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特開2024-141043情報処理方法、情報処理プログラム、記憶媒体、及び、情報処理装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024141043
(43)【公開日】2024-10-10
(54)【発明の名称】情報処理方法、情報処理プログラム、記憶媒体、及び、情報処理装置
(51)【国際特許分類】
   B62M 6/45 20100101AFI20241003BHJP
   B62M 25/08 20060101ALI20241003BHJP
【FI】
B62M6/45
B62M25/08
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023052477
(22)【出願日】2023-03-28
(71)【出願人】
【識別番号】000005326
【氏名又は名称】本田技研工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002505
【氏名又は名称】弁理士法人航栄事務所
(72)【発明者】
【氏名】服部 真
(72)【発明者】
【氏名】砂本 雅幸
(72)【発明者】
【氏名】野村 真成
(72)【発明者】
【氏名】大貫 博崇
(57)【要約】
【課題】シンプルな構成で第1回転状態量の取得及び第2回転状態量の取得の少なくとも一方に異常が発生したことを精度よく検知する。
【解決手段】クランクペダル76と後輪RWとの動力伝達経路に設けられる変速部80と、動力伝達経路上の変速部80よりもクランクペダル76側に設けられたクランク75と、動力伝達経路上の変速部80よりも後輪RW側に設けられた後輪RWと、を有する電動アシスト自転車10の情報処理方法であって、クランク75のケイデンスCを取得する第1取得ステップと、後輪RWの後輪回転速度Vrを取得する第2取得ステップと、ケイデンスC及び変速部80の変速比Rに基づいて、後輪RWの回転状態の換算値である換算後輪回転速度Vcを算出する算出ステップと、後輪回転速度Vrと換算後輪回転速度Vcとを比較する比較ステップと、を有する。
【選択図】図8
【特許請求の範囲】
【請求項1】
入力部と、
該入力部と車輪との動力伝達経路に設けられる変速部と、
前記動力伝達経路上の前記変速部よりも前記入力部側に設けられた第1回転部と、
前記動力伝達経路上の前記変速部よりも前記車輪側に設けられた第2回転部と、
を有する車両の情報処理方法であって、
前記第1回転部の回転状態量である第1回転状態量を取得する第1取得ステップと、
前記第2回転部の回転状態量である第2回転状態量を取得する第2取得ステップと、
前記第1回転状態量、及び、前記変速部の変速比に基づいて、前記第2回転部の回転状態の換算値である換算第2回転状態量を算出する算出ステップと、
前記第2回転状態量と前記換算第2回転状態量とを比較する比較ステップと、を有する、
情報処理方法。
【請求項2】
請求項1に記載の情報処理方法であって、
前記比較ステップにおける比較結果に基づいて、
前記第2回転状態量と前記換算第2回転状態量とが異なるときに、
前記第1取得ステップ及び前記第2取得ステップの少なくとも一方に異常が発生していると判断する、
若しくは、
前記第1回転状態量及び前記第2回転状態量の少なくとも一方に基づく制御を抑制又は禁止する、
情報処理方法。
【請求項3】
請求項1に記載の情報処理方法であって、
前記比較ステップにおける比較結果に基づいて、
前記第2回転状態量と前記換算第2回転状態量とが異なるときに、
前記第1取得ステップにおいて、前記第1回転状態量が取得されている場合に、
前記第2取得ステップに異常が発生していると判断する、
情報処理方法。
【請求項4】
入力部と、
該入力部と車輪との動力伝達経路に設けられる変速部と、
前記動力伝達経路上の前記変速部よりも前記入力部側に設けられた第1回転部と、
前記動力伝達経路上の前記変速部よりも前記車輪側に設けられた第2回転部と、
を有する車両の情報処理プログラムであって、
前記第1回転部の回転状態量である第1回転状態量を取得する第1取得処理と、
前記第2回転部の回転状態量である第2回転状態量を取得する第2取得処理と、
前記第1回転状態量、及び、前記変速部の変速比に基づいて、前記第2回転部の回転状態の換算値である換算第2回転状態量を算出する算出処理と、
前記第2回転状態量と前記換算第2回転状態量とを比較する比較処理と、
をプロセッサに実行させる、情報処理プログラム。
【請求項5】
請求項4に記載の情報処理プログラムが記憶された記憶媒体。
【請求項6】
入力部と、
該入力部と車輪との動力伝達経路に設けられる変速部と、
前記動力伝達経路上の前記変速部よりも前記入力部側に設けられた第1回転部と、
前記動力伝達経路上の前記変速部よりも前記車輪側に設けられた第2回転部と、
を有する車両に搭載される情報処理装置であって、
前記第1回転部の回転状態量である第1回転状態量を取得する第1取得部と、
前記第2回転部の回転状態量である第2回転状態量を取得する第2取得部と、
前記第1回転状態量、及び、前記変速部の変速比に基づいて、前記第2回転部の回転状態の換算値である換算第2回転状態量を算出する算出部と、
前記第2回転状態量と前記換算第2回転状態量とを比較する比較部と、を有する、
情報処理装置。
【請求項7】
動力源と、
該動力源と車輪との動力伝達経路に設けられる変速部と、
前記動力伝達経路上の前記変速部よりも前記動力源側に設けられた第1回転部と、
前記動力伝達経路上の前記変速部よりも前記車輪側に設けられた第2回転部と、
を有する車両の情報処理方法であって、
前記第1回転部の回転状態量である第1回転状態量を取得する第1取得ステップと、
前記第2回転部の回転状態量である第2回転状態量を取得する第2取得ステップと、
前記第1回転状態量、及び、前記変速部の変速比に基づいて、前記第2回転部の回転状態の換算値である換算第2回転状態量を算出する算出ステップと、
前記第2回転状態量と前記換算第2回転状態量とを比較する比較ステップと、を有する、
情報処理方法。


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両の情報処理方法、車両の情報処理プログラム、車両の情報処理プログラムが記憶された記憶媒体、及び、車両の情報処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、クランクペダルの踏力をモータの動力でアシストする電動アシスト自転車が知られている(例えば、特許文献1)。電動アシスト自転車では、アシスト力の上限値、及び、車速に対するアシスト比の上限値が法規で定められている。例えば、日本の法規では、以下のように定められている。
【0003】
「24キロメートル毎時未満の速度で自転車を走行させることとなる場合において、人の力に対する原動機を用いて人の力を補う力の比率が、(1)又は(2)に掲げる速度の区分に応じそれぞれ(1)又は(2)に定める数値以下であること。
(1) 10キロメートル毎時未満の速度: 2
(2) 10キロメートル毎時以上24キロメートル毎時未満の速度: 走行速度をキロメートル毎時で表した数値から10を減じて得た数値を7で除したものを2から減じた数値」
