特開 2024-141007 情報処理システム及び情報処理プログラム

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)

(12)【公報種別】公開特許公報(A)

(11)【公開番号】P2024141007

(43)【公開日】2024-10-10

(54)【発明の名称】情報処理システム及び情報処理プログラム

(51)【国際特許分類】

   G06F 3/0482 20130101AFI20241003BHJP

   G06F 3/0484 20220101ALI20241003BHJP

【ＦＩ】

G06F3/0482

G06F3/0484

【審査請求】未請求

【請求項の数】14

【出願形態】ＯＬ

(21)【出願番号】P 2023052424

(22)【出願日】2023-03-28

(71)【出願人】

【識別番号】000005496

【氏名又は名称】富士フイルムビジネスイノベーション株式会社

(74)【代理人】

【識別番号】110001519

【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所

(72)【発明者】

【氏名】片山 奈津季

【テーマコード（参考）】

5E555

【Ｆターム（参考）】

5E555AA02

5E555BA04

5E555BA27

5E555BA31

5E555BB04

5E555BB27

5E555BB31

5E555CA11

5E555CB23

5E555CB33

5E555CB42

5E555CC03

5E555CC25

5E555DB12

5E555DB18

5E555DC27

5E555DC72

5E555DC84

5E555FA00

(57)【要約】

【課題】オブジェクトが表示される第一領域上で非接触操作の対象物が検知されると、オブジェクトに対する操作を確定させる場合と比較して、オブジェクトに対する誤操作を抑制する。
【解決手段】情報処理システムは、プロセッサを備え、前記プロセッサは、画面内のオブジェクトに対して対象物による非接触の操作を行う場合に、前記画面からの距離に応じて区切られた複数の領域のうち、前記画面内の前記オブジェクトを選択する操作が割り当てられた第一領域よりも前記画面側に位置し、前記オブジェクトに対する操作が割り当てられた第二領域において、選択状態の前記オブジェクトに対する操作を受け付ける。
【選択図】図２６

【特許請求の範囲】

【請求項1】

プロセッサを備え、
前記プロセッサは、
画面内のオブジェクトに対して対象物による非接触の操作を行う場合に、前記画面内において前記オブジェクトが表示される第一領域上で前記対象物が検知されると、前記第一領域と異なる大きさの領域であって前記オブジェクトに対する操作を確定させるための第二領域を表示させる
情報処理システム。

【請求項2】

前記プロセッサは、前記第二領域を前記第一領域内に表示させる
請求項１に記載の情報処理システム。

【請求項3】

前記プロセッサは、前記第一領域上で前記対象物が検知されると、前記第一領域上であって検知された前記対象物を含まない位置に前記第二領域を表示させる
請求項２に記載の情報処理システム。

【請求項4】

前記プロセッサは、前記画面内において前記対象物が前記第二領域に近づくにしたがって該第二領域を予め定められた大きさまで縮小する
請求項２に記載の情報処理システム。

【請求項5】

前記プロセッサは、前記第一領域において予め定められた領域上で前記対象物が検知されると、前記画面内において前記対象物が前記第二領域に近づくにしたがって前記予め定められた領域を中心として該第二領域を予め定められた大きさまで縮小する
請求項２に記載の情報処理システム。

【請求項6】

前記予め定められた領域は、前記第一領域の中央に位置する領域である、請求項５に記載の情報処理システム。

【請求項7】

前記プロセッサは、前記対象物が前記第二領域上で予め定められた時間検知されると、前記オブジェクトに対する操作を確定する
請求項１に記載の情報処理システム。

【請求項8】

前記プロセッサは、前記第二領域上で前記対象物が検知されると、前記オブジェクトに対する操作を確定する
請求項１に記載の情報処理システム。

【請求項9】

前記第二領域は、互いに離隔して表示される第一確定領域と第二確定領域とを含み、
前記プロセッサは、前記第一領域上で前記対象物が検知されると、前記第二確定領域を表示させ、前記第一確定領域上で前記対象物が検知されると、前記第二確定領域を表示させる
請求項１に記載の情報処理システム。

【請求項10】

前記プロセッサは、前記第一領域上で前記対象物が検知されると、前記第一領域を拡大し、拡大した前記第一領域内に前記第二領域を表示させ、前記対象物が前記第二領域に近づくにしたがって該第二領域を予め定められた大きさまで縮小する
請求項１に記載の情報処理システム。

【請求項11】

前記プロセッサは、前記第一領域外で前記対象物が検知されると、前記オブジェクトに対する操作を取り消す
請求項１に記載の情報処理システム。

【請求項12】

前記プロセッサは、前記第二領域を前記第一領域外に表示させる
請求項１に記載の情報処理システム。

【請求項13】

プロセッサを備え、
前記プロセッサは、
画面内のオブジェクトに対して対象物による非接触の操作を行う場合に、前記画面内において前記オブジェクトが表示される第一領域上で前記対象物が検知されると、前記第一領域から離れた位置に前記オブジェクトに対する操作を確定するための第二領域を表示させる
情報処理システム。

【請求項14】

画面内のオブジェクトに対して対象物による非接触の操作を行う場合に、前記画面内において前記オブジェクトが表示される第一領域上で前記対象物が検知されると、前記オブジェクトに対する操作を確定するための領域であって前記第一領域と異なる大きさの第二領域を表示させることを、
コンピュータに実行させるための情報処理プログラム。

【発明の詳細な説明】

【技術分野】

【0001】

本開示は、情報処理システム及び情報処理プログラムに関する。

【背景技術】

【0002】

特許文献１には、面状の表示部と、前記表示部に重ねて配置され、指示体の前記表示部の面に沿った二次元座標と、前記指示体との垂直距離を検出可能なタッチパネルと、を備え、少なくとも前記二次元座標を有効にする二次元座標有効領域は、前記垂直距離が大きくなるに従って狭くなる、電子機器が開示されている。

【先行技術文献】

【特許文献】

【0003】

【特許文献1】特開２０１４－１７４６１７号公報

【発明の概要】

【発明が解決しようとする課題】

【0004】

本開示は、オブジェクトが表示される第一領域上で非接触操作の対象物が検知されると、オブジェクトに対する操作を確定させる場合と比較して、オブジェクトに対する誤操作を抑制することを目的とする。

【課題を解決するための手段】

【0005】

第１態様に係る情報処理システムは、プロセッサを備え、前記プロセッサは、画面内のオブジェクトに対して対象物による非接触の操作を行う場合に、前記画面内において前記オブジェクトが表示される第一領域上で前記対象物が検知されると、前記第一領域と異なる大きさの領域であって前記オブジェクトに対する操作を確定させるための第二領域を表示させる。

【0006】

第２態様に係る情報処理システムは、第１態様に係る情報処理システムにおいて、前記プロセッサは、前記第二領域を前記第一領域内に表示させる。

【0007】

第３態様に係る情報処理システムは、第２態様に係る情報処理システムにおいて、前記プロセッサは、前記第一領域上で前記対象物が検知されると、前記第一領域上であって検知された前記対象物を含まない位置に前記第二領域を表示させる。

【0008】

第４態様に係る情報処理システムは、第２態様に係る情報処理システムにおいて、前記プロセッサは、前記画面内において前記対象物が前記第二領域に近づくにしたがって該第二領域を予め定められた大きさまで縮小する

【0009】

第５態様に係る情報処理システムは、第２態様に係る情報処理システムにおいて、前記プロセッサは、前記第一領域において予め定められた領域上で前記対象物が検知されると、前記画面内において前記対象物が前記第二領域に近づくにしたがって前記予め定められた領域を中心として該第二領域を予め定められた大きさまで縮小する

【0010】

第６態様に係る情報処理システムは、第５態様に係る情報処理システムにおいて、前記予め定められた領域は、前記第一領域の中央に位置する領域である。

【0011】

第７態様に係る情報処理システムは、第１態様に係る情報処理システムにおいて、前記プロセッサは、前記対象物が前記第二領域上で予め定められた時間検知されると、前記オブジェクトに対する操作を確定する。

【0012】

第８態様に係る情報処理システムは、第１態様に係る情報処理システムにおいて、前記プロセッサは、前記第二領域上で前記対象物が検知されると、前記オブジェクトに対する操作を確定する。

【0013】

第９態様に係る情報処理システムは、第１態様に係る情報処理システムにおいて、前記第二領域は、互いに離隔して表示される第一確定領域と第二確定領域とを含み、前記プロセッサは、前記第一領域上で前記対象物が検知されると、前記第二確定領域を表示させ、前記第一確定領域上で前記対象物が検知されると、前記第二確定領域を表示させる。

【0014】

第１０態様に係る情報処理システムは、第１態様に係る情報処理システムにおいて、前記プロセッサは、前記第一領域上で前記対象物が検知されると、前記第一領域を拡大し、拡大した前記第一領域内に前記第二領域を表示させ、前記画面内において前記対象物が前記第二領域に近づくにしたがって該第二領域を予め定められた大きさまで縮小する。

【0015】

第１１態様に係る情報処理システムは、第１態様に係る情報処理システムにおいて、前記プロセッサは、前記第一領域外で前記対象物が検知されると、前記オブジェクトに対する操作を取り消す。

【0016】

第１２態様に係る情報処理システムは、第１態様に係る情報処理システムにおいて、前記プロセッサは、前記第二領域を前記第一領域外に表示させる。

【0017】

第１３態様に係る情報処理システムは、第１態様に係る情報処理システムにおいて、プロセッサを備え、前記プロセッサは、画面内のオブジェクトに対して対象物による非接触の操作を行う場合に、前記画面内において前記オブジェクトが表示される第一領域上で前記対象物が検知されると、前記第一領域から離れた位置に前記オブジェクトに対する操作を確定するための第二領域を表示させる。

【0018】

第１４態様に係る情報処理プログラムは、画面内のオブジェクトに対して対象物による非接触の操作を行う場合に、前記画面内において前記オブジェクトが表示される第一領域上で前記対象物が検知されると、前記オブジェクトに対する操作を確定するための領域であって前記第一領域と異なる大きさの第二領域を表示させることを、コンピュータに実行させる。

【発明の効果】

【0019】

第１態様によれば、オブジェクトが表示される第一領域上で非接触操作の対象物が検知されると、オブジェクトに対する操作を確定させる場合と比較して、オブジェクトに対する誤操作を抑制することができる、という効果を有する。

【0020】

第２態様によれば、第二領域を第一領域外に表示させる場合と比較して、第二領域が第一領域に対応付けられた領域であることをユーザが認識しやすい、という効果を有する。

【0021】

第３態様によれば、第一領域上で対象物が検知されると、第一領域上であって検知した対象物を含む位置に第二領域を表示させる場合と比較して、オブジェクトに対する誤操作を抑制することができる、という効果を有する。

【0022】

第４態様によれば、画面内において対象物が第二領域に近づくにしたがって第二領域を予め定められた大きさまで拡大する場合と比較して、オブジェクトに対する誤操作を抑制することができる、という効果を有する。

【0023】

第５態様によれば、第一領域の予め定められた領域上で対象物が検知されると、予め定められた領域から離れた位置に向けて第二領域を縮小する場合と比較して、オブジェクトに対する操作を早期に確定することができる、という効果を有する。

