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特開2024-140893車両運行管理装置、車両運行管理システム、車両運行管理方法及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024140893
(43)【公開日】2024-10-10
(54)【発明の名称】車両運行管理装置、車両運行管理システム、車両運行管理方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G08G 1/00 20060101AFI20241003BHJP
【FI】
G08G1/00 D
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023052258
(22)【出願日】2023-03-28
(71)【出願人】
【識別番号】000004237
【氏名又は名称】日本電気株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100110928
【弁理士】
【氏名又は名称】速水 進治
(72)【発明者】
【氏名】江川 千聖
【テーマコード(参考)】
5H181
【Fターム(参考)】
5H181AA01
5H181AA06
5H181BB04
5H181CC04
5H181CC11
5H181FF11
5H181FF13
5H181MA28
(57)【要約】
【課題】利用者の利便性を向上させる。
【解決手段】車両運行管理装置103は、予約要求取得部131と、運行計画部132とを備える。予約要求取得部131は、施設の利用者が当該施設を利用するための施設予約時刻を取得する。運行計画部132は、取得された施設予約時刻に基づいて、利用者を施設に運ぶための車両の運行計画を決定する。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
施設の利用者が当該施設を利用するための施設予約時刻を取得する予約要求取得手段と、
前記取得された施設予約時刻に基づいて、前記利用者を前記施設に運ぶための車両の運行計画を決定する運行計画手段とを備える
車両運行管理装置。
【請求項2】
前記車両は、前記利用者の要求に応じて運行する乗合車両であり、
前記運行計画は、前記乗合車両が前記施設と1つ以上の乗車場所との各々に停留する予定に関する停留予定時刻を含み、
前記運行計画の決定では、前記施設予約時刻に基づいて、前記停留予定時刻を決定する
請求項1に記載の車両運行管理装置。
【請求項3】
前記停留予定時刻と、公共交通機関の時刻表又は前記施設予約時刻とに基づいて予測される予測待ち時間が基準値以上である場合に、予め定められた第1通知先に第1通知を送信する第1通知手段をさらに備える
請求項2に記載の車両運行管理装置。
【請求項4】
前記予測待ち時間は、前記施設への到着予定時刻である第1到着予定時刻と前記施設予約時刻との差、前記公共交通機関に関連する乗車場所への到着予定時刻である第2到着予定時刻と前記公共交通機関で用いられる交通手段の到着が見込まれる公共交通予定時刻との差、の少なくとも一方に基づいて求められる
請求項3に記載の車両運行管理装置。
【請求項5】
公共交通機関の運行状況、前記車両が走行する道路の交通状況の少なくとも1つを用いて、前記決定された運行計画を調整する第1調整手段をさらに備える
請求項1から4のいずれか1項に記載の車両運行管理装置。
【請求項6】
前記利用者が乗車予定の車両とは異なる運行をしている車両に乗車し、かつ、当該利用者が乗車予定の乗車場所に他の利用者が乗車する予定がない場合に、前記運行計画を調整する第2調整手段とをさらに備える
請求項1から4のいずれか1項に記載の車両運行管理装置。
【請求項7】
前記予約要求取得手段は、前記施設で利用される施設装置から前記施設予約時刻を取得する
請求項1から4のいずれか1項に記載の車両運行管理装置。
【請求項8】
施設の利用者が当該施設を利用するための施設予約時刻を受け付ける施設装置と、
前記施設予約時刻に基づいて、前記利用者を前記施設に運ぶための車両の運行計画を決定する車両運行管理装置と、
前記決定された運行計画を取得する車載端末とを備える
車両運行管理システム。
【請求項9】
1つ以上のコンピュータが、
施設の利用者が当該施設を利用するための施設予約時刻を取得し、
前記取得された施設予約時刻に基づいて、前記利用者を前記施設に運ぶための車両の運行計画を決定する
車両運行管理方法。
【請求項10】
1つ以上のコンピュータに、
施設の利用者が当該施設を利用するための施設予約時刻を取得し、
前記取得された施設予約時刻に基づいて、前記利用者を前記施設に運ぶための車両の運行計画を決定することを実行させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両運行管理装置、車両運行管理システム、車両運行管理方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近時、オンデマンド交通サービス、デマンド交通サービスなどと称される交通サービスが利用されている。この種の交通サービスでは、乗合車両が利用され、利用者の予約に応じて乗合車両が運行される。
【0003】
例えば特許文献1に記載の交通運行システムでは、利用者Pが乗車位置(出発地)、降車位置(目的地)、及び降車位置への到着希望時刻を運行管理者に電話で連絡することにより乗車予約を行う。
【0004】
例えば特許文献2に記載のデマンドバス運行管理システムは、ユーザが保持する非接触ICカード及び携帯電話と、地上器と、運行管理センターと、を備えてなる。地上器は、非接触ICカードとの通信により、当該ユーザのデマンドバス乗車要求を受信する。運行管理センターは、地上器との通信により、デマンドバス乗車要求に対応する乗車応答情報を生成して、これを携帯電話に送信する。当該デマンドバス運行管理システムでは、運行管理センターは、公共バスシステムの運行時刻表および公共鉄道システムの運行時刻表の少なくとも1つと連動させて、デマンドバスの配車時刻を算出する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2021-033708号公報
【特許文献2】特開2004-199179号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
一般的に、病院などの施設の利用者は、診察などの施設を利用するための予約をすることがある。このような施設の利用者が当該施設に行くために乗合車両を利用する場合、特許文献1,2に記載の技術では、利用者が当該乗合車両の予約を施設の予約とは別に行う必要がある。そのため、利用者が乗合車両を予約するための手間が掛かる。
【0007】
本発明の目的の一例は、上述した課題を鑑み、利用者の利便性を向上させる運行管理装置、運行管理システム、運行管理方法、プログラムなどを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一態様によれば、
施設の利用者が当該施設を利用するための施設予約時刻を取得する予約要求取得手段と、
前記取得された施設予約時刻に基づいて、前記利用者を前記施設に運ぶための車両の運行計画を決定する運行計画手段とを備える
車両運行管理装置が提供される。
【0009】
本発明の一態様によれば、
施設の利用者が当該施設を利用するための施設予約時刻を受け付ける施設装置と、
前記施設予約時刻に基づいて、前記利用者を前記施設に運ぶための車両の運行計画を決定する車両運行管理装置と、
前記決定された運行計画を取得する車載端末とを備える
車両運行管理システムが提供される。
【0010】
本発明の一態様によれば、
1つ以上のコンピュータが、
施設の利用者が当該施設を利用するための施設予約時刻を取得し、
前記取得された施設予約時刻に基づいて、前記利用者を前記施設に運ぶための車両の運行計画を決定する
車両運行管理方法が提供される。
【0011】
1つ以上のコンピュータに、
施設の利用者が当該施設を利用するための施設予約時刻を取得し、
前記取得された施設予約時刻に基づいて、前記利用者を前記施設に運ぶための車両の運行計画を決定することを実行させるためのプログラムが提供される。
【発明の効果】
【0012】
本発明の一態様によれば、利用者の利便性を向上させることが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】実施形態1に係る車両運行管理システムの概要を示す図である。
図2】実施形態1に係る車両運行管理装置の概要を示す図である。
図3】実施形態1に係る車両運行管理処理の概要を示すフローチャートである。
図4】実施形態1に係る施設装置の構成例を示す図である。
図5】実施形態1に係る利用者情報の構成例を示す図である。
図6】実施形態1に係る予約情報の一例を示す図である。
図7】実施形態1に係る管理装置の構成例を示す図である。
図8】実施形態1に係る車載端末の構成例を示す図である。
図9】実施形態1に係る施設装置の物理的な構成例を示す図である。
図10】実施形態1に係る車載端末の物理的な構成例を示す図である。
