(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024141068
(43)【公開日】2024-10-10
(54)【発明の名称】空気調和装置
(51)【国際特許分類】
F24F 6/00 20060101AFI20241003BHJP
F24F 13/24 20060101ALI20241003BHJP
【FI】
F24F6/00 B
F24F13/24
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023052510
(22)【出願日】2023-03-29
(71)【出願人】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100106116
【弁理士】
【氏名又は名称】鎌田 健司
(74)【代理人】
【識別番号】100151378
【弁理士】
【氏名又は名称】宮村 憲浩
(74)【代理人】
【識別番号】100157484
【弁理士】
【氏名又は名称】廣田 智之
(72)【発明者】
【氏名】牧田 芳隆
(72)【発明者】
【氏名】佐橋 光
(72)【発明者】
【氏名】松本 一真
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 泰典
【テーマコード(参考)】
3L055
【Fターム(参考)】
3L055BA04
3L055DA20
(57)【要約】
【課題】風路の圧力損失を抑制する空気調和装置を提供することを目的とする。
【解決手段】吹出口8と吸気口7とを有する本体ケース2内には、水を貯水する貯水容器11と、貯水容器11の水に一部が浸漬されたフィルター17と、吸気口7と、フィルター17と、第1送風部30と、吹出口8と、を順次連通する第1風路21aと、を有している。第1送風部30は、第1羽根31を囲む第1ケーシング32を有し、第1ケーシング32は、本体ケース2における横方向である第1方向において一方側に設けた第1一方側吸込口34と、第1方向において他方側に設けた第1他方側吸込口35と、を有し、第1風路21aにおけるフィルター17と第1送風部30と間に、フィルター17を通過した空気を、第1送風部30の第1一方側吸込口34と、第1送風部30の第1他方側吸込口35と、に案内する第1案内部50を設けた。
【選択図】
図8
【特許請求の範囲】
【請求項1】
吹出口と吸気口とを有する本体ケースと、
前記本体ケース内には、水を貯水する貯水容器と、
前記貯水容器の水に一部が浸漬されたフィルターと、
前記吸気口から吸い込んだ空気を、前記フィルターへ送風する第1送風部と、
前記吸気口と、前記フィルターと、前記第1送風部と、前記吹出口と、を順次連通する第1風路と、を有し、
前記第1送風部は、
空気を送風する第1羽根と、
前記第1羽根を囲む第1ケーシングと、を有し、
前記第1ケーシングは、
前記本体ケースにおける横方向である第1方向において一方側に設けた第1一方側吸込口と、
前記第1方向において他方側に設けた第1他方側吸込口と、を有し、
前記第1風路における前記フィルターと前記第1送風部と間に、前記フィルターを通過した空気を、前記第1送風部の前記第1一方側吸込口と、前記第1送風部の前記第1他方側吸込口と、に案内する第1案内部を設けた空気調和装置。
【請求項2】
前記本体ケース内には、
前記第1送風部の前記第1方向における一方側に、第2送風部を有し、
前記第2送風部は、
空気を送風する第2羽根と、
前記第2羽根を囲む第2ケーシングと、を有し、
前記第2ケーシングは、前記第1方向において前記第2ケーシングの一方側に設けた第2一方側吸込口と、
前記第1方向において他方側に設けた第2他方側吸込口と、
前記吸気口と、前記フィルターと、前記第1送風部と、前記吹出口と、を順次連通する第2風路と、を有し、
前記第2風路における前記フィルターと前記第2送風部と間に、前記フィルターを通過した空気を、前記第2送風部の前記第2一方側吸込口と、前記第2送風部の前記第2他方側吸込口と、に案内する第2案内部を設けた請求項1に記載の空気調和装置。
【請求項3】
前記第1案内部は、
前記第1案内部における前記第1方向の一方側に、前記第1送風部側から前記フィルター側への方向および前記第1方向に対して垂直であり横方向である第2方向に延びる板形状の第1一方板と、
前記第1案内部における前記第1方向の他方側に、前記第1送風部側から前記フィルター側への方向および前記第2方向に延びる第1他方板と、を有し、
前記第1一方板と前記第1他方板との前記第1方向における距離は、前記フィルター側から前記第1送風部側へ向かうにつれて長くなる請求項2に記載の空気調和装置。