【0024】

第６態様によれば、予め定められた領域を第一領域の境界近傍に設定する場合と比較して、オブジェクトに対する誤操作を抑制することができる、という効果を有する。

【0025】

第７態様によれば、対象物が第二領域上で予め定められた時間検知される前に、オブジェクトに対する操作を確定する場合と比較して、オブジェクトに対する誤操作を抑制することができる、という効果を有する。

【0026】

第８態様によれば、オブジェクトに対する操作を早期に確定することができる、という効果を有する。

【0027】

第９態様によれば、オブジェクトに対する誤操作を防止することができる、という効果を有する。

【0028】

第１０態様によれば、オブジェクトの第一領域が小さい場合に、オブジェクトの第一領域を拡大しない場合と比較して、オブジェクトに対する誤操作を抑制することができる、という効果を有する。

【0029】

第１１態様によれば、第一領域外で対象物が検知されるとオブジェクトに対する操作を保留する場合と比較して、オブジェクトに対する誤操作を抑制することができる、という効果を有する。

【0030】

第１２態様によれば、第二領域を第一領域内に表示させる場合と比較して、オブジェクトに対する誤操作を抑制することができる、という効果を有する。

【0031】

第１３態様によれば、オブジェクトの第一領域上で非接触操作の対象物が検知されると、オブジェクトに対する操作を確定させる場合と比較して、オブジェクトに対する誤操作を抑制することができる、という効果を有する。

【0032】

第１４態様によれば、オブジェクトの第一領域上で非接触操作の対象物が検知されると、オブジェクトに対する操作を確定させる場合と比較して、オブジェクトに対する誤操作を抑制することができる、という効果を有する。

【図面の簡単な説明】

【0033】

【図1】ユーザが非接触で操作を行う非接触ユーザインタフェースを備えた情報処理システムの構成例を示す図である。

【図2】実施形態に係る画像処理装置の要部を示す斜視図である。

【図3】（Ａ）は操作パネルの断面図であり、（Ｂ）は操作パネルの表示面と対向する位置から操作パネルを眺めた場合の平面図である。

【図4】実施形態に係る画像処理装置の機能構成例を示す図である。

【図5】ユーザによる操作パネルの操作によって、操作パネルに表示される画面がどのように遷移するのかについて示した画面の遷移例を表す図である。

【図6】ユーザがホーム画面においてオブジェクトの一例であるコピーボタンを選択する選択例を示す図である。

【図7】実施形態に係る画像処理装置の電気系統の要部構成例を示すブロック図である。

【図8】操作パネルを正面から見たときのホーム画面の正面図である。

【図9】ホーム画面の正面図であり、ユーザの指を検知してオブジェクトの第二領域の一例である検知領域が縮小していく状態を示している。

【図10】ホーム画面の正面図であり、ユーザの指がオブジェクトの第一領域内であって第二領域外の部分を指している状態を示している。

【図11】ホーム画面の正面図であり、オブジェクトの第一領域上で検知されたユーザの指が第一領域から外れた部分を指している状態を示している。

【図12】ホーム画面の正面図であり、ユーザの指を検知してオブジェクトの第二領域の一例である検知領域が縮小していく状態を示している。

【図13】図１２のオブジェクトの拡大図であり、第一領域内において、ユーザの指を検知した座標から点対称の座標へ向けて第二領域の一例である検知領域が縮小していく状態を示している。

【図14】ホーム画面の正面図であり、ユーザの指を検知してオブジェクトの第二領域の一例である検知領域が縮小していく状態を示している。

【図15】図１４のオブジェクトの拡大図であり、第一領域内において、ユーザの指を検知した座標へ向けて第二領域の一例である検知領域が縮小していく状態を示している。

【図16】ホーム画面の正面図であり、ユーザの指を検知してオブジェクトの第一領域上に第二領域の一例である確定領域を表示させた状態を示している。

【図17】図１６に対応する図面であり、ユーザの指が確定領域上に移動した状態を示している。

【図18】ホーム画面の正面図であり、ユーザの指を検知してオブジェクトの第一領域上に第二領域の一例である第一確定領域を表示させた状態を示している。

【図19】図１８に対応する図面であり、ユーザの指が第一確定領域から第二確定領域上に移動した状態を示している。

【図20】ホーム画面の正面図であり、ユーザの指を検知してオブジェクトの第一領域から離れた位置に第二領域の一例である確定領域を表示させた状態を示している。

【図21】図２０に対応する図面であり、ユーザの指が確定領域上に移動した状態を示している。

【図22】ホーム画面の正面図であり、ユーザの指を検知してオブジェクトの第一領域から離れた位置に第二領域の一例である確定領域を表示させた状態を示している。

【図23】図２２に対応する図面であり、ユーザの指が確定領域上に移動した状態を示している。

【図24】ホーム画面の正面図であり、ユーザの指を検知してオブジェクトの第一領域が拡張された状態を示している。

【図25】図２４に対応する図面であり、拡張された第一領域に含まれる第二領域の一例である検知領域上にユーザの指を移動させた状態を示している。

【図26】実施形態に係る情報処理プログラムによる非接触操作の処理の流れの一例を示すフローチャートである。

【図27】実施形態に係る情報処理プログラムによる非接触操作の処理の流れの変形例を示すフローチャートである。

【図28】図２７のオブジェクトの一例であるボタンの検知領域（第二領域）を縮小する方向を求める処理の一例を示すフローチャートである。

【図29】図２７のオブジェクトの一例であるボタンの検知領域（第二領域）を縮小する方向を求める処理の一例を示すフローチャートである。

【図30】実施形態に係る情報処理プログラムによる非接触操作の処理の流れの変形例を示すフローチャートである。

【図31】実施形態に係る情報処理プログラムによる非接触操作の処理の流れの変形例を示すフローチャートである。

【図32】実施形態に係る情報処理プログラムによる非接触操作の処理の流れの変形例を示すフローチャートである。

【図33】ホーム画面の正面図であり、ユーザの指を検知してオブジェクトの第一領域外に確定領域を表示させた状態を示している。

【発明を実施するための形態】

【0034】

[第１の実施形態]
以下、図面を参照して、本開示の技術を実施するための形態の一例について詳細に説明する。なお、動作、作用、機能が同じ働きを担う構成要素及び処理には、全図面を通して同じ符号を付与し、重複する説明を適宜省略する場合がある。各図面は、本開示の技術を十分に理解できる程度に、概略的に示してあるに過ぎない。よって、本開示の技術は、図示例のみに限定されるものではない。また、本実施形態では、本開示と直接的に関連しない構成や周知な構成については、説明を省略する場合がある。

【0035】

図１は、ユーザが非接触で操作を行う非接触ユーザインタフェースを備えた情報処理装置を含む情報処理システム１の構成例を示す図である。

【0036】

情報処理システム１における情報処理装置は、非接触ユーザインタフェースを備えていれば、何れの分野に適用される装置であってもよい。情報処理装置の一例として、画像処理装置、ＡＴＭ（Ａｕｔｏｍａｔｉｃ Ｔｅｌｌｅｒ Ｍａｃｈｉｎｅ）、自動販売機、及び発券機等が含まれる。情報処理装置は、個人専用の装置であっても、不特定多数のユーザが使用する装置であってもよい。

【0037】

図１及び図２を参照して、情報処理装置の一例として、職場等に設置された画像処理装置１０について説明を行う。

【0038】

図２は、本実施形態に係る画像処理装置１０の要部を示す斜視図である。

【0039】

画像処理装置１０は、後ほど説明するように、ユーザの指示に従って画像に関する機能を実行する装置である。画像処理装置１０は、例えば、各々のユーザが使用する複数の端末４と通信回線２で接続されている。

【0040】

ユーザは、端末４で生成した画像データを、通信回線２を通じて画像処理装置１０へ送信することで、画像処理装置１０に所望の画像処理を実行させる。又は、ユーザは、ＵＳＢ（Ｕｎｉｖｅｒｓａｌ Ｓｅｒｉａｌ Ｂｕｓ）メモリ若しくはメモリカード等の可搬型記憶媒体に画像データを記憶して画像処理装置１０まで移動し、可搬型記憶媒体を画像処理装置１０に接続することで、画像処理装置１０に所望の画像処理を実行させてもよい。更に、ユーザは、文字及び画像の少なくとも一方が記載された原稿１１を持って画像処理装置１０まで移動し、原稿１１を画像処理装置１０に読み取らせることで、画像処理装置１０に所望の画像処理を実行させてもよい。

【0041】

画像処理装置１０と端末４を接続する通信回線２の接続形態に制約はなく、有線、無線、又は有線と無線が混在した形態の何れであってもよい。また、画像処理装置１０に接続される端末４の数にも制限はなく、例えば、端末４が画像処理装置１０に一台も接続されていなくてもよい。

【0042】

なお、端末４とは、ユーザが使用する情報機器のことである。端末４は、データ記憶機能及びデータ通信機能を備えていればどのような種類の情報機器であってもよい。端末４には、例えば、持ち運んで使用することを前提としていないコンピュータの他、スマートフォン及びウェアラブル装置のように持ち運んで使用することを前提とする携帯端末が含まれる。

【0043】

図２に示すように、画像処理装置１０は一例として、用紙等の記録媒体に記載された画像を画像データとして読み込むスキャン機能、画像データによって表される画像を記録媒体に形成するプリント機能、及び記録媒体に形成された画像と同一の画像を他の記録媒体に形成するコピー機能を有する。コピー機能、プリント機能、及びスキャン機能は、画像処理装置１０における画像処理の一例である。

【0044】

図２に示す画像処理装置１０の上部には、例えば、原稿読み取りユニット１２が設けられ、原稿読み取りユニット１２の下方に画像形成ユニット１４が配置されている。

【0045】

原稿読み取りユニット１２は、図示しない光学読み取り装置と原稿カバー１６内の原稿搬送装置１８を含んで構成される。原稿搬送装置１８は、原稿カバー１６に設けられている原稿台１６Ａ上に載せられた原稿１１を順に引き込んで、図示しない搬送原稿読み取りガラス上に搬送する。原稿読み取りユニット１２は、この搬送原稿読み取りガラス上に搬送された原稿１１の内容を、光学読み取り装置で画像データとして読み取る。その後、原稿搬送装置１８は、記載内容の読み込みが終了した原稿１１を原稿カバー１６に設けられている排出台１６Ｂ上に排出する。

【0046】

一方、画像形成ユニット１４は、記録媒体の種別やサイズ毎に分類された収容棚１９に収容される記録媒体上に、画像データによって表された画像を形成する。なお、画像形成
ユニット１４が記録媒体に形成する画像の色に制限はなく、カラー画像であってもモノクロ画像であってもよい。

【0047】

画像処理装置１０の正面には、コピー機能、プリント機能、及びスキャン機能といった各種機能を実行するための操作をユーザから受け付ける操作表示ユニット１３が設けられている。

【0048】

具体的には、操作表示ユニット１３には、操作を行うユーザの情報を取得するリーダー装置１７、及びユーザの操作を受け付ける操作パネル１５が含まれる。

【0049】

リーダー装置１７は、例えば、ユーザが所有する社員証が近づけられると、社員証に内蔵されているＩＣチップから、ユーザを一意に識別する識別情報（「ユーザＩＤ」という）を非接触で読み取る装置である。

