(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024141062
(43)【公開日】2024-10-10
(54)【発明の名称】フォークリフト、推定システムおよび推定プログラム
(51)【国際特許分類】
B66F 9/075 20060101AFI20241003BHJP
B66F 9/22 20060101ALI20241003BHJP
G05G 1/30 20080401ALI20241003BHJP
B60K 26/02 20060101ALI20241003BHJP
【FI】
B66F9/075 Z
B66F9/22 Z
G05G1/30 E
B60K26/02
【審査請求】有
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023052504
(22)【出願日】2023-03-29
(71)【出願人】
【識別番号】000232807
【氏名又は名称】三菱ロジスネクスト株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000475
【氏名又は名称】弁理士法人みのり特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】寺尾 良平
【テーマコード(参考)】
3D037
3F333
3J070
【Fターム(参考)】
3D037EA02
3D037EA06
3D037EB02
3D037EC07
3D037EC08
3F333AA02
3F333AE02
3F333CA21
3F333FE05
3J070AA32
3J070BA17
3J070BA19
3J070BA90
3J070DA03
3J070DA21
(57)【要約】
【課題】ペダルの重さを運転者ごとの適切なペダルの重さに調整することができるフォークリフトを提供する。
【解決手段】フォークリフト1は、ブレーキペダル、アクセルペダル、クラッチペダルおよびインチングペダルのうちの少なくとも1つのペダルと、重さ推定部と、重さ変更部と、を備えている。重さ推定部は、運転者Oの身体的特徴に基づいて、運転者Oの適切なペダルの重さを推定する。重さ変更部は、重さ推定部によって推定されたペダルの重さに基づいて、ペダルの重さを変更する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ブレーキペダル、アクセルペダル、クラッチペダルおよびインチングペダルのうちの少なくとも1つのペダルと、
運転者の身体的特徴に基づいて、前記運転者の適切な前記ペダルの重さを推定する重さ推定部と、
重さ推定部によって推定された前記ペダルの重さに基づいて、前記ペダルの重さを変更する重さ変更部と、を備える、フォークリフト。
【請求項2】
前記運転者を撮影するカメラと、
複数の人の画像と、各前記人の画像に対応する前記人の体重とを教師データとし、前記カメラによって生成された前記運転者の画像を入力されると、前記運転者の体重を出力するよう学習した第1学習済みモデルと、をさらに備え、
前記重さ推定部は、前記第1学習済みモデルによって出力された前記運転者の体重に基づいて、適切な前記ペダルの重さを推定する、請求項1に記載のフォークリフト。
【請求項3】
前記運転者を撮影するカメラと、
複数の人の画像と、各前記人の画像に対応する筋肉量とを教師データとし、前記カメラによって生成された前記運転者の画像を入力されると、前記運転者の筋肉量を出力するよう学習した第2学習済みモデルと、をさらに備え、
前記重さ推定部は、前記第2学習済みモデルによって出力された前記運転者の筋肉量に基づいて、適切な前記ペダルの重さを推定する、請求項1に記載のフォークリフト。
【請求項4】
前記運転者の顔を撮影するカメラと、
複数の顔画像と、各前記顔画像に対応する人の年齢とを教師データとし、前記カメラによって生成された前記運転者の顔画像を入力されると、前記運転者の年齢を出力するよう学習した第3学習済みモデルと、をさらに備え、
前記重さ推定部は、前記第3学習済みモデルによって出力された前記運転者の年齢に基づいて、適切な前記ペダルの重さを推定する、請求項1に記載のフォークリフト。
