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  • 特開-ポール、及び、充放電システム 図1
  • 特開-ポール、及び、充放電システム 図2
  • 特開-ポール、及び、充放電システム 図3
  • 特開-ポール、及び、充放電システム 図4
  • 特開-ポール、及び、充放電システム 図5
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024140991
(43)【公開日】2024-10-10
(54)【発明の名称】ポール、及び、充放電システム
(51)【国際特許分類】
   E04H 12/00 20060101AFI20241003BHJP
【FI】
E04H12/00 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023052395
(22)【出願日】2023-03-28
(71)【出願人】
【識別番号】000002945
【氏名又は名称】オムロン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002860
【氏名又は名称】弁理士法人秀和特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】久野 貴大
(72)【発明者】
【氏名】田端 雄樹
(72)【発明者】
【氏名】大橋 辰介
(57)【要約】
【課題】排水経路を容易に形成可能なポール、及び、充放電システムを開示する。
【解決手段】棒状のポール本体と、ポール本体が設置される基礎部分に固定される固定用部品と、を備え、固定用部品は、基礎部分に対面する板状のベース部と、ベース部から立設されており、ポール本体の下部に挿抜される着脱部と、を有し、ベース部の縁沿いには、着脱部が下部に挿入されたポール本体の下端と基礎部分との間に挟まってポール本体の下端を支持する台座部分と、ベース部の縁を切り欠く排水部分と、が形成されている、ポールである。
【選択図】図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
棒状のポール本体と、
前記ポール本体が設置される基礎部分に固定される固定用部品と、を備え、
前記固定用部品は、
前記基礎部分に対面する板状のベース部と、
前記ベース部から立設されており、前記ポール本体の下部に挿抜される着脱部と、を有し、
前記ベース部の縁沿いには、
前記着脱部が下部に挿入された前記ポール本体の下端と前記基礎部分との間に挟まって前記ポール本体の下端を支持する台座部分と、
前記ベース部の縁を切り欠く排水部分と、が形成されている、
ポール。
【請求項2】
前記固定用部品は、板金のプレス加工品であり、
前記排水部分は、前記ベース部から折れ曲がるようにして前記着脱部が立設された部位を含む、
請求項1に記載のポール。
【請求項3】
前記固定用部品は、板金のプレス加工品であり、
前記排水部分は、前記ベース部から折れ曲がるようにして通線用の部位が立設された部位を含む、
請求項1に記載のポール。
【請求項4】
前記ポール本体は、角柱体であり、
前記ベース部は、前記角柱体の断面に対応する形状となっており、
前記排水部分は、前記ベース部の縁のうち前記角柱体の断面を形成する矩形の辺の中央部に形成されている、
請求項1に記載のポール。
【請求項5】
前記ポール本体は、前記固定用部品に対してネジで固定される、
請求項1に記載のポール。
【請求項6】
請求項1から5の何れか一項に記載のポールを備えた充放電システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ポール、及び、充放電システムに関する。
【背景技術】
【0002】
地上等に設置される多種多様な工作物の一種として、垂直に立つ棒状のポールが存在する。ポールは、例えば、道路沿いのガードレールや道路標識、敷地境界に設置される柵、電気機器を格納した筐体、その他各種の工作物を支持する支持手段として多用されている。このようなポールは、通常、雨水の浸入を防止するための措置が講じられている(例えば、特許文献1-2を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2017-082425号公報
