽油を混合燃焼する内燃機関において、亜酸化窒素の排出を抑制し、また熱効率を向上させる。
【解決手段】アンモニアと軽油を混合燃焼する内燃機関12に三元触媒装置44を用いて排気を浄化する。また、内燃機関12のピストン18の頂面に形成された凹部22の縁に向けて軽油を噴射し、軽油を凹部22内部のキャビティ24と、スキッシュエリア30に均等に分配されるようにする。燃焼室20内で軽油の偏在が抑制され、未燃燃料が減少し、熱効率が向上する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
アンモニアを含有する圧縮された混合気に、アンモニアに着火するための着火用液体燃料を噴射して前記アンモニアと前記着火用液体燃料を燃焼させて動力を得る内燃機関と、前記内燃機関からの排気を浄化する三元触媒装置と、を備えた動力装置。
【請求項2】
請求項1に記載の動力装置であって、
前記内燃機関は、往復動内燃機関であって、
前記内燃機関のピストンは、頂面の中央部にキャビティを形成する凹部を有し、前記凹部の周囲の頂面とシリンダによってスキッシュエリアが規定され、
前記着火用液体燃料は、前記凹部の縁に向けて、前記キャビティと前記スキッシュエリアとに均等に分配されるように噴射される、
動力装置。
【請求項3】
請求項2に記載の動力装置であって、前記ピストンは、前記凹部の縁に、当該ピストンの中心に向けて延びて、前記キャビティの周縁部分の上部を覆うリップを有する、動力装置。
【請求項4】
請求項1から3のいずれか1項に記載の動力装置であって、前記混合気および当該混合気に噴射された着火用液体燃料の組成が化学量論的組成である、動力装置。
【請求項5】
請求項2または3に記載の動力装置であって、前記着火用液体燃料の噴射開始時期が、上死点に対し、クランク角で-28°から-23°の間である、動力装置。
【請求項6】
請求項5に記載の動力装置であって、前記混合気および当該混合気に噴射された着火用液体燃料の組成が化学量論的組成である、動力装置。
【請求項7】
請求項1から3のいずれか1項に記載の動力装置であって、還元型触媒装置をさらに備える動力装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アンモニアを燃料とする動力装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、温室効果ガス削減の観点からアンモニアを燃料とする内燃機関が検討されている。アンモニアが燃焼しても温室効果ガスである二酸化炭素は生成されない。下記特許文献1には、着火用の液体燃料を供給し、アンモニアと混合燃焼するエンジンが記載されている。当該エンジンは選択的還元触媒(SCR)により排気を浄化している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
アンモニアと液体燃料を混合燃焼する内燃機関において排気浄化のために酸化触媒を用いると、空気過剰の状態では、未燃焼のアンモニア、窒素酸化物(NOx)、余剰酸素が酸化触媒にて反応して、温室効果ガスである亜酸化窒素(N2O)が生成する。また、アンモニア中の窒素が含まれているため、排出ガス中の窒素酸化物が多く、これを分解するために選択的還元触媒を用いる場合には、還元剤を多く必要とする。また、アンモニアと液体燃料を化学量論的組成で燃焼させた場合、燃料の未燃割合が増加し、内燃機関の熱効率の低下を招く。
【0005】
本発明は、亜酸化窒素の生成を抑制すること、選択的還元触媒で使用される還元剤の量を抑制すること、および燃料の未燃割合を減少させることの少なくとも1つを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る動力装置は、アンモニアを含有する圧縮された混合気に、アンモニアに着火するための着火用液体燃料を噴射してアンモニアと着火用液体燃料を燃焼させて動力を得る内燃機関と、内燃機関からの排気を浄化する三元触媒装置と、を備える。
【0007】
三元触媒装置を用いることで、亜酸化窒素等の排出を抑えることができ、また還元剤の使用量を減少することができる。
【0008】
上記の動力装置において、内燃機関は、往復動内燃機関であってよく、内燃機関のピストンは、頂面の中央部にキャビティを形成する凹部を有するものとしてよい。この凹部の周囲の頂面とシリンダによってスキッシュエリアが規定される。着火用液体燃料は、凹部の縁に向けて、キャビティとスキッシュエリアとに均等に分配されるように噴射されてよい。
