(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024141033
(43)【公開日】2024-10-10
(54)【発明の名称】フェーズドアレイアンテナ
(51)【国際特許分類】
H01Q 3/26 20060101AFI20241003BHJP
H01Q 21/06 20060101ALI20241003BHJP
H01Q 21/24 20060101ALI20241003BHJP
【FI】
H01Q3/26 Z
H01Q21/06
H01Q21/24
【審査請求】未請求
【請求項の数】13
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023052462
(22)【出願日】2023-03-28
(71)【出願人】
【識別番号】000217653
【氏名又は名称】電気興業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100193389
【弁理士】
【氏名又は名称】谷口 智利
(72)【発明者】
【氏名】嶋田 将大
【テーマコード(参考)】
5J021
【Fターム(参考)】
5J021AA05
5J021AA09
5J021AA10
5J021AA11
5J021AA12
5J021AB03
5J021CA06
5J021DB02
5J021DB03
5J021FA13
5J021FA30
5J021FA34
5J021GA02
5J021GA05
5J021JA05
(57)【要約】
【課題】全体のサイドローブを抑制すると同時に、ヌル制御も可能となるフェーズドアレイアンテナを提供する。
【解決手段】フェーズドアレイアンテナは、アンテナ部、および、制御部を備える。アンテナ部は、複数の素子を備える。制御部は、サイドローブ抑制信号生成部、主ビーム方向ヌル方向信号生成部、および、合成部を備える。合成部は、サイドローブ抑制信号生成部の生成する振幅値と主ビーム方向ヌル方向信号生成部の生成する振幅値とを乗じた振幅値と、サイドローブ抑制信号生成部の生成する位相量を、複数のアンテナ素子に入力する信号値として出力する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
アンテナ部、および、制御部を備えたフェーズドアレイアンテナであって、
前記アンテナ部は、複数の素子を備え、
前記制御部は、サイドローブ抑制信号生成部、主ビーム方向ヌル方向信号生成部、および、合成部を備え、
前記合成部は、前記サイドローブ抑制信号生成部の生成する振幅値と前記主ビーム方向ヌル方向信号生成部の生成する振幅値とを乗じた振幅値と、前記サイドローブ抑制信号生成部の生成する位相量を、前記複数のアンテナ素子に入力する信号値として出力することを特徴とする、フェーズドアレイアンテナ。
【請求項2】
前記合成部は、前記サイドローブ抑制信号生成部の生成する振幅値と、前記主ビーム方向ヌル方向信号生成部の生成する位相量を、前記複数のアンテナ素子のそれぞれに入力する信号値として出力することを特徴とする、請求項1に記載のフェーズドアレイアンテナ。
【請求項3】
前記サイドローブ抑制信号生成部は、テーラー分布による制御であることを特徴とする、請求項1に記載のフェーズドアレイアンテナ。
【請求項4】
前記サイドローブ抑制信号生成部は、チェビシェフ分布による制御であることを特徴とする、請求項1に記載のフェーズドアレイアンテナ。
【請求項5】
前記サイドローブ抑制信号生成部は、窓関数を用いた制御であることを特徴とする、請求項1に記載のフェーズドアレイアンテナ。
【請求項6】
主ビーム方向は可変であることを特徴とする、請求項1に記載のフェーズドアレイアンテナ。
【請求項7】
ヌル方向は可変であることを特徴とする、請求項1に記載のフェーズドアレイアンテナ。
【請求項8】
主ビーム方向およびヌル方向は可変であることを特徴とする、請求項1に記載のフェーズドアレイアンテナ。
【請求項9】
1以上のヌル方向が設定されることを特徴とする、請求項1ないし8のいずれかに記載のフェーズドアレイアンテナ。
【請求項10】
前記制御部は、サイドローブ抑制信号記憶部、ヌル方向設定部、ヌル信号記憶部、および、合成信号記憶部を有し、
前記サイドローブ抑制信号記憶部は、ビーム走査範囲において前記サイドローブ抑制信号生成部で計算された振幅値および位相量を記憶し、
前記ヌル信号記憶部は、前記ビーム走査範囲において前記ヌル方向設定部でヌル方向を設定し、前記主ビーム方向ヌル方向信号生成部で計算された振幅値および位相量を記憶し、
前記合成信号記憶部は、前記ビーム走査範囲において前記サイドローブ抑制信号記憶部および前記ヌル信号記憶部の振幅値および位相量を合成部が計算し記憶することを特徴とする、請求項1ないし8のいずれかのいずれかに記載のフェーズドアレイアンテナ。
