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特開2024-141000通信装置、通信制御方法、及び通信制御プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024141000
(43)【公開日】2024-10-10
(54)【発明の名称】通信装置、通信制御方法、及び通信制御プログラム
(51)【国際特許分類】
   H04W 28/082 20230101AFI20241003BHJP
   H04W 48/16 20090101ALI20241003BHJP
   H04W 24/08 20090101ALI20241003BHJP
   H04W 48/18 20090101ALI20241003BHJP
【FI】
H04W28/082
H04W48/16 132
H04W24/08
H04W48/18
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023052416
(22)【出願日】2023-03-28
(71)【出願人】
【識別番号】000004260
【氏名又は名称】株式会社デンソー
(74)【代理人】
【識別番号】230120499
【弁護士】
【氏名又は名称】藤江 和典
(74)【代理人】
【識別番号】100201385
【弁理士】
【氏名又は名称】中安 桂子
(72)【発明者】
【氏名】吉永 諭史
【テーマコード(参考)】
5K067
【Fターム(参考)】
5K067AA23
5K067EE02
5K067EE10
5K067JJ39
(57)【要約】      (修正有)
【課題】データを送信する際に精度の高い通信品質情報を用いて送信制御を行う通信装置、方法及びプログラムを提供する。
【解決手段】通信装置100は、位置情報と、位置情報が示す位置の通信品質を示す第1の通信品質情報とを対応付けて保存する通信品質情報保存部101と、通信装置が過去に外部装置に送信したデータを用いて推定した通信品質を示す第2の通信品質情報を外部装置から受信する受信部102と、第1の通信品質情報の信頼度である第1の信頼度及び第2の通信品質情報の信頼度である第2の信頼度に基づいて第1/第2の通信品質情報のいずれを送信制御に使用するかを決定する決定部103と、データを取得するデータ取得部104と、決定部が決定した通信品質情報を使用してデータ取得部が取得したデータの送信制御を行う送信制御部106と、送信制御部の送信制御に従ってデータを外部装置に送信する送信部107と、を備える。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
移動体に搭載された通信装置であって、
位置情報と、前記位置情報が示す位置の通信品質を示す第1の通信品質情報と、を対応付けて保存する保存部(101)と、
前記移動体の外部に位置する外部装置から、当該通信装置が過去に前記外部装置に送信したデータを用いて推定された通信品質を示す第2の通信品質情報を受信する受信部(102)と、
前記第1の通信品質情報の信頼度である第1の信頼度及び前記第2の通信品質情報の信頼度である第2の信頼度に基づいて、前記第1の通信品質情報及び前記第2の通信品質情報のいずれを送信制御に使用するかを決定する、決定部(103)と、
データを取得するデータ取得部(104)と、
前記決定部が決定した通信品質情報を使用して、前記データ取得部が取得した前記データの送信制御を行う送信制御部(106)と、
前記送信制御部の送信制御に従って、前記データを前記外部装置に送信する送信部(107)と、
を備える、通信装置(100,110,120)。
【請求項2】
前記第1の信頼度及び前記第2の信頼度がいずれも所定の信頼度よりも高い場合、前記決定部は、前記第1の通信品質情報と前記第2の通信品質情報の相関度を算出し、前記相関度が所定の相関度よりも高い場合、前記第2の通信品質情報を用いて補正した前記第1の通信品質情報を使用することを決定する、
請求項1記載の通信装置。
【請求項3】
前記相関度が前記所定の相関度よりも低い場合、前記決定部は、前記第2の通信品質情報を使用することを決定する、
請求項2記載の通信装置。
【請求項4】
前記第1の信頼度及び前記第2の信頼度がいずれも所定の信頼度よりも低い場合、前記決定部は、前記第1の通信品質情報を使用することを決定する、
請求項1記載の通信装置。
【請求項5】
前記第1の信頼度が所定の信頼度よりも高く、且つ、前記第2の信頼度が前記所定の信頼度よりも低い場合、前記決定部は、前記第1の通信品質情報を使用することを決定する、
請求項1記載の通信装置。
【請求項6】
前記第1の信頼度が所定の信頼度よりも低く、且つ、前記第2の信頼度が前記所定の信頼度よりも高い場合、前記決定部は、前記第2の通信品質情報を使用することを決定する、
請求項1記載の通信装置。
【請求項7】
前記第1の信頼度は、前記第1の通信品質情報が示す通信品質のばらつきに基づいて決定される、
請求項1記載の通信装置。
【請求項8】
前記第2の信頼度は、前記第2の通信品質情報が示す通信品質の推定に用いられたデータを当該通信装置が送信した位置と前記移動体の現在位置との間の距離に基づいて決定される、
請求項1記載の通信装置。
【請求項9】
前記第2の信頼度は、前記移動体の速度に基づいて決定される、
請求項1記載の通信装置。
【請求項10】
前記第2の信頼度は、前記過去に送信したデータのデータ量に基づいて決定される、
請求項1記載の通信装置。
【請求項11】
移動体に搭載される通信装置で実行される通信制御方法であって、
前記通信装置は、位置情報と、前記位置情報が示す位置の通信品質を示す第1の通信品質情報と、を対応付けて保存する保存部を備え、
当該通信制御方法は、
前記移動体の外部に位置する外部装置から、前記通信装置が過去に前記外部装置に送信したデータを用いて推定された通信品質を示す第2の通信品質情報を受信し(S101)、
前記第1の通信品質情報の信頼度である第1の信頼度及び前記第2の通信品質情報の信頼度である第2の信頼度に基づいて、前記第1の通信品質情報及び前記第2の通信品質情報のいずれを送信制御に使用するかを決定し(S102)、
データを取得し(S103)、
決定した通信品質情報を使用して、取得した前記データの送信制御を行い(S105)、
前記送信制御に従って、前記データを前記外部装置に送信する(S106)、
通信制御方法。
【請求項12】
通信装置で実行可能な通信制御プログラムであって、
前記通信装置は、位置情報と、前記位置情報が示す位置の通信品質を示す第1の通信品質情報と、を対応付けて保存する保存部を備え、
当該通信制御プログラムは、
前記移動体の外部に位置する外部装置から、前記通信装置が過去に前記外部装置に送信したデータを用いて推定された通信品質を示す第2の通信品質情報を受信し(S101)、
前記第1の通信品質情報の信頼度である第1の信頼度及び前記第2の通信品質情報の信頼度である第2の信頼度に基づいて、前記第1の通信品質情報及び前記第2の通信品質情報のいずれを送信制御に使用するかを決定し(S102)、
データを取得し(S103)、
決定した通信品質情報を使用して、取得した前記データの送信制御を行い(S105)、
前記送信制御に従って、前記データを前記外部装置に送信する(S106)、
