(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024141049
(43)【公開日】2024-10-10
(54)【発明の名称】表示制御装置、表示制御システム、表示制御装置の制御方法、プログラム、及び記録媒体
(51)【国際特許分類】
G06F 3/01 20060101AFI20241003BHJP
【FI】
G06F3/01 510
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023052487
(22)【出願日】2023-03-29
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.BLUETOOTH
(71)【出願人】
【識別番号】000005049
【氏名又は名称】シャープ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100147304
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 知哉
(74)【代理人】
【識別番号】100148493
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 浩二
(72)【発明者】
【氏名】山下 大輔
【テーマコード(参考)】
5E555
【Fターム(参考)】
5E555AA65
5E555BA02
5E555BA05
5E555BA06
5E555BA28
5E555BB02
5E555BB05
5E555BB06
5E555BB28
5E555BC04
5E555CA42
5E555CB47
5E555CB80
5E555CC03
5E555DA03
5E555DB16
5E555DC11
5E555FA00
(57)【要約】
【課題】表示装置において表示されたファイルに対して実行可能な操作をユーザに応じて適切に制限することができる表示制御装置を提供する。
【解決手段】
表示制御装置は、複数のユーザにより操作可能となるように、表示装置におけるファイルの表示を制御する表示制御部と、複数のユーザそれぞれについて、ファイルに対して実行可能な操作を示す操作情報を記憶する記憶部と、ファイルに対して操作の実行を指示する操作ユーザを、複数のユーザの中から特定するユーザ特定部と、操作ユーザによりファイルに対して実行が指示される操作を特定する操作特定部と、操作ユーザが、操作特定部により特定された操作の実行が許可されているか否かを操作情報に基づき判定する許可判定部と、を備える。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のユーザにより操作可能となるように、表示装置におけるファイルの表示を制御する表示制御部と、
前記複数のユーザそれぞれについて、前記ファイルに対して実行可能な操作を示す操作情報を記憶する記憶部と、
前記ファイルに対して操作の実行を指示する操作ユーザを、前記複数のユーザの中から特定するユーザ特定部と、
前記操作ユーザにより前記ファイルに対して実行が指示される操作を特定する操作特定部と、
前記操作ユーザが、前記操作特定部により特定された操作の実行が許可されているか否かを前記操作情報に基づき判定する許可判定部と、を備え、
前記表示制御部は、前記許可判定部によって、前記操作ユーザによる前記操作の実行が許可されていないと判定された場合、前記操作ユーザによる前記操作を実行しないように前記ファイルの表示を制御する表示制御装置。
【請求項2】
前記記憶部は、前記操作の実行を指示する操作デバイスそれぞれに割り当てられたデバイス情報と、前記操作デバイスの利用者を示す情報との対応関係を示すデバイス利用者情報をさらに記憶しており、
前記操作デバイスから出力された前記デバイス情報を受け付けるデバイス情報受付部を備え、
前記ユーザ特定部は、前記デバイス利用者情報と、前記デバイス情報受付部により受け付けた前記デバイス情報とに基づき前記操作デバイスの前記利用者を特定し、特定された前記操作デバイスの前記利用者を、前記操作ユーザとする、請求項1に記載の表示制御装置。
【請求項3】
前記操作デバイスは、前記表示制御装置と無線により通信可能に接続され、前記表示制御装置に対して、前記ファイルへの前記操作の実行指示を入力する無線通信装置である請求項2に記載の表示制御装置。
【請求項4】
前記操作デバイスは、前記表示制御装置と有線により通信可能に接続され、前記表示制御装置に対して、前記ファイルへの前記操作の実行指示を入力する入力装置である請求項2に記載の表示制御装置。
【請求項5】
前記操作デバイスは、通信ネットワークを介して前記表示制御装置と通信可能に接続されており、前記通信ネットワークを通じて前記表示制御装置に対して、前記ファイルへの前記操作の実行指示を入力する無線通信装置である請求項2に記載の表示制御装置。
【請求項6】
前記表示装置への接触の検知を示す検知情報を、前記表示装置から受け付ける検知情報受付部を備え、
前記ユーザ特定部は、前記検知情報受付部によって受け付けた前記検知情報に基づき、前記複数のユーザの中から前記表示装置に接触した接触ユーザを特定し、特定された前記接触ユーザを、前記操作ユーザとする、請求項1に記載の表示制御装置。
【請求項7】
前記検知情報には、前記表示装置に接触した前記ユーザを識別するユーザ識別情報が含まれており、
前記ユーザ特定部は、前記ユーザ識別情報に基づき前記接触ユーザを特定する請求項6に記載の表示制御装置。
【請求項8】
撮像部により撮像された前記表示装置の周囲の画像を受け付ける撮像画像受付部を備え、
前記ユーザ特定部は、前記検知情報受付部により前記検知情報を受け付けたときに前記撮像画像受付部により受け付けた前記画像から前記表示装置に接触した前記ユーザを識別するユーザ識別情報を抽出し、抽出された前記ユーザ識別情報に基づき前記接触ユーザを特定する請求項6に記載の表示制御装置。
【請求項9】
