(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024140930
(43)【公開日】2024-10-10
(54)【発明の名称】平面研磨装置の定盤平坦度測定器
(51)【国際特許分類】
B24B 49/00 20120101AFI20241003BHJP
B24B 37/08 20120101ALI20241003BHJP
G01B 5/28 20060101ALI20241003BHJP
H01L 21/304 20060101ALI20241003BHJP
【FI】
B24B49/00
B24B37/08
G01B5/28 101
H01L21/304 621A
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023052306
(22)【出願日】2023-03-28
(71)【出願人】
【識別番号】000004293
【氏名又は名称】ノリタケ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100085361
【弁理士】
【氏名又は名称】池田 治幸
(74)【代理人】
【識別番号】100147669
【弁理士】
【氏名又は名称】池田 光治郎
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 誠
【テーマコード(参考)】
2F062
3C034
3C158
5F057
【Fターム(参考)】
2F062AA55
2F062BB08
2F062CC27
2F062EE01
2F062EE66
2F062GG18
2F062GG29
3C034AA07
3C034BB91
3C034BB96
3C034CA07
3C034CA11
3C034DD10
3C158AA18
3C158AB04
3C158AB08
3C158AC02
3C158BA07
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3C158DA18
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3C158EB01
3C158EB26
5F057AA01
5F057AA19
5F057BA11
5F057BB03
5F057BB07
5F057BB08
5F057BB09
5F057CA19
5F057DA02
5F057FA17
5F057GB01
5F057GB16
(57)【要約】
【課題】平面研磨装置の定盤の平坦度を、一回の測定で可能とする平面研磨機の定盤平坦度測定器を提供する。
【解決手段】第1ダイヤルゲージ42が固定された第1ダイヤルゲージ固定部46と第2ダイヤルゲージ44が固定された第2ダイヤルゲージ固定部48とが、互いに接近した端部間に空間を形成して、湾曲した連結部50により相互に連結されている。これにより、下定盤14の中央に位置している上定盤16を駆動する上定盤駆動用円筒体20とキャリヤ22の駆動用のサンギヤ24とに干渉することなく、下定盤14の平坦度を測定することができるので、一回の操作で下定盤14の平坦度を測定することが可能となる。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
中心部に測定障害物が突設されている定盤を用いて被研磨部材の下面を研磨する平面研磨装置において、前記定盤の平坦度を測定する平面研磨装置の定盤平坦度測定器であって、
第1直線に沿って所定の間隔を隔てた位置に複数個の第1ダイヤルゲージを固定する第1ダイヤルゲージ固定部と、
前記第1直線に連なる第2直線に沿って所定の間隔を隔てた位置に複数個の第2ダイヤルゲージを固定する第2ダイヤルゲージ固定部と、
前記第1ダイヤルゲージ固定部と前記第2ダイヤルゲージ固定部とを、互いに接近した端部間に空間を形成して前記端部間を相互に連結する湾曲した連結部と、
前記第1ダイヤルゲージ固定部の前記第2ダイヤルゲージ固定部から離れた端部に立設され、測定時には前記定盤の上面に当接する第1支柱と、
前記第2ダイヤルゲージ固定部の前記第1ダイヤルゲージ固定部から離れた端部に前記定盤の周方向に離隔した2箇所に立設され、測定時には前記定盤の上面に当接する第2支柱及び第3支柱と、を備える
ことを特徴とする両面研磨装置の下定盤平坦度測定器。
【請求項2】
前記平面研磨装置は、下定盤と、その下定盤に所定の間隔を隔てて対向するように設けられた上定盤とを備える両面研磨装置であり、