通信制御プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、主に自動車をはじめとする移動体に搭載される装置であって、当該装置が使用する通信回線の通信品質に基づいて通信制御を行う通信装置、通信制御方法、及び通信制御プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
無線通信が普及するにつれ、様々な場所で無線通信を用いた通信を行う機会が増えている。とりわけ、自動車等の移動体においては、運転支援や自動運転制御を行う技術の発展に伴い、自動車と他の装置とが通信を介して接続される、いわゆる車両のコネクティッド化が進んでいる。
【0003】
ここで、無線通信においては電波が干渉しあうことにより、場所によって電波の送信レベルや受信レベルに強弱が生じることで、場所によって通信帯域や通信遅延が大きく変動することが知られている。自動車等の移動体においては移動を前提としているので、移動に伴い通信品質の変動が生じることから、特定の場所における通信品質をあらかじめ知ることができれば事前に対策を講じることができる。特に、複数の通信回線を用いて通信を行う技術を用いる場合、各々の通信品質をあらかじめ知ることができれば、送信すべきデータを通信品質に応じてそれぞれの通信回線に分配することで、通信時間を短縮することが可能となる。
【0004】
例えば、特許文献1には、複数の通信回線それぞれの通信性能を測定するとともに、送信データの通信状況を取得し、測定した通信性能と取得した通信状況とに基づいて、複数の通信回線それぞれで送信する通信負荷量を分散させる情報処理装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2017-73689号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ここで、本発明者は、以下の課題を見出した。
特許文献1には、直近の通信結果から推定された通信状況に基づいて、通信負荷量を分散させることが記載されている。しかしながら、通信装置が自動車等の移動体に搭載されている場合、自動車の移動に伴って、通信装置は通信結果から推定された通信状況が得られる特定の位置から移動する。そのため、推定された通信状況と、実際に通信負荷量を分散して通信を行う際の通信状況と、が乖離している可能性がある。
【0007】
そこで、本発明は、移動体に搭載される通信装置が通信を行う際に、実際に得られる通信品質により近い通信品質を使用して、通信負荷分散といった通信制御を行うことができる通信装置等を実現することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本開示の通信装置は、移動体に搭載された通信装置(100,110,120)であって、位置情報と、前記位置情報が示す位置の通信品質を示す第1の通信品質情報と、を対応付けて保存する保存部(101)と、前記移動体の外部に位置する外部装置から、当該通信装置が過去に前記外部装置に送信したデータを用いて推定された通信品質を示す第2の通信品質情報を受信する受信部(102)と、前記第1の通信品質情報の信頼度である第1の信頼度及び前記第2の通信品質情報の信頼度である第2の信頼度に基づいて、前記第1の通信品質情報及び前記第2の通信品質情報のいずれを送信制御に使用するかを決定する、決定部(103)と、データを取得するデータ取得部(104)と、前記決定部が決定した通信品質情報を使用して、前記データ取得部が取得した前記データの送信制御を行う送信制御部(106)と、前記送信制御部の送信制御に従って、前記データを前記外部装置に送信する送信部(107)と、を備える。
【0009】
なお、特許請求の範囲、及び本項に記載した発明の構成要件に付した括弧内の番号は、本発明と後述の実施形態との対応関係を示すものであり、本発明を限定する趣旨ではない。
【発明の効果】
【0010】
上述のような構成により、本開示の通信装置等によれば、通信装置が通信を行う際に、より精度の高い通信品質に基づいて通信制御を行うことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】各実施形態の通信装置の配置及び関係する機器との関係を説明する説明図
図2】第1の実施形態の通信装置の構成例を説明する説明図
図3】各実施形態の通信装置の通信品質情報保存部に保存される通信品質情報を説明する図
図4】各実施形態の通信装置の決定部による決定方法を説明する図
図5】各実施形態の通信品質情報の相関及び通信品質情報の補正を説明する図
図6】各実施形態の通信品質情報の相関を説明する図
図7】各実施形態の通信品質情報の相関及び通信品質情報の補正を説明する図
図8】各実施形態のサーバ装置の動作を説明する説明図
図9】各実施形態の通信装置の動作を説明する図
図10】各実施形態の通信装置の動作を説明する図
図11】第2の実施形態の通信装置の構成例を説明する図
図12】第3の実施形態の通信装置の構成例を説明する図
図13】変形例によるサーバ装置の構成例を説明する図
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して説明する。
【0013】
なお、本発明とは、特許請求の範囲又は課題を解決するための手段の項に記載された発明を意味するものであり、以下の実施形態に限定されるものではない。また、少なくともかぎ括弧内の語句は、特許請求の範囲又は課題を解決するための手段の項に記載された語句を意味し、同じく以下の実施形態に限定されるものではない。
【0014】
特許請求の範囲の従属項に記載の構成及び方法は、特許請求の範囲の独立項に記載の発明において任意の構成及び方法である。従属項に記載の構成及び方法に対応する実施形態の構成及び方法、並びに特許請求の範囲に記載がなく実施形態のみに記載の構成及び方法は、本発明において任意の構成及び方法である。特許請求の範囲の記載が実施形態の記載よりも広い場合における実施形態に記載の構成及び方法も、本発明の構成及び方法の例示であるという意味で、本発明において任意の構成及び方法である。いずれの場合も、特許請求の範囲の独立項に記載することで、本発明の必須の構成及び方法となる。
【0015】
実施形態に記載した効果は、本発明の例示としての実施形態の構成を有する場合の効果であり、必ずしも本発明が有する効果ではない。
【0016】
複数の実施形態がある場合、各実施形態に開示の構成は各実施形態のみで閉じるものではなく、実施形態をまたいで組み合わせることが可能である。例えば一つの実施形態に開示の構成を、他の実施形態に組み合わせてもよい。また、複数の実施形態それぞれに開示の構成を集めて組み合わせてもよい。
【0017】
発明が解決しようとする課題に記載した課題は公知の課題ではなく、本発明者が独自に知見したものであり、本発明の構成及び方法と共に発明の進歩性を肯定する事実である。
【0018】
1.各実施形態に共通の通信装置の配置、及び関係する機器との関係
図1は、各実施形態の通信装置100、110、120、及び関係する機器との関係を説明する図である。本項では、通信装置100、110、120をまとめて、通信装置100等と称する。通信装置100等は、「移動体」である車両に「搭載」される装置である。そのため、通信装置100等は、車両の移動に伴って移動する。
【0019】
ここで、「移動体」とは、移動可能な物体をいい、移動速度は任意である。また移動体が停止している場合も当然含む。例えば、自動車、自動二輪車、自転車、及びこれらに搭載される物を含み、またこれらに限らない。