【0004】
したがって、電動アシスト自転車においては、法規を逸脱したアシストを行ってしまうことを防ぐために、より正確且つ確実に車速を検出することが求められる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】国際公開第2022/191285号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、車輪に取り付けられたマグネットの回転をホールセンサで検出するタイプの速度センサは、マグネットの位置がずれると車速を検出できない場合がある。また、車速センサがモータや制御ユニットの外部に設置されていると、断線によって車速を検出できない場合がある。これらの場合において、速度センサに異常が発生したことが検知されないと、電動アシスト自転車が走行中であるにもかかわらず車速が0であると認識されてしまい、法規を逸脱したアシストを行ってしまう虞があるため、対策が必要となる。
【0007】
本発明は、シンプルな構成で回転部の回転状態量の取得に異常が発生したことを精度よく検知することができる情報処理方法、情報処理プログラム、記憶媒体、及び、情報処理装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の第1態様は、
入力部と、
該入力部と車輪との動力伝達経路に設けられる変速部と、
前記動力伝達経路上の前記変速部よりも前記入力部側に設けられた第1回転部と、
前記動力伝達経路上の前記変速部よりも前記車輪側に設けられた第2回転部と、
を有する車両の情報処理方法であって、
前記第1回転部の回転状態量である第1回転状態量を取得する第1取得ステップと、
前記第2回転部の回転状態量である第2回転状態量を取得する第2取得ステップと、
前記第1回転状態量、及び、前記変速部の変速比に基づいて、前記第2回転部の回転状態の換算値である換算第2回転状態量を算出する算出ステップと、
前記第2回転状態量と前記換算第2回転状態量とを比較する比較ステップと、を有する、
情報処理方法である。
【0009】
本発明の第2態様は、
入力部と、
該入力部と車輪との動力伝達経路に設けられる変速部と、
前記動力伝達経路上の前記変速部よりも前記入力部側に設けられた第1回転部と、
前記動力伝達経路上の前記変速部よりも前記車輪側に設けられた第2回転部と、
を有する車両の情報処理プログラムであって、
前記第1回転部の回転状態量である第1回転状態量を取得する第1取得処理と、
前記第2回転部の回転状態量である第2回転状態量を取得する第2取得処理と、
前記第1回転状態量、及び、前記変速部の変速比に基づいて、前記第2回転部の回転状態の換算値である換算第2回転状態量を算出する算出処理と、
前記第2回転状態量と前記換算第2回転状態量とを比較する比較処理と、
をプロセッサに実行させる、情報処理プログラムである。
【0010】
本発明の第3態様は、
前述した情報処理プログラムが記憶された記憶媒体である。
【0011】
本発明の第4態様は、
入力部と、
該入力部と車輪との動力伝達経路に設けられる変速部と、
前記動力伝達経路上の前記変速部よりも前記入力部側に設けられた第1回転部と、
前記動力伝達経路上の前記変速部よりも前記車輪側に設けられた第2回転部と、
を有する車両に搭載される情報処理装置であって、
前記第1回転部の回転状態量である第1回転状態量を取得する第1取得部と、
前記第2回転部の回転状態量である第2回転状態量を取得する第2取得部と、
前記第1回転状態量、及び、前記変速部の変速比に基づいて、前記第2回転部の回転状態の換算値である換算第2回転状態量を算出する算出部と、
前記第2回転状態量と前記換算第2回転状態量とを比較する比較部と、を有する、
情報処理装置である。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、シンプルな構成で第1回転状態量の取得及び第2回転状態量の取得の少なくとも一方に異常が発生したことを精度よく検知することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明の一実施形態の電動アシスト自転車10の側面図である。
図2】動力ユニット20やクランク軸83、後輪78の周辺における、動力を伝達する機構を示す模式図である。
図3】電動アシスト自転車10における、動力ユニット20、バッテリ2、及び制御部40の電気経路と通信経路を説明する図である。
図4】電動アシスト自転車10における、制御装置40のブロック図である。
図5】電動アシスト自転車10における、スタンド支持ブラケット92近傍を車幅方向外側から見た図である。
図6】電動アシスト自転車10における、後輪回転数センサSE3近傍を車幅方向内側から見た図である。
図7図6のA-A断面図である。
図8】電動アシスト自転車10における、センサ異常判定処理のフローチャートである。
図9】センサ異常判定の詳細を説明するための図である。
図10】センサ異常判定の変形例を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の一実施形態としての車両の一例である電動アシスト自転車を、添付図面に基づいて説明する。なお、図面は、符号の向きに見るものとする。また、本明細書等では説明を簡単且つ明確にするために、前後、左右、上下の各方向は、電動アシスト自転車の運転者から見た方向に従って記載し、図面には、電動アシスト自転車の前方をFr、後方をRr、左方をL、右方をR、上方をU、下方をD、として示す。
【0015】
図1及び図2に示すように、電動アシスト自転車10は、前輪FWと、後輪RWと、自転車フレーム60と、後輪RWを駆動する動力ユニット20と、動力ユニット20と電気的に接続されるバッテリユニット4と、を備え、動力ユニット20が発生するアシスト力が出力可能に構成された電動アシスト自転車である。
【0016】
自転車フレーム60は、前端のヘッドチューブ61と、ヘッドチューブ61の下端部近傍から後方斜め下方向に延びるダウンチューブ62と、ヘッドチューブ61の上端部近傍からダウンチューブ62よりも上方を後方向に延びるトップチューブ63と、ダウンチューブ62の後下端部から上方斜め後ろ方向に立ち上がりトップチューブ63の後端部と連結するシートチューブ64と、ダウンチューブ62の後下端部とシートチューブ64の下端部との連結点に固着されて左右に延びる円筒状のボトムブラケットハンガー65(図2参照)と、シートチューブ64の下端部から後方向に延びる左右一対のチェーンステー66と、左右それぞれのチェーンステー66の後端部に設けられ、後輪RWの車軸を軸支する左右一対のリヤエンド67と、左右それぞれのチェーンステー66の後端部から上方斜め前方向に立ち上がりシートチューブ64に連結する左右一対のシートステー68と、を備える。
【0017】
ヘッドチューブ61にはフロントフォーク71が操向可能に支承され、フロントフォーク71の下端に前輪FWの車軸が軸支されている。フロントフォーク71の上端には操向ハンドル72が設けられている。操向ハンドル72には、乗員(例えば運転者)が所有する携帯端末8(図3参照)を保持する携帯端末ホルダ6が設けられている。なお、携帯端末ホルダ6は必ずしも必要ではなく、携帯端末8は、乗員自体、乗員の装着物(衣服、バッグ)に装着(収納)されていてもよい。左右一対のリヤエンド67間には、駆動輪である後輪RWの車軸が軸支されている。シートチューブ64には、上端にシート73を備える円筒状のシートポスト69が、シート73の上下位置を調整可能に内嵌合して固定されている。