【請求項11】
前記制御部は、サイドローブ抑制信号記憶部、最大受信信号選択部、ヌル方向設定部、ヌル信号記憶部、および、合成信号記憶部を有し、
前記サイドローブ抑制信号記憶部は、ビーム走査範囲において前記サイドローブ抑制信号生成部の計算する振幅値および位相量を記憶し、
前記ヌル信号記憶部は、前記ビーム走査範囲において前記ヌル方向設定部でヌル方向を設定し、前記主ビーム方向ヌル方向信号生成部で計算された振幅値および位相量を記憶し、
前記合成信号記憶部は、前記ビーム走査範囲において前記合成部が計算した前記サイドローブ抑制信号記憶部および前記ヌル信号記憶部の振幅値および位相量を記憶し、、
前記最大受信信号選択部は、前記サイドローブ抑制信号記憶部、前記ヌル信号記憶部、および、前記合成信号記憶部で処理された受信レベルが最大およびヌル方向のレベルが最小となるデータを選択し追従することを特徴とする、請求項6または8のいずれかに記載のフェーズドアレイアンテナ。
【請求項12】
前記アンテナ部は前記複数の素子に入力される信号を受信する信号入力端を備え、
前記複数の素子は略平面状に配置され、
それぞれの前記素子は、
中心部、および、アンテナ構成素子を備え、
前記アンテナ構成素子は、平面に略平行に前記、中心部から互いに逆方向に素子端部まで延びており、
フェーズドアレイアンテナの基本波長λに対して前記素子の長さが略λ/2であり、
複数の前記素子のうち、隣接する前記アンテナ素子同士は、所定角度だけ配置方向が異なっており、同位相の信号が入力された場合に互いに偏波の異なる異偏波を発する構造であり、
複数の前記素子は隣接する前記アンテナ構成素子部間の距離のうち最も短い距離dが0.4λ以下であることを特徴とする、請求項1ないし8のいずれかに記載のフェーズドアレイアンテナ。
【請求項13】
素子部、および、ハイブリッド回路を備え、
前記素子部は第一素子部と第二素子部を備え、前記第一素子部と前記第二素子部は互いに直交し略十字状に配置されており、
前記ハイブリッド回路は、略正多角形または略円形の循環回路を有し、前記循環回路は、
前記第一素子部に接続された第一接続部、
前記第二素子部に接続された第二接続部、
前記第一素子部に入力される信号の位相および前記第二素子部に入力される信号の位相が同相となる同相入力部、および、
前記第一素子部に入力される信号の位相および前記第二素子部に入力される信号の位相が逆相となる逆相入力部、を備え、
前記同相入力部および前記逆相入力部はそれぞれ前記ハイブリッド回路に接続され、
前記素子部の中心を前記循環回路のなす平面に投影した点が前記循環回路の中心と略一致していることを特徴とする、請求項1ないし8のいずれかに記載のフェーズドアレイアンテナ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、フェーズドアレイアンテナに関する。
【背景技術】
【0002】
ヌル方向と主ビーム方向を変える、いわゆるヌル制御がある。アダプティブアンテナ技術によるものがあり、ヌル制御では、主ビーム方向とヌル方向を決めた場合、数式により各素子に対する、振幅値と位相量が導出される。ここでヌルとは、通信を望まない方向において信号をゼロに近づけることを言い、零点と呼ぶこともある。なお、本明細書ではヌルを望む方位を設定する行為を、ヌルを向ける、などと表現することがある。例えば、サイドローブでも第三者が信号を受信してしまう可能性があるため、重要である。
また、一般的にサイドローブレベルを抑制する手法として、テーラー分布やチェビシェフ分布を用いた振幅制御が知られている。
さらに、ビーム走査については素子間隔や波長より位相量を計算する方法がある。
特許文献1には、アンテナパターンの零点を形成する励振位相分布を利用したアンテナ装置に関する技術が記載されている。
特許文献2および特許文献3には、小型化を課題の一つとするアンテナに関する技術が記載されている。
また、非特許文献1には、振幅と位相の一般的な導出方法が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第6042045号明細書
【特許文献2】特開2021-027466号公報
【特許文献3】特開2021-027467号公報
【非特許文献】
【0004】
【非特許文献1】後藤 尚久、中川 正雄、伊藤 精彦編、「アンテナ・無線ハンドブック」、株式会社オーム社、平成18年10月25日
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ある特定の方向や方位に対して、受信レベルや送信レベルを下げ、別の方向や方位にある特定の相手と通信したいという需要や、全体のサイドローブを抑えたまま、ある特定の方向に対して、さらに受信レベルを下げ、特定の相手と通信したいという需要がある。しかし全体のサイドローブを抑える技術や、特定の方向にヌルを向ける技術はあるが、2つを同時に制御する技術は確立されていない。