【請求項4】
前記第2案内部は、
前記第2案内部における前記第1方向の一方側に、前記第2送風部側から前記フィルター側への方向および前記第2方向に延びる板形状の第2一方板と、
前記第2案内部における前記第2方向の他方側に、前記第2送風部側から前記フィルター側への方向および前記第2方向に延びる第2他方板と、を有し、
前記第2一方板と前記第2他方板との前記第1方向における距離は、前記フィルター側から前記第2送風部側へ向かうにつれて長くなる請求項3に記載の空気調和装置。
【請求項5】
前記第1一方板と前記第1他方板とは、前記第1ケーシングから前記フィルター側へ延び、
前記第1一方板の前記フィルター側の端部と、前記第1他方板の前記フィルター側の端部とは、接触し、
前記第2一方板と前記第2他方板とは、前記第2ケーシングから前記フィルター側へ延び、
前記第2一方板の前記フィルター側の端部と、前記第2他方板の前記フィルター側の端部とは、接触する請求項4に記載の空気調和装置。
【請求項6】
前記第1一方板と、前記第1他方板と、前記第2一方板と、前記第2他方板とは、内部に複数の細長形状の空間を有すること請求項5に記載の空気調和装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、水槽に一部を浸した加湿フィルターに通風して加湿する気化式の空気調和装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の空気調和装置の構成は以下のようになっている。吹出口と吸気口とを有する本体ケースと、本体ケース内には、水を貯水する貯水容器と、貯水容器の水に一部が浸漬されたフィルターと、吸気口から吸い込んだ空気を、フィルターへ送風する第1送風部と、吸気口と、フィルターと、第1送風部と、吹出口と、を順次連通する風路と、を有している。第1送風部は、空気を送風する第1羽根と、第1羽根を囲む第1ケーシングと、を有し、第1ケーシングは、本体ケースにおける横方向である第1方向においての一方側に設けた第1一方側吸込口と、第1方向において他方側に設けた第1他方側吸込口とを有する(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来の空気調和装置の風路の第1羽根上流部において、吸い込み口からフィルター、第1送風部と風が流れるにあたり、第1ケーシングとの干渉により風の流れが悪くなり、圧力損失が高まってしまうという課題があった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
そして、この課題を解決するために、第1羽根上流部の風路において、流れてきた風がスムーズに第1一方側吸い込み口と第1他方側吸込口に吸い込まれるように、第1案内板を設けることで、圧力損失を低下させ、これにより所期の目的を達成するものである。
【発明の効果】
【0006】
以上のように本発明は、第1羽根上流部の風路において、流れてきた風がスムーズに第1一方側吸い込み口と第1他方側吸込口に吸い込まれるように、第1案内板を設けることで、圧力損失を低下させるという効果を得ることが出来る。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】本発明の実施の形態1の空気浄化装置の斜視図
【
図10】同空気浄化装置の第1一方板、第1他方板、第2一方板、第2他方板の斜視図
【発明を実施するための形態】
【0008】
(実施の形態1)
図1、
図2は、本発明の実施の形態1の空気調和装置の斜視図である。なお、
図1は、空気調和装置を前面側から見た図である。
図2は、パネルを開いた空気調和装置を前面側から見た図である。
図3は、空気調和装置を右側から見た概略断面図である。
【0009】
以下、空気調和装置1の詳細な構成について説明する。
図1から
図3に示すように、本実施の形態の空気調和装置1は、略箱形状の本体ケース2と、送風機3と、空気調和部4と、制御部5と、操作部6とを備える。
【0010】
本体ケース2は、縦長の略箱形状であり、本体ケース2には、吸気口7と、吹出口8と、パネル9とが設けられている。
【0011】
吸気口7は、本体ケース2の背面に設けられている。
【0012】
吹出口8は、本体ケース2の天面における背面側に設けられている。本体ケース2の天面における前面側には、操作部6が設けられている。なお、操作部6は、上下方向に回動自在なカバー6aに覆われており、カバー6aを開くと操作部6が現れる。
【0013】
本体ケース2の前面には、開閉可能なパネル9が設けられている。パネル9を開くと、本体ケース2内には、空気調和部4が設けられている。
【0014】
