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特開2024-141015静電荷像現像用トナー、静電荷像現像剤、トナーカートリッジ、プロセスカートリッジ、画像形成装置及び画像形成方法
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  • 特開-静電荷像現像用トナー、静電荷像現像剤、トナーカートリッジ、プロセスカートリッジ、画像形成装置及び画像形成方法 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024141015
(43)【公開日】2024-10-10
(54)【発明の名称】静電荷像現像用トナー、静電荷像現像剤、トナーカートリッジ、プロセスカートリッジ、画像形成装置及び画像形成方法
(51)【国際特許分類】
   G03G 9/097 20060101AFI20241003BHJP
   G03G 9/087 20060101ALI20241003BHJP
【FI】
G03G9/097 365
G03G9/087 331
【審査請求】未請求
【請求項の数】23
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023052434
(22)【出願日】2023-03-28
(71)【出願人】
【識別番号】000005496
【氏名又は名称】富士フイルムビジネスイノベーション株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】川上 栄治
(72)【発明者】
【氏名】坂元 梓也
(72)【発明者】
【氏名】石塚 大輔
【テーマコード(参考)】
2H500
【Fターム(参考)】
2H500AA01
2H500AA03
2H500CA03
2H500CA06
2H500CA24
2H500EA12C
2H500EA39B
2H500EA40B
2H500EA40C
2H500EA41B
2H500EA41C
2H500EA42C
2H500EA49C
2H500EA52C
2H500EA54C
(57)【要約】
【課題】高温高湿環境下で、繰り返し画像を形成したときに生じる細線解像度の低下を抑制する静電荷像現像用トナーの提供。
【解決手段】結着樹脂と、ビニル系樹脂粒子を含有するトナー粒子を含み、
前記トナー粒子の断面観察において、前記ビニル系樹脂粒子の幾何中心を母点としてボロノイ分割をした際のボロノイ多角形の面積Sa(μm)を測定したとき、前記ボロノイ多角形の面積Saの中央値をSac(μm)、前記ボロノイ多角形の面積Saの標準偏差をSsd(μm)としたとき、下記式(1)および(2)を満たす静電荷像現像用トナー。
式(1): 0.03≦Sac≦0.20
式(2): Ssd≦0.10
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
結着樹脂と、ビニル系樹脂粒子を含有するトナー粒子を含み、
前記トナー粒子の断面観察において、前記ビニル系樹脂粒子の幾何中心を母点としてボロノイ分割をした際のボロノイ多角形の面積Sa(μm)を測定したとき、前記ボロノイ多角形の面積Saの中央値をSac(μm)、前記ボロノイ多角形の面積Saの標準偏差をSsd(μm)としたとき、下記式(1)および(2)を満たす静電荷像現像用トナー。
式(1): 0.03≦Sac≦0.20
式(2): Ssd≦0.10
【請求項2】
下記式(11)を満たす請求項1に記載の静電荷像現像用トナー。
式(11): 0.08≦Sac≦0.16
【請求項3】
下記式(21)を満たす請求項2に記載の静電荷像現像用トナー。
式(21)Ssd≦0.07
【請求項4】
前記トナー粒子の断面観察において、前記トナー粒子の面積に対する前記ビニル系樹脂粒子の面積の比率が0.15越え0.40以下である請求項1に記載の静電荷像現像用トナー。
【請求項5】
前記ビニル系樹脂粒子の体積平均粒径が100nm以上300nm以下である請求項1に記載の静電荷像現像用トナー。
【請求項6】
前記ビニル系樹脂粒子のガラス転移温度が0℃以上30℃以下である請求項1に記載の静電荷像現像用トナー。
【請求項7】
前記トナー粒子の断面観察において、重なって観察される前記ビニル系樹脂粒子の個数割合は、観察される全ての前記ビニル系樹脂粒子の50個数%以下である請求項1に記載の静電荷像現像用トナー。
【請求項8】
前記トナー粒子の断面観察において、前記トナー粒子の輪郭線のうち、前記ビニル系樹脂粒子と重なっている部分の長さが、前記トナー粒子の輪郭線長さの5%以下である請求項1に記載の静電荷像現像用トナー。
【請求項9】
前記トナー粒子の断面観察において、観察される前記ビニル系樹脂粒子の平均円相当径が400nm以下である請求項1に記載の静電荷像現像用トナー。
【請求項10】
前記ビニル系樹脂粒子がスチレン-(メタ)アクリレート共重合体粒子であり、
前記スチレン-(メタ)アクリレート共重合体粒子全体の前記(メタ)アクリレートに由来する構造単位の割合Wa(B)(モル%)と、
前記スチレン-(メタ)アクリレート共重合体粒子表面の前記(メタ)アクリレートに由来する構造単位の割合Wa(S)(モル%)と、の関係が、
2≦Wa(S)-Wa(B)≦20を満たす請求項1に記載の静電荷像現像用トナー。
【請求項11】
前記スチレン-(メタ)アクリレート共重合体粒子表面の前記(メタ)アクリレートに由来する構造単位の割合Wa(S)(モル%)が、40≦Wa(S)≦80を満たす請求項10に記載の静電荷像現像用トナー。
【請求項12】
前記ビニル系樹脂粒子がスチレン-(メタ)アクリレート共重合体粒子であり、
前記スチレン-(メタ)アクリレート共重合体粒子全体の前記スチレンに由来する構造単位の割合Ws(B)(モル%)と、
前記スチレン-(メタ)アクリレート共重合体粒子表面の前記スチレンに由来する割合Ws(S)(モル%)と、の関係が、
2≦Ws(S)-Ws(B)≦20を満たす請求項1に記載の静電荷像現像用トナー。
【請求項13】
前記スチレン-(メタ)アクリレート共重合体粒子表面のスチレンに由来する割合Ws(S)(モル%)が、40≦Ws(S)≦80を満たす請求項12に記載の静電荷像現像用トナー。
【請求項14】
前記ビニル系樹脂粒子の表面の溶解度パラメーターSP(sa)、
前記結着樹脂の溶解度パラメーターSP(ap)と、の関係が、
|SP(ap)-SP(sa)|≦1.0を満たす請求項10に記載の静電荷像現像用トナー。
【請求項15】
前記ビニル系樹脂粒子の表面の溶解度パラメーターSP(sa)と、
前記結着樹脂の溶解度パラメーターSP(ap)と、の関係が、
|SP(ap)-SP(sa)|≦1.0を満たす請求項12に記載の静電荷像現像用トナー。
【請求項16】
前記結着樹脂は非晶性ポリエステル樹脂を含み
前記非晶性ポリエステル樹脂は、イソフタル酸を含む多価カルボン酸と多価アルコールとの縮重合体からなり、
前記多価カルボン酸に対するイソフタル酸の割合が10モル%以上50モル%以下である請求項10に記載の静電荷像現像用トナー。
【請求項17】
前記結着樹脂は非晶性ポリエステル樹脂を含み
前記非晶性ポリエステル樹脂は、イソフタル酸を含む多価カルボン酸と多価アルコールとの縮重合体からなり、
前記多価カルボン酸に対するイソフタル酸の割合が10モル%以上50モル%以下である請求項12に記載の静電荷像現像用トナー。
【請求項18】
前記ビニル系樹脂粒子が架橋構造を有する樹脂粒子である請求項1に記載の静電荷像現像用トナー。
【請求項19】
請求項1~請求項18のいずれか1項に記載の静電荷像現像用トナーを含む静電荷像現像剤。
【請求項20】
請求項1~請求項18のいずれか1項に記載の静電荷像現像用トナーを収容し、画像形
成装置に着脱されるトナーカートリッジ。
【請求項21】
請求項19に記載の静電荷像現像剤を収容し、前記静電荷像現像剤により、像保持体の表面に形成された静電荷像をトナー画像として現像する現像手段を備え、画像形成装置に着脱されるプロセスカートリッジ。
【請求項22】
像保持体と、
前記像保持体の表面を帯電する帯電手段と、
帯電した前記像保持体の表面に静電荷像を形成する静電荷像形成手段と、
請求項19に記載の静電荷像現像剤を収容し、前記静電荷像現像剤により、前記像保持体の表面に形成された静電荷像をトナー画像として現像する現像手段と、
前記像保持体の表面に形成されたトナー画像を記録媒体の表面に転写する転写手段と、
前記記録媒体の表面に転写されたトナー画像を定着する定着手段と、
を備える画像形成装置。
【請求項23】
像保持体の表面を帯電する帯電工程と、
帯電した前記像保持体の表面に静電荷像を形成する静電荷像形成工程と、
請求項19に記載の静電荷像現像剤により、前記像保持体の表面に形成された静電荷像をトナー画像として現像する現像工程と、
前記像保持体の表面に形成されたトナー画像を記録媒体の表面に転写する転写工程と、
前記記録媒体の表面に転写されたトナー画像を定着する定着工程と、
を有する画像形成方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、静電荷像現像用トナー、静電荷像現像剤、トナーカートリッジ、プロセスカートリッジ、画像形成装置及び画像形成方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、「ポリエステル樹脂を含む結着樹脂と、炭化水素系ワックスを含む離型剤と、スチレン(メタ)アクリル樹脂と、を含有するトナー粒子を含み、前記トナー粒子の表面から800nm以内に全離型剤のうち70%以上の離型剤が存在しており、前記トナー粒子中でスチレン(メタ)アクリル樹脂が平均径0.3μm以上0.8μm以下のドメインを形成しており、且つ平均径±0.1μmの範囲に含まれる前記ドメインの個数割合が65%以上である静電荷像現像用トナー。」が提案されている。
特許文献2には、「ポリエステル樹脂を含む結着樹脂と、炭化水素系ワックスを含む離型剤と、スチレン(メタ)アクリル樹脂と、を含有するトナー粒子を含み、前記トナー粒子の表面から800nm以内に全離型剤のうち70%以上の離型剤が存在しており、前記トナー粒子中でスチレン(メタ)アクリル樹脂が平均径0.3μm未満のドメインを形成している静電荷像現像用トナー。」が提案されている。
特許文献3には、「結着樹脂、及び、ゴム粒子を含み、トナーの溶融粘度が104Paに達する温度における前記ゴム粒子の圧縮永久ひずみが、20%以上50%以下である
静電荷像現像用トナー。」が提案されている。
特許文献4には、「少なくとも結着樹脂を含有し、前記結着樹脂を含む連続相と、前記結着樹脂を含む芯部及び前記芯部を被覆し前記結着樹脂を含む被覆層を有し、前記連続相中に点在する不連続相と、を含む静電荷像現像用トナー。」が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2016-062040号公報
【特許文献2】特開2016-062042号公報
【特許文献3】特開2020-046499号公報
【特許文献4】特開2020-160204号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の課題は、結着樹脂と、着色剤と、ビニル系樹脂粒子を含有するトナー粒子を含む静電荷像現像用トナーにおいて、トナー粒子の断面観察において、前記ビニル系樹脂粒子の幾何中心を母点としてボロノイ分割をした際のボロノイ多角形の面積Sa(μm)を測定したとき、ボロノイ多角形の面積Saの中央値Sac(μm)、ボロノイ多角形の面積Saの標準偏差をSsd(μm)としたとき、下記式(1)および(2)を満たさない場合に比べ、高温高湿環境下で、繰り返し画像を形成したときに生じる細線解像度の低下を抑制する静電荷像現像用トナーを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するための手段は、下記態様を含む。
<1>
結着樹脂と、ビニル系樹脂粒子を含有するトナー粒子を含み、
前記トナー粒子の断面観察において、前記ビニル系樹脂粒子の幾何中心を母点としてボロノイ分割をした際のボロノイ多角形の面積Sa(μm)を測定したとき、前記ボロノイ多角形の面積Saの中央値をSac(μm)、前記ボロノイ多角形の面積Saの標準偏差をSsd(μm)としたとき、下記式(1)および(2)を満たす静電荷像現像用トナー。
式(1): 0.03≦Sac≦0.20
式(2): Ssd≦0.10
<2>
下記式(11)を満たす<1>に記載の静電荷像現像用トナー。
式(11): 0.08≦Sac≦0.16
<3>
下記式(21)を満たす<1>又は<2>に記載の静電荷像現像用トナー。
式(21)Ssd≦0.07
<4>
前記トナー粒子の断面観察において、前記トナー粒子の面積に対する前記ビニル系樹脂粒子の面積の比率が0.15越え0.40以下である<1>~<3>のいずれか1項に記載の静電荷像現像用トナー。
<5>
前記ビニル系樹脂粒子の体積平均粒径が100nm以上300nm以下である<1>~<4>のいずれか1項に記載の静電荷像現像用トナー。
<6>
前記ビニル系樹脂粒子のガラス転移温度が0℃以上30℃以下である<1>~<5>のいずれか1項に記載の静電荷像現像用トナー。
<7>
前記トナー粒子の断面観察において、重なって観察される前記ビニル系樹脂粒子の個数割合は、観察される全ての前記ビニル系樹脂粒子の50個数%以下である<1>~<6>のいずれか1項に記載の静電荷像現像用トナー。
<8>
前記トナー粒子断面観察において、前記トナー粒子の輪郭線のうち、前記ビニル系樹脂粒子と重なっている部分の長さが、前記トナー粒子の輪郭線長さの5%以下である<1>~<7>のいずれか1項に記載の静電荷像現像用トナー。
<9>
前記トナー粒子の断面観察において、観察される前記ビニル系樹脂粒子の平均円相当径が400nm以下である<1>~<8>のいずれか1項に記載の静電荷像現像用トナー。
<10>
前記ビニル系樹脂粒子がスチレン-(メタ)アクリレート共重合体粒子であり、
前記スチレン-(メタ)アクリレート共重合体粒子全体の前記(メタ)アクリレートに由来する構造単位の割合Wa(B)(モル%)と、
前記スチレン-(メタ)アクリレート共重合体粒子表面の前記(メタ)アクリレートに由来する構造単位の割合Wa(S)(モル%)と、の関係が、
2≦Wa(S)-Wa(B)≦20を満たす<1>~<9>のいずれか1項に記載の静電荷像現像用トナー。
<11>
前記スチレン-(メタ)アクリレート共重合体粒子表面の前記(メタ)アクリレートに由来する構造単位の割合Wa(S)(モル%)が、40≦Wa(S)≦80を満たす<10>に記載の静電荷像現像用トナー。
<12>
前記ビニル系樹脂粒子がスチレン-(メタ)アクリレート共重合体粒子であり、
前記スチレン-(メタ)アクリレート共重合体粒子全体の前記スチレンに由来する構造単位の割合Ws(B)(モル%)と、
前記スチレン-(メタ)アクリレート共重合体粒子表面の前記スチレンに由来する割合Ws(S)(モル%)と、の関係が、
2≦Ws(S)-Ws(B)≦20を満たす<1>~<9>のいずれか1項に記載の静電荷像現像用トナー。
<13>
前記スチレン-(メタ)アクリレート共重合体粒子表面のスチレンに由来する割合Ws(S)(モル%)が、40≦Ws(S)≦80を満たす<12>に記載の静電荷像現像用トナー。
<14>
前記ビニル系樹脂粒子の表面の溶解度パラメーターSP(sa)、
前記結着樹脂の溶解度パラメーターSP(ap)と、の関係が、
|SP(ap)-SP(sa)|≦1.0を満たす<10>又は<11>に記載の静電荷像現像用トナー。
<15>
前記ビニル系樹脂粒子の表面の溶解度パラメーターSP(sa)と、
前記結着樹脂の溶解度パラメーターSP(ap)と、の関係が、
|SP(ap)-SP(sa)|≦1.0を満たす<12>又は<13>に記載の静電荷像現像用トナー。
<16>
前記結着樹脂は非晶性ポリエステル樹脂を含み
前記非晶性ポリエステル樹脂は、イソフタル酸を含む多価カルボン酸と多価アルコールとの縮重合体からなり、
前記多価カルボン酸に対するイソフタル酸の割合が10モル%以上50モル%以下である<10>、<11>、又は<14>に記載の静電荷像現像用トナー。
<17>
前記結着樹脂は非晶性ポリエステル樹脂を含み
前記非晶性ポリエステル樹脂は、イソフタル酸を含む多価カルボン酸と多価アルコールとの縮重合体からなり、
前記多価カルボン酸に対するイソフタル酸の割合が10モル%以上50モル%以下である<12>、<13>、又は<15>に記載の静電荷像現像用トナー。
<18>
前記ビニル系樹脂粒子が架橋構造を有する樹脂粒子である<1>~<17>のいずれか1項に記載の静電荷像現像用トナー。
<19>
<1>~<18>のいずれか1項に記載の静電荷像現像用トナーを含む静電荷像現像剤。
<20>
<1>~<18>のいずれか1項に記載の静電荷像現像用トナーを収容し、画像形
成装置に着脱されるトナーカートリッジ。
<21>
<19>に記載の静電荷像現像剤を収容し、前記静電荷像現像剤により、像保持体の表面に形成された静電荷像をトナー画像として現像する現像手段を備え、画像形成装置に着脱されるプロセスカートリッジ。
<22>
像保持体と、
前記像保持体の表面を帯電する帯電手段と、
帯電した前記像保持体の表面に静電荷像を形成する静電荷像形成手段と、
<19>に記載の静電荷像現像剤を収容し、前記静電荷像現像剤により、前記像保持体の表面に形成された静電荷像をトナー画像として現像する現像手段と、
前記像保持体の表面に形成されたトナー画像を記録媒体の表面に転写する転写手段と、
前記記録媒体の表面に転写されたトナー画像を定着する定着手段と、
を備える画像形成装置。
<23>
像保持体の表面を帯電する帯電工程と、
帯電した前記像保持体の表面に静電荷像を形成する静電荷像形成工程と、
<19>に記載の静電荷像現像剤により、前記像保持体の表面に形成された静電荷像をトナー画像として現像する現像工程と、
前記像保持体の表面に形成されたトナー画像を記録媒体の表面に転写する転写工程と、
前記記録媒体の表面に転写されたトナー画像を定着する定着工程と、
を有する画像形成方法。
【発明の効果】
【0006】
<1>に係る発明によれば、結着樹脂と、着色剤と、ビニル系樹脂粒子を含有するトナー粒子を含む静電荷像現像用トナーにおいて、トナー粒子の断面観察において、前記ビニル系樹脂粒子の幾何中心を母点としてボロノイ分割をした際のボロノイ多角形の面積Sa(μm)を測定したとき、ボロノイ多角形の面積Saの中央値Sac(μm)、ボロノイ多角形の面積Saの標準偏差をSsd(μm)としたとき、上記式(1)および(2)を満たさない場合に比べ、高温高湿環境下で、繰り返し画像を形成したときに生じる細線解像度の低下を抑制する静電荷像現像用トナーが提供される。
【0007】
<2>に係る発明によれば、式(11)を満たさないである場合に比べ、高温高湿環境下で、繰り返し画像を形成したときに生じる細線解像度の低下を抑制する静電荷像現像用トナーが提供される。
<3>に係る発明によれば、式(21)を満たさないである場合に比べ、高温高湿環境下で、繰り返し画像を形成したときに生じる細線解像度の低下を抑制する静電荷像現像用トナーが提供される。
【0008】
<4>に係る発明によれば、トナー粒子の断面観察において、前記トナー粒子の面積に対する前記ビニル系樹脂粒子の面積の比率が0.15以下又は0.40超えである場合に比べ、高温高湿環境下で、繰り返し画像を形成したときに生じる細線解像度の低下を抑制する静電荷像現像用トナーが提供される。
<5>に係る発明によれば、ビニル系樹脂粒子の体積平均粒径が100nm未満又は300nm超えである場合に比べ、高温高湿環境下で、繰り返し画像を形成したときに生じる細線解像度の低下を抑制する静電荷像現像用トナーが提供される。
<6>に係る発明によれば、ビニル系樹脂粒子のガラス転移温度が0℃未満又は30℃超えである場合に比べ、高温高湿環境下で、繰り返し画像を形成したときに生じる細線解像度の低下を抑制する静電荷像現像用トナーが提供される。
【0009】
<7>に係る発明によれば、トナー粒子の断面観察において、重なって観察されるビニル系樹脂粒子の個数割合は、観察される全てのビニル系樹脂粒子の50個数%超えである場合に比べ、高温高湿環境下で、繰り返し画像を形成したときに生じる細線解像度の低下を抑制する静電荷像現像用トナーが提供される。
<8>に係る発明によれば、トナー粒子の断面観察において、トナー粒子の輪郭線のうち、ビニル系樹脂粒子と重なっている部分の長さが、トナー粒子の輪郭線長さの5%超えである場合に比べ、高温高湿環境下で、繰り返し画像を形成したときに生じる細線解像度の低下を抑制する静電荷像現像用トナーが提供される。
<9>に係る発明によれば、トナー粒子の断面観察において、観察されるビニル系樹脂粒子の平均円相当径が400nm超えである場合に比べ、高温高湿環境下で、繰り返し画像を形成したときに生じる細線解像度の低下を抑制する静電荷像現像用トナーが提供される。
【0010】
<10>に係る発明によれば、2≦Wa(S)-Wa(B)≦20を満たさない場合に比べ、高温高湿環境下で、繰り返し画像を形成したときに生じる細線解像度の低下を抑制する静電荷像現像用トナーが提供される。
<11>に係る発明によれば、40≦Wa(S)≦80を満たさない場合に比べ、高温高湿環境下で、繰り返し画像を形成したときに生じる細線解像度の低下を抑制する静電荷像現像用トナーが提供される。
【0011】
<12>に係る発明によれば、2≦Ws(S)-Ws(B)≦20を満たさない場合に比べ、高温高湿環境下で、繰り返し画像を形成したときに生じる細線解像度の低下を抑制する静電荷像現像用トナーが提供される。
<13>に係る発明によれば、40≦Ws(S)≦80を満たさない場合に比べ、高温高湿環境下で、繰り返し画像を形成したときに生じる細線解像度の低下を抑制する静電荷像現像用トナーが提供される。
【0012】
<14>に係る発明によれば、|SP(ap)-SP(sa)|≦1.0を満たさない場合に比べ、高温高湿環境下で、繰り返し画像を形成したときに生じる細線解像度の低下を抑制する静電荷像現像用トナーが提供される。
<15>に係る発明によれば、|SP(ap)-SP(sa)|≦1.0を満たない場合に比べ、高温高湿環境下で、繰り返し画像を形成したときに生じる細線解像度の低下を抑制する静電荷像現像用トナーが提供される。
【0013】
<16>に係る発明によれば、多価カルボン酸に対するイソフタル酸の割合が0.1モル%未満又は0.5モル%超えである場合に比べ、高温高湿環境下で、繰り返し画像を形成したときに生じる細線解像度の低下を抑制する静電荷像現像用トナーが提供される。
<17>に係る発明によれば、多価カルボン酸に対するイソフタル酸の割合が0.1モル%未満又は0.5モル%超えである場合に比べ、高温高湿環境下で、繰り返し画像を形成したときに生じる細線解像度の低下を抑制する静電荷像現像用トナーが提供される。
【0014】
<18>に係る発明によれば、ビニル系樹脂粒子が非架橋構造を有するである場合に比べ、高温高湿環境下で、繰り返し画像を形成したときに生じる細線解像度の低下を抑制する静電荷像現像用トナーが提供される。
【0015】
<19>、<20>、<21>、<22>又は<23>に係る発明によれば、結着樹脂と、着色剤と、ビニル系樹脂粒子を含有するトナー粒子を含む静電荷像現像用トナーにおいて、トナー粒子の断面観察において、前記ビニル系樹脂粒子の幾何中心を母点としてボロノイ分割をした際のボロノイ多角形の面積Sa(μm)を測定したとき、ボロノイ多角形の面積Saの中央値Sac(μm)、ボロノイ多角形の面積Saの標準偏差をSsd(μm)としたとき、上記式(1)および(2)を満たさない静電荷像現像用トナーを提供した場合に比べ、高温高湿環境下で、繰り返し画像を形成したときに生じる細線解像度の低下を抑制する静電荷像現像剤、トナーカートリッジ、プロセスカートリッジ、画像形成装置又は画像形成方法が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】本実施形態に係る画像形成装置を示す概略構成図である。
図2】本実施形態に係るプロセスカートリッジを示す概略構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の一例である実施形態について説明する。これらの説明および実施例は、実施形態を例示するものであり、発明の範囲を制限するものではない。
本明細書中に段階的に記載されている数値範囲において、一つの数値範囲で記載された上限値又は下限値は、他の段階的な記載の数値範囲の上限値又は下限値に置き換えてもよい。また、本明細書中に記載されている数値範囲において、その数値範囲の上限値又は下限値は、実施例に示されている値に置き換えてもよい。
【0018】
各成分は該当する物質を複数種含んでいてもよい。
組成物中の各成分の量について言及する場合、組成物中に各成分に該当する物質が複数種存在する場合には、特に断らない限り、組成物中に存在する当該複数種の物質の合計量を意味する。
「工程」とは、独立した工程だけではなく、他の工程と明確に区別できない場合であってもその工程の所期の作用が達成されれば、本用語に含まれる。
【0019】
<静電荷像現像用トナー>
本実施形態に係る静電荷像現像用トナー(以下、静電荷像現像用トナーを単に「トナー」ともいう)は、結着樹脂と、ビニル系樹脂粒子を含有するトナー粒子を含む。
そして、トナー粒子の断面観察において、ビニル系樹脂粒子の幾何中心を母点としてボロノイ分割をした際のボロノイ多角形の面積Sa(μm)を測定したとき、ボロノイ多角形の面積Saの中央値Sac(μm)、ボロノイ多角形の面積Saの標準偏差をSsd(μm)としたとき、後述する式(1)および(2)を満たす。
【0020】
本実施形態に係るトナーは、上記構成により、高温高湿環境(例えば28℃、85%RH環境)下で、繰り返し画像を形成したときに生じる細線解像度の低下を抑制する。その理由は、次の通り推測される。
【0021】
近年の高画質化の要請と共に、使用環境の多様化に伴い、使用環境に影響を受け難く、繰り返し画像を形成しても、高精細な画質を維持することが一層求められている。
