(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024141042
(43)【公開日】2024-10-10
(54)【発明の名称】物品供給装置
(51)【国際特許分類】
G07F 7/08 20060101AFI20241003BHJP
G07F 7/10 20060101ALI20241003BHJP
G06Q 50/10 20120101ALI20241003BHJP
A63F 9/00 20060101ALI20241003BHJP
【FI】
G07F7/08 Q
G07F7/10
G06Q50/10
A63F9/00 512B
A63F9/00 512A
A63F9/00 513
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023052476
(22)【出願日】2023-03-28
(71)【出願人】
【識別番号】000135748
【氏名又は名称】株式会社バンダイ
(72)【発明者】
【氏名】近藤 創
(72)【発明者】
【氏名】小林 祐樹
【テーマコード(参考)】
3E044
5L049
5L050
【Fターム(参考)】
3E044AA01
3E044BA10
3E044CA04
3E044DB05
5L049CC18
5L050CC18
(57)【要約】
【課題】多様な供給方法に対応することができる物品供給装置を提供する。
【解決手段】物品供給装置は、物品供給装置を識別する識別情報を含む情報表示体と、物品を収容可能な収容部と、収容部に収容している物品を供給可能な供給部と、供給部から物品を供給不可能にロック可能なロック部と、情報表示体から識別情報を取得したことを条件として、ロック部をロック状態から解除状態に制御可能な制御部と、を備える。情報表示体を視認不可能とする第1形態、及び前記情報表示体を視認可能とする第2形態をとり得るように構成されている。
【選択図】
図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
物品を供給可能な物品供給装置であって、
物品供給装置を識別する識別情報を含む情報表示体と、
物品を収容可能な収容部と、
前記収容部に収容している物品を供給可能な供給部と、
前記供給部から物品を供給不可能にロック可能なロック部と、
前記情報表示体から前記識別情報を取得したことを条件として、前記ロック部をロック状態から解除状態に制御可能な制御部と、
を備え、
前記情報表示体を視認不可能とする第1形態、及び前記情報表示体を視認可能とする第2形態をとり得るように構成されている、
物品供給装置。
【請求項2】
前記情報表示体は、前記第1形態において、前記識別情報を取得不可能に構成され、前記第2形態において、前記識別情報を取得可能に構成されている、
請求項1に記載の物品供給装置。
【請求項3】
前記情報表示体を被覆可能な被覆部を備え、
前記情報表示体に前記被覆部を装着することで第1形態をとり、前記被覆部を装着しないことで前記第2形態をとり得るように構成されている、
請求項1又は請求項2に記載の物品供給装置。
【請求項4】
前記被覆部は、前記情報表示体に対し着脱可能に構成されている、
請求項3に記載の物品供給装置。
【請求項5】
前記制御部は、前記識別情報の取得による電子決済の完了を条件として、前記ロック部をロック状態から解除状態に制御する、
請求項4に記載の物品供給装置。
【請求項6】
前記識別情報は、電子決済を可能とする情報を含んでいる、
請求項5に記載の物品供給装置。
【請求項7】
前記供給部からの物品の供給を可能に操作する操作部を備え、
前記操作部は、前記ロック部が解除状態にあることを条件として、操作可能に構成されている、
請求項6に記載の物品供給装置。
【請求項8】
硬貨の投入口部と、硬貨の返却口部と、を備え、
前記情報表示体は、前記返却口部の近傍に配置されている、
請求項4に記載の物品供給装置。
【請求項9】
前記供給部から供給された物品を取出し可能な取出口部を備え、
前記投入口部と前記返却口部と前記取出口部とは、物品供給装置の前面壁に設けられ、
前記前面壁の下部は、上方向又は斜め上方向を向くように構成され、
前記前面壁の下部に、前記情報表示体が配置されている、
請求項8に記載の物品供給装置。
【請求項10】
前記情報表示体の周囲は、前記前面壁の下部の色と異なる色で着色されている、
請求項9に記載の物品供給装置。