【特許文献2】特開平08-151823号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ポール内に雨水が浸入すると、ポールの基礎部分近傍が腐食する可能性がある。そこで、ポール内への雨水の浸入を防ぐ措置を講じることが一般的であるが、ポールの用途や機能によっては雨水の浸入を防ぐことが困難な形態もある。そこで、ポールの下部に排水穴を設けることもあるが、例えば、ポールの下端をコンクリート等の基礎部分に埋設する形態においては、ポールに設けた排水穴を基礎部分近傍で露出させる必要があるため、位置合わせが容易でない。
【0005】
本願は、このような課題に鑑みてなされたものであり、排水経路を容易に形成可能なポール、及び、充放電システムを開示する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するため、本発明では、ポール本体を基礎部分に固定するための固定用部品の板状のベース部の縁沿いに、ポール本体の下端と基礎部分との間に挟まってポール本体の下端を支持する台座部分と、ベース部の縁を切り欠く排水部分と、を形成することにした。
【0007】
詳細には、本発明は、棒状のポール本体と、ポール本体が設置される基礎部分に固定される固定用部品と、を備え、固定用部品は、基礎部分に対面する板状のベース部と、ベース部から立設されており、ポール本体の下部に挿抜される着脱部と、を有し、ベース部の縁沿いには、着脱部が下部に挿入されたポール本体の下端と基礎部分との間に挟まってポール本体の下端を支持する台座部分と、ベース部の縁を切り欠く排水部分と、が形成されている、ポールである。
【0008】
これによれば、ポール本体が設置される基礎部分に対面する板状のベース部の縁沿いに、ポール本体の下端と基礎部分との間に挟まる台座部分の他、ベース部の縁を切り欠く排水部分が設けられているため、このようなベース部を有する固定用部品にポール本体を取り付ければ、ポール本体の下端と基礎部分との間に、ベース部の縁を切り欠く排水部分による隙間が形成される。この隙間は、ポール本体の底部においてポール本体の内外を連通する通路となる。よって、ポール本体の内部に水が浸入した場合であっても、ポール本体の内部の水は排水部分の切り欠きを通じてポール本体の外へ排水される。このため、この
ようなポールであれば、排水経路を容易に形成可能である。
【0009】
なお、固定用部品は、板金のプレス加工品であり、排水部分は、ベース部から折れ曲がるようにして着脱部が立設された部位を含むものであってもよい。これによれば、着脱部を形成するためにベース部から折り曲げた部分を排水部分として用いることができる。
【0010】
また、固定用部品は、板金のプレス加工品であり、排水部分は、ベース部から折れ曲がるようにして通線用の部位が立設された部位を含むものであってもよい。これによれば、通線用の部位を形成するためにベース部から折り曲げた部分を排水部分として用いることができる。
【0011】
また、ポール本体は、角柱体であり、ベース部は、角柱体の断面に対応する形状となっており、排水部分は、ベース部の縁のうち角柱体の断面を形成する矩形の辺の中央部に形成されていてもよい。これによれば、ベース部の縁のうち角柱体の断面を形成する矩形の辺の中央部に排水部分が形成されるので、ベース部の縁のうちのその他の部位に台座部分を形成することができる。
【0012】
また、ポール本体は、固定用部品に対してネジで固定されていてもよい。これによれば、ポール本体を固定用部品にネジで固定することができる。
【0013】
また、本発明は、上記何れかのポールを備えた充放電システムであってもよい。
【発明の効果】
【0014】
上記のポール、及び、充放電システムであれば、排水経路を容易に形成可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1図1は、充放電システムの外観斜視図である。
図2図2は、充放電装置本体を斜め後ろ側から見た場合の外観斜視図である。
図3図3は、ポールを分解した様子を示した図である。
図4図4は、ベース金具を詳細に示した図である。
図5図5は、ポールの下部の排水経路を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
<適用例>