「搭載」されるとは、移動体に直接固定されている場合の他、移動体に固定されていないが移動体と共に移動する場合も含む。例えば、移動体である車両に乗った人が所持している場合、移動体に載置された積荷に搭載されている場合、が挙げられる。
【0020】
通信装置100等は、汎用のCPU(Central Processing Unit)、RAM等の揮発性メモリ、ROM、フラッシュメモリ、又はハードディスク等の不揮発性メモリ、各種インターフェース、及びこれらを接続する内部バスで構成することができる。そして、これらのハードウェア上でソフトウェアを実行することにより、後述する図2に記載の各機能ブロックの機能を発揮させるように構成することができる。もちろん、通信装置100等を、LSI等の専用のハードウェアで実現してもよい。
【0021】
通信装置100等は、本実施形態では半完成品としての電子制御装置(ECU(Electric Control Unit)、以下ECUと略する。)の形態を想定しているが、これに限らない。例えば、部品の形態としては、半導体回路や半導体モジュール、半完成品の形態としては、電子制御装置、電子制御ユニット、システムボード、完成品の形態としては、サーバ、ワークステーション、パーソナルコンピュータ(PC)、タブレット、モバイルルータ、スマートフォン、携帯電話、ナビゲーションシステムが挙げられる。なお、通信装置100等は、単一のECUの他、複数のECUで構成されてもよい。例えば、通信装置100等は、テレマティクス制御ユニット(TCU(Telematics Control Unit))としてもよい。
【0022】
ユーザ端末装置10は通信装置100等と接続された装置であり、通信装置100と同様、移動体である車両に搭載されている。ユーザ端末装置10は、例えば、車両の動作や走行を制御するECU(Electronic Control Unit)や、車両に搭載されたセンサ等に接続されるECUである。ユーザ端末装置10の形態は部品、半完成品、完成品のいずれであってもよい。
【0023】
ユーザ端末装置10は、ユーザアプリケーションを有している。ユーザアプリケーションは、ユーザ端末装置10であるECUの機能に応じたデータを生成する任意のアプリケーションである。例えば、ユーザ端末装置10に接続されたカメラで撮像された画像データを圧縮して、宛先端末装置20の宛先アプリケーションに送信する映像伝送アプリケーションが挙げられる。以下、ユーザ端末装置10が、通信装置100等、サーバ装置15を介して宛先端末装置20に送信するデータを、ユーザデータと称する。
【0024】
通信装置100等とユーザ端末装置10とは、通信回線11を介して接続されている。通信装置100等が車両に搭載されている場合には、通信回線11として、例えば車載ネットワークである車載Ethernet、CAN(Controller Area Network)、又はLIN(Local Interconnect Network)を用いることができる。その他、通信回線11は、無線通信回線、有線通信回線のいずれであってもよい。無線通信回線の例として、IEEE802.11(Wi-Fi(登録商標))、Bluetooth(登録商標)、UWB(Ultra Wide Band)、又はDSRC(Dedicated Short Range Communication)等の無線通信方式からなる通信回線を用いることもできる。有線通信回線の例として、イーサネット(登録商標)等のLAN(Local Area Network)、光回線、又は固定電話回線を用いることができる。
【0025】
サーバ装置15(「外部装置」に相当)は、車両の外部に位置する装置であり、通信装置100等が使用する通信ネットワークの通信品質を推定する装置である。サーバ装置15は、遠隔地から車両のセキュリティを管理するSOC(Security Operation Center)や、車両に関するデータを収集するデータセンタに設けられるサーバ装置であってもよい。
【0026】
通信装置100等とサーバ装置15とは、複数の通信回線である通信回線21、通信回線22、及び通信回線23を介して接続されている。通信装置100等は、ユーザ端末装置10から受信した宛先端末装置20宛のユーザデータを複数の通信回線に分散、又は冗長化してサーバ装置15に送信する。図1では図示していないが、通信装置100等とサーバ装置15とは、各通信回線に接続された基地局装置やゲートウェイ装置等を介してインターネット等に接続されてもよい。また、サーバ装置15は、必ずしも複数の通信回線で接続されている必要はない。
【0027】
通信回線21、通信回線22、及び通信回線23は、無線通信回線、有線通信回線のいずれであってもよい。無線通信回線の例として、移動通信システムに基づく通信回線が挙げられ、例えば、W-CDMA(Wideband Code Division Multiple Access)、HSPA(High Speed Packet Access)、LTE(Long Term Evolution)、LTE-A(Long Term Evolution Advanced)、4G、又は5G等の無線通信方式からなる通信回線を用いることができる。この他、例えば、IEEE802.11(Wi-Fi(登録商標))、IEEE802.16(WiMAX(登録商標))等の無線通信方式からなる通信回線を用いることもできる。有線通信回線の例として、イーサネット(登録商標)等のLAN(Local Area Network)、光回線、又は固定電話回線を用いることができる。また、無線通信回線と有線通信回線とを組み合わせた通信回線であってもよいことも同様である。例えば、サーバ装置15がインターネットに接続された装置である場合、通信装置100等と基地局装置との間は4Gや5Gの無線通信方式、基地局装置とサーバ装置15との間は光回線からなる有線通信方式、を用いることができる。
【0028】
本実施形態では、例えば通信回線21を5G、通信回線22をLTE、通信回線23をWi-Fiとすることができる。本実施形態では、複数の通信回線は3本の例を挙げているが、2つ又は4つ以上でもよい。また、複数の通信回線の全部又は一部は同一の通信方式であってもよい。
【0029】
サーバ装置15は、通信装置100等から受信したユーザデータを用いて、通信回線21、通信回線22、通信回線23それぞれの通信品質を推定する。サーバ装置15は、ユーザデータとともに、通信装置100等がユーザデータを送信したときの通信装置100等の位置、時刻、ユーザデータの識別番号といった付加情報を受信してもよい。そして、サーバ装置15は、推定した通信品質を示す通信品質情報と、受信した付加情報と、を通信装置100等に送信する。通信品質情報に加えて付加情報を送信するのは、通信装置100等が、通信品質情報が示す通信品質がいずれの位置や時刻における通信品質であるかを判別できるようにするためである。
【0030】
サーバ装置15はさらに、通信装置100等によって分散送信、又は冗長送信されたユーザデータを宛先アプリケーションが受信できるように整形した後、宛先端末装置20に送信する。
【0031】
宛先端末装置20は、通信装置100等から送信されたデータを、サーバ装置15を介して受信する。宛先端末装置20が受信したデータは、宛先アプリケーションで利用される。宛先アプリケーションは、例えば、圧縮された画像データを復号して再生する画像再生ソフトが挙げられる。宛先端末装置20も、通信装置100等と同様、その形態は部品、半完成品、完成品のいずれであってもよい。