【請求項11】
前記情報表示体に近接して、当該情報表示体の情報の取得を案内する案内部を備え、
前記被覆部は、前記情報表示体と共に前記案内部を被覆するように構成されている、
請求項3に記載の物品供給装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、物品供給装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、装置本体内に収納されたカプセルトイの物品を、代価の支払いを条件として、ハンドルなどを操作して取得する物品供給装置がある(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
このような物品供給装置は屋外などに設置される場合も多く、複雑な構造を採用することができない。その一方、電子決済等による物品の提供にも対応することが求められている。また、従来からある現金による決済も維持する必要がある。
【0005】
そこで、本発明は、多様な供給方法に対応することができる物品供給装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様は、物品を供給可能な物品供給装置であって、物品供給装置を識別する識別情報を含む情報表示体と、物品を収容可能な収容部と、収容部に収容している物品を供給可能な供給部と、供給部から物品を供給不可能にロック可能なロック部と、情報表示体から識別情報を取得したことを条件として、ロック部をロック状態から解除状態に制御可能な制御部と、を備え、情報表示体を視認不可能とする第1形態、及び前記情報表示体を視認可能とする第2形態をとり得るように構成されている、物品供給装置である。
【発明の効果】
【0007】
本発明は、多様な供給方法に対応することができる物品供給装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】
図1は本実施の形態における物品供給システムの概略図である。
【
図2】
図2は実施の形態における物品供給システムの概略図である。
【
図3】
図3は端末3の一例であるスマートフォンの装置構成例を示す図である。
【
図5】
図5は物品供給装置1の一例の斜視図である。
【
図6】
図6は情報表示体10と被覆部11とを説明するための図である。
【
図7】
図7は物品供給装置1の機能ブロック図である。
【
図8】
図8は管理サーバ4の機能構成例を示すブロック図である。
【
図9】
図9は物品供給装置データベースD1の一例を示す図である。
【
図10】
図10は本実施の形態の物品供給システムのシーケンス図である。
【
図11】
図11はユーザの端末3に表示さる一連の画面を説明するための図である。
【
図13】
図13は物品供給装置1の供給処理のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
装置本体内に収納されたカプセルトイの物品を、硬貨を支払い、ハンドルなどを操作して取得する物品供給装置がある。一方、近年、電子決済が普及し、上述の物品供給装置について電子決済の利用が望まれている。
【0010】
しかし、これらの物品供給装置は、様々な屋内又は屋外に設置されるため、その耐久性などの問題から電気的な複雑な構成とすることはできず、スマートフォン等の端末などと直接通信を行って電子決算を行う機能を持たすことは難しい。また、設置場所には多くの物品供給装置が存在し、その中からユーザに物品を供給する物品供給装置を特定する必要がある。
【0011】
そこで、ひとつの物品供給装置を識別する識別情報を、その物品供給装置に付与して、その識別情報をユーザの端末に取得させることによって、ユーザが供給を希望する物品供給装置を特定することができる。以下、物品供給装置の電子決済の一例を説明する。
【0012】
図1は本実施の形態における物品供給システムの概略図である。
図1中、1は物品供給装置、2は物品供給装置1が供給する物品であり、3はユーザの端末であり、4は管理サーバである。
【0013】
物品供給装置1は物品2をユーザに供給する装置である。物品供給装置1は、屋内又は屋外に設置され、通常、異なる物品を供給する複数の物品供給装置1が設置される。物品2を供給する物品供給装置1には、物品供給装置を識別可能なユニークな物品供給装置識別情報を含む情報表示体10が表示されている。情報表示体10は、物品供給装置識別情報以外に、電子決済のためのサイトへのリンク情報(例えば、URL)を含んでも良い。