図11】実施形態1に係る予約処理の一例を示すフローチャートである。
図12】実施形態1に係る運行計画処理の流れの一例を示す図である。
図13】実施形態1に係る運行処理の流れの一例を示す図である。
図14】実施形態1に係る乗車処理及び乗車処理に関連する処理の流れの一例を示す図である。
図15】実施形態2に係る管理装置の機能的な構成例を示す図である。
図16】実施形態2に係る車載端末の機能的な構成例を示す図である。
図17】実施形態2に係る運行処理の流れの一例を示す図である。
図18】実施形態2に係る乗車処理の流れの一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の実施形態について、図面を用いて説明する。なお、すべての図面において、同様な構成要素には同様の符号を付し、適宜説明を省略する。
【0015】
<実施形態1>
(概要)
図1は、実施形態1に係る車両運行管理システム100の概要を示す図である。車両運行管理システム100は、施設装置101、車両運行管理装置103及び車載端末105を備える。
【0016】
施設装置101は、施設の利用者が当該施設を利用するための施設予約時刻を受け付ける。車両運行管理装置103は、施設予約時刻に基づいて、利用者を施設に運ぶための車両の運行計画を決定する。車載端末105は、当該決定された運行計画を取得する。
【0017】
この車両運行管理システム100によれば、利用者の利便性を向上させることが可能になる。
【0018】
図2は、実施形態1に係る車両運行管理装置103の概要を示す図である。車両運行管理装置103は、予約要求取得部131と、運行計画部132とを備える。
【0019】
予約要求取得部131は、施設の利用者が当該施設を利用するための施設予約時刻を取得する。運行計画部132は、取得された施設予約時刻に基づいて、利用者を施設に運ぶための車両の運行計画を決定する。
【0020】
この車両運行管理装置103によれば、利用者の利便性を向上させることが可能になる。
【0021】
図3は、実施形態1に係る車両運行管理処理の概要を示すフローチャートである。
【0022】
予約要求取得部131は、施設の利用者が当該施設を利用するための施設予約時刻を取得する(ステップS112)。
【0023】
運行計画部132は、取得された施設予約時刻に基づいて、利用者を施設に運ぶための車両の運行計画を決定する(ステップS113)。
【0024】
この車両運行管理処理によれば、利用者の利便性を向上させることが可能になる。
【0025】
以下、実施形態1に係る車両運行管理システム100の詳細例について説明する。
【0026】
(詳細)
(実施形態1に係る車両運行管理システム100の構成例)
車両運行管理システム100は、利用者の要求に応じて乗合車両の運行を管理するためのシステムである。車両運行管理システム100は、施設の利用者が当該施設を利用するための予約に応じて乗合車両の運行を管理する。
【0027】
施設は、利用者が予約して利用する施設であり、例えば病院である。なお、施設は、病院に限られない。施設は例えば、市役所、区役所などの官公庁、銀行などであってもよい。
【0028】
乗合車両は、利用者を施設に運ぶための乗合車両であり、利用者が要求する乗車日時や乗降場所などに応じて運行する。乗合車両は、一般的にオンデマンド車両、デマンド車両などとも称され、典型的にはバスである。なお、乗合車両は、車両の一例である。乗合車両又は車両は、バスに限られず、例えば乗用車なども含む自動車であってもよく、自動車以外の車両であってもよい。
【0029】
施設装置101、車両運行管理装置103及び車載端末105は、図1に示すように、ネットワークNTを介して互いに接続されており、このネットワークNTを介して互いに情報を送受信する。ネットワークNTは、有線、無線又はこれらを組み合わせて構成される通信回線である。
【0030】
施設装置101、車両運行管理装置103及び車載端末105の機能的な構成例について説明する。以下では、「車両運行管理システム」、「車両運行管理装置」のそれぞれを、「管理システム」、「管理装置」とも表記する。
【0031】
(実施形態1に係る施設装置101の機能的な構成例)
図4は、実施形態1に係る施設装置101の構成例を示す図である。施設装置101は、例えば、病院などの施設に設置され、当該施設で利用される装置である。施設装置101は、利用者記憶部111と、予約記憶部112と、予約受付部113と、乗車管理部114と、車両予約要求部115と、利用者情報送信部116と、乗車状況取得部117と、第2通知部118とを備える。
【0032】
利用者記憶部111は、施設の利用者に関する利用者情報111aを記憶するための記憶部である。利用者情報111aは、利用者記憶部111に予め記憶されるとよい。
【0033】
図5は、実施形態1に係る利用者情報111aの構成例を示す図である。利用者情報111aは、例えば、施設の利用者ごとに、利用者ID(Identification)、生体情報、連絡先及び住所を関連付ける。
【0034】
利用者IDは、施設の利用者の各々を識別するための情報である。利用者IDは、例えば利用者を利用者情報111aに登録する際に、施設装置101によって自動的に付与される数字、文字、記号などの1つ以上の組み合わせで構成される。
【0035】
生体情報は、施設の利用者の顔画像の特徴量である。なお、生体情報は、顔画像の特徴量に限られず、顔画像の特徴量、顔画像、指紋、指紋の特徴量、声紋、声紋の特徴量などの1つ以上であってもよい。
【0036】
連絡先は、施設の利用者の電話番号である。なお、連絡先は、電話番号に限られず、電話番号、メールアドレス、利用者が利用する端末(利用者端末)にインストールされたアプリケーションで用いられる通知用のIDなどの1つ以上であってもよい。電話番号は、携帯電話、スマートフォンなどの携帯端末の電話番号が望ましい。
【0037】
住所は、施設の利用者の住所である。
【0038】
図4を再び参照する。
予約記憶部112は、予約情報112aを記憶するための記憶部である。予約情報112aは、施設の利用者が当該施設にて予約した内容を含む。
【0039】
図6は、実施形態1に係る予約情報112aの一例を示す図である。予約情報112aは、例えば、施設における予約をした利用者ごとに、利用者ID、施設予約時刻、車両予約情報及び乗車情報を含む。
【0040】
利用者IDは、利用者情報111aに含まれる利用者IDと同様である。この利用者IDによって、利用者情報111aと予約情報112aとを関連付けることができる。
【0041】
施設予約時刻は、施設の利用者が当該施設を利用するための予約時刻である。言い換えると、施設予約時刻は、利用者が施設の利用を予定している時刻である。例えば施設が病院である場合、施設予約時刻は、病院での診察を予約した時刻である。
【0042】
時刻は、例えば年月日と時刻によって表され、以下においても同様である。なお、時刻を表す方法は、これに限られない。
【0043】
車両予約情報は、乗合車両の予約に関する情報であって、施設の利用者が当該施設を利用するための予約をした場合に設定される。本実施形態では、車両予約情報は、施設の利用者が当該施設の予約をするとともに、当該予約に応じて施設へ向かうために乗合車両の利用を希望する場合に設定される。車両予約情報は、例えば、乗車場所、乗車予定時刻の少なくとも1つを含む。
【0044】
乗車場所は、利用者が乗合車両への乗車を希望する場所である。乗車場所は、例えば、鉄道、バスなどの公共交通機関に関連する乗車場所であってもよく、利用者の自宅前などであってもよく、乗合車両が停留する場所の候補から選択される場所であってもよい。
【0045】
公共交通機関に関連する乗車場所は、例えば、鉄道の駅、バスターミナルなどの近傍(これらの公共交通機関施設から予め定められた範囲)で乗合車両が停留できる場所である。
【0046】
乗車情報は、乗合車両の乗車に関する情報であって、施設の利用者が乗合車両を利用すると設定される。乗車情報は、例えば、乗車フラグ、車両ID、乗車時刻の少なくとも1つを含む。
【0047】
なお、乗車情報は、これに限られない。乗車情報は例えば、少なくとも施設の利用者が乗合車両を利用したか否かを、当該照射情報を用いて判定することができればよく、例えば乗合車両を利用したか否かを示す乗車フラグを含んでもよい。
【0048】
図4を再び参照する。
予約受付部113は、施設における担当者などの操作に基づいて、当該施設の予約を受け付けると、予約情報112aを生成する。そして、予約受付部113は、当該生成した予約情報112aを予約記憶部112に記憶させる。
【0049】
予約受付部113は、機能的に例えば、操作受付部113aと、予約生成部113bと、車両予約生成部113cとを含む。
【0050】
操作受付部113aは、施設における担当者などの操作に基づいて、当該施設の予約を受け付ける。
【0051】
例えば担当者は、当該施設の利用者が希望する予約に関する事項を聞いて操作受付部113aを操作する。これにより、操作受付部113aは、施設の利用者の予約を受け付ける。
【0052】