【0018】
ダウンチューブ62には、動力ユニット20へ電力を供給するバッテリユニット4が着脱可能に固定されている。より詳しく説明すると、バッテリユニット4は、ダウンチューブ62の上面に取り付けられる台座3と、台座3に対し着脱可能に設けられ、内部に複数のセルを有するバッテリ2と、を備える。
【0019】
自転車フレーム60のボトムブラケットハンガー65には、クランクシャフト74が挿通している。クランクシャフト74は、ボトムブラケットハンガー65を貫通しており、クランクシャフト74の左端及び右端は、ボトムブラケットハンガー65から車幅方向を都側に露出している。クランクシャフト74の左端及び右端には、それぞれ、クランクシャフト74から径方向外側に延出するクランク75が設けられ、左右のクランク75の先端部には、それぞれクランクペダル76が連結される。クランクペダル76は、乗員から電動アシスト自転車10を駆動する動力となる踏力(以下、ペダル踏力)が入力される入力部として機能し、乗員からクランクペダル76に加えられたペダル踏力は、クランク75を介してクランクシャフト74へ伝達される。
【0020】
クランクシャフト74と後輪RWの車軸との間には、変速部80が設けられている。変速部80は、クランクシャフト74に設けられ、クランクシャフト74と一体に回転可能な駆動スプロケット81と、後輪RWの車軸に設けられ、後輪RWの車軸と一体回転可能な従動スプロケット82と、駆動スプロケット81と従動スプロケット82とに掛け回された無端環状のチェーン83と、を備える。
【0021】
動力ユニット20は、モータMの出力軸21と、クランクシャフト74とが平行に配置される。クランクシャフト74は、筒状のスリーブ26の内側に第1ワンウェイクラッチ28を介して回転自在に支持されており、このスリーブ26の外周側にモータMの出力軸21に設けられたモータ出力ギヤ21aと噛み合う従動ギヤ26a及び駆動スプロケット81が固定されている。したがって、モータMのトルクが、モータ出力ギヤ21a、従動ギヤ26a、及びスリーブ26を介して駆動スプロケット81に伝達される。即ち、モータMは、クランクペダル76と並列に設けられている。
【0022】
また、従動スプロケット82と後輪RWとの間には第2ワンウェイクラッチ32が設けられている。
【0023】
このように構成された電動アシスト自転車10では、クランクペダル76を前進方向(正回転方向、順方向とも称す)に漕いだ場合には、第1ワンウェイクラッチ28が係合してクランクシャフト74の正回転動力がスリーブ26を介して駆動スプロケット81に伝達され、さらにチェーン83を介して従動スプロケット82に伝達される。このとき第2ワンウェイクラッチ32も係合することで、従動スプロケット82に伝達された正回転動力が、後輪RWに伝達される。
【0024】
一方、クランクペダル76を後進方向(逆回転方向、逆方向とも称す)に漕いだ場合には、第1ワンウェイクラッチ28が係合せず、クランクシャフト74の逆回転動力がスリーブ26に伝達されずクランクシャフト74が空転する。
【0025】
また、例えば電動アシスト自転車10を前進方向に押し進める場合のように、後輪RWから前進方向(正回転方向)の正回転動力が入力される場合、第2ワンウェイクラッチ32が係合せず、後輪RWの正回転動力が従動スプロケット82に伝達されない。そのため、後輪RWは、従動スプロケット82に対し相対回転する。一方、電動アシスト自転車10を後進方向に押し進める場合のように、後輪RWから後進方向(逆回転方向)の逆回転動力が入力される場合には、第2ワンウェイクラッチ32が係合して後輪RWの逆回転動力が従動スプロケット82に伝達され、さらにチェーン83を介して駆動スプロケット81に伝達される。また、このとき第1ワンウェイクラッチ28も係合することから、駆動スプロケット81に伝達された逆回転動力が、クランクシャフト74及びクランク75に伝達されてクランクシャフト74及びクランク75が逆回転する。
【0026】
電動アシスト自転車10には、動力ユニット20を制御する制御装置40が設けられている。
【0027】
動力ユニット20には、モータMの回転速度を検知するモータ回転数センサSE1が設けられている。モータ回転数センサSE1は、モータMの出力軸21の外周部に設けられた磁石及びホールICから構成される。
【0028】
スリーブ26には、ペダル踏力によって発生するペダルトルク値Tqを検知するトルクセンサSE2が設けられている。トルクセンサSE2は、スリーブ26の外周部に配設された磁気変位式のトルクセンサから構成される。
【0029】
制御装置40は、トルクセンサSE2の出力値であるペダルトルク値Tqからペダル踏力を算出し、このペダル踏力と、単位時間当たりの電動アシスト自転車10の進行距離(以下、車速とも称する。)に応じたアシスト比と、によって定められるアシスト力が発生するように、モータMをPWM(Pulse Width Modulation)制御する。
【0030】
チェーンステー66には、後輪回転数センサSE3が設けられている。後輪回転数センサSE3は、例えば磁気検知センサである。後輪RWのスポークには磁石が取り付けられており、後輪回転数センサSE3は、後輪RWのスポークに取り付けられた磁石がセンサを通過するときの磁気パルスを検知する。後輪回転数センサSE3は検知した磁気パルスを車速パルスとして制御装置40に送信する。後輪回転数センサSE3のチェーンステー66への取付の詳細については、後述する。
【0031】
クランク75の周辺には、ケイデンスセンサSE4が設けられている。例えば、ケイデンスセンサSE4は、ダウンチューブ62の下端部近傍に取り付けられている。ケイデンスセンサSE4は、例えば磁気検知センサである。クランク75には磁石が取り付けられており、ケイデンスセンサSE4は、クランク75に取り付けられた磁石がセンサを通過するときの磁気パルスを検知する。ケイデンスセンサSE4は検知した磁気パルスをケイデンスパルス(ケイデンス関連情報)として制御装置40に送信する。
【0032】
図3は、電動アシスト自転車10における、動力ユニット20、バッテリ2、及び、制御装置40の電気経路と通信経路を説明する図である。
【0033】
制御装置40は、例えば、各種演算処理を実行可能なプロセッサ40aと、プロセッサ40aのワークエリアとして使用されるRAM(Random Access Memory)40bと、各種情報を記憶するROM(Read Only Memory)40c等の記憶媒体と、を備える。制御装置40は、後述のペダル踏力と電動アシスト自転車10の車速V[km/h]に応じたアシスト比とによって定められるアシスト力が発生するように、動力ユニット20のモータMから発生させるトルク(単に動力とも称する)を演算する。これにより、モータMは、制御装置40からの演算結果(駆動要求)を受けた動力ユニット20のCPU22に従って動作する。コンバータDC/DCは、供給される直流電圧を直流のまま降圧して制御装置40、慣性計測装置(Inertial Measurement Unit、図中のIMU)41、メモリ42、GNSS(Global Navigation Satellite System)43、及びBLE(Bluetooth Low Energy(登録商標))通信装置44の電源電圧を生成する。