【0050】

操作パネル１５は、タッチパネルが重畳されたディスプレイであり、操作パネル１５には、ユーザが所望する機能を実行するために操作対象となるオブジェクトがアイコン画像として表示される。ユーザの操作対象となるものであればオブジェクトの種類に制約はなく、オブジェクトには、例えば、ボタン、スクロールバー、チェックボックス、及びラジオボタン等が含まれる。オブジェクトに対してユーザの操作が行われると、操作内容に対して予め対応付けた処理が画像処理装置１０で実行され、操作に対する応答が操作パネル１５に表示される。

【0051】

図３は、ユーザの操作位置６を非接触で検知する操作パネル１５の一例を示す図である。図３（Ａ）は、操作パネル１５の断面図であり、図３（Ｂ）は、操作パネル１５の表示面と対向する位置から操作パネル１５を眺めた場合の平面図である。

【0052】

操作パネル１５は、ユーザの指の位置、すなわち、操作位置６を非接触で検知する。「操作位置６を非接触で検知する」とは、ユーザが操作パネル１５の表示面に指を押し当てなくても、操作パネル１５の表示面の範囲内における操作パネル１５の表示面上の空間内で、操作パネル１５の表示面から離れた場所に指をかざすだけで、ユーザの指の位置を検知することをいう。以降では、操作パネル１５の表示面の範囲内における操作パネル１５の表示面上の空間のことを、「操作パネル１５上」という。また、ユーザが操作パネル１５上に「指をかざす」とは、操作パネル１５の表示面に触れることなく、ユーザが操作パネル１５上を指差すことをいう。

【0053】

操作パネル１５は、ユーザが操作パネル１５上に指をかざすことによって生じる静電容量の変化から操作位置６を検知する、所謂、静電容量方式のタッチパネルを備えている。こうしたタッチパネルを備える操作パネル１５では、ユーザの指から最も近い位置にある箇所の静電容量の変化が、他の箇所の静電容量の変化よりも大きくなる。したがって、操作パネル１５は、操作パネル１５の範囲内において、静電容量の変化が最も大きい箇所をユーザの操作位置６として出力する。

【0054】

操作パネル１５におけるユーザの操作位置６を特定するため、操作パネル１５には、ユーザの指の位置を非接触で検知する検知領域を規定するための操作座標系が定義付けられている。操作座標系は、操作パネル１５の何れかの箇所を原点Ｐとする３次元座標系として表される。図３（Ａ）及び図３（Ｂ）に示す操作パネル１５の例では、矩形状の操作パネル１５の輪郭上にある頂点の１つに原点Ｐが設定されている。更に、図３（Ａ）及び図３（Ｂ）に示す操作パネル１５の例では、原点Ｐに対して、操作パネル１５の横方向に沿ってＸ軸が設定され、操作パネル１５の縦方向に沿ってＹ軸が設定され、Ｘ軸及びＹ軸とそれぞれ直交するようにＺ軸が設定されている。Ｚ軸方向を操作パネル１５の高さ方向と
いう。

【0055】

操作パネル１５におけるユーザの操作位置６は、操作パネル１５の範囲内のうち、最も静電容量の変化が大きい箇所におけるＸ座標の座標値ｘと、Ｙ座標の座標値ｙとの組み合わせである座標点（ｘ，ｙ）によって表される。

【0056】

操作パネル１５にオブジェクトが表示されている場合、ユーザの操作位置６を含むように表示されているオブジェクトが、ユーザが操作を行っているオブジェクトとして認識される。図３（Ｂ）に示す操作パネル１５の例では、操作パネル１５に表示されている画面３０内に配置されたボタン８の領域内にユーザの操作位置６が含まれるため、ユーザはボタン８を操作していると認識される。以降では、ユーザの操作位置６を含むように表示されているオブジェクトのことを、「操作位置６に対応したオブジェクト」ということがある。また、操作位置６は、本実施形態に係る「ユーザによる操作が検知された検知位置」の一例である。

【0057】

図３（Ａ）に示すように、操作パネル１５上にかざされたユーザの指３から操作パネル１５の表示面に下した垂線の長さ、すなわち、ユーザの指３から操作パネル１５までの操作パネル１５の高さ方向の距離を「操作距離Ｄ」とする。ユーザの指３は、ユーザが持つ対象物の一例である。この対象物は、ユーザの手、指以外の部位でもよく、あるいは、ユーザが所有するタッチペン等であってもよい。操作パネル１５では、操作距離Ｄが短くなるにつれて、ユーザの操作位置６における静電容量の変化が大きくなる。反対に、操作パネル１５では、操作距離Ｄが長くなるにつれて、ユーザの操作位置６における静電容量の変化が小さくなる。したがって、操作距離Ｄと静電容量の変化量の関係を予め対応付けておくことによって、操作パネル１５における静電容量の変化量から操作距離Ｄが得られる。

【0058】

操作距離Ｄと静電容量の変化量の対応関係を用いることで、操作パネル１５は、ユーザの操作位置６を、操作パネル１５の表示面に沿った２次元的な操作位置６としてだけでなく、操作距離Ｄを考慮した３次元的な操作位置６として認識することもできる。すなわち、ユーザの操作位置６を３次元で表す場合、ユーザの操作位置６は、操作パネル１５の高さ方向の操作位置６を表す座標値ｚを座標点（ｘ，ｙ）に組み合わせた座標点（ｘ，ｙ，ｚ）によって表される。座標値ｚは、原点ＰからＺ軸に沿って操作距離Ｄだけ離れた位置におけるＺ軸の座標値である。

【0059】

なお、座標値ｚ＝０の場合は、ユーザが操作パネル１５の表示面に指を接触して操作していることを意味する。したがって、画像処理装置１０は、ユーザが操作パネル１５を非接触で操作しているのか、それとも、操作パネル１５に指を接触させて操作しているのかといった、ユーザの操作形態の違いについて認識することもできる。このように、操作パネル１５は、ユーザが操作パネル１５の表示面に指を接触して操作する接触操作、及びユーザが操作パネル１５上に指をかざして操作する非接触操作の両方の操作に対応している。

【0060】

上述したように、操作パネル１５では、操作距離Ｄが長くなるにつれて、ユーザの操作位置６における静電容量の変化が小さくなることから、操作距離Ｄには上限が存在する。ユーザが操作距離Ｄの上限を超える位置で操作パネル１５上に指をかざしても、ユーザの操作位置６における静電容量は変化しなくなるため、操作パネル１５はユーザの操作に反応しない。

【0061】

オブジェクトに対応する検知領域は、操作パネル１５から例えば３ｃｍ程度離れた空間上の領域とされる。つまり、ユーザの指３を操作パネル１５から３ｃｍ程度に近接させる
と、オブジェクト側の静電容量が変化し、非接触の入力が検知される。このとき、ユーザの指３の検知領域でのＸＹＺ座標が操作位置６として取得される。そして、ユーザの指３を３ｃｍより更に近接させると、その位置でのＸＹＺ座標が取得される。

【0062】

図４は、本実施形態に係る画像処理装置１０の機能構成例を示す図である。画像処理装置１０は、制御部２０、受付部２１、表示部２２、原稿読み取り部２３、及び画像形成部２４の各機能部を含む。

【0063】

受付部２１は、操作表示ユニット１３のリーダー装置１７から、画像処理装置１０を操作するユーザのユーザＩＤを受け付けると共に、操作表示ユニット１３の操作パネル１５から、操作パネル１５におけるユーザの操作位置６を受け付ける。また、受付部２１は、端末４又は画像処理装置１０に接続された可搬型記憶媒体から画像データを受け付ける。受付部２１は、受け付けたユーザＩＤ、ユーザの操作位置６、及び画像データを制御部２０に通知する。

【0064】

制御部２０は、受付部２１からユーザＩＤが通知された場合、ユーザＩＤによって表されるユーザが、画像処理装置１０の利用を許可されたユーザ（「登録ユーザ」という）であるか否かを判定する認証処理を行う。制御部２０は、受付部２１から操作パネル１５におけるユーザの操作位置６が通知された場合、操作パネル１５に表示される画面３０内において、ユーザの操作位置６に表示されているオブジェクトが選択されたか否かを判定し、選択されたオブジェクトに予め対応付けられた処理を実行する。例えば、オブジェクトがプリント機能を開始するボタン８であれば、制御部２０は、受付部２１で受け付けた画像データによって表される画像を記録媒体に形成するプリント機能を開始する。

【0065】

画像処理装置１０はコピー機能、プリント機能、及びスキャン機能を備えるため、制御部２０には、スキャン機能を制御するスキャン制御部２０Ａ、プリント機能を制御するプリント制御部２０Ｂ、及びコピー機能を制御するコピー制御部２０Ｃがそれぞれ含まれる。ユーザによって操作されたオブジェクトと対応付けられている処理の内容に応じて、スキャン制御部２０Ａ、プリント制御部２０Ｂ、及びコピー制御部２０Ｃの何れかによる制御が行われる。なお、図示は省略するが、画像処理装置１０はファクシミリ機能を備えていてもよく、この場合、制御部２０にはファクシミリ機能を制御するファクシミリ制御部が含まれる。

【0066】

オブジェクトを介したユーザの操作内容がスキャン機能に関する操作の場合、スキャン制御部２０Ａは、原稿読み取り部２３を制御することによりスキャン機能を実行する。オブジェクトを介したユーザの操作内容がプリント機能に関する操作の場合、プリント制御部２０Ｂは、画像形成部２４を制御することによりプリント機能を実行する。オブジェクトを介したユーザの操作内容がコピー機能に関する操作の場合、コピー制御部２０Ｃは、原稿読み取り部２３を制御することにより、原稿１１の画像データを生成する。その後、コピー制御部２０Ｃは、画像形成部２４を制御することにより、生成した画像データによって表される画像を記録媒体に形成する。

【0067】

原稿読み取り部２３は、スキャン制御部２０Ａ及びコピー制御部２０Ｃの制御に従って原稿読み取りユニット１２を駆動し、例えば、原稿台１６Ａ上に載せられた原稿１１の搬送、及び搬送した原稿１１の画像データの生成を行う。

【0068】

画像形成部２４は、プリント制御部２０Ｂ及びコピー制御部２０Ｃの制御に従って画像形成ユニット１４を駆動し、例えば、収容棚１９に収容された記録媒体の搬送、及び搬送した記録媒体への画像データによって表される画像の形成を行う。

【0069】

表示部２２は、制御部２０の指示に従い、例えば、ユーザに対する認証処理の結果、及びオブジェクトを介したユーザの操作に対して制御部２０が実行した処理の結果を、操作表示ユニット１３内の操作パネル１５に表示する。

【0070】

図５は、ユーザによる操作パネル１５の操作によって、操作パネル１５に表示される画面３０がどのように遷移するのかについて示した画面３０の遷移例を表す図である。

【0071】

なお、操作パネル１５への画面３０の表示は表示部２２が行うが、表示部２２は制御部２０の指示に従って画面３０を表示することから、制御部２０が操作パネル１５に画面３０を表示するとも言える。また、操作パネル１５に表示された画面３０の表示範囲を底面とするＺ軸に沿った空間のことを「画面３０上」と表し、画面３０内に表示されたオブジェクトの表示範囲を底面とするＺ軸に沿った空間のことを「オブジェクト上」と表す。「画面３０上」及び「オブジェクト上」という表記も「操作パネル１５上」の表記と同じく、実空間における上下左右に基づいた上側という意味ではなく、それぞれ画面３０と相対する方向の空間、及びオブジェクトと相対する方向の空間のことを指す。