【請求項5】
前記カメラは、所定の服を着た前記運転者を撮影するよう構成されており、
前記人の画像の教師データは、前記所定の服を着た人の画像とされている、請求項2または3に記載のフォークリフト。
【請求項6】
前記カメラは、ヘルメットをかぶった前記運転者を撮影するよう構成されており、
前記顔画像の教師データは、前記ヘルメットをかぶった人の顔画像とされている、請求項4に記載のフォークリフト。
【請求項7】
前記カメラは、前記所定の服を着た人を前記運転者として検出し、自動的に撮影するよう構成されている、請求項5に記載のフォークリフト。
【請求項8】
前記運転者の前記身体的特徴を予め記憶している特徴記憶部をさらに備え、
前記重さ推定部は、前記特徴記憶部に記憶されている前記運転者の身体的特徴に基づいて、前記運転者の適切な前記ペダルの重さを推定する、請求項1に記載のフォークリフト。
【請求項9】
複数の前記運転者の前記身体的特徴を、対応する顔画像とともに予め記憶している特徴記憶部と、
前記運転者の顔を撮影するカメラと、
前記カメラによって生成された顔画像に基づいて、前記特徴記憶部に記憶されている前記運転者を特定する運転者特定部と、をさらに備え、
前記重さ推定部は、特定された前記運転者に対応する前記身体的特徴に基づいて、前記運転者の適切な前記ペダルの重さを推定する、請求項1に記載のフォークリフト。
【請求項10】
フォークリフトに設けられたブレーキペダル、アクセルペダルおよびインチングペダルのうちの少なくとも1つのペダルと、
運転者の身体的特徴に基づいて、前記運転者の適切な前記ペダルの重さを推定する重さ推定部と、
推定された適切な前記ペダルの重さに基づいて、前記ペダルの重さを変更する重さ変更部と、を備える、推定システム。
【請求項11】
ブレーキペダル、アクセルペダルおよびインチングペダルのうちの少なくとも1つのペダルと、
推定された適切な前記ペダルの重さに基づいて、前記ペダルの重さを変更する重さ変更部と、
コンピュータと、を有するフォークリフト用プログラムであって、
前記コンピュータを、
運転者の身体的特徴に基づいて、前記運転者の適切な前記ペダルの重さを推定する重さ推定部と、して実行させる、推定プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、フォークリフト、フォークリフトに係る推定システムおよび推定プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
フォークリフトには、リーチ式フォークリフトと、カウンター式フォークリフトがある。フォークリフトのペダルは、フォークリフトの種類ごとに数や機能が異なっている。
【0003】
特許文献1に開示のように、リーチ式フォークリフトは、ブレーキペダルと、プレゼンスペダルとを備えている。プレゼンスペダルは、走行と、荷役とを制止可能に構成されており、運転者は、プレゼンスペダルを踏んでいないと走行、荷役を行うことができない。
【0004】
また、特許文献2に開示のように、カウンター式フォークリフトは、アクセルペダル、ブレーキペダルを備え、エンジン式のカウンター式フォークリフトはクラッチペダルをさらに備えている。バッテリ式のフォークリフトのうちオートマチック車のフォークリフトは、クラッチペダルの代わりにインチングペダルをさらに備えている。運転者は、インチングペダルを踏むことにより、フォークリフトを半クラッチ状態にさせ走行動力を遮断させることができる。
【0005】
ところで、フォークリフトは、一般的な乗用車と異なり、各ペダルを頻繁に踏むことになるので、ペダルの重さは運転者にとって適切な重さであることが好ましい。一方、フォークリフトは、乗用車と異なり1つのフォークリフトを複数の運転者が代わる代わる乗車することがあるが、運転者ごとに性別、体重、筋力などが異なり各ペダルの適切な重さは運転者ごとに異なる。しかしながら、従来のフォークリフトは、運転者ごとの適切なペダルの重さに調整することができなかった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2016-047759号公報