本発明の適用例として、充放電システムを図1に示す。本願では、説明の便宜上、「充放電」という文言を用いているが、「充放電」とは、充電と放電の両方が可能であることに限定するものではなく、充電または放電のみが可能であることを含む。よって、充放電システム1とは、充電と放電の両方が可能なものに限定されない。充放電システム1は、充電のみが可能なものであってもよいし、放電のみが可能なものであってもよい。
【0017】
充放電システム1の充放電装置本体2は、建物の外壁に設置されない場合、背面筐体3を介してポール6に固定される。ポール6は、防水構造になっていないため、内部に浸入した水を排水する排水経路を設ける必要がある。
【0018】
図3に示すように、ポール6は、平板状のベース部分63bの長手方向における両端から上方に突出するように一対の着脱部63cが設けられている。また、ベース金具63は、平板状のベース部分63bの短手方向における一端から上方に突出するように背面側通線穴63aを形成する部位が設けられている。そして、ベース部分63bの4つの角には、ポール本体62の下端の角を支持するための台座部分63eがベース部分63bの4つの角にそれぞれ設けられている。
【0019】
そして、ベース部分63bから上方に突出するように形成されている部位は、ベース部分63bから折れ曲がるようにして立設されている。このため、ベース部分63bの外周部分を形成する略長方形の縁63hは、折り曲げ部分63gによる切り欠き63iを有している。このため、ポール本体62とベース金具63が固定される基礎部分との間に挟まれ、ポール本体62の断面に対応する形状となっているベース部分63bの縁63hに、ポール本体62の下端を支持する台座部分63eの他に、切り欠き63iが形成されていることにより、切り欠き63iがポール6内の水を排水する排水部分として機能する。
【0020】
<実施形態>
以下、実施形態について説明する。以下に示す実施形態は、本発明の実施形態の一例であり、本発明の技術的範囲を以下の内容に限定するものではない。
【0021】
図1は、充放電システムの外観斜視図である。充放電システム1は、電動式移動体用のシステムである。電動式移動体とは、電動式の移動体であり、地上を走行する電動式自動車、水上を進む電動式船舶、空中を飛行する電動式飛行体、その他各種の移動体が挙げられる。移動体は、人が乗降可能な乗り物であってもよいし、或いは、無人で移動するものであってもよい。また、充放電システム1が設置される箇所としては、戸建て住宅や集合住宅、宿泊施設、商業施設、行政関連施設、道路沿いの休憩施設、空港施設、港湾施設等が挙げられる。電動式自動車としては、バッテリの電力のみで走行するBEV(Battery Electric Vehicle)、バッテリと内燃機関を併用するPHV(Plug-in Hybrid Vehicle)、燃料電池の電力で走行するFCV(Fuel Cell Vehicle)、その他各種の電動式自動車
(以下、「EV」という)が挙げられる。充放電システム1は、このような、駆動用の電気モータへ給電するバッテリを内蔵した電動式移動体の充電を行う充電設備、或いは、バッテリの充電とバッテリから外部への充放電の両方を司る充放電設備として利用される。本実施形態では、充放電システム1を充放電する設備という前提で説明するが、充放電システム1は充電専用の設備であってもよい。
【0022】
充放電システム1は、屋外を移動する電動式移動体用の充放電設備であるため、風雨に晒されることを想定した屋外仕様の設計となっている。すなわち、充放電システム1には、充放電装置本体2、充放電装置本体2を壁面等に取り付け可能にするための背面筐体3、電動式移動体に接続する充放電ケーブルのコネクタを固定するためのコネクタホルダ4、充放電ケーブルを保管するためのケーブルホルダ5、充放電装置本体2を支持するポール6が備わっている。
【0023】
充放電装置本体2は、スイッチングコンバータ等の電力変換装置を内蔵した装置である。電動式移動体への給電は直流電力で行うことを前提とした規格になっているが、電力系統には交流電力が流れている。このため、電力系統と電動式移動体とを繋ぐ充放電システム1の充放電装置本体2は、電力の交直変換を行う。また、充放電装置本体2は、電動式移動体や電力系統が許容する電圧及び電流となるように、電圧の昇降圧や電流制御を行う。
【0024】