前記定盤平坦度測定器は、前記下定盤の上面の平面度を測定するものである
ことを特徴とする請求項1の両面研磨装置の定盤平坦度測定器。
【請求項3】
前記第2ダイヤルゲージ固定部は、前記下定盤の外周に向かうほど前記連結部側に幅寸法が大きくなる扇状に構成された第2ダイヤルゲージ固定部本体を備え、
前記第2支柱及び第3支柱は、前記第2ダイヤルゲージ固定部本体の前記下定盤の周方向の端部にそれぞれ固定されている
ことを特徴とする請求項2の両面研磨装置の下定盤平坦度測定器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体基板等のワークの一面を鏡面研磨するために用いられる平面研磨装置の定盤の平坦度を計測する下定盤スパンゲージに関するものである。
【背景技術】
【0002】
ワークが、たとえばシリコン、炭化珪素、砒化ガリウム、InP(リン化インジウム)等の単結晶ウェハのような半導体基板のような被研磨部材は、平面研磨装置を用いてその一面を高い平坦度で鏡面研磨されることが望まれている。
【0003】
たとえば、特許文献1に記載されている両面研磨装置は、上記平面研磨装置の一例である。その両面研磨装置は、下定盤と、その下定盤に所定の間隔を隔てて対向するように設けられた上定盤とを備えている。高い平坦度で被研磨部材を研磨するためには、下定盤及び上定盤又はそれらの研磨面に貼り付けられた研磨パッドの平坦度を測定して、管理する必要がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、引用文献1に記載のような両面研磨装置の下定盤又はそれらの研磨面に貼り付けられた研磨パッドの平坦度を測定する場合は、上定盤の高い位置につり上げて下定盤と上定盤との間の空間を大きく広げ、下定盤を露出させる。この場合、研磨装置の中心部にある上定盤駆動用の円筒とキャリヤ駆動用のサンギヤとが下定盤の中央に位置しているので、下定盤の回転中心を通る直径に沿って下定盤の平坦度を測定する場合に、それら上定盤駆動用の円筒とキャリヤ駆動用のサンギヤとが邪魔となる。このため、下定盤のうちの径方向に位置する一対の半径に沿って小型スパンゲージでそれぞれ2回測定し、次いで、大型スパンゲージを用いて、下定盤の中心をずらして上記一対の半径に平行な方向に測定するという、3回測定が必要で、下定盤の平坦度測定に手間がかかるという問題があった。一つ定盤のみを備えて被研磨部材の片面を研磨する平面研磨装置においても、定盤の中心部に駆動ローラなどの平坦度測定に障害となる測定障害物が突設されている場合には、その定盤の平坦度の測定に際しては、上記と同様の問題があった。
【0006】
本発明は以上の事情を背景として為されたものであり、その目的とするところは、両面研磨装置の下定盤の平坦度を、一回の測定で可能とする平面研磨機の定盤平坦度測定器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の要旨とするところは、(a)中心部に測定障害物が突設されている定盤を用いて被研磨部材の下面を研磨する平面研磨装置において、前記定盤の平坦度を測定する平面研磨装置の定盤平坦度測定器であって、(b)第1直線に沿って所定の間隔を隔てた位置に複数個の第1ダイヤルゲージを固定する第1ダイヤルゲージ固定部と、(c)前記第1直線に連なる第2直線に沿って所定の間隔を隔てた位置に複数個の第2ダイヤルゲージを固定する第2ダイヤルゲージ固定部と、(d)前記第1ダイヤルゲージ固定部と前記第2ダイヤルゲージ固定部とを、互いに接近した端部間に空間を形成して前記端部間を相互に連結する湾曲した連結部と、(e)前記第1ダイヤルゲージ固定部の前記第2ダイヤルゲージ固定部から離れた端部に立設され、測定時には前記定盤の上面に当接する第1支柱と、(f)前記第2ダイヤルゲージ固定部の前記第1ダイヤルゲージ固定部から離れた端部に前記定盤の周方向に離隔した2箇所に立設され、測定時には前記定盤の上面に当接する第2支柱及び第3支柱と、を備えることにある。
【発明の効果】
【0008】
本発明の平面研磨装置の定盤平坦度測定器によれば、第1ダイヤルゲージ固定部と第2ダイヤルゲージ固定部とが、互いに接近した端部間に空間を形成して、湾曲した連結部により相互に連結されている。これにより、下定盤の中央に突設されている測定障害物とに干渉することなく、前記定盤の上面の平坦度を測定することができるので、一回の操作で、平面研磨装置の定盤の平坦度を測定することが可能となる。