【特許文献2】特開2017-166663号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
そこで、本発明が解決しようとする課題は、ペダルの重さを運転者ごとの適切なペダルの重さに調整することができるフォークリフトを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、本発明に係るフォークリフトは、
ブレーキペダル、アクセルペダル、クラッチペダルおよびインチングペダルのうちの少なくとも1つのペダルと、
運転者の身体的特徴に基づいて、運転者の適切なペダルの重さを推定する重さ推定部と、
重さ推定部によって推定されたペダルの重さに基づいて、ペダルの重さを変更する重さ変更部と、を備える。
【0009】
上記フォークリフトは、好ましくは、
運転者を撮影するカメラと、
複数の人の画像と、各人の画像に対応する人の体重とを教師データとし、カメラによって生成された運転者の画像を入力されると、運転者の体重を出力するよう学習した第1学習済みモデルと、をさらに備え、
重さ推定部は、第1学習済みモデルによって出力された運転者の体重に基づいて、適切なペダルの重さを推定する。
【0010】
上記フォークリフトは、好ましくは、
運転者を撮影するカメラと、
複数の人の画像と、各人の画像に対応する筋肉量とを教師データとし、カメラによって生成された運転者の画像を入力されると、運転者の筋肉量を出力するよう学習した第2学習済みモデルと、をさらに備え、
重さ推定部は、第2学習済みモデルによって出力された運転者の筋肉量に基づいて、適切なペダルの重さを推定する。
【0011】
上記フォークリフトは、好ましくは、
運転者の顔を撮影するカメラと、
複数の顔画像と、各顔画像に対応する人の年齢とを教師データとし、カメラによって生成された運転者の顔画像を入力されると、運転者の年齢を出力するよう学習した第3学習済みモデルと、をさらに備え、
重さ推定部は、第3学習済みモデルによって出力された運転者の年齢に基づいて、適切なペダルの重さを推定する。
【0012】
上記フォークリフトは、好ましくは、
カメラが、所定の服を着た運転者を撮影するよう構成されており、
人の画像の教師データは、所定の服を着た人の画像とされている。
【0013】
上記フォークリフトは、好ましくは、
カメラが、ヘルメットをかぶった運転者を撮影するよう構成されており、
顔画像の教師データは、ヘルメットをかぶった人の顔画像とされている。
【0014】
上記フォークリフトは、好ましくは、
カメラが、所定の服を着た人を運転者として検出し、自動的に撮影するよう構成されている。
【0015】
上記フォークリフトは、例えば、
運転者の身体的特徴を予め記憶している特徴記憶部をさらに備え、
重さ推定部は、特徴記憶部に記憶されている運転者の身体的特徴に基づいて、運転者の適切なペダルの重さを推定する。
【0016】
上記フォークリフトは、例えば、
複数の運転者の身体的特徴を、対応する顔画像とともに予め記憶している特徴記憶部と、
運転者の顔を撮影するカメラと、
カメラによって生成された顔画像に基づいて、特徴記憶部に記憶されている運転者を特定する運転者特定部と、をさらに備え、
重さ推定部は、特定された運転者に対応する身体的特徴に基づいて、運転者の適切なペダルの重さを推定する。
【0017】
上記課題を解決するために、本発明に係る推定システムは、
フォークリフトに設けられたブレーキペダル、アクセルペダルおよびインチングペダルのうちの少なくとも1つのペダルと、
運転者の身体的特徴に基づいて、運転者の適切なペダルの重さを推定する重さ推定部と、
推定された適切なペダルの重さに基づいて、ペダルの重さを変更する重さ変更部と、を備える。
【0018】
上記課題を解決するために、本発明に係る推定プログラムは、
ブレーキペダル、アクセルペダルおよびインチングペダルのうちの少なくとも1つのペダルと、
推定された適切なペダルの重さに基づいて、ペダルの重さを変更する重さ変更部と、
コンピュータと、を有するフォークリフト用プログラムであって、
