(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024014106
(43)【公開日】2024-02-01
(54)【発明の名称】回転調整装置
(51)【国際特許分類】
H05K 13/00 20060101AFI20240125BHJP
H05K 13/04 20060101ALI20240125BHJP
【FI】
H05K13/00 G
H05K13/04 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022116701
(22)【出願日】2022-07-21
(71)【出願人】
【識別番号】507216098
【氏名又は名称】シチズン千葉精密株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】000001960
【氏名又は名称】シチズン時計株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100104880
【弁理士】
【氏名又は名称】古部 次郎
(74)【代理人】
【識別番号】100125346
【弁理士】
【氏名又は名称】尾形 文雄
(72)【発明者】
【氏名】牧 智司
【テーマコード(参考)】
5E353
【Fターム(参考)】
5E353BB06
5E353JJ13
5E353JJ21
5E353JJ28
5E353JJ29
5E353JJ52
5E353NN18
5E353QQ08
5E353QQ11
(57)【要約】
【課題】調整時に被調整部品にかかる荷重を安定させることができる回転調整装置を提供する。
【解決手段】回転調整装置1は、被調整部品100に嵌合されるドライバビット10と、モータ41と、モータ41により駆動されて、所定の回転軸を中心として回転する円筒状の回転部材42と、回転部材42の内側に配置されて、回転部材42とともに上述の回転軸を中心として回転する円筒状の外筒22及び保持部材24と、外筒22及び保持部材24の内側に配置されて、外筒22及び保持部材24とともに上述の回転軸を中心として回転するとともに回転軸の軸方向には外筒22及び保持部材24に対して摺動可能であり、軸方向における一端がドライバビット10に連結されたスプライン軸21と、を備える。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
被調整部品に嵌合されるドライバビットと、
モータと、
前記モータにより駆動されて、所定の回転軸を中心として回転する筒状の第1回転部材と、
前記第1回転部材の内側に配置されて、当該第1回転部材とともに前記回転軸を中心として回転する筒状の第2回転部材と、
前記第2回転部材の内側に配置されて、当該第2回転部材とともに前記回転軸を中心として回転するとともに当該回転軸の軸方向には当該第2回転部材に対して摺動可能であり、当該軸方向における一端が前記ドライバビットに連結された摺動部材と、
を備える回転調整装置。
【請求項2】
前記摺動部材における前記軸方向の他端に装着されて、前記第2回転部材に対する当該軸方向の移動を規制する規制部材をさらに備える、
請求項1に記載の回転調整装置。
【請求項3】
前記第2回転部材の内周面には前記軸方向に延びる第1溝が形成され、
前記摺動部材の外周面には前記軸方向に延びる第2溝が形成され、
前記第1溝と前記第2溝との間に球状のボールが設けられ、
前記第2回転部材と前記摺動部材と前記ボールは、ボールスプラインを構成する、
請求項1に記載の回転調整装置。
【請求項4】
前記モータと前記第1回転部材は、中空ロータリアクチュエータを構成する、
請求項1に記載の回転調整装置。
【請求項5】
前記摺動部材と前記ドライバビットとはカップリングを介して連結されている、
請求項1に記載の回転調整装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、回転調整装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ドライバビットを半固定抵抗器に嵌合して自動調整を行う装置が提案されている。