【0072】

説明の便宜上、画面３０の種類を区別して説明する場合、画面３０の種類毎に対応付けたアルファベットの符号を「画面３０」の後ろに付加する。画面３０の種類を区別して説明する必要がない場合には、各々の種類の画面３０を総称して「画面３０」と表す。また、オブジェクトの一例であるボタン８の種類を区別して説明する場合、ボタン８の種類毎に対応付けたアルファベットの符号を「ボタン８」の後ろに付加する。ボタン８の種類を区別して説明する必要がない場合には、各々の種類のボタン８を総称して「ボタン８」と表す。

【0073】

制御部２０は、認証処理によって、操作を行うユーザが登録ユーザであると判定した場合、操作パネル１５にスタート画面３０Ａを表示する。スタート画面３０Ａには、例えば、「画面の上に手をかざしてください Ｔｏｕｃｈ Ｌｅｓｓをはじめよう！」といったユーザへの指示が表示される。

【0074】

ユーザがスタート画面３０Ａ上に指をかざすと、スタート画面３０Ａにおけるユーザの操作位置６にカーソルが表示される。図５に示すスタート画面３０Ａの例では、手の形をしたカーソルが表示されているが、カーソルの形状は一例であり、例えば、円形のカーソルを表示してもよい。ユーザがスタート画面３０Ａ上に指をかざすことで、ホーム画面３０Ｂが表示される。なお、スタート画面３０Ａにおけるユーザへの指示は、ユーザに操作パネル１５での操作方法を教える意味合いも兼ねる。

【0075】

ホーム画面３０Ｂには、例えば、画像処理装置１０が有する各種機能を選択するためのボタン８と、ユーザが操作を行う上で有益な情報を表示するナビゲーションバー９が表示される。画像処理装置１０は、コピー機能、プリント機能、及びスキャン機能を有するため、ホーム画面３０Ｂにはコピー機能を選択するコピーボタン８Ａ、プリント機能を選択するプリントボタン８Ｂ、及びスキャン機能を選択するスキャンボタン８Ｃが表示される。ナビゲーションバー９には、例えば、「ユーザＡ」のように認証を行ったユーザの名前、「ホーム」のように操作パネル１５に表示している画面名、及び「Ｔｏｕｃｈ Ｌｅｓｓ」のように、操作パネル１５が非接触での操作モードとなっていることをユーザに知らせる情報等が表示される。

【0076】

ユーザがコピーボタン８Ａ上に指をかざすと、コピーボタン８Ａが選択される。コピーボタン８Ａが選択されると、操作パネル１５にコピー画面３０Ｄが表示される。コピー画面３０Ｄには、コピー条件を設定するボタン８Ｄ～８Ｇと、設定されたコピー条件でコピーを開始するコピー開始ボタン８Ｈが表示される。

【0077】

図５に示すコピー画面３０Ｄには、コピー条件を設定するボタン８の例として、例えば、コピーの色を選択するカラーモードボタン８Ｄ、コピー面を選択する両面／片面選択ボタン８Ｅ、記録媒体への画像の割り付け方法を選択するＮアップボタン８Ｆ、及びコピーする部数を選択する部数ボタン８Ｇが表示されている。

【0078】

コピー条件を設定するボタン８Ｄ～８Ｇのうち、ユーザが何れかのボタン８上に指をかざすと、ユーザの操作位置６に対応したボタン８が選択され、選択されたボタン８に対応したコピー条件を設定する画面３０が表示される。コピー画面３０Ｄで両面／片面選択ボタン８Ｅが選択された場合、コピー画面３０Ｄにコピー面を選択する両面／片面選択画面３０Ｇが重畳された形態で操作パネル１５に表示される。

【0079】

図５に示す両面／片面選択画面３０Ｇには、例えば、原稿１１の両面の内容を、記録媒体の両面に順次コピーする両面→両面選択ボタン８Ｓ、片面だけに文章等が記載されている原稿１１の内容を、記録媒体の両面に順次コピーする片面→両面選択ボタン８Ｔ、及び片面だけに文章等が記載されている原稿１１の内容を、記録媒体の片面に順次コピーする片面→片面選択ボタン８Ｕが表示される。
両面／片面選択画面３０Ｇにおけるボタン８Ｓ～８Ｕのうち、ユーザが何れかのボタン８Ｓ～８Ｕ上に指をかざすと、ユーザの操作位置６に対応したボタン８が選択され、選択されたボタン８に対応したコピー面が設定される。図５に示す両面／片面選択画面３０Ｇの例は、ユーザによって両面→両面選択ボタン８Ｓが選択された状態を示している。

【0080】

両面／片面選択画面３０Ｇでコピー面が設定されると、コピー画面３０Ｄが操作パネル１５に表示される。コピー面設定後におけるコピー画面３０Ｄの両面／片面選択ボタン８Ｅ内には、両面／片面選択画面３０Ｇで選択したコピー面が表示される。

【0081】

上記では、ユーザがコピー画面３０Ｄにおいて両面／片面選択ボタン８Ｅを選択した例について説明した。ユーザがコピー画面３０Ｄにおいてカラーモードボタン８Ｄ、Ｎアップボタン８Ｆ、及び部数ボタン８Ｇの何れかを選択した場合にも、両面／片面選択画面３０Ｇのような各ボタン８に対応したコピー条件を選択する選択画面が操作パネル１５に表示される。

【0082】

コピー画面３０Ｄにおいてユーザがコピー開始ボタン８Ｈ上に指をかざすと、コピー開始ボタン８Ｈが選択される。コピー開始ボタン８Ｈが選択されると、設定されたコピー条件に従って、原稿１１の記載内容を記録媒体にコピーするコピー処理が実行される。なお、コピー条件を設定する前のコピー画面３０Ｄにおけるボタン８Ｄ～８Ｇには、予め設定されたコピー条件の初期設定が表示される。

【0083】

一方、ホーム画面３０Ｂにおいて、ユーザがプリントボタン８Ｂ上に指をかざすと、プリントボタン８Ｂが選択される。プリントボタン８Ｂが選択されると、操作パネル１５にプリント画面３０Ｅが表示される。

【0084】

プリント画面３０Ｅには、プリント対象となる画像データの情報を表示したプリント情報ボタン８Ｊと、各々のプリント情報ボタン８Ｊに対応したすべての画像データのプリントを開始する全プリント開始ボタン８Ｍが表示される。図５に示すプリント画面３０Ｅの例は、プリント対象となる画像データを２つ受け付けた場合のプリント画面３０Ｅを表している。すなわち、プリント画面３０Ｅには、プリント対象としてユーザから受け付けた画像データの数だけ、各々の画像データに対応したプリント情報ボタン８Ｊが表示される。

【0085】

対応するプリント情報ボタン８Ｊを一度にプリント画面３０Ｅ内に表示しきれない数の画像データが存在する場合には、ユーザがプリント情報ボタン８Ｊの上下方向に指を移動させるジェスチャを行うと、操作パネル１５が操作位置６の移動を検知して、プリント情報ボタン８Ｊをスクロールさせる。これにより、プリント画面３０Ｅ内に表示しきれていないプリント情報ボタン８Ｊもプリント画面３０Ｅ内に表示される。

【0086】

各々のプリント情報ボタン８Ｊには、プリント対象となる画像データのファイル名と、画像データに対してユーザが予め設定したプリント条件が表示される。例えば、ユーザが端末４から画像処理装置１０に画像データを送信した場合には、ユーザが端末４から設定したプリント条件がプリント情報ボタン８Ｊに表示される。

【0087】

ユーザが全プリント開始ボタン８Ｍ上に指をかざすと、全プリント開始ボタン８Ｍが選択される。全プリント開始ボタン８Ｍが選択されると、設定されたプリント条件に従って、画像データによって表される画像を記録媒体にプリントするプリント処理が実行される。

【0088】

また、ユーザが何れかのプリント情報ボタン８Ｊ上に指をかざすと、指をかざしたプリント情報ボタン８Ｊが選択される。プリント情報ボタン８Ｊが選択されると、操作パネル１５にプリント編集画面３０Ｈが表示される。図５に示すプリント編集画面３０Ｈは、ユーザが「資料Ｂ．ｐｄｆ」の画像データに対応したプリント情報ボタン８Ｊを選択した場合の表示例を表している。

【0089】

プリント編集画面３０Ｈには、例えば、選択されたプリント情報ボタン８Ｊに対応する画像データを削除する削除ボタン８Ｖ、選択されたプリント情報ボタン８Ｊに対応する画像データのプリント条件を変更する変更ボタン８Ｗ、及び、選択されたプリント情報ボタン８Ｊに対応する画像データのみをプリントする個別プリント開始ボタン８Ｘが表示されている。図５に示すプリント編集画面３０Ｈでは、変更ボタン８Ｗの例として、プリントする部数の変更を行う変更ボタン８Ｗが表示されている。なお、例えば、プリントする画像の色といった他のプリント条件を変更する変更ボタン８Ｗもプリント編集画面３０Ｈに表示されるが、図示を省略している。

【0090】

一方、ホーム画面３０Ｂにおいて、ユーザがスキャンボタン８Ｃ上に指をかざすと、スキャンボタン８Ｃが選択される。スキャンボタン８Ｃが選択されると、操作パネル１５にスキャン画面３０Ｆが表示される。

【0091】

スキャン画面３０Ｆには、スキャン条件を設定するスキャン設定ボタン８Ｎと、設定されたスキャン条件で原稿１１の読み取りを開始するスキャン開始ボタン８Ｒが表示される。

【0092】

ユーザがスキャン設定ボタン８Ｎ上に指をかざすと、ユーザの操作位置６に対応したスキャン設定ボタン８Ｎが選択され、選択されたスキャン設定ボタン８Ｎに対応したスキャン条件の選択を行う選択画面（図示省略）が表示される。すなわち、ユーザは、コピー画面３０Ｄからコピー条件を設定する操作と同じ要領で、スキャン設定ボタン８Ｎと対応付けられたスキャン条件の設定を行う。ユーザがスキャン開始ボタン８Ｒ上に指をかざすと、スキャン開始ボタン８Ｒが選択される。スキャン開始ボタン８Ｒが選択されると、設定されたスキャン条件に従って、原稿１１の記載内容を画像データに変換するスキャン処理が実行される。

【0093】

一方、ホーム画面３０Ｂにおいて、ユーザがナビゲーションバー９上に指をかざすと、
ナビゲーションバー９が選択される。ナビゲーションバー９が選択されると、認証されたユーザのログアウト処理が行われ、画面３０Ｃに示すように、ナビゲーションバー９にログアウトが完了したことを示す表示が行われる。

【0094】

ここまで、ユーザがボタン８上に指をかざすことでボタン８が選択される例について説明してきた。非接触操作の場合、指が操作パネル１５に接しないため、指がふらつくことがある。したがって、領域内に操作位置６が含まれるからと言って、領域内に操作位置６が含まれるオブジェクトを単純にユーザが選択したオブジェクトとしてしまうと、指のふらつきに伴い、操作しようとしているオブジェクトの隣にある他のオブジェクトが誤って選択されることがある。また、操作しようとしているオブジェクト上まで指を移動させる過程において、指が操作対象ではない他のオブジェクト上を通過することがあるため、この場合においても他のオブジェクトが誤って選択されることがある。