【0034】
慣性計測装置41は、例えば、3軸加速度センサ、3軸角速度センサ、及び3軸方位センサの機能をあわせもつ9軸センサであり、制御装置40の搭載姿勢を検出する。GNSS43は、電動アシスト自転車10の位置情報を取得する。メモリ42は、例えばSDカードであり、電動アシスト自転車10の情報、走行データ等を一時的又は永続的に保持する。BLE通信装置44は、携帯端末8等とBT接続(Bluetooth通信)するための通信装置である。
【0035】
このように構成された電気系統及び通信系統では、バッテリ2からの電力が電力線51、55を介して動力ユニット20のモータMに供給されるとともに、電力線56、52を介して動力ユニット20からコンバータDC/DCを介して降圧された電力が制御装置40、慣性計測装置41、GNSS43、メモリ42、及びBLE通信装置44に供給される。そして、制御装置40に電力が供給された状態で、携帯端末8を介して動力ユニット20の起動要求があると、信号線53、57を介して動力ユニット20にパワーオン信号が発信され、動力ユニット20のCPU22が起動する。これにより、動力ユニット20が発生するアシスト力が出力可能な電動アシスト機能が有効となる。動力ユニット20が起動すると、信号線54、58を介して動力ユニット20と制御装置40とで情報交換が行われるとともに、BLE通信装置を介して制御装置40と携帯端末8等とで情報交換が可能となる。
【0036】
[アシスト比に関する法規]
日本の法規では、車速が10[km/h]まではアシスト比の上限値が2で、車速が[10km/h]から24[km/h]までの間にアシスト比を2から0まで漸減させる必要がある。そのため、電動アシスト機能がオンである状態では、制御装置40は、日本の法規制を超えないようなアシスト比とする必要がある。
【0037】
図4に示すように、制御装置40は、モータ回転数センサSE1、トルクセンサSE2、後輪回転数センサSE3、ケイデンスセンサSE4、慣性計測装置41、及び、GNSS43から出力される信号を受信して、車速V[km/h]、ケイデンスC[rpm]、後輪回転速度Vr[rot/sec]、及び、ペダルトルク値Tq[W]を含む電動アシスト自転車10の状態を取得する車両状態取得部401と、車両状態取得部401で取得した電動アシスト自転車10の状態に基づいて、モータMによるアシストのアシスト比を設定するアシスト比設定部402と、モータ回転数センサSE1、トルクセンサSE2、後輪回転数センサSE3、ケイデンスセンサSE4、慣性計測装置41、及び、GNSS43の異常を判定する異常判定部403と、を備える。制御装置40は、信号線54、58を介して、アシスト比設定部402で設定されたアシスト比に関する情報を動力ユニット20のCPU22に送信する。動力ユニット20のCPU22は、アシスト比設定部402で設定されたアシスト比に関する情報に基づいて、モータMを制御する。
【0038】
車両状態取得部401は、クランク75の回転(運動)の速さを示すケイデンスC[rpm]を取得するケイデンス取得部401aと、後輪RWの回転速度である後輪回転速度Vr[rot/sec]を取得する後輪回転速度取得部401bと、を有する。
【0039】
異常判定部403は、後述する換算後輪回転速度Vc[rot/sec]を算出する算出部403aと、後輪回転速度Vr[rot/sec]と換算後輪回転速度Vc[rot/sec]とを比較する比較部403bと、を有する。
【0040】
[後輪回転数センサの取付]
図5から図7に示すように、後輪回転数センサSE3は、チェーンステー66の車幅方向内側に配置されたセンサブラケット91に固定されている。後輪回転数センサSE3は、センサブラケット91の車幅方向内側に配置されている。後輪回転数センサSE3には、左右方向に貫通し、センサ固定ボルト981が挿通可能なボルト挿通孔90aが設けられている。また、センサブラケット91には、チェーンステー66よりも下方に、左右方向に貫通し、センサ固定ボルト981が螺合する第1雌ネジ孔911が設けられている。そして、センサ固定ボルト981が、車幅方向内側から後輪回転数センサSE3のボルト挿通孔90aを挿通し、センサブラケット91の第1雌ネジ孔911に螺合することによって、後輪回転数センサSE3は、センサブラケット91に締結固定されている。
【0041】
前後方向から見て、チェーンステー66の車幅方向外側でセンサブラケット91と対向する位置には、スタンド支持ブラケット92が配置されている。スタンド支持ブラケット92には、キックスタンド92aが回動可能に支持されている。
【0042】
スタンド支持ブラケット92には、チェーンステー66よりも下方に、左右方向に貫通し、前述したセンサ固定ボルトが挿通する第1ボルト挿通孔921が設けられている。センサブラケット91の第1雌ネジ孔911に螺合するセンサ固定ボルト981は、スタンド支持ブラケット92の第1ボルト挿通孔921を挿通し、第1ボルト挿通孔921よりも車幅方向外側に突出する。そして、センサ固定ボルト981には、車幅方向外側からナット991が螺合する。
【0043】
そして、センサ固定ボルト981がセンサブラケット91の第1雌ネジ孔911に螺合し、スタンド支持ブラケット92を挟んで車幅方向外側からセンサ固定ボルト981にナット991が螺合することによって、センサブラケット91とスタンド支持ブラケット92とが締結されている。
【0044】
このとき、センサブラケット91とスタンド支持ブラケット92とは、センサ固定ボルト981における、センサブラケット91の第1雌ネジ孔911との螺合部と、ナット991との螺合部との間の軸力によって締結されている。これに対し、後輪回転数センサSE3は、センサ固定ボルト981における、センサブラケット91の第1雌ネジ孔911との螺合部と、ボルトヘッド981aとの間の軸力によってセンサブラケット91に締結固定されている。
【0045】
したがって、センサ固定ボルト981において、センサブラケット91の第1雌ネジ孔911との螺合部とナット991の螺合部との間の軸力と、センサブラケット91の第1雌ネジ孔911との螺合部とボルトヘッド981aとの間の軸力とは、互いに独立している。そのため、スタンド支持ブラケット92とセンサブラケット91とをセンサ固定ボルト981とナット991とによって強固に締結した場合でも、センサ固定ボルト981とナット991との間の軸力は、後輪回転数センサSE3には伝達しない。これにより、スタンド支持ブラケット92とセンサブラケット91との締結強さによらず、後輪回転数センサSE3とセンサブラケット91との締結強さを任意に設定することができる。
【0046】
センサブラケット91には、チェーンステー66よりも上方に、左右方向に貫通し、センサブラケット固定ボルト982が螺合する第2雌ネジ孔912が設けられている。また、スタンド支持ブラケット92には、チェーンステー66よりも上方に、左右方向に貫通し、前述したセンサブラケット固定ボルト982が挿通する第2ボルト挿通孔922が設けられている。センサブラケット固定ボルト982は、車幅方向外側からスタンド支持ブラケット92の第2ボルト挿通孔922を挿通し、センサブラケット91の第2雌ネジ孔912に螺合する。