【0032】
2.第1の実施形態
(1)通信装置100の構成
図2を参照して、本実施形態における通信装置100の構成を説明する。通信装置100は、通信品質情報保存部101、受信部102、決定部103、データ取得部104、位置情報取得部105、送信制御部106、及び送信部107を備える。
【0033】
通信品質情報保存部101(「保存部」に相当)は、位置情報と、位置情報が示す位置の「通信品質」を示す通信品質情報(「第1の通信品質情報」に相当)と、を対応付けて保存する保存部である。上述したように、通信装置100とサーバ装置15とが複数の通信回線(通信回線21、通信回線22、通信回線23)を介して接続されている場合、通信品質情報保存部101は、通信回線毎の通信品質情報をそれぞれ保存する。位置情報は、例えば、緯度経度やジオハッシュ(Geohash)のコードによって表される。通信品質は通信回線が有する通信性能の指標であり、例えば、通信帯域が挙げられるが、これらに限定されるものではない。以下、通信品質情報保存部101に保存される通信品質情報を、保存通信品質情報と称する。本実施形態では、通信品質情報が、通信帯域及び通信遅延時間の2つの通信品質を示す場合を例に挙げて説明するが、通信品質情報は1つ、又は3つ以上の通信品質を示すものであってもよい。
【0034】
ここで、「通信品質」とは、例えば、通信速度や通信帯域の他、通信遅延時間、電波強度(RSRP:Reference Signal Received Power)、電波品質(Reference Signal Received Quality)、SN比(RSSNR:Reference Signal Signal to Noise Ratio)、又は信号強度(Received Signal Strength Indicator)等が挙げられる。
【0035】
図3は、通信品質情報保存部101に保存される情報の一例を示している。図3では、位置情報と、通信回線21、通信回線22、通信回線23それぞれの保存通信品質情報として、通信帯域及び遅延時間とが対応付けて保存されている。位置情報と通信品質情報とを対応付けた情報は、電波マップや電波伝搬マップなどとも称される。図3ではさらに、通信品質情報保存部101は、通信帯域及び遅延時間それぞれの分散、すなわち、帯域分散及び遅延分散を保存している。
【0036】
通信品質情報は例えば、車両の製造メーカ、ディーラ、又は整備工場によって通信品質情報保存部101に保存される。車両の製造メーカ等は、過去の通信実績に基づく様々な位置における通信品質情報を収集し、収集した通信品質情報を予め通信品質情報保存部101に保存することができる。
【0037】
通信品質情報保存部101はさらに、保存通信品質情報が示す通信品質が得られる時間帯、曜日、天候、位置情報が示す位置付近でのイベント有無といった情報を対応付けて保存してもよい。
【0038】
受信部102は、サーバ装置15から通信品質情報(「第2の通信品質情報」に相当)を受信する。以下、受信部102が受信する通信品質情報を、受信通信品質情報と称する。受信通信品質情報が示す通信品質は、通信装置100が直前にサーバ装置15に送信したユーザデータを用いてサーバ装置15が推定した通信品質である。上述したように、通信装置100とサーバ装置15とが複数の通信回線(通信回線21、通信回線22、通信回線23)を介して接続されている場合、受信部102は、通信回線毎の受信通信品質情報をそれぞれ受信する。
【0039】
受信部102はさらに、受信通信品質情報とともに付加情報を受信する。付加情報は、通信装置100が直前に送信したユーザデータとともにサーバ装置15に送信した情報であり、例えば、通信装置100がユーザデータを送信したときの通信装置100の位置、時刻、ユーザデータの識別情報である。本実施形態では、受信部102が、受信通信品質情報とともに、通信装置100が直前にユーザデータを送信したときの位置情報を付加情報として受信する。
【0040】
決定部103は、保存通信品質情報の「信頼度」(「第1の信頼度」に相当)、及び、受信通信品質情報の「信頼度」(「第2の信頼度」に相当)に基づいて、保存通信品質情報及び受信通信品質情報のいずれを送信制御に「使用」するかを決定する。通信装置100が複数の通信回線を介してサーバ装置15と接続されている場合、決定部103は、それぞれの通信回線の保存通信品質情報の「信頼度」及び受信通信品質情報の「信頼度」に基づいて、通信回線毎に、保存通信品質情報及び受信通信品質情報のいずれを送信制御に使用するかを決定する。決定部103が、送信制御に使用する通信品質情報を決定する方法については、後述する。
【0041】
ここで、「信頼度」とは、情報を信頼できる程度を所定の評価基準に基づいて分類した指標であり、絶対的な指標(例えば、数値など)はもちろん、相対的な指標(例えば、高・中・低など)であってもよい。
また、通信品質情報を「使用」する、とは、通信品質情報をそのまま用いることはもちろん、通信品質情報に何らかの演算を加えて用いることも含む。
【0042】
決定部103が通信品質情報の決定に用いる信頼度は、様々なパラメータに基づいて決定することができる。
【0043】
例えば、保存通信品質情報の信頼度は、所定のエリア内における保存通信品質情報が示す通信品質のばらつきに基づいて決定される。所定のエリア内の通信品質は一般に、同程度の値になると想定される。そのため、所定のエリア内における通信品質のばらつきが大きい場合、その情報の信頼度は低い可能性がある。そこで、ある地点に対応する通信品質情報のばらつきが大きい場合には、その地点における保存通信品質情報の信頼度は低いと決定し、ばらつきが小さい場合には、その地点における保存通信品質情報の信頼度は高いと決定する。所定のエリアは、例えば、通信装置100の現在位置から数メートル範囲内のエリアや、あるいは、同一のジオハッシュのコードを持つエリアである。保存通信品質情報のばらつきは、例えば、通信品質の標準偏差や分散によって決定することができる。例えば、図3に示すように、通信品質情報保存部101に、通信品質情報の分散が予め保存されていてもよい。しかしながら、通信品質のばらつきを決定する手法は、これらに限定されるものではない。
【0044】
また、受信通信品質情報の信頼度は、例えば、受信通信品質情報が示す通信品質の推定に用いられたユーザデータを通信装置100が送信した位置と、車両の現在位置との間の距離に基づいて決定される。具体的には、通信装置100が直前にユーザデータを送信した送信位置と現在位置との間の距離が所定の距離よりも長いか否かに応じて、信頼度を決定する。上述したとおり、受信通信品質情報は、通信装置100が直前に送信したユーザデータを用いて推定された通信品質を示している。そのため、ユーザデータの送信位置と現在位置との間の距離が所定の距離よりも長い場合、車両の現在位置における実際の通信品質と、受信通信品質情報が示す通信品質とは異なっている可能性がある。これに対し、距離が所定の距離よりも短い場合、車両の現在位置における実際の通信品質と、受信通信品質情報が示す通信品質とは、同じである可能性が高く、受信通信品質情報の信頼度は高いといえる。そこで、ユーザデータの送信位置と現在位置との間の距離が所定の距離よりも長い場合には、受信通信品質情報の信頼度は低いと決定し、所定の距離よりも短い場合には、受信通信品質情報の信頼度は高いと決定する。
【0045】