ファイルを表示する表示装置と、
前記表示装置における前記ファイルの表示を制御する表示制御装置と、を備え、
前記表示制御装置は、
複数のユーザにより操作可能となるように前記ファイルの表示を制御する表示制御部と、
前記複数のユーザそれぞれについて、前記ファイルに対して実行可能な操作を示す操作情報を記憶する記憶部と、
前記ファイルに対して操作の実行を指示する操作ユーザを、前記複数のユーザの中から特定するユーザ特定部と、
前記操作ユーザにより前記ファイルに対して実行が指示される操作を特定する操作特定部と、
前記操作ユーザが、前記操作特定部により特定された操作の実行が許可されているか否かを前記操作情報に基づき判定する許可判定部と、を含み、
前記表示制御部は、前記許可判定部によって、前記操作ユーザによる前記操作の実行が許可されていないと判定された場合、前記操作ユーザによる前記操作を実行しないように前記ファイルの表示を制御する表示制御システム。
【請求項10】
複数のユーザにより操作可能となるように表示装置におけるファイルの表示を制御する表示制御ステップと、
前記複数のユーザそれぞれについて、前記ファイルに対して実行可能な操作を示す操作情報を記憶する記憶ステップと、
前記ファイルに対して操作の実行を指示する操作ユーザを、前記複数のユーザの中から特定するユーザ特定ステップと、
前記操作ユーザにより前記ファイルに対して実行が指示される操作を特定する操作特定ステップと、
前記操作ユーザが、前記操作特定ステップにおいて特定された前記操作の実行が許可されているか否かを前記操作情報に基づき判定する許可判定ステップと、を含み、
前記許可判定ステップにおいて前記操作ユーザによる前記操作の実行が許可されていないと判定された場合、前記表示制御ステップにおいて、前記操作ユーザによる前記操作を実行しないように前記ファイルの表示を制御する、表示制御装置の制御方法。
【請求項11】
コンピュータに
複数のユーザにより操作可能となるように表示装置におけるファイルの表示を制御する表示制御ステップと、
前記複数のユーザそれぞれについて、前記ファイルに対して実行可能な操作を示す操作情報を記憶する記憶ステップと、
前記ファイルに対して操作の実行を指示する操作ユーザを、前記複数のユーザの中から特定するユーザ特定ステップと、
前記操作ユーザにより前記ファイルに対して実行が指示される操作を特定する操作特定ステップと、
前記操作ユーザが、前記操作特定ステップにおいて特定された前記操作の実行が許可されているか否かを前記操作情報に基づき判定する許可判定ステップと、を含み、
前記許可判定ステップにおいて前記操作ユーザによる前記操作の実行が許可されていないと判定された場合、前記表示制御ステップにおいて、前記操作ユーザによる前記操作を実行しないように前記ファイルの表示の制御を実行させるためのプログラム。
【請求項12】
コンピュータに
複数のユーザにより操作可能となるように表示装置におけるファイルの表示を制御する表示制御ステップと、
前記複数のユーザそれぞれについて、前記ファイルに対して実行可能な操作を示す操作情報を記憶する記憶ステップと、
前記ファイルに対して操作の実行を指示する操作ユーザを、前記複数のユーザの中から特定するユーザ特定ステップと、
前記操作ユーザにより前記ファイルに対して実行が指示される操作を特定する操作特定ステップと、
前記操作ユーザが、前記操作特定ステップにおいて特定された前記操作の実行が許可されているか否かを前記操作情報に基づき判定する許可判定ステップと、を含み、
前記許可判定ステップにおいて前記操作ユーザによる前記操作の実行が許可されていないと判定された場合、前記表示制御ステップにおいて、前記操作ユーザによる前記操作を実行しないように前記ファイルの表示の制御を実行させるためのプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示制御装置、表示制御システム、表示制御装置の制御方法、プログラム、及び記録媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
ユーザが表示装置の近傍にいる場合において、表示処理を停止するか否か自動的に判定し、判定結果に応じた表示処理制御を行うことが可能な表示装置が開示されている(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述した特許文献1は、複数のユーザにより利用可能なファイルを表示させる場合、表示装置において表示されたファイルに対して実行可能な操作をユーザごとに適切に制限することができない。
【0005】
本開示の目的は、表示装置において表示されたファイルに対して実行可能な操作をユーザに応じて適切に制限することができる表示制御装置、表示制御システム、表示制御装置の制御方法、プログラム、及び記録媒体を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一態様に係る表示制御装置は、複数のユーザにより操作可能となるように、表示装置におけるファイルの表示を制御する表示制御部と、前記複数のユーザそれぞれについて、前記ファイルに対して実行可能な操作を示す操作情報を記憶する記憶部と、前記ファイルに対して操作の実行を指示する操作ユーザを、前記複数のユーザの中から特定するユーザ特定部と、前記操作ユーザにより前記ファイルに対して実行が指示される操作を特定する操作特定部と、前記操作ユーザが、前記操作特定部により特定された操作の実行が許可されているか否かを前記操作情報に基づき判定する許可判定部と、を備え、前記表示制御部は、前記許可判定部によって、前記操作ユーザによる前記操作の実行が許可されていないと判定された場合、前記操作ユーザによる前記操作を実行しないように前記ファイルの表示を制御する。
【0007】