その一つに、高温高湿下で、繰り返し画像を形成したときの細線解像度の低下抑制が求められている。
【0022】
ここで、繰り返し画像を形成した場合、現像装置において、トナー消費量が少なく、追加トナーの供給が少なくなるため、現像装置内のトナーは、帯電のための攪拌による機械的な負荷を受け続ける。それにより、トナー粒子の割れ又は欠けが生じ易くなる。
従来、機械的な負荷によるトナー粒子の割れ又は欠けを抑制する目的で、トナー粒子中に樹脂粒子又はゴム粒子等の内添粒子を内添したり、2種の結着樹脂により海島構造を形成させて、トナー粒子の耐久力を上げる技術が知られている。
しかし、これらのトナー粒子では、割れ又は欠けが抑制されるが、細線解像度が低下することがある。内添粒子を内添したトナー粒子、又は海島構造を有するトナー粒子では、内添粒子、及び海島構造の島部の分散状態が低く、トナー粒子の「質量的重心」と「幾何的中心」にズレが生じる。
【0023】
そのため、特に、高温高湿下で、繰り返し画像を形成したきに、機械的負荷によりトナー粒子に外添剤が埋没し易くなる。外添剤が埋没すると、トナーの帯電低下が起こり、静電的な付着力が低くなる。帯電低下が生じた状態に加え、トナー粒子の「質量的重心」と「幾何的中心」がズレて偏心していると、中間転写体又は記録媒体上に形成されたトナー像の端部において、トナーがわずかに転がって移動しやすくなる。その結果、細線解像度が低下すると考えられる。
例えば、解像度1200dpiの画像形成装置で形成可能な最も細い線幅が20μmに対して、トナー粒子径5.2μmのトナーが半周転がったとき、移動距離は8μm(=2πr/2=(2×3.14×(5.2/2))/2)となる。つまり、その程度の細線解像度が低下する可能性がある。
【0024】
それに対して、本実施形態に係るトナーでは、結着樹脂と、着色剤と、ビニル系樹脂粒子を含有するトナー粒子において、トナー粒子の断面観察において、ビニル系樹脂粒子の幾何中心を母点としてボロノイ分割をした際のボロノイ多角形の面積Sa(μm)と、ボロノイ多角形の面積Saの中央値Sac(μm2)、ボロノイ多角形の面積Saの標準偏差をSsd(μm)とを、上記式(1)および(2)を満たす関係とする。それにより、トナー粒子中における樹脂粒子の分散状態を均一に近い状態とする。そのため、トナー粒子の割れ又は欠けを抑制すると共に、トナー粒子の「質量的重心」と「幾何的中心」がズレ難く、高温高湿下で、繰り返し画像を形成し、トナーの帯電低下が起こっても、トナー像の端部におけるトナーの転がりが抑制される。
【0025】
なお、ゴム弾性を有するゴム粒子を内添したトナー粒子では、ゴム粒子の粘着性、及びゴム粒子が酸価を有さないことから、トナー粒子の結着樹脂と親和性が低く、分散性が向上し難い。ここで、ゴム粒子は、常温(25℃)でゴム弾性を有する粒子であり、「ゴム弾性」とは「小さい外力で変形しやすく、高伸長性(100%以上)を示し、外力を取り除くと短時間でほぼ元の形に回復する性質を示す。
それに対して、ビニル系樹脂粒子は、粘着性が低く、酸値を有しているため、トナー粒子の結着樹脂と親和性が高く、分散性が向上し易く、トナー粒子中における樹脂粒子の分散状態を均一に近い状態とすることができる。
【0026】
以上から、本実施形態に係るトナーは、高温高湿環境下で、繰り返し画像を形成したときに生じる細線解像度の低下を抑制すると推測される。
【0027】
以下、本実施形態に係るトナーの詳細について説明する。
【0028】
本実施形態に係るトナーは、トナー粒子と、必要に応じて、外添剤と、を含んで構成される。
【0029】
(トナー粒子の断面の態様)
本実施形態に係るトナーでは、トナー粒子の断面観察において、ビニル系樹脂粒子の幾何中心を母点としてボロノイ分割をした際のボロノイ多角形の面積Sa(μm)を測定したとき、ボロノイ多角形の面積Saの中央値Sac(μm)、ボロノイ多角形の面積Saの標準偏差をSsd(μm)としたとき、下記式(1)および(2)を満たす。
式(1): 0.03≦Sac≦0.20
式(2): Ssd≦0.10
【0030】
ボロノイ多角形の面積Saの中央値Sacが小さいと、トナー中のビニル系樹脂粒子の数が多くなりすぎ、ビニル系粒子同士が接触する確率が高くなりビニル系樹脂粒子の分散状態が低くなり、トナー粒子の「質量的重心」と「幾何的中心」のズレが大きくなり、偏心する。一方ボロノイ多角形の面積Saの中央値Sacが大きいと、トナー中のビニル系樹脂粒子の数が少ないため、ビニル系樹脂粒子の分散状態が低くなり、トナー粒子の「質量的重心」と「幾何的中心」のズレが大きく、偏心する。
また、ボロノイ多角形の面積Saの標準偏差をSsdの標準偏差が大きいと、トナー粒子の「質量的重心」と「幾何的中心」のズレが大きく、偏心する。
そのため、式(1)および(2)を満たすことで、高温高湿環境下で、繰り返し画像を形成しても、トナー像の端部でのトナーの転がりが抑制される。その結果、細線解像度の低下が抑制される。
【0031】
本実施形態に係るトナーにおいて、下記式(11)及び下記式(21)を満たすことが好ましく、下記式(12)及び下記式(22)がより好ましい。
式(11): 0.08≦Sac≦0.16
式(21):Ssd≦0.07
【0032】
ボロノイ多角形の面積Saの、中央値Sac及び標準偏差をSsdは、次の通り測定する。
まず、一つトナー粒子の領域内に存在する全てのビニル系樹脂粒子の重心を母点としてボロノイ多角形分割し(つまり、隣り合う母点間を結ぶ直線に垂直二等分線を引き、各母点の最近隣領域を分割し)、形成された全てのボロノイ多角形の面積Saを測定する。
具体的には、トナーを包埋用樹脂で包埋しクライオトームを用いて厚さ0.2μm以上0.3μm以下の切片を作製する。作製した切片の観察面を四酸化ルテニウム染色した後、走査型電子顕微鏡(S-4700:日立ハイテクノロジー社製)により、倍率2万倍で観察面の画像を撮影する。ここで、例えば、結着樹脂とビニル系樹脂粒子の染色されやすさの差異から、ビニル系樹脂粒子を識別することもできる。画像処理ソフト(ImageJ:アメリカ国立衛生研究所製)により、撮影画像において、一つのトナー粒子における、ボロノイ多角形の面積Saを測定する。
これら操作によるボロノイ多角形の面積Saの測定を、200個のトナー粒子で測定を行い、ボロノイ多角形面積の中央値Sac及び標準偏差Ssdを算出する。
【0033】
画像処理ソフト(ImageJ:アメリカ国立衛生研究所製)によるボロノイ多角形の面積Saの測定手順は次の通りである。
1. Analyze→Set Scaleにて画像上のピクセル数と実際の距離の関係を定義する。例:144ピクセルが1.5μmに相当する場合は、Distance in Pixes:144、Known distance:1.5と入力、チェックボックス、Globalにチェックを入れる。
2. Image→Type→8-bitを選択。
3. Image→Adjust→Thresholdを選択、Dark backgroundにチェックを入れ、Autoボタンをクリックする。
4. Process→Noise→Despeckleの処理により、斑点状の画像ノイズを除去処理する。
5. Process→Binary→watershedにより、ビニル系樹脂微粒子の輪郭を際立たせる処理により重なって観察されるビニル系樹脂微粒子を分割する。
6. Process→Binary→Voronoiの処理により、ビニル系樹脂微粒子の「幾何的中心」を母点としたボロノイ多角形を作成する。
7.最も外側のビニル系樹脂粒子に由来し、ボロノイ多角形を形成しない線分を消去する
8. Image→Type→8-bitを選択。
8. Image→Adjust→Thresholdの処理により、ボロノイ多角形の辺が赤色となるよう調整する。
9. Edit→Invertの処理により、ボロノイ多角形の辺が白色となるように、白黒反転する。
9. Analyze→AnalyzeParticle(size:0-Infinity、Circularity:0.00-1.00、Show:Outlines)の処理により、ボロノイ多角形の面積Saを求める。
【0034】
-ビニル系樹脂粒子の面積-
トナー粒子の断面観察において、トナー粒子の面積に対するビニル系樹脂粒子の面積の比率は、0.15越え0.40以下が好ましく、0.20以上0.30以下がより好ましく、0.22以上0.28以下がさらに好ましい。
ビニル系樹脂粒子の面積の比率が0.15越えであると、トナー粒子の割れ又は欠けが抑制され易くなる。一方、ビニル系樹脂粒子の面積の比率が0.40以下であると、トナー粒子の「質量的重心」と「幾何的中心」がズレ難くなり、偏心が抑制される。そのため、細線解像度が抑制され易くなる。
【0035】
ビニル系樹脂粒子の面積は、次の通り測定する。
ボロノイ多角形の面積Saの測定方法と同様にして、トナー粒子断面中のビニル系樹脂粒子が白色となるように白黒反転した撮像画像を得る。次に、撮像画像から、トナー粒子の面積に対するビニル系樹脂粒子の面積の比率を算出する。この操作を200個のトナー粒子で実施し、算術平均を求める。
【0036】

-重なって観察されるビニル系樹脂粒子の個数割合-
重なって観察されるビニル系樹脂粒子の個数割合は、観察される全てのビニル系樹脂粒子の50個数%以下であることが好ましく、45個数%以下がより好ましく、35個数%以下がさらに好ましく、理想的には0個数%である。
重なって観察されるビニル系樹脂粒子の個数割合が上記範囲であると、トナー粒子中でのスチレン-(メタ)アクリレート共重合体粒子の分散性が高まり、トナー粒子の「質量的重心」と「幾何的中心」がズレ難くなり、偏心が抑制される。そのため、細線解像度が抑制され易くなる。
【0037】
重なって観察されるビニル系樹脂粒子の個数割合は、次の通り測定される。
ボロノイ多角形の面積Saの測定方法と同様にして、トナー粒子断面中のビニル系樹脂粒子が白色となるように白黒反転した撮像画像を得る。次に、撮像画像から、全ビニル系樹脂粒子の個数を数え、そのうち、なって観察されるビニル系樹脂粒子の個数を数える。そして、観察される全てのビニル系樹脂粒子に対する、重なって観察されるビニル系樹脂粒子の個数割合を求める。
そして、この操作を200個のトナー粒子で実施し、算術平均を求める。
【0038】
-トナー粒子の輪郭線のうち、ビニル系樹脂粒子と重なっている部分の長さの割合-
トナー粒子の断面観察において、トナー粒子の輪郭線のうち、ビニル系樹脂粒子と重なっている部分の長さは、トナー粒子の輪郭線長さの5%以下が好ましく、4%以下がより好ましく、3.5%以下がさらに好ましい。なお、トナー粒子の輪郭線長さは、理想的には0%である。
トナー粒子の輪郭線長さが5%以下であると、トナー粒子表面におけるビニル系樹脂粒子の露出量が低減される。それにより、トナー粒子において、ビニル系樹脂粒子の露出による凸部が少なくなり、凸部に起因するトナーの転がりが抑制される。そのため、細線解像度が抑制され易くなる。
【0039】
トナー粒子の輪郭線のうち、ビニル系樹脂粒子と重なっている部分の長さの割合(つまり、トナー粒子の輪郭線長さに対する、トナー粒子の輪郭線がビニル系樹脂粒子と重なっている部分の長さの割合)は、次の通り測定する。
ボロノイ多角形の面積Saの測定方法と同様にして、トナー粒子断面中のビニル系樹脂粒子が白色となるように白黒反転した撮像画像を得る。次に、撮像画像から、トナー粒子の輪郭線のうち、ビニル系樹脂粒子と重なっている部分の長さの割合を算出する。この操作を200個のトナー粒子で実施し、算術平均を求める。
【0040】
-トナー断面観察において、観察されるビニル系樹脂粒子の平均円相当径-
トナー粒子の断面観察において、観察されるビニル系樹脂粒子の平均円相当径は、400nm以下が好ましく、300nm以下がさらに好ましい。
観察されるビニル系樹脂粒子の平均円相当径が400nm以下であると、ビニル系樹脂粒子の粒径が適度となり、トナー粒子の割れ又は欠けが抑制されると共に、トナー粒子の「質量的重心」と「幾何的中心」がズレ難くなり、偏心が抑制される。そのため、細線解像度が抑制され易くなる。
ここで、ビニル系樹脂粒子の円相当径は、一つのビニル系樹脂粒子が単独で観察される場合、一つのビニル系樹脂粒子の円相当径、複数のビニル系樹脂粒子が重なって観察される場合、重なった複数のビニル系樹脂粒子の輪郭で囲まれた領域の面積から算出される円相当径である。
【0041】
ビニル系樹脂粒子の平均円相当径と、ビニル系樹脂粒子の平均一次粒子径との差は、50nm以下であることが好ましく、40nm以下がより好ましく、30nm以下がさらに好ましい。
ビニル系樹脂粒子の平均円相当径とビニル系樹脂粒子の平均一次粒子径との差が50nm以下であると、トナー粒子中でのスチレン-(メタ)アクリレート共重合体粒子の分散性が高まり、トナー粒子の「質量的重心」と「幾何的中心」がズレ難くなり、偏心が抑制される。そのため、細線解像度が抑制され易くなる。
【0042】
観察されるビニル系樹脂粒子の平均円相当径は、次の通り測定する。
ボロノイ多角形の面積Saの測定方法と同様にして、トナー粒子断面中のビニル系樹脂粒子が白色となるように白黒反転した撮像画像を得る。次に、撮像画像から、観察されるビニル系樹脂粒子の平均円相当径を算出する。この操作を200個のトナー粒子で実施し、算術平均を求める。
【0043】
(トナー粒子の構成)
トナー粒子は、結着樹脂、及びビニル系樹脂粒子を含有し、必要に応じて、着色剤、離型剤、及びその他添加剤等を含んでもよい。
【0044】
-結着樹脂-
結着樹脂としては、例えば、スチレン類(例えばスチレン、パラクロロスチレン、α-メチルスチレン等)、(メタ)アクリル酸エステル類(例えばアクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n-プロピル、アクリル酸n-ブチル、アクリル酸ラウリル、アクリル酸2-エチルヘキシル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n-プロピル、メタクリル酸ラウリル、メタクリル酸2-エチルヘキシル等)、エチレン性不飽和ニトリル類(例えばアクリロニトリル、メタクリロニトリル等)、ビニルエーテル類(例えばビニルメチルエーテル、ビニルイソブチルエーテル等)、ビニルケトン類(ビニルメチルケトン、ビニルエチルケトン、ビニルイソプロペニルケトン等)、オレフィン類(例えばエチレン、プロピレン、ブタジエン等)等の単量体の単独重合体、又はこれら単量体を2種以上組み合せた共重合体からなるビニル系樹脂が挙げられる。
結着樹脂としては、例えば、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアミド樹脂、セルロース樹脂、ポリエーテル樹脂、変性ロジン等の非ビニル系樹脂、これらと前記ビニル系樹脂との混合物、又は、これらの共存下でビニル系単量体を重合して得られるグラフト重合体等も挙げられる。
これらの結着樹脂は、1種類単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
【0045】
結着樹脂としては、ポリエステル樹脂が好適である。
ポリエステル樹脂としては、例えば、公知の非晶性ポリエステル樹脂が挙げられる。ポリエステル樹脂は、非晶性ポリエステル樹脂と共に、結晶性ポリエステル樹脂を併用してもよい。但し、結晶性ポリエステル樹脂は、全結着樹脂に対して、含有量が2質量%以上40質量%以下(好ましくは5質量%以上25質量%以下)の範囲で用いることがよい。
【0046】
なお、樹脂の「結晶性」とは、示差走査熱量測定(DSC)において、階段状の吸熱量変化ではなく、明確な吸熱ピークを有することを指し、具体的には、昇温速度10(℃/min)で測定した際の吸熱ピークの半値幅が10℃以内であることを指す。
一方、樹脂の「非晶性」とは、半値幅が10℃を超えること、階段状の吸熱量変化を示すこと、又は明確な吸熱ピークが認められないことを指す。
【0047】
・非晶性ポリエステル樹脂
非晶性ポリエステル樹脂としては、例えば、多価カルボン酸と多価アルコールとの縮重合体が挙げられる。なお、非晶性ポリエステル樹脂としては、市販品を使用してもよいし、合成したものを使用してもよい。
【0048】
多価カルボン酸としては、例えば、脂肪族ジカルボン酸(例えばシュウ酸、マロン酸、マレイン酸、フマル酸、シトラコン酸、イタコン酸、グルタコン酸、コハク酸、アルケニルコハク酸、アジピン酸、セバシン酸等)、脂環式ジカルボン酸(例えばシクロヘキサンジカルボン酸等)、芳香族ジカルボン酸(例えばテレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、ナフタレンジカルボン酸等)、これらの無水物、又はこれらの低級(例えば炭素数1以上5以下)アルキルエステルが挙げられる。これらの中でも、多価カルボン酸としては、例えば、芳香族ジカルボン酸が好ましい。
多価カルボン酸は、ジカルボン酸と共に、架橋構造又は分岐構造をとる3価以上のカル
ボン酸を併用してもよい。3価以上のカルボン酸としては、例えば、トリメリット酸、ピロメリット酸、これらの無水物、又はこれらの低級(例えば炭素数1以上5以下)アルキルエステル等が挙げられる。
多価カルボン酸は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
【0049】
多価アルコールとしては、例えば、脂肪族ジオール(例えばエチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオール、ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール等)、脂環式ジオール(例えばシクロヘキサンジオール、シクロヘキサンジメタノール、水添ビスフェノールA等)、芳香族ジオール(例えばビスフェノールAのエチレンオキサイド付加物、ビスフェノールAのプロピレンオキサイド付加物等)が挙げられる。これらの中でも、多価アルコールとしては、例えば、芳香族ジオール、脂環式ジオールが好ましく、より好ましくは芳香族ジオールである。
多価アルコールとしては、ジオールと共に、架橋構造又は分岐構造をとる3価以上の多価アルコールを併用してもよい。3価以上の多価アルコールとしては、例えば、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトールが挙げられる。
多価アルコールは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
【0050】
ここで、ビニル系樹脂粒子がスチレン-(メタ)アクリレート共重合体粒子を適用する場合、非晶性ポリエステル樹脂は、イソフタル酸を含む多価カルボン酸と多価アルコールとの縮重合体からなり、多価カルボン酸に対するイソフタル酸の割合は、10モル%以上50モル%以下が好ましく、15モル%以上40モル%以下がより好ましい。なお、2種以上の非晶性ポリエステル樹脂を併用する場合には、その加重平均においてイソフタル酸の割合が、上記範囲であるとする。
多価カルボン酸に対するイソフタル酸の割合が上記範囲であると、トナー粒子中でのスチレン-(メタ)アクリレート共重合体粒子の分散性が高まり、トナー粒子の「質量的重心」と「幾何的中心」がズレ難くなり、偏心が抑制される。そのため、細線解像度が抑制され易くなる。その理由は、次の通り推測される。
非晶性ポリエステル樹脂中の、イソフタル酸に由来する構造の骨格に含まれるベンゼン環と、スチレン(メタ)アクリレート共重合体中のスチレン骨格に含まれるベンゼン環は、π-πスタッキングすることにより安定化し、ポリエステルと、スチレン(メタ)アクリレート共重合体樹脂粒子との親和性が向上する。イソフタル酸はメタ位にカルボニル基がついており偏っているため、スチレンのベンゼン環が接近しやすいためである。一方、類似構造を有する、多価カルボン酸としてテレフタル酸があるが、テレフタル酸は、カルボニル基がパラ位についているため立体障害によりスチレンのベンゼン環が接近し難く、非晶性ポリエステル樹脂とスチレン(メタ)アクリレート共重合体樹脂粒子との親和性向上に寄与しない。そのため、多価カルボン酸に対するイソフタル酸の割合が上記範囲であると、トナー粒子中でのスチレン-(メタ)アクリレート共重合体粒子の分散性が高まり、細線解像度が抑制され易くなる。
【0051】
非晶性ポリエステル樹脂のガラス転移温度(Tg)は、50℃以上80℃以下が好ましく、50℃以上65℃以下がより好ましい。
なお、ガラス転移温度は、示差走査熱量測定(DSC)により得られたDSC曲線より求め、より具体的にはJIS K 7121-1987「プラスチックの転移温度測定方法」のガラス転移温度の求め方に記載の「補外ガラス転移開始温度」により求められる。
【0052】
非晶性ポリエステル樹脂の重量平均分子量(Mw)は、5000以上1000000以下が好ましく、7000以上500000以下がより好ましい。
非晶性ポリエステル樹脂の数平均分子量(Mn)は、2000以上100000以下が好ましい。
非晶性ポリエステル樹脂の分子量分布Mw/Mnは、1.5以上100以下が好ましく、2以上60以下がより好ましい。
なお、重量平均分子量及び数平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)により測定する。GPCによる分子量測定は、測定装置として東ソー製GPC・HLC-8120GPCを用い、東ソー製カラム・TSKgel SuperHM-M(15cm)を使用し、THF溶媒で行う。重量平均分子量及び数平均分子量は、この測定結果から単分散ポリスチレン標準試料により作成した分子量校正曲線を使用して算出する。
【0053】
非晶性ポリエステル樹脂は、周知の製造方法により得られる。具体的には、例えば、重合温度を180℃以上230℃以下とし、必要に応じて反応系内を減圧にし、縮合の際に発生する水やアルコールを除去しながら反応させる方法により得られる。
なお、原料の単量体が、反応温度下で溶解又は相溶しない場合は、高沸点の溶剤を溶解補助剤として加え溶解させてもよい。この場合、重縮合反応は溶解補助剤を留去しながら行う。相溶性の悪い単量体が存在する場合は、あらかじめ相溶性の悪い単量体とその単量体と重縮合予定の酸又はアルコールとを縮合させておいてから主成分と共に重縮合させるとよい。
【0054】
・結晶性ポリエステル樹脂
結晶性ポリエステル樹脂は、例えば、多価カルボン酸と多価アルコールとの重縮合体が挙げられる。なお、結晶性ポリエステル樹脂としては、市販品を使用してもよいし、合成したものを使用してもよい。
ここで、結晶性ポリエステル樹脂は、結晶構造を容易に形成するため、芳香族を有する
重合性単量体よりも直鎖状脂肪族を有する重合性単量体を用いた重縮合体が好ましい。
【0055】
多価カルボン酸としては、例えば、脂肪族ジカルボン酸(例えばシュウ酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、1,9-ノナンジカルボン酸、1,10-デカンジカルボン酸、1,12-ドデカンジカルボン酸、1,14-テトラデカンジカルボン酸、1,18-オクタデカンジカルボン酸等)、芳香族ジカルボン酸(例えばフタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、ナフタレン-2,6-ジカルボン酸等の二塩基酸等)、これらの無水物、又はこれらの低級(例えば炭素数1以上5以下)アルキルエステルが挙げられる。
多価カルボン酸は、ジカルボン酸と共に、架橋構造又は分岐構造をとる3価以上のカルボン酸を併用してもよい。3価のカルボン酸としては、例えば、芳香族カルボン酸(例えば1,2,3-ベンゼントリカルボン酸、1,2,4-ベンゼントリカルボン酸、1,2,4-ナフタレントリカルボン酸等)、これらの無水物、又はこれらの低級(例えば炭素数1以上5以下)アルキルエステルが挙げられる。
多価カルボン酸としては、これらジカルボン酸と共に、スルホン酸基を持つジカルボン酸、エチレン性二重結合を持つジカルボン酸を併用してもよい。
多価カルボン酸は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
【0056】
多価アルコールとしては、例えば、脂肪族ジオール(例えば主鎖部分の炭素数が7以上20以下である直鎖型脂肪族ジオール)が挙げられる。脂肪族ジオールとしては、例えば、エチレングリコール、1,3-プロパンジオール、1,4-ブタンジオール、1,5-ペンタンジオール、1,6-ヘキサンジオール、1,7-ヘプタンジオール、1,8-オクタンジオール、1,9-ノナンジオール、1,10-デカンジオール、1,11-ウンデカンジオール、1,12-ドデカンジオール、1,13-トリデカンジオール、1,14-テトラデカンジオール、1,18-オクタデカンジオール、1,14-エイコサンデカンジオールなどが挙げられる。これらの中でも、脂肪族ジオールとしては、1,8-オクタンジオール、1,9-ノナンジオール、1,10-デカンジオールが好ましい。
多価アルコールは、ジオールと共に、架橋構造又は分岐構造をとる3価以上のアルコールを併用してもよい。3価以上のアルコールとしては、例えば、グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール等が挙げられる。
多価アルコールは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
【0057】
ここで、多価アルコールは、脂肪族ジオールの含有量を80モル%以上とすることがよく、好ましくは90モル%以上である。
【0058】
結晶性ポリエステル樹脂の融解温度は、50℃以上100℃以下が好ましく、55℃以上90℃以下がより好ましく、60℃以上85℃以下がさらに好ましい。
なお、融解温度は、示差走査熱量測定(DSC)により得られたDSC曲線から、JIS K7121-1987「プラスチックの転移温度測定方法」の融解温度の求め方に記載の「融解ピーク温度」により求める。
【0059】
結晶性ポリエステル樹脂の重量平均分子量(Mw)は、6,000以上35,000以下が好ましい。
【0060】
結晶性ポリエステル樹脂は、例えば、非晶性ポリエステルと同様に、周知の製造方法により得られる。
【0061】