【0095】

したがって、例えば、ユーザが目的のオブジェクトに指をかざすと、そのオブジェクトが表示される第一領域と異なる大きさの領域であって、オブジェクトに対する操作を確定させるための第二領域を表示させてもよい。ここで、ユーザがさらに第二領域に指をかざすと、ユーザが目的のオブジェクトを選択したと判定される。以下では、目的のオブジェクトが表示される第一領域よりも小さい第二領域を表示させる場合について説明する。また、以下では、第二領域において指が検知される合計検知時間が、予め定めた選択確定時間を超えた場合に、オブジェクトに対する操作が確定される場合について説明する。なお、合計検知時間に関わらず、第一領域の後に、第二領域にユーザの指がかざされることによって、操作が確定されてもよい。

【0096】

次に、図７を参照しながら、画像処理装置１０の電気系統の要部構成について説明する。画像処理装置１０は、例えば、コンピュータ４０を用いて構成される。

【0097】

コンピュータ４０では、ＣＰＵ（Ｃｅｎｔｒａｌ Ｐｒｏｃｅｓｓｉｎｇ Ｕｎｉｔ）４１、ＲＡＭ（Ｒａｎｄｏｍ Ａｃｃｅｓｓ Ｍｅｍｏｒｙ）４２、ＲＯＭ（Ｒｅａｄ Ｏｎｌｙ Ｍｅｍｏｒｙ）４３、不揮発性メモリ４４、及び入出力インタフェース（Ｉ／Ｏ）４５がバス４６を介して各々接続される。

【0098】

ＣＰＵ４１は、図４に示した画像処理装置１０の各機能部の処理を担うプロセッサの一例である。ＲＡＭ４２は、ＣＰＵ４１の一時的な作業領域として使用される記憶媒体の一例である。ＲＯＭ４３は、ＣＰＵ４１で実行される情報処理プログラムを記憶する記憶媒体の一例である。不揮発性メモリ４４は、不揮発性メモリ４４に供給される電力が遮断されても、記憶した情報が維持される記憶媒体の一例であり、例えば半導体メモリが用いられるがハードディスクを用いてもよい。不揮発性メモリ４４は、必ずしもコンピュータ４０に内蔵されている必要はなく、例えばメモリカードのようにコンピュータ４０に着脱される記憶媒体であってもよい。

【0099】

Ｉ／Ｏ４５には、例えば、原稿読み取りユニット１２、画像形成ユニット１４、入力ユニット３１、表示ユニット３２、及び通信ユニット３３が接続される。

【0100】

原稿読み取りユニット１２及び画像形成ユニット１４は、既に説明した通りの動作を行う装置である。入力ユニット３１は、ユーザの指示及びユーザＩＤを受け付けてＣＰＵ２１に通知する装置であり、操作パネル１５を構成するタッチパネル及びリーダー装置１７は入力ユニット３１の一例である。表示ユニット３２は、ＣＰＵ４１によって処理された情報を視覚的に表示する装置であり、操作パネル１５を構成するディスプレイは表示ユニット３２の一例である。通信ユニット３３は通信回線２に接続され、端末４と通信を行う通信プロトコルを備える。なお、Ｉ／Ｏ４５に接続されるユニットは図７に例示したユニットに限定されない。Ｉ／Ｏ４５には、画像処理装置１０が有する機能に応じて、機能の実現に必要となるユニットが接続される。

【0101】

上記したように、第１の実施形態に係る画像処理装置は、画面内のオブジェクトに対して対象物による非接触の操作を行う場合に、この画面内においてオブジェクトが表示される第一領域上で対象物が検知されると、第一領域と異なる大きさの領域であってオブジェクトに対する操作を確定させるための第二領域を表示させるように構成されている。

【0102】

具体的に説明すると、図８に示されるように、本実施形態に係る画像処理装置は、ＣＰＵ４１が操作パネル１５のホーム画面５０内に１つ以上のオブジェクトを表示させる。このＣＰＵ４１は、ユーザの指３が、ホーム画面５０内においてオブジェクトが表示される第一領域上にあることを検知すると、第一領域と異なる大きさの領域である第二領域を表示させる。この第二領域は、オブジェクトに対する操作を確定させるための領域である。ユーザの指３が第二領域上で検知される又は予め定められた時間検知されることで、オブジェクトに対する操作を確定させてもよい。

【0103】

次に、図８を参照して、操作パネル１５の画面の一例としてホーム画面５０を表示させた場合について具体的に説明する。なお、ホーム画面５０は、上記したホーム画面３０Ｂと同等の機能を有する画面である。

【0104】

図８は、操作パネル１５を正面から見たときのホーム画面５０の正面図である。

【0105】

図８に示すホーム画面５０には、オブジェクトの一例として、コピーボタン６０、スキャンボタン７０、ファックスボタン８０及びホームボタン９０が表示される。

【0106】

コピーボタン６０は、コピーボタン８Ａと同様にコピー機能を選択するためのボタンである。ここでコピーボタン６０が表示される領域をコピーボタン領域６０Ａという。なお、コピーボタン領域６０Ａについては、適宜「ボタン領域６０Ａ」と省略する。このボタン領域６０Ａは、本開示における第一領域の一例である。ボタン領域６０Ａ上には、コピーボタン６０がコピー機能を有していることをユーザに認識させるためのアイコン画像６１が配置されている。

【0107】

スキャンボタン７０は、スキャンボタン８Ｃと同様にスキャン機能を選択するためのボタンである。ここでスキャンボタン７０が表示される領域をスキャンボタン領域７０Ａという。このスキャンボタン領域７０Ａは、本開示における第一領域の一例である。また、スキャンボタン領域７０Ａ上には、スキャンボタン７０がスキャン機能を有していることをユーザに認識させるためのアイコン画像７１が配置されている。

【0108】

ファックスボタン８０は、ファックスボタン８Ｂと同様にファックス機能を選択するためのボタンである。ここでファックスボタン８０が表示される領域をファックスボタン領域８０Ａという。このファックスボタン領域８０Ａは、本開示における第一領域の一例である。また、ファックスボタン領域８０Ａ上には、ファックスボタン８０がファックスボタン機能を有していることをユーザに認識させるためのアイコン画像８１が配置されている。

【0109】

ホームボタン９０は、ホーム機能を実行させるためのボタンである。ここでホームボタン９０が表示される領域をホームボタン領域９０Ａという。このホームボタン領域は、本開示における第一領域の一例である。なお、ホーム機能とは、図８で示すホーム画面に画面を戻す機能である。

【0110】

次に、図９～図１５を参照して、第１の実施形態に係る画像処理装置１０の非接触操作の一例について説明する。

【0111】

本実施形態では、ホーム画面５０内においてオブジェクトが表示される第一領域上でユーザの指３が検知されると、指３が検知された位置にあるオブジェクトに対して割り当てられた操作を確定するための第二領域が表示されるように構成されている。すなわち、本実施形態では、ユーザの指３が第一領域上で検知されることによって表示される第二領域で、選択操作が確定するように構成されている。

【0112】

まず、図９を参照してオブジェクトの選択操作について説明する。図９は、ホーム画面５０の正面図であり、ユーザの指３を検知してオブジェクトの第二領域の一例である検知領域６２が縮小していく状態を示している。

【0113】

図９に示すように、ＣＰＵ４１は、ホーム画面５０内においてコピーボタン６０が表示されるボタン領域６０Ａ上でユーザの指３が検知されると、ボタン領域６０Ａと異なる大きさの領域であってコピーボタン６０に対する操作を確定させるための検知領域６２をホーム画面５０に表示させる。一例として、ボタン領域６０Ａよりも小さい検知領域６２をホーム画面５０に表示させる。

【0114】

また、ＣＰＵ４１は、図９に示すように、ボタン領域６０Ａ内に検知領域６２を表示させてもよい。そして、ＣＰＵ４１は、ホーム画面５０内においてユーザの指３が検知領域６２に近づくにしたがって検知領域６２を予め定められた大きさまで縮小させてもよい。すなわち、指３とホーム画面５０との間の操作距離Ｄが短くなるにしたがい検知領域６２を縮小させてもよい。なお、検知領域６２には、色を付してもよいし、検知領域６２の境界を線で表示してもよい。これにより検知領域６２が縮小していくのをユーザが認識しやすい。また、検知領域６２の予め定められた大きさとは、ユーザの指３を非接触で検知領域６２上に留めることが可能な大きさであればよい。

【0115】

そして、ＣＰＵ４１は、ユーザの指３が検知領域６２上で予め定められた時間検知された場合に、コピーボタン６０に対する操作を確定してもよい。具体的には、ＣＰＵ４１は、ユーザの指３が検知領域６２上で検知された合計検知時間が、予め定められた時間である選択確定時間を超えるとコピーボタン６０に割り当てられた操作（一例として選択操作）を確定してもよい。

【0116】

また、図１０に示すように、ＣＰＵ４１は、ユーザの指３をボタン領域６０Ａ上であり、検知領域６２の領域外の部分で検知した場合、コピーボタン６０に対する操作を確定せずに一旦保留（一時停止ともいう）してもよい。具体的には、ＣＰＵ４１は、ユーザの指３が検知領域６２上にないため、合計検知時間が選択確定時間を超えない。そのため、ＣＰＵ４１は、コピーボタン６０に対する操作を保留してもよい。

【0117】

また、図１１に示すように、ＣＰＵ４１は、ボタン領域６０Ａの領域外でユーザの指３を検知した場合、コピーボタン６０に対する操作を取り消してもよい。なお、ユーザの指３がホーム画面５０上から横にずれて検知範囲外になった場合や、ホーム画面５０からの高さ方向の距離が離れた場合も同様に、ＣＰＵ４１は、コピーボタン６０に対する操作を取り消してもよい。

【0118】

また、図１２及び図１３に示すように、ＣＰＵ４１は、ボタン領域６０Ａにおいてユーザの指３を検知した場合に、指３が検知領域６２に近づくにしたがい、ユーザの指３の検知位置Ｐ１（言い換えると指３の座標）に対して点対称の位置Ｐ２に向けて検知領域６２が縮小してもよい。なお、検知位置Ｐ１と位置Ｐ２は、ボタン領域６０Ａの中心に対して点対称である。

【0119】

また、図１４に示すように、ＣＰＵ４１は、ボタン領域６０Ａにおいて予め定められた領域上でユーザの指３が検知されると、指３が検知領域６２に近づくにしたがって予め定められた領域を中心として検知領域６２を予め定められた大きさまで縮小してもよい。なお、コピーボタン領域において予め定められた領域とは、例えば、コピーボタン領域の中央に位置する領域である。すなわち、図１４に示す例では、コピーボタン領域の中央に位置する領域上でユーザの指３が検知されるため、ＣＰＵ４１は、コピーボタン領域の中央に向けて検知領域６２を縮小させていく。これにより、検知領域６２が縮小している間も、合計検知時間が増加する。一方、図１５に示す例では、コピーボタン領域の右下が予め定められた領域に指定されている。そのため、この領域上でユーザの指３が検知されると、ＣＰＵ４１は、この領域に向けて検知領域６２を縮小させていく。