本開示の一態様に係る表示制御システムは、ファイルを表示する表示装置と、前記表示装置における前記ファイルの表示を制御する表示制御装置と、を備え、前記表示制御装置は、前記複数のユーザにより操作可能となるように前記ファイルの表示を制御する表示制御部と、前記複数のユーザそれぞれについて、前記ファイルに対して実行可能な操作を示す操作情報を記憶する記憶部と、前記ファイルに対して操作の実行を指示する操作ユーザを、前記複数のユーザの中から特定するユーザ特定部と、前記操作ユーザにより前記ファイルに対して実行が指示される操作を特定する操作特定部と、前記操作ユーザが、前記操作特定部により特定された操作の実行が許可されているか否かを前記操作情報に基づき判定する許可判定部と、を含み、前記表示制御部は、前記許可判定部によって、前記操作ユーザによる前記操作の実行が許可されていないと判定された場合、前記操作ユーザによる前記操作を実行しないように前記ファイルの表示を制御する。
【0008】
本開示の一態様に係る表示制御装置の制御方法は、複数のユーザにより操作可能となるように表示装置におけるファイルの表示を制御する表示制御ステップと、前記複数のユーザそれぞれについて、前記ファイルに対して実行可能な操作を示す操作情報を記憶する記憶ステップと、前記ファイルに対して操作の実行を指示する操作ユーザを、前記複数のユーザの中から特定するユーザ特定ステップと、前記操作ユーザにより前記ファイルに対して実行が指示される操作を特定する操作特定ステップと、前記操作ユーザが、前記操作特定ステップにおいて特定された前記操作の実行が許可されているか否かを前記操作情報に基づき判定する許可判定ステップと、を含み、前記許可判定ステップにおいて前記操作ユーザによる前記操作の実行が許可されていないと判定された場合、前記表示制御ステップにおいて、前記操作ユーザによる前記操作を実行しないように前記ファイルの表示を制御する。
【0009】
本開示の一態様に係るプログラムは、コンピュータに複数のユーザにより操作可能となるように表示装置におけるファイルの表示を制御する表示制御ステップと、前記複数のユーザそれぞれについて、前記ファイルに対して実行可能な操作を示す操作情報を記憶する記憶ステップと、前記ファイルに対して操作の実行を指示する操作ユーザを、前記複数のユーザの中から特定するユーザ特定ステップと、前記操作ユーザにより前記ファイルに対して実行が指示される操作を特定する操作特定ステップと、前記操作ユーザが、前記操作特定ステップにおいて特定された前記操作の実行が許可されているか否かを前記操作情報に基づき判定する許可判定ステップと、を含み、前記許可判定ステップにおいて前記操作ユーザによる前記操作の実行が許可されていないと判定された場合、前記表示制御ステップにおいて、前記操作ユーザによる前記操作を実行しないように前記ファイルの表示の制御を実行させる。
【0010】
本開示の一態様に係る記録媒体は、コンピュータに複数のユーザにより操作可能となるように表示装置におけるファイルの表示を制御する表示制御ステップと、前記複数のユーザそれぞれについて、前記ファイルに対して実行可能な操作を示す操作情報を記憶する記憶ステップと、前記ファイルに対して操作の実行を指示する操作ユーザを、前記複数のユーザの中から特定するユーザ特定ステップと、前記操作ユーザにより前記ファイルに対して実行が指示される操作を特定する操作特定ステップと、前記操作ユーザが、前記操作特定ステップにおいて特定された前記操作の実行が許可されているか否かを前記操作情報に基づき判定する許可判定ステップと、を含み、前記許可判定ステップにおいて前記操作ユーザによる前記操作の実行が許可されていないと判定された場合、前記表示制御ステップにおいて、前記操作ユーザによる前記操作を実行しないように前記ファイルの表示の制御を実行させるためのプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体である。
【発明の効果】
【0011】
本開示によれば、表示制御装置、表示制御システム、表示制御装置の制御方法、プログラム、および記録媒体は、表示装置において表示されたファイルに対して実行可能な操作をユーザに応じて適切に制限することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】本開示の実施形態に係る表示制御システムの構成の一例を示す模式図である。
【
図2】
図1に示す表示制御システムの要部構成の一例を示すブロック図である。
【
図3】本開示の実施形態に係る表示制御装置が有する記憶部に記憶されるファイル操作テーブルの一例を示す図である。
【
図4】本開示の実施形態に係る表示制御装置が有する記憶部に記憶される操作許可テーブルの一例を示す図である。
【
図5】本開示の表示制御システムにおける操作デバイスによる操作処理の一例を示すフローチャートである。
【
図6】本開示の実施形態に係る表示制御装置におけるファイルに対する操作制限処理の一例を示すフローチャートである。
【
図7】
図6に示すファイルに対する操作制限処理に含まれる、ファイルの表示処理の一例を示すフローチャートである。
【
図8】
図6に示すファイルに対する操作制限処理に含まれる、ファイルに対する操作処理の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本開示の実施形態及び変形例を、図面を参照しながら説明する。なお、以下ではすべての図を通じて同一または相当する部材には同一の参照符号を付して、その重複する説明を省略する。また、以下に説明する実施形態及び変形例は、本開示の一例に過ぎず、本開示は、実施形態及び変形例に限定されない。この実施形態及び変形例以外であっても、本開示の技術的思想を逸脱しない範囲であれば、設計等に応じて種々の変更が可能である。
【0014】
本開示の実施形態に係る表示制御システム100について
図1および
図2を参照して説明する。
図1は本開示の実施形態に係る表示制御システム100の構成の一例を示す模式図である。また、
図2は、
図1に示す表示制御システム100の要部構成の一例を示すブロック図である。