結着樹脂の含有量としては、例えば、トナー粒子全体に対して、40質量%以上95質量%以下が好ましく、50質量%以上90質量%以下がより好ましく、60質量%以上85質量%以下がさらに好ましい。
【0062】
-ビニル系樹脂粒子-
ビニル系樹脂粒子は、ビニル系単量体の単独重合体又は共重合体の樹脂粒子である。
ビニル系樹脂粒子としては、スチレン系樹脂(ポリスチレン、αポリメチルスチレン等)、(メタ)アクリル系樹脂(ポリメチルメタアクリレート、ポリアクリロニトリル等)、及びこれらの共重合体の粒子が挙げられる。これらの樹脂は、必要に応じて単独で用いても2種類以上を混合して用いてもよい。
トナー粒子中の分散性向上、及び細線解像度の低下抑制の観点から、ビニル系樹脂粒子としては、スチレン-(メタ)アクリル系共重合体粒子が好ましい。
【0063】
ここで、スチレン-(メタ)アクリル系共重合体は、は、スチレン系単量体と、(メタ)アクリル系単量体と、を少なくとも共重合した共重合体が挙げられる。なお、スチレン-(メタ)アクリル樹脂は、スチレン系単量体及び(メタ)アクリル系単量体以外に、その他の単量体を共重合した共重合体であってもよい。
ここで、「(メタ)アクリル」等の記述は、「アクリル」及び「メタクリル」等のいずれをも含む表現である。
【0064】
スチレン系単量体は、スチレン骨格を有する単量体である。スチレン系単量体としては、具体的には、スチレン;ビニルナフタレン;α-メチルスチレン、o-メチルスチレン、m-メチルスチレン、p-メチルスチレン、p-エチルスチレン、2,4-ジメチルスチレン、p-n-ブチルスチレン、p-tert-ブチルスチレン、p-n-ヘキシルスチレン、p-n-オクチルスチレン、p-n-ノニルスチレン、p-n-デシルスチレン、p-n-ドデシルスチレン等のアルキル置換スチレン;p-フェニルスチレン等のアリール置換スチレン;p-メトキシスチレン等のアルコキシ置換スチレン;p-クロロスチレン、3,4-ジクロロスチレン、4-フルオロスチレン、2,5-ジフルオロスチレン等のハロゲン置換スチレン;m-ニトロスチレン、o-ニトロスチレン、p-ニトロスチレン等のニトロ置換スチレン;などが挙げられる。
これらの中でも、トナー粒子中の分散性向上、及び細線解像度の低下抑制の観点から、スチレン系単量体としては、スチレン、p-エチルスチレン、p-n-ブチルスチレン等がよい。
これらのスチレン系単量体は、1種単独で使用してもよいし、2種以上併用してもよい。
【0065】
(メタ)アクリル系単量体は、(メタ)アクリロイル基を有する単量体である。(メタ)アクリル系単量体として、具体的には、(メタ)アクリル酸n-メチル、(メタ)アクリル酸n-エチル、(メタ)アクリル酸n-プロピル、(メタ)アクリル酸n-ブチル、(メタ)アクリル酸n-ペンチル、(メタ)アクリル酸n-ヘキシル、(メタ)アクリル酸n-ヘプチル、(メタ)アクリル酸n-オクチル、(メタ)アクリル酸n-デシル、(メタ)アクリル酸n-ドデシル、(メタ)アクリル酸n-ラウリル、(メタ)アクリル酸n-テトラデシル、(メタ)アクリル酸n-ヘキサデシル、(メタ)アクリル酸n-オクタデシル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸t-ブチル、(メタ)アクリル酸イソペンチル、(メタ)アクリル酸アミル、(メタ)アクリル酸ネオペンチル、(メタ)アクリル酸イソヘキシル、(メタ)アクリル酸イソヘプチル、(メタ)アクリル酸イソオクチル、(メタ)アクリル酸2-エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸オクチル、(メタ)アクリル酸デシル、(メタ)アクリル酸ラウリル、(メタ)アクリル酸ステアリル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸ジシクロペンタニル、(メタ)アクリル酸イソボルニル等の(メタ)アクリル酸アルキルエステル;エチレングリコールジ(メタ)アクリラート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリラート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリラート、ブタンジオールジ(メタ)アクリラート、ペンタンジオールジ(メタ)アクリラート、ヘキサンジオールジ(メタ)アクリラート、ノナンジオールジ(メタ)アクリラート、デカンジオールジ(メタ)アクリラート等のジ(メタ)アクリル酸エステル;(メタ)アクリル酸β-カルボキシエチル等の(メタ)アクリル酸カルボキシ置換アルキルエステル;(メタ)アクリル酸2-ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸2-ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸3-ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸2-ヒドロキシブチル、(メタ)アクリル酸3-ヒドロキシブチル、(メタ)アクリル酸4-ヒドロキシブチル等の(メタ)アクリル酸ヒドロキシ置換アルキルエステル; (メタ)アクリル酸2-メトキシエチル等の(メタ)アクリル酸アルコキシ置換アルキルエステル;等が挙げられる。
(メタ)アクリル系単量体としては、上記した(メタ)アクリル酸エステルの他、(メタ)アクリル酸も挙げられる。
これら中でも、トナー粒子中の分散性向上、及び細線解像度の低下抑制の観点から、(メタ)アクリル酸エステルの中でも、炭素数2以上14以下(好ましくは炭素数2以上10以下、より好ましくは3以上8以下)のアルキル基を持つ(メタ)アクリル酸エステルが好ましい。
これらの(メタ)アクリル系単量体は、1種単独で使用してもよいし、2種以上併用してもよい。
【0066】
その他のモノマーとしては、例えば、架橋構造を付与するための架橋剤が挙げられる。
架橋するための架橋剤としては、例えば、ジビニルベンゼン、ジビニルナフタレン等の芳香族の多ビニル化合物類;フタル酸ジビニル、イソフタル酸ジビニル、テレフタル酸ジビニル、ホモフタル酸ジビニル、トリメシン酸ジビニル、トリメシン酸トリビニル、ナフタレンジカルボン酸ジビニル、ビフェニルカルボン酸ジビニル等の芳香族多価カルボン酸の多ビニルエステル類;ピリジンジカルボン酸ジビニル等の含窒素芳香族化合物のジビニルエステル類;ピロムチン酸ビニル、フランカルボン酸ビニル、ピロール-2-カルボン酸ビニル、チオフェンカルボン酸ビニル等の不飽和複素環化合物カルボン酸のビニルエステル類;ブタンジオールメタクリレート、ヘキサンジオールアクリレート、オクタンジオールメタクリレート、デカンジオールアクリレート、ドデカンジオールメタクリレート等の直鎖多価アルコールの(メタ)アクリル酸エステル類;ネオペンチルグリコールジメタクリレート、2-ヒドロキシ、1、3-ジアクリロキシプロパン等の分枝、置換多価アルコールの(メタ)アクリル酸エステル類;ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレンポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート類、コハク酸ジビニル、フマル酸ジビニル、マレイン酸ビニル、マレイン酸ジビニル、ジグリコール酸ジビニル、イタコン酸ビニル、イタコン酸ジビニル、アセトンジカルボン酸ジビニル、グルタル酸ジビニル、3,3’-チオジプロピオン酸ジビニル、trans-アコニット酸ジビニル、trans-アコニット酸トリビニル、アジピン酸ジビニル、ピメリン酸ジビニル、スベリン酸ジビニル、アゼライン酸ジビニル、セバシン酸ジビニル、ドデカン二酸ジビニル、ブラシル酸ジビニル等の多価カルボン酸の多ビニルエステル類等が挙げられる。架橋剤は1種単独で用いてもよく、2種以上を併用して用いてもよい。
【0067】
ここで、スチレン-(メタ)アクリル系共重合体粒子は、スチレン-(メタ)アクリレート共重合体粒子全体の前記(メタ)アクリレートに由来する構造単位の割合Wa(B)(モル%)と、スチレン-(メタ)アクリレート共重合体粒子表面の(メタ)アクリレートに由来する構造単位の割合Wa(S)(モル%)と、の関係は、2≦Wa(S)-Wa(B)≦20を満たす態様(好ましくは5≦Wa(S)-Wa(B)≦15を満たす態様)であってもよい。
本態様の場合、スチレン-(メタ)アクリレート共重合体粒子表面の(メタ)アクリレートに由来する構造単位の割合Wa(S)(モル%)は、40≦Wa(S)≦80を満たすことが好ましく、45≦Wa(S)≦75がより好ましい。
Wa(S)及びWa(B)が上記関係を有すると、スチレン-(メタ)アクリル系共重合体粒子の表面に、(メタ)アクリレートに由来する構造単位が多く存在する。この構成のスチレン-(メタ)アクリル系共重合体粒子は、表面のガラス転移温度が低く、柔らかくなるため、外部衝撃を吸収し易くなる。それにより、トナー粒子の割れ又は欠けが抑制される。そのため、細線解像度が抑制され易くなる。
この構成のスチレン-(メタ)アクリル系共重合体粒子は、例えば、乳化重合法において、スチレンと(メタ)アクリレート比の異なるエマルジョンを順次滴下することで得られる。
【0068】
一方、スチレン-(メタ)アクリル系共重合体粒子は、スチレン-(メタ)アクリレート共重合体粒子全体のスチレンに由来する構造単位の割合Ws(B)(モル%)と、スチレン-(メタ)アクリレート共重合体粒子表面の前記スチレンに由来する割合Ws(S)(モル%)と、の関係は、2≦Ws(S)-Ws(B)≦20を満たす態様(好ましくは5≦Wa(S)-Wa(B)≦15を満たす態様)であってもよい。
本態様の場合、スチレン-(メタ)アクリレート共重合体粒子表面のスチレンに由来する割合Ws(S)(モル%)は、40≦Ws(S)≦80を満たすことが好ましく、45≦Ws(S)≦75がより好ましい。
Ws(S)及びWs(B)が上記関係であると、スチレン-(メタ)アクリル系共重合体粒子の表面に、スチレンに由来する構造単位が多く存在する。この構成のスチレン-(メタ)アクリル系共重合体粒子は、粒子内部の低分子成分が粒子外部へ析出することが抑制される。そのため、未反応の低分子成分の析出によるトナーの帯電性低下が抑制される。その結果、トナーの静電的付着力の低下によるトナーの転がりが抑制され、細線解像度が抑制され易くなる。
この構成のスチレン-(メタ)アクリル系共重合体粒子は、例えば、乳化重合法において、スチレンと(メタ)アクリレート比の異なるエマルジョンを順次滴下することで得られる。
【0069】
ここで、スチレン-(メタ)アクリル系共重合体粒子の全体及び表面における、各構成単位の割合は、次の通り測定される。
スチレン-(メタ)アクリル系共重合体粒子の全体の各構成単位の割合は、KBr法により錠剤状の測定試料を作成し、清木外吸収分光光度計を用いて測定する。(メタ)アクリル構造のカルボニル伸縮振動に由来する1730cm-1の吸収およびスチレン構造のベンゼン環のCH面外変角振動に由来する698cm-1の吸収を用い、スチレンのみからなる樹脂、(メタ)アクリレートのみからなる樹脂を作成し、吸収の大きさから量を計算する検量線を作成し、スチレン-(メタ)アクリル系共重合体の吸収の大きさから各構成単位の割合を求める。
スチレン-(メタ)アクリル系共重合体粒子の表面の各構成単位の割合は、X線光電子分光装置(XPS)にて表面組成分析を行い、スチレン-(メタ)アクリル系共重合体粒子における炭素元素と酸素元素の合計に対する酸素元素の比率O(p)を次式により求める。
O(p)=酸素元素数/(炭素元素数+酸素元素数)
また、(メタ)アクリレートのみからなる樹脂を作製し、同様にして(メタ)アクリレート中の酸素元素の比率O(a)を求める。
これらの測定結果から、スチレンと(メタ)アクリレートの和が1となるようにした時、表面(メタ)アクリレート比率Wa(S)、表面スチレン比率Ws(S)は以下の式で求めることができる。
Wa(S)=O(p)/O(a)
Ws(S)=1-(O(p)/O(a))
【0070】
ビニル系樹脂粒子は架橋構造を有することが好ましい。
ビニル系樹脂粒子が架橋構造を有することで、樹脂粒子が弾性を有しやすくなる。そのため、トナー粒子も弾性を有しやすくなる。これにより、トナー粒子の割れ又は欠けが抑制され易くなる。その結果、細線解像度の低下が抑制され易くなる。
【0071】
ここで、ビニル系樹脂粒子が架橋構造を有するとは、樹脂粒子に含有される高分子構造中の特定の原子間に橋掛構造を有することを意味する。
ビニル系樹脂粒子が有する架橋構造としては、例えば、イオン結合により架橋された架橋構造、共有結合により架橋された架橋構造等が挙げられる。これらの中でも、ビニル系は、共有結合により架橋された架橋構造を有することが好ましい。
【0072】
ビニル系樹脂粒子の体積平均粒径は、100nm以上300nm以下が好ましく、120nm以上250以下がより好ましく、140nm以上220以下がさらに好ましい。
ビニル系樹脂粒子の体積平均粒径が上記範囲であると、ビニル系樹脂粒子の粒径が適度となり、トナー粒子の割れ又は欠けが抑制されると共に、トナー粒子の「質量的重心」と「幾何的中心」がズレ難くなり、偏心が抑制される。そのため、細線解像度が抑制され易くなる。
【0073】
ビニル系樹脂粒子の体積平均粒径は、次の通り測定される。
トナーから、ビニル系樹脂粒子とビニル系樹脂粒子以外の有機物との有機溶剤に対する溶解度の差を利用して、ビニル系樹脂粒子を採取する。トナーからビニル系樹脂粒子を採取する方法としては、例えば、結着樹脂を溶解し樹脂粒子を溶解しない溶剤にトナーを浸漬し、溶剤に結着樹脂を溶解させることで、ビニル系樹脂粒子を取り出す方法等が挙げられる。
また、トナーに外添剤、着色剤等の無機物を含む場合、遠心分離を利用し、無機物と分離して、ビニル系樹脂粒子を採取する。
得られたビニル系樹脂粒子に対して、レーザー波形式粒度分布測定装置(例えば、ベックマンコールター社製、LS-13 320)の測定により粒度分布を得る。得らえた粒度分布により、分割された粒度範囲(チャンネル)に対し、体積について小粒径側から累積分布を引き、全粒子に対して累積50%となる体積平均粒径D50vと定義する。
【0074】
ビニル系樹脂粒子のガラス転移温度Tgは、0℃以上30℃以下が好ましく、5℃以上25℃以下がより好ましい。
ビニル系樹脂粒子のガラス転移温度Tgが上記範囲であると、トナー粒子が適度な柔軟性を持ち、変形を抑制しつつ、トナー粒子の割れ又は欠けが抑制されると共に、トナー粒子の「質量的重心」と「幾何的中心」がズレ難くなり、偏心が抑制される。そのため、細線解像度が抑制され易くなる。
【0075】
ビニル系樹脂粒子のガラス転移温度Tgは、次の通り測定される。
トナーから、ビニル系樹脂粒子とビニル系樹脂粒子以外の有機物との有機溶剤に対する溶解度の差を利用して、ビニル系樹脂粒子を採取する。トナーからビニル系樹脂粒子を採取する方法としては、例えば、結着樹脂を溶解し樹脂粒子を溶解しない溶剤にトナーを浸漬し、溶剤に結着樹脂を溶解させることで、ビニル系樹脂粒子を取り出す方法等が挙げられる。
また、トナーに外添剤、着色剤等の無機物を含む場合、遠心分離を利用し、無機物と分離して、ビニル系樹脂粒子を採取する。
ビニル系樹脂粒子に対して圧力を付与することで、厚さ2mm、直径8mmの円盤状試料を作製し、測定用試料とする。
そして、得られた測定用試料である円盤状試料を、直径8mmのパラレルプレートに挟み、歪み量0.1~100%で、測定温度を10℃から150℃まで2℃/分で昇温させて、以下の条件で動的粘弾性測定を実施する。測定により得られた貯蔵弾性率及び損失弾性率の各曲線から、貯蔵弾性率G’及び損失正接tanδを求め、損失正接tanδのピーク温度をガラス転移温度Tgとする。
【0076】
ビニル系樹脂粒子の表面の溶解度パラメーターSP(sa)と、結着樹脂の溶解度パラメーターSP(ap)と、の関係は、|SP(ap)-SP(sa)|≦1.0を満たすことが好ましく、|SP(ap)-SP(sa)|≦0.6がより好ましい。
ビニル系樹脂粒子の表面の溶解度パラメーターSP(sa)と、結着樹脂の溶解度パラメーターSP(ap)と、の関係を上記関係を満たすと、ビニル系樹脂粒子の分散性が高まり、トナー粒子の「質量的重心」と「幾何的中心」がズレ難くなり、偏心が抑制される。そのため、細線解像度が抑制され易くなる。
【0077】
溶解度パラメーター(SP値)は、凝集エネルギー密度の関数として次の式で定義された値である。
δ=(ΔE/V)1/2
△E:分子間凝集エネルギー(蒸発熱)
V:混合液の全体質
△E/V:凝集エネルギー密度
また、樹脂の単量体組成が判明している場合には以下のFedorらの方法(Polym.Eng.Sci.,14[2](1974)記載の方法)を用いて計算できる。
SP値=(ΣΔei/ΣΔvi)1/2
Δei:原子または原子団の蒸発エネルギー
Δvi:原子または原子団のモル体積
なお、本明細書の記載の溶解度パラメーター(SP値)としては、主に単量体組成から計算により求めた値を用いる。
そして、ビニル系樹脂粒子の表面の溶解度パラメーターSP(sa)は、既述の「スチレン-(メタ)アクリル系共重合体粒子の表面の各構成単位の割合の測定」と同じ方法により、ビニル系樹脂粒子の表面の各構成単位の割合を求めて、計算する。
【0078】
ビニル系樹脂粒子の含有量は、トナー粒子全体に対して、5質量%以上15質量%以下であることが好ましく、7質量%以上13質量%以下であることがより好ましく、8質量%以上12質量%以下であることが更に好ましい。
樹脂粒子の含有量を、トナー粒子全体に対して、上記範囲とすることで、トナーが適度
な弾性を有しやすくなる。そのため、トナー粒子の割れ又は欠けが抑制される。その結果、細線解像度の低下が抑制され易くなる。
【0079】
-着色剤-
着色剤としては、例えば、カーボンブラック、クロムイエロー、ハンザイエロー、ベンジジンイエロー、スレンイエロー、キノリンイエロー、ピグメントイエロー、パーマネントオレンジGTR、ピラゾロンオレンジ、バルカンオレンジ、ウオッチヤングレッド、パーマネントレッド、ブリリアントカーミン3B、ブリリアントカーミン6B、デュポンオイルレッド、ピラゾロンレッド、リソールレッド、ローダミンBレーキ、レーキレッドC、ピグメントレッド、ローズベンガル、アニリンブルー、ウルトラマリンブルー、カルコオイルブルー、メチレンブルークロライド、フタロシアニンブルー、ピグメントブルー、フタロシアニングリーン、マラカイトグリーンオキサレートなどの種々の顔料、又は、アクリジン系、キサンテン系、アゾ系、ベンゾキノン系、アジン系、アントラキノン系、チオインジコ系、ジオキサジン系、チアジン系、アゾメチン系、インジコ系、フタロシアニン系、アニリンブラック系、ポリメチン系、トリフェニルメタン系、ジフェニルメタン系、チアゾール系などの各種染料等が挙げられる。
着色剤は、1種類単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
【0080】
着色剤は、必要に応じて表面処理された着色剤を用いてもよく、分散剤と併用してもよい。また、着色剤は、複数種を併用してもよい。
【0081】
着色剤の含有量としては、例えば、トナー粒子全体に対して、1質量%以上30質量%以下が好ましく、3質量%以上15質量%以下がより好ましい。
【0082】
-離型剤-
離型剤としては、例えば、炭化水素系ワックス;カルナバワックス、ライスワックス、キャンデリラワックス等の天然ワックス;モンタンワックス等の合成又は鉱物・石油系ワックス;脂肪酸エステル、モンタン酸エステル等のエステル系ワックス;などが挙げられる。離型剤は、これに限定されるものではない。
【0083】
離型剤の融解温度は、50℃以上110℃以下が好ましく、60℃以上100℃以下がより好ましい。
なお、融解温度は、示差走査熱量測定(DSC)により得られたDSC曲線から、JIS K 7121-1987「プラスチックの転移温度測定方法」の融解温度の求め方に記載の「融解ピーク温度」により求める。
【0084】
離型剤の含有量としては、例えば、トナー粒子全体に対して、1質量%以上20質量%以下が好ましく、5質量%以上15質量%以下がより好ましい。
【0085】
-その他の添加剤-
その他の添加剤としては、例えば、磁性体、帯電制御剤、無機粉体等の周知の添加剤が挙げられる。これらの添加剤は、内添剤としてトナー粒子に含まれる。
【0086】
-トナー粒子の特性等-
トナー粒子は、単層構造のトナー粒子であってもよいし、芯部(コア粒子)と芯部を被覆する被覆層(シェル層)とで構成された所謂コア・シェル構造のトナー粒子であってもよい。
【0087】
トナー粒子の体積平均粒径(D50v)としては、2μm以上10μm以下が好ましく、4μm以上8μm以下がより好ましい。
【0088】
なお、トナー粒子の各種平均粒径、及び各種粒度分布指標は、コールターマルチサイザーII(ベックマン・コールター社製)を用い、電解液はISOTON-II(ベックマン・コールター社製)を使用して測定される。
測定に際しては、分散剤として、界面活性剤(アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウムが好ましい)の5%水溶液2ml中に測定試料を0.5mg以上50mg以下加える。これを電解液100ml以上150ml以下中に添加する。
試料を懸濁した電解液は超音波分散器で1分間分散処理を行い、コールターマルチサイザーIIにより、アパーチャー径として100μmのアパーチャーを用いて2μm以上60μm以下の範囲の粒径の粒子の粒度分布を測定する。なお、サンプリングする粒子数は50000個である。
測定される粒度分布を基にして分割された粒度範囲(チャンネル)に対して体積、数をそれぞれ小径側から累積分布を描いて、累積16%となる粒径を体積粒径D16v、数粒径D16p、累積50%となる粒径を体積平均粒径D50v、累積数平均粒径D50p、累積84%となる粒径を体積粒径D84v、数粒径D84pと定義する。
これらを用いて、体積粒度分布指標(GSDv)は(D84v/D16v)1/2、数粒度分布指標(GSDp)は(D84p/D16p)1/2として算出される。
【0089】
トナー粒子の平均円形度としては、0.94以上1.00以下が好ましく、0.95以上0.98以下がより好ましい。
【0090】
トナー粒子の平均円形度は、(円相当周囲長)/(周囲長)[(粒子像と同じ投影面積をもつ円の周囲長)/(粒子投影像の周囲長)]により求められる。具体的には、次の方法で測定される値である。
まず、測定対象となるトナー粒子を吸引採取し、扁平な流れを形成させ、瞬時にストロボ発光させることにより静止画像として粒子像を取り込み、その粒子像を画像解析するフロー式粒子像解析装置(シスメックス社製のFPIA-3000)によって求める。そして、平均円形度を求める際のサンプリング数は3500個とする。
なお、トナーが外添剤を有する場合、界面活性剤を含む水中に、測定対象となるトナー(現像剤)を分散させた後、超音波処理をおこなって外添剤を除去したトナー粒子を得る。
【0091】
(外添剤)
外添剤としては、例えば、無機粒子が挙げられる。該無機粒子として、SiO、TiO、Al、CuO、ZnO、SnO、CeO、Fe、MgO、BaO、CaO、KO、NaO、ZrO、CaO・SiO、KO・(TiO)n、Al・2SiO、CaCO、MgCO、BaSO、MgSO等が挙げられる。
【0092】
外添剤としての無機粒子の表面は、疎水化処理が施されていることがよい。疎水化処理は、例えば疎水化処理剤に無機粒子を浸漬する等して行う。疎水化処理剤は特に制限されないが、例えば、シラン系カップリング剤、シリコーンオイル、チタネート系カップリング剤、アルミニウム系カップリング剤等が挙げられる。これらは1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
疎水化処理剤の量としては、通常、例えば、無機粒子100質量部に対して、1質量部以上10質量部以下である。
【0093】
外添剤としては、樹脂粒子(ポリスチレン、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、メラミン樹脂等の樹脂粒子)、クリーニング活剤(例えば、ステアリン酸亜鉛に代表される高級脂肪酸の金属塩、フッ素系高分子量体の粒子)等も挙げられる。
【0094】
外添剤の外添量としては、例えば、トナー粒子に対して、0.01質量%以上5質量%以下が好ましく、0.01質量%以上2.0質量%以下がより好ましい。
【0095】
(トナーの製造方法)
次に、本実施形態に係るトナーの製造方法について説明する。
本実施形態に係るトナーは、トナー粒子を製造後、トナー粒子に対して、外添剤を外添することで得られる。
【0096】
トナー粒子は、凝集合一法により、トナー粒子を得ることがよい。
【0097】
具体的には、例えば、結着樹脂となる結着樹脂粒子が分散された結着樹脂粒子分散液、ビニル系樹脂粒子が分散されたビニル系樹脂粒子分散液を準備する工程(分散液準備工程)と、分散液中で(必要に応じて他の粒子分散液を混合した後の分散液中で)、結着樹脂粒子、及びビニル系樹脂粒子(必要に応じて他の粒子)を凝集させ、凝集粒子を形成する工程(凝集粒子形成工程)と、凝集粒子が分散された凝集粒子分散液に対して加熱し、凝集粒子を融合・合一して、トナー粒子を形成する工程(融合・合一工程)と、を経て、トナー粒子を製造する。
【0098】
ここで、式(1)および(2)を満たすトナートナー粒子を得るには、例えば、次の方法が挙げられる。
分散液調製工程において、ビニル系樹脂粒子分散液と、ビニル系樹脂粒子以外の粒子(結着樹脂粒子、着色剤粒子、離型剤粒子等)以外が分散した分散液を混合した混合分散液を準備する。混合分散液のpHを2以上5以下の間の値に調整し、撹拌翼の先端速度を、例えば、0.28m/sec以上0.57m/sec以下(例えば、直径20cmの攪拌翼の場合、回転数26.7rpm以上54.4rpm以下)でゆっくりと撹拌した混合分散液中に、ビニル系樹脂粒子分散液を滴下し、凝集粒子を形成する。それにより、ビニル系樹脂粒子が、他の粒子に対して分散性よく凝集する。その結果、トナー粒子中のビニル系樹脂粒子の分散性が高まり、式(1)および(2)を満たすトナートナー粒子が得られる。