【0009】
好適には、前記平面研磨装置は、下定盤と、その下定盤に所定の間隔を隔てて対向するように設けられた上定盤とを備える両面研磨装置であり、前記定盤平坦度測定器は、前記下定盤の上面の平面度を測定するものである。これにより、下定盤の中央に突設されている測定障害物である上定盤駆動用の円筒及びキャリヤ駆動用のサンギヤに干渉することなく、下定盤の平坦度を測定することができるので、一回の操作で下定盤の平坦度を測定することが可能となる。
【0010】
好適には、前記第2ダイヤルゲージ固定部は、前記下定盤の外周に向かうほど前記連結部側に幅寸法が大きくなる扇状に構成された第2ダイヤルゲージ固定部本体を備え、前記第2支柱及び第3支柱は、前記第2ダイヤルゲージ固定部本体の前記下定盤の周方向の端部にそれぞれ固定されている。これにより、前記連結部は測定作業者側に突き出しているので、前記第2ダイヤルゲージ固定部を下定盤と平行な状態として、下定盤の平坦度を測定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】
図4の下定盤平坦度測定器が適用される両面研磨装置の基本構成を概念的に示す模式図である。
【
図2】
図1の両面研磨装置に設けられているキャリヤを示す図である。
【
図3】
図1の両面研磨装置の下定盤の平坦度を測定するに際して、上定盤が上方へ持ち上げられた状態を説明する図である。
【
図4】本発明の一実施例の下定盤平坦度測定器を説明する正面図である。
【
図5】
図3下定盤平坦度測定器を説明する平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の一適用例を図面と共に詳細に説明する。
【実施例0013】
図1は、本発明の定盤平坦度測定器の一例である下定盤平坦度測定器40が適用される両面研磨装置12の要部を観念的に示している。
図1において、両面研磨装置10には、垂直な回転中心線C1まわりに回転可能に支持された、下定盤14及び上定盤16が、所定の間隔を隔てて対向した状態で設けられている。下定盤14の上面にはシート状の研磨パッド14aが取り付けられ、上定盤16の下面にはシート状の研磨パッド16aが取り付けられている。下定盤14の上面に取り付けられた研磨パッド14a、及び上定盤16の下面に取り付けられた研磨パッド16aは、被研磨部材28の両面を研磨する平坦化研磨加工面として機能している。
【0014】
下定盤14の下方には、定盤駆動装置18が設けられている。定盤駆動装置18は、下定盤14を回転中心線C1まわりに回転駆動する一方で、上定盤駆動用円筒体20を介して上定盤16を回転中心線C1まわりに下定盤14と逆方向に回転駆動する。上定盤駆動用円筒体20は、下定盤14から突設されて上定盤16の中央穴16bに相対回転不能に嵌合されている。上定盤駆動用円筒体20には、キャリヤ22の外周歯と噛み合うサンギヤ24が形成されている。上定盤駆動用円筒体20及びサンギヤ24は、下定盤14の上面の中央部に立設されており、下定盤14の上面の平坦度測定に関して測定障害物を構成している。
【0015】
下定盤14の外周には、内周歯26aが形成された環状の部材であるリングギヤ26が下定盤14と同心に固設されている。
【0016】
キャリヤ22は、下定盤14の研磨パッド14aと上定盤16の研磨パッド16aとの間に介在させられている。キャリヤ22は、たとえば
図2に示すように外周歯32aが形成された円板状板材であって、半導体基板のような被研磨部材28を嵌め入れる透孔30と、外周歯22aとを備えている。また、キャリヤ22の外周歯22aは、サンギヤ24とリングギヤ26の内周歯26aとに噛み合わされている。これにより、キャリヤ22がサンギヤ24の回転に伴って下定盤14上を自転しつつ公転させられる過程で、キャリヤ22の透孔30に嵌め入れられた被研磨部材28の下定盤14に接する下面及び上定盤16に接する上面が同時に研磨される。被研磨部材28は、キャリヤ22の厚みよりも大きい厚みを有している。
【0017】
図3は、下定盤14の上面の平坦度の測定に際して、上定盤16が図示しない吊り下げ装置によって上方へ持ち上げられた状態を示している。このように下定盤14と上定盤16との間が開かれた状態で、下定盤14の上面の平坦度を測定する下定盤平坦度測定器40が用いられる。
【0018】
図4は、下定盤平坦度測定器40の正面図を示し、