【0015】
図1、2に示されるように、表示制御システム100は、IWB(Interactive White Board)2において表示されたファイルを、複数のユーザ(
図1ではユーザA、ユーザB、およびユーザC)により操作可能とするシステムである。表示制御システム100は、表示制御装置1,IWB2(表示装置),操作デバイス3,および撮像装置4を備えてなる構成である。
【0016】
表示制御装置1は、IWB2と接続されており、IWB2の表示を制御する。より具体的には、表示制御装置1は、複数のユーザにより操作可能となるようにIWB2におけるファイルの表示を制御する。表示制御装置1の詳細な説明は後述する。
【0017】
IWB2は、タッチパネル40を有する表示装置であって、いわゆる電子黒板である。IWB2の詳細な説明は後述する。
【0018】
操作デバイス3は、表示制御装置1と通信可能に接続され、表示制御装置1に対して、ファイルへの操作の実行指示を入力する無線通信装置であり、例えば、スマートフォン等が例示できる。操作デバイス3はNFC(Near field communication)タグを用いて表示制御装置1と接続される構成であってもよいし、Bluetoothなどの近距離無線通信規格を利用して表示制御装置1と接続を確立させる構成であってもよい。あるいは、操作デバイス3は、QRコードなどのバーコードを読みとって得た表示制御装置1のアドレス先に通信ネットワークを経由してアクセスすることで表示制御装置1と接続される構成であってもよい。
【0019】
なお、
図1に示す例では、操作デバイス3としてユーザAが操作する操作デバイス3aおよびユーザBが操作する操作デバイス3bを例に挙げて説明する。しかしながら、表示制御システム100に含まれる操作デバイス3は操作デバイス3aおよび操作デバイス3bに限定されるものではなく、さらに別の操作デバイスが含まれていてもよい。
【0020】
撮像装置4は、IWB2の周囲の画像を撮影する装置である。撮像装置4は、撮影した画像の情報を表示制御装置1に送信する。
【0021】
図1に示されるように、表示制御システム100では、少なくともユーザAおよびユーザBのうちのいずれか一方が操作デバイス3からファイルを表示制御装置1に送信し、IBW2で表示させることができる。これによりユーザA~ユーザCはファイルの内容を同時に確認することができる。また、IBW2において表示されているファイルに対してユーザA~ユーザCそれぞれは所定の操作範囲で操作の実行を指示することができる。ファイルに対する操作の実行指示は、ユーザAおよびユーザBはそれぞれが保持する操作デバイス3から遠隔で行うことができ、ユーザCは、IWB2のタッチパネル40にタッチすることで行うことができる。なお、操作範囲とは、ユーザA~ユーザCそれぞれにおいて実行することが認められている操作の種類を意味する。表示制御システム100では、ファイルに対して実行可能な操作範囲がユーザA~ユーザCそれぞれで異なるように設定されている。
【0022】
(表示制御装置)
図2に示されるように、表示制御装置1は、制御部10、記憶部20、および送受信部30(デバイス情報受付部,検知情報受付部,撮像画像受付部)を備える。
【0023】
制御部10は、表示制御装置1が備える各部の各種制御を行う演算処理装置であり、例えば、CPU(Central Processing Unit)などにより実現できる。制御部10は、機能ブロックとして表示制御部11,ユーザ特定部12,操作特定部13,操作許可判定部14(許可判定部),ファイル特定部15,および表示装置特定部16を含む。これら機能ブロックは、制御部10が例えばCPUにより実現される場合、CPUが記憶部20に記憶されたプログラムを不図示のメモリなどに読み出し、実行することで実現される。なお、これら機能ブロックを実現するプログラムは、記憶部20の代わりにコンピュータ読み取り可能なROM(Read Only Memory)、光ディスク、ハードディスクドライブなどの非一時的記録媒体に記録されてよい。
【0024】
表示制御部11は、複数のユーザにより操作可能となるように、IWB2におけるファイルの表示を制御する。表示制御部11によるファイルの表示の制御に関する詳細は後述する。
【0025】
ユーザ特定部12は、IWB2に表示されたファイルに対して操作の実行を指示する操作ユーザを、複数のユーザ(ユーザA~ユーザC)の中から特定する。なお、本明細書では表示制御システム100を利用する複数のユーザ(ユーザA~ユーザC)のうち、ファイルに操作の実行を指示しているユーザを操作ユーザと称して区別する場合がある。
【0026】
ユーザが操作デバイス3からファイルに対して操作の実行を指示する場合、ユーザ特定部12は、後述するデバイス利用者情報23を参照して、操作デバイス3から取得したデバイス情報に基づき、複数のユーザの中から操作ユーザを特定することができる。
【0027】
また、ユーザ特定部12は、ユーザがIWB2のタッチパネル40にタッチして操作の実行を指示する場合は、撮像装置4によって撮像された画像に含まれるユーザの画像(ユーザ画像)に基づき、複数のユーザの中から操作ユーザを特定する構成であってもよい。すなわち、ユーザ特定部12は、送受信部30によって、IWB2のタッチパネル40へのユーザによる接触の検知を示す検知情報を受け付けたときに、撮像装置4によって撮像されたユーザ画像からユーザを識別するユーザ識別情報を抽出し、抽出したユーザ識別情報に基づき、接触ユーザを特定する。あるいは、ユーザ特定部12は、タッチパネル40にタッチしたユーザの指紋に関する情報に基づき、複数のユーザの中から操作ユーザを特定する構成であってもよい。
【0028】