また、混合分散液中に、ビニル系樹脂粒子分散液を滴下し、凝集粒子を形成するとき、混合分散液中に凝集剤を添加してもよい。
【0099】
以下、各工程の詳細について説明する。
なお、以下の説明では、着色剤、離型剤を含むトナー粒子を得る方法について説明するが、着色剤は、必要に応じて用いられるものである。無論、着色剤以外のその他添加剤を用いてもよい。
【0100】
-分散液準備工程-
まず、結着樹脂となる結着樹脂粒子が分散された結着樹脂粒子分散液と共に、着色剤粒子が分散された着色剤粒子分散液、離型剤粒子が分散された離型剤粒子分散液を準備する。
【0101】
ここで、結着樹脂粒子分散液は、例えば、結着樹脂粒子を界面活性剤により分散媒中に分散させることにより調製する。
【0102】
結着樹脂粒子分散液に用いる分散媒としては、例えば水系媒体が挙げられる。
水系媒体としては、例えば、蒸留水、イオン交換水等の水、アルコール類等が挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
【0103】
界面活性剤としては、例えば、硫酸エステル塩系、スルホン酸塩系、リン酸エステル系、せっけん系等のアニオン界面活性剤;アミン塩型、4級アンモニウム塩型等のカチオン界面活性剤;ポリエチレングリコール系、アルキルフェノールエチレンオキサイド付加物系、多価アルコール系等の非イオン系界面活性剤等が挙げられる。これらの中でも特に、アニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤が挙げられる。非イオン系界面活性剤は、アニオン界面活性剤又はカチオン界面活性剤と併用してもよい。
界面活性剤は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
【0104】
結着樹脂粒子分散液において、結着樹脂粒子を分散媒に分散する方法としては、例えば回転せん断型ホモジナイザーや、メディアを有するボールミル、サンドミル、ダイノミル等の一般的な分散方法が挙げられる。また、結着樹脂粒子の種類によっては、例えば転相乳化法を用いて結着樹脂粒子分散液中に結着樹脂粒子を分散させてもよい。
なお、転相乳化法とは、分散すべき樹脂を、その樹脂が可溶な疎水性有機溶剤中に溶解せしめ、有機連続相(O相)に塩基を加えて、中和したのち、水媒体(W相)を投入することによって、W/OからO/Wへの、樹脂の変換(いわゆる転相)が行われて不連続相化し、樹脂を、水媒体中に粒子状に分散する方法である。
【0105】
結着樹脂粒子分散液中に分散する結着樹脂粒子の体積平均粒径としては、例えば0.01μm以上1μm以下が好ましく、0.08μm以上0.8μm以下がより好ましく、0.1μm以上0.6μm以下がさらに好ましい。
なお、結着樹脂粒子の体積平均粒径は、レーザー波形式粒度分布測定装置(例えば、ベックマンコールター社製、LS-13 320)の測定によって得られた粒度分布を用い、分割された粒度範囲(チャンネル)に対し、体積について小粒径側から累積分布を引き
、全粒子に対して累積50%となる粒径を体積平均粒径D50vとして測定される。なお、他の分散液中の粒子の体積平均粒径も同様に測定される。
【0106】
結着樹脂粒子分散液に含まれる結着樹脂粒子の含有量としては、例えば、5質量%以上50質量%以下が好ましく、10質量%以上40質量%以下がより好ましい。
【0107】
なお、結着樹脂粒子分散液と同様にして、例えば、着色剤粒子分散液、離型剤粒子分散液も調製される。つまり、結着樹脂粒子分散液における粒子の体積平均粒径、分散媒、分散方法、及び粒子の含有量に関しては、着色剤粒子分散液中に分散する着色剤粒子、及び離型剤粒子分散液中に分散する離型剤粒子についても同様である。
【0108】
・ビニル系樹脂粒子分散液の調製
ビニル系樹脂粒子分散液の調製方法としては、例えば、乳化重合法、バンバリーミキサーやニーダー等を用いる溶融混練法、懸濁重合法、噴霧乾燥法等、公知の方法が適用されるが、乳化重合法が好ましい。
【0109】
損失係数を好ましい範囲内とする観点から、単量体としてスチレン系単量体及び(メタ)アクリル酸系単量体を用い、架橋剤存在下で重合することが好ましい。
また、ビニル系樹脂粒子の製造において、複数回の乳化重合を行うことが好ましい。
以下、ビニル系樹脂粒子の製造方法についてより具体的に説明する。
【0110】
ビニル系樹脂粒子分散液の調製方法は、
単量体、架橋剤、界面活性剤、及び水を含む乳化液を得る工程(乳化液調製工程)と、
乳化液に対して重合開始剤を添加し、加熱することで単量体を重合する工程(第一乳化重合工程)と、
第一乳化重合工程後の反応溶液に、単量体を含む乳化液を追加して、加熱することで単量体を重合する工程(第二乳化重合工程)と、を含むことが好ましい。
【0111】
ここで、単量体としてスチレン系単量体及び(メタ)アクリル酸系単量体を用いる場合、第一乳化重合工程において反応溶液中に含有する単量体中のスチレン系単量体の割合と、第二乳化重合工程において追加される単量体中のスチレン系単量体の割合とを、反応性の違いを考慮して割合を調整することで分子の連鎖状態または樹脂の架橋状態を変化させることが出来る。
単量体の比率の調整のほか、単量体の反応性を考慮し、重合温度、重合開始剤添加量および添加方法、乳化液の滴下速度、架橋剤の添加量等により分子の連鎖状態または樹脂の架橋状態を変化させることが出来る。
【0112】
・乳化液調製工程
単量体、架橋剤、界面活性剤、及び水を含む乳化液を得る工程である。
単量体、架橋剤、界面活性剤、及び水を、乳化機により乳化することで乳化液を得ることが好ましい。
乳化機としては、例えば、プロペラ型、アンカー型、パドル型、又はタービン型の撹拌羽根を備えた回転式攪拌機、スタティックミキサー等の静止型混合器、ホモジナイザー、クレアミックス等のローター・ステーター型乳化機、磨砕機能を備えたミル型乳化機、マントンゴーリン式圧力乳化機等の高圧乳化機、高圧下でキャビテーションを発生させる高圧ノズル型乳化機、マイクロフルイダイザー等の高圧下で液同士を衝突させることによりせん断力を与える高圧衝突型乳化機、超音波でキャビテーションを発生させる超音波乳化機、細孔を通して均一乳化を行う膜乳化機等が例示される。
【0113】
単量体としてはスチレン系単量体及び(メタ)アクリル酸系単量体を用いることが好ま
しい。
架橋剤としては既述のものが適用される。
【0114】
界面活性剤としては、例えば、硫酸エステル塩系、スルホン酸塩系、リン酸エステル系、せっけん系等のアニオン界面活性剤;アミン塩型、4級アンモニウム塩型等のカチオン界面活性剤;ポリエチレングリコール系、アルキルフェノールエチレンオキサイド付加物系、多価アルコール系等の非イオン系界面活性剤等が挙げられる。非イオン系界面活性剤は、アニオン界面活性剤又はカチオン界面活性剤と併用してもよい。これらの中でも、アニオン界面活性剤が好ましい。界面活性剤は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
【0115】
乳化液は連鎖移動剤を含んでもよい。連鎖移動剤としては特に制限はないが、チオール成分を有する化合物を用いることができる。具体的には、ヘキシルメルカプタン、ヘプチルメルカプタン、オクチルメルカプタン、ノニルメルカプタン、デシルメルカプタン、ドデシルメルカプタン等のアルキルメルカプタン類が好ましい。
【0116】
・第一乳化重合工程
乳化液に対して重合開始剤を添加し、加熱することで単量体を重合する工程である。
ここで、重合する際、重合開始剤を含んだ乳化液(反応溶液)を撹拌機により撹拌することが好ましい。
撹拌機としては、プロペラ型、アンカー型、パドル型、又はタービン型の撹拌羽根を備えた回転式撹拌機が挙げられる。
重合開始剤としては、過硫酸アンモニウムを用いることが好ましい。
【0117】
・第二乳化重合工程
第一乳化重合工程後の反応溶液に、単量体を含む乳化液を追加して、加熱することで単量体を重合する工程である。
重合する際、第一乳化重合工程と同様に反応溶液を撹拌することが好ましい。
また、本工程では、単量体を含む乳化液中のスチレンモノマーと(メタ)アクリレートモノマーの比率を変更して複数回に分割して乳化液を追加してもよい。
単量体を含む乳化液は、例えば、単量体、界面活性剤、及び水を乳化機により乳化することで乳化液を得ることが好ましい。
【0118】
以上の工程によりビニル系樹脂粒子分散液を調製することが好ましい。
【0119】
-凝集粒子形成工程-
次に、結着樹脂粒子分散液と共に、着色剤粒子分散液と、離型剤粒子分散液とを混合する。混合分散液のpHを2以上5以下の間の値に調整し、ビニル系樹脂粒子分散液のpHを混合分散液のpHの±0.5の範囲に調整する。
そして、撹拌翼の先端速度を例えば0.28m/sec以上0.57m/sec以下(例えば直径20cmの攪拌翼の場合、回転数26.7rpm以上54.4rpm以下)でゆっくりと混合分散液を撹拌しつつ、混合分散液中に、混合分散液に、ビニル系樹脂粒子分散液を滴下し、結着樹脂粒子と着色剤粒子と離型剤粒子とビニル系樹脂粒子とをヘテロ凝集させ目的とするトナー粒子の径に近い径を持つ、結着樹脂粒子と着色剤粒子と離型剤粒子とビニル系樹脂粒子とを含む凝集粒子を形成する。
【0120】
具体的には、例えば、混合分散液に凝集剤を添加すると共に、混合分散液のpHを酸性(例えばpHが2以上5以下)に調整し、必要に応じて分散安定剤を添加した後、樹脂粒子のガラス転移温度(具体的には、例えば、結着樹脂粒子のガラス転移温度-30℃以上ガラス転移温度-10℃以下)の温度に加熱し、混合分散液に分散された粒子を凝集させて、凝集粒子を形成する。
凝集粒子形成工程においては、例えば、ビニル系樹脂粒子分散液を滴下した混合分散液を回転せん断型ホモジナイザーで攪拌下、室温(例えば25℃)で上記凝集剤を添加し、混合分散液のpHを酸性(例えばpHが2以上5以下)に調整し、必要に応じて分散安定剤を添加した後に、上記加熱を行ってもよい。
【0121】
凝集剤としては、例えば、混合分散液に添加される分散剤として用いる界面活性剤と逆極性の界面活性剤、無機金属塩、2価以上の金属錯体が挙げられる。特に、凝集剤として金属錯体を用いた場合には、界面活性剤の使用量が低減され、帯電特性が向上する。
凝集剤の金属イオンと錯体もしくは類似の結合を形成する添加剤を必要に応じて用いてもよい。この添加剤としては、キレート剤が好適に用いられる。
【0122】
無機金属塩としては、例えば、塩化カルシウム、硝酸カルシウム、塩化バリウム、塩化マグネシウム、塩化亜鉛、塩化アルミニウム、硫酸アルミニウム等の金属塩、及び、ポリ塩化アルミニウム、ポリ水酸化アルミニウム、多硫化カルシウム等の無機金属塩重合体等が挙げられる。
キレート剤としては、水溶性のキレート剤を用いてもよい。キレート剤としては、例えば、酒石酸、クエン酸、グルコン酸等のオキシカルボン酸、イミノジ酢酸(IDA)、ニトリロトリ酢酸(NTA)、エチレンジアミンテトラ酢酸(EDTA)等が挙げられる。
キレート剤の添加量としては、例えば、樹脂粒子100質量部に対して0.01質量部以上5.0質量部以下が好ましく、0.1質量部以上3.0質量部未満がより好ましい。
【0123】
-融合・合一工程-
次に、凝集粒子が分散された凝集粒子分散液に対して、例えば、結着樹脂粒子のガラス転移温度以上(例えば結着樹脂粒子のガラス転移温度より10から30℃高い温度以上)に加熱して、凝集粒子を融合・合一し、トナー粒子を形成する。
【0124】
以上の工程を経て、トナー粒子が得られる。
なお、凝集粒子が分散された凝集粒子分散液を得た後、当該凝集粒子分散液と、結着樹脂粒子分散液と、をさらに混合し、凝集粒子の表面にさらに結着樹脂粒子を付着するように凝集して、第2凝集粒子を形成する工程と、第2凝集粒子が分散された第2凝集粒子分散液に対して加熱をし、第2凝集粒子を融合・合一して、コア/シェル構造のトナー粒子を形成する工程と、を経て、トナー粒子を製造してもよい。
【0125】
ここで、融合・合一工程終了後は、溶液中に形成されたトナー粒子を、公知の洗浄工程、固液分離工程、乾燥工程を経て乾燥した状態のトナー粒子を得る。
洗浄工程は、帯電性の点から充分にイオン交換水による置換洗浄を施すことがよい。また、固液分離工程は、特に制限はないが、生産性の点から吸引濾過、加圧濾過等を施すことがよい。また、乾燥工程も特に方法に制限はないが、生産性の点から凍結乾燥、気流乾燥、流動乾燥、振動型流動乾燥等を施すことがよい。
【0126】
そして、本実施形態に係るトナーは、例えば、得られた乾燥状態のトナー粒子に、外添剤を添加し、混合することにより製造される。混合は、例えばVブレンダー、ヘンシェルミキサー、レーディゲミキサー等によって行うことがよい。更に、必要に応じて、振動篩分機、風力篩分機等を使ってトナーの粗大粒子を取り除いてもよい。
【0127】
<静電荷像現像剤>
本実施形態に係る静電荷像現像剤は、本実施形態に係るトナーを少なくとも含むものである。
本実施形態に係る静電荷像現像剤は、本実施形態に係るトナーのみを含む一成分現像剤であってもよいし、当該トナーとキャリアと混合した二成分現像剤であってもよい。
【0128】
キャリアとしては、特に制限はなく、公知のキャリアが挙げられる。キャリアとしては、例えば、磁性粉からなる芯材の表面に被覆樹脂を被覆した被覆キャリア;マトリックス樹脂中に磁性粉が分散・配合された磁性粉分散型キャリア;多孔質の磁性粉に樹脂を含浸
させた樹脂含浸型キャリア;等が挙げられる。
なお、磁性粉分散型キャリア、及び樹脂含浸型キャリアは、当該キャリアの構成粒子を芯材とし、これに被覆樹脂により被覆したキャリアであってもよい。
【0129】
磁性粉としては、例えば、鉄、ニッケル、コバルト等の磁性金属、フェライト、マグネタイト等の磁性酸化物等が挙げられる。
【0130】
被覆樹脂、及びマトリックス樹脂としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリビニルアセテート、ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラール、ポリ塩化ビニル、ポリビニルエーテル、ポリビニルケトン、塩化ビニル-酢酸ビニル共重合体、スチレン-アクリル酸エステル共重合体、オルガノシロキサン結合を含んで構成されるストレートシリコーン樹脂又はその変性品、フッ素樹脂、ポリエステル、ポリカーボネート、フェノール樹脂、エポキシ樹脂等が挙げられる。
なお、被覆樹脂、及びマトリックス樹脂には、導電性粒子等、その他添加剤を含ませてもよい。
導電性粒子としては、金、銀、銅等の金属、カーボンブラック、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化スズ、硫酸バリウム、ホウ酸アルミニウム、チタン酸カリウム等の粒子が挙げられる。
【0131】
ここで、芯材の表面に被覆樹脂を被覆するには、被覆樹脂、及び必要に応じて各種添加剤を適当な溶媒に溶解した被覆層形成用溶液により被覆する方法等が挙げられる。溶媒としては、特に限定されるものではなく、使用する被覆樹脂、塗布適性等を勘案して選択すればよい。
具体的な樹脂被覆方法としては、芯材を被覆層形成用溶液中に浸漬する浸漬法、被覆層形成用溶液を芯材表面に噴霧するスプレー法、芯材を流動エアーにより浮遊させた状態で被覆層形成用溶液を噴霧する流動床法、ニーダーコーター中でキャリアの芯材と被覆層形成用溶液とを混合し、溶剤を除去するニーダーコーター法等が挙げられる。
【0132】
二成分現像剤における、トナーとキャリアとの混合比(質量比)は、トナー:キャリア=1:100乃至30:100が好ましく、3:100乃至20:100がより好ましい。
【0133】
<画像形成装置/画像形成方法>
本実施形態に係る画像形成装置/画像形成方法について説明する。
本実施形態に係る画像形成装置は、像保持体と、像保持体の表面を帯電する帯電手段と、帯電した像保持体の表面に静電荷像を形成する静電荷像形成手段と、静電荷像現像剤を収容し、静電荷像現像剤により、像保持体の表面に形成された静電荷像をトナー画像として現像する現像手段と、像保持体の表面に形成されたトナー画像を記録媒体の表面に転写する転写手段と、記録媒体の表面に転写されたトナー画像を定着する定着手段と、を備える。そして、静電荷像現像剤として、本実施形態に係る静電荷像現像剤が適用される。
【0134】
本実施形態に係る画像形成装置では、像保持体の表面を帯電する帯電工程と、帯電した像保持体の表面に静電荷像を形成する静電荷像形成工程と、本実施形態に係る静電荷像現像剤により、像保持体の表面に形成された静電荷像をトナー画像として現像する現像工程と、像保持体の表面に形成されたトナー画像を記録媒体の表面に転写する転写工程と、記録媒体の表面に転写されたトナー画像を定着する定着工程と、を有する画像形成方法(本実施形態に係る画像形成方法)が実施される。
【0135】
本実施形態に係る画像形成装置は、像保持体の表面に形成されたトナー画像を直接記録媒体に転写する直接転写方式の装置;像保持体の表面に形成されたトナー画像を中間転写
体の表面に一次転写し、中間転写体の表面に転写されたトナー画像を記録媒体の表面に二次転写する中間転写方式の装置;トナー画像の転写後、帯電前の像保持体の表面をクリーニングするクリーニング手段を備えた装置;トナー画像の転写後、帯電前に像保持体の表面に除電光を照射して除電する除電手段を備える装置等の周知の画像形成装置が適用される。
中間転写方式の装置の場合、転写手段は、例えば、表面にトナー画像が転写される中間転写体と、像保持体の表面に形成されたトナー画像を中間転写体の表面に一次転写する一次転写手段と、中間転写体の表面に転写されたトナー画像を記録媒体の表面に二次転写する二次転写手段と、を有する構成が適用される。
【0136】
なお、本実施形態に係る画像形成装置において、例えば、現像手段を含む部分が、画像形成装置に対して脱着されるカートリッジ構造(プロセスカートリッジ)であってもよい。プロセスカートリッジとしては、例えば、本実施形態に係る静電荷像現像剤を収容した現像手段を備えるプロセスカートリッジが好適に用いられる。
【0137】
以下、本実施形態に係る画像形成装置の一例を示すが、これに限定されるわけではない。なお、図に示す主要部を説明し、その他はその説明を省略する。
【0138】
図1は、本実施形態に係る画像形成装置を示す概略構成図である。
図1に示す画像形成装置は、色分解された画像データに基づくイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の各色の画像を出力する電子写真方式の第1乃至第4の画像形成ユニット10Y、10M、10C、10K(画像形成手段)を備えている。これらの画像形成ユニット(以下、単に「ユニット」と称する場合がある)10Y、10M、10C、10Kは、水平方向に互いに予め定められた距離離間して並設されている。なお、これらユニット10Y、10M、10C、10Kは、画像形成装置に対して脱着するプロセスカートリッジであってもよい。
【0139】
各ユニット10Y、10M、10C、10Kの図面における上方には、各ユニットを通して中間転写体としての中間転写ベルト20が延設されている。中間転写ベルト20は、図における左から右方向に互いに離間して配置された駆動ロール22及び中間転写ベルト20内面に接する支持ロール24に巻きつけて設けられ、第1のユニット10Yから第4のユニット10Kに向う方向に走行されるようになっている。なお、支持ロール24は、図示しないバネ等により駆動ロール22から離れる方向に力が加えられており、両者に巻きつけられた中間転写ベルト20に張力が与えられている。また、中間転写ベルト20の像保持体側面には、駆動ロール22と対向して中間転写体クリーニング装置30が備えられている。
また、各ユニット10Y、10M、10C、10Kの現像装置(現像手段)4Y、4M、4C、4Kのそれぞれには、トナーカートリッジ8Y、8M、8C、8Kに収められたイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの4色のトナーを含むトナーの供給がなされる。
【0140】
第1乃至第4のユニット10Y、10M、10C、10Kは、同等の構成を有しているため、ここでは中間転写ベルト走行方向の上流側に配設されたイエロー画像を形成する第1のユニット10Yについて代表して説明する。なお、第1のユニット10Yと同等の部分に、イエロー(Y)の代わりに、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)を付した参照符号を付すことにより、第2乃至第4のユニット10M、10C、10Kの説明を省略する。
【0141】
第1のユニット10Yは、像保持体として作用する感光体1Yを有している。感光体1Yの周囲には、感光体1Yの表面を予め定められた電位に帯電させる帯電ロール(帯電手段の一例)2Y、帯電された表面を色分解された画像信号に基づくレーザ光線3Yによっ
て露光して静電荷像を形成する露光装置(静電荷像形成手段の一例)3、静電荷像に帯電したトナーを供給して静電荷像を現像する現像装置(現像手段の一例)4Y、現像したトナー画像を中間転写ベルト20上に転写する一次転写ロール5Y(一次転写手段の一例)、及び一次転写後に感光体1Yの表面に残存するトナーを除去する感光体クリーニング装置(クリーニング手段の一例)6Yが順に配置されている。
なお、一次転写ロール5Yは、中間転写ベルト20の内側に配置され、感光体1Yに対向した位置に設けられている。更に、各一次転写ロール5Y、5M、5C、5Kには、一次転写バイアスを印加するバイアス電源(図示せず)がそれぞれ接続されている。各バイアス電源は、図示しない制御部による制御によって、各一次転写ロールに印加する転写バイアスを可変する。
【0142】
以下、第1ユニット10Yにおいてイエロー画像を形成する動作について説明する。
まず、動作に先立って、帯電ロール2Yによって感光体1Yの表面が-600V乃至-800Vの電位に帯電される。
感光体1Yは、導電性(例えば20℃における体積抵抗率:1×10-6Ωcm以下)の基体上に感光層を積層して形成されている。この感光層は、通常は高抵抗(一般の樹脂の抵抗)であるが、レーザ光線3Yが照射されると、レーザ光線が照射された部分の比抵抗が変化する性質を持っている。そこで、帯電した感光体1Yの表面に、図示しない制御部から送られてくるイエロー用の画像データに従って、露光装置3を介してレーザ光線3Yを出力する。レーザ光線3Yは、感光体1Yの表面の感光層に照射され、それにより、イエロー画像パターンの静電荷像が感光体1Yの表面に形成される。
【0143】
静電荷像とは、帯電によって感光体1Yの表面に形成される像であり、レーザ光線3Yによって、感光層の被照射部分の比抵抗が低下し、感光体1Yの表面の帯電した電荷が流れ、一方、レーザ光線3Yが照射されなかった部分の電荷が残留することによって形成される、いわゆるネガ潜像である。
感光体1Y上に形成された静電荷像は、感光体1Yの走行に従って予め定められた現像位置まで回転される。そして、この現像位置で、感光体1Y上の静電荷像が、現像装置4Yによってトナー画像として可視像(現像像)化される。
【0144】
現像装置4Y内には、例えば、少なくともイエロートナーとキャリアとを含む静電荷像現像剤が収容されている。イエロートナーは、現像装置4Yの内部で攪拌されることで摩擦帯電し、感光体1Y上に帯電した帯電荷と同極性(負極性)の電荷を有して現像剤ロール(現像剤保持体の一例)上に保持されている。そして感光体1Yの表面が現像装置4Yを通過していくことにより、感光体1Y表面上の除電された潜像部にイエロートナーが静電的に付着し、潜像がイエロートナーによって現像される。イエローのトナー画像が形成された感光体1Yは、引続き予め定められた速度で走行され、感光体1Y上に現像されたトナー画像が予め定められた一次転写位置へ搬送される。
【0145】
感光体1Y上のイエロートナー画像が一次転写へ搬送されると、一次転写ロール5Yに一次転写バイアスが印加され、感光体1Yから一次転写ロール5Yに向う静電気力がトナー画像に作用され、感光体1Y上のトナー画像が中間転写ベルト20上に転写される。このとき印加される転写バイアスは、トナーの極性(-)と逆極性の(+)極性であり、例えば第1ユニット10Yでは制御部に(図示せず)よって+10μAに制御されている。
一方、感光体1Y上に残留したトナーは感光体クリーニング装置6Yで除去されて回収される。
【0146】
また、第2のユニット10M以降の一次転写ロール5M、5C、5Kに印加される一次転写バイアスも、第1のユニットに準じて制御されている。
こうして、第1のユニット10Yにてイエロートナー画像の転写された中間転写ベルト
20は、第2乃至第4のユニット10M、10C、10Kを通して順次搬送され、各色のトナー画像が重ねられて多重転写される。
【0147】
第1乃至第4のユニットを通して4色のトナー画像が多重転写された中間転写ベルト20は、中間転写ベルト20と中間転写ベルト内面に接する支持ロール24と中間転写ベルト20の像保持面側に配置された二次転写ロール(二次転写手段の一例)26とから構成された二次転写部へと至る。一方、記録紙(記録媒体の一例)Pが供給機構を介して二次転写ロール26と中間転写ベルト20とが接触した隙間に予め定められたタイミングで給紙され、二次転写バイアスが支持ロール24に印加される。このとき印加される転写バイアスは、トナーの極性(-)と同極性の(-)極性であり、中間転写ベルト20から記録紙Pに向う静電気力がトナー画像に作用され、中間転写ベルト20上のトナー画像が記録紙P上に転写される。なお、この際の二次転写バイアスは二次転写部の抵抗を検出する抵抗検出手段(図示せず)により検出された抵抗に応じて決定されるものであり、電圧制御されている。
【0148】
この後、記録紙Pは定着装置(定着手段の一例)28における一対の定着ロールの圧接部(ニップ部)へと送り込まれトナー画像が記録紙P上へ定着され、定着画像が形成される。
【0149】
トナー画像を転写する記録紙Pとしては、例えば、電子写真方式の複写機、プリンター等に使用される普通紙が挙げられる。記録媒体は記録紙P以外にも、OHPシート等も挙げられる。