充放電装置本体2は、このような電力変換を司るスイッチング素子や制御装置等の電子部品を有するものであるため、電子部品を内蔵する本体筐体21、本体筐体21の開口を塞ぐ正面カバー22、充放電装置本体2を操作するための操作パネル23を有する。本体筐体21と正面カバー22は、図1に示されるように、略直方体の外観を形成する。そして、操作パネル23は、ユーザが操作しやすいように、充放電装置本体2の正面部分を形成する正面カバー22に配置されている。
【0025】
背面筐体3は、充放電装置本体2を建物の壁面或いは充電ポールに取り付けるための部
材である。充放電装置本体2の背面には放熱用のフィン等を備えたヒートシンクが配置されている。このため、充放電装置本体2の背面と充放電装置本体2の取り付け面との間を離間させるために、充放電装置本体2の背面と充放電装置本体2の取り付け面との間に背面筐体3を挟む形態となっている。
【0026】
背面筐体3は、略直方体の外観の充放電装置本体2の背面側に取り付けるものであるため、充放電装置本体2の背面の外観形状に対応した略矩形の部材となっている。そして、背面筐体3は、充放電装置本体2が背面筐体3を介して取り付け面に設置された状態において、背面筐体3の上面や側面、底面が露出する形態となっている。このため、背面筐体3の側面31には、図1に示されるように、コネクタホルダ4が取り付け可能となっている。また、背面筐体3の上面には、放熱用の通気口32が設けられている。図1には図示されていないが、背面筐体3の下面にも、通気口32と同様の通気口が設けられている。
【0027】
コネクタホルダ4は、背面筐体3の側面31に取り付け可能なホルダである。コネクタホルダ4は、内部の金具を覆う背面カバー41と正面カバー42、正面カバー42に形成されたコネクタ装着用のコネクタ差込孔43を有する。
【0028】
ケーブルホルダ5は、図1に示すように、充放電装置本体2の下部に装着されるフック状の部材であり、アーム部51、受け部52、爪部53を有する。ケーブルホルダ5は、アーム部51と受け部52と爪部53によってフック状に形成される部材であるため、巻かれた状態のケーブルを受け部52に吊り下げ状態で架けることができる。よって、受け部52に架かった状態のケーブルは、充放電装置本体2の後方側へはアーム部51により移動が阻まれ、充放電装置本体2の前方側へは爪部53により移動が阻まれる。このため、ケーブルホルダ5は、巻かれた状態のケーブルを落とさないように吊り下げ状態で保持することができる。
【0029】
ポール6は、図1に示すように、角柱のポールであり、背面筐体3を介して固定された充放電装置本体2を支持する。ポール6は、角柱のポール本体62と、ポール本体62の上端を塞ぐ上部カバー61と、基礎部分に固定されるベース金具63と、ポール本体62をベース金具63に固定するための固定ネジ64とを有する。充放電装置本体2は、ポール本体62のポール正面62aに背面筐体3を介して固定される。また、審美性を考慮し、固定ネジ64は、ポール本体62のポール側面62bの底部付近に設けられる。
【0030】
図2は、充放電装置本体2を斜め後ろ側から見た場合の外観斜視図である。図2を見ると判るように、ポール6の背面側には、蓋65がポール本体62のポール背面62cの開口を塞ぐようにして設けられている。この蓋65は、ポール本体62の下端から上端まで延在するポール背面62cの開口を塞ぐために、ポール本体62の下端から上端まで延在する形態となっている。このため、蓋65の下端には、充放電システム1と分電盤とを電気的に繋ぐケーブルを通すために設けられた背面側通線穴63aの部分に切り欠きが設けられている。
【0031】
図3は、ポール6を分解した様子を示した図である。図3に示すように、ポール6は、固定ネジ64を外してポール本体62とベース金具63を分離したり、ポール本体62から上部カバー61と蓋65を外してポール背面62cの開口62dを開いたりすることができる。開口62dは、ポール本体62の下端から上端まで延在しているため、蓋65が外されると、ポール本体62の内側をポール本体62の下端から上端まで殆どすべて開放したような状態となる。
【0032】
図3に示すように、ポール本体62には、ポール正面62aにおいてポール本体62の内外を連通する通線穴62eが設けられている。通線穴62eは、ポール本体62内に通
線されたケーブルをポール正面62a側に出して充放電装置本体2へ接続するための穴である。このため、通線穴62eは、ケーブルを通すことが可能な程度の大きさとなっている。
【0033】