【0014】
情報表示体10は、ユーザの利便性を考慮し、端末3により読み取り可能な情報表示体であることが望ましい。例えば、情報表示体は、一次元又は二次元バーコード(QRコード:登録商標)等である。
【0015】
端末3は、情報表示体のリーダ機能や他の装置との通信機能を持つ。端末3は、例えば、パソコン、タブレット型コンピュータ、スマートフォンや、携帯電話機等である。
【0016】
管理サーバ4は、物品供給装置1及びユーザの物品の購入を管理するサーバである。
【0017】
ユーザが物品供給装置1の設置場所に赴く。ユーザが物品2を取得するためには、複数の物品供給装置1が設置されている場所において、物品2を供給可能な物品供給装置1の特定する必要がある。そこで、本実施の形態は、以下の方法で、ユーザの希望する物品を供給する物品供給装置を特定し、電子決済により物品の代価を決済し、ユーザに物品供給装置から物品を供給する。
【0018】
(1)物品を供給可能な物品供給装置1に情報表示体10を装着する。
【0019】
(2)物品供給装置1が設置されている場所において、ユーザの端末3により、物品供給装置1の情報表示体10を読み取らせる。
【0020】
(3)端末3は、読み取った情報表示体10から物品供給装置識別情報及び電子決済のためのサイトへのリンク情報を取得する。そして、端末3は、そのリンク情報に基づいて管理サーバ4にアクセスし、取得した物品供給装置識別情報を送信する。
【0021】
(4)管理サーバ4は、端末3からの物品供給装置識別情報から物品供給装置1を特定し、その物品供給装置が供給可能な物品2を特定する。そして、管理サーバ4は、供給可能な物品2の内容とその物品2の決済方法とを含む購入画面を、端末3に提示する。
【0022】
(4)ユーザは、端末3に表示される供給可能な物品2を確認し、決済方法を選択して物品2の購入の決済を行う。
【0023】
(5)管理サーバ4は、物品2の決済が完了すると、物品供給装置1のロックを解除し、物品供給装置1から物品2を供給可能にする。物品供給装置1における物品供給のロックの解除であるが、物品供給装置識別情報により特定された物品供給装置1に、供給部のロックを解除するロック解除信号を送信する。そして、ロック解除信号を受信した物品供給装置1の供給部がロックを解除し、ユーザへの物品2の供給を可能な状態にする。
【0024】
このようにして、ユーザは、物品供給装置1から物品2を取得することができる。
【0025】
以下、具体的な実施の形態を説明する。
【0026】
図2は本実施の形態における物品供給システムの概略図である。尚、
図2中、
図1と同様な構成のものには同じ番号を付している。
【0027】
図2に示すように、物品供給装置1と、ユーザの端末2と、管理サーバ4とは、通信網5に接続されており、相互に通信可能である。通信網5は、データ通信が可能な通信路を意味する。すなわち、通信網Nは、接続のための専用線(専用ケーブル)やイーサネット(登録商標)等によるLANの他、電話通信網やケーブル網、インターネット等の通信網を含み、通信方法については有線/無線を問わない。
【0028】
物品供給装置1は、ユーザに物品2を供給する装置である。
【0029】
端末3は、例えば、パソコン、タブレット型コンピュータ、スマートフォンや、携帯電話機等である。
図3は端末3の一例であるスマートフォンの装置構成例を示す図である。
図3に示すように、端末3は、ディスプレイ31と、ディスプレイ31と一体構成されるタッチ操作パネル32と、内蔵されたスピーカ33とカメラ34とを備える。また、端末3には、図示されていない制御基板、内蔵バッテリー、電源ボタン、音量調節ボタン等が設けられている。制御基板には、CPUやGPU、DSP等の各種マイクロプロセッサ、ASIC、VRAMやRAM、ROM等の各種ICメモリ、携帯電話基地局と無線通信するための無線通信モジュール等が搭載されている。また、制御基板には、タッチ操作パネル32のドライバ回路といった、いわゆるI/F回路(インターフェース回路)等が搭載されている。これら制御基板に搭載されている各要素は、それぞれがバス回路等を介して電気的に接続され、データの読み書きや信号の送受信が可能に接続されている。
【0030】
管理サーバ4は、単数又は複数のサーバ装置や記憶装置等を含んで構成されたサーバシステムである。管理サーバ4は、物品購入権の販売、物品購入権による決済、物品を供給する物品供給装置1の特定、物品供給装置1のロック解除等の処理を行う。