図4は、本発明の実施の形態1の空気調和装置の斜視図であり、パネルを開き、タンク部材を取り出し、空気調和装置を前面側から見た図である。
図5は、本発明の実施の形態1の空気調和装置の斜視図であり、パネルを開き、貯水容器を取り出し、空気調和装置を前面側から見た図である。
【0015】
図4、
図5に示すように、空気調和部4は、空洞部10内に設けられている。空洞部10は、本体ケース2における前面から、本体ケース2における背面側へ凹んだ穴である。空気調和部4は、空洞部10内から本体ケース2外へ取り出すことが出来る。空気調和部4は、貯水容器11と、タンク部材12と、気液接触部分13と、を備えている。
【0016】
貯水容器11は、天面に開口が設けられた箱形状をしており、水を貯水できる構造となっている。貯水容器11は、本体ケース2の下部に配置されており、空洞部10から水平方向にスライドして着脱可能となっている。貯水容器11は、タンク部材12から供給される水を貯水する。
【0017】
図6は、本発明の実施の形態1のタンク部材の斜視図であり、蓋を取り外した状態である。
図7は、本発明の実施の形態1のタンク部材の概略断面図である。
【0018】
図6、
図7、に示すように、タンク部材12は、本体ケース2内部の下部に設置され貯水容器11から着脱可能な構造となっている。貯水容器11の底面には、上方に突出したタンク保持部(図示せず)を有する。タンク部材12は、貯水容器11の底面に設けられたタンク保持部の位置に装着されている。タンク部材12は、水を貯水するタンク14と、タンク14の下面に設けられタンク14内とタンク14外とを連通する開口14aと、開口14aを覆う蓋15と、を有している。蓋15の中央には、上下方向に連通する孔15bと、孔15bを開閉する弁部16と、孔15bを囲み上下方向に中心軸が伸び蓋15から下方に突出した円筒形状の筒部分15aと、を備えている。孔15bは、筒部分15aの中心に配置されている。
【0019】
以上の構成において、タンク14の開口を下向きにして、タンク部材12を貯水容器11のタンク保持部の位置に取り付けると、タンク保持部によって弁部16が開く。つまり、タンク部材12に水を入れてタンク保持部の位置に取り付けると、タンク保持部によって弁部16が上方に移動し、蓋15の孔15bが開いた状態となる。蓋15の孔15bが開くと、タンク14内の水が、蓋15の孔15bを介して、貯水容器11へ給水され、貯水容器11内に水が溜まる。貯水容器11内の水位が上昇して水位が蓋15の筒部分15aの下端まで到達するとタンク部材12の孔15bが水封されるので給水が停止する。タンク部材12の内部には水が残っており、貯水容器11内の水位が下がった場合に都度、タンク内部の水が貯水容器11に給水される。即ち、貯水容器11内の水位は一定に保たれる。
【0020】
図3、
図5に示すように、気液接触部分13は、貯水容器11に貯水された水と、送風機3によって本体ケース2内に吸込まれた室内空気とを接触させる部材である。気液接触部分13は、フィルター17と、フィルター枠18と、駆動部(図示せず)とを有している。
【0021】
フィルター17は、円筒状に構成され、円周部分に空気が流通可能な孔が設けられた構成である。フィルター17は、フィルター17の一端が貯水容器11の水に浸漬するように、フィルター枠18に装着されている。
【0022】
フィルター枠18は、貯水容器11に設けられた軸受け部19に回転支持されている。フィルター17とフィルター枠18とは、駆動部によって回転する構造となっている。
【0023】
制御部5は、気液接触部分13(駆動部)と、送風機3(後述するモータ部22)とを制御する。具体的には、制御部5は、操作部6の操作に応じて、気液接触部分13である駆動部の動作、送風機3の回転数などを制御する。送風機3のモータ部22によって羽根(後述する第1羽根31、第2羽根41)が回転すると、風路21に送風される。風路21では、羽根が回転すると、吸気口7から本体ケース2内に入った外部の空気は、順に、空気調和部4(貯水容器11、フィルター17)、送風機3、吹出口8を介して、本体ケース2から吹き出される。
【0024】
図8、
図9は、本発明の実施の形態1の空気調和装置の概略断面斜視図である。なお、
図8は、空気調和装置を前面側から見た図である。
図9は、空気調和装置を前面側から見た図であり、第1羽根と、第1羽根を外した状態である。
【0025】
図8、
図9に示すように、送風機3は、第1送風部30と、第2送風部40と、を有している。
【0026】
第1送風部30は、両吸い込みのシロッコファンである。第1送風部30は、モータ部22と、第1羽根31と、第1ケーシング32と、を有している。