【0009】
燃焼室内の着火用燃料の偏在が抑制され、燃料の未燃割合が減少する。
【0010】
上記の動力装置において、ピストンは、凹部の縁に、ピストンの中心に向けて延びて、キャビティの周縁部分の上部を覆うリップを有するものとしてよい。
【0011】
燃焼室内に強い渦が形成され、着火用液体燃料が広く分布するようになる。
【0012】
上記の動力装置において、着火用液体燃料の噴射開始時期が、上死点に対し、クランク角で-28°から-23°の間であってよい。
【0013】
上記の動力装置において、混合気および当該混合気に噴射された着火用液体燃料の組成が化学量論的組成であってよい。
【0014】
上記の動力装置において、還元型触媒装置をさらに備えるものとしてよい。
【発明の効果】
【0015】
三元触媒装置を用いることで、亜酸化窒素等の排出を抑えることができ、また還元型触媒装置で使用される還元剤の量を減少することができる。着火用液体燃料をピストン頂面の凹部の縁に向けて噴射することで、燃料の未燃割合を低減し、内燃機関の熱効率が向上する。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】本実施形態の動力装置の構成を模式的に示す図である。
【
図2】軽油の噴射開始時期と図示熱効率の関係を示す図である。
【
図3】軽油の噴射開始時期と燃料の未燃割合の関係を示す図である。
【
図4】噴射された軽油の分布と、燃焼時の燃焼室内の温度分布を示す図であり、軽油の噴射開始時期が上死点に対して-30°の場合を示す図である。
【
図5】噴射された軽油の分布と、燃焼時の燃焼室内の温度分布を示す図であり、軽油の噴射開始時期が上死点に対して-25°の場合を示す図である。
【
図6】噴射された軽油の分布と、燃焼時の燃焼室内の温度分布を示す図であり、軽油の噴射開始時期が上死点に対して-20°の場合を示す図である。
【
図8】ピストン頂面の形状の違いによる、軽油の噴射圧力に対する図示熱効率の差を示す図である。
【
図9】ピストン頂面の形状の違いによる燃焼室内の温度分布の差を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の実施形態を図面に従って説明する。
図1は、本実施形態の動力装置10の構成を模式的に示す図である。動力装置10は、往復動内燃機関12、特に圧縮着火機関と、当該内燃機関12の排気を浄化する排気浄化装置14を含む。内燃機関12は、シリンダ16と、シリンダ16内を往復運動するピストン18を含む。ピストン18の頂面とシリンダ16は、これらが囲む燃焼室20を規定する。ピストン18の頂面の中央には、凹部22が形成されている。凹部22の内側の空間をキャビティ24と記す。ピストン18の頂面の、凹部22よりも外側の円環部分26は、この円環部分26と対向するシリンダ16の天井面28との間にスキッシュエリア30を規定している。
【0018】
シリンダ16には、吸気管32および排気管34が接続され、吸気管32と排気管34は、それぞれバルブ(不図示)によって燃焼室20に対して開閉する。吸気管32には、燃料ボンベ36から流量制御部38を介して気体のアンモニアが供給される。アンモニアは、出力要求、吸気量等に応じた量が供給される。吸気管32内の空気とアンモニアが混合気を形成し、シリンダ16に吸入される。燃焼室20の頂部には、着火用液体燃料をシリンダ16内に噴射する着火用燃料噴射弁40が配置されている。着火用燃料噴射弁40は、シリンダ16の天井面28の中央から全周に向けて着火用燃料を噴射する。より具体的には、中央から例えば9方向に向けて放射状に噴射する。着火用液体燃料は、アンモニアよりも着火性のよい燃料であり、典型的には軽油であり、他に例えばGTL(Gas to Liquids)、バイオ燃料、FAME(脂肪酸メチルエステル),HVO(Hydrotreated Vegetable Oil:水素化植物油)などであってもよい。着火用液体燃料は、燃料ポンプ42により加圧されて着火用燃料噴射弁40に供給される。
【0019】
排気浄化装置14は、三元触媒装置44と還元型触媒装置46を含む。還元型触媒装置46は、選択的還元触媒装置であってよい。三元触媒装置44は、高負荷時などにおいて、内燃機関12が空気とアンモニアで形成された混合気および燃焼室20内に噴射された着火用燃料の組成が化学量論的組成とされて運転されるとき、内燃機関12の排気を浄化する。三元触媒により、窒素酸化物、亜酸化窒素、未燃燃料などが効率良く浄化される。低負荷時では、燃料消費を抑制するために、アンモニアおよび着火用燃料がリーンとされて内燃機関12が運転され、このときには還元型触媒装置46により排気が浄化される。還元型触媒装置46には燃料のアンモニアの一部が供給されてよく、また三元触媒装置44が低温のときに通過したアンモニアを吸着しておき、これを利用してもよい。