別の例では、受信通信品質情報の信頼度は、車両の移動速度に基づいて決定される。車両の移動速度が速い場合、当然のことながら、車両の単位時間当たりの移動距離は長い。つまり、通信装置100が直前にユーザデータを送信してから、次にデータを送信するまでの移動距離は長くなるため、ユーザデータの送信位置と現在位置との間の距離は長くなる。そこで、車両の速度が所定の速度よりも速い場合には、受信通信品質情報の信頼度は低いと決定し、車両の速度が所定の速度よりも遅い場合には、受信通信品質情報の信頼度は高いと決定する。
【0046】
さらに別の例では、受信通信品質情報の信頼度は、通信装置100が直前に送信したユーザデータのデータ量に基づいて決定される。通信品質の1つである通信帯域の推定では、推定に用いるデータの量が多いほど、より精度の高い推定ができることが知られている。そこで、決定部103は、推定に用いられたユーザデータのデータ量が所定のデータ量よりも多いデータ量である場合には受信通信品質情報の信頼度が高いと決定し、所定のデータ量よりも少ないデータ量である場合には、信頼度は低いと決定する。なお、推定に使用されたデータ量の情報は、例えば、受信通信品質情報の付加情報として受信部102が受信してもよく、あるいは、それぞれの通信回線(21、22、23)を用いてサーバ装置15に送信したデータ量を記録しておき、記録したデータ量を参照してもよい。
【0047】
なお、保存通信品質情報の信頼度の決定に利用するパラメータ(例えば、通信品質情報のばらつき)や、その手法(例えば、標準偏差)は、上記の例に限定されるものではない。受信通信品質情報の信頼度の決定についても同様である。また、信頼度は、複数のパラメータに基づいて決定されてもよい。
【0048】
通信品質情報保存部101が、保存通信品質情報と対応付けて時間帯、曜日、天候といった情報を保存している場合は、決定部103は、決定処理を行う時間帯、曜日、天候に対応付けられた保存通信品質情報の信頼度に基づいて、送信制御に使用する通信品質情報を決定する。
【0049】
データ取得部104は、ユーザ端末装置10から、ユーザアプリケーションで生成されたユーザデータ(「データ」に相当)を受信する。ユーザデータは、例えば、ユーザ端末装置10に接続されたカメラで撮像された画像データや、車両の走行、操舵に関するデータである。データ取得部104は、複数のパケットに分割されたユーザデータを取得してもよい。
【0050】
位置情報取得部105は、通信装置100に接続されたGPS等から、車両、ひいては通信装置100の位置情報を取得する。
【0051】
送信制御部106は、決定部103が決定した通信品質情報を使用して、データ取得部104が取得したユーザデータの送信制御を行う。例えば、送信制御部106は、決定部103が決定した通信品質情報を用いて、ユーザデータを分割した複数のパケットそれぞれを通信回線21、通信回線22、及び通信回線23のいずれかに割り当てる。このとき、送信制御部106は、複数のパケットのサーバ装置15への到達時刻が最も早くなるように、複数のパケットを複数の通信回線に割り当てて分散送信してもよい。なお、複数のパケットを複数の通信回線に割り当てる手法は、公知の技術を用いることができる。あるいは、送信制御部106は単に、決定部103が決定した通信品質情報を用いて、複数の通信回線のうち、ユーザデータの送信に使用する一つの通信回線を選択するとともに、選択した通信回線を介してユーザデータを送信するように送信制御を行ってもよい。
【0052】
送信部107は、送信制御部106の送信制御に従って、ユーザデータをサーバ装置15に送信する。送信制御部106の送信制御が、複数の通信回線の割当てである場合は、送信部107は、通信回線21、通信回線22、及び通信回線23それぞれを用いて、サーバ装置15を介して宛先端末装置20に送信する。送信部107はさらに、ユーザデータとともに、位置情報取得部105が取得した位置情報を付加情報として送信する。
【0053】
次に、図4を参照して、決定部103による通信品質情報の決定を説明する。図4は、受信通信品質情報の信頼度及び保存通信品質情報の信頼度の対応関係と、それぞれの信頼度に基づいて決定部103が決定する通信品質情報を説明する図である。図4は一例として、保存通信品質情報及び受信通信品質情報の信頼度がいずれも、『高』及び『低』の2段階に分類される場合を説明しているが、この例に限定されるものではない。
【0054】
例えば、通信品質情報の信頼度は『高』『中』『低』の3段階に分類されてもよい。上述した例では、受信通信品質情報の信頼度が、送信位置と現在位置との間の距離、移動体の速度、ユーザデータのデータ量に基づいて決定される例を説明したが、例えば、送信位置と現在位置との間の距離が所定の距離よりも短く、且つ、ユーザデータのデータ量が所定のデータ量よりも多い場合には、受信通信品質情報の信頼度が『高』であり、送信位置と現在位置との間の距離が所定の距離よりも長く、且つ、ユーザデータのデータ量が所定のデータ量よりも多い場合には、受信通信品質情報の信頼度が『中』であり、送信位置と現在位置との間の距離によらず、ユーザデータのデータ量が所定のデータ量よりも少ない場合には、受信通信品質情報の信頼度が『低』などと決定してもよい。あるいは、信頼度が数値によって表される場合には、さらに細かく分類されてもよい。
【0055】
図4に示すように、決定部103は、保存通信品質情報及び受信通信品質情報の信頼度が、『高』すなわち「所定」の信頼度「よりも」高いか、『低』すなわち「所定」の信頼度「よりも」低いか、に応じて、保存通信品情報と受信通信品質情報のいずれを使用するかを決定する。
【0056】
ここで、「所定」とは、とは、常に一定の場合の他、条件に応じて一意に定まる場合も含む。
また、「よりも」とは、比較対象と同じ値を含む場合及び含まない場合の両方が含まれる。
【0057】
具体的には、保存通信品質情報及び受信通信品質情報の信頼度がいずれも『低』である、すなわち所定の信頼度よりも低い場合、決定部103は、保存通信品質情報を使用することを決定する。
上述したように、保存通信品質情報は、過去の通信実績に基づいて収集された通信品質である。そのため、信頼度が所定の信頼度よりも低い場合であっても、ある程度の信頼性は担保されているといえる。そこで、保存通信品質情報及び受信通信品質情報の信頼度がいずれも所定の信頼度よりも低い場合、決定部103は保存通信品質情報を使用することを決定する。
【0058】
保存通信品質情報の信頼度が『高』、すなわち所定の信頼度よりも高く、且つ、受信通信品質情報の信頼度が『低』、すなわち所定の信頼度よりも低い場合、決定部103は、保存通信品質情報を使用することを決定する。また、保存通信品質情報の信頼度が『低』、すなわち所定の信頼度よりも低く、且つ、受信通信品質情報の信頼度が『高』、すなわち所定の信頼度よりも高い場合、決定部103は、受信通信品質情報を使用することを決定する。一方の通信品質情報の信頼度が所定の信頼度よりも高く、他方の通信品質情報の信頼度が所定の信頼度よりも低い場合には、決定部103は、信頼度が高い方の通信品質情報を使用することを決定する。
【0059】
さらに、保存通信品質情報及び受信通信品質情報の信頼度がいずれも『高』、すなわち所定の信頼度よりも高い場合、決定部103はさらに、保存通信品質情報と受信通信品質情報の相関度を算出する。そして、算出した相関度が所定の相関度よりも高い場合は、決定部103は、受信通信品質情報を用いて補正した保存通信品質情報を使用することを決定する。これに対し、相関度が所定の相関度よりも低い場合は、受信通信品質情報を使用することを決定する。