【0031】
図4は物品供給装置1の一例の正面図、
図5は物品供給装置1の一例の斜視図である。
【0032】
物品供給装置1は物品2を供給する装置である。
【0033】
物品2は、例えば分割可能な球状カプセル内に玩具等が納められたものや、玩具とカプセルとが一体となったものを含む。物品2はひとつの種類の物品だけとは限らず、複数の種類の物品が存在しても良い。この場合、複数の種類の物品は、ひとつのシリーズ(種別)に属する物品として、後述する物品供給装置1の物品収容部20に混在して収容される。
【0034】
物品供給装置1の前面には、物品2の内容を表示したディスプレイ13と、物品2の代価として支払われる硬貨の投入口14と、操作部としてのハンドル15と、物品2が供給される取出口16と、硬貨の返却口17とが設けられている。ユーザは、ディスプレイ13を視認することにより、その物品供給装置1が供給可能な物品を知ることができる。
【0035】
物品供給装置1には、情報表示体10が装着されている。情報表示体10は、例えば、QRコード(登録商標)等である。情報表示体10は、物品供給装置1を識別する物品供給装置識別情報と、物品供給装置1が供給可能な物品を特定するための管理サーバ4へのリンク情報であるURL(Uniform Resource Locator)と、を少なくとも含んでいる。尚、物品供給装置識別情報10は、上述した以外にも、他の情報、例えば、物品供給装置1が設置されている場所を識別する位置情報や店名、物品の価格等の情報、物品供給装置1を管理するために必要な管理情報も含んでも良い。また、物品供給装置識別情報10の表示方法であるが、本例では、情報表示体10としてのQRコードを物品供給装置1に装着して表示する方法を採用したが、これに限られない。
【0036】
情報表示体10の装着位置であるが、例えば、
図5に示すように、返却口17の近傍に返却口17の底面を良く視認できるような位置に表示しても良い。本実施の形態におけるユーザは、硬貨などの金銭を支払うことなく物品2を取得できるが、そのような位置に情報表示体10を装着しておくことにより、ユーザが誤って投入した硬貨が返却口17に返却された場合、ユーザは返却された硬貨に気づきやすくなるという効果を有する。
【0037】
図6は情報表示体10と被覆部11とを説明するための図である。
図6は、情報表示体10と被覆部11との関係の理解を容易にするために、横方向から物品供給装置1を見た図と上方向から物品供給装置1を見た図とを示している。
【0038】
物品供給装置1の前面壁18における下部面19は、ユーザが視認しやすいように上方向又は斜め方向に向いており、また、情報表示体10の情報を取得しやすいように情報表示体10は前面壁18における下部面19の返却口17の近傍に装着されている。情報表示体10の周囲の色は、下部面19の色(例えば、黒)と異なる色(例えば、白)に着色されている。ユーザが情報表示体10を視認しやすくするためである。
【0039】
物品供給装置1の設置時において、情報表示体10は被覆部11に被覆されている。被覆部11は、例えば、着脱可能なシールである。被覆部11の表面色は、下部面19の色(例えば、黒)と同一であることが好ましい。物品供給装置1の利用開始時において、下部面19から被覆部11を剥離することで、情報表示体10が現れ、視認可能になり、端末2による情報表示体10の読み取りが可能となる。なお、被覆部11は、情報表示体10のみを被覆するものでなくてもよい。例えば、下部面19を含む前面壁18に、情報表示体10に近接して、情報表示体10の情報の取得を案内する案内部として機能する「矢印」等と「スマホで読み取り」といった文言等とを表示している場合において、被覆部11は、当該「矢印」と「スマホで読み取り」といった文言等を含めて被覆する。このようにすることで、一つの被覆部11を取り外すだけで、情報表示体10の情報の取得の操作を誤ることなく行うことができるという効果を有する。また、「矢印」と「スマホで読み取り」といった文言を被覆するための別途の被覆部11を設ける必要もなくなるので、被覆部11の着脱の操作を誤ることもなくなるという効果も有する。
【0040】