また、図3に示すように、ベース金具63には、ポール6が設置される基礎部分に載せられる平板状のベース部分63bと、ベース部分63bの両端から上方に突出するように形成される一対の着脱部63cが設けられている。ベース部分63bには、ポール6が設置される基礎部分にベース金具63を固定するための固定用穴63dが設けられている。固定用穴63dには、基礎部分に埋め込まれたボルト、或いは、基礎部分に打ち込まれたアンカーが通される。そして、ベース金具63は、基礎部分に埋め込まれたボルト或いはアンカーに螺合されるナットにより基礎部分に固定される。ベース金具63がこのような形態で基礎部分に固定されるので、ポール6が設置される基礎部分は、水平面となるように施工されることが好ましい。
【0034】
また、ベース金具63のベース部分63bには、底面側通線穴63fや、前述した背面側通線穴63aが設けられている。底面側通線穴63fは、基礎部分から上方へ突出するように引き回されたケーブルを通すための穴である。また、背面側通線穴63aは、地面や基礎部分を這うようにして引き回されたケーブルを通すための穴である。底面側通線穴63fと背面側通線穴63aは、基礎部分の付近におけるケーブルの引き回し方に応じたものが使用される。底面側通線穴63fと背面側通線穴63aは、何れも、PF管等の電線保護管によって保護されたケーブルを通すことを想定した大きさとなっている。
【0035】
また、ベース金具63のベース部分63bには、ポール本体62の下端の角を支持するための台座部分63eがベース部分63bの4つの角にそれぞれ設けられている。これにより、ポール本体62をベース金具63にセットすると、ポール本体62の下端の4つの角がそれぞれ台座部分63eを介して基礎部分に支持された状態となり、ベース金具63にセットされたポール本体62の姿勢を安定させることができる。
【0036】
ベース金具63にある一対の着脱部63cは、ポール本体62の内側に嵌り込む部分である。着脱部63cは、ポール側面62bの左右両側にあるポール側面62bのそれぞれの下部を固定するための部分である。このため、着脱部63cには、固定ネジ64を螺合するためのネジ穴等が設けられている。
【0037】
図4は、ベース金具63を詳細に示した図である。図4では、ベース金具63とポール本体62の下部との対応関係が判りやすいように、ポール本体62をベース金具63から僅かに持ち上げた状態を図示している。
【0038】
ベース金具63は、上述したように、平板状のベース部分63bの長手方向における両端から上方に突出するように一対の着脱部63cが設けられている。また、ベース金具63は、平板状のベース部分63bの短手方向における一端から上方に突出するように背面側通線穴63aを形成する部位が設けられている。そして、ベース部分63bの4つの角には、ポール本体62の下端の角を支持するための台座部分63eがそれぞれ設けられている。
【0039】
そして、ベース金具63が板金をプレス加工することにより形成されるものであるため、ベース部分63bから上方に突出するように形成されている部位は、ベース部分63bから折れ曲がるようにして立設されている。すなわち、着脱部63c及び背面側通線穴63aを形成する部位は、ベース部分63bの縁63h沿いでベース部分63bから折れ曲がるようにして立設されている。このため、ベース部分63bの外周部分を形成する略長方形の縁63hは、ベース部分63bの長手方向における両端の短辺部分における中央部
分に、着脱部63cを立設するための折り曲げ部分63gによる切り欠き63iを有している。また、ベース部分63bの外周部分を形成する略長方形の縁63hは、ベース部分63bの短手方向における一端の長辺部分における中央部分に、背面側通線穴63aを形成する部位を立設するための折り曲げ部分63gによる切り欠き63iを有している。
【0040】
このように、ポール本体62とベース金具63が固定される基礎部分との間に挟まれ、ポール本体62の断面に対応する形状となっているベース部分63bの縁63hに、ポール本体62の下端を支持する台座部分63eの他に、切り欠き63iが形成されていることにより、切り欠き63iがポール6内の水を排水する排水部分として機能する。
【0041】
図5は、ポール6の下部の排水経路を示した図である。図5では、基礎部分に固定されたベース金具63の着脱部63cがポール本体62の下部に挿入された状態、すなわち、ポール本体62がベース金具63を介して基礎部分に固定された状態を示している。