【0120】

次に、図２６を参照して、第１の実施形態の画像処理装置１０の作用を説明する。

【0121】

図２６は、本実施形態に係る情報処理プログラムによる処理の流れの一例を示すフローチャートである。

【0122】

まず、操作パネル１５における非接触入力の実行が指示されると、ＣＰＵ４１により情報処理プログラムが起動され、以下の各ステップを実行する。

【0123】

図２６のステップＳ２００では、ＣＰＵ４１が非接触操作を行う対象物であるユーザの指３をボタン領域６０Ａ上で検知すると、ステップＳ２０２に移行する。

【0124】

ステップＳ２０２では、オブジェクトの一例であるコピーボタン６０の選択操作を確定するためのユーザの指３の合計検知時間をゼロに設定する。その後、ステップＳ２０４に移行する。

【0125】

ステップＳ２０４では、合計検知時間と選択確定時間を比較する。ここで、合計検知時間が選択確定時間を超えている場合、ステップＳ２０６に移行する。一方、合計検知時間が選択確定時間以下の場合、ステップＳ２０８に移行する。

【0126】

ステップＳ２０６では、ＣＰＵ４１は、コピーボタン６０の選択を確定する。その後、ＣＰＵ４１は、コピーボタン６０の選択に対応付いた次の処理に進む。

【0127】

ステップＳ２０８では、ＣＰＵ４１は、指３の検知位置（指３の座標ともいう）がコピーボタン６０の検知領域６２内か否かを判定する。ＣＰＵ４１は、指３の検知位置が検知領域６２内の場合は、ステップＳ２１０に移行する。一方、ＣＰＵ４１は、指３の検知位置が検知領域６２の領域外の場合は、ステップＳ２１４に移行する。

【0128】

ステップＳ２１０では、ＣＰＵ４１は、予め定められた方向に向けて検知領域６２を縮小させていく。そして、ＣＰＵ４１は、検知領域６２を予め定めた大きさまで縮小させた後は、ステップＳ２１２に移行する。

【0129】

ステップＳ２１２では、ＣＰＵ４１は、指３を検知領域６２上で検知した時間を合計検知時間に加えてステップＳ２０４へ移行する。

【0130】

ステップＳ２１４では、ＣＰＵ４１は、指３の検知位置がボタン領域６０Ａの領域外か否かを判定する。ＣＰＵ４１は、指３の検知位置がボタン領域６０Ａの領域外の場合、ステップＳ２１６へ移行する。一方、ＣＰＵ４１は、指３の検知位置がボタン領域６０Ａ内の場合、ステップＳ２０４へ移行する。

【0131】

ステップＳ２１６では、ＣＰＵ４１は、コピーボタン６０の選択操作を取り消す。

【0132】

第１の実施形態では、まず、指３をボタン領域６０Ａ上で検知させて検知領域６２を表示させ、その後、検知領域６２上で指３を合計検知時間が選択確定時間を超えるまで留めることで、コピーボタン６０の選択操作が確定する。このため、第１の実施形態では、ボタン領域６０Ａ上でユーザの指３が検知されても、コピーボタン６０に対する選択操作が確定されずに検知領域６２が表示されるだけのため、ボタン領域６０Ａ上でユーザの指３が検知されるとコピーボタン６０に対する選択操作が確定する場合と比べて、コピーボタン６０に対する誤操作が抑制される。さらに、指３を合計検知時間が選択確定時間を超えるまで留めた場合に、コピーボタン６０に対する選択操作を確定させるようにすることで、コピーボタン６０に対する誤操作が抑制される。また、第１の実施形態では、ボタン領域６０Ａ内に検知領域６２を表示させるため、検知領域６２をボタン領域６０Ａの領域外に表示させる場合と比較して、検知領域６２がボタン領域６０Ａに対応付けられた領域であることをユーザが認識しやすくなる。

【0133】

上述の実施形態に係る情報処理プログラムでは、検知領域６２を予め定めた方向に縮小させていくが、本開示はこの構成に限定されない。図２７～図２９に示す第１の実施形態に係る情報処理プログラムの変形例のように、検知領域６２を縮小させる方向を求め、その求めた方向に向けて検知領域６２を縮小させていく処理を追加してもよい。なお、図２７に示す情報処理プログラムの変形例は、コピーボタン６０の検知領域６２を縮小する方向を求める処理を行う機能を有することを除き、図２６に示す情報処理プログラムと同じ処理を行う。検知領域６２を縮小する方向を求める処理は、例えば、図２８に示す処理や図２９に示す処理が挙げられる。

【0134】

図２８に示す処理の場合、ＣＰＵ４１は、ステップＳ２２０において、指３の座標Ｐ１に対して点対称な座標Ｐ２を求め、次のステップＳ２２２において、検知領域６２を縮小する方向を座標Ｐ１から座標Ｐ２に向かう方向（図１３参照）に設定する。その後、ＣＰＵ４１は、図２７に示すステップＳ２０４に移行する（戻る）。

【0135】

図２９に示す処理の場合、ＣＰＵ４１は、ステップＳ２３０において、指３の座標Ｐ１からコピーボタン６０のアイコン画像６１の中心までの距離ｄを求める。そして、ＣＰＵ４１は、次のステップＳ２３２において、距離ｄと半径Ｄを比較する。ここで、半径Ｄは、アイコン画像６１の中心部とみなす領域の半径である。ＣＰＵ４１は、距離ｄが半径Ｄよりも小さい場合、ステップＳ２３４に移行し、距離ｄが半径Ｄ以上の場合、ステップＳ２３８に移行する。ステップＳ２３４では、ＣＰＵ４１は、ボタン領域６０Ａの中心座標Ｐ３を求める。そして、次のステップＳ２３６では、ＣＰＵ４１は、検知領域６２を縮小する方向を座標Ｐ３から座標Ｐ１に向かう方向（図１５参照）に設定する。ステップＳ２３６が終了すると、ＣＰＵ４１は、図２７に示すステップＳ２０４に移行する（戻る）。
なお、ステップＳ２３８は図２８のステップＳ２２０と同じ処理であり、ステップＳ２４０は図２８のステップＳ２２２と同じ処理である。したがって、ステップＳ２３８とステップＳ２４０の説明は省略する。

【0136】

図１２、図１３、図２７及び図２８に示す例では、ＣＰＵ４１が、ボタン領域６０Ａ上でユーザの指３を検知すると、ボタン領域６０Ａ上であって指３の検知位置を含まない位置に検知領域６２を表示させる。このため、ユーザは検知領域６２上へ指３を移動させてコピーボタン６０の選択操作を確定させる。すなわち、ユーザが意図して検知領域６２上へ指３を移動させない限り、コピーボタン６０の選択操作が確定しない。このように、図１２、図１３及び図２８に示す例では、ＣＰＵ４１が、ボタン領域６０Ａ上でユーザの指３を検知すると、ボタン領域６０Ａ上であって指３の検知位置を含む位置に検知領域６２を表示させる場合と比較して、コピーボタン６０に対する誤操作が抑制される。

【0137】

図１４、図１５、図２７及び図２９（ただし、ステップＳ２３４及びステップＳ２３６を含む処理）に示す例では、ＣＰＵ４１が、ボタン領域６０Ａにおいて予め定められた領域（図１４ではボタン領域６０Ａの中央部、図１５ではボタン領域６０Ａの角部）上でユーザの指３を検知すると、ホーム画面５０内において指３が検知領域６２に近づくにしたがって予め定められた領域を中心として検知領域６２を予め定められた大きさまで縮小させる。すなわち、ＣＰＵ４１は、ボタン領域６０Ａにおいて予め定められた領域、例えば、ボタン領域６０Ａの中央部で指３を検知した場合、ユーザが意図してコピーボタン６０の選択操作を行っている判定し、指３の座標Ｐ３（検知位置）に向けて検知領域６２を縮小する。この場合、指３は検知領域６２が縮小していく時間も検知時間に含まれるため、早期に合計検知時間が選択確定時間を超える。このように、ＣＰＵ４１が、ボタン領域６０Ａの予め定められた領域上でユーザの指３を検知すると、予め定められた領域から離れた位置に向けて検知領域を縮小していく場合と比較して、コピーボタン６０に対する操作が早期に確定される。また、予め定められた領域をボタン領域６０Ａの中央に位置する領域とする場合、予め定められた領域をボタン領域６０Ａの境界近傍に設定する場合と比較して、ユーザの指３がふらついて隣接するボタン領域７０Ａを誤って選択するのが抑制される。すなわち、ホーム画面５０内のオブジェクトに対する誤操作が抑制される。

【0138】

[第２の実施形態]
上記第１の実施形態では、オブジェクトの第一領域上でユーザの指３が検知されると、第一領域内に第二領域が表示され、この第二領域上にユーザの指３を移動させて予め定められた時間検知されると、オブジェクトの選択操作が確定する例について説明した。第２の実施形態では、オブジェクトの第一領域上でユーザの指３が検知されると、第一領域内又は第一領域外に第二領域が表示され、この第二領域上にユーザの指３を移動させるとオブジェクトの選択操作が確定する例について説明する。

【0139】

図１６～図２２を参照して、第２の実施形態に係る画像処理装置１０の非接触操作の一例について説明する。なお、非接触操作の処理を除き画像処理装置１０の構成は、第１の実施形態に係る画像処理装置１０と同様である。

【0140】

本実施形態では、第１の実施形態と同様に、ホーム画面５０内においてオブジェクトが表示される第一領域上でユーザの指３が検知されると、指３が検知された位置にあるオブジェクトに対して割り当てられた操作を確定するための第二領域が表示されるように構成されている。

【0141】

図１６に示すように、ＣＰＵ４１は、コピーボタン領域上でユーザの指３を検知すると、コピーボタン領域上であって検知された指３を含まない位置に第二領域の一例としての確定領域６４を表示させる。例えば、ＣＰＵ４１は、コピーボタン領域上において、ユーザの指３の検知位置に対して遠い位置に確定領域６４を表示させてもよい。また、図１７に示すように、ＣＰＵ４１は、確定領域６４上でユーザの指３が検知されると、コピーボタン６０に対する操作を確定してもよい。なお、確定領域６４における操作の確定時間は、検知領域６２と比べて、大幅に短くなっている。このため、ユーザは、指３を確定領域６４上にわずかな時間かざせば、オブジェクトの選択操作が確定する。

【0142】

また、図１８に示すように、ＣＰＵ４１は、ボタン領域６０Ａ上でユーザの指３を検知すると、コピーボタン領域内に第一確定領域６５を表示させ、図１９に示すように、第一確定領域６５上でユーザの指３を検知すると、ボタン領域６０Ａ内に第二確定領域６６を表示させてもよい。また、ＣＰＵ４１は、第一確定領域６５上でユーザの指３を検知すると、第一確定領域６５の色を変えてもよい。第一確定領域６５を選択したことがユーザに認識できれば、色以外に第一確定領域６５の形状を変えてもよいし、第一確定領域６５の周囲に枠を表示してもよい。なお、第一確定領域６５と第二確定領域６６は、ボタン領域６０Ａ内に互いに離隔して表示される。第一確定領域６５と第二確定領域６６は、本実施形態の第二領域の一例である。また、ＣＰＵ４１は、ボタン領域６０Ａ上でユーザの指３を検知すると、ボタン領域６０Ａ内に第一確定領域６５と第二確定領域６６を同時に表示させてもよい。この場合には、第一確定領域６５上でユーザの指３を検知後、第二確定領域６６上でユーザの指３を検知した場合に、ＣＰＵ４１がコピーボタン６０の操作を確定させてもよい。