【0047】
そして、センサブラケット91とスタンド支持ブラケット92とは、チェーンステー66を左右方向に挟んで、センサ固定ボルト981とセンサブラケット固定ボルト982とによってチェーンステー66の上方と下方で締結する。これにより、センサブラケット91とスタンド支持ブラケット92とは、チェーンステー66に固定される。
【0048】
さらに、スタンド支持ブラケット92には、第2ボルト挿通孔922より上方に、スタンド支持ボルト983が挿通する第3ボルト挿通孔923が設けられている。また、シートステー68には、シートステー68から前方斜め下方向に延在する補助ブラケット93が取り付けられている。補助ブラケット93には、前述したスタンド支持ボルト983が螺合する雌ネジ孔931が設けられている。スタンド支持ボルト983は、車幅方向外側からスタンド支持ブラケット92の第3ボルト挿通孔923を挿通し、補助ブラケット93の雌ネジ孔931に螺合する。
【0049】
これにより、スタンド支持ブラケット92は、チェーンステー66に固定されるとともに、シートステー68に取り付けられた補助ブラケット93にも支持されるので、スタンド支持ブラケット92が回動したり位置ずれしたりすることをより防止することができ、スタンド支持ブラケット92をより強固に電動アシスト自転車10に固定できる。
【0050】
[センサ異常判定処理の処理フロー]
続いて、図8から図10を参照して、制御装置40で実行される、センサ異常判定処理について説明する。このセンサ異常判定処理は、制御装置40において、ROM40cに記憶されたセンサ異常判定プログラムをCPU40aに実行させることによって行われる。このように、ROM40cに記憶されたセンサ異常判定プログラムをコンピュータに読み込ませることで、センサ異常判定プログラムを容易に実行させることができる。
【0051】
センサ異常判定処理は、電動アシスト自転車10が電源ONされたことを契機に実行を開始する。
【0052】
センサ異常判定処理では、まず、ステップS110へと進み、クランク75の回転状態量として、ケイデンスセンサSE4から受信したケイデンスパルス(ケイデンス関連情報)に基づいて、ケイデンス取得部401aにおいて、クランク75の回転(運動)の速さを示すケイデンスC[rpm]を取得する。具体的には、ケイデンス取得部401aは、ケイデンスパルスのパルス間隔からケイデンスC[rpm]を算出する。本実施形態では、クランク75に取り付けられる磁石は1個であり、磁気パルスはクランク75の2回転目以降の1回転につき1回検出される。このため、ケイデンスC[rpm]は次の(1)式で算出される。
【0053】
C[rpm]={1/磁気パルス間隔[sec]}×60 ・・・(1)
【0054】
続いて、ステップS120へと進み、異常判定部403において、ステップS110で取得したケイデンスC[rpm]が0であるか否かを判定する。ステップS110で取得したケイデンスC[rpm]が0である場合(ステップS120:YES)は、ステップS230へと進み、異常なしと判定して、ステップS240へと進んで後述する経過時間tのカウントをリセットした後、一連の処理を終了する。一方、ステップS110で取得したケイデンスC[rpm]が0でない場合(ステップS120:NO)は、ステップS130へと進む。
【0055】
ステップS130では、後輪RWの回転状態量として、後輪回転数センサSE3から受信した車速パルスに基づいて、後輪回転速度取得部401bにおいて、後輪RWの回転速度である後輪回転速度Vr[rot/sec]を取得する。具体的には、制御装置40は、車速パルスのパルス間隔から後輪回転速度Vr[rot/sec]を算出する。本実施形態では、後輪RWに取り付けられる磁石は1個であり、磁気パルスは後輪RWの2回転目以降の1回転につき1回検出される。このため、後輪回転速度Vr[rot/sec]は、次の(2)式で表される。
【0056】
Vr[rot/sec]=1/磁気パルス間隔[sec] ・・・(2)
【0057】
続いて、ステップS140へと進み、ステップS130で取得した後輪回転速度Vr[rot/sec]に基づいて、車速V[km/h]を取得する。車速V[km/h]は、後輪RWの周長Ct[m]とすると、次の(3)式で表される。
【0058】
V[km/h]=Ct[m]×Vr[rot/sec]×3600/1000
・・・(3)
【0059】
続いて、ステップS150へと進み、ステップS140で取得した車速V[km/h]が0であるか否かを判定する。ステップS140で取得した車速V[km/h]が0でない場合(ステップS150:NO)は、ステップS230へと進み、異常なしと判定して、ステップS240へと進んで後述する経過時間tのカウントをリセットした後、一連の処理を終了する。一方、ステップS140で取得した車速V[km/h]が0である場合(ステップS150:YES)は、ステップS160へと進む。
【0060】
ステップS160では、経過時間tのカウントを開始する。
【0061】
そして、ステップS170へと進み、後輪回転速度取得部401bにおいて、後輪回転数センサSE3から受信した車速パルスに基づいて、後輪回転速度Vr[rot/sec]を更新する。
【0062】
そして、ステップS180へと進み、ケイデンス取得部401aにおいてケイデンスC[rpm]を取得又は更新し、取得又は更新したケイデンスC[rpm]と変速部80の変速比Rとに基づいて、算出部403aにおいて、換算後輪回転速度Vc[rot/sec]を取得又は更新する。本実施形態では、変速比Rは、次の(4)式で表され、換算後輪回転速度Vc[rot/sec]は、次の(5)式で表される。ケイデンスC[rpm]は、ケイデンスセンサSE4からケイデンスパルスを受信して、前述の(1)式により改めて算出する。
【0063】
R=(駆動スプロケット81の歯数)/(従動スプロケット82の歯数)・・・(4)
【0064】
Vc[rot/sec]=(ケイデンスC[rpm]×変速比R)/60・・・(5)
【0065】
したがって、ケイデンスセンサSE4からケイデンスパルスが2回以上受信されれば、ケイデンスC[rpm]が0超となるので、換算後輪回転速度Vc[rot/sec]は0超の値となる。
【0066】
続いて、ステップS190へと進み、比較部403bにおいて、後輪回転速度Vr[rot/sec]と換算後輪回転速度Vc[rot/sec]とを比較する。
【0067】
ステップS190では、換算後輪回転速度Vc[rot/sec]が0超であるにもかかわらず、後輪回転速度Vr[rot/sec]が0超でない、すなわち、後輪回転速度Vr[rot/sec]が0である場合(ステップS190:YES)は、ステップS200へと進む。
【0068】
一方、ステップS190において、換算後輪回転速度Vc[rot/sec]が0超、且つ、後輪回転速度Vr[rot/sec]が0である以外の場合(ステップS190:NO)は、ステップS230へと進み、異常なしと判定して、ステップS240へと進んで経過時間tのカウントをリセットした後、一連の処理を終了する。