また例えば、担当者は、当該施設の利用者が当該予約に応じて施設に訪れるために乗合車両の利用を希望するか否かを聞いて、操作受付部113aを操作する。これにより、操作受付部113aは、利用希望指示を受け付ける。利用希望指示は、施設の予約をした利用者が乗合車両の利用を希望する旨の指示である。
【0053】
なお、操作受付部113aは、施設装置101と通信可能に接続された端末(図示せず)に備えられてもよい。
【0054】
予約生成部113bは、操作受付部113aが予約を受け付けると、予約情報112aを生成する。予約生成部113bが生成する予約情報112aは、予約を希望する施設の利用者の利用者IDと、当該利用者が希望する施設予約時刻とを含むとよい。
【0055】
車両予約生成部113cは、施設の利用者が乗合車両の利用を希望するか否かに基づいて、車両予約情報をさらに含む予約情報112aを生成する。
【0056】
例えば、車両予約生成部113cは、利用希望指示を操作受付部113aが受け付けた場合に、車両予約情報をさらに含む予約情報112aを生成する。車両予約情報は、例えば、当該利用者が希望する乗車場所と、施設予約時刻に応じた乗車予定時刻とを含む。
【0057】
なお、予約受付部113は、施設の利用者自身の操作に基づいて、予約を受け付けてもよいが、担当者などが操作をすることで、利用者の手間を省いて利用者の利便性を向上させることができる。特に、施設が病院である場合には、高齢者など利用者自身の操作が難しいことがあるので、担当者などが操作をすることによる利点は大きい。
【0058】
乗車管理部114は、施設の利用者による乗合車両の利用を管理する。
【0059】
例えば、乗車管理部114は、施設の利用者が予約した乗合車両の運行計画を決定する際に乗車予定時刻の変更が生じた場合に、当該利用者の予約情報112aに含まれる乗車予定時刻を変更する。また例えば、乗車管理部114は、施設の利用者が乗合車両を利用した場合に、当該利用者の予約情報112aに含まれる乗車情報を変更する。
【0060】
車両予約要求部115は、予約受付部113によって乗合車両の予約が受け付けられた場合(すなわち、施設の利用者が乗合車両の利用を希望する場合)に、当該利用者の予約情報112aを送信する。例えば、車両予約要求部115は、予約情報112aを管理装置103へ送信する。なお、車両予約要求部115は、少なくとも車両予約情報を送信するとよい。
【0061】
利用者情報送信部116は、乗合車両を予約した利用者の利用者情報111aを送信する。例えば、利用者情報送信部116は、当該利用者が乗車する予定の乗合車両に搭載された車載端末105へ利用者情報111aを送信する。なお、利用者情報送信部116は、乗合車両を予約した利用者の、少なくとも生体情報を送信するとよい。
【0062】
乗車状況取得部117は、例えば車載端末105から、乗車状況情報を取得する。
【0063】
乗車状況情報は、利用者が乗合車両の運行計画に従って当該乗合車両に乗車したか否かを示す情報である。言い換えると、乗車状況情報は、利用者が乗車予定の車両に乗車したか否かを示す情報である。
【0064】
第2通知部118は、利用者が乗車予定の車両に乗車しなかったことを示す乗車状況情報を乗車状況取得部117が取得すると、予め定められた第2通知先に第2通知を送信する。
【0065】
第2通知は、利用者が乗車予定の車両に乗車しなかった旨の通知である。第2通知先は、施設装置101の表示部、施設のスタッフが携帯する端末装置、当該利用者の家族が携帯する端末装置、警察のシステムなど、図示していない予め定められた適宜の表示部、装置、システムなどの1つ以上でよい。
【0066】
利用者が乗車予定の車両に乗車しなかった場合、利用者が迷子になったり、体調が不調になったりしているおそれがある。例えば第2通知を送信することで、利用者の安否を確認することができる。また、必要に応じて利用者を探索することができる。
【0067】
探索では、例えば利用者情報111aに含まれる利用者の生体情報を提供することで、監視カメラ、ドローンなどの移動体に搭載したカメラの撮影画像を用いて利用者を探索することができる。このとき、生体情報は、家族の許諾、利用者本人の事前許諾などを条件に提供されるとよい。このような生体情報の提供に関する許諾をするか否かを示す情報が、利用者情報111aに含まれてもよい。
【0068】
(実施形態1に係る管理装置103の機能的な構成例)
図7は、実施形態1に係る管理装置103の構成例を示す図である。管理装置103は、病院などの施設に設置される。管理装置103は、機能的に例えば、予約要求取得部131と、運行計画部132と、第1通知部133と、運行計画送信部134とを備える。
【0069】
予約要求取得部131は、施設予約時刻を取得する。詳細には例えば、予約要求取得部131は、乗合車両の利用を希望する利用者の予約情報112aに含まれる利用者ID、施設予約時刻及び車両予約情報を取得する。
【0070】
運行計画部132は、予約要求取得部131が取得した利用者ID、施設予約時刻及び車両予約情報に基づいて、利用者IDにより識別される利用者を施設に運ぶための乗合車両の運行計画を決定する。
【0071】
第1通知部133は、停留予定時刻と、公共交通機関の時刻表又は施設予約時刻とに基づいて予測される予測待ち時間が基準値以上である場合に、予め定められた第1通知先に第1通知を送信する。
【0072】
停留予定時刻は、例えば詳細後述するように、運行計画において施設又は乗車場所に停留する予定時刻を含む。
【0073】
第1通知先は、例えば、施設装置101である。第1通知は、施設到着時刻と施設予約時刻との差や施設での予想待ち時間が大きいこと、予想待ち時間、施設予約時刻の変更を促すことなどの1つ以上を含むとよい。この通知により、施設装置101を操作する担当者は、利用者に適宜の方法(例えば、電話など)で連絡をし、利用者が希望する場合には施設予約時刻を変更するとよい。
【0074】
なお、第1通知先は、利用者が利用する端末(図示せず)であってもよい。この場合、第1通知部133は、利用者情報111aに含まれる連絡先へ、自動音声や定型文などを用いた第1通知を送信するとよい。この通知を受けて、利用者が施設予約時刻の変更を希望する場合には、利用者が施設に連絡して、施設の担当者などに施設予約時刻を変更してもらうとよい。
【0075】
運行計画送信部134は、運行計画部132が決定した運行計画を送信する。
【0076】
(実施形態1に係る車載端末105の機能的な構成例)
図8は、実施形態1に係る車載端末105の構成例を示す図である。車載端末105は、乗合車両に搭載される端末である。車載端末105は、乗合車両に固定設置されてもよく、タブレット端末のように取り外し可能に乗合車両に設置されてもよい。
【0077】
車載端末105は、機能的に例えば、運行計画取得部151と、運行計画表示部152と、利用者情報取得部153と、利用者検知部154と、乗車状況送信部155とを備える。
【0078】
運行計画取得部151は、管理装置103が決定した運行計画を取得する。
【0079】
運行計画表示部152は、管理装置103が決定した運行計画を表示する。例えば、運行計画表示部152は、運行計画取得部151によって取得された運行計画を表示する。
【0080】
利用者情報取得部153は、乗合車両を予約した利用者の利用者情報111aを取得する。なお、利用者情報取得部153は、乗合車両を予約した利用者の、少なくとも生体情報を取得するとよい。
【0081】
利用者検知部154は、利用者が乗車する際に、当該乗車する利用者の生体情報を取得する。利用者検知部154は、当該取得した生体情報を用いて、当該乗車する利用者を検知する。
【0082】
例えば、利用者検知部154は、乗合車両の乗車口などに設置されたカメラが撮影した利用者の顔画像を用いてその特徴量を取得する。そして、利用者検知部154は、当該取得した特徴量と、利用者情報111aに含まれる生体情報とを照合して、当該乗車する利用者を検知する。
【0083】
なお、カメラは、乗車する利用者の生体情報を取得するためのセンサ機器の一例である。センサ機器は、利用者情報111aに含まれる生体情報と同種の生体情報を生成するための情報を生成することができればよく、カメラに限られず、例えば指紋センサ、声紋を取得するためのマイクなどであってもよい。
【0084】
例えば、利用者検知部154は、利用者情報取得部153によって取得された利用者情報111aに含まれる生体情報を用いて、当該乗車する利用者を検知する。利用者検知部154は、例えば乗車する利用者が施設の利用者であることなどを検知する。
【0085】
乗車状況送信部155は、乗車状況情報を施設装置101へ送信する。
【0086】
例えば、乗車状況送信部155は、運行計画にて乗車場所で乗車予定の利用者と利用者検知部154で検知された結果とを照合することで、運行計画に従って利用者が乗車しているか否かを判定する。乗車状況送信部155は、当該判定の結果に基づいて乗車状況情報を生成し、当該生成した乗車状況情報を施設装置101へ送信する。
【0087】
これまで、実施形態1に係る車両運行管理システム100の機能的な構成例について主に説明した。ここから、実施形態1に係る車両運行管理システム100の物理的な構成例について説明する。
【0088】