【0020】
図2および
図3は、着火用液体燃料を軽油とし、アンモニアと軽油を化学量論的組成で燃焼させた場合の、軽油の噴射開始時期に対する図示熱効率および未燃燃料の割合(未燃割合)を示す図である。軽油の発熱量の全燃料に対する割合は40%である。
図2,3において横軸は、軽油の噴射開始時期を示し、単位は上死点に対する角度である。負の値は、上死点前の角度であることを示している。
図2の縦軸は、図示熱効率を示し、各測定点における平均有効圧をおおよそ一定としている。
図3の縦軸は、未燃焼燃料の割合、つまり未燃割合である。未燃割合は、供給された燃料(アンモニアと軽油)に対する未燃焼の燃料の割合(質量比)である。
【0021】
図2,3から、図示熱効率と未燃割合に関連があり、未燃割合を下げることで図示熱効率が上昇することが分かる。また、軽油の噴射開始時期が-28°から-23°の間で、図示熱効率が高く、未燃割合も小さくなることが分かる。
【0022】
図4-6は、燃焼室20内の、噴射された軽油の分布と、燃焼時の燃焼室内の温度分布を示す図である。
図4-6は、燃焼室20の中心線から右側の部分が示されている。
図4-6の(a)において網掛けされた領域が、噴射された軽油が存在する領域である。また、
図4-6の(b)において、網掛けの濃度が濃いほど、温度が高いことを示している。
図4は軽油の噴射開始時期を上死点に対してクランク角で-30°としたとき、
図5は-25°としたとき、
図6は-20°としたときの軽油の分布および温度分布を示している。
図4と
図6の(a)は軽油噴射開始から4°後の軽油の分布を示し、
図5の(a)は5°後の軽油の分布を示している。また、各図の(b)は上死点後18°のときの温度分布を示している。また、軽油の噴射期間は、約5°であり、
図4-6はほぼ軽油の噴射終了時の状態を示している。さらに、上死点に対して3-4°付近で微量の軽油を噴射し、燃焼室20の中央部のアンモニアの燃焼を促進している。
【0023】
軽油の噴射開始時期が-30°のときには(
図4)、ピストン18は低い位置にあり、噴射された軽油の多くはスキッシュエリア30に向かい、キャビティ24に向かう軽油は少ない(
図4の(a)参照)。このため、キャビティ24の底の部分への軽油の供給が不足し、アンモニアが十分に燃焼しない未燃領域N1が生じる(
図4の(b)参照)。この結果、軽油の噴射開始時期が-30°では、未燃割合が高く(
図3参照)、図示熱効率が低くなる(
図2参照)。
【0024】
軽油の噴射開始時期が-25°のときには(
図5)、噴射された軽油は、凹部22の縁、すなわち凹部22とピストン頂面の円環部分26の境界でほぼ均等に分けられて、キャビティ24とスキッシュエリア30に向かう。このため、キャビティ24内およびスキッシュエリア30内に未燃領域が生じていないか、極めて少ない(
図5の(b)参照)。この結果、軽油の噴射開始時期が-25°付近で、未燃割合が極小となり(
図3参照)、図示熱効率が極大となる(
図2参照)。
【0025】
軽油の噴射開始時期が-20°のときには(
図6)、ピストン18が高い位置にあり、噴射された軽油の多くはキャビティ24に向かい、スキッシュエリア30に向かう軽油は少ない(
図6の(a)参照)。このため、スキッシュエリア30の外周部分への軽油の供給が不足し、アンモニアが十分に燃焼しない未燃領域N2が生じる(
図6の(b)参照)。この結果、軽油の噴射開始時期が-20°では、未燃割合が高く(
図3参照)、図示熱効率が低くなる(
図2参照)。
【0026】
以上から、好ましい軽油の噴射開始時期は、上死点に対してクランク角で-30°より遅く、-20°より早い時点にある。
図2から、軽油の噴射開始時期を-28°から-23°の間とすることで、図示熱効率がピーク(-25°)から2ポイント低下の範囲に収まることが理解できる。また、-26°から-24°の間にすることで、ピークとほぼ同等の図示熱効率が得られることが理解できる。
【0027】
次に、ピストンの頂部の形状の差異について検討する。
図7は、ピストンの頂部の形状を示す図である。
図7の(a)に示すピストン18は、