定着後における画像表面の平滑性をさらに向上させるには、記録紙Pの表面も平滑が好ましく、例えば、普通紙の表面を樹脂等でコーティングしたコート紙、印刷用のアート紙等が好適に使用される。
【0150】
カラー画像の定着が完了した記録紙Pは、排出部へ向けて搬出され、一連のカラー画像形成動作が終了される。
【0151】
<プロセスカートリッジ/トナーカートリッジ>
本実施形態に係るプロセスカートリッジについて説明する。
本実施形態に係るプロセスカートリッジは、本実施形態に係る静電荷像現像剤を収容し、静電荷像現像剤により、像保持体の表面に形成された静電荷像をトナー画像として現像する現像手段を備え、画像形成装置に着脱されるプロセスカートリッジである。
【0152】
なお、本実施形態に係るプロセスカートリッジは、上記構成に限られず、現像装置と、その他、必要に応じて、例えば、像保持体、帯電手段、静電荷像形成手段、及び転写手段等のその他手段から選択される少なくとも一つと、を備える構成であってもよい。
【0153】
以下、本実施形態に係るプロセスカートリッジの一例を示すが、これに限定されるわけではない。なお、図に示す主要部を説明し、その他はその説明を省略する。
【0154】
図2は、本実施形態に係るプロセスカートリッジを示す概略構成図である。
図2に示すプロセスカートリッジ200は、例えば、取り付けレール116及び露光のための開口部118が備えられた筐体117により、感光体107(像保持体の一例)と、感光体107の周囲に備えられた帯電ロール108(帯電手段の一例)、現像装置111(現像手段の一例)、及び感光体クリーニング装置113(クリーニング手段の一例)を一体的に組み合わせて保持して構成し、カートリッジ化されている。
なお、図2中、109は露光装置(静電荷像形成手段の一例)、112は転写装置(転写手段の一例)、115は定着装置(定着手段の一例)、300は記録紙(記録媒体の一
例)を示している。
【0155】
次に、本実施形態に係るトナーカートリッジについて説明する。
本実施形態に係るトナーカートリッジは、本実施形態に係るトナーを収容し、画像形成装置に着脱されるトナーカートリッジである。トナーカートリッジは、画像形成装置内に設けられた現像手段に供給するための補給用のトナーを収容するものである。
【0156】
なお、図1に示す画像形成装置は、トナーカートリッジ8Y、8M、8C、8Kの着脱される構成を有する画像形成装置であり、現像装置4Y、4M、4C、4Kは、各々の現像装置(色)に対応したトナーカートリッジと、図示しないトナー供給管で接続されている。また、トナーカートリッジ内に収容されているトナーが少なくなった場合には、このトナーカートリッジが交換される。
【実施例0157】
以下に実施例について説明するが、本発明はこれらの実施例に何ら限定されるものではない。なお、以下の説明において、特に断りのない限り、「部」及び「%」はすべて質量基準である。
【0158】
<非晶性樹脂粒子分散液の調製>
(非晶性ポリステル樹脂粒子分散液(1)の作製)
・テレフタル酸 :28モル部
・イソフタル酸(IPA) :15モル部
・アジピン酸 :5モル部
・無水トリメリット酸 :2モル部
・ビスフェノールAプロピレンオキサイド2モル付加物:50モル部
攪拌装置、窒素導入管、温度センサ及び精留塔を備えた反応容器に上記の材料を仕込み、1時間かけて温度を190℃まで上げ、上記材料100部に対してジブチル錫オキサイド1.2部を投入した。生成する水を留去しながら6時間かけて温度を240℃まで上げ、240℃を維持して3時間脱水縮合反応を継続した後冷却し、ポリエステル樹脂(1)を得た。
非晶性ポリエステル樹脂(1)の酸価は10.5、ガラス転移温度は59.0℃であった。
【0159】
・非晶性ポリエステル樹脂(1):100部
・メチルエチルケトン : 60部
・イソプロパノール : 10部
・10%アンモニア水溶液 : 3.5部
コンデンサー、温度計、水滴下装置及びアンカー翼を備えたジャケット付き反応槽に上記の材料を投入し、水循環式恒温槽にて液温を50℃に維持しながら、100rpmで攪拌混合しつつ樹脂を溶解させた。次いで、水循環式恒温槽を40℃に設定し、40℃に保温されたイオン交換水を3部/分の速度で合計300部滴下し転相させて、乳化液を得た。得られた乳化液をナスフラスコに入れ、トラップ球を介して真空制御ユニットを備えたエバポレーターにセットした。ナスフラスコを回転させながら60℃の湯バスで加温し、突沸に注意しつつ7kPaまで減圧し溶剤を除去した後、常圧に戻し、ナスフラスコを水冷して分散液を得た。分散液にイオン交換水を加えて、固形分量20%の非晶性ポリエステル樹脂粒子分散液(1)を得た。非晶性ポリエステル樹脂粒子分散液(1)における樹脂粒子の体積平均粒径は180nmであった。
【0160】
(非晶性ポリエステル樹脂粒子分散液(2)の作製)
テレフタル酸:28モル部を43モル部、イソフタル酸(IPA):15モル部を0モル部に変更した以外は、非晶性ポリエステル樹脂分散液(1)の作製と同様に、非晶性ポリエステル樹脂粒子分散液(2)を得た。
非晶性ポリエステル樹脂(2)の酸価は10.5、ガラス転移点は62℃、非晶性ポリエステル樹脂分散液(2)における樹脂粒子の体積平均粒径は185nm、固形分率は20%であった。
【0161】
(非晶性ポリエステル樹脂粒子分散液(3)の作製)
テレフタル酸:28モル部を20モル部、イソフタル酸(IPA):15モル部を23モル部に変更した以外は、非晶性ポリエステル樹脂分散液(1)の作製と同様に、非晶性ポリエステル樹脂粒子分散液(3)を得た。
非晶性ポリエステル樹脂(3)の酸価は10.5、ガラス転移点は60℃、非晶性ポリエステル樹脂分散液(3)における樹脂粒子の体積平均粒径は183nm、固形分率は20%であった。
【0162】
(非晶性ポリエステル樹脂粒子分散液(4)の作製)
テレフタル酸:28モル部を17モル部、イソフタル酸(IPA):15モル部を26モル部に変更した以外は、非晶性ポリエステル樹脂分散液(1)の作製と同様に、非晶性ポリエステル樹脂粒子分散液(4)を得た。
非晶性ポリエステル樹脂(4)の酸価は10.5、ガラス転移点は55℃、非晶性ポリエステル樹脂分散液(4)における樹脂粒子の体積平均粒径は180nm、固形分率は20%であった。
【0163】
(非晶性ポリエステル樹脂粒子分散液(5)の作製)
テレフタル酸:28モル部を37モル部、イソフタル酸(IPA):15モル部を6モル部に変更した以外は、非晶性ポリエステル樹脂分散液(1)の作製と同様に、非晶性ポリエステル樹脂粒子分散液(5)を得た。
非晶性ポリエステル樹脂(5)の酸価は10.5、ガラス転移点は61℃、非晶性ポリエステル樹脂分散液(5)における樹脂粒子の体積平均粒径は187nm、固形分率は20%であった。
【0164】
(非晶性ポリエステル樹脂粒子分散液(6)の作製)
テレフタル酸:28モル部を33モル部、アジピン酸:5部を0部、ビスフェノールAプロピレンオキサイド2モル付加物:50モル部をビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物:50モル部に非晶性ポリエステル樹脂分散液(1)の作製と同様に、非晶性ポリエステル樹脂粒子分散液(6)を得た。
非晶性ポリエステル樹脂(6)の酸価は11.0、ガラス転移点は61℃、非晶性ポリエステル樹脂分散液(5)における樹脂粒子の体積平均粒径は185nm、固形分率は20%であった。
【0165】
(非晶性ポリエステル樹脂粒子分散液(7)の作製)
・ビスフェノールAエチレンオキサイド2.2モル付加物 :40モル部
・ビスフェノールAプロピレンオキサイド2.2モル付加物:60モル部
・テレフタル酸ジメチル :60モル部
・フマル酸ジメチル :15モル部
・ドデセニルコハク酸無水物 :20モル部
・トリメリット酸無水物 : 5モル部
攪拌器、温度計、コンデンサー及び窒素ガス導入管を備えた反応容器に、上記モノマーのうちフマル酸とトリメリット酸無水物以外と、ジオクタン酸スズを上記モノマーの合計100部に対して0.25部投入した。窒素ガス気流下、235℃で6時間反応させた後、200℃に降温して、フマル酸とトリメリット酸無水物を投入し1時間反応させた。温度を220℃まで5時間かけて昇温し、10kPaの圧力下で所望の分子量になるまで重合させ、淡黄色透明なポリエステル樹脂(7)を得た。
ポリエステル樹脂(7)は、ガラス転移温度が59℃であった。
次に、得られたポリエステル樹脂(7)をキャビトロンCD1010(株式会社ユーロテック製)を高温高圧型に改造した分散機を用いて分散した。イオン交換水80%、ポリエステル樹脂の濃度が20%の組成比で、アンモニアによりpHを8.5に調整し、回転子の回転速度が60Hz、圧力が5Kg/cm2、熱交換器による加熱140℃、の条件でキャビトロンを運転し、ポリエステル樹脂分散液(固形分20%)を得た。
この分散液における樹脂粒子の体積平均粒径は130nmであった。分散液にイオン交換水を加えて固形分量を20%に調製し、これをポリエステル樹脂粒子分散液(7)とした。
【0166】
なお、表1中、非晶性ポリエステル樹脂粒子分散液(1)~(7)は、Amo1~7と略記する。
【0167】
<結晶性樹脂分散液の作製>
(結晶性ポリエステル樹脂粒子分散液(1)の作製)
・ドデカン二酸 :50モル部
・1,6-ヘキサンジオール:50モル部
攪拌装置、窒素導入管、温度センサ及び精留塔を備えた反応容器に上記の材料を仕込み、1時間かけて温度を160℃まで上げ、上記材料100部に対してジブチル錫オキサイド0.8部を投入した。生成する水を留去しながら6時間かけて温度を180℃まで上げ、180℃を維持して5時間攪拌し、かつ、還流して反応を進行させた。次いで、減圧下(3kPa)において230℃まで徐々に温度を上げ、230℃を維持して2時間攪拌を行った。次いで、反応物を冷却した。冷却後、固液分離を行い、固形物を乾燥させ、結晶性ポリエステル樹脂(1)を得た。結晶性ポリエステル樹脂(1)の重量平均分子量は29,000であった。
【0168】
・結晶性ポリエステル樹脂(1):100部
・メチルエチルケトン : 70部
・イソプロパノール : 12部
・10%アンモニア水溶液 : 3部
コンデンサー、温度計、水滴下装置及びアンカー翼を備えたジャケット付き反応槽に上記の材料を投入し、水循環式恒温槽にて液温を80℃に維持しながら、100rpmで攪拌混合しつつ樹脂を溶解させた。次いで、水循環式恒温槽を60℃に設定し、60℃に保温されたイオン交換水を3部/分の速度で合計300部滴下し転相させて、乳化液を得た。得られた乳化液をナスフラスコに入れ、トラップ球を介して真空制御ユニットを備えたエバポレーターにセットした。ナスフラスコを回転させながら60℃の湯バスで加温し、突沸に注意しつつ7kPaまで減圧し溶剤を除去した後、常圧に戻し、ナスフラスコを水冷して分散液を得た。分散液にイオン交換水を加えて、固形分量20%の結晶性ポリエステル樹脂粒子分散液(1)を得た。結晶性ポリエステル樹脂粒子分散液(1)における樹脂粒子の体積平均粒径は160nmであった。
【0169】
(結晶性ポリエステル樹脂粒子分散液(2)の作製)
・ドデカン二酸 :50モル部
・1,9-ノナンジオール :50モル部
攪拌器、温度計、コンデンサー及び窒素ガス導入管を備えた反応容器に上記モノマーを入れ、反応容器中を乾燥窒素ガスで置換した後、チタンテトラブトキサイドを前記モノマー100部に対して0.25部投入した。窒素ガス気流下、170℃で3時間攪拌し反応させた後、温度をさらに210℃まで1時間かけて昇温し、反応容器内を3kPaまで減圧し、減圧下で13時間攪拌し反応させて、結晶性ポリエステル樹脂(2)を得た。
結晶性ポリエステル樹脂(2)は、重量平均分子量が25,000であった。
次に、得られた結晶性ポリエステル樹脂(2)をキャビトロンCD1010(株式会社ユーロテック製)を高温高圧型に改造した分散機を用いて分散した。イオン交換水80%、ポリエステル樹脂の濃度が20%の組成比で、アンモニアによりpHを8.5に調整し、回転子の回転速度が60Hz、圧力が5Kg/cm2、熱交換器による加熱140℃、の条件でキャビトロンを運転し、ポリエステル樹脂分散液(固形分20%)を得た。
この分散液における樹脂粒子の体積平均粒径は180nmであった。分散液にイオン交換水を加えて固形分量を20%に調製し、これを結晶性ポリエステル樹脂粒子分散液(2)とした。
【0170】
なお、表1中、結晶性ポリエステル樹脂粒子分散液(1)2は、Cry1~2と略記する。
【0171】
<ビニル系樹脂粒子分散液の作製>
(ビニル系樹脂粒子分散液(1)の作製
[乳化液(1-1)~(1-4)の調製]
-乳化液(1-1)-
・スチレン: 60部
・アクリル酸n-ブチル: 38.5部
・1,10-デカンジオールジアクリレート: 1.5部
・アニオン性界面活性剤(エレミノールMON-2、三洋化成工業(株)製):1.2部
・イオン交換水: 98.8部
攪拌装置を備えた混合容器に上記の材料を仕込み、攪拌することで乳化液(1-1)を調製した。
【0172】
-乳化液(1-2)-
・スチレン: 55部
・アクリル酸n-ブチル: 43.5部
・1,10-デカンジオールジアクリレート: 1.5部
・アニオン性界面活性剤(エレミノールMON-2):1.2部
・イオン交換水: 98.8部
攪拌装置を備えた混合容器に上記の材料を仕込み、攪拌することで乳化液(1-2)を調製した。
【0173】
-乳化液(1-3)-
・スチレン: 45部
・アクリル酸n-ブチル: 53.5部
・1,10-デカンジオールジアクリレート: 1.5部
・アニオン性界面活性剤(エレミノールMON-2):1.2部
・イオン交換水: 98.8部
攪拌装置を備えた混合容器に上記の材料を仕込み、攪拌することで乳化液(1-3)を調製した。
【0174】
-乳化液(1-4)-
・スチレン: 40部
・アクリル酸n-ブチル: 58.5部
・1,10-デカンジオールジアクリレート: 1.5部
・アニオン性界面活性剤(エレミノールMON-2):1.2部
・イオン交換水: 98.8部
攪拌装置を備えた混合容器に上記の材料を仕込み、攪拌することで乳化液(1-4)を調製した。
【0175】
-ビニル系樹脂粒子分散液(1)-
攪拌装置及び窒素導入管を備えた反応容器に、反応容器内を窒素置換した後、アニオン性界面活性剤(エレミノールMON-2)1.1部及びイオン交換水400部を添加した。反応溶液を攪拌しながらオイルバスで加熱し、反応溶液の温度を7065℃とした。乳化液(1-1)10部を加えた後、さらに10質量%に濃度を調整した過硫酸アンモニウム水溶液20部を添加し、30分間保持した。
その後、反応溶液の温度を70℃に維持した状態で、反応容器に乳化液(1-1)190部をポンプにより30分間かけて徐々に滴下した。更に乳化液(1-2)200部を30分間かけて滴下した。続いて、乳化液(1-3)200部を40分、乳化液(1-4)200部を40分かけて滴下した。
滴下終了後に、60分間保持した後、10質量%の濃度の過硫酸アンモニウム2部を追加し、さらに3時間保持した後、室温に冷却した。その後、固形分濃度が20質量%となるようにイオン交換水と硝酸を加えビニル系樹脂粒子分散液(1)とした。
得られた樹脂粒子の体積平均粒径は165nm、示差走査熱量計によって測定したガラス転移温度は17℃であった。
【0176】
(ビニル系樹脂粒子分散液(2)の作製)
アニオン性界面活性剤(エレミノールMON-2)量を1.1部から4.4部に変更した以外は、ビニル系樹脂粒子分散液(1)と同様にして、ビニル系樹脂粒子分散液(2)を得た。
得られた樹脂粒子の体積平均粒径は100nm、示差走査熱量計によって測定したガラス転移温度は17℃であった。
【0177】
(ビニル系樹脂粒子分散液(3)の作製)
アニオン性界面活性剤(エレミノールMON-2)量を1.1部から0.6部に変更した以外は、ビニル系樹脂粒子分散液(1)と同様にして、ビニル系樹脂粒子分散液(3)を得た。
得られた樹脂粒子の体積平均粒径は200nm、示差走査熱量計によって測定したガラス転移温度は17℃であった。
【0178】
(ビニル系樹脂粒子分散液(4)の作製)
アニオン性界面活性剤(エレミノールMON-2)量を1.1部から0.2部に変更した以外は、ビニル系樹脂粒子分散液(1)と同様にして、ビニル系樹脂粒子分散液(3)を得た。
得られた樹脂粒子の体積平均粒径は300nm、示差走査熱量計によって測定したガラス転移温度は17℃であった。
【0179】
(ビニル系樹脂粒子分散液(5)の作製)
[乳化液(5-1)~(5-4)の調製]
-乳化液(5-1)-
・スチレン: 47.6部
・アクリル酸n-ブチル: 50.9部
・1,10-デカンジオールジアクリレート: 1.5部
・アニオン性界面活性剤(エレミノールMON-2、三洋化成工業(株)製):1.2部
・イオン交換水: 98.8部
攪拌装置を備えた混合容器に上記の材料を仕込み、攪拌することで乳化液(5-1)を調製した。
【0180】
-乳化液(5-2)-
・スチレン: 43.7部
・アクリル酸n-ブチル: 54.8部
・1,10-デカンジオールジアクリレート: 1.5部
・アニオン性界面活性剤(エレミノールMON-2):1.2部
・イオン交換水: 98.8部
攪拌装置を備えた混合容器に上記の材料を仕込み、攪拌することで乳化液(5-2)を調製した。
【0181】
-乳化液(5-3)-
・スチレン: 35.7部
・アクリル酸n-ブチル: 62.8部
・1,10-デカンジオールジアクリレート: 1.5部
・アニオン性界面活性剤(エレミノールMON-2):1.2部
・イオン交換水: 98.8部
攪拌装置を備えた混合容器に上記の材料を仕込み、攪拌することで乳化液(5-3)を調製した。
【0182】
-乳化液(5-4)-
・スチレン: 31.8部
・アクリル酸n-ブチル: 66.7部
・1,10-デカンジオールジアクリレート: 1.5部
・アニオン性界面活性剤(エレミノールMON-2):1.2部
・イオン交換水: 98.8部
攪拌装置を備えた混合容器に上記の材料を仕込み、攪拌することで乳化液(5-4)を調製した。
【0183】
-ビニル系樹脂粒子分散液(5)-
乳化液(1-1)を乳化液(5-1)に、乳化液(1-2)を乳化液(5-2)に、乳化液(1-3)を乳化液(5-3)に、乳化液(1-4)を乳化液(5-4)に替えた以外は、ビニル系樹脂粒子分散液(1)の作製と同様にしてビニル系樹脂粒子分散液(5)を得た。
得られた樹脂粒子の体積平均粒径は165nm、示差走査熱量計によって測定したガラス転移温度は1℃であった。
【0184】
(ビニル系樹脂粒子分散液(6)の作製)
[乳化液(6-1)~(6-4)の調製]
-乳化液(6-1)-
・スチレン: 67.9部
・アクリル酸n-ブチル: 30.6部
・1,10-デカンジオールジアクリレート: 1.5部
・アニオン性界面活性剤(エレミノールMON-2、三洋化成工業(株)製):1.2部
・イオン交換水: 98.8部
攪拌装置を備えた混合容器に上記の材料を仕込み、攪拌することで乳化液(6-1)を調製した。
【0185】
-乳化液(6-2)-
・スチレン: 62.3部
・アクリル酸n-ブチル: 36.2部
・1,10-デカンジオールジアクリレート: 1.5部
・アニオン性界面活性剤(エレミノールMON-2):1.2部
・イオン交換水: 98.8部
攪拌装置を備えた混合容器に上記の材料を仕込み、攪拌することで乳化液(6-2)を調製した。
【0186】
-乳化液(6-3)-
・スチレン: 51.0部
・アクリル酸n-ブチル: 47.5部
・1,10-デカンジオールジアクリレート: 1.5部
・アニオン性界面活性剤(エレミノールMON-2):1.2部
・イオン交換水: 98.8部
攪拌装置を備えた混合容器に上記の材料を仕込み、攪拌することで乳化液(6-3)を調製した。
【0187】
-乳化液(6-4)-
・スチレン: 45.3部
・アクリル酸n-ブチル: 53.2部
・1,10-デカンジオールジアクリレート: 1.5部
・アニオン性界面活性剤(エレミノールMON-2):1.2部
・イオン交換水: 98.8部
攪拌装置を備えた混合容器に上記の材料を仕込み、攪拌することで乳化液(6-4)を調製した。
【0188】
-ビニル系樹脂粒子分散液(6)-
乳化液(1-1)を乳化液(6-1)に、乳化液(1-2)を乳化液(6-2)に、乳化液(1-3)を乳化液(6-3)に、乳化液(1-4)を乳化液(6-4)に替えた以外はビニル系樹脂粒子分散液(1)の作製と同様にしてビニル系樹脂粒子分散液(6)を得た。
得られた樹脂粒子の体積平均粒径は165nm、示差走査熱量計によって測定したガラス転移温度は29℃であった。
【0189】
(ビニル系樹脂粒子分散液(7)の作製)
アニオン性界面活性剤(エレミノールMON-2)量を1.1部から0.18部に変更した以外は、ビニル系樹脂粒子分散液(1)と同様にして、ビニル系樹脂粒子分散液(7)を得た。
得られた樹脂粒子の体積平均粒径は310nm、示差走査熱量計によって測定したガラス転移温度は17℃であった。
【0190】
(ビニル系樹脂粒子分散液(8)の作製)
アニオン性界面活性剤(エレミノールMON-2)量を1.1部から5.1部に変更した以外は、ビニル系樹脂粒子分散液(1)と同様にして、ビニル系樹脂粒子分散液(8)を得た。
得られた樹脂粒子の体積平均粒径は90nm、示差走査熱量計によって測定したガラス転移温度は17℃であった。
【0191】
(ビニル系樹脂粒子分散液(9)の作製)
[乳化液(9-1)~(9-4)の調製]
-乳化液(9-1)-
・スチレン: 70.1部
・アクリル酸n-ブチル: 28.4部
・1,10-デカンジオールジアクリレート: 1.5部
・アニオン性界面活性剤(エレミノールMON-2、三洋化成工業(株)製):1.2部
・イオン交換水: 98.8部
攪拌装置を備えた混合容器に上記の材料を仕込み、攪拌することで乳化液(9-1)を調製した。
【0192】
-乳化液(9-2)-
・スチレン: 64.3部
・アクリル酸n-ブチル: 34.2部
・1,10-デカンジオールジアクリレート: 1.5部
・アニオン性界面活性剤(エレミノールMON-2):1.2部
・イオン交換水: 98.8部
攪拌装置を備えた混合容器に上記の材料を仕込み、攪拌することで乳化液(9-2)を調製した。
【0193】
-乳化液(9-3)-
・スチレン: 52.6部
・アクリル酸n-ブチル: 45.9部
・1,10-デカンジオールジアクリレート: 1.5部
・アニオン性界面活性剤(エレミノールMON-2):1.2部
・イオン交換水: 98.8部
攪拌装置を備えた混合容器に上記の材料を仕込み、攪拌することで乳化液(9-3)を調製した。
【0194】
-乳化液(9-4)-
・スチレン: 46.8部
・アクリル酸n-ブチル: 51.7部
・1,10-デカンジオールジアクリレート: 1.5部
・アニオン性界面活性剤(エレミノールMON-2):1.2部
・イオン交換水: 98.8部
攪拌装置を備えた混合容器に上記の材料を仕込み、攪拌することで乳化液(9-4)を調製した。
【0195】
-ビニル系樹脂粒子分散液(9)-
乳化液(1-1)を乳化液(9-1)に、乳化液(1-2)を乳化液(9-2)に、乳化液(1-3)を乳化液(9-3)に、乳化液(1-4)を乳化液(9-4)に替えた以外はビニル系樹脂粒子分散液(1)の作製と同様にしてビニル系樹脂粒子分散液(9)を得た。
得られた樹脂粒子の体積平均粒径は165nm、示差走査熱量計によって測定したガラス転移温度は32℃であった。
【0196】
(ビニル系樹脂粒子分散液(10)の作製)
[乳化液(10-1)~(10-4)の調製]
-乳化液(10-1)-
・スチレン: 43.5部
・アクリル酸n-ブチル: 55.0部
・1,10-デカンジオールジアクリレート: 1.5部
・アニオン性界面活性剤(エレミノールMON-2、三洋化成工業(株)製):1.2部
・イオン交換水: 98.8部
攪拌装置を備えた混合容器に上記の材料を仕込み、攪拌することで乳化液(10-1)を調製した。
【0197】
-乳化液(10-2)-
・スチレン: 38.5部
・アクリル酸n-ブチル: 60.0部
・1,10-デカンジオールジアクリレート: 1.5部
・アニオン性界面活性剤(エレミノールMON-2):1.2部
・イオン交換水: 98.8部
攪拌装置を備えた混合容器に上記の材料を仕込み、攪拌することで乳化液(10-2)を調製した。
【0198】
-乳化液(10-3)-
・スチレン: 33.6部
・アクリル酸n-ブチル: 64.9部
・1,10-デカンジオールジアクリレート: 1.5部
・アニオン性界面活性剤(エレミノールMON-2):1.2部
・イオン交換水: 98.8部
攪拌装置を備えた混合容器に上記の材料を仕込み、攪拌することで乳化液(10-3)を調製した。
【0199】
-乳化液(10-4)-
・スチレン: 28.6部
・アクリル酸n-ブチル: 69.9部
・1,10-デカンジオールジアクリレート: 1.5部
・アニオン性界面活性剤(エレミノールMON-2):1.2部
・イオン交換水: 98.8部
攪拌装置を備えた混合容器に上記の材料を仕込み、攪拌することで乳化液(10-4)を調製した。
【0200】
-ビニル系樹脂粒子分散液(10)-
乳化液(1-1)を乳化液(10-1)に、乳化液(1-2)を乳化液(10-2)に、乳化液(1-3)を乳化液(10-3)に、乳化液(1-4)を乳化液(10-4)に替えた以外は、ビニル系樹脂粒子分散液(1)の作製と同様にしてビニル系樹脂粒子分散液(10)を得た。
得られた樹脂粒子の体積平均粒径は165nm、示差走査熱量計によって測定したガラス転移温度は-5℃であった。
【0201】
(ビニル系樹脂粒子分散液(11)の作製)
[乳化液(11-1)~(11-4)の調製]
-乳化液(11-1)-
・スチレン: 60.9部
・アクリル酸n-ブチル: 39.1部
・アニオン性界面活性剤(エレミノールMON-2、三洋化成工業(株)製):1.2部
・イオン交換水: 98.8部
攪拌装置を備えた混合容器に上記の材料を仕込み、攪拌することで乳化液(11-1)を調製した。
【0202】
-乳化液(11-2)-
・スチレン: 55.8部
・アクリル酸n-ブチル: 44.2部
・アニオン性界面活性剤(エレミノールMON-2):1.2部