【0143】

また、図２０に示すように、ＣＰＵ４１は、ホーム画面５０上のホームボタン９０上でユーザの指３を検知すると、第二領域としての確定領域９２をホームボタン９０が表示されるボタン領域９０Ａの領域外に表示させてもよい。なお、図２０の例では、ホームボタン９０がホーム画面５０の縁近傍にあるため、領域を確保しにくいため、ホームボタン９０の直下の空いている領域を確定領域９２としている。図２１に示すように、ＣＰＵ４１は、確定領域９２上でユーザの指３が検知されると、ホームボタン９０に割り当てられた操作を確定してもよい。

【0144】

また、図２２に示すように、ＣＰＵ４１は、ホーム画面５０上のホームボタン９０上でユーザの指３が検知された場合、第二領域としての確定領域９３をホームボタン９０が表示されるボタン領域９０Ａの領域外に表示させてもよい。なお、図２２の例では、ホームボタン９０がホーム画面５０の縁近傍にあるため、領域を確保しにくいため、コピーボタン６０のボタン領域６０Ａの一部を確定領域９３としている。図２３に示すように、ＣＰＵ４１は、確定領域９３上でユーザの指３を検知すると、ホームボタン９０に割り当てられた操作を確定してもよい。

【0145】

次に、図３０を参照して、第２の実施形態の画像処理装置１０の作用を説明する。

【0146】

図３０は、本実施形態に係る情報処理プログラムによる処理の流れの一例を示すフローチャートである。

【0147】

まず、操作パネル１５における非接触入力の実行が指示されると、ＣＰＵ４１により情報処理プログラムが起動され、以下の各ステップを実行する。

【0148】

図３０のステップＳ３００では、ＣＰＵ４１が非接触操作を行う対象物であるユーザの指３をボタン領域６０Ａ上で検知すると、ステップＳ３０２に移行する。

【0149】

ステップＳ３０２では、ＣＰＵ４１は、ボタン領域６０Ａ内かつ指３の検知位置（指３の座標ともいう）を含まないランダムな領域を求める。その後、ステップＳ３０４に移行する。

【0150】

ステップＳ３０４では、ＣＰＵ４１は、ボタン領域６０Ａ内に確定領域６４を表示する。その後、ステップＳ３０６に移行する。

【0151】

ステップＳ３０６では、ＣＰＵ４１は、指３の検知位置が確定領域６４内か否かを判定する。ＣＰＵ４１は、指３の検知位置が確定領域６４内にある場合、ステップＳ３０８に移行する。一方、指３の座標が確定領域６４の領域外にある場合、ステップＳ３１０に移行する。

【0152】

ステップＳ３０８では、ＣＰＵ４１は、コピーボタン６０の選択を確定する。その後、ＣＰＵ４１は、コピーボタン６０の選択に対応付いた次の処理に進む。

【0153】

ステップＳ３１０では、ＣＰＵ４１は、指３の検知位置がボタン領域６０Ａの領域外か否かを判定する。ＣＰＵ４１は、指３の検知位置がボタン領域６０Ａの領域外の場合、ステップＳ３０６へ移行する（戻る）。一方、ＣＰＵ４１は、指３の検知位置がボタン領域６０Ａ内の場合、ステップＳ３１２へ移行する。

【0154】

ステップＳ３１２では、ＣＰＵ４１は、ＣＰＵ４１は、コピーボタン６０の選択操作を取り消す。

【0155】

上述の実施形態に係る情報処理プログラムでは、ボタン領域６０Ａ内に確定領域を表示させているが、本開示はこの構成に限定されない。図３１に示す第２の実施形態に係る情報処理プログラムの変形例のように、ボタン領域９０Ａの領域外に確定領域を表示させてもよい（図２０及び図２１参照）。

【0156】

図３１のステップＳ３５０では、ＣＰＵ４１が非接触操作を行う対象物であるユーザの指３をボタン領域９０Ａ上で検知すると、ステップＳ３５２に移行する。

【0157】

ステップＳ３５２では、ＣＰＵ４１は、ボタン領域９０Ａの周囲に空いた領域があるか判定する。ＣＰＵ４１は、ボタン領域９０Ａの周囲に空いた領域がある場合、ステップＳ３５４に移行し、ボタン領域９０Ａの周囲に空いた領域がない場合、ステップＳ３５８に移行する。

【0158】

ステップＳ３５４では、ＣＰＵ４１は、ボタン領域９０Ａの周囲の空いた領域を確定領域に割り当てる。その後ステップＳ３５６に移行する。

【0159】

ステップＳ３５６では、ＣＰＵ４１は、ボタン領域９０Ａの周囲に確定領域９２を表示させる（図２０参照）。

【0160】

ステップＳ３５６では、ＣＰＵ４１は、ボタン領域９０Ａの周囲に確定領域９２を表示させる（図２２参照）。

【0161】

ステップＳ３６０では、ＣＰＵ４１は、指３の検知位置が確定領域９２内か否かを判定する。ＣＰＵ４１は、指３の検知位置が確定領域９２内にある場合、ステップＳ３６２に移行する。一方、指３の検知位置が確定領域９２の領域外にある場合、ステップＳ３６４に移行する。

【0162】

ステップＳ３６２では、ＣＰＵ４１は、コピーボタン６０の選択を確定する。その後、ＣＰＵ４１は、ホームボタン９０の選択に対応付いた次の処理に進む。

【0163】

ステップＳ３６４では、ＣＰＵ４１は、指３の検知位置がボタン領域９０Ａの領域外でかつ確定領域９２の領域外か否かを判定する。ＣＰＵ４１は、指３の検知位置がボタン領域９０Ａの領域外でかつ確定領域９２の領域外の場合、ステップＳ３６６へ移行する。一方、ＣＰＵ４１は、指３の検知位置がボタン領域９０Ａ内又は確定領域９２内の場合、ステップＳ３６０へ移行する（戻る）。

【0164】

ステップＳ３６６では、ＣＰＵ４１は、ホームボタン９０の選択操作を取り消す。

【0165】

第２の実施形態では、ＣＰＵ４１がボタン領域６０Ａ上でユーザの指３を検知すると、ボタン領域６０内に確定領域６４が表示される。この確定領域６４上に指３をかざすことでコピーボタン６０に対する操作が確定する。このようにオブジェクトに対する早期に確定するため、装置が使いやすくなる。

【0166】

また、確定領域を複数表示した場合には、ユーザの意図によりオブジェクトの選択操作を確定するため、オブジェクトに対する誤操作を防止しやすくなる。

【0167】

[第３の実施形態]
第３の実施形態では、オブジェクトの第一領域上でユーザの指３が検知されると、第一領域を拡張した後に、第一領域内に第二領域を表示する点を除いて、上記第１の実施形態と同様である。

【0168】

図２４～図２５を参照して、第３の実施形態に係る画像処理装置１０の非接触操作の一例について説明する。なお、非接触操作の処理を除き画像処理装置１０の構成は、第１の実施形態の画像処理装置１０と同様である。

【0169】

本実施形態では、ホーム画面５０内においてオブジェクトが表示される第一領域上でユーザの指３が検知されると、第一領域を拡張し、その後、第一領域内に、指３が検知された位置にあるオブジェクトに対して割り当てられた操作を確定するための第二領域が表示されるように構成されている。

【0170】

図２４及び図２５に示すように、ＣＰＵ４１は、ボタン領域９０Ａ上でユーザの指３が検知された場合、ボタン領域９０Ａを拡大し、拡大したボタン領域９０Ａ内に検知領域９４を表示させ、指３が検知領域９４に近づくにしたがって検知領域９４を予め定められた大きさまで縮小する。図２５に示すように、検知領域９４は、ホームボタン９０から離れるように縮小している。また、ＣＰＵ４１は、検知領域９４においてユーザの指３が検知された合計検知時間が選択確定時間を超えた場合、ホームボタン９０の操作を確定してもよい。

【0171】

次に、図３２を参照して、第３の実施形態の画像処理装置１０の作用を説明する。

【0172】

図３２は、本実施形態に係る情報処理プログラムによる処理の流れの一例を示すフローチャートである。

【0173】

まず、操作パネル１５における非接触入力の実行が指示されると、ＣＰＵ４１により情報処理プログラムが起動され、以下の各ステップを実行する。

【0174】

図３１のステップＳ４００では、ＣＰＵ４１が非接触操作を行う対象物であるユーザの指３をボタン領域９０Ａ上で検知すると、ステップＳ３５２に移行する。

【0175】

ステップＳ４０２では、オブジェクトの一例であるホームボタン９０の選択操作を確定するためのユーザの指３の合計検知時間をゼロに設定する。その後、ステップＳ４０４に移行する。

【0176】

ステップＳ４０４では、ＣＰＵ４１は、ボタン領域９０Ａの周囲に空いた領域があるか判定する。ＣＰＵ４１は、ボタン領域９０Ａの周囲に空いた領域がある場合、ステップＳ４０６に移行し、ボタン領域９０Ａの周囲に空いた領域がない場合、ステップＳ４０８に移行する。

【0177】

ステップＳ４０６では、ＣＰＵ４１は、ボタン領域９０Ａを空いた領域に向けて拡張する（図２４参照）。その後ステップＳ４１０に移行する。

【0178】

ステップＳ４０８では、ＣＰＵ４１は、ボタン領域９０Ａの周囲にボタン領域９０Ａを拡張する。

【0179】

ステップＳ４１０では、合計検知時間と選択確定時間を比較する。ここで、合計検知時間が選択確定時間を超えている場合、ステップＳ４１２に移行する。一方、合計検知時間が選択確定時間以下の場合、ステップＳ４１４に移行する。

【0180】

ステップＳ４１２では、ＣＰＵ４１は、ホームボタン９０の選択を確定する。その後、ＣＰＵ４１は、ホームボタン９０の選択に対応付いた次の処理に進む。

【0181】

ステップＳ４１４では、ＣＰＵ４１は、指３の検知位置（指３の座標ともいう）がホームボタン９０の検知領域９４内か否かを判定する。ＣＰＵ４１は、指３の検知位置が検知領域９４内の場合は、ステップＳ４１６に移行する。一方、ＣＰＵ４１は、指３の検知位置が検知領域９４の領域外の場合は、ステップＳ４２０に移行する。

【0182】

ステップＳ４１６では、ＣＰＵ４１は、予め定められた方向に向けて検知領域９４を縮小させていく。そして、ＣＰＵ４１は、検知領域９４を予め定めた大きさまで縮小させた後は、ステップＳ４１８に移行する。

【0183】

ステップＳ４１８では、ＣＰＵ４１は、指３を検知領域９４上で検知した時間を合計検知時間に加えてステップＳ４１０へ移行する。

【0184】

ステップＳ４２０では、ＣＰＵ４１は、指３の検知位置がボタン領域９０Ａの領域外か否かを判定する。ＣＰＵ４１は、指３の検知位置がボタン領域９０Ａの領域外の場合、ステップＳ４２２へ移行する。一方、ＣＰＵ４１は、指３の検知位置がボタン領域９０Ａ内の場合、ステップＳ４１０へ移行する（戻る）。