コンピュータを、運転者の身体的特徴に基づいて、運転者の適切なペダルの重さを推定する重さ推定部として実行させる。
【発明の効果】
【0019】
本発明に係るフォークリフトは、ペダルの重さを運転者ごとの適切なペダルの重さに調整することができる。これにより、本発明に係るフォークリフトは、適切なペダルの重さに制御できるので、運転者の負荷を減少させることができる。また、アクセルペダルは加速・減速の適切な補助が可能になり、ブレーキペダルは停止の適切な補助が可能になり、インチングペダルは走行動力の遮断の適切な補助が可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図1】本発明の一実施形態に係るフォークリフトの正面図である。
【
図2】カメラによって撮影される運転者を示す図である。
【
図4】制御部の変形例を示す機能ブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、添付図面を参照しつつ、本発明に係るフォークリフト、推定システムおよび推定プログラムの一実施形態について説明する。
【0022】
図1は、本実施形態に係るフォークリフト1の正面図である。フォークリフト1は、バッテリ式のカウンター式フォークリフトである。
図1に示すように、フォークリフト1は、複数の車輪10と、車体11と、運転席12と、ヘッドガード13と、ペダル14(
図3参照)と、左右のマスト15と、左右のフォーク16と、カメラ17と、重さ変更部18(
図3参照)と、制御部20(
図3参照)と、を備えている。
【0023】
複数の車輪10は、車体11の四方に設けられている。運転席12は、車体11の上に設けられており、ヘッドガード13は、運転席12の上方に設けられている。
【0024】
ペダル14は、アクセルペダルと、ブレーキペダルと、インチングペダルとを含み、運転席12の下部に設けられている。
【0025】
左右のフォーク16は、左右のマスト15を介して昇降可能に構成されており、運転者Oは、フォーク16を昇降させて荷役作業を行う。
【0026】
カメラ17は、ヘッドガード13に固定され、車体11の側方に起立した運転者Oの全身を撮影するよう構成されている。
図1および
図2に示すように、運転者Oは、ヘルメットH、制服Uを着た状態でフォークリフト1の側方で少なくとも正面、側面を撮影される。制服Uは、本発明の「所定の服」に相当する。カメラ17は、ビデオカメラであってもよい。また、カメラ17は、例えば、制服Uを着た人(すなわち、運転者O)を運転者Oとして検出し、運転者Oがフォークリフト1に近寄ると、自動的にその人を撮影するよう構成されてもよい。また、カメラ17は、複数のカメラによって構成されていてもよい。
【0027】
また、カメラ17は、ヘルメットHをかぶった運転者Oの顔を撮影して顔画像を生成する。カメラ17によって生成された全身画像および顔画像は、制御部20に送信される。
【0028】
フォークリフト1は、カメラ17で撮影するとき、例えば、「正面を向いてください」、「横を向いてください」といった音声を運転者Oに向けて発してもよい。
【0029】
重さ変更部18は、後で説明する重さ推定部24によって推定されたペダル14の重さに基づいて、運転者Oが踏み込んだ際のペダル14の重さを変更する。重さ変更部18は、例えば、油圧によって重さを調整できる装置、ばねによって重さを調整できる装置によって構成されている。
【0030】
また、例えば、重さ変更部18は、ペダル14の踏力をアシストするアシスト装置としてもよい。この場合、重さ変更部18は、重さ推定部24によって推定されたペダル14の重さに基づいて、アシスト力を調整し、実質的に運転者Oが踏み込んだ際のペダル14の重さを変更してもよい。
【0031】
または、重さ変更部18は、例えば、重さ推定部24によって推定されたペダル14の重さに基づいて、ペダル14の踏力量に応答する各装置の動力または制止力の大きさを変更するよう構成されてもよい。これにより、重さ変更部18は、実質的にペダル14の重さを変更する。
【0032】