【0060】
ここで、相関度とは、所定の位置情報に対応付けられた保存通信品質情報及び受信通信品質情報の相関性を示す指標であり、類似度又は近似度ともいえる。通信品質情報の相関度は、例えば相関係数を求めることができるが、これに限らず任意の手法で決定してもよい。
【0061】
ここで、図5図6を参照して本開示の相関度を説明する。図5図6はいずれも、保存通信品質情報及び受信通信品質情報それぞれが示す通信帯域[bps]と、当該通信帯域が得られる位置との関係を示すグラフである。上述したとおり、本実施形態では、受信部102は、受信通信品質情報とともに、当該受信通信品質情報が示す通信品質を推定するのに使用されたユーザデータを送信した位置情報を付加情報として受信している。図4において、受信通信品質情報に対応付けられた位置情報は、付加情報が示す位置情報である。
【0062】
図5は、保存通信品質情報と受信通信品質情報の相関度が高い場合を示す図である。図5に示す位置のうちXは、通信装置100の現在位置を示している。また、X-1~X-5は、通信装置100の過去の位置を示している。図5では、位置Xでの受信通信品質情報が示す通信帯域は図示されていない。上述したとおり、受信通信品質情報は、通信装置100が過去に送信したユーザデータを用いて推定された通信品質を示すものである。通信装置100は位置Xの地点からユーザデータを未だ送信していないため、当然のことながら、位置Xにおける受信通信品質情報はない。
【0063】
図5(a)によれば、それぞれの位置における保存通信品質情報及び受信通信品質情報が示す通信帯域の値は異なっているが、それぞれの通信帯域の値が推移する傾向が類似している。そのため、保存通信品質情報が示す通信帯域が位置X-1から位置Xに推移するように、受信通信品質情報が示す通信帯域も推移する可能性が高い。例えば、現在の通信環境と、保存通信品質情報が作成された際の通信環境は類似しているが、周囲のトラフィックが異なることで利用可能な通信帯域がオフセットしている場合などが考えられる。
【0064】
そこで、位置Xにおける保存通信品質情報を、受信通信品質情報を用いて補正する。例えば、位置X-5から位置X-1までの保存通信品質情報が示す通信帯域と、受信通信品質情報が示す通信帯域との差分の平均値を算出し、位置Xにおける保存通信品質情報が示す通信帯域から算出した平均値を減算することにより、保存通信品質情報を補正する。図5(b)は、位置Xにおける保存通信品質情報を、受信通信品質情報を用いて補正した通信帯域を図示している。そして、決定部103は、補正した通信品質情報を送信制御に使用することを決定する。
【0065】
図6は、保存通信品質情報と受信通信品質情報の相関度が低い場合の例を示す図である。図6の例では、それぞれの位置における保存通信品質情報及び受信通信品質情報が示す通信帯域の値は異なっており、また、それぞれの通信帯域の値が推移する傾向は類似していない。そのため、図5の場合と異なり、受信通信品質情報が示す通信帯域の推移を予測することは難しい。図6に示すように、保存通信品質情報と受信通信品質情報の相関度が低い場合には、決定部103は、送信制御に受信通信品質情報を使用することを決定する。つまり、図6の例では、位置Xの直前の位置である位置X-1の受信通信品質情報を使用することを決定する。保存通信品質情報は、過去の通信品質の実績に基づく通信品質であるのに対し、受信通信品質情報は、直前に送信したユーザデータに基づいて推定された通信品質を示している。相関度が低い場合、現在の通信環境が、保存通信品質情報が作成された際の状況から変化している可能性が高いと予測できる。例えば、保存通信品質情報が作成された際とは別の基地局に接続している場合などが考えられる。そのため、受信通信品質情報の信頼度が高い場合、受信通信品質情報が示す通信品質が、実際の通信品質を示している可能性が高い。そこで、図6に示すように、相関度が所定の相関度よりも低い場合には、直前に送信したユーザデータを用いて推定された受信通信品質情報を使用することを決定する。
【0066】
図7は、受信通信品質情報の信頼度が、直前のユーザデータの送信位置と現在位置との間の距離によって決定される場合であって、受信通信品質情報及び保存通信品質情報の信頼度がいずれも所定の信頼度よりも高い場合を示している。図7では、位置X-5~位置Xがほぼ同じ位置である場合を例示している。上述したとおり、直前のユーザデータの送信位置(すなわち、位置X-1)と現在位置(すなわち、X)の間の距離は短く、近接している。そのため、位置X-1及び位置Xにおける保存通信品質情報の値は同じである。同様に、位置X-1及び位置Xにおける受信通信品質情報の値も同じとなることが予測される。そのため、この例では、受信通信品質情報を用いて補正される保存通信品質情報は、受信通信品質情報と同じ値となることが予測される。
【0067】
なお、上述したとおり、決定部103は、通信装置100が複数の通信回線を介してサーバ装置15と接続されている場合には、通信回線毎に保存通信品質情報及び受信通信品質情報のいずれを送信制御に使用するかを決定する。したがって、決定部103は、例えば、通信回線21の保存通信品質情報の信頼度、及び通信回線21の受信通信品質の信頼度に基づいて、通信回線21について、保存通信品質情報及び受信通信品質情報のいずれを送信制御に使用するかを決定する。同様に、決定部103は、通信回線22及び通信回線23についても、保存通信品質情報及び受信通信品質情報のいずれを送信制御に使用するかを決定する。そして、通信回線21、通信回線22、通信回線23それぞれについて決定された通信品質情報を用いて、送信制御部106は、複数のパケットをそれぞれの通信回線に割り当てて分散送信する。
【0068】
(2)通信装置100及びサーバ装置15の動作
まず、通信装置100の前提となるサーバ装置15の動作を、図8を参照して説明する。
サーバ装置15は、通信装置100から、通信回線21、通信回線22、通信回線23を介してユーザデータ及び付加情報を受信する(S11)。
サーバ装置15は、S11で受信したユーザデータを用いて、それぞれの通信回線の通信品質を推定する(S12)。
そして、サーバ装置15は、S12で推定した通信品質情報ともに、S11で受信した付加情報を通信装置100に送信する(S13)。
サーバ装置15はさらに、S11で受信したユーザデータを、宛先端末装置20の宛先アプリケーションに送信する(S14)。
【0069】
次に、図9図10を参照して通信装置100の動作を説明する。図9図10は、通信装置100で実行される通信制御方法を示すだけでなく、通信装置100で実行可能な通信制御プログラムの処理手順を示すものでもある。そして、これらの処理は、図9、10に示した順序には限定されない。すなわち、あるステップでその前段のステップの結果を利用する関係にある等の制約がない限り、順序を入れ替えてもよい。前述した図8についても同様である。
【0070】
受信部102は、サーバ装置15から、受信通信品質情報及び付加情報を受信する(S101)。ここで、S101で受信する受信通信品質情報及び付加情報は、図8のS13でサーバ装置15から送信された通信品質情報及び付加情報である。
決定部103は、通信品質情報保存部101に保存されている保存通信品質情報の信頼度と、S101で受信した受信通信品質情報の信頼度に基づいて、保存通信品質情報及び受信通信品質情報のいずれを送信制御に使用するかを決定する(S102)。S102の詳細な処理については、図9を参照して後述する。