【0069】
ステップS200では、異常判定基準時間t0[sec]を取得又は更新する。
【0070】
本実施形態では、異常判定基準時間t0[sec]は、ケイデンスセンサSE4から受信したケイデンスパルスに基づいて前述の(1)式で算出されるケイデンスC[rpm]と、前述の式(4)で表される変速部80の変速比Rとから、次の(6)式を満たす値として算出される。
【0071】
【数1】
【0072】
そして、ステップS210へと進み、経過時間tが異常判定基準時間t0[sec]を経過したか否かを判定する。経過時間tが異常判定基準時間t0[sec]を経過していない場合(ステップS210:NO)は、ステップS170へと戻り、換算後輪回転速度Vc[rot/sec]及び後輪回転速度Vr[rot/sec]が0超となるか(ステップS190:YES)、経過時間tが異常判定基準時間t0[sec]を経過する(ステップS210:YES)まで、ステップS170からステップS210を繰り返す。
【0073】
そして、経過時間tのカウント開始後、換算後輪回転速度Vc[rot/sec]及び後輪回転速度Vr[rot/sec]が0超となることなく、経過時間tが異常判定基準時間t0[sec]を経過した場合(ステップS210:YES)は、ステップS220へと進む。
【0074】
ステップS220では、ステップS130の後輪回転速度Vr[rot/sec]を取得するステップに異常が発生していると判定する。この場合、後輪回転数センサSE3に異常が発生していることが推定される。
【0075】
そして、ステップS240へと進んで経過時間tのカウントをリセットした後、一連の処理を終了する。
【0076】
[センサ異常判定の詳細]
前述したように、本実施形態では、後輪回転数センサSE3は、後輪RWのスポークに取り付けられた磁石がセンサを通過するときの磁気パルスを検知する。そして、制御装置40は、後輪回転数センサSE3が検知した直近2つの磁気パルスの磁気パルス間隔[sec]に基づいて、前述の(2)式から後輪回転速度Vr[rot/sec]を算出する。
【0077】
このとき、後輪RWのスポークに取り付けられた磁石が後輪回転数センサSE3を通過した直後の位置にある状態から後輪RWの回転が開始した場合でも、後輪RWが3回転すれば、後輪RWのスポークに取り付けられた磁石が後輪回転数センサSE3を必ず2回以上通過するので、後輪回転数センサSE3が検知した直近2つの磁気パルスの磁気パルス間隔[sec]を取得できる。そして、後輪RWのスポークに取り付けられた磁石が後輪回転数センサSE3を2回以上通過して、後輪回転数センサSE3が検知した直近2つの磁気パルスの磁気パルス間隔[sec]を取得できれば、前述の(2)式から後輪回転速度Vr[rot/sec]を算出でき、後輪回転速度Vr[rot/sec]は0超となる。
【0078】
してみると、後輪RWが3回転したにもかかわらず、後輪回転速度Vr[rot/sec]が0である場合は、後輪回転数センサSE3に異常が発生しており、後輪RWのスポークに取り付けられた磁石が後輪回転数センサSE3を通過するときの磁気パルスを後輪回転数センサSE3が正しく検知できていない蓋然性が高い。
【0079】
異常判定基準時間t0[sec]は、ケイデンスセンサSE4から受信したケイデンスパルスに基づいて前述の(1)式で算出されるケイデンスC[rpm]と、前述の式(4)で表される変速部80の変速比Rと基づいて、後輪RWが3回転するのに要すると推定される時間である。
【0080】
したがって、経過時間tのカウント開始後、後輪RWが3回転するのに要すると推定される時間である異常判定基準時間t0[sec]が経過したにもかかわらず、後輪回転速度Vr[rot/sec]が0である場合は、後輪回転数センサSE3に異常が発生している蓋然性が高い。
【0081】
図9は、センサ異常判定の詳細を説明するための3つのグラフである。
【0082】
図9の上段のグラフは、横軸を時刻、縦軸を回転速度[rot/sec]として、後輪回転数センサSE3から受信した車速パルスに基づいて算出される後輪回転速度Vr[rot/sec]を示したグラフである。図9の中段のグラフは、横軸を時刻、縦軸を回転速度[rpm]として、ケイデンスセンサSE4から受信したケイデンスパルスに基づいて算出されるケイデンスC[rpm]を示したグラフである。図9の下段のグラフは、横軸縦軸をいずれも時刻として、前述の(6)式で算出され、逐次更新される異常判定基準時間t0[sec]としたグラフである。なお、図9の下段のグラフには、経過時間tも合わせて示している。
【0083】
図9の下段のグラフに示される所定時刻の異常判定基準時間t0[sec]は、図9の中段のグラフに示される当該所定時刻のケイデンスC[rpm]と、変速比Rとから、前述の(6)式を満たす値として算出される。
【0084】
そして、経過時間tが異常判定基準時間t0[sec]に達した時は、図9の下段のグラフにおいて、異常判定基準時間t0[sec]と経過時間tとの交点として示される。
【0085】
したがって、異常判定基準時間t0[sec]と経過時間tとが交わる時刻よりも前に、図9の上段のグラフで示した後輪回転速度Vr[rot/sec]が0超に立ち上がっていれば、センサ異常なしと判定する。一方、図示は省略するが、異常判定基準時間t0[sec]と経過時間tとが交わる時刻までの間に、図9の上段のグラフで示した後輪回転速度Vr[rot/sec]が0超に立ち上がっていない場合は、ステップS220において、ステップS130の後輪回転速度Vr[rot/sec]を取得するステップに異常が発生していると判定する。
【0086】
これにより、シンプルな構成でケイデンスC[rpm]の取得及び後輪回転速度[rot/sec]の取得の少なくとも一方に異常が発生したことを精度よく検知することができる。
【0087】
特に、後輪回転速度Vr[rot/sec]と換算後輪回転速度Vc[rot/sec]とが異なるときに、ケイデンスC[rpm]が取得されている場合に、後輪回転速度[rot/sec]の取得に異常が発生していると判断することによって、シンプルな構成で後輪回転速度[rot/sec]の取得に異常が発生したことを精度よく検知することができる。
【0088】
また、ステップS220において、ステップS130の後輪回転速度Vr[rot/sec]を取得するステップに異常が発生していると判定することで、アシスト比設定部402において後輪回転数センサSE3の検出値によらずに電動アシスト自転車10のアシスト比を設定することが可能となり、それによって、走行時における電動アシスト自転車10のアシスト比をより安全なアシスト比に設定することが可能となる。
【0089】
[センサ異常判定の変形例]
ケイデンスセンサSE4から受信したケイデンスパルスに基づいて前述の(1)式で算出されるケイデンスC[rpm]を、時刻の関数ケイデンスC(t)[rpm]としてRAM40b又はROM40cに一時記憶して、時刻の関数としてのケイデンスC(t)[rpm]と、前述の式(4)で表される変速部80の変速比Rとから、次の(7)式で表される換算後輪回転数Rc[rot]を算出してもよい。
【0090】
【数2】
【0091】