施設装置101と管理装置103との各々は、物理的には同様に構成されるとよい。ここでは、施設装置101の物理的な構成例について図を参照して説明する。
【0089】
(実施形態1に係る施設装置101の物理的な構成例)
図9は、実施形態1に係る施設装置101の物理的な構成例を示す図である。施設装置101は、物理的に例えば、バス1010、プロセッサ1020、メモリ1030、ストレージデバイス1040、ネットワークインタフェース1050、入力インタフェース1060及び出力インタフェース1070を有する。
【0090】
バス1010は、プロセッサ1020、メモリ1030、ストレージデバイス1040、ネットワークインタフェース1050、入力インタフェース1060、出力インタフェース1070が、相互にデータを送受信するためのデータ伝送路である。ただし、プロセッサ1020などを互いに接続する方法は、バス接続に限定されない。
【0091】
プロセッサ1020は、CPU(Central Processing Unit)やGPU(Graphics Processing Unit)などで実現されるプロセッサである。
【0092】
メモリ1030は、RAM(Random Access Memory)などで実現される主記憶装置である。
【0093】
ストレージデバイス1040は、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)、メモリカード、又はROM(Read Only Memory)などで実現される補助記憶装置である。ストレージデバイス1040は、これを備える装置の機能を実現するためのプログラムモジュールを記憶している。プロセッサ1020がこれら各プログラムモジュールをメモリ1030に読み込んで実行することで、そのプログラムモジュールに対応する機能が実現される。
【0094】
ネットワークインタフェース1050は、これを備える装置をネットワークNTに接続するためのインタフェースである。
【0095】
入力インタフェース1060は、ユーザが情報を入力するためのインタフェースである。入力インタフェース1060は、例えば、タッチパネル、キーボード、マウスなどから構成される。
【0096】
出力インタフェース1070は、ユーザに情報を提示するためのインタフェースである。出力インタフェース1070は、例えば、液晶パネル、有機EL(Electro-Luminescence)パネルなどから構成される。
【0097】
(実施形態1に係る車載端末105の物理的な構成例)
図10は、実施形態1に係る車載端末105の物理的な構成例を示す図である。車載端末105は、物理的に例えば、上述した施設装置101と同様のバス1010、プロセッサ1020、メモリ1030、ストレージデバイス1040、ネットワークインタフェース1050、入力インタフェース1060及び出力インタフェース1070を有する。車載端末105は、物理的に例えば、デバイスインタフェース1080及びカメラ1090をさらに有する。
【0098】
デバイスインタフェース1080は、カメラ1090を接続するためのインタフェースであり、バス1010に接続されている。
【0099】
なお、施設装置101と管理装置103と車載端末105との少なくとも1つが物理的に、互いに情報を送受信可能な複数の装置から構成されてもよい。この場合例えば、施設装置101と管理装置103と車載端末105との少なくとも1つを構成する複数の装置の各々は、物理的には、図9に示す装置と同様の構成を備えるとよい。また、車載端末105が複数の装置から構成される場合、当該複数の装置の少なくとも1つが、図10に示す装置と同様の構成を備えるとよい。
【0100】
これまで、実施形態1に係る管理システム100の構成例について説明した。ここから、実施形態1に係る管理システム100の動作例について説明する。
【0101】
(実施形態1に係る管理システム100の動作例)
実施形態1に係る管理システム100は、運行管理処理を実行する。運行管理処理は、利用者の要求に応じて乗合車両の運行を管理するための処理であって、例えば、予約処理、運行計画処理、及び運行処理を含む。
【0102】
(実施形態1に係る予約処理の例)
図11は、実施形態1に係る予約処理の一例を示すフローチャートである。予約処理は、施設の利用者が当該施設を予約するための処理である。予約処理では、利用者の希望に応じて、施設の予約とともに施設に訪れるための乗合車両を予約することができる。予約処理は、例えば操作受付部113aが担当者の指示を受けて開始される。
【0103】
予約受付部113は、施設における担当者などの操作に基づいて、当該施設の予約を受け付けると、予約情報112aを生成する(ステップS101)。
【0104】
詳細には例えば、操作受付部113aは、担当者などの操作に基づいて、当該施設の予約を受け付け、施設の予約を希望する利用者の利用者IDを取得する(ステップS101a)。
操作受付部113aは、担当者などの操作に基づいて、当該利用者が希望する施設予約時刻を取得する(ステップS101b)。なお、施設予約時刻は、施設が決定する時刻であってもよい。
【0105】
予約生成部113bは、受け付けた利用者ID及び施設予約時刻を含む予約情報112aを生成する(ステップS101c)。
【0106】
操作受付部113aは、担当者などの操作に基づいて、乗合車両の利用を希望する旨の利用希望指示を受け付けたか否かを判定する(ステップS101d)。これにより、予約に応じて施設へ訪れるために利用者が乗合車両の利用を希望する場合に、当該施設の予約とともに、乗合車両の予約をすることができる。
【0107】
利用希望指示を受け付けていない場合(ステップS101d;No)、操作受付部113aは、予約情報生成処理(ステップS101)を終了する。
【0108】
利用希望指示を受け付けた場合(ステップS101d;Yes)、車両予約生成部113cは、利用者が乗合車両に乗車する乗車場所を取得する(ステップS101e)。
【0109】
例えば、車両予約生成部113cは、担当者などが行う操作受付部113aへの操作に基づいて、乗車場所を取得してもよい。詳細には例えば、担当者が利用者から乗合車両の乗車場所を聞いて、当該担当者が操作することで、操作受付部113aは、利用者が希望する乗車場所を受け付けてもよい。この場合、車両予約生成部113cは、操作受付部113aから乗車場所を取得するとよい。なお、操作受付部113aは、例えば利用者自身の操作に基づいて乗車場所などを受け付けてもよいことは上述の通りである。
【0110】
例えば、車両予約生成部113cは、ステップS101aにて取得された利用者IDに基づいて、当該利用者IDに関連付けられた住所を利用者情報111aから取得してもよい。そして、車両予約生成部113cは、当該取得した住所に基づいて、乗車場所を取得してもよい。
【0111】
住所に基づいて乗車場所を取得する方法は、種々である。例えば、車両予約生成部113cは、住所を乗車場所として取得してもよい。また例えば、車両予約生成部113cは、予め定められる乗車場所の中で住所に最寄りの乗車場所を、乗車場所として取得してもよい。
【0112】
さらに例えば、車両予約生成部113cは、住所が乗合車両の運行範囲外である場合などには、当該運行範囲内の公共交通機関に関連する乗車場所を乗車場所としてもよい。
【0113】
公共交通機関に関連する乗車場所が運行範囲内に複数ある場合には、車両予約生成部113cは、利用者の住所から施設に向かう場合に利用される公共交通機関を、図示しない外部の交通システムなどから取得してもよい。そして、車両予約生成部113cは、当該取得した公共交通機関を用いて公共交通機関に関連する乗車場所を特定してもよい。この交通システムは、例えば、住所から施設までの移動に一般的に利用される交通経路を提供するシステムである。
【0114】
さらに例えば、住所に基づいて取得された乗車場所は、利用者の希望に応じて変更されてもよい。詳細には例えば、担当者が住所に基づく乗車場所を変更するか否かを利用者に聞いて、当該利用者が乗車場所の変更を希望する場合に当該担当者が操作することで、操作受付部113aが、利用者が希望する乗車場所を受け付けてもよい。この場合、車両予約生成部113cは、操作受付部113aから乗車場所を取得するとよい。
【0115】
なお、利用者情報111aは、利用者が利用する乗車場所をさらに含んでもよい。この場合、車両予約生成部113cは、ステップS101aにて取得された利用者IDに基づいて、当該利用者IDに関連付けられた乗車場所を利用者情報111aから取得してもよい。
【0116】
車両予約生成部113cは、ステップS101bで取得した施設予約時刻とステップS101eにて取得した乗車場所とに基づいて、乗車予定時刻を取得する(ステップS101f)。
【0117】
例えば、車両予約生成部113cは、乗合車両を用いて乗車場所から施設までの移動する場合に要する標準移動時間を取得し、施設予約時刻から標準移動時間を差し引くことで乗車予定時刻を取得するとよい。
【0118】
この標準移動時間は、道路での交通状況が通常の状況(渋滞などが発生していない状況)である場合に要する時間、乗合車両を用いて乗車場所から施設までの移動する場合に過去に要した時間の平均などでよい。