物品供給装置1は、かならずしも、電子決済を行える環境下に設置されるわけではなく、硬貨による現金決済のみを扱う場合も多いと思われる。そのような場合、電子決済に必要となる情報表示体10が存在することで、かえってユーザが混乱する場合も多いと思われる。そのため、被覆部11は、繰り返し着脱が可能であることが好ましく、再度、物品供給装置1の情報表示体10に装着して情報表示体10は被覆することができるものが良い。このような被覆部11は、従来からある素材で形成することができる。
【0041】
【0042】
物品供給装置1は、物品収容20と、物品供給部21と、ロック部22と、操作部23と、制御部24と、通信部25とを備える。
【0043】
物品収容部20は、多数の物品2を収容する。物品の収容は、物品収容部20を手前に引き、物品供給装置1の手前から物品2を投入することで、容易に物品を収容することができるように構成されている。物品収容部20内の下部には、1つの物品2が通り抜けられる大きさの孔を有する回転盤を備える物品供給部21が設置されている。
【0044】
操作部23はハンドル15の操作を物品供給部21の回転盤に伝える。操作部23はロック部22によりロックされており、ロックが解除されることにより、ハンドル15がユーザの操作により回転可能となる。ロックを解除する機構としては、例えばソレノイドロックを用いたロック解除機構を用いる。この場合、ソレノイドロックを用いてハンドル15を回転不能状態(ロック状態)にし、ソレノイドに通電することによってロックを解除してハンドル15を回転可能状態とする。なお、ソレノイドロックを用いたロック解除機構に限定されず、他のロック解除機構を用いてもよい。そして、ロック部22がロック解除状態において、ハンドル15を所定角度回転させることによって回転盤が連動して回転し、回転盤の孔と、物品収容部20の底に設けられた落下口とが対向すると、その落下口から、1つの物品2が、取出口16に連通する通路を通って取出口16に供給される。
【0045】
制御部24は、ロック部22のロックとそのロックの解除とを制御するものである。制御部24によるロック部22のロックの解除は、投入口14に投入された現金による決済や、外部から制御されるロック解除信号により、行われる。また、制御部24は、物品2の取出口16への排出の検知後に、又は、ロックの解除後所定時間経過後に、ロック部22をロックさせる。更に、制御部24は、外部から制御されるロック信号により、ロック部22をロックさせても良い。
【0046】
通信部25は、通信網6を介して、管理サーバ4と通信可能である。
【0047】
次に、管理サーバ4について説明する。
【0048】
図8は管理サーバ4の機能構成例を示すブロック図である。管理サーバ4は、記憶部61と、処理部62と、通信部63とを備える。
【0049】
記憶部61は、例えばRAMやROM、フラッシュメモリ等のICメモリ、ハードディスク等の磁気ディスク、CD-ROMやDVD等の光学ディスク等によって実現され、システムプログラムと、機能プログラムとが格納される。システムプログラムは、コンピュータとしての基本機能を実現するためのプログラムである。機能プログラムは、処理部62を、後述する物品供給装置判定部621と、決済部622と、物品供給制御部623と、して機能させるためのプログラムである。また、後述する各データベースが記憶されている。記憶されている各データベースを説明する。
【0050】
物品供給装置データベースD1は、物品2を供給可能な物品供給装置1の物品供給装置識別情報(ID)と、その物品供給装置1が提供する物品2の種別(商品名)と、その在庫数と、が関連付けられて記憶されている。
図9は物品供給装置データベースD1の一例を示す図である。
図9に示すように、物品供給装置データベースD1は、物品2を供給可能な物品供給装置1の物品供給装置識別情報と、物品2の種別(商品名)と、その在庫数と、が関連付けられて記憶されている。
【0051】
処理部62は、記憶部61に格納されるプログラムやデータに基づいて、管理装置5の動作を統括的に制御する。処理部62の機能は、例えば、CPUやGPU等のマイクロプロセッサ、ASIC、ICメモリ等の電子部品によって実現できる。この処理部62は、主な機能部として、物品供給装置判定部621と、決済部622と、物品供給制御部623と、を備える。
【0052】