・イオン交換水: 98.8部
攪拌装置を備えた混合容器に上記の材料を仕込み、攪拌することで乳化液(11-2)を調製した。
【0203】
-乳化液(11-3)-
・スチレン: 45.7部
・アクリル酸n-ブチル: 54.3部
・アニオン性界面活性剤(エレミノールMON-2):1.2部
・イオン交換水: 98.8部
攪拌装置を備えた混合容器に上記の材料を仕込み、攪拌することで乳化液(11-3)を調製した。
【0204】
-乳化液(11-4)-
・スチレン: 40.6部
・アクリル酸n-ブチル: 59.4部
・アニオン性界面活性剤(エレミノールMON-2):1.2部
・イオン交換水: 98.8部
攪拌装置を備えた混合容器に上記の材料を仕込み、攪拌することで乳化液(11-4)を調製した。
【0205】
-ビニル系樹脂粒子分散液(11)-
乳化液(1-1)を乳化液(11-1)に、乳化液(1-2)を乳化液(11-2)に、乳化液(1-3)を乳化液(11-3)に、乳化液(1-4)を乳化液(11-4)に替えた以外はビニル系樹脂粒子分散液(1)の作製と同様にしてビニル系樹脂粒子分散液(11)を得た。
得られた樹脂粒子の体積平均粒径は165nm、示差走査熱量計によって測定したガラス転移温度は17℃であった。
【0206】
(ビニル系樹脂粒子分散液(12)の作製)
[乳化液(12-1)~(12-4)の調製]
-乳化液(12-1)-
・スチレン: 40.0部
・アクリル酸n-ブチル: 58.5部
・1,10-デカンジオールジアクリレート: 1.5部
・アニオン性界面活性剤(エレミノールMON-2、三洋化成工業(株)製):1.2部
・イオン交換水: 98.8部
攪拌装置を備えた混合容器に上記の材料を仕込み、攪拌することで乳化液(12-1)を調製した。
【0207】
-乳化液(12-2)-
・スチレン: 45.0部
・アクリル酸n-ブチル: 53.5部
・1,10-デカンジオールジアクリレート: 1.5部
・アニオン性界面活性剤(エレミノールMON-2):1.2部
・イオン交換水: 98.8部
攪拌装置を備えた混合容器に上記の材料を仕込み、攪拌することで乳化液(12-2)を調製した。
【0208】
-乳化液(12-3)-
・スチレン: 55.0部
・アクリル酸n-ブチル: 43.5部
・1,10-デカンジオールジアクリレート: 1.5部
・アニオン性界面活性剤(エレミノールMON-2):1.2部
・イオン交換水: 98.8部
攪拌装置を備えた混合容器に上記の材料を仕込み、攪拌することで乳化液(12-3)を調製した。
【0209】
-乳化液(12-4)-
・スチレン: 60.0部
・アクリル酸n-ブチル: 38.5部
・1,10-デカンジオールジアクリレート: 1.5部
・アニオン性界面活性剤(エレミノールMON-2):1.2部
・イオン交換水: 98.8部
攪拌装置を備えた混合容器に上記の材料を仕込み、攪拌することで乳化液(12-4)を調製した。
【0210】
-ビニル系樹脂粒子分散液(12)-
乳化液(1-1)を乳化液(12-1)に、乳化液(1-2)を乳化液(12-2)に、乳化液(1-3)を乳化液(12-3)に、乳化液(1-4)を乳化液(12-4)に替えた以外はビニル系樹脂粒子分散液(1)の作製と同様にしてビニル系樹脂粒子分散液(12)を得た。
得られた樹脂粒子の体積平均粒径は165nm、示差走査熱量計によって測定したガラス転移温度は17℃であった。
【0211】
(ビニル系樹脂粒子分散液(13)の作製)
[乳化液(13-1)~(13-4)の調製]
-乳化液(13-1)-
・スチレン: 49.2部
・アクリル酸n-ブチル: 49.3部
・1,10-デカンジオールジアクリレート: 1.5部
・アニオン性界面活性剤(エレミノールMON-2、三洋化成工業(株)製):1.2部
・イオン交換水: 98.8部
攪拌装置を備えた混合容器に上記の材料を仕込み、攪拌することで乳化液(13-1)を調製した。
【0212】
-乳化液(13-2)-
・スチレン: 48.5部
・アクリル酸n-ブチル: 50.0部
・1,10-デカンジオールジアクリレート: 1.5部
・アニオン性界面活性剤(エレミノールMON-2):1.2部
・イオン交換水: 98.8部
攪拌装置を備えた混合容器に上記の材料を仕込み、攪拌することで乳化液(13-2)を調製した。
【0213】
-乳化液(13-3)-
・スチレン: 47.8部
・アクリル酸n-ブチル: 50.7部
・1,10-デカンジオールジアクリレート: 1.5部
・アニオン性界面活性剤(エレミノールMON-2):1.2部
・イオン交換水: 98.8部
攪拌装置を備えた混合容器に上記の材料を仕込み、攪拌することで乳化液(13-3)を調製した。
【0214】
-乳化液(13-4)-
・スチレン: 47.2部
・アクリル酸n-ブチル: 51.3部
・1,10-デカンジオールジアクリレート: 1.5部
・アニオン性界面活性剤(エレミノールMON-2):1.2部
・イオン交換水: 98.8部
攪拌装置を備えた混合容器に上記の材料を仕込み、攪拌することで乳化液(13-4)を調製した。
【0215】
-ビニル系樹脂粒子分散液(13)-
乳化液(1-1)を乳化液(13-1)に、乳化液(1-2)を乳化液(13-2)に、乳化液(1-3)を乳化液(13-3)に、乳化液(1-4)を乳化液(13-4)に替えた以外はビニル系樹脂粒子分散液(1)の作製と同様にしてビニル系樹脂粒子分散液(13)を得た。
得られた樹脂粒子の体積平均粒径は164nm、示差走査熱量計によって測定したガラス転移温度は15℃であった。
【0216】
(ビニル系樹脂粒子分散液(14)の作製)
[乳化液(14-1)~(14-4)の調製]
-乳化液(14-1)-
・スチレン: 53.0部
・アクリル酸n-ブチル: 45.0部
・1,10-デカンジオールジアクリレート: 1.5部
・アニオン性界面活性剤(エレミノールMON-2、三洋化成工業(株)製):1.2部
・イオン交換水: 98.8部
攪拌装置を備えた混合容器に上記の材料を仕込み、攪拌することで乳化液(14-1)を調製した。
【0217】
-乳化液(14-2)-
・スチレン: 51.0部
・アクリル酸n-ブチル: 47.5部
・1,10-デカンジオールジアクリレート: 1.5部
・アニオン性界面活性剤(エレミノールMON-2):1.2部
・イオン交換水: 98.8部
攪拌装置を備えた混合容器に上記の材料を仕込み、攪拌することで乳化液(14-2)を調製した。
【0218】
-乳化液(14-3)-
・スチレン: 49.0部
・アクリル酸n-ブチル: 49.5部
・1,10-デカンジオールジアクリレート: 1.5部
・アニオン性界面活性剤(エレミノールMON-2):1.2部
・イオン交換水: 98.8部
攪拌装置を備えた混合容器に上記の材料を仕込み、攪拌することで乳化液(14-3)を調製した。
【0219】
-乳化液(14-4)-
・スチレン: 47.0部
・アクリル酸n-ブチル: 51.5部
・1,10-デカンジオールジアクリレート: 1.5部
・アニオン性界面活性剤(エレミノールMON-2):1.2部
・イオン交換水: 98.8部
攪拌装置を備えた混合容器に上記の材料を仕込み、攪拌することで乳化液(14-4)を調製した。
【0220】
-ビニル系樹脂粒子分散液(14)-
乳化液(1-1)を乳化液(14-1)に、乳化液(1-2)を乳化液(14-2)に、乳化液(1-3)を乳化液(14-3)に、乳化液(1-4)を乳化液(14-4)に替えた以外はビニル系樹脂粒子分散液(1)の作製と同様にしてビニル系樹脂粒子分散液(14)を得た。
得られた樹脂粒子の体積平均粒径は166nm、示差走査熱量計によって測定したガラス転移温度は17℃であった。
【0221】
(ビニル系樹脂粒子分散液(15)の作製)
[乳化液(15-1)~(15-4)の調製]
-乳化液(15-1)-
・スチレン: 67.4部
・アクリル酸n-ブチル: 31.1部
・1,10-デカンジオールジアクリレート: 1.5部
・アニオン性界面活性剤(エレミノールMON-2、三洋化成工業(株)製):1.2部
・イオン交換水: 98.8部
攪拌装置を備えた混合容器に上記の材料を仕込み、攪拌することで乳化液(15-1)を調製した。
【0222】
-乳化液(15-2)-
・スチレン: 55.8部
・アクリル酸n-ブチル: 42.7部
・1,10-デカンジオールジアクリレート: 1.5部
・アニオン性界面活性剤(エレミノールMON-2):1.2部
・イオン交換水: 98.8部
攪拌装置を備えた混合容器に上記の材料を仕込み、攪拌することで乳化液(15-2)を調製した。
【0223】
-乳化液(15-3)-
・スチレン: 44.2部
・アクリル酸n-ブチル: 54.3部
・1,10-デカンジオールジアクリレート: 1.5部
・アニオン性界面活性剤(エレミノールMON-2):1.2部
・イオン交換水: 98.8部
攪拌装置を備えた混合容器に上記の材料を仕込み、攪拌することで乳化液(15-3)を調製した。
【0224】
-乳化液(15-4)-
・スチレン: 32.6部
・アクリル酸n-ブチル: 65.9部
・1,10-デカンジオールジアクリレート: 1.5部
・アニオン性界面活性剤(エレミノールMON-2):1.2部
・イオン交換水: 98.8部
攪拌装置を備えた混合容器に上記の材料を仕込み、攪拌することで乳化液(15-4)を調製した。
【0225】
-ビニル系樹脂粒子分散液(15)-
乳化液(1-1)を乳化液(15-1)に、乳化液(1-2)を乳化液(15-2)に、乳化液(1-3)を乳化液(15-3)に、乳化液(1-4)を乳化液(15-4)に替えた以外はビニル系樹脂粒子分散液(1)の作製と同様にしてビニル系樹脂粒子分散液(15)を得た。
得られた樹脂粒子の体積平均粒径は165nm、示差走査熱量計によって測定したガラス転移温度は17℃であった。
【0226】
(ビニル系樹脂粒子分散液(16)の作製)
[乳化液(16-1)~(16-4)の調製]
-乳化液(16-1)-
・スチレン: 71.1部
・アクリル酸n-ブチル: 27.4部
・1,10-デカンジオールジアクリレート: 1.5部
・アニオン性界面活性剤(エレミノールMON-2、三洋化成工業(株)製):1.2部
・イオン交換水: 98.8部
攪拌装置を備えた混合容器に上記の材料を仕込み、攪拌することで乳化液(16-1)を調製した。
【0227】
-乳化液(16-2)-
・スチレン: 57.0部
・アクリル酸n-ブチル: 41.5部
・1,10-デカンジオールジアクリレート: 1.5部
・アニオン性界面活性剤(エレミノールMON-2):1.2部
・イオン交換水: 98.8部
攪拌装置を備えた混合容器に上記の材料を仕込み、攪拌することで乳化液(16-2)を調製した。
【0228】
-乳化液(16-3)-
・スチレン: 43.0部
・アクリル酸n-ブチル: 55.5部
・1,10-デカンジオールジアクリレート: 1.5部
・アニオン性界面活性剤(エレミノールMON-2):1.2部
・イオン交換水: 98.8部
攪拌装置を備えた混合容器に上記の材料を仕込み、攪拌することで乳化液(16-3)を調製した。
【0229】
-乳化液(16-4)-
・スチレン: 28.9部
・アクリル酸n-ブチル: 69.6部
・1,10-デカンジオールジアクリレート: 1.5部
・アニオン性界面活性剤(エレミノールMON-2):1.2部
・イオン交換水: 98.8部
攪拌装置を備えた混合容器に上記の材料を仕込み、攪拌することで乳化液(16-4)を調製した。
【0230】
-ビニル系樹脂粒子分散液(16)-
乳化液(1-1)を乳化液(16-1)に、乳化液(1-2)を乳化液(16-2)に、乳化液(1-3)を乳化液(16-3)に、乳化液(1-4)を乳化液(16-4)に替えた以外はビニル系樹脂粒子分散液(1)の作製と同様にしてビニル系樹脂粒子分散液(16)を得た。
得られた樹脂粒子の体積平均粒径は165nm、示差走査熱量計によって測定したガラス転移温度は17℃であった。
【0231】
(ビニル系樹脂粒子分散液(17)の作製)
[乳化液(17-1)~(17-4)の調製]
-乳化液(17-1)-
・スチレン: 44.2部
・アクリル酸n-ブチル: 54.3部
・1,10-デカンジオールジアクリレート: 1.5部
・アニオン性界面活性剤(エレミノールMON-2、三洋化成工業(株)製):1.2部
・イオン交換水: 98.8部
攪拌装置を備えた混合容器に上記の材料を仕込み、攪拌することで乳化液(17-1)を調製した。
【0232】
-乳化液(17-2)-
・スチレン: 48.1部
・アクリル酸n-ブチル: 50.4部
・1,10-デカンジオールジアクリレート: 1.5部
・アニオン性界面活性剤(エレミノールMON-2):1.2部
・イオン交換水: 98.8部
攪拌装置を備えた混合容器に上記の材料を仕込み、攪拌することで乳化液(17-2)を調製した。
【0233】
-乳化液(17-3)-
・スチレン: 51.9部
・アクリル酸n-ブチル: 46.6部
・1,10-デカンジオールジアクリレート: 1.5部
・アニオン性界面活性剤(エレミノールMON-2):1.2部
・イオン交換水: 98.8部
攪拌装置を備えた混合容器に上記の材料を仕込み、攪拌することで乳化液(17-3)を調製した。
【0234】
-乳化液(17-4)-
・スチレン: 55.7部
・アクリル酸n-ブチル: 42.8部
・1,10-デカンジオールジアクリレート: 1.5部
・アニオン性界面活性剤(エレミノールMON-2):1.2部
・イオン交換水: 98.8部
攪拌装置を備えた混合容器に上記の材料を仕込み、攪拌することで乳化液(17-4)を調製した。
【0235】
-ビニル系樹脂粒子分散液(17)-
乳化液(1-1)を乳化液(17-1)に、乳化液(1-2)を乳化液(17-2)に、乳化液(1-3)を乳化液(17-3)に、乳化液(1-4)を乳化液(17-4)に替えた以外はビニル系樹脂粒子分散液(1)の作製と同様にしてビニル系樹脂粒子分散液(17)を得た。
得られた樹脂粒子の体積平均粒径は165nm、示差走査熱量計によって測定したガラス転移温度は18℃であった。
【0236】
(ビニル系樹脂粒子分散液(18)の作製)
[乳化液(18-1)~(18-4)の調製]
-乳化液(18-1)-
・スチレン: 48.3部
・アクリル酸n-ブチル: 50.2部
・1,10-デカンジオールジアクリレート: 1.5部
・アニオン性界面活性剤(エレミノールMON-2、三洋化成工業(株)製):1.2部
・イオン交換水: 98.8部
攪拌装置を備えた混合容器に上記の材料を仕込み、攪拌することで乳化液(18-1)を調製した。
【0237】
-乳化液(18-2)-
・スチレン: 49.4部
・アクリル酸n-ブチル: 49.1部
・1,10-デカンジオールジアクリレート: 1.5部
・アニオン性界面活性剤(エレミノールMON-2):1.2部
・イオン交換水: 98.8部
攪拌装置を備えた混合容器に上記の材料を仕込み、攪拌することで乳化液(18-2)を調製した。
【0238】
-乳化液(18-3)-
・スチレン: 50.5部
・アクリル酸n-ブチル: 48.0部
・1,10-デカンジオールジアクリレート: 1.5部
・アニオン性界面活性剤(エレミノールMON-2):1.2部
・イオン交換水: 98.8部
攪拌装置を備えた混合容器に上記の材料を仕込み、攪拌することで乳化液(18-3)を調製した。
【0239】
-乳化液(18-4)-
・スチレン: 51.6部
・アクリル酸n-ブチル: 46.9部
・1,10-デカンジオールジアクリレート: 1.5部
・アニオン性界面活性剤(エレミノールMON-2):1.2部
・イオン交換水: 98.8部
攪拌装置を備えた混合容器に上記の材料を仕込み、攪拌することで乳化液(18-4)を調製した。
【0240】
-ビニル系樹脂粒子分散液(18)-
乳化液(1-1)を乳化液(18-1)に、乳化液(1-2)を乳化液(18-2)に、乳化液(1-3)を乳化液(18-3)に、乳化液(1-4)を乳化液(18-4)に替えた以外はビニル系樹脂粒子分散液(1)の作製と同様にしてビニル系樹脂粒子分散液(18)を得た。
得られた樹脂粒子の体積平均粒径は166nm、示差走査熱量計によって測定したガラス転移温度は18℃であった。
【0241】
(ビニル系樹脂粒子分散液(19)の作製)
[乳化液(19-1)~(19-4)の調製]
-乳化液(19-1)-
・スチレン: 81.3部
・アクリル酸n-ブチル: 17.2部
・1,10-デカンジオールジアクリレート: 1.5部
・アニオン性界面活性剤(エレミノールMON-2、三洋化成工業(株)製):1.2部
・イオン交換水: 98.8部
攪拌装置を備えた混合容器に上記の材料を仕込み、攪拌することで乳化液(19-1)を調製した。
【0242】
-乳化液(19-2)-
・スチレン: 60.4部
・アクリル酸n-ブチル: 38.1部
・1,10-デカンジオールジアクリレート: 1.5部
・アニオン性界面活性剤(エレミノールMON-2):1.2部
・イオン交換水: 98.8部
攪拌装置を備えた混合容器に上記の材料を仕込み、攪拌することで乳化液(19-2)を調製した。
【0243】
-乳化液(19-3)-
・スチレン: 39.5部
・アクリル酸n-ブチル: 59.0部
・1,10-デカンジオールジアクリレート: 1.5部
・アニオン性界面活性剤(エレミノールMON-2):1.2部
・イオン交換水: 98.8部
攪拌装置を備えた混合容器に上記の材料を仕込み、攪拌することで乳化液(19-3)を調製した。
【0244】
-乳化液(19-4)-
・スチレン: 18.7部
・アクリル酸n-ブチル: 79.8部
・1,10-デカンジオールジアクリレート: 1.5部
・アニオン性界面活性剤(エレミノールMON-2):1.2部
・イオン交換水: 98.8部
攪拌装置を備えた混合容器に上記の材料を仕込み、攪拌することで乳化液(19-4)を調製した。
【0245】
-ビニル系樹脂粒子分散液(19)-
乳化液(1-1)を乳化液(19-1)に、乳化液(1-2)を乳化液(19-2)に、乳化液(1-3)を乳化液(19-3)に、乳化液(1-4)を乳化液(19-4)に替えた以外はビニル系樹脂粒子分散液(1)の作製と同様にしてビニル系樹脂粒子分散液(19)を得た。
得られた樹脂粒子の体積平均粒径は167nm、示差走査熱量計によって測定したガラス転移温度は18℃であった。
【0246】
(ビニル系樹脂粒子分散液(20)の作製)
[乳化液(20-1~20-4)の調製]
-乳化液(20-1)-
・スチレン: 85.6部
・アクリル酸n-ブチル: 12.9部
・1,10-デカンジオールジアクリレート: 1.5部
・アニオン性界面活性剤(エレミノールMON-2、三洋化成工業(株)製):1.2部
・イオン交換水: 98.8部
攪拌装置を備えた混合容器に上記の材料を仕込み、攪拌することで乳化液(20-1)を調製した。
【0247】
-乳化液(20-2)-
・スチレン: 61.8部
・アクリル酸n-ブチル: 36.7部
・1,10-デカンジオールジアクリレート: 1.5部
・アニオン性界面活性剤(エレミノールMON-2):1.2部
・イオン交換水: 98.8部
攪拌装置を備えた混合容器に上記の材料を仕込み、攪拌することで乳化液(20-2)を調製した。
【0248】
-乳化液(20-3)-
・スチレン: 38.1部
・アクリル酸n-ブチル: 60.4部
・1,10-デカンジオールジアクリレート: 1.5部
・アニオン性界面活性剤(エレミノールMON-2):1.2部
・イオン交換水: 98.8部
攪拌装置を備えた混合容器に上記の材料を仕込み、攪拌することで乳化液(20-3)を調製した。
【0249】
-乳化液(20-4)-
・スチレン: 14.3部
・アクリル酸n-ブチル: 84.2部
・1,10-デカンジオールジアクリレート: 1.5部
・アニオン性界面活性剤(エレミノールMON-2):1.2部
・イオン交換水: 98.8部
攪拌装置を備えた混合容器に上記の材料を仕込み、攪拌することで乳化液(20-4)を調製した。
【0250】
-ビニル系樹脂粒子分散液(20)-
乳化液(1-1)を乳化液(20-1)に、乳化液(1-2)を乳化液(20-2)に、乳化液(1-3)を乳化液(20-3)に、乳化液(1-4)を乳化液(20-4)に替えた以外はビニル系樹脂粒子分散液(1)の作製と同様にしてビニル系樹脂粒子分散液(20)を得た。
得られた樹脂粒子の体積平均粒径は165nm、示差走査熱量計によって測定したガラス転移温度は18℃であった。
【0251】
(ビニル系樹脂粒子分散液(21)の作製)
[乳化液(21-1)~(21-4)の調製]
-乳化液(21-1)-
・スチレン: 49.0部
・アクリル酸n-ブチル: 49.5部
・1,10-デカンジオールジアクリレート: 1.5部
・アニオン性界面活性剤(エレミノールMON-2、三洋化成工業(株)製):1.2部
・イオン交換水: 98.8部
攪拌装置を備えた混合容器に上記の材料を仕込み、攪拌することで乳化液(21-1)を調製した。
【0252】
-乳化液(21-2)-
・スチレン: 49.7部
・アクリル酸n-ブチル: 48.8部
・1,10-デカンジオールジアクリレート: 1.5部
・アニオン性界面活性剤(エレミノールMON-2):1.2部
・イオン交換水: 98.8部
攪拌装置を備えた混合容器に上記の材料を仕込み、攪拌することで乳化液(21-2)を調製した。
【0253】
-乳化液(21-3)-
・スチレン: 50.3部
・アクリル酸n-ブチル: 48.2部
・1,10-デカンジオールジアクリレート: 1.5部
・アニオン性界面活性剤(エレミノールMON-2):1.2部
・イオン交換水: 98.8部
攪拌装置を備えた混合容器に上記の材料を仕込み、攪拌することで乳化液(21-3)を調製した。
【0254】
-乳化液(21-4)-
・スチレン: 51.0部
・アクリル酸n-ブチル: 47.5部
・1,10-デカンジオールジアクリレート: 1.5部
・アニオン性界面活性剤(エレミノールMON-2):1.2部
・イオン交換水: 98.8部
攪拌装置を備えた混合容器に上記の材料を仕込み、攪拌することで乳化液(21-4)を調製した。
【0255】
-ビニル系樹脂粒子分散液(21)-
乳化液(1-1)を乳化液(21-1)に、乳化液(1-2)を乳化液(21-2)に、乳化液(1-3)を乳化液(21-3)に、乳化液(1-4)を乳化液(21-4)に替えた以外はビニル系樹脂粒子分散液(1)の作製と同様にしてビニル系樹脂粒子分散液(21)を得た。
得られた樹脂粒子の体積平均粒径は163nm、示差走査熱量計によって測定したガラス転移温度は17℃であった。
【0256】
(ビニル系樹脂粒子分散液(22)の作製)
[乳化液(22-1)~(22-4)の調製]
-乳化液(22-1)-
・スチレン: 47.0部
・アクリル酸n-ブチル: 51.5部
・1,10-デカンジオールジアクリレート: 1.5部
・アニオン性界面活性剤(エレミノールMON-2、三洋化成工業(株)製):1.2部
・イオン交換水: 98.8部
攪拌装置を備えた混合容器に上記の材料を仕込み、攪拌することで乳化液(22-1)を調製した。
【0257】
-乳化液(22-2)-
・スチレン: 49.0部
・アクリル酸n-ブチル: 49.5部
・1,10-デカンジオールジアクリレート: 1.5部
・アニオン性界面活性剤(エレミノールMON-2):1.2部
・イオン交換水: 98.8部
攪拌装置を備えた混合容器に上記の材料を仕込み、攪拌することで乳化液(22-2)を調製した。
【0258】
-乳化液(22-3)-
・スチレン: 51.0部
・アクリル酸n-ブチル: 47.5部
・1,10-デカンジオールジアクリレート: 1.5部
・アニオン性界面活性剤(エレミノールMON-2):1.2部
・イオン交換水: 98.8部
攪拌装置を備えた混合容器に上記の材料を仕込み、攪拌することで乳化液(22-3)を調製した。
【0259】
-乳化液(22-4)-
・スチレン: 53.0部
・アクリル酸n-ブチル: 45.5部
・1,10-デカンジオールジアクリレート: 1.5部
・アニオン性界面活性剤(エレミノールMON-2):1.2部
・イオン交換水: 98.8部
攪拌装置を備えた混合容器に上記の材料を仕込み、攪拌することで乳化液(22-4)を調製した。
【0260】
-ビニル系樹脂粒子分散液(22)-
乳化液(1-1)を乳化液(22-1)に、乳化液(1-2)を乳化液(22-2)に、乳化液(1-3)を乳化液(22-3)に、乳化液(1-4)を乳化液(22-4)に替えた以外はビニル系樹脂粒子分散液(1)の作製と同様にしてビニル系樹脂粒子分散液(22)を得た。
得られた樹脂粒子の体積平均粒径は167nm、示差走査熱量計によって測定したガラス転移温度は17℃であった。
【0261】
(ビニル系樹脂粒子分散液(23)の作製)
[乳化液(23-1)~(23-4)の調製]
-乳化液(23-1)-
・スチレン: 31.2部
・アクリル酸n-ブチル: 67.3部
・1,10-デカンジオールジアクリレート: 1.5部
・アニオン性界面活性剤(エレミノールMON-2、三洋化成工業(株)製):1.2部
・イオン交換水: 98.8部
攪拌装置を備えた混合容器に上記の材料を仕込み、攪拌することで乳化液(23-1)を調製した。
【0262】
-乳化液(23-2)-
・スチレン: 43.7部
・アクリル酸n-ブチル: 54.8部
・1,10-デカンジオールジアクリレート: 1.5部
・アニオン性界面活性剤(エレミノールMON-2):1.2部
・イオン交換水: 98.8部
攪拌装置を備えた混合容器に上記の材料を仕込み、攪拌することで乳化液(23-2)を調製した。
【0263】
-乳化液(23-3)-
・スチレン: 56.3部
・アクリル酸n-ブチル: 42.2部
・1,10-デカンジオールジアクリレート: 1.5部
・アニオン性界面活性剤(エレミノールMON-2):1.2部
・イオン交換水: 98.8部
攪拌装置を備えた混合容器に上記の材料を仕込み、攪拌することで乳化液(23-3)を調製した。
【0264】
-乳化液(23-4)-
・スチレン: 68.8部
・アクリル酸n-ブチル: 29.7部
・1,10-デカンジオールジアクリレート: 1.5部
・アニオン性界面活性剤(エレミノールMON-2):1.2部