【0027】
モータ部22は、本体ケース2の上部に設けられ、モータ部22から第1回転軸23が横方向である第1方向における一方側に延びている。第1回転軸23には、第1羽根31が設けられている。
【0028】
第1羽根31は、遠心ファンであり、第1ケーシング32に囲まれている。
【0029】
第1ケーシング32は、第1吐出口33と、第1一方側吸込口34と、第1他方側吸込口35と、を有している。
【0030】
第1吐出口33は、第1ケーシング32の本体ケース2における上面側に設けられている。第1一方側吸込口34は、第1ケーシング32における第1方向の一方側に設けられ、第1他方側吸込口35は、第1ケーシング32における第1方向の他方側に設けられている。第1ケーシング32は、第1一方側吸込口34が設けられた第1一方側吸込面36と、第1他方側吸込口35が設けられた第1他方側吸込面37と、第1一方側吸込面36と第1他方側吸込面37とを連結するスクロール形状の第1スクロール面38とを有している。スクロール面部は、第1ケーシング32の上方に、内方に凹んだ第1舌部39を有している。第1一方側吸込面36は、第1ケーシング32における第1方向の一方側に設けられ、第1他方側吸込面37は、第1ケーシング32における第1方向の他方側に設けられている。第1ケーシング32は、モータ部22より第1方向における一方側に配置されている。
【0031】
第2送風部40は、両吸い込みのシロッコファンである。第2送風部40は、モータ部22と、第2羽根41と、第2ケーシング42と、を有している。
【0032】
第2羽根41は、遠心ファンであり、第2ケーシング42に囲まれている。第2羽根41は、モータ部22から第1方向における他方側に延びた第2回転軸24に固定されている。
【0033】
第2ケーシング42は、第2吐出口43と、第2一方側吸込口44と、第2他方側吸込口45と、を有している。
【0034】
第2吐出口43は、第2ケーシング42の本体ケース2における上面側に設けられている。第2一方側吸込口44は、第2ケーシング42における第1方向の他方側に設けられ、第2他方側吸込口45は、第2ケーシング42における第1方向の他方側に設けられている。第2ケーシング42は、第2一方側吸込口44が設けられた第2一方側吸込面46と、第2他方側吸込口45が設けられた第2他方側吸込面47と、第2一方側吸込面46と第2他方側吸込面47とを連結するスクロール形状の第2スクロール面48とを有している。第2スクロール面48は、第2ケーシング42の上方に、内方に凹んだ第2舌部49を有している。第2一方側吸込面46は、第2ケーシング42における第1方向の一方側に設けられ、第2他方側吸込面47は、第2ケーシング42における第1方向の他方側に設けられている。第2ケーシング42は、モータ部22より第1方向における他方側に配置されている。
【0035】
モータ部22は、第1送風部30の第1他方側吸込口35と、第2送風部40の第2一方側吸込口44との間に設けられている。モータ部22は、第1回転軸23と第2回転軸とを有し、第1回転軸23はモータ部22から第1方向における一方側である第1他方側吸込口35に延び、第2回転軸はモータ部22から第1方向における他方側である第2一方側吸込口44に延びている。
【0036】
本体ケース2内には、吸気口7と吹出口8とを連通する風路21が設けられている。風路21は、第1風路21aと、第2風路21bと、を有している。第1風路21aは、吸気口7と、フィルター17と、第1送風部30と、吹出口8と、を順次連通する風路である。第2風路21bは、吸気口7と、フィルター17と、第2送風部40と、吹出口8と、を順次連通する風路である。
【0037】
本実施形態における特徴は、第1風路21aにおけるフィルターと第1送風部30と間に、フィルターを通過した空気を、第1送風部30の第1一方側吸込口34と、第1送風部30の第1他方側吸込口35と、に案内する第1案内部50を設けた点である。
【0038】
具体的には、第1案内部50は、第1案内部50における第1方向の一方側に、第1送風部30側からフィルター側への方向および第1方向に対して垂直であり横方向である第2方向に延びる板形状の第1一方板51と、第1案内部50における第1方向の他方側に、第1送風部30側からフィルター側への方向および第2方向に延びる第1他方板52と、を有している。第1一方板51と第1他方板52との第1方向における距離は、フィルター側から第1送風部30側へ向かうにつれて長くなる。
【0039】