例えば、特許文献1に記載された装置は、ビットホルダにテーパ部を形成し、これに対応するテーパ受け面を位置決めボードに形成する。まず、テーパ部とテーパ受け面とを接合させた状態で支持台全体を降下させてドライバビットを半固定抵抗器に嵌合する。しかる後、位置決めボードを移動させてビットホルダ即ちドライバビットをフリー状態とし、かかる状態で、モータの回転力をフレキシブルカップリングを介してドライバビットに伝達し、半固定抵抗器の自動調整を行う。特許文献1に記載された装置においては、フレキシブルカップリングとモータとの間に、モータ側の軸とフレキシブルカップリングの軸とを軸方向に相対的に摺動可能でかつ相対的な回転阻止状態に連結し得る連結部が介在し、連結部とフレキシブルカップリングとの間に、スプリングが設けられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載された装置においては、ビットホルダと位置決めボードとは、スプリングの付勢力を受けて、ビットホルダのテーパ部と位置決めボードのテーパ受け面とを接合し、ドライバビットが半固定抵抗器に嵌合した状態となる。この状態から、支持台が降下すると、位置決めボードが降下するだけで、ドライバビット、ビットホルダ等は半固定抵抗器との嵌合によって移動を阻止され、その移動量をスプリングの圧縮によって吸収する。それゆえ、調整時には、スプリングのばね力が半固定抵抗器にかかる。このように構成された装置においては、スプリングが劣化する等の理由によりばね力が変化するため、調整時に被調整部品(特許文献1においては半固定抵抗器)にかかる荷重を安定させるという点において改善の余地があった。
本発明は、調整時に被調整部品にかかる荷重を安定させることができる回転調整装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
かかる目的のもと完成させた本発明は、被調整部品に嵌合されるドライバビットと、モータと、前記モータにより駆動されて、所定の回転軸を中心として回転する筒状の第1回転部材と、前記第1回転部材の内側に配置されて、当該第1回転部材とともに前記回転軸を中心として回転する筒状の第2回転部材と、前記第2回転部材の内側に配置されて、当該第2回転部材とともに前記回転軸を中心として回転するとともに当該回転軸の軸方向には当該第2回転部材に対して摺動可能であり、当該軸方向における一端が前記ドライバビットに連結された摺動部材と、を備える回転調整装置である。
ここで、前記摺動部材における前記軸方向の他端に装着されて、前記第2回転部材に対する当該軸方向の移動を規制する規制部材をさらに備えても良い。
また、前記第2回転部材の内周面には前記軸方向に延びる第1溝が形成され、前記摺動部材の外周面には前記軸方向に延びる第2溝が形成され、前記第1溝と前記第2溝との間に球状のボールが設けられ、前記第2回転部材と前記摺動部材と前記ボールは、ボールスプラインを構成しても良い。
また、前記モータと前記第1回転部材は、中空ロータリアクチュエータを構成しても良い。
また、前記摺動部材と前記ドライバビットとはカップリングを介して連結されていても良い。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、調整時に被調整部品にかかる荷重を安定させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】実施形態に係る回転調整装置の概略構成の一例を示す斜視図である。
【
図2】実施形態に係る回転調整装置における、
図1のII-II部の断面の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、添付図面を参照して、本発明の実施形態について詳細に説明する。
図1は、実施形態に係る回転調整装置1の概略構成の一例を示す斜視図である。
図2は、実施形態に係る回転調整装置1における、
図1のII-II部の断面の一例を示す図である。
回転調整装置1は、基板110に実装された例えば半固定抵抗器等の被調整部品100に嵌合されるドライバビット10と、ボール23の転がり運動を利用して後述するスプライン軸21を直線運動させるボールスプライン20と、ドライバビット10とスプライン軸21との間に介在するカップリング30と、を備える。
【0009】
また、回転調整装置1は、ボールスプライン20の駆動源となるアクチュエータ40と、アクチュエータ40を支持する支持台50と、アクチュエータ40とボールスプライン20との間に介在する介在部材60と、後述するスプライン軸21の移動を規制する規制部材70と、規制部材70とボールスプライン20の後述する外筒22との間に配置されたワッシャ80と、を備える。
【0010】
(ボールスプライン20)
ボールスプライン20は、軸方向の溝211が形成された円柱状のスプライン軸21を有する。スプライン軸21は、アクチュエータ40からの駆動力を受けて、円柱の中心線を回転軸として回転する。以下では、スプライン軸21の軸方向を、単に「軸方向」と称し、軸方向における被調整部品100側(
図1では下側)を「第1側」、被調整部品100とは反対側(