・イオン交換水: 98.8部
攪拌装置を備えた混合容器に上記の材料を仕込み、攪拌することで乳化液(23-4)を調製した。
【0265】
-ビニル系樹脂粒子分散液(23)-
乳化液(1-1)を乳化液(23-1)に、乳化液(1-2)を乳化液(23-2)に、乳化液(1-3)を乳化液(23-3)に、乳化液(1-4)を乳化液(23-4)に替えた以外はビニル系樹脂粒子分散液(1)の作製と同様にしてビニル系樹脂粒子分散液(23)を得た。
得られた樹脂粒子の体積平均粒径は165nm、示差走査熱量計によって測定したガラス転移温度は17℃であった。
【0266】
(ビニル系樹脂粒子分散液(24)の作製)
[乳化液(24-1)~(24-4)の調製]
-乳化液(24-1)-
・スチレン: 23.5部
・アクリル酸n-ブチル: 75.0部
・1,10-デカンジオールジアクリレート: 1.5部
・アニオン性界面活性剤(エレミノールMON-2、三洋化成工業(株)製):1.2部
・イオン交換水: 98.8部
攪拌装置を備えた混合容器に上記の材料を仕込み、攪拌することで乳化液(24-1)を調製した。
【0267】
-乳化液(24-2)-
・スチレン: 38.7部
・アクリル酸n-ブチル: 58.8部
・1,10-デカンジオールジアクリレート: 1.5部
・アニオン性界面活性剤(エレミノールMON-2):1.2部
・イオン交換水: 98.8部
攪拌装置を備えた混合容器に上記の材料を仕込み、攪拌することで乳化液(24-2)を調製した。
【0268】
-乳化液(24-3)-
・スチレン: 54.0部
・アクリル酸n-ブチル: 44.5部
・1,10-デカンジオールジアクリレート: 1.5部
・アニオン性界面活性剤(エレミノールMON-2):1.2部
・イオン交換水: 98.8部
攪拌装置を備えた混合容器に上記の材料を仕込み、攪拌することで乳化液(24-3)を調製した。
【0269】
-乳化液(24-4)-
・スチレン: 69.2部
・アクリル酸n-ブチル: 29.3部
・1,10-デカンジオールジアクリレート: 1.5部
・アニオン性界面活性剤(エレミノールMON-2):1.2部
・イオン交換水: 98.8部
攪拌装置を備えた混合容器に上記の材料を仕込み、攪拌することで乳化液(24-4)を調製した。
【0270】
-ビニル系樹脂粒子分散液(24)-
乳化液(1-1)を乳化液(24-1)に、乳化液(1-2)を乳化液(24-2)に、乳化液(1-3)を乳化液(24-3)に、乳化液(1-4)を乳化液(24-4)に替えた以外はビニル系樹脂粒子分散液(1)の作製と同様にしてビニル系樹脂粒子分散液(24)を得た。
得られた樹脂粒子の体積平均粒径は164nm、示差走査熱量計によって測定したガラス転移温度は12℃であった。
【0271】
(ビニル系樹脂粒子分散液(25)の作製)
[乳化液(25-1)~(25-4)の調製]
-乳化液(25-1)-
・スチレン: 67.1部
・アクリル酸n-ブチル: 31.4部
・1,10-デカンジオールジアクリレート: 1.5部
・アニオン性界面活性剤(エレミノールMON-2、三洋化成工業(株)製):1.2部
・イオン交換水: 98.8部
攪拌装置を備えた混合容器に上記の材料を仕込み、攪拌することで乳化液(25-1)を調製した。
【0272】
-乳化液(25-2)-
・スチレン: 55.7部
・アクリル酸n-ブチル: 42.8部
・1,10-デカンジオールジアクリレート: 1.5部
・アニオン性界面活性剤(エレミノールMON-2):1.2部
・イオン交換水: 98.8部
攪拌装置を備えた混合容器に上記の材料を仕込み、攪拌することで乳化液(25-2)を調製した。
【0273】
-乳化液(25-3)-
・スチレン: 44.2部
・アクリル酸n-ブチル: 54.3部
・1,10-デカンジオールジアクリレート: 1.5部
・アニオン性界面活性剤(エレミノールMON-2):1.2部
・イオン交換水: 98.8部
攪拌装置を備えた混合容器に上記の材料を仕込み、攪拌することで乳化液(25-3)を調製した。
【0274】
-乳化液(25-4)-
・スチレン: 32.8部
・アクリル酸n-ブチル: 65.7部
・1,10-デカンジオールジアクリレート: 1.5部
・アニオン性界面活性剤(エレミノールMON-2):1.2部
・イオン交換水: 98.8部
攪拌装置を備えた混合容器に上記の材料を仕込み、攪拌することで乳化液(25-4)を調製した。
【0275】
-ビニル系樹脂粒子分散液(25)-
乳化液(1-1)を乳化液(25-1)に、乳化液(1-2)を乳化液(25-2)に、乳化液(1-3)を乳化液(25-3)に、乳化液(1-4)を乳化液(25-4)に替えた以外はビニル系樹脂粒子分散液(1)の作製と同様にしてビニル系樹脂粒子分散液(25)を得た。
得られた樹脂粒子の体積平均粒径は166nm、示差走査熱量計によって測定したガラス転移温度は18℃であった。
【0276】
(ビニル系樹脂粒子分散液(26)の作製)
[乳化液(26-1)~(26-4)の調製]
-乳化液(26-1)-
・スチレン: 63.4部
・アクリル酸n-ブチル: 35.1部
・1,10-デカンジオールジアクリレート: 1.5部
・アニオン性界面活性剤(エレミノールMON-2、三洋化成工業(株)製):1.2部
・イオン交換水: 98.8部
攪拌装置を備えた混合容器に上記の材料を仕込み、攪拌することで乳化液(26-1)を調製した。
【0277】
-乳化液(26-2)-
・スチレン: 54.4部
・アクリル酸n-ブチル: 44.1部
・1,10-デカンジオールジアクリレート: 1.5部
・アニオン性界面活性剤(エレミノールMON-2):1.2部
・イオン交換水: 98.8部
攪拌装置を備えた混合容器に上記の材料を仕込み、攪拌することで乳化液(26-2)を調製した。
【0278】
-乳化液(26-3)-
・スチレン: 45.5部
・アクリル酸n-ブチル: 53.0部
・1,10-デカンジオールジアクリレート: 1.5部
・アニオン性界面活性剤(エレミノールMON-2):1.2部
・イオン交換水: 98.8部
攪拌装置を備えた混合容器に上記の材料を仕込み、攪拌することで乳化液(26-3)を調製した。
【0279】
-乳化液(26-4)-
・スチレン: 36.6部
・アクリル酸n-ブチル: 61.9部
・1,10-デカンジオールジアクリレート: 1.5部
・アニオン性界面活性剤(エレミノールMON-2):1.2部
・イオン交換水: 98.8部
攪拌装置を備えた混合容器に上記の材料を仕込み、攪拌することで乳化液(26-4)を調製した。
【0280】
-ビニル系樹脂粒子分散液(26)-
乳化液(1-1)を乳化液(26-1)に、乳化液(1-2)を乳化液(26-2)に、乳化液(1-3)を乳化液(26-3)に、乳化液(1-4)を乳化液(26-4)に替えた以外はビニル系樹脂粒子分散液(1)の作製と同様にしてビニル系樹脂分散液(26)を得た。
得られた樹脂粒子の体積平均粒径は165nm、示差走査熱量計によって測定したガラス転移温度は18℃であった。
【0281】
(ビニル系樹脂粒子分散液(27)の作製)
[乳化液(27-1)~(27-4)の調製]
-乳化液(27-1)-
・スチレン: 27.6部
・アクリル酸n-ブチル: 70.9部
・1,10-デカンジオールジアクリレート: 1.5部
・アニオン性界面活性剤(エレミノールMON-2、三洋化成工業(株)製):1.2部
・イオン交換水: 98.8部
攪拌装置を備えた混合容器に上記の材料を仕込み、攪拌することで乳化液(27-1)を調製した。
【0282】
-乳化液(27-2)-
・スチレン: 42.5部
・アクリル酸n-ブチル: 56.0部
・1,10-デカンジオールジアクリレート: 1.5部
・アニオン性界面活性剤(エレミノールMON-2):1.2部
・イオン交換水: 98.8部
攪拌装置を備えた混合容器に上記の材料を仕込み、攪拌することで乳化液(27-2)を調製した。
【0283】
-乳化液(27-3)-
・スチレン: 57.4部
・アクリル酸n-ブチル: 41.1部
・1,10-デカンジオールジアクリレート: 1.5部
・アニオン性界面活性剤(エレミノールMON-2):1.2部
・イオン交換水: 98.8部
攪拌装置を備えた混合容器に上記の材料を仕込み、攪拌することで乳化液(27-3)を調製した。
【0284】
-乳化液(27-4)-
・スチレン: 72.4部
・アクリル酸n-ブチル: 26.1部
・1,10-デカンジオールジアクリレート: 1.5部
・アニオン性界面活性剤(エレミノールMON-2):1.2部
・イオン交換水: 98.8部
攪拌装置を備えた混合容器に上記の材料を仕込み、攪拌することで乳化液(27-4)を調製した。
【0285】
-ビニル系樹脂粒子分散液(27)-
乳化液(1-1)を乳化液(27-1)に、乳化液(1-2)を乳化液(27-2)に、乳化液(1-3)を乳化液(27-3)に、乳化液(1-4)を乳化液(27-4)に替えた以外はビニル系樹脂粒子分散液(1)の作製と同様にしてビニル系樹脂粒子分散液(27)を得た。
得られた樹脂粒子の体積平均粒径は164nm、示差走査熱量計によって測定したガラス転移温度は18℃であった。
【0286】
(ビニル系樹脂粒子分散液(28)の作製)
[乳化液(28-1)~(28-4)の調製]
-乳化液(28-1)-
・スチレン: 22.0部
・アクリル酸n-ブチル: 76.5部
・1,10-デカンジオールジアクリレート: 1.5部
・アニオン性界面活性剤(エレミノールMON-2、三洋化成工業(株)製):1.2部
・イオン交換水: 98.8部
攪拌装置を備えた混合容器に上記の材料を仕込み、攪拌することで乳化液(28-1)を調製した。
【0287】
-乳化液(28-2)-
・スチレン: 40.6部
・アクリル酸n-ブチル: 57.9部
・1,10-デカンジオールジアクリレート: 1.5部
・アニオン性界面活性剤(エレミノールMON-2):1.2部
・イオン交換水: 98.8部
攪拌装置を備えた混合容器に上記の材料を仕込み、攪拌することで乳化液(28-2)を調製した。
【0288】
-乳化液(28-3)-
・スチレン: 59.3部
・アクリル酸n-ブチル: 39.2部
・1,10-デカンジオールジアクリレート: 1.5部
・アニオン性界面活性剤(エレミノールMON-2):1.2部
・イオン交換水: 98.8部
攪拌装置を備えた混合容器に上記の材料を仕込み、攪拌することで乳化液(28-3)を調製した。
【0289】
-乳化液(28-4)-
・スチレン: 78.0部
・アクリル酸n-ブチル: 20.5部
・1,10-デカンジオールジアクリレート: 1.5部
・アニオン性界面活性剤(エレミノールMON-2):1.2部
・イオン交換水: 98.8部
攪拌装置を備えた混合容器に上記の材料を仕込み、攪拌することで乳化液(28-4)を調製した。
【0290】
-ビニル系樹脂粒子分散液(28)-
乳化液(1-1)を乳化液(28-1)に、乳化液(1-2)を乳化液(28-2)に、乳化液(1-3)を乳化液(28-3)に、乳化液(1-4)を乳化液(28-4)に替えた以外はビニル系樹脂粒子分散液(1)の作製と同様にしてビニル系樹脂粒子分散液(28)を得た。
得られた樹脂粒子の体積平均粒径は166nm、示差走査熱量計によって測定したガラス転移温度は18℃であった。
【0291】
(ビニル系樹脂粒子分散液(29)の作製)
[乳化液(29-1)~(29-4)の調製]
-乳化液(29-1)-
・スチレン: 57.8部
・アクリル酸n-ブチル: 40.7部
・1,10-デカンジオールジアクリレート: 1.5部
・アニオン性界面活性剤(エレミノールMON-2、三洋化成工業(株)製):1.2部
・イオン交換水: 98.8部
攪拌装置を備えた混合容器に上記の材料を仕込み、攪拌することで乳化液(29-1)を調製した。
【0292】
-乳化液(29-2)-
・スチレン: 53.0部
・アクリル酸n-ブチル: 45.5部
・1,10-デカンジオールジアクリレート: 1.5部
・アニオン性界面活性剤(エレミノールMON-2):1.2部
・イオン交換水: 98.8部
攪拌装置を備えた混合容器に上記の材料を仕込み、攪拌することで乳化液(29-2)を調製した。
【0293】
-乳化液(29-3)-
・スチレン: 43.3部
・アクリル酸n-ブチル: 55.2部
・1,10-デカンジオールジアクリレート: 1.5部
・アニオン性界面活性剤(エレミノールMON-2):1.2部
・イオン交換水: 98.8部
攪拌装置を備えた混合容器に上記の材料を仕込み、攪拌することで乳化液(29-3)を調製した。
【0294】
-乳化液(29-4)-
・スチレン: 38.5部
・アクリル酸n-ブチル: 60.0部
・1,10-デカンジオールジアクリレート: 1.5部
・アニオン性界面活性剤(エレミノールMON-2):1.2部
・イオン交換水: 98.8部
攪拌装置を備えた混合容器に上記の材料を仕込み、攪拌することで乳化液(29-4)を調製した。
【0295】
-ビニル系樹脂粒子分散液(29)-
乳化液(1-1)を乳化液(29-1)に、乳化液(1-2)を乳化液(29-2)に、乳化液(1-3)を乳化液(29-3)に、乳化液(1-4)を乳化液(29-4)に替え、アニオン性界面活性剤(エレミノールMON-2)の量を1.1部から2.7部に変更した以外はビニル系樹脂粒子分散液(1)の作製と同様にしてビニル系樹脂粒子分散液(29)を得た。
得られた樹脂粒子の体積平均粒径は120nm、示差走査熱量計によって測定したガラス転移温度は15℃であった。
【0296】
(ビニル系樹脂粒子分散液(30)の作製)
・スチレン :77部
・n-ブチルアクリレート :23部
・1,10-デカンジオールジアクリレート:0.4部
・ドデカンチオール :0.7部
上記の材料を混合溶解したものに、アニオン性界面活性剤(ダウ・ケミカル社製ダウファックス)1.0部をイオン交換水60部に溶解した溶液を加えてフラスコ中で分散、乳化し、乳化液を作製した。
続いて、アニオン性界面活性剤(ダウ・ケミカル社製ダウファックス)3部をイオン交換水90部に溶解させ、その中に前記乳化液30部加え、さらに、過硫酸アンモニウム1.0部を溶解したイオン交換水10部を投入した。
その後、乳化液の残りを3時間かけて投入し、フラスコ内の窒素置換を行った後、フラスコ内の溶液を撹拌しながらオイルバスで65℃になるまで加熱し、5時間そのまま乳化重合を継続し、ビニル系樹脂粒子分散液(29)を得た。ビニル系樹脂粒子分散液(29)は、必要に応じてイオン交換水を加えて、固形分を32%に調整した。
【0297】
なお、表1中、ビニル系樹脂粒子分散液(1)~(30)は、Vinyl1~30と略記する。
【0298】
<ゴム粒子分散液の作製>
(スチレンブタジエンゴム粒子分散液(1)の作製)
重合反応器に、イオン交換水400部、スチレン100部、ブタジエン80部、アクリル酸メチル24部、アクリル酸8部、過硫酸カリウム6部、n-ドデシルメルカプタン3部を入れ、窒素雰囲気下かつ85℃の温度下で5時間重合し、その後反応を2時間継続して重合を終了させた。得られた分散液を固形分濃度20%に調整してゴム粒子分散液を得た。ゴム粒子のガラス転移温度は-20℃であり、体積平均粒径は180nmであった。
なお、表1中、スチレンブタジエンゴム粒子分散液(1)は、Rubber1と略記する。
【0299】
<着色剤分散液の作製>
(着色剤分散液(1)の作製)
・シアン顔料(Pigment Blue 15:3(銅フタロシアニン)、大日精化製):98部
・アニオン性界面活性剤(ネオぺレックスG-65、花王製):2部
・イオン交換水:400部
上記成分を混合した後、ホモジナイザー(IKA社製ウルトラタラックスT50)を用いて分散し、体積平均粒径160nm、固形分濃度20%の着色剤分散液(1)を得た。
【0300】
(着色剤分散液(2)の作製)
・カーボンブラック(Regal330、キャボットコーポレーション製):98部
・アニオン性界面活性剤(ネオぺレックスG-65、花王製):2部
・イオン交換水:400部
上記成分を混合した後、ホモジナイザー(IKA社製ウルトラタラックスT50)を用いて分散し、体積平均粒径180nm、固形分濃度20%の着色剤分散液(2)を得た。
【0301】
(着色剤分散液(3)の作製)
・カーボンブラック(キャボット製、Regal330):250部
・アニオン系界面活性剤(第一工業製薬社製、ネオゲンSC):33部(有効成分60%。着色剤に対して8%)
・イオン交換水:750部
上記成分をすべて投入した際に液面の高さが容器の高さの1/3程度になる大きさのステンレス容器に、イオン交換水を280部とアニオン系界面活性剤33部とを入れ、充分に界面活性剤を溶解させた後、前記固溶体顔料すべてを投入し、攪拌機を用いて濡れていない顔料がなくなるまで攪拌するとともに、充分に脱泡させた。脱泡後に残りのイオン交換水を加え、ホモジナイザー(IKA社製、ウルトラタラックスT50)を用いて、5000回転で10分間分散した後、攪拌器で1昼夜攪拌させて脱泡した。脱泡後、再度ホモジナイザーを用いて、6000回転で10分間分散した後、攪拌器で1昼夜攪拌させて脱泡した。続けて、分散液を高圧衝撃式分散機アルティマイザー((株)スギノマシン社製、HJP30006)を用いて、圧力240MPaで分散した。分散は、トータル仕込み量と装置の処理能力とから換算して25パス相当行った。得られた分散液を72時間放置して沈殿物を除去し、イオン交換水を加えて、固形分濃度を15%に調製し、着色剤粒子分散液(3)を得た。この着色剤粒子分散液(3)中の粒子の体積平均粒径D50は135nmであった。
【0302】
なお、表1中、以上作製した、着色剤分散液(1)はCyan1、着色剤分散液(2)はBlack1、着色剤分散液(3)はBlack2と略記する。
【0303】
<離型剤分散液の作製>
(離型剤分散液(1)の作製)
・合成ワックス(FT100、日本精蝋製):100部
・アニオン性界面活性剤(ネオぺレックスG-65、花王製):5部
・イオン交換水:300部
上記成分を混合した後、100℃に加熱し、ホモジナイザー(IKA社製ウルトラタラックスT50)を用いて分散した。さらにマントンゴーリン高圧ホモジナイザー(ゴーリン社製)で分散処理し、分散液にイオン交換水を加え、固形分量20%の離型剤分散液(1)を得た。離型剤分散液(1)中における離型剤粒子の体積平均粒径は230nmであった。
【0304】
(離型剤分散液(2)の作製)
・ポリエチレン系ワックス(炭化水素系ワックス:商品名「ポリワックス725(ベイカーペトロライト(株)製)」、融解温度104℃): 270部
・アニオン性界面活性剤(第一工業製薬(株)製、ネオゲンRK、有効成分量:60%): 13.5部(有効成分として、離型剤に対して3.0%)
・イオン交換水: 21.6部
上記成分を混合し、圧力吐出型ホモジナイザー(ゴーリン社製、ゴーリンホモジナイザ)で、内液温度120℃にて離型剤を溶解した後、分散圧力5MPaで120分間、続いて40MPaで360分間分散処理し、冷却して、離型剤分散液(2)を得た。この離型剤分散液(1)中の粒子の体積平均粒径D50は225nmであった。その後、イオン交換水を加えて固形分濃度が20.0%になるように調整した。
【0305】
なお、表1中、以上作製した、離型剤分散液(1)~(2)は、WAX1~2と略記する。
【0306】
<混合粒子分散液(1)の調製:比較例5 トナー47に使用>
非晶性ポリエステル樹脂粒子分散液(7) 400部と、離型剤分散液(2) 60部とアニオン性界面活性剤(ダウケミカル社製、Dowfax2A1): 2.9部を混合したのち、温度25℃下に1.0%硝酸を添加しpHを3.0に調整し、混合粒子分散液(1)を得た。
【0307】
<実施例1>
(トナー(1)の作製)
・非晶性ポリエステル樹脂粒子分散液(1)(固形分量20質量%):492部
・結晶性ポリエステル樹脂粒子分散液(1)(固形分量20質量%):228部
・着色剤分散液(1)(固形分量20質量%):90部
・離型剤分散液(1)(固形分量20質量%):120部
・アニオン性界面活性剤エレミノールMON-2):10.5部
・イオン交換水:750部
温度計、pH計、撹拌機、直径20cmの攪拌翼を備えた容積3リットルの反応容器に、上記成分を入れ、反応容器の温度を20℃に保ったまま回転数35rpmで攪拌しながら30分間保持した。次いで、0.3N硝酸水溶液を添加しpHを4.5に調整した。
次いで、撹拌機、攪拌翼を備えた容器に、
・ビニル系樹脂粒子分散液(1)(固形分量20質量%):150.0部
を入れ、攪拌しながらpHを4.5に調整した。
次いで、3リットル反応容器を20℃に保ったまま回転数35rpmで攪拌しながら、pH調整後のビニル系樹脂粒子分散液(1)を7g/minの速度で滴下した。
次いで、ホモジナイザー(ウルトラタラックスT50)で分散しながら2%硫酸アルミニウム水溶液を添加した。次いで攪拌しながら、0.4℃/分の速度で45℃まで昇温し30分間保持した。
次いで、非晶性ポリエステル樹脂粒子分散液(1)420部を追加し30分間保持した。次いで、0.1N水酸化ナトリウム水溶液を添加してpHを8.5に調整し15分間保持した後、攪拌を継続しながら1℃/分の速度で80℃まで昇温し、80℃を5時間保持した。次いで、冷却、固液分離し、イオン交換水により固形物の洗浄を行った後、凍結真空乾燥機にて24時間乾燥を行い、体積平均粒径5.5μmのトナー粒子(1)を得た。
トナー粒子(1)100部と、疎水性シリカ(日本アエロジル製:商品名 RY200)2.0部とを、へンシェルミキサーで混合しトナー(1)を得た。
【0308】
<実施例2>
ビニル系樹脂粒子分散液(1)に替えて、ビニル系樹脂粒子分散液(2)を用いた以外は、実施例1と同様にして、トナー2を得た。
【0309】
<実施例3>
非晶性ポリエステル樹脂粒子分散液(1):492部に替えて552部、結晶性ポリエステル樹脂粒子分散液(1):228部に替えて243部、ビニル系樹脂粒子分散液(1):150.0部に替えて、ビニル系樹脂粒子分散液(3):75部を用いた以外は、実施例1と同様にして、トナー3を得た。
【0310】
<実施例4>
非晶性ポリエステル樹脂粒子分散液(1):492部に替えて420部、結晶性ポリエステル樹脂粒子分散液(1):228部に替えて210部、ビニル系樹脂粒子分散液(1):150.0部に替えて、ビニル系樹脂粒子分散液(4):240部を用いた
以外は、実施例1と同様にして、トナー4を得た。
【0311】
<実施例5>
ビニル系樹脂粒子分散液(1)に替えて、ビニル系樹脂粒子分散液(5)を用いた以外は、実施例1と同様にして、トナー5を得た。
【0312】
<実施例6>
ビニル系樹脂粒子分散液(1)に替えて、ビニル系樹脂粒子分散液(6)を用いた以外は、実施例1と同様にして、トナー6を得た。
【0313】
<実施例7>
非晶性ポリエステル樹脂粒子分散液(1):492部に替えて384部、結晶性ポリエステル樹脂粒子分散液(1):228部に替えて201部、ビニル系樹脂粒子分散液(1):150.0部に替えて、ビニル系樹脂粒子分散液(3):285部を用いた以外は、実施例1と同様にして、トナー7を得た。
【0314】
<実施例8>
非晶性ポリエステル樹脂粒子分散液(1):492部に替えて396部、結晶性ポリエステル樹脂粒子分散液(1):228部に替えて204部、ビニル系樹脂粒子分散液(1):150.0部に替えて、ビニル系樹脂粒子分散液(7):270部を用いた以外は、実施例1と同様にして、トナー8を得た。
【0315】
<実施例9>
非晶性ポリエステル樹脂粒子分散液(1):492部に替えて516部、結晶性ポリエステル樹脂粒子分散液(1):228部に替えて234部、ビニル系樹脂粒子分散液(1):150.0部に替えて、ビニル系樹脂粒子分散液(8):120部を用いた以外は、実施例1と同様にして、トナー9を得た。
【0316】
<実施例10>
非晶性ポリエステル樹脂粒子分散液(1):492部に替えて560.4部、結晶性ポリエステル樹脂粒子分散液(1):228部に替えて245.1部、ビニル系樹脂粒子分散液(1):150.0部に替えて64.5部を用いた以外は、実施例1と同様にして、トナー10を得た。
【0317】
<実施例11>
非晶性ポリエステル樹脂粒子分散液(1):492部に替えて372部、結晶性ポリエステル樹脂粒子分散液(1):228部に替えて198部、ビニル系樹脂粒子分散液(1):150.0部に替えて、ビニル系樹脂粒子分散液(3):300部を用いた以外は、実施例1と同様にして、トナー11を得た。
【0318】
<実施例12>
ビニル系樹脂粒子分散液(1)に替えて、ビニル系樹脂粒子分散液(9)を用いた以外は、実施例1と同様にして、トナー12を得た。
【0319】
<実施例13>
ビニル系樹脂粒子分散液(1)に替えて、ビニル系樹脂粒子分散液(10)を用いた以外は、実施例1と同様にして、トナー13を得た。
【0320】
<実施例14>
非晶性ポリエステル樹脂粒子分散液(1):492部に替えて720部、結晶性ポリエステル樹脂粒子分散液(1):228部に替えて0部を用いた以外は、実施例1と同様にして、トナー14を得た。
【0321】
<実施例15>
非晶性ポリエステル樹脂粒子分散液(1):492部に替えて702部、45℃まで昇温した後に追加する非晶性ポリエステル樹脂粒子:420部に替えて210部を用いた以外は、実施例1と同様にして、トナー15を得た。
【0322】
<実施例16>
非晶性ポリエステル樹脂粒子分散液(1):492部に替えて792部、45℃まで昇温した後に追加する非晶性ポリエステル樹脂粒子:420部に替えて120部を用いた以外は、実施例1と同様にして、トナー16を得た。
【0323】
<実施例17>
材料混合時の攪拌回転数を35rpmから45rpmに、ビニル系樹脂粒子分散液(1)の調整pHを4.5から4.7に変更した以外は、実施例1と同様にしてトナー17を得た。
【0324】
<実施例18>
材料混合時の攪拌回転数を35rpmから54rpmにし、ビニル系樹脂粒子分散液(1)に替えてビニル系樹脂粒子分散液(4)を用いた以外は、実施例1と同様にしてトナー18を得た。
【0325】
<実施例19>
着色剤分散液(1)に替えて着色剤分散液(2)を用いた以外は、実施例1と同様にしてトナー19を得た。