【0185】

ステップＳ４２２では、ＣＰＵ４１は、ホームボタン９０の選択操作を取り消す。

【0186】

第３の実施形態では、例えば、オブジェクトの第一領域が小さい場合に、オブジェクトの第一領域を拡張するため、オブジェクトに対する誤操作が抑制される。また、拡張した第一領域に第二領域を表示するため、意図しないユーザの誤操作が抑制される。

【0187】

前述の第１～第３の実施形態では、オブジェクトの第一領域が第二領域よりも小さく設定されているが、本開示はこの構成に限定されない。オブジェクトの第一領域が第二領域と同じ又は大きくても構わない。図３３に示す例では、ＣＰＵ４１がコピーボタン６０のボタン領域６０Ａ上でユーザの指３を検知すると、ボタン領域６０Ａから離れた位置に、ボタン領域６０Ａ以上の大きさの確定領域６８を表示している。このような確定領域６８を表示することで確定領域６８の選択操作を確定しやすくなる。

【0188】

なお、上記各実施形態において、プロセッサとは広義的なプロセッサを指し、汎用的なプロセッサ（例えば、ＣＰＵ：Ｃｅｎｔｒａｌ Ｐｒｏｃｅｓｓｉｎｇ Ｕｎｉｔ、等）や、専用のプロセッサ（例えば、ＧＰＵ：Ｇｒａｐｈｉｃｓ Ｐｒｏｃｅｓｓｉｎｇ Ｕｎｉｔ、ＡＳＩＣ： Ａｐｐｌｉｃａｔｉｏｎ Ｓｐｅｃｉｆｉｃ Ｉｎｔｅｇｒａｔｅ
ｄ Ｃｉｒｃｕｉｔ、ＦＰＧＡ：Ｆｉｅｌｄ Ｐｒｏｇｒａｍｍａｂｌｅ Ｇａｔｅ Ａｒｒａｙ、プログラマブル論理デバイス、等）を含むものである。

【0189】

また、上記各実施形態におけるプロセッサの動作は、１つのプロセッサによって成すのみでなく、物理的に離れた位置に存在する複数のプロセッサが協働して成すものであってもよい。また、プロセッサの各動作の順序は、上記各実施形態において記載した順序のみに限定されるものではなく、適宜変更してもよい。

【0190】

以上、実施形態に係る情報処理装置として画像処理装置を例示して説明した。実施形態は、情報処理装置の機能をコンピュータに実行させるためのプログラムの形態としてもよい。実施形態は、これらのプログラムを記憶したコンピュータが読み取り可能な非一時的記憶媒体の形態としてもよい。

【0191】

その他、上記実施形態で説明した情報処理装置の構成は、一例であり、主旨を逸脱しない範囲内において状況に応じて変更してもよい。

【0192】

また、上記実施形態で説明したプログラムの処理の流れも、一例であり、主旨を逸脱しない範囲内において不要なステップを削除したり、新たなステップを追加したり、処理順序を入れ替えたりしてもよい。

【0193】

また、上記実施形態では、プログラムを実行することにより、実施形態に係る処理がコ
ンピュータを利用してソフトウェア構成により実現される場合について説明したが、これに限らない。実施形態は、例えば、ハードウェア構成や、ハードウェア構成とソフトウェア構成との組み合わせによって実現してもよい。

【0194】

以上の実施形態に関し、更に以下を開示する。

【0195】

（（（１）））に係る情報処理システムは、プロセッサを備え、前記プロセッサは、画面内のオブジェクトに対して対象物による非接触の操作を行う場合に、前記画面内において前記オブジェクトが表示される第一領域上で前記対象物が検知されると、前記第一領域と異なる大きさの領域であって前記オブジェクトに対する操作を確定させるための第二領域を表示させる。

【0196】

（（（２）））に係る情報処理システムは、（（（１）））に係る情報処理システムにおいて、前記プロセッサは、前記第二領域を前記第一領域内に表示させる。

【0197】

（（（３）））に係る情報処理システムは、（（（２）））に係る情報処理システムにおいて、前記プロセッサは、前記第一領域上で前記対象物が検知されると、前記第一領域上であって検知された前記対象物を含まない位置に前記第二領域を表示させる。

【0198】

（（（４）））に係る情報処理システムは、（（（２）））又は（（（３）））に係る情報処理システムにおいて、前記プロセッサは、前記画面内において前記対象物が前記第二領域に近づくにしたがって該第二領域を予め定められた大きさまで縮小する。

【0199】

（（（５）））に係る情報処理システムは、（（（２）））又は（（（３）））に係る情報処理システムにおいて、前記プロセッサは、前記第一領域において予め定められた領域上で前記対象物が検知されると、前記画面内において前記対象物が前記第二領域に近づくにしたがって前記予め定められた領域を中心として該第二領域を予め定められた大きさまで縮小する。

【0200】

（（（６）））に係る情報処理システムは、（（（５）））に係る情報処理システムにおいて、前記予め定められた領域は、前記第一領域の中央に位置する領域である。

【0201】

（（（７）））に係る情報処理システムは、（（（１）））～（（（６）））の何れか１に係る情報処理システムにおいて、前記プロセッサは、前記対象物が前記第二領域上で予め定められた時間検知されると、前記オブジェクトに対する操作を確定する。

【0202】

（（（８）））に係る情報処理システムは、（（（１）））～（（（４）））の何れか１に係る情報処理システムにおいて、前記プロセッサは、前記第二領域上で前記対象物が検知されると、前記オブジェクトに対する操作を確定する。

【0203】

（（（９）））に係る情報処理システムは、（（（１）））に係る情報処理システムにおいて、前記第二領域は、互いに離隔して表示される第一確定領域と第二確定領域とを含み、前記プロセッサは、前記第一領域上で前記対象物が検知されると、前記第二確定領域を表示させ、前記第一確定領域上で前記対象物が検知されると、前記第二確定領域を表示させる。

【0204】

（（（１０）））に係る情報処理システムは、（（（１）））に係る情報処理システムにおいて、前記プロセッサは、前記第一領域上で前記対象物が検知されると、前記第一領域を拡大し、拡大した前記第一領域内に前記第二領域を表示させ、前記画面内において前記対象物が前記第二領域に近づくにしたがって該第二領域を予め定められた大きさまで縮小する。

【0205】

（（（１１）））に係る情報処理システムは、（（（１）））～（（（１０）））の何れか１に係る情報処理システムにおいて、前記プロセッサは、前記第一領域外で前記対象物が検知されると、前記オブジェクトに対する操作を取り消す。

【0206】

（（（１２）））に係る情報処理システムは、（（（１）））に係る情報処理システムにおいて、前記プロセッサは、前記第二領域を前記第一領域外に表示させる。

【0207】

（（（１３）））に係る情報処理システムは、プロセッサを備え、前記プロセッサは、画面内のオブジェクトに対して対象物による非接触の操作を行う場合に、前記画面内において前記オブジェクトが表示される第一領域上で前記対象物が検知されると、前記第一領域から離れた位置に前記オブジェクトに対する操作を確定するための第二領域を表示させる。

【0208】

（（（１４）））に係る情報処理プログラムは、画面内のオブジェクトに対して対象物による非接触の操作を行う場合に、前記画面内において前記オブジェクトが表示される第一領域上で前記対象物が検知されると、前記オブジェクトに対する操作を確定するための領域であって前記第一領域と異なる大きさの第二領域を表示させることを、コンピュータに実行させる。

【0209】

（（（１）））によれば、オブジェクトが表示される第一領域上で非接触操作の対象物が検知されると、オブジェクトに対する操作を確定させる場合と比較して、オブジェクトに対する誤操作を抑制することができる、という効果を有する。

【0210】

（（（２）））によれば、第二領域を第一領域外に表示させる場合と比較して、第二領域が第一領域に対応付けられた領域であることをユーザが認識しやすい、という効果を有する。

【0211】

（（（３）））によれば、第一領域上で対象物が検知されると、第一領域上であって検知した対象物を含む位置に第二領域を表示させる場合と比較して、オブジェクトに対する誤操作を抑制することができる、という効果を有する。

【0212】

（（（４）））によれば、画面内において対象物が第二領域に近づくにしたがって第二領域を予め定められた大きさまで拡大する場合と比較して、オブジェクトに対する誤操作を抑制することができる、という効果を有する。

【0213】

（（（５）））によれば、第一領域の予め定められた領域上で対象物が検知されると、予め定められた領域から離れた位置で第二領域を縮小する場合と比較して、オブジェクトに対する操作を早期に確定することができる、という効果を有する。

【0214】

（（（６）））によれば、予め定められた領域を第一領域の境界近傍に設定する場合と比較して、オブジェクトに対する誤操作を抑制することができる、という効果を有する。

【0215】

（（（７）））によれば、対象物が第二領域上で予め定められた時間検知される前に、オブジェクトに対する操作を確定する場合と比較して、オブジェクトに対する誤操作を抑制することができる、という効果を有する。

【0216】

（（（８）））によれば、オブジェクトに対する操作を早期に確定することができる、という効果を有する。

【0217】

（（（９）））によれば、オブジェクトに対する誤操作を防止することができる、という効果を有する。

【0218】

（（（１０）））によれば、オブジェクトの第一領域が小さい場合に、オブジェクトの第一領域を拡大しない場合と比較して、オブジェクトに対する誤操作を抑制することができる、という効果を有する。

【0219】

（（（１１）））によれば、第一領域外で対象物が検知されるとオブジェクトに対する操作を保留する場合と比較して、オブジェクトに対する誤操作を抑制することができる、という効果を有する。

【0220】

（（（１２）））によれば、第二領域を第一領域内に表示させる場合と比較して、オブジェクトに対する誤操作を抑制することができる、という効果を有する。

【0221】

（（（１３）））によれば、オブジェクトの第一領域上で非接触操作の対象物が検知されると、オブジェクトに対する操作を確定させる場合と比較して、オブジェクトに対する誤操作を抑制することができる、という効果を有する。

【0222】

（（（１４）））によれば、オブジェクトの第一領域上で非接触操作の対象物が検知されると、オブジェクトに対する操作を確定させる場合と比較して、オブジェクトに対する誤操作を抑制することができる、という効果を有する。

【符号の説明】

【0223】

１０ 画像処理装置
５０ ホーム画面（画面の一例）
６０ コピーボタン（オブジェクトの一例）
６０ ボタン領域（第一領域の一例）
６２ 検知領域（第二領域の一例）
６４ 確定領域（第二領域の一例）
６５ 第一確定領域
６６ 第二確定領域
７０ スキャンボタン（オブジェクトの一例）
７０Ａ ボタン領域（第一領域の一例）
８０ ファックスボタン（オブジェクトの一例）
８０Ａ ボタン領域（第一領域の一例）
９０ ホームボタン（オブジェクトの一例）
９０Ａ ボタン領域（第一領域の一例）
９２ 確定領域（第二領域の一例）
９３ 確定領域（第二領域の一例）
９４ 検知領域（第二領域の一例）

【図1】

【図2】

【図3】

【図4】

【図5】

【図6】

【図7】

【図8】

【図9】

【図10】

【図11】

【図12】

【図13】

【図14】

【図15】

【図16】

【図17】

【図18】

【図19】

【図20】

【図21】

【図22】

【図23】

【図24】

【図25】

【図26】

【図27】

【図28】

【図29】

【図30】

【図31】

【図32】

【図33】