本変形例では、経過時間tのカウント開始から換算後輪回転数Rc[rot]が3[rot]に到達したときまでの時間を異常判定基準時間t0[sec]とする。よって、本変形例においても、異常判定基準時間t0[sec]は、後輪RWが3回転するのに要すると推定される時間である。
【0092】
図10は、センサ異常判定の変形例を説明するための3つのグラフである。
【0093】
図10の上段のグラフは、横軸を時刻、縦軸を回転速度[rot/sec]として、後輪回転数センサSE3から受信した車速パルスに基づいて算出される後輪回転速度Vr[rot/sec]を示したグラフである。図10の中段のグラフは、横軸を時刻、縦軸を回転速度[rpm]として、ケイデンスセンサSE4から受信したケイデンスパルスに基づいて算出されるケイデンスC[rpm]を示したグラフである。図10の下段のグラフは、横軸を時刻、縦軸を回転数[rot]として、前述の(7)式で算出される換算後輪回転数Rc[rot]を示したグラフである。
【0094】
よって、異常判定基準時間t0[sec]は、図10の下段のグラフにおいて、経過時間t=0から換算後輪回転数Rc[rot]が3[rot]に到達するまでの時間として示される。
【0095】
なお、図10の下段のグラフに示される換算後輪回転数Rc[rot]は、前述の(7)式からもわかるように、図10の中段のグラフに示される回転速度[rpm]0の軸と、t=0の軸と、t=tの軸と、ケイデンスC(t)[rpm]とによって囲まれた面積Sに比例する。
【0096】
そして、換算後輪回転数Rc[rot]が3[rot]に到達するよりも前に、図10の上段のグラフで示した後輪回転速度Vr[rot/sec]が0超に立ち上がっていれば、センサ異常なしと判定する。一方、図示は省略するが、換算後輪回転数Rc[rot]が3[rot]に到達するまでの間に、図10の上段のグラフで示した後輪回転速度Vr[rot/sec]が0超に立ち上がっていない場合は、後輪回転数センサSE3に異常が発生していると判定する。
【0097】
これにより、シンプルな構成でケイデンスC[rpm]の取得及び後輪回転速度[rot/sec]の取得の少なくとも一方に異常が発生したことを精度よく検知することができる。
【0098】
特に、後輪回転速度Vr[rot/sec]と換算後輪回転速度Vc[rot/sec]とが異なるときに、ケイデンスC[rpm]が取得されている場合に、後輪回転速度[rot/sec]の取得に異常が発生していると判断することによって、シンプルな構成で後輪回転速度[rot/sec]の取得に異常が発生したことを精度よく検知することができる。
【0099】
また、ステップS220において、ステップS130の後輪回転速度Vr[rot/sec]を取得するステップに異常が発生していると判定することで、アシスト比設定部402において後輪回転数センサSE3の検出値によらずに電動アシスト自転車10のアシスト比を設定することが可能となり、それによって、走行時における電動アシスト自転車10のアシスト比をより安全なアシスト比に設定することができる。
【0100】
以上、本発明の一実施形態について、添付図面を参照しながら説明したが、本発明は、かかる実施形態に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇内において、各種の変更例又は修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。また、発明の趣旨を逸脱しない範囲において、上記実施形態における各構成要素を任意に組み合わせてもよい。
【0101】
例えば、変速部80は、歯数の異なる複数の駆動スプロケット81を有し、複数の駆動スプロケット81の中から1つの駆動スプロケット81が選択されることによって変速比を切替可能であってもよいし、歯数の異なる複数の従動スプロケット82を有し、複数の従動スプロケット82の中から1つの従動スプロケット82が選択されることによって変速比を切替可能であってもよいし、従動スプロケット82と後輪RWの車軸との間に、歯数の異なる複数の変速用ギヤを有し、複数の変速用ギヤの中から1つの変速用ギヤが選択されることによって変速比を切替可能であってもよい。この場合、変速比Rは、変速部80において、回転動力が入力される回転部材と、回転動力を出力する回転部材との変速比となる。
【0102】
また、例えば、本実施形態では、クランク75の回転状態量として、ケイデンスセンサSE4から受信したケイデンスパルスに基づいて、ケイデンス取得部401aにおいて、クランク75の回転速度であるケイデンスC[rpm]を取得するものとしたが、クランク75の回転速度に限らず、クランク75の角速度[rad/sec]、所定時間のクランク75の回転回数[rot]等を取得してもよい。同様に、本実施形態では、後輪RWの回転状態量として、後輪回転数センサSE3から受信した車速パルスに基づいて後輪RWの回転速度である後輪回転速度Vr[rot/sec]を取得するものとしたが、後輪RWの回転速度に限らず、後輪RWの角速度[rad/sec]、所定時間の後輪RWの回転回数[rot]等を取得してもよい。
【0103】
また、例えば、本実施形態では、ケイデンスセンサSE4から受信したケイデンスパルスに基づいてケイデンスC[rpm]を取得し、後輪回転数センサSE3から受信した車速パルスに基づいて後輪回転速度Vr[rot/sec]を取得し、後輪回転速度Vr[rot/sec]と、ケイデンスC[rpm]に基づいて算出した換算後輪回転速度Vc[rot/sec]とを比較するものとしたが、その逆、すなわち、例えば、後輪回転速度Vr[rot/sec]に基づいて換算ケイデンスCc[rpm]を算出し、ケイデンスC[rpm]と、後輪回転速度Vr[rot/sec]に基づいて算出した換算ケイデンスCc[rpm]とを比較して、後輪回転数センサSE3に異常が発生しているか否かを判定してもよい。
【0104】
また、例えば、本実施形態では、動力の入力部であるクランクペダル76と後輪RWとの動力伝達経路上に変速部80が設けられ、当該動力伝達経路上の変速部80よりもクランクペダル76側に設けられた第1回転部としてのクランク75の回転状態量と、当該動力伝達経路上の変速部80よりも後輪RW側に設けられた第2回転部としての後輪RWの回転状態量と、を取得するものとしたが、当該動力伝達経路上の変速部80よりもクランクペダル76側に設けられた任意の第1回転部の回転状態量と、当該動力伝達経路上の変速部80よりも後輪RW側に設けられた任意の第2回転部の回転状態量を取得してもよい。このとき、動力伝達経路上の変速部80よりもクランクペダル76側には、クランクペダル76も含まれ、動力伝達経路上の変速部80よりも後輪RW側には、後輪RWも含まれる。
【0105】
また、例えば、本実施形態では、センサ異常判定処理は、制御装置40で実行されるものとしたが、センサ異常判定処理の一部又は全部が、電動アシスト自転車10の携帯端末ホルダ6に保持された携帯端末8や、乗員自体、乗員の装着物(衣服、バッグ)に装着(収納)された携帯端末8や、不図示の外部サーバ等によって実行されてもよいし、制御装置40、携帯端末8、及び、外部サーバのうちの2以上で連携して実行されてもよい。
【0106】