【0326】
<実施例20>
非晶性ポリエステル樹脂粒子分散液(1)に替えて非晶性ポリエステル樹脂粒子分散液(2)を用いた以外は、実施例1と同様にしてトナー20を得た。
【0327】
<実施例21>
ビニル系樹脂粒子分散液(1)に替えて、ビニル系樹脂粒子分散液(11)を用いた以外は、実施例1と同様にして、トナー21を得た。
【0328】
<実施例22>
ビニル系樹脂粒子分散液(1)に替えて、ビニル系樹脂粒子分散液(12)を用いた以外は、実施例1と同様にして、トナー22を得た。
【0329】
<実施例23>
非晶性ポリエステル樹脂粒子分散液(1)に替えて非晶性ポリエステル樹脂粒子分散液(3)を用いた以外は、実施例1と同様にしてトナー23を得た。
【0330】
<実施例24>
非晶性ポリエステル樹脂粒子分散液(1)に替えて非晶性ポリエステル樹脂粒子分散液(4)を用いた以外は、実施例1と同様にしてトナー24を得た。
【0331】
<実施例25>
非晶性ポリエステル樹脂粒子分散液(1)に替えて非晶性ポリエステル樹脂粒子分散液(5)を用いた以外は、実施例1と同様にしてトナー25を得た。
【0332】
<実施例26>
ビニル系樹脂粒子分散液(1)に替えて、ビニル系樹脂粒子分散液(13)を用いた以外は、実施例1と同様にして、トナー26を得た。
【0333】
<実施例27>
ビニル系樹脂粒子分散液(1)に替えて、ビニル系樹脂粒子分散液(14)を用いた以外は、実施例1と同様にして、トナー27を得た。
【0334】
<実施例28>
ビニル系樹脂粒子分散液(1)に替えて、ビニル系樹脂粒子分散液(15)を用いた以外は、実施例1と同様にして、トナー28を得た。
【0335】
<実施例29>
ビニル系樹脂粒子分散液(1)に替えて、ビニル系樹脂粒子分散液(16)を用いた以外は、実施例1と同様にして、トナー29を得た。
【0336】
<実施例30>
ビニル系樹脂粒子分散液(1)に替えて、ビニル系樹脂粒子分散液(17)を用いた以外は、実施例1と同様にして、トナー30を得た。
【0337】
<実施例31>
ビニル系樹脂粒子分散液(1)に替えて、ビニル系樹脂粒子分散液(18)を用いた以外は、実施例1と同様にして、トナー31を得た。
【0338】
<実施例32>
ビニル系樹脂粒子分散液(1)に替えて、ビニル系樹脂粒子分散液(19)を用いた以外は、実施例1と同様にして、トナー32を得た。
【0339】
<実施例33>
ビニル系樹脂粒子分散液(1)に替えて、ビニル系樹脂粒子分散液(20)を用いた以外は、実施例1と同様にして、トナー33を得た。

<実施例34>
ビニル系樹脂粒子分散液(1)に替えて、ビニル系樹脂粒子分散液(21)を用いた以外は、実施例1と同様にして、トナー34を得た。
【0340】
<実施例35>
ビニル系樹脂粒子分散液(1)に替えて、ビニル系樹脂粒子分散液(22)を用いた以外は、実施例1と同様にして、トナー35を得た。
【0341】
<実施例36>
ビニル系樹脂粒子分散液(1)に替えて、ビニル系樹脂粒子分散液(23)を用いた以外は、実施例1と同様にして、トナー36を得た。
【0342】
<実施例37>
ビニル系樹脂粒子分散液(1)に替えて、ビニル系樹脂粒子分散液(24)を用いた以外は、実施例1と同様にして、トナー37を得た。
【0343】
<実施例38>
ビニル系樹脂粒子分散液(1)に替えて、ビニル系樹脂粒子分散液(25)を用いた以外は、実施例1と同様にして、トナー38を得た。
【0344】
<実施例39>
ビニル系樹脂粒子分散液(1)に替えて、ビニル系樹脂粒子分散液(26)を用いた以外は、実施例1と同様にして、トナー39を得た。
【0345】
<実施例40>
ビニル系樹脂粒子分散液(1)に替えて、ビニル系樹脂粒子分散液(27)を用いた以外は、実施例1と同様にして、トナー40を得た。
【0346】
<実施例41>
ビニル系樹脂粒子分散液(1)に替えて、ビニル系樹脂粒子分散液(28)を用いた以外は、実施例1と同様にして、トナー41を得た。
【0347】
<実施例42>
非晶性ポリエステル樹脂粒子分散液(1)に替えて非晶性ポリエステル樹脂粒子分散液(6)を用いた以外は、実施例1と同様にしてトナー42を得た。
【0348】
<比較例1>
非晶性ポリエステル樹脂粒子分散液(1):492部に替えて390部、結晶性ポリエステル樹脂粒子分散液(1):228部に替えて202.5部、ビニル系樹脂粒子分散液(1):150.0部に替えて、ビニル系樹脂粒子分散液(29):277.5部を用いた以外は、実施例1と同様にして、トナー43を得た。
【0349】
<比較例2>
非晶性ポリエステル樹脂粒子分散液(1):492部に替えて498部、結晶性ポリエステル樹脂粒子分散液(1):228部に替えて229.5部、ビニル系樹脂粒子分散液(1):150.0部に替えて、ビニル系樹脂粒子分散液(29):142.5部を用いた以外は、実施例1と同様にして、トナー44を得た。
【0350】
<比較例3>
材料混合時の攪拌回転数を35rpmから100rpmに、ビニル系樹脂粒子分散液(1)の調整pHを4.5から5.2に変更した以外は、実施例1と同様にしてトナー45を得た。
【0351】
<比較例4>
ビニル系樹脂粒子分散液(1)に替えて、スチレンブタジエンゴム粒子分散液(1)を用いた以外は、実施例1と同様にしてトナー46を得た。
【0352】
<比較例5>
・非晶性ポリエステル樹脂粒子分散液(7): 700部
・結晶性ポリエステル樹脂粒子分散液(2): 50部
・ビニル系樹脂粒子分散液(30): 205部
・着色剤分散液(3): 133部
・離型剤分散液(2): 15部
イオン交換水: 600部
・アニオン性界面活性剤(ダウケミカル社製、Dowfax2A1): 2.9部
温度計、pH計、攪拌器を備えた3リットルの反応容器に上記の材料を入れ、温度25℃下に1.0%硝酸を添加してpHを3.0に調整した後、ホモジナイザー(IKA社製ウルトラタラックスT50)にて3000rpmで分散しながら、濃度2%の硫酸アルミニウム水溶液を100部添加した。
この凝集剤滴下の途中で、原料分散液の粘度が急激に増大するので、粘度上昇した時点で、滴下速度を緩め、凝集剤が一箇所に偏らないようにした。凝集剤の滴下が終了したら、更に回転数5,000rpmに上げて5分間撹拌した。
その後、反応容器に攪拌器、マントルヒーターを設置し、スラリーが充分に攪拌されるように攪拌器の回転数を調整しながら、温度40℃までは0.2℃/分の昇温速度、40℃を超えてから53℃までは0.05℃/分の昇温速度で昇温し、10分ごとにマルチサイザーII(アパーチャー径50μm、ベックマン-コールター社製)にて粒径を測定した。体積平均粒径が5.0μmになったところで温度を保持し、混合粒子分散液(1)460部を5分間かけて投入した。
50℃に30分間保持した後、被覆層を形成した凝集粒子の成長を停止させるために、EDTA(エチレンジアミン四酢酸)を反応容器に20%液を8部 添加した後、1モル/リットルの水酸化ナトリウム水溶液を加え、原料分散液のpHを9.0に制御した。その後、5℃ごとにpHを9.0に調整しながら、昇温速度1℃/分で90℃まで昇温し、90℃で保持した。光学顕微鏡と電界放出形走査電子顕微鏡(FE-SEM)にて粒子形状及び表面性を観察したところ、6時間目で粒子の合一が確認されたので、冷却水で容器を30℃まで5分間かけて冷却した。
冷却後のスラリーを、目開き15μmのナイロンメッシュに通過させ粗大粉を除去し、メッシュを通過したトナースラリーをアスピレータで減圧濾過した。濾紙上に残った固形分を手でできるだけ細かく砕いて、温度30℃で固形分量の10倍のイオン交換水に投入し、30分間攪拌混合した。次いで、アスピレータで減圧濾過し、濾紙上に残った固形分を手でできるだけ細かく砕いて、温度30℃で固形分量の10倍のイオン交換水に投入し、30分間攪拌混合した後、再度アスピレータで減圧濾過し、濾液の電気伝導度を測定した。濾液の電気伝導度が10μS/cm以下になるまでこの操作を繰り返し、固形分を洗浄した。
洗浄された固形分を湿式乾式整粒機(コーミル)で細かく砕き、35℃のオーブン中で36時間真空乾燥して、トナー粒子(47)を得た。トナー粒子(47)は、体積平均粒径が6.0μmであった。
トナー粒子(47)100部と、疎水性シリカ(日本アエロジル製:商品名 RY200)2.0部とを、へンシェルミキサーで混合しトナー(47)を得た。
【0353】
<各種物性>
各例のトナーの下記特性について、表1に示す。
【0354】
・ボロノイ多角形の面積Saの中央値Sac(μm
・ボロノイ多角形の面積Saの標準偏差Ssd(μm
・ビニル系樹脂粒子の幾何中心を母点としてボロノイ分割をした際のボロノイ多角形の面積Sa(μm
【0355】
・内添樹脂粒子(ビニル系樹脂粒子、ゴム粒子)の体積平均粒径D50v
・内添樹脂粒子(ビニル系樹脂粒子、ゴム粒子)のガラス転移温度Tg
・トナー粒子の輪郭線のうち、内添樹脂粒子(ビニル系樹脂粒子等)と重なっている部分の長さ(トナー粒子の輪郭線長さに対する、トナー粒子の輪郭線が内添樹脂粒子(ビニル系樹脂粒子等)と重なっている部分の長さの割合)Lout
・内添樹脂粒子(ビニル系樹脂粒子、ゴム粒子)の平均円相当径Dce
・内添樹脂粒子としてのスチレン-(メタ)アクリレート共重合体粒子(St/Ac)全体の(メタ)アクリレートに由来する構造単位の割合Wa(B)(モル%)
・内添樹脂粒子としてのスチレン-(メタ)アクリレート共重合体粒子(St/Ac)表面の(メタ)アクリレートに由来する構造単位の割合Wa(S)(モル%)
・内添樹脂粒子としてのスチレン-(メタ)アクリレート共重合体粒子(St/Ac)全体のスチレンに由来する構造単位の割合Ws(B)(モル%)
・内添樹脂粒子としてのスチレン-(メタ)アクリレート共重合体粒子(St/Ac)表面のスチレンに由来する割合Ws(S)(モル%)
【0356】
・内添樹脂粒子(ビニル系樹脂粒子、ゴム粒子)の表面の溶解度パラメーターSP(sa)
・結着樹脂(非晶性ポリエステル樹脂)の溶解度パラメーターSP(ap)
【0357】
・非晶性ポリエステル樹脂における、多価カルボン酸に対するイソフタル酸の割合(IPA比)
【0358】
<評価>
(現像剤の作製)
各例のトナー8部と下記手順で作製したキャリア100部とを混合して、現像剤を得た。
-キャリアの作製-
・フェライト粒子(平均粒径50μm) 100部
・トルエン 14部
・スチレン/メチルメタクリレート共重合体(共重合比15/85) 3部
・カーボンブラック 0.2部
フェライト粒子を除く上記成分をサンドミルにて分散して分散液を調製し、この分散液をフェライト粒子とともに真空脱気型ニーダに入れ、攪拌しながら減圧し乾燥させることによりキャリアを得た。
【0359】
(細線解像度維持性)
カラープリンタ「ApeosPrint C5570(富士フイルムビジネスイノベーション社製)の現像機に、各例のトナーを含む現像剤を充填した。
このカラー複写機を高温高湿下(28℃、85%RH)で12時間放置した。
その後、カラー複写機により、同環境下でA4用紙に幅20μmの細線を3cm間隔で配置した画像を出力した。500,000枚出力後について、細線の状態を観察し、下記基準で評価した。
A: 100倍の拡大率でルーペを用いて観察しても細線ブレ全くみられない。(許容範囲)
B: AとCの間 (許容範囲)
C:100倍の拡大率でルーペを用いて観察するとわずかな細線ブレが部分的にみられる。(許容範囲)
D: CとEの間 (許容範囲)
E:100倍の各打率でルーペを用いて観察するとわずかな細線ブレが全体的にみられる。(許容範囲)
F:目視でわずかな細線ブレが全体的にみられる (許容範囲)
G:目視で細線ブレが全体的に明瞭にみられる。 (不可)
【0360】
各例について、表1に一覧にして示す。
なお、表1中、「シェル層Amo比率」は、トナー粒子に対するシェル層の非晶性樹脂の割合(質量%)を示す。
【0361】
【表1-1】
【0362】
【表1-2】
【0363】
【表1-3】
【0364】
【表1-4】
【0365】
【表1-5】
【0366】
上記結果から、本実施例では、比較例に比べ、高温高湿下での細線解像度の維持性に優れることがわかる。
【0367】
本実施形態は、下記態様を含む。
(((1)))
結着樹脂と、ビニル系樹脂粒子を含有するトナー粒子を含み、
前記トナー粒子の断面観察において、前記ビニル系樹脂粒子の幾何中心を母点としてボロノイ分割をした際のボロノイ多角形の面積Sa(μm)を測定したとき、前記ボロノイ多角形の面積Saの中央値をSac(μm)、前記ボロノイ多角形の面積Saの標準偏差をSsd(μm)としたとき、下記式(1)および(2)を満たす静電荷像現像用トナー。
式(1): 0.03≦Sac≦0.20
式(2): Ssd≦0.10
(((2)))
下記式(11)を満たす(((1)))に記載の静電荷像現像用トナー。
式(11): 0.08≦Sac≦0.16
(((3)))
下記式(21)を満たす(((1)))又は(((2)))に記載の静電荷像現像用トナー。
式(21)Ssd≦0.07
(((4)))
前記トナー粒子の断面観察において、前記トナー粒子の面積に対する前記ビニル系樹脂粒子の面積の比率が0.15越え0.40以下である(((1)))~(((3)))のいずれか1項に記載の静電荷像現像用トナー。
(((5)))
前記ビニル系樹脂粒子の体積平均粒径が100nm以上300nm以下である(((1)))~(((4)))のいずれか1項に記載の静電荷像現像用トナー。
(((6)))
前記ビニル系樹脂粒子のガラス転移温度が0℃以上30℃以下である(((1)))~(((5)))のいずれか1項に記載の静電荷像現像用トナー。
(((7)))
前記トナー粒子の断面観察において、重なって観察される前記ビニル系樹脂粒子の個数割合は、観察される全ての前記ビニル系樹脂粒子の50個数%以下である(((1)))~(((6)))のいずれか1項に記載の静電荷像現像用トナー。
(((8)))
前記トナー粒子断面観察において、前記トナー粒子の輪郭線のうち、前記ビニル系樹脂粒子と重なっている部分の長さが、前記トナー粒子の輪郭線長さの5%以下である(((1)))~(((7)))のいずれか1項に記載の静電荷像現像用トナー。
(((9)))
前記トナー粒子の断面観察において、観察される前記ビニル系樹脂粒子の平均円相当径が400nm以下である(((1)))~(((8)))のいずれか1項に記載の静電荷像現像用トナー。
(((10)))
前記ビニル系樹脂粒子がスチレン-(メタ)アクリレート共重合体粒子であり、
前記スチレン-(メタ)アクリレート共重合体粒子全体の前記(メタ)アクリレートに由来する構造単位の割合Wa(B)(モル%)と、
前記スチレン-(メタ)アクリレート共重合体粒子表面の前記(メタ)アクリレートに由来する構造単位の割合Wa(S)(モル%)と、の関係が、
2≦Wa(S)-Wa(B)≦20を満たす(((1)))~(((9)))のいずれか1項に記載の静電荷像現像用トナー。
(((11)))
前記スチレン-(メタ)アクリレート共重合体粒子表面の前記(メタ)アクリレートに由来する構造単位の割合Wa(S)(モル%)が、40≦Wa(S)≦80を満たす(((10)))に記載の静電荷像現像用トナー。
(((12)))
前記ビニル系樹脂粒子がスチレン-(メタ)アクリレート共重合体粒子であり、
前記スチレン-(メタ)アクリレート共重合体粒子全体の前記スチレンに由来する構造単位の割合Ws(B)(モル%)と、
前記スチレン-(メタ)アクリレート共重合体粒子表面の前記スチレンに由来する割合Ws(S)(モル%)と、の関係が、
2≦Ws(S)-Ws(B)≦20を満たす(((1)))~(((9)))のいずれか1項に記載の静電荷像現像用トナー。
(((13)))
前記スチレン-(メタ)アクリレート共重合体粒子表面のスチレンに由来する割合Ws(S)(モル%)が、40≦Ws(S)≦80を満たす(((12)))に記載の静電荷像現像用トナー。
(((14)))
前記ビニル系樹脂粒子の表面の溶解度パラメーターSP(sa)、
前記結着樹脂の溶解度パラメーターSP(ap)と、の関係が、
|SP(ap)-SP(sa)|≦1.0を満たす(((10)))又は(((11)))に記載の静電荷像現像用トナー。
(((15)))
前記ビニル系樹脂粒子の表面の溶解度パラメーターSP(sa)と、
前記結着樹脂の溶解度パラメーターSP(ap)と、の関係が、
|SP(ap)-SP(sa)|≦1.0を満たす(((12)))又は(((13)))に記載の静電荷像現像用トナー。
(((16)))
前記結着樹脂は非晶性ポリエステル樹脂を含み
前記非晶性ポリエステル樹脂は、イソフタル酸を含む多価カルボン酸と多価アルコールとの縮重合体からなり、
前記多価カルボン酸に対するイソフタル酸の割合が10モル%以上50モル%以下である(((10)))、(((11)))、又は(((14)))に記載の静電荷像現像用トナー。
(((17)))
前記結着樹脂は非晶性ポリエステル樹脂を含み
前記非晶性ポリエステル樹脂は、イソフタル酸を含む多価カルボン酸と多価アルコールとの縮重合体からなり、
前記多価カルボン酸に対するイソフタル酸の割合が10モル%以上50モル%以下である(((12)))、(((13)))、又は(((15)))に記載の静電荷像現像用トナー。
(((18)))
前記ビニル系樹脂粒子が架橋構造を有する樹脂粒子である(((1)))~(((17)))のいずれか1項に記載の静電荷像現像用トナー。
(((19)))
(((1)))~(((18)))のいずれか1項に記載の静電荷像現像用トナーを含む静電荷像現像剤。
(((20)))
(((1)))~(((18)))のいずれか1項に記載の静電荷像現像用トナーを収容し、画像形
成装置に着脱されるトナーカートリッジ。
(((21)))
(((19)))に記載の静電荷像現像剤を収容し、前記静電荷像現像剤により、像保持体の表面に形成された静電荷像をトナー画像として現像する現像手段を備え、画像形成装置に着脱されるプロセスカートリッジ。
(((22)))
像保持体と、
前記像保持体の表面を帯電する帯電手段と、
帯電した前記像保持体の表面に静電荷像を形成する静電荷像形成手段と、
(((19)))に記載の静電荷像現像剤を収容し、前記静電荷像現像剤により、前記像保持体の表面に形成された静電荷像をトナー画像として現像する現像手段と、
前記像保持体の表面に形成されたトナー画像を記録媒体の表面に転写する転写手段と、
前記記録媒体の表面に転写されたトナー画像を定着する定着手段と、
を備える画像形成装置。
(((23)))
像保持体の表面を帯電する帯電工程と、
帯電した前記像保持体の表面に静電荷像を形成する静電荷像形成工程と、
(((19)))に記載の静電荷像現像剤により、前記像保持体の表面に形成された静電荷像をトナー画像として現像する現像工程と、
前記像保持体の表面に形成されたトナー画像を記録媒体の表面に転写する転写工程と、
前記記録媒体の表面に転写されたトナー画像を定着する定着工程と、
を有する画像形成方法。
【0368】
上記態様の効果は、次の通りである。
(((1)))に係る発明によれば、結着樹脂と、着色剤と、ビニル系樹脂粒子を含有するトナー粒子を含む静電荷像現像用トナーにおいて、トナー粒子の断面観察において、前記ビニル系樹脂粒子の幾何中心を母点としてボロノイ分割をした際のボロノイ多角形の面積Sa(μm)を測定したとき、ボロノイ多角形の面積Saの中央値Sac(μm)、ボロノイ多角形の面積Saの標準偏差をSsd(μm)としたとき、上記式(1)および(2)を満たさない場合に比べ、高温高湿環境下で、繰り返し画像を形成したときに生じる細線解像度の低下を抑制する静電荷像現像用トナーが提供される。
【0369】
(((2)))に係る発明によれば、式(11)を満たさないである場合に比べ、高温高湿環境下で、繰り返し画像を形成したときに生じる細線解像度の低下を抑制する静電荷像現像用トナーが提供される。
(((3)))に係る発明によれば、式(21)を満たさないである場合に比べ、高温高湿環境下で、繰り返し画像を形成したときに生じる細線解像度の低下を抑制する静電荷像現像用トナーが提供される。
【0370】
(((4)))に係る発明によれば、トナー粒子の断面観察において、前記トナー粒子の面積に対する前記ビニル系樹脂粒子の面積の比率が0.15以下又は0.40超えである場合に比べ、高温高湿環境下で、繰り返し画像を形成したときに生じる細線解像度の低下を抑制する静電荷像現像用トナーが提供される。
(((5)))に係る発明によれば、ビニル系樹脂粒子の体積平均粒径が100nm未満又は300nm超えである場合に比べ、高温高湿環境下で、繰り返し画像を形成したときに生じる細線解像度の低下を抑制する静電荷像現像用トナーが提供される。
(((6)))に係る発明によれば、ビニル系樹脂粒子のガラス転移温度が0℃未満又は30℃超えである場合に比べ、高温高湿環境下で、繰り返し画像を形成したときに生じる細線解像度の低下を抑制する静電荷像現像用トナーが提供される。
【0371】
(((7)))に係る発明によれば、トナー粒子の断面観察において、重なって観察されるビニル系樹脂粒子の個数割合は、観察される全てのビニル系樹脂粒子の50個数%超えである場合に比べ、高温高湿環境下で、繰り返し画像を形成したときに生じる細線解像度の低下を抑制する静電荷像現像用トナーが提供される。
(((8)))に係る発明によれば、トナー粒子の断面観察において、トナー粒子の輪郭線のうち、ビニル系樹脂粒子と重なっている部分の長さが、トナー粒子の輪郭線長さの5%超えである場合に比べ、高温高湿環境下で、繰り返し画像を形成したときに生じる細線解像度の低下を抑制する静電荷像現像用トナーが提供される。
(((9)))に係る発明によれば、トナー粒子の断面観察において、観察されるビニル系樹脂粒子の平均円相当径が400nm超えである場合に比べ、高温高湿環境下で、繰り返し画像を形成したときに生じる細線解像度の低下を抑制する静電荷像現像用トナーが提供される。
【0372】
(((10)))に係る発明によれば、2≦Wa(S)-Wa(B)≦20を満たさない場合に比べ、高温高湿環境下で、繰り返し画像を形成したときに生じる細線解像度の低下を抑制する静電荷像現像用トナーが提供される。
(((11)))に係る発明によれば、40≦Wa(S)≦80を満たさない場合に比べ、高温高湿環境下で、繰り返し画像を形成したときに生じる細線解像度の低下を抑制する静電荷像現像用トナーが提供される。
【0373】
(((12)))に係る発明によれば、2≦Ws(S)-Ws(B)≦20を満たさない場合に比べ、高温高湿環境下で、繰り返し画像を形成したときに生じる細線解像度の低下を抑制する静電荷像現像用トナーが提供される。
(((13)))に係る発明によれば、40≦Ws(S)≦80を満たさない場合に比べ、高温高湿環境下で、繰り返し画像を形成したときに生じる細線解像度の低下を抑制する静電荷像現像用トナーが提供される。
【0374】
(((14)))に係る発明によれば、|SP(ap)-SP(sa)|≦1.0を満たさない場合に比べ、高温高湿環境下で、繰り返し画像を形成したときに生じる細線解像度の低下を抑制する静電荷像現像用トナーが提供される。
(((15)))に係る発明によれば、|SP(ap)-SP(sa)|≦1.0を満たない場合に比べ、高温高湿環境下で、繰り返し画像を形成したときに生じる細線解像度の低下を抑制する静電荷像現像用トナーが提供される。
【0375】
(((16)))に係る発明によれば、多価カルボン酸に対するイソフタル酸の割合が0.1モル%未満又は0.5モル%超えである場合に比べ、高温高湿環境下で、繰り返し画像を形成したときに生じる細線解像度の低下を抑制する静電荷像現像用トナーが提供される。
(((17)))に係る発明によれば、多価カルボン酸に対するイソフタル酸の割合が0.1モル%未満又は0.5モル%超えである場合に比べ、高温高湿環境下で、繰り返し画像を形成したときに生じる細線解像度の低下を抑制する静電荷像現像用トナーが提供される。
【0376】
(((18)))に係る発明によれば、ビニル系樹脂粒子が非架橋構造を有するである場合に比べ、高温高湿環境下で、繰り返し画像を形成したときに生じる細線解像度の低下を抑制する静電荷像現像用トナーが提供される。
【0377】
(((19)))、(((20)))、(((21)))、(((22)))又は(((23)))に係る発明によれば、結着樹脂と、着色剤と、ビニル系樹脂粒子を含有するトナー粒子を含む静電荷像現像用トナーにおいて、トナー粒子の断面観察において、前記ビニル系樹脂粒子の幾何中心を母点としてボロノイ分割をした際のボロノイ多角形の面積Sa(μm)を測定したとき、ボロノイ多角形の面積Saの中央値Sac(μm)、ボロノイ多角形の面積Saの標準偏差をSsd(μm)としたとき、上記式(1)および(2)を満たさない静電荷像現像用トナーを提供した場合に比べ、高温高湿環境下で、繰り返し画像を形成したときに生じる細線解像度の低下を抑制する静電荷像現像剤、トナーカートリッジ、プロセスカートリッジ、画像形成装置又は画像形成方法が提供される。
【符号の説明】
【0378】
1Y、1M、1C、1K 感光体(像保持体の一例)
2Y、2M、2C、2K 帯電ロール(帯電手段の一例)
3 露光装置(静電荷像形成手段の一例)
3Y、3M、3C、3K レーザ光線
4Y、4M、4C、4K 現像装置(現像手段の一例)
5Y、5M、5C、5K 一次転写ロール(一次転写手段の一例)
6Y、6M、6C、6K 感光体クリーニング装置(クリーニング手段の一例)
8Y、8M、8C、8K トナーカートリッジ
10Y、10M、10C、10K 画像形成ユニット
20 中間転写ベルト(中間転写体の一例)
22 駆動ロール
24 支持ロール
26 二次転写ロール(二次転写手段の一例)
30 中間転写体クリーニング装置
107 感光体(像保持体の一例)
108 帯電ロール(帯電手段の一例)
109 露光装置(静電荷像形成手段の一例)
111 現像装置(現像手段の一例)
112 転写装置(転写手段の一例)
113 感光体クリーニング装置(クリーニング手段の一例)
115 定着装置(定着手段の一例)
116 取り付けレール
118 露光のための開口部
117 筐体
200 プロセスカートリッジ
300 記録紙(記録媒体の一例)
P 記録紙(記録媒体の一例)
図1
図2