ヌル制御では、特定の方向にヌルは形成できるが、他のサイドローブは大きいままである。振幅制御では、全体的にサイドローブは抑えられるが、特定の方向を、さらに狙って下げることはできない。
そこで、本発明は、全体のサイドローブレベルを抑えると同時に、遮断方向、つまり、通信を望まない相手方の方向における信号のレベルを抑えることができるフェーズドアレイアンテナを提供することを目的とする。また、全体のサイドローブレベルを抑えながら、遮断方向における信号レベルを抑えつつ、通信相手を追従するフェーズドアレイアンテナを提供することを目的とする。さらに、複雑なヌル計算の量を抑えながら、サイドローブレベルの抑制とヌル方向の制御を同時に行えるフェーズドアレイアンテナを提供することを目的とする。
本発明のその他の目的は、発明を実施するための形態においても説明される。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の請求項1に係るフェーズドアレイアンテナは、
アンテナ部、および、制御部を備えたフェーズドアレイアンテナであって、
アンテナ部は、複数の素子を備え、
制御部は、サイドローブ抑制信号生成部、主ビーム方向ヌル方向信号生成部、および、合成部を備え、
合成部は、サイドローブ抑制信号生成部の生成する振幅値と主ビーム方向ヌル方向信号生成部の生成する振幅値とを乗じた振幅値と、サイドローブ抑制信号生成部の生成する位相量を、複数のアンテナ素子に入力する信号値として出力する、フェーズドアレイアンテナである。
本発明の請求項2に係るフェーズドアレイアンテナは、合成部は、サイドローブ抑制信号生成部の生成する振幅値と、主ビーム方向ヌル方向信号生成部の生成する位相量を、複数のアンテナ素子のそれぞれに入力する信号値として出力する、フェーズドアレイアンテナである。
本発明の請求項3に係るフェーズドアレイアンテナは、サイドローブ抑制信号生成部は、テーラー分布による制御である、請求項1に記載のフェーズドアレイアンテナである。
本発明の請求項4に係るフェーズドアレイアンテナは、サイドローブ抑制信号生成部は、チェビシェフ分布による制御である、請求項1に記載のフェーズドアレイアンテナである。
本発明の請求項5に係るフェーズドアレイアンテナは、サイドローブ抑制信号生成部は、窓関数を用いた制御である、請求項1に記載のフェーズドアレイアンテナである。
本発明の請求項6に係るフェーズドアレイアンテナは、主ビーム方向は可変である、請求項1に記載のフェーズドアレイアンテナである。
本発明の請求項7に係るフェーズドアレイアンテナは、ヌル方向は可変である、請求項1に記載のフェーズドアレイアンテナである。
本発明の請求項8に係るフェーズドアレイアンテナは、主ビーム方向およびヌル方向は可変である、請求項1に記載のフェーズドアレイアンテナである。
本発明の請求項9に係るフェーズドアレイアンテナは、1以上のヌル方向が設定されることを特徴とする、請求項1ないし8のいずれかに記載のフェーズドアレイアンテナである。
本発明の請求項10に係るフェーズドアレイアンテナは、
制御部は、サイドローブ抑制信号記憶部、ヌル方向設定部、ヌル信号記憶部、および、合成信号記憶部を有し、
サイドローブ抑制信号記憶部は、ビーム走査範囲においてサイドローブ抑制信号生成部で計算された振幅値および位相量を記憶し、
ヌル信号記憶部は、ビーム走査範囲においてヌル方向設定部でヌル方向を設定し、主ビーム方向ヌル方向信号生成部で計算された振幅値および位相量を記憶し、
合成信号記憶部は、ビーム走査範囲においてサイドローブ抑制信号記憶部およびヌル信号記憶部の振幅値および位相量を合成部が計算し記憶する、請求項1ないし8のいずれかに記載のフェーズドアレイアンテナである。
本発明の請求項11に係るフェーズドアレイアンテナは、
制御部は、サイドローブ抑制信号記憶部、最大受信信号選択部、ヌル方向設定部、ヌル信号記憶部、および、合成信号記憶部を有し、
サイドローブ抑制信号記憶部は、ビーム走査範囲においてサイドローブ抑制信号生成部の計算する振幅値および位相量を記憶し、
ヌル信号記憶部は、ビーム走査範囲においてヌル方向設定部でヌル方向を設定し、主ビーム方向ヌル方向信号生成部で計算された振幅値および位相量を記憶し、
合成信号記憶部は、ビーム走査範囲において合成部が計算したサイドローブ抑制信号記憶部およびヌル信号記憶部の振幅値および位相量を記憶し、
最大受信信号選択部は、サイドローブ抑制信号記憶部、ヌル信号記憶部、および、合成信号記憶部で処理された受信レベルが最大およびヌル方向のレベルが最小となるデータを選択し追従することを特徴とする、請求項6または8のいずれかに記載のフェーズドアレイアンテナである。
本発明の請求項12に係るフェーズドアレイアンテナは、