これにより、フィルターを通過した空気は、第1案内部50において、第1一方板51に沿うように流れる空気と、第1他方板52に沿うように流れる空気と、広がるように分かれる。第1一方板51に沿うように流れる空気は、第1送風部30の第1一方側吸込口34側へ流れ込み易くなり、第1他方板52に沿うように流れる空気は、第1送風部30の第1他方側吸込口35側へ流れ込み易くなる。
【0040】
また、第1一方板51と第1他方板52とは、第1ケーシング32からフィルター側へ延び、第1一方板51のフィルター側の端部と、第1他方板52の前記フィルター側の端部とは、接触する。具体的には、第1一方板51は、第1ケーシング32の第1一方側吸込面36から延び、第1他方板52は、第1ケーシング32の第1他方側吸込面37から延びている。
【0041】
これにより、フィルターを通過した空気は、第1案内部50において、第1一方板51に沿うように流れる空気の一部は、更に第1ケーシング32の第1一方側吸込面36に沿って流れ、第1送風部30の第1一方側吸込口34へ流れ込むので、第1送風部30の第1一方側吸込口34へ流れ込み易くなる。同様に、フィルターを通過した空気は、第1案内部50において、第1他方板52に沿うように流れる空気の一部は、更に第1ケーシング32の第1他方側吸込面37に沿って流れ、第1送風部30の第1他方側吸込口35へ流れ込むので、第1送風部30の第1他方側吸込口35へ流れ込み易くなる。
【0042】
また、第2風路21bにおけるフィルターと第2送風部40と間に、フィルターを通過した空気を、第2送風部40の第2一方側吸込口44と、第2送風部40の第2他方側吸込口45と、に案内する第2案内部55を設けた。
【0043】
具体的には、第2案内部55は、第2案内部55における第1方向の一方側に、第2送風部40側からフィルター側への方向および第2方向に延びる板形状の第2一方板56と、第2案内部55における第2方向の他方側に、第2送風部40側からフィルター側への方向および第2方向に延びる第2他方板57と、を有している。第2一方板56と第2他方板57との第1方向における距離は、フィルター側から第2送風部40側へ向かうにつれて長くなる。
【0044】
これにより、フィルターを通過した空気は、第2案内部55において、第2一方板56に沿うように流れる空気と、第2他方板57に沿うように流れる空気と、広がるように分かれる。第2一方板56に沿うように流れる空気は、第2送風部40の第2一方側吸込口44側へ流れ込み易くなり、第2他方板57に沿うように流れる空気は、第2送風部40の第2他方側吸込口45側へ流れ込み易くなる。
【0045】
また、第2一方板56と第2他方板57とは、第2ケーシング42からフィルター側へ延び、第2一方板56のフィルター側の端部と、第2他方板57のフィルター側の端部とは、接触する。具体的には、第2一方板56は、第2ケーシング42の第2一方側吸込面46から延び、第2他方板57は、第2ケーシング42の第2他方側吸込面47から延びている。
【0046】
これにより、フィルターを通過した空気は、第2案内部55において、第2一方板56に沿うように流れる空気の一部は、更に第2ケーシング42の第2一方側吸込面46に沿って流れ、第2送風部40の第2一方側吸込口44へ流れ込むので、第2送風部40の第2一方側吸込口44へ流れ込み易くなる。同様に、フィルターを通過した空気は、第2案内部55において、第2他方板57に沿うように流れる空気の一部は、更に第2ケーシング42の第2他方側吸込面47に沿って流れ、第2送風部40の第2他方側吸込口45へ流れ込むので、第2送風部40の第2他方側吸込口45へ流れ込み易くなる。
【0047】
なお、第1他方板52のフィルター側と第2一方板56のフィルター側との距離は、第1他方板52の第1送風部30側と第2一方板56の第2送風部40側との距離より長い。第1他方板52と第2一方板56との距離は、第1一方板51と第1一方板51の面に対向した第1風路21aにおける内面との距離より長い。第1他方板52と第2一方板56との距離は、第2他方板57と第2他方板57の面に対向した第2風路21bにおける内面との距離より長い。
【0048】
これにより、第1他方板52と第2一方板56との間を流れる風量は、第1一方板51と第1一方板51の面に対向した第1風路21aにおける内面との間を流れ風量より大きくなる。第1他方板52と第2一方板56との間を流れる風量は、第2他方板57と第2他方板57の面に対向した第2風路21bにおける内面との間を流れ風量より大きくなる。結果として、第1他方側吸込口35と、第2一方側吸込口44とに繋がる第1他方板52と第2一方板56との間を流れる風量が最も大きくなるので、第1一方側吸込口34と、第1他方側吸込口35と、第2一方側吸込口44と、第2他方側吸込口45とから吸い込まれる風量がより均一になり易い。