操作特定部13は、ユーザにより入力された操作を示す操作指示信号または操作指示コマンドに基づき、ユーザによりファイルに対して実行が指示される操作を特定する。より具体的には、操作ユーザが、操作デバイス3を操作することでファイルに対して操作を実行させる場合、操作デバイス3から送信された操作指示コマンドに基づき操作特定部13は実行が指示されている操作を特定する。操作ユーザがIWB2のタッチパネル40にタッチしてファイルに対して操作を実行させる場合、操作ユーザによりタッチパネル40で入力された操作指示信号に基づき操作特定部13は実行が指示されている操作を特定する。
【0029】
操作許可判定部14は、記憶部20に記憶された後述の操作情報テーブル21(操作情報)に基づき、操作ユーザが操作特定部13により特定された操作を実行することが許可されているか否か判定する。操作許可判定部14が操作ユーザによるファイルに対する操作の実行が許可されていると判定した場合、表示制御部11は、操作ユーザによって入力された操作の実行の指示に基づきファイルに対する操作を実行するように制御する。一方、操作許可判定部14が操作ユーザによるファイルに対する操作の実行が許可されていないと判定した場合、表示制御部11は、操作ユーザによるファイルに対する操作を実行しないように制御する。
【0030】
ファイル特定部15は、記憶部20に記憶されたID管理情報22を参照して、操作デバイス3から送信されたファイルIDを特定する。
【0031】
表示装置特定部16は、記憶部20に記憶されたID管理情報22を参照して、操作デバイス3から送信された表示装置IDを特定する。
【0032】
記憶部20は、読み書き可能な記録媒体であり、ハードディスクまたはフラッシュメモリなどの半導体メモリが例示できる。記憶部20は、複数のユーザそれぞれについて、ファイルに対して実行可能な操作を示す操作情報テーブル21,ID管理情報22,およびデバイス利用者情報23を記憶する。
【0033】
操作情報テーブル21は、例えば、
図3及び
図4に示されるようにファイル操作テーブル21aおよび操作許可テーブル21bを含む。
図3は、本開示の実施形態に係る表示制御装置1が有する記憶部20に記憶されるファイル操作テーブル21aの一例を示す図である。
図4は、本開示の実施形態に係る表示制御装置1が有する記憶部20に記憶される操作許可テーブル21bの一例を示す図である。
【0034】
ファイル操作テーブル21aは、
図3に示されるように、ファイルと、このファイルに対して全ての操作を実行できる操作権限を有するユーザとの対応関係を示すテーブルである。具体的には、ファイル操作テーブル21aは、各ファイルを特定するファイルIDと、各ファイルに対して全ての操作を実行できる操作権限を有するユーザを示す情報との対応関係を示す。
【0035】
図3に示される例では、ファイルIDが「1」となるファイルについては、全ての操作を実行できる操作権限を有するユーザは、ユーザAおよびユーザBとなる。ファイルIDが「2」となるファイルについては、全ての操作を実行できる操作権限を有するユーザは、ユーザAとなる。ファイルIDが「3」となるファイルについては、全ての操作を実行できる操作権限を有するユーザは「Anyone」、すなわち全てのユーザA~Cとなる。
【0036】
操作許可テーブル21bは、ファイルに対する操作を示す情報と、ファイルに対して操作を指示している操作ユーザと、ファイルの移動可能な位置(例えば、ファイルの移動可能なディレクトリの位置)または送信可能な送信先との対応関係を示す。
【0037】
図3に示される例では、ファイルに対して指示されている操作が「ページめくり」の場合は、だれでも(「Anyone」)この操作を実行することができる。また、ファイルに対して指示されている操作が「上書き保存」の場合は、だれでも(「Anyone」)この操作を実行することができる。ただし、上書き保存後のファイルは、元の場所と同一の場所に限られる。
【0038】
ファイルに対して指示されている操作が「コピーまたは移動(コピー/移動)」の場合は、操作ユーザは、このファイルに対して全ての操作を実行できる操作権限を有する人に限定される。例えば、操作対象となるファイルがファイルID「1」となるファイルである場合、このファイルに対して全ての操作を実行できる操作権限を有する人のみ、つまりユーザAおよびユーザBのみが「コピー/移動」を実行することが許可される。そして、ファイルの移動先は、任意の位置(任意のディレクトリ先)とすることができる。
【0039】
ファイルに対して指示されている操作が「メールに添付して送信」の場合は、操作ユーザは、このファイルに対して全ての操作を実行できる操作権限を有する人に限定される。例えば、操作対象となるファイルがファイルID「1」となるファイルである場合、このファイルに対して全ての操作を実行できる操作権限を有する人のみ、つまり操作ユーザA、Bのみが「コピー/移動」を実行することが許可される。そして、ファイルの送信先は任意の人とすることができる。
【0040】
ファイルに対して指示されている操作が「リンクを共有」の場合は、誰でも(「Anyone」)この操作を実行することができる。
【0041】
なお、本実施形態に係る表示制御装置1では、操作情報テーブル21はファイル操作テーブル21aおよび操作許可テーブル21bを含む構成であるが、これに限定されるものではない。例えば、ファイルごとに操作許可テーブル21bを関連付けて設ける場合は、ファイル操作テーブル21aは不要となる。
【0042】
ID管理情報22は、ユーザに関連付けられたファイルを特定するためのファイルIDおよび表示制御装置1が表示制御を行う対象となる表示装置(IWB2)を特定する表示装置IDを含む。
【0043】
デバイス利用者情報23は、IWB2に表示されたファイルに対する操作の実行を指示する操作デバイス3それぞれに割り当てられたデバイス情報と、操作デバイス3の利用者を示す情報との対応関係を示すテーブル情報である。
【0044】