図5は、下定盤平坦度測定器40の平面図を示している。
図5の下定盤平坦度測定器40は、複数個、本実施例では3個の第1ダイヤルゲージ42、及び複数個、本実施例では3個の第2ダイヤルゲージ44が取り外されている。
【0019】
下定盤平坦度測定器40は、下定盤14の上面に下定盤14の上面の回転中心線C1と円弧状の連結部50の中心とが同心となるように載置したとき、下定盤14の上面の回転中心線C1を通る第1直線L1に沿って一定の間隔を隔てた等間隔の位置に3個の第1ダイヤルゲージ42が、それら第1ダイヤルゲージ42の接触子42aが一方向にすなわち下定盤14の上面に互いに平行に向かうように固定された第1ダイヤルゲージ固定部46と、第1直線L1に連なる第2直線L2に沿って所定の間隔を隔てた等間隔の位置に3個の第2ダイヤルゲージ44が、それら第2ダイヤルゲージ44の接触子44aが一方向にすなわち下定盤14の上面に互いに平行に向かうように固定された第2ダイヤルゲージ固定部48と、第1ダイヤルゲージ固定部46と第2ダイヤルゲージ固定部48とを、互いに接近した端部間に上定盤駆動用円筒体20を収容可能な空間を形成してそれら端部間を、上定盤駆動用円筒体20と干渉しないように相互に連結する湾曲した円弧状の連結部50と、第1ダイヤルゲージ固定部46の両端部のうち第2ダイヤルゲージ固定部48から離れた端部に立設され、測定時には下定盤14に当接する第1支柱52と、第2ダイヤルゲージ固定部48の両端部のうち第1ダイヤルゲージ固定部46から離れた端部に下定盤14の周方向に離隔した2箇所に立設され、測定時には下定盤14に当接する第2支柱54及び第3支柱56と、を一体的に備えている。
【0020】
第1直線L1および第2直線L2は、下定盤14の上面の回転中心線C1を通る共通の直径上に位置している。第1ダイヤルゲージ固定部46は、下定盤14の回転中心線C1に向かって緩やかの幅寸法が増加する第1ダイヤルゲージ固定部本体60を有している。第1ダイヤルゲージ固定部本体60は、回転中心線C1側端部に周方向に突設された短円弧状の連結突起58を有し、連結突起58が円弧状の連結部50の一端部に第1連結ねじ61により締結されることで、第1ダイヤルゲージ固定部本体60が、連結部50に一体的に連結されている。第1ダイヤルゲージ固定部本体60には、3個の第1ダイヤルゲージ42が固定された第1ダイヤルゲージ固定部材64が重ねられた状態で第1ねじ62により固定されている。
【0021】
第1ダイヤルゲージ固定部材64には、3個の第1ダイヤルゲージ42を差し通した状態で押しねじ66により固定するゲージ固定穴68が、第1直線L1に沿って複数設けられている。ゲージ固定穴68は、第1ダイヤルゲージ42の配置間隔よりも短い間隔で、第1ダイヤルゲージ42の個数よりも多い数で複数個形成されている。
【0022】
第2ダイヤルゲージ固定部48は、下定盤14の回転中心線C1から離れるほど幅寸法が増加する扇状に形成された第2ダイヤルゲージ固定部本体72を、有している。第2ダイヤルゲージ固定部本体72は、円弧状の内周縁部70を有し、内周縁部70が円弧状の連結部50の他端部に第2連結ねじ73により締結されることで、第2ダイヤルゲージ固定部本体72が連結部50に一体的に連結されている。第2ダイヤルゲージ固定部本体72には、3個の第2ダイヤルゲージ44が固定された第2ダイヤルゲージ固定部材76が重ねられた状態で第2ねじ74により固定されている。
【0023】
第2ダイヤルゲージ固定部材76には、第1ダイヤルゲージ固定部材64と同様に3個の第2ダイヤルゲージ44を差し通した状態で押しねじ78により固定するゲージ固定穴80が、第1直線L1に沿って複数設けられている。ゲージ固定穴80は、第2ダイヤルゲージ44の配置間隔よりも短い間隔で、第2ダイヤルゲージ44の個数よりも多い数で複数個形成されている。
【0024】
第1ダイヤルゲージ固定部46の第2ダイヤルゲージ固定部48から離れた端部には、測定時において下定盤14に当接する第1支柱52が、立設されている。また、第2ダイヤルゲージ固定部48の第1ダイヤルゲージ固定部46から離れた端部には、測定時において下定盤14に当接する下定盤14の周方向に離隔した2箇所に立設され、測定時には下定盤14に当接する第2支柱54及び第3支柱56が、立設されている。第1支柱52は、第1ダイヤルゲージ固定部本体60に螺合され且つロックナット52aにより固定されている。同様に、第2支柱54及び第3支柱56は、第2ダイヤルゲージ固定部本体72に螺合され且つロックナット54a及び56aにより固定されている。