【0119】
また、車両予約生成部113cは、図示しない外部の交通システムなどから、標準移動時間を取得してもよい。この交通システムは、例えば、乗車場所から施設までを一般的な車両で移動する場合に要する標準的な時間を提供するシステムである。
【0120】
この乗車予定時刻は、例えば、施設装置101に表示され、施設装置101の操作者から、施設の予約を希望している利用者に知らされてもよい。
【0121】
車両予約生成部113cは、ステップS101eにて取得した乗車場所及びステップS101fにて求められた乗車予定時刻を、ステップS101cにて生成された予約情報112aにさらに含める。これにより、車両予約生成部113cは、車両予約情報をさらに含む予約情報112aを生成し(ステップS101g)、予約情報生成処理(ステップS101)を終了する。
【0122】
予約受付部113は、ステップS101(ステップS101c又はステップS101h)にて生成された予約情報112aを予約記憶部112に記憶させ(ステップS102)、予約処理を終了する。これにより、利用者の希望に応じて施設を予約することができる。また、当該利用者が乗合車両の利用を希望する場合には、その乗合車両を予約することができる。
【0123】
(実施形態1に係る運行計画処理の例)
図12は、実施形態1に係る運行計画処理の流れの一例を示す図である。運行計画処理は、乗合車両の利用する利用者の施設予約時刻に基づいて、乗合車両の運行計画を決定するための処理である。運行計画処理は、例えば、定期的に繰り返し実行される。この場合に運行計画処理を実行する時期は、適宜定められればよく、例えば乗合車両が運行する前日の予め定められた時刻(例えば、17時)である。
【0124】
車両予約要求部115は、車両予約情報を含む予約情報112aを管理装置103へ送信する(ステップS111)。
【0125】
例えば、車両予約要求部115は、運行計画処理を実行する翌日などの予め定められた時期の施設予約時刻を含む予約情報112aを送信する。
【0126】
予約要求取得部131は、ステップS111にて送信された予約情報112aを、例えば施設装置101から取得する(ステップS112)。
【0127】
これにより、予約要求取得部131は、例えば、予め定められた時期に乗合車両の利用する利用者の利用者ID、施設予約時刻及び車両予約情報を取得する。車両予約情報は、例えば乗車場所を含む。また本実施形態では車両予約情報は、乗車予定時刻をさらに含む。
【0128】
運行計画部132は、ステップS112にて取得された予約情報112aに基づいて、利用者を施設に運ぶための乗合車両の運行計画を決定する(ステップS113)。
【0129】
例えば、運行計画部132は、学習用の予約情報112aと運行計画とを含む学習用データを用いて学習済みの運行計画決定モデルを用いて、運行計画を決定してもよい。運行計画決定モデルは、運行計画を決定するための機械学習モデルであり、例えば予約情報112aを入力すると、これに応じた運行計画を出力する。運行計画の決定には、これに限らず、一般的な技術が用いられるとよい。
【0130】
運行計画は、例えば、乗合車両が施設と1つ以上の乗車場所との各々に停留する予定に関する停留予定時刻を含む。乗合車両では利用者が異なる乗合場所で乗車することがあるので、例えばこのような場合の乗車場所は複数である。
【0131】
ステップS113における運行計画の決定では、利用者の施設予約時刻に基づいて、1つ以上の乗車場所の運行順序と、施設及び乗車場所の各々での停留予定時刻との1つ以上を含む運行計画決定する。運行計画は、施設及び1つ以上の乗車場所の各々の位置情報(例えば、緯度及び経度、住所など)をさらに含むとよい。
【0132】
停留予定時刻は、第1到着予定時刻、出発予定時刻、第2到着予定時刻、乗車予定時刻、予想移動時間の少なくとも1つを含む。
【0133】
第1到着予定時刻は、施設へ到着する予定時刻である。運行計画は、例えば、第1到着予定時刻が乗合車両に乗車する利用者の施設予約時刻より、少なくとも所定時間前(例えば、5分、10分など)になるように決定される。
【0134】
出発予定時刻は、乗合車両が1つ以上の乗車場所の各々を出発する予定時刻である。
【0135】
第2到着予定時刻は、車両が1つ以上の乗車場所の各々に到着する予定時刻である。
【0136】
乗車予定時刻は、利用者が乗車場所で乗車する予定時刻である。乗車予定時刻は、例えば、ステップS112にて取得された予約情報112aに含まれる。
【0137】
運行計画は、例えば、乗車予定時刻が出発予定時刻と第2到着予定時刻との間となるように決定されるとよい。運行計画は、例えば、出発予定時刻と第2到着予定時刻とが予め定められた時間差(例えば、1分、3分など)となるように決定されるとよい。
【0138】
なお、運行計画の決定(ステップS113)において、乗車予定時刻と出発予定時刻と第2到着予定時刻との関係は、これらに限られない。例えば、出発予定時刻と第2到着予定時刻の時間差は、乗車場所で乗車する利用者の人数などに応じて決定されてもよい。また例えば、利用者が乗車するための時間が短い場合には、乗車予定時刻と出発予定時刻と第2到着予定時刻とが同一時刻であってもよい。
【0139】
予想移動時間は、乗車場所間、乗車場所と施設との間の移動に要する予想時間である。
【0140】
予想移動時間は、例えば、上述の標準移動時間と同様であってもよい。また、予想移動時間は、例えば道路工事や近辺でのイベントに伴う道路の混雑など、運行計画を決定する際に予想される道路状況によって標準移動時間を修正した時間であってもよい。
【0141】
また例えば、運行計画部132は、運行計画の決定(ステップS113)において、公共交通機関の時刻表をさらに用いて、停留予定時刻を決定してもよい。すなわち、運行計画部132は、施設予約時刻と公共交通機関の時刻表とを用いて、停留予定時刻を決定してもよい。
【0142】
時刻表には、公共交通機関で用いられる交通手段(例えば、電車、バスなど)の到着が見込まれる公共交通予定時刻が示される。そのため、運行計画部132は、公共交通機関に関連する乗合場所の第2到着予定時刻又は出発予定時刻が公共交通予定時刻から所定時間内となり、かつ、施設予約時刻までに施設に到着するように運行計画を決定するとよい。
【0143】
これにより、乗合車両が運行する乗車場所が、公共交通機関に関連する乗車場所を含む場合に、当該乗車場所から乗車する利用者が、乗合車両での待ち時間を減らすことができる。そのため、利用者の利便性を向上させることが可能になる。
【0144】
第1通知部133は、ステップS113にて決定された運行計画における停留予定時刻と、公共交通機関の時刻表又は施設予約時刻とに基づいて予測される予測待ち時間が基準値以上である場合に、例えば施設装置101へ第1通知を送信する(ステップS114)。
【0145】
予測待ち時間は、例えば、第1到着予定時刻と施設予約時刻との差、公共交通機関に関連する乗車場所への第2到着予定時刻と公共交通予定時刻との差、の少なくとも一方に基づいて求められるとよい。詳細には例えば、予測待ち時間は、これらの差自体であってもよく、差に所定時間を加算又は減算した時間などであってもよい。
【0146】
上述のように時刻表を用いて運行計画を決定することで、待ち時間を減らすように運行計画を決定することができるものの、他の利用者の状況や公共交通予定時刻によっては、待ち時間が基準値以上になることがあり得る。このような場合に、ステップS114を行うことで、利用者が希望する場合には施設予約時刻を変更し、乗車場所、施設などでの利用者の待ち時間を減らすことができる。
【0147】
運行計画部132は、ステップS113にて決定された運行計画を記憶する(ステップS115)。
【0148】
このような運行計画処理を実行することで、その翌日などの予め定められた時期に運行する乗合車両の運行計画を決定することができる。乗合車両は複数であってもよく、1つ以上の乗合車両が複数回運行してもよい。この場合、運行計画処理により、1つ以上の乗合車両の各々の各運行における運行計画を決定するとよい。
【0149】
また、第1通知に応じて利用者の施設予約時刻が変更された場合、運行計画処理は再実行されるとよい。
【0150】
(実施形態1に係る運行処理の例)
図13は、実施形態1に係る運行処理の流れの一例を示す図である。運行処理は、乗合車両が運行計画に従って運行するための処理である。運行処理は、例えば、乗合車両が運行を開始する所定時間(例えば、15分、30分など)前に実行される。乗合車両が複数である場合や、乗合車両が複数回に分けて運行する場合などには、運行処理は、各乗合車両の各運行が開始する所定時間前に実行されるとよい。なお、運行処理を開始するトリガは、これに限られず、例えば乗合車両のドライバなどが車載端末105を所定の操作をした場合に、運行処理が開始されてもよい。
【0151】
運行計画送信部134は、例えば対象となる乗合車両に搭載された車載端末105へ、運行計画を送信する(ステップS121)。
【0152】
例えば、運行計画送信部134は、運行計画部132に記憶された運行計画のうち、これから運行が開始される運行計画を、対象となる乗合車両に搭載された車載端末105へ送信する。