送受信部30は、表示制御装置1とIWB2との間で通信を確立し、情報を送受信する。また、送受信部30は、操作デバイス3から出力された情報や操作指示コマンドを受け付ける。また、送受信部30は、撮像装置4で撮影された画像の画像情報を受け付けることができる。例えば、送受信部30は操作デバイス3から出力されたデバイス情報を受信するデバイス情報受付部として機能することができる。また、送受信部30は、例えば、IWB2のタッチパネル40へのユーザによる接触の検知を示す検知情報を、IWB2から受信する検知情報受付部として機能することができる。検知情報には、IWB2のタッチパネル40に接触したユーザを識別する、例えばユーザの指紋情報などユーザ識別情報が含まれていてもよい。また、送受信部30は、撮像装置4により撮像されたIWB2の周囲の画像に関する画像情報を受け付ける撮像画像受付部として機能することができる。
【0045】
(IWB)
図2を参照してIWB2の構成について説明する。
図2に示されるように、IWB2は、タッチパネル40,表示装置制御部50,および表示装置送受信部60を備えてなる構成である。
【0046】
タッチパネル40は、ファイルを表示させる表示部であって、液晶パネル等の表示パネルと、表示パネルに重ねて配置され、指がタッチされた位置を検出するポインティングディバイスとから構成されている。
【0047】
表示装置制御部50は、IWB2が備える各部の各種制御を行う演算処理装置であり、例えば、CPUなどにより実現できる。表示装置制御部50は、機能ブロックとして操作者情報検出部51および操作イベント検出部52を含む。これら機能ブロックは、表示装置制御部50が例えばCPUにより実現される場合、CPUが不図示のコンピュータ読み取り可能な記録媒体(例えば、ROM,光ディスク,ハードディスクドライブなどの非一時的記録媒体)に記憶されたプログラムを不図示のメモリなどに読み出し、実行することで実現される。
【0048】
操作者情報検出部51は、ファイルに対して操作の実行を指示している操作ユーザに関する情報を検出して表示制御装置1に送信する。
【0049】
操作ユーザがIWB2のタッチパネル40にタッチして操作の実行を指示する場合は、操作者情報検出部51は、操作ユーザに関する情報として、例えば操作ユーザの指紋情報などのユーザ識別情報を検出し、表示制御装置1に送信する。
【0050】
操作イベント検出部52は、操作ユーザによりファイルに対して実行が指示された操作イベントを検出する。
【0051】
操作ユーザがIWB2のタッチパネル40にタッチしてファイルに対して操作を実行させる場合、タッチパネル40で入力された信号(イベント)を検出し、このイベント検出時に受信した操作指示信号を表示制御装置1に送信する。
【0052】
表示装置送受信部60は、IWB2に接続されている表示制御装置1との間で情報を送受信する。
【0053】
(操作デバイスによる操作処理)
次に
図5を参照して、操作デバイス3によるIWB2に表示されるファイルに対する操作処理の一例について説明する。
図5は、本開示の表示制御システム100における操作デバイス3による操作処理の一例を示すフローチャートである。なお、ここでは操作デバイス3としてスマートフォンを用いる場合について説明する。
【0054】
まず、操作デバイス3は、タッチパネルなど操作部(不図示)を含む表示画面において表示制御装置1に送信するファイルのリストを表示させる(ステップS11)。操作デバイス3が備える操作部はユーザからの操作指示を受け付けて表示画面に表示されたリストの中から、ユーザにより選択されたファイルを特定する(ステップS12)。
【0055】
操作デバイス3では、ユーザによって選択されたファイルが特定されると、表示画面においてNFC(Near field communication)タグへのタップ、あるいはQRコード(登録商標)の読み取り指示が表示される(ステップS13)。この表示に応じてユーザが例えば操作デバイス3をNFCタグにタップさせて、操作デバイス3と表示制御装置1との間で通信を確立させる。あるいは、ユーザが例えばQRコードを操作デバイス3により読み取らせることで操作デバイス3と表示制御装置1との間で通信を確立させる。
【0056】
次に、操作デバイス3は、NFCタグまたはQRコードから取得したIWB2を識別する表示装置IDと、ユーザにより選択されたファイルのファイルIDとを表示制御装置1に送信する(ステップS14)。
【0057】
この操作により操作デバイス3から送信された表示装置IDおよびファイルIDは、表示制御装置1に送信される。そして、表示制御装置1は、表示装置IDに基づき表示制御対象となるIWB2およびファイルを、記憶部20に記憶されたID管理情報22を参照して特定する。そして、表示制御装置1は、この特定に成功した場合、特定結果を示す情報を、操作デバイス3に送信する。
【0058】
操作デバイス3は、表示装置IDおよびファイルIDの送信後、特定結果を示す情報を表示制御装置1から受信したか否か判定し(ステップS15)、受信しなかったと判定した場合(ステップS15において「No」)はファイルに対する操作処理を終了する。一方、受信したと判定した場合(ステップS15において「Yes」)は、操作デバイス3はIWB2に表示されたファイルに対して操作を指示する操作指示コマンドを、表示制御装置1に送信する(ステップS16)。このようにして、操作デバイス3から表示制御装置1にファイルを送信し、ファイルをIWB2において表示させることができる。さらに、IWB2において表示されたファイルに対する操作処理の実行を遠隔から無線により指示することができる。
【0059】
操作デバイス3は、ユーザからファイルに対する操作処理の終了指示を受け付けるまで(ステップS17において「No」と判定している間)は、ユーザから受け付けた操作指示に応じてステップS16の処理を繰り返す。一方、操作デバイス3はユーザからファイルに対する操作処理の終了指示を受け付けると操作デバイス3による操作処理を終了する。
【0060】
(ファイルに対する操作制限処理)
次に
図6から
図8を参照して、表示制御装置1によるファイルに対する操作制限処理の一例を説明する。