図1では上側)を「第2側」と称する場合がある。また、スプライン軸21の回転半径方向(
図2では左右方向)を、単に「半径方向」と称し、半径方向において、スプライン軸21の回転軸側を、「内側」と称し、回転軸から離れる側を、「外側」と称する場合がある。
【0011】
また、ボールスプライン20は、スプライン軸21の外側に配置された円筒状の外筒22と、スプライン軸21と外筒22との間に配置されてボール23を保持する保持部材24とを有する。
【0012】
外筒22は、円筒状の円筒状部221と、円筒状部221における第2側の端部から外側に突出したフランジ部222とを有する。フランジ部222には、軸方向に貫通する貫通孔223が形成されている。
保持部材24は、円筒状の部材であり、内周面に、スプライン軸21に形成された溝211との間にボール23を保持する溝241が形成されている。
なお、外筒22とスプライン軸21との間に保持部材24を設けずに、外筒22の内周面にスプライン軸21に形成された溝211との間にボール23を保持する溝が形成されていても良い。
【0013】
(カップリング30)
カップリング30は、スプライン軸21の第1側の端部とドライバビット10の第2側の端部とをつなぎ、スプライン軸21の動力をドライバビット10に伝達する。カップリング30は、スプライン軸21の軸心とドライバビット10の軸心間の偏芯、偏角、振れを許容して伝達するように、柔軟性やたわみ性が持たせられている。
【0014】
(アクチュエータ40)
アクチュエータ40は、モータ41と、モータ41による駆動力を受けて回転する円筒状の回転部材42と、回転部材42を回転可能に支持する円筒状の円筒状部材43と、モータ41及び円筒状部材43を支持する支持部材44と、を有する。円筒状部材43の外側に回転部材42が配置され、円筒状部材43及び回転部材42の第1側に支持部材44が配置されている。
なお、円筒状部材43は、回転部材42の外側に配置されていても良い。
【0015】
モータ41は、回転軸がスプライン軸21の軸方向と平行となるように、支持部材44に固定されている。
円筒状部材43における第1側の端部には雌ねじ穴が形成されており、円筒状部材43は、この雌ねじ穴に、ボルト等の締付部材が締め付けられることで、支持部材44に固定されている。
【0016】
回転部材42は、円筒状であり、外周面における第1側の端部に、モータ41のピニオン411と噛み合うギア421が形成されている。また、回転部材42の内周面には、円筒状部材43の外周面に形成された溝とともに、ローラやボール等を保持する溝422が形成されており、回転部材42は、円筒状部材43とともにベアリングを構成する。また、回転部材42における第2側の端面には、雌ねじ穴423が形成されている。
【0017】
(支持台50)
支持台50は、アクチュエータ40の支持部材44の第1側に配置されて、支持部材44に形成された貫通孔を通されたボルト等の締付部材にてアクチュエータ40が固定される支持部51と、軸方向と平行となるように設けられて、例えばロボット150に支持される被支持部52とを有する。
【0018】
そして、支持台50は、ドライバビット10、ボールスプライン20、カップリング30、アクチュエータ40、介在部材60及び規制部材70を支持部51に支持したまま、例えばロボット150にてx軸(例えば前後方向)、y軸(例えば左右方向)、z軸(例えば上下方向)の各軸方向に移動可能である。
【0019】
(介在部材60)
介在部材60は、平板状の部材であり、外周部に軸方向に貫通する貫通孔61が複数(例えば4つ)形成され、内周部に雌ねじ穴62が複数(例えば4つ)形成されている。
介在部材60は、貫通孔61を通されたボルト等の締付部材が、アクチュエータ40の回転部材42に形成された雌ねじ穴423に締め付けられることで、回転部材42に固定される。
また、介在部材60は、ボールスプライン20の外筒22のフランジ部222に形成された貫通孔223を通されたボルト等の締付部材が雌ねじ穴62に締め付けられることで、外筒22を保持する。
【0020】
(規制部材70)
規制部材70は、円筒状の円筒状部71と、円筒状部71における第2側の開口部を覆う覆い部72とを有する。円筒状部71の外径は、ワッシャ80の内径よりも大きい。そして、規制部材70は、スプライン軸21の第2側の端部に装着され、スプライン軸21が外筒22や保持部材24に対して第1側に移動することを規制する。
なお、規制部材70を、スプライン軸21に装着する態様は特に限定されない。例えば、規制部材70をスプライン軸21に対して圧入しても良いし、ボルトやビス等の締付部材を用いて締め付けても良いし、接着剤を用いて接着しても良い。
【0021】