アンテナ部は複数のアンテナ素子に入力される信号を受信する信号入力端を備え、
複数のアンテナ素子は略平面状に配置され、
それぞれのアンテナ素子は、
中心部、および、アンテナ構成素子を備え、
アンテナ構成素子は、平面に略平行に、中心部から互いに逆方向に素子端部まで延びており、
フェーズドアレイアンテナの基本波長λに対して素子の長さが略λ/2であり、
複数のアンテナ素子のうち、隣接するアンテナ素子同士は、所定角度だけ配置方向が異なっており、同位相の信号が入力された場合に互いに偏波の異なる異偏波を発する構造であり、
複数のアンテナ素子は隣接するアンテナ構成素子部間の距離のうち最も短い距離dが0.4λ以下である、請求項1ないし8のいずれかに記載のフェーズドアレイアンテナである。
本発明の請求項13に係るフェーズドアレイアンテナは、
素子部、および、ハイブリッド回路を備え、
素子部は第一素子部と第二素子部を備え、第一素子部と第二素子部は互いに直交し略十字状に配置されており、
ハイブリッド回路は、略正多角形または略円形の循環回路を有し、循環回路は、
第一素子部に接続された第一接続部、
第二素子部に接続された第二接続部、
第一素子部に入力される信号の位相および第二素子部に入力される信号の位相が同相となる同相入力部、および、
第一素子部に入力される信号の位相および第二素子部に入力される信号の位相が逆相となる逆相入力部、を備え、
同相入力部および逆相入力部はそれぞれハイブリッド回路に接続され、
素子部の中心を循環回路のなす平面に投影した点が循環回路の中心と略一致している、請求項1ないし8のいずれかに記載のフェーズドアレイアンテナである。
以上の構成により、全体のサイドローブを抑制すると同時に、ヌル制御も可能となるフェーズドアレイアンテナを提供することができる。さらに、アンテナの小型化を実現できる。
また、全体のサイドローブレベルを抑えながら、遮断方向における信号レベルを抑えつつ、通信相手を追従するフェーズドアレイアンテナを提供することができる。さらに、複雑なヌル計算の量を抑えながら、サイドローブレベルの抑制とヌル方向の制御を同時に行えるフェーズドアレイアンテナを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】本発明の一実施例におけるフェーズドアレーの構成例を示す。
【
図2】本発明の一実施例におけるフェーズドアレーの特性例を示す。
【
図3】本発明の一実施例におけるフェーズドアレーの特性例を示す。
【
図4】本発明の一実施例におけるフェーズドアレーの特性例を示す。
【
図5】本発明の一実施例におけるフェーズドアレーの特性例を示す。
【
図6】本発明の一実施例におけるフェーズドアレーの特性例を示す。
【
図7】本発明の一実施例におけるフェーズドアレーの特性例を示す。
【
図8】本発明の一実施例におけるフェーズドアレーの特性例を示す。
【
図9】本発明の一実施例におけるフェーズドアレーの特性例を示す。
【
図10】本発明の一実施例におけるフェーズドアレーの特性例を示す。
【
図11】本発明の一実施例におけるフェーズドアレーの特性例を示す。
【
図12】本発明の一実施例におけるフェーズドアレーの特性例を示す。
【
図13】本発明の一実施例におけるフェーズドアレーの構成例を示す。
【
図14】本発明の一実施例におけるフェーズドアレーの構成例を示す。
【
図15】本発明の一実施例におけるフェーズドアレーの構成例を示す。
【
図16】本発明の一実施例におけるフェーズドアレーの構成例を示す。
【
図17】本発明の一実施例におけるフェーズドアレーの構成例を示す。
【
図18】本発明の一実施例におけるフェーズドアレーの構成例を示す。
【
図19】本発明の一実施例におけるフェーズドアレーの構成例を示す。
【
図20】本発明の一実施例におけるフェーズドアレーの構成例を示す。
【発明を実施するための形態】
【0008】
図1は、本発明の一実施例におけるフェーズドアレイアンテナ1の構成例を示す。
フェーズドアレイアンテナ1は、アンテナ部10、制御部20を備え、アンテナ部10は複数の素子12を備える。本実施例ではアンテナ部10と制御部20は信号入力端11を介して接続されている。
制御部20は複数のアンテナ素子12のそれぞれに振幅値および位相量の信号を入力するものであって、サイドローブ抑制信号生成部21、主ビーム方向ヌル方向信号生成部22、および、合成部23を備える。
サイドローブ抑制信号生成部21は後述のテーラー分布による制御などサイドローブを抑制する信号を生成する。また、主ビーム方向ヌル方向信号生成部22は、主ビーム方向およびヌル方向を設定し、ヌル方向にヌルを向ける、いわゆるヌル制御を行う信号を生成する。主ビーム方向およびヌル方向の設定は外部からの信号を受信する形態でもよい。