図6は、本開示の実施形態に係る表示制御装置1におけるファイルに対する操作制限処理の一例を示すフローチャートである。
図7は、
図6に示すファイルに対する操作制限処理に含まれる、ファイルの表示処理の一例を示すフローチャートである。
図8は、
図6に示すファイルに対する操作制限処理に含まれる、ファイルに対する操作処理の一例を示すフローチャートである。
【0061】
図6に示されるように、ファイルに対する操作制限処理では、表示制御装置1はIWB2においてユーザに選択されたファイルを表示させる、ファイルの表示処理を実行する(ステップS1)。そして、表示制御装置1は、操作ユーザからの操作指示に基づき、表示されたファイルに対する操作処理を実行する(ステップS2)。ステップS2におけるファイルに対する操作処理では、操作ユーザごとにファイルに対して実行可能な操作が決められている。
【0062】
(ファイルの表示処理)
図7を参照してファイルの表示処理について説明する。表示制御装置1では、操作特定部13が、ユーザがIWB2のタッチパネル40にタッチすることで入力された操作指示信号をIWB2から受信したか否か判定する(ステップS21)。操作特定部13は、操作指示信号を受信したと判定した場合(ステップS21において「Yes」)、操作指示信号によって指定された操作を特定する(ステップS22)。さらに、撮像装置4から画像情報を受信しており、ユーザ特定部12は、この画像情報に含まれるユーザ画像の情報を用いて操作指示信号を入力したユーザを操作ユーザとして特定する(ステップS23)。
【0063】
次に表示制御装置1では、操作特定部13がIWB2から、ファイルリストの表示要求を示す操作指示信号を受信したか否か判定する。すなわち、操作特定部13はユーザからファイルリストの表示要求を受け付けたか否か判定する(ステップS24)。ここでファイルリストの表示要求を示す操作指示信号を受け付けていると操作特定部13が判定した場合(ステップS24において「Yes」)、表示制御部11は記憶部20から不図示のファイルリスト情報を読み出し、このファイルリスト情報をIWB2に表示するように制御する(ステップS25)。一方、ステップS24において「No」の場合はステップS26に進む。
【0064】
ステップS26において、表示制御装置1では、操作特定部13は、ユーザによりファイルリストの中からファイルが選択されたか否か判定する。つまり、IWB2において表示されたファイルリストの中からユーザがタッチパネル40を操作して、表示を所望するファイルを選択すると、その選択を示す操作指示信号がIWB2から表示制御装置1に送信される。この選択を示す操作指示信号を受け付けたか否かによって、操作特定部13は、ファイルリストの中からファイルが選択されたか否か判定することができる。
【0065】
操作特定部13が、ファイルが選択されたと判定した場合(ステップS26において「Yes」)、表示制御部11は、選択されたファイルをIWB2に表示させるように制御する(ステップS27)。
【0066】
一方、操作特定部13が、操作ユーザによりファイルリストの中からファイルが選択されていないと判定した場合(ステップS26において「No」)、表示制御部11はすでにファイルがIWB2において表示中であるか否か判定する(ステップS28)。ここですでにファイルが表示中の場合(ステップS28において「Yes」の場合)とは、ファイルリストから操作ユーザに表示させるファイルを選択させることなく、すでに操作ユーザによる操作対象となるファイルが決まっており、ファイルがIWB2に表示されている場合である。ステップS28において「Yes」の場合、表示制御装置1はファイルの表示処理を終了する。
【0067】
ステップS28において「No」の場合、すなわち、ユーザによりファイルリストの表示が要求されておらず、またすでにIWB2においてファイルが表示された状態でもない場合は、ステップS21に戻ってファイルの表示処理を繰り返す。
【0068】
ステップS21からステップS28までの処理では、操作ユーザがIWB2のタッチパネル40にタッチしてファイルの表示を指示する場合について説明した。上記したようにファイルの表示を操作デバイス3から送信された操作指示コマンドに基づき行うこともできる。
【0069】
すなわち、ファイルの表示を操作デバイス3から送信された操作指示コマンドに基づき行う場合、ステップS21では「No」となり、ステップS29に進む。
【0070】
ステップS29では、まず表示制御装置1は、操作デバイス3から表示装置IDとファイルIDとを受信したか否か判定する。表示制御装置1は、表示装置IDおよびファイルIDを受信した場合(ステップS29において「Yes」)、ファイル特定部15がID管理情報22を参照して、ファイルIDに基づき表示制御対象となるファイルを特定する。また、表示装置特定部16がID管理情報22を参照して、表示装置IDに基づき表示制御対象となるIWB2を特定する。そして、表示制御装置1は、操作デバイス3に特定結果を示す情報を送信する。さらに、表示制御装置1は、ステップS27にすすみ、ファイルIDに基づき特定されたファイルを、表示装置IDに基づき特定されたIWB2で表示させるように制御する。
【0071】
一方、ステップS29において「No」の場合、ステップS30に進み、表示制御装置1では、操作特定部13が操作デバイス3から操作指示コマンドを受信したか否か判定する。ステップS29において「No」の場合とは、例えば、すでに表示制御装置1が操作デバイス3から表示装置IDとファイルIDとを受信済みで、表示制御対象となるファイルがIBW2に表示された状態にある場合が挙げられる。
【0072】
そこで、ステップS30において「Yes」の場合、次のステップS31で表示制御装置1では表示制御部11がIWB2において既にファイルが表示中であるか否か判定する。ステップS31において「Yes」の場合、ファイルの表示処理を終了する。一方、ステップS30およびステップS31それぞれにおいて「No」の場合、ステップS21に戻ってファイルの表示処理を繰り返す。