【0025】
第2ダイヤルゲージ固定部本体72は、下定盤14の外周に向かうほど連結部側50に幅寸法が大きくなる扇状に構成されており、第2支柱54及び第3支柱56は、下定盤14の周方向の端部にそれぞれ固定されている。これにより、下定盤14の平坦度の測定に際して、下定盤平坦度測定器40は、第1支柱52、第2支柱54、及び第3支柱56により、下定盤14上で支持されるようになっている。
【0026】
以上のように構成された下定盤平坦度測定器40は、例えば、御影石製の平坦度の高い基準定盤上において、第1支柱52、第2支柱54及び第3支柱56の突出し高さを調整して第1ダイヤルゲージ固定部46及び第2ダイヤルゲージ固定部48を基準定盤と平行とした上で、各第1ダイヤルゲージ42及び各第2ダイヤルゲージ44の表示を予め零に設定し、次いで、下定盤14の上に下定盤14の上面の回転中心線C1と円弧状の連結部50の中心とが同心となるように載置したとき、各第1ダイヤルゲージ42及び各第2ダイヤルゲージ44の表示を読み取ることにより、下定盤14の平坦度を測定する。
【0027】
上述のように、本実施例の両面研磨装置12の下定盤平坦度測定器40によれば、第1ダイヤルゲージ42が固定された第1ダイヤルゲージ固定部46と第2ダイヤルゲージ44が固定された第2ダイヤルゲージ固定部48とが、互いに接近した端部間に空間を形成して、湾曲した連結部50により相互に連結されている。これにより、下定盤平坦度測定器40が、下定盤14の中央に立設されている上定盤16を駆動する上定盤駆動用円筒体20とキャリヤ22の駆動用のサンギヤ24とに干渉することなく、下定盤14の平坦度を測定することができるので、一回の操作で下定盤14の平坦度を測定することが可能となる。
【0028】
また、本実施例の下定盤平坦度測定器40によれば、第2ダイヤルゲージ固定部48は、下定盤14の外周に向かうほど連結部50側に幅寸法が大きくなる扇状に構成された第2ダイヤルゲージ固定部本体72を備え、第2支柱54及び第3支柱56は、第2ダイヤルゲージ固定部本体72の下定盤14の周方向の端部にそれぞれ固定されている。これにより、連結部50は測定作業者側に突き出しているので、第2ダイヤルゲージ固定部48を下定盤14と平行な状態として、下定盤14の平坦度を測定することができる。
【0029】
以上、本発明の一実施例を説明したが、本発明は他の態様においても適用される。
【0030】
たとえば、前述の実施例の下定盤平坦度測定器40は、第1ダイヤルゲージ42及び各第2ダイヤルゲージ44をそれぞれ3個ずつ備えたものであったが、4個以上の第1ダイヤルゲージ42及び各第2ダイヤルゲージ44をそれぞれ備えたものであってもよい。
【0031】
また、下定盤平坦度測定器40に設けられた第1ダイヤルゲージ42及び各第2ダイヤルゲージ44は、機械式のものであってもよいし、電子式のものであってもよい。
【0032】
また、前述の実施例の下定盤平坦度測定器40の第1ダイヤルゲージ固定部46は、第1ダイヤルゲージ固定部本体60とそれに固定された第1ダイヤルゲージ固定部材64とから構成されていたが、それら第1ダイヤルゲージ固定部本体60及び第1ダイヤルゲージ固定部材64は、一体の部材から構成されていてもよい。同様に、第2ダイヤルゲージ固定部48は、第2ダイヤルゲージ固定部本体72とそれに固定された第2ダイヤルゲージ固定部材76とから構成されていたが、それら第2ダイヤルゲージ固定部本体72及び第2ダイヤルゲージ固定部材76は、一体の部材から構成されていてもよい。
【0033】
また、前述の実施例では、両面研磨装置12の下定盤14の上面の平坦度が下定盤平坦度測定器40により測定されていたが、一つ定盤のみを備えて被研磨部材28の片(下)面を研磨する平面研磨装置において、その定盤の平坦度が下定盤平坦度測定器40により測定されてもよい。この平面研磨装置の定盤の中央部に駆動ローラなどの平坦度測定に障害となる測定障害物が突設されている場合の、上記定盤の平坦度の測定に際しては、下定盤平坦度測定器40が、定盤の中央部に立設されている駆動ローラなどの平坦度測定に障害となる測定障害物とに干渉することなく、上記定盤の平坦度を測定することができるので、一回の操作で定盤の平坦度を測定することが可能となる。
【0034】
その他一々例示はしないが、本発明はその趣旨を逸脱しない範囲内において、種々の変更が加えられて用いられるものである。