【0153】
運行計画取得部151は、ステップS121にて送信された運行計画を取得する(ステップS122)。
【0154】
運行計画取得部151は、ステップS122にて取得した運行計画に含まれる利用者IDを特定し、当該特定した利用者IDを含む利用者情報111aの要求を、施設装置101へ送信する(ステップS123)。
【0155】
利用者情報送信部116は、ステップS123にて送信された利用者情報111aの要求を取得する(ステップS124)。
【0156】
利用者情報送信部116は、ステップS124にて取得された要求に応じて、対象となる乗合車両に搭載された車載端末105へ、利用者情報111aを送信する(ステップS125)。
【0157】
例えば、利用者情報送信部116は、要求に含まれる利用者IDを特定し、当該特定した利用者IDを含む利用者情報111aを送信する。
【0158】
利用者情報取得部153は、ステップS125にて送信された利用者の利用者情報111aを取得する(ステップS126)。
【0159】
運行計画表示部152は、ステップS122で取得された運行計画を表示する(ステップS127)。このとき、運行計画表示部152は、地図上に運行経路を重畳した画像を表示するとよい。また、この画像は、各乗車場所での停留時刻、各乗車場所で乗車する利用者の利用者IDなどを含んでもよい。なお、利用者情報111aが利用者の氏名などを含む場合、利用者IDの代わりに利用者の氏名が用いられてもよい。
【0160】
すべての乗車場所の各々で乗車処理(ステップS129)を繰り返し実行する(ループA;ステップS128)。
【0161】
図14は、実施形態1に係る乗車処理及び乗車処理(ステップS129)に関連する処理の流れの一例を示す図である。
【0162】
利用者検知部154は、乗車場所で乗車する利用者を検知する(ステップS131)。
【0163】
例えば、利用者検知部154は、乗車する利用者を撮影した画像とステップS126で取得した利用者情報111aの生体情報とを用いて、当該乗車する利用者が乗車予定の利用者であることを検知する。利用者の画像は、例えば、乗合車両の乗車口に向けて設けられたカメラが撮影した画像である。乗車場所で乗車する利用者が複数である場合、利用者検知部154は、当該複数の利用者を検知する。
【0164】
なお、利用者検知部154は、適宜、施設装置101から利用者情報111aを取得し、この利用者情報111aを用いて、乗車場所で乗車する利用者を検知してもよい。この場合、ステップS123~S126は実行されなくてもよい。
【0165】
乗車状況送信部155は、ステップS131で検知された結果に基づいて、乗車状況情報を生成して送信する(ステップS132)。
【0166】
乗車状況取得部117は、ステップS132にて送信された乗車状況情報を取得する(ステップS133)。
【0167】
乗車状況取得部117は、ステップS133にて取得された乗車状況情報に基づいて、利用者が乗車予定の乗合車両に乗車した否かを判定する(ステップS134)。
【0168】
利用者が乗車予定の乗合車両に乗車したと判定された場合(ステップS134;Yes)、乗車状況取得部117は、当該利用者の予約情報112aを更新する(ステップS135)。
【0169】
例えば、乗車状況取得部117は、乗車した利用者について、予約情報112aに含まれる乗車情報を更新する。詳細には例えば、乗車状況取得部117は、乗車フラグを乗車したことを示すフラグに変更し、乗車した乗合車両の車両IDを設定し、乗合車両に乗車した乗車時刻を設定する。乗車時刻は、例えば、乗車状況情報を生成した時刻、乗車状況情報を送信した時刻、乗車状況情報を受信した時刻のいずれかでよい。
【0170】
利用者が乗車予定の乗合車両に乗車していないと判定された場合(ステップS134;No)、第2通知部118は、当該利用者が乗車予定の車両に乗車しなかった旨の第2通知を送信する(ステップS136)。
【0171】
例えば、利用者が乗車予定の乗合車両に乗車していないと判定された場合は、乗車場所で乗車予定の利用者が乗車したことが検知されずに、当該乗車場所を発車した場合である。発車したことは、例えば、図示しない乗合車両の制御装置からの制御情報を基に判定されてもよく、ドライバの操作に基づいて判定されてもよい。
【0172】
利用者検知部154は、すべての乗車場所で乗車処理(ステップS129)が終了すると、ループA(ステップS128)を終了するとともに運行処理を終了する。そして、ドライバは、施設まで乗合車両を走行させることで、運行計画に従った運行が終了する。これにより、利用者は、希望する乗車場所から乗合車両を用いて施設に到着することができる。
【0173】
以上、本実施形態によれば、車両運行管理装置103は、予約要求取得部131と、運行計画部132とを備える。予約要求取得部131は、施設の利用者が当該施設を利用するための施設予約時刻を取得する。運行計画部132は、取得された施設予約時刻に基づいて、利用者を施設に運ぶための車両の運行計画を決定する。
【0174】
これにより、施設の予約に応じた車両の運行計画を決定することができるので、利用者が施設の予約とは別に車両を予約する手間を省くことができる。従って、利用者の利便性を向上させることが可能になる。
【0175】
本実施形態によれば、車両は、利用者の要求に応じて運行する乗合車両である。運行計画は、乗合車両が施設と1つ以上の乗車場所との各々に停留する予定に関する停留予定時刻を含む。運行計画の決定では、施設予約時刻に基づいて、停留予定時刻を決定する。
【0176】
これにより、施設の予約に応じた乗合車両の運行計画を決定することができるので、利用者が施設の予約とは別に乗合車両を予約する手間を省くことができる。従って、利用者の利便性を向上させることが可能になる。
【0177】
本実施形態によれば、乗車場所は、公共交通機関に関連する場所を含む。運行計画の決定では、施設予約時刻と公共交通機関の時刻表とを用いて、停留予定時刻を決定する。
【0178】
これにより、公共交通機関の時刻表と連携した乗合車両の運行計画を決定することができる。そのため、公共交通機関を利用する利用者が乗車場所で待つ時間の低減を図ることができる。従って、公共交通機関を利用する利用者の利便性を向上させることが可能になる。
【0179】
本実施形態によれば、車両運行管理装置103は、第1通知部133を備える。第1通知部133は、停留予定時刻と、公共交通機関の時刻表又は施設予約時刻とに基づいて予測される予測待ち時間が基準値以上である場合に、予め定められた第1通知先に第1通知を送信する。
【0180】
これにより、第1通知を受けて、利用者が希望する場合には施設予約時刻を変更し、乗車場所、施設などでの利用者の待ち時間を減らすことができる。従って、利用者の利便性を向上させることが可能になる。
【0181】
本実施形態によれば、予測待ち時間は、施設への到着予定時刻である第1到着予定時刻と施設予約時刻との差、公共交通機関に関連する乗車場所への到着予定時刻である第2到着予定時刻と公共交通機関で用いられる交通手段の到着が見込まれる公共交通予定時刻との差、の少なくとも一方に基づいて求められる。
【0182】
これにより、第1通知を受けて、利用者が希望する場合には施設予約時刻を変更し、乗車場所、施設などでの利用者の待ち時間を減らすことができる。従って、利用者の利便性を向上させることが可能になる。
【0183】
本実施形態によれば、予約要求取得部131は、施設で利用される施設装置101から施設予約時刻を取得する。
【0184】
これにより、施設の予約をする際に、当該予約に応じた車両の運行計画を決定することができるので、利用者が施設の予約をする際に車両を予約することができる。従って、利用者の利便性を向上させることが可能になる。
【0185】
本実施形態によれば、施設は、病院である。施設予約時刻は、病院での診察を予約した時刻である。
【0186】
これにより、高齢者などの利用者が病院の予約とは別に、通院のための車両を予約する手間を省くことができる。従って、利用者の利便性を向上させることが可能になる。
【0187】
本実施形態によれば、車両運行管理システム100は、第2通知部118を備える。第2通知部118は、利用者が乗車予定の車両に乗車しなかったことを示す乗車状況情報を取得すると、予め定められた第2通知先に第2通知を送信する。
【0188】
これにより、第2通知を送信することで、利用者の安否を確認することができる。また、必要に応じて利用者を探索することができる。従って、利用者の安否を早急に確認することが可能となり、利用者の利便性を向上させることが可能になる。
【0189】
(変形例1)
乗合車両は、自動運転の車両であってもよい。この場合、乗合車両は、例えばステップS122にて取得された運行計画に従って自動的に運行するとよい。これによっても、実施形態1と同様の効果を奏する。
【0190】
(変形例2)
例えば、乗車状況取得部117及び第2通知部118は、管理装置103が備えてもよい。その他の各装置101,103,105が備える機能についても、管理システム100全体として備えられればよく、実施形態1とは異なる装置101,103,105に備えられてもよい。これによっても、実施形態1と同様の効果を奏する。