データ取得部104は、ユーザ端末装置10のユーザアプリケーションから、ユーザデータを取得する(S103)。
位置情報取得部105は、車両の位置情報を取得する(S104)。
送信制御部106は、S102で決定した通信品質情報を用いて、S103で取得したユーザデータの送信制御を行う(S105)。例えば、送信制御部106は、通信回線21、通信回線22、通信回線23に、ユーザデータを分割した複数のパケットをそれぞれ割り当てる。
送信部107は、S104における送信制御に従って、ユーザデータと、S104で取得した位置情報を付加情報としてサーバ装置15に送信する(S106)。
【0071】
S106において通信装置100から送信されたユーザデータ及び付加情報を受信したサーバ装置15は、図8に示す一連の処理を再び実行する。
【0072】
次に、図9のS102の処理の詳細を、図10を参照して説明する。
決定部103は、保存通信品質情報の信頼度を決定する(S1021)。
決定部103は、受信通信品質情報の信頼度を決定する(S1022)。
次に、決定部103は、S1021、S1022で決定した保存通信品質情報及び受信通信品質情報が所定の信頼度よりも高いか否かを決定する(S1023)。
【0073】
ここで、保存通信品質情報及び受信通信品質情報の信頼度がいずれも所定の信頼度よりも高い場合、決定部103は、保存通信品質情報及び受信通信品質情報の相関度を算出する。そして、算出した相関度が所定の相関度よりも高い場合(S1024:Y)、決定部103は、受信通信品質情報を用いて保存通信品質情報を補正し(S1025)、補正した保存通信品質情報を送信制御に使用することを決定する(S1026)。
これに対し、相関度が所定の相関度よりも低い場合(S1024:N)、決定部103は、受信通信品質情報を使用することを決定する(S1027)。
【0074】
S1023において、保存通信品質情報の信頼度が所定の信頼度よりも低く、且つ、受信通信品質情報の信頼度が所定の信頼度よりも高い場合、決定部103は、受信通信品質情報を使用することを決定する(S1027)。
【0075】
S1023において、保存通信品質情報の信頼度が所定の信頼度よりも高く、且つ、受信通信品質情報の信頼度が所定の信頼度よりも低い場合、決定部103は、保存通信品質情報を使用することを決定する(S1028)。
【0076】
また、S1023において、保存通信品質情報及び受信通信品質情報の信頼度がいずれも所定の信頼度よりも低い場合、決定部103は、保存通信品質情報を使用することを決定する(S1028)。
【0077】
(3)小括
以上のとおり、本実施形態によれば、通信装置は、より信頼度の高い通信品質情報を用いて送信制御を行うことが可能となり、例えば、ユーザデータを最短時刻で宛先端末装置20に送信することが可能となる。
【0078】
3.第2の実施形態
実施形態1では、送信部107が、ユーザデータとともに、当該ユーザデータを送信した通信装置100の位置情報を、サーバ装置15に送信する構成を説明した。本実施形態では、位置情報に代えて、時刻情報をユーザデータとともに送信する構成を説明する。
【0079】
図11は、本実施形態の通信装置100を示している。実施形態1と同じ構成については、実施形態1の図2と同じ符号を付し、詳細な説明は省略する。
【0080】
図11の通信装置110は、図2の通信装置100とは異なり、送信時情報保存部111を備えている。送信時情報保存部111は、位置情報取得部105が取得した位置情報であって、送信部107がサーバ装置15にユーザデータを送信したときの通信装置100の位置情報と、ユーザデータを送信した時刻情報(以下、送信時刻情報とする)と、を対応付けて保存する。
【0081】
本実施形態では、送信部107は、ユーザデータとともに、送信時刻情報を付加情報として送信する。
【0082】
サーバ装置15は、通信装置110から、ユーザデータとともに、送信時刻情報である付加情報を受信する。したがって、サーバ装置15は、ユーザデータを用いて推定した通信品質情報とともに、受信した付加情報、すなわち送信時刻情報を、通信装置110に送信する。
【0083】
本実施形態の受信部102は、サーバ装置15から、通信品質情報及び送信時刻情報を受信する。
【0084】
決定部103は、受信部102が受信した送信時刻情報を用いて、受信通信品質情報が示す通信品質を推定するために使用されたユーザデータが送信された通信装置110の位置情報を決定する。具体的には、受信部102が受信した送信時刻情報に対応する、送信時情報保存部111に保存されている送信時刻情報を特定し、当該送信時刻情報に対応付けられた位置情報を抽出することにより、位置情報を決定する。
【0085】
このような構成とすることにより、通信装置110は、受信通信品質情報が示す通信品質が、どの位置における通信品質であるかを判別することができる。
【0086】
なお、上述した例では、付加情報として送信時刻情報を用いる場合を例に挙げて説明したが、送信時刻情報に代えて、ユーザデータの識別情報を用いてもよい。
【0087】
4.第3の実施形態
実施形態1では、通信品質情報保存部101に保存される保存通信品質情報は、製造メーカ、ディーラ等によって予め保存されていることを想定した。本実施形態では、通信品質情報保存部101に保存される保存通信品質情報が、受信通信品質情報に基づいて更新される構成を説明する。
【0088】
図12は、本実施形態の通信装置120を示している。実施形態1と同じ構成については、実施形態1の図2と同じ符号を付し、詳細な説明は省略する。
【0089】
図12の通信装置120は、図2の通信装置100とは異なり、更新部121を備えている。更新部121は、通信品質情報保存部101に保存されている保存通信品質情報を必要に応じて更新する。
【0090】
更新部121が通信品質情報を更新する手法は任意である。例えば、受信部102が通信品質情報を受信すると、一時的なメモリ(図示せず)に受信通信品質情報を保存しておき、所定の数の受信通信品質情報が保存されると、一時的に保存された受信通信品質情報の平均値や中央値等を算出する。そして、算出した通信品質情報と、位置情報とを対応付けて、通信品質情報保存部101に保存されていた保存通信品質情報を更新してもよい。
【0091】
受信通信品質情報は、通信装置120が実際に送信したユーザデータを用いて推定された通信品質を示す情報であるため、過去の実績に基づく保存通信品質情報は、最新の受信通信品質情報を用いて更新されることが望ましい。
【0092】
そこで、本実施形態では、受信通信品質情報を用いて、通信品質情報保存部101に保存されている情報を更新する。本実施形態は、車両が同じ経路を繰り返し走行する場合(例えば、バス等)に特に有利である。車両が同じ経路を繰り返し走行する場合、特定の位置情報における通信品質を繰り返し取得することができ、特定の位置情報に対応付けられた複数の受信通信品質情報を取得することができる。このように、特定の位置情報に対応付けられた複数の受信通信品質情報から導出される通信品質は、精度が高い可能性が高い。そこで、このように高い精度を有する通信品質情報を用いて、通信品質情報保存部101に保存される情報を適宜更新することで、通信装置は、より精度の高い通信品質情報を用いて通信制御を行う可能性を高めることができる。
【0093】