図4-6に示すピストン18と同じ形状である。ピストン18の凹部22は、ピストン18の中心線と同軸の円筒面である外周壁面22aを有している。この外周壁面22aとピストン頂面の円環部分26が、凹部22の縁で略直角の角を形成している。
図7の(b)には、(a)に示したピストン18が破線で示され、さらに異なる頂部形状のピストン48の頂部形状が示されている。ピストン48は、凹部52の縁にピストン48の中心に向けて延びるリップ53を有している。リップ53は、凹部52が規定するキャビティ54の、周縁部分の上部を覆っている。また、リップ53の頂面は、凹部52より外側の、ピストン48の頂面である円環部分56の一部を形成している。ピストン48のキャビティ54の容積は、ピストン18のキャビティ24の容積と等しくされている。また、リップ53の張り出し寸法Lは、キャビティ54の最大半径Rに対して5%である。張り出し寸法Lは、5~10%とすることができる。
【0028】
図8は、軽油の噴射圧力に対する図示熱効率を示す図である。
図8において、折れ線Aがリップのないピストン18の場合を示し、折れ線Bがリップ53があるピストン48の場合を示す図である。リップ53があるピストン48の場合、リップのないピストン18に比べ、軽油の噴射圧力が低下しても図示熱効率の低下が少ない。よって、ピストンにリップを設けることにより、軽油の噴射圧力を下げることができ、燃料ポンプ42の消費エネルギを低減することができる。
【0029】
図9は、ピストン頂部の凹部のリップの有無による燃焼温度の違いを示す図である。
図8中の破線で示す噴射圧力における比較が示されている。(a)がリップのないピストン18の上死点に対してクランク角で8°の温度分布を示し、(b)がリップ53があるピストン48の同時期の温度分布を示している。リップ53がある場合、キャビティ54内での縦渦F2が強化されて、軽油が燃焼室20の中央の底部に達する。これにより、燃焼室20の中央底部の未燃領域N3がリップがない場合に比べて減少する。また、スキッシュエリアに向かう流れF1も強くなり。軽油が外周近傍まで達する。これにより、スキッシュエリア30の外周部分の未燃領域N4がリップがない場合に比べて減少する。未燃領域N3,N4の減少によって、リップ53があるピストン48は、軽油の噴射圧力を低くしても、図示熱効率の低下が少ない。
【0030】
本発明の他の態様として、以下の内燃機関が提供される。
シリンダと、
シリンダ内を往復するピストンと、
前記ピストンは、頂面の中央部にキャビティを形成する凹部を有し、前記凹部の周囲の頂面と前記シリンダによってスキッシュエリアが規定され、
前記着火用液体燃料は、前記凹部の縁に向けて、前記キャビティと前記スキッシュエリアとに均等に分配されるように噴射される、
内燃機関。
【0031】
<付記>
[1]
アンモニアを含有する圧縮された混合気に、アンモニアに着火するための着火用液体燃料を噴射して前記アンモニアと前記着火用液体燃料を燃焼させて動力を得る内燃機関と、前記内燃機関からの排気を浄化する三元触媒装置と、を備えた動力装置。
[2]
上記[1]項に記載の動力装置であって、
前記内燃機関は、往復動内燃機関であって、
前記内燃機関のピストンは、頂面の中央部にキャビティを形成する凹部を有し、前記凹部の周囲の頂面とシリンダによってスキッシュエリアが規定され、
前記着火用液体燃料は、前記凹部の縁に向けて、前記キャビティと前記スキッシュエリアとに均等に分配されるように噴射される、
動力装置。
[3]
上記[2]項に記載の動力装置であって、前記ピストンは、前記凹部の縁に、当該ピストンの中心に向けて延びて、前記キャビティの周縁部分の上部を覆うリップを有する、動力装置。
[4]
上記[1]から[3]のいずれか1項に記載の動力装置であって、前記着火用液体燃料の噴射開始時期が、上死点に対し、クランク角で-28°から-23°の間である、動力装置。
[5]
上記[1]から[4]のいずれか1項に記載の動力装置であって、前記混合気および当該混合気に噴射された着火用液体燃料の組成が化学量論的組成である、動力装置。
[6]
上記[1]から[5]のいずれか1項に記載の動力装置であって、還元型触媒装置をさらに備える動力装置。
【符号の説明】
【0032】
10 動力装置、12 内燃機関、14 排気浄化装置、16 シリンダ、18,48 ピストン、20 燃焼室、22,52 凹部、24,54 キャビティ、26,56 ピストン頂面の円環部分、28 シリンダの天井面、30 スキッシュエリア、32 吸気管、34 排気管、40 着火用燃料噴射弁、44 三元触媒装置、46 還元型触媒装置、53 リップ。