【0049】
図10は、本発明の実施の形態1の空気調和装置の第1一方板、第1他方板、第2一方板、第2他方板の斜視図である。
【0050】
図8、
図9、
図10に示すように、第1一方板51と、第1他方板52と、第2一方板56と、第2他方板57と、は、内部に複数の細長形状の空間60を有する。第1一方板51と、第1他方板52と、第2一方板56と、第2他方板57と、は、略段ボール形状である。第1一方板51と、第1他方板52と、第2一方板56と、第2他方板57と、は、2枚の樹脂製の板である外板61の間に、多数の細長の樹脂製の板である内板62が所定の距離を有し、重なるように平行に配置されている。内板62のそれぞれの長辺が、2枚の外板61に固定されている。2枚の外板61に挟まれ、隣り合った2枚の内板62の間が空間60となる。
【0051】
これにより、風路内の騒音の一部は、風路から空間60内に入ったり、空間60内から風路に出たりしていると考えられる。空間60内では、風路から空間60内に入る進行音と、空間60内から風路に出る反射音とが干渉することで、騒音を低減することができると考えられる。
【0052】
また、第1一方板51と第1他方板52とは、第1風路21aにおける第2方向の一方側の風路内面と、第1風路21aにおける第2方向の他方側の風路内面と、に延びている。つまり、第1案内部50は、第1ケーシング32の第1スクロールと、第1一方板51と、第1他方板52と、に囲まれ、更に、第1風路21aにおける第2方向の一方側の風路内面と、第1風路21aにおける第2方向の他方側の風路内面と、に挟まれた第1空間63を有している。第1案内部50は、略三角柱の中空形状を有している。
【0053】
これにより、第1一方板51から略三角柱の中空形状の第1案内部50内の第1空間63に入った音が、再び、第1一方板51の空間60に入り、風路から第1一方板51の空
間60内に入る音と、空間60内で干渉することで、騒音を低減することができると考えられる。同様に、第1他方板52から略三角柱の中空形状の第1案内部50内の第1空間63に入った音が、再び、第1他方板52の空間60に入り、風路から第1他方板52の空間60内に入る音と、空間60内で干渉することで、騒音を低減することができると考えられる。
【0054】
また、第2一方板56と第2他方板57とは、第2風路21bにおける第2方向の一方側の風路内面と、第2風路21bにおける第2方向の他方側の風路内面と、に延びている。つまり、第2案内部55は、第2ケーシング42の第2スクロールと、第2一方板56と、第2他方板57と、に囲まれ、更に、第2風路21bにおける第2方向の一方側の風路内面と、第2風路21bにおける第2方向の他方側の風路内面と、に挟まれた第2空間64を有している。第2案内部55は、略三角柱の中空形状を有している。
【0055】
これにより、第2一方板56から略三角柱の中空形状の第2案内部55内の第2空間64に入った音が、再び、第2一方板56の空間60に入り、風路から第2一方板56の空間60内に入る音と、空間60内で干渉することで、騒音を低減することができると考えられる。同様に、第2他方板57から略三角柱の中空形状の第2案内部55内の第2空間64に入った音が、再び、第2他方板57の空間60に入り、空間60内で干渉することで、騒音を低減することができると考えられる。
【産業上の利用可能性】
【0056】
本発明は、空間を加湿する空気調和装置として適している。
【符号の説明】
【0057】
1 空気調和装置
2 本体ケース
3 送風機
4 空気調和部
5 制御部
6 操作部
6a カバー
7 吸気口
8 吹出口
9 パネル
10 空洞部
11 貯水容器
12 タンク部材
13 気液接触部分
14 タンク
14a 開口
15 蓋
15a 筒部分
15b 孔
16 弁部
17 フィルター
18 フィルター枠
19 軸受け部
21 風路
21a 第1風路
21b 第2風路
22 モータ部
23 第1回転軸
24 第2回転軸
30 第1送風部
31 第1羽根
32 第1ケーシング
33 第1吐出口
34 第1一方側吸込口
35 第1他方側吸込口
36 第1一方側吸込面
37 第1他方側吸込面
38 第1スクロール面
39 第1舌部
40 第2送風部
41 第2羽根
42 第2ケーシング
43 第2吐出口
44 第2一方側吸込口
45 第2他方側吸込口
46 第2一方側吸込面
47 第2他方側吸込面
48 第2スクロール面
49 第2舌部
50 第1案内部
51 第1一方板
52 第1他方板
55 第2案内部
56 第2一方板
57 第2他方板
60 空間
61 外板
62 内板
63 第1空間
64 第2空間