物品供給装置判定部621は、端末3からの物品提供のリクエストを受信し、そのリクエストに含まれている物品供給装置識別情報を取得し、取得した物品供給装置識別情報が物品供給装置データベースD1に含まれているかを判断する。物品供給装置判定部621は、物品供給装置データベースD1に含まれている場合、その物品供給装置識別情報の物品供給装置1の供給物品と、その在庫数を確認し、在庫数がある場合、その物品供給装置識別情報を決済部622に通知する。一方、物品供給装置判定部621は、物品供給装置データベースD1に含まれていない、又は、物品供給装置データベースD1に含まれていても在庫がない場合は、物品2の供給が不可能であることを案内するエラー画面を端末3に送信する。
【0053】
決済部622は、物品供給装置判定部621から物品供給装置識別情報及びユーザIDを受信し、物品購入画面を、ユーザの端末3に送信する。決済部622は、物品供給装置データベースD1から、物品供給装置識別情報の物品供給装置1が供給する物品の商品名及び価格を読み出し、物品の商品名、その価格、及び決算方法を含む物品購入画面を生成し、生成した物品購入画面をユーザの端末3に送信する。また、決済部622は、ユーザの端末3から決済情報を受信し、物品の購入の決済が完了したことを、物品供給制御部623に通知する。
【0054】
物品供給制御部623は、決済部622から決済完了を受信すると、物品供給装置1のロック解除信号を送信し、物品供給装置1からの物品の供給を可能にする。物品供給装置1へのロック解除信号の宛先は、端末3からの物品提供のリクエストに含まれている物品供給装置識別情報により特定される物品供給装置1である。
【0055】
本実施の形態のシステムの動作を説明する。
【0056】
図10は本実施の形態の物品供給システムのシーケンス図であり、
図11はユーザの端末3に表示さる一連の画面を説明するための図である。
【0057】
ユーザは、物品2を供給可能な物品供給装置1が設置されている場所に赴き、その物品供給装置1に表示されている情報表示体10を読み取る。情報表示体10の取得は、ユーザの操作に応じて、端末3の撮影機能を用いて行われる(Step 1)。
図11(a)は端末3による物品供給装置1の情報表示体10の撮影例を示した図である。ユーザは、物品供給装置1の前に立ち、端末3のディスプレイに情報表示体10が表示されるように端末3を操作し、情報表示体10を撮影する。
【0058】
端末3は、撮影された情報表示体10から物品供給装置識別情報を取得する。本例では、情報表示体10から、物品供給装置識別情報と物品購入画面へのリンク先情報(例えば、URL)とが取得される(Step 2)。本例では、取得した物品供給装置識別情報が“EQ1001”とする。端末3は、取得した物品供給装置1の物品供給装置識別情報とリンク先とに基づいて、物品購入画面のリクエストを管理サーバ4に送信する。
【0059】
管理サーバ4は、端末3からのリクエストを受信し、供給判制御処理を行う(Step 3)。
図12は供給判制御処理のフローチャートである。
【0060】
物品供給装置判定部621は、端末3からリクエストを受信すると(Step 100)、リクエストに含まれている装置IDを取得する(Step 101)。本例では、取得した物品供給装置識別情報は“EQ1001”である。
【0061】
物品供給装置判定部621は、物品供給装置データベースD1を用いて、物品供給装置識別情報の判定を行う(Step 102)。物品供給装置識別情報の判定は、取得した物品供給装置識別情報が物品供給装置データベースD1に含まれているかの判定である。取得した物品供給装置識別情報が物品供給装置データベースD1に含まれている場合は(Step 103)、ユーザが取得した物品供給装置識別情報の物品供給装置1が物品2を供給可能な物品供給装置1であると判断する。一方、取得した物品供給装置識別情報が物品供給装置データベースD1に含まれていない場合は(Step 103)、物品2を供給可能な物品供給装置1ではないと判断し、エラーの案内情報を端末3に送信する(Step 110)。本例では、取得した物品供給装置識別情報は“EQ1001”であり、物品供給装置データベースD1に含まれているので、ユーザが物品の供給を受けようとしている物品供給装置1は、物品供給装置識別情報“EQ1001”の物品供給装置1であると判定する。
【0062】