【0191】
<実施形態2>
一般的に、道路状況、公共交通機関の運行状況などが原因で、運行計画に従った運行が困難な場合、運行計画に従った運行では利用者の乗車が困難な場合などがある。また、利用者が、乗車場所に予定よりも早く到着した場合などに、乗車予定の乗合車両とは異なる乗合車両に乗車することがあり得る。このような場合、予め決定した運行計画を調整(変更)した方が望ましい。
【0192】
本実施形態では、このような場合に、予め決定した運行計画を調整する例について説明する。本実施形態では、説明を簡潔にするため、実施形態1と異なる構成について主に説明し、実施形態1と重複する説明は適宜省略する。
【0193】
実施形態2に係る車両運行管理システム(管理システム)は、実施形態1と同様の施設装置101と、実施形態1に係る管理装置103及び車載端末105のそれぞれに代わる車両運行管理装置(管理装置)203及び車載端末205を備える。
【0194】
図15は、実施形態2に係る管理装置203の機能的な構成例を示す図である。管理装置203は、実施形態1に係る管理装置103と同様の機能に加えて、運行計画調整部235を備える。
【0195】
運行計画調整部235は、予め定められた状況である場合に、運行計画部132(運行計画処理)によって決定された運行計画を調整する。
【0196】
例えば、運行計画調整部235は、運行計画部132が記憶している運行計画を調整する。この調整では、例えば、停留予定時刻(第1到着予定時刻、出発予定時刻、第2到着予定時刻、乗車予定時刻、予想移動時間の少なくとも1つ)が変更される。運行計画調整部235は、調整後の運行計画を運行計画部132に記憶させる。
【0197】
予め定められた状況は、例えば、公共交通機関の運行状況、車両が走行する道路の交通状況、乗車を予定している利用者の乗車状況などに関して定められる。
【0198】
詳細には例えば、運行計画調整部235は、第1調整部235aと、第2調整部235bとを含む。
【0199】
第1調整部235aは、公共交通機関の運行状況、前記車両が走行する道路の交通状況の少なくとも1つを用いて、運行計画部132が決定した運行計画を調整する。第1調整部235aは、調整後の運行計画を運行計画部132に記憶させる。
【0200】
第2調整部235bは、利用者が乗車予定の乗合車両とは異なる運行をしている乗合車両に乗車し、かつ、当該利用者が乗車予定の乗車場所に他の利用者が乗車する予定がない場合に、運行計画を調整する。第2調整部235bは、調整後の運行計画を運行計画部132に記憶させる。
【0201】
第2調整部235bによる運行計画の調整が発生する場合は、例えば、乗合車両が複数である場合、乗合車両が複数回の運行を行う場合である。また、乗車予定とは異なって利用者が乗車する乗合車両は、典型的には例えば、乗車予定の乗合車両よりも前に乗車場所に到着した乗合車両である。
【0202】
なお、第1調整部235aは及び第2調整部235bの各々は、運行計画を調整した場合、運行計画に変更があったこと、調整後の運行計画の少なくとも1つを施設(例えば施設装置101)に通知してもよい。また、第1調整部235aは及び第2調整部235bの各々は、調整された運行計画に関連する利用者に、運行計画に変更があったこと、調整後の運行計画の少なくとも1つを通知してもよい。利用者への通知には、例えば、施設装置101から取得される利用者情報111aの連絡先が用いられるとよい。
【0203】
図16は、実施形態2に係る車載端末205の機能的な構成例を示す図である。管理装置203は、実施形態1に係る乗車状況送信部155に代わる乗車状況送信部255を備える。
【0204】
乗車状況送信部255は、実施形態1に係る乗車状況送信部155と同様の機能を備える。これに加えて、乗車状況送信部255は、利用者検知部154によって乗車予定ではない利用者の乗車が検知された場合に、当該利用者が乗車したことを含む乗車状況情報を管理装置203へ送信する。
【0205】
これまで、実施形態2に係る管理システムの構成例について説明した。ここから、実施形態2に係る管理システムの動作例について説明する。
【0206】
(実施形態2に係る管理システムの動作例)
実施形態2に係る管理システムが実行する運行管理処理は、例えば、実施形態1とは異なる運行処理を含む。
【0207】
(実施形態2に係る運行処理の例)
図17は、実施形態2に係る運行処理の流れの一例を示す図である。実施形態2に係る運行処理は、実施形態1に係る運行処理に含まれる処理に加えて、ステップS230を含む。また実施形態2に係る運行処理は、実施形態1に係る運行処理に含まれる乗車処理(ステップS129)に代わる乗車処理(ステップS229)を含む。
【0208】
第1調整部235aは、公共交通機関の運行状況、前記車両が走行する道路の交通状況の少なくとも1つを用いて、運行計画部132が決定した運行計画を調整する(ステップS230)。続けて、実施形態1と同様のステップS121以降の処理が行われる。
【0209】
そして、ステップS127に続くループA(ステップS128)では、実施形態1に係る乗車処理(ステップS129)とは異なる乗車処理(ステップS229)が実行される。
【0210】
図18は、実施形態2に係る乗車処理(ステップS229)の流れの一例を示す図である。
【0211】
例えば実施形態1と同様のステップS131~S132に続けて、乗車状況送信部255は、ステップS131で検知された結果に基づいて、乗車予定でない利用者が乗合車両に乗車したか否かを判定する(ステップS238)。
【0212】
乗車予定でない利用者が乗合車両に乗車していない場合(ステップS238;No)、乗車状況送信部255は、ステップS131に戻る。これにより、利用者検知部154は、次の乗車場所まで待機する。
【0213】
乗車予定でない利用者が乗合車両に乗車している場合(ステップS238;Yes)、乗車状況送信部255は、当該利用者が乗車したことを含む乗車状況情報を生成し、当該生成した乗車状況情報を管理装置203へ送信する(ステップS239)。
【0214】
第2調整部235bは、ステップS239にて送信された乗車状況情報を取得する(ステップS240)。
【0215】
第2調整部235bは、ステップS240にて取得された乗車状況情報に基づいて、必要に応じて、乗車予定でない利用者が乗車予定であった運行計画を調整する(ステップS241)。
【0216】
例えば、第2調整部235bは、ステップS240にて取得された乗車状況情報に含まれる利用者が乗車予定の運行計画を特定する。そして、第2調整部235bは、当該特定された運行計画において当該利用者が乗車予定の乗車場所に他の利用者が乗車する予定があるか否かを判定する。
【0217】
当該乗車場所に他の利用者が乗車する予定がある場合に、第2調整部235bは、当該特定された運行計画を変更しなくてよい。
【0218】
当該乗車場所に他の利用者が乗車する予定がない場合に、第2調整部235bは、当該特定された運行計画を調整する。詳細には例えば、第2調整部235bは、当該乗車場所に停留しないように運行計画を変更する。第2調整部235bは、調整後の運行計画を運行計画部132に記憶させる。
【0219】
これにより、利用者が乗車予定とは異なる運行をする乗合車両に乗車した場合に、乗車予定であった運行計画を調整することができる。そのため、異なる運行をする乗合車両に既に乗車してしまった利用者のために乗車場所へ停留する可能性が減るので、運行の効率を向上させることが可能になる。
【0220】
以上、本実施形態によれば、管理装置203は、公共交通機関の運行状況、車両が走行する道路の交通状況の少なくとも1つを用いて、決定された運行計画を調整する第1調整部235aを備える。
【0221】
これにより、運行状況、交通状況の少なくとも1つに応じて運行計画を変更することができるので、ドライバは無理のない運転をすることができる。従って、安全な運行を実現して、利用者の利便性を向上させることが可能になる。
【0222】
本実施形態によれば、管理装置203は、第2調整部235bを備える。第2調整部235bは、利用者が乗車予定の車両とは異なる運行をしている車両に乗車し、かつ、当該利用者が乗車予定の乗車場所に他の利用者が乗車する予定がない場合に、運行計画を調整する。
【0223】
これにより、上述のように、異なる運行をする車両に既に乗車してしまった利用者のために乗車場所へ停留する可能性を減らすことができる。従って、運行の効率を向上させることができる。また無駄な停留が経ることで乗車時間の短縮を図ることができるなど、利用者の利便性を向上させることが可能になる。
【0224】
以上、図面を参照して本発明の実施形態及び変形例について述べたが、これらは本発明の例示であり、上記以外の様々な構成を採用することもできる。
【0225】
また、上述の説明で用いた複数のフローチャートでは、複数の工程(処理)が順番に記載されているが、実施の形態の各々で実行される工程の実行順序は、その記載の順番に制限されない。実施形態の各々では、図示される工程の順番を内容的に支障のない範囲で変更することができる。また、上述の実施形態及び変形例は、内容が相反しない範囲で組み合わせることができる。