【0042】
図5に示されるように、ポール本体62をベース金具63に取り付けると、ポール本体62の下端と基礎部分との間に台座部分63eが挟まり、台座部分63eがポール本体62の下端を支持する状態となる。縁63hには切り欠き63iが形成されているため、台座部分63eによって支持されるポール本体62と基礎部分との間には、切り欠き63iによる隙間が形成される。この隙間は、ポール本体62の底部においてポール本体62の内外を連通する通路となる。よって、ポール本体62の内部に水が浸入した場合であっても、ポール本体62の内部の水は切り欠き63iを通じてポール本体62の外へ排水される。
【0043】
本実施形態のポール6であれば、ポール本体62を基礎部分に固定するためのベース金具63が、ポール本体62内の水を排水する排水経路も形成する。よって、例えば、ポールの下端をコンクリート等の基礎部分に埋設する形態において、ポールに設けた排水穴を基礎部分近傍で露出させるといった位置合わせ作業が必要ない。このため、本実施形態のポール6であれば、排水経路を容易に形成可能である。
【0044】
なお、ベース金具63は、板金をプレス加工したものに限定されるものではない。ベース金具63は、例えば、鋳造品であってもよい。ベース金具63は、ポール本体62を倒す方向の荷重にある程度耐える必要があるため、適度の強度を有するものであればよい。
【0045】
また、ベース金具63は、排水部分を形成する切り欠き63iを、板金を折り曲げて形成したものに限定されるものではない。切り欠き63iは、排水部分を形成する目的のためにベース部分63bに形成されたものであってもよい。
【0046】
また、ベース金具63は、背面側通線穴63aが省略されており、着脱部63cに対応する切り欠き63iのみを有するものであってもよい。また、ベース金具63は、背面側通線穴63aや着脱部63cを形成する目的ではなく、排水部分を形成する目的のために形成された切り欠き63iのみを有するものであってもよい。
【0047】
また、ポール6は、角柱の外観形状であったが、円柱状、或いは、その他の形状の柱状体であってもよい。
【0048】
また、ポール6は、開口62dがポール本体62の下端から上端まで延在していたが、開口62dをポール背面62cの一部分に有する形態であってもよい。また、ポール6は、開口62dをポール本体62のポール背面62cに有していたが、開口62dをポール本体62のその他の面に有していてもよい。
【0049】
なお、本願は、以下の付記的事項を含む。
<付記1>
棒状のポール本体(62)と、
前記ポール本体が設置される基礎部分に固定される固定用部品(63)と、を備え、
前記固定用部品は、
前記基礎部分に対面する板状のベース部(63b)と、
前記ベース部から立設されており、前記ポール本体の下部に挿抜される着脱部(63c)と、を有し、
前記ベース部の縁沿いには、
前記着脱部が下部に挿入された前記ポール本体の下端と前記基礎部分との間に挟まって前記ポール本体の下端を支持する台座部分(63e)と、
前記ベース部の縁を切り欠く排水部分(63i)と、が形成されている、
ポール。
<付記2>
前記固定用部品は、板金のプレス加工品であり、
前記排水部分は、前記ベース部から折れ曲がるようにして前記着脱部が立設された部位を含む、
付記1に記載のポール。
<付記3>
前記固定用部品は、板金のプレス加工品であり、
前記排水部分は、前記ベース部から折れ曲がるようにして通線用の部位が立設された部位を含む、
付記1又は2に記載のポール。
<付記4>
前記ポール本体は、角柱体であり、
前記ベース部は、前記角柱体の断面に対応する形状となっており、
前記排水部分は、前記ベース部の縁のうち前記角柱体の断面を形成する矩形の辺の中央部に形成されている、
付記1から3の何れか一項に記載のポール。
<付記5>
前記ポール本体は、前記固定用部品に対してネジで固定される、
付記1から4の何れか一項に記載のポール。
<付記6>
付記1から5の何れか一項に記載のポールを備えた充放電システム。
【符号の説明】
【0050】
1・・充放電システム
2・・充放電装置本体
3・・背面筐体
4・・コネクタホルダ
5・・ケーブルホルダ
6・・ポール
63・・ベース金具
63e・・台座部分
63i・・切り欠き
図1
図2
図3
図4
図5