物品供給装置判定部621は、取得した物品供給装置識別情報の物品供給装置1の物品2の在庫の確認を行う(Step 104)。物品供給装置判定部621は、物品供給装置データベースD1における取得した物品供給装置識別情報の在庫数が“0”でない場合、取得した物品供給装置識別情報の物品供給装置1が物品2を供給可能と判断して、ロック解除信号の送信先の物品供給装置1を特定し、物品供給装置識別情報及びユーザIDを決済部622に通知する。一方、物品供給装置判定部621は、物品供給装置データベースD1における取得した物品供給装置識別情報の在庫数が“0”である場合、エラーの案内情報を端末3に送信する(Step 110)。
【0063】
決済部622は、物品供給装置判定部621から物品供給装置識別情報を受信し、物品購入画面を生成する(Step 105)。決済部622は、取得した物品供給装置識別情報が供給する種別と価格とを読み出し、その物品名、価格、及びその物品を購入するための決済方法を含んだ物品購入画面を生成する。そして、決済部622は、物品購入画面を、端末3に送信する(Step106)。本例では、物品供給装置識別情報“EQ1001”の物品供給装置1が供給可能な物品は「商品X」であり、価格は「500円」である。
【0064】
端末3は、物品購入画面を表示する(Step 4)。端末3に表示される物品購入画面の一例が、
図11(b)である。
図11(b)の例では、商品Xと、その価格、3つの決済方法と、が表示されている。
【0065】
ユーザは、提示された決済方法を選択し、決済ボタンを選択すると、端末3は決済情報を送信する。決済情報は、価格、決済方法を含む。
【0066】
決済部622は、決済情報を受信すると(Step 107)、決済処理を行う(Step 108)。決済処理は従来から行われているクレジット決済等の電子決済を利用することが可能である。決済部622は、決済が完了すると、決済の完了と物品供給装置識別情報とを、物品供給制御部623に通知する。
【0067】
決済部622は、決済の完了と物品提供の告知とを含む案内画面を、端末3に送信する(Step 109)。
【0068】
物品供給制御部623は、物品供給装置識別情報により特定される物品供給装置1に、ロック解除信号を送信する(Step 111)。本例では、物品供給制御部623は、物品供給装置識別情報“EQ1001”の物品供給装置1に、ロック解除信号を送信する。
【0069】
案内画面を受信した端末3は、案内画面を表示する。端末3に表示される案内画面の一例が、
図11(c)である。
図11(c)の例では、決済が完了したこと、物品供給装置1のハンドル15を操作して物品を受け取ること、1分間でハンドル15がロックされること、が案内されている。
【0070】
ユーザは、案内情報に従って、物品供給装置1を操作する。
【0071】
物品供給装置1は、ロック解除信号を受信し、供給処理を行う(Step 5)。そして、物品供給装置1は、供給報告を管理サーバ4に送信する。尚、管理サーバ4は、供給報告を受けて在庫数を更新する。
【0072】
ここで、
図13のフローチャートを用いて、物品供給装置1の供給処理(Step 3)について説明する。
【0073】
物品供給装置1の制御部24は、ロック解除信号を受信すると(Step 200)、ロック部22のロックを解除する(Step 201)。
【0074】
物品供給装置1の制御部24は、物品2の供給の判定を行う(Step 202)。まず、制御部24は、操作部23のハンドル15の操作(例えば、1回転)がされたかを判断する(Step 203)。ハンドル15の操作(例えば、1回転)がされると、物品供給部21から、ひとつの物品2が取出口16に供給される(Step 204)。そして、制御部24は、ロック部22をロックする(Step 205)。
【0075】
一方、制御部24は、ハンドル15の操作がない場合(Step 203)、ロック解除から所定時間(例えば、1分間)経過しているかを判断する(Step 207)。制御部24は、ハンドル15の操作がなく(Step203)、ロック解除から所定時間(例えば、1分間)経過している場合(Step 207)、ロック部22をロックする(Step 205)。
【0076】
最後に、制御部24は、正常に物品2が供給された場合には正常に物品2が供給された旨の供給報告を行い、物品2が供給されなかった場合には物品2が供給されなかった旨の供給報告を行う(Step 206)。
【0077】