【0073】
(ファイルに対する操作処理)
図8を参照して表示制御装置1によるファイルに対する操作処理について説明する。まず、ファイルに対する操作処理を実行する前段階で、上記したファイルの表示処理により、IBW2にファイルが表示されるとともに、操作ユーザにより実行が指示されている操作が特定された状態となっている。
【0074】
ここで、表示制御装置1では、表示制御部11が、表示されたファイルに関して、操作ユーザにより実行可能な操作の種類を示すメニューの表示の要求を、操作ユーザから受け付けたか否か判定する(ステップS41)。操作ユーザによるメニューの表示の要求は、操作ユーザによりタッチパネル40で操作指示信号を入力することで行われてもよいし、操作ユーザが操作デバイス3から操作指示コマンドを送信することで行われてもよい。
【0075】
表示制御部11が、メニュー表示の要求を受け付けたと判定した場合(ステップS41において「Yes」の場合)、表示されたファイルに対して操作ユーザが実行可能な操作のみをIWB2に表示させ(ステップS42)、ファイルに対する操作処理を終了する。
【0076】
一方、表示制御部11が、操作ユーザからメニュー表示の要求を受け付けていないと判定した場合(ステップS41において「No」の場合)、操作許可判定部14は、記憶部20に記憶された操作情報テーブル21に基づき、操作ユーザが操作特定部13により特定された操作をファイルに対して実行することが許可されているか否か確認する(ステップS43)。
【0077】
ステップS43の確認の結果、操作許可判定部14が、操作ユーザによるファイルに対する操作の実行が許可されていると判定した場合(ステップS44において「Yes」の場合)、表示制御部11は、操作ユーザから指示された操作を実行したファイルをIWB2に表示させるように制御する(ステップS45)。そして、ファイルに対する操作処理を終了する。
【0078】
一方、操作許可判定部14が、操作ユーザによるファイルに対する操作の実行が許可されていないと判定した場合(ステップS44において「No」の場合)は、この操作を実行しないようにファイルの表示を制御して、ファイルに対する操作処理を終了する。
【0079】
以上のように、表示制御装置1が操作許可判定部14を備えるため、記憶部20に記憶された操作情報テーブル21に基づき、操作ユーザがファイルに対して操作を実行する際、この操作の実行が許可されているか否か判定することができる。
【0080】
したがって、表示制御装置1はIWB2において表示されたファイルに対して実行可能な操作をユーザに応じて適切に制限することができる。
【0081】
上記したファイルに対する操作制限処理は、IWB2のタッチパネル40に複数のユーザ(例えば、ユーザA~ユーザC)がそれぞれタッチしてIWB2に表示されたファイルを操作する場合に適用してもよいし、複数のユーザ(例えば、ユーザA~ユーザC)が所持する操作デバイス3それぞれから操作指示コマンドを送信してIWB2に表示されたファイルを操作する場合に適用してもよい。あるいは、
図1に示されるように、複数のユーザのうちのいずれかのユーザ(
図1の例ではユーザC)はIWB2のタッチパネル40にタッチしてIWB2に表示されたファイルを操作し、複数のユーザのうちの残余のユーザ(
図1の例ではユーザAおよびユーザB)は操作デバイス3それぞれから操作指示コマンドを送信してIWB2に表示されたファイルを操作する構成であってもよい。
【0082】
また、操作デバイス3は、上記では近距離無線通信規格を用いて表示制御装置1と通信可能に接続される、あるいは、通信ネットワークを介して表示制御装置と通信可能に接続される無線通信装置であった。しかしながら、操作デバイス3は、表示制御装置1と有線により通信可能に接続されたキーボードなどの入力装置であってもよい。
【0083】
また、上記した表示制御システム100では、IWB2と表示制御装置1とは別体に設けられた構成であったが、一体に設けられてもよい。
【0084】
また、表示制御装置1では、IWB2への接触の検知を示す検知情報を受け付けたとき、ユーザ特定部12が接触ユーザ、すなわち操作ユーザを特定することができる構成であった。ここで、接触の検知を示す検知情報は、タッチパネル40に対するユーザの接触に伴い生じる電気信号の変化を示す情報であってもよく、IWB2においてユーザのタッチパネル40への接触を検出したことを示す情報であってもよい。
【0085】
検知情報が電気信号の変化を示す情報である場合、表示制御装置1は、IWB2に対するユーザの接触の有無を判定し、ユーザの接触があったと判定したときにユーザ特定部12が接触ユーザ、すなわち操作ユーザを特定する。
【0086】
一方、検知情報が、IWB2においてユーザの接触を検出したことを示す情報である場合、IWB2側でユーザの接触の有無を確認して、ユーザの接触を検出したと判定したときに、表示制御装置1のユーザ特定部12が検知情報に基づき接触ユーザを特定する。つまり、表示制御装置1はIWB2の求めに応じて接触ユーザ、すなわち操作ユーザを特定する。そして、操作ユーザが、ファイルに対して操作の実行が許可されているか否か判定するようにサーバとして機能する構成であってもよい。
【符号の説明】
【0087】
1 表示制御装置
2 IWB2
3 操作デバイス
3a 操作デバイス
3b 操作デバイス
4 撮像装置
10 制御部
11 表示制御部
12 ユーザ特定部
13 操作特定部
14 操作許可判定部
15 ファイル特定部
16 表示装置特定部
20 記憶部
21 操作情報テーブル
21a ファイル操作テーブル
21b 操作許可テーブル
22 ID管理情報
23 デバイス利用者情報
30 送受信部
40 タッチパネル
50 表示装置制御部
51 操作者情報検出部
52 操作イベント検出部
60 表示装置送受信部
100 表示制御システム