【0226】
上記の実施形態の一部または全部は、以下の付記のようにも記載されうるが、以下に限られない。
【0227】
1. 施設の利用者が当該施設を利用するための施設予約時刻を取得する予約要求取得手段と、
前記取得された施設予約時刻に基づいて、前記利用者を前記施設に運ぶための車両の運行計画を決定する運行計画手段とを備える
車両運行管理装置。
2. 前記車両は、前記利用者の要求に応じて運行する乗合車両であり、
前記運行計画は、前記乗合車両が前記施設と1つ以上の乗車場所との各々に停留する予定に関する停留予定時刻を含み、
前記運行計画の決定では、前記施設予約時刻に基づいて、前記停留予定時刻を決定する
1.に記載の車両運行管理装置。
3. 前記乗車場所は、公共交通機関に関連する場所を含み、
前記運行計画の決定では、前記施設予約時刻と前記公共交通機関の時刻表とを用いて、前記停留予定時刻を決定する
2.に記載の車両運行管理装置。
4. 前記停留予定時刻と、公共交通機関の時刻表又は前記施設予約時刻とに基づいて予測される予測待ち時間が基準値以上である場合に、予め定められた第1通知先に第1通知を送信する第1通知手段をさらに備える
2.又は3.に記載の車両運行管理装置。
5. 前記予測待ち時間は、前記施設への到着予定時刻である第1到着予定時刻と前記施設予約時刻との差、前記公共交通機関に関連する乗車場所への到着予定時刻である第2到着予定時刻と前記公共交通機関で用いられる交通手段の到着が見込まれる公共交通予定時刻との差、の少なくとも一方に基づいて求められる
4.に記載の車両運行管理装置。
6. 公共交通機関の運行状況、前記車両が走行する道路の交通状況の少なくとも1つを用いて、前記決定された運行計画を調整する第1調整手段をさらに備える
1.から5.のいずれか1つに記載の車両運行管理装置。
7. 前記利用者が乗車予定の車両とは異なる運行をしている車両に乗車し、かつ、当該利用者が乗車予定の乗車場所に他の利用者が乗車する予定がない場合に、前記運行計画を調整する第2調整手段とをさらに備える
1.から6.のいずれか1つに記載の車両運行管理装置。
8. 前記予約要求取得手段は、前記施設で利用される施設装置から前記施設予約時刻を取得する
1.から7.のいずれか1つに記載の車両運行管理装置。
9. 前記施設は、病院であり、
前記施設予約時刻は、前記病院での診察を予約した時刻である
1.から8.のいずれか1つに記載の車両運行管理装置。
10. 前記利用者が乗車予定の車両に乗車しなかったことを示す乗車状況情報を取得すると、予め定められた第2通知先に第2通知を送信する第2通知手段をさらに備える
1.から9.のいずれか1つに記載の車両運行管理装置。
11. 施設の利用者が当該施設を利用するための施設予約時刻を受け付ける施設装置と、
前記施設予約時刻に基づいて、前記利用者を前記施設に運ぶための車両の運行計画を決定する車両運行管理装置と、
前記決定された運行計画を取得する車載端末とを備える
車両運行管理システム。
12. 1つ以上のコンピュータが、
施設の利用者が当該施設を利用するための施設予約時刻を取得し、
前記取得された施設予約時刻に基づいて、前記利用者を前記施設に運ぶための車両の運行計画を決定する
車両運行管理方法。
13. 前記車両は、前記利用者の要求に応じて運行する乗合車両であり、
前記運行計画は、前記乗合車両が前記施設と1つ以上の乗車場所との各々に停留する予定に関する停留予定時刻を含み、
前記運行計画の決定では、前記施設予約時刻に基づいて、前記停留予定時刻を決定する
12.に記載の車両運行管理方法。
14. 前記乗車場所は、公共交通機関に関連する場所を含み、
前記運行計画の決定では、前記施設予約時刻と前記公共交通機関の時刻表とを用いて、前記停留予定時刻を決定する
13.に記載の車両運行管理方法。
15. 前記停留予定時刻と、公共交通機関の時刻表又は前記施設予約時刻とに基づいて予測される予測待ち時間が基準値以上である場合に、予め定められた第1通知先に第1通知を送信することをさらに含む
13.又は14.に記載の車両運行管理方法。
16. 前記予測待ち時間は、前記施設への到着予定時刻である第1到着予定時刻と前記施設予約時刻との差、前記公共交通機関に関連する乗車場所への到着予定時刻である第2到着予定時刻と前記公共交通機関で用いられる交通手段の到着が見込まれる公共交通予定時刻との差、の少なくとも一方に基づいて求められる
15.に記載の車両運行管理方法。
17. 公共交通機関の運行状況、前記車両が走行する道路の交通状況の少なくとも1つを用いて、前記決定された運行計画を調整することをさらに含む
12.から16.のいずれか1つに記載の車両運行管理方法。
18. 前記利用者が乗車予定の車両とは異なる運行をしている車両に乗車し、かつ、当該利用者が乗車予定の乗車場所に他の利用者が乗車する予定がない場合に、前記運行計画を調整することをさらに含む
12.から17.のいずれか1つに記載の車両運行管理方法。
19. 前記施設予約時刻を取得することは、前記施設で利用される施設装置から前記施設予約時刻を取得することを含む
12.から18.のいずれか1つに記載の車両運行管理方法。
20. 前記施設は、病院であり、
前記施設予約時刻は、前記病院での診察を予約した時刻である
12.から19.のいずれか1つに記載の車両運行管理方法。
21. 前記利用者が乗車予定の車両に乗車しなかったことを示す乗車状況情報を取得すると、予め定められた第2通知先に第2通知を送信することをさらに含む
12.から20.のいずれか1つに記載の車両運行管理方法。
22. 1つ以上のコンピュータに、
施設の利用者が当該施設を利用するための施設予約時刻を取得し、
前記取得された施設予約時刻に基づいて、前記利用者を前記施設に運ぶための車両の運行計画を決定することを実行させるためのプログラム。
23. 前記車両は、前記利用者の要求に応じて運行する乗合車両であり、
前記運行計画は、前記乗合車両が前記施設と1つ以上の乗車場所との各々に停留する予定に関する停留予定時刻を含み、
前記運行計画の決定では、前記施設予約時刻に基づいて、前記停留予定時刻を決定する
22.に記載のプログラム。
24. 前記乗車場所は、公共交通機関に関連する場所を含み、
前記運行計画の決定では、前記施設予約時刻と前記公共交通機関の時刻表とを用いて、前記停留予定時刻を決定する
23.に記載のプログラム。
25. 前記停留予定時刻と、公共交通機関の時刻表又は前記施設予約時刻とに基づいて予測される予測待ち時間が基準値以上である場合に、予め定められた第1通知先に第1通知を送信することをさらに実行させるための
23.又は24.に記載のプログラム。
26. 前記予測待ち時間は、前記施設への到着予定時刻である第1到着予定時刻と前記施設予約時刻との差、前記公共交通機関に関連する乗車場所への到着予定時刻である第2到着予定時刻と前記公共交通機関で用いられる交通手段の到着が見込まれる公共交通予定時刻との差、の少なくとも一方に基づいて求められる
25.に記載のプログラム。
27. 公共交通機関の運行状況、前記車両が走行する道路の交通状況の少なくとも1つを用いて、前記決定された運行計画を調整することをさらに実行させるための
22.から26.のいずれか1つに記載のプログラム。
28. 前記利用者が乗車予定の車両とは異なる運行をしている車両に乗車し、かつ、当該利用者が乗車予定の乗車場所に他の利用者が乗車する予定がない場合に、前記運行計画を調整することをさらに実行させるための
22.から27.のいずれか1つに記載のプログラム。
29. 前記施設予約時刻を取得することは、前記施設で利用される施設装置から前記施設予約時刻を取得することを含む
22.から28.のいずれか1つに記載のプログラム。
30. 前記施設は、病院であり、
前記施設予約時刻は、前記病院での診察を予約した時刻である
22.から29.のいずれか1つに記載のプログラム。
31. 前記利用者が乗車予定の車両に乗車しなかったことを示す乗車状況情報を取得すると、予め定められた第2通知先に第2通知を送信することをさらに実行させるための
22.から30.のいずれか1つに記載のプログラム。
【符号の説明】
【0228】
100 車両運行管理システム(管理システム)
101 施設装置
103,203 車両運行管理装置(管理装置)
105,205 車載端末
111 利用者記憶部
111a 利用者情報
112 予約記憶部
112a 予約情報
113 予約受付部
113a 操作受付部
113b 予約生成部
113c 車両予約生成部
114 乗車管理部
115 車両予約要求部
116 利用者情報送信部
117 乗車状況取得部
118 第2通知部
131 予約要求取得部
132 運行計画部
133 第1通知部
134 運行計画送信部
151 運行計画取得部
152 運行計画表示部
153 利用者情報取得部
154 利用者検知部
155,255 乗車状況送信部
235 運行計画調整部
235a 第1調整部
235b 第2調整部
255 乗車状況送信部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
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