合成部23は、サイドローブ抑制信号生成部21の生成する振幅値と主ビーム方向ヌル方向信号生成部22の生成する振幅値とを乗じた振幅値と、サイドローブ抑制信号生成部21の生成する位相量を、複数のアンテナ素子12に入力する信号値として出力する。
所望の通信対象などに対して電波を向ける、主ビーム方向は、フェーズドアレイアンテナ1において固定とすることができる。この場合、例えば、移動体で、進行方向などのみに電波を向ける場合や、アンテナ自体の向きを変えて特定方向のみに電波を向けることができる。
もちろん、フェーズドアレイアンテナであるので、 主ビーム方向は可変とすることもできる。
【0009】
一実施例において、合成部23は、サイドローブ抑制信号生成部21の生成する振幅値と、ヌル方向信号生成部の生成する位相量を、複数のアンテナ素子12のそれぞれに入力する信号値として出力する構成とすることができる。
一実施例において、サイドローブ抑制信号生成部21は、テーラー分布による制御とすることができる。あるいは、サイドローブ抑制信号生成部21は、チェビシェフ分布による制御とすることもできる。これら以外に、サイドローブ抑制信号生成部21は、ハン窓関数・ハミング窓などの窓関数を用いた制御とすることもできる。
【0010】
以下、本構成例とその他の構成例との比較結果を示す。
図2は主ビーム方向を変化させた結果を示す。実線は主ビーム方向が0°、破線は主ビーム方向がー16°の場合である。
主ビーム方向を変える場合は、各素子の間隔と周波数(波長)で計算できる。隣接する素子同士の位相差はα(°)で一定であり、位相量の変化で主ビーム方向を変えられる。
例えば、16素子を0.5波長間隔で一方向に配列し、主ビーム方向16°の場合、α=約50°になる。この場合、隣接する素子の位相差が50°なので、1素子目の位相量を基準(0°)とした場合、2素子目以降の位相量は、50°100°150°・・・となる。
【0011】
サイドローブレベルを抑える計算については、16素子を0.5波長間隔で一方向配列して、主ビーム方向-16°で設計している。このときテーラー分布によりサイドローブレベルを25dBに抑制した制御で設計している。以下、これをテーラー25dBと呼ぶことがある。振幅値、位相量とも理論値、つまり計算式から導出可能で、振幅制御でサイドローブレベルを抑制できる。
図3は、主ビーム方向を変える計算と、振幅制御により振幅値のみ変更した場合の結果を示す。実線は主ビーム方向がー16°の場合であり、破線はさらにテーラー25dBで振幅制御を行った場合である。
ヌルを生成する計算については、16素子を0.5波長間隔で一方向に配列して、主ビーム方向-16°、ヌル方向10°となるように設計している。全素子に対して振幅値と位相量を変える必要があるが、計算値による振幅値・位相量を設定することでヌルを生成することができる。例えば、主ビーム方向-16°、ヌル方向10°と設定することで、各素子に対する振幅値と位相量がそれぞれ導出される。
【0012】
本発明の一実施例において、主ビーム方向は可変である。航空機や飛翔体などで機首方向などのみに電波を向ける場合や、船舶などでアンテナ自体の向きを変えて特定方向のみに電波を向ける場合などでは、信号による主ビームの方向制御を行わない構成とすることもできるが、本構成によれば、アンテナのみにより主ビーム方向を変更することができる。
本発明の一実施例において、主ビーム方向およびヌル方向は可変である。
本発明の一実施例において、1以上のヌル方向が設定される構成とすることができる。つまり、ヌル方向を複数設定することが可能である。これにより、一方向の主ビーム方向と一以上の方向のヌル方向に制御して追従することができる。また、複数の通信端末に対して同時に電波を送受信する場合などには、主ビーム方向を複数設定する構成としてもよい。
【0013】
図4は、特定方向(10°)にヌルを生成する場合のサイドローブレベルを抑制する場合の例を示す。実線は主ビーム方向がー16°の場合であり、破線はさらに10°方向にヌル制御を行った場合である。
図5、
図6、
図7、
図8は、それぞれ全体のサイドローブを抑えた状態で、ヌル方向が-4°、2°、10°、16°の例を示す。実線、破線、点線はそれぞれ、後述のパータン1、パターン2,パターン3に対応する。
振幅制御を基本として、パターン1では振幅値のみ変更している。つまり、振幅制御による振幅値を振幅値A、位相量を位相量Aとし、ヌル制御による振幅値を振幅値B、位相量を位相量Bとして、パターン1では振幅値は振幅値A×振幅値B、位相量は位相量Aである。
パターン2では振幅制御から、位相量のみ変更している。つまり、パターン2では、振幅値は振幅値Aのままで、位相量は位相量Bである。
また、パターン3では振幅値、位相量とも変更している。つまり、パターン3では、振幅値は振幅値A×振幅値B、位相量は位相量Bである。