尚、ロック部22のロック解除からロックまでの制御であるが、上述した例では、制御部24がロック解除から所定時間経過しているかを判断し、所定時間経過した場合に、ロック部22をロック状態にする例を説明した。これは一例であり、例えば、管理サーバ4の物品供給制御部623がロック解除信号の送信から時間の計測を行い、所定時間が経過するまでに、正常に物品2が供給された旨の供給報告を受信しない場合、制御部24が物品供給装置1の制御部24にロック信号を送信するように構成しても良い。この場合、制御部24は、ロック信号を受信すると、ロック部22をロック状態にする。
【0078】
以上で、物品供給装置1の供給処理(Step 5)の説明を終わる。
【0079】
本実施の形態は、物品供給装置を識別する識別情報を含んだ情報表示体を、物品供給装置に装着し、その情報表示体を端末3に読み取らせることで、物品の電子決済を可能としている。その一方、その情報表示体を被覆部で被覆することで、物品供給装置を現金決済のみ利用可能とする場合のユーザの混乱を防止する。
【0080】
すなわち、被覆部の情報表示体への脱着により、情報表示体が視認可能であって電子決済可能な形態と、情報表示体が不視認可能であって現金決済のみ可能な形態と、を実現することができる。
【0081】
上記の実施の形態の一部又は全部は、以下の付記のようにも記載されるが、以下には限られない。
【0082】
[付記1]
物品を供給可能な物品供給装置であって、
物品供給装置を識別する識別情報を含む情報表示体と、
物品を収容可能な収容部と、
前記収容部に収容している物品を供給可能な供給部と、
前記供給部から物品を供給不可能にロック可能なロック部と、
前記情報表示体から前記識別情報を取得したことを条件として、前記ロック部をロック状態から解除状態に制御可能な制御部と、
を備え、
前記情報表示体を視認不可能とする第1形態、及び前記情報表示体を視認可能とする第2形態をとり得るように構成されている、
物品供給装置。
【0083】
[付記2]
前記情報表示体は、前記第1形態において、前記識別情報を取得不可能に構成され、前記第2形態において、前記識別情報を取得可能に構成されている、
付記1に記載の物品供給装置。
【0084】
[付記3]
前記情報表示体を被覆可能な被覆部を備え、
前記情報表示体に前記被覆部を装着することで第1形態をとり、前記被覆部を装着しないことで前記第2形態をとり得るように構成されている、
付記1又は付記2に記載の物品供給装置。
【0085】
[付記4]
前記被覆部は、前記情報表示体に対し着脱可能に構成されている、
付記1から付記3のいずれかに記載の物品供給装置。
【0086】
[付記5]
前記制御部は、前記識別情報の取得による電子決済の完了を条件として、前記ロック部をロック状態から解除状態に制御する、
付記1から付記4のいずれかに記載の物品供給装置。
【0087】
[付記6]
前記識別情報は、電子決済を可能とする情報を含んでいる、
付記1から付記5のいずれかに記載の物品供給装置。
【0088】
[付記7]
前記供給部からの物品の供給を可能に操作する操作部を備え、
前記操作部は、前記ロック部が解除状態にあることを条件として、操作可能に構成されている、
付記1から付記6のいずれかに記載の物品供給装置。
【0089】
[付記8]
硬貨の投入口部と、硬貨の返却口部と、を備え、
前記情報表示体は、前記返却口部の近傍に配置されている、
付記1から付記7のいずれかに記載の物品供給装置。
【0090】
[付記9]
前記供給部から供給された物品を取出し可能な取出口部を備え、
前記投入口部と前記返却口部と前記取出口部とは、物品供給装置の前面壁に設けられ、
前記前面壁の下部は、上方向又は斜め上方向を向くように構成され、
前記前面壁の下部に、前記情報表示体が配置されている、
付記1から付記8のいずれかに記載の物品供給装置。
【0091】
[付記10]
前記情報表示体の周囲は、前記前面壁の下部の色と異なる色で着色されている、
付記1から付記9のいずれかに記載の物品供給装置。
【0092】
[付記11]
前記情報表示体に近接して、当該情報表示体の情報の取得を案内する案内部を備え、
前記被覆部は、前記情報表示体と共に前記案内部を被覆するように構成されている、
付記1から付記10のいずれかに記載の物品供給装置。
【0093】
以上、好ましい実施の形態をあげて本発明を説明したが、本発明は必ずしも上記実施の形態に限定されるものではなく、その技術的思想の範囲内において様々に変形し実施することが出来る。
【符号の説明】
【0094】
1 物品供給装置
2 物品
3 端末
4 管理サーバ
5 通信網
10 情報表示体
11 被覆部