なお、本実施形態は、車両が同じ経路を繰り返し走行する場合にのみ適用されてもよい。また、通信装置120は、本実施形態を用いて更新された保存通信品質情報を、例えば車車間通信を利用して、他の車両に送信してもよい。
【0094】
5.変形例
本変形例では、サーバ装置15が、推定した通信品質を活用する構成を説明する。図13は、サーバ装置15の構成例を示す図である。サーバ装置15は、受信部151、推定部152、送信部153、通信品質テーブル保存部154、及び通信品質レコード更新部155を備える。
【0095】
受信部151は、通信装置100から送信されたユーザデータ及び付加情報を受信する。推定部152は、受信部151が受信したユーザデータを用いて、通信回線21、22、23の通信品質をそれぞれ推定する。以下、推定部152がユーザデータを用いて推定した通信品質を示す情報を、推定通信品質情報と称する。送信部153は、受信部151が受信したユーザデータを、宛先端末装置20に送信する。通信品質テーブル保存部154は、通信品質情報と位置情報との対応関係を示す複数の通信品質レコードからなるテーブルを保存する。通信品質テーブル保存部154が保存するテーブルは図3に示すようなテーブルであり、通信品質レコードは、図3に示すようなテーブルの1行分の情報である。そして、通信品質レコード更新部155は、推定通信品質情報、ユーザデータとともに受信した位置情報とを用いて、通信品質レコードを更新する。
【0096】
通信品質レコード更新部155は、一つの車両から送信されたユーザデータを用いて推定された推定通信品質情報だけでなく、サーバ装置15と通信を行う複数の車両から送信されたユーザデータを用いて推定された推定通信品質情報に基づいて通信品質レコードを更新することが望ましい。これにより、通信品質テーブル保存部154で保持される通信品質情報の精度を高めることができる。
【0097】
通信品質レコード更新部155は、付加情報が示す位置情報に対応する通信品質レコードが既に通信品質テーブル保存部154に存在する場合、既存の通信品質レコードの平均値及び分散を推定通信品質情報に基づいて更新する。既存の通信品質情報を更新する際に、推定通信品質情報の重みを大きくするようにしてもよい。付加情報が示す位置情報に対応する通信品質レコードが通信品質テーブル保存部154に存在しない場合、通信品質レコード更新部155は、通信品質情報と付加情報が示す位置情報を対応付けた通信品質レコードを通信品質テーブル保存部154に新たに登録する。通信品質レコード更新部155は、推定通信品質情報と付加情報が示す位置情報を一時的にデータベース(図示せず)に保存しておき、一定間隔毎に通信品質テーブル保存部154を更新するようにしても良い。
【0098】
なお、時間帯、曜日、天候又は、位置情報が示す位置付近でのイベント有無といった情報が取得される場合には、一つの位置情報に対して、時間帯毎、又は曜日毎の通信品質情報が保存されてもよい。
【0099】
送信部153は、通信品質テーブル保存部154が保持するテーブルを通信装置100に送信する。
【0100】
通信装置100は、サーバ装置15からテーブルを受信すると、受信したテーブルを保存通信品質情報として通信品質情報保存部101に保存する。
【0101】
送信部153は、定期的に、通信品質テーブル保存部154に保存されたテーブル全体又は通信装置100の周辺エリアに対応するレコードを通信装置100に送信してもよい。これにより、通信装置100の通信品質情報保存部101には、常に最新の通信品質情報が保存されることにある。
【0102】
あるいは、送信部153は、通信装置100から保存通信品質情報要求を受信した場合に、通信品質テーブル保存部154に保存されたテーブルの一部を通信装置100に送信してもよい。例えば、通信装置100は、サーバ装置15に対し、車両の走行する予定の位置情報とともに、保存通信品質情報要求を送信する。サーバ装置15では、通信装置100から保存通信品質情報要求を受信すると、車両が走行する予定の位置情報を含む通信品質レコードを通信品質テーブル保存部154から抽出し、通信装置100に送信する。そして、通信装置100の通信品質情報保存部101は、サーバ装置15から送信されたテーブルを通信品質情報保存部101に保存する。これにより、通信品質情報保存部101には、車両が走行する予定の位置情報に対応した通信品質情報のみが保存されることになるため、保存される情報量を抑制することが可能となる。
【0103】
6.総括
以上、本発明の各実施形態における通信装置等の特徴について説明した。
各実施形態で使用した用語は例示であるので、同義の用語、あるいは同義の機能を含む用語に置き換えてもよい。
【0104】
実施形態の説明に用いたブロック図は、装置の構成を機能毎に分類及び整理したものである。それぞれの機能を示すブロックは、ハードウェア又はソフトウェアの任意の組み合わせで実現される。また、機能を示したものであることから、かかるブロック図は方法の発明、及び当該方法を実現するプログラムの発明の開示としても把握できるものである。
【0105】
各実施形態に記載した処理、フロー、及び方法として把握できるブロック、については、一のステップでその前段の他のステップの結果を利用する関係にある等の制約がない限り、順序を入れ替えても良い。
【0106】
本発明の通信装置は、特許請求の範囲で特に限定する場合を除き、車両用途でも良いし、車両用途以外の専用又は汎用の通信装置も含むものである。
【0107】
また、本発明の通信装置の形態の例として、半導体素子、電子回路、通信モジュール、マイクロコンピュータが挙げられる。
半完成品の形態として、電子制御装置(ECU(Electric Control Unit))、システムボードが挙げられる。
完成品の形態として、モバイルルータ、携帯電話、スマートフォン、タブレット、パーソナルコンピュータ(PC)、ワークステーション、サーバが挙げられる。
その他、通信機能を有するデバイス等を含み、例えば、カーナビゲーションシステムが挙げられる。
【0108】
本発明の通信装置は、各種サービスの提供を目的とするために用いられることが想定される。かかるサービスの提供に伴い、本発明の通信装置が使用され、本発明の通信方法が使用され、又は/及び本発明の通信プログラムが実行されることになる。
【0109】
加えて、本発明は、各実施形態で説明した構成及び機能を有する専用のハードウェアで実現できるだけでなく、メモリやハードディスク等の記録媒体に記録した本発明を実現するためのプログラム、及びこれを実行可能な専用又は汎用CPU及びメモリ等を有する汎用のハードウェアとの組み合わせとしても実現できる。
【0110】
本発明の通信装置のためのプログラムであって、専用や汎用のハードウェアの非遷移的実体的記録媒体(例えば、外部記憶装置(ハードディスク、USBメモリ、CD/BD等)、又は内部記憶装置(RAM、ROM等))に格納されるプログラムは、記録媒体を介して、あるいは記録媒体を介さずにサーバから通信回線を経由して、専用又は汎用のハードウェアに提供することもできる。これにより、プログラムのアップグレードを通じて常に最新の機能を提供することができる。
【産業上の利用可能性】
【0111】
本発明の通信装置は、車載用途にも車載用途以外にも用いることができる。
【符号の説明】
【0112】
100,110,120 通信装置、101 保存部、102 受信部、103 決定部、104 データ取得部、106 送信制御部、107 送信部
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