制御部20は、車体11内に配置されたコンピュータによって構成されており、演算装置と、記憶装置と、メモリと、を有する。記憶装置には、コンピュータを後で説明する重さ推定部24として実行させる推定プログラムが記憶されている。
【0033】
図3は、フォークリフト1の機能ブロック図である。
図3に示すように、制御部20は、体重推定部21と、筋肉量推定部22と、年齢推定部23と、重さ推定部24と、を有する。
【0034】
体重推定部21は、本発明の「第1学習済みモデル」に相当する。体重推定部21は、ディープラーニングを用いたニューラルネットによって、複数の人の画像と、各画像に対応する人の体重とを教師データとし、カメラ17によって生成された運転者Oの画像を入力されると、運転者Oの体重を出力するよう予め学習している。これにより、体重推定部21は、カメラ17によって生成された画像を入力されると、運転者Oの体重を推定し、推定した体重を重さ推定部24に送信する。
【0035】
筋肉量推定部22は、本発明の「第2学習済みモデル」に相当する。筋肉量推定部22は、ディープラーニングを用いたニューラルネットによって、複数の人の画像と、各画像に対応する筋肉量とを教師データとし、カメラ17によって生成された運転者Oの画像を入力されると、運転者Oの筋肉量を出力するよう予め学習している。これにより、筋肉量推定部22は、カメラ17によって生成された画像を入力されると、運転者Oの筋肉量を推定し、推定した筋肉量を重さ推定部24に送信する。
【0036】
体重推定部21および筋肉量推定部22に使用された教師データのうち人の画像には、男女の顔画像も含まれている。これにより、体重推定部21および筋肉量推定部22は、性別も加味してより適切に運転者Oの体重、筋肉量をそれぞれ推定することができる。
【0037】
体重推定部21および筋肉量推定部22の学習に使用された教師データのうち人の画像は、例えば、制服Uを着た人の画像でもよい。また、当該制服Uは、体重、筋肉量を推定しやすいよう加工されたものでもよい。これにより、体重推定部21および筋肉量推定部22は、さらに適切に運転者Oの体重、筋肉量をそれぞれ推定することができる。
【0038】
年齢推定部23は、本発明の「第3学習済みモデル」に相当する。年齢推定部23は、ディープラーニングを用いたニューラルネットによって、複数の顔画像と、各顔画像に対応する人の年齢とを教師データとし、カメラ17によって生成された運転者Oの顔画像を入力されると、運転者Oの年齢を出力するよう予め学習している。これにより、年齢推定部23は、カメラ17によって生成された顔画像を入力されると、運転者Oの年齢を推定し、推定した年齢を重さ推定部24に送信する。
【0039】
年齢推定部23に使用された教師データのうち顔画像には、男女の顔画像も含まれている。これにより、年齢推定部23は、性別も加味してより適切に運転者Oの年齢を推定することができる。
【0040】
年齢推定部23の学習に使用された教師データのうち顔画像は、例えば、ヘルメットHをかぶった人の顔画像としてもよい。これにより、年齢推定部23は、さらに適切に運転者Oの年齢を推定することができる。
【0041】
重さ推定部24は、体重推定部21、筋肉量推定部22および年齢推定部23によって推定された運転者Oの体重、筋肉量、年齢に基づいて、適切なペダル14の重さを推定する。
【0042】
例えば、重さ推定部24は、体重推定部21によって推定された体重が重ければ重いほど、推定するペダル14の重さをより重くしてもよい。また、重さ推定部24は、筋肉量推定部22によって推定された筋肉量が多ければ多いほど、推定するペダル14の重さをより重くしてもよい。さらに、重さ推定部24は、年齢推定部23によって推定された年齢が若ければ若いほど推定するペダル14の重さをより重くしてもよい。
【0043】
また、重さ推定部24は、推定された体重が重くても推定された筋肉量が一定量より少なければ、推定するペダル14の重さを軽くしたり、推定された筋肉量が多くても推定された年齢によっては、推定するペダル14の重さを軽くしてもよい。
【0044】