また、例えば、本実施形態では、制御装置40は、ステップS220において、後輪回転数センサSE3に異常が発生していると判定するものとしたが、後輪回転数センサSE3に異常が発生していると判定することに代えて、又は、後輪回転数センサSE3に異常が発生していると判定することに加えて、アシスト比設定部402で設定されるアシスト比を抑制する、又は、アシストを禁止するように制御してもよい。これにより、走行時における電動アシスト自転車10のアシスト比をより安全なアシスト比に設定することが可能となる。
【0107】
本明細書には少なくとも以下の事項が記載されている。括弧内には、上記した実施形態において対応する構成要素等を一例として示しているが、これに限定されるものではない。
【0108】
(1) 入力部(クランクペダル76)と、
該入力部と車輪(後輪RW)との動力伝達経路に設けられる変速部(変速部80)と、
前記動力伝達経路上の前記変速部よりも前記入力部側に設けられた第1回転部(クランク75)と、
前記動力伝達経路上の前記変速部よりも前記車輪側に設けられた第2回転部(後輪RW)と、
を有する車両(電動アシスト自転車10)の情報処理方法であって、
前記第1回転部の回転状態量である第1回転状態量(ケイデンスC)を取得する第1取得ステップと、
前記第2回転部の回転状態量である第2回転状態量(後輪回転速度Vr)を取得する第2取得ステップと、
前記第1回転状態量、及び、前記変速部の変速比に基づいて、前記第2回転部の回転状態の換算値である換算第2回転状態量(換算後輪回転速度Vc)を算出する算出ステップと、
前記第2回転状態量と前記換算第2回転状態量とを比較する比較ステップと、を有する、
情報処理方法。
【0109】
(1)によれば、シンプルな構成で第1回転状態量の取得及び第2回転状態量の取得の少なくとも一方に異常が発生したことを精度よく検知することができる。
【0110】
(2) (1)に記載の情報処理方法であって、
前記比較ステップにおける比較結果に基づいて、
前記第2回転状態量と前記換算第2回転状態量とが異なるときに、
前記第1取得ステップ及び前記第2取得ステップの少なくとも一方に異常が発生していると判断する、
若しくは、
前記第1回転状態量及び前記第2回転状態量の少なくとも一方に基づく制御を抑制又は禁止する、
情報処理方法。
【0111】
(2)によれば、第1回転状態量及び第2回転状態量の少なくとも一方に基づく制御をより安全に行うことができる。
【0112】
(3) (1)に記載の情報処理方法であって、
前記比較ステップにおける比較結果に基づいて、
前記第2回転状態量と前記換算第2回転状態量とが異なるときに、
前記第1取得ステップにおいて、前記第1回転状態量が取得されている場合に、
前記第2取得ステップに異常が発生していると判断する、
情報処理方法。
【0113】
(3)によれば、シンプルな構成で第2回転状態量の取得に異常が発生したことを精度よく検知することができる。
【0114】
(4) 入力部(クランクペダル76)と、
該入力部と車輪(後輪RW)との動力伝達経路に設けられる変速部(変速部80)と、
前記動力伝達経路上の前記変速部よりも前記入力部側に設けられた第1回転部(クランク75)と、
前記動力伝達経路上の前記変速部よりも前記車輪側に設けられた第2回転部(後輪RW)と、
を有する車両(電動アシスト自転車10)の情報処理プログラムであって、
前記第1回転部の回転状態量である第1回転状態量(ケイデンスC)を取得する第1取得処理と、
前記第2回転部の回転状態量である第2回転状態量(後輪回転速度Vr)を取得する第2取得処理と、
前記第1回転状態量、及び、前記変速部の変速比に基づいて、前記第2回転部の回転状態の換算値である換算第2回転状態量(換算後輪回転速度Vc)を算出する算出処理と、
前記第2回転状態量と前記換算第2回転状態量とを比較する比較処理と、
をプロセッサ(プロセッサ40a)に実行させる、情報処理プログラム。
【0115】
(4)によれば、シンプルな構成で第1回転状態量の取得及び第2回転状態量の取得の少なくとも一方に異常が発生したことを精度よく検知することができる。
【0116】
(5) (4)に記載の情報処理プログラムが記憶された記憶媒体(ROM40c)。
【0117】
(5)によれば、記憶媒体に記憶された情報処理プログラムをコンピュータに読み込ませることで、情報処理プログラムを容易に実行させることができる。
【0118】
(6) 入力部(クランクペダル76)と、
該入力部と車輪(後輪RW)との動力伝達経路に設けられる変速部(変速部80)と、
前記動力伝達経路上の前記変速部よりも前記入力部側に設けられた第1回転部(クランク75)と、
前記動力伝達経路上の前記変速部よりも前記車輪側に設けられた第2回転部(後輪RW)と、
を有する車両(電動アシスト自転車10)に搭載される情報処理装置(制御装置40)であって、
前記第1回転部の回転状態量である第1回転状態量(ケイデンスC)を取得する第1取得部(ケイデンス取得部401a)と、
前記第2回転部の回転状態量である第2回転状態量(後輪回転速度Vr)を取得する第2取得部(後輪回転速度取得部401b)と、
前記第1回転状態量、及び、前記変速部の変速比に基づいて、前記第2回転部の回転状態の換算値である換算第2回転状態量(換算後輪回転速度Vc)を算出する算出部(算出部403a)と、
前記第2回転状態量と前記換算第2回転状態量とを比較する比較部(比較部403b)と、を有する、
情報処理装置。
【0119】
(6)によれば、シンプルな構成で第1回転状態量の取得及び第2回転状態量の取得の少なくとも一方に異常が発生したことを精度よく検知することができる。
【0120】
(7) 動力源と、
該動力源と車輪との動力伝達経路に設けられる変速部と、
前記動力伝達経路上の前記変速部よりも前記動力源側に設けられた第1回転部と、
前記動力伝達経路上の前記変速部よりも前記車輪側に設けられた第2回転部と、
を有する車両の情報処理方法であって、
前記第1回転部の回転状態量である第1回転状態量を取得する第1取得ステップと、
前記第2回転部の回転状態量である第2回転状態量を取得する第2取得ステップと、
前記第1回転状態量、及び、前記変速部の変速比に基づいて、前記第2回転部の回転状態の換算値である換算第2回転状態量を算出する算出ステップと、
前記第2回転状態量と前記換算第2回転状態量とを比較する比較ステップと、を有する、
情報処理方法。
【0121】
(7)によれば、シンプルな構成で第1回転状態量の取得及び第2回転状態量の取得の少なくとも一方に異常が発生したことを精度よく検知することができる。
【符号の説明】
【0122】
10 電動アシスト自転車(車両)
40 制御装置(情報処理装置)
40a プロセッサ
40c ROM(記憶媒体)
401a ケイデンス取得部(第1取得部)
401b 後輪回転速度取得部(第2取得部)
403a 算出部
403b 比較部
75 クランク(第1回転部)
76 クランクペダル(入力部)
80 変速部
C ケイデンス(第1回転状態量)
RW 後輪(車輪、第2回転部)
Vc 換算後輪回転速度(換算第2回転状態量)
Vr 後輪回転速度(第2回転状態量)

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
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図10