(ワッシャ80)
ワッシャ80は、円環状の部材である。ワッシャ80の内径は、スプライン軸21の外径よりも大きく、規制部材70の外径よりも小さい。また、ワッシャ80の外径は、規制部材70の外径以上であるとともに、ボールスプライン20の外筒22の内径よりも大きい。そして、ワッシャ80は、規制部材70とボールスプライン20の外筒22及び保持部材24との間に配置されて、規制部材70が外筒22及び保持部材24と衝突することを抑制する。
【0022】
(調整時の動作)
図3及び
図4は、調整時の動作の一例を示す図である。
支持台50を支持するロボット150を、軸方向と直交する方向(x軸又はy軸方向)に移動させて、ドライバビット10の軸芯と被調整部品100の軸芯とを合わせた後、支持台50を軸方向の第1側に移動させる。このとき、
図3に示すように、スプライン軸21の第2側の端部に装着された規制部材70がワッシャ80に接触するとともに、ワッシャ80がボールスプライン20の外筒22に接触することで、スプライン軸21が軸方向の第1側に移動することが抑制される。
【0023】
支持台50を軸方向(z軸方向)の第1側に移動させると、ドライバビット10の先端が被調整部品100の上部に接触することで、ドライバビット10、カップリング30、スプライン軸21及び規制部材70の移動が抑制される(
図3参照)。ドライバビット10の先端が被調整部品100の上部に接触した後に、
図4に示すように、支持台50がさらに軸方向の第1側に移動することで、スプライン軸21と外筒22及び保持部材24(
図2参照)とが相対的に移動し、支持台50に固定されたアクチュエータ40、介在部材60、ボールスプライン20の外筒22及びワッシャ80が軸方向の第1側に移動する。これにより、規制部材70がワッシャ80から離れ、被調整部品100には、ドライバビット10、カップリング30、スプライン軸21及び規制部材70の荷重(重量)のみがかかる。
【0024】
規制部材70がワッシャ80から離れた後に、支持台50の軸方向の第1側への移動を停止する。そして、アクチュエータ40のモータ41を回転させる。モータ41が回転することで、回転部材42、介在部材60、ボールスプライン20の外筒22、及び、保持部材24が回転する。ボールスプライン20の外筒22及び保持部材24が回転することで、ボール23を介して、スプライン軸21に動力が伝達され、スプライン軸21、規制部材70、カップリング30及びドライバビット10が回転する。
【0025】
ドライバビット10、カップリング30、スプライン軸21及び規制部材70の荷重がかかった状態でドライバビット10が回転すると、ドライバビット10の先端が被調整部品100の上部に形成された溝(不図示)に嵌り込むとともに、回転調整が行われる。
【0026】
以上、説明したように、回転調整装置1は、被調整部品100に嵌合されるドライバビット10と、モータ41と、モータ41により駆動されて、所定の回転軸(スプライン軸21の円柱の中心線)を中心として回転する円筒状の回転部材42(第1回転部材の一例)と、回転部材42の内側に配置されて、回転部材42とともに上述の回転軸を中心として回転する円筒状の外筒22及び保持部材24(この二つが第2回転部材の一例)と、を備える。また、回転調整装置1は、外筒22及び保持部材24の内側に配置されて、外筒22及び保持部材24とともに上述の回転軸を中心として回転するとともに軸方向には外筒22及び保持部材24に対して摺動可能であり、軸方向における一端がドライバビット10に連結されたスプライン軸21(摺動部材の一例)を備える。
【0027】
以上のように構成された回転調整装置1においては、スプライン軸21が外筒22及び保持部材24に対して軸方向に摺動可能であり、調整時に、スプライン軸21やスプライン軸21に連結されたドライバビット10等の部品の荷重のみが被調整部品100にかかるようにすることができるので、被調整部品100にかかる荷重を安定させることができる。また、ボールスプライン20の外周を取り囲むようにアクチュエータ40が配置されているので、アクチュエータ40の駆動力をボールスプライン20に安定して伝達することができ、ドライバビット10の回転を安定させることができる。
【0028】
ここで、保持部材24の内周面には軸方向に延びる溝241(第1溝の一例)が形成され、スプライン軸21の外周面には軸方向に延びる溝211(第2溝の一例)が形成され、溝241と溝211との間に球状のボール23が設けられている。これにより、スプライン軸21を外筒22及び保持部材24とともに回転させることができるとともに、軸方向に滑らかに移動させることができる。
【0029】