このように、重さ推定部24が推定するペダル14の重さに対する体重、筋肉量、年齢の重み付けは、限定されるものではない。また、重さ推定部24が推定する各運転者Oに適切なペダル14の重さは、全てのペダルの重さを推定するものでなくてもよい。すなわち、重さ推定部24は、ブレーキペダル、アクセルペダルおよびインチングペダルのうちの少なくとも1つのペダルの重さを推定するものであればよい。
【0045】
また、重さ推定部24は、インチングペダルの場合、半クラッチ状態にさせるまでのインチングペダルの重さのみを推定してもよいし、完全に踏み込むまでのインチングペダルの重さを含めてペダル14の重さを推定してもよい。
【0046】
重さ変更部18は、重さ推定部24によって推定された適切なペダル14の重さに基づいて、各ペダル14の重さを変更する。
【0047】
本実施形態に係るフォークリフト1は、上記構成を備えていることにより、適切なペダル14の重さを運転者Oに提供することができる。
【0048】
以上、本発明に係るフォークリフト1、推定システムおよび推定プログラムの一実施形態について説明してきたが、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。本発明に係るフォークリフト、推定システムおよび推定プログラムは、例えば、次の変形例ごとに実施されたり、各変形例を組み合わせて実施されてもよい。
【0049】
<変形例>
・フォークリフト1は、リーチ式フォークリフトであってもよい。この場合、ペダル14には、プレゼンスペダルが含まれてもよい。また、フォークリフト1は、エンジン式のフォークリフトであってもよい。この場合、ペダル14には、クラッチペダルが含まれてもよい。
【0050】
・例えば、体重推定部21および筋肉量推定部22は、運転者Oの体の一部の画像から運転者Oの体重、筋肉量を推定できるのであれば、カメラ17は、運転者Oの体の一部のみを撮影するよう構成されていてもよい。
【0051】
・重さ推定部24は、上記実施形態では、体重、筋肉量および年齢を参照して、運転者Oに適切なペダル14の重さを推定したが、例えば、体重、筋肉量および年齢のいずれかを参照して適切なペダル14の重さを推定してもよい。
【0052】
・制御部20は、体重推定部21、筋肉量推定部22、年齢推定部23の代わりに各運転者Oの身体的特徴(体重、筋肉量、年齢)を予め記憶している特徴記憶部25を有してもよい。
【0053】
この場合、フォークリフト1は、各運転者に対応する氏名や識別子などの入力、またはIDカード等の各運転者を特定させるツールの入力を受け付ける入力部をさらに備え、重さ推定部24は、入力された氏名や識別子など、または上述のツールの入力に基づいて運転者Oを特定するとともにこの運転者Oの身体的特徴を参照することにより、適切なペダル14の重さを推定してもよい。
【0054】
また、制御部20が特徴記憶部25を有している場合、フォークリフト1は、運転者Oの顔を撮影する顔カメラ(カメラ17)を、例えば、運転席12に設けるとともに、
図4に示すように、制御部20は、顔カメラによって生成された顔画像に基づいて、特徴記憶部25に記憶されている運転者Oを特定する運転者特定部26をさらに有し、重さ推定部24は、特定された運転者Oの身体的特徴に基づいて、適切なペダル14の重さを推定してもよい。
【0055】
さらに、制御部20が特徴記憶部25を有している場合に加えて、ヘルメットHが各運転者を特定させるタグ、QRコード(登録商標)等を有する場合、それらを検出するツールによって各運転者を特定し、重さ推定部24が、特定された運転者Oの身体的特徴に基づいて、適切なペダル14の重さを推定してもよい。
【0056】
・制御部20は、例えば、クラウド上に設けられたサーバコンピュータによって構成され、フォークリフト1は、このサーバコンピュータと互いに通信することにより、運転者Oに適切なペダル14の重さを推定してもよい。
【符号の説明】
【0057】
O 運転者
H ヘルメット
U 制服
1 フォークリフト
10 車輪
11 車体
12 運転席
13 ヘッドガード
14 ペダル
15 マスト
16 フォーク
17 カメラ
18 重さ変更部
20 制御部
21 体重推定部
22 筋肉量推定部
23 年齢推定部
24 重さ推定部
25 特徴記憶部
26 運転者特定部