パターン3のように振幅値と位相量の両方を変えてしまうと良い結果が得られない。これに対し、パターン1およびパターン2のように通常の振幅制御で導出された振幅値および位相量のどちらかを変えるのが有効である。
以上は計算による結果であるが、異なる配列の実測でも同様の傾向がある。これは、パターン1およびパターン2では、振幅制御およびヌル制御の双方をバランスよく取り入れているのに対し、パターン3では実質的にヌル制御にさらに振幅制御を掛け合わせた状態となり、制御が効きすぎていることが一因と考えられる。
【0014】
FPGA(Field Programmable Gate Array)の数を少なくするため水平面方向のビーム走査に特化することもできる。周波数2.345GHz、素子間隔64mm(三角配列)、偏波は±45°偏波、素子数が16素子(3段構成)の実測結果を示す。デジタル処理部にて位相量と振幅値を制御し、ヌル方向と主ビーム方向を制御する。
ヌル制御の実測結果では、主ビーム方向を固定した状態でヌル制御を行うと、不要な方向への電波のレベルを抑制できる。ここで、主ビーム方向とヌル方向を設定した各素子の振幅値と位相量を導出している。
図9に示す実測例では、主ビーム方向は-60°であり、ヌル方向は破線で示されるパターン1では-30°、点線で示されるパターン2では-30°および-10°である。
【0015】
図10は複雑な計算が必要なヌル制御と、振幅制御手法の比較(実測値)を示す。
実線で示されるヌル制御手法は、破線で示されるテーラー25dBで全素子振幅制御した指向性と比較して、大きな差が見られない。
ヌル制御手法には、複雑な計算が必要であるため、計算量が多くなり、処理速度も低下し、コストも上がることが考えられる。それらを考慮すると、ヌル制御によるメリットは少ない。
【0016】
図11は、振幅をテーラー25dBとし、位相量をヌル制御の値とした例を示す。
実線は振幅制御(テーラー25dB)の比較例であり、破線および点線はそれぞれ、ヌル制御方向を-30°、および、-30°と-10°、としてヌル制御を行った本実施例の場合である。
振幅制御で抑制されたサイドローブレベルをさらに抑制することができる。
【0017】
図12は、主ビーム方向は0°、ヌル方向は-30°(主ビームの範囲内にヌルを生成する場合)の例を示す。
主ビーム方向は0°で、実線は振幅制御なしの比較例、破線は一般のヌル制御方向をー30°とした比較例、点線はテーラー25dBのい比較例であり、一点破線はヌル制御方向をー30°とした本実施例の場合である。
振幅制御された指向性は、ビーム幅が広いため、主ビームの範囲内をヌル制御することはできない。
主ビーム方向である-40°~+40°にヌルが必要な場合は、ヌル制御手法を用いた方が良い。
【0018】
図13は、本発明の一実施例におけるフェーズドアレイアンテナ1の構成例を示す。
本実施例において、制御部20は、サイドローブ抑制信号記憶部24、ヌル方向設定部25、ヌル信号記憶部26、および、合成信号記憶部27を有する。
サイドローブ抑制信号記憶部24は、ビーム走査範囲においてサイドローブ抑制信号生成部21で計算された振幅値および位相量を記憶する。
ヌル信号記憶部26は、ビーム走査範囲においてヌル方向設定部25でヌル方向を設定し、主ビーム方向ヌル方向信号生成部22で計算された振幅値および位相量を記憶する。
合成信号記憶部27は、ビーム走査範囲においてサイドローブ抑制信号記憶部24およびヌル信号記憶部26の振幅値および位相量を合成部23が計算し記憶する。
アンテナ構成は、前述の例と同じであり、フェーズドアレイアンテナ1として各素子が読み込むデータ、つまり位相量と振幅値が、3分割されている。デジタル処理なので、瞬時にデータを読込み、指向性を変えられる。
【0019】
本実施例では、3つの領域A、B、Cの各領域では次のように制御する。
水平方向は-63°~+63°の127列とし、垂直方向は-30°~+30°の61行としている。この7,747ポイントにおいて、領域ABCの3領域、つまり、合計23,241ポイントの各素子の振幅値・位相量のデータを利用する。範囲やステップ間隔は自由に変えられる。
【0020】
サイドローブ抑制信号記憶部24の有する領域Aでは振幅制御による計算値を用いる。つまり、振幅値はテーラー25dBなど一定値であり、位相量は素子の間隔と周波数から計算される。
ヌル方向設定部25の有する領域Bではヌル制御を用いる。つまり、振幅値および位相量はヌル制御より導出された値である。
例えば、領域Bでは、ヌル方向において水平-20°垂直+10°と設定した場合、主ビーム方向は水平+20°垂直-15°の各素子の振幅値・位相量のデータが1ポイント(座標)で保存される。
合成信号記憶部27の有する領域Cでは、振幅制御とヌル制御の計算値を用いる。振幅値は領域Aの値、位相量は領域Bの値である。
【0021】