本実施形態においては、外筒22、保持部材24、スプライン軸21、及び、ボール23は、ボールスプライン20を構成する。つまり、外筒22、保持部材24、スプライン軸21及びボール23等が一体的に構成されたボールスプライン20を用いることができるので、回転調整装置1を簡易な構成にすることができる。
【0030】
なお、スプライン軸21を外筒22及び保持部材24とともに回転させることができるとともに軸方向に摺動可能にすることができるのであれば、ボール23が介在する構成に限定されない。例えば、ボール23を省略するとともに、保持部材24の内周面から内側に突出した突出部(不図示)を形成し、この突出部をスプライン軸21の溝211に嵌め込んでも良い。また、ボール23及び保持部材24を省略するとともに、外筒22の内周面から内側に突出した突出部(不図示)を形成し、この突出部をスプライン軸21の溝211に嵌め込んでも良い。また、ボール23及び保持部材24を省略するとともに、外筒22の内周面及びスプライン軸21の外周面を互いに同形の角柱状(四角柱状等)とし、外筒22の内周面とスプライン軸21の外周面とを嵌合させても良い。
【0031】
また、本実施形態に係る回転調整装置1においては、アクチュエータ40とボールスプライン20との間に介在部材60を介在させているが、特にかかる態様に限定されない。例えば、ボールスプライン20の外筒22がアクチュエータ40の回転部材42に直接取り付けられていても良い。また、介在部材60は、ボールスプライン20の外筒22又はアクチュエータ40の回転部材42と一体化(一体成型)されていても良い。
【0032】
また、本実施形態においては、モータ41と回転部材42は、中空ロータリアクチュエータであるアクチュエータ40を構成する。これにより、スプライン軸21等を回転部材42の内側に配置することができるので、スプライン軸21やスプライン軸21に連結されたドライバビット10等の部品の荷重のみが被調整部品100にかかるようにすることを簡易な構成にて実現することができる。
なお、モータ41は、回転部材42と支持部材44との間に一体的に組み込まれていても良い。例えば、回転部材42に永久磁石を固定し、回転部材42をモータの回転子として構成するとともに、支持部材44にコイルを固定し、支持部材44をモータの固定子として構成することにより、それらをモータ41としても良い。また、回転部材42にコイルを固定し、回転部材42をモータの回転子として構成するとともに、支持部材44に永久磁石を固定し、支持部材44をモータの固定子として構成することにより、それらをモータ41としても良い。
【0033】
また、回転調整装置1は、スプライン軸21における軸方向の他端に装着されて、外筒22及び保持部材24に対する軸方向の移動を規制する規制部材70をさらに備える。これにより、支持台50を、軸方向と直交する方向(x軸又はy軸方向)及び軸方向(z軸方向)に移動させてドライバビット10の先端が被調整部品100の上部に接触するまで、スプライン軸21が外筒22や保持部材24から脱落しないようにすることができる。
【0034】
また、外筒22、保持部材24、スプライン軸21及びボール23等が一体的に構成されたボールスプライン20を用いたとしても、スプライン軸21の脱落を抑制するためにスプライン軸21における軸方向の他端に規制部材70を装着すれば良いだけなので、回転調整装置1を簡易な構成にすることができる。
【0035】
また、被調整部品100を回転調整する際に被調整部品100にかかる荷重を、被調整部品100の種類に応じて容易に変更することができる。つまり、規制部材70の重さを変えることで、回転調整する際に被調整部品100にかかる荷重を変えることができる。例えば、被調整部品100にかかる荷重を大きくしたい場合には、規制部材70をスプライン軸21から取り外して別の重量のものと交換することで、規制部材70の重さを重くすれば良い。このように、回転調整装置1によれば、例えばボールスプライン20、ドライバビット10及びカップリング30の重さを変更することなく、規制部材70の重さを変えることで被調整部品100にかかる荷重を調整することができるので、利便性が高い。
【符号の説明】
【0036】
1…回転調整装置、10…ドライバビット、20…ボールスプライン、21…スプライン軸(摺動部材の一例)、22…外筒(第2回転部材の一例)、23…ボール、24…保持部材(第2回転部材の一例)、30…カップリング、40…アクチュエータ、42…回転部材(第1回転部材の一例)、50…支持台、60…介在部材、70…規制部材、80…ワッシャ、100…被調整部品、110…基板、150…ロボット、211…溝(第2溝の一例)、241…溝(第1溝の一例)