本実施例では、ステップ1として、初期設定として振幅制御による計算を行う。主ビーム方向から位相量を計算し、テーラー25dBなど振幅制御の計算を行う。本実施例では、起動時には領域Aにはデータが入力されている。
次にステップ2として、ヌル制御を行う。具体的には、ヌル方向が決まり次第、各方位、つまり、各主ビーム方向に対して計算する。領域Bの位相量と振幅値は、ヌル方向を設定することで初めて計算される。
次にステップ3として、領域Bが反映されることで、領域Cの位相量と振幅値に、領域Aの振幅値と領域Bの位相量が反映される。
本構成により、比較的計算量の少ない振幅制御を基本として、複雑で必要に応じて計算量の多いヌル制御を行う構成であるため、効率よく制御ができる。
【0022】
図14は、本発明の一実施例におけるフェーズドアレイアンテナ1の構成例を示す。
本実施例において、制御部20は、サイドローブ抑制信号記憶部24、最大受信信号選択部28、ヌル方向設定部25、ヌル信号記憶部26、および、合成信号記憶部27を有する。
サイドローブ抑制信号記憶部24は、サイドローブ抑制信号生成部21の計算する振幅値および位相量を記憶する。
ヌル信号記憶部26は、ヌル方向設定部25でヌル方向を設定し、主ビーム方向ヌル方向信号生成部22で計算された振幅値および位相量を記憶する。
合成信号記憶部27は、ビーム走査範囲においてサイドローブ抑制信号記憶部24およびヌル信号記憶部26の振幅値および位相量を合成部23が計算し記憶する。
最大受信信号選択部28は、各記憶部で処理された受信レベルが最大およびヌル方向のレベルが最小となるデータを選択し追従する。
【0023】
本実施例では、タスク1として、領域A、B、Cにおけるデータ、つまり、各素子各方位に対応する位相量および振幅値を計算する。次いで、タスク2として、全領域のデータをアンテナ側に送り、受信レベルの最大となるデータを選択する。ヌル方向の受信レベルを含んだ計算で最大値を選ぶことも可能である。そして、タスク3として、繰り返しで追従する。
本構成により、領域A、B、Cに格納されている各素子の位相量と振幅値を読み込んで、瞬時に切り替えて受信レベルの高い値を探すことができる。移動端末などにおいても高い受信レベルで通信を行うことができる。
【0024】
図15は、本発明の一実施例における、フェーズドアレイアンテナ1の構成を示す。
フェーズドアレイアンテナ1は、アンテナ部2を備える。
【0025】
アンテナ部2は略平面状の基部上に略平面状に配置される複数のアンテナ素子(100、101、102)、および、複数のアンテナ素子(100、101、102)に入力される信号を受信するアンテナ側端子4を備える。本実施例では、3つのアンテナ素子(100、101、102)を備え、これらは素子12に対応する
それぞれのアンテナ素子(100、101、102)は、中心部(121)、および、アンテナ構成素子(110、120、130、140、150、160)を有する。アンテナ構成素子(110、120、130、140、150、160)は、複数のアンテナ素子(100、101、102)が配置される平面である基部3に略平行に、中心部から互いに逆方向に素子端部(112、122)まで延びる。
【0026】
本実施例では2つのアンテナ構成素子を有し、2つのアンテナ構成素子は同一の構造であり、それぞれがダイポールアンテナとなっている。また、それぞれのアンテナ素子も略同一の構造である。
アンテナの基本波長λに対して素子の長さが略λ/2である。
本実施例では、アンテナ素子は中心部を共通とする2本の素子が延びる、略十字状である。
そして、複数のアンテナ素子は隣接するアンテナ素子間の距離のうち最も短い距離dが0.4λ以下である。実際、アンテナ構成素子110の素子端部の一方は、隣接するアンテナ構成素子130のアンテナ構成素子110側の素子端部およびアンテナ構成素子140のアンテナ構成素子110側の素子端部を結ぶ線よりアンテナ構成素子130およびアンテナ構成素子140の中心側にあり、同様に、アンテナ構成素子110の素子端部の他方は、隣接するアンテナ構成素子150のアンテナ構成素子110側の素子端部およびアンテナ構成素子160のアンテナ構成素子110側の素子端部を結ぶ線よりアンテナ構成素子150およびアンテナ構成素子160の中心側にある。一方の素子が他方の素子に入り込んでいると言える。
【0027】
図16は、1つのアンテナ素子100を側面から見た図である。それぞれの素子壁部100Aの側面には、中心部111から素子端部112に向かって、アンテナ構成素子110である素子壁部が形成されている。なお、素子壁部100Aはなくてもよく、素子壁部がない場合は、素子110が中心部121から素子端部112に向かって延びている。
複数のアンテナ素子(100、101、102)のうち、隣接するアンテナ素子同士は、所定角度だけ配置方向が異なっており、同位相の信号が入力された場合に互いに偏波の異なる異偏波を発する構造である。
複数のアンテナ素子は隣接するアンテナ素子間の距離のうち最も短い距離dがアンテナの基本波長λよりも小さい。本実施例では、隣接するアンテナ素子間の距離のう
本構成により、アンテナ素子同士が接触することなく、アンテナ素子の間隔を同偏波アンテナ素子配置より狭くすること、つまり小型化が可能であり、リターンロス・素子間結合量および交差偏波成分が抑制でき、利得低下を抑えることができる。
【0028】
図17、
図18、
図19は、本発明の一実施例における、フェーズドアレイアンテナ1の構成例を示す。
図17から
図19は、フェーズドアレイアンテナ1を上から見た図である。
フェーズドアレイアンテナ1は、素子部210、およびハイブリッド回路220を備える。
【0029】
素子部210は第一素子部211、および、第二素子部212を備える。
第一素子部211および第二素子部212はダイポールアンテナである。
第一素子部211と第二素子部212は互いに直交し略十字状に配置されている。
【0030】
ハイブリッド回路220は、略正多角形または略円形の循環回路230を有する。本実施例では、正六角形であるが、
図18に示されるような略円形の回路でも、あるいは、
図19に示されるような略四角形(正方形)の回路や、その他の形状でもよい。
略四角形の場合、限られたスペースを埋め尽くすように、複数のアンテナをほぼ隙間無く配置できるため、有利である。略円形や略正六角形の場合も同様である。
【0031】
本実施例では、循環回路は循環回路の中心から見て60度ごとにλ/4の位相に相当する。言い換えると、波長λ/4に相当する電気的な長さを有する。循環回路が略正六角形の場合、1辺がλ/4の位相に相当する。なお、循環回路が略正方形の場合、3辺がλ/4の位相に相当し、残りの1辺が3λ/4や7λ/4などの位相に相当する構成などとすることができる。
【0032】
循環回路230は、第一素子部211に接続された第一接続部235、第二素子部212に接続された第二接続部236を有する。
循環回路230は、第一素子部211に入力される信号の位相および第二素子部212に入力される信号の位相が同相となる同相入力部としての、水平偏波ポートPh、および、第一素子部211に入力される信号の位相および第二素子部212に入力される信号の位相が逆相となる逆相入力部としての、垂直偏波ポートPvを備える。
【0033】
図20は、素子部210を横から見た側面図である。
素子部210は、中心部を中心として、図面左右方向に2つの延出部を有する第一素子部211、および、図面に垂直方向に2つの延出部を有する第二素子部212を有する。それぞれの延出部の側面には金属壁部が形成されており、ハイブリッド回路220と接続されている。
同相入力部および逆相入力部はそれぞれハイブリッド回路20に接続されている。
【0034】
そして、素子部210の中心を循環回路230のなす平面に投影した点が循環回路230の中心と略一致している。ここで、略一致している、とは、
図1における紙面垂直方向、つまり、上から見て、十字形状の素子部の中心が、略正多角形または円形の循環回路の内部にあることを意味し、素子部の中心が循環回路の中心からその径rに対してr/2以内にあることが好ましく、素子部の中心が循環回路の中心からその径rに対してr/5以内にあることがより望ましい。
【0035】
通常のVH素子の場合、少なくとも素子長を1辺とする面積が必要となるが、本構成により、十字状の素子部の大半が循環回路230と重なることになり、素子部10とハイブリッド回路220の合成で小型化を実現することができる。
本構成により、水平・垂直偏波生成のための±45度偏波の素子と180度ハイブリッド回路220を用いて、小型化を実現することができる。
【0036】
本発明は以上の実施例に限定されることなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で様々な実施例を含むことは言うでもない。
【符号の説明】
【0037】
1 フェーズドアレイアンテナ
10 アンテナ部
11 信号入力端
12 素子
20 制御部
21 サイドローブ抑制信号生成部
22 主ビーム方向ヌル方向信号生成部
23 合成部
24 サイドローブ抑制信号記憶部
25 ヌル方向設定部
26 ヌル信号記憶部
27 合成信号記憶部
28 最大受信信号選択部
100,101,102 アンテナ素子
110,120,30,140,150,160 アンテナ構成素子
100A 素子壁部
112,122 素子端部
111,121 中心部
210 素子部
211 第一素子部
212 第二素子部
220 ハイブリッド回路
230 循環回路
235 第一接続部
236 第二接続部
Ph 水平偏波ポート
Pv 垂直偏波ポート
3 基部